特許第6282933号(P6282933)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6282933
(24)【登録日】2018年2月2日
(45)【発行日】2018年2月21日
(54)【発明の名称】コンテナ内航船情報管理システム
(51)【国際特許分類】
   B65G 63/00 20060101AFI20180208BHJP
   G06Q 50/28 20120101ALI20180208BHJP
【FI】
   B65G63/00 J
   G06Q50/28
【請求項の数】4
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-106761(P2014-106761)
(22)【出願日】2014年5月23日
(65)【公開番号】特開2015-221708(P2015-221708A)
(43)【公開日】2015年12月10日
【審査請求日】2017年3月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005902
【氏名又は名称】三井造船株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091306
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 友一
(74)【代理人】
【識別番号】100152261
【弁理士】
【氏名又は名称】出口 隆弘
(74)【代理人】
【識別番号】100174609
【弁理士】
【氏名又は名称】関 博
(72)【発明者】
【氏名】多田 淳一
(72)【発明者】
【氏名】川上 周
【審査官】 福島 和幸
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−068418(JP,A)
【文献】 特開2002−288564(JP,A)
【文献】 特開2002−211762(JP,A)
【文献】 特表2008−542886(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 63/00
B65G 67/60
G06Q 50/28
G06Q 50/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内航船の寄港するコンテナターミナル情報と、コンテナターミナルで揚げ積みするコンテナ情報からなる内航船動静情報を作成可能な内航船動静情報登録部と、
前記内航船動静情報に基づいて、前記コンテナターミナルで揚げ積みするコンテナの揚げ積み情報と、前記内航船に積む前記コンテナの本船座標情報を示す内航船揚げ積み情報を作成可能な内航船揚げ積み情報/出航情報作成部と、
前記内航船揚げ積み情報を前記コンテナターミナルのオペレーションシステムへ送信可能な送信部と、
を有することを特徴とするコンテナ内航船情報管理システム。
【請求項2】
前記コンテナターミナルで前記内航船に揚げ積みした前記コンテナの内航船揚げ積み結果を受信可能な受信部を備え、
前記内航船揚げ積み情報/出航情報作成部は、前記内航船揚げ積み結果に基づいて、前記コンテナの揚げ積み情報と、前記本船座標情報を更新した内航船出航情報を作成可能とすることを特徴とする請求項1に記載のコンテナ内航船情報管理システム。
【請求項3】
前記本船座標情報は、前記コンテナの揚げ積み情報とリンクして画面上に図示した本船上に前記コンテナの配置場所を表示可能なことを特徴とする請求項1又は2に記載のコンテナ内航船情報管理システム。
【請求項4】
前記内航船揚げ積み情報に基づいて、前記内航船の運航状況、前記コンテナの追跡情報を作成可能な照会部を備えたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のコンテナ内航船情報管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、日本国内でコンテナを輸送する内航船の揚げ積み状況を把握できるコンテナ内航船情報管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
海上コンテナ輸送で大型船が寄港できる主要コンテナターミナルは限定されているため、主要コンテナターミナルと各地方コンテナターミナルの間を結ぶ短距離のコンテナ輸送は、一般に国内の貨物輸送のみを扱う内航船で行われている。
このような海上コンテナ輸送では、コンテナの大きさ、行き先などのコンテナ情報を内航船社、コンテナターミナルへといち早く、正確に知らせて、タイムロスをなくして輸送の効率化を図ることが重要となる。
【0003】
従来、海外貿易を行う船社は、自社にて運航している本船に搭載している又は積載予定のコンテナの情報を管理し、どこ行きのコンテナがあるかを把握し、寄港する各コンテナターミナルへコンテナ情報を、EDI(Electronic Date Interchange)を利用して送受信可能な管理システムを構築している(例えば特許文献1に開示)。
また、コンテナ物流情報をターミナルオペレーター、荷主、運送事業者間で共有するコンテナ物流情報サービスがある。コンテナ物流情報サービスは、各コンテナターミナルにおけるコンテナ情報、船舶動静情報を検索することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−68418号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら従来の内航船は、運航会社、本船自体の規模が小さく、特許文献1に開示のようなインターネット等を利用したコンテナ情報を共有できるシステム化が進んでおらず、情報の授受手段はFAX、メールの添付ファイル、電話などを用いていた。このため効率が悪く、正確性も欠け、タイムラグが生じるおそれがあった。
またコンテナ物流情報サービスは、各コンテナターミナルにおける現状のコンテナ情報、船舶動静情報を知ることができるのみである。
【0006】
そこで上記従来技術の問題点に鑑み、本発明は、内航船社と船社とコンテナターミナル間でコンテナ内航船のリアルタイムの揚げ積み情報を共有することができるコンテナ内航船情報管理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記の課題を解決するための第1の手段として、内航船の寄港するコンテナターミナル情報と、コンテナターミナルで揚げ積みするコンテナ情報からなる内航船動静情報を作成可能な内航船動静情報登録部と、前記内航船動静情報に基づいて、前記コンテナターミナルで揚げ積みするコンテナの揚げ積み情報と、前記内航船に積む前記コンテナの本船座標情報を示す内航船揚げ積み情報を作成可能な内航船揚げ積み情報/出航情報作成部と、前記内航船揚げ積み情報を前記コンテナターミナルのオペレーションシステムへ送信可能な送信部と、を有することを特徴とするコンテナ内航船情報管理システムを提供することにある。
【0008】
本発明は、上記の課題を解決するための第2の手段として、前記第1の手段において、前記コンテナターミナルで前記内航船に揚げ積みした前記コンテナの内航船揚げ積み結果を受信可能な受信部を備え、前記内航船揚げ積み情報/出航情報作成部は、前記内航船揚げ積み結果に基づいて、前記コンテナの揚げ積み情報と、前記本船座標情報を更新した内航船出航情報を作成可能とすることを特徴とするコンテナ内航船情報管理システムを提供することにある。
【0009】
本発明は、上記の課題を解決するための第3の手段として、前記第1又は第2の手段において、前記本船座標情報は、前記コンテナの揚げ積み情報とリンクして画面上に図示した本船上に前記コンテナの配置場所を表示可能なことを特徴とするコンテナ内航船情報管理システムを提供することにある。
【0010】
本発明は、上記の課題を解決するための第4の手段として、前記第1ないし第3のいずれか1に記載の手段において、前記内航船揚げ積み情報に基づいて、前記内航船の運航状況、前記コンテナの追跡情報を作成可能な照会部を備えたことを特徴とするコンテナ内航船情報管理システムを提供することにある。
【発明の効果】
【0011】
上記のような本発明によれば、内航船社の揚げ積みコンテナ情報に基づいた内航船揚げ積み情報を内航船社、船社、コンテナターミナル間で共有することができる。これにより、従来、内航船社と、各コンテナターミナルの間でコンテナの揚げ積み情報の受渡の遅延が生じていた問題を解消できる。
上記のような本発明によれば、コンテナターミナルで内航船に積んだ結果に基づいて内航船揚げ積み情報を速やかに更新することができる。
【0012】
上記のような本発明によれば、画面上にコンテナの揚げ積み情報と、揚げ積み情報とリンクさせた本船座標情報を表示することにより、各コンテナターミナルにおいて内航船揚げ積みプランを容易に作成することができる。
上記のような本発明によれば、港運会社、外航船社、荷主などが、リアルタイムの内航船の運航状況、コンテナの追跡情報を容易に検索することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明のコンテナ内航船情報管理システムのブロック図である。
図2】本発明のコンテナ内航船情報管理システムの構成概略図である。
図3】本発明のコンテナ内航船情報管理システムの説明図である。
図4】内航船動静情報の登録表示画面の説明図である。
図5】内航船揚げ積み情報の表示画面の説明図である。
図6】内航船出航情報の表示画面の説明図である。
図7】本発明のコンテナ内航船情報管理方法の処理フローである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明のコンテナ内航船情報管理システムの実施形態を添付の図面を参照しながら、以下詳細に説明する。
【0015】
図1は本発明のコンテナ内航船情報管理システムのブロック図である。図2は本発明のコンテナ内航船情報管理システムの構成概略図である。図3は本発明のコンテナ内航船情報管理システムの説明図である。
図2に示すように、本発明のコンテナ内航船情報管理システム10のユーザーは、内航船社12と、港運会社、外航船社、荷主などの船社14と、コンテナターミナル16である。
内航船社12は内航船を扱う船会社である。内航船は、日本国内の貨物輸送のみに用いられ、例えば、外航船からのコンテナを国内各地の港のみへ輸送、又は国内各地の港から外航船へコンテナを輸送する船である。
船社14は、外航船などの大型船を扱う港運会社、外航船社、荷主である。
コンテナターミナル16は、コンテナ船のコンテナの揚げ積み作業、保管、管理、陸上輸送の受渡を主な業務とする日本の主要都市に設けられた港湾施設である。
【0016】
[コンテナ内航船情報管理システム10]
本発明のコンテナ内航船情報管理システム10は、登録された内航船社、船社、コンテナターミナル側の作業端末(PC:パーソナル コンピューター)とインターネットなどの電気通信回線を通じて接続された情報管理サーバである。コンテナ内航船情報管理システム10は、WEBアプリケーションによって構築され、各種データが記録されたデータベースを備えている。また、コンテナ内航船情報管理システム10は、あらかじめ記録されている利用者のみからのアクセスを許可するセキュリティ機能を設けることもできる。コンテナ内航船情報管理システム10は、入力部20と、内航船船型登録部25と、内航船動静情報登録部30と、内航船揚げ積み情報/出航情報作成部40と、照会部60と、データ記憶部70と、送信部80と、受信部90と、を主な基本構成としている。
【0017】
[入力部20]
入力部20は、内航船の船型、運航情報、コンテナの揚げ積み情報に関する情報を端末画面上に表示し、入力された情報をデータベースに書き込んでいる。
【0018】
[内航船船型登録部25]
内航船船形登録部25は、内航船社12が作業端末で入力可能な内航船の船名、船型、コンテナ積載重量、積載可能なコンテナの段数・列数などを登録するものである。
また、内航船船型登録部25は、船内に配置するコンテナの位置情報となるコンテナ座標の定義を船毎に登録するものである。例えば、コンテナ座標は、本船の段数、X座標(ベイ番号)、Y座標(ロー番号)などのように特定する。なおバージ船のように座標がない船の場合には、コンテナ積載本数、重量のみ登録することができる。
【0019】
[内航船動静情報登録部30]
内航船動静情報登録部30は、内航船社が作業端末で入力可能な内航船の寄港スケジュール、各コンテナターミナルのコンテナ揚げ積み情報に関する内航船の動静情報(運航状況)を作成登録する。図4は、内航船動静情報の登録表示画面の説明図である。図示のように、内航船動静情報の寄港地欄31には、内航船が寄港する港が順に表示される。ターミナル欄32には、寄港地においてコンテナを揚げ積みするコンテナターミナルが表示される。内航船の寄港予定日および実際に寄港した日付が寄港予定日欄33、寄港実績日欄34にそれぞれ表示される。発注港運会社欄35には、発注先の船社が表示される。揚積欄36には内航船からコンテナを揚げ下すときは「揚」、又は内航船にコンテナを積み込むときは「積」、揚げ積みの両方がある場合には「揚積」が表示される。揚#20/40欄37には、内航船から揚げ下すコンテナの大きさ(20フィートコンテナ又は40フィートコンテナ)、コンテナ数が集計表示される。例えば、第2行目の欄には20フィートのコンテナが36個、40フィートのコンテナが40個を内航船から揚げ下すことがわかる。同様に積#20/40欄38には、内航船へ積み込むコンテナの大きさ、コンテナ数が集計表示される。例えば、第1行目の欄には20フィートのコンテナが115個、40フィートのコンテナが125個を内航船へ積み込むことがわかる。
【0020】
出港時ベイプラン欄39は、後述する各コンテナターミナルから送信された内航船揚げ積み結果の確定状況を表示する欄である。確定された出港時の内航船揚げ積み結果は、次港以後の入港時の内航船揚げ積みプランとして使用することができる。この画面において、どこのコンテナターミナルの出港時の内航船揚げ積み結果を入港時に用いるかを選択することができる。例えば、「作成」は、内航船作業前の揚積プランをターミナルが立てた状態を示し、「最終」は、作業後の出航状態であることを示す。
なお、この内航船動静情報は、内航船ごとに表示することができる。
このような内航船動静情報登録部30は、内航船社が作成登録した後でも、内航船が運航している間に、各コンテナターミナルで揚げ積みするコンテナの情報が刻々と変化し、変化する毎に更新される。
【0021】
[内航船揚げ積み情報/出航情報作成部40]
内航船揚げ積み情報/出航情報作成部40は、コンテナターミナルが前述の内航船動静情報に基づいて、コンテナターミナルで揚げ積みするコンテナの揚げ積み情報と、内航船に積む前記コンテナの本船座標情報を示す内航船揚げ積み情報を作成するものである。図5は、内航船揚げ積み情報の表示画面の説明図である。図示のように画面上段には、内航船に積載しているコンテナの揚げ積み情報がコンテナ毎に表形式で表示され、下段には、本船上のコンテナの配置場所を格子状に区分けされた升目に図形式で表示されている。
【0022】
コンテナ情報は、コンテナ番号欄41にコンテナに付されたロット番号が表示されている。本船座標欄42には、図示された本船上に配置されているコンテナ座標が表示されている。例えば、図中No1には、「03−01−01」と表示されているが、これは、「本船3段目」、「X座標(ベイ番号)01」、「Y座標(ロー番号)01」をそれぞれ示している(図5中の符号52)。
リハンドリング欄43には、コンテナターミナルにおいて、揚げ積みはしていないが、他のコンテナの揚げ積みの際に、移動させることが必要となったコンテナ(リハンドリング)座標が表示されている。例えば、図中No6には本船座標「03−02−02」から配置変更によって「02−04−02」へ移動することが表示されている。
【0023】
積港欄44及び揚港欄45には、コンテナを積み込んだ港及びコンテナを揚げた港が示されている。例えばNo1〜No5のコンテナ(20フィートコンテナ又は40フィートコンテナ)はいずれも神戸港で積み込んで、水島港で揚げ下すことが表示されている。
サイズ欄46及びISO欄47には、コンテナのサイズと、ISO規格コンテナ構造区分コードが表示されている。
輸出入欄48、実/空欄49、取扱船社欄50、特殊欄51には、それぞれ輸入されたコンテナ又は輸出されるコンテナの表示、コンテナの内容物の有無の表示、コンテナを取り扱う船社名の表示、冷蔵コンテナなど特殊な構造のコンテナの表示を示している。
【0024】
このようなコンテナ揚げ積み情報は、内航船に積載しているすべてのコンテナ情報が記載されている。また、本船座標情報には、コンテナの揚げ積み情報とリンクして画面上に図示した本船上にすべてのコンテナの配置場所を表示している。なお、図5に示す本船座標情報は、本船3段目を示しているが、この他の段を切り替え表示させることができる。
【0025】
図6は、内航船出航情報の表示画面の説明図である。図5の内航船揚げ積み情報と同様に、図6の画面上段には、出港時に内航船に積載しているコンテナの情報がコンテナ毎に表形式で表示され、下段には、本船上のコンテナの配置場所を格子状に区分けされた升目に図形式で表示されている。内航船揚げ積み情報と内航船出航情報の違いは、内航船揚げ積み情報は、コンテナターミナルに入港する前の内航船の情報であり、内航船出航情報は、コンテナターミナルを出航した後の内航船の情報である。内航船出航情報の基本構成は、図5に示す内航船揚げ積み情報と同様であり詳細な説明を省略する。異なるのは、コンテナの数量のみである。
【0026】
このような内航船揚げ積み情報/出航情報作成部40は、最初の内航船揚げ積み情報は、内航船動静情報に基づいて作成する(図3中の破線矢印)。その後は、後述するターミナルオペレーションシステム(TOS)100からの内航船揚げ積み結果に基づいて、内航船揚げ積み情報を更新すると内航船出航情報となる。この内航船出航情報は、基本的に次の寄港地のコンテナターミナルの内航船揚げ積み情報として順次利用される。例えば、図3中のコンテナターミナルAの内航船揚げ積み情報は、前コンテナターミナルの内航船出航情報と同一であり(図3中の矢印a)、コンテナターミナルAの内航船出航情報は、次コンテナターミナルの内航船揚げ積み情報と同一となる(図3中の矢印b)。なお、前述のように内航船動静情報は、内航船が運航している間に揚げ積みするコンテナ情報が変化することがある。このような場合には、内航船出航情報に更新された内航船動静情報を反映させて、次の寄港地の内航船揚げ積み情報として利用している。
【0027】
[照会部60]
照会部60は、船社側の端末から内航船の運航状況、コンテナのステータス(追跡)などの照会を行うものである。照会部60は、後述するデータ記憶部70に記録された内航船揚げ積み情報/内航船出航情報に基づいて、リアルタイムの内航船の運航状況、コンテナの追跡を行う。
【0028】
[データ記憶部70]
データ記憶部70は、内航船動静情報、内航船揚げ積み情報、内航船出航情報などのデータを記憶できる。また、データ記憶部は、後述するTOS100からの内航船揚げ積み結果のデータを記憶できる。
【0029】
[送信部80]
送信部80は、データ記憶部70に記録された内航船揚げ積み情報を後述するTOS100の受信部へ送信している。
【0030】
[受信部90]
受信部90は、後述するTOS100の送信部からの内航船揚げ結果が受信されて、データ記憶部70に記録される。
【0031】
[ターミナルオペレーションシステム(TOS)100]
ターミナルオペレーションシステム(TOS)100は、コンテナターミナルで構築されているコンテナ情報に関するオペレーションシステムである。
TOS100は、コンテナ内航船情報管理システム10とインターネットなどの電気通信回線を通じて接続させている。
TOS100は、受信部110と、送信部120と、データ記憶部130と、内航船揚げ積みプラン作成部140と、内航船揚げ積み結果作成部150と、入力部160と、を主な基本構成としている。
【0032】
[受信部110]
受信部110は、コンテナ内航船情報管理システム10の送信部80からの内航船揚げ積み情報が受信されて、データ記憶部130に記録される。
【0033】
[送信部120]
送信部120は、データ記憶部130に記録された内航船揚げ積み結果をコンテナ内航船情報管理システム10の受信部90へ送信している。
【0034】
[データ記憶部130]
データ記憶部130は、内航船揚げ積みプラン、内航船揚げ積み結果などのデータを記憶できる。また、データ記憶部130は、コンテナ内航船情報管理システム10からの内航船揚げ積み情報のデータを記憶できる。
【0035】
[内航船揚げ積みプラン作成部140]
内航船揚げ積みプラン作成部140は、内航船揚げ積み情報に基づいて、コンテナターミナル側で内航船に揚げ積みするコンテナの内航船揚げ積みプランを作成している。内航船揚げ積みプランは、内航船から揚げ下すコンテナと、内航船に積み込むコンテナのコンテナ番号、本船座標、サイズ等をそれぞれ表形式で表示している。
このような内航船揚げ積みプランに基づいて、コンテナターミナルではコンテナの揚げ積み作業を管理している。
【0036】
[内航船揚げ積み結果作成部150]
内航船揚げ積み結果作成部150は、コンテナの揚げ積み作業後にコンテナの揚げ積み作業結果を作成している。内航船揚げ積み結果は、コンテナの番号、本船座標、サイズ等をそれぞれ表形式で表示している。
【0037】
[入力部160]
入力部160は、コンテナの揚げ積み情報に関する情報を端末画面上に表示し、入力された情報をデータ記憶部130に書き込んでいる。
【0038】
[作用]
上記構成による本発明のコンテナ内航船情報管理システムの作用について、以下説明する。図7は、本発明のコンテナ内航船情報管理方法の処理フローである。
【0039】
内航船社12が作業端末で電気通信回線を介してコンテナ内航船情報管理システム10に接続し、内航船の船名、船型、コンテナ積載重量、積載可能なコンテナの段数・列数などの内航船情報を内航船船型登録部25から登録する(ステップ1)。
次に内航船社12は、内航船が寄港する寄港地、寄港地が複数ある場合には寄港する順番などの寄港地情報を内航船動静情報登録部30から登録する(ステップ2)。
【0040】
そして、各コンテナターミナルのコンテナ揚げ積み本数を登録する(ステップ3)。さらに、コンテナの揚げ積み本数に基づいて、内航船に揚げ積みするコンテナのサイズ、数量、寄港日、寄港するコンテナターミナルのプランを入力して表形式でコンテナ詳細情報を作成登録する(ステップ4)。このような内航船動静情報は、データ記憶部70に記憶され、図4に示す寄港順の他にも、寄港地別、ターミナル別、発注港運会社別、揚げコンテナ又は積みコンテナ別など再配列して表示させることができる。
【0041】
内航船社12が作成した内航船動静情報を更新する(ステップ5)。内航船情報管理システム10では、前述の内航船動静情報に基づいて、コンテナターミナルで揚げ積みする内航船揚げ積み情報を作成する。内航船揚げ積み情報は、表示画面の上段に、内航船に積載しているコンテナの揚げ積み情報がコンテナ毎に表形式で表示され、下段に、本船上のコンテナの配置場所を格子状に区分けされた升目に図形式で表示される。
【0042】
コンテナターミナルがTOS100で、コンテナ内航船情報管理システムから受信した内航船揚げ積み情報に基づいて、内航船に揚げ積みするコンテナの内航船揚げ積みプランを作成する(ステップ6)。内航船揚げ積みプランは、内航船から揚げ下すコンテナと、内航船に積み込むコンテナのコンテナ番号、本船座標、サイズ等をそれぞれ表形式で表示している。
コンテナターミナルでは、作成した内航船揚げ積みプランに基づいてコンテナの揚げ積み作業を行う(ステップ7)。
【0043】
コンテナの揚げ積み作業後、コンテナターミナルがTOS100で、コンテナの揚げ積み作業結果を作成する(ステップ8)。内航船揚げ積み結果は、コンテナの番号、本船座標、サイズ等をそれぞれ表形式で表示している。内航船揚げ積み結果は、TOS100から電気通信回線を介してコンテナ内航船情報管理システム10へ送信される。
【0044】
内航船揚げ積み結果に基づいて、内航船情報管理システム10では、コンテナターミナルで積み込んだ内航船出航情報を作成する。内航船出航情報は、基本的にコンテナターミナルに寄港する前の内航船揚げ積み情報を更新するものであり、表示画面の上段に、内航船に積載しているコンテナの揚げ積み情報がコンテナ毎に表形式で表示され、下段に、本船上のコンテナの配置場所を格子状に区分けされた升目に図形式で表示される。
【0045】
次に、内航船社12は、当初作成した内航船動静情報の再入力の有無を選択する(ステップ9)。内航船動静情報の再入力は、内航船の運航中に当初作成した揚げ積みコンテナ数の変更が生じた場合に再入力のYesを選択すると、ステップ3へ戻り揚げ積みコンテナの本数を登録できる。さらにステップ4,5と同じ動作を順に行う。
【0046】
ステップ9で再入力を選択した場合には、内航船動静情報が更新されて、内航船情報管理システム10では、この更新された内航船動静情報を反映させた内航船出航情報が作成される。
次の寄港地のコンテナターミナルBは、内航船情報管理システム10に接続してコンテナターミナルAの内航船出航情報を内航船揚げ積み情報として内航船揚げ積みプランを作成し、以後同様に揚げ積み作業を行う。
一方、当初内航船動静情報の再入力が必要ない場合(No)には、例えば、最終寄港地など、コンテナ内航船情報管理方法が終了する。
【0047】
このような本発明のコンテナ内航船情報管理システムによれば、内航船社の揚げ積み動静情報に基づいた内航船揚げ積み情報を内航船社、船社、コンテナターミナル間で共有することができる。これにより、従来、内航船社と、各コンテナターミナルの間でコンテナの揚げ積み情報の遅延が生じていた問題を解消できる。また、コンテナターミナルで内航船に積んだ結果に基づいて内航船揚げ積み情報を速やかに更新することができる。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明は、内航船のコンテナ揚げ積み情報を、内航船社、船社、コンテナターミナル間で共有できるコンテナ内航船情報管理システムとして、産業上有効に利用することができる。
【符号の説明】
【0049】
10………コンテナ内航船情報管理システム、12………内航船社、14………船社、16………コンテナターミナル、20………入力部、25………内航船船型登録部、30………内航船動静情報登録部、31………寄港地欄、32………ターミナル欄、33………寄港予定日欄、34………寄港実績日欄、35………発注港運会社欄、36………揚積欄、37………揚#20/40欄、38………積#20/40欄、39………出港時ベイプラン欄、40………内航船揚げ積み情報/出航情報作成部、41………コンテナ番号欄、42………本船座標欄、43………リハンドリング欄、44………積港欄、45………揚港欄、46………サイズ欄、47………ISO欄、48………輸出入欄、49………実/空欄、50………取扱船社欄、51………特殊欄、60………照会部、70………データ記憶部、80………送信部、90………受信部、100………ターミナルオペレーションシステム(TOS)、110………受信部、120………送信部、130………データ記憶部、140………内航船揚げ積みプラン作成部、150………内航船揚げ積み結果作成部、160………入力部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7