特許第6283002号(P6283002)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6283002
(24)【登録日】2018年2月2日
(45)【発行日】2018年2月21日
(54)【発明の名称】ワイヤーハーネス製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01B 13/012 20060101AFI20180208BHJP
   H01B 13/00 20060101ALI20180208BHJP
【FI】
   H01B13/012 B
   H01B13/00 519
【請求項の数】2
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-142601(P2015-142601)
(22)【出願日】2015年7月17日
(65)【公開番号】特開2017-27693(P2017-27693A)
(43)【公開日】2017年2月2日
【審査請求日】2017年7月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005083
【氏名又は名称】日立金属株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】597126332
【氏名又は名称】東日京三電線株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100071526
【弁理士】
【氏名又は名称】平田 忠雄
(74)【代理人】
【識別番号】100099597
【弁理士】
【氏名又は名称】角田 賢二
(74)【代理人】
【識別番号】100119208
【弁理士】
【氏名又は名称】岩永 勇二
(74)【代理人】
【識別番号】100124235
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 恵子
(74)【代理人】
【識別番号】100124246
【弁理士】
【氏名又は名称】遠藤 和光
(74)【代理人】
【識別番号】100128211
【弁理士】
【氏名又は名称】野見山 孝
(74)【代理人】
【識別番号】100145171
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 浩行
(72)【発明者】
【氏名】川瀬 賢司
(72)【発明者】
【氏名】豊崎 真一
(72)【発明者】
【氏名】高槻 祐二
(72)【発明者】
【氏名】広山 行
(72)【発明者】
【氏名】秋山 猛
【審査官】 和田 財太
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−186083(JP,A)
【文献】 特開2001−001221(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01B 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイヤーハーネスを構成する幹線を畳んだ状態で布線する工程と、
前記幹線から分岐する複数の分岐線を布線する工程と、
前記複数の分岐線にそれぞれ外装を施す工程と、
前記幹線を延ばす工程と、
を含むワイヤーハーネス製造方法。
【請求項2】
他のフレームが移動可能に係合する溝を有するメインフレームに沿ってワイヤーハーネスを構成する幹線を畳んだ状態で布線する工程と、
長手方向の一方の端部が前記メインフレームの前記溝に移動可能に係合した複数のサブフレームを隣接した状態にしておき、前記複数のサブフレームに沿って前記幹線から分岐する複数の分岐線を布線する工程と、
前記複数の分岐線に外装を施す工程と、
前記複数のサブフレームを前記溝に沿って移動させて互いに離間させることにより前記幹線を延ばす工程と、
を含むワイヤーハーネス製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワイヤーハーネス製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ワイヤーハーネスの組立ては、一般的には、べニア板のような平面板に釘状のピンを打ち込んで疑似配線ルートを形成し、電線を疑似配線ルートに沿って布線して行われている。
【0003】
しかし、ピンを平面板に一旦打ち込むと、ピン位置の変更が困難となるという問題がある。また、ワイヤーハーネスを組み込む装置が変わる場合には、ワイヤーハーネス自体の形状、大きさが異なるために平面板を取り替え、次回の製造まで平面板を保管するために広い保管スペースが必要になるという問題がある。
【0004】
上記の事情に鑑みて、従来、複数の棒状部品をワイヤーハーネスの形状に対応した形状に結合するワイヤーハーネス組立治具が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
特許文献1に記載されたワイヤーハーネス組立治具は、金属板を折曲して形成された複数の中空角棒状部品と、複数のピン及びワイヤー保持部品とを備え、中空角棒状部品は、その上面に長手方向に並設された多数の小孔と、両側面に略全長にわたってそれぞれ形成されたスリットによる多数の第1接続部と、両端面にそれぞれ形成された突起による第2接続部及び第3接続部とを有し、ピンとワイヤー保持部品は、中空角棒状部品の小孔に選択的にかつ挿抜自在に差込み立設され、複数の中空角棒状部品は、第1接続部と第2接続部又は第3接続部同士が分離可能に接続されることにより、組み立てるべきワイヤーハーネスの形状に対応した形状に結合される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平8−83523号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、従来のワイヤーハーネス組立治具によると、複数の中空角棒状部品は、組み立てるべきワイヤーハーネスの形状に対応した形状に結合されるため、電線を布線する場合は、組み立てるべきワイヤーハーネスの形状に沿って行われる。ワイヤーハーネスが、例えば鉄道車両用のワイヤーハーネスのように全長が長い場合、作業者が移動しながら布線作業、コネクタ接続作業、束ね作業を含む外装処理を行うことになるため、ワイヤーハーネスの組立作業に時間がかかり、負担も大きい。
【0008】
また、他にも次のような不都合もある。中空角棒状部品を製作するためには、金属板に多数の小孔やスリットをパンチ加工によって形成しなければならないため、中空角棒状部品が長尺になるとその分パンチ加工の回数が増え、パンチ工程の時間が長くなる。また、ワイヤーハーネスが、例えば鉄道車両用のワイヤーハーネスのように全長が長い場合、多数の中空角棒状部品を長手方向に結合しなければならず、作業者にとって治具の組立作業が負担になる。
【0009】
そこで、本発明の目的は、組み立てるべきワイヤーハーネスの形状に沿って布線する場合と比較してワイヤーハーネスの組立作業の時間短縮と負担軽減を図ることができるワイヤーハーネス製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
[1]ワイヤーハーネスを構成する幹線を畳んだ状態で布線する工程と、
前記幹線から分岐する複数の分岐線を布線する工程と、
前記複数の分岐線にそれぞれ外装を施す工程と、
前記幹線を延ばす工程と、
を含むワイヤーハーネス製造方法。
[2]他のフレームが移動可能に係合する溝を有するメインフレームに沿ってワイヤーハーネスを構成する幹線を畳んだ状態で布線する工程と、
長手方向の一方の端部が前記メインフレームの前記溝に移動可能に係合した複数のサブフレームを隣接した状態にしておき、前記複数のサブフレームに沿って前記幹線から分岐する複数の分岐線を布線する工程と、
前記複数の分岐線に外装を施す工程と、
前記複数のサブフレームを前記溝に沿って移動させて互いに離間させることにより前記幹線を延ばす工程と、
を含むワイヤーハーネス製造方法。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、組み立てるべきワイヤーハーネスの形状に沿って布線する場合と比較してワイヤーハーネスの組立作業の時間短縮と負担軽減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、本発明の実施の形態に係るワイヤーハーネス組立治具の要部を示す斜視図である。
図2図2は、支持部材をメインフレーム又はサブフレームに固定する構造の要部を示す図である。
図3図3は、ワイヤーハーネス製造方法の一例を示す図で、(a)は平面図、(b)は(a)のA部拡大図、(c)は(a)のB部拡大図である。
図4図4は、本発明の実施の形態に係るワイヤーハーネス製造方法を模式的に示す平面図である。
図5図5は、本発明の実施の形態に係るワイヤーハーネス製造方法を模式的に示す平面図である。
図6図6は、本発明の実施の形態に係るワイヤーハーネス製造方法を模式的に示す平面図である。
図7図7は、本発明の実施の形態に係るワイヤーハーネス製造方法を模式的に示す平面図である。
図8図8は、本発明の実施の形態に係るワイヤーハーネス製造方法を模式的に示す平面図である。
図9図9は、本発明の実施の形態に係るワイヤーハーネス製造方法を模式的に示す平面図である。
図10図10は、本発明の実施の形態に係るワイヤーハーネス製造方法を模式的に示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、各図中、実質的に同一の機能を有する構成要素については、同一の符号を付してその重複した説明を省略する。
【0014】
[実施の形態]
図1は、本発明の実施の形態に係るワイヤーハーネス組立治具の要部を示す斜視図である。
【0015】
このワイヤーハーネス組立治具1は、長手方向に第1の長さを有し、直線状に延びたメインフレーム2と、長手方向に第1の長さよりも短い第2の長さを有し、直線状に延びた複数のサブフレーム3と、複数のサブフレーム3をメインフレーム2に固定する固定部材4と、ワイヤーハーネス10又はワイヤーハーネス10を構成する電線を支持する複数の支持部材5とを備える。メインフレーム2、サブフレーム3、固定部材4及び支持部材5は、それぞれ治具構成部品の一例である。
【0016】
ここで、「ワイヤーハーネス」とは、複数の電線を束にし、各電線の両端部にプリント基板や機器に接続するためのコネクタ又は端子を有するものをいう。また、「ワイヤーハーネス」は、複数の電線からなる幹線と、幹線から分岐された複数の分岐線とを有する。
【0017】
メインフレーム2の長手方向の第1の長さは、ワイヤーハーネス10を構成する幹線11の全長に対応する長さ、具体的には、幹線11の全長にほぼ等しい長さである。メインフレーム2は、支持部材5が移動可能に係合する第1のT溝20aを上面21aに有し、サブフレーム3の長手方向の一方の端部3aが移動可能に係合する第2のT溝20bを両側面21bに有し、図示しない脚部の端部が移動可能に係合する第3のT溝20cを下面21cに有する。また、メインフレーム2は、上下左右で対照な形状を有し、第1乃至第3のT溝20a〜20cは、互いに同一の断面形状を有する。このように構成されたメインフレーム2は、例えばアルミニウム合金等の金属から形成され、例えば押出加工によって形成される。
【0018】
サブフレーム3の長手方向の第2の長さは、ワイヤーハーネス10を構成する幹線11から分岐した複数の分岐線12のうち最大の全長に対応する長さ、具体的には、分岐線12の最大の全長にほぼ等しい長さである。サブフレーム3は、メインフレーム2とは断面形状及び断面のサイズは同一であり、長手方向の長さのみが異なる。すなわち、サブフレーム3は、支持部材5が移動可能に係合する第1のT溝30aを上面31aに有し、メインフレーム2の第2のT溝20bと同様の第2のT溝30bを両側面31bに有し、図示しない脚部の端部が移動可能に係合する第3のT溝30cを下面31cに有する。また、サブフレーム3は、上下左右で対照な形状を有し、第1乃至第3のT溝30a〜30cは、互いに同一の断面形状を有する。このように構成されたサブフレーム3は、例えばアルミニウム合金等の金属から形成され、例えば押出加工によって形成される。
【0019】
メインフレーム2及びサブフレーム3のそれぞれの第3のT溝20c、30cに80cm程度の長さが等しい複数の脚部の端部を係合し、固定することにより、メインフレーム2及びサブフレーム3の上面21a、31aの床面からの高さが揃うため、ワイヤーハーネス10の組立作業がやりやすくなる。
【0020】
固定部材4は、全体として断面L字状を構成する第1の辺部4a及び第2の辺部4bを備える。第1の辺部4aは、サブフレーム3の第2のT溝30bを移動可能な後述するTナット52と同様のTナット40にボルト41で締め付けることによってサブフレーム3に固定される。第2の辺部4bは、メインフレーム2の第2のT溝20bを移動可能なTナット40にボルト41で締め付けることによってメインフレーム2に固定される。このように構成された固定部材4によってサブフレーム3の一方の端部3aがメインフレーム2に固定される。
【0021】
支持部材5は、脚部50と、脚部50の上端に接続され、ワイヤーハーネス10又はワイヤーハーネス10を構成する電線が配置されるU字状支持部51と、メインフレーム2の第1のT溝20a、及びサブフレーム3の第1のT溝30aを移動可能なTナット52と、脚部50及びTナット52をメインフレーム2又はサブフレーム3に固定する締付けナット53とを備える。なお、支持部材5をメインフレーム2又はサブフレーム3に固定する構造については、図2を参照して説明する。
【0022】
図2は、支持部材5をメインフレーム2又はサブフレーム3に固定する構造の要部を示す図である。支持部材5の脚部50の下側に雄ネジ50aが形成されている。Tナット52には、上面から下面に向かって途中まで雌ネジが形成されている。締付けナット53は、脚部50の雄ネジ50aに螺合する雌ネジが形成されている。このように構成された支持部材5は、次のように組み立てられる。まずTナット52をメインフレーム2の第1のT溝20aにメインフレーム2の端部から挿入し、Tナット52を所望の位置まで移動させる。次に、U字状支持部51が接続された脚部50の雄ネジ50aに締付けナット53の雌ネジを螺合させておく。次に、脚部50の雄ネジ50aをTナット52の雌ネジに螺合させる。次に、締付けナット53を締め付ける。以上のようにして支持部材5がメインフレーム2に固定される。なお、サブフレーム3に対しても同様に支持部材5を固定することができる。
【0023】
(ワイヤーハーネスの組立)
図3は、ワイヤーハーネス製造方法の一例を示す図で、(a)は平面図、(b)は(a)のA部拡大図、(c)は(a)のB部拡大図である。図4図10は、ワイヤーハーネスの製造方法の一例を示す図である。
【0024】
(1)メインフレーム2及びサブフレーム3の組立
メインフレーム2の上面21aには、サブフレーム3が係合し固定される位置に組み立てるワイヤーハーネス10の識別情報の一例としての色ラベル6a〜6cが貼り付けられている。なお、図3(a)は、色ラベル6a〜6dを模式的に示しており、実際には、図3(b)、(c)に示すように、色ラベル6a〜6dは、例えば、矩形状を有し、メインフレーム2のサブフレーム3の上面21a、31aの一方の側に貼り付けられる。なお、色ラベル6a〜6dの形状は、矩形状に限られず、円形等の他の形状でもよい。また、ワイヤーハーネス10の識別情報は、文字列や、バーコード等の一次元コード、QRコード(登録商標)等の二次元コードでもよい。
【0025】
図3は、メインフレーム2の色ラべル6aが貼り付けられた位置にサブフレーム3が固定されている場合を示している。この場合のメインフレーム2及びサブフレーム3の製造方法を次に説明する。
【0026】
まず、固定部材40の第1の辺部4aをサブフレーム3の一方の端部3aにTナット40及びボルト41で取り付ける。第2の辺部4bには、Tナット40をボルト41で軽く仮止めして準備しておく。
【0027】
図3(b)に示すように、色ラベル6aがメインフレーム2の上面21aの一方の側面21bの側(図3の上方)に貼り付けられている場合には、準備しておいたサブフレーム3の固定部材40の第2の辺部4b側のTナット40をメインフレーム2の一方の側面21b側(図3の上方)の第2のT溝20bに端の方から差し込む。また、図3(c)に示すように、色ラベル6aがメインフレーム2の上面21aの他方の側面21cの側(図3の下方)に貼り付けられている場合には、準備しておいたサブフレーム3の固定部材40の第2の辺部4b側のTナット40をメインフレーム2の他方の側面21b側(図3の下方)の第2のT溝20bに端の方から差し込む。このようにしてサブフレーム3の一方の端部3aをメインフレーム2の第2のT溝20bに係合させる。
【0028】
(2)支持部材5の取付け
メインフレーム2上の色ラベル6が貼り付けられた位置の近傍に、図1図2に示すように、一対の支持部材5を固定する。また、サブフレーム3の色ラベル6a、及び各種ワイヤーハーネス10に共通の色ラベル6dが貼り付けられている位置に支持部材5を固定する。
【0029】
次に、図4に示すように、メインフレーム2に係合させた複数のサブフレーム3をほぼ中央に移動させて互いに接近させる。
【0030】
次に、図5に示すように、幹線11を畳んだ状態で分岐線12をサブフレーム3に沿って支持部材5のU字状支持部51を通るように布線する。次に、分岐線12の端部にコネクタ13を接続する。なお、予めコネクタ13が接続された分岐線12を布線してもよい。
【0031】
次に、図6に示すように、分岐線12をバンド、テープ、チューブ等により束ねて外装14を施す。
【0032】
次に、図7に示すように、サブフレーム3をメインフレーム2に沿って正規の分岐位置に移動させる。図8は、サブフレーム3が正規の分岐位置に移動した状態を示す。固定部材4の第2の辺部4b側のボルト41を締め付けてサブフレーム3を正規の分岐位置に固定する。このとき、幹線11及び分岐線12を正規の分岐位置の近傍に固定された支持部材5のU字状支持部51を通るように布線する。
【0033】
次に、図9に示すように、幹線11を延ばす。このときメインフレーム2の両端部側に固定された支持部材5のU字状支持部51を通るように幹線11を布線する。次に、幹線11の両端にコネクタ13を接続する。
【0034】
次に、図10に示すように、幹線11をバンド、テープ、チューブ等により束ねて外装14を施す。以上によりワイヤーハーネス10が組み立てられる。
【0035】
(本実施の形態の作用、効果)
本実施の形態によれば、以下の作用、効果を奏する。
(a)分岐線12の布線作業、コネクタ13の接続作業、外装14の処理作業をほとんど移動せずに行うことができる。このため、組み立てるべきワイヤーハーネスの形状に沿って布線する場合と比較してワイヤーハーネスの組立作業の時間短縮と負担軽減を図ることができる。
(b)メインフレーム2及びサブフレーム3は、押出加工によって容易に製作することができる。
(c)メインフレーム2は、鉄道車両用のワイヤーハーネスのように全長が長いものでもそのメインのワイヤーハーネスに対応した長さを有するものを1本用意すれば済むため、フレームを長手方向に連結する必要がなくなり、治具の組立作業の負担を軽減することができる。
【0036】
[他の変形例]
なお、本発明の実施の形態は、上記実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々な実施の形態が可能である。例えば、サブフレーム3の一方の端部3aがメインフレーム2の第2のT溝20bに係合した状態で、サブフレーム3がメインフレーム2に対する向きを変えずにメインフレーム2に沿って移動可能な機構と、サブフレーム3をメインフレーム2に沿って移動させるモータ等の駆動部と、サブフレーム3を所望の位置に移動及び停止させる制御部とを備えてもよい。
【0037】
また、サブフレーム3は、メインフレーム2と同じ断面形状を有していなくてもよい。例えば、サブフレームの側面にT溝を設けていなくてもよい。
【0038】
また、本発明の実施の形態の構成要素の一部を本発明の要旨を逸脱しない範囲内において省いてもよい。
【0039】
また、本発明の要旨を変更しない範囲内で、上記実施の形態の組立工程において、工程の追加、削除、変更、入替え等が可能である。例えば、幹線11に外装14を施す工程を省いてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明は、鉄道車両用ハーネス、自動車用ハーネス、航空機用ハーネス、医療用ハーネス、機器内ハーネス等に適用可能である。
【符号の説明】
【0041】
1…ワイヤーハーネス製造装置、2、2A、2B…メインフレーム、
3、3A、3B…サブフレーム、3a…一方の端部、3b…他方の端部、
4…固定部材、4a…第1の辺部、4b…第2の辺部、5…支持部材、
6a-6d…色ラベル、7…支柱、8…プレート、10…ワイヤーハーネス、
11…幹線、12…分岐線、13…コネクタ、14…外装、20a-20c…T溝、
30a-30c…T溝、21a…上面、21b…側面、21c…下面、31a…上面、
31b…側面、31c…下面、40…Tナット、41…ボルト、50…脚部、
50a…雄ネジ、51…U字状支持部、52…ナット、53…締付けナット

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10