特許第6283558号(P6283558)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6283558
(24)【登録日】2018年2月2日
(45)【発行日】2018年2月21日
(54)【発明の名称】受動素子基板
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/822 20060101AFI20180208BHJP
   H01L 27/04 20060101ALI20180208BHJP
   H01L 21/3205 20060101ALI20180208BHJP
   H01L 21/768 20060101ALI20180208BHJP
   H01L 23/522 20060101ALI20180208BHJP
   H01F 27/36 20060101ALI20180208BHJP
   H01F 17/00 20060101ALI20180208BHJP
   H01F 17/04 20060101ALI20180208BHJP
   H01F 27/00 20060101ALI20180208BHJP
【FI】
   H01L27/04 H
   H01L21/88 S
   H01F15/04
   H01F17/00 B
   H01F17/04 F
   H01F15/00 D
   H01L27/04 L
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-88290(P2014-88290)
(22)【出願日】2014年4月22日
(65)【公開番号】特開2015-207700(P2015-207700A)
(43)【公開日】2015年11月19日
【審査請求日】2016年12月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】000190688
【氏名又は名称】新光電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】藤井 朋治
【審査官】 市川 武宜
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第08552829(US,B1)
【文献】 実開平05−043567(JP,U)
【文献】 特開2008−103603(JP,A)
【文献】 特開2009−088099(JP,A)
【文献】 特開平04−223307(JP,A)
【文献】 特開2000−306730(JP,A)
【文献】 特開2006−324509(JP,A)
【文献】 特開平03−006094(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/822
H01F 17/00
H01F 17/04
H01F 27/00
H01F 27/36
H01L 21/3205
H01L 21/768
H01L 23/522
H01L 27/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板の一方の面側に形成された受動素子と、
前記基板の一方の面に、前記受動素子を覆うように形成された絶縁層と、
前記絶縁層の前記基板とは反対側に、前記受動素子と平面視で重複するように形成された磁性層と、
前記基板の他方の面側に、第2絶縁層を介して前記受動素子と平面視で重複するように形成された金属層と、を有し、
前記金属層には開口が設けられている受動素子基板。
【請求項2】
前記金属層の前記基板とは反対側に、前記受動素子と平面視で重複するように形成された第2の磁性層を有する請求項1記載の受動素子基板。
【請求項3】
前記金属層は、GNDと電気的に接続されている請求項1又は2記載の受動素子基板。
【請求項4】
前記絶縁層の前記基板とは反対側の面は平坦面とされ、
前記平坦面に前記磁性層が形成されている請求項1乃至3の何れか一項記載の受動素子基板。
【請求項5】
前記受動素子は、前記基板の一方の面に渦巻き状の配線により形成されたインダクタを含む請求項1乃至4の何れか一項記載の受動素子基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、受動素子基板に関する。
【背景技術】
【0002】
インダクタ、キャパシタ、抵抗等の受動素子がシリコン基板やセラミック基板に集積化された受動素子基板としてIPD(Integrated Passive Device)が知られている。通常、IPDには空芯構造のインダクタが形成され、又、IPDに形成されるインダクタ、キャパシタ、抵抗等の受動素子は、定数が小さな値の素子が多く、高周波信号(高速信号)を通す回路とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−109351号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、IPDではインダクタが空芯構造のため、IPDをIC等の他のデバイスとの積層構造とする場合や、配線基板にフリップチップ実装する場合、他のデバイスや配線基板のパターンの影響を受けて、設計値通りのインダクタンス値やQ値を得られない。
【0005】
又、IPDに流れる高周波信号(高速信号)がノイズ源となり、他のデバイスや配線基板の配線に影響を及ぼすおそれがある。そのため、IPDを活用した実装には、IPDの特性を考慮した配置や実装方法が必要となり、又、配線基板側のデザインへの制約も必要となる。
【0006】
このように、従来のIPDは、搭載する受動素子が所望の回路特性を確保することが困難であり、又、ノイズ源となる。
【0007】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、搭載する受動素子が所望の回路特性を確保することが容易であり、ノイズを低減することが可能な受動素子基板を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本受動素子基板は、基板と、前記基板の一方の面側に形成された受動素子と、前記基板の一方の面に、前記受動素子を覆うように形成された絶縁層と、前記絶縁層の前記基板とは反対側に、前記受動素子と平面視で重複するように形成された磁性層と、前記基板の他方の面側に、第2絶縁層を介して前記受動素子と平面視で重複するように形成された金属層と、を有し、前記金属層には開口が設けられていることを要件とする。
【発明の効果】
【0009】
開示の技術によれば、搭載する受動素子が所望の回路特性を確保することが容易であり、ノイズを低減することが可能な受動素子基板を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1の実施の形態に係る受動素子基板を例示する断面図である。
図2】第1の実施の形態の変形例1に係る受動素子基板を例示する断面図である。
図3】第1の実施の形態の変形例2に係る受動素子基板を例示する断面図である。
図4】第1の実施の形態の応用例に係るモジュールを例示する断面図(その1)である。
図5】第1の実施の形態の応用例に係るモジュールを例示する断面図(その2)である。
図6】第1の実施の形態の応用例に係るモジュールを例示する断面図(その3)である。
図7】第1の実施の形態の応用例に係るモジュールを例示する断面図(その4)である。
図8】第1の実施の形態の応用例に係るモジュールを例示する断面図(その5)である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して発明を実施するための形態について説明する。なお、各図面において、同一構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。
【0012】
〈第1の実施の形態〉
図1は、第1の実施の形態に係る受動素子基板を例示する断面図である。図1を参照するに、受動素子基板1は、基板10と、受動素子20と、配線層30と、絶縁層40と、磁性層50と、絶縁層60と、金属層70とを有する。
【0013】
なお、本実施の形態では、便宜上、磁性層50側を上側又は一方の側、金属層70側を下側又は他方の側とする。又、各部位の磁性層50側の面を上面又は一方の面、金属層70側の面を下面又は他方の面とする。但し、受動素子基板1は天地逆の状態で用いることができ、又は任意の角度で配置することができる。又、本実施の形態では、平面視とは対象物を基板10の一方の面10aの法線方向から視ることを指し、平面形状とは対象物を基板10の一方の面10aの法線方向から視た形状を指すものとする。
【0014】
基板10は、受動素子20等を形成する基体となる部分であり、例えば、シリコン基板、ガラス基板、セラミック基板等の無機基板を用いることができる。基板10の厚さは、例えば、30〜400μm程度とすることができる。
【0015】
受動素子20は、基板10の一方の面10aに形成されている。但し、受動素子20の一部が、基板10の内部に形成されてもよい。本実施の形態では、受動素子20として、インダクタ21(例えば、渦巻き状の配線により形成された平面コイル)、キャパシタ22、及び抵抗23が形成されている。但し、基板10に形成する受動素子20としては、任意の受動素子を選択することができる。形成する受動素子の数量も任意に決定することができる。
【0016】
配線層30は、基板10の一方の面10aに形成されている。配線層30は、配線パターン31と、パッド32とを有する。配線パターン31は、各受動素子20間や各受動素子20とパッド32等を適宜接続することができる。パッド32は、絶縁層40及び磁性層50に形成された開口部W内に露出しており、他のデバイスや配線基板等と接続する接続端子となる。配線層30は、例えば、銅等から形成することができる。なお、受動素子20及び配線層30は、基板10の表面に形成された図示しない絶縁膜(シリコン酸化膜等)により、基板10と絶縁されている。
【0017】
絶縁層40は、基板10の一方の面10aに受動素子20及び配線層30を覆うように形成されている。絶縁層40の材料としては、例えば、エポキシ系樹脂やポリイミド系樹脂を用いることができる。絶縁層40の厚さは、例えば、数μm〜数10μm程度とすることができる。絶縁層40は、例えば、スピンコート法等により形成できる。
【0018】
磁性層50は、絶縁層40の上面(基板10とは反対側の面)に、受動素子20と平面視で重複するように形成されている。磁性層50は、絶縁層40の上面全面に形成されてもよい。磁性層50の材料としては、例えば、フェライト、ニッケル、コバルト等の磁性体を用いることができる。磁性層50の厚さは、例えば、0.5〜10μm程度とすることができる。磁性層50は、例えば、スピンスプレーめっき法やスパッタ法等により形成できる。なお、磁性層50がフェライトの場合は非導電性であるため、受動素子基板1の受動素子20近傍に設けても、受動素子20の回路特性に影響を与えることはない。
【0019】
絶縁層60は、基板10の他方の面10bに形成されている。絶縁層60の材料や厚さ、形成方法等は、例えば、絶縁層40と同様とすることができる。絶縁層60は、基板10と金属層70との絶縁性を向上するために設けるものである。すなわち、基板10と金属層70との間に絶縁層60を設けることにより、基板10の表面に形成された図示しない絶縁膜(シリコン酸化膜等)のみの場合と比べて、基板10と金属層70との絶縁性を向上できる。
【0020】
金属層70は、絶縁層60の下面に、受動素子20と平面視で重複するように形成されている。金属層70は、絶縁層60の下面全面に形成されてもよい。金属層70の材料としては、例えば、銅、アルミニウム、銀等を用いることができる。金属層70の厚さは、例えば、100nm〜20μm程度とすることができる。金属層70は、例えば、スパッタ法やめっき法、印刷法等により形成できる。なお、金属層70に部分的にドット状等の開口を設けてもよい。又、金属層70をメッシュ状等としてもよい。このようにすると、金属層70と絶縁層60との密着性が向上すると共に、受動素子基板1の反りを低減できる。
【0021】
このように、受動素子基板1では、受動素子20上に絶縁層40を介して磁性層50が形成されている。磁性層50は、受動素子20が動作時に発するノイズを吸収して熱に変換する機能を有する。その結果、受動素子基板1から外部に発するノイズを従来よりも低減することができる。
【0022】
なお、基板10の一方の面10aには受動素子20や配線層30が形成されており、平坦ではない(凹凸がある)。従って、磁性層50を、絶縁層40を介さずに基板10の一方の面10aに直接形成すると、基板10の一方の面10aの凹凸の影響により安定的な結晶方向が得られない場合がある。絶縁層40を設けることにより、絶縁層40が受動素子20により形成された凹凸を吸収し、磁性層50が形成される面(絶縁層40の上面)を平坦面にすることができる。そのため、磁性層50は基板10の一方の面10aの凹凸の影響を受けない膜厚が均一の層となる。その結果、磁性層50において、安定的な結晶方向が得られ、所望の特性が実現できる。
【0023】
又、受動素子基板1では、基板10の他方の面10bに絶縁層60を介して金属層70が形成されている。金属層70は、受動素子20が動作時に発するノイズを反射する機能を有する。その結果、受動素子基板1から外部に発するノイズを従来よりも低減することができる。又、金属層70は、外部から飛来するノイズを反射する機能を有する。その結果、受動素子基板1が受ける外部から飛来するノイズの影響を低減できる。なお、外部から飛来するノイズの影響が問題とならない場合には、絶縁層60及び金属層70を設けなくてもよい。
【0024】
〈第1の実施の形態の変形例1〉
第1の実施の形態の変形例1では、受動素子基板の裏面側にも磁性層を設ける例を示す。なお、第1の実施の形態の変形例1において、既に説明した実施の形態と同一構成部についての説明は省略する場合がある。
【0025】
図2は、第1の実施の形態の変形例1に係る受動素子基板を例示する断面図である。図2を参照するに、受動素子基板1Aは、磁性層80(第2の磁性層)が追加された点が、受動素子基板1(図1参照)と相違する。
【0026】
磁性層80は、金属層70の下面(基板10とは反対側の面)に、受動素子20と平面視で重複するように形成されている。磁性層80は、金属層70の下面全面に形成されてもよい。磁性層80の材料や厚さ、形成方法等は、例えば、磁性層50と同様とすることができる。但し、所望の特性に応じて、磁性層80の材料や厚さ、形成方法等を磁性層50と異なるものとしてもよい。なお、金属層70の下面は平坦面であるため、磁性層80は膜厚が均一の層となる。その結果、磁性層80において、安定的な結晶方向が得られ、所望の特性が実現できる。
【0027】
このように、受動素子基板1Aでは、金属層70の下面に更に磁性層80が形成されている。磁性層80は、外部から飛来するノイズを吸収して熱に変換する機能を有する。その結果、金属層70が外部から飛来するノイズを反射する機能を有することとの相乗効果により、受動素子基板1Aが受ける外部から飛来するノイズの影響を更に低減できる。
【0028】
〈第1の実施の形態の変形例2〉
第1の実施の形態の変形例2では、受動素子基板内で金属層をGNDと電気的に接続する例を示す。なお、第1の実施の形態の変形例2において、既に説明した実施の形態と同一構成部についての説明は省略する場合がある。
【0029】
図3は、第1の実施の形態の変形例2に係る受動素子基板を例示する断面図である。図3を参照するに、受動素子基板1Bは、貫通配線90が追加された点が、受動素子基板1(図1参照)と相違する。貫通配線90は、基板10及び絶縁層60を貫通し、配線パターン31と金属層70とを電気的に接続している。
【0030】
貫通配線90の材料としては、例えば、銅等を用いることができる。受動素子基板1Bでは、配線パターン31は、GND用の配線パターンとされている。すなわち、受動素子基板1Bでは、金属層70はGNDと電気的に接続されている。なお、貫通配線90は、基板10の貫通孔の内壁面に形成された図示しない絶縁膜(シリコン酸化膜等)により、基板10と絶縁されている。
【0031】
このように、受動素子基板1Bでは、金属層70がGNDと接続されている。受動素子基板1(図1参照)や受動素子基板1A(図2参照)では、金属層70はフローティングされているため、ノイズを反射するのみである。受動素子基板1Bでは、金属層70がGNDと接続されているため、金属層70に到達したノイズをGNDに流すことができる。その結果、金属層70に到達したノイズが金属層70で反射されて他のデバイス等に影響を与えるおそれを低減できる。
【0032】
なお、受動素子基板1Aと同様に、金属層70の下面に更に磁性層80を形成してもよい。この場合には、第1の実施の形態の変形例1で説明した効果を更に得ることができる。
【0033】
〈第1の実施の形態の応用例〉
第1の実施の形態の応用例では、第1の実施の形態に係る受動素子基板を使用したモジュールの例を示す。なお、第1の実施の形態の応用例において、既に説明した実施の形態と同一構成部についての説明は省略する場合がある。又、図4図8では、図面を見やすくするため、受動素子基板1等の各符号の図示を省略している(適宜図1等を参照)。
【0034】
図4は、第1の実施の形態の応用例に係るモジュールを例示する断面図(その1)である。図4を参照するに、モジュール200は、基板210上に受動素子基板1が受動素子20を上側にして実装され、更に、受動素子基板1上に半導体チップ220がフェイスアップ状態で実装された構造である。基板210と受動素子基板1、及び受動素子基板1と半導体チップ220は、例えば、接着層等(図示せず)を介して固着されている。受動素子基板1と半導体チップ220は、モールド樹脂270により封止されてもよい。
【0035】
受動素子基板1のパッド32は、ボンディングワイヤ230を介して、基板210のパッド(図示せず)と接続されている。半導体チップ220のパッド(図示せず)は、ボンディングワイヤ240を介して、基板210のパッド(図示せず)と接続されている。
【0036】
モジュール200では、受動素子基板1の受動素子20と半導体チップ220とが近接して配置されているが、受動素子20と半導体チップ220との間には絶縁層40及び磁性層50が存在している。そのため、受動素子20の回路特性は、半導体チップ220の影響を受けて変動することがない。すなわち、モジュール200のような実装構造とした場合にも、受動素子20のインダクタンス値等は、設計値通りの値となる。
【0037】
図5は、第1の実施の形態の応用例に係るモジュールを例示する断面図(その2)である。図5を参照するに、モジュール200Aは、基板210上に受動素子基板1が受動素子20を下側にしてフリップチップ実装され、更に、受動素子基板1上に半導体チップ220がフェイスアップ状態で実装された構造である。受動素子基板1と半導体チップ220は、例えば、接着層等(図示せず)を介して固着されている。受動素子基板1と半導体チップ220は、モールド樹脂270により封止されてもよい。
【0038】
受動素子基板1のパッド32は、バンプ250(例えば、はんだバンプや金バンプ等)を介して、基板210のパッド(図示せず)と接続されている。半導体チップ220のパッド(図示せず)は、ボンディングワイヤ240を介して、基板210のパッド(図示せず)と接続されている。
【0039】
モジュール200Aでは、受動素子基板1の受動素子20と基板210に形成された配線パターン(図示せず)とが近接して配置されているが、受動素子20と半導体チップ220との間には絶縁層40及び磁性層50が存在している。そのため、受動素子20の回路特性は、基板210に形成された配線パターンの影響を受けて変動することがない。すなわち、モジュール200Aのような実装構造とした場合にも、受動素子20のインダクタンス値等は、設計値通りの値となる。
【0040】
図6は、第1の実施の形態の応用例に係るモジュールを例示する断面図(その3)である。図6に示すモジュール200Bのように、半導体チップ220が基板210上にバンプ260を介してフリップチップ実装された構造の場合も、図5の場合と同様の効果を奏する。基板210と受動素子基板1及び半導体チップ220との間に、アンダーフィル樹脂280が充填されてもよい。
【0041】
なお、従来の受動素子基板を図4図6に示すような実装構造とした場合には、磁性層50等が存在しないため、従来の受動素子基板に搭載された受動素子が、半導体チップ220や基板210に形成された配線パターンの影響を受ける。そのため、従来の受動素子基板に搭載された受動素子の回路特性が変動し、設計値通りの値とならない。この場合、実装構造を変えるたびに、設計値からのずれ量を測定して合わせこむ作業等が必要となるため、設計期間の長期化等の問題が生じる。
【0042】
第1の実施の形態に係る受動素子基板1では、磁性層50等の効果により、上記のような問題が生じることがない。受動素子基板1A又は受動素子基板1Bを用いて図4図6のような実装構造とした場合も同様である。
【0043】
図7は、第1の実施の形態の応用例に係るモジュールを例示する断面図(その4)である。図7を参照するに、モジュール300Aにおいて、受動素子基板1は、ビルドアップ基板に内蔵されている。具体的には、受動素子基板1は、絶縁層330上に絶縁層320が積層されたコア基板310に設けられた凹部310x内に内蔵されている。受動素子基板1は、例えば、接着層等(図示せず)を介して、凹部310xの底面に固着することができる。
【0044】
絶縁層340は、コア基板310を構成する絶縁層320上及び受動素子基板1上に連続的に形成されている。絶縁層340上には所定の平面形状にパターニングされた配線層350が設けられている。配線層350の一部は、ビア配線380を介して、受動素子基板1のパッド32と電気的に接続されている。
【0045】
絶縁層355は、絶縁層340の上面に配線層350を覆うように形成されている。絶縁層355には、配線層350を選択的に露出する開口部355xが設けられている。開口部355x内には、例えば、受動素子基板1のパッド32と接続された配線層350が露出している。開口部355x内に露出する配線層350上には、バンプ260を介して半導体チップ220がフリップチップ実装されている。絶縁層340と半導体チップ220との間に、アンダーフィル樹脂280が充填されてもよい。なお、絶縁層340上に更に絶縁層や配線層を積層してもよい。
【0046】
コア基板310を構成する絶縁層330の下面には、所定の平面形状にパターニングされた配線層360が設けられている。配線層350と配線層360とは、絶縁層340及びコア基板310(絶縁層320及び330)を貫通する貫通配線390を介して電気的に接続されている。絶縁層370は、絶縁層330の下面に配線層360を覆うように形成されている。絶縁層370には、配線層360を選択的に露出する開口部370xが設けられ、開口部370x内には配線層360が露出している。開口部370x内に露出する配線層360は、他の配線基板等と接続されるパッドとして機能する。なお、絶縁層370の下面に更に絶縁層や配線層を積層してもよい。
【0047】
絶縁層320、330、340、355、及び370の材料としては、例えば、エポキシ系樹脂等の絶縁性樹脂を用いることができる。絶縁層320、330、340、355、及び370に、ガラスクロス等の補強部材を内蔵してもよい。又、配線層350及び360、ビア配線380、並びに貫通配線390の材料としては、例えば、銅等を用いることができる。
【0048】
モジュール300Aでは、受動素子基板1の受動素子20と配線層350や半導体チップ220とが近接して配置されているが、受動素子20と配線層350や半導体チップ220との間には絶縁層40及び磁性層50が存在している。そのため、受動素子20の回路特性は、配線層350や半導体チップ220の影響を受けて変動することがない。すなわち、モジュール300Aのように、コア基板310内に受動素子基板1を内蔵する構造とした場合にも、受動素子20のインダクタンス値等は、設計値通りの値となる。
【0049】
図8は、第1の実施の形態の応用例に係るモジュールを例示する断面図(その5)である。図8に示すモジュール300Bのように、コア基板310内に受動素子基板1Aを内蔵する構造とした場合にも、同様の効果を奏する。又、図示は省略するが、コア基板310内に受動素子基板1Bを内蔵する構造とした場合にも、同様の効果を奏する。
【0050】
以上、好ましい実施の形態等について詳説したが、上述した実施の形態等に制限されることはなく、特許請求の範囲に記載された範囲を逸脱することなく、上述した実施の形態等に種々の変形及び置換を加えることができる。
【0051】
例えば、応用例で示した実装構造は一例であり、他の実装構造とした場合にも同様の効果を奏する。
【符号の説明】
【0052】
1、1A、1B 受動素子基板
10、210 基板
10a 基板の一方の面
10b 基板の他方の面
20 受動素子
21 インダクタ
22 キャパシタ
23 抵抗
30、350、360 配線層
31 配線パターン
32 パッド
40、60、320、330、340、355、370 絶縁層
50、80 磁性層
70 金属層
90 貫通配線
200、200A、200B、300A、300B モジュール
220 半導体チップ
230、240 ボンディングワイヤ
250、260 バンプ
270 モールド樹脂
280 アンダーフィル樹脂
310 コア基板
310x 凹部
355x、370x、W 開口部
380 ビア配線
390 貫通配線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8