特許第6283691号(P6283691)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6283691γセクレターゼ調節剤としての新規な置換ピリド−ピペラジノン誘導体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6283691
(24)【登録日】2018年2月2日
(45)【発行日】2018年2月21日
(54)【発明の名称】γセクレターゼ調節剤としての新規な置換ピリド−ピペラジノン誘導体
(51)【国際特許分類】
   C07D 471/04 20060101AFI20180208BHJP
   C07D 519/00 20060101ALI20180208BHJP
   A61K 31/4985 20060101ALI20180208BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20180208BHJP
   A61P 25/28 20060101ALI20180208BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20180208BHJP
   A61P 25/16 20060101ALI20180208BHJP
【FI】
   C07D471/04CSP
   C07D471/04 120
   C07D471/04 111
   C07D519/00 311
   A61K31/4985
   A61P43/00 111
   A61P25/28
   A61P25/00
   A61P25/16
【請求項の数】19
【全頁数】153
(21)【出願番号】特願2015-553071(P2015-553071)
(86)(22)【出願日】2014年1月16日
(65)【公表番号】特表2016-505027(P2016-505027A)
(43)【公表日】2016年2月18日
(86)【国際出願番号】EP2014050787
(87)【国際公開番号】WO2014111457
(87)【国際公開日】20140724
【審査請求日】2017年1月10日
(31)【優先権主張番号】13151654.4
(32)【優先日】2013年1月17日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】397060175
【氏名又は名称】ヤンセン ファーマシューティカ エヌ.ベー.
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100093676
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 純子
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100104282
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 康仁
(74)【代理人】
【識別番号】100149010
【弁理士】
【氏名又は名称】星川 亮
(72)【発明者】
【氏名】ビスチョフ,フランシス,ポール
(72)【発明者】
【氏名】ヴェルター,アドリアナ,イングリッド
(72)【発明者】
【氏名】ロンバウツ,フレドリック,ジャン,リタ
(72)【発明者】
【氏名】デ クライン,ミッシェル,アンナ,ヨセフ
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン ブラント,スヴェン,フランキスクス,アンナ
(72)【発明者】
【氏名】ジイセン,ヘンリクス,ジャコバス,マリア
(72)【発明者】
【氏名】ザヴァタッロ,キアラ
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン デン キーバス,フランス,アルフォンス,マリア
【審査官】 奥谷 暢子
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2013/171712(WO,A1)
【文献】 国際公開第2012/131539(WO,A1)
【文献】 国際公開第2011/048525(WO,A1)
【文献】 特表2012−519682(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D 471/04
A61K 31/4985
A61P 25/00
A61P 25/16
A61P 25/28
A61P 43/00
C07D 519/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化1】
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の化合物、その互変異性体もしくは立体異性体の形態、[式中、
はArまたはArであり、
は、水素、フェニル、シクロC3〜7アルキル、3,4,5,6−テトラヒドロピラニル、3,4,5,6−テトラヒドロチオピラニル、ピペリジニル、またはハロ、ヒドロキシル、C1〜4アルキルオキシおよびNRからなる群からそれぞれ独立に選択される1つまたは複数の置換基で任意選択的に置換されているC1〜4アルキルであり、
Zはメチレンまたは1,2−エタンジイルであり、メチレンまたは1,2−エタンジイルは、1つまたは2つのC1〜4アルキル置換基で任意選択的に置換されており、
Lは、共有結合、1,2−シクロプロパンジイル、−C(=O)−C1〜6アルカンジイル−、
3,4,5,6−テトラヒドロピラニル、フェニルおよびC1〜4アルキルオキシ−C1〜4アルキルからなる群から選択される1つまたは複数の置換基で任意選択的に置換されているC1〜6アルカンジイル、または
2つのジェミナルな水素原子がC2〜6アルカンジイルで置換されているC1〜6アルカンジイルであり、
Arは、イミダゾリル、1,2,4−トリアゾリル、1,3,4−トリアゾリル、ピロリル、フラニル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、チエニル、チアゾリル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピラゾリル、4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チエニル、1,2−ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾフラニル、2,3−ジヒドロベンゾフラニル、1,3−ジヒドロ−イソベンゾフラニル、5,6,7,8−テトラヒドロ−1,2,4−トリアゾロ[4,3−a]ピリジニル、4,5,6,7−テトラヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピリジニル、1,2,4−トリアゾロ[4,3−a]ピリジニル、ピラゾロ−[1,5−a]ピリジニル、3,4−ジヒドロ−1−ベンゾピラニル、1,2−ベンゾイソチアゾリル、インダゾリル、1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリニル、2,3−ジヒドロ−ベンゾ[b]チエニル、1,3−ジヒドロ−ベンゾ[c]チエニル、2−ベンゾフラニル、3,4−ジヒドロ−2−ベンゾチオピラニル、3,4−ジヒドロ−2−ベンゾピラニルおよび1,2,3,4−テトラヒドロキノリニルからなる群から選択される環構造であり、
前記環構造は、ハロと、オキソと、Arと、Rと、ハロ、C1〜4アルキルオキシおよびシクロC3〜7アルキルからなる群からそれぞれ独立に選択される1つまたは複数の置換基で任意選択的に置換されているC1〜4アルキルと、
ハロおよびシクロC3〜7アルキルからなる群からそれぞれ独立に選択される1つまたは複数の置換基で任意選択的に置換されているC1〜4アルキルオキシとからなる群からそれぞれ独立に選択される1つまたは複数の置換基で任意選択的に置換されており、
Arは、ORおよび3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサニルからなる群から選択される1つの置換基で置換されているフェニルであり、前記フェニルは、ハロと、1つまたは複数のハロ置換基で任意選択的に置換されているC1〜4アルキルオキシと、1つまたは複数のハロ置換基で任意選択的に置換されているC1〜4アルキルとからなる群からそれぞれ独立に選択される1つ、2つまたは3つの置換基で任意選択的に置換されており、
Arは、ハロと、1つまたは複数のハロ置換基で任意選択的に置換されているC1〜4アルキルとからなる群からそれぞれ独立に選択される1つまたは複数の置換基で任意選択的に置換されているフェニルであり、
は、水素、シアノ、ハロ、C1〜4アルキルオキシまたはC1〜4アルキルであり、
は水素、ハロまたはC1〜4アルキルであり、
は水素またはC1〜4アルキルであり、
XはCRまたはNであり、
は水素またはC1〜4アルキルであり、
は水素またはC1〜4アルキルであり、
は水素またはC1〜4アルキルであり、
は水素、シクロC3〜7アルキルまたはフェニルであり、
は、ピペリジニル、モルホリニル、シクロC3〜7アルキル、ピラゾリルおよびピロリジニルからなる群から選択される環構造であり、前記環構造は、ハロまたは1つまたは複数のハロ原子で任意選択的に置換されているC1〜4アルキルからなる群からそれぞれ独立に選択される1つまたは複数の置換基で任意選択的に置換されている]
または薬学的に許容されるその付加塩もしくは溶媒和物。
【請求項2】
請求項1に記載の化合物、その互変異性体もしくは立体異性体の形態、または薬学的に許容されるその付加塩もしくは溶媒和物であって、式中、
はArまたはArであり、
は水素またはC1〜4アルキルであり、
Zはメチレンまたは1,2−エタンジイルであり、メチレンまたは1,2−エタンジイルは、1つまたは2つのC1〜4アルキル置換基で任意選択的に置換されており、
Lは、共有結合、1,2−シクロプロパンジイル、−C(=O)−C1〜6アルカンジイル−、C1〜6アルカンジイル、または
2つのジェミナルな水素原子がC2〜6アルカンジイルで置換されているC1〜6アルカンジイルであり、
Arは、イミダゾリル、1,2,4−トリアゾリル、1,3,4−トリアゾリル、ピロリル、フラニル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、チエニル、チアゾリル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピラゾリル、4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チエニル、1,2−ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾフラニル、2,3−ジヒドロベンゾフラニル、1,3−ジヒドロ−イソベンゾフラニル、5,6,7,8−テトラヒドロ−1,2,4−トリアゾロ[4,3−a]ピリジニル、4,5,6,7−テトラヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピリジニル、1,2,4−トリアゾロ[4,3−a]ピリジニル、ピラゾロ−[1,5−a]ピリジニル、3,4−ジヒドロ−1−ベンゾピラニル、1,2−ベンゾイソチアゾリル、インダゾリル、1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリニル、2,3−ジヒドロ−ベンゾ[b]チエニル、1,3−ジヒドロ−ベンゾ[c]チエニル、2−ベンゾフラニル、3,4−ジヒドロ−2−ベンゾチオピラニル、3,4−ジヒドロ−2−ベンゾピラニルおよび1,2,3,4−テトラヒドロキノリニルからなる群から選択される環構造であり、
前記環構造は、ハロと、オキソと、Rと、ハロ、C1〜4アルキルオキシおよびシクロC3〜7アルキルからなる群からそれぞれ独立に選択される1つまたは複数の置換基で任意選択的に置換されているC1〜4アルキルと、ハロおよびシクロC3〜7アルキルからなる群からそれぞれ独立に選択される1つまたは複数の置換基で任意選択的に置換されているC1〜4アルキルオキシとからなる群からそれぞれ独立に選択される1つまたは複数の置換基で任意選択的に置換されており、
Arは、ORおよび3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサニルからなる群から選択される1つの置換基で置換されているフェニルであり、前記フェニルは、ハロと、1つまたは複数のハロ置換基で任意選択的に置換されているC1〜4アルキルオキシと、
1つまたは複数のハロ置換基で任意選択的に置換されているC1〜4アルキルとからなる群からそれぞれ独立に選択される1つ、2つまたは3つの置換基で任意選択的に置換されており、
は水素であり、RはC1〜4アルキルであり、Rは水素であり、XはCRであり、Rは水素であり、
は水素、シクロC3〜7アルキルまたはフェニルであり、
は、ハロまたは1つまたは複数のハロ原子で任意選択的に置換されているC1〜4アルキルからなる群からそれぞれ独立に選択される1つまたは複数の置換基で任意選択的に置換されているピペリジニルである、化合物、その互変異性体もしくは立体異性体の形態、または薬学的に許容されるその付加塩もしくは溶媒和物
【請求項3】
請求項1または2に記載の化合物、その互変異性体もしくは立体異性体の形態、または薬学的に許容されるその付加塩もしくは溶媒和物であって、式中、
はArまたはArであり、
は水素またはC1〜4アルキルであり、
Zはメチレンであり、
Lは、共有結合、−C(=O)−C1〜6アルカンジイル−、C1〜6アルカンジイル、または
2つのジェミナルな水素原子がC2〜6アルカンジイルで置換されているC1〜6アルカンジイルであり、
Arは、チエニル、チアゾリル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピラゾリル、4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チエニル、1,2−ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾフラニル、2,3−ジヒドロベンゾフラニル、1,3−ジヒドロ−イソベンゾフラニル、5,6,7,8−テトラヒドロ−1,2,4−トリアゾロ[4,3−a]ピリジニル、4,5,6,7−テトラヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピリジニル、1,2,4−トリアゾロ[4,3−a]ピリジニル、ピラゾロ−[1,5−a]ピリジニル、3,4−ジヒドロ−1−ベンゾピラニル、1,2−ベンゾイソチアゾリル、インダゾリル、1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリニルからなる群から選択される環構造であり、
前記環構造は、ハロと、Arと、オキソと、Rと、1つまたは複数のハロ置換基で任意選択的に置換されているC1〜4アルキルと、C1〜4アルキルオキシとからなる群からそれぞれ独立に選択される1つまたは複数の置換基で任意選択的に置換されており、
Arは、ORおよび3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサニルからなる群から選択される1つの置換基で置換されているフェニルであり、前記フェニルは、1つまたは複数のハロ置換基で任意選択的に置換されているC1〜4アルキルオキシ、および1つまたは複数のハロ置換基で任意選択的に置換されているC1〜4アルキルからなる群からそれぞれ独立に選択される1つ、2つまたは3つの置換基で任意選択的に置換されており、
Arは1つまたは複数のCFサブシテューエンツ(subsituents)で任意選択的に置換されているフェニルであり、
は水素であり、
はC1〜4アルキルであり、
は水素であり、
XはCRであり、
は水素であり、
は水素、シクロC3〜7アルキルまたはフェニルであり、
は、1つまたは複数のハロ原子で任意選択的に置換されている1つまたは複数のC1〜4アルキル基で任意選択的に置換されているピペリジニルからなる群から選択される環構造である、化合物、その互変異性体もしくは立体異性体の形態、または薬学的に許容されるその付加塩もしくは溶媒和物
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物、その互変異性体もしくは立体異性体の形態、または薬学的に許容されるその付加塩もしくは溶媒和物であって、式中、
はArであり、Arは、イミダゾリル、チエニル、チアゾリル、ピロリジニル、ピペリジニル、4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チエニル、ベンゾフラニル、2,3−ジヒドロベンゾフラニル、1,3−ジヒドロ−イソベンゾフラニル、5,6,7,8−テトラヒドロ−1,2,4−トリアゾロ[4,3−a]ピリジニル、4,5,6,7−テトラヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピリジニル、1,2,4−トリアゾロ[4,3−a]ピリジニル、ピラゾロ−[1,5−a]ピリジニル、3,4−ジヒドロ−1−ベンゾピラニル、インダゾリル、1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリニルからなる群から選択される環構造である、化合物、その互変異性体もしくは立体異性体の形態、または薬学的に許容されるその付加塩もしくは溶媒和物
【請求項5】
がArである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物、その互変異性体もしくは立体異性体の形態、または薬学的に許容されるその付加塩もしくは溶媒和物
【請求項6】
がC1〜4アルキルである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の化合物、その互変異性体もしくは立体異性体の形態、または薬学的に許容されるその付加塩もしくは溶媒和物
【請求項7】
Zがメチレンである、請求項1〜6のいずれか一項に記載の化合物、その互変異性体もしくは立体異性体の形態、または薬学的に許容されるその付加塩もしくは溶媒和物
【請求項8】
がC1〜4アルキルであり、LがC1〜6アルカンジイルである、請求項1〜7のいずれか一項に記載の化合物、その互変異性体もしくは立体異性体の形態、または薬学的に許容されるその付加塩もしくは溶媒和物
【請求項9】
XがCRである、請求項1〜8のいずれか一項に記載の化合物、その互変異性体もしくは立体異性体の形態、または薬学的に許容されるその付加塩もしくは溶媒和物
【請求項10】
で置換されている炭素原子がR配置を有する、請求項1〜9のいずれか一項に記載の化合物、その互変異性体もしくは立体異性体の形態、または薬学的に許容されるその付加塩もしくは溶媒和物
【請求項11】
の位置が式(I−x)
【化2】
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に示すように配置されている、請求項1〜10のいずれか一項に記載の化合物、その互変異性体もしくは立体異性体の形態、または薬学的に許容されるその付加塩もしくは溶媒和物
【請求項12】
薬学的に許容される担体、および有効成分として、治療有効量の請求項1〜11のいずれか一項に記載の化合物、その互変異性体もしくは立体異性体の形態、または薬学的に許容されるその付加塩もしくは溶媒和物を含む医薬組成物。
【請求項13】
求項1〜11のいずれか一項に記載の化合物、その互変異性体もしくは立体異性体の形態、または薬学的に許容されるその付加塩もしくは溶媒和物を含む医薬組成物
【請求項14】
アルツハイマー病、外傷性脳損傷、軽度認知障害、老衰、認知症、レビー小体型認知症、脳アミロイド血管症、多発梗塞性認知症、ボクサー認知症、ダウン症候群、パーキンソン病に関連する認知症およびβアミロイドに関連する認知症から選択される疾患または病態の処置または予防に使用するための、請求項13に記載の医薬組成物
【請求項15】
前記疾患がアルツハイマー病である、請求項14に記載の医薬組成物
【請求項16】
アルツハイマー病、外傷性脳損傷、軽度認知障害、老衰、認知症、レビー小体型認知症、脳アミロイド血管症、多発梗塞性認知症、ボクサー認知症、ダウン症候群、パーキンソン病に関連する認知症およびβアミロイドに関連する認知症から選択される疾患または病態を処置または予防するのに用いるための、請求項12に記載の医薬組成物
【請求項17】
前記疾患がアルツハイマー病である、請求項16に記載の医薬組成物
【請求項18】
アルツハイマー病による神経認知障害、外傷性脳損傷による神経認知障害、レビー小体病による神経認知障害、パーキンソン病による神経認知障害または血管性神経認知障害から選択される疾患または病態を処置または予防するのに用いるための、請求項12に記載の医薬組成物
【請求項19】
アルツハイマー病による神経認知障害、外傷性脳損傷による神経認知障害、レビー小体病による神経認知障害、パーキンソン病による神経認知障害または血管性神経認知障害から選択される疾患または病態の処置または予防に用いるための、請求項13に記載の医薬組成物
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、γセクレターゼ調節剤として有用な新規な置換ピリド−ピペラジノン誘導体に関する。本発明は、そのような新規な化合物を調製する方法、前記化合物を有効成分として含む医薬組成物、および医薬品としての前記化合物の使用にさらに関する。
【背景技術】
【0002】
アルツハイマー病(AD)は、記憶、認知および行動安定性の喪失を特徴とする進行性の神経変性障害である。65歳を超える人口の6〜10%がADに罹患し、85歳を超えると最大50%がADに罹患する。それは認知症の主因となっており、心血管疾患およびがんに続く3番目の死因となっている。現在、ADの有効な処置法はない。米国におけるAD関連の総純費用は年間1000億ドルを超える。
【0003】
しかし、ADの原因は単純ではなく、(1)年齢、(2)家族歴および(3)頭部外傷を含む一定の危険因子と関連付けられており、他の因子としては環境毒素および教育水準の低さが挙げられる。具体的な辺縁皮質および大脳皮質の神経病理学的病変としては、過剰リン酸化タウタンパク質からなる細胞内神経原線維変化、およびアミロイドベータペプチドの線維状凝集体の細胞外沈着(アミロイド斑)が挙げられる。アミロイド斑の主成分は、様々な長さのアミロイドベータ(A−ベータ、AベータまたはAβ)ペプチドである。その変種の1つであるAβ1−42ペプチド(Aベータ−42)は、アミロイド形成の主要な原因物質であると考えられている。別の変種には、Aβ1−40−ペプチド(Aベータ−40)がある。Aβは、前駆体タンパク質であるベータアミロイド前駆体タンパク質(ベータ−APPまたはAPP)のタンパク質分解産物である。
【0004】
家族性早発性常染色体優性型のADは、βアミロイド前駆体タンパク質(β−APPまたはAPP)ならびにプレセニリンタンパク質1および2のミスセンス変異に関連付けられてきた。一部の患者で、遅発型のADは、アポリポタンパク質E(ApoE)遺伝子の特定の対立遺伝子、より最近ではα2−マクログロブリンの突然変異の所見との相関が示されており、それはAD患者集団の少なくとも30%に関連付けられる可能性がある。このような異質性にも関わらず、全ての形態のADは同様の病理学的所見を示す。遺伝子解析により、ADの論理的治療方法に関する最良の手掛かりが得られた。これまでに発見された突然変異は全て、Aベータ−ペプチド(Aβ)として知られるアミロイド形成性ペプチド、特にAβ42の量的または質的産生に影響を及ぼし、ADの「アミロイドカスケード仮説」を強く裏付けてきた(Tanzi and Bertram,2005,Cell 120,545)。Aβペプチド生成とAD病理との間に関連がある可能性が高く、これはAβ産生機序をより十分に理解する必要があることを強調し、Aβ濃度の調節による治療方法の強い根拠となる。
【0005】
Aβペプチドの放出は、それぞれβ−およびγ−セクレターゼによるAβペプチドのN末端(Met−Asp結合)およびC末端(37〜42番目の残基)の切断と称される少なくとも2種のタンパク質分解活性により調節される。分泌経路には、最初にβ−セクレターゼにより切断が行われることを示す証拠があり、それによりs−APPβ(sβ)が分泌され、11kDaの膜結合カルボキシ末端断片(CTF)が保持される。CTFは、γ−セクレターゼによる切断の後、Aβペプチドを生成するものと考えられる。特定のタンパク質(プレセニリン)の特定の遺伝子コード領域に、ある一定の突然変異を有する患者では、比較的長いアイソフォームであるAβ42の量が選択的に増加し、これらの突然変異は家族性早発性ADとの相関が示されてきた。したがって、多くの研究者はAβ42がADの主な病因であると考えている。
【0006】
γ−セクレターゼ活性は単一のタンパク質に帰することができず、実際には様々なタンパク質の集合体に関連していることが現在明らかになっている。
【0007】
ガンマ(γ)−セクレターゼ活性は、プレセニリン(PS)へテロ二量体、ニカストリン、aph−1およびpen−2の少なくとも4つの成分を含有する多タンパク質複合体にある。PSへテロ二量体は、前駆体タンパク質の細胞内タンパク質分解によって生じるアミノ末端PS断片およびカルボキシ末端PS断片からなる。触媒部位の2つのアスパラギン酸は、このヘテロ二量体の境界面にある。最近、ニカストリンがγ−セクレターゼ基質の受容体の役割を果たすことが示唆された。γ−セクレターゼの他のメンバーの機能は未知であるが、それらは全て活性に必要とされる(Steiner,2004.Curr.Alzheimer Research 1(3):175−181)。
【0008】
したがって、第2の切断段階の分子機序は現在まで不明のままであるが、γ−セクレターゼ複合体はADを処置する化合物の探求における主要なターゲットの1つとなっている。
【0009】
ADにおいてγ−セクレターゼを標的とする様々な戦略が提案されており、触媒部位を直接標的とすることから、γ−セクレターゼ活性の基質特異的阻害剤および調節剤を開発することに及んでいる(Marjaux et al.,2004.Drug Discovery Today:Therapeutic Strategies,Volume 1,1−6)。したがって、セクレターゼを標的とする様々な化合物が記述された(Larner,2004.Secretases as therapeutics targets in AD:patents 2000−2004.Expert Opin.Ther.Patents 14,1403−1420)。
【0010】
事実、この発見は、γ−セクレターゼに対する一定の非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)の効果を示した生化学研究によって裏付けられた(米国特許出願公開第2002/0128319号明細書;Eriksen(2003)J.Clin.Invest.112,440)。ADを予防または処置するためのNSAIDの使用に関する可能性のある欠点として、NSAIDはシクロオキシゲナーゼ(COX)酵素阻害活性を有し、望ましくない副作用を引き起こし得ること、およびCNS浸透性が低いことが考えられる(Peretto et al.,2005,J.Med.Chem.48,5705−5720)。より最近では、Cox阻害活性および関連する胃毒性のない鏡像異性体である、NSAID R−フルルビプロフェンは、プラセボ群の患者と比較して、患者の思考能力も日常活動を行う能力も有意に改善しなかったため、大規模第III相試験に失敗した。
【0011】
国際公開第2010/100606号パンフレットは、γ−セクレターゼ調節剤として使用するためのフェニルイミダゾールおよびフェニルトリアゾールを開示している。
【0012】
米国特許出願公開第20090062529号明細書は、Aβによって引き起こされる疾患のための治療薬または予防薬として有効な多環式化合物に関する。
【0013】
国際公開第2010/070008号パンフレットは、γ−セクレターゼ調節剤として有用な新規な置換二環式イミダゾール誘導体に関する。
【0014】
国際公開第2010/089292号パンフレットは、γ−セクレターゼ調節剤として有用な新規な置換二環式複素環化合物に関する。
【0015】
国際公開第2011/006903号パンフレットは、γ−セクレターゼ調節剤として有用な、新規な置換トリアゾールおよびイミダゾール誘導体に関する。
【0016】
国際公開第2012/131539号パンフレットは、脳浸透性γ−セクレターゼ調節剤として有用な新規な二環式ピリジノンに関する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
γ−セクレターゼ活性を調節し、それによりADの処置に新たな道を開く新規な化合物が強く必要とされている。本発明の目的は、従来技術の欠点の少なくとも1つを克服もしくは改善すること、または有用な代替を提供することである。本発明の化合物または本発明の化合物の一部は、従来技術で開示された化合物と比較して、代謝安定特性が改善され、中枢脳利用能が改善され、溶解性が改善され、またはCYP阻害が低減されているものであり得る。したがって、本発明の目的は、このような新規な化合物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明の化合物は、γ−セクレターゼ調節剤として有用であることが判明した。本発明による化合物およびその薬学的に許容される組成物は、ADの処置または予防に有用となり得る。
【0019】
本発明は、式(I):
【化1】
[この文献は図面を表示できません]

の新規な化合物、その互変異性体および立体異性体の形態、[式中、
はArまたはArであり、
は、水素、フェニル、シクロC3〜7アルキル、3,4,5,6−テトラヒドロピラニル、3,4,5,6−テトラヒドロチオピラニル、ピペリジニル、またはハロ、ヒドロキシル、C1〜4アルキルオキシおよびNRからなる群からそれぞれ独立に選択される1つまたは複数の置換基で任意選択的に置換されているC1〜4アルキルであり、
Zはメチレンまたは1,2−エタンジイルであり、メチレンまたは1,2−エタンジイルは、1つまたは2つのC1〜4アルキル置換基で任意選択的に置換されており、
Lは、共有結合、1,2−シクロプロパンジイル、−C(=O)−C1〜6アルカンジイル−、3,4,5,6−テトラヒドロピラニル、フェニルおよびC1〜4アルキルオキシ−C1〜4アルキルからなる群から選択される1つまたは複数の置換基で任意選択的に置換されているC1〜6アルカンジイル、または
2つのジェミナルな水素原子がC2〜6アルカンジイルで置換されているC1〜6アルカンジイルであり、
Arは、イミダゾリル、1,2,4−トリアゾリル、1,3,4−トリアゾリル、ピロリル、フラニル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、チエニル、チアゾリル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピラゾリル、4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チエニル、1,2−ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾフラニル、2,3−ジヒドロベンゾフラニル、1,3−ジヒドロ−イソベンゾフラニル、5,6,7,8−テトラヒドロ−1,2,4−トリアゾロ[4,3−a]ピリジニル、4,5,6,7−テトラヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピリジニル、1,2,4−トリアゾロ[4,3−a]ピリジニル、ピラゾロ−
[1,5−a]ピリジニル、3,4−ジヒドロ−1−ベンゾピラニル、1,2−ベンゾイソチアゾリル、インダゾリル、1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリニル、2,3−ジヒドロ−ベンゾ[b]チエニル、1,3−ジヒドロ−ベンゾ[c]チエニル、2−ベンゾフラニル、3,4−ジヒドロ−2−ベンゾチオピラニル、3,4−ジヒドロ−2−ベンゾピラニルおよび1,2,3,4−テトラヒドロキノリニルからなる群から選択される環構造であり、
前記環構造は、ハロと、オキソと、Arと、Rと、ハロ、C1〜4アルキルオキシおよびシクロC3〜7アルキルからなる群からそれぞれ独立に選択される1つまたは複数の置換基で任意選択的に置換されているC1〜4アルキルと、ハロおよびシクロC3〜7アルキルからなる群からそれぞれ独立に選択される1つまたは複数の置換基で任意選択的に置換されているC1〜4アルキルオキシとからなる群からそれぞれ独立に選択される1つまたは複数の置換基で任意選択的に置換されており、
Arは、ORおよび3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサニルからなる群から選択される1つの置換基で置換されているフェニルであり、前記フェニルは、ハロと、1つまたは複数のハロ置換基で任意選択的に置換されているC1〜4アルキルオキシと、
1つまたは複数のハロ置換基で任意選択的に置換されているC1〜4アルキルとからなる群からそれぞれ独立に選択される1つ、2つまたは3つの置換基で任意選択的に置換されており、
Arは、ハロと、1つまたは複数のハロ置換基で任意選択的に置換されているC1〜4アルキルとからなる群からそれぞれ独立に選択される1つまたは複数の置換基で任意選択的に置換されているフェニルであり、
は、水素、シアノ、ハロ、C1〜4アルキルオキシまたはC1〜4アルキルであり、
は水素、ハロまたはC1〜4アルキルであり、
は水素またはC1〜4アルキルであり、
XはCRまたはNであり、
は水素またはC1〜4アルキルであり、
は水素またはC1〜4アルキルであり、
は水素またはC1〜4アルキルであり、
は水素、シクロC3〜7アルキルまたはフェニルであり、
は、ピペリジニル、モルホリニル、シクロC3〜7アルキル、ピラゾリルおよびピロリジニルからなる群から選択される環構造であり、前記環構造は、ハロまたは1つまたは複数のハロ原子で任意選択的に置換されているC1〜4アルキルからなる群からそれぞれ独立に選択される1つまたは複数の置換基で任意選択的に置換されている]
ならびに薬学的に許容されるその付加塩および溶媒和物に関する。
【0020】
本発明は、本発明の化合物の調製方法およびこれを含む医薬組成物にも関する。
【0021】
本発明の化合物は、in vitroおよびin vivoでγ−セクレターゼ活性を調節することが判明し、したがって、AD、外傷性脳損傷(TBI)、ボクサー認知症、軽度認知障害(MCI)、老衰、認知症、レビー小体型認知症、脳アミロイド血管症、多発梗塞性認知症、ダウン症候群、パーキンソン病に関連する認知症およびβアミロイドに関連する認知症、好ましくはADおよびβアミロイドの異常を伴う他の障害(例えば緑内障)の処置または予防に有用となり得る。
【0022】
上記の、式(I)の化合物ならびに薬学的に許容されるその付加塩および溶媒和物の薬理作用に鑑みて、これらは医薬品として使用するのに好適であり得るということになる。
【0023】
より具体的には、式(I)の化合物ならびに薬学的に許容されるその付加塩および溶媒和物は、AD、脳アミロイド血管症、多発梗塞性認知症、ボクサー認知症およびダウン症候群の処置または予防に好適であり得る。
【0024】
本発明は、γ−セクレターゼ活性を調節する医薬品を製造するための、一般式(I)による化合物、ならびに薬学的に許容されるその酸付加塩または塩基付加塩および溶媒和物の使用にも関する。
【0025】
本発明をここでさらに説明することにする。以下の節において、本発明の様々な態様がより詳細に定義される。そのように定義される各態様は、明白に否定されない限り、他の任意の1つまたは複数の態様と組み合わせることができる。特に、好ましいまたは有利であると示されている任意の特徴を、好ましいまたは有利であると示されている他の任意の1つまたは複数の特徴と組み合わせることができる。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明の化合物を記載する場合、使用する用語は、文脈上他の意味が示されていない限り、以下の定義に従って解釈されるべきである。
【0027】
本発明において「置換された」という用語を使用するときは常に、特記しない限りまたは文脈から明らかでない限り、「置換された」を使用する表現で示される原子または基の1個以上の水素、特に1〜3個の水素、好ましくは1個または2個の水素、より好ましくは1個の水素が、示されている群から選択されるもので置き換えられていることを示すものであるが、但し、通常の原子価を超えず、置換により化学的に安定な化合物、すなわち反応混合物から有用な程度の純度での単離および治療薬への製剤化に耐える十分に堅牢な化合物が得られるものとする。
【0028】
基または基の一部としての「ハロ」という用語は、特記しない限りまたは文脈から明らかでない限り、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨードを総称するものとする。
【0029】
基または基の一部としての「C1〜4アルキル」という用語は、式C2n+1のヒドロカルビル基を指し、nは1〜4の範囲の数である。C1〜4アルキル基は、1〜4個の炭素原子、好ましくは1〜3個の炭素原子、より好ましくは1〜2個の炭素原子を含む。C1〜4アルキル基は直鎖状でも分枝鎖状でもよく、本明細書中に示されるように置換されていてもよい。本明細書で下付き文字を炭素原子の後で使用する場合、下付き文字は、指定する基が含有し得る炭素原子の数を指す。
1〜4アルキルは、1〜4個の炭素原子を伴う全ての直鎖状または分枝鎖状アルキル基を含み、したがって、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、2−メチル−エチル、ブチルおよびその異性体(例えば、n−ブチル、イソブチルおよびtert−ブチル)などを含む。
【0030】
「シクロC3〜7アルキル」という用語は、単独でまたは組み合わせて、3〜7個の炭素原子を有する環状飽和炭化水素基を指す。好適なシクロC3〜7アルキルの非限定的な例として、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルおよびシクロヘプチルが挙げられる。
【0031】
基または基の一部としての「C1〜4アルキルオキシ」という用語は、RがC1〜4アルキルである式ORを有する基を指す。好適なC1〜4アルキルオキシの非限定的な例として、メチルオキシ(メトキシとも称する)、エチルオキシ(エトキシとも称する)、プロピルオキシ、イソプロピルオキシ、ブチルオキシ、イソブチルオキシ、sec−ブチルオキシおよびtert−ブチルオキシが挙げられる。
【0032】
基または基の一部としての「C1〜6アルカンジイル」という用語は、例えば、メチレンまたはメタンジイル、エタン−1,2−ジイル、エタン−1,1−ジイルまたはエチリデン、プロパン−1,3−ジイル、プロパン−1,2−ジイル、ブタン−1,4−ジイル、ペンタン−1,5−ジイル、ペンタン−1,1−ジイル、ヘキサン−1,6−ジイル、2−メチルブタン−1,4−ジイル、3−メチルペンタン−1,5−ジイルなどの、1〜6個の炭素原子を有する二価の直鎖状または分枝鎖状の飽和炭化水素基を示す。
【0033】
基または基の一部としての「C2〜6アルカンジイル」という用語は、例えば、エタン−1,2−ジイル、エタン−1,1−ジイルまたはエチリデン、プロパン−1,3−ジイル、プロパン−1,2−ジイル、ブタン−1,4−ジイル、ペンタン−1,5−ジイル、ペンタン−1,1−ジイル、ヘキサン−1,6−ジイル、2−メチルブタン−1,4−ジイル、3−メチルペンタン−1,5−ジイルなどの、2〜6個の炭素原子を有する二価の直鎖状または分枝鎖状の飽和炭化水素基を示し、
特に、基または基の一部としての「C2〜6アルカンジイル」は、エタン−1,2−ジイルを示す。
【0034】
同様に、基または基の一部としての「C1〜2アルカンジイル」という用語は、1〜2個の炭素原子を有する二価の直鎖状または分枝鎖状の飽和炭化水素基を示す。
【0035】
「オキソ」という用語は=Oを意味する。
【0036】
「3,4−ジヒドロ−1−ベンゾピラニル」という用語は、3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラニルと等しく、「インダゾリル」は1H−インダゾリルと等しく、「3,4−ジヒドロ−2−ベンゾチオピラニル」は3,4−ジヒドロ−1H−2−ベンゾチオピラニルと等しく、「3,4−ジヒドロ−2−ベンゾピラニル」は3,4−ジヒドロ−1H−2−ベンゾピラニルと等しく、「3,4,5,6−テトラヒドロ−ピラニル」はテトラヒドロ−2H−ピラニルと等しく、「3,4,5,6−テトラヒドロチオピラニル」はテトラヒドロ−2H−チオピラニルと等しい。
【0037】
変数「L」が−C(=O)−C1〜6アルカンジイル−を表すときは常に、カルボニル基が「R」に結合しており、C1〜6アルカンジイルは分子の残部に結合しているものとする。これは式(I’)で示される。
【化2】
[この文献は図面を表示できません]
【0038】
本発明の化合物の化学名は、Chemical Abstracts Serviceにより合意された命名規則に従い、Advanced Chemical Development,Inc.,命名ソフトウェア(ACD/Labs Release 12.00 Product version 12.01;Build 33104,27 May 2009)を使用して生成された。互変異性形態の場合、示された互変異性形態の名前が生成された。示されていない他の互変異性形態も本発明の範囲内に含まれることは明らかなはずである。
【0039】
ArまたはRの定義中の環構造のうちの1つが、1つまたは複数の置換基で置換されているときは常に、それらの置換基は、環構造の炭素原子または窒素原子に結合している任意の水素原子に置き換わり得る。
【0040】
本明細書で使用する「本発明の化合物」という用語は、式(I)の化合物、ならびにその塩および溶媒和物を含むものとする。
【0041】
本明細書で使用する場合、実線のくさび形結合または破線のくさび形結合としてではなく実線としてのみ示される結合を有する任意の化学式、あるいは1個以上の原子の周りに特定の配置(例えばR、S)を有するものとして示される任意の化学式は、それぞれにあり得る立体異性体、または2つ以上の立体異性体の混合物を想定している。
【0042】
上記および下記で、「式(I)の化合物」という用語は、その立体異性体およびその互変異性形態を含むものとする。
【0043】
上記および下記の「立体異性体」、「立体異性体の形態」または「立体化学的異性体の形態」という用語は、互換的に使用される。
【0044】
本発明は、純粋な立体異性体として、または2つ以上の立体異性体の混合物として、本発明の化合物の全ての立体異性体を含む。
【0045】
鏡像異性体は、重ね合わせることができない互いの鏡像となっている立体異性体である。1対の鏡像異性体の1:1混合物は、ラセミ体またはラセミ混合物である。
【0046】
ジアステレオマー(またはジアステレオ異性体)は、鏡像異性体ではない立体異性体であり、すなわち、鏡像の関係にない。化合物が二重結合を含有する場合、置換基は、E配置またはZ配置となり得る。二価の環状(部分的)飽和基上の置換基は、シス配置またはトランス配置を有し得る。例えば、化合物が二置換のシクロアルキル基を含有する場合、置換基はシス配置またはトランス配置であり得る。したがって、本発明は、化学的に可能な場合は常に、鏡像異性体、ジアステレオマー、ラセミ体、E異性体、Z異性体、シス異性体、トランス異性体、およびこれらの混合物を含む。
【0047】
その全ての用語、すなわち、鏡像異性体、ジアステレオマー、ラセミ体、E異性体、Z異性体、シス異性体、トランス異性体およびこれらの混合物の意味は、当業者に公知である。
【0048】
絶対配置は、カーン・インゴルド・プレローグ表示法に従って明記される。不斉原子における配置は、RまたはSによって特定される。絶対配置が不明の分割立体異性体は、これが平面偏光を回転させる方向に応じて(+)または(−)によって示すことができる。例えば、絶対配置が不明の分割鏡像異性体は、これが平面偏光を回転させる方向に応じて(+)または(−)によって示すことができる。
【0049】
特定の立体異性体が同定される場合、これは、前記立体異性体が他の立体異性体を実質的に含まない、すなわち他の立体異性体を、50%未満、好ましくは20%未満、より好ましくは10%未満、さらにより好ましくは5%未満、特に2%未満、最も好ましくは1%未満しか伴わないことを意味する。したがって、式(I)の化合物が、例えば(R)と明記されるとき、これは、化合物が(S)異性体を実質的に含まないことを意味し、式(I)の化合物が、例えばEと明記されるとき、これは、化合物がZ異性体を実質的に含まないことを意味し、式(I)の化合物が、例えばシスと明記されるとき、これは、化合物がトランス異性体を実質的に含まないことを意味する。
【0050】
式(I)による化合物の一部は、その互変異性形態で存在する場合もある。このような形態が存在し得る限り、それは、上記の式(I)に明確に示されてはいなくても、本発明の範囲内に含まれるものとする。
【0051】
したがって、1つの化合物が、立体異性体および互変異性体の両方の形態で存在し得ることになる。
【0052】
治療用途には、式(I)の化合物の塩およびその溶媒和物は、対イオンが薬学的に許容されるものとする。しかし、薬学的に許容されない酸塩および塩基塩も、例えば、薬学的に許容される化合物の調製または精製に用途がある場合がある。薬学的に許容されるか否かにかかわらず、全ての塩は、本発明の範囲内に含まれる。
【0053】
上記および下記の薬学的に許容される酸付加塩および塩基付加塩は、式(I)の化合物およびその溶媒和物が形成できる、治療活性を有する非毒性の酸付加塩および塩基付加塩の形態を含むものとする。薬学的に許容される酸付加塩は、塩基形態を以下の適切な酸で処理することによって簡便に得ることができる。適切な酸には、例えば、無機酸、例えば、塩酸または臭化水素酸などのハロゲン化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などの酸;または有機酸、例えば、酢酸、プロパン酸、ヒドロキシ酢酸、乳酸、ピルビン酸、シュウ酸(すなわちエタン二酸)、マロン酸、コハク酸(すなわちブタン二酸)、マレイン酸、フマル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、シクラミン酸、サリチル酸、p−アミノサリチル酸、パモン酸などの酸が含まれる。逆に、前記塩形態は、適切な塩基で処理することにより遊離塩基形態に変換することができる。
【0054】
酸性プロトンを含有する式(I)の化合物およびその溶媒和物は、適切な有機塩基および無機塩基で処理することによりそれらの非毒性の金属付加塩またはアミン付加塩の形態に変換することもできる。適切な塩基塩形態には、例えば、アンモニウム塩、アルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩、例えばリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩など、有機塩基との塩、例えば、第一級、第二級および第三級の、脂肪族および芳香族アミン、例えばメチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、4つのブチルアミン異性体、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジエタノールアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジ−n−ブチルアミン、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、キヌクリジン、ピリジン、キノリンおよびイソキノリン;ベンザチン塩、N−メチル−D−グルカミン塩、ヒドラバミン塩、ならびにアミノ酸との塩、例えばアルギニン、リシンなどが含まれる。逆に、塩形態は、酸で処理することにより遊離酸形態に変換することができる。
【0055】
溶媒和物という用語は、式(I)の化合物が形成できる水和物および溶媒付加形態、ならびに薬学的に許容されるその塩を含む。そのような形態の例は、例えば、水和物、アルコラートなどである。
【0056】
下記の方法で調製される本発明の化合物は、鏡像異性体の混合物、特に当技術分野で公知の分割法に従って互いから分離できる鏡像異性体のラセミ混合物の形態で合成され得る。式(I)の化合物ならびに薬学的に許容されるその付加塩および溶媒和物の鏡像異性体の形態を分割する方法は、キラル固定相を使用する液体クロマトグラフィーのことである。前記純粋な立体化学的異性体の形態は、反応が立体特異的に起こることを条件として、適切な出発物質の対応する純粋な立体化学的異性体の形態からも誘導することができる。好ましくは、特定の立体異性体が所望される場合、前記化合物は、立体特異的な調製方法により合成することになろう。これらの方法は、鏡像異性的に純粋な出発物質を使用するのが有利であろう。
【0057】
本出願の枠組みにおいて、元素は、特に式(I)による化合物に関連して記載される場合、天然存在比または同位体が濃縮された形態のいずれかで、天然のまたは合成的に生成された、この元素の全ての同位体および同位体混合物を含む。放射標識した式(I)の化合物は、H、11C、18F、122I、123I、125I、131I、75Br、76Br、77Brおよび82Brの群から選択される放射性同位体を含み得る。好ましくは、放射性同位体は、H、11Cおよび18Fの群から選択される。
【0058】
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用する場合、単数形である「1つの(a)」、「1つの(an)」および「その(the)」は、文脈上、明らかに他の意味が示されていない限り、複数の指示対象も含むものとする。例えば、「1種の化合物(a compound)」は、1種の化合物または2種以上の化合物を意味する。
【0059】
一実施形態において、本発明は、式(I):
【化3】
[この文献は図面を表示できません]

の新規な化合物、その互変異性体および立体異性体の形態、[式中、
はArまたはArであり、
は、水素、フェニル、シクロC3〜7アルキル、3,4,5,6−テトラヒドロピラニル、3,4,5,6−テトラヒドロ−チオピラニル、ピペリジニル、またはハロ、ヒドロキシル、C1〜4アルキルオキシおよびNRからなる群からそれぞれ独立に選択される1つまたは複数の置換基で任意選択的に置換されているC1〜4アルキルであり、
Zはメチレンまたは1,2−エタンジイルであり、メチレンまたは1,2−エタンジイルは、1つまたは2つのC1〜4アルキル置換基で任意選択的に置換されており、
Lは、共有結合、1,2−シクロプロパンジイル、−C(=O)−C1〜6アルカンジイル−、3,4,5,6−テトラヒドロピラニル、フェニルおよびC1〜4アルキルオキシ−C1〜4アルキルからなる群から選択される1つまたは複数の置換基で任意選択的に置換されているC1〜6アルカンジイル、または
2つのジェミナルな水素原子がC2〜6アルカンジイルで置換されているC1〜6アルカンジイルであり、
Arは、イミダゾリル、1,2,4−トリアゾリル、1,3,4−トリアゾリル、ピロリル、フラニル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、チエニル、チアゾリル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピラゾリル、4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チエニル、1,2−ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾフラニル、2,3−ジヒドロベンゾフラニル、1,3−ジヒドロ−イソベンゾフラニル、5,6,7,8−テトラヒドロ−1,2,4−トリアゾロ[4,3−a]ピリジニル、4,5,6,7−テトラヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピリジニル、1,2,4−トリアゾロ[4,3−a]ピリジニル、ピラゾロ−
[1,5−a]ピリジニル、3,4−ジヒドロ−1−ベンゾピラニル、1,2−ベンゾイソチアゾリル、インダゾリル、1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリニル、2,3−ジヒドロ−ベンゾ[b]チエニル、1,3−ジヒドロ−ベンゾ[c]チエニル、2−ベンゾフラニル、3,4−ジヒドロ−2−ベンゾチオピラニル、3,4−ジヒドロ−2−ベンゾピラニルおよび1,2,3,4−テトラヒドロキノリニルからなる群から選択される環構造であり、
前記環構造は、ハロと、オキソと、Arと、Rと、ハロ、C1〜4アルキルオキシおよびシクロC3〜7アルキルからなる群からそれぞれ独立に選択される1つまたは複数の置換基で任意選択的に置換されているC1〜4アルキルと、ハロおよびシクロC3〜7アルキルからなる群からそれぞれ独立に選択される1つまたは複数の置換基で任意選択的に置換されているC1〜4アルキルオキシとからなる群からそれぞれ独立に選択される1つまたは複数の置換基で任意選択的に置換されており、
Arは、ORおよび3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサニルからなる群から選択される1つの置換基で置換されているフェニルであり、前記フェニルは、ハロと、1つまたは複数のハロ置換基で任意選択的に置換されているC1〜4アルキルオキシと、
1つまたは複数のハロ置換基で任意選択的に置換されているC1〜4アルキルとからなる群からそれぞれ独立に選択される1つ、2つまたは3つの置換基で任意選択的に置換されており、
Arは、ハロと、1つまたは複数のハロ置換基で任意選択的に置換されているC1〜4アルキルとからなる群からそれぞれ独立に選択される1つまたは複数の置換基で任意選択的に置換されているフェニルであり、
は、水素、シアノ、ハロ、C1〜4アルキルオキシまたはC1〜4アルキルであり、
は水素、ハロまたはC1〜4アルキルであり、
は水素またはC1〜4アルキルであり、
XはCRまたはNであり、
は水素またはC1〜4アルキルであり、
は水素またはC1〜4アルキルであり、
は水素またはC1〜4アルキルであり、
は水素、シクロC3〜7アルキルまたはフェニルであり、
は、ピペリジニル、モルホリニル、シクロC3〜7アルキル、ピラゾリルおよびピロリジニルからなる群から選択される環構造であり、前記環構造は、ハロまたは1つまたは複数のハロ原子で任意選択的に置換されているC1〜4アルキルからなる群からそれぞれ独立に選択される1つまたは複数の置換基で任意選択的に置換されている]
ならびに薬学的に許容されるその付加塩および溶媒和物に関する。
【0060】
一実施形態において、本発明は、式(I)の新規な化合物、その互変異性体および立体異性体の形態、[式中、
はArであり、
は、水素、フェニル、シクロC3〜7アルキル、3,4,5,6−テトラヒドロピラニル、3,4,5,6−テトラヒドロチオピラニル、ピペリジニル、またはハロ、ヒドロキシル、C1〜4アルキルオキシおよびNRからなる群からそれぞれ独立に選択される1つまたは複数の置換基で任意選択的に置換されているC1〜4アルキルであり、
Zはメチレンまたは1,2−エタンジイルであり、メチレンまたは1,2−エタンジイルは、1つまたは2つのC1〜4アルキル置換基で任意選択的に置換されており、
Lは、共有結合、1,2−シクロプロパンジイル、−C(=O)−C1〜6アルカンジイル−、3,4,5,6−テトラヒドロピラニル、フェニルおよびC1〜4アルキルオキシ−C1〜4アルキルからなる群から選択される1つまたは複数の置換基で任意選択的に置換されているC1〜6アルカンジイル、または
2つのジェミナルな水素原子がC2〜6アルカンジイルで置換されているC1〜6アルカンジイルであり、
Arは、イミダゾリル、1,2,4−トリアゾリル、1,3,4−トリアゾリル、ピロリル、フラニル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、チエニル、チアゾリル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピラゾリル、4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チエニル、1,2−ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾフラニル、2,3−ジヒドロベンゾフラニル、1,3−ジヒドロ−イソベンゾフラニル、5,6,7,8−テトラヒドロ−1,2,4−トリアゾロ[4,3−a]ピリジニル、4,5,6,7−テトラヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピリジニル、1,2,4−トリアゾロ[4,3−a]ピリジニル、ピラゾロ−
[1,5−a]ピリジニル、3,4−ジヒドロ−1−ベンゾピラニル、1,2−ベンゾイソチアゾリル、インダゾリル、1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリニル、2,3−ジヒドロ−ベンゾ[b]チエニル、1,3−ジヒドロ−ベンゾ[c]チエニル、2−ベンゾフラニル、3,4−ジヒドロ−2−ベンゾチオピラニル、3,4−ジヒドロ−2−ベンゾピラニルおよび1,2,3,4−テトラヒドロキノリニルからなる群から選択される環構造であり、
前記環構造は、ハロと、オキソと、Arと、Rと、ハロ、C1〜4アルキルオキシおよびシクロC3〜7アルキルからなる群からそれぞれ独立に選択される1つまたは複数の置換基で任意選択的に置換されているC1〜4アルキルと、ハロおよびシクロC3〜7アルキルからなる群からそれぞれ独立に選択される1つまたは複数の置換基で任意選択的に置換されているC1〜4アルキルオキシとからなる群からそれぞれ独立に選択される1つまたは複数の置換基で任意選択的に置換されており、
Arは、ハロと、1つまたは複数のハロ置換基で任意選択的に置換されているC1〜4アルキルとからなる群からそれぞれ独立に選択される1つまたは複数の置換基で任意選択的に置換されているフェニルであり、
は、水素、シアノ、ハロ、C1〜4アルキルオキシまたはC1〜4アルキルであり、
は水素、ハロまたはC1〜4アルキルであり、
は水素またはC1〜4アルキルであり、
XはCRまたはNであり、
は水素またはC1〜4アルキルであり、
は水素またはC1〜4アルキルであり、
は水素またはC1〜4アルキルであり、
は、ピペリジニル、モルホリニル、シクロC3〜7アルキル、ピラゾリルおよびピロリジニルからなる群から選択される環構造であり、前記環構造は、ハロまたは1つまたは複数のハロ原子で任意選択的に置換されているC1〜4アルキルからなる群からそれぞれ独立に選択される1つまたは複数の置換基で任意選択的に置換されている]
ならびに薬学的に許容されるその付加塩および溶媒和物に関する。
【0061】
一実施形態において、本発明は、式(I)の新規な化合物、その互変異性体および立体異性体の形態、[式中、
はArであり、
は、水素、フェニル、シクロC3〜7アルキル、3,4,5,6−テトラヒドロピラニル、3,4,5,6−テトラヒドロチオピラニル、ピペリジニル、またはハロ、ヒドロキシル、C1〜4アルキルオキシおよびNRからなる群からそれぞれ独立に選択される1つまたは複数の置換基で任意選択的に置換されているC1〜4アルキルであり、
Zはメチレンまたは1,2−エタンジイルであり、メチレンまたは1,2−エタンジイルは、1つまたは2つのC1〜4アルキル置換基で任意選択的に置換されており、
Lは、共有結合、1,2−シクロプロパンジイル、−C(=O)−C1〜6アルカンジイル−、3,4,5,6−テトラヒドロピラニル、フェニルおよびC1〜4アルキルオキシ−C1〜4アルキルからなる群から選択される1つまたは複数の置換基で任意選択的に置換されているC1〜6アルカンジイル、または
2つのジェミナルな水素原子がC2〜6アルカンジイルで置換されているC1〜6アルカンジイルであり、
Arは、ORおよび3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサニルからなる群から選択される1つの置換基で置換されているフェニルであり、前記フェニルは、ハロと、1つまたは複数のハロ置換基で任意選択的に置換されているC1〜4アルキルオキシと、
1つまたは複数のハロ置換基で任意選択的に置換されているC1〜4アルキルとからなる群からそれぞれ独立に選択される1つ、2つまたは3つの置換基で任意選択的に置換されており、
は、水素、シアノ、ハロ、C1〜4アルキルオキシまたはC1〜4アルキルであり、
は水素、ハロまたはC1〜4アルキルであり、
は水素またはC1〜4アルキルであり、
XはCRまたはNであり、
は水素またはC1〜4アルキルであり、
は水素またはC1〜4アルキルであり、
は水素またはC1〜4アルキルであり、
は水素、シクロC3〜7アルキルまたはフェニルである]
ならびに薬学的に許容されるその付加塩および溶媒和物に関する。
【0062】
一実施形態において、本発明は、式(I)の新規な化合物、その互変異性体および立体異性体の形態、[式中、
はArまたはArであり、
はメチルであり、
Zはメチレンまたは1,2−エタンジイルであり、メチレンまたは1,2−エタンジイルは、1つまたは2つのC1〜4アルキル置換基で任意選択的に置換されており、
Lは、共有結合、1,2−シクロプロパンジイル、−C(=O)−C1〜6アルカンジイル−、3,4,5,6−テトラヒドロピラニル、フェニルおよびC1〜4アルキルオキシ−C1〜4アルキルからなる群から選択される1つまたは複数の置換基で任意選択的に置換されているC1〜6アルカンジイル、または
2つのジェミナルな水素原子がC2〜6アルカンジイルで置換されているC1〜6アルカンジイルであり、
Arは、イミダゾリル、1,2,4−トリアゾリル、1,3,4−トリアゾリル、ピロリル、フラニル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、チエニル、チアゾリル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピラゾリル、4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チエニル、1,2−ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾフラニル、2,3−ジヒドロベンゾフラニル、1,3−ジヒドロ−イソベンゾフラニル、5,6,7,8−テトラヒドロ−1,2,4−トリアゾロ[4,3−a]ピリジニル、4,5,6,7−テトラヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピリジニル、1,2,4−トリアゾロ[4,3−a]ピリジニル、ピラゾロ−
[1,5−a]ピリジニル、3,4−ジヒドロ−1−ベンゾピラニル、1,2−ベンゾイソチアゾリル、インダゾリル、1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリニル、2,3−ジヒドロ−ベンゾ[b]チエニル、1,3−ジヒドロ−ベンゾ[c]チエニル、2−ベンゾフラニル、3,4−ジヒドロ−2−ベンゾチオピラニル、3,4−ジヒドロ−2−ベンゾピラニルおよび1,2,3,4−テトラヒドロキノリニルからなる群から選択される環構造であり、
前記環構造は、ハロと、オキソと、Arと、Rと、ハロ、C1〜4アルキルオキシおよびシクロC3〜7アルキルからなる群からそれぞれ独立に選択される1つまたは複数の置換基で任意選択的に置換されているC1〜4アルキルと、ハロおよびシクロC3〜7アルキルからなる群からそれぞれ独立に選択される1つまたは複数の置換基で任意選択的に置換されているC1〜4アルキルオキシとからなる群からそれぞれ独立に選択される1つまたは複数の置換基で任意選択的に置換されており、
Arは、ORおよび3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサニルからなる群から選択される1つの置換基で置換されているフェニルであり、前記フェニルは、ハロと、1つまたは複数のハロ置換基で任意選択的に置換されているC1〜4アルキルオキシと、
1つまたは複数のハロ置換基で任意選択的に置換されているC1〜4アルキルとからなる群からそれぞれ独立に選択される1つ、2つまたは3つの置換基で任意選択的に置換されており、
Arは、ハロと、1つまたは複数のハロ置換基で任意選択的に置換されているC1〜4アルキルとからなる群からそれぞれ独立に選択される1つまたは複数の置換基で任意選択的に置換されているフェニルであり、
は、水素、シアノ、ハロ、C1〜4アルキルオキシまたはC1〜4アルキルであり、
は水素、ハロまたはC1〜4アルキルであり、
は水素またはC1〜4アルキルであり、
XはCRまたはNであり、
は水素またはC1〜4アルキルであり、
は水素またはC1〜4アルキルであり、
は水素またはC1〜4アルキルであり、
は水素、シクロC3〜7アルキルまたはフェニルであり、
は、ピペリジニル、モルホリニル、シクロC3〜7アルキル、ピラゾリルおよびピロリジニルからなる群から選択される環構造であり、前記環構造は、ハロまたは1つまたは複数のハロ原子で任意選択的に置換されているC1〜4アルキルからなる群からそれぞれ独立に選択される1つまたは複数の置換基で任意選択的に置換されている]
ならびに薬学的に許容されるその付加塩および溶媒和物に関する。
【0063】
一実施形態において、本発明は、式(I)の新規な化合物、その互変異性体および立体異性体の形態、[式中、
はArまたはArであり、
は水素またはC1〜4アルキルであり、
Zはメチレンまたは1,2−エタンジイルであり、メチレンまたは1,2−エタンジイルは、1つまたは2つのC1〜4アルキル置換基で任意選択的に置換されており、
Lは、共有結合、1,2−シクロプロパンジイル、−C(=O)−C1〜6アルカンジイル−、C1〜6アルカンジイル、または
2つのジェミナルな水素原子がC2〜6アルカンジイルで置換されているC1〜6アルカンジイルであり、
Arは、イミダゾリル、1,2,4−トリアゾリル、1,3,4−トリアゾリル、ピロリル、フラニル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、チエニル、チアゾリル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピラゾリル、4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チエニル、1,2−ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾフラニル、2,3−ジヒドロベンゾフラニル、1,3−ジヒドロ−イソベンゾフラニル、5,6,7,8−テトラヒドロ−1,2,4−トリアゾロ[4,3−a]ピリジニル、4,5,6,7−テトラヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピリジニル、1,2,4−トリアゾロ[4,3−a]ピリジニル、ピラゾロ−
[1,5−a]ピリジニル、3,4−ジヒドロ−1−ベンゾピラニル、1,2−ベンゾイソチアゾリル、インダゾリル、1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリニル、2,3−ジヒドロ−ベンゾ[b]チエニル、1,3−ジヒドロ−ベンゾ[c]チエニル、2−ベンゾフラニル、3,4−ジヒドロ−2−ベンゾチオピラニル、3,4−ジヒドロ−2−ベンゾピラニルおよび1,2,3,4−テトラヒドロキノリニルからなる群から選択される環構造であり、
前記環構造は、ハロと、オキソと、Rと、ハロ、C1〜4アルキルオキシおよびシクロC3〜7アルキルからなる群からそれぞれ独立に選択される1つまたは複数の置換基で任意選択的に置換されているC1〜4アルキルと、ハロおよびシクロC3〜7アルキルからなる群からそれぞれ独立に選択される1つまたは複数の置換基で任意選択的に置換されているC1〜4アルキルオキシとからなる群からそれぞれ独立に選択される1つまたは複数の置換基で任意選択的に置換されており、
Arは、ORおよび3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサニルからなる群から選択される1つの置換基で置換されているフェニルであり、前記フェニルは、ハロと、1つまたは複数のハロ置換基で任意選択的に置換されているC1〜4アルキルオキシと、
1つまたは複数のハロ置換基で任意選択的に置換されているC1〜4アルキルとからなる群からそれぞれ独立に選択される1つ、2つまたは3つの置換基で任意選択的に置換されており、
は水素であり、RはC1〜4アルキルであり、Rは水素であり、XはCRであり、Rは水素であり、
は水素、シクロC3〜7アルキルまたはフェニルであり、
は、ハロまたは1つまたは複数のハロ原子で任意選択的に置換されているC1〜4アルキルからなる群からそれぞれ独立に選択される1つまたは複数の置換基で任意選択的に置換されているピペリジニルである]
ならびに薬学的に許容されるその付加塩および溶媒和物に関する。
【0064】
一実施形態において、本発明は、式(I)の新規な化合物、その互変異性体および立体異性体の形態、[式中、
はArまたはArであり、
はメチルであり、
Zはメチレンまたは1,2−エタンジイルであり、メチレンまたは1,2−エタンジイルは、1つまたは2つのC1〜4アルキル置換基で任意選択的に置換されており、
LはC1〜6アルカンジイルであり、
Arは、イミダゾリル、1,2,4−トリアゾリル、1,3,4−トリアゾリル、ピロリル、フラニル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、チエニル、チアゾリル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピラゾリル、4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チエニル、1,2−ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾフラニル、2,3−ジヒドロベンゾフラニル、1,3−ジヒドロ−イソベンゾフラニル、5,6,7,8−テトラヒドロ−1,2,4−トリアゾロ[4,3−a]ピリジニル、4,5,6,7−テトラヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピリジニル、1,2,4−トリアゾロ[4,3−a]ピリジニル、ピラゾロ−
[1,5−a]ピリジニル、3,4−ジヒドロ−1−ベンゾピラニル、1,2−ベンゾイソチアゾリル、インダゾリル、1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリニル、2,3−ジヒドロ−ベンゾ[b]チエニル、1,3−ジヒドロ−ベンゾ[c]チエニル、2−ベンゾフラニル、3,4−ジヒドロ−2−ベンゾチオピラニル、3,4−ジヒドロ−2−ベンゾピラニルおよび1,2,3,4−テトラヒドロキノリニルからなる群から選択される環構造であり、
前記環構造は、ハロと、オキソと、Arと、Rと、ハロ、C1〜4アルキルオキシおよびシクロC3〜7アルキルからなる群からそれぞれ独立に選択される1つまたは複数の置換基で任意選択的に置換されているC1〜4アルキルと、ハロおよびシクロC3〜7アルキルからなる群からそれぞれ独立に選択される1つまたは複数の置換基で任意選択的に置換されているC1〜4アルキルオキシと
からなる群からそれぞれ独立に選択される1つまたは複数の置換基で任意選択的に置換されており、
Arは、ORおよび3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサニルからなる群から選択される1つの置換基で置換されているフェニルであり、前記フェニルは、ハロと、1つまたは複数のハロ置換基で任意選択的に置換されているC1〜4アルキルオキシと、
1つまたは複数のハロ置換基で任意選択的に置換されているC1〜4アルキルとからなる群からそれぞれ独立に選択される1つ、2つまたは3つの置換基で任意選択的に置換されており、
Arは、ハロと、1つまたは複数のハロ置換基で任意選択的に置換されているC1〜4アルキルとからなる群からそれぞれ独立に選択される1つまたは複数の置換基で任意選択的に置換されているフェニルであり、
は、水素、シアノ、ハロ、C1〜4アルキルオキシまたはC1〜4アルキルであり、
は水素、ハロまたはC1〜4アルキルであり、
は水素またはC1〜4アルキルであり、
XはCRまたはNであり、
は水素またはC1〜4アルキルであり、
は水素またはC1〜4アルキルであり、
は水素またはC1〜4アルキルであり、
は水素、シクロC3〜7アルキルまたはフェニルであり、
は、ピペリジニル、モルホリニル、シクロC3〜7アルキル、ピラゾリルおよびピロリジニルからなる群から選択される環構造であり、前記環構造は、ハロまたは1つまたは複数のハロ原子で任意選択的に置換されているC1〜4アルキルからなる群からそれぞれ独立に選択される1つまたは複数の置換基で任意選択的に置換されている]
ならびに薬学的に許容されるその付加塩および溶媒和物に関する。
【0065】
一実施形態において、本発明は、式(I)の新規な化合物、その互変異性体および立体異性体の形態、[式中、
はArまたはArであり、
は水素またはC1〜4アルキルであり、
Zはメチレンであり、
Lは、共有結合、−C(=O)−C1〜6アルカンジイル−、C1〜6アルカンジイル、または
2つのジェミナルな水素原子がC2〜6アルカンジイルで置換されているC1〜6アルカンジイルであり、
Arは、チエニル、チアゾリル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピラゾリル、4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チエニル、1,2−ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾフラニル、2,3−ジヒドロベンゾフラニル、1,3−ジヒドロ−イソベンゾフラニル、5,6,7,8−テトラヒドロ−1,2,4−トリアゾロ[4,3−a]ピリジニル、4,5,6,7−テトラヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピリジニル、1,2,4−トリアゾロ[4,3−a]ピリジニル、ピラゾロ[1,5−a]ピリジニル、3,4−ジヒドロ−1−ベンゾピラニル、1,2−ベンゾイソチアゾリル、インダゾリル、1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリニルからなる群から選択される環構造であり、
前記環構造は、ハロと、Arと、オキソと、Rと、1つまたは複数のハロ置換基で任意選択的に置換されているC1〜4アルキルと、C1〜4アルキルオキシとからなる群からそれぞれ独立に選択される1つまたは複数の置換基で任意選択的に置換されており、
Arは、ORおよび3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサニルからなる群から選択される1つの置換基で置換されているフェニルであり、前記フェニルは、1つまたは複数のハロ置換基で任意選択的に置換されているC1〜4アルキルオキシ、および1つまたは複数のハロ置換基で任意選択的に置換されているC1〜4アルキルからなる群からそれぞれ独立に選択される1つ、2つまたは3つの置換基で任意選択的に置換されており、
Arは1つまたは複数のCFサブシテューエンツ(subsituents)で任意選択的に置換されているフェニルであり、
は水素であり、
はC1〜4アルキルであり、
は水素であり、
XはCRであり、
は水素であり、
は水素、シクロC3〜7アルキルまたはフェニルであり、
は、1つまたは複数のハロ原子で任意選択的に置換されている1つまたは複数のC1〜4アルキル基で任意選択的に置換されているピペリジニルからなる群から選択される環構造である]
ならびに薬学的に許容されるその付加塩および溶媒和物に関する。
【0066】
一実施形態において、本発明は、式(I)の新規な化合物、その互変異性体および立体異性体の形態、[式中、
はArまたはArであり、
は水素またはメチルであり、
Zはメチレンであり、
Lは、共有結合、−C(=O)−CH−、C1〜2アルカンジイル、または
2つのジェミナルな水素原子が1,2−エタンジイルで置換されているC1〜2アルカンジイルであり、
Arは、イミダゾール−1−イル、2−チエニル、3−チエニル、4−チアゾリル、3−ピロリジニル、1−ピペリジニル、ピラゾール−3−イル、ピラゾール−5−イル、4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チエン−3−イル、4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チエン−2−イル、1,2−ベンゾイソオキサゾール−3−イル、2−ベンゾフラニル、2,3−ジヒドロ−3−ベンゾフラニル、2,3−ジヒドロ−7−ベンゾフラニル、2,3−ジヒドロ−2−ベンゾフラニル,1,3−ジヒドロ−1−イソベンゾフラニル、5,6,7,8−テトラヒドロ−1,2,4−トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3−イル、4,5,6,7−テトラヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル、1,2,4−トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3−イル、ピラゾロ−[1,5−a]ピリジン−3−イル、3,4−ジヒドロ−1−ベンゾピラン−2−イル、3,4−ジヒドロ−1−ベンゾピラン−6−イル、1,2−ベンゾイソチアゾール−3−イル、インダゾール−3−イル、1,2,3,4−テトラヒドロ−2−イソキノリニルからなる群から選択される環構造であり、
前記環構造は、Br、Cl、Ar、オキソ、R、イソプロピルオキシ、および3つのフルオロ基で任意選択的に置換されているC1〜4アルキルからなる群からそれぞれ独立に選択される1つ、2つまたは3つの置換基で任意選択的に置換されており、
Arは、ORおよび3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサニルからなる群から選択される1つの置換基で置換されているフェニルであり、前記フェニルは、メチルと、CFと、3つのフルオロ置換基で任意選択的に置換されているメトキシとからなる群からそれぞれ独立に選択される1つの置換基で任意選択的に置換されており、
Arは1つのCF基で置換されているフェニルであり、
は水素であり、
はメチルであり、
は水素であり、
XはCHであり、
は、水素、シクロペンチル、シクロプロピルまたはフェニルであり、
は、1つのCF基で置換されている1−ピペリジニルからなる群から選択される環構造である]
ならびに薬学的に許容されるその付加塩および溶媒和物に関する。
【0067】
一実施形態において、本発明は、式(I)の新規な化合物ならびに薬学的に許容されるその付加塩および溶媒和物、または他の実施形態のいずれかに記載されているその任意の部分群に関し、次の1つまたは複数の限定事項が適用される。
(a)Rは、フェニル、シクロC3〜7アルキル、3,4,5,6−テトラヒドロピラニル、3,4,5,6−テトラヒドロチオピラニル、ピペリジニル、またはヒドロキシル、C1〜4アルキルオキシおよびNRからなる群からそれぞれ独立に選択される1つまたは複数の置換基で任意選択的に置換されているC1〜4アルキルである、
(b)Zはメチレンまたは1,2−エタンジイルである、
(c)Lは、3,4,5,6−テトラヒドロピラニル、フェニルおよび
1〜4アルキルオキシC1〜4アルキルからなる群から選択される1つまたは複数の置換基で任意選択的に置換されているC1〜6アルカンジイルである、
(d)Rは水素である、
(e)RはC1〜4アルキルである、
(f)Rは水素である、
(g)XはCRである、
(h)Rは水素である、
(i)RはC1〜4アルキルである、
(j)RはC1〜4アルキルである、
(k)Rは、ハロ、または1つまたは複数のハロ原子で任意選択的に置換されているC1〜4アルキルからなる群からそれぞれ独立に選択される1つまたは複数の置換基で任意選択的に置換されているピペリジニルである。
【0068】
一実施形態において、本発明は、式(I)の化合物ならびに薬学的に許容されるその付加塩および溶媒和物、または他の実施形態のいずれかに記載されているその任意の部分群に関し、RはArである。
【0069】
一実施形態において、本発明は、式(I)の化合物ならびに薬学的に許容されるその付加塩および溶媒和物、または他の実施形態のいずれかに記載されているその任意の部分群に関し、RはArである。
【0070】
一実施形態において、本発明は、式(I)の化合物ならびに薬学的に許容されるその付加塩および溶媒和物、または他の実施形態のいずれかに記載されているその任意の部分群に関し、Rは、水素、フェニル、シクロC3〜7アルキル、3,4,5,6−テトラヒドロピラニル、3,4,5,6−テトラヒドロチオピラニル、ピペリジニル、またはヒドロキシル、C1〜4アルキルオキシおよびNRからなる群からそれぞれ独立に選択される1つまたは複数の置換基で任意選択的に置換されているC1〜4アルキルである。
【0071】
一実施形態において、本発明は、式(I)の化合物ならびに薬学的に許容されるその付加塩および溶媒和物、または他の実施形態のいずれかに記載されているその任意の部分群に関し、Rは水素またはC1〜4アルキルである。
【0072】
一実施形態において、本発明は、式(I)の化合物ならびに薬学的に許容されるその付加塩および溶媒和物、または他の実施形態のいずれかに記載されているその任意の部分群に関し、Rは水素である。
【0073】
一実施形態において、本発明は、式(I)の化合物ならびに薬学的に許容されるその付加塩および溶媒和物、または他の実施形態のいずれかに記載されているその任意の部分群に関し、RはC1〜4アルキル、特にメチルである。
【0074】
一実施形態において、本発明は、式(I)の化合物、または他の実施形態のいずれかに記載されているその任意の部分群に関し、Rは、水素、フェニル、シクロC3〜7アルキル、またはヒドロキシル、C1〜4アルキルオキシおよびNRからなる群からそれぞれ独立に選択される1つまたは複数の置換基で任意選択的に置換されているC1〜4アルキルである。
【0075】
一実施形態において、本発明は、式(I)の化合物ならびに薬学的に許容されるその付加塩および溶媒和物、または他の実施形態のいずれかに記載されているその任意の部分群に関し、Rは、フェニル、シクロC3〜7アルキル、3,4,5,6−テトラヒドロピラニル、3,4,5,6−テトラヒドロチオピラニル、ピペリジニル、またはハロ、ヒドロキシル、C1〜4アルキルオキシおよびNRからなる群からそれぞれ独立に選択される1つまたは複数の置換基で任意選択的に置換されているC1〜4アルキルである。
【0076】
一実施形態において、本発明は、式(I)の化合物ならびに薬学的に許容されるその付加塩および溶媒和物、または他の実施形態のいずれかに記載されているその任意の部分群に関し、Rは、水素、またはヒドロキシル、C1〜4アルキルオキシおよびNRメチルからなる群からそれぞれ独立に選択される1つまたは複数の置換基で任意選択的に置換されているC1〜4アルキルであり、特に水素またはC1〜4アルキルであり、より特定すると水素またはメチルであり、さらにより特定するとメチルである。
【0077】
一実施形態において、本発明は、式(I)の化合物ならびに薬学的に許容されるその付加塩および溶媒和物、または他の実施形態のいずれかに記載されているその任意の部分群に関し、Rは、ハロ、ヒドロキシル、C1〜4アルキルオキシおよびNRからなる群からそれぞれ独立に選択される1つまたは複数の置換基で任意選択的に置換されているC1〜4アルキルである。
【0078】
一実施形態において、本発明は、式(I)の化合物ならびに薬学的に許容されるその付加塩および溶媒和物、または他の実施形態のいずれかに記載されているその任意の部分群に関し、Rは、フェニル、シクロC3〜7アルキル、3,4,5,6−テトラヒドロピラニル、3,4,5,6−テトラヒドロチオピラニル、ピペリジニル、またはハロ、ヒドロキシル、C1〜4アルキルオキシおよびNRからなる群からそれぞれ独立に選択される1つまたは複数の置換基で任意選択的に置換されているC1〜4アルキルである。
【0079】
一実施形態において、本発明は、式(I)の化合物ならびに薬学的に許容されるその付加塩および溶媒和物、または他の実施形態のいずれかに記載されているその任意の部分群に関し、Rは、ピペリジニル、モルホリニル、シクロC3〜7アルキル、ピラゾリルおよびピロリジニルからなる群から選択される環構造であり、前記環構造は、1つまたは複数のハロ原子で任意選択的に置換されている1つまたは複数のC1〜4アルキル基で任意選択的に置換されている。
【0080】
一実施形態において、本発明は、式(I)の化合物ならびに薬学的に許容されるその付加塩および溶媒和物、または他の実施形態のいずれかに記載されているその任意の部分群に関し、Rは水素またはハロ、特に水素である。
【0081】
一実施形態において、本発明は、式(I)の化合物ならびに薬学的に許容されるその付加塩および溶媒和物、または他の実施形態のいずれかに記載されているその任意の部分群に関し、RはC1〜4アルキルである。
【0082】
一実施形態において、本発明は、式(I)の化合物ならびに薬学的に許容されるその付加塩および溶媒和物、または他の実施形態のいずれかに記載されているその任意の部分群に関し、Zはメチレンまたは1,2−エタンジイルであり、メチレンは、1つまたは2つのC1〜4アルキル置換基で任意選択的に置換されている。
【0083】
一実施形態において、本発明は、式(I)の化合物ならびに薬学的に許容されるその付加塩および溶媒和物、または他の実施形態のいずれかに記載されているその任意の部分群に関し、LはC1〜6アルカンジイルであり、特にLはメチレン、エチリデンまたは1,2−エタンジイルであり、より特定すると、Lはエチリデンである。
【0084】
一実施形態において、本発明は、式(I)の化合物ならびに薬学的に許容されるその付加塩および溶媒和物、または他の実施形態のいずれかに記載されているその任意の部分群に関し、Lはメチレンである。
【0085】
一実施形態において、本発明は、式(I)の化合物ならびに薬学的に許容されるその付加塩および溶媒和物、または他の実施形態のいずれかに記載されているその任意の部分群に関し、Rはメチルであり、かつLはエチリデンまたはメチレンであり、特に、Rはメチルであり、かつLはエチリデンである。
【0086】
一実施形態において、本発明は、式(I)の化合物ならびに薬学的に許容されるその付加塩および溶媒和物、または他の実施形態のいずれかに記載されているその任意の部分群に関し、RはC1〜4アルキルであり、LはC1〜6アルカンジイルである。
【0087】
一実施形態において、本発明は、式(I)の化合物ならびに薬学的に許容されるその付加塩および溶媒和物、または他の実施形態のいずれかに記載されているその任意の部分群に関し、Rは水素であり、Rはメチルであり、Rは水素であり、XはCHである。
【0088】
一実施形態において、本発明は、式(I)の化合物ならびに薬学的に許容されるその付加塩および溶媒和物、または他の実施形態のいずれかに記載されているその任意の部分群に関し、Lは、−C(=O)−C1〜6アルカンジイル−か、3,4,5,6−テトラヒドロピラニル、フェニルおよびC1〜4アルキルオキシC1〜4アルキルからなる群から選択される1つまたは複数の置換基で任意選択的に置換されているC1〜6アルカンジイルか、または2つのジェミナルな水素原子がC2〜6アルカンジイルで置換されているC1〜6アルカンジイルであり、特に、Lは、3,4,5,6−テトラヒドロピラニル、フェニルおよびC1〜4アルキルオキシC1〜4アルキルからなる群から選択される1つまたは複数の置換基で任意選択的に置換されているC1〜6アルカンジイル、または2つのジェミナルな水素原子がC2〜6アルカンジイルで置換されているC1〜6アルカンジイルであり、より特定すると、Lは、3,4,5,6−テトラヒドロピラニル、フェニルおよびC1〜4アルキルオキシC1〜4アルキルからなる群から選択される1つまたは複数の置換基で任意選択的に置換されているC1〜6アルカンジイルである。
【0089】
対象の一群の化合物は、Rの位置が(I−x)
【化4】
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に示すように配置されている化合物、その互変異性体および立体異性体の形態、
[式中、全ての置換基は、上記の実施形態のいずれかに定義されたものと同じ意味を有する]
ならびに薬学的に許容されるその付加塩および溶媒和物に関する。
【0090】
対象の一群の化合物は、式(I)の化合物ならびに薬学的に許容されるその付加塩および溶媒和物、またはその任意の部分群に関し、Rで置換されている炭素原子がR配置を有する。
【0091】
一実施形態において、本発明は、式(I)の化合物ならびに薬学的に許容されるその付加塩および溶媒和物、または他の実施形態のいずれかに記載されているその任意の部分群に関し、Arは、イミダゾリル、チエニル、チアゾリル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピラゾリル、4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チエニル、1,2−ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾフラニル、2,3−ジヒドロベンゾフラニル、1,3−ジヒドロ−イソベンゾフラニル、5,6,7,8−テトラヒドロ−1,2,4−トリアゾロ[4,3−a]ピリジニル、4,5,6,7−テトラヒドロ−ピラゾロ−[1,5−a]ピリジニル、1,2,4−トリアゾロ[4,3−a]ピリジニル、ピラゾロ[1,5−a]ピリジニル、3,4−ジヒドロ−1−ベンゾピラニル、1,2−ベンゾイソチアゾリル、インダゾリル、1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリニルからなる群から選択される環構造であり、当然のことながら、これらの環構造のいずれかが、他の実施形態のいずれかに定義されているとおりに置換されていてもよい。
【0092】
一実施形態において、本発明は、式(I)の化合物ならびに薬学的に許容されるその付加塩および溶媒和物、または他の実施形態のいずれかに記載されているその任意の部分群に関し、Arは、イミダゾール−1−イル、2−チエニル、3−チエニル、4−チアゾリル、3−ピロリジニル、1−ピペリジニル、ピラゾール−3−イル、ピラゾール−5−イル、4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チエン−3−イル、4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チエン−2−イル、1,2−ベンゾイソオキサゾール−3−イル、2−ベンゾフラニル、3−ベンゾフラニル、2,3−ジヒドロ−3−ベンゾフラニル、2,3−ジヒドロ−7−ベンゾフラニル、2,3−ジヒドロ−2−ベンゾフラニル、1,3−ジヒドロ−1−イソベンゾフラニル、5,6,7,8−テトラヒドロ−1,2,4−トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3−イル、4,5,6,7−テトラヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル、1,2,4−トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3−イル、ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル、3,4−ジヒドロ−1−ベンゾピラン−2−イル、3,4−ジヒドロ−1−ベンゾピラン−4−イル、3,4−ジヒドロ−1−ベンゾピラン−6−イル、1,2−ベンゾイソチアゾール−3−イル、インダゾール−3−イル、1,2,3,4−テトラヒドロ−2−イソキノリニルからなる群から選択される環構造であり、
当然のことながら、これらの環構造のいずれかが、他の実施形態のいずれかに定義されているとおりに置換されていてもよい。
【0093】
一実施形態において、本発明は、式(I)の化合物ならびに薬学的に許容されるその付加塩および溶媒和物、または他の実施形態のいずれかに記載されているその任意の部分群に関し、Arは、イミダゾール−1−イル、2−チエニル、3−チエニル、−チアゾリル、3−ピロリジニル、1−ピペリジニル、ピラゾール−3−イル、ピラゾール−5−イル、4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チエン−3−イル、4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チエン−2−イル、1,2−ベンゾイソオキサゾール−3−イル、2−ベンゾフラニル、2,3−ジヒドロ−3−ベンゾフラニル、2,3−ジヒドロ−7−ベンゾフラニル、2,3−ジヒドロ−2−ベンゾフラニル、1,3−ジヒドロ−1−イソベンゾフラニル、5,6,7,8−テトラヒドロ−1,2,4−トリアゾロ−[4,3−a]ピリジン−3−イル、4,5,6,7−テトラヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル、1,2,4−トリアゾロ−[4,3−a]ピリジン−3−イル、ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル、3,4−ジヒドロ−1−ベンゾピラン−2−イル、3,4−ジヒドロ−1−ベンゾピラン−6−イル、1,2−ベンゾイソチアゾール−3−イル、インダゾール−3−イル、1,2,3,4−テトラヒドロ−2−イソキノリニルからなる群から選択される環構造であり、
当然のことながら、これらの環構造のいずれかが、他の実施形態のいずれかに定義されているとおりに置換されていてもよい。
【0094】
一実施形態において、本発明は、式(I)の化合物ならびに薬学的に許容されるその付加塩および溶媒和物、または他の実施形態のいずれかに記載されているその任意の部分群に関し、Arは、イミダゾリル、チエニル、チアゾリル、ピロリジニル、ピペリジニル、4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チエニル、ベンゾフラニル、2,3−ジヒドロベンゾフラニル、1,3−ジヒドロ−イソベンゾフラニル、5,6,7,8−テトラヒドロ−1,2,4−トリアゾロ[4,3−a]ピリジニル、4,5,6,7−テトラヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピリジニル、1,2,4−トリアゾロ[4,3−a]ピリジニル、ピラゾロ[1,5−a]ピリジニル、3,4−ジヒドロ−1−ベンゾピラニル、インダゾリル、1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリニルからなる群から選択される環構造であり、当然のことながら、これらの環構造のいずれかが、他の実施形態のいずれかに定義されているとおりに置換されていてもよい。
【0095】
一実施形態において、本発明は、式(I)の化合物ならびに薬学的に許容されるその付加塩および溶媒和物、または他の実施形態のいずれかに記載されているその任意の部分群に関し、Arは、イミダゾール−1−イル、2−チエニル、3−チエニル、4−チアゾリル、3−ピロリジニル、1−ピペリジニル、4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チエン−3−イル、4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チエン−2−イル、2−ベンゾフラニル、3−ベンゾフラニル、2,3−ジヒドロ−3−ベンゾフラニル、2,3−ジヒドロ−7−ベンゾフラニル、2,3−ジヒドロ−2−ベンゾフラニル、1,3−ジヒドロ−1−イソベンゾフラニル、5,6,7,8−テトラヒドロ−1,2,4−トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3−イル、4,5,6,7−テトラヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル、1,2,4−トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3−イル、ピラゾロ−[1,5−a]ピリジン−3−イル、3,4−ジヒドロ−1−ベンゾピラン−2−イル、3,4−ジヒドロ−1−ベンゾピラン−4−イル、3,4−ジヒドロ−1−ベンゾピラン−6−イル、インダゾール−3−イル、1,2,3,4−テトラヒドロ−2−イソキノリニルからなる群から選択される環構造であり、
当然のことながら、これらの環構造のいずれかが、他の実施形態のいずれかに定義されているとおりに置換されていてもよい。
【0096】
一実施形態において、本発明は、式(I)の化合物ならびに薬学的に許容されるその付加塩および溶媒和物、または他の実施形態のいずれかに記載されているその任意の部分群に関し、Arはベンゾフラニル、特に、2−ベンゾフラニルおよび/または3−ベンゾフラニルであり、当然のことながら、このベンゾフラニル環構造は、他の実施形態のいずれかに定義されているとおりに置換されていてもよい。
【0097】
一実施形態において、本発明は、式(I)の化合物ならびに薬学的に許容されるその付加塩および溶媒和物、または他の実施形態のいずれかに記載されているその任意の部分群に関し、Rの定義における次の複素環基のうち1つまたは複数が限定される。すなわち、3,4,5,6−テトラヒドロピラニルは、3,4,5,6−テトラヒドロピラン−4−イルに限定され、3,4,5,6−テトラヒドロチオピラニルは、3,4,5,6−テトラヒドロチオピラン−4−イルに限定され、ピペリジニルは、1−ピペリジニルまたは4−ピペリジニルに限定される。当然のことながら、これらの複素環基のいずれかが、他の実施形態のいずれかに定義されているとおりに置換されていてもよい。
【0098】
一実施形態において、本発明は、式(I)の化合物ならびに薬学的に許容されるその付加塩および溶媒和物、または他の実施形態のいずれかに記載されているその任意の部分群に関し、Rの定義における次の複素環基のうち1つまたは複数が限定される。すなわち、ピペリジニルは1−ピペリジニルに限定され、モルホリニルは1−モルホリニルに限定され、ピラゾリルは1−ピラゾリルに限定され、ピロリジニルは1−ピロリジニルに限定される。当然のことながら、これらの複素環基のいずれかが、他の実施形態のいずれかに定義されているとおりに置換されていてもよい。
【0099】
一実施形態において、本発明は、式(I)の化合物ならびに薬学的に許容されるその付加塩および溶媒和物、または他の実施形態のいずれかに記載されているその任意の部分群に関し、Ar、RおよびRの定義における1つまたは複数の複素環基が、上記の実施形態に指定されているとおりに限定される。
【0100】
一実施形態において、本発明は、式(I)の化合物、その互変異性体および立体異性体の形態、[式中、
は、イミダゾリル、チエニル、ピペリジニル、4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チエニル、ベンゾフラニル、2,3−ジヒドロベンゾ−フラニル、1,3−ジヒドロ−イソベンゾフラニル、5,6,7,8−テトラヒドロ−1,2,4−トリアゾロ[4,3−a]ピリジニル、4,5,6,7−テトラヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピリジニル、1,2,4−トリアゾロ[4,3−a]ピリジニル、ピラゾロ[1,5−a]ピリジニル、3,4−ジヒドロ−1−ベンゾピラニル、インダゾリルからなる群から選択される環構造であり、
前記環構造は、ハロと、1つ、2つまたは3つの独立に選択されるハロ置換基で任意選択的に置換されているC1〜4アルキルと、1つ、2つまたは3つの独立に選択されるハロ置換基で任意選択的に置換されているC1〜4アルキルオキシとからなる群からそれぞれ独立に選択される1つ、2つまたは3つの置換基で任意選択的に置換されており、特に、前記環構造は、F、Cl、Br、CH、CF、CHCF、OCH(CHおよびOCFからなる群からそれぞれ独立に選択される1つ、2つまたは3つの置換基で任意選択的に置換されており、
は水素またはメチル、特にメチルであり、
Zはメチレンであり、
LはC1〜3アルカンジイル、特に、メチレン、エチリデンまたは1,2−エタンジイルであり、
は水素であり、
はメチルであり、
は水素であり、
XはCHである]
ならびに薬学的に許容されるその付加塩および溶媒和物に関する。
【0101】
一実施形態において、本発明は、式(I)の化合物、その互変異性体および立体異性体の形態、[式中、
は、イミダゾール−1−イル、2−チエニル、3−チエニル、1−ピペリジニル、4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チエン−3−イル、4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チエン−2−イル、2−ベンゾフラニル、3−ベンゾフラニル、2,3−ジヒドロ−3−ベンゾフラニル、2,3−ジヒドロ−7−ベンゾフラニル、2,3−ジヒドロ−2−ベンゾフラニル、1,3−ジヒドロ−1−イソベンゾフラニル、5,6,7,8−テトラヒドロ−1,2,4−トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3−イル、4,5,6,7−テトラヒドロ−ピラゾロ−[1,5−a]ピリジン−3−イル、1,2,4−トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3−イル、ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル、3,4−ジヒドロ−1−ベンゾピラン−2−イル、3,4−ジヒドロ−1−ベンゾピラン−4−イル、3,4−ジヒドロ−1−ベンゾピラン−6−イル、インダゾール−3−イルからなる群から選択される環構造であり、
前記環構造は、ハロと、1つ、2つまたは3つの独立に選択されるハロ置換基で任意選択的に置換されているC1〜4アルキルと、1つ、2つまたは3つの独立に選択されるハロ置換基で任意選択的に置換されているC1〜4アルキルオキシとからなる群からそれぞれ独立に選択される1つ、2つまたは3つの置換基で任意選択的に置換されており、特に、前記環構造は、F、Cl、Br、CH、CF、CHCF、OCH(CHおよびOCFからなる群からそれぞれ独立に選択される1つ、2つまたは3つの置換基で任意選択的に置換されており、
は水素またはメチル、特にメチルであり、
Zはメチレンであり、
LはC1〜2アルカンジイル、特にメチレンまたはエチリデンであり、
は水素であり、
はメチルであり、
は水素であり、
XはCHである]
ならびに薬学的に許容されるその付加塩および溶媒和物に関する。
【0102】
一実施形態において、本発明は、式(I)の化合物、その互変異性体および立体異性体の形態、[式中、
は2−ベンゾフラニルまたは3−ベンゾフラニルであり、それは、ハロと、1つ、2つまたは3つの独立に選択されるハロ置換基で任意選択的に置換されているC1〜4アルキルと、1つ、2つまたは3つの独立に選択されるハロ置換基で任意選択的に置換されているC1〜4アルキルオキシとからなる群からそれぞれ独立に選択される1つ、2つまたは3つの置換基で置換されており、特に、前記置換基は、F、Cl、Br、CH、CF、CHCF、OCH(CHおよびOCFからなる群からそれぞれ独立に選択され、
は水素またはメチル、特にメチルであり、
Zはメチレンであり、
LはC1〜2アルカンジイル、特にメチレンまたはエチリデンであり、
は水素であり、
はメチルであり、
は水素であり、
XはCHである]
ならびに薬学的に許容されるその付加塩および溶媒和物に関する。
【0103】
一実施形態において、本発明は、式(I)の化合物、その互変異性体および立体異性体の形態、[式中、
は2−ベンゾフラニルまたは3−ベンゾフラニルであり、それは、ハロと、1つ、2つまたは3つの独立に選択されるハロ置換基で置換されているC1〜4アルキルとからなる群からそれぞれ独立に選択される1つまたは2つの置換基で置換されており、特に、前記置換基は、F、ClおよびCFからなる群からそれぞれ独立に選択され、
はメチルであり、特にRで置換されている炭素原子がR配置を有し、
Zはメチレンであり、
Lはメチレンまたはエチリデンであり、
は水素であり、
はメチルであり、
は水素であり、
XはCHである]
ならびに薬学的に許容されるその付加塩および溶媒和物に関する。
【0104】
一実施形態において、式(I)の化合物は以下からなる群から選択される。
2−[[2,3−ジヒドロ−4−(トリフルオロメチル)−2−ベンゾフラニル]メチル]−3,4−ジヒドロ−7−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−2H−ピリド[1,2−a]ピラジン−1,6−ジオン(RとSとの混合物)、(3R)−3,4−ジヒドロ−3−メチル−7−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−2−[(3−フェノキシフェニル)−メチル]−2H−ピリド[1,2−a]ピラジン−1,6−ジオン、
(3R)−2−[(5−ブロモ−2−ベンゾフラニル)メチル]−3,4−ジヒドロ−3−メチル−7−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−2H−ピリド[1,2−a]ピラジン−1,6−ジオン、
(3R)−2−[[3−(シクロプロピルオキシ)−5−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル]−3,4−ジヒドロ−3−メチル−7−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−2H−ピリド[1,2−a]ピラジン−1,6−ジオン、
(3R)−2−[[3−(シクロペンチルオキシ)−4−メトキシフェニル]メチル]−3,4−ジヒドロ−3−メチル−7−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−2H−ピリド[1,2−a]ピラジン−1,6−ジオン、
(3R)−2−[(2,3−ジヒドロ−2,2−ジメチル−7−ベンゾフラニル)メチル]−3,4−ジヒドロ−3−メチル−7−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−2H−ピリド[1,2−a]ピラジン−1,6−ジオン、
(3R)−3,4−ジヒドロ−3−メチル−7−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−2−[[5−(2,2,2−トリフルオロエチル)−3−チエニル]メチル]−2H−ピリド[1,2−a]ピラジン−1,6−ジオン、
(3R)−3,4−ジヒドロ−3−メチル−7−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−2−[[5−(トリフルオロメチル)−3−チエニル]メチル]−2H−ピリド[1,2−a]ピラジン−1,6−ジオン、
(3R)−2−[(5−ブロモ−2,3−ジヒドロ−7−ベンゾフラニル)メチル]−3,4−ジヒドロ−3−メチル−7−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−2H−ピリド[1,2−a]ピラジン−1,6−ジオン、
(3R)−2−[(4−ブロモ−2−チエニル)メチル]−3,4−ジヒドロ−3−メチル−7−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−2H−ピリド[1,2−a]ピラジン−1,6−ジオン、
(3R)−3,4−ジヒドロ−3−メチル−7−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−2−[2−[5−(2,2,2−トリフルオロエチル)−3−チエニル]エチル]−2H−ピリド[1,2−a]ピラジン−1,6−ジオン、
(3R)−2−[[2,3−ジヒドロ−4−(1−メチルエトキシ)−7−ベンゾフラニル]メチル]−3,4−ジヒドロ−3−メチル−7−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−2H−ピリド[1,2−a]ピラジン−1,6−ジオン、
(3R)−2−[(3,4−ジヒドロ−2,2−ジメチル−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)メチル]−3,4−ジヒドロ−3−メチル−7−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−2H−ピリド[1,2−a]ピラジン−1,6−ジオン、
(3R)−3,4−ジヒドロ−3−メチル−7−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−2−[[5−(トリフルオロメチル)−2−ベンゾフラニル]メチル]−2H−ピリド[1,2−a]ピラジン−1,6−ジオン、
(3R)−2−[2−(3,4−ジヒドロ−2(1H)−イソキノリニル)−2−オキソエチル]−3,4−ジヒドロ−3−メチル−7−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−2H−ピリド[1,2−a]ピラジン−1,6−ジオン、
(3R)−2−[(5−ブロモ−1,2−ベンゾイソチアゾール−3−イル)メチル]−3,4−ジヒドロ−3−メチル−7−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−2H−ピリド[1,2−a]ピラジン−1,6−ジオン、
(3R)−2−[(7−ブロモ−1,2−ベンゾイソチアゾール−3−イル)メチル]−3,4−ジヒドロ−3−メチル−7−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−2H−ピリド[1,2−a]ピラジン−1,6−ジオン、
(3R)−2−[2−[3−(シクロプロピルオキシ)−5−(トリフルオロメチル)フェニル]エチル]−3,4−ジヒドロ−3−メチル−7−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−2H−ピリド[1,2−a]ピラジン−1,6−ジオン、
(3R)−3,4−ジヒドロ−3−メチル−7−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−2−[[5−メチル−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1H−ピラゾール−3−イル]メチル]−2H−ピリド[1,2−a]ピラジン−1,6−ジオン、
(3R)−2−[(5−クロロ−1−メチル−1H−インダゾール−3−イル)メチル]−3,4−ジヒドロ−3−メチル−7−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−2H−ピリド[1,2−a]ピラジン−1,6−ジオン、
(3R)−2−(1,2−ベンゾイソチアゾール−3−イルメチル)−3,4−ジヒドロ−3−メチル−7−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−2H−ピリド[1,2−a]ピラジン−1,6−ジオン、
(3R)−3,4−ジヒドロ−3−メチル−2−[[3−(1−メチルエチル)−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1H−ピラゾール−5−イル]メチル]−7−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−2H−ピリド[1,2−a]ピラジン−1,6−ジオン、
(3R)−3,4−ジヒドロ−3−メチル−2−[[5−(1−メチルエチル)−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1H−ピラゾール−3−イル]メチル]−7−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−2H−ピリド[1,2−a]ピラジン−1,6−ジオン、
(3R)−2−[[1−[3−(シクロプロピルオキシ)−5−(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロピル]メチル]−3,4−ジヒドロ−3−メチル−7−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−2H−ピリド[1,2−a]ピラジン−1,6−ジオン、
(3R)−3,4−ジヒドロ−3−メチル−7−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−2−[[5−(トリフルオロメチル)ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル]メチル]−2H−ピリド[1,2−a]ピラジン−1,6−ジオン、
(3R)−3,4−ジヒドロ−3−メチル−7−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−2−[[6−(トリフルオロメチル)−1,2,4−トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3−イル]メチル]−2H−ピリド[1,2−a]ピラジン−1,6−ジオン、
(3R)−2−[(5−クロロ−1,2−ベンゾイソオキサゾール−3−イル)メチル]−3,4−ジヒドロ−3−メチル−7−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−2H−ピリド[1,2−a]ピラジン−1,6−ジオン、
(3R)−2−[(6−ブロモ−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−2−イル)メチル]−3−メチル−7−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[1,2−a]ピラジン−1,6−ジオン、
(3R)−2−{[2−クロロ−5−(トリフルオロメチル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1−ベンゾチオフェン−3−イル]メチル}−3−メチル−7−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[1,2−a]−ピラジン−1,6−ジオン、
(3R)−2−[(5−クロロ−1−ベンゾフラン−3−イル)メチル]−3−メチル−7−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[1,2−a]ピラジン−1,6−ジオン、
(3R)−3−メチル−7−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−2−{[5−(トリフルオロメチル)−1,2−ベンゾイソオキサゾール−3−イル]メチル}−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[1,2−a]ピラジン−1,6−ジオン、
(3R)−2−[(5−クロロ−6−フルオロ−1−ベンゾフラン−3−イル)メチル]−3−メチル−7−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[1,2−a]ピラジン−1,6−ジオン、
(3R)−3−メチル−7−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−2−{[5−(トリフルオロメチル)−1−ベンゾフラン−3−イル]メチル}−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[1,2−a]ピラジン−1,6−ジオン、
(3R)−2−[(5,7−ジクロロ−1−ベンゾフラン−3−イル)メチル]−3−メチル−7−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[1,2−a]ピラジン−1,6−ジオン、
2−[(5−クロロ−3−メチル−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−3−イル)メチル]−7−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[1,2−a]ピラジン−1,6−ジオン、
(3R)−2−[(7−ブロモ−1−ベンゾフラン−3−イル)メチル]−3−メチル−7−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[1,2−a]ピラジン−1,6−ジオン、
(3R)−3−メチル−7−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−2−{[5−(トリフルオロメトキシ)−1−ベンゾフラン−3−イル]メチル}−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[1,2−a]ピラジン−1,6−ジオン、
7−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−2−{[5−(トリフルオロメトキシ)−1−ベンゾフラン−3−イル]メチル}−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[1,2−a]ピラジン−1,6−ジオン、
7−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−2−{(1Rまたは1S)−1−[5−(トリフルオロメトキシ)−1−ベンゾフラン−3−イル]エチル}−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[1,2−a]ピラジン−1,6−ジオン、
7−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−2−{(1Sまたは1R)−1−[5−(トリフルオロメトキシ)−1−ベンゾフラン−3−イル]エチル}−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[1,2−a]ピラジン−1,6−ジオン、
(3R)−2−{[5−フルオロ−6−(トリフルオロメチル)−1−ベンゾフラン−3−イル]メチル}−3−メチル−7−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[1,2−a]ピラジン−1,6−ジオン、
(3R)−2−{[6−フルオロ−5−(トリフルオロメチル)−1−ベンゾフラン−3−イル]メチル}−3−メチル−7−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[1,2−a]ピラジン−1,6−ジオン、
(3R)−3−メチル−7−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−2−{[6−(トリフルオロメチル)−1−ベンゾフラン−3−イル]メチル}−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[1,2−a]ピラジン−1,6−ジオン、
2−[1−(5−クロロ−6−フルオロ−1−ベンゾフラン−3−イル)エチル]−7−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[1,2−a]ピラジン−1,6−ジオン、
(3R)−3−メチル−7−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−2−{[7−(トリフルオロメチル)−1−ベンゾフラン−3−イル]メチル}−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[1,2−a]ピラジン−1,6−ジオン、
7−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−2−{[5−(トリフルオロメチル)−1−ベンゾフラン−3−イル]メチル}−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[1,2−a]ピラジン−1,6−ジオン、
7−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−2−{(1Rまたは1S)−1−[6−(トリフルオロメチル)−1−ベンゾフラン−3−イル]エチル}−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[1,2−a]ピラジン−1,6−ジオン、
7−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−2−{(1Sまたは1R)−1−[6−(トリフルオロメチル)−1−ベンゾフラン−3−イル]エチル}−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[1,2−a]ピラジン−1,6−ジオン、
2−[(1Sまたは1R)−1−(5−クロロ−6−フルオロ−1−ベンゾフラン−3−イル)エチル]−7−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[1,2−a]ピラジン−1,6−ジオン、
2−[(1Rまたは1S)−1−(5−クロロ−6−フルオロ−1−ベンゾフラン−3−イル)エチル]−7−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[1,2−a]ピラジン−1,6−ジオン、
(3R)−2−[(5−クロロ−6,7−ジフルオロ−1−ベンゾフラン−3−イル)メチル]−3−メチル−7−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[1,2−a]ピラジン−1,6−ジオン、
(3R)−2−{[5−クロロ−7−(トリフルオロメチル)−1−ベンゾフラン−3−イル]メチル}−3−メチル−7−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[1,2−a]ピラジン−1,6−ジオン、
7−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−2−{(1Rまたは1S)−1−[5−(トリフルオロメチル)−1−ベンゾフラン−3−イル]エチル}−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[1,2−a]ピラジン−1,6−ジオン、
7−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−2−{(1Sまたは1R)−1−[5−(トリフルオロメチル)−1−ベンゾフラン−3−イル]エチル}−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[1,2−a]ピラジン−1,6−ジオン、
(3R)−2−[(5−クロロ−7−フルオロ−1−ベンゾフラン−3−イル)メチル]−3−メチル−7−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[1,2−a]ピラジン−1,6−ジオン、
2−[(5−クロロ−7−フルオロ−1−ベンゾフラン−3−イル)メチル]−7−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[1,2−a]ピラジン−1,6−ジオン、
(3R)−2−[(5,6−ジクロロ−1−ベンゾフラン−3−イル)メチル]−3−メチル−7−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[1,2−a]ピラジン−1,6−ジオン、
2−[(5,6−ジクロロ−1−ベンゾフラン−3−イル)メチル]−7−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[1,2−a]ピラジン−1,6−ジオン、
これらの互変異性体および立体異性体の形態、
ならびに薬学的に許容されるこれらの付加塩および溶媒和物。
【0105】
一実施形態において、式(I)の化合物は以下からなる群から選択される。
(3R)−2−{3−[(1R,5S)−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ−3−イル]−4−メチルベンジル}−3−メチル−7−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[1,2−a]ピラジン−1,6−ジオン、
(3R)−3−メチル−7−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−2−{2−[3−(トリフルオロメチル)ピペリジン−1−イル]エチル}−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[1,2−a]ピラジン−1,6−ジオン、
(3R)−2−{(1Sまたは1R)−1−[3−ヒドロキシ−5−(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−3−メチル−7−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[1,2−a]ピラジン−1,6−ジオン、
(3R)−2−{(1Rまたは1S)−1−[3−(シクロプロピルオキシ)−5−(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−3−メチル−7−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[1,2−a]ピラジン−1,6−ジオン、
(3R)−2−{(1Sまたは1R)−1−[3−(シクロプロピルオキシ)−5−(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−3−メチル−7−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[1,2−a]ピラジン−1,6−ジオン、
(3R)−2−{(1Rまたは1S)−1−[3−ヒドロキシ−4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]エチル}−3−メチル−7−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[1,2−a]ピラジン−1,6−ジオン、
(3R)−2−{(1Sまたは1R)−1−[3−ヒドロキシ−4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]エチル}−3−メチル−7−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[1,2−a]ピラジン−1,6−ジオン、
(3R)−3−メチル−7−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−2−({2−[3−(トリフルオロメチル)ピペリジン−1−イル]−1,3−チアゾール−4−イル}メチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[1,2−a]ピラジン−1,6−ジオン、
(3R)−3−メチル−7−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−2−{(3Rおよび3S)−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]ピロリジン−3−イル}−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[1,2−a]ピラジン−1,6−ジオン(ジアステレオマーの混合物)、
(3R)−3−メチル−7−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−2−{[(1Rまたは1S)−1−メチル−6−(トリフルオロメチル)−1,3−ジヒドロ−2−ベンゾフラン−1−イル]メチル}−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[1,2−a]ピラジン−1,6−ジオン、
(3R)−3−メチル−7−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−2−{[(1Sまたは1R)−1−メチル−6−(トリフルオロメチル)−1,3−ジヒドロ−2−ベンゾフラン−1−イル]メチル}−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[1,2−a]ピラジン−1,6−ジオン、
(3R)−2−[(6−ブロモ−2−メチル−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−2−イル)メチル]−3−メチル−7−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[1,2−a]ピラジン−1,6−ジオン、
(3R)−3−メチル−7−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−2−{[6−(トリフルオロメチル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1−ベンゾチオフェン−3−イル]メチル}−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[1,2−a]ピラジン−1,6−ジオン、
(3R)−3−メチル−7−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−2−{[5−(トリフルオロメチル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1−ベンゾチオフェン−2−イル]メチル}−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[1,2−a]ピラジン−1,6−ジオン、
(3R)−3−メチル−7−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−2−{[5−(トリフルオロメチル)−4,5,6,7−テトラヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル]メチル}−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[1,2−a]ピラジン−1,6−ジオン、
(3R)−3−メチル−7−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−2−{[(5Rまたは5S)−5−(トリフルオロメチル)−4,5,6,7−テトラヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル]メチル}−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド−[1,2−a]ピラジン−1,6−ジオン、
(3R)−3−メチル−7−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−2−{[(5Sまたは5R)−5−(トリフルオロメチル)−4,5,6,7−テトラヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル]メチル}−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド−[1,2−a]ピラジン−1,6−ジオン、
(3R)−3−メチル−7−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−2−{[6−(トリフルオロメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロ[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3−イル]メチル}−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド−[1,2−a]ピラジン−1,6−ジオン、
(3R)−3−メチル−7−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−2−{[(6Rまたは6S)−6−(トリフルオロメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロ[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3−イル]メチル}−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[1,2−a]ピラジン−1,6−ジオン、
(3R)−3−メチル−7−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−2−{[(6Sまたは6R)−6−(トリフルオロメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロ[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3−イル]メチル}−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[1,2−a]ピラジン−1,6−ジオン、
(3R)−2−[5,7−ビス(トリフルオロメチル)−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−3−イル]−3−メチル−7−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[1,2−a]ピラジン−1,6−ジオン、
(3R)−3−メチル−7−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−2−{[(6Rまたは6S)−6−(トリフルオロメチル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1−ベンゾチオフェン−3−イル]メチル}−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[1,2−a]−ピラジン−1,6−ジオン、
(3R)−3−メチル−7−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−2−{[(6Sまたは6R)−6−(トリフルオロメチル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1−ベンゾチオフェン−3−イル]メチル}−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[1,2−a]−ピラジン−1,6−ジオン、
(3R)−3−メチル−7−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−2−{[5−(トリフルオロメチル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1−ベンゾチオフェン−3−イル]メチル}−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[1,2−a]ピラジン−1,6−ジオン、
(3R)−3−メチル−7−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−2−{[(5Rまたは5S)−5−(トリフルオロメチル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1−ベンゾチオフェン−3−イル]メチル}−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[1,2−a]−ピラジン−1,6−ジオン、
(3R)−3−メチル−7−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−2−{[(5Sまたは5R)−5−(トリフルオロメチル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1−ベンゾチオフェン−3−イル]メチル}−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[1,2−a]−ピラジン−1,6−ジオン、
(3R)−3−メチル−7−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−2−{2−オキソ−2−[3−(トリフルオロメチル)−ピペリジン−1−イル]エチル}−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[1,2−a]ピラジン−1,6−ジオン、
(3R)−3−メチル−7−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−2−{[(5Rまたは5S)−5−(トリフルオロメチル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1−ベンゾチオフェン−2−イル]メチル}−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[1,2−a]−ピラジン−1,6−ジオン、
(3R)−3−メチル−7−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−2−{[(5Sまたは5R)−5−(トリフルオロメチル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1−ベンゾチオフェン−2−イル]メチル}−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[1,2−a]−ピラジン−1,6−ジオン、
(3R)−2−[(6−クロロ−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イル)メチル]−3−メチル−7−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[1,2−a]ピラジン−1,6−ジオン、
(3R)−2−[(1Rまたは1S)−1−(5−クロロ−6−フルオロ−1−ベンゾフラン−3−イル)エチル]−3−メチル−7−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[1,2−a]ピラジン−1,6−ジオン、
(3R)−2−[(1Sまたは1R)−1−(5−クロロ−6−フルオロ−1−ベンゾフラン−3−イル)エチル]−3−メチル−7−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[1,2−a]ピラジン−1,6−ジオン、
(3R)−3−メチル−7−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−2−{(1Rまたは1S)−1−[5−(トリフルオロメチル)−1−ベンゾフラン−3−イル]エチル}−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[1,2−a]ピラジン−1,6−ジオン、
(3R)−3−メチル−7−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−2−{(1Sまたは1R)−1−[5−(トリフルオロメチル)−1−ベンゾフラン−3−イル]エチル}−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[1,2−a]ピラジン−1,6−ジオン、
(3R)−3−メチル−7−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−2−{(1Rまたは1S)−1−[5−(トリフルオロメトキシ)−1−ベンゾフラン−3−イル]エチル}−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[1,2−a]ピラジン−1,6−ジオン、
(3R)−3−メチル−7−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−2−{(1Sまたは1R)−1−[5−(トリフルオロメトキシ)−1−ベンゾフラン−3−イル]エチル}−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[1,2−a]ピラジン−1,6−ジオン、
(3R)−2−{(1Rまたは1S)−1−[5−フルオロ−6−(トリフルオロメチル)−1−ベンゾフラン−3−イル]エチル}−3−メチル−7−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[1,2−a]ピラジン−1,6−ジオン、
(3R)−2−{(1Sまたは1R)−1−[5−フルオロ−6−(トリフルオロメチル)−1−ベンゾフラン−3−イル]エチル}−3−メチル−7−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[1,2−a]ピラジン−1,6−ジオン、
(3R)−3−メチル−7−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−2−{(1S)−1−[6−(トリフルオロメチル)−1−ベンゾフラン−3−イル]エチル}−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[1,2−a]ピラジン−1,6−ジオン、
(3R)−2−{(1Rまたは1S)−1−[6−フルオロ−5−(トリフルオロメチル)−1−ベンゾフラン−3−イル]エチル}−3−メチル−7−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[1,2−a]ピラジン−1,6−ジオン、
(3R)−2−{(1Sまたは1R)−1−[6−フルオロ−5−(トリフルオロメチル)−1−ベンゾフラン−3−イル]エチル}−3−メチル−7−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[1,2−a]ピラジン−1,6−ジオン、
(3R)−2−[(1Rまたは1S)−1−(5−クロロ−1−ベンゾフラン−3−イル)エチル]−3−メチル−7−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[1,2−a]ピラジン−1,6−ジオン、
(3R)−2−[(1Sまたは1R)−1−(5−クロロ−1−ベンゾフラン−3−イル)エチル]−3−メチル−7−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[1,2−a]ピラジン−1,6−ジオン、
(3R)−2−[(1Sまたは1R)−1−(5−クロロ−7−フルオロ−1−ベンゾフラン−3−イル)エチル]−3−メチル−7−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[1,2−a]ピラジン−1,6−ジオン、
(3R)−2−[(1Rまたは1S)−1−(5−クロロ−7−フルオロ−1−ベンゾフラン−3−イル)エチル]−3−メチル−7−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[1,2−a]ピラジン−1,6−ジオン、
これらの互変異性体および立体異性体の形態、
ならびに薬学的に許容されるこれらの付加塩および溶媒和物。
【0106】
一実施形態において、式(I)の化合物は以下からなる群から選択される。
2−[[3−(3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ−3−イル)−4−メチルフェニル]メチル]−3,4−ジヒドロ−3−メチル−7−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−2H−ピリド[1,2−a]ピラジン−1,6−ジオン、
3,4−ジヒドロ−3−メチル−7−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−2−[2−[3−(トリフルオロメチル)−1−ピペリジニル]エチル]−2H−ピリド[1,2−a]ピラジン−1,6−ジオン、
3,4−ジヒドロ−2−[1−[3−ヒドロキシ−5−(トリフルオロメチル)フェニル]エチル]−3−メチル−7−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−2H−ピリド[1,2−a]ピラジン−1,6−ジオン、
2−[1−[3−(シクロプロピルオキシ)−5−(トリフルオロメチル)フェニル]エチル]−3,4−ジヒドロ−3−メチル−7−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−2H−ピリド[1,2−a]ピラジン−1,6−ジオン、
3,4−ジヒドロ−2−[1−[3−ヒドロキシ−4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]エチル]−3−メチル−7−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−2H−ピリド[1,2−a]ピラジン−1,6−ジオン、
3,4−ジヒドロ−3−メチル−7−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−2−[[2−[3−(トリフルオロメチル)−1−ピペリジニル]−4−チアゾリル]メチル]−2H−ピリド[1,2−a]ピラジン−1,6−ジオン、
3,4−ジヒドロ−3−メチル−7−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−2−[2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−3−ピロリジニル]−2H−ピリド[1,2−a]ピラジン−1,6−ジオン、
2−[[1,3−ジヒドロ−1−メチル−6−(トリフルオロメチル)−1−イソベンゾフラニル]メチル]−3,4−ジヒドロ−3−メチル−7−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−2H−ピリド[1,2−a]ピラジン−1,6−ジオン、
2−[(6−ブロモ−3,4−ジヒドロ−2−メチル−2H−1−ベンゾピラン−2−イル)メチル]−3,4−ジヒドロ−3−メチル−7−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−2H−ピリド[1,2−a]ピラジン−1,6−ジオン、
3,4−ジヒドロ−3−メチル−7−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−2−[[4,5,6,7−テトラヒドロ−6−(トリフルオロメチル)ベンゾ[b]チエン−3−イル]メチル]−2H−ピリド[1,2−a]ピラジン−1,6−ジオン、
3,4−ジヒドロ−3−メチル−7−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−2−[[4,5,6,7−テトラヒドロ−5−(トリフルオロメチル)ベンゾ[b]チエン−2−イル]メチル]−2H−ピリド[1,2−a]ピラジン−1,6−ジオン、
3,4−ジヒドロ−3−メチル−7−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−2−[[4,5,6,7−テトラヒドロ−5−(トリフルオロメチル)ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル]メチル]−2H−ピリド[1,2−a]ピラジン−1,6−ジオン、
3,4−ジヒドロ−3−メチル−7−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−2−[[5,6,7,8−テトラヒドロ−6−(トリフルオロメチル)−1,2,4−トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3−イル]メチル]−2H−ピリド[1,2−a]ピラジン−1,6−ジオン、
2−[2,3−ジヒドロ−5,7−ビス(トリフルオロメチル)−3−ベンゾフラニル]−3,4−ジヒドロ−3−メチル−7−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−2H−ピリド[1,2−a]ピラジン−1,6−ジオン、
3,4−ジヒドロ−3−メチル−7−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)−2−[[4,5,6,7−テトラヒドロ−5−(トリフルオロメチル)ベンゾ[b]チエン−3−イル]メチル]−2H−ピリド[1,2−a]ピラジン−1,6−ジオン、
これらの互変異性体および立体異性体の形態、
ならびに薬学的に許容されるこれらの付加塩および溶媒和物。
【0107】
上記に示した興味深い実施形態の可能な組み合わせは全て、本発明の範囲内に包含されるものとみなされる。
【0108】
化合物の調製
本発明は、式(I)の化合物、その中間体および部分群の調製方法も包含する。当業者は分かるであろうが、記載する反応において、反応性官能基、例えば、ヒドロキシ基、アミノ基またはカルボキシ基が最終生成物中に所望される場合、これらが反応に不必要に関与するのを回避するために、反応性官能基を保護することが必要な場合がある。通常の保護基を標準的技法に従って使用することができる。例えば、T.W.Greene and P.G.M.Wuts著、“Protective Groups in Organic Chemistry”,John Wiley and Sons,1999を参照されたい。
【0109】
あるいは、反応性官能基の存在下で不所望な副反応を回避するために、当業者は標準的な化学の知識に基づいて、全般的な反応条件の調整を考慮する場合がある。
【0110】
同じ構造を得るための方法がいくつか記載されている場合、別の方法よりある方法を選ぶ方が、不必要な副反応を最小限にする場合もある。
【0111】
式(I)の化合物およびその部分群は、下記の一連の工程により調製することができる。それらは、一般に、市販されているまたは当業者に自明の標準的手段により調製される出発物質から調製される。本発明の化合物は、有機化学の当業者に広く使用されている標準的合成方法を使用して調製することもできる。
【0112】
当業者は理解されるであろうが、いくつかの反応において、全反応時間を短縮するために、従来の加熱ではなくマイクロ波加熱を使用してもよい。
【0113】
いくつかの典型的な例の概略的な調製を以下に示す。全ての変数は、他の意味が述べられたり、文脈上別の意味が示されたりしない限り、本発明の範囲内で記載されるとおりに定義される。以下の例において、他の意味が述べられたり、文脈上別の意味が示されたりしない限り、R1aは、フェニル、p−メトキシフェニル、ArまたはArである。
【0114】
実験手順−スキーム1
【化5】
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実験手順1
式(III)の中間体は、全ての変数が本発明の範囲内で記載されるとおりに定義され、例えば、溶媒の存在下または非存在下で求核剤と求電子剤との混合物を還流するなど、当業者に公知の方法で、適切な求電子剤(例えばハロゲン化アルキル、例えばヨウ化アルキルなど)に対する式(II−a)の中間体による求核置換によって調製することができる。不活性雰囲気にすると、反応の結果を強化することができる。
【0115】
あるいは、中間体(III)は、適切なアミノアルコール(II−b)から出発し、例えばケトンまたはアルデヒドなどの所望のカルボニル化合物の存在下で還元的アミノ化によって得ることができる。反応は、通常、MeOH(メタノール)などの好適な溶媒、およびNaBH(水素化ホウ素ナトリウム)またはNaCNBH(シアノ水素化ホウ素ナトリウム)などの還元剤の存在下で実施することができる。還元剤の非存在下で加熱しながら混合物を予め撹拌し、次いで低温で還元剤を添加すると、反応の結果を強化することができる。
【0116】
あるいは、中間体(III)は、例えば、THF(テトラヒドロフラン)などの好適な溶媒の存在下でボラン−メチルスルフィドを使用することにより、対応するα−アミノ酸を還元するなど、当業者に公知の方法で、任意の好適な前駆体を操作することによって得ることができる。反応混合物を予冷し、次いで、全ての試薬を添加してから加熱すると、反応の結果を強化することができる。
【0117】
実験手順2
式(V)の中間体は、全ての変数が本発明の範囲内で記載されるとおりに定義され、中間体(III)のアルコール官能基を保護することによって得ることができる。保護は、例えば、当業者に公知の標準的な条件に従って、DCM(ジクロロメタン)などの好適な溶媒、イミダゾールなどの添加剤、およびTBSCl(tert‐ブチルジメチルシリルクロリド)またはTMSCl(トリメチルシリルクロリド)などのシリル化剤の存在下で実施できるシリル化とすることができる。
【0118】
あるいは、中間体(V)は、適切なアミン(II−a)を(IV)などのカルボニル中間体で還元的アミノ化することによって得ることができ、その場合、例えばPG(保護基)は、tert−ブチルジメチルシリルとすることができる。典型的な条件は、DCE(1,2−ジクロロエタン)などの好適な溶媒中で、NaBH(OAc)(ナトリウムトリアセトキシボロヒドリド)などの還元剤の存在下にて、試薬を撹拌するというものである。当業者は分かるであろうが、中間体(V)は、標準的な還元的アミノ化条件によって、Rが所望の保護基(PG)である構造(II−b)の中間体から出発して得ることもできる。
【0119】
実験手順3
式(VII)の中間体は、
PGが保護基であり、
他の全ての変数が本発明の範囲内で記載されるとおりに定義され、中間体(V)を構造(VI)の中間体[式中、
12は水素または臭素であり、
10はヒドロキシルまたは塩素である]
でアシル化することによって得ることができる。
【0120】
構造(VI)は、これにより、R10がヒドロキシルの場合(VI−a)、R10が塩素の場合(VI−b)と称される。中間体(VI−a)を使用するアシル化は、例えば、古典的なペプチド合成条件下で実施することができる。通常、反応は、DMF(N,N−ジメチルホルムアミド)などの好適な溶媒中で、DIPEA(ジイソプロピルエチルアミン)などの塩基、およびHBTU(O−ベンゾトリアゾール−N,N,N’,N’−テトラメチル−ウロニウム−ヘキサフルオロ−ホスファート)などのペプチドカップリング試薬の存在下にて、出発物質(V)および(VI−a)を撹拌することを必要とする。
【0121】
あるいは、アシル化は、中間体(V)を式(VI−b)の中間体と反応させることによって実現することができる。反応は、例えば、DMFなどの好適な溶媒中で、DIPEAなどの塩基の存在下にて、出発物質を撹拌することによって実施することができる。
【0122】
実験手順4
式(VIII)の中間体は、
12が水素または臭素であり、
他の全ての変数が本発明の範囲内で記載されるとおりに定義され、当業者に公知の方法で、中間体(VII)を脱保護することによって得ることができる。シリル保護基の場合、例えば、一標準方法は、THFなどの好適な溶媒に溶解した中間体(VII)を、TBAF(テトラブチルアンモニウムフルオリド)などのフッ化物源で処理することであろう。
【0123】
あるいは、式(VIII)の中間体は、構造(III)の好適なアミノアルコールを構造(VI−a)の酸で直接アシル化することによって得ることができる。反応は、例えばペプチドカップリング条件下、DMFなどの好適な溶媒中で、DIPEAなどの塩基、およびHBTUなどのペプチドカップリング試薬の存在下にて実施することができる。
【0124】
実験手順−スキーム2
【化6】
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実験手順5
式(IX)の中間体は、
12が水素または臭素であり、
他の全ての変数が本発明の範囲内で記載されるとおりに定義され、当業者に公知の標準方法を使用して、中間体(VIII)を脱ベンジル化することによって得ることができる。例えば、ベンジル化は、中間体(VIII)の、MeOHまたはMeOH/THFなどの好適な溶媒中溶液を、10%Pd/C(パラジウム担持炭素)などの水素化触媒の存在下で、水素雰囲気下にて撹拌することによって実施することができる。
【0125】
あるいは、中間体(IX)は、R11が例えばメチル基である中間体(XI)などの好適なエステルから出発するアミド合成によって得ることができる。典型的な条件は、エステルの、MeOHなどの好適な溶媒中溶液を、構造(III)の所望のアミノアルコールの存在下で、還流しながら撹拌するというものである。
【0126】
あるいは、同様に中間体(XI)から出発し、中間体(IX)は2工程の方法を使用することによって得ることができる。最初に、エステル(XI)を鹸化して、Mが金属である中間体(XII)を得ることができる。反応は、例えば、LiOH(水酸化リチウム)などの水酸化物を、好適な極性溶媒中、またはTHFおよび水など、一方が極性の高い混和性溶媒の混合物中エステル(XI)の溶液に添加することによって実施することができる。反応混合物を加熱すると、反応の結果を強化することができる。2番目の工程において、中間体(XII)を構造(III)のアミノアルコールと反応させて、中間体(IX)を得ることができる。通常は、HBTUなどのペプチドカップリング剤の存在下で、DMFなどの好適な溶媒に溶解した出発物質を撹拌するなどの、ペプチドカップリング条件を適用することができる。当業者は理解されるであろうが、DIPEAなどの塩基が混合物中に存在する場合、反応により環化中間体(XVII)が直接得られる。反応混合物を加熱すると、反応の結果を強化することができる。
【0127】
あるいは、中間体(IX)は、酸(X)から出発し、例えば、DMFなどの好適な溶媒に溶解した、中間体(X)と所望のアミノアルコール(III)とを、HBTUなどのペプチドカップリング試薬の存在下で撹拌するなどの、標準的なペプチドカップリング条件を使用して得ることができる。
【0128】
あるいは、中間体(IX)は、中間体(VIII)から出発する3工程の合成を使用して得ることができる。最初に、遊離アルコール官能基を、例えばアシル化してエステルにするなどの標準的な保護方法を使用して保護することができる。典型的な条件は、例えば、DCMなどの好適な不活性溶媒中で、EtN(トリエチルアミン)などの塩基の存在下にて、中間体(VIII)を、無水酢酸とDMAP(ジメチルアミノピリジン)との組合せなどの好適なアシル化剤で処理することであろう。このようにして得られた中間体(XIII)は、次に、MeOHなどの好適な溶媒中で、水素雰囲気下、10%Pd/Cなどの水素化触媒の存在下にて撹拌するなどの標準的な脱保護法を使用して、脱ベンジル化することができる。ピリドン中間体(XIV)は、最後に、選ばれた保護基に利用可能な脱保護法の1つを使用することによって、中間体(IX)に変換することができる。エステルとしてアルコールを保護する場合、MeOHなどの好適な溶媒中で、NaOH(水酸化ナトリウム)などの塩基を使用して鹸化すると、所望の遊離アルコール(IX)を得ることができる。当業者は理解されるであろうが、中間体(VIII)中に存在するアルコール官能基が脱ベンジル化条件下にある可能性がある場合、この方法は有益である。
【0129】
実験手順6
式(XVII)の中間体は、
12が水素または臭素であり、
他の全ての変数が本発明の範囲内で記載されるとおりに定義され、例えば、中間体(IX)に光延条件を適用することによる分子内環化によって得ることができる。反応は、中間体(IX)の、THFなどの好適な不活性無水溶媒中溶液を、不活性雰囲気下、トリフェニルホスフィンなどのホスフィンの存在下にて、DIAD(ジイソプロピルアゾジカルボキシラート)などのアザジカルボキシラート種で処理することによって実施することができる。溶液の予冷を利用してもよい。
【0130】
あるいは、中間体(VIII)から出発し、3工程の方法を使用することができる。最初に、中間体(VIII)中の遊離ヒドロキシル官能基を好適な脱離基に変換することができる。例えば、LG=塩素である中間体(XV−a)は、DCMなどの好適な溶媒に中間体(VIII)を溶解し、塩化チオニルなどの塩素化剤でこれを処理することによる緩やかな条件で得ることができる。塩素化剤を添加する前に溶液を予冷すると、反応の結果を強化することができる。次に、中間体(XV)を、脱離基の存在に適合した標準方法を使用して脱ベンジル化して、中間体(XVI)を得ることができる。中間体(XV−a)の場合、例えば、脱ベンジル化は、DCMなどの好適な不活性溶媒に溶解した中間体を、BBr(三臭化ホウ素)などのルイス酸で処理することによって実現することができる。ルイス酸を添加する前に反応混合物を予冷すると、反応の結果を強化することができる。最後に、中間体(XVI)は、標準的な置換条件を使用することによって中間体(XVII)に処理することができる。例えば、LG=塩素である中間体(XVI−a)から出発して、閉環は、DMFなどの好適な溶媒に溶解した基質をNaH(水素化ナトリウム)などの塩基で処理することによって実現することができる。反応物を予冷し、分子間反応を回避するのに十分高い希釈レベルにすると、反応の結果を強化することができる。
【0131】
実験手順−スキーム3
【化7】
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実験手順7
式(XVIII−b)の中間体は、全ての変数が本発明の範囲内で記載されるとおりに定義され、構造(XVII−b)の中間体から得ることができ、構造(XVII−b)の中間体では、残基−L−R1aを除く全ての変数が上記のとおりに定義され、残基−L−R1aは、構造(XVII−b)についてはアミド窒素に好適な任意の種類の保護基と定義され、例えば、以下に限定はしないが、ベンジル基(L=CH、R1a=フェニル)またはPMB基(p−メトキシベンジル、L=CH、R1a=p−メトキシフェニル)などである。
【0132】
中間体(XVII−b)は、当業者に公知の脱保護法によって、中間体(XVIII−b)に変換することができる。例えば、L=CH、R1a=フェニルの場合、脱保護は、無水トルエンなどの好適な溶媒に溶解した中間体(XVII−b)を、TfOH(トリフルオロメタンスルホン酸)などの強酸で処理することによって実現することができる。反応混合物を撹拌しながら加熱すると、反応の結果を強化することができる。
【0133】
実験手順8
式(XVII−b)の中間体は、全ての変数が本発明の範囲内で記載されるとおりに定義され、当業者に公知のアミド窒素の官能基化についての任意の操作によって、中間体(XVIII−b)から得ることができる。2つの一般的な例を報告する。
例1:
1aが芳香族炭素上の分子の残部に結合しており、
Lが共有結合である場合、官能基化は、例えば、銅触媒C−Nカップリングによって実現することができる。DMFなどの好適な溶媒に溶解した中間体(XVIII−b)の混合物を、KPO(リン酸カリウム)などの塩基、N,N’−ジメチル−1,2−シクロヘキサンジアミンなどのリガンド、ハロゲン化アリールおよびCuIなどの銅触媒の存在下で撹拌するなどの標準的な条件を使用することが可能であろう。Nまたはアルゴンなどの不活性ガスで反応混合物を脱気し、還流温度などの高温に反応混合物を加熱すると、反応の結果を強化することができる。
例2:
Lが本発明の範囲内で記載される変数の1つである(R1aが芳香族炭素上の分子の残部に結合していると、Lは共有結合であるという場合を除く)場合、
官能基化は、例えば、DMFなどの好適な不活性溶媒に溶解した中間体(XVIII−b)を、NaHなどの塩基で処理し、次いで求電子剤を添加することによって実現することができる。反応混合物を予冷すると、反応の結果を強化することができる。
【0134】
実験手順9
式(XVIII−a)の中間体は、全ての変数が本発明の範囲内で記載されるとおりに定義され、構造(XVII−a)の中間体から得ることができ、構造(XVII−a)の中間体では、残基−L−R1aを除く全ての変数が上記のとおりに定義され、
残基−L−R1aは、構造(XVII−a)についてはアミド窒素に好適な任意の種類の保護基と定義され、例えば、以下に限定はしないが、ベンジル基(L=CH、R1a=フェニル)またはPMB基(p−メトキシベンジル、L=CH、R1a=p−メトキシフェニル)などである。
【0135】
中間体(XVII−a)は、当業者に公知の脱保護法によって、中間体(XVIII−a)に変換することができる。例えば、L=CH、R1a=フェニルの場合、脱保護は、無水トルエンなどの好適な溶媒に溶解した中間体(XVII−a)を、TfOHなどの強酸で処理することによって実現することができる。反応混合物を撹拌しながら加熱すると、反応の結果を強化することができる。
【0136】
あるいは、式(XVIII−a)の中間体は、式(XVIII−b)の中間体から出発し、直接臭素化することによって得ることができる。様々な臭素化剤を使用することができる。例えば、反応は、DCM/AcOH(酢酸)などの溶媒混合物に中間体(XVIII−b)を溶解し、混合物に臭素を添加することによって、または中間体(XVIII−b)のアセトニトリルなどの適切な溶媒中溶液に、NBS(N−ブロモスクシンイミド)を添加することによって実施することができる。反応混合物は、加熱しながら不活性雰囲気下で撹拌してもよい。
【0137】
実験手順10
式(XVII−a)の中間体は、全ての変数が本発明の範囲内で記載されるとおりに定義され、当業者に公知のアミド窒素の官能基化についての任意の操作によって、中間体(XVIII−a)から得ることができる。1つの一般的な例を報告する。
例1:
Lが本発明の範囲内で記載される変数の1つである(R1aが芳香族炭素上の分子の残部に結合していると、Lは共有結合であるという場合を除く)場合、
官能基化は、例えば、DMFなどの好適な不活性溶媒に溶解した中間体(XVIII−a)を、NaHなどの塩基で、次いで求電子剤により処理することによって実現することができる。反応混合物を予冷すると、反応の結果を強化することができる。
【0138】
あるいは、中間体(XVII−a)は、中間体(XVII−b)の直接臭素化によって、例えば、DCM/AcOHなどの溶媒混合物に溶解した中間体(XVII−b)の溶液に臭素を添加することによって得ることができる。
【0139】
実験手順−スキーム4
【化8】
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実験手順11
式(I)の化合物は、全ての変数が本発明の範囲内で記載されるとおりに定義され、例えば、銅触媒C−Nカップリングによって得ることができる。標準的な条件は、DMFなどの好適な溶媒中で、CuIなどの銅触媒、CsCO(炭酸セシウム)などの塩基、例えば4−メチルイミダゾールなどのカップリングパートナー、およびN,N’−ジメチル−1,2−シクロヘキサンジアミンなどのリガンドの存在下にて、中間体(XVII−a)を撹拌するというものである。Nまたはアルゴンなどの不活性ガスで反応混合物を脱気し、還流温度などの高温に反応混合物を加熱すると、反応の結果を強化することができる。
【0140】
あるいは、Rが水素に限定される式(I)の化合物は、パラジウム触媒C−Nカップリングによって得ることができる。通常、式(XVII−a)の中間体を、KPOなどの塩基、Pd(dba)(トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0))などのパラジウム源、2−ジ−tert−ブチルホスフィノ−3,4,5,6−テトラメチル−2’,4’,6’−トリイソプロピル−1,1’−ビフェニルなどのリガンド、および所望のイミダゾールの存在下で、溶媒またはトルエン/ジオキサンなどの溶媒混合物の存在下で、撹拌し、加熱する。触媒とリガンドとを予め混合し、次いで加熱してから残りの試薬を添加し、溶液を脱気し、加熱すると、反応の結果を強化することができる。
【0141】
あるいは、式(I)の化合物は、5工程の合成によって得ることができる。最初の工程において、中間体(XVII−a)を、PGが一価または二価の窒素保護基である中間体(XX)に変換することができる。例えば、PG=アセチルの場合、反応は、既知のアミドカップリング法を使用して実施することができる。例えば、アセトアミドは、無水THFなどの好適な溶媒中で、KPOなどの塩基、Pd(dba)などのパラジウム源、(9,9−ジメチル−9H−キサンテン−4,5−ジイル)ビス[ジフェニルホスフィン](キサントホス)などのリガンドの存在下にて、中間体(XVII−a)と反応させることができる。反応混合物を、セットアップ中にNまたはアルゴンなどの不活性ガスで脱気し、無水条件にし、還流温度などの高温を使用すると、反応の結果を強化することができる。2番目の工程において、中間体(XX)は、分子中に存在する他の官能基による耐性がある任意の脱保護法を使用することによって遊離アミン中間体(XXI)に変換することができる。例えば、中間体(XX)中でPG=アセチルの場合、MeOHなどの好適な溶媒中で、例えばHCl(塩酸)を用いる酸性加水分解を使用することができる。3番目の工程において、中間体(XXI)中のアミノ基をアシル化して、中間体(XXII)を得ることができる。例えば、化合物(XVII)中のRが水素を表す場合、中間体(XXI)のホルミル化は、THFなどの好適な不活性溶媒に溶解した中間体(XXI)に、無水酢酸とギ酸との混合物などのホルミル化剤を添加することによって得ることができる。加熱しながら反応物を撹拌すると、反応の結果を強化することができる。4番目の工程において、中間体(XXII)は、当業者に公知の方法で、所望の官能基XおよびRに依存して、環化前駆体(XXIII)に変換することができる。例えば、化合物(XVII)においてX=CHおよびR=アルキルの場合、反応は、例えば1−ブロモ−2−ブタノンなどの所望のα−ハロケトンを、DMFなどの好適な溶媒中で、中間体(XXII)とKCOなどの塩基との混合物に添加することによって実施することができる。α−ハロケトンのハロゲンがヨウ素とは異なる場合、反応は、KIなどのヨウ素塩を反応混合物に添加することによって実施されるin−situフィルケンシュタイン(Filkenstein)反応によって改善することができる。最後に、中間体(XXIII)は、古典的なイミダゾール合成によって化合物(I)に変換することができる。ジケト前駆体(XXIII)は、酢酸アンモニウムなどの窒素源およびAcOHなどの酸の存在下で所望の化合物(I)に環化することができる。反応物を還流温度に加熱すると、反応の結果を強化することができる。
【0142】
あるいは、化合物(I)中の残基−L−R1aがアミド窒素に好適な任意の種類の保護基、例えば、以下に限定はしないが、ベンジル基(L=CH、R1a=フェニル)またはPMB基(p−メトキシベンジル、L=CH、R1a=p−メトキシフェニル)に相当する場合、化合物を、2工程の方法によりさらに変換して、やはり一般式(I)で記載することができる他の構造を生成することができる。最初の工程において、化合物(I)を、当業者に公知の脱保護法によって、中間体(XXIV)に変換することができる。例えば、L=CH、R1a=p−メトキシフェニルの場合、脱保護は、無水トルエンなどの好適な溶媒に溶解した化合物(I)を、TfOHなどの強酸で処理することによって実現することができる。反応混合物を撹拌しながら加熱すると、反応の結果を強化することができる。2番目の工程において、既知のN−官能基化法によって、中間体(XXIV)を、一般式(I)の化合物に変換することができる。
【0143】
例えば、
Lが本発明の範囲内で記載される変数の1つである(R1aが芳香族炭素上の分子の残部に結合していると、Lは共有結合であるという場合を除く)場合、
1つの可能性は、DMFなどの好適な不活性溶媒に溶解した中間体(XXIV)を、NaHなどの塩基で、次いで求電子剤により処理することであろう。反応混合物を予冷し、無水条件にすると、反応の結果を強化することができる。
【0144】
あるいは、Rがハロ(ハロ=Cl、Br、I)に限定され、これにより中間体(XVII−b)と呼ばれる中間体(XVII−a)は、Rが水素に限定され、これにより(XVII−a1)と呼ばれる中間体(XVII−a)から出発し、ハロゲン化反応によって得ることができる。例えば、中間体(XVII−b)においてハロがClである場合、反応は、DMFなどの好適な溶媒に溶解した中間体(XVII−a1)を、NCS(N−クロロスクシンイミド)などの塩素源で処理することによって実現することができる。
【化9】
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【0145】
あるいは、R1a基を有する式(I)の化合物は、さらなる操作を施すことができ、当業者に公知の1つまたはいくつかが連続する化学変換によって、やはり一般式(I)で記載される他の化合物に変換することが可能であろう。例えば、R1aがハロゲン化環構造である場合、対応する脱ハロゲン化化合物は、化合物(I)のMeOHまたはMeOH/THFなどの好適な溶媒中溶液を、10%Pd/C(パラジウム担持炭素)などの水素化触媒の存在下で、水素雰囲気下にて撹拌することによって得ることができる。反応混合物を加熱するか、または水素を高圧にすると、反応の結果を強化することができる。
【0146】
出発物質は、市販で入手することができ、または当業者が調製することができる。
【0147】
必要な場合または所望する場合、次のさらなる工程のいずれか1つ以上を任意の順番で実施してもよい。すなわち、
式(I)の化合物およびその任意の部分群は、当技術分野において公知の手順を使用して、式(I)のさらなる化合物およびその任意の部分群に変換されてもよい。
【0148】
当業者は理解されるであろうが、上記の方法において、中間化合物の官能基は保護基により遮断されることを必要とする場合がある。中間化合物の官能基を保護基で遮断した場合、それらを反応工程後に脱保護することができる。
【0149】
これらの調製の全てにおいて、反応生成物は反応媒体から単離することができ、必要であれば、例えば、抽出、結晶化、研和およびクロマトグラフィーなどの当技術分野に一般に知られている方法によってさらに精製することができる。特に、立体異性体は、例えば、どちらも日本国のダイセル化学工業株式会社から購入したChiralpak(登録商標)AD(アミロース3,5ジメチル−フェニルカルバマート)またはChiralpak(登録商標)ASなどのキラル固定相を使用してクロマトグラフィーによって、または超臨界流体クロマトグラフィー(SFC)によって単離することができる。
【0150】
キラル的に純粋な形態の式(I)の化合物は、化合物の好ましい群を形成する。したがって、キラル的に純粋な形態の中間体およびその塩形態は、キラル的に純粋な式(I)の化合物の調製に特に有用である。中間体の鏡像異性体混合物も、対応する配置を伴う式(I)の化合物の調製に有用である。
【0151】
薬理
本発明の化合物は、γ−セクレターゼ活性を調節することが判明した。したがって、本発明による化合物および薬学的に許容されるその組成物は、AD、TBI、ボクサー認知症、MCI、老衰、認知症、レビー小体型認知症、脳アミロイド血管症、多発梗塞性認知症、ダウン症候群、パーキンソン病に関連する認知症およびβアミロイドに関連する認知症、好ましくはADの処置または予防に有用となり得る。
【0152】
本発明による化合物および薬学的に許容されるその組成物は、AD、TBI、ボクサー認知症、MCI、老衰、認知症、レビー小体型認知症、脳アミロイド血管症、多発梗塞性認知症、ダウン症候群、パーキンソン病に関連する認知症およびβアミロイドに関連する認知症からなる群から選択される疾患または病態の処置または予防に有用となり得る。
【0153】
当業者は、本明細書に記載する疾患または病態の、別の命名法、疾病分類および分類システムに精通しているであろう。例えば、American Psychiatric AssociationのDiagnostic & Statistical Manual of Mental Disorders(DSM−5(商標))第5版は、神経認知障害群(neurocognitive disorders)(NCD)(主要および軽度の両方)、特に、アルツハイマー病による神経認知障害、外傷性脳損傷(TBI)による神経認知障害、レビー小体病による神経認知障害、パーキンソン病による神経認知障害または血管性NCD(多発性梗塞を伴って存在する血管性NCDなど)などの用語を使用している。このような用語は、本明細書に記載する疾患または病態の一部の別の名称として当業者が使用する場合がある。
【0154】
本明細書で使用する場合、「γ−セクレターゼ活性の調節」という用語は、γ−セクレターゼ複合体によるAPPのプロセシングに対する作用を指す。好ましくは、その用語は、APPの全体的プロセシング速度は前記化合物を適用しない場合と本質的に同じままでも、処理産物の相対量を変化させる、より好ましくは産生されるAβ42−ペプチドの量が減少するように処理産物の相対量を変化させる作用を指す。例えば、様々なAベータ種を産生することができる(例えば、Aベータ−42の代わりに、これよりアミノ酸配列が短いAベータ−38または他のAベータペプチド種)、または産物の相対量を変える(例えば、Aベータ−40対Aベータ−42の比が変化する、好ましくは増加する)。
【0155】
γ−セクレターゼ複合体はノッチタンパク質のプロセシングにも関与することが以前に示された。ノッチは発生過程できわめて重要な役割を果たすシグナル伝達タンパク質である(例えば、Schweisguth F(2004)Curr.Biol.14,R129に概説されている)。γ−セクレターゼ調節剤を治療に使用することに関しては、想定される不所望な副作用を回避するため、γ−セクレターゼ活性のノッチプロセシング活性を妨げないことが特に有利であると思われる。γ−セクレターゼ阻害剤が、ノッチプロセシングの同時阻害を原因とする副作用を示す一方で、γ−セクレターゼ調節剤は、小さめで凝集性の低い形態のAβ、すなわちAβ38の産生を減少させず、かつノッチプロセシングの同時阻害をせずに、凝集性および神経毒性が高い形態のAβ、すなわちAβ42の産生を選択的に減少させるという利点を有し得る。したがって、γ−セクレターゼ複合体のノッチプロセシング活性に対する作用を示さない化合物が好ましい。
【0156】
本明細書で使用する場合、「処置」という用語は、疾患の進行を遅延、中断、阻止または停止し得る全てのプロセス、または症状の軽減を指すものとするが、必ずしも全症状の完全な排除を示すものではない。
【0157】
本明細書で使用する「対象(subject)」という用語は、処置、観察または実験の目的物(object)となる、または目的物となった、動物、好ましくは哺乳動物、最も好ましくはヒトを指す。
【0158】
本発明は、医薬品として使用するための、一般式(I)による化合物、ならびに薬学的に許容されるその酸付加塩または塩基付加塩および溶媒和物に関する。
【0159】
本発明は、γ−セクレターゼ活性の調節に使用するための、一般式(I)による化合物、ならびに薬学的に許容されるその酸付加塩または塩基付加塩および溶媒和物にも関する。
【0160】
本発明は、AD、TBI、ボクサー認知症、MCI、老衰、認知症、レビー小体型認知症、脳アミロイド血管症、多発梗塞性認知症、ダウン症候群、パーキンソン病に関連する認知症およびβアミロイドに関連する認知症からなる群から選択される疾患または病態の処置または予防に使用するための、一般式(I)による化合物、ならびに薬学的に許容されるその酸付加塩または塩基付加塩および溶媒和物にも関する。
【0161】
一実施形態において、前記疾患または病態はADであるのが好ましい。
【0162】
本発明は、アルツハイマー病による神経認知障害、外傷性脳損傷による神経認知障害、レビー小体病による神経認知障害、パーキンソン病による神経認知障害または血管性神経認知障害から選択される疾患または病態の処置または予防に使用するための、一般式(I)による化合物、ならびに薬学的に許容されるその酸付加塩または塩基付加塩および溶媒和物にも関する。
【0163】
本発明は、前記疾患の処置に使用するための、一般式(I)による化合物、ならびに薬学的に許容されるその酸付加塩または塩基付加塩および溶媒和物にも関する。
【0164】
本発明は、前記疾患の処置または予防のための、一般式(I)による化合物、ならびに薬学的に許容されるその酸付加塩または塩基付加塩および溶媒和物にも関する。
【0165】
本発明は、γ−セクレターゼが仲介する疾患または病態の処置または予防、特に処置のための、一般式(I)による化合物、ならびに薬学的に許容されるその酸付加塩または塩基付加塩および溶媒和物にも関する。
【0166】
本発明は、医薬品の製造のための、一般式(I)による化合物、ならびに薬学的に許容されるその酸付加塩または塩基付加塩および溶媒和物の使用にも関する。
【0167】
本発明は、γ−セクレターゼ活性を調節する医薬品の製造のための、一般式(I)による化合物、ならびに薬学的に許容されるその酸付加塩または塩基付加塩および溶媒和物の使用にも関する。
【0168】
本発明は、上記の疾患病態のいずれか1つを処置または予防する医薬品を製造するための、一般式(I)による化合物、ならびに薬学的に許容されるその酸付加塩または塩基付加塩および溶媒和物の使用にも関する。
【0169】
本発明は、上記の疾患病態のうちいずれか1つを処置する医薬品を製造するための、一般式(I)による化合物、ならびに薬学的に許容されるその酸付加塩または塩基付加塩および溶媒和物の使用にも関する。
【0170】
本発明では、下記の実施例で使用するアッセイなどの好適なアッセイで測定する場合の、Aβ42−ペプチド産生の阻害についてのIC50値が、1000nM未満、好ましくは100nM未満、より好ましくは50nM未満、さらにより好ましくは20nM未満である式(I)の化合物、ならびに薬学的に許容されるその酸付加塩または塩基付加塩および溶媒和物、またはその任意の部分群が特に好ましい。
【0171】
式(I)の化合物、ならびに薬学的に許容されるその酸付加塩または塩基付加塩および溶媒和物は、上記の疾患のうちいずれか1つを処置または予防するために、哺乳動物、好ましくはヒトに投与することができる。
【0172】
式(I)の化合物、ならびに薬学的に許容されるその酸付加塩または塩基付加塩および溶媒和物の有用性に鑑みて、上記の疾患のうちいずれか1つに罹患している対象、特にヒトを含む温血動物を処置する方法、または対象、特にヒトを含む温血動物が上記の疾患のうちいずれか1つに罹患するのを予防する方法を提供する。
【0173】
前記方法は、治療有効量の式(I)の化合物、ならびに薬学的に許容されるその酸付加塩または塩基付加塩および溶媒和物の、対象への、特にヒトを含む温血動物への投与、すなわち全身的または局所的投与、好ましくは経口投与を含む。
【0174】
したがって、本発明は、アルツハイマー病、外傷性脳損傷、軽度認知障害、老衰、認知症、レビー小体型認知症、脳アミロイド血管症、多発梗塞性認知症、ボクサー認知症、ダウン症候群、パーキンソン病に関連する認知症およびβアミロイドに関連する認知症から選択される疾患または病態を処置または予防する方法にも関し、当該方法は、これを必要とする対象に、治療有効量の、本発明による化合物または医薬組成物を投与するステップを含む。
【0175】
本発明は、アルツハイマー病による神経認知障害、外傷性脳損傷による神経認知障害、レビー小体病による神経認知障害、パーキンソン病による神経認知障害または血管性神経認知障害から選択される疾患または病態を処置または予防する方法にも関し、当該方法は、これを必要とする対象に、治療有効量の、本発明による化合物または医薬組成物を投与するステップを含む。
【0176】
本発明は、産生されるAβ42−ペプチドの相対量を減少させる、γ−セクレターゼ活性の調節のための、式(I)の化合物、ならびに薬学的に許容されるその酸付加塩または塩基付加塩および溶媒和物の使用にも関する。
【0177】
本発明の化合物または化合物の一部の利点は、CNS浸透性が高められていることであり得る。
【0178】
そのような疾病の処置における当業者ならば、以下に示す試験結果から有効な治療1日量を決定できるであろう。有効な治療1日量は、約0.005mg/kg〜50mg/kg、特に0.01mg/kg〜50mg/kg体重、より特定すると0.01mg/kg〜25mg/kg体重、好ましくは約0.01mg/kg〜約15mg/kg、より好ましくは約0.01mg/kg〜約10mg/kg、さらにより好ましくは約0.01mg/kg〜約1mg/kg、最も好ましくは約0.05mg/kg〜約1mg/kg体重となるであろう。治療効果を達成するのに必要な、ここで有効成分とも称される本発明による化合物の量は、当然ながら、個別に、例えば、特定の化合物、投与経路、レシピエントの年齢および病態、ならびに処置される特定の障害または疾患に応じて変化するであろう。
【0179】
処置方法には、1日当たり1〜4回摂取する処方計画で有効成分を投与するステップを含めることもできる。これらの処置方法において、本発明による化合物は、好ましくは投与前に製剤化される。本明細書で下記に記載するように、好適な医薬製剤は、周知の容易に入手可能な成分を使用して、既知の手順で調製される。
【0180】
アルツハイマー病またはその症状を処置または予防するのに好適となり得る本発明の化合物は、単独で投与されても、1種または複数種の追加の治療薬と併用投与されてもよい。併用治療には、式(I)の化合物、薬学的に許容されるその酸付加塩もしくは塩基付加塩または溶媒和物、および1種または複数種の追加の治療薬を含有する単一医薬投与製剤の投与、ならびに式(I)の化合物、薬学的に許容されるその酸付加塩もしくは塩基付加塩または溶媒和物、および各追加の治療薬(それ自身の別個の医薬投与製剤中)の投与が含まれる。例えば、式(I)の化合物、薬学的に許容されるその酸付加塩もしくは塩基付加塩または溶媒和物、および治療薬は、患者に、錠剤またはカプセル剤などの単一経口投与組成物で一緒に投与されてもよいし、各薬剤が別個の経口投与製剤で投与されてもよい。
【0181】
有効成分を単独で投与することは可能であるが、それを医薬組成物として提供するのが好ましい。
【0182】
したがって、本発明は、薬学的に許容される担体、および有効成分として、治療有効量の式(I)による化合物、薬学的に許容されるその酸付加塩もしくは塩基付加塩または溶媒和物を含む医薬組成物をさらに提供する。
【0183】
担体または希釈剤は、組成物の他の成分と適合性があり、そのレシピエントに有害でないという意味で「許容される」ものでなければならない。
【0184】
投与を容易にするために、対象化合物を投与のための様々な医薬形態に製剤化することができる。本発明による化合物、特に、式(I)による化合物、ならびに薬学的に許容されるその酸付加塩または塩基付加塩および溶媒和物、またはその任意の部分群もしくは組合せは、投与のための様々な医薬形態に製剤化することができる。適切な組成物として、薬物の全身投与のために通常使用される全ての組成物を挙げることができる。
【0185】
本発明の医薬組成物を調製するために、有効量の、有効成分としての特定の化合物を、薬学的に許容できる担体と組み合わせて緊密な混合物とするが、この担体は、投与に所望される製剤の形態に応じて、多種多様な形態をとり得る。これらの医薬組成物は、特に、経口投与、経直腸投与、経皮投与、非経腸注射による投与または吸入による投与に好適な単位剤形であることが望ましい。例えば、経口剤形の組成物を調製する際に、懸濁剤、シロップ剤、エリキシル剤、乳剤および溶液剤などの経口液体製剤の場合には、例えば、水、グリコール、油、アルコールなどの通常の医薬媒体のいずれかを使用することができ、または散剤、丸剤、カプセル剤および錠剤の場合には、デンプン、糖、カオリン、希釈剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤などの固体担体を使用することができる。投与が容易であるため、錠剤およびカプセル剤は最も有利な経口単位剤形となり、その場合、固体医薬担体が当然使用される。非経腸組成物の場合、担体は、通常、少なくとも大部分が滅菌水を含むであろうが、例えば溶解性を補助するために他の成分を含む場合がある。例えば、担体が生理食塩水溶液、ブドウ糖溶液、または生理食塩水とブドウ糖溶液との混合物を含む注射液が調製され得る。例えば、担体が生理食塩水溶液、ブドウ糖溶液、または生理食塩水とブドウ糖溶液との混合物を含む注射液が調製され得る。式(I)の化合物、薬学的に許容されるその酸付加塩もしくは塩基付加塩または溶媒和物を含有する注射液を、持続性作用のために油中で製剤してもよい。この目的に適切な油としては、例えば、ラッカセイ油、ゴマ油、綿実油、トウモロコシ油、ダイズ油、長鎖脂肪酸の合成グリセロールエステル、およびこれらと他の油との混合物がある。注射縣濁液を調製することもでき、その場合、適切な液体担体、懸濁化剤などを使用してもよい。使用直前に液体形態製剤に変換することが意図される固体形態製剤も含まれる。経皮投与に好適な組成物においては、担体は、浸透促進剤および/または好適な湿潤剤を、任意選択的に、少ない割合の任意の性質の好適な添加剤と組み合わせて含み、これらの添加剤は、有意な有害作用を皮膚に及ぼすものではない。前記添加剤は、皮膚への投与を容易にすることができ、かつ/または所望の組成物の調製に有用となり得る。これらの組成物は、様々な方法で、例えば、経皮貼付剤として、スポットオン剤(spot−on)として、軟膏剤として投与され得る。式(I)の化合物の酸付加塩または塩基付加塩は、対応する塩基または酸の形態と比較して水に対する溶解性が高いため、より水性組成物の調製に好適である。
【0186】
前述した医薬組成物を、投与を容易にし、投与量を均一にするために、単位剤形に製剤化することが特に有利である。本明細書で使用する単位剤形とは、単位投与量として好適な物理的に個別の単位を指し、各単位は、必要な医薬担体と共同して所望の治療効果を生じるよう計算された所定量の有効成分を含有する。そのような単位剤形の例としては、錠剤(分割錠剤またはコーティング錠剤を含む)、カプセル剤、丸剤、粉末パケット、オブラート、坐剤、注射液、または懸濁剤など、およびそれらを複数に分割したものがある。
【0187】
本発明による化合物は強力な経口投与用化合物であるため、前記化合物を含む経口投与用の医薬組成物は特に有利である。
【0188】
医薬組成物中の、式(I)の化合物、薬学的に許容されるその酸付加塩または塩基付加塩ならびに溶媒和物の溶解性および/または安定性を高めるために、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリンもしくはγ−シクロデキストリンまたはこれらの誘導体、特に、ヒドロキシアルキル置換シクロデキストリン、例えば2−ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンまたはスルホブチル−β−シクロデキストリンを使用するのが有利であり得る。アルコールなどの補助溶媒も、医薬組成物中の本発明による化合物の溶解性および/または安定性を改善する場合がある。
【0189】
投与方法に応じて、医薬組成物は、式(I)の化合物、薬学的に許容されるその酸付加塩もしくは塩基付加塩または溶媒和物を、好ましくは0.05〜99重量%、より好ましくは0.1〜70重量%、さらにより好ましくは0.1〜50重量%、および薬学的に許容される担体を1〜99.95重量%、より好ましくは30〜99.9重量%、さらにより好ましくは50〜99.9重量%含むことになり、パーセンテージは全て組成物の総重量に基づいている。
【0190】
以下の実施例は、本発明を例示するものである。化合物の立体中心に対して具体的な立体化学が示されていない場合、これは、化合物が、R鏡像異性体およびS鏡像異性体の混合物として得られたことを意味する。
【実施例】
【0191】
以下で、「NaH」という用語は水素化ナトリウム(鉱油中60%)を意味し、「DCM」は、ジクロロメタンを意味し、「LiBr」は臭化リチウムを意味し、「POCl」はオキシ塩化リンを意味し、「MeOH」はメタノールを意味し、「sat.」は飽和を意味し、「LCMS」は液体クロマトグラフィー/質量分析を意味し、「HPLC」は高速液体クロマトグラフィーを意味し、「sol.」は溶液を意味し、「aq.」は水溶性を意味し、「r.t.」は室温を意味し、「tBu」はtert−ブチルを意味し、「AcOH」は酢酸を意味し、「TFA」はトリフルオロ酢酸を意味し、「m.p.」は融点を意味し、「N」は窒素を意味し、「RP」は逆相を意味し、「min」は分を意味し、「h」は時間を意味し、「NaSO」は亜硫酸ナトリウムを意味し、「EtOAc」は酢酸エチルを意味し、「EtN」はトリエチルアミンを意味し、「EtOH」はエタノールを意味し、「eq.」は当量を意味し、「r.m.」は反応混合物を意味し、「DIPE」はジイソプロピルエーテルを意味し、「THF」はテトラヒドロフランを意味し、「DMF」はN,N−ジメチルホルムアミドを意味し、「iPrOH」は2−プロパノールを意味し、「LDA」はリチウムジイソプロピルアミドを意味し、「NH」はアンモニアを意味し、「SFC」は超臨界流体クロマトグラフィーを意味し、「TBAF」はテトラブチルアンモニウムフルオリドを意味し、「OR」は旋光度を意味し、「DIPEA」はジイソプロピルエチルアミンを意味し、「NHHCO」は炭酸水素アンモニウムを意味し、「NHOAc」は酢酸アンモニウムを意味し、「TfOH」は、トリフルオロメタンスルホン酸を意味し、「v/v」は体積/体積%を意味し、「w/v」は重量/体積を意味し、「CsCO」は炭酸セシウムを意味し、「DIAD」はジイソプロピルアゾジカルボキシラートを意味し、「DMAP」は4−ジメチルアミノ−ピリジンを意味し、「HBTU」はO−ベンゾトリアゾール−N,N,N’,N’−テトラメチル−ウロニウム−ヘキサフルオロ−ホスファートを意味し、「CO」は二酸化炭素を意味し、「iPrNH」はイソプロピルアミンを意味し、「NaCO」は炭酸ナトリウムを意味し、「HCl」は塩酸を意味し、「KCO」は炭酸カリウムを意味し、「KPO」はリン酸カリウムを意味し、「MgSO」は硫酸マグネシウムを意味し、「NaSO」は硫酸ナトリウムを意味し、「NaBH」は水素化ホウ素ナトリウムを意味し、「LiAlH」は水素化アルミニウムリチウムを意味し、「EtO」はジエチルエーテルを意味し、「NaHCO」は炭酸水素ナトリウムを意味し、「NaOH」は水酸化ナトリウムを意味し、「NHCl」は塩化アンモニウムを意味し、「Pd/C」は、パラジウム担持炭素を意味し、「Et」はエチルを意味し、「Me」はメチルを意味し、「Pd(dba)」はトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)を意味し、「キサントホス」は4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテンを意味し、「H」は水素を意味し、「TPP」はトリフェニルホスピン(triphenylphospine)を意味し、「X−Phos」は2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニルを意味し、「MsCl」はメタンスルホニルクロリドを意味し、「TLC」は薄層クロマトグラフィーを意味し、「DDQ」は2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノンを意味し、「DABCO」は1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタンを意味する。
【0192】
A.中間体の調製
実施例A1
a)中間体1の調製
【化10】
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p−アニスアルデヒド(7.4mL、61mmol)をMeOH(300mL)に溶解し、次いでD−アラニノール(5.0g、66mmol)およびNaHCO(10.2g、121mmol)を添加し、反応物を80℃で2h撹拌した。次いで、r.m.を25℃に冷却した。温度を25℃未満に保持しながらNaBH(2.3g、61mmol)を少しずつ添加した。混合物を25℃でさらに1h撹拌し、次いで2N HCl(pH=1)およびNaHCO(pH=7〜8)で反応停止した。MeOHを真空蒸発させ、次いでEtOAcを添加した。有機層を分離し、MgSOで脱水し、濾過し、溶媒を真空蒸発させて、中間体1を白色の固体として得た(定量的収率;R−鏡像異性体)。
【0193】
b)中間体2の調製
【化11】
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HBTU(2.15g、5.67mmol)を、6−(ベンジルオキシ)ピリジン−2−カルボン酸(1g、4.36mmol)と、DIPEA(1mL、5.68mmol)と、中間体1(0.85g、4.36mmol)とのDMF(12mL)中撹拌溶液に添加した。混合物をr.t.で終夜撹拌した。Sat.aq.NaHCO sol.を添加し、混合物をEtOAcで抽出した。まとめた抽出物をMgSOで脱水し、真空濃縮した。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ;ヘキサン/EtOAc 100/0〜50/50)で精製した。所望の画分を回収し、真空濃縮して、中間体2を油として得た(1.51g、85%;R−鏡像異性体)。
【0194】
c)中間体3の調製
【化12】
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10%Pd/C(0.187g)を、中間体2(1.87g、4.60mmol)のMeOH(20mL)溶液に0℃で添加した。混合物をr.t.で6h水素化(大気圧)した。触媒を珪藻土で濾過し、溶媒を真空蒸発させて、無色の油を得た。粗中間体3を、次の反応工程にそのまま使用した(定量的収率;R−鏡像異性体)。
【0195】
d)中間体4の調製
【化13】
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DIAD(1.36mL、6.90mmol)を、中間体3(粗製物、4.60mmol)とTPP(1.8g、6.86mmol)との無水THF(20mL)中撹拌溶液に、N下で添加した。混合物をr.t.で終夜撹拌した。次いで、溶媒を真空蒸発させた。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ;ヘキサン/EtOAc 100/0〜0/100)で精製した。所望の画分を回収し、真空濃縮して、中間体4を白色の固体として得た(927mg、2工程で68%;R−鏡像異性体)。
【0196】
e)中間体5の調製
【化14】
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トリフルオロメタンスルホン酸(30mL)を、加温した(50℃)、中間体4(10.5g、35mmol)のTFA(175mL)およびアニソール(4g)中撹拌溶液に滴加した。この温度で2h経ってから、r.m.をr.t.に冷却し、真空濃縮した。暗紫色の残留物をアセトニトリル(50mL)に溶解し、冷却した(−60℃)、7M NHのMeOH(250mL)中sol.に滴加した。褐色気味のスーペンション(supension)を濾過し、シリカを濾液に添加した。混合物を真空濃縮し、粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカ、MeOH中DCM/7N NH 100/0〜96/4)で精製して褐色の固体を得、これを、さらなる精製をせずに次の反応に使用した(4g、R−鏡像異性体)。
【0197】
f)中間体6の調製
【化15】
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水酸化リチウム一水和物(0.766g、18.25mmol)を、メチル3−ブロモ−2−ヒドロキシ−6−ピリジンカルボキシラート(3.85g、16.6mmol)のTHF(66mL)と水(17mL)との混合物中撹拌溶液に少しずつ添加した。混合物を60℃で24h撹拌し、次いで、溶媒を真空蒸発させた。粗中間体6を真空乾燥し、次の反応工程にそのまま使用した(定量的収率;R−鏡像異性体)。
【0198】
g)中間体7の調製
【化16】
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臭素(0.17mL、3.32mmol)を中間体11(0.825g、2.76mmol)のDCM/AcOH 4:1(15mL)中撹拌溶液に、N下でゆっくりと滴加した。混合物をr.t.で終夜撹拌し、次いで、aq.sat.NaHCO sol.で希釈し、DCMで抽出した。有機層を分離し、MgSOで脱水し、濾過し、溶媒を真空蒸発させた。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ;ヘキサン/EtOAc 100/0〜50/50)で精製した。所望の画分を回収し、真空濃縮して、中間体7を油として得た(530mg、51%;R−鏡像異性体)。
【0199】
g1)中間体7の代替調製
HBTU(16.2g、42.66mmol)を、中間体6(粗製物、28.44mmol)と、中間体1(5.55g、28.44mmol)と、DIPEA(7.3mL、42mmol)とのDMF(24mL)中撹拌溶液に少しずつ添加した。混合物をr.t.で14h撹拌し、次いでさらに0.5eq.のHBTUおよびDIPEAを添加した。混合物をr.t.で4h撹拌し、次いで、aq.sat.NaHCO sol.に注ぎ入れ、EtOAcで抽出した。有機層を分離し、MgSOで脱水し、濾過し、溶媒を真空蒸発させた。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ;EtOAc/ヘプタン0/100〜50/50)で精製した。所望の画分を回収し、真空濃縮して、中間体7を油として得た(7.03g、2工程で65%;R−鏡像異性体)。
【0200】
h)中間体8の調製
【化17】
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トリフルオロメタンスルホン酸(0.5mL、5.62mmol)を、中間体7(0.53g、1.4mmol)のトルエン(5mL)中撹拌溶液に添加した。混合物を2h還流撹拌し、次いで、1M NaOHでpH=8に希釈し、溶媒を真空蒸発させた。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ;DCM/EtOAc 100/0〜0/100)で精製した。所望の画分を回収し、真空濃縮して、中間体8を固体として得た(0.297g、定量的収率、R−鏡像異性体)。
【0201】
h1)中間体8の代替調製
DCM(50mL)中の中間体5(4g、22.4mmol)とAcOH(10mL)との、撹拌し、氷冷した混合物に、DCM(2.5mL)中臭素(1.6mL、31.4mmol)を滴加した。r.t.で4h撹拌した後、r.m.をDCM(200mL)で希釈し、連続して、無色のr.m.が得られるまで20%NaSO sol.で、次に中性pHになるまで飽和aq.NaHCO sol.で処理した。層を分離し、有機層をMgSOで脱水し、濾過し、真空濃縮して、オフホワイト固体(4.5g)を得、これを、さらなる精製をせずに次の反応に使用した。
【0202】
実施例A2
a)中間体9の調製
【化18】
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N−ベンジルエタノールアミン(26.3mL、182.84mmol)を、メチル2−ヒドロキシ−6−ピリジンカルボキシラート(14g、91.42mmol)とMeOH(92mL)との混合物に添加した。反応が完了するまでr.m.を還流しながら撹拌した。次いで、溶媒を蒸発させ、粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ;DCM/MeOH 100/0〜90/10)で精製した。所望の画分を回収し、真空濃縮して、中間体9を得た(23.2g、93%)。
【0203】
b)中間体10の調製
【化19】
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DIAD(19.0mL、96.12mmol)を、中間体9(17.45g、64.08mmol)とTPP(25.21g、96.12mmol)との無水THF(193mL)中撹拌溶液に、N下で添加した。混合物をr.t.で2h撹拌した。溶媒を真空蒸発させた。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ;DCM/EtOAc 100/0〜0/100)で精製した。所望の画分を回収し、真空濃縮して、中間体10を白色の固体として得た(16.294g、定量的収率)。
【0204】
c)中間体11の調製
【化20】
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臭素(0.67mL、12.96mmol)を、中間体10(2.75g、10.8mmol)のDCM/AcOH 4:1(50mL)中撹拌溶液に、N下でゆっくりと滴加した。混合物をr.t.で終夜撹拌し、次いで、aq.sat.NaHCO sol.で希釈し、DCMで抽出した。有機層を分離し、MgSOで脱水し、濾過し、溶媒を真空蒸発させた。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ;DCM/EtOAc 100/0〜80/20)で精製した。所望の画分を回収し、真空濃縮して、中間体11を黄色の固体として得た(定量的収率)。
【0205】
d)中間体12の調製
【化21】
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トリフルオロメタンスルホン酸(5.05g、15.15mmol)を、中間体11(5.4mL、60.6mmol)の無水トルエン(50mL)中撹拌溶液に添加した。混合物を24h還流撹拌し、次いで、sat.NHで希釈し、溶媒を真空蒸発させた。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ;DCM/MeOH 100/0〜94/6)で精製した。所望の画分を回収し、真空濃縮して、中間体12を白色の固体として得た(定量的収率)。
【0206】
実施例A3
a)中間体13の調製
【化22】
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PO(0.731g、3.44mmol)、Pd(dba)(63mg、0.06mmol)およびキサントホス(69mg、0.12mmol)を、中間体7(0.65g、1.72mmol)の無水THF(5mL)中撹拌溶液にr.t.で添加しながら、Nを混合物に通して起泡した。10min後、アセトアミド(0.112g、1.89mmol)を添加し、混合物をさらに10min間撹拌し、次いで、密閉容器中で90℃にて3h撹拌した。次いで、反応物をr.t.に冷却し、sat.NaHCO sol.およびEtOAcを添加した。相を分離し、もう一度水相をEtOAcで抽出し、まとめた有機物をMgSOで脱水し、濾過し、蒸発させた。粗製物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ;ヘキサン/EtOAc 100/0〜10/90)で精製した。所望の画分を回収し、真空濃縮して、中間体13を淡黄色の泡沫として得た(0.335g、56%;R−鏡像異性体)。
【0207】
b)中間体14の調製
【化23】
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HCl(2−プロパノール中6N、0.5mL、2.82mmol)を、中間体13(0.335g、0.94mmol)のMeOH(5mL)溶液にr.t.で添加し、混合物を終夜撹拌した。次いで、溶媒を蒸発させ、sat.NaHCO sol.およびEtOAcを添加し、相を分離し、もう一度水相を抽出し、まとめた有機物をMgSOで脱水し、濾過し、蒸発させた。粗中間体14を次の反応工程にそのまま使用し、収率は定量的であるとみなした(R−鏡像異性体)。
【0208】
c)中間体15の調製
【化24】
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無水酢酸(0.34mL、3.58mmol)をギ酸(0.5mL、14.13mmol)にr.t.で滴加し、同じ温度で30min間撹拌した。この溶液に、THF(6mL)中の中間体14(粗製物、0.94mmol)を滴加した。r.m.を60℃で16h撹拌し、次いで水およびEtOAcを添加した。相を分離し、もう一度水相を抽出した。まとめた有機物をMgSOで脱水し、濾過し、蒸発させた。粗中間体15を次の反応工程にそのまま使用し、収率は定量的であるとみなした(R−鏡像異性体)。
【0209】
d)中間体16の調製
【化25】
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クロロアセトン(0.19mL、2.35mmol)を、中間体15(粗製物、0.94mmol)と、KCO(0.456g、3.29mmol)と、ヨウ化カリウム(16mg、0.09mmol)とのDMF(3mL)中撹拌懸濁液に、r.t.で滴加した。混合物を16h撹拌し、次いで水およびEtOAcを添加した。相を分離し、もう一度aq.相を抽出した。まとめた有機物をMgSOで脱水し、濾過し、蒸発させた。粗中間体16を次の反応工程にそのまま使用し、収率は定量的であるとみなした(R−鏡像異性体)。
【0210】
e)中間体17の調製
【化26】
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NHOAc(0.362g、4.70mmol)を、中間体16(粗製物、0.94mmol)のAcOH(2mL)中撹拌溶液にr.t.で添加し、混合物を1h還流撹拌した。次いで、反応物をr.t.に冷却し、0℃の水に注ぎ入れた。Aq.50% NaOH sol.を、塩基性pHになるまでゆっくりと添加した。生成物をEtOAc(×2)で抽出した。まとめた有機物をMgSOで脱水し、濾過し、蒸発させた。粗製物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ;DCM/MeOH 100/0〜90/10)で精製した。所望の画分を回収し、真空濃縮して、中間体17を粘着性の褐色の油として得た(0.2g、4工程で57%;R−鏡像異性体)。
【0211】
f)中間体18の調製
【化27】
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TfOH(0.2mL、2.11mmol)を、中間体17(0.2g、0.52mmol)の無水トルエン(2.5mL)中撹拌溶液にr.t.で添加し、混合物を2h還流撹拌した。次いで、溶媒を蒸発させた。Aq.1N NaOH sol.をpH8になるまで添加し、溶媒を蒸発させた。粗製物をDCM−MeOH(9:1、v/v)で研和し、MgSOで脱水し、濾過し、蒸発させた。粗中間体18を次の反応工程にそのまま使用し、収率は定量的であるとみなした(R−鏡像異性体)。
【0212】
f1)中間体18の代替調製
磁気撹拌子およびねじ口セプタムを備えた第1のバイアル中で、Pd(dba)(0.055g、0.06mmol)と2−ジ−tert−ブチルホスフィノ−3,4,5,6−テトラメチル−2’,4’,6’−トリイソプロピル1−1,1’−ビフェニル(0.06g、0.125mmol)とのジオキサン(1.5mL)およびトルエン(7mL)中溶液にNを流し、次いで、120℃で3min間撹拌した。磁気撹拌子およびねじ口セプタムを備えた第2のバイアルに、4−メチル−イミダゾール(0.45g、5.5mmol)およびKPO(2.12g、10mmol)を、次いで中間体8(1.312g、5mmol)を投入し、同様にNを流した。予め混合した触媒溶液をシリンジで第2のバイアルに添加した。r.m.を120℃で5h加熱した。反応物をr.t.に冷却し、DCMで希釈し、塩水で洗浄し、NHClで中和した。溶媒を蒸発させて乾燥した。粗製物をカラムクロマトグラフィー(シリカ;DCM/MeOH 95/5〜80/20)で精製した。画分を回収して中間体18を得た(1.33g、98%;R−鏡像異性体)。
【0213】
実施例A4
a)中間体19の調製
【化28】
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塩化チオニル(0.4mL、4.86mmol)を、6−(ベンジルオキシ)−ピリジン−2−カルボン酸(0.724g、3.24mmol)と一滴のDMFとのDCM(15mL)中溶液に添加した。混合物をr.t.で2h撹拌し、次いで、溶媒を減圧留去し、粗中間体19を次の反応工程にそのまま使用し、収率は定量的であるとみなした。
【0214】
実施例A5
a)中間体20の調製
【化29】
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中間体18の合成について報告したものと同様の合成手順に従って、中間体20を得た。
【0215】
実施例A6
a)中間体21の調製
【化30】
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NaH(4.78g、119.61mmol)を、ベンジルアルコール(13.6mL、131.57mmol)の無水THF(50mL)中撹拌溶液に、0℃で添加した。30min後、この混合物を、2−ブロモ−1−ヨード−3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン(19.27g、23.92mmol)の無水THF(80mL)中撹拌溶液に添加した。混合物をr.t.で終夜撹拌し、次いで、水で反応停止し、ヘプタンで抽出した。まとめた有機物をMgSOで脱水し、濾過し、真空濃縮した。粗製物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ;ヘキサン)で精製した。所望の画分を回収し、真空濃縮して中間体21を得た(7.83g、73%)。
【0216】
b)中間体22の調製
【化31】
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ブチルリチウム(ヘキサン中2.5M、3.2mL、8.07mmol)を、中間体21(3g、6.72mmol)の無水THF(20mL)中撹拌溶液に、−78℃で滴加した。混合物を、同じ温度で1h撹拌し、次いで、t−ブチルジメチルシロキシアセトアルデヒド(1.4mL、7.40mmol)を滴加した。r.m.を2h撹拌し、次いで、sat.aq.NHCl sol.で反応停止し、EtOAcで抽出した。まとめた有機物をMgSOで脱水し、濾過し、蒸発させた。粗製物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ;ヘプタン/DCM 0/100〜50/50)で精製した。所望の画分を回収し、真空濃縮して、中間体22を黄色の油として得た(1.20g、36%、R鏡像異性体とS鏡像異性体との混合物)。
【0217】
c)中間体23の調製
【化32】
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MsCl(0.23mL、2.91mmol)を、中間体22(1.2g、2.43mmol)と、DIPEA(0.7mL、4.12mmol)とのDCM(25mL)中撹拌溶液に、0℃で滴加した。混合物をr.t.で終夜撹拌し、次いで、DCMで希釈し、sat.aq.NaHCO sol.で洗浄した。有機相をMgSOで脱水し、濾過し、真空濃縮した。粗製物を次の反応工程にそのまま使用した(1.389g、定量的収率;R鏡像異性体とS鏡像異性体との混合物)。
【0218】
d)中間体24の調製
【化33】
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NaH(0.084mg、2.10mmol)を、中間体18(0.418g、1.62mmol)とLiBr(0.168mg、1.94mmol)とのDMF(15mL)中撹拌溶液に、N雰囲気下にて0℃で添加した。混合物を15min間撹拌し、次いで、中間体23(1.389g、粗製物)を滴加した。r.m.を、r.t.で終夜、次いで50℃で2h撹拌した。反応物を水で反応停止し、EtOAcで抽出した。有機相をMgSOで脱水し、濾過し、真空濃縮した。粗製物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ;DCM/MeOH 100/0〜90/10)で精製した。所望の画分を回収し、真空濃縮して中間体24を得た(96mg、8%;R,RS)。
【0219】
e)中間体25の調製
【化34】
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三臭化ホウ素(0.055mL、0.57mmol)を、中間体24(0.097mg、0.132mmol)のDCM(10mL)中撹拌溶液に、N下にて0℃で少しずつ添加した。混合物をr.t.で1h撹拌し、次いで、aq.sat.NaHCOで希釈し、DCMで抽出した。有機層を分離し、MgSOで脱水し、濾過し、溶媒を真空蒸発させた。粗製物を次の反応工程にそのまま使用した(70mg、定量的収率;R,RS)。
【0220】
実施例A7
a)中間体26の調製
【化35】
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2−ヒドラジニル−5−トリフルオロメチルピリジン(9.5g、53.63mmol)を、ピリジン(261mL)およびDMF(261mL)中で撹拌した。メチルオキサリルクロリド(7.885g、64.36mmol)を0℃で添加した。r.m.を1h撹拌し、次いで、溶媒を蒸発させ、残留物をDCM/水に溶解した。生成物は沈殿し、これを濾過して採り、乾燥して中間体26を得た(9.78g、69%)。
【0221】
b)中間体27の調製
【化36】
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中間体26(9.78g、37.16mmol)をPOCl(73mL)中で撹拌し、r.m.を20h還流させ、次いで冷却した。氷水を0℃で慎重に添加し、次いで、2つの層が形成されて残留固体がなくなるまでDCMを添加した。混合物を固体NaHCOで塩基性化した。有機層を分離し、MgSOで脱水し、濾過し、溶媒を真空蒸発させた。生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ;DCM/MeOH 100/0〜99/1)で精製した。所望の画分を回収し、真空濃縮して中間体27を得た(2.03g、22%)。
【0222】
c)中間体28の調製
【化37】
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10%Pd/C(0.43g)を、中間体27(1g、4.08mmol)およびMeOH(50mL)に添加した。混合物を50℃で20h水素化した(20bar H)。触媒を濾過して除去し、溶媒を真空蒸発させて中間体28を得た(1.05g、次の工程にそのまま使用)。
【0223】
d)中間体29の調製
【化38】
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中間体28(1.05g、粗製物)を、THF(50mL)およびMeOH(50mL)に入れ、N下にてr.t.で撹拌した。NaBH(0.228g、6.02mmol)を添加し、混合物をr.t.で終夜撹拌し、次いで、sat.aq.NHCl sol.を添加し、溶媒を蒸発させた。DCMを添加し、混合物をMgSOで脱水し、濾過し、溶媒を真空蒸発させて、中間体29を得た(0.36g)。
【0224】
e)中間体30の調製
【化39】
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中間体29(0.36g)をDCM(9mL)に入れ、N雰囲気下にて0℃で撹拌した。塩化チオニル(0.387g、3.26mmol)を添加し、混合物をr.t.に到達させた。TLCによって管理した後、混合物を蒸発させ、トルエンと共蒸発させ、次の工程にそのまま使用した(0.39g)。
【0225】
実施例A8
a)中間体31の調製
【化40】
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0℃のDCM(30mL)中4−トリフルオロメチルピリジン(4.37g、29.73mmol)に、o−メシチレンスルホニルヒドロキシルアミン(6.40g、29.73mmol)を少量ずつ添加した。r.m.を0℃で1h、次いで、r.t.で20h撹拌した。次いで、ヘプタンを添加した。油状の固体が形成され、これを濾過した。濾過後、回収した白色の固体をDMF(50mL)に溶解し、次いで、KCO(6.16g、44.60mmol)およびプロピオン酸メチル(2.50g、29.73mmol)を添加した。r.m.をr.t.で20h撹拌し、次いで、濾過し、溶媒を真空蒸発させた。残留物をDCM/sat.aq.NaHCO sol.で処理した。有機層を分離し、1N HCl sol.で洗浄し、MgSOで脱水し、濾過し、蒸発させた。粗製物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、ヘプタン/EtOAc 100/0〜98/2)で精製して、中間体31を白色の固体として得た(2g、28%)。
【0226】
b)中間体32の調製
【化41】
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中間体28の合成について報告したものと同様の手順に従って、中間体31から出発し、中間体32を得、粗製物として次の合成工程に使用した。
【0227】
c)中間体33の調製
【化42】
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雰囲気下で、中間体32(1.4g、粗製物)をTHF(0.5mL)に溶解した。LiAlH(THF中1M、5.6mL、5.64mmol)をr.t.で添加し、r.m.を1h撹拌した。次いで、r.m.を冷却し、水を慎重に添加した(10mL)。溶媒を真空蒸発させ、残留物をDCM、MeOHおよび水で処理した。有機層を分離し、MgSOで脱水し、濾過し、蒸発させて、中間体33を得た(0.9g)。
【0228】
d)中間体34の調製
【化43】
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中間体30の合成について報告したものと同様の手順に従って、中間体33から出発し、中間体34を得、粗製物として次の合成工程に使用した。
【0229】
実施例A9
a)中間体35の調製
【化44】
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2−ヒドラジニル−5−トリフルオロメチルピリジン(5g、28.23mmol)を、無水THF(50mL)およびEtN(2.856g、28.23mmol)中で撹拌した。クロロアセチルクロリド(3.188g、28.23mmol)を0℃で添加した。r.m.を0℃で3h撹拌し、次いで、氷水を添加し、混合物をDCMで抽出した。有機層を水で洗浄し、MgSOで脱水し、濾過し、溶媒を蒸発させて中間体35を得た(6.16g、86%)。
【0230】
b)中間体36の調製
【化45】
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中間体35(3g、11.83mmol)およびPOCl(30mL)を20h還流し、次いで、POClを蒸発させ、残留物を氷水中で撹拌した。水層をpH=6にし、生成物をDCMで抽出した。有機層をMgSOで脱水し、濾過し、蒸発させた。生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ;DCM/アセトニトリル 98/2〜90/10)で精製した。純粋な画分を回収し、溶媒を真空内で35℃にて留去し、中間体36を得た(1g、36%)。
【0231】
実施例A10
中間体30の合成について記載したものと同様の手順に従って、次の中間体を、市販されているまたは既知の対応するアルコールから出発して調製した。
【0232】
【表1】
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【0233】
実施例A11
a)中間体39の調製
【化46】
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雰囲気下で、6−ブロモ−クロマン−2−カルボン酸メチルエステル(3.5g、12.91mmol)をTHF(88mL)に溶解し、次いで、溶液を−72℃に冷却した。LDA(THF中2M、8mL、16.14mmol)を滴加し、r.m.を−70℃で1.5h撹拌した。次いで、THF(5mL)中ヨウ化メチル(8mL、129.1mmol)を滴加し、反応混合物を20h撹拌しながら室温に到達させた。この時間の後で、MeOH(10mL)、次いでEtOAcおよび水を添加した。有機層を分離し、濾過し、MgSOで脱水し、溶媒を真空内で留去した。粗製物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ;ヘプタン/EtOAc 100/0〜98/2)で精製した。所望の画分を回収し、溶媒を蒸発させて、中間体39を得た(1.6g、43%)。
【0234】
b)中間体40の調製
【化47】
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雰囲気下で、中間体39(1.6g、5.61mmol)をTHF(0.5mL)に溶解した。水素化ホウ素リチウム(THF中2M、8.4mL、16mmol)をr.t.で滴加し、r.m.を1h撹拌した。追加の水素化ホウ素リチウム(4mL)を添加し、r.m.をr.t.で1h撹拌し、次いで、MeOHを添加し、混合物を5min間撹拌した。この時間の後で、この揮発性物質を真空内で留去し、残留物をDCM/水に溶解した。有機層を分離し、MgSOで脱水し、濾過し、溶媒を蒸発させた。フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ;ヘプタン/EtOAc 100/0〜98/2)で精製して、中間体40を得た。
【0235】
c)中間体41の調製
【化48】
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0℃の、中間体40(0.7g、2.72mmol)のピリジン(20mL)溶液に、p−トルエンスルホニルクロリド(0.571g、3mmol)を添加した。反応混合物をr.t.で終夜撹拌し、次いで、溶媒を真空内で留去した。Aq.NaHCO sol.を添加し、生成物をDIPEで抽出した。有機層をMgSOで脱水し、濾過し、蒸発させた。生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ;DCM/MeOH 100/0〜99/1)で精製した。所望の生成物を含有する画分を蒸発させて、中間体41を得た(0.5g、45%)。
【0236】
実施例A12
a)中間体42および43の調製
【化49】
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NaH(1.23g、31.15mmol)を、N雰囲気下にて0℃でDMF(200mL)に溶解した。この溶液に、DMF(50mL)中エチル5−イソプロピルピラゾール−3−カルボキシラート(5.16g、28.33mmol)を、0℃で10minにわたって添加した。添加後、r.m.を0℃で10min間、次いで、r.t.で40min間撹拌した。次いで、2,2,2−トリフルオロエチルトリフルオロメタンスルホナート(4.5mL、31.15mmol)を添加し、混合物をr.t.で3h撹拌した。この時間の後で、EtOHを0℃で添加してrmを反応停止した。混合物に水を添加し、水層をEtOAcで抽出した。次いで、有機層を塩水で洗浄し、脱水し(MgSO4)、濾過し、真空濃縮した。得られた粗製物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ;ヘプタン/EtOAc 100/0〜60/40)で精製して、中間体42(4.05g、54%)および位置異性体中間体43(1.52g、20%)を得た。
【0237】
b)中間体44の調製
【化50】
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中間体33の合成について報告したものと同様の手順に従って、中間体42から出発し、中間体44を得た(68%)。
【0238】
c)中間体45の調製
【化51】
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中間体44(0.86mg、3.87mmol)をDCM(25mL)に溶解した。溶液を0℃まで冷却した。MsCl(0.33mL、4.26mmol)およびEtN(0.6mL、4.26mmol)を添加し、r.m.をr.t.で、完了するまで撹拌した。次いで、水を添加し、有機層をaq.sat.NaCO sol.で洗浄し、NaSOで脱水し、濾過し、真空濃縮して粗製物を得、これを、さらなる精製をせずに次の工程に使用した。
【0239】
実施例A13
a)中間体46の調製
【化52】
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ブチルリチウム(ヘキサン中1.6M、2.6mL、4.18mmol)を、2−メチル−5−(トリフルオロメチル)ブロモベンゼン(1g、4.18mmol)のEtO(15mL)溶液に、−78℃で滴加した。r.m.を−78℃で20min間撹拌し、次いで、EtO(5mL)中1−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−2−プロパノン(0.827g、4.39mmol)を添加し、r.m.を−78℃で2hさらに撹拌した。次いで、r.m.を水で反応停止し、生成物をEtOAcで抽出した。有機層をMgSOで脱水し、濾過し、溶媒を真空内で留去した。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ;ヘプタン/EtOAc 100/0〜90/10)で精製した。生成物を含有する画分を回収し、真空濃縮して、中間体46を得た(1.036g、71%)。
【0240】
b)中間体47の調製
【化53】
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中間体46(4.84g、13.89mmol)を四塩化炭素(194mL)中で撹拌した。N−ブロモスクシンイミド(2.719g、15.28mmol)および2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)(0.228g、1.39mmol)を添加し、混合物を2h還流した。次いで、反応混合物を1N NaOH sol.で洗浄し、MgSOで脱水し、濾過し、蒸発させて中間体47を得、これを次の反応工程にそのまま使用し、収率は定量的であるとみなした(4.8g)。
【0241】
c)中間体48の調製
【化54】
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中間体47(4.8g、粗製物)とTBAFのTHF(40mL;1M)溶液とをr.t.で2h撹拌した。Sat.NHCl sol.を添加し、生成物をEtOAcで抽出した。有機層を水で(×2)、および塩水で1回洗浄し、MgSOで脱水し、濾過し、蒸発させて、中間体48を得た。粗製物を次の反応工程にそのまま使用し、収率は定量的であるとみなした(3.2g)。
【0242】
d)中間体49の調製
【化55】
[この文献は図面を表示できません]

中間体41の合成について報告したものと同様の手順に従って、中間体48から出発し、中間体49を得た。
【0243】
実施例A14
a)中間体50の調製
【化56】
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中間体45の合成について報告したものと同様の手順に従って、中間体43から出発し、中間体50を得た。
【0244】
実施例A15
a)中間体51および52の調製
【化57】
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1,2−ベンゾイソチアゾール−3−カルボン酸(4g、22.32mmol)を、AcOH(64mL)に溶解した。硝酸(19mL)および硫酸(3.8mL)を、次いで臭素(1.7mL、33.48mmol)を添加した。反応混合物を70℃で終夜撹拌し、次いでr.t.に到達させた。残留物を氷水に注ぎ入れ、沈殿物を濾過して採った。粗製物を、次の工程にそのまま使用した(7.5g、LC−MSによる比が17:7の、中間体51と中間体52との混合物)。
【0245】
b)中間体53および54の調製
【化58】
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中間体51と中間体52との粗製混合物(5.7g)をMeOH(300mL)に溶解した。硫酸(10mL)を添加し、r.m.を60℃で3h撹拌した。溶媒を真空蒸発させ、DCMを添加し、混合物を氷浴で冷却した。NaHCO sat.sol.を、pH約8になるまで慎重に添加した。有機層を分離し、MgSOで脱水し、濾過し、溶媒を真空蒸発させて、中間体53と54との混合物を、LC−MSによる比が21:11で得、これを次の工程にそのまま使用した(4.4g)。
【0246】
c)中間体55および56の調製
【化59】
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中間体40および中間体45の合成について報告したものと同様の合成手順に従って、中間体53および54から出発し、中間体55および56を得た。
【0247】
実施例A16
a)中間体57の調製
【化60】
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THF(10mL)中の、EtN(1.2mL、8.87mmol)および3−アミノベンゾトリフルオリド(1mL、8.07mmol)を、THF(10mL)中2,4−ジブロモブチリルクロリド(1.2mL 9.41mmol)に5℃で添加した。r.m.をr.t.で週末にわたって撹拌し、次いで、sat.aq.NHCl sol.を添加し、r.m.をEtOAc(×3)で抽出した。まとめた有機層を水(×2)および塩水で洗浄し、次いで、MgSOで脱水し、濾過し、蒸発させて、粗生成物を褐色の固体として得、これを、さらなる精製をせずに次の工程に使用した(2.92g)。
【0248】
b)中間体58の調製
【化61】
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NaH(0.39g、9.75mmol)を、THF(60mL)中の中間体57(2.92g、粗製物)に、r.t.で少しずつ添加した。r.m.をr.t.で1h撹拌し、次いで、追加のNaH(0.075g、1.88mmol)を添加した。r.m.を、完了まで1h撹拌した。水を慎重に添加し、次いで、混合物をEtOAc(×3)で抽出した。まとめた有機層を塩水で洗浄し、MgSOで脱水し、溶媒を真空蒸発させて橙色の油状固体を得、これをDIPE中での研和により精製して、中間体58を白色の固体として得た(0.64mg、28%)。
【0249】
実施例A17
a)中間体59および60の調製
【化62】
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5−クロロ−3−インダゾールカルボン酸(1.34g、6.82mmol)を、無水DMF(50mL)に溶解し、次いで、r.m.をN雰囲気下で0℃に冷却した。NaH(0.6g、15mmol)を少しずつ添加し、r.m.を0℃で20min間撹拌した。ヨウ化メチル(0.9mL、15mmol)を滴加し、r.m.をr.t.に到達させ、4h撹拌した。この時間の後で、反応を水で停止し、1N HCl sol.でpH=6に調整した。DCMを添加し、有機層を分離し、MgSOで脱水し、濾過し、溶媒を蒸発させた。粗製物は、中間体59と中間体60との混合物(800mg;LC−MS比エステル/酸:34/53)であるとわかり、次いで、MeOH(60mL)に溶解した。硫酸(3mL)を添加し、r.m.を60℃で4h加熱した。次いで、溶媒を蒸発させた。DCMを添加し、反応混合物をsat.NaHCO sol.で塩基性化した。有機層を分離し、MgSOで脱水し、濾過し、溶媒を減圧蒸発させて、中間体59を得た(0.4g、2工程で26%)。
【0250】
b)中間体61の調製
【化63】
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中間体34の合成について報告したものと同様の合成手順に従って、中間体59から出発し、中間体61を得た。
【0251】
実施例A18
a)中間体62および63の調製
【化64】
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中間体42および43の合成について報告したものと同様の合成手順に従って、エチル3−メチルピラゾール−5−カルボキシラートから出発し、中間体62および中間体63を得た。中間体62を39%収率にて、中間体63を36%収率にて得た。
【0252】
b)中間体64の調製
【化65】
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ジイソブチルアルミニウムヒドリド(トルエン中1.5M、68mL、102.12mmol)を、DCM(161mL)中の中間体62(8.04g、34.04mmol)に、N雰囲気下にて、−78℃でゆっくりと添加した。2h後、反応をMeOHで停止し、r.t.まで加温し、次いで、これをDCMで希釈し、ロッシェル塩(10%)のaq.sol.で処理し、残った懸濁液を20min間勢いよく撹拌した。2つの層に分離し、有機層をMgSOで脱水し、濾過し、蒸発させて、中間体64を得た(4.98g、73%)。
【0253】
c)中間体65の調製
【化66】
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中間体45の合成について報告したものと同様の合成手順に従って、中間体64から出発し、中間体65を得た。
【0254】
実施例A19
a)中間体66の調製
【化67】
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三臭化リン(0.12mL、1.22mmol)を、5−トリフルオロメチル−2−ベンゾフランメタノール(0.24g、1.11mmol)のDCM(5mL)中撹拌溶液に、0℃で添加した。混合物を0℃で90min間撹拌し、次いで、これをsat.aq.NaHCO sol.で中和し、DCMで抽出した。有機層を分離し、塩水で洗浄し、MgSOで脱水し、濾過し、溶媒を真空蒸発させた。粗製物を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ;ヘプタン/EtOAc 100/0〜75/25)で精製して、中間体66を得た(106mg、34%)。
【0255】
実施例A20
a)中間体67の調製
【化68】
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エチル2−ブロモチアゾール−4−カルボキシラート(1g、4.24mmol)と、3−(トリフルオロメチル)ピペリジン(0.778g、5.08mmol)と、KCO(1.463g、10.59mmol)とのジメチルアセトアミド(36mL)溶液を、160℃で6h加熱し、次いで、溶媒を蒸発させ、残留物をEtOAcに溶解し、水および塩水で洗浄した。有機層をMgSOで脱水し、濾過し、濃縮して粗生成物を得、これをフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ;ヘプタン/EtOAc 100/0〜50/50)で精製して、中間体67を得た(0.622g、48%)。
【0256】
b)中間体68の調製
【化69】
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中間体33および中間体66の合成について報告したものと同様の合成順序に従って、中間体67から出発し、中間体68を得た。
【0257】
実施例A21
a)中間体69の調製
【化70】
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(1,5−シクロオクタジエン)(メトキシ)イリジウム(I)二量体(0.264g、0.40mmol)とピナコールボラン(4.8mL、32.82mmol)との混合物に、ヘキサン(10mL)中4,4’−ジ−tert−ブチル−2,2’−ジピリジル(218mg、0.81mmol)を添加した。Nを5min間溶媒に通して起泡し、次いで、メチル3−チオフェンカルボキシラート(3.5g、24.62mmol)のヘキサン(2mL)溶液を添加した。得られた赤色の溶液を22℃で6h撹拌した。次いで、溶媒を蒸発させ、残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、ヘプタン/EtOAc 100/0〜98/2)で精製して不純中間体69(6.09g)を得、これを、さらなる精製をせずに次の反応に使用した。
【0258】
b)中間体70の調製
【化71】
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フラスコに、3Å分子篩、フッ化セシウム(2.606g、17.16mmol)、1,10−フェナントロリン(1.7g、9.44mmol)および酢酸銅(II)(1.575g、8.58mmol)を、N下で投入し、酸素を排気して再充填した。イソブチロニトリル(40mL)中の中間体69(2.3g)と、(トリフルオロメチル)トリメチルシラン(3.2mL、21.44mmol)とを反応混合物に添加し、次いで、酸素を充填したバルーンを配置した。90min後、混合物をEtOAcに溶解し、水(×3)で洗浄した。有機層をMgSOで脱水し、濾過し、真空濃縮して粗製物を得、これをフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ;ヘプタン/EtOAc 100/0〜70/30)で精製して、中間体70を得た(1g、55%)。
【0259】
c)中間体71の調製
【化72】
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中間体68の合成について報告したものと同様の合成順序に従って、中間体70から出発し、中間体71を得た。
【0260】
実施例A22
a)中間体72の調製
【化73】
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Pd(dba)(0.116g、0.11mmol)、キサントホス(0.220g、0.38mmol)およびCsCO(7.29g、22.38mmol)を、N下でチューブに入れ、次いで、ジオキサン(12mL)を添加した。次いで、中間体69(1.5g)および2−ヨード−1,1,1−トリフルオロエタン(1.1mL、1.19mmol)をジオキサン(24mL)に溶解し、混合物に添加した。r.m.をr.t.で1min間撹拌し、次いで、水(1.5mL)を添加し、混合物を80℃で6h撹拌した。r.m.をEtOAc/水混合物に注ぎ入れ、2つの層に分離した。aq.層をEtOAcで抽出し、次いで、有機層を塩水で洗浄し、MgSOで脱水し、濾過し、蒸発させた。フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ;ヘプタン/EtOAc 100/0〜98/2)で精製して、中間体72を得た(0.584g、47%)。
【0261】
b)中間体73の調製
【化74】
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中間体68の合成について報告したものと同様の合成順序に従って、中間体72から出発し、中間体73を得た。
【0262】
実施例A23
a)中間体74の調製
【化75】
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3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン塩酸塩(0.246g、2.06mmol)を、メチル3−ブロモ−4−メチルベンゾアート(0.394g、1.72mmol)と、X−Phos(0.072g、0.15mmol)と、Pd(dba)(0.064g、0.07mmol)と、CsCO(1.681g、5.16mmol)とのトルエン(5mL)中撹拌溶液に添加しながら、Nをr.m.に通して起泡した。次いで、混合物を、密封チューブ内にて100℃で終夜撹拌した。次いで、水およびEtOAcを添加した。もう一度水相をEtOAcで抽出し、まとめた有機層をMgSOで脱水し、濾過し、蒸発させた。粗製物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ;ヘプタン/EtOAc 100/0〜95/5)で精製した。所望の画分を回収し、真空濃縮して、中間体74を粘着性の黄色の油として得た(0.362g、93%)。
【0263】
b)中間体75の調製
【化76】
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1N NaOH sol.(2.4mL、2.35mmol)を、中間体74(0.362g、1.56mmol)のMeOH(5mL)中撹拌溶液にr.t.で添加した。混合物を終夜撹拌した。この時間の後で、aq.1N HCl sol.を、pH=4になるまで添加した。溶媒を真空蒸発させ、粗製物を次の反応工程にそのまま使用し、収率は定量的であるとみなした(0.34g)。
【0264】
c)中間体76の調製
【化77】
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ボランジメチルスルフィド錯体(THF中2M、1.9mL、3.91mmol)を、中間体75(0.34g、粗製物)のTHF(5mL)中撹拌溶液に、N雰囲気下にて0℃で滴加した。混合物を60℃で終夜撹拌し、次いで、反応物をr.t.に冷却した。NaCOを0℃で少しずつ添加した。生成物をEtOAc(×2)で抽出した。まとめた有機層をMgSOで脱水し、濾過し、蒸発させた。粗製物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ;ヘプタン/EtOAc 100/0〜80/20)で精製した。所望の画分を回収し、真空濃縮して、中間体76を粘着性の淡褐色の油として得た(0.25g、2工程で83%)。
【0265】
d)中間体77の調製
【化78】
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中間体45の合成について報告したものと同様の合成順序に従って、中間体76から出発し、中間体77を得た。
【0266】
実施例A24
中間体45の合成について記載したものと同様の手順に従って、次の中間体を、既知の対応するアルコールから出発して調製した。
【0267】
【表2】
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【0268】
実施例A25
a)中間体79の調製
【化79】
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中間体76および中間体30の合成について報告したものと同様の合成順序に従って、市販の3−シクロプロポキシ−5−(トリフルオロメチル)安息香酸から出発し、中間体79を得た。
【0269】
実施例A26
a)中間体80の調製
【化80】
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ブチルリチウム(ヘキサン中2.5M、2.7mL、6.62mmol)を、THF(26mL)中ジイソプロピルアミン(1.0mL、7.22mmol)に、−78℃で、20minにわたって滴加し、得られた混合物をこの温度で1h撹拌した。THF(5mL)中4−(トリフルオロメチル)シクロヘキサノン(1g、6.02mmol)を滴加し、r.m.をこの温度で1h撹拌した。}
次いで、カルボノジチオ酸、O−エチルS−(2−オキソエチル)エステル(Helv.Chim.Acta,1992,907に報告されているとおりに調製;0.989g、6.02mmol)をTHF(10mL)に入れて、添加した。r.m.を2h撹拌した。次いで、混合物をsat.aq.NHCl sol.で反応停止し、EtOAcで抽出した。有機層を分離し、脱水し(MgSO)、濾過し、溶媒を蒸発させた。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ;ヘプタン/EtOAc 100/0〜75/25)で精製し、中間体80を得た(0.88g、47%;E異性体とZ異性体との混合物)。
【0270】
b)中間体81の調製
【化81】
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0℃のN−メチルピペラジン(25mL、225mmol)に、DCM(8mL)中の中間体80(5g、16mmol)をN流下で滴加した。r.m.をr.t.で撹拌し、次いで反応にTLCを行った。遊離チオールへの転換が観察されたら、r.m.を0℃に冷却し、HCl(水中37%、35mL、419mmol)を慎重に滴加した。r.m.をr.t.で1h撹拌し、次いで、水で希釈し、DCMで抽出した。まとめた有機層を脱水し、濾過し、蒸発させて粗製物を得、これをフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ;DCM/MeOH 100/0〜95/5)で精製した。生成物画分を回収し、溶媒を蒸発させて、中間体81を得た(1.7g、51%)。
【0271】
c)中間体82の調製
【化82】
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中間体81(0.847g、4.11mmol)のTHF(23mL)溶液に、ブチルリチウム(ヘキサン中2.5M、2.1mL、5.34mmol)を、N雰囲気下にて−30℃で滴加した。この温度で20min撹拌した後、DMF(2.5mL)を滴加した。次いで、r.m.をr.t.まで1h加温し、sat.NHCl sol.で反応停止し、次いで、EtOAcで抽出した。有機層を塩水で洗浄し、脱水し、濾過し、真空濃縮して粗製物を得、これを、さらなる精製をせずに次の工程に使用した(0.815g)。
【0272】
d)中間体83の調製
【化83】
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中間体30の合成について報告したものと同様の合成順序に従って、中間体82から出発し、中間体83を得た。
【0273】
実施例A27
a)中間体84の調製
【化84】
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3−(トリフルオロメチル)シクロヘキサノン(0.79g、4.76mmol)をDMF(20mL)に溶解した。シアノ酢酸エチル(0.56mL、5.23mmol)および硫黄(0.324g、9.51mmol)を添加し、次いでL−プロリン(0.055g、0.48mmol)を添加し、r.m.を60℃で24h撹拌した。この時間の後で、混合物をr.t.に冷却し、EtOAcで希釈し、水および塩水で洗浄した。有機抽出物をMgSOで脱水し、濾過し、溶媒を真空蒸発させて粗製物を得、これをフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ;ヘプタン/EtOAc 100/0〜75/25)で精製した。生成物画分を回収し、溶媒を蒸発させて、中間体84を得た(0.962g、69%)。
【0274】
b)中間体85の調製
【化85】
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亜硝酸tert−ブチル(7.4mL、6.32mmol)および塩化銅(II)(1.60g、11.88mmol)をMeOH(48mL)に溶解した。この混合物に、中間体84(0.962g、3.28mmol)を一度に添加し、反応物を1h撹拌し、次いで、sat.aq.NHCl sol.で反応停止し、溶媒を蒸発させた。得られたスラリーをDCMと水とに分配した。有機sol.を分離し、MgSOで脱水し、濾過し、溶媒を真空蒸発させて粗製物を得、これを、さらなる精製をせずに次の反応に使用した(0.9g)。
【0275】
c)中間体86の調製
【化86】
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中間体34の合成について報告したものと同様の合成順序に従って、中間体85から出発し、中間体86を得た。
【0276】
実施例A28
a)中間体87の調製
【化87】
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THF(10mL)中3,4−ジヒドロ−2H−ピラン(1.7mL、19.02mmol)を、2−(3−チエニル)エタノール(2mL、18.11mmol)のTHF(10mL)溶液に添加した。次いで、p−トルエンスルホン酸(125mg、0.72mmol)を添加し、混合物をr.t.で終夜撹拌した。追加の3,4−ジヒドロ−2H−ピラン(0.2eq)を添加し、混合物をr.t.で1h撹拌し、次いで、溶媒を真空内で留去し、残留物をEtOAcに溶解し、aq.KCO sol.および水で洗浄した。有機層をまとめ、MgSOで脱水し、溶媒を蒸発させて粗製物を得、これをフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ;DCM/EtOAc 100/0〜75/25)で精製して、中間体87を得た(2.80g、73%)。
【0277】
b)中間体88の調製
【化88】
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中間体69および中間体72の合成について報告したものと同様の合成順序に従って、中間体87から出発し、中間体88を得た。
【0278】
c)中間体89の調製
【化89】
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中間体88(0.64g、2.17mmol)のMeOH(26mL)溶液に、p−トルエンスルホン酸(0.187g、1.09mmol)を添加した。次いで、r.m.をr.tで90min間撹拌した。この時間の後で、混合物を真空濃縮し、残留物をDCMに溶解した。溶液をaq.NaHCO sol.で洗浄し、MgSOで脱水し、真空濃縮して、中間体89を得た(0.417g、粗製物)。
【0279】
d)中間体90の調製
【化90】
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中間体66の合成について報告したものと同様の合成手順に従って、中間体89から出発し、中間体90を得た。
【0280】
実施例A29
a)中間体91の調製
【化91】
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中間体28の合成について報告したものと同様の合成手順に従って、チオフェンのTHF溶液の存在下で、メチル4−アミノ−5−クロロ−2,3−ジヒドロベンゾフラン−7−カルボキシラートから出発し、中間体91を得た(ACS Symposium Series,870(Chemical Process Research),125−139;2004に記載)。
【0281】
b)中間体92の調製
【化92】
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水(60mL)を0℃で撹拌した。硫酸(30mL、55mmol)を0℃で滴加した。中間体91(19.3g、100mmol)を添加した。亜硝酸ナトリウム(7.6g、110mmol)の水(16mL)溶液を0℃で滴加した。r.m.を0℃で30min間撹拌し、次いで、40℃で1h撹拌した。得られた沈殿物を濾過して採り、水で洗浄し、残留物を高温のトルエン中に懸濁させた。懸濁液を冷却し、得られた沈殿物を濾過して採り、乾燥して中間体92を得(16.1g)、次の反応工程にそのまま使用した。
【0282】
c)中間体93の調製
【化93】
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(順番に)中間体24、中間体75、中間体53、中間体33および中間体30の合成に使用したものと同様の手順を要する合成順序に従って、中間体92から出発し、中間体93を得た。
【0283】
実施例A30
a)中間体94の調製
【化94】
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(順番に)中間体24、中間体89および中間体23の合成に使用したものと同様の手順を要する合成順序に従って、中間体8および市販の2−(2−ブロモエトキシ)テトラヒドロ−2H−ピランから出発し、中間体94を得た。
【0284】
b)中間体95の調製
【化95】
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ジメチルアセトアミド(5mL)中、3−(トリフルオロメチル)ピペリジン(0.12mL)、0.90mmol)と中間体94(0.34g、粗製物)とDIPEA(0.23mL、1.35mmol)とを、80℃で5h撹拌した。次いで、ヨウ化テトラブチルアンモニウム(0.066g、0.18mmol)を添加し、r.m.を90℃で終夜加熱した。この時間の後で、r.m.をr.t.まで冷却し、sat.NaHCO sol.およびEtOAcを添加した。もう一度水相をEtOAcで抽出した。まとめた有機層をMgSOで脱水し、濾過し、溶媒を蒸発させた。粗製物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ;DCM/MeOH 100/0〜93/7)で精製した。所望の画分を回収し、真空濃縮して、中間体95を褐色の油として得た(0.392g)。
【0285】
実施例A31
a)中間体96および97の調製
【化96】
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1−(プロパ−2−エン−1−イルオキシ)−3−(トリフルオロメチル)ベンゼン(3.9g、19.29mmol)を、マイクロ波照射下にて240℃で1h加熱した。得られた粗製物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ;DCM/EtOAc 100/0〜50/50)で精製した。所望の画分を回収し、真空濃縮して中間体96と97との混合物を得、これを、さらなる精製をせずに次の反応に使用した。
【0286】
b)中間体98および99の調製
【化97】
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m−クロロ過安息香酸(1.585g、6.43mmol)を、中間体96および中間体97(1.3g)のクロロホルム(15mL)溶液に添加した。反応物を12h還流撹拌し、次いで、これをsat.NaHCO sol.で希釈し、EtOAcで抽出した。有機層を分離し、MgSOで脱水し、濾過し、溶媒を真空蒸発させた。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ;ヘプタン/EtOAc 100/0〜90/10)で精製した。所望の画分を回収し、真空濃縮して、中間体98(0.267g)および中間体99(0.15g)を無色の油として得た。
【0287】
c)中間体100の調製
【化98】
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中間体23の合成について報告したものと同様の合成手順に従って、中間体98から出発し、中間体100を得た。
【0288】
d)中間体101の調製
【化99】
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中間体59の合成について報告したものと同様の合成手順に従って、中間体8および中間体100から出発し、中間体101を得た。
【0289】
実施例A32
a)中間体102および103の調製
【化100】
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0℃の、ベンゾ[b]チオフェン−3−カルボン酸、2−アミノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−6−(トリフルオロメチル)−、エチルエステル(0.20g、0.68mmol)の、HBr(水中48%、1.4mL、12.27mmol)溶液に、亜硝酸ナトリウム(0.047g、0.68mmol)の水(2mL)溶液を45minにわたって滴加した。r.m.をr.t.に加温し、15min間さらに撹拌し、次いで、0℃に冷却し、臭化銅(I)(0.147g、1.02mmol)を少しずつ添加した。混合物を0℃で15min間、r.t.で15min間、140℃で40min間撹拌した。次いで、r.m.をr.t.に冷却し、aq.sat.NaCO sol.で中和した。EtOAcを添加し、層を分離した。有機相を蒸発させ、残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、ヘプタン/EtOAc 100/0〜90/10)で精製した。生成物画分をまとめ、真空蒸発させて、中間体102と中間体103との混合物を得、これに、亜鉛(40mg、0.62mmol)を添加した。混合物をAcOH(4mL)中で16h還流加熱した。冷却した後、混合物を氷上に注ぎ、aq.sat.NaHCO sol.を慎重に添加して中和した。得られた水性懸濁液をEtOAc(3×100mL)で抽出した。まとめた有機層を塩水で洗浄し、MgSOで脱水し、真空濃縮して、中間体102を得た(54mg)。
【0290】
a1)中間体102の代替調製
亜硝酸tert−ブチル(1.5mL、1.31mmol)および塩化銅(I)(0.332g、2.47mmol)をMeOH(10mL)に溶解した。ベンゾ[b]チオフェン−3−カルボン酸、2−アミノ−4,5,6,7−テトラヒドロ−6−(トリフルオロメチル)−、エチルエステル(0.20g、0.68mmol)を一度に添加し、反応物を1h撹拌し、次いで、これをsat.aq.NHCl sol.で反応停止し、溶媒を蒸発させた。得られたスラリーをDCMと水とに分配した。有機層を分離し、MgSOで脱水し、濾過し、溶媒を蒸発させて、中間体102を得た(0.181g、粗製物)。
【0291】
b)中間体195の調製
【化101】
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中間体30の合成について報告したものと類似の合成プロトコルに従って、中間体102から出発し、中間体104を得た。
【0292】
実施例A33
a)中間体105の調製
【化102】
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3−シクロプロポキシ−5−(トリフルオロメチル)安息香酸(1.21g、粗製物)のDMF(25mL)中撹拌溶液に、DIPEA(2.4mL)およびHBTU(2.24g、5.90mmol)を0℃で添加した。20分後、N,O−ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩(0.53g、5.41mmol)を添加し、溶液をr.t.に至らせ、同じ温度で終夜撹拌した。Sat.NaHCO sol.を添加し、溶液をEtOAcで抽出した。有機層をMgSOで脱水し、濾過し、真空濃縮した。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ;ヘプタン/EtOAc 100/0〜50/50)で精製して、中間体105を得た(1.28g、90%)。
【0293】
b)中間体106の調製
【化103】
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メチルマグネシウムブロミド(トルエン/THF中1.4M、3.5mL、4.87mmol)を、中間体105(1.28g)の無水THF(25mL)溶液に0℃で添加した。r.m.をr.t.に至らせ、同じ温度で1h撹拌した。追加のメチルマグネシウムブロミド(0.2eq)を添加した。反応完了後、aq.NHCl sol.およびEtOAcを添加した。有機層を分離し、MgSOで脱水し、濾過し、真空蒸発させた。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ;ヘプタン/EtOAc 100/0〜90/10)で精製して、中間体106を得た(0.93g、86%)。
【0294】
c)中間体107の調製
【化104】
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中間体29および中間体23の合成に使用したものと同様の手順を要する合成順序に従って、中間体106から出発し、中間体107を得た。
【0295】
d)中間体108および109の調製
【化105】
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中間体59の合成について報告したものと同様の合成手順に従って、中間体8および中間体107から出発し、中間体108と中間体109との混合物を得た。混合物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ;ヘプタン/EtOAc 100/0〜80/20)で精製した。所望の画分を回収し、真空濃縮して、中間体108を淡褐色の固体として、中間体109を粘着性の褐色の固体として得た。
【0296】
実施例A34
a)中間体110の調製
【化106】
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中間体107の合成について使用したものと同様の手順を要する合成順序に従って、市販の1−(3−クロロ−4−(トリフルオロメトキシ)フェニル)エタノンから出発し、中間体110を得た。
【0297】
b)中間体111および112の調製
【化107】
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中間体59の合成について報告したものと同様の合成手順に従って、中間体8および中間体110から出発し、中間体111と中間体112との混合物を得た。混合物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ;ヘプタン/EtOAc 100/0〜75/25)で精製した。所望の画分を回収し、真空濃縮して、中間体111(0.322g、20%)および中間体112(0.33g、21%)を淡黄色の固体として得た。
【0298】
実施例A35
a)中間体113の調製
【化108】
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メチル3−ヒドロキシ−5−(トリフルオロメチル)フェニルアセタート(0.32g、1.36mmol)およびビス(1,5−シクロオクタジエン)ジイリジウム(I)ジクロリド(9mg、14μmol)を、酢酸ビニル(0.25mL、2.72mmol)とNaCO(86mg、0.82mmol)とのトルエン(5mL)中撹拌溶液に添加しながら、Nをr.m.に通して起泡した。混合物を密封チューブ内にて100℃で3h撹拌し、次いで、水およびEtOAcを添加した。もう一度水相をEtOAcで抽出した。まとめた有機物をMgSOで脱水し、濾過し、蒸発させた。粗製物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ;ヘプタン/EtOAc 100/0〜90/10)で精製した。所望の画分を回収し、真空濃縮して、中間体113を淡黄色の油として得た(284mg、81%)。
【0299】
b)中間体114の調製
【化109】
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を流した丸底フラスコに、ジエチル亜鉛(ヘプタン中1M、8.3mL、8.3mmol)をDCM(7mL)に添加した。得られた溶液を氷浴で冷却した。TFA(0.6mL、7.99mmol)をシリンジでゆっくりと添加した。次いで、反応混合物を0℃で10min間撹拌した。次いで、ジヨードメタン(0.7mL、8.61mmol)をシリンジで添加し、得られたr.m.を0℃でさらに10min間撹拌した。最後に、DCM(8mL)中の中間体113(0.8g、3.07mmol)を添加した。反応混合物をr.t.まで30分にわたって加温し、次いで、水(15mL)および3N HCl(15mL)で反応停止した。層を分離した。水相をEtOAcで抽出した。まとめた有機物をMgSOで脱水し、濾過し、濃縮した。粗製物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ;ヘプタン/EtOAc 100/0〜90/10)で精製した。所望の画分を回収し、真空濃縮して、中間体114淡黄色の油を得た(0.73g、87%)。
【0300】
c)中間体115の調製
【化110】
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中間体77の合成について報告したものと同様の合成順序に従って、中間体114から出発し、中間体115を得た。
【0301】
d)中間体116の調製
【化111】
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中間体24の合成について報告したものと同様の合成順序に従って、中間体8および中間体115から出発し、中間体116を得た。
【0302】
実施例A36
a)中間体117の調製
【化112】
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シアン化ナトリウム(0.746g、15.23mmol)を、1−(ベンジルオキシ)−3−(クロロメチル)−5−(トリフルオロメチル)ベンゼン(3.05g、10.15mmol)のDMF(30mL)中撹拌溶液に、N雰囲気下にて0℃で滴加した。混合物をr.t.で16h撹拌した。次いで、sat.NaHCO sol.を添加し、混合物をEtOAcで抽出した。まとめた有機物をMgSOで脱水し、濾過し、真空濃縮した。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ;ヘキサン/EtOAc 100/0〜80/20)で精製した。所望の画分を回収し、真空濃縮して、中間体117を無色の油として得た(2.11g、71%)。
【0303】
b)中間体118の調製
【化113】
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NaOH(50%aq.、4.05g、50.64mmol)を、中間体117(2.12g、7.23mmol)と、1−ブロモ−2−クロロエタン(2.1mL、25.32mmol)と、ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド(0.494g、2.17mmol)との混合物に滴加した。混合物を50℃で15h撹拌し、次いで、水を添加し、有機層をEtOAcで抽出した。有機相を5%aq HCl sol.で洗浄し、次いで、MgSOで脱水し、濾過し、溶媒を真空内で留去した。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ;ヘキサン/EtOAc 100/0〜90/10)で精製した。所望の画分を回収し、真空濃縮して、中間体118を白色の固体として得た(1.95g、85%)。
【0304】
c)中間体119の調製
【化114】
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密封チューブ内で、AcOH(6mL)中の中間体118(1.95g、6.14mmol)、およびHCl(37%aq.、20mL)を、95℃で15h加熱し、次いで、混合物を水で希釈し、EtOAcで抽出した。有機層を水で洗浄し、MgSOで脱水し、濾過し、溶媒を真空蒸発させた。粗製物を次の反応工程にそのまま使用した(1.51g)。
【0305】
d)中間体120の調製
【化115】
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塩化チオニル(1.3mL、18.41mmol)を、中間体119(1.51g)のクロロホルム(20mL)中撹拌溶液に0℃で添加し、次いでDMF(48μL)を添加した。混合物をr.t.で終夜撹拌した。次いで、溶媒を蒸発させ、残留物をトルエンで数回共蒸留した。MeOH(20mL)を添加し、混合物をr.t.で終夜撹拌した。次いで、溶媒を蒸発させた。Sat.NaHCO sol.およびEtOAcを添加し、相を分離した。水相をEtOAcで一度抽出し、次いで、まとめた有機層をMgSOで脱水し、濾過し、蒸発させた。粗製物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ;ヘプタン/EtOAc 100/0〜70/30)で精製した。所望の画分を回収し、真空濃縮して、中間体120を白色の固体として得た(1.44g、91%)。
【0306】
e)中間体121の調製
【化116】
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(順番に)中間体113、中間体114、中間体75、中間体76、中間体23および中間体24の合成に使用したものと同様の手順を要する合成順序に従って、中間体120および中間体18から出発し、中間体121を得た。
【0307】
実施例A37
a)中間体122の調製
【化117】
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ヘキサメチレンテトラミン(18.54g、132.24mmol)を、4−クロロ−2−フルオロフェノール(8.5g、66.12mmol)のメタンスルホン酸(50mL、771.02mmol)中混合物に0℃で添加した。次いで、反応混合物を100℃に加熱した。反応完了後(1.5h)、反応混合物をrtに冷却し、氷水(50mL)に注ぎ入れた。沈殿した黄色の固体を濾過によって回収し、水で洗浄した。この固体をEtOAcに溶解し、次いで、水および塩水で洗浄した。有機相をMgSOで脱水し、濾過し、濃縮して、中間体126を黄色の油として得(5.95g、28%)、これを静置して凝固させた。
【0308】
b)中間体123の調製
【化118】
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中間体122(3.17g、20.25mmol)をDCM(7mL)中で撹拌した。次いで、BF.OEt(0.28mL、2.03mmol)を撹拌溶液に添加した。反応混合物をrtで10min間撹拌した。DCM(21mL)中ジアゾ酢酸エチル(3.6mL、34.84mmol)を反応混合物に滴加すると、窒素が安定的に放出し(全添加時間10min)、温度が上昇した。気体の放出が停止してから、溶媒を真空蒸発させた。勢いよく撹拌しながら、硫酸(1.4mL)をこの油に滴加した。この添加はわずかに発熱性である。20分勢いよく撹拌した後、固体が沈殿した。次いで、aq.sat.NaHCO sol.をゆっくりと添加することによって、酸性の反応混合物を中和した。水層をEtOAcで抽出した。次いで、有機層を塩水で洗浄し、MgSOで脱水し、濾過し、濃縮して、橙色の油を得た。この粗製物を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ;ヘプタン/DCM 100/0〜0/100)で精製した。所望の画分を回収し、真空濃縮して、中間体123を得た(2.49g、55%)。
【0309】
c)中間体124の調製
【化119】
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ジイソブチルアルミニウムヒドリド(トルエン中1M、22.4mL、33.25mmol)を、DCM(37mL)中の中間体123(2.49g、11.08mmol)に、N雰囲気下にて−65℃でゆっくりと添加した。20min後、反応物をaq.sat.ロッシェル塩sol.で慎重に反応停止した。MeOHを添加し、混合物をEtOAcで希釈し、セライトで濾過した。揮発性物質を蒸発させ、得られた粗製物をEtOAc中に取り込んだ。水を添加し、有機層を分離した。有機層を水および塩水で洗浄し、MgSOで脱水し、濾過し、濃縮して、中間体124を得た(1.84g、91%)。
【0310】
d)中間体125の調製
【化120】
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中間体45の合成について報告したものと同様の合成手順に従って、中間体125を調製した。中間体124(0.21g、1.15mmol)から出発し、中間体125をメシラートとクロロ誘導体との混合物(NMRによる比1:2)として得、粗製物を次の工程にそのまま使用した(0.31g)。
【0311】
実施例A38
a)中間体126の調製
【化121】
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ヘキサメチレンテトラミン(19.32g、136.47mmol)を、4−クロロ−2−フルオロフェノール(10g、68.24mmol)のメタンスルホン酸(51.6mL、796.05mmol)中混合物に、0℃で添加した。次いで、反応混合物を100℃に加熱した。反応完了後(1.5h)、反応混合物をrtに冷却し、氷水に注ぎ入れた。沈殿した黄色の固体を濾過によって回収し、水で洗浄した。この固体をDCMに溶解し、MgSO4で脱水し、濾過し、濃縮して、中間体126を黄色の油として得た(7.554g、63%収率)。
【0312】
b)中間体127の調製
【化122】
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中間体123の合成について報告したものと同様の合成手順に従って、中間体127を調製した。中間体126(7.554g、43.27mmol)から出発し、中間体127を淡黄色の固体として得た(4.904g、47%)。
【0313】
c)中間体128の調製
【化123】
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中間体124の合成について報告したものと同様の合成手順に従って、中間体128を調製した。中間体127(4.904g、20.21mmol)から出発し、中間体128を白色の固体として得た(4.095g、定量的収率)。
【0314】
d)中間体129の調製
【化124】
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中間体45の合成について報告したものと同様の合成手順に従って、中間体129を調製した。中間体128(1.368g、6.82mmol)から出発し、中間体129を得、次の反応工程にそのまま使用した(2.648g)。
【0315】
実施例A39
a)中間体130の調製
【化125】
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中間体129(1.83g、10.02mmol)をDCM(64mL)に溶解した。デス−マーチンペルヨージナン(6.40g、15.09mmol)を0℃で添加した。反応混合物をrtで4h撹拌した。反応混合物をDCMおよびaq.Na sol.(10%)で希釈し、aq.sat.NaHCO sol.を添加した。30min撹拌した後、混合物をセライトで濾過し、層を分離した。有機層を、aq.sat.NaHCO sol.と、水と、塩水とのそれぞれで洗浄し、MgSOで脱水し、濾過し、真空濃縮して、中間体130を得た(1.55g、86%)。
【0316】
b)中間体131の調製
【化126】
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メチルマグネシウムクロリド(THF中3M、9.9mL、29.90mmol)を、中間体130(1.35g、7.47mmol)の無水THF(15mL)溶液に−78℃で添加した。r.m.を30min間撹拌し、次いで、rtに加温した。Aq.NHCl sol.およびEtOAcを添加した。有機層を分離し、MgSOで脱水し、濾過し、真空蒸発させて、ラセミ中間体131を得た(1.2g、82%)。
【0317】
c)中間体132の調製
【化127】
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中間体129の合成について報告したものと同様の合成手順に従って、中間体132を調製した。中間体131(1.18g、6.00mmol)から出発し、中間体132を得、次の反応工程にそのまま使用した(1.4g)。
【0318】
実施例A40
a)中間体133の調製
【化128】
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(順番に)中間体122、中間体123、中間体124、中間体130、中間体131および中間体132の合成に使用したものと同様の手順を要する合成順序に従って、市販の4−クロロ−3−フルオロフェノールから出発し、中間体133を得た。
【0319】
実施例A41
a)中間体134の調製
【化129】
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(順番に)中間体122、中間体123、中間体124および中間体45の合成に使用したものと同様の手順を要する合成順序に従って、市販の4−クロロ−3−フルオロフェノールから出発し、中間体134を得た。
【0320】
実施例A42
a)中間体135の調製
【化130】
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(順番に)中間体122、中間体123、中間体124および中間体45の合成に使用したものと同様の手順を要する合成順序に従って、市販の4−トリフルオロメチルフェノールから出発し、中間体135を得た。
【0321】
実施例A43
a)中間体136の調製
【化131】
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(順番に)中間体122、中間体123、中間体124、中間体130、中間体131および中間体132の合成に使用したものと同様の手順を要する合成順序に従って、市販の4−トリフルオロメチルフェノールから出発し、中間体136を得た。
【0322】
実施例A44
a)中間体137の調製
【化132】
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水素化ホウ素ナトリウム(3.83g、101.31mmol)とTHF(97mL)とを混合し、硫酸ジメチル(9.3mL、98.08mmol)に0℃で滴加し、最初はこの温度で1h撹拌してから、rtで気体発生が観察されなくなるまで4h撹拌した。4−トリフルオロメチルサリチル酸(10g、48.52mmol)とトリメチルボラート(11.0mL、98.98mmol)とのTHF(49mL)溶液を、rmに、rtで30minにわたって滴加した。混合物を同じ温度で4.5h撹拌した。反応が完了した後、HOを0℃でゆっくりと添加し、得られた混合物を30min間勢いよく撹拌した。次いで、THFをロータリーエバポレーターで留去した。残留物をEtOAc(×3)で抽出し、まとめた有機層をsat.aq.NaHCO sol.(×3)および塩水(×3)で洗浄した。次いで、有機層をNaSOで脱水し、濾過し、真空濃縮して中間体137を粗製物として得、これを次の反応にそのまま使用した(10.12g、定量的収率)。
【0323】
b)中間体138の調製
【化133】
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中間体137(9.55g、49.70mmol)およびDDQ(11.28g、49.70mmol)を、DCM(76mL)とTHF(19mL)との中にrtで溶解した。4h後、溶媒を真空蒸発させ、黒色の油状残留物をシリカゲルに吸着させ、シリカ栓での濾過によって精製した。所望の画分を回収し、中間体138を褐色の固体として得た(8.17g、86%)。
【0324】
c)中間体139の調製
【化134】
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(順番に)中間体123、中間体124および中間体45の合成に使用したものと同様の手順を要する合成順序に従って、中間体138から出発し、中間体139を得た。
【0325】
実施例A45
a)中間体140の調製
【化135】
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(順番に)中間体123、中間体124、中間体130、中間体131および中間体132の合成に使用したものと同様の手順を要する合成順序に従って、中間体138から出発し、中間体140を得た。
【0326】
実施例A46
a)中間体141の調製
【化136】
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(順番に)中間体122および中間体123の合成に使用したものと同様の手順を要する合成順序に従って、市販の4−ブロモ−2−(トリフルオロメチル)フェノールから出発し、中間体141を得た。
【0327】
b)中間体142の調製
【化137】
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雰囲気下で、EtOH(400mL)をPd/C(10%、1.578g)に添加した。中間体141(5g、14.83mmol)を添加し、得られた混合物を、H雰囲気(大気圧)下にてrtで2h撹拌した。混合物をセライトで濾過し、濾液を真空蒸発させた。水を添加し、固体を沈殿させた。この固体を濾過によって回収し、水で洗浄し、乾燥して(真空オーブン)、中間体142を得た(3.56g、93%)。
【0328】
c)中間体143の調製
【化138】
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(順番に)中間体124および中間体45の合成に使用したものと同様の手順を要する合成順序に従って、中間体142から出発し、中間体143を得た。
【0329】
実施例A47
a)中間体144の調製
【化139】
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(順番に)中間体123、中間体124および中間体45の合成に使用したものと同様の手順を要する合成順序に従って、市販の3,5−ジクロロ−2−ヒドロキシベンズアルデヒドから出発し、中間体144を得た。
【0330】
実施例A48
a)中間体145の調製
【化140】
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(順番に)中間体123、中間体124、中間体130、中間体131および中間体132の合成に使用したものと同様の手順を要する合成順序に従って、市販の5−(トリフルオロメトキシ)サリチルアルデヒドから出発し、中間体145を得た。
【0331】
実施例A49
a)中間体146の調製
【化141】
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(順番に)中間体122、中間体123、中間体124および中間体130の合成に使用したものと同様の手順を要する合成順序に従って、市販の4−クロロ−3−フルオロフェノールから出発し、中間体146を得た。
【0332】
b)中間体147の調製
【化142】
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中間体146(2.2g、11.08mmol)、エチレングリコール(9.3mL、166.18mmol)、p−トルエンスルホン酸(0.09g、0.55mmol)を、トルエン(60mL)中で終夜還流した。次いで、溶媒を蒸発させ、残留物をEtOAcに溶解し、水で洗浄した。有機層をMgSOで脱水し、濾過し、真空濃縮して中間体147を得(2.1g、55%)、これを次の工程にそのまま使用した。
【0333】
c)中間体148の調製
【化143】
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tert−ブチルリチウム(ペンタン中1.7M、0.36mL、0.62mmol)を、中間体147(0.1g、0.412mmol)のTHF(2mL)溶液に−78℃で滴加した。反応混合物をこの温度で30min間撹拌した。THF(10mL)中N−フルオロベンゼンスルホンイミド(0.195g、0.62mmol)を滴加した。混合物を−78℃で4h撹拌した。反応を水で停止し、rtに加温した。水性物をEtOAcで抽出し、まとめた有機層をMgSOで脱水し、濾過し、真空濃縮した。残留物をTHF(2mL)に溶解し、1N HCl(2mL)で処理した。30min後、脱保護が完了し、溶媒を蒸発させた。得られた残留物をEtOAcに溶解し、sat.NaHCO sol.、水および塩水で洗浄した。有機層を分離し、MgSOで脱水し、濾過し、真空濃縮して中間体148(0.1g)を得、これを次の工程にそのまま使用した。
【0334】
d)中間体149の調製
【化144】
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水素化ホウ素ナトリウム(0.035g、0.92mmol)を、中間体148(0.1g、0.46mmol)のMeOH(0.5mL)溶液にrtで添加した。反応混合物をこの温度で1時間撹拌した。Aq.sat NaHCO溶液を添加し、反応物を30min間撹拌した。EtOAcおよび水を添加した。水性物をEtOAcで抽出し、まとめた有機層を水および塩水で洗浄し、次いで、MgSOで脱水し、濾過し、真空濃縮した。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製して、中間体149(0.026g)を得た。
【0335】
e)中間体150の調製
【化145】
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中間体45の合成について報告したものと同様の合成手順に従って、中間体150を調製した。中間体149(0.026g、0.12mmol)から出発し、中間体150を得て、次の反応工程にそのまま使用した(0.045g)。
【0336】
実施例A50
a)中間体151の調製
【化146】
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(順番に)中間体123、中間体124および中間体45の合成に使用したものと同様の手順を要する合成順序に従って、市販の3−ブロモ−2−ヒドロキシベンズアルデヒドから出発し、中間体151を得た。
【0337】
実施例A51
a)中間体152の調製
【化147】
[この文献は図面を表示できません]

(順番に)中間体122、中間体123、中間体124および中間体45の合成に使用したものと同様の手順を要する合成順序に従って、市販の3−フルオロ−4−(トリフルオロメチル)フェノールから出発し、中間体152を、メシラートとクロロ誘導体との混合物として得た。
【0338】
実施例A52
a)中間体153の調製
【化148】
[この文献は図面を表示できません]

(順番に)中間体122、中間体123、中間体124、中間体130、中間体131および中間体132の合成に使用したものと同様の手順を要する合成順序に従って、市販の3−フルオロ−4−(トリフルオロメチル)フェノールから出発し、中間体153を得た。
【0339】
実施例A53
a)中間体154の調製
【化149】
[この文献は図面を表示できません]

(順番に)中間体122、中間体123、中間体124および中間体45の合成に使用したものと同様の手順を要する合成順序に従って、市販の4−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)フェノールから出発し、中間体152を、メシラートとクロロ誘導体との混合物として得た。
【0340】
実施例A54
a)中間体155の調製
【化150】
[この文献は図面を表示できません]

(順番に)中間体122、中間体123、中間体124、中間体130、中間体131および中間体132の合成に使用したものと同様の手順を要する合成順序に従って、市販の4−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)フェノールから出発し、中間体153を、メシラートとクロロ誘導体との混合物(NMRによる比1:2)として得た。
【0341】
実施例A55
a)中間体156の調製
【化151】
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THF(57mL)中5−クロロ−2−フルオロベンゾトリフルオリド(8.5g、42.81mmol)を、テトラメチルエチレンジアミン(9.3mL、62.33mmol)で処理し、−78℃まで冷却した。n−ブチルリチウム(ヘキサン中1.6M、22.2mL、55.53mmol)を滴加した。−78℃で90min間撹拌した後、混合物をDMF(4.4mL)で処理し、さらに30min撹拌した。反応混合物をrtに加温し、aq.sat NHCl溶液で反応停止し、EtOで希釈した。有機層を塩水で洗浄し、MgSOで脱水し、濾過し、蒸発させた。次いで、残留物をナトリウムメトキシド(MeOH中30%、80g、1480.82mmol)で処理した。反応物をrtで終夜撹拌した。水を添加し、水相をEtOで抽出した。まとめた有機層をMgSOで脱水し、濾過し、真空濃縮して、油を得た。この粗製物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ;ヘプタン/DCM 100/0〜50/50)で精製した。所望の画分を回収し、真空濃縮して、中間体156を黄色の油として得た(8.23g、85%)。
【0342】
b)中間体157の調製
【化152】
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三臭化ホウ素(DCM中1M、19.3mL、16.33mmol)を、中間体156(3.84g、16.11mmol)のDCM(38mL)溶液に−78℃で滴加した。反応物をrtで終夜撹拌した。水(20mL)を−41℃で添加し、混合物をrtに加温した。EtOAcを添加し、有機相を分離した。水相をEtOAcで抽出した。まとめた有機層をMgSOで脱水し、濾過し、真空濃縮した。この粗製物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ;ヘプタン/DCM 100/0〜50/50)で精製した。所望の画分を回収し、真空濃縮して、中間体157を、静置すると凝固する橙色の油として得た(2.33g、64%)。
【0343】
c)中間体158の調製
【化153】
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(順番に)中間体123、中間体124および中間体45の合成に使用したものと同様の手順を要する合成順序に従って、中間体157から出発し、中間体158を得た。
【0344】
実施例A56
a)中間体159の調製
【化154】
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(順番に)中間体122、中間体123、中間体124、中間体130、中間体131および中間体132の合成に使用したものと同様の手順を要する合成順序に従って、市販の4−クロロ−2−フルオロフェノールから出発し、中間体159を得た。
【0345】
実施例A57
a)中間体160の調製
【化155】
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(順番に)中間体122、中間体123、中間体124および中間体45の合成に使用したものと同様の手順を要する合成順序に従って、市販の3,4−ジクロロフェノールから出発し、中間体160を得た。
【0346】
実施例A58
a)中間体161の調製
【化156】
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3−トリフルオロメチルピペリジン(0.36mL、2.73mmol)を、ブロモアセチルブロミド(0.24mL、2.73mmol)と炭酸カリウム(0.47g、3.41mmol)とのTHF(9mL)溶液に0℃で添加した。次いで、反応混合物をrtまで加温し、24h撹拌した。水を添加し、水層をEtOAcで抽出した。まとめた有機層をaq.sat.NaHCOおよび塩水で洗浄し、MgSOで脱水し、濾過し、真空濃縮した。この粗製物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ;ヘプタン/DCM 100/0〜60/40)で精製した。所望の画分を回収し、真空濃縮して、中間体161を得た(0.29g、39%)。
【0347】
実施例A59
a)中間体162の調製
【化157】
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3−クロロ−2−メチルプロペン(2.35g、26mmol)を、2−ブロモクロロフェノール(4.15g、20mmol)とKCO(5.53g、39.99mmol)とのDMF(100mL)溶液に、rtで滴加した。反応混合物を70℃で終夜撹拌した。rtまで冷却した後、反応混合物をEtOAcで希釈し、水で2回、塩水で1回洗浄した。有機層をMgSOで脱水し、濾過し、真空濃縮して中間体162を得、これを次の反応にそのまま使用した。
【0348】
b)中間体163の調製
【化158】
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磁気撹拌子を備えたマイクロ波バイアルに、中間体162(0.20g、0.76mmol)を添加した。バイアルをアルゴンで5分間パージし、その後、Pd(Q−Phos)2(0.058g、0.038mmol)、ヨウ化カリウム(0.25g、1.53mmol)およびトルエン(15mL)を添加した。バイアルに蓋をし、100℃に予熱した油浴に入れた。6時間撹拌した後、追加のPd(Q−Phos)2(0.058g、0.038mmol)(Org.Lett.2010,12,3332に記載されているとおりに調製)を添加し、反応混合物を100℃で週末にわたって撹拌した。バイアルを冷却し、内容物をシリカゲルのパッドで濾過し、エーテルで洗浄した。粗製物をシリカゲルカラムに充填し、フラッシュクロマトグラフィーで精製した。この粗製物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ;ヘプタン/EtOAc 100/0〜90/10)で精製した。所望の画分を回収し、真空濃縮して、ラセミ中間体163を得た(0.11g、45%)。
【0349】
実施例A60
a)中間体164の調製
【化159】
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ヨウ化亜鉛(0.45g、1.42mmol)を、6−クロロクロマン−4−オン(5g、27.38mmol)のDCM(20mL)溶液に添加した。次いで、トリメチルシリルシアニド(7.05g、71.1mmol)を滴加し、反応混合物をrtで15時間撹拌した。反応混合物をsat.aq.NaHCO sol.で3回洗浄した。有機層をMgSOで脱水し、濾過し、真空濃縮した。粗製物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ;ヘプタン/DCM 100/0〜60/40)で精製した。所望の画分を回収し、真空濃縮して、中間体164を得た(5.83g、76%)。
【0350】
b)中間体165の調製
【化160】
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中間体164(3.8g、13.48mmol)を酢酸(15mL)およびHCl(15mL)の中で撹拌し、次いで、塩化スズ(II)二水和物(9.13g、40.45mmol)を添加した。反応混合物を125℃で24時間撹拌した。水を反応混合物に添加し、次いで、水層をDCM(3×)で抽出した。まとめた有機層をMgSOで脱水し、濾過し、真空濃縮した。粗製物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、DCM/MeOH 100/0〜95/5)で精製した。所望の画分を回収し、真空濃縮して、中間体165を得た(1.97g、69%)。
【0351】
c)中間体166の調製
【化161】
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LiAlH(THF中1M、26.5mL、26.52mmol)を、中間体165(1.97g、8.84mmol)のTHF(45mL)溶液に−20℃で添加し、次いで、反応混合物をrtで1h撹拌した。次に、r.m.を−70℃に冷却し、水(4mL)を、次いで1N NaOH(4mL)を、慎重に滴加した。
次いで、THF(40mL)を添加し、rmを、rtに到達するまで撹拌した。反応混合物を濾過し、その固体をDCMで洗浄した。濾液を真空蒸発させて、中間体166を得た(1.45g、83%)。
【0352】
d)中間体167の調製
【化162】
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中間体45の合成について報告したものと同様の合成手順に従って、中間体167を調製した。中間体166(3.2g、16.11mmol)から出発し、ラセミ中間体167を得、次の工程にそのまま使用した。
【0353】
実施例A61
a)中間体168の調製
【化163】
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(順番に)中間体123、中間体124および中間体45の合成に使用したものと同様の手順を要する合成順序に従って、市販の5−(トリフルオロメトキシ)サリチルアルデヒドから出発し、中間体168を得た。
【0354】
実施例A62
a)中間体169の調製
【化164】
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トリメチルシリルシアニド(17.7mL、142mmol)を、2−フルオロ−5−(トリフルオロメチル)ベンズアルデヒド(25g、130mmol)のDCM(100mL)およびDABCO(1mL)中溶液に、混合物が穏やかな還流を維持するような速度で添加した。rtで1h後、反応混合物を水(3×50mL)および塩水(50mL)で処理した。有機層をMgSOで脱水し、濾過し、真空濃縮して、中間体169を油として得た(34.7g、92%)。
【0355】
b)中間体170の調製
【化165】
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中間体169(31.7g、109mmol)の水(25mL)中混合物をHCl(水中37%、75mL、989mmol)で処理し、2h還流加熱した。r.m.を冷却し、氷水(300mL)で希釈し、塩基性pHになるまでNaOH(水中50%)で処理し、DCM(2×30mL)で洗浄した。水層を濃厚HClでpH=1まで酸性化し、DCM(3×250mL)で抽出した。まとめた有機層を脱水し、濾過し、蒸発させて、中間体170を、静置すると凝固する油として得た(23.6g、91%)。
【0356】
c)中間体171の調製
【化166】
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中間体170をEtOH(500mL)に溶解した。硫酸(10mL)を添加し、r.m.を終夜還流撹拌した。溶媒を真空蒸発させ、DCMを添加し、混合物を氷浴で冷却した。Aq.sat.NaHCO sol.を、pH約8になるまで慎重に添加した。有機層を分離し、MgSOで脱水し、濾過し、真空濃縮して、中間体171を油として得た(23.8g、88%)。
【0357】
d)中間体172の調製
【化167】
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中間体171(23.8g、89.4mmol)の1,4−ジオキサン(250mL)溶液を、MnO(60g、690mmol)で処理し、3h還流撹拌し、次いで、rtで週末にわたって還流撹拌した。反応混合物をダイカライトの小栓で濾過し、真空濃縮して、中間体172を油として得た(18.5g、78%)。
【0358】
e)中間体173の調製
【化168】
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中間体172(18.5g、70mmol)のEtOH(150mL)中撹拌溶液を、塩酸ヒドロキシルアミン(5.84g、84mmol)および酢酸ナトリウム(8.62g、105mmol)で処理した。反応混合物を50℃で5h、次いで、rtで16h加熱した。反応混合物を濾過し、真空濃縮した。
残留物をEtOAc(300mL)および水(1L)で処理し、層を分離した。水層をEtOAcで抽出した。まとめた有機層を塩水で洗浄し、MgSOで脱水し、濾過し、真空濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ;DCM/MeOH 100/0〜95/5)で精製して、中間体173を白色の固体として得た(17.6g、90%)。
【0359】
f)中間体174の調製
【化169】
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CO(10g、72.4mmol)を、中間体173(14g、50.1mmol)のDMSO(50mL)溶液に添加し、反応混合物をrtで16h撹拌した。反応混合物をEtOAc(300mL)および水(100mL)で希釈し、層を分離した。水層をEtOAcで抽出した(3×200mL)。まとめた有機層を水(2×100mL)、塩水(100mL)で洗浄し、MgSOで脱水し、濾過し、真空濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ;DCM/MeOH 100/0〜95/5)で精製して、中間体174を白色の固体として得た(9.9g、76%)。
【0360】
g)中間体175の調製
【化170】
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(順番に)中間体40および中間体45の合成に使用したものと同様の手順を要する合成順序に従って、中間体174から出発し、中間体175を得た。
【0361】
実施例A66
a)中間体176の調製
【化171】
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(順番に)中間体40および中間体45の合成に使用したものと同様の手順を要する合成順序に従って、6−ブロモ−クロマン−2−カルボン酸メチルエステルから出発し、中間体176を得た。
【0362】
実施例A67
a)中間体177の調製
【化172】
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シアノ酢酸エチル(0.6mL、5.23mmol)および硫黄(0.32g、9.51mmol)を、DMF(20mL)中3−(トリフルオロメチル)シクロヘキサノン(0.79g、4.76mmol)に添加した。次いで、L−プロリン(0.054g、0.47mmol)を添加し、反応混合物を60℃で24h撹拌した。rtに冷却した後、反応混合物をEtOAcで希釈し、HOおよび塩水で洗浄した。有機層をMgSOで脱水し、濾過し、真空濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ;ヘプタン/EtOAc 100/0〜75/25)で精製して、中間体177を得た(0.96g、69%)。
【0363】
b)中間体178の調製
【化173】
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亜硝酸tert−ブチル(7.35mL、6.32mmol)および塩化銅(II)(1.60g、11.88mmol)をMeOH(47mL)に溶解した。この混合物に、中間体177(0.962g、3.28mmol)を一度に添加し、反応物を1h撹拌し、次いで、sat.aq.NHClで反応停止し、溶媒を蒸発させた。得られたスラリーをDCMと水とに分配した。有機sol.を分離し、MgSOで脱水し、濾過し、溶媒を真空蒸発させて粗製物を得、これを、さらなる精製をせずに次の反応に使用した(0.9g)。
【0364】
c)中間体179の調製
【化174】
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(順番に)中間体166および中間体45の合成に使用したものと同様の手順を要する合成順序に従って、中間体178から出発し、中間体179を得た。
【0365】
B.最終化合物の調製
実施例B1
a)化合物1の調製
【化175】
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DIAD(0.039mL、0.20mmol)を、中間体25(70mg、粗製物)とTPP(52mg、0.20mmol)との無水THF(20mL)中撹拌溶液に、N下にて0℃で添加した。混合物をr.t.で3h撹拌し、次いで、溶媒を真空蒸発させた。生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ;DCM/MeOH 100/0〜90/10)で精製した。所望の画分を回収し、真空濃縮した。化合物をDCMに再溶解し、ジオキサン中1.1eq.の4N HClを添加した。溶媒を蒸発させ、固体をDIPEで研和して、化合物1をベージュ色の固体として得た(4mg)。
【0366】
実施例B2
a)化合物2、3および4の調製
【化176】
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中間体18(429mg、1.661mmol)をDMF(20mL)中で、N雰囲気下にて撹拌した。NaH(146mg、3.66mmol)を添加し、r.m.を10min間撹拌した。中間体30(390mg、粗製物)を添加し、混合物をr.t.で3h撹拌した。氷を添加し、溶媒を蒸発させた。水を添加し、生成物をEtOAcで抽出した。有機層を塩水で洗浄し、MgSOで脱水し、濾過し、蒸発させた。生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ;DCM/MeOH 97/3〜90/10、次いでDCM/(MeOH中7N NH)90/10)で精製した。純粋な画分を回収し、溶媒を真空蒸発させて化合物2を得(500mg)、これを、分取HPLC(固定相:RP SunFire Prep C18 OBD−10μm、30×150mm;移動相:0.25%NHHCOの水/MeOH溶液)によりジアステレオ異性体に分離して、化合物3(114mg)および化合物4(69mg)を得た。
【0367】
実施例B3
a)化合物5、6および7の調製
【化177】
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化合物2の合成(実施例B2)について報告したものと同様の手順に従って、中間体18および中間体34から出発し、化合物5(240mg)を得た。次いで、化合物5を、分取SFC(固定相:Chiralcel Diacel OD20×250mm;移動相:CO、0.2%iPrNHを伴うiPrOH)によって、ジアステレオ異性体に分離した。所望の画分を回収し、溶媒を真空蒸発させ、残留物をMeOHに溶解し、再度蒸発させた。2つの画分をDIPEに懸濁させ、濾過し、50℃で真空乾燥して、化合物6(57mg)および化合物7(49mg)を得た。
【0368】
実施例B4
a)化合物14の調製
【化178】
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化合物2の合成(実施例B2)について報告したものと同様の手順に従って、中間体18および3−(ブロモメチル)−5−クロロ−1,2−ベンゾイソオキサゾールから出発し、化合物14を得た。
【0369】
実施例B5
a)化合物15の調製
【化179】
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中間体18(287mg、1.11mmol)、NaH(89mg、2.23mmol)および18−クラウン−6(197mg、0.75mmol)を無水THF(5mL)に入れ、N雰囲気下にて70℃で1h撹拌した。r.m.をr.t.に冷却し、次いでDMF(3mL)中の中間体41(458mg、1.11mmol)を添加した。次いで、混合物を90℃に加熱し、この温度で24h反応させた。次いで、水を添加し、生成物をEtOAcで抽出した。相を分離し、有機層をMgSOで脱水し、濾過し、蒸発させた。粗製物を分取HPLC(固定相:RP Vydac Denali C18−10μm、200g、5cm;移動相:0.25%NHHCOの水/アセトニトリル溶液)で精製した。所望の画分を回収し、溶媒を蒸発させ、残留物をMeOHに溶解し、溶媒を再度蒸発させて、化合物15を得た(12mg、2%)。
【0370】
実施例B6
a)化合物17および18の調製
【化180】
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化合物15の合成(実施例B5)について報告したものと同様の手順に従って、中間体18および中間体49から出発し、化合物17と化合物18との混合物を得た。混合物を、分取HPLC(固定相:RP SunFire Prep C18 OBD−10μm、30×150mm;移動相:0.25%NHHCOの、水、MeOH溶液)により、純粋なジアステレオ異性体に分離して、化合物17(6%収率)および化合物18(5%収率)を泡沫として得た。
【0371】
実施例B7
a)化合物20および21の調製
【化181】
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化合物2の合成(実施例B2)について報告したものと同様の手順に従って、中間体18および中間体55と56との混合物から出発し、化合物20と化合物21との混合物を得た。混合物を、分取HPLC(固定相:RP SunFire Prep C18 OBD−10μm、30×150mm;移動相:0.25%NHHCOの水/アセトニトリル溶液)により分離して1つの位置異性体にした。生成物を含有する画分を回収し、溶媒を真空蒸発させた。残留物をDIPEから懸濁させ、沈殿させ、濾過し、真空乾燥して、化合物20(48mg、10%)および化合物21(20mg、4%)を得た。
【0372】
実施例B8
a)化合物22の調製
【化182】
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雰囲気下でMeOH(40mL)を10%Pd/C(50mg)に添加した。チオフェン溶液(MeOH中0.4%)を添加し、得られた混合物をH雰囲気下で30min間撹拌した。化合物20(60mg、0.12mmol)および酢酸カリウム(24mg、0.25mmol)を添加し、r.m.をH雰囲気下にて25℃で、1eq.のHが吸収されるまで撹拌した。次いで、反応混合物をダイカライトで濾過した。溶媒を真空蒸発させ、残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ;DCM/MeOH 100/0〜95/5)で精製した。生成物画分を回収し、溶媒を蒸発させた。生成物をDIPE中に懸濁させ、50℃で真空乾燥して、化合物22を得た(24mg、48%)。
【0373】
実施例B9
a)化合物23の調製
【化183】
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中間体18(150mg、0.58mmol)、NaH(26mg、0.64mmol)および15−クラウン−5(0.12ml、0.58mmol)を、無水DMF(7mL)に入れ、N下にてr.t.で1h撹拌し、次いで、DMF(2ml)中の中間体58(186mg、0.61mmol)を添加し、混合物をr.t.で撹拌した。90min後、反応を水で停止し、EtOAcで抽出した。まとめた有機層をMgSOで脱水し、濾過し、溶媒を蒸発させて粗製物を得、これをフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ;DCM/MeOH 100/0〜95/5)で精製した。所望の画分を回収し、溶媒を蒸発させて、化合物23を得た(28mg、比8:1(LCMS)のジアステレオマーの混合物)。
【0374】
実施例B10
a)化合物32の調製
【化184】
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化合物2の合成(実施例B2)について報告したものと同様の手順に従って、中間体18および3−フェノキシベンジルクロリドから出発し、化合物32を得た。フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ;DCM/MeOH 99/1〜95/5)による精製の後、溶媒の蒸発後に得られた油をMeOHに溶解した。次いで、化合物をHCl塩に変換した。得られた塩をEtOから再結晶させて、化合物32を得た(47%)。
【0375】
実施例B11
a)化合物35、36および37の調製
【化185】
[この文献は図面を表示できません]

化合物2の合成(実施例B2)について報告したものと同様の手順に従って、中間体18および中間体86から出発し、化合物35(626mg、ジアステレオ異性体の混合物)を得た。混合物を、分取SFC(固定相:Chiralpak Diacel AD30×250mm;移動相:CO、0.4%iPrNHを伴うEtOH)により分離して1つのジアステレオ異性体にして、化合物36(253mg、31%)および化合物37(266mg、33%)を得た。
【0376】
実施例B12
a)化合物45、46および47の調製
【化186】
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化合物2の合成(実施例B2)について報告したものと同様の手順に従って、中間体18および中間体104から出発し、25mgの化合物45(ジアステレオマーの混合物)を得た。混合物を、分取SFC(固定相:Chiralpak Diacel OJ20×250mm;移動相:CO、0.4%iPrNHを伴うMeOH)により分離して1つのジアステレオ異性体にした。所望の画分を回収し、蒸発させ、MeOHに溶解し、再度蒸発させて、化合物46(5mg、7%)および化合物47(6mg、8%)を得た。
【0377】
実施例B13
a)化合物51の調製
【化187】
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Pd(dba)(25mg、0.027mmol)およびテトラメチルジ−tBuXPhos(23mg、0.047mmol)を、オーブン乾燥したバイアルにN雰囲気下で添加し、バイアルを密封した。無水トルエン(10mL)および無水ジオキサン(2mL)を添加し、得られた暗紫色の混合物を120℃で3min間撹拌した。4−メチルイミザゾール(Methylimizazole)(110mg、1.342mmol)およびKPO(285mg、1.342mmol)を、オーブン乾燥した第2のバイアルにN雰囲気下で添加し、バイアルを密封した。次いで、中間体111(322mg、0.671mmol)および予め混合した触媒溶液を、第2のバイアルに添加した。反応混合物を120℃で5h撹拌し、次いで、これを室温に冷却し、EtOAcで希釈し、塩水で洗浄し、MgSOで脱水し、濾過し、濃縮した。粗製物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ;DCM/MeOH 100/0〜96/4)で精製した。所望の画分を回収し、真空濃縮した。生成物(92mg)をEtOAc(2mL)に溶解し、次いで、HCl(ジオキサン中4M、0.053mL、0.21mmol)を添加して、塩酸塩を得た。溶媒を蒸発させ、生成物をEtOで研和して、66mgの化合物51を淡橙色の固体として得た。
【0378】
実施例B14
a)化合物57および58の調製
【化188】
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化合物2の合成(実施例B2)について報告したものと同様の手順に従って、中間体18および中間体132から出発し、ジアステレオマー57とジアステレオマー57との混合物1.65gを得た。混合物を、分取HPLC(固定相:XBridge C18_3.5um、移動相:水、MeOH中0.2%NHHCO)により分離して、1つのジアステレオ異性体にした。所望の画分を回収し、蒸発させ、MeOHに溶解し、再度蒸発させて、化合物57(150mg、8%)および化合物58(329mg、18%)を得た。
【0379】
実施例B15
a)化合物65および66の調製
【化189】
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化合物2の合成(実施例B2)について報告したものと同様の手順に従って、中間体18および中間体133から出発し、ジアステレオマー65とジアステレオマー66との混合物1gを得た。粗製物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ;DCM/MeOH 100/0〜95/5)で精製した。所望の画分を回収し、蒸発させ、MeOHに溶解し、再度蒸発させて、化合物65(0.45g、22%)および化合物66(0.42g、20%)を得た。
【0380】
実施例B16
a)化合物89および90ivelter_2326の調製
【化190】
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化合物2の合成(実施例B2)について報告したものと同様の手順に従って、中間体18および中間体153から出発し、ジアステレオマー89とジアステレオマー90との混合物を得た(429mg)。混合物を、分取SFC(固定相:Chiralpak Diacel AD30×250mm;移動相:CO、0.2%iPrNHを伴うEtOH)により分離して、1つのジアステレオ異性体にした。所望の画分を回収し、蒸発させ、MeOHに溶解し、再度蒸発させて、化合物89(25mg、4%)および化合物90(54mg、8%)を得た。
【0381】
実施例B17
a)化合物100の調製
【化191】
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中間体18(1.48g、5.72mmol)および臭化リチウム(0.50g、5.72mmol)を、無水DMF(180mL)に入れ、N下にてr.t.で撹拌した。NaH(1.37g、34.33mmol)を添加し、r.m.を10min間撹拌した。中間体167(1.9g、6.87mmol)を添加し、混合物をr.t.で1週間撹拌した。2滴の水を添加し、溶媒を蒸発させた。水を添加し、水層をEtOAcで抽出した。まとめた有機層をMgSOで脱水し、濾過し、溶媒を蒸発させて粗製物を得、これをフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ;DCM/MeOH、98/2〜96/4)で精製した。所望の画分を回収し、溶媒を蒸発させて、化合物100を得た(50mg、2%)。
【0382】
上記の実施例に記載のものと類似の反応プロトコルを使用して、下記の表に列挙した化合物を調製した。
【0383】
「Co.No.」は化合物番号を意味する。「cb」は共有結合を意味する。
【0384】
「Pr.」は、どの実施例番号に類似したプロトコルで化合物を合成したかを意味する。
【0385】
化合物の立体中心に対して具体的な立体化学が示されていない場合、これは、化合物が、R鏡像異性体およびS鏡像異性体の混合物として得られたことを意味する。
【0386】
「HCl塩」は塩酸塩を意味し、HClの当量の正確な数字は求めなかった。
【0387】
塩形態が示されていない場合、化合物は遊離塩基として得られた。
【0388】
【表3】
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【0389】
【表4】
[この文献は図面を表示できません]
【0390】
【表5】
[この文献は図面を表示できません]
【0391】
【表6】
[この文献は図面を表示できません]
【0392】
【表7】
[この文献は図面を表示できません]
【0393】
【表8】
[この文献は図面を表示できません]
【0394】
【表9】
[この文献は図面を表示できません]
【0395】
【表10】
[この文献は図面を表示できません]
【0396】
【表11】
[この文献は図面を表示できません]
【0397】
【表12】
[この文献は図面を表示できません]
【0398】
【表13】
[この文献は図面を表示できません]
【0399】
【表14】
[この文献は図面を表示できません]
【0400】
【表15】
[この文献は図面を表示できません]
【0401】
【表16】
[この文献は図面を表示できません]
【0402】
【表17】
[この文献は図面を表示できません]
【0403】
【表18】
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【0404】
分析の部
LCMS(液体クロマトグラフィー/質量分析)
LCMS基本手順
高速液体クロマトグラフィー(HPLC)測定を、各方法において規定したLCポンプ、ダイオードアレイ(DAD)またはUV検出器およびカラムを使用して実施した。必要に応じ、追加的な検出器を含めた(下の方法の表を参照)。
【0405】
カラムからのフローを、大気圧イオン源で構成された質量分析計(MS)に送った。化合物の公称モノアイソトピック分子量(MW)の同定を可能にするイオンを得るために、調整パラメーター(例えば、走査範囲、データ収集時間(dwell time)など)を設定することは、当業者の知識の範囲内である。適切なソフトウェアによって、データ取得を実施した。
【0406】
化合物は、その実験の保持時間(R)およびイオンによって記述される。データの表に異なる指定がなければ、報告された分子イオンは、[M+H](プロトン化分子)および/または[M−H](脱プロトン化分子)に相当する。同位体パターンが複数ある分子(例えばBr、Cl)については、報告された値は最低同位体質量について得られたものである。全ての結果は、使用した方法に通常付随する実験上の不確実性を伴って得られた。
【0407】
以下では、「SQD」はシングル四重極検出器を意味し、「MSD」は質量選択検出器を意味し、「RT」は室温を意味し、「BEH」は架橋エチルシロキサン/シリカハイブリッドを意味し、「DAD」はダイオードアレイ検出器を意味し、「HSS」は高強度シリカを意味し、「Q−Tof」は四重極飛行時間型質量分析計を意味し、「CLND」は化学発光窒素検出器を意味し、「ELSD」は蒸発光走査検出器(Evaporative Light Scanning Detector)を意味する。
【0408】
【表19】
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【0409】
融点
化合物9、13、14、19、26、28および29について、融点(m.p.)をDSC823e(Mettler−Toledo)で決定した。化合物13、19、26、28および29のm.p.を10℃/minの温度勾配で測定した。化合物14のm.p.を30℃/minの温度勾配で測定した。
【0410】
化合物30、33、40、43、44、48、51、52および53について、m.p.を、Mettler FP62装置の開口キャピラリーチューブ中で決定した。M.p.は、10℃/分の勾配を使用して、50℃〜300℃の範囲の温度で測定した。m.p.値をデジタル表示から読み取った。
【0411】
分析用の測定結果を表3に示す。
【0412】
表3:保持時間(R)、単位min.、[M+H]ピーク(プロトン化分子)、LCMS方法およびm.p.(融点、単位℃)(n.d.は未決定を意味する)。
【0413】
【表20】
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【0414】
【表21】
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【0415】
NMR
いくつかの化合物について、H NMRスペクトルを、300MHz Ultrashieldマグネットを有するBruker Avance III、400MHzで運転するBruker DPX−400分光器、360MHzで運転するBruker DPX−360、または600MHzで運転するBruker Avance 600分光器にて、クロロホルム−d(重水素化クロロホルム、CDCl)またはDMSO−d(重水素化DMSO、ジメチル−d6スルホキシド)を溶媒として使用して記録した。化学シフト(δ)を、内部標準として使用したテトラメチルシラン(TMS)に対して百万分率(ppm)で報告する。
【0416】
【表22】
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【0417】
【表23】
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【0418】
【表24】
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【0419】
【表25】
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【0420】
【表26】
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【0421】
【表27】
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【0422】
【表28】
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【0423】
SFC−MS
SFC−MSでは、COおよびモディファイヤーの輸送のためのデュアルポンプ制御モジュール(FCM−1200)、1〜150℃の範囲の温度制御をするカラム加熱のための熱制御モジュール(TCM2100)、および6種の異なるカラム用のカラム選択バルブ(Valco,VICI,Houston,TX,USA)を備えたBerger Instruments(Newark,DE,USA)の分析SFCシステムを使用した。フォトダイオードアレイ検出器(Agilent 1100,Waldbronn,Germany)は、高圧フローセル(最大400bar)を備えており、CTC LC Mini PALオートサンプラー(Leap Technologies,Carrboro,NC,USA)とともに構成されている。直交型Z−エレクトロスプレーインターフェースを有するZQ質量分析計(Waters,Milford,MA,USA)をSFCシステムと連結する。装置制御、データ収集および処理は、SFC ProNToソフトウェアおよびMasslynxソフトウェアからなる一体型プラットフォームで実施した。
【0424】
Co.No.6〜7:SFC−MSを、OD−Hカラム(250×4.6mm)(ダイセル化学工業株式会社)で、流速3ml/minにて行った。2つの移動相(移動相A:CO、移動相B:0.2%2−プロピルアミンを含有する2−プロパノール)を使用した。45%Bを15min間保持した。カラム温度を30℃に設定した。これらの条件下で、Co.No.6は、カラム上の保持時間(R)がCo.No.7より短かった。測定値を、化合物6と7との混合物と比較した。
【0425】
Co.No.36〜37:SFC−MSを、AD−Hカラム(250×4.6mm)(ダイセル化学工業株式会社)で、流速3ml/minにて行った。2つの移動相(移動相A:CO、移動相B:0.2%2−プロピルアミンを含有するエタノール)を使用した。35%Bを15min間保持した。カラム温度を30℃に設定した。これらの条件下で、Co.No.36は、カラム上の保持時間(R)がCo.No.37より短かった。測定値を、化合物36と37との混合物と比較した。
【0426】
Co.No.46〜47:SFC−MSを、OJ−Hカラム(250×4.6mm)(ダイセル化学工業株式会社)で、流速3ml/minにて行った。2つの移動相(移動相A:CO、移動相B:0.2%2−プロピルアミンを含有するメタノール)を使用した。10%Bを15min間保持した。カラム温度を30℃に設定した。これらの条件下で、Co.No.46は、カラム上の保持時間(R)がCo.No.47より短かった。測定値を、化合物46と47との混合物と比較した。
【0427】
薬理
A)γ−セクレターゼ調節活性に関する本発明の化合物のスクリーニング
スクリーニングは、1%非必須アミノ酸、l−グルタミン2mM、Hepes 15mM、ペニシリン50U/ml(単位/ml)およびストレプトマイシン50μg/mlを補った5%血清/Feを含有する、Invitrogenにより提供されるダルベッコ改変イーグル培地/栄養混合物F−12(DMEM/NUT−mix F−12)(HAM)(カタログ番号10371−029)中で増殖させた、hAPP695−野生型を有するSKNBE2ヒト神経芽細胞腫細胞を使用して行った。細胞をほぼコンフルエント状態まで増殖させた。
【0428】
スクリーニングは、Citron et al(1997)Nature Medicine 3:67に記載のアッセイの変法を使用して実施した。簡潔に言えば、細胞を、様々な試験濃度の試験化合物の存在下にて、1%グルタミン(Invitrogen、25030−024)、1%非必須アミノ酸(NEAA)、ペニシリン50U/ml en ストレプトマイシン50μg/mlを補ったUltraculture(Lonza、BE12−725F)中、10細胞/ウェルで384ウェルプレートにプレーティングした。細胞/化合物混合物を37℃、5%COで終夜インキュベートした。翌日、Aβ42および全Aβについて2種のサンドイッチイムノアッセイで培地をアッセイした。
【0429】
Aphalisa法(Perkin Elmer)を使用して、細胞上清中の全Aβ濃度およびAβ42濃度を定量した。Alphalisaは、ストレプトアビジン被覆ドナービーズに結合したビオチン化抗体およびアクセプタービーズにコンジュゲートした抗体を使用するサンドイッチアッセイである。抗原の存在下で、ビーズは近接する。ドナービーズの励起により一重項酸素分子の放出が起こり、それによりアクセプタービーズで一連のエネルギー移動が起こり、その結果、発光が生じる。細胞上清中のAβ42の量を定量するために、Aβ42のC末端に特異的なモノクローナル抗体(JRF/cAβ42/26)をレセプタービーズに結合させ、AβのN末端に特異的なビオチン化抗体(JRF/AβN/25)を使用してドナービーズと反応させた。細胞上清中の全Aβの量を定量するために、AβのN末端に特異的なモノクローナル抗体(JRF/AβN/25)をレセプタービーズに結合させ、Aβの中央領域に特異的なビオチン化抗体(ビオチン化4G8)を使用してドナービーズと反応させた。
【0430】
表3に報告する値を得るために、データを、試験化合物の非存在下で測定したアミロイドベータ42の最大量のパーセンテージとして計算する。化合物の対数濃度に対してプロットした対照のパーセンテージを用いる非線形回帰分析を使用して、S字状用量反応曲線を解析した。4パラメーター式を使用してIC50を求めた。
【0431】
【表29】
[この文献は図面を表示できません]
【0432】
【表30】
[この文献は図面を表示できません]
【0433】
B)in vivo有効性の実証
B−1)Aβ42
本発明のAβ42低下剤は、ヒトなどの哺乳動物のADを処置するために使用することができ、あるいは、以下に限定はしないが、マウス、ラットまたはモルモットなどの動物モデルで有効性を示す。哺乳動物はADと診断されていなくてもよく、ADに関する遺伝的素因を有していなくてもよいが、ADに罹患しているヒトに見られるものと同様にAβを過剰産生し、やがてはそれを沈着するようなトランスジェニックとすることができる。
【0434】
Aβ42低下剤は、任意の標準方法を使用して任意の標準形態で投与することができる。例えば、限定はしないが、Aβ42低下剤は、経口または注射により摂取される、液剤、錠剤またはカプセル剤の形態とすることができる。Aβ42低下剤は、血液、血漿、血清、脳脊髄液(CSF)中または脳内のAβ42の濃度を有意に低減するのに十分な任意の用量で投与することができる。
【0435】
Aβ42低下剤の急性投与によりin vivoでAβ42濃度が低下するかどうかを確認するため、非トランスジェニックげっ歯類、例えばマウスまたはラットを使用した。Aβ42低下剤で処置した動物を検査し、非処置のものまたはビヒクルで処置したものと比較し、可溶性Aβ42、Aβ40、Aβ38およびAβ37の脳内濃度をMeso Scale Discovery(MSD)の電気化学発光検出技術により定量した。処置期間は数時間(h)から数日までの範囲とし、効果発現の時間経過を確認できた後、Aβ42低下の結果に基づいて調節した。
【0436】
in vivoでのAβ42低下を測定する典型的プロトコルを示すが、それは検出可能なAβの濃度を最適化するのに使用し得る多くの変法の1つに過ぎない。例えば、Aβ42を低下する化合物を、Captisol(登録商標)(β−シクロデキストリンのスルホブチルエーテル)の20%水溶液または20%ヒドロキシプロピルβシクロデキストリン中に製剤化した。Aβ42低下剤を、一晩絶食した動物に、単一経口用量としてまたは任意の許容される投与経路で投与した。4h後、動物を犠牲にし、Aβ42濃度を分析した。
【0437】
断頭し、EDTA処理採血管に全血を採取することにより採血した。血液を1900gで10分(min)間、4℃で遠心分離し、血漿を回収し、後で分析するために急速凍結した。脳を頭蓋および後脳から除去した。小脳を除去し、左半球と右半球を分離した。左半球は、試験化合物濃度を定量分析するために−18℃で保存した。右半球は、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)緩衝液で洗浄し、直ちにドライアイスで凍結し、生化学的アッセイのためにホモジナイズするまで−80℃で保存した。
【0438】
非トランスジェニック動物のマウス脳を、組織1グラム当たり、プロテアーゼ阻害剤(Roche−11873580001または04693159001)を含有する0.4%DEA(ジエチルアミン)/50mM NaClの8容量に再懸濁させたが、例えば、脳0.158gに対して、0.4%DEAを1.264ml添加する。溶解マトリックスD(MPBio #6913−100)を使用し、FastPrep−24システム(MP Biomedicals)内で全試料を6m/sで20秒間、ホモジナイズした。ホモジネートを20800×gで5min間遠心分離し、上清を回収した。上清を221.300×gで50min間遠心分離した。次いで、得られた高速上清を未使用のエッペンドルフチューブに移した。上清9部を0.5Mトリス−HCl、pH6.8、1部で中和し、Aβの定量に使用した。
【0439】
脳ホモジネートの可溶性画分中のAβ42、Aβ40、Aβ38およびAβ37の量を定量するために、MSDの電気化学発光多重検出技術を使用して、Aβ42、Aβ40、Aβ38およびAβ37の同時特異的検出を実施した。このアッセイでは、Aベータ37(JRD/Aβ37/3)、Aベータ38(J&JPRD/Aβ38/5)、Aベータ40(JRF/cAβ40/28)およびAベータ42(JRF/cAβ42/26)に特異的な精製モノクローナル抗体をMSD 4−plexプレートに被覆した。簡潔に言えば、標準物質(合成Aβ42、Aβ40、Aβ38およびAβ37の希釈物)を1.5mlエッペンドルフチューブ内にてUltraculture中で最終濃度が10000〜0.3pg/mの範囲となるように調製した。試料および標準物質を、検出抗体としてAβのN末端に対するSulfo−tag標識JRF/rAβ/2抗体と一緒に共インキュベートした。次いで、50μlの、コンジュゲート/試料混合物またはコンジュゲート/標準物質混合物を、抗体被覆プレートに添加した。抗体−アミロイド複合体を形成させるため、このプレートを4℃で終夜インキュベートした。このインキュベーションおよびその後の洗浄工程の後、製造業者の使用説明書(Meso Scale Discovery,Gaitherburg,MD)に従い、読み取り緩衝液を添加してアッセイを終了した。
【0440】
SULFO−TAGは、電極で開始した電気化学的刺激を受けると発光する。MSD Sector装置SI6000をシグナル読み取りに使用した。
【0441】
このモデルにおいて、非処置動物と比較した際のAβ42低下が、特に、Aβ42が少なくとも10%低下、より特定すると、Aβ42が少なくとも20%低下すると有利であろう。
【0442】
B−2)Aβ38
本発明のAβ38増加剤は、ヒトなどの哺乳動物のADを処置するために使用することができ、あるいは、以下に限定はしないが、マウス、ラットまたはモルモットなどの動物モデルで有効性を示す。哺乳動物はADと診断されていなくてもよく、ADに関する遺伝的素因を有していなくてもよいが、ADに罹患しているヒトに見られるものと同様にAβを過剰産生し、やがてはそれを沈着するようなトランスジェニックとすることができる。
【0443】
Aβ38増加剤は、任意の標準方法を使用して任意の標準形態で投与することができる。例えば、限定はしないが、Aβ38増加剤は、経口または注射により摂取される、液剤、錠剤またはカプセル剤の形態とすることができる。Aβ38増加剤は、血液、血漿、血清、脳脊髄液(CSF)中または脳内のAβ38の濃度を有意に増加させるのに十分な任意の用量で投与することができる。
【0444】
Aβ38増加剤の急性投与によりin vivoでAβ38濃度が増加するかどうかを確認するため、非トランスジェニックげっ歯類、例えばマウスまたはラットを使用した。Aβ38増加剤で処置した動物を検査し、非処置のものまたはビヒクルで処置したものと比較し、可溶性Aβ42、Aβ40、Aβ38およびAβ37の脳内濃度をMSDの電気化学発光検出技術により定量した。処置期間は数時間(h)から数日までの範囲とし、効果発現の時間経過を確認できた後、Aβ38増加の結果に基づいて調節した。
【0445】
in vivoでのAβ38増加を測定する典型的プロトコルを示すが、それは検出可能なAβの濃度を最適化するのに使用し得る多くの変法の1つに過ぎない。例えば、Aβ38増加剤を、Captisol(登録商標)(β−シクロデキストリンのスルホブチルエーテル)の20%水溶液または20%ヒドロキシプロピルβシクロデキストリン中に製剤化した。Aβ38増加剤を、一晩絶食した動物に、単一経口用量としてまたは任意の許容される投与経路で投与した。4h後、動物を犠牲にし、Aβ38濃度を分析した。
【0446】
断頭し、EDTA処理採血管に全血を採取することにより採血した。血液を1900gで10分(min)間、4℃で遠心分離し、血漿を回収し、後で分析するために急速凍結した。脳を頭蓋および後脳から除去した。小脳を除去し、左半球と右半球を分離した。左半球は、試験化合物濃度を定量分析するために−18℃で保存した。右半球は、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)緩衝液で洗浄し、直ちにドライアイスで凍結し、生化学的アッセイのためにホモジナイズするまで−80℃で保存した。
【0447】
非トランスジェニック動物のマウス脳を、組織1グラム当たり、プロテアーゼ阻害剤(Roche−11873580001または04693159001)を含有する0.4%DEA(ジエチルアミン)/50mM NaClの8容量に再懸濁させたが、例えば、脳0.158gに対して、0.4%DEAを1.264ml添加する。溶解マトリックスD(MPBio #6913−100)を使用し、FastPrep−24システム(MP Biomedicals)内で全試料を6m/sで20秒間、ホモジナイズした。ホモジネートを20800×gで5min遠心分離し、上清を回収した。上清を221.300×gで50min遠心分離した。次いで、得られた高速上清を未使用のエッペンドルフチューブに移した。上清9部を0.5Mトリス−HCl、pH6.8、1部で中和し、Aβの定量に使用した。
【0448】
脳ホモジネートの可溶性画分中のAβ42、Aβ40、Aβ38およびAβ37の量を定量するために、MSDの電気化学発光多重検出技術を使用して、Aβ42、Aβ40、Aβ38およびAβ37の同時特異的検出を実施した。このアッセイでは、Aベータ37(JRD/Aβ37/3)、Aベータ38(J&JPRD/Aβ38/5)、Aベータ40(JRF/cAβ40/28)およびAベータ42(JRF/cAβ42/26)に特異的な精製モノクローナル抗体をMSD 4−plexプレートに被覆した。簡潔に言えば、標準物質(合成Aβ42、Aβ40、Aβ38およびAβ37の希釈物)を1.5mlエッペンドルフチューブ内にてUltraculture中で最終濃度が10000〜0.3pg/mの範囲となるように調製した。試料および標準物質を、検出抗体としてAβのN末端に対するSulfo−tag標識JRF/rAβ/2抗体と一緒に共インキュベートした。次いで、50μlの、コンジュゲート/試料混合物またはコンジュゲート/標準物質混合物を、抗体被覆プレートに添加した。抗体−アミロイド複合体を形成させるため、このプレートを4℃で終夜インキュベートした。このインキュベーションおよびその後の洗浄工程の後、製造業者の使用説明書(Meso Scale Discovery,Gaitherburg,MD)に従い、読み取り緩衝液を添加してアッセイを終了した。
【0449】
SULFO−TAGは、電極で開始した電気化学的刺激を受けると発光する。MSD Sector装置SI6000をシグナル読み取りに使用した。
【0450】
このモデルにおいて、非処置動物と比較した際のAβ38増加が、特に、Aβ38が少なくとも10%増加、より特定すると、Aβ38が少なくとも20%増加すると有利であろう。
【0451】
B−3)結果
結果を表4に示す(用量30mg/kg経口投与)(対照(Ctrl)としての非処置動物の値を100に設定した)。
【0452】
【表31】
[この文献は図面を表示できません]
【0453】
組成物の例
これらの例全体を通して使用される「有効成分」(a.i.)は、任意の互変異性体もしくは立体異性体の形態を含む式(I)の化合物、または薬学的に許容されるその付加塩もしくは溶媒和物に関し、特に例示された化合物のいずれか1つに関する。
【0454】
本発明の製剤の処方の典型例は以下のとおりである。
【0455】
【表32】
[この文献は図面を表示できません]
【0456】
2.懸濁剤
水性懸濁液を、経口投与用に、1ミリリットル当たり1〜5mgの有効成分、50mgのカルボキシメチルセルロースナトリウム、1mgの安息香酸ナトリウム、500mgのソルビトールおよび水1mlまでを含有するように調製する。
【0457】
3.注射剤
非経腸組成物を、NaClの0.9%水溶液またはプロピレングリコールの10体積%水溶液中、1.5%(重量/体積)の有効成分を撹拌して調製する。
【0458】
【表33】
[この文献は図面を表示できません]
【0459】
この例において、有効成分は、同量の本発明による化合物のいずれか、特に同量の例示した化合物のいずれかに置き換えることができる。

本願発明は以下の態様を包含し得る。
[1] 式(I)
【化192-1】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物、その互変異性体もしくは立体異性体の形態、[式中、
はArまたはArであり、
は、水素、フェニル、シクロC3〜7アルキル、3,4,5,6−テトラヒドロピラニル、3,4,5,6−テトラヒドロチオピラニル、ピペリジニル、またはハロ、ヒドロキシル、C1〜4アルキルオキシおよびNRからなる群からそれぞれ独立に選択される1つまたは複数の置換基で任意選択的に置換されているC1〜4アルキルであり、
Zはメチレンまたは1,2−エタンジイルであり、メチレンまたは1,2−エタンジイルは、1つまたは2つのC1〜4アルキル置換基で任意選択的に置換されており、
Lは、共有結合、1,2−シクロプロパンジイル、−C(=O)−C1〜6アルカンジイル−、
3,4,5,6−テトラヒドロピラニル、フェニルおよびC1〜4アルキルオキシ−C1〜4アルキルからなる群から選択される1つまたは複数の置換基で任意選択的に置換されているC1〜6アルカンジイル、または
2つのジェミナルな水素原子がC2〜6アルカンジイルで置換されているC1〜6アルカンジイルであり、
Arは、イミダゾリル、1,2,4−トリアゾリル、1,3,4−トリアゾリル、ピロリル、フラニル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、チエニル、チアゾリル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピラゾリル、4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チエニル、1,2−ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾフラニル、2,3−ジヒドロベンゾフラニル、1,3−ジヒドロ−イソベンゾフラニル、5,6,7,8−テトラヒドロ−1,2,4−トリアゾロ[4,3−a]ピリジニル、4,5,6,7−テトラヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピリジニル、1,2,4−トリアゾロ[4,3−a]ピリジニル、ピラゾロ−[1,5−a]ピリジニル、3,4−ジヒドロ−1−ベンゾピラニル、1,2−ベンゾイソチアゾリル、インダゾリル、1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリニル、2,3−ジヒドロ−ベンゾ[b]チエニル、1,3−ジヒドロ−ベンゾ[c]チエニル、2−ベンゾフラニル、3,4−ジヒドロ−2−ベンゾチオピラニル、3,4−ジヒドロ−2−ベンゾピラニルおよび1,2,3,4−テトラヒドロキノリニルからなる群から選択される環構造であり、
前記環構造は、ハロと、オキソと、Arと、Rと、ハロ、C1〜4アルキルオキシおよびシクロC3〜7アルキルからなる群からそれぞれ独立に選択される1つまたは複数の置換基で任意選択的に置換されているC1〜4アルキルと、
ハロおよびシクロC3〜7アルキルからなる群からそれぞれ独立に選択される1つまたは複数の置換基で任意選択的に置換されているC1〜4アルキルオキシとからなる群からそれぞれ独立に選択される1つまたは複数の置換基で任意選択的に置換されており、
Arは、ORおよび3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサニルからなる群から選択される1つの置換基で置換されているフェニルであり、前記フェニルは、ハロと、1つまたは複数のハロ置換基で任意選択的に置換されているC1〜4アルキルオキシと、1つまたは複数のハロ置換基で任意選択的に置換されているC1〜4アルキルとからなる群からそれぞれ独立に選択される1つ、2つまたは3つの置換基で任意選択的に置換されており、
Arは、ハロと、1つまたは複数のハロ置換基で任意選択的に置換されているC1〜4アルキルとからなる群からそれぞれ独立に選択される1つまたは複数の置換基で任意選択的に置換されているフェニルであり、
は、水素、シアノ、ハロ、C1〜4アルキルオキシまたはC1〜4アルキルであり、
は水素、ハロまたはC1〜4アルキルであり、
は水素またはC1〜4アルキルであり、
XはCRまたはNであり、
は水素またはC1〜4アルキルであり、
は水素またはC1〜4アルキルであり、
は水素またはC1〜4アルキルであり、
は水素、シクロC3〜7アルキルまたはフェニルであり、
は、ピペリジニル、モルホリニル、シクロC3〜7アルキル、ピラゾリルおよびピロリジニルからなる群から選択される環構造であり、前記環構造は、ハロまたは1つまたは複数のハロ原子で任意選択的に置換されているC1〜4アルキルからなる群からそれぞれ独立に選択される1つまたは複数の置換基で任意選択的に置換されている]
または薬学的に許容されるその付加塩もしくは溶媒和物。
[2] 上記[1]に記載の化合物であって、式中、
はArまたはArであり、
は水素またはC1〜4アルキルであり、
Zはメチレンまたは1,2−エタンジイルであり、メチレンまたは1,2−エタンジイルは、1つまたは2つのC1〜4アルキル置換基で任意選択的に置換されており、
Lは、共有結合、1,2−シクロプロパンジイル、−C(=O)−C1〜6アルカンジイル−、C1〜6アルカンジイル、または
2つのジェミナルな水素原子がC2〜6アルカンジイルで置換されているC1〜6アルカンジイルであり、
Arは、イミダゾリル、1,2,4−トリアゾリル、1,3,4−トリアゾリル、ピロリル、フラニル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、チエニル、チアゾリル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピラゾリル、4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チエニル、1,2−ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾフラニル、2,3−ジヒドロベンゾフラニル、1,3−ジヒドロ−イソベンゾフラニル、5,6,7,8−テトラヒドロ−1,2,4−トリアゾロ[4,3−a]ピリジニル、4,5,6,7−テトラヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピリジニル、1,2,4−トリアゾロ[4,3−a]ピリジニル、ピラゾロ−[1,5−a]ピリジニル、3,4−ジヒドロ−1−ベンゾピラニル、1,2−ベンゾイソチアゾリル、インダゾリル、1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリニル、2,3−ジヒドロ−ベンゾ[b]チエニル、1,3−ジヒドロ−ベンゾ[c]チエニル、2−ベンゾフラニル、3,4−ジヒドロ−2−ベンゾチオピラニル、3,4−ジヒドロ−2−ベンゾピラニルおよび1,2,3,4−テトラヒドロキノリニルからなる群から選択される環構造であり、
前記環構造は、ハロと、オキソと、Rと、ハロ、C1〜4アルキルオキシおよびシクロC3〜7アルキルからなる群からそれぞれ独立に選択される1つまたは複数の置換基で任意選択的に置換されているC1〜4アルキルと、ハロおよびシクロC3〜7アルキルからなる群からそれぞれ独立に選択される1つまたは複数の置換基で任意選択的に置換されているC1〜4アルキルオキシとからなる群からそれぞれ独立に選択される1つまたは複数の置換基で任意選択的に置換されており、
Arは、ORおよび3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサニルからなる群から選択される1つの置換基で置換されているフェニルであり、前記フェニルは、ハロと、1つまたは複数のハロ置換基で任意選択的に置換されているC1〜4アルキルオキシと、
1つまたは複数のハロ置換基で任意選択的に置換されているC1〜4アルキルとからなる群からそれぞれ独立に選択される1つ、2つまたは3つの置換基で任意選択的に置換されており、
は水素であり、RはC1〜4アルキルであり、Rは水素であり、XはCRであり、Rは水素であり、
は水素、シクロC3〜7アルキルまたはフェニルであり、
は、ハロまたは1つまたは複数のハロ原子で任意選択的に置換されているC1〜4アルキルからなる群からそれぞれ独立に選択される1つまたは複数の置換基で任意選択的に置換されているピペリジニルである、化合物。
[3] 上記[1]または[2]に記載の化合物であって、式中、
はArまたはArであり、
は水素またはC1〜4アルキルであり、
Zはメチレンであり、
Lは、共有結合、−C(=O)−C1〜6アルカンジイル−、C1〜6アルカンジイル、または
2つのジェミナルな水素原子がC2〜6アルカンジイルで置換されているC1〜6アルカンジイルであり、
Arは、チエニル、チアゾリル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピラゾリル、4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チエニル、1,2−ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾフラニル、2,3−ジヒドロベンゾフラニル、1,3−ジヒドロ−イソベンゾフラニル、5,6,7,8−テトラヒドロ−1,2,4−トリアゾロ[4,3−a]ピリジニル、4,5,6,7−テトラヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピリジニル、1,2,4−トリアゾロ[4,3−a]ピリジニル、ピラゾロ−[1,5−a]ピリジニル、3,4−ジヒドロ−1−ベンゾピラニル、1,2−ベンゾイソチアゾリル、インダゾリル、1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリニルからなる群から選択される環構造であり、
前記環構造は、ハロと、Arと、オキソと、Rと、1つまたは複数のハロ置換基で任意選択的に置換されているC1〜4アルキルと、C1〜4アルキルオキシとからなる群からそれぞれ独立に選択される1つまたは複数の置換基で任意選択的に置換されており、
Arは、ORおよび3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサニルからなる群から選択される1つの置換基で置換されているフェニルであり、前記フェニルは、1つまたは複数のハロ置換基で任意選択的に置換されているC1〜4アルキルオキシ、および1つまたは複数のハロ置換基で任意選択的に置換されているC1〜4アルキルからなる群からそれぞれ独立に選択される1つ、2つまたは3つの置換基で任意選択的に置換されており、
Arは1つまたは複数のCFサブシテューエンツ(subsituents)で任意選択的に置換されているフェニルであり、
は水素であり、
はC1〜4アルキルであり、
は水素であり、
XはCRであり、
は水素であり、
は水素、シクロC3〜7アルキルまたはフェニルであり、
は、1つまたは複数のハロ原子で任意選択的に置換されている1つまたは複数のC1〜4アルキル基で任意選択的に置換されているピペリジニルからなる群から選択される環構造である、化合物。
[4] 上記[1]〜[3]のいずれか一項に記載の化合物であって、式中、
はArであり、Arは、イミダゾリル、チエニル、チアゾリル、ピロリジニル、ピペリジニル、4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チエニル、ベンゾフラニル、2,3−ジヒドロベンゾフラニル、1,3−ジヒドロ−イソベンゾフラニル、5,6,7,8−テトラヒドロ−1,2,4−トリアゾロ[4,3−a]ピリジニル、4,5,6,7−テトラヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピリジニル、1,2,4−トリアゾロ[4,3−a]ピリジニル、ピラゾロ−[1,5−a]ピリジニル、3,4−ジヒドロ−1−ベンゾピラニル、インダゾリル、1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリニルからなる群から選択される環構造である、化合物。
[5] RがArである、上記[1]〜[3]のいずれか一項に記載の化合物。
[6] RがC1〜4アルキルである、上記[1]〜[5]のいずれか一項に記載の化合物。
[7] Zがメチレンである、上記[1]〜[6]のいずれか一項に記載の化合物。
[8] RがC1〜4アルキルであり、LがC1〜6アルカンジイルである、上記[1]〜[7]のいずれか一項に記載の化合物。
[9] XがCRである、上記[1]〜[8]のいずれか一項に記載の化合物。
[10] Rで置換されている炭素原子がR配置を有する、上記[1]〜[9]のいずれか一項に記載の化合物。
[11] Rの位置が式(I−x)
【化192-2】
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に示すように配置されている、上記[1]〜[10]のいずれか一項に記載の化合物。
[12] 薬学的に許容される担体、および有効成分として、治療有効量の上記[1]〜[11]のいずれか一項に記載の化合物を含む医薬組成物。
[13] 医薬品として使用するための、上記[1]〜[11]のいずれか一項に記載の化合物。
[14] アルツハイマー病、外傷性脳損傷、軽度認知障害、老衰、認知症、レビー小体型認知症、脳アミロイド血管症、多発梗塞性認知症、ボクサー認知症、ダウン症候群、パーキンソン病に関連する認知症およびβアミロイドに関連する認知症から選択される疾患または病態の処置または予防に使用するための、上記[1]〜[11]のいずれか一項に記載の化合物。
[15] 前記疾患がアルツハイマー病である、上記[14]に記載の化合物。
[16] アルツハイマー病、外傷性脳損傷、軽度認知障害、老衰、認知症、レビー小体型認知症、脳アミロイド血管症、多発梗塞性認知症、ボクサー認知症、ダウン症候群、パーキンソン病に関連する認知症およびβアミロイドに関連する認知症から選択される疾患または病態を処置または予防する方法であって、これを必要とする対象に、治療有効量の上記[1]〜[11]のいずれか一項に記載の化合物または治療有効量の上記[12]に記載の医薬組成物を投与するステップを含む方法。
[17] 前記疾患がアルツハイマー病である、上記[16]に記載の方法。
[18] アルツハイマー病による神経認知障害、外傷性脳損傷による神経認知障害、レビー小体病による神経認知障害、パーキンソン病による神経認知障害または血管性神経認知障害から選択される疾患または病態を処置または予防する方法であって、これを必要とする対象に、治療有効量の上記[1]〜[11]のいずれか一項に記載の化合物または治療有効量の上記[12]に記載の医薬組成物を投与するステップを含む方法。
[19] アルツハイマー病による神経認知障害、外傷性脳損傷による神経認知障害、レビー小体病による神経認知障害、パーキンソン病による神経認知障害または血管性神経認知障害から選択される疾患または病態の処置または予防に使用するための、上記[1]〜[11]のいずれか一項に記載の化合物。