(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
乳風味は飲食品における最も好まれる風味のひとつである。
ただし「乳風味」と一言で言っても、飲食品の水分含量や油分含量、あるいは固形分含量、さらには飲食品の物性によって、それは牛乳の風味であったり、生クリームの風味であったり、バターの風味であったりすることがある。
たとえば、飲料などの水分がその主体であり固形分の少ない液体では、乳風味といえば牛乳の風味であるが、シチューなどの固形分がやや多い粘度の高い液体やペースト状の食品では、乳風味といえば生クリームの風味であることが多く、マーガリンのような可塑性油脂あるいはクロワッサンやバターケーキのようなベーカリー製品などの、水分含量の低い固形の食品では、乳風味といえばバターの風味であることが多い。
【0003】
このように乳風味といってもその意味する風味がばらばらである理由は、飲食品に乳製品を使用する場合、水分の少ない飲料には牛乳を使用し、固形分が多く水分含量が少ない飲食品には生クリームを使用し、水分含量の低い固形の食品にはバターを使用するのが基本であり、牛乳、生クリーム、バターでは、その呈味主体が異なるためである。
すなわち、牛乳から生クリーム、生クリームからバター、という乳製品の製造過程で油分及び油溶性成分は濃縮され、水分及び水溶性成分は除去されるので、牛乳、生クリーム、バターではそれぞれ油溶性成分の風味と水溶性成分の風味の構成比率が異なる。
【0004】
またこれらの乳製品の乳風味に影響する要素として乳化構造の違いもある。すなわち、牛乳と生クリームは水中油型乳化物であるが、バターは油中水型乳化物であるため風味の感じ方が弱くなっているのである。そのため、牛乳の風味と生クリームの風味は近似しているが、牛乳の風味とバターの風味は明確に異なる。
【0005】
ところで、以上のような一般的な乳風味と飲食品の関係と異なり、最近では、マーガリンなどの可塑性油脂や、クロワッサンやバターケーキなどのベーカリー製品などの、水分含量の低い固形の食品であっても牛乳の風味が求められることがある。
これは、低脂肪化志向という市場の変化によるものと思われる。すなわち、本来バターの風味が主であったこれらの水分含量の低い固形の食品においては、バターの風味が強いとたとえ低脂肪であったとしても油分含量が高いと感じやすく、反対に、牛乳の風味とすると低脂肪であると感じることができるようになるためである。
【0006】
ここで、このような水分含量の低い固形の食品に対して牛乳の風味を付与するためには、生クリームを使用したり、牛乳の水相成分を濃縮した濃縮乳、脱脂乳、バターミルク、ホエイ、それらを粉末化した全粉乳、脱脂粉乳、バターミルクパウダー、ホエイパウダーなどの乳製品を使用するのが一般的である。
【0007】
しかし、生クリームは水分含量が約60質量%とやや高いため、パン生地やバターケーキ生地に配合可能な量、あるいはマーガリンの水相に使用可能な量では十分な牛乳の風味を付与することはできない。また、上記各種乳製品はたんぱく質を多く含有するなど水への溶解度が低く、その場合マーガリンやベーカリー生地に多量に配合することは難しく、また、これらの乳製品は、牛乳の水相成分の一部しか濃縮していなかったり、製造過程の熱処理等で、好ましくない風味が付与されてしまっていたりしているため、飲食品に使用した場合にも良好な牛乳の風味を付与することはできなかった。
さらに生クリームやこれらの乳製品を使用したベーカリー製品では、ベーキング過程で風味が変化するため、牛乳の風味あるいは生クリームの風味(以下、あわせてミルク風味という)が感じられなくなってしまったり、逆にコクがない乳風味のベーカリー製品になってしまったりする。
【0008】
このような理由のため、マーガリンやベーカリー製品にバター風味を付与する発明は多く見られる(例えば特許文献1〜3参照)が、マーガリンに良好なミルク風味を付与する方法についての研究はほとんどなく、リン脂質を多く含有する特定の乳原料を使用する方法(例えば特許文献4参照)が見られる程度であり、ベーカリー製品に良好なミルク風味を付与する方法については全く研究されていなかった。
そして、特許文献4に記載の可塑性油脂組成物をベーカリー製品に使用した場合には、コクのある良好なミルク風味が得られないという問題があった。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の可塑性油中水型乳化油脂組成物は、乳たんぱく質を0.5〜5質量%、好ましくは1.0〜4.5質量%、より好ましくは1.0〜2.5質量%含有する。
乳たんぱく質の含有量が0.5質量%未満であると、可塑性油中水型乳化油脂組成物、さらにはベーカリー製品がミルク風味を全く得られない。一方、乳たんぱく質の含有量が5質量%を超えると、水相に溶解せずザラが残った可塑性油中水型乳化油脂組成物になったり、得られるベーカリー製品に斑点を生じさせたりするおそれがある。
なお、乳たんぱく質は、カゼインたんぱく質とホエイたんぱく質に大別される。
【0015】
上記カゼインたんぱく質としては、αs1−カゼイン、αs2−カゼイン、β−カゼイン、γ−カゼイン、κ−カゼインの各単体や、これらの混合物、もしくはこれらを含んだ食品素材、アルカリカゼイン(カゼイネート)、酸カゼイン等が挙げられ、これらの中から選ばれた1種または2種以上を用いることができる。
【0016】
上記ホエイたんぱく質としては、ラクトアルブミン、βラクトグロブリンの各単体や、これらの混合物、もしくはこれらを含んだ食品素材、乳清たんぱく質、ホエイ、ホエイパウダー、脱乳糖ホエイ、脱乳糖ホエイパウダー、ホエイたんぱく質濃縮物(ホエイプロテインコンセントレート)等が挙げられ、これらの中から選ばれた1種または2種以上を用いることができる。
【0017】
また、上記乳たんぱく質として、上記カゼインたんぱく質と上記ホエイたんぱく質の両方を含有する乳原料、例えば、生乳、牛乳、加糖練乳、加糖脱脂れん乳、無糖れん乳、無糖脱脂れん乳、脱脂乳、バターミルク、バターミルクパウダー、トータルミルクプロテイン(TMP)、脱脂粉乳、全粉乳、ミルクプロテインコンセントレート(MPC)、クリーム、クリームチーズ、ナチュラルチーズ、プロセスチーズ等が挙げられ、これらの中から選ばれた1種または2種以上を用いることができる。
【0018】
また、さらに、本発明の可塑性油中水型乳化油脂組成物では、乳たんぱく質に占めるホエイたんぱく質の割合が好ましくは40〜100質量%、より好ましくは70〜100質量%であると、可塑性油中水型乳化油脂組成物に良好なミルク風味を付与することができ、さらにはベーカリー製品にコクのある良好なミルク風味を付与することができることに加え、ボソつきのない滑らかな物性の可塑性油中水型乳化油脂組成物とすることができる点において好ましい。
【0019】
本発明の可塑性油中水型乳化油脂組成物は、糖類を5〜30質量%、好ましくは8〜20質量%、より好ましくは10〜20質量%含有する。
糖類の含有量が5質量%未満であると、可塑性油中水型乳化油脂組成物、さらにはベーカリー製品がミルク風味を全く得られない。一方、糖類の含有量が30質量%を超えると、可塑性油中水型乳化油脂組成物はミルク風味よりも甘味が強い単なる加糖マーガリンになってしまい、また、得られるベーカリー製品においても甘味が強くミルク風味が感じられなくなってしまう。
【0020】
本発明で使用する糖類としては、単糖類、二糖類、オリゴ糖等の低分子の糖類であれば特に限定されず、例えば、上白糖、グラニュー糖、粉糖、液糖、ブドウ糖、果糖、ショ糖、麦芽糖、乳糖、酵素糖化水飴、異性化液糖、ショ糖結合水飴、オリゴ糖、トレハロース、キシロース、フラクトオリゴ糖、大豆オリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、乳果オリゴ糖、ラフィノース、ラクチュロース、パラチノースオリゴ糖等が挙げられる。これらの糖類は、単独で用いることもでき、又は2種以上を組み合わせて用いることもできる。
【0021】
なお、本発明の可塑性油中水型乳化油脂組成物では、可塑性油中水型乳化油脂組成物、さらにはベーカリー製品の噛みはじめの風味(以降、トップの風味という)及び咀嚼中の風味(以降、ミドルの風味という)に十分な強度の良好なミルク風味が得られることから、糖類に占める果糖の割合が固形分換算で30〜70質量%であることが好ましく、より好ましくは40〜70質量%、さらに好ましくは45〜55質量%である。果糖の割合が30質量%未満であると、噛みはじめの風味(以降、トップの風味という)に良好なミルク風味が出てこないため、バランスのとれたミルク風味が得られにくい。また、果糖の割合が70質量%を超えると、トップの風味に鋭い甘味を感じるため、バランスのとれたミルク風味が得られにくい。
【0022】
なお、本発明の可塑性油中水型乳化油脂組成物では、糖類に占める乳糖の割合が固形分換算で5〜20質量%であることが好ましく、より好ましくは5〜15質量%である。乳糖の割合が5質量%未満であると、厚みのあるミルク風味が得られにくい。また、乳糖の割合が20質量%を超えると、可塑性油中水型乳化油脂組成物の水相に溶解せず、ダマを生じてしまうおそれがある。
【0023】
なお、本発明の可塑性油中水型乳化油脂組成物では、糖類以外に、糖アルコールが含まれると、厚みのあるミルク風味にならないため、糖アルコールの含有量は10質量%(組成物基準)以下とすることが好ましく、より好ましくは1質量%以下、さらに好ましくは含有しないことが好ましい。
【0024】
本発明の可塑性油中水型乳化油脂組成物は、上記乳たんぱく質1質量部に対して上記糖類を固形分換算で5〜30質量部、好ましくは8〜20質量部、より好ましくは8〜15質量部含有するものである。
乳たんぱく質1質量部に対し糖類が5質量部未満であると、可塑性油中水型乳化油脂組成物、さらにはベーカリー製品に十分なミルク風味を付与することができず、30質量部を超えると可塑性油中水型乳化油脂組成物、さらにはベーカリー製品の甘味が強すぎて、バランスの崩れたミルク風味となる。
【0025】
本発明の可塑性油中水型乳化油脂組成物は、高甘味度甘味料を含有する。高甘味度甘味料を含有させることで、可塑性油中水型乳化油脂組成物、さらにはベーカリー製品の嚥下後の口中に残存する風味(以降、ラストの風味という)に十分なミルク風味を感じることができるようになる。
【0026】
上記高甘味度甘味料としては、砂糖に換算した場合の甘味度が50以上の甘味料、たとえばアセスルファムカリウム、スクラロース、ステビア、アスパルテーム、サッカリン、ネオテーム、甘草、羅漢果、グリチルリチン、グリチルリチン酸塩、ジヒドロカルコン、ソーマチン、モネリン等が挙げられ、これらの中から選ばれた1種又は2種以上を用いることができる。通常、ステビア、甘草及び羅漢果は、適宜、抽出物として用いられ、サッカリンはナトリウム塩として用いられる。
【0027】
本発明の可塑性油中水型乳化油脂組成物において、上記の高甘味度甘味料の含有量は、乳たんぱく質1質量部に対する高甘味度甘味料の砂糖換算含量が好ましくは5〜25質量部、より好ましくは5〜20質量部、さらに好ましくは5〜10質量部となる量である。
本発明の可塑性油中水型乳化油脂組成物において、高甘味度甘味料の含有量が上記範囲の下限未満であると、可塑性油中水型乳化油脂組成物、さらにはベーカリー製品のラストの風味にミルク風味を感じることができず、上限超であるとトップ〜ラストの風味の全てにおいて甘味が強く、また人工的でバランスの崩れたミルク風味となる。
【0028】
なお、本発明の可塑性油中水型乳化油脂組成物では、上記高甘味度甘味料として、アセスルファムカリウム又はスクラロースを用いることが好ましく、アセスルファムカリウムとスクラロースとを併用することがさらに好ましい。
【0029】
本発明の可塑性油中水型乳化油脂組成物において、アセスルファムカリウムを用いる場合の含有量は、好ましくは0.0005〜0.1質量%、さらに好ましくは0.0015〜0.09質量%、最も好ましくは0.01〜0.1質量%である。
また、本発明の可塑性油中水型乳化油脂組成物において、スクラロースを用いる場合の含有量は、好ましくは0.00016〜0.033質量%、さらに好ましくは0.00048〜0.03質量%、最も好ましくは0.005〜0.05質量%である。
本発明の可塑性油中水型乳化油脂組成物において、アセスルファムカリウムとスクラロースとを併用する場合は、上記の含有量を満たしつつ、さらに質量基準でアセスルファムカリウム1に対し、スクラロースを好ましくは0.2〜2、さらに好ましくは0.3〜1.8、最も好ましくは0.3〜1.5となるように含有させることが望ましい。
【0030】
本発明の可塑性油中水型乳化油脂組成物は、油脂を含有する。
上記油脂としては、例えば、パーム油、パーム核油、ヤシ油、コーン油、綿実油、大豆油、ナタネ油、米油、ヒマワリ油、サフラワー油、オリーブ油、キャノーラ油、牛脂、乳脂、豚脂、カカオ脂、魚油、鯨油等の各種植物油脂及び動物油脂、並びにこれらに水素添加、分別及びエステル交換から選択される1又は2以上の処理を施した加工油脂等が挙げられる。これらの油脂は、単独で用いることもでき、又は2種以上を組み合わせて用いることもできる。
本発明の可塑性油中水型乳化油脂組成物における、油脂の含有量は、好ましくは20〜95質量%、更に好ましくは50〜90質量%、最も好ましくは70〜90質量%である。本発明において、油脂の含有量が20質量%よりも少ないと油中水型の乳化物が不安定となりやすく、95質量%よりも多いと水相成分の呈味を感じられなくなりやすい。
なお、本発明の可塑性油中水型乳化油脂組成物に、油脂を含有する原材料を使用した場合は、上記油脂の含有量には、それらの原材料に含まれる油脂分も含めるものとする。
【0031】
また、本発明の可塑性油中水型乳化油脂組成物は、水分を好ましくは5〜40質量%、更に好ましくは5〜30質量%、最も好ましくは5〜20質量%含有する。
尚、ここでいう水分とは、水道水や天然水等の配合水以外にも、牛乳、液糖等の水分を含む原材料に含まれる水分も含めたものとする。
【0032】
本発明の可塑性油中水型乳化油脂組成物は、必要に応じて、本発明の効果を妨げない範囲において、その他の成分を含有することができる。その他の成分としては、レシチン、グリセリン脂肪酸エステル、グリセリン酢酸脂肪酸エステル、グリセリン乳酸脂肪酸エステル、グリセリンコハク酸脂肪酸エステル、グリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ショ糖酢酸イソ酪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ステアロイル乳酸カルシウム、ステアロイル乳酸ナトリウム、ポリオキシエチレンソルビタンモノ脂肪酸エステル等の乳化剤、大豆たんぱく質、小麦たんぱく質、卵たんぱく質等の乳たんぱく質以外のたんぱく質、乳清ミネラル等の乳たんぱく質を含有しない乳や乳製品、グアーガム、ローカストビーンガム、カラギーナン、アラビアガム、アルギン酸類、ペクチン、キサンタンガム、プルラン、タマリンドシードガム、サイリウムシードガム、結晶セルロース、CMC、メチルセルロース、寒天、グルコマンナン、ゼラチン、澱粉、化工澱粉等の増粘安定剤、食塩や塩化カリウム等の塩味剤、アミラーゼ、プロテアーゼ、アミログルコシダーゼ、プルラナーゼ、ペントサナーゼ、セルラーゼ、リパーゼ、ホスフォリパーゼ、カタラーゼ、リポキシゲナーゼ、アスコルビン酸オキシダーゼ、スルフィドリルオキシダーゼ、ヘキソースオキシダーゼ、グルコースオキシダーゼ等の酵素、β―カロチン、カラメル、紅麹色素等の着色料類、酢酸、乳酸、グルコン酸等の酸味料、調味料、アミノ酸、pH調整剤、食品保存料、日持ち向上剤、トコフェロール、茶抽出物等の酸化防止剤、着香料、果実、果汁、ナッツペースト、香辛料、カカオマス、ココアパウダー、コーヒー、紅茶、緑茶、穀類、豆類、野菜類、肉類、魚介類等の食品素材等が挙げられる。
【0033】
次に、本発明の可塑性油中水型乳化油脂組成物の好ましい製造方法について述べる。
本発明の可塑性油中水型乳化油脂組成物は、例えば、乳たんぱく質を組成物中0.5〜5質量%となりうる量、糖類を組成物中5〜30質量%となりうる量、及び高甘味度甘味料を含有し、乳たんぱく質1質量部に対して糖類を5〜30質量部含有する水相と、油脂を主体とする油相を乳化し、急冷可塑化することにより得ることができる。
【0034】
具体的には、まず油脂に必要により乳化剤やその他の材料を添加した油相と、水に乳たんぱく質を組成物中0.5〜5質量%となりうる量、糖類を組成物中5〜30質量%となりうる量、及び高甘味度甘味料、必要によりそのほかの乳化剤やその他の材料を添加し、乳たんぱく質1質量部に対して糖類を5〜30質量部含有するようにした水相を油中水型に乳化し、乳化物とする。
【0035】
上記の油相と水相との質量比率(前者:後者)は、好ましくは油相:水相=30:70〜90:10、より好ましくは油相:水相は45:55〜80:20である。本発明において、油相が30質量%よりも少なく、水相が70質量%よりも多いと、乳化が不安定となりやすい。また、油相が90質量%よりも多く、水相が10質量%よりも少ないと、良好な可塑性が得られにくい。
【0036】
そして、次に殺菌処理するのが望ましい。殺菌方法は、タンクでのバッチ式でも、プレート型熱交換機や掻き取り式熱交換機を用いた連続式でも構わない。次に、冷却し、可塑化する。本発明において、上記の冷却は好ましくは−0.5℃/分以上、より好ましくは−5℃/分以上とする。この際、徐冷却より急速冷却の方が好ましい。冷却に用いる機器としては、密閉型連続式チューブ冷却機、例えばボテーター、コンビネーター、パーフェクター等のマーガリン製造機やプレート型熱交換機等が挙げられ、また、開放型のダイアクーラーとコンプレクターの組み合わせ等が挙げられる。
また、本発明の可塑性油中水型乳化油脂組成物を製造する際のいずれかの製造工程で、窒素、空気等を含気させても、含気させなくても構わない。
【0037】
なお、本発明の可塑性油中水型乳化油脂組成物は、シート状、ブロック状、円柱状、直方体等の形状としてもよい。
【0038】
本発明の可塑性油中水型乳化油脂組成物は、各種食品に用いることができ、例えば食パン、菓子パン、デニッシュ・ペストリー、パイ、シュー、ドーナツ、ケーキ、クッキー、ハードビスケット、ワッフル、スコーン等のベーカリー製品に、練り込み用、ロールイン用、サンド・フィリング用、スプレー・コーティング用、フライ用として使用することができるが、なかでも本発明の可塑性油中水型乳化油脂組成物は、ベーカリー生地製造時に練り込み及び/又はロールイン使用することが好ましく、とくに好ましくはロールイン使用する。
なお、本発明の可塑性油中水型乳化油脂組成物は、他にも、カレールウ用、バッター用、ソース用、フライ用等の調理・総菜用としてもまた使用することができる。
【0039】
次に本発明のベーカリー生地について説明する。
本発明のベーカリー生地は上述のように本発明の可塑性油中水型乳化油脂組成物を使用したものであり、好ましくはベーカリー生地製造時に練り込み及び/又はロールインしたものである。上記のベーカリー生地としては、例えば、クッキー生地、パイ生地、シュー生地、サブレ生地、スポンジケーキ生地、バターケーキ生地、ケーキドーナツ生地等の菓子生地や、食パン生地、フランスパン生地、バラエティブレッド生地、ブリオッシュ生地、デニッシュ生地、スイートロール生地、イーストドーナツ生地、マフィン生地、ピザ生地、スコーン生地、蒸しパン生地、ワッフル生地、イングリッシュマフィン生地、バンズ生地等のパン生地が挙げられるが、本発明のベーカリー生地は、良好なミルク風味が得られる点でパン生地であることが好ましい。
【0040】
上記のベーカリー生地における本発明の可塑性油中水型乳化油脂組成物の使用量は、ベーカリー生地の種類により異なるが、練り込み使用する場合で、菓子生地の場合は菓子生地に含まれる澱粉類100質量部に対し、好ましくは2〜30質量部、より好ましくは4〜21質量部であり、パン生地の場合はパン生地に含まれる澱粉類100質量部に対し、好ましくは2〜30質量部、より好ましくは4〜21質量部である。
なお、ロールイン使用する場合は、ベーカリー生地に含まれる澱粉類100質量部に対し、好ましくは10〜100質量部、より好ましくは10〜50質量部である。
【0041】
上記澱粉類としては、例えば、強力粉、準強力粉、中力粉、薄力粉、デュラム粉及び全粒粉などの小麦粉類、ライ麦粉、大麦粉、米粉などのその他の穀粉類、アーモンド粉、へーゼルナッツ粉、カシュ―ナッツ粉、オーナッツ粉及び松実粉などの堅果粉、コーンスターチ、タピオカ澱粉、小麦澱粉、甘藷澱粉、サゴ澱粉及び米澱粉などの澱粉並びにこれらの澱粉に酵素処理、α化処理、分解処理、エーテル化処理、エステル化処理、架橋処理及びグラフト化処理から選択される1以上の処理を施した化工澱粉等が挙げられる。
本発明では、澱粉類中、好ましくは小麦粉類を50質量%以上、より好ましくは70質量%以上、最も好ましくは100質量%使用することが望ましい。
【0042】
次に、本発明のベーカリー製品について述べる。
本発明のベーカリー製品は、上記の本発明のベーカリー生地を、適宜、分割、成形し、必要に応じホイロ、リタード、レストをとった後、加熱処理することにより得ることができる。
【0043】
上記成形は、どのような形状に成形してもよく、型詰めを行っても構わない。成形は、手作業で行っても、連続ラインを用いて全自動で行っても構わない。
上記加熱処理としては、例えば、焼成、フライ、蒸し、蒸し焼きが挙げられ、これらの中から選ばれた1種または2種以上の処理を行うことができるが焼成によることが好ましい。
また、得られた本発明のベーカリー製品を、冷蔵、冷凍保存したり、該保存後に電子レンジ加熱することも可能である。
【実施例】
【0044】
以下に実施例、比較例を挙げて、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。
【0045】
〔実施例1〕
パームスーパーオレインのランダムエステル交換油95質量%とパームステアリン5質量%との混合油脂70.97質量部を60℃に加熱し、グリセリンモノステアリン酸エステル1.0質量部及びレシチン0.5質量部を添加・溶解した油相を用意した。一方、砂糖混合ぶどう糖果糖液糖(固形分70質量%、固形分中の果糖含有量25質量%)10質量部、高果糖液糖(固形分70質量%、固形分中の果糖含有量90質量%)10質量部及び水4.5質量部を混合後60℃に加熱し、ホエイプロテインコンセントレート(たんぱく質含有量80質量%、たんぱく質中のホエイたんぱく質含量=100質量%、乳糖含量5質量%、果糖含有量0%)1.5質量部、乳糖1.5質量部、アセスルファムカリウム0.02質量部、及びスクラロース0.01質量部を添加・溶解した水相を用意した。上記油相と水相を油中水型の乳化物とし、殺菌し、急冷可塑化工程(冷却速度―20℃/分)にかけ、これをシート状に成型し、ロールイン用である可塑性油中水型乳化油脂組成物1を製造した。得られた可塑性油中水型乳化油脂組成物1は良好なミルク風味を有していた。
なお、得られた可塑性油中水型乳化油脂組成物1の乳たんぱく質含量、乳たんぱく質に占めるホエイたんぱく質の割合、糖類含量、糖類に占める果糖の割合、糖類に占める乳糖の割合、高甘味度甘味料含有量、乳たんぱく質1質量部に対する糖類含量、高甘味度甘味料の砂糖換算量、乳たんぱく質1質量部に対する高甘味度甘味料の砂糖換算含量については表1に記載した。
続いて、得られた可塑性油中水型乳化油脂組成物1を使用し、下記配合・製法により、本発明のベーカリー生地、及び、ベーカリー製品(リーフデニッシュパイ1)を得た。
得られたリーフデニッシュパイ1について焼成1時間後に喫食したところ、トップの風味、ミドルの風味及びラストの風味の全てにおいて十分な強度の、コク味のある良好なミルク風味が感じられた。
【0046】
<ベーカリー試験>
下記配合・製法により、本発明のベーカリー生地、及び、ベーカリー製品(デニッシュ)を得た。
強力粉70質量部、薄力粉30質量部、食塩1.6質量部、砂糖6質量部、脱脂粉乳3質量部、イーストフード0.1質量部、イースト4質量部、水54質量部、及び、練り込み油脂(マーガリン)5質量部をミキサーボウルに投入し、フックを用いて低速3分、中速5分ミキシングして得られた生地を、1kgに分割し、軽く丸めた後、2℃の冷蔵庫内で15時間生地をリタードした。この生地をシーターを用いて厚さ5mmまで伸展させたのち、この上面に、ロールイン用可塑性油中水型乳化油脂組成物1を200g積載し、厚さ5mmまで圧延し3つ折りし、生地の方向を90℃変えて、さらに厚さ5mmまで圧延し3つ折りをおこなった。ここで2℃で2時間リタードした後、厚さ5mmまで圧延し3つ折りし、デニッシュ生地を得た。
得られたデニッシュ生地を冷蔵庫内で2時間リタード後、シーターを用いて生地を厚さ6mmまで圧延し、直径60mmの菊型で生地を打ちぬいた。この打ちぬいた生地の両面にグラニュー糖を付着させた後、シーターで厚さ4mmまで圧延し、ピケ穴をあけ、32℃50分のホイロをとり、室温で10分レストを取った後、210℃に設定した固定窯で10分焼成し、リーフデニッシュパイを得た。
【0047】
〔実施例2〕
実施例1におけるホエイプロテインコンセントレート1.5質量部を、ホエイプロテインコンセントレートとカゼインナトリウム(たんぱく質含有量90質量%、たんぱく質中のホエイたんぱく質含量=0質量%)の等量混合物1.5質量部に変更した以外は、実施例1と同様の配合・製法で、可塑性油中水型乳化油脂組成物2を製造した。
なお、得られた可塑性油中水型乳化油脂組成物2の乳たんぱく質含量、乳たんぱく質に占めるホエイたんぱく質の割合、糖類含量、糖類に占める果糖の割合、糖類に占める乳糖の割合、高甘味度甘味料含有量、乳たんぱく質1質量部に対する糖類含量、高甘味度甘味料の砂糖換算量、乳たんぱく質1質量部に対する高甘味度甘味料の砂糖換算含量については表1に記載した。
続いて、得られた可塑性油中水型乳化油脂組成物2を使用した以外は実施例1と同様にして、本発明のベーカリー生地、及び、ベーカリー製品(リーフデニッシュパイ2)を得た。
得られたリーフデニッシュパイ2について焼成1時間後に喫食したところ、実施例1よりもやや強度は低いが、トップの風味、ミドルの風味及びラストの風味の全てにおいて十分な強度の、コクのある良好なミルク風味が感じられた。
【0048】
〔実施例3〕
実施例1における砂糖混合ぶどう糖果糖液糖を10質量部から20質量部に変更し、さらに、高果糖液糖を10質量部から無添加に変更した以外は、実施例1と同様の配合・製法で、可塑性油中水型乳化油脂組成物3を製造した。
なお、得られた可塑性油中水型乳化油脂組成物3の乳たんぱく質含量、乳たんぱく質に占めるホエイたんぱく質の割合、糖類含量、糖類に占める果糖の割合、糖類に占める乳糖の割合、高甘味度甘味料含有量、乳たんぱく質1質量部に対する糖類含量、高甘味度甘味料の砂糖換算量、乳たんぱく質1質量部に対する高甘味度甘味料の砂糖換算含量については表1に記載した。
続いて、得られた可塑性油中水型乳化油脂組成物3を使用した以外は実施例1と同様にして、本発明のベーカリー生地、及び、ベーカリー製品(リーフデニッシュパイ3)を得た。
得られたリーフデニッシュパイ3について焼成1時間後に喫食したところ、実施例1よりトップの風味のミルク風味がやや弱いが、トップの風味、ミドルの風味及びラストの風味の全てにおいて十分な強度の、コクのある良好なミルク風味が感じられた。
【0049】
〔実施例4〕
実施例1における砂糖混合ぶどう糖果糖液糖を無添加とし、さらに、高果糖液糖を10質量%から20質量%に変更した以外は、実施例1と同様の配合・製法で、可塑性油中水型乳化油脂組成物4を製造した。
なお、得られた可塑性油中水型乳化油脂組成物4の乳たんぱく質含量、乳たんぱく質に占めるホエイたんぱく質の割合、糖類含量、糖類に占める果糖の割合、糖類に占める乳糖の割合、高甘味度甘味料含有量、乳たんぱく質1質量部に対する糖類含量、高甘味度甘味料の砂糖換算量、乳たんぱく質1質量部に対する高甘味度甘味料の砂糖換算含量については表1に記載した。
続いて、得られた可塑性油中水型乳化油脂組成物4を使用した以外は実施例1と同様にして、本発明のベーカリー生地、及び、ベーカリー製品(リーフデニッシュパイ4)を得た。
得られたリーフデニッシュパイ4について焼成1時間後に喫食したところ、実施例1よりトップの甘味がやや強いが、トップの風味、ミドルの風味及びラストの風味の全てにおいて十分な強度の、コクのある良好なミルク風味が感じられた。
【0050】
〔比較例1〕
実施例1におけるホエイプロテインコンセントレート1.5質量部を4.5質量部に変更し、水を4.5質量部から1.5質量部に変更した以外は、実施例1と同様の配合・製法で、可塑性油中水型乳化油脂組成物5を製造した。
なお、得られた可塑性油中水型乳化油脂組成物5の乳たんぱく質含量、乳たんぱく質に占めるホエイたんぱく質の割合、糖類含量、糖類に占める果糖の割合、糖類に占める乳糖の割合、高甘味度甘味料含有量、乳たんぱく質1質量部に対する糖類含量、高甘味度甘味料の砂糖換算量、乳たんぱく質1質量部に対する高甘味度甘味料の砂糖換算含量については表1に記載した。
続いて、得られた可塑性油中水型乳化油脂組成物5を使用した以外は実施例1と同様にして、比較例のベーカリー生地、及び、ベーカリー製品(リーフデニッシュパイ5)を得た。
得られたリーフデニッシュパイ5について焼成1時間後に喫食したところ、ミルク風味が全体的に弱く、とくにラストの風味にミルク風味が不足し、バランスの悪い乳風味であった。
【0051】
〔比較例2〕
実施例1におけるホエイプロテインコンセントレート1.5質量部を脱脂粉乳(たんぱく質含有量35質量%、たんぱく質中のホエイたんぱく質含量=20質量%、乳糖含量53質量%、果糖含有量0%)1.5質量部に変更した以外は、実施例1と同様の配合・製法で、可塑性油中水型乳化油脂組成物6を製造した。
なお、得られた可塑性油中水型乳化油脂組成物6の乳たんぱく質含量、乳たんぱく質に占めるホエイたんぱく質の割合、糖類含量、糖類に占める果糖の割合、糖類に占める乳糖の割合、高甘味度甘味料含有量、乳たんぱく質1質量部に対する糖類含量、高甘味度甘味料の砂糖換算量、乳たんぱく質1質量部に対する高甘味度甘味料の砂糖換算含量については表1に記載した。
続いて、得られた可塑性油中水型乳化油脂組成物6を使用した以外は実施例1と同様にして、比較例のベーカリー生地、及び、ベーカリー製品(リーフデニッシュパイ6)を得た。
得られたリーフデニッシュパイ6について焼成1時間後に喫食したところ、ミルク風味が全体的に弱く、また、ラストの風味に甘味が強すぎ、バランスの悪い乳風味であった。
【0052】
〔比較例3〕
実施例1における砂糖混合ぶどう糖果糖液糖及び高果糖液糖を無添加とし、水を4.5質量部から10.5質量部に変更し、さらに混合油脂を70.97質量部から84.97質量部に変更した以外は、実施例1と同様の配合・製法で、可塑性油中水型乳化油脂組成物7を製造した。
なお、得られた可塑性油中水型乳化油脂組成物7の乳たんぱく質含量、乳たんぱく質に占めるホエイたんぱく質の割合、糖類含量、糖類に占める果糖の割合、糖類に占める乳糖の割合、高甘味度甘味料含有量、乳たんぱく質1質量部に対する糖類含量、高甘味度甘味料の砂糖換算量、乳たんぱく質1質量部に対する高甘味度甘味料の砂糖換算含量については表1に記載した。
続いて、得られた可塑性油中水型乳化油脂組成物7を使用した以外は実施例1と同様にして、比較例のベーカリー生地、及び、ベーカリー製品(リーフデニッシュパイ7)を得た。
得られたリーフデニッシュパイ7について焼成1時間後に喫食したところ、ミルク風味が全体的に極めて弱く、とくにトップの風味及びミドルの風味にミルク風味が感じられなかった。
【0053】
〔比較例4〕
実施例1における砂糖混合ぶどう糖果糖液糖及び高果糖液糖を共に10質量部から5質量部に変更し、ホエイプロテインコンセントレート1.5質量部を0.5質量部とし、アセスルファムカリウム0.02質量部を0.01質量部に、スクラロース0.01質量部を0.005質量部に変更し、さらに水の配合量を4.5質量部から7.5質量部に変更した以外は、実施例1と同様の配合・製法で、可塑性油中水型乳化油脂組成物8を得た。
なお、得られた可塑性油中水型乳化油脂組成物8の乳たんぱく質含量、乳たんぱく質に占めるホエイたんぱく質の割合、糖類含量、糖類に占める果糖の割合、糖類に占める乳糖の割合、高甘味度甘味料含有量、乳たんぱく質1質量部に対する糖類含量、高甘味度甘味料の砂糖換算量、乳たんぱく質1質量部に対する高甘味度甘味料の砂糖換算含量については表1に記載した。
続いて、得られた可塑性油中水型乳化油脂組成物8を使用した以外は実施例1と同様にして、比較例のベーカリー生地、及び、ベーカリー製品(リーフデニッシュパイ8)を得た。
得られたリーフデニッシュパイ8について焼成1時間後に喫食したところ、甘味が強すぎ、全くミルク風味が感じられなかった。
【0054】
〔比較例5〕
実施例1におけるホエイプロテインコンセントレート1.5質量部を0.5質量部とし、水の配合量を4.5質量部から5.5質量部に変更した以外は、実施例1と同様の配合・製法で、可塑性油中水型乳化油脂組成物9を得た。
なお、得られた可塑性油中水型乳化油脂組成物9の乳たんぱく質含量、乳たんぱく質に占めるホエイたんぱく質の割合、糖類含量、糖類に占める果糖の割合、糖類に占める乳糖の割合、高甘味度甘味料含有量、乳たんぱく質1質量部に対する糖類含量、高甘味度甘味料の砂糖換算量、乳たんぱく質1質量部に対する高甘味度甘味料の砂糖換算含量については表1に記載した。
続いて、得られた可塑性油中水型乳化油脂組成物9を使用した以外は実施例1と同様にして、比較例のベーカリー生地、及び、ベーカリー製品(リーフデニッシュパイ9)を得た。
得られたリーフデニッシュパイ9について焼成1時間後に喫食したところ、ミルク風味が全体的に極めて弱く、また、とくにラストの甘味が強すぎ、ほとんど乳風味が感じられなかった。
【0055】
〔比較例6〕
実施例1におけるアセスルファムカリウム及びスクラロースを無添加とし、水の配合量を4.5質量部から4.53質量部に変更した以外は、実施例1と同様の配合・製法で、可塑性油中水型乳化油脂組成物10を得た。
なお、得られた可塑性油中水型乳化油脂組成物10の乳たんぱく質含量、乳たんぱく質に占めるホエイたんぱく質の割合、糖類含量、糖類に占める果糖の割合、糖類に占める乳糖の割合、高甘味度甘味料含有量、乳たんぱく質1質量部に対する糖類含量、高甘味度甘味料の砂糖換算量、乳たんぱく質1質量部に対する高甘味度甘味料の砂糖換算含量については表1に記載した。
続いて、得られた可塑性油中水型乳化油脂組成物10を使用した以外は実施例1と同様にして、比較例のベーカリー生地、及び、ベーカリー製品(リーフデニッシュパイ10)を得た。
得られたリーフデニッシュパイ10について焼成1時間後に喫食したところ、トップの風味及びミドルの風味は十分な強度の良好なミルク風味であるが、ラストの風味にミルク風味が感じられなかった。
【0056】
【表1】