特許第6284511号(P6284511)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6284511熱硬化剤としてオキシムスルホネートを含む重合性組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6284511
(24)【登録日】2018年2月9日
(45)【発行日】2018年2月28日
(54)【発明の名称】熱硬化剤としてオキシムスルホネートを含む重合性組成物
(51)【国際特許分類】
   C07C 309/65 20060101AFI20180215BHJP
   C07C 309/66 20060101ALI20180215BHJP
   C07C 309/67 20060101ALI20180215BHJP
   C07C 309/73 20060101ALI20180215BHJP
   C07C 309/71 20060101ALI20180215BHJP
   C07C 309/75 20060101ALI20180215BHJP
   C07C 309/77 20060101ALI20180215BHJP
   C07C 303/30 20060101ALI20180215BHJP
   C07C 323/47 20060101ALI20180215BHJP
   C07D 265/10 20060101ALI20180215BHJP
   C07D 327/06 20060101ALI20180215BHJP
   C07D 213/83 20060101ALI20180215BHJP
   C07D 277/70 20060101ALI20180215BHJP
   C07D 277/50 20060101ALI20180215BHJP
   C07D 277/16 20060101ALI20180215BHJP
   C07D 279/12 20060101ALI20180215BHJP
   C07D 309/08 20060101ALI20180215BHJP
   C07D 307/10 20060101ALI20180215BHJP
【FI】
   C07C309/65CSP
   C07C309/66
   C07C309/67
   C07C309/73
   C07C309/71
   C07C309/75
   C07C309/77
   C07C303/30
   C07C323/47
   C07D265/10
   C07D327/06
   C07D213/83
   C07D277/70
   C07D277/50
   C07D277/16
   C07D279/12
   C07D309/08
   C07D307/10
【請求項の数】16
【外国語出願】
【全頁数】172
(21)【出願番号】特願2015-165602(P2015-165602)
(22)【出願日】2015年8月25日
(62)【分割の表示】特願2013-550890(P2013-550890)の分割
【原出願日】2012年1月27日
(65)【公開番号】特開2015-212309(P2015-212309A)
(43)【公開日】2015年11月26日
【審査請求日】2015年9月24日
(31)【優先権主張番号】11152582.0
(32)【優先日】2011年1月28日
(33)【優先権主張国】EP
(31)【優先権主張番号】61/437,024
(32)【優先日】2011年1月28日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】508020155
【氏名又は名称】ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100116975
【弁理士】
【氏名又は名称】礒山 朝美
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】國本 和彦
(72)【発明者】
【氏名】鮫島 かおり
(72)【発明者】
【氏名】松岡 由記
(72)【発明者】
【氏名】倉 久稔
【審査官】 黒川 美陶
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭55−089258(JP,A)
【文献】 国際公開第92/003050(WO,A1)
【文献】 国際公開第2011/083810(WO,A1)
【文献】 特表2002−508774(JP,A)
【文献】 Hanefeld, Wolfgang, et al.,Archiv der Pharmazie (Weinheim, Germany),1993年,326(11),871-4
【文献】 Akiba, Kin-Ya, et al.,Bulletin of the Chemical Society of Japan,1979年,52(1),263-4
【文献】 Uchiyama, Masaaki,Nippon Nogei Kagaku Kaishi ,1963年,37(9),543-7
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07C
C07D
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I
QAabc (I)
[式中、
aは、0、1、2、3または4である;
bは、0または2である;および
cは、0、1または2である;
その際、a+b+cの合計は、1、2、3または4であり、
a+b+cの合計が1である場合に、aは1であり、bは0であり、かつcは0であり、
Aは、基
【化1】
であり、
Bは、基
【化2】
であり、
Cは、基
【化3】
であり、
前記式中、
#は、Qへの結合点を示す;
Xは、S、SO2またはNR14である;
Qは、a+b+cの合計が1であって、aが1であり、bが0であり、かつcが0である場合に、基R1であり、−X−R1は、R2と一緒になって、−X−(C1〜C8−アルキレン)−O−C(O)−であるか、または−X−R1は、R2と一緒になって、−S−C(S)−NR12−C(O)−である;
または
Qは、a+b+cの合計が2であって、aが2であり、bが0であり、かつcが0である場合に、二価のリンカーであり、前記リンカーは、L−C1〜C30−アルキレン−L、L−C6〜C20−アリーレン−LおよびL−C6〜C20−アリーレン−L1−C6〜C20−アリーレン−L、から選択され、その際、
アルキレンは、1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる非隣接の基L4によって中断されていてよく、
それぞれのアリーレンは、1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる基RQcを有してよく、
Lは、単結合である;
1は、互いに独立して、OまたはSである;
4は、互いに独立して、O、S、CO、C(O)O、OC(O)およびC6〜C20−アリーレンから選択される;
Qcは、互いに独立して、C1〜C12−アルキルから選択される;
または、
Qは、a+b+cの合計が2であって、bが2であり、aが0であり、かつcが0である場合に、二価のリンカーであり、前記リンカーは、L5−C1〜C30−アルキレン−L5から選択され、その際、
5は、互いに独立して、単結合、S、O、CO、C(O)OまたはOC(O)である;
または、
Qは、a+b+cの合計が2であって、cが2であり、aが0であり、かつbが0である場合に、二価のリンカーであり、前記リンカーは、C1〜C30−アルキレンおよびC6〜C20−アリーレンから選択され、その際、
アルキレンは、1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる基L13によって中断されていてよく、
アリーレンは、1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる基RQcを有してよく、その際、
13は、L4について示した意味の一つを有する;
または、
Qは、a+b+cの合計が2であって、aおよびcがそれぞれ1であり、かつbが0である場合に、二価のリンカーであり、前記リンカーは、C1〜C30−アルキレンから選択され、その際、
アルキレンは、1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる基L13によって中断されていてよく、その際、
13は、L4について示した意味の一つを有する;
または、
Qは、a+b+cの合計が3であって、
aが3であり、bが0であり、かつcが0であるか、または
bが3であり、aが0であり、かつcが0であるか、または
cが3であり、aが0であり、かつbが0である場合に、三価のリンカーであり、前記リンカーは、C1〜C30−アルカントリイルから選択され、その際、
アルカントリイルは、1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる基L17によって中断されていてよく、その際、
17は、L4について示した意味の一つを有する;
または、
Qは、a+b+cの合計が4であって、aが4であり、bが0であり、かつcが0である場合に、四価のリンカーであり、前記リンカーは、C1〜C30−アルカンテトライルから選択され、前記アルカンテトライルは、1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる基L18によって中断されていてよく、その際、
18は、L17について示した意味の一つを有する;
1は、C1〜C20−アルキル、C2〜C20−アルケニル、C2〜C20−アルキニル、C3〜C20−シクロアルキル、ヘテロシクリル、C6〜C20−アリールまたはヘテロアリールであり、その際、
1〜C20−アルキル、C2〜C20−アルケニルおよびC2〜C20−アルキニルは、1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる、−O−、−S−、−N(R6)−およびCOから選択される基によって中断されていてよく、かつ/または1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる基R1aを有してよく、
3〜C20−シクロアルキルおよびヘテロシクリルは、1もしくはそれより多くのCO基によって中断されていてよく、かつC3〜C20−シクロアルキルは、1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる基R1bを有してよく、
6〜C20−アリールおよびヘテロアリールは、1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる基R1cを有してよく、その際、
1aは、互いに独立して、SR4、OR5、COR8、COOR9、CONR1011、C3〜C20−シクロアルキルおよびC6〜C10−アリールから選択され、その際、前記の最後に挙げた2つの基は、1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる基R1aaを有してよく、その際、
1aaは、互いに独立して、C1〜C12−アルキル、CO、O、S、C(O)O、OC(O)、C(O)SおよびSC(O)から選択される1もしくはそれより多くの基によって中断されていてよいC1〜C12−アルキル、C1〜C12−ハロアルキル、C2〜C12−アルケニル、F、Cl、Br、I、NO2、SR4およびOR5から選択される;
1bは、互いに独立して、C1〜C12−アルキルから選択される;
1cは、互いに独立して、C1〜C12−アルキル、C1〜C12−ハロアルキル、C2〜C12−アルケニル、F、Cl、Br、I、CN、NO2、SR4、OR5、NR67、COR8、COOR9およびCONR1011から選択される;
2は、水素、COR8、COOR9、CONR1011、C1〜C16−アルキル、C3〜C20−シクロアルキル、ヘテロシクリル、C6〜C20−アリール、ヘテロアリールまたは基Eであり、
その際、C1〜C16−アルキルは、1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる、−O−、−S−、−N(R6)−およびCOから選択される基によって中断されていてよく、
3〜C20−シクロアルキルおよびヘテロシクリルは、1もしくはそれより多くのCO基によって中断されていてよく、かつ/または1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる基R2bを有してよく、
6〜C20−アリールおよびヘテロアリールは、1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる基R2cを有してよく、その際、
2bは、R1bについて示した意味の一つを有する;
2cは、R1cについて示した意味の一つを有する;
Eは、
【化4】
から選択され、前記式中、
#は、分子の残部への結合点である;
dは、0であり、すなわち(R2edは存在せず;
2fは、C1〜C20−アルキレン−COO-、C1〜C20−アルキレン−S(O)2-またはC1〜C20−アルキレン−OS(O)2-である;
または、
−R2は、−X−R1と一緒になって、X−(C1〜C20−アルキレン)−Yであってよく、その際、Yは、Xを有するオキシム炭素原子に結合され、その際、
アルキレンは、1もしくはそれより多くの基R2gによって置換されていてよく、その際、
Yは、O、S、CO、SC(O)、OC(O)またはC(O)Oである;
2gは、互いに独立して、SR4およびOR5から選択される;
または、
XがSである場合に、−R2は、−S−R1と一緒になって、S−C(S)−NR12−C(O)またはS−C(=NOR15)−C(O)−NR12−C(O)であってよく、その際、R15は、水素またはフェニルスルホニルであり、その際、フェニル部は、C1〜C4−アルキルもしくはC1〜C4−アルコキシによって置換されていてよく、
または、
aが2である場合に、2つの基R2は、一緒になって、二価の橋かけ基であって、−C(=O)−O−C1〜C10−アルキレン−O−C(=O)−から選択される橋かけ基であってよい;
3は、C1〜C20−アルキル、C2〜C20−アルケニル、C2〜C20−アルキニル、C3〜C20−シクロアルキル、ヘテロシクリル、C6〜C20−アリールまたはヘテロアリールであり、その際、
1〜C20−アルキル、C2〜C20−アルケニルおよびC2〜C20−アルキニルは、1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる基R3aを有してよく、
3〜C20−シクロアルキルおよびヘテロシクリルは、1もしくはそれより多くのCO基によって中断されていてよく、かつ/または1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる基R3bを有してよく、
6〜C20−アリールおよびヘテロアリールは、1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる基R3cを有してよく、その際、
3aは、互いに独立して、COOR9、1もしくはそれより多くのCO基によって中断されていてよいC3〜C20−シクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリールおよびC6〜C10−アリールから選択され、その際、前記の最後に挙げた4つの基は、1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる基R2aaを有してよく、そのR2aaは、互いに独立して、C1〜C12−アルキル、C1〜C12−ハロアルキル、C2〜C12−アルケニル、F、Cl、Br、I、CN、NO2、SR4、OR5、NR67、COR8およびCOOR9から選択される;
3bは、R1bについて示した意味の一つを有する;
3cは、R1cについて示した意味の一つを有する;
4は、互いに独立して、水素、C1〜C20−アルキル、
1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる、−O−および−S−から選択される基によって中断されており、かつ/または1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる基R4aを有してよい、C1〜C20−アルキルおよび
2〜C8−アルカノイルから選択され、その際、
4aは、互いに独立して、F、Cl、Br、I、C3〜C10−シクロアルキル、ヘテロシクリル、フェニル、OH、SHおよびCNから選択される;
5は、互いに独立して、水素、C1〜C20−アルキル、
1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる、−O−および−S−から選択される基によって中断されており、かつ/または1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる基R5aを有してよい、C1〜C20−アルキル、
1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる、F、Cl、BrおよびIから選択される基によって置換されていてよいC2〜C8−アルカノイル、
1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる、−O−および−S−から選択される基によって中断されており、かつ1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる、ヒドロキシアミニレン(=N−OH)、F、Cl、Br、I、OHおよびC1〜C6−アルコキシから選択される基によって置換されていてよい、C2〜C8−アルカノイル、
1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる、F、Cl、Br、I、C1〜C6−アルキル、−OHもしくはC1〜C6−アルコキシから選択される基によって置換されていてよい、ベンゾイル、
フェニルおよびナフチル
から選択され、その際、
5aは、R4aについて示した意味の一つを有する;
6、R10およびR12は、互いに独立して、水素、C1〜C20−アルキル、C2〜C12−アルケニル、
3〜C10−シクロアルキルおよび
フェニルから選択される;
7およびR11は、互いに独立して、C1〜C20−アルキル、
3〜C10−シクロアルキル、
2〜C8−アルカノイルおよび
フェニルから選択される;
または、
10およびR11は、それらが結合される窒素原子と一緒になって、飽和の5員、6員もしくは7員の窒素複素環を形成し、前記環は、OおよびSからなる群から選択される更なるヘテロ原子もしくはヘテロ原子基を環員として有してよい;
8は、互いに独立して、水素、C1〜C20−アルキルおよび
1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる、−O−および−S−から選択される基によって中断されており、かつ/または1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる基R8aを有してよい、C1〜C20−アルキル
から選択され、
8aは、R4aについて示した意味の一つを有する;
9は、互いに独立して、水素、C1〜C20−アルキル、
3〜C10−シクロアルキルおよび
1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる、−O−および−S−から選択される基によって中断されており、かつ/または1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる基R9aを有してよい、C1〜C20−アルキル
から選択され、
9aは、R4aについて示した意味の一つを有する;
14は、C1〜C20−アルキルであり、その際、
1〜C20−アルキルは、1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる基R14aを有してよく、その際、
14aは、C6〜C10−アリールである;
または、
1およびR14は、それらが結合される窒素原子と一緒になって、5員、6員または7員の飽和のもしくは不飽和の複素環を形成し、該複素環はOおよびSから選択される更なるヘテロ原子を含んでよい]のオキシムスルホネート化合物。
【請求項2】
請求項1に記載の式Iの化合物であって、その式中、
Xは、SまたはNR14であり、
Qは、a+b+cの合計が1であって、aが1であり、bが0であり、かつcが0である場合に、基R1であり、−X−R1は、R2と一緒になって、−X−(C1〜C8−アルキレン)−O−C(O)−であるか、または−X−R1は、R2と一緒になって、−S−C(S)−NR12−C(O)−である;
または
Qは、a+b+cの合計が2であって、aが2であり、bが0であり、かつcが0である場合に、二価のリンカーであり、前記リンカーは、L−C1〜C30−アルキレン−L、L−C6〜C20−アリーレン−LおよびL−C6〜C20−アリーレン−L1−C6〜C20−アリーレン−Lから選択され、その際、
アルキレンは、1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる非隣接の基L4によって中断されていてよく、
Lは、単結合である;
1は、Sである;
4は、互いに独立して、O、S、C(O)O、OC(O)およびC6〜C20−アリーレンから選択される;
または、
Qは、a+b+cの合計が2であって、bが2であり、aが0であり、かつcが0である場合に、二価のリンカーであり、前記リンカーは、L5−C1〜C30−アルキレン−L5から選択され、その際、
5は、互いに独立して、C(O)OまたはOC(O)である;
または、
Qは、a+b+cの合計が2であって、cが2であり、aが0であり、かつbが0である場合に、二価のリンカーであり、前記リンカーは、C1〜C30−アルキレンおよびC6〜C20−アリーレンから選択され、その際、
アルキレンは、1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる基L13によって中断されていてよく、その際、
13は、L4について示した意味の一つを有する;
または、
Qは、a+b+cの合計が3であって、
aが3であり、bが0であり、かつcが0であるか、または
bが3であり、aが0であり、かつcが0であるか、または
cが3であり、aが0であり、かつbが0である場合に、三価のリンカーであり、前記リンカーは、C1〜C30−アルカントリイルから選択され、その際、
アルカントリイルは、1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる基L17によって中断されていてよく、その際、
17は、L4について示した意味の一つを有する;
または、
Qは、a+b+cの合計が4であって、aが4であり、bが0であり、かつcが0である場合に、四価のリンカーであり、前記リンカーは、C1〜C30−アルカンテトライルから選択され、前記アルカンテトライルは、1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる基L18によって中断されていてよく、その際、
18は、L17について示した意味の一つを有する;
1は、C1〜C20−アルキル、C2〜C20−アルケニル、C3〜C20−シクロアルキル、ヘテロシクリル、C6〜C20−アリールまたはヘテロアリールであり、その際、
1〜C20−アルキルおよびC2〜C20−アルケニルは、1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる、−O−、−S−、−N(R6)−およびCOから選択される基によって中断されていてよく、かつ/または1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる基R1aを有してよく、
6〜C20−アリールは、1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる基R1cを有してよく、その際、
1aは、互いに独立して、SR4、OR5、COOR9およびC6〜C10−アリールから選択され、その際、前記の最後に挙げた基は、1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる基R1aaを有してよく、その際、
1aaは、互いに独立して、C1〜C12−アルキル、C1〜C12−ハロアルキル、F、Cl、BrおよびIから選択される;
1cは、互いに独立して、C1〜C12−アルキル、C1〜C12−ハロアルキル、C2〜C12−アルケニル、F、Cl、Br、I、NO2、SR4、OR5、NR67およびCOOR9から選択される;
2は、COOR9、CONR1011、C1〜C16−アルキル、C3〜C20−シクロアルキル、ヘテロシクリル、C6〜C20−アリール、ヘテロアリールまたは基Eであり、その際、
1〜C16−アルキルは、1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる、−O−、−S−、−N(R6)−およびCOから選択される基によって中断されていてよく、その際、
3〜C20−シクロアルキルおよびヘテロシクリルは、1もしくはそれより多くのCO基によって中断されていてよく、かつ/または1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる基R2bを有してよく、
6〜C20−アリールおよびヘテロアリールは、1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる基R2cを有してよい;
2bは、R1bについて示した意味の一つを有する;
2cは、R1cについて示した意味の一つを有する;
Eは、
【化5】
から選択され、前記式中、
#は、分子の残部への結合点である;
dは、0であり、すなわち(R2edは存在せず;
2fは、C1〜C20−アルキレン−COO-、C1〜C20−アルキレン−S(O)2-またはC1〜C20−アルキレン−OS(O)2-である;
または、
−R2は、−X−R1と一緒になって、X−(C1〜C20−アルキレン)−Yであってよく、その際、Yは、Xを有するオキシム炭素原子に結合され、その際、
アルキレンは、1もしくはそれより多くの基R2gによって置換されていてよく、その際、
Yは、OC(O)またはC(O)Oである;
2gは、互いに独立して、OR5から選択される;
または、
XがSである場合に、−R2は、−S−R1と一緒になって、S−C(S)−NR12−C(O)であってよく、
または、
aが2である場合に、2つの基R2は、一緒になって、二価の橋かけ基であって、−C(=O)−O−C1〜C10−アルキレン−O−C(=O)−から選択される橋かけ基であってよい;
3は、C1〜C20−アルキル、C2〜C20−アルケニル、C3〜C20−シクロアルキル、ヘテロシクリル、C6〜C20−アリールまたはヘテロアリールであり、その際、
1〜C20−アルキルおよびC2〜C20−アルケニルは、1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる基R3aを有してよく、
3〜C20−シクロアルキルおよびヘテロシクリルは、1もしくはそれより多くのCO基によって中断されていてよく、かつ/または1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる基R3bを有してよく、
6〜C20−アリールおよびヘテロアリールは、1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる基R3cを有してよく、その際、
3aは、互いに独立して、COOR9、1もしくはそれより多くのCO基によって中断されていてよいC3〜C20−シクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリールおよびC6〜C10−アリールから選択され、その際、前記の最後に挙げた4つの基は、1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる基R2aaを有してよく、そのR2aaは、互いに独立して、C1〜C12−アルキル、C1〜C12−ハロアルキル、F、Cl、Br、I、CN、NO2、SR4、OR5、NR67、COR8およびCOOR9から選択される;
3bは、R1bについて示した意味の一つを有する;
3cは、R1cについて示した意味の一つを有する;
5は、互いに独立して、水素、C1〜C20−アルキル、
1もしくはそれより多くの基−S−によって中断されており、かつ/または1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる基R5aを有してよい、C1〜C20−アルキル、
2〜C8−アルカノイル(前記の最後に挙げた基は、1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる、F、Cl、BrおよびIから選択される基によって置換されていてよい)、
1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる、F、Cl、Br、I、C1〜C6−アルキル、−OHもしくはC1〜C6−アルコキシから選択される基によって置換されていてよい、ベンゾイル、
フェニルおよびナフチル
から選択され、その際、
5aは、R4aについて示した意味の一つを有する;
前記化合物。
【請求項3】
請求項1または2に記載の式Iの化合物であって、その式中、XはSまたはNR14であり、かつR14は、C1〜C12−アルキルまたはベンジルである、前記化合物。
【請求項4】
請求項1から3までのいずれか1項に記載の式Iの化合物であって、その式中、
1は、C3〜C12−アルキル、メルカプト−C1〜C12−アルキル、メルカプト−C3〜C6−アルキル−S−C1〜C2−アルキル、C1〜C12−アルキル(OR5によって置換されており、その際、R5は、C1〜C7−クロロアルキルカルボニルもしくは−C(=O)−CH2−S−(C1〜C2−アルキル)−S−C(=NOH)−C1〜C2−アルキルである)、C1〜C12−アルキル(SR4によって置換されており、その際、R4は、C2〜C8−アルカノイルである)、C1〜C12−アルキル(C1〜C4−アルコキシカルボニルによって置換されている)、C2〜C4−アルケニル、C3〜C8−シクロアルキル、C3〜C8−シクロアルキル−C1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルコキシ−C1〜C4−アルコキシカルボニル−C1〜C2−アルキル、C1〜C4−アルコキシカルボニル−C1〜C2−アルキル、ベンジル、ベンジル(C1〜C4−アルカノイル−S−C1〜C2−アルキルによって置換されている)、ベンジル(C1〜C4−アルキルチオによって置換されている)、ベンジル(塩素によって置換されている)、フェネチル、ベンジルスルファニル−C1〜C4−アルキル−O−C1〜C2−アルキル、フェネチルスルファニル−C1〜C4−アルキル−O−C1〜C2−アルキル、炭素原子の他にO、S、N、NHおよびN(C1〜C8−アルキル)から選択される1もしくは2個のヘテロ原子を含む5員もしくは6員の飽和のもしくは部分不飽和のヘテロシクリル、フェニルまたはフェニル(1、2もしくは3個のC1〜C4−アルキル、C2〜C4−アルケニルおよびニトロから選択される基によって置換されている)、前記化合物。
【請求項5】
請求項1から4までのいずれか1項に記載の式Iの化合物であって、その式中、
2は、COOR9;CONR1011
1〜C12−アルキル;
3〜C12−シクロアルキル;
6〜C10−アリール、前記のC6〜C10−アリールは、1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる基R2cによって置換されていてよい;
炭素原子の他に1、2もしくは3個のN、OおよびSから選択されるヘテロ原子を含む5員もしくは6員のヘテロアリール、前記のヘテロアリールは、1もしくはそれより多くの基R2cによって置換されていてよい;または

【化6】
[式中、#は、分子の残部への結合点であり、かつR2fは、C1〜C12−アルキレン−COO-、C1〜C12−アルキレン−S(O)2-もしくはC1〜C12−アルキレン−OS(O)2-である]のピリジニウム;
であり、その際、R2c、R9、R10およびR11は、請求項1の定義の通りである、前記化合物。
【請求項6】
請求項1または2に記載の式Iの化合物であって、その式中、
−X−R1は、R2と一緒になって、−X−(C1〜C8−アルキレン)−O−C(O)−であり、その際、Xは、請求項1の定義の通りであり、または
−X−R1は、R2と一緒になって、−S−C(S)−NR12−C(O)−であり、その際、R12は、請求項1の定義の通りである、前記化合物。
【請求項7】
請求項1から6までのいずれか1項に記載の式Iの化合物であって、その式中、R3は、C2〜C12−アルキル、C2〜C12−アルケニル、ナフチル−C1〜C4−アルキル、フェニル−C1〜C4−アルキル、フェニル−C1〜C4−アルキルであってフェニル部が1もしくはそれより多くのF、Cl、Br、I、C1〜C4−アルキルスルファニルおよびC1〜C4−ハロアルキルから選択される基によって置換された前記フェニル−C1〜C4−アルキル、C3〜C12−シクロアルキル−C1〜C12−アルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクリルおよびC6〜C10−アリールから選択され、その際、シクロアルキルは、1もしくは2個のCOによって中断されていてよく、かつ/または1もしくはそれより多くのC1〜C12−アルキルによって置換されていてよく、かつアリールは、1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる、C1〜C12−アルキル、C1〜C4−ハロアルキル、C2〜C12−アルケニル、F、Cl、Br、I、CN、NO2、SR4、OR5、NR67およびCOOR9から選択される基によって置換されていてよく、その際、R4、R5、R6、R7およびR9は、請求項1の定義の通りである、前記化合物。
【請求項8】
請求項1から7までのいずれか1項に記載の化合物であって、式Iの化合物が、式IA.1、IA、IBおよびIC
【化7】
式IA.1中、−X−R1は、R2と一緒になって、−X−(C1〜C8−アルキレン)−O−C(O)−であるか、または−X−R1は、R2と一緒になって、−S−C(S)−NR12−C(O)−であり;X、R12およびR3は、請求項1または2の定義の通りであり;
式IA中、aは、2、3または4であり;Qは、請求項1または2で定義される式Iにおいて、a+b+cの合計が2であって、aが2であり、bが0であり、かつcが0である場合、またはa+b+cの合計が3であって、aが3であり、bが0であり、かつcが0である場合、またはa+b+cの合計が4であって、aが4であり、bが0であり、かつcが0である場合の、Qの定義の通りであり;X、R2およびR3は、請求項1または2の定義の通りであり;
式IB中、bは2であり;Qは、請求項1または2で定義される式Iにおいて、a+b+cの合計が2であって、bが2であり、aが0であり、かつcが0である場合のQの定義の通りであり;X、R1およびR3は、請求項1または2の定義の通りであり;
式IC中、cは2であり;Qは、請求項1または2で定義される式Iにおいて、a+b+cの合計が2であって、cが2であり、aが0であり、かつbが0である場合のQの定義の通りであり;X、R1およびR2は、請求項1または2の定義の通りである]の化合物から選択される前記化合物。
【請求項9】
請求項8に記載の化合物であって、式IA.1で示され、その式中、
3は、C2〜C4−アルキル、C2〜C6−アルケニル、炭素原子の他に1もしくは2個のOおよびSから選択されるヘテロ原子を含む5員もしくは6員の飽和ヘテロシクリル、チエニル、フェニルまたはベンジルであり、その際、最後に挙げた2つの基のそれぞれは、非置換であってよく、または1、2、3、4もしくは5個の互いに独立してフッ素、ニトロ、C1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルコキシ、C1〜C4−フルオロアルキル、C1〜C4−アルコキシカルボニルおよびC2〜C6−アルケニルから選択される基を有してよく、かつ
−X−R1は、R2と一緒になって、−X−(C1〜C8−アルキレン)−O−C(O)−であり、かつXは、N(C1〜C8−アルキル)、N(ベンジル)またはSである、前記化合物。
【請求項10】
式IA.1
【化8】
で示される化合物であって、その式中、
Xは、SまたはNR14であり、
14は、C1〜C6−アルキル、ベンジルもしくはフェネチルであり、
1は、C3〜C6−アルキル、メルカプト−C3〜C6−アルキル、メルカプト−C3〜C6−アルキル−S−C1〜C2−アルキル、C2〜C4−アルケニル、C3〜C8−シクロアルキル−C1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルコキシ−C1〜C4−アルコキシカルボニル−C1〜C2−アルキル、C1〜C4−アルコキシカルボニル−C1〜C2−アルキル、C1〜C4−ハロアルコキシカルボニル−C1〜C2−アルキル、ベンジルスルファニル−C1〜C4−アルキル−O−C1〜C4−アルキル、フェネチルスルファニル−C1〜C4−アルキル−O−C1〜C4−アルキル、C3〜C8−シクロアルキル、ベンジルであってC1〜C4−アルカノイル−S−C1〜C2−アルキルによって置換されたベンジル、フェニルまたはベンジルであり、その際、フェニルおよびベンジルのフェニル部は、1、2もしくは3個のニトロおよびC1〜C4−アルキルから選択される基によって置換されていてよく、または
1およびR14は、それらが結合される窒素原子と一緒になって、環員としてOおよびSから選択される更なるヘテロ原子を有してよい5員、6員もしくは7員の飽和もしくは不飽和の複素環を形成し、
2は、C1〜C6−アルキル、C3〜C8−シクロアルキル、C1〜C4−アルコキシカルボニル、C1〜C4−ハロアルコキシカルボニル、モルホリノアミド、−COO(CH2CH2O)v(C1〜C4−アルキル)[式中、vは、1、2、3もしくは4である]、
ピリジル、フェニルであり、前記のピリジル、フェニルは、1、2もしくは3個のニトロ、C1〜C4−アルキルおよびC1〜C4−アルコキシカルボニルから選択される基によって置換されていてよく、
または基
【化9】
であって、その際、#は、分子の残部への結合点であり、かつR2fは、C1〜C12−アルキレン−COO-、C1〜C12−アルキレン−S(O)2-もしくはC1〜C12−アルキレン−OS(O)2-であり、かつ
3は、C1〜C4−アルキル、C2〜C6−アルケニル、炭素原子の他に1もしくは2個のOおよびSから選択されるヘテロ原子を含む5員もしくは6員の飽和ヘテロシクリル、チエニル、フェニルまたはベンジルであり、その際、前記の最後に挙げた2つの基のそれぞれは、非置換であってよく、または1、2、3、4もしくは5個の互いに独立してフッ素、ニトロ、C1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルコキシ、C1〜C4−フルオロアルキル、C1〜C4−アルコキシカルボニルおよびC2〜C6−アルケニルから選択される基を有してよい、前記化合物。
【請求項11】
請求項8に記載の化合物であって、式IAで示され、その式中、
aは、2であり、
Xは、Sであり、
それぞれのR2は、独立して、C1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルコキシカルボニルまたはモルホリノアミドからなる群から選択され、
それぞれのR3は、独立して、C1〜C4−アルキル、C2〜C6−アルケニル、炭素原子の他に1もしくは2個のOおよびSから選択されるヘテロ原子を含む5員もしくは6員の飽和のヘテロシクリル、チエニル、フェニルもしくはベンジルからなる群から選択され、その際、最後に挙げた2つの基のそれぞれは、非置換であるか、または1、2、3、4もしくは5個の互いに独立してフッ素、ニトロ、C1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルコキシ、C1〜C4−フルオロアルキル、C1〜C4−アルコキシカルボニルおよびC2〜C6−アルケニルから選択される基を有してよく、
Qは、フェニレン、フェニレン−S−フェニレンまたはC1〜C10−アルキレンであって1、2、3もしくは4個のフェニレン、OおよびSから選択される非隣接の基によって中断されていてよい前記C1〜C10−アルキレンである、前記化合物。
【請求項12】
請求項8に記載の化合物であって、式IAで示され、その式中、
aは、3であり、
Xは、Sであり、
それぞれのR2は、独立して、C1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルコキシカルボニルおよびモルホリノアミドからなる群から選択され、
それぞれのR3は、独立して、C1〜C4−アルキル、C2〜C6−アルケニル、炭素原子の他に1もしくは2個のOおよびSから選択されるヘテロ原子を含む5員もしくは6員の飽和のヘテロシクリル、チエニル、フェニルもしくはベンジルからなる群から選択され、その際、最後に挙げた2つの基のそれぞれは、非置換であるか、または1、2、3、4もしくは5個の互いに独立してフッ素、ニトロ、C1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルコキシ、C1〜C4−フルオロアルキル、C1〜C4−アルコキシカルボニルおよびC2〜C6−アルケニルから選択される基を有してよく、
Qは、3、4、5、6、7、8もしくは9個のC(O)O基によって中断されていてよいC1〜C20−アルカントリイルである、前記化合物。
【請求項13】
請求項8に記載の化合物であって、式IAで示され、その式中、
aは、4であり、
Xは、Sであり、
それぞれのR2は、独立して、C1〜C4−アルキルまたはC1〜C4−アルコキシカルボニルからなる群から選択され、
それぞれのR3は、独立して、C1〜C4−アルキル、C2〜C6−アルケニル、炭素原子の他に1もしくは2個のOおよびSから選択されるヘテロ原子を含む5員もしくは6員の飽和のヘテロシクリル、チエニル、フェニルもしくはベンジルからなる群から選択され、その際、最後に挙げた2つの基のそれぞれは、非置換であるか、または1、2、3、4もしくは5個の互いに独立してフッ素、ニトロ、C1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルコキシ、C1〜C4−フルオロアルキル、C1〜C4−アルコキシカルボニルおよびC2〜C6−アルケニルから選択される基を有してよく、
Qは、3、4、5、6、7、8もしくは9個のC(O)O基によって中断されていてよいC1〜C20−アルカンテトライルである、前記化合物。
【請求項14】
請求項8に記載の化合物であって、式IBで示され、その式中、
bは、2であり、
Xは、Sであり、
それぞれのR1は、独立して、C1〜C6−アルキル、メルカプト−C3〜C6−アルキル、メルカプト−C3〜C6−アルキル−S−C1〜C2−アルキル、C2〜C4−アルケニル、ベンジル、C1〜C4−アルコキシカルボニル−C1〜C4−アルキル、フェニルおよび1もしくは2個のC1〜C4−アルキルもしくはC2〜C4−アルケニルによって置換されたフェニルからなる群から選択され、かつ
Qは、1、2、3もしくは4個以上のOおよびSから選択される非隣接の原子によって中断されていてよいC1〜C10−アルキレンである、前記化合物。
【請求項15】
請求項8に記載の化合物であって、式ICで示され、その式中、
cは、2であり、
Xは、Sであり、
それぞれのR1は、独立して、C1〜C6−アルキル、C3〜C8−アルケニル、メルカプト−C3〜C6−アルキル、メルカプト−C3〜C6−アルキル−S−C1〜C2−アルキル、C1〜C4−アルコキシ−C1〜C4−アルコキシカルボニル−C1〜C2−アルキル、C1〜C4−アルコキシカルボニル−C1〜C2−アルキル、C2〜C4−アルケニル、C3〜C8−シクロアルキル、C3〜C8−シクロアルキル−C1〜C2−アルキル、フェニル−C1〜C4−アルキルスルファニル−C1〜C4−アルキル−O−C1〜C4−アルキル、フェネチルスルファニル−C1〜C4−アルキル−O−C1〜C2−アルキル、フェニル、フェネチルまたはベンジルからなる群から選択され、その際、最後に挙げた3つの基におけるそれぞれのフェニル部は、1、2もしくは3個のニトロ、C2〜C4−アルケニルおよびC1〜C4−アルキルから選択される基によって置換されていてよく、
それぞれのR2は、独立して、C1〜C6−アルキル、C1〜C4−アルコキシカルボニル、モルホリノアミドおよびC1〜C4−アルコキシ−C1〜C4−アルコキシ−C1〜C4−アルコキシカルボニルからなる群から選択され、
Qは、1、2、3もしくは4個のO、Sおよびフェニレンから選択される非隣接の基によって中断されていてよいC1〜C10−アルキレンである、前記化合物。
【請求項16】
請求項1から7までのいずれか1項に記載の化合物であって、式ID
【化10】
[式中、
Qは、二価のリンカーであり、前記リンカーは、フェニレン、フェニレン−S−フェニレンまたはC1〜C10−アルキレンから選択され、前記のC1〜C10−アルキレンは、1または2個のフェニレンの非隣接の基によって中断されていてよく、
それぞれのXは、Sであり、
1は、C3〜C6−アルキル、メルカプト−C3〜C6−アルキル、メルカプト−C3〜C6−アルキル−S−C1〜C2−アルキル、C2〜C4−アルケニル、C3〜C8−シクロアルキル−C1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルコキシ−C1〜C4−アルコキシカルボニル−C1〜C2−アルキル、C1〜C4−アルコキシカルボニル−C1〜C2−アルキル、ベンジルスルファニル−C1〜C4−アルキル−O−C1〜C4−アルキル、フェネチルスルファニル−C1〜C4−アルキル−O−C1〜C4−アルキル、フェニルもしくはベンジルであり、その際、フェニルおよびベンジルのフェニル部は、1、2もしくは3個の、ニトロおよびC1〜C4−アルキルから選択される基によって置換されていてよく、またはC1〜C4−アルカノイル−S−C1〜C2−アルキルによって置換されたベンジルであり、
それぞれのR2は、互いに独立して、C1〜C6−アルキル、C1〜C4−アルコキシカルボニル、モルホリノアミドまたはC1〜C4−アルコキシ−C1〜C4−アルコキシ−C1〜C4−アルコキシカルボニルからなる群から選択され、かつ
3は、C1〜C4−アルキル、C2〜C6−アルケニル、炭素原子の他に1もしくは2個のO、S、SOおよびSO2から選択されるヘテロ原子もしくはヘテロ原子基を含む5員もしくは6員の飽和のヘテロシクリル、チエニル、フェニルまたはベンジルであり、その際、最後に挙げた2つの基のそれぞれは、非置換であるか、または1、2、3、4もしくは5個の、互いに独立してフッ素、ニトロ、C1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルコキシ、C1〜C4−フルオロアルキル、C1〜C4−アルコキシカルボニルおよびC2〜C6−アルケニルから選択される基を有してよい]の化合物である、前記化合物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の背景
本発明は、少なくとも1種のエチレン性不飽和の重合性化合物と、少なくとも1種のオキシムスルホネートとを含む重合性組成物、新規のオキシムスルホネートおよび該オキシムスルホネートの熱硬化促進剤としての使用に関する。更に、本発明は、前記組成物の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
関連技術の説明
カラーフィルタ(CF)に関して、主として液晶ディスプレイ(LCD)用のカラーフィルタに関して要求が高まっている。近年、液晶ディスプレイ用のカラーフィルタは、ガラス基板上に黒色マトリクスと赤色ピクセル、緑色ピクセルおよび青色ピクセルとを含み、前記フィルタは、ラジカル重合性レジストを用いてホトリソグラフィーにより作製される。そのホトリソグラフィープロセスの後に、約230℃で30分にわたり熱硬化を行い、残りのアクリル系二重結合を重合させて、CF/LCDの製造プロセスにおいて必要となり、かつLCDにおける永続コートとしての長期残存に必要となる耐久性を獲得する。LCD用のオーバーコート層は、カラーフィルタの表面の平坦化と、液晶の配向の向上と、CFから液晶へのイオン溶出の回避のために用いられる。カラーフィルタにおける着色されたコーティング被膜のための基礎材料として、アクリル樹脂および/またはエポキシ樹脂またはポリイミド樹脂が通常使用される。前記オーバーコートは、通常は、例えば約220℃で30分にわたり加熱するか、またはホトリソグラフィーと組み合わせてポストベークプロセスの前に加熱することによって製造される。熱安定性と、耐光性と、付着性と、硬さと、透明性が、前記オーバーコート層には必要とされる。
【0003】
LCD用のスペーサーは、LCDパネル中で液晶層のセルギャップを制御するものであり、該スペーサーは、感光性組成物を用いてホトリソグラフィーによって高い位置的精度で形成される。ホトスペーサーは、ラジカル重合性レジストを用いてオーバーコート上またはカラーフィルタ上にホトリソグラフィーによって作製される。ホトリソグラフィーの後に、前記ホトスペーサーは、例えば220℃で60分にわたり焼き付けされ、熱安定性と、機械的強さと、付着性と、セルギャップ制御性と、高い変形復元性を獲得する。
【0004】
認められたカラーフィルタ、オーバーコート層またはスペーサーの提供において、熱硬化促進剤を含む様々な硬化組成物は、長い硬化時間および/または高い硬化温度を必要とする。これらの高い硬化温度は、所用エネルギーを高め、高められた温度に感受性の基盤としての廉価なソーダライムガラスなどのコーティング基材において問題となる。前記の熱硬化促進剤の高い硬化反応性は、また生産性の観点からも望ましい。
【0005】
ペルオキシドまたはアゾ化合物のクラスに属する非常に多くの有機物質は、低い硬化温度の獲得のための熱硬化促進剤としての用途のために知られている。しかしながら、それらを含む組成物には、それらの比較的低い分解温度のため、輸送の間の貯蔵安定性と安全性に関する困難性がしばしば存在する。従って、技術的な安定性の要求を満たす熱硬化促進剤が絶え間なく要求されている。熱硬化促進剤は、低温硬化性組成物の硬化と、硬化時間の減少を可能にすべきである。熱硬化促進剤は、例えばホトリソグラフィーの前に溶剤を除去するためのプリベークプロセスでの良好な安定性と、ホトリソグラフィーの後のポストベークプロセスにおける高められた温度での硬化の増強を示すべきである。
【0006】
W. Hanefeldらは、Arch. Pharm.(Weinheim)326, 871-874 (1993)において、それぞれ2−チオキソチアゾリジン−4−オン環およびチアゾリジン−2,4−ジオン環を有する、5−(4−ニトロフェニルスルホニルオキシイミノ)−2−チオキソチアゾリジン−4−オン化合物および5−(4−ニトロフェニルスルホニルオキシイミノ)−チアゾリジン−2,4−ジオン化合物の製造を記載している。これらの化合物の硬化促進剤としての使用は記載されていない。
【0007】
W. Hanefeldらは、Liebigs Ann. Chem. 1992, 337-344において、3−ジメチルアミノ−5−(4−ニトロフェニルスルホニルオキシイミノ)−2−チオキソチアゾリジンを酸化させて相応のチオ−S−オキシドとすることを記載している。
【0008】
A. Bezdrikらは、Berichte der deutschen chemischen Gesellschaft, vol. 41 (1), 1908, 227-242において、式
【化1】
のスルホニルオキシム化合物の製造を記載している。
【0009】
N. Baldovini、M. KitamuraおよびK. Narasakaは、Chemistry Letters 2003, vol 32 (6), 548-549において、アレーンを、O−スルホニルオキシム化合物、例えばN−メチル−2−オキサゾリジノン O−p−トシルオキシムおよび1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン O−p−トシルオキシム
【化2】
を用いてアミノ化することを記載している。
【0010】
M. Kitamura、S. ChibaおよびK. Narasakaは、Bull. Chem. Soc. Jpn, 1063-1070 (2003)において、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン O−4−メチルベンゼンスルホニルオキシムまたは3−メチル−オキサゾリジン−2−オン−O−4−メチルベンゼンスルホニルオキシムとアルキルグリニャール試薬およびアリールグリニャール試薬との反応によって第一級アミンを製造することを記載している。また、N−メチル−2−オキサゾリジノン O−p−トシルオキシムとフェニルマグネシウムブロミドとを反応させることによって、式(1)
【化3】
のアミドオキシムを合成することも記載されている。
【0011】
K. Akiba、H. ShiraishiおよびN. Inamotoは、Bulletin of the Chemical Society of Japan, vol. 52, pp. 263-264において、式
【化4】
のトシルオキシムイミノとグリニャール試薬との反応を記載している。
【0012】
Science of Synthesis (2004), 13, 95-107、J. Chem. Soc. Perkin Trans. 1, 1988, 899-906およびJ. Chem. Soc., Chem. Commun., 1985, 1641-2において、式(2)
【化5】
[式中、Arは、フェニルであり、かつNR2は、ピロリジノであり、Arは、4−クロロフェニルであり、かつNR2は、モルホリノもしくはジメチルアミノであり、Arは、3−ニトロフェニルもしくは4−ニトロフェニルであり、かつNR2は、ピペリジニル、ピロリジノ、モルホリノ、ジメチルアミノもしくはジエチルアミノである]のジチオカルバメートを、フルオロホウ酸を用いてジエチルエーテル中で環化させて、ジチアゾリウム塩にすることが記載されている。
【0013】
J. H. Davies、R.H. DaviesおよびP. Kirbyは、Journal of the Chemical Society [Section C]: Organic (1968), 431-435において、式(3)
【化6】
[式中、R1=R2=CH3、R1=R2=C25、R1=エチルもしくはプロピル、かつR2=メチルまたはR1=アリル、かつR2=メチル]のS−アルキルチオヒドロキシメートの研究を行った。式3の化合物のsyn(アルキルチオ)異性体は、ピリジン中のトルエン−p−スルホニルクロリドでの処理において、極めて安定な晶質のトルエン−p−スルホネートとなる。
【0014】

【化7】
のO−p−トルエンスルホニルオキシムイミノシアノホルマディ(O-p-toluenesulfonyloximinocyanoformadies)の両価性は、Tetrahedron, vol. 28, 1972, pp 2267 to 2283において研究されている。
【0015】
4−フェニルメチル−O−トリルスルホニル−2,3−チオモルホリンジオン−2−オキシム、4−フェニルメチル−O−(フルオロフェニル)スルホニル−2,3−チオモルホリンジオン−2−オキシムおよび4−フェニルメチル−O−フェニルスルホニル−2,3−チオモルホリンジオン−2−オキシムといった化合物は、Models in Chemistry 131 (3-4), pp. 529-534から公知である。これらの化合物の硬化促進剤としての使用は記載されていない。
【0016】
4−フェニルメチル−O−トシル−2,3−チオモルホリンジオン−2−オキシム、4−フェニルメチル−O−フェニルスルホニル−2,3−チオモルホリンジオン−2−オキシムおよび4−フェニルメチル−O−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2,3−チオモルホリンジオン−2−オキシムといった化合物は、WO 89/05805から公知である。これらの化合物は、胃潰瘍および十二指腸潰瘍に対して有効である。
化合物α−フェニルチオ 3−(2−クロロ−4−トリフルオロメチルフェノキシ)−6−ニトロ−ベンズアルデヒド O−メチルスルホニルオキシムは、EP 0174046から公知である。その化合物は、不所望な植物成長の抑制に使用できる。
JP10010718は、熱重合開始剤として有機ペルオキシドを含む発色剤と、良好な耐溶剤性を有するカラーフィルタを、ホトリソグラフィープロセス後に、好ましくは100〜180℃でポストベークプロセスを適用することによって製造することを開示している。
【0017】
JP 2003330184は、着色された感光性の樹脂組成物であって、該樹脂組成物が比較的低温の熱処理に供された後でさえも、高い耐熱性、高い硬度および高い耐溶剤性を有するカラーフィルタを形成可能な組成物を開示している。前記樹脂は、トリハロメチル基を含むオキサジアゾール構造またはトリアジン構造を有する重合開始剤から構成されている。
【0018】
JP 2003015288は、有機ペルオキシド、ヒドロペルオキシドおよびアゾ化合物などの熱重合開始剤を含む放射感受性組成物であって、プラスチック基材に対して変形もしくは黄変を引き起こさないような低温処理が前記プラスチック基材上でのカラーフィルタの形成に際してかつ該組成物から形成されるカラーフィルタの提供のために採用されるとしても、該プラスチック基材に対して十分な付着性を有するカラーフィルタを形成できる組成物を開示している。前記の放射感受性組成物は、(A)着色剤、(B)アルカリ可溶性樹脂、(C)多官能性モノマー、(D)光重合開始剤および(E)熱重合開始剤を含有する。
【0019】
WO 99/01429において、(5−アルキルスルホニルオキシイミノ−5H−チオフェン−2−イリデン)アセトニトリルおよび5−フェニルスルホニルオキシイミノ−5H−チオフェン−2−イリデン)アセトニトリルが開示されている。その化合物は、潜在性スルホン酸として使用することができる。
【0020】
US 6,261,738、WO 02/25376およびWO 2004/074242は、オキシムスルホネートと、電磁化学線および電子線での照射により活性化できる潜在性酸としての前記オキシムスルホネートの使用を記載している。これらの文献は、オキシム炭素原子に窒素結合基または硫黄結合基を有するオキシムスルホネート化合物を記載していない。
【0021】
US 2008/014675は、ランタニド系触媒の存在下で共役ジエンモノマーを重合して擬リビングポリマーを形成させ、前記擬リビングポリマーと保護されたオキシム化合物とを反応させて、官能化されたポリマーを形成することを記載している。前記の保護されたオキシム化合物は、O−スルホニルオキシム、例えば1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンO−ベンゼンスルホニルオキシムなどのオキシムであってよい。
【0022】
JP 2004026804は、S−置換されたオキシムスルホネート、例えば1,2−ビス(ブチルスルホニルオキシミノ)−1,2−ビス(メチルチオ)エタン、1,2−ビス(ベンジルスルホニルオキシミノ)−1,2−ビス(メチルチオ)エタン、
【化8】
の、放射感受性樹脂組成物中での光酸生成剤としての使用を教示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0023】
【特許文献1】国際公開第89/05805号公報
【特許文献2】欧州特許出願公開第0 174 046号公報
【特許文献3】特開平10−010718号公報
【特許文献4】特開2003−330184号公報
【特許文献5】特開2003−015288号公報
【特許文献6】国際公開第99/01429号公報
【特許文献7】米国特許第6,261,738号明細書
【特許文献8】国際公開第02/25376号公報
【特許文献9】国際公開第2004/074242号公報
【特許文献10】米国特許出願公開第2008/014675号公報
【特許文献11】特開2004−026804号公報
【非特許文献】
【0024】
【非特許文献1】W. Hanefeld et al., Arch. Pharm.(Weinheim)326, 871-874 (1993)
【非特許文献2】W. Hanefeld et al., Liebigs Ann. Chem. 1992, 337-344
【非特許文献3】A. Bezdrik et al., Berichte der deutschen chemischen Gesellschaft, vol. 41 (1), 1908, 227-242
【非特許文献4】N. Baldovini, M. Kitamura and K. Narasaka, Chemistry Letters 2003, vol 32 (6), 548-549
【非特許文献5】M. Kitamura, S. Chiba and K. Narasaka, Bull. Chem. Soc. Jpn, 1063-1070 (2003)
【非特許文献6】K. Akiba, H. Shiraishi and N. Inamoto, Bulletin of the Chemical Society of Japan, vol. 52, pp. 263-264
【非特許文献7】Science of Synthesis (2004), 13, 95-107
【非特許文献8】J. Chem. Soc. Perkin Trans. 1, 1988, 899-906
【非特許文献9】J. Chem. Soc., Chem. Commun., 1985, 1641-2
【非特許文献10】J. H. Davies, R.H. Davies and P. Kirby, Journal of the Chemical Society [Section C]: Organic (1968), 431-435
【非特許文献11】Tetrahedron, vol. 28, 1972, pp 2267-2283
【非特許文献12】Models in Chemistry 131 (3-4), pp. 529-534
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0025】
ここで、驚くべきことに、特定のオキシムスルホネートは、ラジカル重合性組成物用の硬化促進剤として使用できることが判明した。ペルオキシドまたはアゾ化合物などの公知の硬化促進剤と比較して、本発明によるオキシムスルホネートは、より高い硬化反応性を示す。
【0026】
従って、本発明は、良好な硬化性能を有する硬化促進剤を提供する目的を基礎としている。
【課題を解決するための手段】
【0027】
発明の要旨
第一の態様においては、本発明は、
(a)式I
QAabc (I)
[式中、
aは、0、1、2、3、4または6である;
bは、0、1、2、3、4または6である;および
cは、0、1、2、3、4または6である;
その際、a+b+cの合計は、1、2、3、4または6であり、
Aは、基
【化9】
であり、
Bは、基
【化10】
であり、
Cは、基
【化11】
であり、
前記式中、
#は、Qへの結合点を示す;
Xは、S、SO2またはNR14である;
Qは、aが1であり、bが0であり、かつcが0である場合に、基R1である;
または、
Qは、aが2であり、bが0であり、かつcが0である場合に、二価のリンカーであり、前記リンカーは、L−C1〜C30−アルキレン−L、L−C2〜C30−アルケニレン−L、L−C3〜C16−シクロアルキレン−L、L−ヘテロシクロアルキレン−L、L−C6〜C20−アリーレン−L、L−ヘテロアリーレン−L、L−C1〜C30−アルキレン−L2−L、L−C2〜C30−アルケニレン−L2−L、L−C3〜C16−シクロアルキレン−L1−C3〜C16−シクロアルキレン−L、L−C3〜C16−シクロアルキレン−L1−ヘテロシクロアルキレン−L、L−C3〜C16−シクロアルキレン−L1−C6〜C20−アリーレン−L、L−C3〜C16−シクロアルキレン−L1−ヘテロアリーレン−L、L−C6〜C20−アリーレン−L1−C6〜C20−アリーレン−L、L−C6〜C20−アリーレン−L1−ヘテロアリーレン−L、L−ヘテロアリーレン−L1−ヘテロアリーレン−L、L−C3〜C16−シクロアルキレン−L1−L3−L1−C3〜C16−シクロアルキレン−L、L−C3〜C16−シクロアルキレン−L1−L3−L1−ヘテロシクロアルキレン−L、L−C3〜C16−シクロアルキレン−L1−L3−L1−C6〜C20−アリーレン−L、L−C3〜C16−シクロアルキレン−L1−L3−L1−ヘテロアリーレン−L、L−C6〜C20−アリーレン−L1−L3−L1−C6〜C20−アリーレン−L、L−C6〜C20−アリーレン−L1−L3−L1−ヘテロアリーレン−L、L−ヘテロアリーレン−L1−L3−L1−ヘテロアリーレン−Lから選択され、その際、
それぞれのアルキレンおよびそれぞれのアルケニレンは、1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる非隣接の基L4によって中断されていてよく、かつ/または1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる基RQaを有してよく、
それぞれのシクロアルキレンおよびそれぞれのヘテロシクロアルキレンは、1もしくはそれより多くのCO基によって中断されていてよく、かつ/または1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる基RQbを有してよく、
それぞれのアリーレンおよびそれぞれのヘテロアリーレンは、1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる基RQcを有してよく、
Lは、互いに独立して、単結合、C(S)O、C(S)NR12から選択される;
1は、互いに独立して、単結合、O、S、NR14、CO、OC(O)、C(O)O、C(S)O、OC(S)、C(O)NR10、NR10C(O)、C(S)NR12、NR12C(S)またはNR10SO2である;
2は、C3〜C20−シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、C6〜C20−アリーレンまたはヘテロアリーレンであり、その際、
シクロアルキレンおよびヘテロシクロアルキレンは、1もしくはそれより多くのCOによって中断されていてよく、かつ/または1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる基RL2bによって置換されていてよく、
アリーレンおよびヘテロアリーレンは、1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる基RL2cによって置換されていてよく、その際、
L2bは、互いに独立して、C1〜C12−アルキル、C1〜C12−ハロアルキル、F、Cl、Br、I、CN、NO2、SR4、OR5、NR67、COR8、COOR9、CONR1011またはフェニルから選択される;
L2cは、RL2bについて示した意味の一つを有する;
3は、C1〜C30−アルキレン、C2〜C30−アルケニレン、C3〜C20−シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、C6〜C20−アリーレンおよびヘテロアリーレンから選択され、その際、
アルキレンおよびアルケニレンは、1もしくはそれより多くの同一もしくは異なるO、S、NR6およびCOによって中断されていてよく、かつ/または1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる基RL3aを有してよく、
シクロアルキレンおよびヘテロシクロアルキレンは、1もしくはそれより多くのCOによって中断されていてよく、かつ/または1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる基RL3bによって置換されていてよく、
アリーレンおよびヘテロアリーレンは、1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる基RL3cによって置換されていてよく、その式中、
L3aは、互いに独立して、F、Cl、Br、I、CN、SR4、OR5、NR67、COR8、COOR9、CONR1011、C3〜C10−シクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、フェニルおよびナフチルから選択され、その際、前記の最後に挙げた5つの基は、1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる基R3aaによって置換されていてよく、そのR3aaは、RL2bについて示した意味の一つを有する;
L3bは、RL2bについて示した意味の一つを有する;
L3cは、RL2cについて示した意味の一つを有する;
4は、互いに独立して、O、S、NR6、CO、C(O)O、OC(O)、C(O)NR10、NR10C(O)、C(S)NR12、NR12C(S)、NR10SO2、C3〜C20−シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、C6〜C20−アリーレンおよびヘテロアリーレンから選択され、その際、
シクロアルキレンおよびヘテロシクロアルキレンは、1もしくはそれより多くのCOによって中断されていてよく、かつ/または1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる基RL4bによって置換されていてよく、
アリーレンおよびヘテロアリーレンは、1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる基RL4cによって置換されていてよく、その際、
L4bは、RL2bについて示した意味の一つを有する;および
L4cは、RL2cについて示した意味の一つを有する;
Qaは、互いに独立して、F、Cl、Br、I、CN、SR4、OR5、NR67、COR8、COOR9、CONR1011、1もしくは2つのCO基によって中断されていてよいC3〜C10−シクロアルキル、1もしくは2つのCO基によって中断されていてよいヘテロシクリル、ヘテロアリール、フェニルおよびナフチルから選択され、その際、前記の最後に挙げた5つの基は、1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる基RQaaによって置換されていてよく、そのRQaaは、互いに独立して、C1〜C12−アルキル、C1〜C12−ハロアルキル、F、Cl、Br、I、CN、NO2、SR4、OR5、NR67、COR8、COOR9およびCONR1011から選択される;
Qbは、互いに独立して、F、Cl、Br、I、CN、SR4、OR5、NR67、COR8、COOR9、CONR1011、C1〜C12−アルキル、C1〜C12−ハロアルキル、ヘテロアリール、フェニルおよびナフチルから選択され、その際、前記の最後に挙げた3つの基は、1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる基RQbaによって置換されていてよく、そのRQbaは、RQaaについて示した意味の一つを有する;
Qcは、互いに独立して、C1〜C12−アルキル、C1〜C12−ハロアルキル、F、Cl、Br、I、CN、NO2、SR4、OR5、NR67、COR8、COOR9、CONR1011、フェニル、C3〜C10−シクロアルキルおよびヘテロシクリルから選択され、その際、前記の最後に挙げた2つの基において、1もしくは2つのCH2基は、COによって置き換えられてよい;
Qは、bが2であり、aが0であり、かつcが0である場合に、二価のリンカーであり、前記リンカーは、L5−C1〜C30−アルキレン−L5、L5−C2〜C30−アルケニレン−L5、L5−C3〜C16−シクロアルキレン−L5、L5−ヘテロシクロアルキレン−L5、L5−C6〜C20−アリーレン−L5、L5−ヘテロアリーレン−L5、L5−C1〜C30−アルキレン−L6−L5、L5−C2〜C30−アルケニレン−L6−L5、L5−C3〜C16−シクロアルキレン−L7−C3〜C16−シクロアルキレン−L5、L5−C3〜C16−シクロアルキレン−L7−ヘテロシクロアルキレン−L5、L5−C3〜C16−シクロアルキレン−L7−C6〜C20−アリーレン−L5、L5−C3〜C16−シクロアルキレン−L7−ヘテロアリーレン−L5、L5−C6〜C20−アリーレン−L7−C6〜C20−アリーレン−L5、L5−C6〜C20−アリーレン−L7−ヘテロアリーレン−L5、L5−ヘテロアリーレン−L7−ヘテロアリーレン−L5、L5−C3〜C16−シクロアルキレン−L7−L8−L7−C3〜C16−シクロアルキレン−L5、L5−C3〜C16−シクロアルキレン−L7−L8−L7−ヘテロシクロアルキレン−L5、L5−C3〜C16−シクロアルキレン−L7−L8−L7−C6〜C20−アリーレン−L5、L5−C3〜C16−シクロアルキレン−L7−L8−L7−ヘテロアリーレン−L5、L5−C6〜C20−アリーレン−L7−L8−L7−C6〜C20−アリーレン−L5、L5−C6〜C20−アリーレン−L7−L8−L7−ヘテロアリーレン−L5、L5−ヘテロアリーレン−L7−L8−L7−ヘテロアリーレン−L5から選択され、その際、
それぞれのアルキレンおよびそれぞれのアルケニレンは、1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる基L9によって中断されていてよく、かつ/または1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる基RQaを有してよく、
それぞれのシクロアルキレンおよびそれぞれのヘテロシクロアルキレンは、1もしくはそれより多くのCO基によって中断されていてよく、かつ/または1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる基RQbを有してよく、
それぞれのアリーレンおよびヘテロアリーレンは、1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる基RQcを有してよく、その際、
5は、互いに独立して、単結合、S、O、NR6、CO、C(O)O、OC(O)、NR10COまたはCONR10である;
6は、L2について示した意味の一つを有する;
7は、L1について示した意味の一つを有する;
8は、L3について示した意味の一つを有する;
9は、L4について示した意味の一つを有する;
または、
Qは、cが2であり、aが0であり、かつbが0である場合に、二価のリンカーであり、前記リンカーは、C1〜C30−アルキレン、C2〜C30−アルケニレン、C3〜C16−シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、C6〜C20−アリーレン、ヘテロアリーレン、C1〜C30−アルキレン−L10、C2〜C30−アルケニレン−L10、C3〜C16−シクロアルキレン−L11−C3〜C16−シクロアルキレン、C3〜C16−シクロアルキレン−L11−ヘテロシクロアルキレン、C3〜C16−シクロアルキレン−L11−C6〜C20−アリーレン、C3〜C16−シクロアルキレン−L11−ヘテロアリーレン、C6〜C20−アリーレン−L11−C6〜C20−アリーレン、C6〜C20−アリーレン−L11−ヘテロアリーレン、ヘテロアリーレン−L11−ヘテロアリーレン、C3〜C16−シクロアルキレン−L11−L12−L11−C3〜C16−シクロアルキレン、C3〜C16−シクロアルキレン−L11−L12−L11−C6〜C20−アリーレン、C3〜C16−シクロアルキレン−L11−L12−L11−ヘテロシクロアルキレン、C3〜C16−シクロアルキレン−L11−L12−L11−ヘテロアリーレン、C6〜C20−アリーレン−L11−L12−L11−C6〜C20−アリーレン、C6〜C20−アリーレン−L11−L12−L11−ヘテロアリーレン、ヘテロアリーレン−L11−L12−L11−ヘテロアリーレンから選択され、その際、
それぞれのアルキレンおよびそれぞれのアルケニレンは、1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる基L13によって中断されていてよく、かつ/または1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる基RQaを有してよく、
それぞれのシクロアルキレンおよびそれぞれのヘテロシクロアルキレンは、1もしくはそれより多くのCO基によって中断されていてよく、かつ/または1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる基RQbを有してよく、
それぞれのアリーレンおよびヘテロアリーレンは、1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる基RQcを有してよく、その際、
10は、L2について示した意味の一つを有する;
11は、L1について示した意味の一つを有する;
12は、L3について示した意味の一つを有する;
13は、L4について示した意味の一つを有する;
または、
Qは、a+b+cの合計が2ある場合に、二価のリンカーであり、前記リンカーは、C1〜C30−アルキレン、C2〜C30−アルケニレン、C3〜C16−シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、C6〜C20−アリーレン、ヘテロアリーレン、C1〜C30−アルキレン−L10、C2〜C30−アルケニレン−L10、C3〜C16−シクロアルキレン−L11−C3〜C16−シクロアルキレン、C3〜C16−シクロアルキレン−L11−ヘテロシクロアルキレン、C3〜C16−シクロアルキレン−L11−C6〜C20−アリーレン、C3〜C16−シクロアルキレン−L11−ヘテロアリーレン、C6〜C20−アリーレン−L11−C6〜C20−アリーレン、C6〜C20−アリーレン−L11−ヘテロアリーレン、ヘテロアリーレン−L11−ヘテロアリーレン、C3〜C16−シクロアルキレン−L11−L12−L11−C3〜C16−シクロアルキレン、C3〜C16−シクロアルキレン−L11−L12−L11−C6〜C20−アリーレン、C3〜C16−シクロアルキレン−L11−L12−L11−ヘテロシクロアルキレン、C3〜C16−シクロアルキレン−L11−L12−L11−ヘテロアリーレン、C6〜C20−アリーレン−L11−L12−L11−C6〜C20−アリーレン、C6〜C20−アリーレン−L11−L12−L11−ヘテロアリーレン、ヘテロアリーレン−L11−L12−L11−ヘテロアリーレンから選択され、その際、
それぞれのアルキレンおよびそれぞれのアルケニレンは、1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる基L13によって中断されていてよく、かつ/または1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる基RQaを有してよく、
それぞれのシクロアルキレンおよびそれぞれのヘテロシクロアルキレンは、1もしくはそれより多くのCO基によって中断されていてよく、かつ/または1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる基RQbを有してよく、
それぞれのアリーレンおよびヘテロアリーレンは、1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる基RQcを有してよく、その際、
10は、L2について示した意味の一つを有する;
11は、L1について示した意味の一つを有する;
12は、L3について示した意味の一つを有する;
13は、L4について示した意味の一つを有する;
または、
Qは、a+b+cの合計が3である場合に、三価のリンカーであり、前記リンカーは、C1〜C30−アルカントリイル、C2〜C30−アルケントリイル、C3〜C16−シクロアルカントリイル、ヘテロシクロアルカントリイル、C6〜C20−アレーントリイル、ヘテロアレーントリイル、C1〜C30−アルカントリイル−L14−L15、C2〜C30−アルケントリイル−L14−L15、C1〜C30−アルキレン−L14−L16、C2〜C30−アルケントリイル−L14−L15、C2〜C30−アルケニレン−L14−L16、C3〜C16−シクロアルカントリイル−L14−L11−C3〜C16−シクロアルキレン、C3〜C16−シクロアルカントリイル−L14−L15−C6〜C20−アリーレン、C6〜C20−アレーントリイル−L14−L15−C6〜C20−アリーレンおよびC6〜C20−アリーレン−L14−L15−C3〜C16−シクロアルカントリイルから選択され、その際、
それぞれのアルカントリイル、それぞれのアルキレン、それぞれのアルケントリイルおよびそれぞれのアルケニレンは、1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる基L17によって中断されていてよく、かつ/または1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる基RQaを有してよく、
それぞれのシクロアルカントリイル、それぞれのシクロアルキレン、それぞれのヘテロシクロアルカントリイルおよびそれぞれのヘテロシクロアルキレンは、1もしくはそれより多くのCO基によって中断されていてよく、かつ/または1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる基RQbを有してよく、
それぞれのアレーントリイル、それぞれのアリーレン、それぞれのヘテロアレーントリイルおよびそれぞれのヘテロアリーレンは、1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる基RQcを有してよく、その際、
14は、L1について示した意味の一つを有する;
15は、L2について示した意味の一つを有する;
16は、C6〜C20−アレーントリイル、ヘテロアレーントリイル、C3〜C20−シクロアルカントリイルおよびヘテロシクロアルカントリイルであり、その際、
そのシクロアルカントリイルおよびヘテロシクロアルカントリイルは、1もしくはそれより多くのCOによって中断されていてよく、かつ/または1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる基RL16bによって置換されていてよく、
そのアレーントリイルおよびヘテロアレーントリイルは、1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる基RL16cによって置換されていてよく、その際、
L16bは、RL2bについて示した意味の一つを有する;
L16cは、RL2cについて示した意味の一つを有する;
17は、L4について示した意味の一つを有する;
Qは、a+b+cの合計が4である場合に、四価のリンカーであり、前記リンカーは、C1〜C30−アルカンテトライルから選択され、前記アルカンテトライルは、1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる基L18によって中断されていてよく、かつ/または1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる基RQaを有してよく、その際、
18は、L17について示した意味の一つを有する;
Qは、a+b+cの合計が6である場合に、六価のリンカーであり、前記リンカーは、C2〜C30−アルカンヘキサイルから選択され、前記アルカンヘキサイルは、1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる基L19によって中断されていてよく、かつ/または1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる基RQaを有してよく、その際、
19は、L17について示した意味の一つを有する;
1は、C1〜C20−アルキル、C2〜C20−アルケニル、C2〜C20−アルキニル、C3〜C20−シクロアルキル、ヘテロシクリル、C6〜C20−アリール、ヘテロアリール、C1〜C20−アルカノイル、C3〜C20−シクロアルカノイル、C2〜C20−アルケノイル、C6〜C20−アロイル、CSNR1213、C(O)OR9またはCSOR9であり、その際、
1〜C20−アルキル、C2〜C20−アルケニルおよびC2〜C20−アルキニルは、1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる、−O−、−S−、−N(R6)−およびCOから選択される基によって中断されていてよく、かつ/または1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる基R1aを有してよく、
3〜C20−シクロアルキルおよびヘテロシクリルは、1もしくはそれより多くのCO基によって中断されていてよく、かつ/または1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる基R1bを有してよく、
6〜C20−アリールおよびヘテロアリールは、1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる基R1cを有してよく、
1〜C20−アルカノイルおよびC2〜C20−アルケノイルは、1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる基R1aを有してよく、
3〜C20−シクロアルカノイルは、1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる基R1bを有してよく、
6〜C20−アロイルは、1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる基R1dを有してよく、その際、
1aは、互いに独立して、F、Cl、Br、I、CN、SR4、OR5、NR67、COR8、COOR9、CONR1011、1もしくはそれより多くのCO基によって中断されていてよいC3〜C20−シクロアルキル、1もしくはそれより多くのCO基によって中断されていてよいヘテロシクリル、ヘテロアリールおよびC6〜C10−アリールから選択され、その際、前記の最後に挙げた4つの基は、1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる基R1aaを有してよく、その際、
1aaは、互いに独立して、C1〜C12−アルキル、CO、O、S、C(O)O、OC(O)、C(O)SおよびSC(O)から選択される1もしくはそれより多くの基によって中断されていてよいC1〜C12−アルキル、C1〜C12−ハロアルキル、C1〜C12−ヒドロキシアルキル、C2〜C12−アルケニル、F、Cl、Br、I、NO2、SR4、OR5、NR67、COR8、COOR9およびCONR1011から選択される;
1bは、互いに独立して、F、Cl、Br、I、CN、SR4、OR5、NR67、COR8、COOR9、CONR1011、C1〜C12−アルキル、C1〜C12−ヒドロキシアルキル、C1〜C12−ハロアルキル、C2〜C12−アルケニル、ヘテロアリールおよびC6〜C10−アリールから選択され、その際、前記の最後に挙げた2つの基は、1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる基R1baを有してよく、そのR1baは、R1aaについて示した意味の一つを有する;
1cは、互いに独立して、C1〜C12−アルキル、C1〜C12−ハロアルキル、C1〜C12−ヒドロキシアルキル、C2〜C12−アルケニル、F、Cl、Br、I、CN、NO2、SR4、OR5、NR67、COR8、COOR9、CONR1011、フェニル、ヘテロアリール、ヘテロシクリルおよびC3〜C10−シクロアルキルから選択され、その際、前記の最後に挙げた2つの基は、1もしくは2つのC=O基によって中断されていてよく、かつフェニル、ヘテロアリール、ヘテロシクリルおよびC3〜C10−シクロアルキルは、1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる基R1caを有してよく、そのR1caは、R1aaについて示した意味の一つを有する;
1dは、互いに独立して、C1〜C12−アルキル、C1〜C12−ハロアルキル、C1〜C12−ヒドロキシアルキル、C2〜C12−アルケニル、F、Cl、Br、I、CN、SR4、OR5、NR67、COR8、COOR9、CONR1011、1もしくはそれより多くのCO基によって中断されていてよいC3〜C20−シクロアルキル、1もしくはそれより多くのCO基によって中断されていてよいヘテロシクリル、C6〜C10−アリールおよびヘテロアリールから選択され、その際、前記の最後に挙げた4つの基は、1もしくはそれより多くの基R1daを有してよく、そのR1daは、R1aaについて示した意味の一つを有する;
または、
bが2、3、4または6であり、かつ/またはcが2、3、4または6である場合に、2つの基R1は、一緒になって、二価の橋かけ基であってその両端の結合の間に1〜20個の原子を有する橋かけ基であってよく、
または
bが2、3、4または6である場合に、少なくとも1つの基−X−R1は、Qの炭素原子もしくは窒素原子へと、二価の橋かけ基であってその両端の結合の間に1〜10個の原子を有する橋かけ基を介して結合されていてよく、
2は、水素、SR4、OR5、NR114、COR8、SO24、COOR9、CONR1011、SO2NR1011、PO(OR92、CN、C1〜C16−アルキル、C2〜C20−アルケニル、C2〜C20−アルキニル、C3〜C20−シクロアルキル、ヘテロシクリル、C6〜C20−アリール、ヘテロアリール、C1〜C20−アルカノイル、C2〜C20−アルケノイル、C3〜C20−シクロアルカノイル、C6〜C20−アロイルまたは基Eであり、その際、
1〜C16−アルキル、C2〜C20−アルケニルおよびC2〜C20−アルキニルは、1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる、−O−、−S−、−N(R6)−およびCOから選択される基によって中断されていてよく、かつ/または1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる基R2aを有してよく、その際、
3〜C20−シクロアルキルおよびヘテロシクリルは、1もしくはそれより多くのCO基によって中断されていてよく、かつ/または1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる基R2bを有してよく、
6〜C20−アリールおよびヘテロアリールは、1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる基R2cを有してよく、
1〜C20−アルカノイルおよびC2〜C20−アルケノイルは、1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる基R2aを有してよく、
3〜C20−シクロアルカノイルは、1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる基R2bを有してよく、
6〜C20−アロイルは、1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる基R2dを有してよく、その際、
2aは、互いに独立して、F、Cl、Br、I、CN、SR4、OR5、NR67、COR8、COOR9、CONR1011、1もしくはそれより多くのCO基によって中断されていてよいC3〜C20−シクロアルキル、1もしくはそれより多くのCO基によって中断されていてよいヘテロシクリル、ヘテロアリールおよびC6〜C10−アリールから選択され、その際、前記の最後に挙げた4つの基は、1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる基R2aaを有してよく、そのR2aaは、互いに独立して、C1〜C12−アルキル、CO、O、S、C(O)O、OC(O)、C(O)SおよびSC(O)から選択される1もしくはそれより多くの基によって中断されていてよいC1〜C12−アルキル、C1〜C12−ハロアルキル、C1〜C12−ヒドロキシアルキル、C2〜C12−アルケニル、フェニル、F、Cl、Br、I、CN、NO2、SR4、OR5、NR67、COR8、COOR9およびCONR1011から選択される;
2bは、R1bについて示した意味の一つを有する;
2cは、R1cについて示した意味の一つを有する;
2dは、R1dについて示した意味の一つを有する;
Eは、
【化12】
から選択され、前記式中、
#は、分子の残部への結合点である;
dは、0、1、2、3または4である;
eは、0、1または2である;
fは、0、1または2である;
gは、0、1、2、3または4である;
2eは、R2cについて示した意味の一つを有する;
2fは、C1〜C20−アルキレン−COO-、C2〜C20−アルケニレン−COO-、C2〜C20−アルキニレン−COO-、C3〜C20−シクロアルキレン−COO-、ヘテロシクロアルキレン−COO-、C6〜C20−アリーレン−COO-、ヘテロアリーレン−COO-、C1〜C20−アルキレン−S(O2)O-、C2〜C20−アルケニレン−S(O2)O-、C2〜C20−アルキニレン−S(O2)O-、C3〜C20−シクロアルキレン−S(O2)O-、ヘテロシクロアルキレン−S(O2)O-、C6〜C20−アリーレン−S(O2)O-、ヘテロアリーレン−S(O2)O-、C1〜C20−アルキレン−OS(O2)O-、C2〜C20−アルケニレン−OS(O2)O-、C2〜C20−アルキニレン−OS(O2)O-、C3〜C20−シクロアルキレン−OS(O2)O-、ヘテロシクロアルキレン−OS(O2)O-、C6〜C20−アリーレン−OS(O2)O-またはヘテロアリーレン−OS(O2)O-であり、その際、
それぞれのアルキレン、それぞれのアルケニレンおよびそれぞれのアルキニレンは、1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる、−O−、−S−、−N(R6)−およびCOから選択される基によって中断されていてよく、かつ/または1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる基R2aを有してよく、
それぞれのシクロアルキレンおよびそれぞれのヘテロシクロアルキレンは、1もしくは2つの基COによって中断されていてよく、かつ/または1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる基R2bを有してよく、
それぞれのアリーレンおよびそれぞれのヘテロアリーレンは、1もしくはそれより多くの基R2cを有してよく、
An-は、Cl-、Br-、I-、SCN-、BF4-、PF6-、ClO4-、SbF6-、AsF6-、C1〜C20−アルキル−COO-、C1〜C20−アルキル−S(O)2-、C1〜C20−アルキル−OS(O)2-、C6〜C20−アリール−COO-、C6〜C20−アリール−S(O)2-またはC6〜C20−アリール−OS(O)2-であり、その際、前記の最後に挙げた3つの基のアリール部は、1、2、3または4個の同一もしくは異なるC1〜C20−アルキルによって置換されていてよい;
または、
−R2は、−X−R1と一緒になって、X−(C1〜C20−アルキレン)−Y、X−(C2〜C20−アルケニレン)−Y、X−(C3〜C20−シクロアルキレン)−Y、X−(ヘテロシクロアルキレン)−Y、X−(o−フェニレン)−Y、X−(o−キシレン)−Y、X−(o−フェニレン−C1〜C12−アルキレン)−Y、X−(C1〜C12−アルキレン−o−フェニレン)−Y、X−(O−C1〜C20−アルキレン)−Y、X−(S−C1〜C20−アルキレン)−YまたはX−(N(R6)−C1〜C20−アルキレン)−Yであってよく、その際、Yは、Xを有するオキシム炭素原子に結合され、その際、
それぞれのアルキレンおよびアルケニレンは、1もしくはそれより多くの同一または異なる、O、S、NR6およびCOから選択される基を有してよく、かつ/または1もしくはそれより多くの基R2gによって置換されていてよく、
シクロアルキレンおよびヘテロシクロアルキレンは、1もしくはそれより多くの基COによって中断されていてよく、かつ/または1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる基R2hによって任意に置換されていてよく、
それぞれのフェニレンおよびo−キシリレンのフェニレン部は、1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる基R2hによって置換されていてよく、その際、
Yは、O、S、NR14、CO、SC(O)、OC(O)、C(O)O、NR10C(O)、C(O)NR10、NR10SO2または単結合である;
2gは、互いに独立して、F、Cl、Br、I、SR4、OR5、NR67、COR8、COOR9、CONR1011、ヘテロアリールおよびC6〜C10−アリールから選択され、その際、前記の最後に挙げた2つの基は、1もしくはそれより多くの基R2gaを有してよく、そのR2gaは、フェノキシであるか、またはR1aaについて示した意味の一つを有する;
2hは、互いに独立して、F、Cl、Br、I、SR4、OR5、NR67、COR8、COOR9、CONR1011、C1〜C12−アルキル、C1〜C12−ハロアルキル、ヘテロアリールおよびC6〜C10−アリールから選択され、その際、前記の最後に挙げた2つの基は、1もしくはそれより多くの基R2haを有してよく、そのR2haは、R1aaについて示した意味の一つを有する;
または、
XがSである場合に、−R2は、−S−R1と一緒になって、S−C(S)−NR12−C(O)またはS−C(=NOR15)−C(O)−NR12−C(O)であってよく、その際、R15は、水素またはフェニルスルホニルであり、その際、フェニル部は、C1〜C4−アルキルもしくはC1〜C4−アルコキシによって置換されていてよく、
または、
aが2、3、4または6であり、かつ/またはcが2、3、4または6である場合に、2つの基R2は、一緒になって、二価の橋かけ基であってその両端の結合の間に1〜20個の原子を有する橋かけ基であってよい;
3は、C1〜C20−アルキル、C2〜C20−アルケニル、C2〜C20−アルキニル、C3〜C20−シクロアルキル、ヘテロシクリル、C6〜C20−アリールまたはヘテロアリールであり、その際、
1〜C20−アルキル、C2〜C20−アルケニルおよびC2〜C20−アルキニルは、1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる、−O−、−S−、−N(R6)−およびCOから選択される基によって中断されていてよく、かつ/または1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる基R3aを有してよく、
3〜C20−シクロアルキルおよびヘテロシクリルは、1もしくはそれより多くのCO基によって中断されていてよく、かつ/または1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる基R3bを有してよく、
6〜C20−アリールおよびヘテロアリールは、1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる基R3cを有してよく、その際、
3aは、R2aについて示した意味の一つを有する;
3bは、R1bについて示した意味の一つを有する;
3cは、R1cについて示した意味の一つを有する;
または、
−X−R1およびR3は、一緒になって、X−(C1〜C20−アルキレン)−Z、X−(C2〜C20−アルケニレン)−Z、X−(C3〜C20−シクロアルキレン)−Z、X−(ヘテロシクロアルキレン)−Z、X−(o−フェニレン)−Z、X−(o−キシリレン)−Z、X−(C0〜C12−アルキレン−ヘテロアリーレン−C0〜C12−アルキレン)−Z、X−(o−フェニレン−C1〜C12−アルキレン)−Z、X−(C1〜C12−アルキレン−o−フェニレン)−ZおよびS−C(S)−NR12−C(O)から選択される二価の基を形成してよく、その際、
Zは、スルホネート基の硫黄原子に結合され、その際、
それぞれのアルキレンおよびそれぞれのアルケニレンは、1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる、O、S、NR6およびCOから選択される基によって中断されていてよく、かつ/または1もしくはそれより多くの基R3gによって置換されていてよく、
それぞれのシクロアルキレンおよびそれぞれのヘテロシクロアルキレンは、1もしくはそれより多くの基COによって中断されていてよく、かつ/または1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる基R3hによって任意に置換されていてよく、
それぞれのフェニレンおよびo−キシリレンのフェニレン部は、1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる基R3hによって置換されていてよく、その際、
3gは、R2gについて示した意味の一つを有する;
3hは、R2hについて示した意味の一つを有する;および
Zは、O、S、NR14、CO、OC(O)、SC(O)、C(O)O、NR10C(O)、C(O)NR10、NR10(SO2)または単結合である;
4は、互いに独立して、水素、C1〜C20−アルキル、C2〜C12−アルケニル、
3〜C10−シクロアルキル、ヘテロシクリル(前記の最後に挙げた2つの基は、1もしくはそれより多くのC=O基によって中断されていてよい)、
1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる、−O−、−S−、−N(C1〜C8−アルキル)−およびCOから選択される基によって中断されており、かつ/または1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる基R4aを有してよい、C1〜C20−アルキル、
1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる、−O−、−S−および−N(C1〜C8−アルキル)−から選択される基によって中断された、C2〜C12−アルケニル、
−(CH2CH2O)mH[式中、mは、1〜20である]、
−(CH2CH2O)n(CO)−(C1〜C8−アルキル)[式中、nは、1〜20である]、
2〜C8−アルカノイル、C3〜C6−アルケノイル(前記の最後に挙げた2つの基は、1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる、F、Cl、Br、I、OHもしくはC1〜C6−アルコキシから選択される基によって置換されていてよい)、
1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる、F、Cl、Br、I、C1〜C6−アルキル、−OHもしくはC1〜C6−アルコキシから選択される基によって置換されていてよい、ベンゾイル、
フェニルおよびナフチル(前記の最後に挙げた2つの基は、1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる基R4cによって置換されていてよい)、
SR4が結合されているフェニル環と単結合、C1〜C4−アルキレン、O、S、NR6もしくはCOを介して5員環もしくは6員環を形成するフェニル、または
SR4が結合されているフェニル環と単結合、C1〜C4−アルキレン、O、S、NR6もしくはCOを介して5員環もしくは6員環を形成するナフチル
から選択され、その際、
4aは、互いに独立して、F、Cl、Br、I、C3〜C10−シクロアルキル、ヘテロシクリル、フェニル、OH、SH、CN、C3〜C6−アルケンオキシ、OCH2CH2CN、OCH2CH2(CO)O(C1〜C8−アルキル)、O(CO)−(C1〜C8−アルキル)、O(CO)−フェニル、(CO)OHおよび(CO)O(C1〜C8−アルキル)から選択される;
4cは、互いに独立して、F、Cl、Br、I、C1〜C12−アルキル、C1〜C12−ハロアルキル、C1〜C12−アルコキシ、フェニル−C1〜C3−アルコキシ、フェノキシ、C1〜C12−アルキルスルファニル、フェニルスルファニル、−(CO)O(C1〜C8−アルキル)、(CO)N(C1〜C8−アルキル)2およびフェニルから選択される;
5は、互いに独立して、水素、C1〜C20−アルキル、C2〜C12−アルケニル、
3〜C10−シクロアルキル、ヘテロシクリル(前記の最後に挙げた2つの基は、1もしく2つのC=O基によって中断されていてよい)、
1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる、−O−、−S−、−N(C1〜C8−アルキル)−およびCOから選択される基によって中断されており、かつ/または1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる基R5aを有してよい、C1〜C20−アルキル、
1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる、−O−、−S−および−N(C1〜C8−アルキル)−から選択される基によって中断された、C2〜C12−アルケニル、
−(CH2CH2O)mH[式中、mは、1〜20である]、
−(CH2CH2O)n(CO)−(C1〜C8−アルキル)[式中、nは、1〜20である]、
2〜C8−アルカノイル、C3〜C6−アルケノイル(前記の最後に挙げた2つの基は、1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる、F、Cl、Br、I、OHもしくはC1〜C6−アルコキシから選択される基によって置換されていてよい)、
1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる、−O−および−S−から選択される基によって中断されており、かつ1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる、ヒドロキシアミニレン(=N−OH)、F、Cl、Br、I、OHおよびC1〜C6−アルコキシから選択される基によって置換されていてよい、C2〜C8−アルカノイル、
1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる、F、Cl、Br、I、C1〜C6−アルキル、−OHもしくはC1〜C6−アルコキシから選択される基によって置換されていてよい、ベンゾイル、
フェニルおよびナフチル(前記の最後に挙げた2つの基は、1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる基R5cによって置換されていてよい)、
OR5が結合されているフェニル環と単結合、C1〜C4−アルキレン、O、S、NR6もしくはCOを介して5員環もしくは6員環を形成するフェニル、または
OR5が結合されているフェニル環と単結合、C1〜C4−アルキレン、O、S、NR6もしくはCOを介して5員環もしくは6員環を形成するナフチル
から選択され、その際、
5aは、R4aについて示した意味の一つを有する;
5cは、R4cについて示した意味の一つを有する;
6、R10およびR12は、互いに独立して、水素、OR5、C1〜C20−アルキル、C2〜C12−アルケニル、
3〜C10−シクロアルキル、ヘテロシクリル(前記の最後に挙げた2つの基は、1もしくは2つのC=O基によって中断されていてよい)、
1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる、−O−、−S−、−N(C1〜C8−アルキル)−およびCOから選択される基によって中断されており、かつ/または1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる基R6aを有してよい、C1〜C20−アルキル、
1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる、−O−、−S−および−N(C1〜C8−アルキル)−から選択される基によって中断された、C2〜C12−アルケニル、
−(CH2CH2O)oH[式中、oは、1〜20である]、
−(CH2CH2O)p(CO)−(C1〜C8−アルキル)[式中、pは、1〜20である]、
2〜C8−アルカノイル、C3〜C6−アルケノイル(前記の最後に挙げた2つの基は、1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる、F、Cl、Br、I、OHもしくはC1〜C6−アルコキシから選択される基によって置換されていてよい)、
1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる、F、Cl、Br、I、C1〜C6−アルキル、−OHもしくはC1〜C6−アルコキシから選択される基によって置換されていてよい、ベンゾイル、
フェニルおよびナフチル(前記の最後に挙げた2つの基は、1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる基R6cによって置換されていてよい)、
6aは、R4aについて示した意味の一つを有する;
6cは、R4cについて示した意味の一つを有する;
または、
2つの基R6は、一緒になって、二価の橋かけ基であってその両端の結合の間に1〜20個の原子を有する橋かけ基であってよい;
または、
2つの基R10は、一緒になって、二価の橋かけ基であってその両端の結合の間に1〜20個の原子を有する橋かけ基であってよい;
または、
2つの基R12は、一緒になって、二価の橋かけ基であってその両端の結合の間に1〜20個の原子を有する橋かけ基であってよい;
7、R11およびR13は、互いに独立して、OR5、C1〜C20−アルキル、C2〜C12−アルケニル、
3〜C10−シクロアルキル、ヘテロシクリル(前記の最後に挙げた2つの基において、1もしくは2つのCH2基は、C=O基によって置き換えられてよい)、
1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる、−O−、−S−、−N(C1〜C8−アルキル)−およびCOから選択される基によって中断されており、かつ/または1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる基R7aを有してよい、C1〜C20−アルキル、
1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる、−O−、−S−および−N(C1〜C8−アルキル)−から選択される基によって中断された、C2〜C12−アルケニル、
−(CH2CH2O)qH[式中、qは、1〜20である]、
−(CH2CH2O)r(CO)−(C1〜C8−アルキル)[式中、rは、1〜20である]、
2〜C8−アルカノイル、C3〜C6−アルケノイル(前記の最後に挙げた2つの基は、1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる、F、Cl、Br、I、OHもしくはC1〜C6−アルコキシから選択される基によって置換されていてよい)、
1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる、F、Cl、Br、I、C1〜C6−アルキル、−OHもしくはC1〜C6−アルコキシから選択される基によって置換されていてよい、ベンゾイル、
フェニルおよびナフチル(前記の最後に挙げた2つの基は、1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる基R7cによって置換されていてよい)、
7aは、R4aについて示した意味の一つを有する;
7cは、R4cについて示した意味の一つを有する;
または、
6またはR7は、それらが結合される窒素原子と一緒になって、飽和の5員、6員もしくは7員の窒素複素環を形成し、前記環は、更に、CO、O、SおよびN(C1〜C8−アルキル)からなる群から選択される更なるヘテロ原子もしくはヘテロ原子基を環員として有してよく、かつ1、2、3もしくは4つのC1〜C4−アルキルを有してよい;
または、
10またはR11は、それらが結合される窒素原子と一緒になって、飽和の5員、6員もしくは7員の窒素複素環を形成し、前記環は、更に、CO、O、SおよびN(C1〜C8−アルキル)からなる群から選択される更なるヘテロ原子もしくはヘテロ原子基を環員として有してよく、かつ1、2、3もしくは4つのC1〜C4−アルキルを有してよい;
または、
12またはR13は、それらが結合される窒素原子と一緒になって、飽和の5員、6員もしくは7員の窒素複素環を形成し、前記環は、更に、CO、O、SおよびN(C1〜C8−アルキル)からなる群から選択される更なるヘテロ原子もしくはヘテロ原子基を環員として有してよく、かつ1、2、3もしくは4つのC1〜C4−アルキルを有してよい;
8は、互いに独立して、水素、C1〜C20−アルキル、C2〜C12−アルケニル、
3〜C10−シクロアルキル、ヘテロシクリル(前記の最後に挙げた2つの基は、1もしくはそれより多くのC=O基によって中断されていてよい)、
1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる、−O−、−S−、−N(C1〜C8−アルキル)−およびCOから選択される基によって中断されており、かつ/または1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる基R8aを有してよい、C1〜C20−アルキル、
1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる、−O−、−S−および−N(C1〜C8−アルキル)−から選択される基によって中断された、C2〜C12−アルケニル、
−(CH2CH2O)sH[式中、sは、1〜20である]、
−(CH2CH2O)t(CO)−(C1〜C8−アルキル)[式中、tは、1〜20である]、
6〜C20−アリールおよびヘテロアリール(前記の最後に挙げた2つの基は、1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる基R8cによって置換されていてよい)、
8aは、R4aについて示した意味の一つを有する;
8cは、R4cについて示した意味の一つを有する;
9は、互いに独立して、水素、C1〜C20−アルキル、C2〜C12−アルケニル、
3〜C10−シクロアルキル、ヘテロシクリル(前記の最後に挙げた2つの基は、1もしくはそれより多くのC=O基によって中断されていてよい)、
1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる、−O−、−S−、−N(C1〜C8−アルキル)−およびCOから選択される基によって中断されており、かつ/または1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる基R9aを有してよい、C1〜C20−アルキル、
1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる、−O−、−S−および−N(C1〜C8−アルキル)−から選択される基によって中断された、C2〜C12−アルケニル、
−(CH2CH2O)uH[式中、uは、1〜20である]、
−(CH2CH2O)v(CO)−(C1〜C8−アルキル)[式中、vは、1〜20である]、
フェニルおよびナフチル(前記の最後に挙げた2つの基は、1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる基R9cによって置換されていてよい)、
9aは、R4aについて示した意味の一つを有する;
9cは、R4cについて示した意味の一つを有する;
14は、C1〜C20−アルキル、C2〜C20−アルケニル、C2〜C20−アルキニル、C3〜C20−シクロアルキル、ヘテロシクリル、C6〜C20−アリール、ヘテロアリール、C1〜C20−アルカノイル、C2〜C20−アルケノイル、C3〜C20−シクロアルカノイル、C6〜C20−アロイル、CSNR1213またはCSOR9であり、その際、
1〜C20−アルキル、C2〜C20−アルケニルおよびC2〜C20−アルキニルは、1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる、−O−、−S−、−N(R6)−およびCOから選択される基によって中断されていてよく、かつ/または1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる基R14aを有してよく、その際、
3〜C20−シクロアルキルおよびヘテロシクリルは、1もしくはそれより多くのCO基によって中断されていてよく、かつ/または1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる基R14bを有してよく、その際、
6〜C20−アリール、ヘテロアリールは、1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる基R14cを有してよく、
1〜C20−アルカノイル、C2〜C20−アルケノイルは、1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる基R14aを有してよく、
3〜C20−シクロアルカノイルは、1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる基R14bを有してよく、
6〜C20−アロイルは、1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる基R14dを有してよく、その際、
14aは、R2aについて示した意味の一つを有する;
14bは、R1bについて示した意味の一つを有する;
14cは、R1cについて示した意味の一つを有する;
14dは、R1dについて示した意味の一つを有する;
または、
1は、R14と一緒になって、二価の橋かけ基であってその両端の結合の間に1〜20個の原子を有する橋かけ基であってよい;
または、
2つの基R14は、一緒になって、二価の橋かけ基であってその両端の結合の間に1〜20個の原子を有する橋かけ基であってよい]の少なくとも1種のオキシムスルホネート化合物と、
(b)少なくとも1種のエチレン性不飽和の重合性化合物と、
を含む重合性組成物に関する。
【0028】
式Iの化合物は、以下の化合物を除き新規である:
− 式Iで示され、その式中、aが1であり、b=c=0である場合に、X−R1がフェニルスルファニルであり、かつR2が5−(2−クロロ−4−トリフルオロメチル−フェノキシ)−2−ニトロ−フェニルであり、R3がメチルである化合物;
− 式Iで示され、その式中、aが1であり、b=c=0である場合に、X−R1およびR2が一緒になってN(CH3)−エチレン−N(CH3)であり、R3がフェニルまたはp−トリルである化合物;
− 式Iで示され、その式中、aが1であり、b=c=0である場合に、X−R1およびR2が一緒になってCON(ベンジル)−エチレン−Sであり、R3がフェニル、トリルまたはフルオロフェニルである化合物;
− 式Iで示され、その式中、aが1であり、b=c=0である場合に、X−R1が3,4,5−トリヒドロキシメチル−6−ヒドロキシメチル−テトラヒドロピラン−2−イルスルファニルであり、かつR2がベンジルであり、R3が4−メチルフェニルである化合物;
− 式Iで示され、その式中、aが1であり、b=c=0である場合に、X−R1およびR2が一緒になってN(CH3)−エチレン−Oであり、R3がp−トリルである化合物;
− 式Iで示され、その式中、aが1であり、b=c=0である場合に、X−R1およびR2が一緒になってN(CH3)−o−フェニレン−Sであり、R3がp−トリルである化合物;
− 式Iで示され、その式中、aが1であり、b=c=0である場合に、X−R1およびR2が一緒になってN(CH3)−プロピレンであり、R3がp−トリルである化合物;
− 式Iで示され、その式中、aが1であり、b=c=0である場合に、X−R1がSCH3であり、かつR2がプロピルまたはアリルであり、R3がp−トリルである化合物;
− 式Iで示され、その式中、aが1であり、b=c=0である場合に、X−R1がSCH3またはSC25であり、かつR2がメチルまたはエチルであり、R3がp−トリルである化合物;
− 式Iで示され、その式中、aが1であり、b=c=0である場合に、X−R1がN(CH3)CH2CH2OHであり、かつR2がフェニルであり、R3がp−トリルである化合物;
− 式Iで示され、その式中、aが1であり、b=c=0である場合に、X−R1がピペリジノまたはN(C252であり、かつR2がCNであり、R3がp−トリルである化合物;
− 式Iで示され、その式中、aが1であり、b=c=0である場合に、X−R1がN(CH32であり、かつR2が2,6−ジクロロフェニルであり、R3がメチルである化合物;
− 式Iで示され、その式中、aが1であり、b=c=0である場合に、X−R1がSC(S)NR1213であり、その際、NR1213がN(CH32、N(C252、モルホリノ、ピペリジノまたはピロリジノであり、かつR2がフェニル、3−ニトロフェニル、4−ニトロフェニルまたは4−クロロフェニルであり、R3がメチルである化合物;および
− 式Iで示され、その式中、aが1であり、b=c=0である場合に、X−R1およびR2が一緒になってS−(1,2−フェニレン)−COであり、かつR3がフェニルである化合物。
【0029】
従って、本発明の更なる一態様は、前記定義の、および以下に定義の、一般式(I)の新規化合物に関する。
【0030】
本発明の更なる一態様は、前記定義の組成物を、ディスプレイ用途のためのカラーフィルタの製造のために、LCDのためのスペーサーの製造のために、カラーフィルタおよびLCDのためのオーバーコート層の製造のために、LCDのためのシーラントの製造のために、様々なディスプレイ用途のための光学フィルムの製造のために、LCDのための異方性伝導性接着剤の製造のために、LCDのための絶縁層の製造のために、プラズマディスプレイパネル、エレクトロルミネッセンスディスプレイおよびLCDの製造プロセスにおいて構造もしくは層を生成するために、ソルダーマスクの製造のために、プリント回路基板の連続ビルドアップ層における誘電性層の製造のために用いる使用に関する。
【0031】
本発明の更なる一態様は、被覆された基材であって、少なくとも1つの表面上で前記定義の組成物により被覆されている基材に関する。
【0032】
本発明の更なる一態様は、赤色画素、緑色画素および青色画素ならびに黒色マトリックスであって、すべてが感光性樹脂と顔料とを含むものを透明基材上に提供することと、透明電極を、前記基材の表面上か、または前記カラーフィルタ層の表面上に提供することと、によって製造されるカラーフィルタであって、前記感光性樹脂が、多官能性のアクリレートモノマーと、有機ポリマーバインダーと、光重合開始剤と、前記定義の式Iのオキシムスルホネート化合物を熱硬化促進剤として含む前記カラーフィルタに関する。
【発明を実施するための形態】
【0033】
発明の詳細な説明
一般式Iの化合物は、SおよびNから選択される少なくとも1つのヘテロ原子が、オキシム炭素原子に結合されていることを特徴としている。前記一般式Iの化合物は、以下の好ましい特性:
− 硬化時間の短縮を可能にすること、
− 硬化温度の低減を可能にすること、
− 熱安定性、
− 重合されるべき組成物との高い相容性、
− 高い架橋密度、
− 高い硬化速度、
− 低い収縮性、
− 貯蔵安定性、および
− 長いポットライフ
の少なくとも1つを有する。
【0034】
表現“ハロゲン”は、それぞれの場合に、フッ素、臭素、塩素またはヨウ素、好ましくはフッ素、塩素または臭素、特にフッ素または塩素を示す。
【0035】
本発明の目的のためには、ハロゲンという用語は、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素、特にフッ素または塩素を示す。
【0036】
ここで使用される用語“アルキル”は、通常は、1〜4個の、1〜6個の、1〜8個の、1〜12個の、1〜16個の、または1〜30個の炭素原子を有する、飽和の直鎖状または分枝鎖状の炭化水素基を指す。アルキルは、好ましくはC1〜C12−アルキル、より好ましくはC1〜C8−アルキルである。アルキル基の例は特に、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、ネオ−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニル、n−デシル、n−ウンデシル、n−ドデシル、n−トリデシル、n−テトラデシル、n−ヘキサデシル、n−オクタデシル、およびn−エイコシルである。
【0037】
COおよび/またはヘテロ原子、例えば−O−、−S−および−N(R6)−によって中断されたアルキルは、例えば1回もしくはそれより多くの回数だけ、例えば1回、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回もしくは9回だけ、または1回もしくは2回だけ中断されている。アルキルが、例えば1回、2回、3回もしくは4回だけCOおよび/またはヘテロ原子、例えば−O−、−S−および−N(R6)−によって中断されている場合には、アルキルの少なくとも1つの内部メチレン基が、C(O)、O、SまたはN(R6)によって置き換えられている。すなわち、−O−、−S−、−N(R6)−およびCOは、該アルキル基の末端に配置されない。R6は、前記定義のとおりである。複数のO、SまたはNR6が存在する場合に、それらは、通常は隣接していない。すなわち、それらは、少なくとも1つのメチレン基によって互いに隔離されている。これらのO、SまたはNR6から選択される中断ヘテロ原子が複数、アルキル中に存在する場合には、これらのヘテロ原子は、通常は同一である。1もしくはそれより多くのO原子によって中断されたアルキルのための例は、−CH2−O−CH3、−CH2CH2−O−CH2CH3、−[CH2CH2O]y−CH3(yは、1〜9である)、−(CH2CH2O)yCH2CH3(yは、1〜9である)、−CH2−CH(CH3)−O−CH2−CH2CH3、−CH2−CH2CH(CH3)−O−CH2−CH2CH3、−CH2−CH2CH(CH3)−O−CH2CH3、−CH2−CH2CH(CH3)−O−CH3および−CH2CH(CH3)−O−CH2CH3である。当業者は、1個の酸素原子によって中断されたアルキルは、アルコキシ−アルキルを指しうること、または2個の酸素原子によって中断されたアルキルは、アルコキシ−アルコキシ−アルキルを指しうることを容易に理解する。同様に、1個の硫黄原子によって中断されたアルキルは、アルキル−S−アルキル(アルキルスルファニル−アルキル)を指しうる、または2個の硫黄原子によって中断されたアルキルは、アルキル−S−アルキル−S−アルキル(アルキルスルファニル−アルキルスルファニル−アルキル)を指しうる。
【0038】
置換されたアルキル基は、アルキル鎖の鎖長に依存して、1もしくはそれより多くの(例えば1、2、3、4、5、6、7、8または9以上の)同一もしくは異なる置換基を有する。
【0039】
シクロアルキルによって置換されたアルキルであって、そのシクロアルキルが1つのCO基によって中断され、かつ1もしくはそれより多くのアルキル基を有するものの一例は、カンフォリル、特にカンファー−10−イル
【化13】
[式中、*は、分子の残部への結合点である]である。
【0040】
ここで使用される用語“ハロアルキル”は、また“ハロゲンによって置換されていてよいアルキル”としても表現されるが、それは、直鎖状または分枝鎖状の炭化水素(前記のような)であって、これらの基における水素原子の幾つかまたは全てが、前記のハロゲン原子、特にフッ素、塩素および臭素によって置き換えられている基を指す。ハロアルキルのための例は、C1〜C20−フルオロアルキル、特にC1〜C6−フルオロアルキル、C1〜C20−クロロアルキル、特にC1〜C6−クロロアルキルおよびC1〜C20−ブロモアルキル、特にC1〜C6−ブロモアルキル、例えばクロロメチル、トリクロロメチル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、2,2,2−トリフルオロエチルおよび2−ブロモプロピルである。
【0041】
ここで使用される用語“アルコキシ”は、通常は、1〜4個の、1〜6個の、1〜8個の、1〜12個の、1〜16個の、または1〜20個の炭素原子を有する、飽和の直鎖状または分枝鎖状のアルキル基であって、分子の残部に酸素原子を介して結合される基を指す。例は、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブチルオキシ、s−ブチルオキシ、イソ−ブチルオキシ、t−ブチルオキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、2,4,4−トリメチルペンチルオキシ、2−エチルヘキシルオキシ、オクチルオキシ、ノニルオキシ、デシルオキシ、ドデシルオキシ、ヘキサデシルオキシ、オクタデシルオキシまたはイコシルオキシ、特にメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブチルオキシ、s−ブチルオキシ、イソ−ブチルオキシ、t−ブチルオキシ、特にメトキシである。
【0042】
ここで使用される用語“フェニルアルコキシ”は、好ましくは1〜4個の炭素原子を、特に1または2個の炭素原子を有するアルコキシ基を介して分子の残部に結合されるフェニルを指し、その例には、フェノキシメチル、1−フェノキシエチル、2−フェノキシエチルなどが含まれる。
【0043】
ここで使用される用語“アルキルスルファニル”は、通常は、1〜4個の、1〜6個の、1〜8個の、1〜12個の、1〜16個の、または1〜20個の炭素原子を有する、前記定義の飽和の直鎖状または分枝鎖状のアルキル基であって、分子の残部に硫黄原子を介して結合される基を指す。例は、メチルスルファニル、エチルスルファニル、プロピルスルファニル、イソプロピルスルファニル、n−ブチルスルファニル、s−ブチルスルファニル、イソブチルスルファニルおよびt−ブチルスルファニルである。
【0044】
ここで使用される用語“C1〜C20−アルカノイル”は、ホルミルおよび1〜19個の炭素原子を有する飽和の直鎖状もしくは分枝鎖状のアルキル基であって、カルボニル基の炭素原子を通じてそのアルキル基中の任意の位置で結合される基、例えばアセチル、プロパノイル、2−メチル−プロパノイル、ブタノイル、ペンタノイル、ヘキサノイルを指す。
【0045】
ここで使用される用語“C2〜C8−アルカノイル”(C1〜C7−アルキル−C(=O)−またはアルキルカルボニル)は、1〜7個の炭素原子を有する飽和の直鎖状もしくは分枝鎖状のアルキル基であって、カルボニル基の炭素原子を通じてそのアルキル基中の任意の位置で結合される基、例えばアセチル、プロパノイル、2−メチル−プロパノイル、ブタノイル、ペンタノイル、ヘキサノイルを指す。
【0046】
ここで使用される用語“C1〜C6−アルコキシカルボニル”(C1〜C6−アルキル−O−C(O)−)は、前記定義の1〜6個の炭素原子を有する飽和の直鎖状もしくは分枝鎖状のアルコキシ基であって、カルボニル基の炭素原子を通じて分子の残部に結合される基を指す。例は、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニルまたはペントキシカルボニルである。
【0047】
ここで使用される用語“アルケニル”は、2〜30個の、好ましくは2〜20個の、より好ましくは2〜10個の炭素原子を有し、1もしくはそれより多くの、例えば1、2、3または2より多くの二重結合を有する一不飽和または多不飽和の直鎖状もしくは分枝鎖状の炭化水素基、例えば1つの二重結合を有するC2〜C6−アルケニル、例えばエテニル、1−プロペニル、2−プロペニル、1−メチルエテニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、1−メチル−1−プロペニル、2−メチル−1−プロペニル、1−メチル−2−プロペニル、2−メチル−2−プロペニル、または通常4〜10個の炭素原子を有し、かつ任意の位置に2つの二重結合を有するアルカジエニル、例えば1,3−ブタジエニル、1,3−ペンタジエニル、ヘキサ−1,4−ジエン−1−イル、ヘキサ−1,4−ジエン−3−イル、ヘキサ−1,4−ジエン−6−イル、ヘプタ−1,4−ジエン−7−イル、ヘプタ−1,5−ジエン−1−イルなどを指す。
【0048】
COおよび/またはヘテロ原子、例えば−O−、−S−および−N(R6)−によって中断されたアルケニルは、例えば1回もしくはそれより多くの回数だけ、例えば1回、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回もしくは9回だけ、または1回もしくは2回だけ中断されている。アルケニルが、COおよび/またはヘテロ原子、例えば−O−、−S−および−N(R6)−によって中断されている場合には、アルケニルの少なくとも1つの内部メチレン基が、C(O)、O、SまたはN(R6)によって置き換えられている。すなわち、−O−、−S−、−N(R6)−およびCOは、該アルケニル基の末端に配置されない。R6は、前記定義のとおりである。複数のO、SまたはNR6が存在する場合に、それらは、通常は隣接していない。すなわち、それらは、少なくとも1つのメチレン基によって互いに隔離されている。これらのO、SまたはNR6から選択される中断ヘテロ原子が複数、アルケニル中に存在する場合には、これらのヘテロ原子は、通常は同一である。
【0049】
置換されたアルケニル基は、アルケニル鎖の鎖長に依存して、1もしくはそれより多くの(例えば1、2、3、4、5、6、7、8または8より多くの)同一もしくは異なる置換基を有する。
【0050】
ここで使用される用語“ハロアルケニル”は、また“ハロゲンによって置換されていてよいアルケニル”としても表現されるが、それは、1もしくはそれより多くの二重結合を有する不飽和の直鎖状または分枝鎖状の炭化水素(前記のような)であって、これらの基における水素原子の幾つかまたは全てが、前記のハロゲン原子、特にフッ素、塩素および臭素によって置き換えられている基を指す。ハロアルケニルのための例は、C2〜C20−フルオロアルケニル、C2〜C20−クロロアルケニルおよびC2〜C20−ブロモアルケニルである。
【0051】
ここで使用される用語“C3〜C6−アルケンオキシ”は、前記定義の3〜6個の炭素原子を有する一不飽和もしくは二不飽和の直鎖状もしくは分枝鎖状のアルケニル基であって、分子の残部に酸素原子を介して結合される基を指す。例は、ビニルオキシ、1−プロペニルオキシ、2−プロペニルオキシ、1−メチルエテニルオキシ、1−ブテニルオキシ、2−ブテニルオキシ、3−ブテニルオキシ、1−メチル−1−プロペニルオキシ、2−メチル−1−プロペニルオキシ、1−メチル−2−プロペニルオキシ、2−メチル−2−プロペニルオキシ、1−ペンテニルオキシ、2−ペンテニルオキシ、3−ペンテニルオキシ、4−ペンテニルオキシ、1−メチル−1−ブテニルオキシ、2−メチル−1−ブテニルオキシ、3−メチル−1−ブテニルオキシ、1−メチル−2−ブテニルオキシ、2−メチル−2−ブテニルオキシ、3−メチル−2−ブテニルオキシ、1−メチル−3−ブテニルオキシ、2−メチル−3−ブテニルオキシ、3−メチル−3−ブテニル、1,1−ジメチル−2−プロペニルオキシ、1,2−ジメチル−1−プロペニルオキシ、1,2−ジメチル−2−プロペニルオキシ、1−エチル−1−プロペニルオキシ、1−エチル−2−プロペニルオキシ、1−ヘキセニルオキシ、2−ヘキセニルオキシ、3−ヘキセニルオキシ、4−ヘキセニルオキシおよび5−ヘキセニルオキシである。
【0052】
ここで使用される用語“C3〜C6−アルケノイル”(C2〜C5−アルケニル−C(O)−)は、前記定義の2〜5個の炭素原子を有する一不飽和もしくは二不飽和の直鎖状もしくは分枝鎖状のアルケニル基であって、カルボニル基の炭素原子を通じてそのアルケニル基中の任意の位置で結合される基、例えばプロペノイル、2−メチル−プロペノイル、ブテノイル、ペンテノイル、1,3−ペンタジエノイル、5−ヘキセノイルを指す。
【0053】
ここで使用される用語“アルキニル”は、通常2〜30個の、好ましくは2〜20個の、より好ましくは2〜10個の炭素原子と、1もしくはそれより多くの、例えば2、3もしくは4個の三重結合を有する不飽和の直鎖状もしくは分枝鎖状の炭化水素基、例えばエテニル、プロパルギル(2−プロピン−1−イル)、1−プロピン−1−イル、1−メチルプロピ−2−イン−1−イル、2−ブチン−1−イル、3−ブチン−1−イル、1−ペンチン−1−イル、3−ペンチン−1−イル、4−ペンチン−1−イル、1−メチルブチ−2−イン−1−イル、1−エチルプロピ−2−イン−1−イルなどを指す。
【0054】
COおよび/またはヘテロ原子、例えば−O−、−S−および−N(R6)−によって中断されたアルキニルは、例えば1回もしくはそれより多くの回数だけ、例えば1回、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回もしくは9回だけ、または1回もしくは2回だけ中断されている。アルキニルが、COおよび/またはヘテロ原子、例えば−O−、−S−および−N(R6)−によって中断されている場合には、アルキニルの少なくとも1つの内部メチレン基が、C(O)、−O−、−S−および−N(R6)−によって置き換えられている。すなわち、−O−、−S−、−N(R6)−およびCOは、該アルキニル基の末端に配置されない。R6は、前記定義のとおりである。複数のO、SまたはNR6が存在する場合に、それらは、通常は隣接していない。すなわち、それらは、少なくとも1つのメチレン基によって互いに隔離されている。これらのO、SまたはNR6から選択される中断ヘテロ原子が複数、アルキニル中に存在する場合には、これらのヘテロ原子は、通常は同一である。
【0055】
置換されたアルキニル基は、アルキニル鎖の鎖長に依存して、1もしくはそれより多くの(例えば1、2、3、4、5または5より多くの)同一もしくは異なる置換基を有する。
【0056】
ここで使用される用語“ハロアルキニル”は、また“ハロゲンによって置換されていてよいアルキニル”としても表現されるが、それは、1もしくはそれより多くの三重結合を有する不飽和の直鎖状または分枝鎖状の炭化水素(前記のような)であって、これらの基における水素原子の幾つかまたは全てが、前記のハロゲン原子、特にフッ素、塩素および臭素によって置き換えられている基を指す。ハロアルキニルのための例は、C2〜C20−フルオロアルキニル、C2〜C20−クロロアルキニルおよびC2〜C20−ブロモアルキニルである。
【0057】
ここで使用される用語“C3〜C6−アルキニルオキシ”は、前記定義の3〜6個の炭素原子を有する一不飽和もしくは二不飽和の直鎖状もしくは分枝鎖状のアルキニル基であって、分子の残部に酸素原子を介して結合される基、例えば2−プロピニルオキシ、2−ブチニルオキシ、3−ブチニルオキシ、1−メチル−2−プロピニルオキシ、2−ペンチニルオキシ、3−ペンチニルオキシ、4−ペンチニルオキシ、1−メチル−2−ブチニルオキシ、1−メチル−3−ブチニルオキシ、2−メチル−3−ブチニルオキシ、1−エチル−2−プロピニルオキシ、2−ヘキシニルオキシ、3−ヘキシニルオキシ、4−ヘキシニルオキシ、5−ヘキシニルオキシ、1−メチル−2−ペンチニルオキシおよび1−メチル−3−ペンチニルオキシを指す。
【0058】
ここで使用される用語“シクロアルキル”は、通常3〜30個の、好ましくは3〜20個の、より好ましくは3〜16個のもしくは3〜12個の炭素原子を、または特に3〜8個の炭素原子を有する、単環式または多環式の、例えば二環式のまたは三環式の脂肪族基を指す。単環式の環の例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルまたはシクロオクチル、特にシクロペンチルおよびシクロヘキシルである。多環式の環の例は、ペルヒドロアントラシル、ペルヒドロナフチル、ペルヒドロフルオレニル、ペルヒドロクリセニル、ペルヒドロピセニル、アダマンチル、ビシクロ[1.1.1]ペンチル、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル、ビシクロ[4.2.2]デシル、ビシクロ[2.2.2]オクチル、ビシクロ[3.3.0]オクチル、ビシクロ[3.3.2]デシル、ビシクロ[4.4.0]デシル、ビシクロ[4.3.2]ウンデシル、ビシクロ[4.3.3]ドデシル、ビシクロ[3.3.3]ウンデシル、ビシクロ[4.3.1]デシル、ビシクロ[4.2.1]ノニル、ビシクロ[3.3.1]ノニル、ビシクロ[3.2.1]オクチルなどである。シクロアルキルは、1もしくはそれより多くのCO基によって、通常は1もしくは2個の基によって中断されていてよい。1個のCOによって中断されたシクロアルキルのための一例は、3−オキソビシクロ[2.2.1]ヘプチルである。シクロアルキルが、1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる基によって置換されている場合に、それは、例えば一置換、二置換、三置換、四置換または五置換され、例えばC1〜C4−アルキルによって置換されている。シクロアルキルが、1もしくはそれより多くの置換基によって置換されている場合に、それは、例えば一置換、二置換、三置換、四置換または五置換されており、または五置換より多置換されている。
【0059】
ここで使用される用語“ヘテロシクリル”(ヘテロシクロアルキルとも呼ばれる)は、一般に、3員の、4員の、5員の、6員の、7員のまたは8員の、特に5員の、6員の、7員のまたは8員の単環式の複素環式の非芳香族基ならびに8員ないし10員の二環式の複素環式の非芳香族基を含み、前記の単環式のおよび二環式の非芳香族基は、飽和または不飽和であってよい。前記の単環式のおよび二環式の複素環式の非芳香族基は、通常は、1、2、3または4個のヘテロ原子を、特に1または2個の、N、OおよびSから選択されるヘテロ原子を、環員として含み、その際、環員としてのS原子は、S、SOまたはSO2として存在してよい。ヘテロシクロアルキルは、1もしくはそれより多くのCO基によって、通常は1もしくは2個の基によって中断されていてよい。ヘテロシクリルが、1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる基によって置換されている場合に、それは、例えば一置換、二置換、三置換、四置換または五置換されている。飽和または不飽和の3員の、4員の、5員の、6員の、7員のまたは8員の複素環式の基の例は、飽和のまたは不飽和の非芳香族の複素環式の環を含み、例えばオキシラニル、オキセタニル、チエタニル、チエタニル−S−オキシド(S−オキソチエタニル)、チエタニル−S−ジオキシド(S−ジオキソチエタニル)、ピロリジニル、ピラゾリニル、イミダゾリニル、ピロリニル、ピラゾリニル、イミダゾリニル、テトラヒドロフラニル、ジヒドロフラニル、1,3−ジオキソラニル、ジオキソレニル、チオラニル、S−オキソチオラニル、S−ジオキソチオラニル、ジヒドロチエニル、S−オキソジヒドロチエニル、S−ジオキソジヒドロチエニル、オキサゾリジニル、イソキサゾリジニル、オキサゾリニル、イソキサゾリニル、チアゾリニル、イソチアゾリニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、オキサチオラニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ピラニル、ジヒドロピラニル、テトラヒドロピラニル、1,3−および1,4−ジオキサニル、チオピラニル、S−オキソチオピラニル、S−ジオキソチオピラニル、ジヒドロチオピラニル、S−オキソジヒドロチオピラニル、S−ジオキソジヒドロチオピラニル、テトラヒドロチオピラニル、S−オキソテトラヒドロチオピラニル、S−ジオキソテトラヒドロチオピラニル、モルホリニル、チオモルホリニル、S−オキソチオモルホリニル、S−ジオキソチオモルホリニル、チアジニルなどを含む。環員として1もしくは2個のカルボニル基をも含む複素環式の環の例は、ピロリジン−2−オンイル、ピロリジン−2,5−ジオンイル、イミダゾリジン−2−オンイル、オキサゾリジン−2−オンイル、チアゾリジン−2−オンイルなどを含む。
【0060】
ヘテロシクリルが、1もしくはそれより多くの置換基によって置換されている場合に、それは、例えば一置換、二置換、三置換、四置換または五置換されており、または五置換より多置換されている。
【0061】
ここで使用される用語“C3〜C20−シクロアルカノイル”(C3〜C20−シクロアルキル−C(=O))は、3〜20個の炭素原子を有する単環式のまたは多環式の、例えば二環式のまたは三環式の脂肪族基であって、カルボニル基の炭素原子を通じてそのシクロアルキル基中の任意の位置で結合される基、例えばシクロブチルカルボニル、シクロペンチルカルボニル、シクロヘキシルカルボニルを指す。
【0062】
ここで使用される用語“アリール”は、6〜20個の環炭素原子を有する一価の芳香族基を指す。前記の用語アリールは、単環式の基、例えばフェニルまたは多環式の、例えば二環式の、三環式のもしくは四環式の基、例えばナフチル、フェナントレニルまたはアントラセニルを含む。アリールのための好ましい例は、フェニルおよびナフチルである。置換されたフェニルは、1回、2回、3回、4回または5回だけ置換されている。多環式の基は、通常は、1、2、3、4、5、6、7または8個の置換基によって、好ましくは1、2、3または4個の置換基によって置換されている。
【0063】
ここで使用される用語“C6〜C20−アロイル”(C6〜C20−アリール−C(=O))は、前記定義の6〜20個の環炭素原子を有する一価の芳香族基であって、カルボニル基の炭素原子を通じてそのアリール基中の任意の位置で結合される基、例えばベンゾイルおよびナフトイルを指す。
【0064】
用語“ヘテロアリール”(“ヘタリール”とも呼ばれる)は、一般に、5員のまたは6員の不飽和の単環式の複素環式の基ならびに8員ないし10員の不飽和の二環式の複素環式の基であって芳香族である基を含む。すなわち前記基は、ヒュッケル則(4n+2則)に従う。ヘタリールは、通常は、環員としての1もしくは複数の炭素原子の他に、1、2、3または4個の、N、OおよびSから選択されるヘテロ原子を環員として含む。5員または6員の複素芳香族基の例には、2−フリル、3−フリル、2−チエニル、3−チエニル、1−ピロリル、2−ピロリル、3−ピロリル、1−ピラゾリル、3−ピラゾリル、4−ピラゾリル、5−ピラゾリル、2−オキサゾリル、4−オキサゾリル、5−オキサゾリル、2−チアゾリル、4−チアゾリル、5−チアゾリル、3−イソキサゾリル、4−イソキサゾリルもしくは5−イソキサゾリル、3−イソチアゾリル、4−イソチアゾリルもしくは5−イソチアゾリル、1−イミダゾリル、2−イミダゾリル、4−イミダゾリル、2−もしくは5−[1,3,4]オキサジアゾリル、4−もしくは5−(1,2,3−オキサジアゾール)イル、3−もしくは5−(1,2,4−オキサジアゾール)イル、2−もしくは5−(1,3,4−チアジアゾール)イル、2−もしくは5−(1,3,4−チアジアゾール)イル、4−もしくは5−(1,2,3−チアジアゾール)イル、3−もしくは5−(1,2,4−チアジアゾール)イル、1H−、2H−もしくは3H−1,2,3−トリアゾール−4−イル、1,3,4−トリアゾール−2−イル、2H−トリアゾール−3−イル、1H−、2−もしくは4H−1,2,4−トリアゾリル、1H−もしくは2H−テトラゾリル、2−ピリジニル、3−ピリジニル、4−ピリジニル、3−ピリダジニル、4−ピリダジニル、2−ピリミジニル、4−ピリミジニル、5−ピリミジニルおよび2−ピラジニルが含まれる。ヘテロアリールが、1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる基によって置換されている場合に、それは、例えば一置換、二置換、三置換、四置換または五置換されている。
【0065】
前記用語“ヘテロアリール”は、また、環員として1、2または3個のN、OおよびSから選択されるヘテロ原子を含む二環式の8員ないし10員の複素芳香族基を含み、5員または6員の複素芳香族環は、フェニル環にまたは5員もしくは6員の複素芳香族環に縮合されている。フェニル環または5員もしくは6員の複素芳香族基に縮合された5員または6員の複素芳香族環の例には、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、インドリル、インダゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサチアゾリル、ベンゾオキサジアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾオキサジニル、キノリニル、イソキノリニル、プリニル、1,8−ナフチリジル、プテリジル、ピリド[3,2−d]ピリミジルまたはピリドイミダゾリルなどが含まれる。これらの縮合されたヘタリール基は、分子の残部へ5員もしくは6員の複素芳香族環の任意の環原子を介してまたは縮合されたフェニル部の炭素原子を介して結合されていてよい。
【0066】
ヘテロアリールが、1もしくはそれより多くの置換基によって置換されている場合に、それは、例えば一置換、二置換、三置換、四置換または五置換されており、または五置換より多置換されている。
【0067】
ここで使用される用語“C1〜C30−アルキレン”(またはアルカンジイル)は、それぞれの場合に、前記定義の1〜30個の炭素原子を有するアルキル基であって、そのアルキル基の任意の位置の1つの水素原子が、更なる1つの結合部位によって置き換えられることで、二価の基を形成する基を示す。従って、C1〜C20−アルキレンは、1〜20個の炭素原子を有する二価の分枝鎖状もしくは非分枝鎖状の飽和脂肪族鎖、例えば−CH2−、−CH2CH2−、−CH(CH3)−、−CH2CH2CH2−、−CH(CH3)CH2−、−CH2CH2CH2CH2−、−CH2CH(CH3)CH2−、−CH(CH3)CH(CH3)−、−CH2CH2CH2CH2CH2−、−CH2(CH22CH(CH3)−、−CH2C(CH32CH2−などである。
【0068】
前記の文言“それぞれのアルキレンは、−O−、−S−、−N(R6)−およびCOから選択される1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる基によって中断されていてよい”は、前記定義の通常1〜20個の炭素原子を有するアルキレン鎖であって、そのアルキレン鎖の少なくとも1つの内部メチレン基が、−O−、−S−、−N(R6)−またはCOによって置き換えられている鎖を示す。前記のアルキレン部は、例えば1、2、3、4、5個のまたは5個より多くの、O、S、NR6およびCOから選択される同一もしくは異なる基を含んでよい。R6は、前記定義のとおりである。複数のCO、O、SまたはNR6が存在する場合に、それらは、通常は隣接していない。すなわち、それらは、少なくとも1つのメチレン基によって互いに隔離されている。これらのO、SまたはNR6から選択される中断ヘテロ原子が複数、アルキレン中に存在する場合には、これらのヘテロ原子は、通常は同一である。
【0069】
前記のアルキレン基が、1もしくはそれより多くの置換基によって置換されている場合に、それは、例えば一置換、二置換、三置換、四置換または五置換されており、または五置換より多置換されている。
【0070】
ここで使用される用語“アルケニレン”(またはアルケンジイル)は、それぞれの場合に、前記定義の通常2〜30個の、好ましくは2〜20個の炭素原子を有する直鎖状もしくは分枝鎖状のアルケニル基であって、その炭素骨格の任意の位置の1つの水素原子が、更なる1つの結合部位によって置き換えられることで、二価の部を形成する基を示す。従って、C2〜C20−アルケニレンは、2〜20個の炭素原子を有する二価の直鎖状もしくは分枝鎖状の脂肪族鎖、例えばビニレン、プロペニレン、ブテ−1−エニレン、ブテ−2−エニレン、ペンタ−1,3−ジエニレンなどである。
【0071】
前記の文言“それぞれのアルケニレンは、−O−、−S−、−N(R6)−およびCOから選択される1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる基によって中断されていてよい”は、前記定義の通常2〜30個の、好ましくは2〜20個の炭素原子を有するアルケニレン鎖であって、そのアルケニレン鎖の少なくとも1つの内部メチレン基が、−O−、−S−、−N(R6)−またはCOによって置き換えられている鎖を示す。前記のアルケニレン部は、例えば1、2、3、4、5個のまたは5個より多くの、O、S、NR6およびCOから選択される同一もしくは異なる基を含んでよい。R6は、前記定義のとおりである。複数のO、SまたはNR6が存在する場合に、それらは、通常は隣接していない。すなわち、それらは、少なくとも1つのメチレン基によって互いに隔離されている。これらのO、SまたはNR6から選択される中断ヘテロ原子が複数、アルケニレン中に存在する場合には、これらのヘテロ原子は、通常は同一である。
【0072】
前記のアルケニレン基が、1もしくはそれより多くの置換基によって置換されている場合に、それは、例えば一置換、二置換、三置換、四置換または五置換されており、または五置換より多置換されている。
【0073】
ここで使用される用語“C2〜C30−アルキニレン”(またはアルキンジイル)は、それぞれの場合に、前記定義の2〜30個の炭素原子を有する直鎖状もしくは分枝鎖状のアルキニル基であって、その炭素骨格の任意の位置の1つの水素原子が、更なる1つの結合部位によって置き換えられることで、二価の部を形成する基を示す。従って、C2〜C20−アルキニレンは、2〜20個の炭素原子を有する二価の直鎖状もしくは分枝鎖状の脂肪族鎖である。
【0074】
前記の文言“それぞれのアルキニレンは、−O−、−S−、−N(R6)−およびCOから選択される1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる基によって中断されていてよい”は、前記定義の通常2〜30個の、好ましくは2〜20個の炭素原子を有するアルキニレン鎖であって、そのアルキニレン鎖の少なくとも1つの内部メチレン基が、−O−、−S−、−N(R6)−またはCOによって置き換えられている鎖を示す。前記のアルキニレン部は、例えば1、2、3、4、5個のまたは5個より多くの、O、S、NR6およびCOから選択される同一もしくは異なる基を含んでよい。R6は、前記定義のとおりである。複数のO、SまたはNR6が存在する場合に、それらは、通常は隣接していない。すなわち、それらは、少なくとも1つのメチレン基によって互いに隔離されている。これらのO、SまたはNR6から選択される中断ヘテロ原子が複数、アルキニレン中に存在する場合には、これらのヘテロ原子は、通常は同一である。
【0075】
前記のアルキニレン基が、1もしくはそれより多くの置換基によって置換されている場合に、それは、例えば一置換、二置換、三置換、四置換、五置換、六置換、七置換または八置換されており、または八置換より多置換されている。
【0076】
ここで使用される用語“C1〜C30−アルカントリイル”は、それぞれの場合に、前記定義の1〜30個の炭素原子を有するアルカンジイル基であって、そのアルカンジイルの任意の位置の1つの水素原子が、更なる1つの結合部位によって置き換えられることで、三価の基を形成する基を示す。従って、C1〜C20−アルカントリイルは、1〜20個の炭素原子を有する三価の分枝鎖状もしくは非分枝鎖状の飽和の脂肪族鎖である。アルカントリイルが、1もしくはそれより多くの置換基によって置換されている場合に、それは、例えば一置換、二置換、三置換、四置換または五置換されており、または五置換より多置換されている。
【0077】
用語“1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる基L17によって中断されていてよいC1〜C30−アルカントリイル”は、前記定義の1〜30個の、好ましくは1〜20個の炭素原子を有するアルカントリイルであって、そのアルキニレン鎖の少なくとも1つの内部メチレン基が、基L17によって置き換えられている基を示す。前記のアルカントリイル鎖部は、例えば1、2、3、4、5個のまたは5個より多くの同一もしくは異なる基L17を含んでよい。複数のOまたはSが中断基L17として存在する場合に、それらは、通常は隣接していない。すなわち、それらは、少なくとも1つのメチレン基によって互いに隔離されている。
【0078】
ここで使用される用語“C2〜C30−アルケントリイル”は、それぞれの場合に、前記定義の2〜30個の炭素原子を有するアルケンジイル基であって、そのアルケンジイルの任意の位置の1つの水素原子が、更なる1つの結合部位によって置き換えられることで、三価の基を形成する基を示す。従って、C2〜C20−アルケントリイルは、2〜20個の炭素原子を有する三価の分枝鎖状もしくは非分枝鎖状の不飽和の脂肪族鎖である。アルケントリイルが、1もしくはそれより多くの置換基によって置換されている場合に、それは、例えば一置換、二置換、三置換、四置換または五置換されており、または五置換より多置換されている。
【0079】
ここで使用される用語“C1〜C30−アルカンテトライル”は、それぞれの場合に、前記定義の1〜30個の炭素原子を有するアルカントリイル基であって、そのアルカントリイルの任意の位置の1つの水素原子が、更なる1つの結合部位によって置き換えられることで、四価の基を形成する基を示す。従って、C1〜C30−アルカンテトライルは、1〜30個の炭素原子を有する四価の分枝鎖状もしくは非分枝鎖状の飽和の脂肪族鎖である。アルカンテトライルが、1もしくはそれより多くの置換基によって置換されている場合に、それは、例えば一置換、二置換、三置換、四置換または五置換されており、または五置換より多置換されている。
【0080】
ここで使用される用語“C2〜C30−アルカンヘキサイル”は、それぞれの場合に、2〜30個の炭素原子を有するアルカンテトライル基であって、そのアルカンテトライルの任意の位置の2つの水素原子が、更なる1つの結合部位によって置き換えられることで、六価の基を形成する基を示す。従って、C2〜C30−アルカンヘキサイルは、2〜30個の炭素原子を有する六価の分枝鎖状もしくは非分枝鎖状の飽和の脂肪族鎖である。アルカンヘキサイルが、1もしくはそれより多くの置換基によって置換されている場合に、それは、例えば一置換、二置換、三置換、四置換または五置換されており、または五置換より多置換されている。
【0081】
ここで使用される用語“C3〜C16−シクロアルカンジイル”(シクロアルキレンとも呼ばれる)は、前記定義の3〜16個の炭素原子を有するシクロアルキル基であって、そのシクロアルキルの任意の位置の1つの水素原子が、更なる1つの結合部位によって置き換えられることで、二価の基を形成する基を示す。多環式のシクロアルカンジイルの場合に、それらの結合点は、同じ環中または異なる環中のいずれかに位置している。単環式の環の例は、シクロプロピレン、シクロブチレン、シクロペンチレン、シクロヘキシレンまたはシクロヘプチレン、特にシクロヘキシレンである。多環式の環の例は、ペルヒドロアントラシレン、ペルヒドロナフチレン、ペルヒドロフルオレニレン、ペルヒドロクリセニレン、ペルヒドロピセニレン、アダマンチレン、ビシクロ[1.1.1]ペンチレン、ビシクロ[2.2.1]ヘプチレン、ビシクロ[4.2.2]デシレン、ビシクロ[2.2.2]オクチレン、ビシクロ[3.3.2]デシレン、ビシクロ[4.3.2]ウンデシレン、ビシクロ[4.3.3]ドデシレン、ビシクロ[3.3.3]ウンデシレン、ビシクロ[4.3.1]デシレン、ビシクロ[4.2.1]ノニレン、ビシクロ[3.3.1]ノニレン、ビシクロ[3.2.1]オクチレンなどである。シクロアルカンジイルが、1もしくはそれより多くの置換基によって置換されている場合に、それは、例えば一置換、二置換、三置換、四置換または五置換されており、または五置換より多置換されている、例えばC1〜C4−アルキルによって置換されている。
【0082】
ここで使用される用語“C3〜C16−シクロアルカントリイル”は、前記定義の3〜16個の炭素原子を有するシクロアルケニル基であって、そのシクロアルカンジイルの任意の位置の1つの水素原子が、更なる1つの結合部位によって置き換えられることで、三価の基を形成する基を示す。多環式のシクロアルカントリイルの場合に、それらの結合点は、同じ環中または異なる環中のいずれかに位置している。シクロアルカントリイルが、1もしくはそれより多くの置換基によって置換されている場合に、それは、例えば一置換、二置換、三置換、四置換または五置換されており、または五置換より多置換されている。
【0083】
ここで使用される用語“C6〜C20−アリーレン”(アレーンジイルとも呼ばれる)は、前記定義のアリール基であって、そのアリール基の任意の位置の1つの水素原子が、更なる1つの結合部位によって置き換えられることで、二価の基を形成する基を示す。多環式のアリーレンの場合に、それらの結合点は、同じ環中または異なる環中のいずれかに位置している。アリーレンの例は、フェニレン、ナフチレン、アントラセンジイルまたはフェナントレンジイルである。アリーレンが、1もしくはそれより多くの置換基によって置換されている場合に、それは、例えば一置換、二置換、三置換、四置換または五置換されており、または五置換より多置換されている。
【0084】
前記の用語“フェニレン”は、1,2−フェニレン(o−フェニレンまたは1,2−ベンゼンジイル)、1,3−フェニレン(m−フェニレン、1,3−ベンゼンジイル)および1,4−フェニレン(p−フェニレンまたは1,4−ベンゼンジイル)を指す。前記の用語“ナフチレン”は、1,2−ナフチレン、1,3−ナフチレン、1,4−ナフチレン、1,5−ナフチレン、1,8−ナフチレン、2,3−ナフチレンおよび2,7−ナフチレンを指す。
【0085】
前記の用語“キシリレン”は、1,2−キシリレン(1,2−メチレンフェニレンメチレン、1,2−CH2−C64−CH2)、1,3−キシリレン(1,3−メチレンフェニレンメチレン、1,3−CH2−C64−CH2)および1,4−キシリレン(1,4−メチレンフェニレンメチレン、1,4−CH2−C64−CH2)を指す。
【0086】
ここで使用される用語“アレーントリイル”は、前記定義のアリーレン基であって、そのアリーレン基の任意の位置の1つの水素原子が、更なる1つの結合部位によって置き換えられることで、三価の基を形成する基を示す。多環式のアレーントリイルの場合に、それらの結合点は、同じ環中または異なる環中のいずれかに位置している。アレーントリイルの例は、1,2,4−ベンゼントリイル、1,3,5−ベンゼントリイル、1,3,5−ナフタレントリイル、1,4,5−ナフタレンジイル、アントラセントリイルまたはフェナントレントリイルである。アレーントリイルが、1もしくはそれより多くの置換基によって置換されている場合に、それは、例えば一置換、二置換、三置換、四置換または五置換されており、または五置換より多置換されている。
【0087】
前記の用語“ヘテロアレーンジイル”は、前記定義のヘテロアリール基であって、そのヘテロアリール基の任意の位置の1つの水素原子が、更なる1つの結合部位によって置き換えられることで、二価の基を形成する基を示す。多環式のヘテロアレーンジイルの場合に、それらの結合点は、同じ環中または異なる環中のいずれかに位置している。ヘテロアレーンジイルは、可能であれば、C結合型でもN結合型であってもよい。例えば、ピロールジイル、イミダゾールジイルまたはピラゾールジイルは、N結合型またはC結合型であってよい。ヘテロアレーンジイルのための例は、ピリジンジイル、ピリミジンジイル、ピリダジンジイル、1,2,3−トリアジンジイル、1,2,4−トリアジンジイル、1,2,3,4−テトラジンジイル、フランジイル、チオフェンジイル、ピロールジイル、チアゾールジイル、チアジアゾールジイル、ピラゾールジイル、イミダゾールジイル、トリアゾールジイル、オキサゾールジイル、イソキサゾールジイル、イソチアゾールジイル、オキサジアゾールジイルなどである。ヘテロアレーンジイルが、1もしくはそれより多くの置換基によって置換されている場合に、それは、例えば一置換、二置換、三置換、四置換または五置換されており、または五置換より多置換されている。
【0088】
ここで使用される用語“ヘテロアレーントリイル”は、前記定義のヘテロアレーンジイル基であって、そのヘテロアレーンジイル基の任意の位置の1つの水素原子が、更なる1つの結合部位によって置き換えられることで、三価の基を形成する基を示す。多環式のヘテロアレーントリイルの場合に、それらの結合点は、同じ環中または異なる環中のいずれかに位置している。ヘテロアレーントリイルが、1もしくはそれより多くの置換基によって置換されている場合に、それは、例えば一置換、二置換、三置換、四置換または五置換されており、または五置換より多置換されている。
【0089】
ここで使用される用語“Cn〜Cm−アルコキシ−Co〜Cp−アルキル”は、前記定義のn〜m個の炭素原子を有するアルコキシ基であって、分子の残部へ、前記定義のo〜p個の炭素原子を有するアルキレン基を介して結合されている基を指す。その例は、CH2OCH3、CH2OC25、n−プロポキシメチル、CH2OCH(CH32、n−ブトキシメチルである。
【0090】
ここで使用される用語“Ck〜Cl−アルコキシ−Cn〜Cm−アルコキシ−Co〜Cp−アルキル”は、前記定義のk〜l個の炭素原子を有するアルコキシ基であって、分子の残部へ、前記定義のCn〜Cm−アルコキシ−Co〜Cp−アルキル基を介して結合されている基を指す。
【0091】
ここで使用される用語“ヒドロキシ−Cn〜Cm−アルコキシ−カルボニル”は、通常1つのヒドロキシ基とn〜m個の炭素原子を有するアルコキシ基であって、分子の残部へ、そのカルボニル基を介して結合されている基を指す。
【0092】
ここで使用される用語“Cn〜Cm−アルコキシカルボニル−Co〜Cp−アルキル”は、n〜m個の炭素原子を有するアルコキシ基であって、そのカルボニル基の炭素原子を通じて、前記定義のo〜p個の炭素原子を有するアルキレン基へと結合されている基を指す。例は、C1〜C4−アルコキシカルボニル−C1〜C4−アルキル、例えばメトキシカルボニルメチル、エトキシカルボニルメチル、2−メトキシカルボニルエチル、2−エトキシカルボニルエチル、3−メトキシカルボニルプロピル、3−エトキシカルボニルプロピル、4−メトキシカルボニルブチルまたは4−エトキシカルボニルブチルである。
【0093】
ここで使用される用語“アリールアルキル”(アリール−アルキレンとも呼ばれる)は、前記定義のアリール基であって、アルキレン基を介して、特にメチレン、1,1−エチレンまたは1,2−エチレン基を介して結合されている基、例えばベンジル、1−フェニルエチルまたは2−フェニルエチルを指す。
【0094】
ここで使用される用語“Cn〜Cm−シクロアルキル−Co〜Cp−アルキル”(シクロアルキル−アルキレンとも呼ばれる)は、前記定義のn〜m個の炭素原子を有するシクロアルキル基であって、分子の残部へ、前記定義のo〜p個の炭素原子を有するアルキレン基を介して結合されている基を指す。例は、シクロプロピルメチル、シクロプロピルエチル、シクロプロピルプロピル、シクロブチルメチル、シクロブチルエチル、シクロブチルプロピル、シクロペンチルメチル、シクロペンチルエチル、シクロペンチルプロピル、シクロヘキシルメチル、シクロヘキシルエチル、シクロヘキシルプロピルなどである。
【0095】
ここで使用される用語“ヘテロシクロアルキル−Co〜Cp−アルキル”(ヘテロシクロアルキル−アルキレンとも呼ばれる)は、前記定義のヘテロシクロアルキル基であって、分子の残部へ、前記定義のo〜p個の炭素原子を有するアルキレン基を介して結合されている基を指す。例は、ヘタリールメチル、1−ヘタリールエチルまたは2−ヘタリールエチルである。
【0096】
置換基R4およびR5がフェニル環またはナフチル環に結合されている場合に、それらは、フェニルまたはナフチルであって、SR4またはOR5が直接結合、C1〜C4−アルキレン、O、S、NR6またはCOを介して結合されるフェニル環と一緒に5員または6員の環を形成するフェニルまたはナフチルであってもよい。例えば、以下の構造単位
【化14】
[式中、#は、結合点を示し、かつR6は、前記定義の通りである]が得られる。
【0097】
6およびR7、R10およびR11および/またはR12およびR13は、それらが結合されるN原子と一緒になって、5員の、6員のまたは7員の環であって、任意に、CO、O、SまたはN(C1〜C8−アルキル)から選択される更なるヘテロ原子またはヘテロ原子基を環員として有し、かつ1、2、3または4個のC1〜C4−アルキルを有してよい環を形成してよい。例は、モルホリン、ピロール、ピロリジン、イミダゾリジン、ピペリジンまたはピペラジン、好ましくはモルホリン、ピペリジンまたはピペラジンである。
【0098】
式Iの化合物において、前記の文言“bは2であるか、またはbは3であり、かつ−X−R1は、Qの炭素原子もしくは窒素原子へと、二価の橋かけ基であってその両端の結合の間に1〜10個の原子を有する橋かけ基を介して結合されている”であり、その二価の橋かけ基のための例は、X−(C1〜C6−アルキレン)−Y′、X−(C3〜C6−シクロアルキレン)−Y′、X−(ヘテロシクロアルキレン)−Y′、X−(C2〜C6−アルケニレン)−Y′、X−(o−フェニレン)−Y′、X−(o−キシリレン)−Y′、X−(o−フェニレン−C1〜C4−アルキレン)−Y′、X−(C1〜C4−アルキレン−o−フェニレン)−Y′またはS−C(S)−N(R12)−COである。それぞれのアルキレンおよびアルケニレンは、1もしくはそれより多くの、例えば1または2個のO、S、NR12またはCOによって中断されていてよく、かつ/または1もしくはそれより多くの、例えば1、2、3、4個のまたは4個より多くのF、Cl、Br、I、SR4、OR5、NR67、COR8、COOR9、CONR1011、C6〜C10−アリール、ヘテロアリールまたは1もしくはそれより多くのC1〜C12−アルキル、C1〜C4−ハロアルキル、F、Cl、Br、I、CN、NO2、SR4、OR5、NR67、COR8、COOR9もしくはCONR1011によって置換されたC6〜C10−アリールによって置換されていてよい;シクロアルキレンおよびヘテロシクロアルキレンは、1もしくはそれより多くの、例えば1または2個のCOによって中断されていてよく、かつ/または1もしくはそれより多くの、例えば1、2、3、4個のまたは4個より多くのC1〜C12−アルキル、C1〜C12−ハロアルキル、F、Cl、Br、I、SR4、OR5、NR67、COR8、COOR9、CONR1011、C6〜C10−アリール、ヘテロアリールまたは1もしくはそれより多くのC1〜C12−アルキル、C1〜C4−ハロアルキル、F、Cl、Br、I、CN、NO2、SR4、OR5、NR67、COR8、COOR9もしくはCONR1011によって置換されたC6〜C10−アリールによって置換されていてよい、ならびにそれぞれのフェニレンは、1もしくはそれより多くの、例えば1、2、3または4個のC1〜C12−アルキル、C1〜C12−ハロアルキル、F、Cl、Br、I、SR4、OR5、NR67、COR8、COOR9、CONR1011、C6〜C10−アリール、ヘテロアリールまたは1もしくはそれより多くのC1〜C12−アルキル、C1〜C4−ハロアルキル、F、Cl、Br、I、CN、NO2、SR4、OR5、NR67、COR8、COOR9もしくはCONR1011によって置換されたC6〜C10−アリールによって置換されていてよく、その際、Y′は、O、S、NR14、CO、OC(O)、C(O)O、NR10C(O)、CONR10、NR10SO2または単結合であり、かつR4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11およびR12は、前記定義の通りである。特に、X−エチレン、X−プロピレンおよびX−ブチレンの橋かけが形成される。
【0099】
式Iの化合物において、a+b+cの合計が2、3、4または6であり、かつ2つの基R14が一緒になってまたは2つの基R6が一緒になってまたは2つの基R10が一緒になっておよび/または2つの基R12が一緒になって、二価の橋かけ基であってその両端の結合の間に1〜20個の原子を有する橋かけ基であってよい場合に、その二価の橋かけ基は、好ましくは、フェニレンおよびC1〜C6−アルキレンから選択され、その際、前記の最後に挙げた基は、1もしくはそれより多くの、例えば1、2または3個の、O、S、N(C1〜C8−アルキル)およびCOから選択される同一もしくは異なる基によって中断されていてよい。
【0100】
前記の語句“および/または”または“または/および”は、定義された選択肢(置換基)の1つが存在してよいのみならず、定義された選択肢(置換基)の幾つかが、一緒に、すなわち異なる選択肢(置換基)の混合物で存在してもよいことを意味する。
【0101】
前記の語句“少なくとも”は、1または1より多くの、例えば1、2、3、好ましくは1から2を定義することを意味する。
【0102】
前記の文言“1またはそれより多くの同一または異なる基”は、1、2、3、4、5、6、7、8個のまたは8個より多くの同一または異なる基を定義することを意味する。
【0103】
式Iの化合物の変値(置換基)および係数の好ましい実施形態と以下で述べられていることは、それ自身に対して、ならびに好ましくはそれぞれの組み合わせにおいて当てはまる。
【0104】
変値(置換基)および係数の好ましい実施形態に関して以下で述べられていることは、更に、式Iの化合物に関して、ならびに本発明による使用および方法に関して、かつ本発明による組成物に関して当てはまる。
【0105】
本発明による式Iの化合物の熱硬化促進剤としての活性を意図して、置換基Q、X、R1、R2およびR3および係数a、bおよびcは、互いに独立して、好ましくは組み合わせて、以下に示される意味を有する。
【0106】
本発明の好ましい一実施形態は、組成物、化合物、方法および使用であって、式I中のaが、0、1、2、3、4または6、特に0、1、2または3である前記組成物、化合物、方法および使用に関する。この実施形態の更なる特定の一態様によれば、aは4である。
【0107】
本発明の好ましい更なる一実施形態は、組成物、化合物、方法および使用であって、式I中のbが、好ましくは0または2である前記組成物、化合物、方法および使用に関する。
【0108】
本発明の好ましい更なる一実施形態は、組成物、化合物、方法および使用であって、式I中のcが、好ましくは0または2である前記組成物、化合物、方法および使用に関する。この実施形態の更なる特定の一態様によれば、cは1である。
【0109】
本発明の好ましい更なる一実施形態は、組成物、化合物、方法および使用であって、式I中のXが、SまたはNR14である前記組成物、化合物、方法および使用に関する。この実施形態の特定の一態様によれば、XはSである。
【0110】
この実施形態の更なる特定の一態様によれば、Xは基NR14である。R14は、
1〜C12−アルキル、
前記のC1〜C12−アルキルは、1もしくはそれより多くの、例えば1、2もしくは3個の同一もしくは異なるO、S、NR6もしくはCOによって中断されていてよく、かつ/または1もしくはそれより多くの、例えば1もしくは2個の同一もしくは異なる基R14aによって置換されていてよく、前記基R14aは、C3〜C8−シクロアルキル、CN、COR8、COOR9、CONR1011、フェニル、1、2、3、4もしくは5個の、C1〜C8−アルキル、C1〜C4−ハロアルキル、F、Cl、Br、I、CN、NO2、SR4、OR5、NR67、COR8、COOR9およびCONR1011から選択される同一もしくは異なる基によって置換されたフェニルならびに1もしくは2個のCO基によって中断され、かつ/または1、2、3、4もしくは5個の、C1〜C8−アルキル、C1〜C4−ハロアルキル、F、Cl、Br、I、CN、NO2、SR4、OR5、NR67、COR8、COOR9およびCONR1011から選択される基によって置換されていてよいC3〜C8−シクロアルキルから選択され、
2〜C12−アルケニル、
前記のC2〜C12−アルケニルは、1もしくはそれより多くの、例えば1、2もしくは3個の同一もしくは異なるO、S、NR6もしくはCOによって中断されていてよく、かつ/または1もしくはそれより多くの、例えば1もしくは2個の同一もしくは異なる基R14aによって置換されていてよく、前記基R14aは、C3〜C8−シクロアルキル、CN、COR8、COOR9、CONR1011、フェニル、1、2、3、4もしくは5個の、C1〜C8−アルキル、C1〜C4−ハロアルキル、F、Cl、Br、I、CN、NO2、SR4、OR5、NR67、COR8、COOR9およびCONR1011から選択される同一もしくは異なる基によって置換されたフェニルならびに1もしくは2個のCO基によって中断され、かつ/または1、2、3、4もしくは5個の、C1〜C8−アルキル、C1〜C4−ハロアルキル、F、Cl、Br、I、CN、NO2、SR4、OR5、NR67、COR8、COOR9およびCONR1011から選択される基によって置換されていてよいC3〜C8−シクロアルキルから選択され、
3〜C12−シクロアルキル、
前記のC3〜C12−シクロアルキルは、1もしくはそれより多くのCOによって中断されていてよく、かつ/または1もしくはそれより多くの、C1〜C8−アルキル、CN、COR8、COOR9、CONR1011から選択される同一もしくは異なる基R14bによって置換されていてよく、または
フェニル、
前記のフェニルは、1もしくはそれより多くの、例えば1、2、3、4もしくは5個の、C1〜C8−アルキル、C1〜C4−ハロアルキル、F、Cl、Br、I、CN、NO2、SR4、OR5、NR67、COR8、COOR9、CONR1011およびフェニルから選択される同一もしくは異なる基R14cによって置換されていてよく、
から選択され、その際、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11は、前記定義の通りであり、好ましくは好ましい意味の一つを有する。
【0111】
より好ましくは、R14は、C1〜C12−アルキル、C1〜C6−アルコキシ−C1〜C12−アルキル、C3〜C8−シクロアルキル−C1〜C12−アルキル、C3〜C8−シクロアルキルまたはフェニル−C1〜C12−アルキルであり、その際、最後に挙げた基のフェニル部は、非置換であるか、または1、2、3、4もしくは5個の同一または異なる、C1〜C8−アルキル、C1〜C4−ハロアルキル、F、Cl、Br、I、CN、NO2、SR4、OR5、NR67、COR8、COOR9およびCONR1011から選択される基によって置換されている。同様に、より好ましくは、R14は、C2〜C6−アルケニルである。同様に、より好ましくは、R14は、フェニルであり、前記フェニルは、非置換であるか、または1、2、3、4もしくは5個の同一または異なる、C1〜C8−アルキル、C1〜C4−ハロアルキル、F、Cl、Br、I、CN、NO2、SR4、OR5、NR67、COR8、COOR9およびCONR1011から選択される基によって置換されている。更により好ましくは、R14は、C1〜C6−アルキル、特にメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピルまたはn−ブチル;ベンジル;フェネチル;C2〜C6−アルケニル、特にアリル;C1〜C4−アルコキシ−C1〜C4−アルキル、特に2−メトキシエチル、2−メトキシプロピル、2−エトキシエチルまたは2−エトキシプロピル;またはC3〜C8−シクロアルキル−C1〜C4−アルキル、特にシクロペンチルメチル、シクロヘキシルメチル、2−シクロヘキシルエチルもしくは2−シクロペンチルエチルである。
【0112】
14のために適した例は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ベンジル、フェネチル、アリル、2−メトキシエチル、3−メトキシプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘキシルメチルまたはフェニルである。
【0113】
本発明の好ましい更なる一実施形態は、組成物、化合物、方法および使用であって、式Iにおいて、2つの基R14は、一緒になって、二価の橋かけ基であってその両端の結合の間に1〜20個の、好ましくは1〜10個の原子を有する橋かけ基である前記組成物、化合物、方法および使用に関する。前記の二価の橋かけ基は、好ましくは、C1〜C10−アルキレン、C3〜C12−シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、C2〜C10−アルケニレン、フェニレンまたはナフチレンから選択され、その際、それぞれのアルキレンおよびアルケニレンは、1もしくはそれより多くの、例えば1もしくは2個のO、S、N(H)、N(C1〜C8−アルキル)もしくはCOによって中断されていてよく、かつシクロアルキレンおよびヘテロシクロアルキレンは、1もしくはそれより多くの、例えば1もしくは2個のCOによって中断されていてよい。
【0114】
本発明の更なる好ましい一実施形態は、組成物、化合物、方法および使用であって、式I中のR1は、
CSNR1213;C(O)OR9;CSOR9;C3〜C12−アルキル;C2〜C12−アルケニル;C3〜C12−シクロアルキル;
1〜C12−アルキル、
前記のC1〜C12−アルキルは、1もしくはそれより多くの、例えば1、2もしくは3個の同一もしくは異なる、O、S、NR6もしくはCOから選択される基によって中断されており、かつ/または1、2もしくは3個の同一もしくは異なる基R1aによって置換されている;
2〜C12−アルケニル、
前記のC2〜C12−アルケニルは、1もしくはそれより多くの、例えば1、2もしくは3個の同一もしくは異なる、O、S、NR6もしくはCOから選択される基によって中断されており、かつ/または1、2もしくは3個の同一もしくは異なる基R1aによって置換されている;
3〜C12−シクロアルキル、
前記のC3〜C12−シクロアルキルは、1もしくは2個のCO基によって中断されていてよく、かつ/または1、2もしくは3個の基R1bによって置換されていてよい;
ヘテロシクリル、
前記のヘテロシクリルは、1もしくは2個のCO基によって中断されていてよく、かつ/または1、2もしくは3個の基R1bによって置換されていてよい;
フェニル、ナフチルまたはヘタリール、
前記の最後に挙げた3つの基は、1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる基R1cによって置換されていてよく、かつヘテロアリールは、炭素原子の他に、1、2もしくは3個の、O、SおよびNから選択されるヘテロ原子を環員として含む;ならびに
6〜C10−アロイル、
前記のC6〜C10−アロイルは、1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる基R1dによって置換されていてよい;
であり、その際、R1a、R1b、R1c、R1d、R6、R9、R12、R13は、前記定義の通りであり、好ましくは好ましい意味の一つを有する前記組成物、化合物、方法および使用に関する。
【0115】
特定の一態様においては、R1aは、互いに独立して、F、Cl、Br、I、CN、SR4、OR5、NR67、COR8、COOR9,CONR1011、1もしくはそれより多くのCO基によって中断されていてよいC3〜C20−シクロアルキル、1もしくはそれより多くのCO基によって中断されていてよいヘテロシクリル、ヘテロアリールおよびC6〜C10−アリールから選択され、その際、前記の最後に挙げた4つの基は、1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる基R1aaを有してよく、その際、R1aaは、互いに独立して、C1〜C12−アルキル、C1〜C12−ハロアルキル、C1〜C12−ヒドロキシアルキル、C2〜C12−アルケニル、F、Cl、Br、I、NO2、SR4、OR5、NR67、COR8、COOR9およびCONR1011から選択される。
【0116】
1aは、好ましくは、SR4、COOR9、C3〜C8−シクロアルキル、フェニルまたは炭素原子の他に1もしくは2個のN、OおよびSから選択されるヘテロ原子を環員として含む5員もしくは6員のヘテロアリールであり、その際、フェニルおよびヘテロアリールは、非置換であるか、または1、2、3、4もしくは5個の同一もしくは異なる基R1aaによって置換されていてよい。R1aa、R4およびR9は、前記定義の通りである。この実施形態においては、R4は、好ましくは、フェニル−C1〜C4−アルキルであり、その際、前記フェニル部は、1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる基R1aaを有してよい。フェニル−C1〜C4−アルキルのための一例は、ベンジルまたはフェネチルである。この実施形態においては、R9は、好ましくは、1もしくは2個の酸素原子によって中断されていてよく、かつ/または基R9aを有してよいC1〜C8−アルキルである。R9aは、好ましくは、フェニルである。例は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、3−メトキシブチルまたはベンジルである。より好ましくは、R1aは、C1〜C4−アルコキシカルボニル、例えばメトキシカルボニルもしくはエトキシカルボニル;C1〜C4−アルコキシ−C1〜C6−アルコキシカルボニル、例えば3−メトキシブトキシカルボニル;フェニル−C1〜C4−アルキルスルファニル、例えばベンジルスルファニルもしくはフェネチルスルファニル;炭素原子の他に1もしくは2個のO、SおよびNから選択されるヘテロ原子を含む5員もしくは6員のヘテロアリール、例えばチオフェン−2−イル、チオフェン−3−イル、フラン−2−イルもしくはフラン−3−イル、またはC3〜C8−シクロアルキル、例えばシクロペンチル、シクロヘキシルもしくはシクロヘプチルである。同様に、R1aは、炭素原子の他に1もしくは2個の同一もしくは異なる、OおよびSから選択されるヘテロ原子を含む5員もしくは6員の飽和ヘテロシクリル、例えばテトラヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、テトラヒドロピラニルまたはテトラヒドロチオピラニルである。同様に、R1aは、4−シアノフェニルである。
【0117】
1bは、好ましくは、C1〜C6−アルキルまたはC2〜C6−アルケニルである。
【0118】
1cは、好ましくは、C1〜C6−アルキル、C2〜C6−アルケニルまたはニトロである。特に、R1cは、メチル、エチル、プロピル、アリルまたはニトロである。
【0119】
1dは、好ましくは、C1〜C6−アルキル、C2〜C6−アルケニルまたはニトロである。特に、R1dは、C2〜C4−アルケニル、特にビニルまたはアリルである。
【0120】
1がC1〜C12−アルキルであり、そのアルキルが、1もしくはそれより多くの、例えば1、2もしくは3個の同一もしくは異なる、O、S、NR6もしくはCOから選択される基によって中断され、かつ/または1、2もしくは3個の同一もしくは異なる基R1aによって置換されている場合に、前記R1は、好ましくは、C1〜C6−アルコキシ−C2〜C6−アルキル;C1〜C6−アルコキシカルボニル−C1〜C6−アルキル;C1〜C4−アルコキシ−C1〜C4−アルコキシカルボニル−C1〜C3−アルキル、特にC1〜C4−アルコキシ−C1〜C4−アルコキシカルボニル−C1〜C3−アルキル;C3〜C8−シクロアルキル−C1〜C6−アルキル;フェニル−C1〜C6−アルキル;フェニル−C1〜C4−アルキル−S−C1〜C4−アルコキシ−C1〜C6−アルキルもしくはヘテロアリール−C1〜C6−アルキルであり、その際、前記の最後に挙げた3つの基における芳香族環は、1、2もしくは3個の、互いに独立してC1〜C4−アルキル、C2〜C4−アルケニルおよびニトロから選択される基によって置換されていてよい。
【0121】
1がヘテロアリールである場合に、R1は、好ましくは、炭素原子の他に1もしくは2個のN、OおよびSから選択されるヘテロ原子を環員として含む5員もしくは6員のヘテロアリールまたは環員として1、2もしくは3個のN、OおよびSから選択されるヘテロ原子を含む8員、9員もしくは10員のヘテロアリールである。好適な例は、ピリジル、チアゾリル、ベンゾチアゾリルまたはベンゾオキサゾリルである。更なる好適な例は、ベンゾチアゾリルまたはベンゾフラニルである。
【0122】
1がC(O)OR9である場合に、R9は、好ましくは、C1〜C20−アルキルまたはC1〜C20−アルキルであって、そのアルキル部は1もしくはそれより多くの、例えば1、2、3、4もしくは5個の非隣接酸素原子によって中断されているアルキルである。この実施形態においては、R9は、好ましくは、(CH2CH2O)x(C1〜C4−アルキル)であり、その際、xは、1、2、3、4もしくは5であり、特に(CH2CH2O)x(C1〜C4−アルキル)であり、その際、xは、1、2もしくは3である。
【0123】
1がヘテロシクリルである場合に、R1は、好ましくは、炭素原子の他に1もしくは2個の同一もしくは異なるN、NHおよびN(C1〜C8−アルキル)から選択されるヘテロ原子を含む5員もしくは6員の飽和のもしくは部分不飽和のヘテロシクリル、例えばモルホリニル、チオモルホリニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、4,5−ジヒドロチエニル、テトラヒドロピラニルまたはテトラヒドロチオピラニルである。
【0124】
1がC6〜C10−アロイルであり、前記アロイルが、1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる基R1dによって置換されていてよい場合に、前記のR1は、好ましくは、ベンゾイルまたは、C1〜C6−アルキルもしくはC2〜C6−アルケニル、特にC1〜C4−アルキルもしくはC2〜C4−アルケニルによって置換されたベンゾイルである。
【0125】
この実施形態の特定の一態様によれば、式I中のR1は、C3〜C12−アルキル、例えばプロピルもしくはブチル;C1〜C4−アルコキシカルボニル−C1〜C2−アルキル、例えばメトキシカルボニルメチル、エトキシカルボニルメチルもしくはプロポキシカルボニルメチル;C1〜C4−アルコキシ−C1〜C4−アルコキシカルボニル−C1〜C2−アルキル、例えばエトキシエトキシカルボニルメチル、エトキシエトキシカルボニルエチル、プロポキシプロポキシカルボニルエチル、プロポキシプロポキシカルボニルメチルもしくは3−メトキシブトキシカルボニルメチル;C2〜C4−アルケニル、例えばビニルまたはアリル;ベンジル;ベンジルであって、そのフェニル部が1、2もしくは3個の互いに独立してC1〜C4−アルキル、C2〜C4−アルケニルおよびニトロから選択される基によって置換されたベンジル;フェネチル;ベンジルスルファニル−C1〜C4−アルキル−O−C1〜C4−アルキル、特にベンジルスルファニル−C1〜C2−アルキル−O−C1〜C2−アルキル;フェネチルスルファニル−C1〜C4−アルキル−O−C1〜C4−アルキル、特にフェネチルスルファニル−C1〜C2−アルキル−O−C1〜C2−アルキル;C3〜C8−シクロアルキル;1、2もしくは3個の互いに独立してC1〜C4−アルキルおよびC2〜C4−アルケニルから選択される基によって置換されたC3〜C8−シクロアルキル;−COO(CH2CH2O)v(C1〜C4−アルキル) [式中、vは、1、2、3、4もしくは5である]、エトキシエトキシカルボニルもしくは(2−ブトキシエトキシ)エトキシカルボニル;ベンゾイル;ベンゾイルであって、1、2もしくは3個の互いに独立してC1〜C4−アルキルおよびC2〜C4−アルケニルから選択される基によって置換されたベンゾイル;フェニル;またはフェニルであって、1、2もしくは3個のC1〜C4−アルキル、C2〜C4−アルケニルおよびニトロから選択される基によって置換されたフェニルである。更なる一態様によれば、R1は、C3〜C12−アルキルであり、前記アルキルは、1、2もしくは3個のSヘテロ原子によって中断され、かつSHによって置換されており、例えばメルカプト−C3〜C12−アルキルまたはメルカプト−C3〜C6−アルキル−S−C1〜C2−アルキルである。更なる一実施形態においては、R1は、C1〜C12−アルキルであり、前記アルキルは、SR4によって置換されており、その際、R4は、C2〜C8−アルカノイルである。この実施形態においては、R4は、好ましくは、C2〜C4−アルカノイルである。更なる一実施形態においては、R1は、C1〜C12−アルキルであり、前記アルキルは、OR5によって置換されている。この実施形態においては、R5は、好ましくは、C2〜C8−アルカノイルであり、前記アルカノイルは、1もしくはそれより多くの同一もしくは異なるF、Cl、Br、I、OHもしくはC1〜C6−アルコキシから選択される基によって置換されているか、またはR5は、C2〜C8−アルカノイルであり、前記アルカノイルは、1もしくはそれより多くの同一もしくは異なるOおよびSから選択される基によって中断されており、かつ1もしくはそれより多くの同一もしくは異なるヒドロキシアミニレン(=N−OH)、F、Cl、Br、I、OHおよびC1〜C6−アルコキシから選択される基によって置換されていてよい。特に、R5は、C1〜C7−クロロアルキルカルボニルまたはC(=O)CH2−S−(C1〜C2−アルキル)−S−C(=NOH)−C1〜C2−アルキルである。更なる一実施形態においては、R1は、C1〜C4−アルカノイル−S−C1〜C2−アルキルによって置換されたベンジルである。更なる一実施形態においては、R1は、C1〜C4−アルキルチオによって置換されたベンジルまたは塩素によって置換されたベンジルである。更なる一実施形態においては、R1は、NR67によって置換されたフェニルである。R6は、好ましくは、C2〜C4−アルカノイルであり、かつR7は、Hである。更なる一実施形態においては、R1は、炭素原子の他に1または2個の同一もしくは異なるN、NHおよびN(C1〜C8−アルキル)から選択されるヘテロ原子を含む5員もしくは6員の飽和のヘテロシクリルである。
【0126】
1のために適した例は、フェニル、4−メチルフェニル、4−エチルフェニル、4−プロピルフェニル、4−ニトロフェニル、4−ビニルフェニル、4−アリルフェニル、ベンゾイル、4−ビニルベンゾイル、(2−ブトキシエトキシ)−エトキシカルボニル、メチル、エチル、プロピル、ブチル、メトキシカルボニルメチル、メトキシカルボニルエチル、エトキシカルボニルメチル、エトキシカルボニルエチル、3−メトキシブトキシカルボニルメチル、ベンジル、フェネチル、ベンジルスルファニルエトキシエチル、ベンジルスルファニルプロポキシプロピル、フェネチルスルファニルエトキシエチル、フェネチルスルファニルプロポキシプロピル、シクロヘキシル、シクロヘキシルメチル、4−ビニルシクロヘキシルまたはアリルである。R1のための更なる適した例は、6−メルカプトヘキシル、2−(2−メルカプトエチルスルファニル)−エチル、2−(2−クロロ−アセトキシ)−エチル、4−モルホリニル、テトラヒドロピラン−3−イル、テトラヒドロフラン−2−イルメチル、4,5−ジヒドロチエン−2−イル、4−アセチルスルファニルメチルベンジル、4−メチルスルファニルベンジル、4−クロロベンジル、4−アセチルアミノベンジル、6−アセチルスルファニルヘキシル、4−シアノベンジル、CH3C(=NOH)−S−C24−S−CH2−C(=O)−O−C24、メトキシカルボニルメチル、2−ベンゾチアゾリル、4−ヒドロキシフェニルである。
【0127】
本発明の更なる好ましい一実施形態は、組成物、化合物、方法および使用であって、式Iにおいて、R1およびR4は、それらが結合される窒素原子と一緒になって、5員、6員または7員の飽和のもしくは不飽和の複素環であって、O、S、NH、N(C1〜C8−アルキル)およびCOから選択される更なるヘテロ原子もしくはヘテロ原子基を含んでよく、かつ互いに独立してハロゲン、シアノ、C1〜C4−アルキル、ニトロ、C1〜C4−ハロアルキル、C1〜C4−アルコキシおよびC1〜C4−ハロアルコキシから選択される1、2、3または4個の置換基を有してよい複素環を形成する前記組成物、化合物、方法および使用に関する。これらの化合物のなかでも、より好ましいのは、R1およびR14が、それらが結合される窒素原子と一緒になって、5員、6員もしくは7員の飽和の複素環であって、O、S、NH、N(C1〜C8−アルキル)から選択される更なるヘテロ原子またはヘテロ原子基を含んでよい複素環であるものである。例は、ピペリジン−1−イル、モルホリン−4−イル、チオモルホリン−4−イルもしくはピペラジン−1−イルまたは4−(C1〜C4−アルキル)ピペラジン−1−イルである。
【0128】
本発明の好ましい更なる一実施形態は、組成物、化合物、方法および使用であって、式Iにおいて、R1およびR14は、一緒になって、1もしくはそれより多くの、例えば1、2もしくは3個の同一もしくは異なるO、S、N(C1〜C8−アルキル)およびCOから選択される基によって中断されていてよいC2〜C8−アルキレンから選択される橋かけ基である前記組成物、化合物、方法および使用に関する。
【0129】
本発明の好ましい更なる一実施形態は、組成物、化合物、方法および使用であって、少なくとも2つの基R1を含む式Iの化合物において、2つの基R1は、一緒になって、二価の橋かけ基であってその両端の結合の間に1〜20個の原子を有する橋かけ基であってよい前記組成物、化合物、方法および使用に関する。この実施形態においては、bは2、3、4または6であり、かつ/またはcは2、3、4または6であるが、但し、a+b+cの合計は、2、3、4または6である。前記の橋かけ基は、好ましくは、C1〜C10−アルキレン、C2〜C10−アルケニレン、フェニレン、フェニレン−C1〜C4−アルキレン、C1〜C4−アルキレン−フェニレン−C1〜C4−アルキレン、ヘテロアリーレン、ヘテロアリーレン−C1〜C4−アルキレンおよびC1〜C4−アルキレン−ヘテロアリーレン−C1〜C2−アルキレンから選択される。それぞれのアルキレンおよびアルケニレンは、1もしくはそれより多くの、例えば1、2もしくは3個の同一もしくは異なるO、S、NR6およびCOから選択される基によって中断されていてよく、かつ/または1もしくはそれより多くの、例えば1、2、3個のもしくは3個より多くのF、Cl、Br、I、CN、SR4、OR5、NR67、COR8、COOR9、CONR1011、C3〜C20−シクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリールおよびC6〜C10−アリールから選択される基によって置換されていてよく、その際、前記の最後に挙げた4つの基は、1もしくはそれより多くの、例えば1、2、3個のもしくは3個より多くの同一もしくは異なる基C1〜C12−アルキル、C1〜C12−ハロアルキル、F、Cl、Br、I、CN、NO2、SR4、OR5、NR67、COR8、COOR9およびCONR1011を有してよく、かつそれぞれのフェニレンおよびヘテロアリーレンは、1もしくはそれより多くの、例えば1もしくは2個の同一もしくは異なる基C1〜C12−アルキル、C1〜C12−ヘテロアルキル、F、Cl、Br、I、CN、NO2、SR4、OR5、NR67、COR8、COOR9およびCONR1011によって置換されていてよい。特に好ましい一態様によれば、前記の橋かけ基は、C(=O)OC1〜C10−アルキレンO−C(=O)から選択される。
【0130】
本発明の更なる好ましい一実施形態は、組成物、化合物、方法および使用であって、式I中のR2は、COR8;COOR9;CONR1011
1〜C12−アルキル、C2〜C12−アルケニル、
その際、前記の最後に挙げた2つの基は、1もしくはそれより多くの、例えば1、2もしくは3個の同一もしくは異なる基R2aによって置換されていてよい;
3〜C12−シクロアルキル、
前記のC3〜C12−シクロアルキルは、1もしくはそれより多くの、例えば1、2もしくは3個の同一もしくは異なる基R2bによって置換されていてよい;
6〜C10−アリール、
前記のC6〜C10−アリールは、1もしくはそれより多くの、例えば1、2、3、4もしくは5個の同一もしくは異なる基R2cによって置換されていてよい;
炭素原子の他に1もしくは2個のN、OおよびSから選択されるヘテロ原子を含む5員もしくは6員のヘテロアリール、
前記のヘテロアリールは、1もしくはそれより多くの、例えば1、2、3、4もしくは5個の同一もしくは異なる基R2cによって置換されていてよい;または

【化15】
[式中、#は、分子の残部の結合点であり、かつR2fは、C1〜C12−アルキレン−COO-、C1〜C12−アルキレン−S(O)2-もしくはC1〜C12−アルキレン−OS(O)2-である]のピリジニウム;
であり、その際、R2a、R2b、R2c、R8、R9、R10およびR11は、前記定義の通りであり、好ましくは好ましい意味の一つを有する前記組成物、化合物、方法および使用に関する。
【0131】
2aは、好ましくは、R1aについて示した好ましい意味の一つを有する。R2bは、好ましくは、R1aについて示した好ましい意味の一つを有する。R2cは、好ましくは、C1〜C6−アルキル、C2〜C4−アルケニル、C1〜C6−アルコキシ、C1〜C6−アルコキシカルボニルまたはニトロである。
【0132】
この実施形態の特定の好ましい一態様によれば、R2は、C1〜C6−アルキル;C5〜C8−シクロアルキル;C1〜C4−アルコキシカルボニル;CO(N−(C1〜C8−アルキル)2);C(O)O(CH2CH2O)x(C1〜C4−アルキル) [式中、xは、1、2、3、4、5もしくは6である];C(O)O−C1〜C4−アルキル−フェニル;ピリジル;フェニル;1もしくは2個のニトロ、C1〜C4−アルコキシ、C1〜C4−アルキル、C2〜C4−アルケニルおよびC1〜C4−アルコキシカルボニルから選択される基によって置換されたフェニル;ベンジル;ベンジルであってそのフェニル部が1もしくはそれより多くの、例えば1もしくは2個の同一もしくは異なるニトロ、C2〜C4−アルケニル、C1〜C4−アルコキシ、C1〜C4−アルキルおよびC1〜C4−アルコキシカルボニルから選択される基によって置換されたベンジル;またはC1〜C12−アルキレン−S(O)2-によって置換されたピリジニウムである。更なる一態様によれば、R2は、モルホリノアミドまたはC1〜C4−ハロアルコキシカルボニル、特にC1〜C4−フルオロアルコキシカルボニルである。
【0133】
2のために適した例は、メチル、エチル、プロピルもしくはブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、n−プロポキシカルボニル、エトキシカルボニル、メトキシカルボニル、ジメチルアミノカルボニル、ジエチルアミノカルボニル、C(O)O(CH2CH2O)CH2CH3、C(O)O(CH2CH2O)2CH2CH3、C(O)O(CH2CH2O)3CH2CH3、C(O)O(CH2CH2O)4CH2CH3、ベンジルオキシカルボニル、ピリジン−2−イル、ピリジン−3−イル、ピリジン−4−イル;4−ニトロフェニル、4−メトキシカルボニルフェニル、4−エトキシカルボニルフェニル、4−プロポキシカルボニルフェニル、または
【化16】
である。
【0134】
2のために適した更なる例は、モルホリノアミドおよび2,2,2−トリフルオロエトキシカルボニルである。
【0135】
本発明の好ましい更なる一実施形態は、組成物、化合物、方法および使用であって、式Iにおいて、−X−R1が、R2と一緒になって、X−(O−C1〜C20−アルキレン)−Y、X−(S−C1〜C20−アルキレン)−YまたはX−(N(R6)−C1〜C20−アルキレン)−Yである前記組成物、化合物、方法および使用に関する。この実施形態の好ましい一態様によれば、Yは、直接結合であり、かつR6は、前記定義の通りであり、好ましくはC1〜C8−アルキルである。この実施形態のために適した例は、−X−R1が、R2と一緒になって、N(C1〜C8−アルキル)−(O−C2〜C8−アルキレン)、S−(S−C2〜C8−アルキレン)またはN(C1〜C8−アルキル)−(N(C1〜C8−アルキル)−C2〜C8−アルキレン)である化合物である。この実施形態の更なる好ましい一態様によれば、−X−R1は、R2と一緒になって、
【化17】
[式中、*は、オキシム窒素原子への結合点を示す]から選択される。
【0136】
この実施形態の更なる好ましい一態様によれば、−X−R1は、R2と一緒になって、−X−(C1〜C8−アルキレン)−O−C(O)−;−X−(C3〜C6−シクロアルキレン)−O−C(O)−;−X−(o−フェニレン)−O−C(O)−;−X−(C1〜C8−アルキレン)−NR10−C(O)−;または−X−(C3〜C6−シクロアルキレン)−NR10−C(O)−であり、その際、それぞれのアルキレン部は、1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる基R2gによって置換されていてよく、シクロアルキレンは、1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる基R2hによって置換されていてよく、かつo−フェニレンは、1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる基R2hによって置換されていてよく、その際、R10、R2g、R2hおよびXは、上述した意味の一つを有する。この実施形態においては、X−R1は、R2および、XとR2が結合されるオキシム炭素原子と一緒になって、好ましくは、5員もしくは6員の複素環を形成する。Xは、好ましくは、S、−N(ベンジル)もしくはN(C1〜C8−アルキル)、特にS、−N(ベンジル)もしくはN(C1〜C4−アルキル)である。好適な例は、−S−CH(CH3)CH(CH3)−O−C(=O)−、−S−CH2CH2−O−C(=O)−および−N(ベンジル)−CH2CH2−O−C(=O)−である。
【0137】
この実施形態の更なる特定の好ましい一態様によれば、−X−R1は、R2と一緒になって、X−(C1〜C8−アルキレン)−S−C(O)−、特に−S−(C1〜C8−アルキレン)−S−C(O)−である。
【0138】
X−R1およびR2は、それらが結合されるオキシム炭素原子と一緒になって、好ましくは、以下の環の1つ、特に好ましくはR−1、R−3、R−5およびR−13
【化18】
[式中、
*は、オキシム窒素原子への結合点であり、かつ
10は、前記定義の通りであり、好ましくはHまたはC1〜C8−アルキルである]である。
【0139】
本発明の好ましいもう一つの実施形態は、組成物、化合物、方法および使用であって、式Iにおいて、−X−R1が、R2と一緒になって、−S−C(S)−NR12−C(O)−であり、その式中、R12は、前記定義の通りである前記組成物、化合物、方法および使用に関する。この実施形態の特定の好ましい一態様によれば、X−R1およびR2は、それらが結合されるオキシム基環の炭素原子と一緒になって、以下の環R−20
【化19】
[式中、
*は、オキシム窒素原子への結合点であり、かつ
12は、前記定義の通りであり、好ましくは、H、C1〜C8−アルキルまたはC2〜C6−アルケニル、特にアリルである]を形成する。
【0140】
本発明の好ましいもう一つの実施形態は、組成物、化合物、方法および使用であって、式Iにおいて、−X−R1が、R2と一緒になって、S−C(=NOR15)−C(O)−NR12−C(O)であり、その式中、R12は、前記定義の通りであり、かつR15は、水素またはフェニルスルホニルであってそのフェニル部がC1〜C4−アルキルもしくはC1〜C4−アルコキシによって置換されていてよいフェニルスルホニルである前記組成物、化合物、方法および使用に関する。この実施形態の特定の好ましい一態様によれば、X−R1およびR2は、それらが結合されるオキシム基環の炭素原子と一緒になって、以下の環R−21
【化20】
[式中、
*は、オキシム窒素原子への結合点であり、かつ
12は、前記定義の通りであり、好ましくは、H、C1〜C8−アルキルまたはC2〜C6−アルケニルである]を形成する。
【0141】
少なくとも2つの基R2を含む式Iの化合物においては、2つの基R2は、一緒になって、二価の橋かけ基であってその両端の結合の間に1〜20個の原子を有する橋かけ基であってよい。この実施形態においては、aは2、3、4または6であり、かつ/またはcは2、3、4または6であるが、但し、a+b+cの合計は、2、3、4または6である。前記の橋かけ基は、好ましくは、C1〜C10−アルキレン、C2〜C10−アルケニレン、フェニレン、フェニレン−C1〜C4−アルキレン、C1〜C4−アルキレン−フェニレン−C1〜C4−アルキレン、ヘテロアリーレン、ヘテロアリーレン−C1〜C4−アルキレンおよびC1〜C4−アルキレン−ヘテロアリーレン−C1〜C2−アルキレンから選択される。それぞれのアルキレンおよびアルケニレンは、1もしくはそれより多くの、例えば1、2もしくは3個の同一もしくは異なるO、S、NR6およびCOから選択される基によって中断されていてよく、かつ/または1もしくはそれより多くの、例えば1、2、3個のもしくは3個より多くのF、Cl、Br、I、CN、SR4、OR5、NR67、COR8、COOR9、CONR1011、C3〜C20−シクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリールおよびC6〜C10−アリールから選択される基によって置換されていてよく、その際、前記の最後に挙げた4つの基は、1もしくはそれより多くの、例えば1、2、3個のもしくは3個より多くの同一もしくは異なる基C1〜C12−アルキル、C1〜C12−ハロアルキル、F、Cl、Br、I、CN、NO2、SR4、OR5、NR67、COR8、COOR9およびCONR1011を有してよく、かつそれぞれのフェニレンおよびヘテロアリーレンは、1もしくはそれより多くの、例えば1もしくは2個の同一もしくは異なる基C1〜C12−アルキル、C1〜C12−ヘテロアルキル、F、Cl、Br、I、CN、NO2、SR4、OR5、NR67、COR8、COOR9およびCONR1011によって置換されていてよく、その際、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11およびR12は、前記定義の通りである。好適な例は、エチレン、プロピレンおよびブチレンの橋かけである。この実施形態の特定の好ましい一態様によれば、aは2、3、4または6であり、かつ/またはcは2、3、4または6であるが、但し、a+b+cの合計は、2、3、4または6である。前記の橋かけ基は、好ましくは、−C(=O)−O−C1〜C10−アルキレン−O−C(=O)−から選択される。
【0142】
本発明の特定の一実施形態は、組成物、化合物、使用および方法であって、式I中のR3は、C1〜C20−アルキル、C2〜C20−アルケニルおよびC2〜C20−アルキニルであり、それらは1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる−O−、−S−、−N(R6)−およびCOから選択される基によって中断されていてよく、かつ/または1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる基R3aを有してよく、その際、R3aは、互いに独立して、F、Cl、Br、I、CN、SR4、OR5、NR67、COR8、COOR9、CONR1011、1もしくはそれより多くのCO基によって中断されていてよいC3〜C20−シクロアルキル、1もしくはそれより多くのCO基によって中断されていてよいヘテロシクリル、ヘテロアリールおよびC6〜C10−アリールから選択され、その際、前記の最後に挙げた4つの基は、1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる基R3aaを有してよい前記組成物、化合物、使用および方法に関する。R3aaは、互いに独立して、C1〜C12−アルキル、C1〜C12−ハロアルキル、C1〜C12−ヒドロキシアルキル、C2〜C12−アルケニル、F、Cl、Br、I、CN、NO2、SR4、OR5、NR67、COR8、COOR9およびCONR1011から選択される。
【0143】
この実施形態の好ましい一態様によれば、R3は、C2〜C12−アルキル;C2〜C12−アルケニル;フェニル−C1〜C4−アルキル;C1〜C6−ハロアルキル、特にC1〜C4−ハロアルキル、殊にC1〜C4−フルオロアルキル;C3〜C12−シクロアルキル−C1〜C12−アルキル;C3〜C12−シクロアルキル;ヘテロシクリル;C6〜C10−アリール;1もしくは2個のCoによって中断されており、かつ/または1もしくはそれより多くの、例えば1、2、3、4、5もしくは6個のC1〜C12−アルキルによって置換されていてよいC3〜C12−シクロアルキル;1もしくは2個のCOによって中断されており、かつ/または1もしくはそれより多くの、例えば1、2、3、4、5もしくは6個のC1〜C12−アルキルによって置換されていてよいヘテロシクリル;C3〜C12−シクロアルキル−C1〜C12−アルキルであって、そのシクロアルキル部が、1もしくは2個のCOによって中断されており、かつ/または1もしくはそれより多くの、例えば1、2、3、4、5もしくは6個のC1〜C12−アルキルによって置換されていてよい前記C3〜C12−シクロアルキル−C1〜C12−アルキル;ならびにC6〜C10−アリールであって、1もしくはそれより多くの、例えば1、2、3、4もしくは5個のC1〜C12−アルキル、C1〜C4−ハロアルキル、C2〜C4−アルケニル、F、Cl、Br、I、CN、NO2、SR4、OR5、NR67、COR8、COOR9、CONR1011またはフェニルによって置換されていてよい前記アリールから選択される。この実施形態のより好ましい一態様によれば、R3は、C1〜C4−アルコキシカルボニルによって置換されたC2〜C12−アルキルである。更なる一実施形態においては、R3は、ナフチル−C1〜C4−アルキルである。この実施形態の更なる好ましい一態様によれば、R3は、ヘテロアリール、特に5員もしくは6員のヘテロアリールであって、炭素環員の他に1もしくは2個のO、SおよびNから選択されるヘテロ原子を含むヘテロアリールである。この実施形態の更なる好ましい一態様によれば、R3は、フェニル−C1〜C4−アルキルであり、その際、そのフェニル部は、1もしくはそれより多くのF、Cl、Br、I、C1〜C4−アルキルスルファニル、C1〜C4−アルコキシカルボニルスルファニル−C1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルコキシカルボニル、C1〜C4−ハロアルキル、フェニル、フェノキシおよびシアノから選択される基によって置換されている。
【0144】
この実施形態の特定の好ましい一態様によれば、R3は、C2〜C6−アルキル、特にエチル、プロピルまたはブチル;C3〜C12−シクロアルキル、特にシクロペンチルまたはシクロヘキシル;C3〜C12−シクロアルキル−C1〜C6−アルキルであって、そのシクロアルキル部が1もしくは2個のカルボニル基によって中断されており、かつ1、2、3もしくは4個のC1〜C4−アルキルを有する前記C3〜C12−シクロアルキル−C1〜C6−アルキル、特にカンフォリル、特にカンファー−10−イル;C2〜C6−アルケニル、例えばビニルまたはアリル;フェニル;ナフチル;1、2、3、4もしくは5個の互いに独立してニトロ、フッ素、C1〜C4−アルキル、C1〜C4−フルオロアルキル、C1〜C4−アルコキシカルボニルおよびC2〜C4−アルケニルから選択される置換基を有するフェニル;ベンジル;フェネチル;またはフェニル−C1〜C2−アルキルであり、その際、前記の最後に挙げた基の芳香族環は、1、2、3、4または5個のニトロ、フッ素、C1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルコキシ、C1〜C4−フルオロアルキル、C1〜C4−アルコキシ、C1〜C4−アルコキシカルボニルおよびC2〜C4−アルケニルから選択される置換基を有する。更なる一実施形態においては、R1は、炭素原子の他に1または2個の同一もしくは異なるN、NHおよびN(C1〜C8−アルキル)から選択されるヘテロ原子を含む5員もしくは6員の飽和のヘテロシクリルである。特定の好ましい一態様によれば、R3は、チエニルである。更なる一実施形態においては、R3は、フェニル−C1〜C2−アルキルである。特定の好ましい一態様によれば、R3は、フェニル−C1〜C2−アルキルであり、その際、そのフェニル部は、1もしくはそれより多くの、Cl、C1〜C4−アルコキシカルボニルスルファニル−C1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルコキシカルボニル、フェノキシ、フェニルおよびシアノから選択される基によって置換されている。
【0145】
この実施形態の更により特定の一態様によれば、R3は、C2〜C4−アルキル;C1〜C4−フルオロアルキル;カンファー−10−イル;C2〜C4−アルケニル;ベンジル;1もしくは2個のC1〜C4−アルキル、C2〜C4−アルケニルおよびニトロから選択される置換基によって置換されたベンジル;ナフチル;フェニル;または1、2、3、4または5個のニトロ、フッ素、C1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルコキシ、C1〜C4−アルコキシカルボニルおよびC2〜C4−アルケニルから選択される置換基によって置換されたフェニルである。特定の好ましい一態様によれば、R3は、1、2、3、4もしくは5個の、互いに独立して塩素、シアノ、NHC(O)−C1〜C4−アルキル、ニトロ、C1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルキルチオ、C1〜C4−アルコキシ、C1〜C4−フルオロアルキル、C1〜C4−アルコキシカルボニルおよびC2〜C4−アルケニルから選択される置換基を有するフェニルである。特定の好ましい一態様によれば、R3は、チエニルまたは炭素原子の他に1または2個の、OおよびSから選択されるヘテロ原子またはヘテロ原子基を含む5員または6員の飽和のヘテロシクリルである。
【0146】
3のために適した例は、メチル、エチル、プロピル、ビニル、アリル、トリフルオロメチル、カンファー−10−イル、2−ナフチル、1−ナフチル、フェニル、ペンタフルオロフェニル、4−メチルフェニル、4−エチルフェニル、4−メトキシフェニル、4−エトキシフェニル、4−ニトロフェニル、4−ビニルフェニル、4−トリフルオロメチルフェニル、3−ニトロフェニル、3−メチルフェニル、3−エチルフェニル、3−ビニルフェニル、3,5−ジエトキシカルボニルフェニル、ベンジル、4−メチルベンジル、4−エチルベンジル、4−ニトロベンジル、4−ビニルベンジル、3−ニトロベンジル、3−メチルベンジル、3−エチルベンジルまたは3−ビニルベンジルである。更なる例は、4−メチルスルファニルフェニル、4−アセチルアミノフェニル、4−メトキシフェニル、4−アセチルスルファニルメチルベンジル、4−シアノベンジル、4−クロロベンジル、4−メトキシカルボニルベンジル、4−クロロベンジル、1−ナフチルメチル、2−ナフチルメチル、4−フェノキシベンジル、4−ビニルベンジル、3,4−ジメチルスルファニルベンジル、3,5−ジトリフルオロメチルベンジル、4−t−ブチルベンジル、4−フェニルベンジル、2−チエニル、3−チエニル、テトラヒドロピラン−3−イルおよびテトラヒドロフラン−2−イルメチルである。
【0147】
本発明のもう一つの好ましい実施形態は、組成物、化合物、方法および使用であって、式Iにおいて、−X−R1は、R3と一緒になって、X−(C1〜C10−アルキレン)−Z、X−(C2〜C10−アルケニレン)−Z、X−(C3〜C20−シクロアルキレン)−Z、X−(ヘテロシクロアルキレン)−Z、X−(o−フェニレン)−Zから選択される二価の基であり、その際、Xは、前記定義の通りであり、かつZは、スルホネート基の硫黄原子に結合されており、かつ上述の意味の一つを有し、好ましくは単結合である前記組成物、化合物、方法および使用に関する。この実施形態によれば、以下の構造単位
【化21】
が得られる。
【0148】
本発明のもう一つの好ましい実施形態は、組成物、化合物、方法および使用であって、式Iにおいて、aが1であり、かつbおよびcが両者とも0である前記組成物、化合物、方法および使用に関する。この実施形態において、Qは、R1であり、好ましくはR1について好ましいものとして挙げられた意味の一つを有する。
【0149】
本発明のもう一つの好ましい実施形態は、組成物、化合物、方法および使用であって、式Iにおいて、aが2であり、かつbおよびcが両者とも0である前記組成物、化合物、方法および使用に関する。この実施形態において、Qは、二価の基である。特定の一実施形態においては、Qは、L−C1〜C30−アルキレン−L、L−C3〜C16−シクロアルキレン−L、L−ヘテロシクロアルキレン−L、L−C6〜C20−アリーレン−L、L−C1〜C30−アルキレン−L2−L、L−C3〜C16−シクロアルキレン−L1−C3〜C16−シクロアルキレン−LまたはL−C6〜C20−アリーレン−L1−C6〜C20−アリーレン−Lであり、その際、それぞれのアルキレンは、1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる非隣接のOもしくはSによって中断されていてよく、それぞれのシクロアルキレンおよびそれぞれのヘテロシクロアルキレンは、1もしくはそれより多くのCOによって中断されていてよく、かつLは、単結合、C(S)OまたはC(S)NR12であり、L1は、単結合、OまたはSであり、かつL2は、C3〜C20−シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレンまたはC6〜C20−アリーレンである。
【0150】
この実施形態の特定の好ましい一態様によれば、Qは、L−C1〜C30−アルキレン−L、L−C3〜C16−シクロアルキレン−L、L−ヘテロシクロアルキレン−L、L−C6〜C20−アリーレン−L、L−C1〜C30−アルキレン−L2−L、L−C3〜C16−シクロアルキレン−L1−C3〜C16−シクロアルキレン−LまたはL−C6〜C20−アリーレン−L1−C6〜C20−アリーレン−Lであり、その際、それぞれのアルキレンは、1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる非隣接のフェニレン、OC(O)、C(O)O、OもしくはSによって中断されていてよく、それぞれのシクロアルキレンおよびそれぞれのヘテロシクロアルキレンは、1もしくはそれより多くのCOによって中断されていてよく、かつLは、単結合、C(S)OまたはC(S)NR12、より好ましくは単結合によって中断されていてよく、その際、R12は、前記定義の通りであり、好ましくは好ましい意味の一つを有し、L1は、単結合、OまたはSであり、かつL2は、C3〜C20−シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレンまたはC6〜C20−アリーレン、より好ましくはフェニレンまたはナフチレンである。この実施形態においては、より好ましいのは、Qが、C1〜C30−アルキレン;非隣接のOによって1回、2回、3回、4回、5回または6回だけ中断されているC1〜C30−アルキレン;非隣接のSによって1回、2回、3回、4回、5回または6回だけ中断されているC1〜C30−アルキレン;フェニレン;ナフチレン;フェニレン−O−フェニレン;フェニレン−S−フェニレン;ナフチレン−O−ナフチレン;またはナフチレン−S−ナフチレンである化合物である。特に、Qは、フェニレン−S−フェニレン;C1〜C10−アルキレン;または1、2、3または4個以上のOおよびSから選択される非隣接原子によって中断されたC1〜C20−アルキレンである。この実施形態においては、Qの例は、直鎖状のC1〜C10−アルキレン、分枝鎖状のC1〜C10−アルキレン、−CH2−CH2−O−CH2−CH2−、−CH2−CH2−S−CH2−CH2−、−CH2−CH2−O−CH2−CH2−O−CH2−CH2−、−CH2−CH2−S−CH2−CH2−S−CH2−CH2−、
【化22】
[式中、*は、Xへの結合点を示す]である。この実施形態の更なる一態様においては、Qは、1、2、3または4個の、O、S、C(O)OおよびOC(O)から選択される基によって中断されたC1〜C10−アルキレンであり、例は、−CH2−C(O)−O−CH2−CH2−CH2−CH2−O−C(O)−CH2−、1,4−フェニレン、CH2C(O)−O−CH2CH2−O−C(O)−CH2である。
【0151】
本発明のもう一つの好ましい実施形態は、組成物、化合物、方法および使用であって、式Iにおいて、bが2であり、かつaおよびcが両者とも0である前記組成物、化合物、方法および使用に関する。この実施形態において、Qは、二価の基である。この実施形態の好ましい一態様によれば、Qは、L5−C1〜C30−アルキレン−L5、L5−C3〜C16−シクロアルキレン−L5、L5−ヘテロシクロアルキレン−L5、L5−C6〜C20−アリーレン−L5、L5−C3〜C16−シクロアルキレン−L7−C3〜C16−シクロアルキレン−L5またはL5−C6〜C20−アリーレン−L7−C6〜C20−アリーレン−L5であり、その際、アルキレンは、1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる非隣接のOもしくはSによって中断されていてよく、それぞれのシクロアルキレンおよびそれぞれのヘテロシクロアルキレンは、1もしくはそれより多くのCOによって中断されていてよく、かつL5は、単結合、S、O、NR6、CO、C(O)O、OCO、NR10C(O)またはCONR10であり、L7は、単結合、OまたはSであり、かつR6およびR10は、前記定義の通りであり、好ましくは好ましい意味の一つを有する。より好ましくは、L5は、単結合、S、O、C(O)、OC(O)またはC(O)Oである。この実施形態においては、より好ましいのは、Qが、C1〜C30−アルキレン;C(O)O−C1〜C30−アルキレン−OC(O);非隣接のOによって1回、2回、3回、4回、5回または6回だけ中断されているC1〜C30−アルキレン;非隣接のSによって1回、2回、3回、4回、5回または6回だけ中断されているC1〜C30−アルキレン;C(O)O−C1〜C30−アルキレン−OC(O)であって、アルキレンが非隣接のOによって1回、2回、3回、4回、5回または6回だけ中断されている基;フェニレン;ナフチレン;フェニレン−O−フェニレン;フェニレン−S−フェニレン;ナフチレン−O−ナフチレン;またはナフチレン−S−ナフチレンである化合物である。更により好ましくは、Qは、1、2、3または4個以上のOおよびSから選択される非隣接原子によって中断されていてよいC1〜C10−アルキレンである。この実施形態においては、Qの例は、直鎖状のまたは分枝鎖状のC1〜C10−アルキレン、−CH2−CH2−O−CH2−CH2−、−CH2−CH2−S−CH2−CH2−、−CH2−CH2−O−CH2−CH2−O−CH2−CH2−、−CH2−CH2−S−CH2−CH2−S−CH2−CH2−または−C(O)O−C2〜C4−アルキレン−O−C(O)−である。この実施形態の更なる好ましい一態様においては、Qは、C(O)O−C1〜C30−アルキレン−O−C(O)−である。
【0152】
本発明のもう一つの好ましい実施形態は、組成物、化合物、方法および使用であって、式Iにおいて、bは2または3であり、かつ−X−R1は、Qの炭素原子または窒素原子と一緒になって、X−(C1〜C6−アルキレン)−N(R10)CO、X−(C3〜C6−シクロアルキレン)−N(R10)CO、X−(o−フェニレン)−N(R10)COまたはS−C(S)−N(R12)−COを介して5員、6員または7員の環を形成し、その際、R10およびR12は、前記定義の通りであり、好ましくは好ましい意味の一つを有する前記組成物、化合物、方法および使用に関する。
【0153】
本発明のもう一つの好ましい実施形態は、組成物、化合物、方法および使用であって、式Iにおいて、cが2であり、aおよびbが両者とも0である前記組成物、化合物、方法および使用に関する。この実施形態において、Qは、二価の基である。この実施形態の好ましい一態様によれば、Qは、C1〜C30−アルキレン、C3〜C16−シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、C6〜C20−アリーレン、C3〜C16−シクロアルキレン−L11−C3〜C16−シクロアルキレン、C6〜C20−アリーレン−L11−C6〜C20−アリーレンから選択され、その際、アルキレンは、1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる非隣接のOもしくはSによって中断されていてよく、それぞれのシクロアルキレンおよびそれぞれのヘテロシクロアルキレンは、1もしくはそれより多くのCOによって中断されていてよく、かつL11は、単結合、OまたはSである。この実施形態においては、より好ましいのは、Qが、C1〜C30−アルキレン;非隣接のOによって1回、2回、3回、4回、5回または6回だけ中断されているC1〜C30−アルキレン;非隣接のSによって1回、2回、3回、4回、5回または6回だけ中断されているC1〜C30−アルキレン;フェニレン;ナフチレン;フェニレン−O−フェニレン;フェニレン−S−フェニレン;ナフチレン−O−ナフチレン;またはナフチレン−S−ナフチレンである化合物である。更により好ましくは、Qは、フェニレンまたはナフチレンである。この実施形態においては、Qの例は、1,3−フェニレン、1,4−フェニレン、1,8−ナフチレンおよび2,7−ナフチレンである。
【0154】
本発明のもう一つの好ましい実施形態は、化合物、方法および使用であって、式Iにおいて、a+b+cの合計が2である前記化合物、方法および使用に関する。この実施形態において、Qは、二価の基である。この実施形態の好ましい一態様によれば、Qは、C1〜C30−アルキレン、C3〜C16−シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、C6〜C20−アリーレン、C3〜C16−シクロアルキレン−L11−C3〜C16−シクロアルキレン、C6〜C20−アリーレン−L11−C6〜C20−アリーレンから選択され、その際、アルキレンは、1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる非隣接のOもしくはSによって中断されていてよく、それぞれのシクロアルキレンおよびそれぞれのヘテロシクロアルキレンは、1もしくはそれより多くのCOによって中断されていてよく、かつL11は、単結合、OまたはSである。より好ましいのは、Qが、C1〜C30−アルキレン;非隣接のOによって1回、2回、3回、4回、5回または6回だけ中断されているC1〜C30−アルキレン;非隣接のSによって1回、2回、3回、4回、5回または6回だけ中断されているC1〜C30−アルキレン;フェニレン;ナフチレン;フェニレン−O−フェニレン;フェニレン−S−フェニレン;ナフチレン−O−ナフチレン;またはナフチレン−S−ナフチレンである化合物である。更により好ましくは、Qは、CH2−フェニレン−CH2、フェニレンまたはナフチレンである。この実施形態においては、Qの例は、CH2−(1,4−フェニレン)−CH2−、1,3−フェニレン、1,4−フェニレン、1,8−ナフチレンおよび2,7−ナフチレンである。
【0155】
本発明のもう一つの好ましい実施形態は、組成物、化合物、方法および使用であって、式Iにおいて、a+b+cの合計が3である前記組成物、化合物、方法および使用に関する。Qは、三価のリンカーである。この実施形態の好ましい一態様によれば、Qは、C1〜C30−アルカントリイル、C3〜C16−シクロアルカントリイル、C6〜C20−アレーントリイル、C1〜C30−アルカントリイル−L14−L15、C1〜C30−アルキレン−L14−L16、C6〜C20−アレーントリイル−L14−L15−C6〜C20−アリーレンおよびC6〜C20−アリーレン−L14−L15−C3〜C16−シクロアルカントリイルから選択され、その際、
それぞれのアルカントリイルおよびそれぞれのアルキレンは、1もしくはそれより多くの、例えば1、2、3、4、5、6個のまたは6個より多くの同一もしくは異なる非隣接の基O、S、NR6、CO、C(O)O、OC(O)、NR10C(O)またはC(O)NR10によって中断されていてよく、かつ/または1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる基RQaを有してよく、その際、RQaおよびR6は、前記定義の通りであり、
それぞれのシクロアルカントリイルは、1もしくはそれより多くのCO基によって中断されていてよく、その際、L14は、単結合、OまたはSであり、L15は、C3〜C20−シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレンまたはC6〜C20−アリーレンであり、かつL16は、アレーントリイルである。この実施形態においては、より好ましいのは、式Iで示され、その式中、Qは、C1〜C30−アルカントリイルまたは1、2、3、4、5もしくは6個の、互いに独立してO、S、NR6、NR10C(O)、CONR10、CO、OC(O)およびC(O)Oから選択される非隣接の基によって中断されたC1〜C30−アルカントリイルであり、その際、R6およびR10が、前記定義の通りであり、好ましくは好ましい意味の一つを有する前記化合物である。この実施形態においては、Qの例は、
【化23】
[式中、
*は、Xへの結合点を示し、
6は、前記定義の通りであり、好ましくはHまたはC1〜C10−アルキルであり、
10は、前記定義の通りであり、好ましくはHまたはC1〜C10−アルキルである]である。
【0156】
本発明のもう一つの好ましい実施形態は、組成物、化合物、方法および使用であって、式Iにおいて、a+b+cの合計が4である前記組成物、化合物、方法および使用に関する。Qは、四価のリンカーである。好適な例は、1もしくはそれより多くの、好ましくは1、2、3、4、5、6、7、8個のまたは8個より多くの基L18によって中断されていてよいC1〜C30−アルカンテトライルである。L18は、好ましくは、O、S、NR6、CO、C(O)O、OC(O)、C(O)NR10またはNR10C(O)である。この実施形態においては、Qの例は、
【化24】
である。
【0157】
本発明のもう一つの好ましい実施形態は、組成物、化合物、方法および使用であって、式Iにおいて、a+b+cの合計が6である前記組成物、化合物、方法および使用に関する。Qは、六価のリンカーである。好適な例は、1もしくはそれより多くの、好ましくは1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12個のまたは12個より多くの基L19によって中断されていてよいC2〜C30−アルカンヘキサイルである。L19は、好ましくは、O、S、NR6、CO、C(O)O、OC(O)、C(O)NR10またはNR10C(O)である。
【0158】
その他に、変値R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12およびR13は、互いに独立して、好ましくは、以下の意味の一つを有する:
4は、水素、C1〜C12−アルキル;C1〜C4−ハロアルキル;フェニル−C1〜C4−アルキル;C2〜C12−アルケニル;C3〜C10−シクロアルキル;ヘテロシクリル;1もしくはそれより多くの、例えば1、2、3もしくは4個のO、S、N(C1〜C8−アルキル)もしくはCOによって中断されたC1〜C12−アルキル;1もしくはそれより多くの、例えば1、2もしくは3個のO、S、N(C1〜C8−アルキル)もしくはCOによって中断されたC1〜C12−ハロアルキル;フェニル−C1〜C4−アルキルであってそのアルキル部が1もしくは2個のO、S、N(C1〜C8−アルキル)もしくはCOによって中断されている前記フェニル−C1〜C4−アルキル;1もしくはそれより多くの、例えば1、2もしくは3個のO、S、N(C1〜C8−アルキル)もしくはCOによって中断されたC2〜C12−アルケニル;1もしくは2個のCOによって中断されたC3〜C10−シクロアルキル;1もしくは2個のCOによって中断されたヘテロシクリル;フェニル;ナフチル;1もしくはそれより多くの、例えば1、2、3、4もしくは5個の、互いに独立してF、Cl、Br、I、C1〜C12−アルキル、C1〜C12−アルコキシ、フェニル−C1〜C3−アルコキシ、フェノキシ、C1〜C12−アルキルスルファニル、フェニルスルファニル、−(CO)O(C1〜C8−アルキル)、(CO)N(C1〜C8−アルキル)2およびフェニルから選択される基によって置換されたフェニル;1もしくはそれより多くの、例えば1、2、3、4もしくは5個の、互いに独立してF、Cl、Br、I、C1〜C12−アルキル、C1〜C12−アルコキシ、フェニル−C1〜C3−アルキルオキシ、フェノキシ、C1〜C12−アルキルスルファニル、フェニルスルファニル、−(CO)O(C1〜C8−アルキル)、(CO)N(C1〜C8−アルキル)2およびフェニルから選択される基によって置換されたナフチル;SR4が結合されるフェニル環と一緒に、単結合、C1〜C4−アルキレン、O、S、NR6もしくはCOを介して5員もしくは6員の環を形成するフェニルもしくはナフチルである;
5は、水素、C1〜C12−アルキル;C1〜C4−ハロアルキル;フェニル−C1〜C4−アルキル;C2〜C12−アルケニル;C3〜C10−シクロアルキル;ヘテロシクリル;1もしくはそれより多くの、例えば1、2、3もしくは4個のO、S、N(C1〜C8−アルキル)もしくはCOによって中断されたC1〜C12−アルキル;1もしくはそれより多くの、例えば1、2もしくは3個のO、S、N(C1〜C8−アルキル)もしくはCOによって中断されたC1〜C12−ハロアルキル;フェニル−C1〜C4−アルキルであってそのアルキル部が1もしくは2個のO、S、N(C1〜C8−アルキル)もしくはCOによって中断されている前記フェニル−C1〜C4−アルキル;1もしくはそれより多くの、例えば1、2もしくは3個のO、S、N(C1〜C8−アルキル)もしくはCOによって中断されたC2〜C12−アルケニル;1もしくは2個のCOによって中断されたC3〜C10−シクロアルキル;1もしくは2個のCOによって中断されたヘテロシクリル;フェニル;ナフチル;1もしくはそれより多くの、例えば1、2、3、4もしくは5個の、互いに独立してF、Cl、Br、I、C1〜C12−アルキル、C1〜C12−アルコキシ、フェニル−C1〜C3−アルコキシ、フェノキシ、C1〜C12−アルキルスルファニル、フェニルスルファニル、−(CO)O(C1〜C8−アルキル)、(CO)N(C1〜C8−アルキル)2およびフェニルから選択される基によって置換されたフェニル;1もしくはそれより多くの、例えば1、2、3、4もしくは5個の、互いに独立してF、Cl、Br、I、C1〜C12−アルキル、C1〜C12−アルコキシ、フェニル−C1〜C3−アルキルオキシ、フェノキシ、C1〜C12−アルキルスルファニル、フェニルスルファニル、−(CO)O(C1〜C8−アルキル)、(CO)N(C1〜C8−アルキル)2およびフェニルから選択される基によって置換されたナフチル;SR4が結合されるフェニル環と一緒に、単結合、C1〜C4−アルキレン、O、S、NR6もしくはCOを介して5員もしくは6員の環を形成するフェニルもしくはナフチルである;
6、R10およびR12は、それぞれ互いに独立して、水素;OR5;C1〜C12−アルキル;C1〜C4−ハロアルキル;C2〜C12−アルケニル;C3〜C10−シクロアルキル;1、2もしくは3個のO、S、N(C1〜C8−アルキル)もしくはCOによって中断されたC1〜C12−アルキル;1、2もしくは3個のO、S、N(C1〜C8−アルキル)もしくはCOによって中断されたC2〜C12−アルケニル;1、2もしくは3個のO、S、N(C1〜C8−アルキル)もしくはCOによって中断されたC3〜C10−シクロアルキル;C2〜C8−アルカノイル;1、2もしくは3個の−OHもしくはC1〜C6−アルコキシによって置換されたC2〜C8−アルカノイル;C2〜C4−ハロアルカノイル;1個の−OHもしくはC1〜C6−アルコキシによって置換されたC2〜C4−ハロアルカノイル;ベンゾイル;1、2、3、4もしくは5個のC1〜C6−アルキル、F、Cl、Br、I、−OHもしくはC1〜C6−アルコキシによって置換されたベンゾイル;フェニル;1、2、3、4もしくは5個のF、Cl、Br、I、C1〜C12−アルキル、C1〜C4−ハロアルキル、C1〜C12−アルコキシ、フェニル−C1〜C3−アルコキシ、フェノキシ、C1〜C12−アルキルスルファニル、フェニルスルファニル、−(CO)O(C1〜C8−アルキル)、(CO)N(C1〜C8−アルキル)2もしくはフェニルによって置換されたフェニル;ナフチル;または1、2、3、4もしくは5個のF、Cl、Br、I、C1〜C12−アルキル、C1〜C4−ハロアルキル、C1〜C12−アルコキシ、フェニル−C1〜C3−アルコキシ、フェノキシ、C1〜C12−アルキルスルファニル、フェニルスルファニル、−(CO)O(C1〜C8−アルキル)、(CO)N(C1〜C8−アルキル)2もしくはフェニルによって置換されたナフチルである;
7、R11およびR13は、それぞれ互いに独立して、OR5;C1〜C12−アルキル;C1〜C4−ハロアルキル;C2〜C12−アルケニル;C3〜C10−シクロアルキル;1、2もしくは3個のO、S、N(C1〜C8−アルキル)もしくはCOによって中断されたC1〜C12−アルキル;1、2もしくは3個のO、S、N(C1〜C8−アルキル)もしくはCOによって中断されたC2〜C12−アルケニル;1、2もしくは3個のO、S、N(C1〜C8−アルキル)もしくはCOによって中断されたC3〜C10−シクロアルキル;C2〜C8−アルカノイル;1、2もしくは3個の−OHもしくはC1〜C6−アルコキシによって置換されたC2〜C8−アルカノイル;C2〜C4−ハロアルカノイル;1個の−OHもしくはC1〜C6−アルコキシによって置換されたC2〜C4−ハロアルカノイル;ベンゾイル;1、2、3、4もしくは5個のC1〜C6−アルキル、F、Cl、Br、I、−OHもしくはC1〜C6−アルコキシによって置換されたベンゾイル;フェニル;1、2、3、4もしくは5個のF、Cl、Br、I、C1〜C12−アルキル、C1〜C4−ハロアルキル、C1〜C12−アルコキシ、フェニル−C1〜C3−アルコキシ、フェノキシ、C1〜C12−アルキルスルファニル、フェニルスルファニル、−(CO)O(C1〜C8−アルキル)、(CO)N(C1〜C8−アルキル)2もしくはフェニルによって置換されたフェニル;ナフチル;または1、2、3、4もしくは5個のF、Cl、Br、I、C1〜C12−アルキル、C1〜C4−ハロアルキル、C1〜C12−アルコキシ、フェニル−C1〜C3−アルコキシ、フェノキシ、C1〜C12−アルキルスルファニル、フェニルスルファニル、−(CO)O(C1〜C8−アルキル)、(CO)N(C1〜C8−アルキル)2もしくはフェニルによって置換されたナフチルである;
または、
6およびR7、R10およびR11および/またはR12およびR13は、それらが結合される窒素原子と一緒になって、5員または6員の飽和の複素環であって、O、SおよびN(C1〜C8−アルキル)から選択される更なるヘテロ原子を環員原子として有してよく、かつその複素環の1つのメチレン基がCO基によって置き換えられていてよい前記複素環を形成する;
8は、C1〜C12−アルキル;1もしくはそれより多くの、例えば2、3もしくは4個のO、S、N(C1〜C8−アルキル)もしくはCOによって中断されたC1〜C12−アルキル;C1〜C4−ハロアルキル;1もしくはそれより多くの、例えば2、3もしくは4個のO、S、N(C1〜C8−アルキル)もしくはCOによって中断されたC1〜C4−ハロアルキル;フェニル−C1〜C4−アルキル;フェニル−C1〜C4−アルキルであってそのアルキル部が1もしくは2個のO、S、N(C1〜C8−アルキル)もしくはCOによって中断された前記フェニル−C1〜C4−アルキル;C2〜C12−アルケニル;1もしくはそれより多くの、例えば2、3もしくは4個のO、S、N(C1〜C8−アルキル)もしくはCOによって中断されたC2〜C12−アルケニル;C3〜C10−シクロアルキル;1個のCOによって中断されたC3〜C10−シクロアルキル;ヘテロシクリル;1個のCOによって中断されたヘテロシクリル;1、2、3、4もしくは5個のまたはそれより多くのF、Cl、Br、I、C1〜C12−アルキル、C1〜C4−ハロアルキル、C1〜C12−アルコキシ、フェニル−C1〜C3−アルコキシ、フェノキシ、C1〜C12−アルキルスルファニル、フェニルスルファニル、−(CO)O(C1〜C8−アルキル)、(CO)N(C1〜C8−アルキル)2によって置換されたフェニル;ナフチル;または1もしくはそれより多くの、例えば1、2、3、4個のもしくはそれより多くのF、Cl、Br、I、C1〜C12−アルキル、C1〜C4−ハロアルキル、C1〜C12−アルコキシ、フェニル−C1〜C3−アルコキシ、フェノキシ、C1〜C12−アルキルスルファニル、−(CO)O(C1〜C8−アルキル)、(CO)N(C1〜C8−アルキル)2もしくはフェニルによって置換されたナフチルである;
9は、水素;C1〜C12−アルキル;1もしくはそれより多くの、例えば2、3もしくは4個のO、S、N(C1〜C8−アルキル)もしくはCOによって中断されたC1〜C12−アルキル;C1〜C4−ハロアルキル;1もしくはそれより多くの、例えば2、3もしくは4個のO、S、N(C1〜C8−アルキル)もしくはCOによって中断されたC1〜C4−ハロアルキル;フェニル−C1〜C4−アルキル;フェニル−C1〜C4−アルキルであってそのアルキル部が1もしくは2個のO、S、N(C1〜C8−アルキル)もしくはCOによって中断された前記フェニル−C1〜C4−アルキル;C2〜C12−アルケニル;1もしくはそれより多くの、例えば2、3もしくは4個のO、S、N(C1〜C8−アルキル)もしくはCOによって中断されたC2〜C12−アルケニル;C3〜C10−シクロアルキル;1個のCOによって中断されたC3〜C10−シクロアルキル;ヘテロシクリル;1個のCOによって中断されたヘテロシクリル;1、2、3、4もしくは5個のまたはそれより多くのF、Cl、Br、I、C1〜C12−アルキル、C1〜C4−ハロアルキル、C1〜C12−アルコキシ、フェニル−C1〜C3−アルコキシ、フェノキシ、C1〜C12−アルキルスルファニル、フェニルスルファニル、−(CO)O(C1〜C8−アルキル)、(CO)N(C1〜C8−アルキル)2によって置換されたフェニル;ナフチル;または1もしくはそれより多くの、例えば1、2、3、4個のもしくはそれより多くのF、Cl、Br、I、C1〜C12−アルキル、C1〜C4−ハロアルキル、C1〜C12−アルコキシ、フェニル−C1〜C3−アルコキシ、フェノキシ、C1〜C12−アルキルスルファニル、−(CO)O(C1〜C8−アルキル)、(CO)N(C1〜C8−アルキル)2もしくはフェニルによって置換されたナフチルである。
【0159】
本発明のもう一つのより好ましい実施形態は、組成物、化合物、方法および使用であって、式Iにおいて、
aは、0、1、2または3である;
bは、0、2または3、好ましくは0または2である;
cは、0、2または3、好ましくは0または2であり、更なる一実施形態においては、cは、1である;
Xは、SまたはNR14である;
14は、
1〜C12−アルキル、
前記のC1〜C12−アルキルは、1もしくはそれより多くの、例えば1、2もしくは3個の同一もしくは異なるO、S、NR6もしくはCOによって中断されていてよく、かつ/または1もしくはそれより多くの、例えば1もしくは2個の同一もしくは異なる基R14aによって置換されていてよく、前記基R14aは、C3〜C8−シクロアルキル、CN、COR8、COOR9、CONR1011、フェニル、1、2、3、4もしくは5個の、C1〜C8−アルキル、C1〜C4−ハロアルキル、F、Cl、Br、I、CN、NO2、SR4、OR5、NR67、COR8、COOR9およびCONR1011から選択される同一もしくは異なる基によって置換されたフェニルならびに1もしくは2個のCO基によって中断され、かつ/または1、2、3、4もしくは5個の、C1〜C8−アルキル、C1〜C4−ハロアルキル、F、Cl、Br、I、CN、NO2、SR4、OR5、NR67、COR8、COOR9およびCONR1011から選択される基によって置換されていてよいC3〜C8−シクロアルキルから選択され、
2〜C12−アルケニル、
前記のC2〜C12−アルケニルは、1もしくはそれより多くの、例えば1、2もしくは3個の同一もしくは異なるO、S、NR6もしくはCOによって中断されていてよく、かつ/または1もしくはそれより多くの、例えば1もしくは2個の同一もしくは異なる基R14aによって置換されていてよく、前記基R14aは、C3〜C8−シクロアルキル、CN、COR8、COOR9、CONR1011、フェニル、1、2、3、4もしくは5個の、C1〜C8−アルキル、C1〜C4−ハロアルキル、F、Cl、Br、I、CN、NO2、SR4、OR5、NR67、COR8、COOR9およびCONR1011から選択される基によって置換されたフェニルならびに1もしくは2個のCO基によって中断され、かつ/または1、2、3、4もしくは5個の、C1〜C8−アルキル、C1〜C4−ハロアルキル、F、Cl、Br、I、CN、NO2、SR4、OR5、NR67、COR8、COOR9およびCONR1011から選択される基によって置換されていてよいC3〜C8−シクロアルキルから選択され、
3〜C12−シクロアルキル、
前記のC3〜C12−シクロアルキルは、1もしくはそれより多くの、例えば1もしくは2個のCOによって中断されていてよく、かつ/または1もしくはそれより多くの、C1〜C8−アルキル、CN、COR8、COOR9、CONR1011から選択される同一もしくは異なる基R14bによって置換されていてよく、または
フェニル、
から選択され、その際、最後に挙げた基のフェニル環は、1もしくはそれより多くの、C1〜C8−アルキル、C1〜C4−ハロアルキル、F、Cl、Br、I、CN、NO2、SR4、OR5、NR67、COR8、COOR9、CONR1011またはフェニルから選択される基R14cによって置換されていてよい;
または、
2つの基R14は、一緒になって、二価の橋かけ基であってその両端の結合の間に1〜10個の原子を有する橋かけ基であり、前記の二価の橋かけ基は、C1〜C10−アルキレン、C3〜C12−シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、C2〜C10−アルケニレン、フェニレンまたはナフチレンから選択され、その際、それぞれのアルキレンおよびアルケニレンは、1もしくはそれより多くの、例えば1もしくは2個のO、S、NH、N(C1〜C8−アルキル)もしくはCOによって中断されていてよく、かつシクロアルキレンおよびヘテロシクロアルキレンは、1もしくはそれより多くの、例えば1もしくは2個のCOによって中断されていてよい;
1は、
CSNR1213;C(O)OR9;CSOR9;C3〜C12−アルキル;C2〜C12−アルケニル;C3〜C12−シクロアルキル;
1〜C12−アルキル、
前記のC1〜C12−アルキルは、1もしくはそれより多くの、例えば1、2もしくは3個の同一もしくは異なる、O、S、NR6もしくはCOから選択される基によって中断されており、かつ/または1、2もしくは3個の同一もしくは異なる基R1aによって置換されている;
2〜C12−アルケニル、
前記のC2〜C12−アルケニルは、1もしくはそれより多くの、例えば1、2もしくは3個の同一もしくは異なる、O、S、NR6もしくはCOから選択される基によって中断されており、かつ/または1、2もしくは3個の同一もしくは異なる基R1aによって置換されている;
3〜C12−シクロアルキル、
前記のC3〜C12−シクロアルキルは、1もしくは2個のCO基によって中断されていてよく、かつ/または1、2もしくは3個の基R1bによって置換されていてよい;
ヘテロシクリル、
前記のヘテロシクリルは、1もしくは2個のCO基によって中断されていてよく、かつ/または1、2もしくは3個の基R1bによって置換されていてよい;
フェニル、ナフチルまたはヘタリール、
前記の最後に挙げた3つの基は、1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる基R1cによって置換されていてよく、かつヘテロアリールは、炭素原子の他に、1、2もしくは3個の、O、SおよびNから選択されるヘテロ原子を環員として含む;ならびに
6〜C10−アロイル、
前記のC6〜C10−アロイルは、1もしくはそれより多くの、例えば1、2もしくは3個の同一もしくは異なる基R1dによって置換されていてよい;
である;
または、
1およびR14は、それらが結合される窒素原子と一緒になって、5員、6員または7員の飽和のもしくは不飽和の複素環であって、O、S、NH、N(C1〜C8−アルキル)およびCOから選択される更なるヘテロ原子もしくはヘテロ原子基を含んでよく、かつ互いに独立してハロゲン、シアノ、C1〜C4−アルキル、ニトロ、C1〜C4−ハロアルキル、C1〜C4−アルコキシおよびC1〜C4−ハロアルコキシから選択される1、2、3または4個の置換基を有してよい複素環を形成する;
または、
1およびR14は、一緒になって、1もしくはそれより多くの、例えば1、2もしくは3個の同一もしくは異なるO、S、N(C1〜C8−アルキル)およびCOから選択される基によって中断されていてよいC2〜C8−アルキレンから選択される橋かけ基である;
2は、COR8;COOR9;C(O)NR1011
1〜C12−アルキル、C2〜C12−アルケニル、
その際、前記の最後に挙げた2つの基は、1もしくはそれより多くの、例えば1、2もしくは3個の同一もしくは異なる基R2aによって置換されていてよい;
3〜C12−シクロアルキル、
前記のC3〜C12−シクロアルキルは、1もしくはそれより多くの、例えば1、2もしくは3個の同一もしくは異なる基R2bによって置換されていてよい;
6〜C10−アリール、
前記のC6〜C10−アリールは、1もしくはそれより多くの、例えば1、2、3、4もしくは5個の同一もしくは異なる基R2cによって置換されていてよい;
炭素原子の他に1もしくは2個のN、OおよびSから選択されるヘテロ原子を含む5員もしくは6員のヘテロアリール、
前記のヘテロアリールは、1もしくはそれより多くの、例えば1、2、3、4もしくは5個の同一もしくは異なる基R2cによって置換されていてよい;または

【化25】
[式中、#は、分子の残部の結合点であり、かつR2fは、C1〜C12−アルキレン−COO-、C1〜C12−アルキレン−S(O)2-もしくはC1〜C12−アルキレン−OS(O)2-である]のピリジニウム;
である;
または、
−X−R1は、R2と一緒になって、−X−(C1〜C8−アルキレン)−O−C(O)−;−X−(C1〜C8−アルキレン)−S−C(O)−、−X−(C3〜C6−シクロアルキレン)−O−C(O)−;−X−(o−フェニレン)−O−C(O)−;−X−(C1〜C8−アルキレン)−NR10−C(O)−;−X−(C3〜C6−シクロアルキレン)−NR10−C(O)−;−N(C1〜C8−アルキル)−(O−C2〜C8−アルキレン)−;−S−(S−C2〜C8−アルキレン)−または−N(C1〜C8−アルキル)−(N(C1〜C8−アルキル)−C2〜C8−アルキレン)−であり、その際、それぞれのアルキレン部は、1もしくはそれより多くの、例えば1、2もしくは3個の、同一もしくは異なる基R2gによって置換されていてよく、それぞれのシクロアルキレンは、1もしくはそれより多くの、例えば1、2もしくは3個の、同一もしくは異なる基R2hによって置換されていてよく、かつo−フェニレンは、1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる基R2hによって置換されていてよい;
または、
−X−R1は、R2と一緒になって、−S−C(S)−NR12−C(O)−である;
3は、C2〜C12−アルキル;C2〜C12−アルケニル;フェニル−C1〜C4−アルキル;C1〜C4−ハロアルキル;C3〜C12−シクロアルキル−C1〜C12−アルキル;C3〜C12−シクロアルキル;ヘテロシクリル;C6〜C10−アリール;1もしくは2個のCoによって中断されており、かつ/または1もしくはそれより多くの、例えば1、2、3、4、5もしくは6個のC1〜C12−アルキルによって置換されていてよいC3〜C12−シクロアルキル;1もしくは2個のCOによって中断されており、かつ/または1もしくはそれより多くの、例えば1、2、3、4、5もしくは6個のC1〜C12−アルキルによって置換されていてよいヘテロシクリル;C3〜C12−シクロアルキル−C1〜C12−アルキルであって、シクロアルキルが、1もしくは2個のCOによって中断されており、かつ/または1もしくはそれより多くの、例えば1、2、3、4、5もしくは6個のC1〜C12−アルキルによって置換されていてよい前記C3〜C12−シクロアルキル−C1〜C12−アルキル;ならびにC6〜C10−アリールであって、1もしくはそれより多くの、例えば1、2、3、4もしくは5個のC1〜C12−アルキル、C1〜C4−ハロアルキル、C1〜C4−アルコキシ、C2〜C4−アルケニル、F、Cl、Br、I、CN、NO2、SR4、OR5、NR67、COR8、COOR9、CONR1011またはフェニルによって置換されていてよい前記アリールである;
または、
−X−R1は、R3と一緒になって、X−(C1〜C10−アルキレン)−、X−(C2〜C10−アルケニレン)−、X−(C3〜C20−シクロアルキレン)−、X−(ヘテロシクロアルキレン)−、X−(o−フェニレン)−から選択される二価の基である;
Qは、aが2であり、かつbおよびcが両者とも0である場合に、L−C1〜C30−アルキレン−L、L−C3〜C16−シクロアルキレン−L、L−ヘテロシクロアルキレン−L、L−C6〜C20−アリーレン−L、L−C1〜C30−アルキレン−L2−L、L−C3〜C16−シクロアルキレン−L1−C3〜C16−シクロアルキレン−LまたはL−C6〜C20−アリーレン−L1−C6〜C20−アリーレン−Lであり、その際、それぞれのアルキレンは、1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる非隣接のOもしくはSによって中断されていてよく、それぞれのシクロアルキレンおよびそれぞれのヘテロシクロアルキレンは、1もしくはそれより多くのCOによって中断されていてよく、かつLは、単結合、C(S)OまたはC(S)NR12であり、L1は、単結合、OまたはSであり、かつL2は、C3〜C20−シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレンまたはC6〜C20−アリーレンである;
Qは、bが2であり、かつaおよびcが両者とも0である場合に、L5−C1〜C30−アルキレン−L5、L5−C3〜C16−シクロアルキレン−L5、L5−ヘテロシクロアルキレン−L5、L5−C6〜C20−アリーレン−L5、L5−C3〜C16−シクロアルキレン−L7−C3〜C16−シクロアルキレン−L5またはL5−C6〜C20−アリーレン−L7−C6〜C20−アリーレン−L5であり、その際、アルキレンは、1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる非隣接のOもしくはSによって中断されていてよく、それぞれのシクロアルキレンおよびそれぞれのヘテロシクロアルキレンは、1もしくはそれより多くのCOによって中断されていてよく、かつL5は、単結合、S、O、NR6、CO、COO、OCO、NR10C(O)またはCONR10であり、L7は、単結合、OまたはSである;
Qは、cが2であり、かつaおよびbが両者とも0である場合に、C1〜C30−アルキレン、C3〜C16−シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、C6〜C20−アリーレン、C3〜C16−シクロアルキレン−L11−C3〜C16−シクロアルキレン、C6〜C20−アリーレン−L11−C6〜C20−アリーレンから選択され、その際、アルキレンは、1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる非隣接のOもしくはSによって中断されていてよく、それぞれのシクロアルキレンおよびそれぞれのヘテロシクロアルキレンは、1もしくはそれより多くのCOによって中断されていてよく、かつL11は、単結合、OまたはSである;
Qは、a+b+cの合計が3である場合に、C1〜C30−アルカントリイル、C3〜C16−シクロアルカントリイル、C6〜C20−アレーントリイル、C1〜C30−アルカントリイル−L14−L15、C1〜C30−アルキレン−L14−L16、C6〜C20−アレーントリイル−L14−L15−C6〜C20−アリーレンおよびC6〜C20−アリーレン−L14−L15−C3〜C16−シクロアルカントリイルから選択され、その際、
それぞれのアルカントリイルおよびそれぞれのアルキレンは、1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる非隣接の基O、S、CO、C(O)、NR6、NR10C(O)、CONR10、C(O)OもしくはOC(O)によって中断されていてよく、かつ/または1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる基RQaを有してよく、
それぞれのシクロアルカントリイルは、1もしくはそれより多くのCO基によって中断されていてよく、その際、L14は、単結合、OまたはSであり、L15は、C3〜C20−シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレンまたはC6〜C20−アリーレンであり、かつL16は、アレーントリイルである;
その際、R1a、R1b、R1c、R1d、R2a、R2b、R2c、R2g、R2h、RQa、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12およびR13は、前記定義の通りであり、好ましくは、好ましい意味の一つを有し、かつa+b+cの合計は、1、2もしくは3である、前記組成物、化合物、方法および使用に関する。
【0160】
本発明のもう一つのより好ましい実施形態は、組成物、化合物、方法および使用であって、式Iにおいて、a+b+cの合計が2である前記組成物、化合物、方法および使用に関する。Qは二価のリンカーであり、前記リンカーは、C1〜C30−アルキレン、C3〜C16−シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、C6〜C20−アリーレン、C3〜C16−シクロアルキレン−L11−C3〜C16−シクロアルキレン、C6〜C20−アリーレン−L11−C6〜C20−アリーレンから選択され、その際、アルキレンは、1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる非隣接のフェニレン、C(O)O、OC(O)、OもしくはSによって中断されていてよく、それぞれのシクロアルキレンおよびそれぞれのヘテロシクロアルキレンは、1もしくはそれより多くのCOによって中断されていてよく、かつL11は、単結合、OまたはSである。
【0161】
本発明のもう一つの更に好ましい実施形態は、組成物、化合物、方法および使用であって、式Iにおいて、XがSであり、かつR1およびR2の組合せが以下の意味を有する:
1は、1、2もしくは3個のニトロおよびC1〜C4−アルキルから選択される基によって置換されていてよいC6〜C10−アリールであり、かつ
2は、COOR9であり、その際、R9は、1、2もしくは3個の酸素によって中断されていてよいC1〜C12−アルキルであり、かつ/またはフェニルによって置換されていてよい;
または、
1は、C1〜C12−アルキル;C1〜C4−アルコキシカルボニルもしくはフェニル−C1〜C4−アルキル−S−C1〜C4−アルコキシによって置換されたC1〜C12−アルキル;C3〜C8−シクロアルキル;またはC2〜C4−アルケニルであり、かつ
2は、COOR9であり、その際、R9は、1、2もしくは3個の酸素によって中断されていてよいC1〜C12−アルキルであり、かつ/またはフェニルによって置換されていてよい;
または、
1は、1、2、3個のまたは3個より多くの、互いに独立してOおよびSから選択される基によって中断されたC3〜C12−アルキルであり、かつ
2は、COOR9であり、その際、R9は、1、2もしくは3個の酸素によって中断されていてよいC1〜C12−アルキルであり、かつ/またはフェニルによって置換されていてよい;
または、
1は、ベンジルであり、その芳香族環は、C1〜C4−アルカノイル−S−C1〜C2−アルキルもしくは塩素によって置換されており、かつ
2は、COOR9であり、その際、R9は、1、2もしくは3個の酸素によって中断されていてよいC1〜C12−アルキルであり、かつ/またはフェニルによって置換されていてよい;
または、
1は、C1〜C4−アルコキシ−C1〜C4−アルコキシカルボニルもしくはC1〜C4−アルコキシカルボニルによって置換されたC1〜C12−アルキル;C3〜C8−シクロアルキル;1、2もしくは3個のニトロ、C2〜C4−アルケニルおよびC1〜C4−アルキルから選択される基によって置換されていてよいC6〜C10−アリールであり、かつ
2は、C1〜C6−アルキルである;
または、
1は、ベンジルまたはフェネチルであり、その際、最後に挙げた2つの基の芳香族環は、1、2もしくは3個のニトロ、C2〜C4−アルケニルおよびC1〜C4−アルキルから選択される基によって置換されていてよく、かつ
2は、C1〜C6−アルキルである;
または、
1は、SHもしくはC1〜C3−アルキルカルボニルスルファニルによって置換されたC1〜C12−アルキルであり、かつ
2は、C1〜C6−アルキルである;
または、
1は、1、2もしくは3個のニトロおよびC1〜C4−アルキルから選択される基によって置換されていてよいC6〜C10−アリールであり、かつ
2は、5員もしくは6員のヘテロアリール、特にピリジル、例えば2−ピリジルもしくは4−ピリジルである、
前記組成物、化合物、方法および使用に関する。
【0162】
本発明のもう一つのより好ましい実施形態は、組成物、化合物、方法および使用であって、式Iにおいて、X−R1およびR2は、それらが結合されるオキシム炭素原子と一緒になって、環R−1、R−3、R−5、R−13またはR−19
【化26】
[式中、*は、オキシム窒素原子への結合点を示す]である。
【0163】
この実施形態の更なる特定の好ましい一態様によれば、−X−R1は、R2と一緒になって、−S−(C1〜C8−アルキレン)−S−C(O)−である。
【0164】
この実施形態の更なる特定の好ましい一態様によれば、−X−R1は、R2と一緒になって、−S−C(S)−NR12−C(O)−であり、その際、R12は、前記定義の通りである。この実施形態において、X−R1およびR2は、それらが結合されるオキシム炭素原子と一緒になって、以下の環R−20
【化27】
[式中、
*は、オキシム窒素原子への結合点であり、かつ
12は、前記定義の通りであり、好ましくは、H、C1〜C8−アルキルまたはC2〜C6−アルケニル、特にアリルである]である。
【0165】
この実施形態の更なる特定の一態様によれば、−X−R1は、R2と一緒になって、S−C(=NOR15)−C(O)−NR12−C(O)であり、その式中、R12は、前記定義の通りであり、かつR15は、水素またはフェニルスルホニルであってそのフェニル部がC1〜C4−アルキルもしくはC1〜C4−アルコキシによって置換されていてよいフェニルスルホニルである。この実施形態の態様によれば、X−R1およびR2は、それらが結合されるオキシム基環の炭素原子と一緒になって、環R−21
【化28】
[式中、
*は、オキシム窒素原子への結合点であり、かつ
12は、前記定義の通りであり、好ましくは、H、C1〜C8−アルキルまたはC2〜C6−アルケニルである]を形成する。
【0166】
本発明のもう一つのより好ましい実施形態は、組成物、化合物、方法および使用であって、式Iにおいて、R3は、好ましくは、C2〜C12−アルキル、C2〜C12−アルケニル、フェニル−C1〜C4−アルキル、C1〜C4−ハロアルキル、C3〜C12−シクロアルキル、C3〜C12−シクロアルキル−C1〜C12−アルキル、ヘテロシクリルおよびC6〜C10−アリールから選択され、その際、それぞれのシクロアルキルおよびヘテロシクリルは、1もしくは2個のCOによって中断されていてよく、かつ/または1もしくはそれより多くのC1〜C12−アルキルによって置換されていてよく、かつアリールは、1もしくはそれより多くの同一もしくは異なる、C1〜C12−アルキル、C1〜C4−ハロアルキル、C2〜C12−アルケニル、F、Cl、Br、I、CN、NO2、SR4、OR5、NR67、COR8、COOR9、CONR1011もしくはフェニルから選択される基によって置換されていてよく、その際、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10およびR11は、前記定義の通りである前記組成物、化合物、方法および使用に関する。
【0167】
本発明のもう一つのより好ましい実施形態は、組成物、化合物、方法および使用であって、式Iにおいて、aが2であり、bおよびcが両者とも0である前記組成物、化合物、方法および使用に関する。この実施形態の特定の一態様によれば、Xは、Sであり、R2は、C1〜C12−アルキルであり、かつQは、1、2、3もしくは4個のOおよびSから選択される非隣接のヘテロ原子によって中断されていてよいC1〜C30−アルキレンである。
【0168】
この実施形態の更なる特定の一態様によれば、Xは、Sであり、R2は、COOR9であり、かつQは、C6〜C20−アリーレン−S−C6〜C20−アリーレンである。R9は、前記定義の通りであり、好ましくは好ましい意味の一つを有する。
【0169】
本発明のもう一つのより好ましい実施形態は、組成物、化合物、方法および使用であって、式Iにおいて、aは、3であり、bおよびcは、両者とも0である前記組成物、化合物、方法および使用に関し、より好ましいのは、同様に、Xは、Sであり、R2は、COOR9であり、Qは、3、4、5、6、7、8もしくは9個の同一もしくは異なるO、S、NR6、CO、C(O)Oから選択される基によって中断されていてよいC1〜C20−アルカントリイルである化合物である。R9は、前記定義の通りであり、好ましくは好ましい意味の一つを有する。
【0170】
本発明のもう一つのより好ましい実施形態は、組成物、化合物、方法および使用であって、式Iにおいて、bは、2であり、aおよびcは、両者とも0である前記組成物、化合物、方法および使用に関し、より好ましいのは、同様に、Xは、Sであり、R1は、COOR9によって置換されたC1〜C12−アルキルであり、1回、2回、3回、4回、5回または6回だけ非隣接のOもしくはSによって中断されていてよいC1〜C30−アルキレンである化合物である。R9は、前記定義の通りであり、好ましくは好ましい意味の一つを有する。
【0171】
本発明のもう一つのより好ましい実施形態は、組成物、化合物、方法および使用であって、式Iにおいて、cは、2であり、aおよびbは、両者とも0である前記組成物、化合物、方法および使用に関し、より好ましいのは、同様に、Xは、Sであり、R2は、COOR9であり、Qは、C6〜C20−アリーレンである化合物である。
【0172】
式Iで示され、その式中、aは、1であり、bは、0であり、cは、0であり、かつQは、基R1である化合物は、また、化合物IA.1
【化29】
[式中、R1、R2、R3およびXは、前記定義の通りであり、好ましくは好ましい意味の一つを有する]とも呼ばれる。
【0173】
式Iで示され、その式中、aは、2、3もしくは4である化合物は、また、化合物IA
【化30】
[式中、Q、R1、R2、R3およびXは、前記定義の通りであり、好ましくは好ましい意味の一つを有する]とも呼ばれる。
【0174】
式IAで示され、その式中、aは、2であり、bおよびcは、両者とも0である化合物は、また、化合物IA.2とも呼ばれる。式IAで示され、その式中、aは、3であり、bおよびcは、両者とも0である化合物は、また、化合物IA.3とも呼ばれる。式IAで示され、その式中、aは、4であり、bおよびcは両者とも0である化合物は、また、化合物IA.4
【化31】
[式中、Q、R1、R2、R3およびXは、前記定義の通りであり、好ましくは好ましい意味の一つを有する]とも呼ばれる。
【0175】
式Iで示され、その式中、bは、2もしくは3である化合物は、また、化合物IB
【化32】
[式中、Q、R1、R2、R3およびXは、前記定義の通りであり、好ましくは好ましい意味の一つを有する]とも呼ばれる。
【0176】
式IBで示され、その式中、bは、2であり、aおよびcは、両者とも0である化合物は、また、化合物IB.2とも呼ばれる。式IBで示され、その式中、bは、3であり、aおよびcは両者とも0である化合物は、また、化合物IB.3とも呼ばれ、それらの式中、Q、R1、R2、R3およびXは、前記定義の通りであり、好ましくは好ましい意味の一つを有する。
【化33】
【0177】
式Iで示され、その式中、cは、2もしくは3である化合物は、また、化合物IC
【化34】
[式中、Q、R1、R2、R3およびXは、前記定義の通りであり、好ましくは好ましい意味の一つを有する]とも呼ばれる。
【0178】
式ICで示され、その式中、cは、2であり、aおよびbは、両者とも0である化合物は、また、化合物IC.2とも呼ばれる。式ICで示され、その式中、cは、3であり、aおよびbは両者とも0である化合物は、また、化合物IC.3とも呼ばれ、式中、Q、R1、R2、R3およびXは、前記定義の通りであり、好ましくは好ましい意味の一つを有する。
【0179】
【化35】
【0180】
式(I)の化合物に関してQ、X、R1、R2、R3、a、bおよびcについて示された好ましいことは、以下に定義される式IA、IA.1、IA.2、IA.3、IA.4、IB、IB.2、IB.3、IC、IC.2およびIC.3についても当てはまることは、当業者に容易に理解される。
【0181】
本発明のもう一つのより好ましい実施形態は、組成物、化合物、方法および使用であって、式IA.1において、R3は、C2〜C4−アルキル、C2〜C6−アルケニル、フェニルまたはベンジルであり、その際、最後に挙げた2つの基のそれぞれは、非置換であってよく、または1、2、3、4もしくは5個の互いに独立してフッ素、ニトロ、C1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルコキシ、C1〜C4−フルオロアルキル、C1〜C4−アルコキシカルボニルおよびC2〜C6−アルケニルから選択される基を有してよく、かつ−X−R1は、R2と一緒になって、−X−(C1〜C8−アルキレン)−O−C(O)−または−X−(o−フェニレン)−O−C(O)−であり、かつXは、N(C1〜C8−アルキル)、N(ベンジル)、N(C1〜C4−アルコキシ−C1〜C4−アルキル)またはSである前記組成物、化合物、方法および使用に関する。更なる特定の一実施形態において、R3は、炭素原子の他に1または2個の、O、S、SOおよびSO2、チエニルから選択されるヘテロ原子またはヘテロ原子基を含む5員または6員の飽和のヘテロシクリルである。
【0182】
本発明のもう一つのより好ましい実施形態は、組成物、化合物、方法および使用であって、式IA.1において、
Xは、S、N(ベンジル)またはN(C1〜C6−アルキル)である;
1は、C3〜C6−アルキル;C1〜C4−アルコキシカルボニル−C1〜C2−アルキル;C1〜C4−アルコキシ−C1〜C4−アルコキシカルボニル−C1〜C2−アルキル;C2〜C4−アルケニル;ベンジルスルファニル−C1〜C4−アルキル−O−C1〜C4−アルキル;フェネチルスルファニル−C1〜C4−アルキル−O−C1〜C4−アルキル;−COO(CH2CH2O)x(C1〜C4−アルキル) [xは、1、2、3、4もしくは5である];ベンゾイル;1、2もしくは3個の互いに独立してC1〜C4−アルキルおよびC2〜C4−アルケニルから選択される基によって置換されたベンゾイル;フェニル;1、2もしくは3個のニトロおよびC1〜C4−アルキルから選択される基によって置換されたフェニル;ベンジル;またはベンジルであって、そのベンジルのフェニル部が1、2もしくは3個のニトロおよびC1〜C4−アルキルから選択される基によって置換されているベンジルであるか、またはR1は、C1〜C4−ハロアルコキシカルボニル−C1〜C2−アルキル、C3〜C8−シクロアルキル;ベンジルであって、そのフェニル部が塩素によって置換されたベンジル;ベンジルであって、C1〜C4−アルカノイル−S−C1〜C2−アルキルによって置換されたベンジル;メルカプト−C3〜C6−アルキル;メルカプト−C3〜C6−アルキル−S−C1〜C2−アルキル;−O−C(=O)−CH2−S−(C1〜C2−アルキル)−S−C(=NOH)−C2〜C20−アルキルによって置換されたC1〜C12−アルキル;炭素原子の他に1もしくは2個の、O、SおよびNから選択されるヘテロ原子を含む5員、6員、9員もしくは10員のヘテロアリール;炭素原子の他に1もしくは2個のO、SおよびNから選択されるヘテロ原子を含む5員もしくは6員の飽和もしくは部分不飽和のヘテロシクリルである;
2は、C1〜C6−アルキル;C3〜C8−シクロアルキル;C1〜C4−アルコキシカルボニル;C(O)O−C1〜C4−アルキル−フェニル;COO(CH2CH2O)v(C1〜C4−アルキル) [式中、vは、1、2、3または4である];フェニル;1、2もしくは3個のニトロ、C1〜C4−アルキルおよびC1〜C4−アルコキシカルボニルから選択される基によって置換されたフェニル;ピリジル;または
【化36】
であり、前記R2fは、C1〜C12−アルキレン−COO-、C1〜C12−アルキレン−S(O)2-もしくはC1〜C12−アルキレン−OS(O)2-であるか、またはR2は、C1〜C4−ハロアルコキシカルボニルもしくはモルホリノアミドであり、かつ
3は、C1〜C4−アルキル;C1〜C4−ハロアルキル;C3〜C12−シクロアルキル−C1〜C6−アルキルであって、そのシクロアルキル部が、1もしくは2個のCO基によって中断されていてよく、かつ1、2、3もしくは4個のC1〜C4−アルキル基を有してよい前記C3〜C12−シクロアルキル−C1〜C6−アルキル;C2〜C4−アルケニル;C3〜C12−シクロアルキルであって、1もしくは2個のCO基によって中断されていてよく、かつ1、2、3もしくは4個のC1〜C4−アルキル基を有してよい前記シクロアルキル;C2〜C4−アルケニル;フェニル−C1〜C4−アルキルであって、最後に挙げた基における芳香族環が、1、2、3、4もしくは5個の互いに独立してフッ素、C1〜C4−アルキル、C1〜C4−ハロアルキル、C2〜C4−アルケニル、C1〜C4−アルコキシ、C1〜C4−アルコキシカルボニルおよびニトロから選択される基によって置換されていてよい前記フェニル−C1〜C4−アルキル、特にベンジルもしくはベンジルであってその芳香族環が、1、2、3、4もしくは5個のフッ素、C1〜C2−フルオロアルキル、ビニル、アリル、ニトロ、メトキシ、メトキシカルボニル、エトキシカルボニルから選択される基によって置換されたベンジル;ナフチルであって、最後に挙げた基における芳香族環が、1、2、3、4もしくは5個の互いに独立してフッ素、C1〜C4−アルキル、C1〜C4−ハロアルキル、C2〜C4−アルケニル、C1〜C4−アルコキシ、C1〜C4−アルコキシカルボニルおよびニトロ、好ましくはC1〜C4−アルキルから選択される基によって置換されていてよいナフチル;カンフォリル;フェニル;または1、2、3、4もしくは5個のフッ素、C1〜C2−フルオロアルキル、ビニル、アリル、ニトロ、メトキシ、メトキシカルボニル、エトキシカルボニルから選択される基によって置換されたフェニルであるか、またはR3は、炭素原子の他に1もしくは2個のO、S、SOおよびSO2から選択されるヘテロ原子もしくはヘテロ原子基を含む5員もしくは6員の飽和ヘテロシクリル、チエニルである、
前記組成物、化合物、方法および使用に関する。
【0183】
本発明のもう一つのより好ましい実施形態は、組成物、化合物、方法および使用であって、式IA.1において、
3は、C1〜C4−アルキル;ナフチル;フェニル;1もしくは2個のC1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルコキシもしくはニトロによって置換されたフェニル;またはフェニル−C1〜C2−アルキルであって、そのフェニル環が置換されていてよい前記フェニル−C1〜C2−アルキルであり、かつ
−X−R1は、R2と一緒になって、−S−(C1〜C8−アルキレン)−O−C(O)−;−S−(o−フェニレン)−O−C(O)−;−N(C1〜C8−アルキル)−(C1〜C8−アルキレン)−O−C(O)−;N(ベンジル)(C1〜C8−アルキレン)−O−C(O)−;−N(C1〜C8−アルキル)−(o−フェニレン)−O−C(O)−またはS−(C1〜C8−アルキレン)−S−C(O)である、
前記組成物、化合物、方法および使用に関する。
【0184】
本発明のもう一つのより好ましい実施形態は、組成物、化合物、方法および使用であって、式IA.において、
3は、C1〜C4−アルキル;C3〜C12−シクロアルキル−C1〜C12−アルキル;ナフチル;フェニル;1もしくは2個のC1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルコキシもしくはニトロによって置換されたフェニル;またはフェニル−C1〜C2−アルキルであって、そのフェニル環が置換されていてよい前記フェニル−C1〜C2−アルキルであり、かつ
−X−R1は、R2と一緒になって、S−C(S)−NR12−C(O)またはS−C(=NOR15)−C(O)−NR12−C(O)であり、その際、R12およびR15は、前記定義の通りである、
前記組成物、化合物、方法および使用に関する。
【0185】
本発明の更により好ましいもう一つの実施形態は、組成物、化合物、方法および使用であって、式IA.1において、
−X−R1は、R2と一緒になって、−N(C1〜C8−アルキル)−(C1〜C8−アルキレン)−O−C(O)−、N(ベンジル)(C1〜C8−アルキレン)−O−C(O)−または−N(C1〜C8−アルキル)−(o−フェニレン)−O−C(O)−であり、かつ
3は、C1〜C4−アルキル;C2〜C4−アルケニル;ベンジル;ナフチル、フェニル;または1、2、3、4もしくは5個のフッ素、C1〜C4−アルキル、ビニル、C1〜C4−アルコキシもしくはニトロから選択される基によって置換されたフェニルである、
前記組成物、化合物、方法および使用に関する。
【0186】
本発明の更により好ましいもう一つの実施形態は、組成物、化合物、方法および使用であって、式IA.1において、
Xは、Sであり、
1は、フェニルまたは1、2もしくは3個の、C1〜C4−アルキルおよびニトロから選択される基によって置換されたフェニルであり、かつ
2は、C1〜C4−アルコキシカルボニル、−C(O)O−C1〜C4−アルキル−フェニルまたは−COO(CH2CH2O)x(C1〜C4−アルキル) [式中、xは、1、2、3もしくは4である]であり、かつ
3は、C1〜C4−アルキル;C2〜C4−アルケニル;ベンジル;フェニル;または1、2、3、4もしくは5個の、フッ素、C1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルコキシ、ビニルもしくはニトロから選択される基によって置換されたフェニルである、
前記組成物、化合物、方法および使用に関する。
【0187】
本発明の更により好ましいもう一つの実施形態は、組成物、化合物、方法および使用であって、式IA.1において、
Xは、Sであり、
1は、C3〜C6−アルキル;C2〜C4−アルケニル;またはC1〜C4−アルコキシカルボニル−C1〜C2−アルキルであり、
2は、C1〜C4−アルコキシカルボニル、−C(O)O−C1〜C4−アルキル−フェニルまたは−COO(CH2CH2O)x(C1〜C4−アルキル) [式中、xは、1、2、3もしくは4である]であり、かつ
3は、C1〜C4−アルキル;C2〜C4−アルケニル;ベンジル;ナフチル、フェニル;または1、2、3、4もしくは5個の、フッ素、C1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルコキシ、ビニルもしくはニトロから選択される基によって置換されたフェニルである、
前記組成物、化合物、方法および使用に関する。
【0188】
本発明の更により好ましいもう一つの実施形態は、組成物、化合物、方法および使用であって、式IA.1において、
Xは、Sであり、
1は、フェニルまたは1、2もしくは3個の、C1〜C4−アルキルおよびニトロから選択される基によって置換されたフェニルであり、かつ
2は、メチル、エチルまたはC3〜C6−アルキルであり、かつ
3は、C1〜C4−アルキル;C2〜C4−アルケニル;ベンジル、ナフチル;フェニル;または1、2、3、4もしくは5個の、フッ素、C1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルコキシ、ビニルもしくはニトロから選択される基によって置換されたフェニルである、
前記組成物、化合物、方法および使用に関する。
【0189】
本発明の更により好ましいもう一つの実施形態は、組成物、化合物、方法および使用であって、式IA.1において、
Xは、Sであり、
1は、フェニルまたは1、2もしくは3個の、C1〜C4−アルキルおよびニトロから選択される基によって置換されたフェニルであり、かつ
2は、ピリジル;フェニルまたは1、2もしくは3個のC1〜C4−アルキルおよびニトロから選択される基によって置換されたフェニルであり、かつ
3は、C1〜C4−アルキル;C2〜C4−アルケニル;ベンジル;フェニル;または1、2、3、4もしくは5個の、フッ素、C1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルコキシ、ビニルもしくはニトロから選択される基によって置換されたフェニルである、
前記組成物、化合物、方法および使用に関する。
【0190】
本発明の更により好ましいもう一つの実施形態は、組成物、化合物、方法および使用であって、式IA.1において、
Xは、Sであり、
1は、フェニル−C1〜C4−アルキレンであって、そのフェニル部が、1、2もしくは3個のニトロおよびC1〜C4−アルキルから選択される基によって置換されていてよい前記フェニル−C1〜C4−アルキレンであり、かつ
2は、C1〜C6−アルキルであり、かつ
3は、C1〜C4−アルキル;C2〜C4−アルケニル;ベンジル、ナフチル、フェニル;または1、2、3、4もしくは5個の、フッ素、C1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルコキシ、ビニルもしくはニトロから選択される基によって置換されたフェニルである、
前記組成物、化合物、方法および使用に関する。
【0191】
本発明のもう一つの更により好ましい実施形態は、組成物、化合物、方法および使用であって、式IA.2において、
Xは、S;N(C1〜C6−アルキル)、N(C1〜C4−アルコキシ−C1〜C4−アルキル)、N(ベンジル)、N(フェネチル)、N(C2〜C6−アルケニル)またはN(C3〜C8−シクロアルキル−C1〜C4−アルキル)であり、
それぞれのR2は、独立して、C1〜C4−アルキル;−C(O)O−C1〜C4−アルキル−フェニルまたはC1〜C4−アルコキシカルボニルからなる群から選択され、更に、R2は、モルホリノアミドから選択されてよく、
それぞれのR3は、独立して、C1〜C4−アルキル;C2〜C4−アルケニル;ベンジル;ナフチル;フェニル;1、2、3、4もしくは5個のフッ素、C1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルコキシ、ビニルもしくはニトロから選択される基によって置換されたフェニルからなる群から選択され、更に、R3は、炭素原子の他に1もしくは2個のO、S、SOおよびSO2から選択されるヘテロ原子もしくはヘテロ原子基を含む5員もしくは6員の飽和のヘテロシクリルおよびチエニルから選択されてよく、
Qは、フェニレン−S−フェニレン;C1〜C10−アルキレン;1、2、3もしくは4個のフェニレン、C(O)O、OC(O)、OおよびSから選択される非隣接のヘテロ原子によって中断されたC1〜C10−アルキレンである、
前記組成物、化合物、方法および使用に関する。
【0192】
この実施形態の特定の好ましい一態様によれば、それぞれのR2は、同じ意味を有する。この実施形態の更なる特定の好ましい一態様によれば、それぞれのR2は、異なる意味を有する。この実施形態の更なる好ましい一態様によれば、それぞれのR3は、同じ意味を有する。この実施形態の更なる好ましい一態様によれば、それぞれのR3は、異なる意味を有する。この実施形態の更なる好ましい一態様によれば、それぞれのR2は、異なる意味を有し、かつそれぞれのR3は、異なる意味を有する。
【0193】
本発明のもう一つの更により好ましい実施形態は、組成物、化合物、方法および使用であって、式IA.3において、
Xは、Sであり、
それぞれのR2は、独立して、C1〜C4−アルキル、−C(O)O−C1〜C4−アルキル−フェニルまたはC1〜C4−アルコキシカルボニルからなる群から選択され、更に、R2は、モルホリノアミドから選択されてよく、
それぞれのR3は、独立して、C1〜C4−アルキル;C2〜C4−アルケニル;ベンジル;ナフチル;フェニル;または1、2、3、4もしくは5個のフッ素、C1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルコキシ、ビニルもしくはニトロから選択される基によって置換されたフェニルからなる群から選択され、更に、R3は、炭素原子の他に1もしくは2個のO、S、SOおよびSO2から選択されるヘテロ原子もしくはヘテロ原子基を含む5員もしくは6員の飽和のヘテロシクリル、チエニルから選択されてよく、
Qは、C1〜C20−アルカントリイル;3、4、5、6、7、8もしくは9個の同一もしくは異なる、O、S、NR6、CO、C(O)Oから選択される基によって中断されたC1〜C20−アルカントリイルであり、その際、R6は、前記定義の通りである、
前記組成物、化合物、方法および使用に関する。
【0194】
本発明のもう一つの更により好ましい実施形態は、組成物、化合物、方法および使用であって、式IA.4において、
Xは、Sであり、
それぞれのR2は、独立して、C1〜C4−アルキルまたはC1〜C4−アルコキシカルボニルからなる群から選択され、
それぞれのR3は、独立して、C1〜C4−アルキル、C2〜C6−アルケニル、炭素原子の他に1もしくは2個のO、S、SOおよびSO2から選択されるヘテロ原子もしくはヘテロ原子基を含む5員もしくは6員の飽和のヘテロシクリル、チエニル、フェニルもしくはベンジルからなる群から選択され、その際、最後に挙げた2つの基のそれぞれは、非置換であるか、または1、2、3、4もしくは5個の互いに独立してフッ素、ニトロ、C1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルコキシ、C1〜C4−フルオロアルキル、C1〜C4−アルコキシカルボニルおよびC2〜C6−アルケニルから選択される基を有してよく、
Qは、3、4、5、6、7、8もしくは9個のO、S、NR6、COおよびC(O)Oから選択される同一もしくは異なる基によって中断されていてよいC1〜C20−アルカンテトライルである、
前記組成物、化合物、方法および使用に関する。
【0195】
本発明のもう一つの更により好ましい実施形態は、組成物、化合物、方法および使用であって、式IB.2において、
bは、2であり、
Xは、Sであり、
それぞれのR1は、C1〜C6−アルキル;C2〜C4−アルケニル;ベンジル;C1〜C4−アルコキシカルボニル−C1〜C4−アルキル;フェニル;1もしくは2個の同一もしくは異なるC1〜C4−アルキルもしくはC2〜C4−アルケニルによって置換されたフェニルからなる群から選択され、更に、R1は、メルカプト−C3〜C6−アルキル、メルカプト−C3〜C6−アルキル−S−C1〜C2−アルキルから選択されてよく、かつ
Qは、1、2、3もしくは4個以上のOおよびSから選択される非隣接の原子によって中断されていてよいC1〜C10−アルキレンである、
前記組成物、化合物、方法および使用に関する。
【0196】
本発明のもう一つの更により好ましい実施形態は、組成物、化合物、方法および使用であって、式IC.2において、
Xは、Sであり、
それぞれのR1は、C1〜C6−アルキル、C1〜C4−アルコキシ−C1〜C4−アルコキシカルボニル−C1〜C2−アルキル、C1〜C4−アルコキシカルボニル−C1〜C2−アルキル、C2〜C4−アルケニル、C3〜C8−シクロアルキル、C3〜C8−シクロアルキル−C1〜C2−アルキル、フェニル−C1〜C4−アルキルスルファニル−C1〜C4−アルキル−O−C1〜C4−アルキル、フェネチルスルファニル−C1〜C4−アルキル−O−C1〜C2−アルキル、フェニル、フェネチルまたはベンジルから選択され、その際、最後に挙げた5つの基におけるそれぞれのフェニル部は、1、2もしくは3個のニトロ、C2〜C4−アルケニルおよびC1〜C4−アルキルから選択される基によって置換されていてよく、更に、R1は、C3〜C8−アルケニル、メルカプト−C3〜C6−アルキルおよびメルカプト−C3〜C6−アルキル−S−C1〜C2−アルキルから選択されてよく、
それぞれのR2は、C1〜C6−アルキル、C1〜C4−アルコキシカルボニルもしくはC1〜C4−アルコキシ−C1〜C4−アルコキシ−C1〜C4−アルコキシカルボニルから選択され、更に、R2は、モルホリノアミドから選択されてよく、かつ
Qは、フェニレンまたはナフチレンである、
前記組成物、化合物、方法および使用に関する。
【0197】
式Iで示され、その式中、a+b+cの合計は、2であり、aは、1であり、かつcは、1であり、かつbは、0である化合物は、また、化合物IDとも呼ばれる。
【0198】
本発明のもう一つの更により好ましい実施形態は、組成物、化合物、方法および使用であって、式ID
【化37】
において、
Qは、二価のリンカーであり、前記リンカーは、フェニレン、フェニレン−S−フェニレンまたはC1〜C10−アルキレンから選択され、前記のC1〜C10−アルキレンは、1、2、3もしくは4個のフェニレン、OおよびSから選択される非隣接の基によって中断されていてよく、
それぞれのXは、Sであり、
1は、C3〜C6−アルキル、メルカプト−C3〜C6−アルキル、メルカプト−C3〜C6−アルキル−S−C1〜C2−アルキル、C2〜C4−アルケニル、C3〜C8−シクロアルキル−C1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルコキシ−C1〜C4−アルコキシカルボニル−C1〜C2−アルキル、C1〜C4−アルコキシカルボニル−C1〜C2−アルキル、ベンジルスルファニル−C1〜C4−アルキル−O−C1〜C4−アルキル、フェネチルスルファニル−C1〜C4−アルキル−O−C1〜C4−アルキル、フェニルまたはベンジルであり、その際、フェニルおよびベンジルのフェニル部は、1、2もしくは3個の、ニトロおよびC1〜C4−アルキルから選択される基によって置換されていてよく、C1〜C4−アルカノイル−S−C1〜C2−アルキルによって置換されたベンジルであり、
それぞれのR2は、互いに独立して、C1〜C6−アルキル、C1〜C4−アルコキシカルボニル、モルホリノアミドまたはC1〜C4−アルコキシ−C1〜C4−アルコキシ−C1〜C4−アルコキシカルボニルからなる群から選択され、かつ
3は、C1〜C4−アルキル、C2〜C6−アルケニル、炭素原子の他に1もしくは2個のO、S、SOおよびSO2から選択されるヘテロ原子もしくはヘテロ原子基を含む5員もしくは6員の飽和のヘテロシクリル、チエニル、フェニルまたはベンジルであり、その際、最後に挙げた2つの基のそれぞれは、非置換であるか、または1、2、3、4もしくは5個の、互いに独立してフッ素、ニトロ、C1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルコキシ、C1〜C4−フルオロアルキル、C1〜C4−アルコキシカルボニルおよびC2〜C6−アルケニルから選択される基を有してよい、
前記組成物、化合物、方法および使用に関する。
【0199】
式Iのオキシムスルホネートは、一般に、文献中にもしくは実験部に記載される方法によって製造できる。例えば、式Iのオキシムスルホネートは、一般に、好適な遊離のオキシムと、スルホン酸ハロゲン化物とを反応させることによって製造できる。従って、式IA、IA.1、IBおよびICのオキシムスルホネートは、式IIA、IIA.1、IIBもしくはIICの好適な遊離のオキシムと、スルホン酸ハロゲン化物とを反応させることによって、スキーム1に示されるようにして製造することができる。
【0200】
スキーム1:
【化38】
【0201】
スキーム1において、R1、R2、R3およびQは、前記定義の通りであり、aは、2または3であり、bは、2または3であり、かつcは、2または3であり、Halは、ハロゲン、好ましくは塩素である。当業者であれば、オキシムIICが、オキシムIIAと同一であることは、容易に理解する。更に、当業者であれば、化合物ICにおいてcが2であれば、2当量の化合物IICが出発材料として必要とされることは、容易に理解する。化合物ICにおいてcが3であれば、3当量の化合物IICが出発材料として必要とされる。
【0202】
これらの反応は、通常は、溶剤としてのピリジンおよび塩基において、または例えばトルエン、テトラヒドロフラン(THF)もしくはジメチルホルムアミド(DMF)などの不活性溶剤中で塩基、例えば第三級アミン、例えばトリエチルアミンおよびジイソプロピルエチルアミンまたは第二級アミン、例えばジイソプロピルアミンの存在下に実施され、またはオキシムの塩と所望の酸塩化物との反応によって行われる。これらの方法は、例えばEP48615に開示されている。オキシムのナトリウム塩は、例えば、当該オキシムとナトリウムアルコキシドとをジメチルホルムアミドにおいて反応させることによって得ることができる。かかる反応は、当業者によく知られており、一般に、−30℃〜+50℃の範囲の温度で、好ましくは−10℃〜20℃の範囲の温度で実施される。
【0203】
式IAおよびIA.1のオキシムスルホネートは、また、式IIIAの好適なスルホニルオキシイミドイル塩化物と、1もしくはそれより多くのSHもしくはNH基を有する物質、スルフィン酸またはそれらの塩とを反応させることによって、スキーム2に示されるようにして製造することもできる。
【0204】
スキーム2:
【化39】
【0205】
スキーム2において、R2、R3、XおよびQは、前記定義の通りであり、aは、1、2、3または4である。
【0206】
式(IIA)の化合物は、スキーム3に記載されるようにして得ることができる。
【0207】
スキーム3:
【化40】
【0208】
スキーム3において、R2およびR3は、前記定義の通りであり、かつHalは、ハロゲン、好ましくは塩素である。
【0209】
式IA.2で示され、その式中、R2が、同じもしくは異なる意味を有し、かつ/またはR3が、同じ意味を有する化合物は、スキーム4に概説されるようにして製造することができる。
【0210】
スキーム4:
【化41】
【0211】
スキーム4において、X、R2、QおよびR3は、前記定義の通りであり、R2’は、R2の定義の通りであり、R3’は、R3の定義の通りであり、X’は、Xの定義の通りであり、Halは、ハロゲン、好ましくは塩素である。
【0212】
式IC.2で示され、その式中、R2が、同じもしくは異なる意味を有し、かつ/またはR1が、同じ意味を有する化合物は、スキーム5に概説されるようにして製造することができる。
【0213】
スキーム5:
【化42】
【0214】
スキーム5において、X、R1、QおよびR2は、前記定義の通りであり、R1’は、R1の定義の通りであり、R2’は、R2の定義の通りである。
【0215】
式IDの化合物は、スキーム6に概説されるようにして製造することができる。
【0216】
スキーム6:
【化43】
【0217】
スキーム6において、X、Q、R1およびR2は、前記定義の通りであり、R2’は、R2の定義の通りであり、R3’は、R3の定義の通りである。
【0218】
出発材料として必要とされるオキシムは、文献に記載の様々な方法によって、例えばケトンとヒドロキシルアミンもしくはその塩とをエタノールもしくは水性エタノールなどの極性溶剤中で反応させることによって得ることができる。その場合に、酢酸ナトリウムなどの塩基が、その反応混合物のpHの制御のために添加される。前記反応の速度はpHに依存し、かつ塩基を、最初にまたは連続的に反応の間に添加できることはよく知られている。ピリジンなどの塩基性溶剤は、また、塩基および/または溶剤もしくは助溶剤として使用することもできる。前記反応の温度は、一般に、前記混合物の還流温度であり、通常は約60〜120℃である。
【0219】
オキシムの別の簡便な合成は、例えばSynlett, 937 (2001)もしくはEP64091に記載されるような、好適なオキシミドイルハロゲン化物、例えばオキシミドイル塩化物もしくはオキシミドイル臭化物とチオールとの反応であり、かつ例えばJ. Chem. Soc., Perkin Trans. 1, 1999, 1789、J. Heterocyclic Chem., 43, 579 (2006)もしくはTetrahedron Letters, 47(51), 9029 (2006)に記載されるような、好適なオキシミドイルハロゲン化物、例えばオキシミドイル塩化物もしくはオキシミドイル臭化物と第一級アミンもしくは第二級アミンとの反応である。これらの反応は、通常は、不活性溶剤、例えばトルエン、ジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)、ジエチルエーテル、ジクロロメタン、ジメチルホルムアミド(DMF)、メタノールもしくは水性メタノール中で、塩基、例えば第三級アミン、例えばトリエチルアミンもしくは金属水酸化物、例えばNaOH、LiOHおよびKOHの存在下で行われる。
【0220】
前記のオキシミドイルハロゲン化物は、相応のアルドキシムと、ハロゲン化試薬、例えばN−クロロスクシンイミド(NCS)(例えばJ. Chem. Soc., Perkin Trans. 1, 2627 (1991)もしくはJ. Org. Chem., 45, 3916 (1980)に記載される)、N−ブロモスクシンイミド(NBS)、塩素(例えばEP64091に記載される)もしくは臭素またはt−ブチル次亜塩素酸塩との反応によって得ることができる。これらの反応は、通常は、不活性溶剤、例えばトルエン、テトラヒドロフラン(THF)、ジメチルホルムアミド(DMF)、クロロホルム、ジクロロメタン中で、または極性溶剤、例えばメタノールもしくは水性メタノール中で行われる。
【0221】
オキシミドイル塩化物の別の合成は、例えばJ. Org. Chem., 48(3), 366 (1983)に記載されるように、グリシンエチルエステル塩酸塩の亜硝酸ナトリウムによるHCl水溶液中でのオキシム化である。
【0222】
Organic Syntheses, Coll. Vol. 3, p.191 (1955)は、フェナシル塩化物から亜硝酸n−ブチルを使用してHClの存在下でクロロイソニトロソアセトフェノンを製造することを開示している。
【0223】
記載された合成は、式I、式IA.1、式IA、式IB、式ICまたは式IDの化合物の異性体型の形成をもたらしうる。オキシミノ基の二重結合は、syn型(シス、Z)とanti型(トランス、E)の両者において、または前記2つの幾何異性体の混合物として存在してよい。本発明においては、個々の幾何異性体と2つの幾何異性体の任意の混合物の両方を使用することができる。従って、本発明は、また、式I、式IA.1、式IA、式IBおよび式ICの化合物の異性体形の混合物に関する。
【0224】
式I、式IA.1、式IA、式IBおよび式ICの化合物は、液晶ディスプレイコンポーネント、例えばカラーフィルタ、フォトスペーサ、オーバーコートおよび層間絶縁膜の製造に際して、熱硬化促進剤として、重合を、特にポストベーク工程において促進するために使用することができる。
【0225】
式I、式IA.1、式IA、式IB、式ICおよび式IDの化合物は、原則的に、あらゆる種類のエチレン性不飽和化合物の重合に使用することができる。
【0226】
好適なエチレン性不飽和化合物(b)は、自体公知のようにして、遊離基重合の方法を使用して重合されうるモノマーもしくはオリゴマーである。
【0227】
本願の文脈における用語“(メタ)アクリレート”は、アクリレートと、それに相応するメタクリレートを指すことを意味する。
【0228】
好ましくは、化合物(b)は、α,β−エチレン性不飽和のモノカルボン酸、そしてジカルボン酸とC1〜C20−アルカノールとのエステル、ビニル芳香族化合物、ビニルアルコールとC1〜C30−モノカルボン酸とのエステル、エチレン性不飽和のニトリル、ハロゲン化ビニル、ハロゲン化ビニリデン、モノエチレン性不飽和のカルボン酸およびスルホン酸、α,β−エチレン性不飽和のモノカルボン酸、そしてジカルボン酸とC2〜C30−アルカンジオールとのエステル、α,β−エチレン性不飽和のモノカルボン酸、そしてジカルボン酸と、第一級アミノ基もしくは第二級アミノ基を含むC2〜C30−アミノアルコールとのアミド、α,β−エチレン性不飽和のモノカルボン酸の第一級アミドおよびそれらのN−アルキルおよびN,N−ジアルキル誘導体、N−ビニルラクタム、開鎖N−ビニルアミド化合物、アリルアルコールとC1〜C30−モノカルボン酸とのエステル、α,β−エチレン性不飽和のモノカルボン酸、そしてジカルボン酸と、少なくとも1つの第一級アミノ基もしくは第二級アミノ基を含むジアミンとのアミド、N,N−ジアリルアミン、N,N−ジアリル−N−アルキルアミン、ビニル置換された、およびアリル置換された窒素複素環、ビニルエーテル、C2〜C8−モノオレフィン、少なくとも2つの共役二重結合を有する非芳香族炭化水素、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ヘテロシクリル−(C2〜C4−アルキル)(メタ)アクリレート、シリル基を含む(メタ)アクリレートならびにそれらの混合物から選択される。
【0229】
好適なエチレン性不飽和のカルボン酸およびスルホン酸またはそれらの誘導体は、アクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、α−クロロアクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、グルタコン酸、アコニット酸、フマル酸、モノエチレン性不飽和の、4〜10個の、好ましくは4〜6個の炭素原子を有するジカルボン酸のモノエステル、例えばモノメチルマレエート、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、スルホエチルアクリレート、スルホエチルメタクリレート、スルホプロピルアクリレート、スルホプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−アクリロイルオキシプロピルスルホン酸、2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロピルスルホン酸、スチレンスルホン酸、および2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸である。
【0230】
エチレン性不飽和のカルボン酸およびスルホン酸の好適な誘導体は、それらの塩である。アクリル酸またはメタクリル酸の好適な例は、例えば、(C1〜C4−アルキル)4アンモニウムもしくは(C1〜C4−アルキル)3NH塩、例えばテトラメチルアンモニウム塩、テトラエチルアンモニウム塩、トリメチルアンモニウム塩もしくはトリエチルアンモニウム塩、トリメチル−2−ヒドロキシエチルアンモニウム塩もしくはトリエチル−2−ヒドロキシエチルアンモニウム塩、ジメチル−2−ヒドロキシエチルアンモニウム塩もしくはジエチル−2−ヒドロキシエチルアンモニウム塩である。
【0231】
α,β−エチレン性不飽和のモノカルボン酸、そしてジカルボン酸とC1〜C20アルカノールとの好適なエステルは、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、エチルエタクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、s−ブチルメタクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチルエタクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、n−ヘプチル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、1,1,3,3−テトラメチルブチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−ノニル(メタ)アクリレート、n−デシル(メタ)アクリレート、n−ウンデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ミリスチル(メタ)アクリレート、ペンタデシル(メタ)アクリレート、パルミチル(メタ)アクリレート、ヘプタデシル(メタ)アクリレート、ノナデシル(メタ)アクリレート、アラキジル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート、リグノセリル(メタ)アクリレート、セロチニル(メタ)アクリレート、リノレニル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレートならびにこれらの混合物である。
【0232】
好ましいビニル芳香族化合物は、スチレン、2−メチルスチレン、4−メチルスチレン、2−(n−ブチル)スチレン、4−(n−ブチル)スチレン、4−(n−デシル)スチレンであり、特に好ましくはスチレンである。
【0233】
ビニルアルコールとC1〜C30−モノカルボン酸との好適なエステルは、例えばビニルホルメート、ビニルアセテート、ビニルプロピオネート、ビニルブチレート、ビニルラウレート、ビニルステアレート、ビニルプロピオネート、バーサチック酸ビニルエステルならびにそれらの混合物である。
【0234】
好適なエチレン性不飽和のニトリルは、アクリロニトリル、メタクリロニトリルおよびそれらの混合物である。
【0235】
好適なハロゲン化ビニルおよびハロゲン化ビニリデンは、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデンおよびそれらの混合物である。
【0236】
α,β−エチレン性不飽和のモノカルボン酸、そしてジカルボン酸とのC2〜C30アルカンジオールとの好適なエステルは、例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルエタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタアクリレート、3−ヒドロキシプロピルアクリレート、3−ヒドロキシプロピルメタアクリレート、3−ヒドロキシブチルアクリレート、3−ヒドロキシブチルメタアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルメタアクリレート、6−ヒドロキシヘキシルアクリレート、6−ヒドロキシヘキシルメタアクリレート、3−ヒドロキシ−2−エチルヘキシルアクリレート、3−ヒドロキシ−2−エチルヘキシルメタクリレートなどである。
【0237】
α,β−エチレン性不飽和のモノカルボン酸の好適な第一級アミドならびにそれらのNアルキル誘導体およびN,N−ジアルキル誘導体は、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−(n−ブチル)(メタ)アクリルアミド、N−(t−ブチル)(メタ)アクリルアミド、N−(n−オクチル)(メタ)アクリルアミド、N−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)(メタ)アクリルアミド、N−エチルヘキシル(メタ)アクリルアミド、N−(n−ノニル)(メタ)アクリルアミド、N−(n−デシル)(メタ)アクリルアミド、N−(n−ウンデシル)(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、モルホリニル(メタ)アクリルアミドなどである。
【0238】
好適なN−ビニルラクタムおよびそれらの誘導体は、例えばN−ビニルピロリドン、N−ビニルピペリドン、N−ビニルカプロラクタムなどである。
【0239】
好適な開鎖N−ビニルアミド化合物は、例えばN−ビニルホルムアミド、N−ビニル−N−メチルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルプロピオンアミド、N−ビニルブチルアミドなどである。
【0240】
α,β−エチレン性不飽和のモノカルボン酸、そしてジカルボン酸とアミノアルコールとの好適なエステルは、N,N−ジメチルアミノメチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレートおよびN,N−ジメチルアミノシクロヘキシル(メタ)アクリレートである。
【0241】
α,β−エチレン性不飽和のモノカルボン酸、そしてジカルボン酸と、少なくとも1つの第一級アミノ基もしくは第二級アミノ基を含むジアミンとの好適なアミドは、N−[2−(ジメチルアミノ)エチル]アクリルアミド、N−[2−(ジメチルアミノ)エチル]メタクリルアミド、N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]アクリルアミド、N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]メタクリルアミド、N−[4−(ジメチルアミノ)ブチル]アクリルアミド、N−[4−(ジメチルアミノ)ブチル]メタクリルアミド、N−[2−(ジエチルアミノ)エチル]アクリルアミド、N−[4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル]アクリルアミド、N−[4−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル]メタクリルアミドなどである。
【0242】
好適なモノマー(b)は、更に、N,N−ジアリルアミンおよびN,N−ジアリル−N−アルキルアミンならびにそれらの酸付加塩および第四級化生成物である。ここでアルキルは、C1〜C24−アルキルが好ましい。例えば、N,N−ジアリル−N−メチルアミンおよびN,N−ジアリル−N,N−ジメチルアンモニウム化合物、例えばその塩化物および臭化物が好ましい。
【0243】
更なる好適なモノマー(b)は、ビニル置換されたおよびアリル置換された窒素複素環、例えばN−ビニルイミダゾール、N−ビニル−2−メチルイミダゾールならびにビニル置換されたおよびアリル置換された複素芳香族化合物、例えば2−および4−ビニルピリジン、2−および4−アリルピリジンならびにそれらの塩である。
【0244】
少なくとも2つの共役二重結合を有する好適なC2〜C8−モノオレフィンおよび非芳香族炭化水素は、例えばエチレン、プロピレン、イソブチレン、イソプレン、ブタジエンなどである。
【0245】
シリル基を含む(メタ)アクリレートの例は、シリルオキシ−C2〜C4−(メタ)アルキルアクリレート、例えば2−トリメチルシリルオキシエチルアクリレートまたはメタクリレート(TMS−HEA、TMS−HEMA)である。(C1〜C4−アルキル)3−シリル−C2〜C4−アルキル(メタ)アクリレートの例は、2−トリメチルシリルエチルアクリレートまたはメタクリレートならびに3−トリメチルシリル−n−プロピルまたはメタクリレートである。
【0246】
特に、化合物(b)は、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、アクリル酸誘導体、スチレン、酢酸ビニル、ハロゲン化ビニルおよびハロゲン化ビニリデン、アクロレイン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、アルケン、共役ジエンならびにそれらの混合物から選択される。
【0247】
ヘテロシクリル−(C2〜C4−アルキル)(メタ)アクリレートの例は、2−(N−モルホリニル、2−ピリジル、1−イミダゾリル、2−オキソ−1−ピロリジニル、4−メチルピペリジン−1−イルもしくは2−オキソイミダゾリジン−1−イル)エチルアクリレートまたはメタクリレートである。
【0248】
好適なポリエーテル(メタ)アクリレート(b)は、一般式(A)
【化44】
[式中、
アルキレンオキシド単位の順序は任意であり、
kおよびlは、互いに独立して、0〜100の整数であり、kおよびlの合計は、少なくとも3であり、
aは、水素、C1〜C30−アルキル、C5〜C8−シクロアルキルまたはC6〜C14−アリールであり、
bは、水素またはC1〜C8−アルキルであり、
Yは、OもしくはNRcであり、その際、Rcは、水素、C1〜C30−アルキルもしくはC5〜C8−シクロアルキルである]の化合物である。
【0249】
好ましくは、kは、3〜50の、より具体的には4〜25の整数である。好ましくは、lは、3〜50の、より具体的には4〜25の整数である。
【0250】
好ましくは、式(AA)におけるRaは、水素、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、s−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、オクチル、2−エチルヘキシル、デシル、ラウリル、パルミチルまたはステアリルである。
【0251】
好ましくは、Rbは、水素、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−ペンチルまたはn−ヘキシル、より具体的には水素、メチルもしくはエチルである。特に好ましくは、Rbは、水素またはメチルである。
【0252】
好ましくは、式(A)におけるYは、Oである。
【0253】
本発明による重合性組成物は、好ましくは、成分(b)を、該組成物の全質量に対して、0.01〜50質量%の量で、より好ましくは0.1〜40質量%の量で、特に0.5〜30質量%の量で含む。
【0254】
本発明による組成物は、好ましくは、更なる成分として少なくとも1種の光開始剤(c)を含む。
【0255】
本発明による組成物は、好ましくは、更なる成分として少なくとも1種のバインダーポリマー(d)を含む。
【0256】
本発明による組成物は、好ましくは、
(e1)顔料、
(e2)染料、
(e3)充填剤、
(e4)分散剤、
(e5)増感剤、
(e6)式(I)の化合物およびバインダーポリマー(d)とは異なる熱硬化性化合物、
それらの混合物
から選択される、少なくとも1種の更なる成分(e)を含む。
【0257】
本発明による組成物は、好ましくは、溶剤、補強材料、流動調節助剤、UV安定剤、熱安定剤、耐候性向上剤、レオロジー調節剤、難燃剤、酸化防止剤、変色防止剤、殺生剤、帯電防止剤、可塑剤、潤滑剤、滑り添加剤、湿潤剤、被膜形成助剤、付着促進剤、腐食防止剤、不凍剤、消泡剤、離型剤などおよびそれらの混合物を含む。
【0258】
好適な光開始剤(c)は、以下に、アルカリ現像性樹脂(d)を含む重合性組成物に関して記載される。この開示内容は、ここで本発明のあらゆる重合性組成物について反映される。
【0259】
光開始剤(c)は、本発明による重合性組成物の全質量に対して、好ましくは0.001質量%〜15質量%の量で、より好ましくは0.01〜10質量%の量で使用される。
【0260】
好適なバインダーポリマー(d)は、例えば物理的乾燥性ポリマー組成物、自己架橋性ポリマー組成物、UV硬化性ポリマー組成物、熱硬化性ポリマー組成物、架橋剤の添加により架橋可能なポリマー組成物(2成分系分散液)またはデュアルキュア系である。好適な熱硬化性ポリマー組成物は、以下に成分(e6)として記載される。
【0261】
好ましい一実施形態においては、バインダーポリマー成分(d)は、少なくとも1種のアルカリ現像性樹脂を含む。好適なアルカリ現像性樹脂(d)は、以下に詳細に記載されている。
【0262】
バインダーポリマー(d)は、本発明による重合性組成物の全質量に対して、好ましくは0.5質量%〜98質量%の量で、より好ましくは1〜95質量%の量で、特に2〜90質量%の量で使用される。
【0263】
好適な着色剤、すなわち顔料(e1)および染料(e2)は、以下に、アルカリ現像性樹脂(d)を含む重合性組成物に関して記載される。この開示内容は、ここで本発明のあらゆる重合性組成物について反映される。
【0264】
好適な充填剤(e3)は、有機充填剤および無機充填剤であり、例は、アルミノケイ酸塩、例えば長石、ケイ酸塩、例えばカオリン、タルク、雲母、マグネサイト、アルカリ土類金属炭酸塩、例えば炭酸カルシウム(方解石もしくは白亜の形で)、例えば炭酸マグネシウム、ドロマイト、アルカリ土類金属硫酸塩、例えば硫酸カルシウム、二酸化ケイ素などである。好適な有機充填剤は、例えば、テキスタイル繊維、セルロース繊維、ポリエチレン繊維もしくは木粉である。被覆材料においては、もちろん、微粉砕された充填剤が好ましい。これらの充填剤は、個々の成分として使用してよい。実際に、複数の充填剤の混合物は、特に適切であることも示されており、その例は、炭酸カルシウム/カオリン、炭酸カルシウム/タルクである。更なる詳細については、Roempp-Lexikon, Lacke und Druckfarben, Georg Thieme Verlag, 1998, pages 250 ff., “fillers”を参照のこと。
【0265】
充填剤(e3)は、本発明による重合性組成物の全質量に対して、好ましくは0質量%〜95質量%の量で、より好ましくは0.5〜90質量%の量で、特に1〜80質量%の量で、殊に4質量%〜75質量%の量で使用される。
【0266】
ここで使用される、分散剤(=成分e4)という用語は、広い意味で理解される。分散剤は、分散する剤(高分子分散剤を含む)、界面活性剤、テクスチャ向上剤などである。好適な分散剤(e4)は、以下に、アルカリ現像性樹脂(d)を含む重合性組成物に関して記載される。この開示内容は、ここで本発明のあらゆる重合性組成物について反映される。
【0267】
本発明の重合性組成物が少なくとも1種の分散剤(e4)を含む場合に、それは、該重合性組成物の全質量に対して、0.01質量%〜50質量%の量で、好ましくは0.1質量%〜30質量%の量で使用することが好ましい。
【0268】
好適な(光)増感剤(e5)は、以下に、アルカリ現像性樹脂(d)を含む重合性組成物に関して記載される。この開示内容は、ここで本発明のあらゆる重合性組成物について反映される。
【0269】
増感剤(e5)は、本発明による重合性組成物の全質量に対して、好ましくは0.001質量%〜15質量%の量で、より好ましくは0.01〜10質量%の量で使用される。
【0270】
好適な熱硬化性化合物(e6)は、エポキシ基、オキセタン基およびビニルエーテル基から選択される少なくとも1つの基を有する。
【0271】
好適な化合物(e6)は、
− 含酸素のまたは含硫黄の飽和複素環を含む化合物、
− カチオン機構により重合可能なエチレン性不飽和化合物、
− 熱硬化性官能基を有するフェノール−ホルムアルデヒド樹脂、アクリル樹脂、アルキド樹脂もしくはポリエステル樹脂のプレポリマー、
− 熱硬化性化合物と、異なる機構、例えば遊離基もしくはUV照射により重合可能な化合物との混合物、
− それらの混合物
である。
【0272】
含酸素のまたは含硫黄の飽和複素環を含む化合物(e6)は、好ましくは、3、4、5もしくは6個の環員を有する少なくとも1つの複素環を含む。
【0273】
含酸素のまたは含硫黄の飽和複素環を含む好ましい化合物(e6)は、少なくとも1つのエポキシ基を含む化合物、オキセタン、オキソラン、環状アセタール、環状ラクトン、チイラン、チエタンおよびそれらの混合物から選択される。
【0274】
1つのエポキシ基を有する好適な化合物(e6)は、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、スチレンオキシド、フェニルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテルなどである。
【0275】
本発明の好ましい一実施形態においては、化合物(e6)は、エポキシ樹脂から選択される。本発明の硬化性組成物の説明において用いられる用語“エポキシ樹脂”は、広い意味で理解され、かつ複数の(2、3、4、5、6個のもしくは6個より多くの)エポキシ基を含む任意のモノマーの、ダイマーの、オリゴマーの、またはポリマーのエポキシ材料を含む。用語“エポキシ樹脂”は、また、2もしくはそれより多くの基を含むプレポリマーであって、それらのエポキシ基(オキシラン環)の幾つかが開環してヒドロキシル基となっていてもよいプレポリマーを含む。その用語は、また部分硬化エポキシ樹脂、すなわち好適な硬化剤によって架橋されたエポキシ樹脂を特定している。成分(a)が部分硬化エポキシ樹脂である場合に、それは、依然として、まだカチオン重合がなされうる熱硬化性エポキシ基を含む。用語“エポキシ樹脂”は、また、変性エポキシ樹脂、例えばエステル化もしくはエーテル化されたエポキシ樹脂であって、例えばカルボン酸もしくはアルコールとの反応によって得られる樹脂を含む。改めて、本発明による組成物において使用される変性エポキシ樹脂は、依然として、まだカチオン重合がなされうる熱硬化性エポキシ基を含む。用語“エポキシ樹脂”の完全な定義は、例えばUllmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry, 5th edition, on CD-ROM, 1997, Wiley-VCHの、“Epoxy Resins”の章に見受けられる。
【0276】
大多数の市販のエポキシ樹脂は、エピクロロヒドリンを、少なくとも2つの反応性水素原子を有する化合物、例えばポリフェノール、モノアミンおよびジアミン、アミノフェノール、複素環式のイミドおよびアミド、脂肪族のジオールもしくはポリオールまたは二量体脂肪酸へとカップリングさせることによって製造される。エピクロロヒドリンから得られるエポキシ樹脂は、グリシジル系樹脂とも呼ばれる。
【0277】
現時点で市販されている大多数のエポキシ樹脂は、ビスフェノールAのグリシジルエーテル(DGEBA樹脂)から得られ、一般式
【化45】
[式中、nは、0〜約40を表す]を有する。
【0278】
他の重要なエポキシ樹脂は、フェノール系のおよびクレゾール系のエポキシノボラックであり、例は、ビスフェノールFのグリシジルエーテルから得られるエポキシ樹脂である。ノボラックは、ホルムアルデヒドおよびフェノールもしくはクレゾールの酸触媒による縮合によって製造される。ノボラックのエポキシ化によって、エポキシノボラックが得られる。
【0279】
他の種類のグリシジル系のエポキシ樹脂は、例えば、脂肪族ジオール、例えばブタン−1,4−ジオール、ヘキサン−1,6−ジオール、ペンタエリトリトールもしくは水素化ビスフェノールAのグリシジルエーテル;芳香族グリシジルアミン(例は、p−アミノフェノールのトリグリシジル付加物またはメチレンジアニリドのテトラグリシジルアミンである);複素環式のグリシジルイミドおよびアミド、例えばトリグリシジルイソシアヌレート;ならびにグリシジルエステル、例えば二量体リノレン酸のジグリシジルエステルから誘導される。
【0280】
前記のエポキシ樹脂(e6)は、また、他のエポキシド(非グリシジルエーテルエポキシ樹脂)から得ることもできる。例は、脂環式ジエンのジエポキシド、例えば3,4−エポキシシクロヘキシルメチル 3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートおよび4−エポキシエチル−1,2−エポキシシクロヘキサンである。
【0281】
好適なオキセタン(e6)は、トリメチレンオキシド、3,3−ジメチルオキセタン、3,3−ジ(クロロメチル)オキセタンなどである。
【0282】
好適なオキソラン(e6)は、テトラヒドロフラン、2,3−ジメチルテトラヒドロフランなどである。
【0283】
好適な環状アセタール(e6)は、トリオキサン、1,3−ジオキソラン、1,3,6−トリオキサシクロオクタンなどである。
【0284】
好適な環状ラクトン(e6)は、β−プロピオラクトン、ε−カプロラクトン、β−プロピオラクトンとε−カプロラクトンのアルキル誘導体などである。
【0285】
好適なチイラン(e6)は、エチレンスルフィド、1,2−プロピレンスルフィド、チオエピクロロヒドリンなどである。
【0286】
好適なチエタン(e6)は、1,3−プロピレンスルフィド、3,3−ジメチルチエタンなどである。
【0287】
熱硬化性化合物(e6)は、熱硬化促進剤によって硬化させることができる。好適な熱硬化促進剤は、当業者により、バインダー中の反応性の官能基の性質によって選択することができる。好適な熱硬化促進剤は、例えば有機酸もしくは無機酸のスルホニウム塩およびホスホニウム塩、イミダゾールおよびイミダゾール誘導体、第四級アンモニウム化合物ならびにアミンを触媒する。前記熱硬化促進剤は、所望であれば、本発明による重合性組成物の全質量に対して、好ましくは0.001質量%〜約10質量%の量で使用される。
【0288】
前記の式(I)の化合物は、ラジカル重合性組成物用の熱硬化促進剤として特に適していることが判明した。特定の一実施形態においては、それらは、様々なディスプレイ用途のためのカラーフィルタならびに電荷結合素子(CCD)および相補型金属酸化膜半導体(CMOS)などのイメージセンサ用のカラーフィルタの製造のためのレジストとして使用される。本発明による重合性組成物は、更に、液晶ディスプレイパネルにおける液晶部分のセルギャップを制御する製造スペーサのために使用することができる。本発明による重合性組成物は、また、カラーフィルタおよびLCD用のオーバーコート層、LCD用のシーラント、LCD用の絶縁層、プラズマディスプレイパネル、エレクトロルミネッセンスディスプレイおよびLCDの製造プロセスにおいて構造または層を生成するためのレジストもしくは感光性組成物、ソルダーレジストとして、プリント回路基板の連続ビルドアップ層における誘電性層の形成に使用されるフォトレジスト材料として適している。式(I)の化合物の使用により、十分に高いC=C変換が、驚くべきことに、これらの化合物(I)を欠いた相応の組成物と比較して、かつ先行技術から知られる他の熱硬化促進剤(TCP)を含む相応の組成物と比較して、より低い温度でかつ/またはより短い時間で、光硬化プロセスの後に行われる熱硬化(ポストベーク)プロセスにおいて生じる。
【0289】
特定の一実施形態によれば、本発明による重合性組成物は、少なくとも1種のバインダーポリマー(d)を含み、その際、成分(d)は、アルカリ現像性樹脂から選択される。アルカリ現像性樹脂は、良好なアルカリ溶解性を有する樹脂をもたらす官能基を含む。それらは、現像ステップを含み、未硬化の樹脂がアルカリ現像液に溶解される、あらゆる種類の用途に適している。
【0290】
このように、本発明は、重合性組成物であって:
(a)前記定義の式Iの少なくとも1種のオキシムスルホネート化合物と、
(b)少なくとも1種のアクリレートモノマーと、
(c)少なくとも1種の光開始剤と、
(d)少なくとも1種のアルカリ現像性樹脂と、
を含む重合性組成物に関する。
【0291】
アクリレートモノマー(b)
本発明による重合性組成物は、成分(b)を、該重合性組成物の全固体含有量(すなわち、溶剤を含まない全ての成分の量)に対して、好ましくは約2〜80質量%の量で、より好ましくは約5〜70質量%の量で含む。
【0292】
前記アクリレートモノマー(b)は、好ましくは、1もしくはそれより多くの(例えば1、2、3もしくは4個の)アクリロイル部および/またはメタクリロイル部を含む化合物から選択される。
【0293】
用語“アクリレートモノマー”は、また、1もしくはそれより多くの(例えば1、2、3もしくは4個の)アクリロイル部および/またはメタクリロイル部を含むアクリレートオリゴマーを含む。
【0294】
二重結合を含む化合物(b)の例は、(メタ)アクリル酸、アルキル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートまたはアミノアルキル(メタ)アクリレートである。好ましい化合物(b)は、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートならびにそれらの混合物である。
【0295】
化合物(b)の他の例は、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、N−置換された(メタ)アクリルアミド、ビニルエステル、ビニルエーテル、スチレン、アルキルスチレン、ヒドロキシスチレン、ハロスチレン、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルホルムアミド、塩化ビニル、塩化ビニリデンならびにそれらの混合物である。
【0296】
好適なN−置換された(メタ)アクリルアミドは、例えば、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジブチル(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−(メタ)アクリロイルモルホリンならびにそれらの混合物である。
【0297】
好適なビニルエステルは、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルおよびそれらの混合物である。
【0298】
好適なビニルエーテルは、イソブチルビニルエーテルである。
【0299】
比較的高分子量を有する多不飽和化合物(b)(オリゴマー)の例は、ポリエステル、ポリウレタン、ポリエーテルおよびポリアミドであって、エチレン性不飽和のカルボキシレート基を有するものである。特に好適な例は、エチレン性不飽和のカルボン酸とポリオールおよび/またはポリエポキシドとのエステルである。
【0300】
不飽和のカルボン酸の例は、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、シンナミン酸および不飽和脂肪酸、例えばリノレン酸またはオレイン酸である。アクリル酸およびメタクリル酸が好ましい。
【0301】
好適なポリオールは、芳香族ポリオールであり、特に脂肪族のおよび脂環式のポリオールである。芳香族ポリオールの例は、ヒドロキノン、4,4′−ジヒドロキシジフェニル、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、ノボラックおよびレゾールである。脂肪族のおよび脂環式のポリオールの例は、2〜12個の炭素原子を有するアルケンジオール、例えばエチレングリコール、1,2−もしくは1,3−プロパンジオール、1,2−、1,3−もしくは1,4−ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、ドデカンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、好ましくは200〜1500の分子量を有するポリエチレングリコール、1,3−シクロペンタンジオール、1,2−、1,3−もしくは1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−ジヒドロキシメチルシクロヘキサン、グリセロール、トリエタノールアミン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリトール、ペンタエリトリトールモノオキサレート、ジペンタエリトリトール、ペンタエリトリトールとエチレングリコールもしくはプロピレングリコールとのエーテル、ジペンタエリトリトールとエチレングリコールもしくはプロピレングリコールとのエーテル、ソルビトール、2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]メタン、2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]プロパンならびに9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレンである。
【0302】
更なる好適なポリオールは、ポリマー鎖中にもしくは側鎖中にヒドロキシル基を含むポリマーおよびコポリマーであり、例は、ビニルアルコールを含むまたはヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを含むホモポリマーまたはコポリマーである。
【0303】
更なる好適なポリオールは、ヒドロキシル末端基を有するエステルおよびウレタンである。
【0304】
前記ポリオールは、1つの不飽和のジカルボン酸でまたは異なる不飽和のカルボン酸で部分的にもしくは完全にエステル化されていてよい。部分エステルにおいては、遊離のヒドロキシル基は、変性され、例えば他のカルボン酸とエーテル化もしくは該カルボン酸でエステル化されていてよい。
【0305】
ポリオールをベースとするエステルの例は、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトールトリ(メタ)アクリレートモノオキサレート、ジペンタエリトリトールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリトリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリトリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリトリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリトリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリトリトールペンタ(メタ)アクリレート、モノ(2−ヒドロキシエチル)エーテル、トリペンタエリトリトールオクタ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジイタコネート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジオール(メタ)アクリレート、ソルビトールトリ(メタ)アクリレート、ソルビトールテトラ(メタ)アクリレート、ソルビトールペンタ(メタ)アクリレート、ソルビトールヘキサ(メタ)アクリレート、オリゴエステル(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレートおよびトリ(メタ)アクリレート、200〜1500の分子量を有するポリエチレングリコールのジ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトールジイタコネート、ジペンタエリトリトールトリスイタコネート、ジペンタエリトリトールペンタイタコネート、ジペンタエリトリトールヘキサイタコネート、エチレングリコールジイタコネート、プロピレングリコールジイタコネート、1,3−ブタンジオールジイタコネート、1,4−ブタンジオールジイタコネート、テトラメチレングリコールジイタコネート、ソルビトールテトライタコネート、エチレングリコールジクロトネート、テトラメチレングリコールジクロトネート、ペンタエリトリトールジクロトネート、エチレングリコールジマレエート、トリエチレングリコールジマレエート、ペンタエリトリトールジマレエート、ソルビトールテトラマレエートまたはそれらの混合物である。
【0306】
他の例は、以下の式(XII)および(XIII):
【化46】
[式中、
1は、−(CH2CH2O)−または−[CH2CH(CH3)O]−であり、
100は、−COCH=CH2または−COC(CH3)=CH2であり、
それぞれのpは、独立して、0〜6であり、
全ての変値pの合計は、3〜24であり、
それぞれのqは、独立して、0〜6であり、かつ
全ての変値qの合計は、2〜16である]において示されるペンタエリトリトール誘導体およびジペンタエリトリトール誘導体である。
【0307】
ポリエトキシドの例は、上述のポリオールおよびエピクロロヒドリンをベースとするものである。典型的な例は、ビス(4−グリシジルオキシフェニル)メタン、2,2−ビス(4−グリシジルオキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−グリシジルオキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、9,9−ビス(4−グリシジルオキシフェニル)フルオレン、ビス[4−(2−グリシジルオキシエトキシ)フェニル]メタン、2,2−ビス[4−(2−グリシジルオキシエトキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(2−グリシジルオキシエトキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、9,9−ビス[4−(2−グリシジルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン、ビス[4−(2−グリシジルオキシプロポキシ)フェニル]メタン、2,2−ビス[4−(2−グリシジルオキシプロポキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(2−グリシジルオキシプロポキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、9,9−ビス[4−(2−グリシジルオキシプロポキシ)フェニル]フルオレン、グリセロールグリシジルエーテルならびにフェノールのグリシジルエーテルおよびクレゾールノボラックである。
【0308】
ポリエポキシドをベースとする典型的な例は、
2,2−ビス[4−{(2−ヒドロキシ−3−アクリルオキシ)プロポキシ}フェニル]プロパン、
2,2−ビス[4−{(2−ヒドロキシ−3−アクリルオキシ)プロポキシエトキシ}フェニル]プロパン、
9,9−ビス[4−{(2−ヒドロキシ−3−アクリルオキシ)プロポキシ}フェニル]フルオレン、
9,9−ビス[4−{(2−ヒドロキシ−3−アクリルオキシ)プロポキシエトキシ}フェニル]フルオレン、
グリセロール 1,3−ジグリセロレート ジアクリレートならびにノボラックをベースとするエポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸との反応生成物
である。
【0309】
好ましい多官能性の(メタ)アクリレートのモノマーもしくはオリゴマーには、ペンタエリトリトールテトラアクリレート、ジペンタエリトリトールペンタアクリレート、ジペンタエリトリトールヘキサアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ペンタエリトリトールトリアクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレートが含まれる。
【0310】
特に好ましいアクリレートモノマー(b)は、ジペンタエリトリトール−ヘキサアクリレート(DPHA)である。更なる特に好ましいアクリレートモノマー(b)は、ジペンタエリトリトール−ペンタアクリレート(DPPA)である。
【0311】
【化47】
【0312】
2つのアクリロイル部もしくはメタクリロイル部を有する市販の化合物(b)の例は、Aronix(登録商標)M-210、Aronix(登録商標)M-240、Aronix(登録商標)M-6200 (東亞合成株式会社)、KAYARAD HDDA、KAYARAD HX-220、KAYARAD HX-620、KAYARAD R-526、KAYARAD UX-2201、KAYARAD MU-2100 (日本化薬株式会社)、VISCOAT-260、VISCOAT-355HP (大阪有機化学工業株式会社)である。
【0313】
3つ以上のアクリロイル部もしくはメタクリロイル部を有する市販の化合物(b)の例は、Aronix(登録商標)M M-309、Aronix(登録商標)M M-400、Aronix(登録商標)M M-1310、Aronix(登録商標)M M-1960、Aronix(登録商標)M M-7100、Aronix(登録商標)M M-8530、Aronix(登録商標)M TO-1450 (東亞合成株式会社)、KAYARAD TMPTA、KAYARAD DPHA、KAYARAD DPCA-20、KAYARAD MAX-3510 (日本化薬株式会社)、VISCOAT-295、VISCOAT-300、VISCOAT-GPT、VISCOAT-3PA、VISCOAT-400 (大阪有機化学工業株式会社)である。
【0314】
2つ以上のアクリロイル部もしくはメタクリロイル部を有する市販のウレタンアクリレートモノマー(b)の例は、NEW FRONTIER R-1150 (第一工業製薬株式会社)、KAYARAD DPHA-40H、KAYARAD UX-5000 (日本化薬株式会社)、UN-9000H (根上化学工業株式会社)である。
【0315】
光開始剤(c)
好適な光開始剤(c)の選択は、通常は重要ではない。光開始剤(c)は、例えば、ベンゾフェノン、ビスイミダゾール、芳香族のα−ヒドロキシケトン、ベンジルケタール、芳香族のα−アミノケトン、フェニルグリオキサル酸エステル、モノ−アシルホスフィンオキシド、ビス−アシルホスフィンオキシド、トリス−アシルホスフィンオキシド、芳香族ケトンから得られるオキシムエステル及び/又はカルバゾール型のオキシムエステルから選択される。
【0316】
光開始剤(c)の例は、以下のものである:
カンファーキノン(1,7,7−トリメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジオン);
ベンゾフェノンおよびベンゾフェノン誘導体、例えば2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、2−メチルベンゾフェノン、3−メチルベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、2−メトキシカルボニルベンゾフェノン、4,4′−ビス(クロロメチル)ベンゾフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、3,3′−ジメチル−4−メトキシ−ベンゾフェノン、[4−(4−メチルフェニルチオ)フェニル]−フェニルメタノン、メチル−2−ベンゾイル−ベンゾエート、3−メチル−4′−フェニルベンゾフェノン、2,4,6−トリメチル−4′−フェニルベンゾフェノン、4,4′−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4′−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン;
チオキサントンおよびチオキサントン誘導体、例えばポリマーのチオキサントン、例えばOMNIPOL TX(2−カルボキシメトキシチオキサントンおよびポリテトラメチレングリコール250のジエステル);
ケタール化合物、例えばベンジルジメチルケタール(IRGACURE(登録商標)651);
アセトフェノンおよびアセトフェノン誘導体、例えばα−ヒドロキシシクロアルキルフェニルケトンまたはα−ヒドロキシアルキルフェニルケトン、例えば2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン(DAROCURE(登録商標)1173)、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(IRGACURE(登録商標)184)、1−(4−ドデシルベンゾイル)−1−ヒドロキシ−1−メチル−エタン、1−(4−イソプロピルベンゾイル)−1−ヒドロキシ−1−メチル−エタン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン(IRGACURE(登録商標)2959);2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]−フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン(IRGACURE(登録商標)127);2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−フェノキシ]−フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン;
ジアルコキシアセトフェノン、α−ヒドロキシアセトフェノンまたはα−アミノアセトフェノン、例えば(4−メチルチオベンゾイル)−1−メチル−1−モルホリノエタン(IRGACURE登録商標)907)、(4−モルホリノベンゾイル)−1−ベンジル−1−ジメチルアミノプロパン(IRGACURE(登録商標)369)、(4−モルホリノベンゾイル)−1−(4−メチルベンジル)−1−ジメチルアミノプロパン(IRGACURE(登録商標)379)、(4−(2−ヒドロキシエチル)アミノベンゾイル)−1−ベンジル−1−ジメチルアミノプロパン)、(3,4−ジメトキシベンゾイル)−1−ベンジル−1−ジメチルアミノプロパン;
4−アロイル−1,3−ジオキソラン、ベンゾインアルキルエーテルおよびベンジルケタール、例えばジメチルベンジルケタール、フェニルグリオキサル酸エステルおよびその誘導体、例えばメチル α−オキソベンゼンアセテート、オキソ−フェニル−酢酸 2−(2−ヒドロキシ−エトキシ)−エチルエステル、二量体のフェニルグリオキサル酸エステル、例えばオキソ−フェニル−酢酸 1−メチル−2−[2−(2−オキソ−2−フェニル−アセトキシ)−プロポキシ]−エチルエステル(IRGACURE(登録商標)754);
ケトスルホン、例えばESACURE KIP 1001 M;
オキシムエステル、例えば1,2−オクタンジオン 1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−2−(O−ベンゾイルオキシム)(IRGACURE(登録商標)OXE01)、エタノン 1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(O−アセチルオキシム)(IRGACURE(登録商標)OXE02)、エタノン 1−[9−エチル−6−(2−メチル−4−(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラニル)メトキシベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(O−アセチルオキシム)、N−アセトキシ−N−{3−[9−エチル−6−(ナフタレン−1−カルボニル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−メチル−3−アセトキシイミノ−プロピル}−アセトアミド、9H−チオキサンテン−2−カルボキシアルデヒド 9−オキソ−2−(O−アセチルオキシム)、WO 07/062963、WO 07/071797、WO 07/071497、WO 05/080337、JP2010-049238、WO2008078678、JP2010-15025およびJP2010-49238に記載されるオキシムエステル;
ペルエステル、例えばベンゾフェノンテトラカルボン酸ペルエステル、例えばEP 126541に記載されるもの;
モノアシルホスフィンオキシド、例えば(2,4,6−トリメチルベンゾイル)ジフェニルホスフィンオキシド(DAROCURE(登録商標)TPO)、エチル(2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニル)ホスフィン酸エステル;
ビスアシルホスフィンオキシド、例えばビス(2,6−ジメトキシ−ベンゾイル)−(2,4,4−トリメチル−ペンチル)ホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキシド(IRGACURE(登録商標)819)、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−2,4−ジペントキシフェニルホスフィンオキシド;
トリスアシルホスフィンオキシド;
ハロメチルトリアジン、例えば2−[2−(4−メトキシ−フェニル)−ビニル]−4,6−ビス−トリクロロメチル−[1,3,5]トリアジン、2−(4−メトキシ−フェニル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−[1,3,5]トリアジン、2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−[1,3,5]トリアジン、2−メチル−4,6−ビス−トリクロロメチル−[1,3,5]トリアジン;
ヘキサアリールビスイミダゾール/補助開始剤系、例えばオルト−クロロヘキサフェニル−ビスイミダゾールと2−メルカプトベンゾチアゾール、フェロセニウム化合物もしくはチタノセン、例えばビス(シクロペンタジエニル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−ピリルフェニル)チタニウム(IRGACURE(登録商標)784)とを組み合わせたもの。更に、ボレート化合物を、補助開始剤として使用できる。
【0317】
追加の光開始剤として、オリゴマー化合物、例えばオリゴマーのα−ヒドロキシケトン、例えば2−ヒドロキシ−1−{1−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−フェニル]−1,3,3−トリメチル−インダン−5−イル}−2−メチル−プロパン−1−オン、ESACURE KIP(Fratelli Lambertiにより提供)またはオリゴマーのα−アミノケトンなどのオリゴマー化合物を同様に使用してよい。
【0318】
光開始剤(c)の特定の例は、以下のものである:
IRGACURE(登録商標)369(2−ベンジル−2−(ジメチルアミノ)−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン)
【化48】
IRGACURE(登録商標)379(2−(4−メチルベンジル)−2−(ジメチルアミノ)−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン)
【化49】
オキシムエステル:1,2−オクタンジオン、1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−2−(O−ベンゾイルオキシム)
【化50】
エタノン:1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(O−アセチルオキシム)
【化51】
【0319】
アルカリ現像性樹脂(d)
本発明による重合性組成物は、成分(d)を、該重合性組成物の全固体含有量(すなわち、溶剤を含まない全ての成分の量)に対して、好ましくは2〜98質量%の量で、より好ましくは5〜90質量%の量で、特に10〜80質量%の量で含む。
【0320】
好ましくは、前記のアルカリ現像性樹脂は、遊離のカルボン酸基を有する。酸価は、好ましくは50〜600mg KOH/g、より好ましくは100〜300mg KOH/gである。ここに示される酸価は、DIN EN 12634による酸価である。
【0321】
アルカリ現像性樹脂の例は、カルボン酸官能基をペンダント基として有するアクリルポリマー、例えばエチレン性不飽和カルボン酸、例えば(メタ)アクリル酸、2−カルボキシエチル(メタ)アクリル酸、2−カルボキシプロピル(メタ)アクリル酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、フマル酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、無水フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸、マレイン酸の半エステル、シンナミン酸、モノ[2−(メタ)アクリロイルオキシエチル]スクシネート、モノ[2−(メタ)アクリロイルオキシエチル]アジペート、モノ[2−(メタ)アクリロイルオキシエチル]フタレート、モノ[2−(メタ)アクリロイルオキシエチル]ヘキサヒドロフタレート、モノ[2−(メタ)アクリロイルオキシエチル]マレエート、モノ[2−(メタ)アクリロイルオキシプロピル]スクシネート、モノ[2−(メタ)アクリロイルオキシプロピル]アジペート、モノ[2−(メタ)アクリロイルオキシプロピル]フタレート、モノ[2−(メタ)アクリロイルオキシプロピル]ヘキサヒドロフタレート、モノ[2−(メタ)アクリロイルオキシプロピル]マレエート、モノ[2−(メタ)アクリロイルオキシブチル]スクシネート、モノ[2−(メタ)アクリロイルオキシブチル]アジペート、モノ[2−(メタ)アクリロイルオキシブチル]フタレート、モノ[2−(メタ)アクリロイルオキシブチル]ヘキサヒドロフタレート、モノ[2−(メタ)アクリロイルオキシブチル]マレエート、3−(アルキルカルバモイル)アクリル酸、α−クロロアクリル酸、マレイン酸、モノエステル化されたマレイン酸、シトラコン酸およびω−カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレートと、(メタ)アクリル酸のエステル、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、ジヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、メトキシフェニル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシプロピル(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、(3−トリメトキシシリル)プロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸トリメチルシリルエステル、(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタジエニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル(メタ)アクリレート、アミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、アミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、2−メチルグリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシブチル(メタ)アクリレート、6,7−エポキシヘプチル(メタ)アクリレート;ビニル芳香族化合物、例えばスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−クロロスチレン、ポリクロロスチレン、フルオロスチレン、ブロモスチレン、エトキシメチルスチレン、メトキシスチレン、4−メトキシ−3−メチルスチレン、ジメトキシスチレン、ビニルベンジルメチルエーテル、ビニルベンジルグリシジルエーテル、インデン、1−メチルインデン、1−エテニル−4−シリル−ベンゼン、1−エテニル−4−トリメチルシリル−ベンゼン、t−ブチルジメチルシリル p−ビニルフェニルエーテル;アミド型不飽和化合物、例えば(メタ)アクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−ブトキシメタクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジブチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルヘキシル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジシクロヘキシル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジフェニル(メタ)アクリルアミド、N−メチル−N−フェニル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシエチル−N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−ヘプチル(メタ)アクリルアミド、N−オクチル(メタ)アクリルアミド、N−エチルヘキシル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミドシクロヘキシル、N−ベンジル(メタ)アクリルアミド、N−フェニル(メタ)アクリルアミド、N−トリル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシフェニル(メタ)アクリルアミド、N−ナフチル(メタ)アクリルアミド、N−フェニルスルホニル(メタ)アクリルアミド、N−メチルフェニルスルホニル(メタ)アクリルアミドおよびN−(メタ)アクリロイルモルホリン;アセタールエステルもしくはケタールエステル化合物、例えばノルボルネン、2,3−ジ−トリメチルシラニルオキシカルボニル−5−ノルボルネン、3−ジトリエチルシラニルオキシカルボニル−5−ノルボルネン、2,3−ジ−t−ブチルジメチルシラニルオキシカルボニル−5−ノルボルネン、2,3−ジ−トリメチルゲルミルオキシカルボニル−5−ノルボルネン、2,3−ジ−トリエチルゲルミルオキシカルボニル−5−ノルボルネン、2,3−ジ−t−ブチルジメチルゲルミルオキシカルボニル−5−ノルボルネン、2,3−ジ−t−ブチルオキシカルボニル−5−ノルボルネン、2,3−ジ−ベンジルオキシカルボニル−5−ノルボルネン、2,3−ジ−テトラヒドロフラン−2−イルオキシカルボニル−5−ノルボルネン、2,3−ジ−シクロペンチルオキシカルボニル−5−ノルボルネン、2,3−ジ−シクロヘキシルオキシカルボニル−5−ノルボルネン、2,3−ジ−シクロヘプチルオキシカルボニル−5−ノルボルネン、2,3−ジ−1−メトキシエトキシカルボニル−5−ノルボルネン、2,3−ジ−1−t−ブトキシエトキシカルボニル−5−ノルボルネン、2,3−ジ−1−ベンジルオキシエトキシカルボニル−5−ノルボルネン、2,3−ジ−(シクロヘキシル)(エトキシ)メトキシカルボニル−ノルボルネン、2,3−ジ−1−メチル−1−メトキシエトキシカルボニル−5−ノルボルネン、2,3−ジ−1−メチル−1−イソブトキシエトキシカルボニル−5−ノルボルネン、2,3−ジ−(ベンジル)(エトキシ)メトキシカルボニル−5−ノルボルネン;1−アルキルシクロアルキルエステル、例えば1−メチルシクロプロパン(メタ)アクリレート、1−メチルシクロブタン(メタ)アクリレート、1−メチルシクロペンチル(メタ)アクリレート、1−メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、1−メチルシクロヘプタン(メタ)アクリレート、1−メチルシクロオクタン(メタ)アクリレート、1−メチルシクロノナン(メタ)アクリレート、1−エチルシクロデカン(メタ)アクリレート、1−エチルシクロプロパン(メタ)アクリレート、1−エチルシクロブタン(メタ)アクリレート、1−エチルシクロペンチル(メタ)アクリレート、1−エチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、1−エチルシクロヘプタン(メタ)アクリレート、1−エチルシクロオクタン(メタ)アクリレート、1−エチルシクロノナン(メタ)アクリレート、1−エチルシクロデカン(メタ)アクリレート、1−(イソ)プロピルシクロプロパン(メタ)アクリレート、1−(イソ)プロピルシクロプロパン(メタ)アクリレート、1−(イソ)プロピルシクロペンチル(メタ)アクリレート、1−(イソ)プロピルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、1−(イソ)プロピルシクロヘプタン(メタ)アクリレート、1−(イソ)プロピルシクロオクタン(メタ)アクリレート、1−(イソ)プロピルシクロノナン(メタ)アクリレート、1−(イソ)プロピルシクロデカン(メタ)アクリレート、1−(イソ)ブチルシクロプロパン(メタ)アクリレート、1−(イソ)ブチルシクロブタン(メタ)アクリレート、1−(イソ)ブチルシクロペンチル(メタ)アクリレート、1−(イソ)ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、1−(イソ)ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、1−(イソ)ブチルシクロオクタン(メタ)アクリレート、1−(イソ)−ブチルシクロノナン(メタ)アクリレート、1−(イソ)ブチルシクロデカニル(メタ)アクリレート、1−(イソ)ペンチルシクロプロパニル(メタ)アクリレート、1−(イソ)ペンチルシクロペンチル(メタ)アクリレート、1−(イソ)ペンチルシクロペンチル(メタ)アクリレート、1−(イソ)ペンチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、1−(イソ)ペンチルシクロヘプタニル(メタ)アクリレート、1−(イソ)ペンチルシクロオクタン(メタ)アクリレート、1−(イソ)ペンチルシクロノニル(メタ)アクリレート、1−(イソ)ペンチルシクロデカニル(メタ)アクリレート、1−(イソ)オクチルシクロプロパニル(メタ)アクリレート、
1−(イソ)オクチルシクロブタニル(メタ)アクリレート、1−(イソ)オクチルシクロオクチル(メタ)アクリレート、1−(イソ)オクチルシクロヘプタニル(メタ)アクリレート、1−(イソ)オクチルシクロヘプタニル(メタ)アクリレート、1−(イソ)オクチルシクロオクタニル(メタ)アクリレート、1−(イソ)オクチルシクロノナニル(メタ)アクリレート、1−(イソ)オクチルシクロデカニル(メタ)アクリレート;メタクリル酸、例えば3−(メタクリロイルオキシメチル)オキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)−3−エチルオキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)−2−メチルオキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)−2−メチルオキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)−2−トリフロロメチルオキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)−2−ペンタフロロエチルオキセタン、3−(メタクリロイルオキシエチル)−2−フェニルオキセタン、3−(メタクリロイルオキシエチル)−2,2−ジフロロオキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)−2,2,4−トリフロロオキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)2,2,4,4−テトラフロロオキセタン、3−(メタクリロイルオキシエチル)オキセタン、3−(メタクリロイルオキシエチル)−3−エチルオキセタン、2−エチル−3−(メタクリロイルオキシエチル)オキセタン、3−(メタクリロイルオキシエチル)−2−トリフロロメチルオキセタン、3−(メタクリロイルオキシエチル)−2−ペンタフロロエチルオキセタン、3−(メタクリロイルオキシエチル)−2−フェニルオキセタン、2,2−ジフロロ−3−(メタクリロイルオキシエチル)オキセタン、3−(メタクリロイルオキシエチル)−2,2,4−トリフロロオキセタン、3−(メタクリロイルオキシエチル)−2,2,4,4−テトラフロロオキセタン;多環式化合物もしくは無水物、例えば5−カルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプテ−2−エン、5,6−ジカルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプテ−2−エン、5−カルボキシ−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプテ−2−エン、5−カルボキシ−6−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプテ−2−エン、5−カルボキシ−6−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプテ−2−エン、5−カルボキシ−6−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプテ−2−エン、5,6−ジカルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプテ−2−エン無水物;ビニルもしくはアリルエステル、例えばビニルアセテート、ビニルプロピオネート、ビニルブチレート、ビニルピバレート、ビニルベンゾエート、ビニルトリメチルアセテート、ビニルジエチルアセテート、ビニルバレート、ビニルカプロエート、ビニルクロロアセテート、ビニルジクロロアセテート、ビニルメトキシアセテート、ビニルブトキシアセテート、ビニルフェニルアセテート、ビニルアセテート、ビニルアセトアセテート、ビニルラクテート、ビニルフェニルブチレート、ビニルシクロヘキシルカルボキシレート、ビニルサリチレート、ビニルクロロベンゾエート、ビニルテトラクロロベンゾエート、ビニルナフトエート、ビニルトリエトキシシラン、アリルアセテート、アリルプロピオネート、アリルブチレート、アリルピバレート、アリルベンゾエート、アリルカプロエート、アリルステアレート、アリルアセトアセテート、アリルラクテート;ビニルもしくはアリルエーテル、例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルヘキシルエーテル、ビニルオクチルエーテル、ビニルエチルヘキシルエーテル、ビニルメトキシエチルエーテル、ビニルエトキシエチルエーテル、ビニルクロロエチルエーテル、ビニルヒドロキシエチルエーテル、ビニルエチルブチルエーテル、ビニルヒドロキシエトキシエチルエーテル、ビニルジメチルアミノエチルエーテル、ビニルジエチルアミノエチルエーテル、ビニルブチルアミノエチルエーテル、(エテニルオキシ)メチルシラン、ビニルベンジルエーテル、ビニルテトラヒドロフルフリルエーテル、ビニルフェニルエーテル、ビニルトリルエーテル、ビニルクロロフェニルエーテル、ビニルクロロエチルエーテル、ビニルジクロロフェニルエーテル、ビニルナフチルエーテル、ビニルアントリルエーテル、アリルグリシジルエーテル;クロトネート、例えばブチルクロトネート、ヘキシルクロトネート、グリセリンモノクロトネート;イタコネート、例えばジメチルイタコネート、ジエチルイタコネート、ジブチルイタコネート;およびマレエートもしくはフマレート、例えばジメチルマレエート、ジブチルフマレート;ポリオレフィン型化合物、例えばブタジエン、イソプレン、クロロプレンなど;メタクリロニトリル、メチルイソプロペニルケトン、ビニルアセテート、ビニルプロピオネート、ビニルピバレート、マレイミド、N−フェニルマレイミド、N−メチルフェニルマレイミド、N−メトキシフェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−アルキルマレイミド、無水マレイン酸、ポリスチレンマクロモノマー、ポリメチル(メタ)アクリレートマクロモノマー、ポリブチル(メタ)アクリレートマクロモノマーから選択される1もしくはそれより多くのモノマーとを共重合させることによって得られるコポリマーである。コポリマーの例は、アクリレートおよびメタクリレートと、アクリル酸もしくはメタクリル酸との、およびスチレンもしくは置換スチレンとのコポリマー、フェノール樹脂、例えばノボラック、(ポリ)ヒドロキシスチレンならびにヒドロキシスチレンと、アルキルアクリレート、アクリル酸および/またはメタクリル酸とのコポリマーである。コポリマーの好ましい例は、メチル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸のコポリマー、ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸のコポリマー、メチル(メタ)アクリレート/エチル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸のコポリマー、ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/スチレンのコポリマー、ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートのコポリマー、ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/グリシジル(メタ)アクリレートのコポリマー、ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/3−(メタクリロイルオキシメチル)オキセタンのコポリマー、メチル(メタ)アクリレート/ブチル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/スチレンのコポリマー、メチル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/ヒドロキシフェニル(メタ)アクリレートのコポリマー、メチル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/ポリメチル(メタ)アクリレートマクロモノマーのコポリマー、ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/ポリメチル(メタ)アクリレートマクロモノマーのコポリマー、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート/スチレン/(メタ)アクリル酸のコポリマー、メチル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/ポリスチレンマクロモノマーのコポリマー、ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/ポリスチレンマクロモノマーのコポリマー、ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート/ポリスチレンマクロモノマーのコポリマー、ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート/ポリスチレンマクロモノマーのコポリマー、ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート/ポリメチル(メタ)アクリレートマクロモノマーのコポリマー、メチル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート/ポリスチレンマクロモノマーのコポリマー、ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート/ポリメチル(メタ)アクリレートマクロモノマーのコポリマー、N−フェニルマレイミド/ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸およびスチレンのコポリマー、ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/N−フェニルマレイミド/モノ−[2−(メタ)アクリロイルオキシエチル]スクシネート/スチレンのコポリマー、アリル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/N−フェニルマレイミド/モノ−[2−(メタ)アクリロイルオキシエチル]スクシネート/スチレンのコポリマー、ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/N−フェニルマレイミド/グリセロールモノ(メタ)アクリレート/スチレンのコポリマー、ベンジル(メタ)アクリレート/ω−カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/N−フェニルマレイミド/グリセロールモノ(メタ)アクリレート/スチレンのコポリマーならびにベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/N−シクロヘキシルマレイミド/スチレンのコポリマーである。市販製品の例は、Ripoxy SPC-2000(昭和高分子により提供)である。
【0322】
上述のように、前記のアルカリ現像性樹脂(d)は、好ましくは遊離のカルボン酸基を有し、その基は、化合物に良好なアルカリ可溶性をもたらす。しかしながら、良好なアルカリ可溶性を有する樹脂を得るために、カルボン酸基とは異なる官能基を使用することもできる。かかる基のための例は、フェノール基、スルホン酸基、無水物基およびそれらの組み合わせである。
【0323】
上述の酸無水物の典型的な例は、二塩基性酸の無水物、例えばマレイン酸無水物、コハク酸無水物、イタコン酸無水物、フタル酸無水物、テトラヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物、メチルヘキサヒドロフタル酸無水物、エンド−メチレンテトラヒドロフタル酸無水物、メチル−エンド−メチレンテトラヒドロフタル酸無水物、クロレンド酸無水物ならびにメチルテトラヒドロフタル酸無水物である。好適なのは、また、芳香族のポリカルボン酸無水物、例えばトリメリト酸無水物、ピロメリト酸無水物およびベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物である。好適なのは、また、ポリカルボン酸無水物誘導体、例えば5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフリル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物である。
【0324】
アルカリ現像性樹脂(d)の更なる例は、少なくとも2つのエチレン性不飽和基と少なくとも1つのカルボキシル官能基を分子構造内に有するポリマーまたはオリゴマー、例えば飽和もしくは不飽和の多塩基性酸無水物と、エポキシ化合物および不飽和モノカルボン酸の反応生成物との反応によって得られる樹脂である(例えば、EB9696(UCB Chemicals社製);KAYARAD TCR1025(日本化薬株式会社製);NK OLIGO EA-6340, EA-7440(新中村化学工業株式会社製)。かかるバインダーの別の例は、JP2002-206014A、JP2004-69754A、JP2004-302245A、JP2005-77451A、JP2005-316449A、JP2005-338328AおよびJP3754065B2に記載されている。
【0325】
アルカリ現像性樹脂(d)の更なる例は、少なくとも1つのエチレン性不飽和基を有する上述のポリマーまたはオリゴマーである。
【0326】
アルカリ現像性樹脂(d)の更なる例は、エポキシ基を有する不飽和化合物を、カルボン酸基を有するポリマーのカルボキシル基の一部に付加させることによって得られる反応生成物である(例えばACA200、ACA200M、ACA210P、ACA230AA、ACA250、ACA300、ACA320(ダイセル化学工業株式会社製)およびRipoxy SPC-1000(昭和高分子により提供))。前記のカルボン酸を有するポリマーとしては、不飽和カルボン酸化合物と1もしくはそれより多くの重合性化合物との反応から得られる上述のバインダーポリマー、例えば(メタ)アクリル酸、ベンジル(メタ)アクリレート、スチレンおよび2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートのコポリマー、(メタ)アクリル酸、スチレンおよびα−メチルスチレンのコポリマー、(メタ)アクリル酸、N−フェニルマレイミド、スチレンおよびベンジル(メタ)アクリレートのコポリマー、(メタ)アクリル酸およびスチレンのコポリマー、(メタ)アクリル酸およびベンジル(メタ)アクリレートのコポリマー、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、スチレンおよび(メタ)アクリル酸のコポリマーなどである。
【0327】
エポキシ基を有する不飽和化合物の例を、以下に式(V−1)〜(V−15):
【化52】
[式中、R50は、水素またはメチル基であり、かつM3は、1〜10個の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアルキレンである]において示す。
【0328】
これらの化合物のなかでも、脂環式エポキシ基を有する化合物が特に好ましい。それというのも、これらの化合物はカルボキシル基を有する樹脂との高い反応性を有するため、反応時間を短縮できるからである。これらの化合物は、更に、反応の過程でゲル化を引き起こさず、反応を安定的に行うことを可能にする。他方で、グリシジルアクリレートおよびグリシジルメタクリレートは、感受性および耐熱性の観点から好ましい。それというのも、それらは、低い分子量を有し、かつエステル化の高い転化率を示しうるからである。
【0329】
上述の化合物の具体的な例は、例えば、スチレン、α−メチルスチレンおよびアクリル酸のコポリマーまたはメチルメタクリレートおよびアクリル酸のコポリマーと、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレートとの反応生成物である。
【0330】
更なる例は、エポキシ基を有する不飽和化合物を、カルボン酸基を有するポリマーのカルボキシル基の一部もしくは全てに付加反応させて、引き続き多塩基性酸無水物と反応させることによって得られる生成物である(例えば、昭和高分子により提供されるRipoxy SPC-3000)。
【0331】
ヒドロキシ基を有する不飽和化合物、例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートおよびグリセロールモノ(メタ)アクリレートは、上述のエポキシ基を有する不飽和化合物の代わりに、カルボン酸基を有するポリマーのための反応物として使用することができる。
【0332】
更なる例は、無水物を有するポリマーの半エステル、例えば無水マレイン酸および1もしくはそれより多くの他の重合性化合物と、アルコール性ヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレート、例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートまたはエポキシ基を有する(メタ)アクリレート、例えば式(V−1)〜(V−15)に記載される化合物との反応生成物である。
【0333】
アルコール性ヒドロキシル基を有するポリマー、例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、ベンジルメタクリレートおよびスチレンと、(メタ)アクリル酸もしくは(メタ)アクリル塩化物との反応生成物を使用することもできる。
【0334】
更なる例は、末端不飽和基を有するポリエステルであって、二塩基性酸無水物および少なくとも2つのエポキシ基を有する化合物を反応させ、引き続いて不飽和化合物と更に反応させることにより得られるポリエステルと、多塩基性酸無水物との反応生成物である。
【0335】
更なる例は、飽和もしくは不飽和の多塩基性酸無水物と、エポキシ基を有する(メタ)アクリル化合物を上述のカルボン酸を有するポリマーのカルボキシル基の全てに付加させることによって得られる反応生成物との反応によって得られる樹脂である。
【0336】
更なる例は、エチレン性不飽和基と少なくとも1つのカルボキシル官能基を有するポリイミド樹脂である。本発明におけるポリイミドバインダー樹脂は、ポリイミド前駆体、例えばポリ(アミド酸)であってよい。
【0337】
アルカリ現像性樹脂(d)の特定の例は、
アクリルポリマー型樹脂、例えば
【化53】
蝶番型樹脂(フルオレンエポキシアクリレート系樹脂)
【化54】
である。
【0338】
本発明による重合性組成物、特に成分(d)として少なくとも1種のアルカリ現像性樹脂を含む重合性樹脂は、以下に挙げられる更なる成分(e)および/または(f)を含有してよい:
着色剤:
顔料および/または染料が存在してよい。本発明による組成物、例えば顔料が加えられたカラーフィルタレジスト組成物に含まれていてよい顔料は、好ましくは加工顔料である。赤色顔料は、例えばアントラキノン型顔料単独を、ジケトピロロピロール型顔料単独を、それらの混合物を、またはそれらの少なくとも1つとジスアゾ型黄色顔料もしくはイソインドリン型黄色顔料からなる混合物を、特にC.I.ピグメントレッド177単独を、C.I.ピグメントレッド254単独を、C.I.ピグメントレッド177およびC.I.ピグメントレッド254の混合物をまたはC.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド242およびC.I.ピグメントレッド254の少なくとも1つとC.I.ピグメントイエロー83もしくはC.I.ピグメントイエロー139とからなる混合物を含む(“C.I.”は、当業者に公知の公になっているカラーインデックスを指す)。前記顔料のための更なる好適な例は、C.I.ピグメントレッド9、97、105、122、123、144、149、168、176、179、180、185、202、207、209、214、222、244、255、264、272およびC.I.ピグメントイエロー12、13、14、17、20、24、31、53、55、93、95、109、110、128、129、138、139、150、153、154、155、166、168、185、199、213ならびにC.I.ピグメントオレンジ43および71である。赤色のための染料の例は、C.I.ソルベントレッド25、27、30、35、49、83、89、100、122、138、149、150、160、179、218、230、C.I.ダイレクトレッド20、37、39、44ならびにC.I.アシッドレッド6、8、9、13、14、18、26、27、51、52、87、88、89、92、94、97、111、114、115、134、145、151、154、180、183、184、186、198、C.I.ベーシックレッド12、13、C.I.ディスパースレッド5、7、13、17および58である。前記の赤色染料は、黄色染料および/または橙色染料と組み合わせて使用することができる。
【0339】
緑色顔料は、例えば、ハロゲン化フタロシアニン型顔料単独をもしくはそれとビスアゾ型黄色顔料、キノフタロン型黄色顔料もしくは金属錯体との混合物を、特にC.I.ピグメントグリーン7単独を、C.I.ピグメントグリーン36単独を、C.I.ピグメント58単独を、またはC.I.ピグメントグリーン7、C.I.ピグメントグリーン36、C.I.ピグメントグリーン58およびC.I.ピグメントイエロー83、C.I.ピグメントイエロー138もしくはC.I.ピグメントイエロー150の少なくとも1つからなる混合物を含む。他の好適な緑色顔料は、C.I.ピグメントグリーン15、25および37である。好適な緑色染料のための例は、C.I.アシッドグリーン3、9、16、C.I.ベーシックグリーン1および4である。
【0340】
青色染料は、例えばメチン型染料を、アントラキノン型染料を、アゾ型染料を、金属錯体アゾ型染料を、トリアリールメタン型染料をまたはフタロシアニン型染料を含む。好適な青色顔料のための例は、フタロシアニン型顔料であり、該顔料は単独でも、またはジオキサジン型バイオレット顔料と組み合わせて使用される。例えばC.I.ピグメントブルー15:6単独、C.I.ピグメントブルー15:6およびC.I.ピグメントバイオレット23の組み合わせである。青色顔料のための更なる例は、C.I.ピグメントブルー15:3、15:4、16、22、28および60の顔料である。他の好適な顔料は、C.I.ピグメントバイオレット14、19、23、29、32、37、177およびC.I.オレンジ73である。好適な青色染料のための例は、C.I.ソルベントブルー11、25、37、45、49、68、78、94、C.I.ダイレクトブルー25、86、90、108、C.I.アシッドブルー1、3、7、9、15、83、90、103、104、158、161、C.I.ベーシックブルー1、3、7、9、25、105、C.I.ディスパースブルー198およびモルダントブルー1である。
【0341】
黒色マトリクスのための光重合組成物の顔料は、好ましくは、カーボンブラック、チタニウムブラック、酸化鉄、ラクトン、ラクタムおよびペリレンからなる群から選択される少なくとも1つを含む。好ましい例は、カーボンブラックである。しかしながら、他の顔料の混合物であって、全体として黒色の外観を示すものを使用することもできる。例えばまた、C.I.ピグメントブラック1、7、31および32は、単独でまたは組み合わせて使用することができる。
【0342】
カラーフィルタのために使用される染料の他の例は、C.I.ソルベントイエロー2、5、14、15、16、19、21、33、56、62、77、83、93、162、104、105、114、129、130、162、C.I.ディスパースイエロー3、4、7、31、54、61、201、C.I.ダイレクトイエロー1、11、12、28、C.I.アシッドイエロー1、3、11、17、23、38、40、42、76、98、C.I.ベーシックイエロー1、C.I.ソルベントバイオレット13、33、45、46、C.I.ディスパースバイオレット22、24、26、28、31、C.I.アシッドバイオレット49、C.I.ベーシックバイオレット2、7、10、C.I.ソルベントオレンジ1、2、5、6、37、45、62、99、C.I.アシッドオレンジ1、7、8、10、20、24、28、33、56、74、C.I.ダイレクトオレンジ1、C.I.ディスパースオレンジ5、C.I.ダイレクトブラウン6、58、95、101、173、C.I.アシッドブラウン14、C.I.ソルベントブラック3、5、7、27、28、29、35、45および46である。
【0343】
カラーフィルタの製造の幾つかの特定の場合においては、補色であるイエロー、マゼンタ、シアンおよび任意にグリーンを、レッド、グリーンおよびブルーのために使用する。この種類のカラーフィルタのためのイエローとしては、上述の黄色顔料および染料が使用できる。マゼンタ色に適した着色剤の例は、C.I.ピグメントレッド122、144、146、169、177、C.I.ピグメントバイオレット19および23である。シアン色の例は、アルミニウムフタロシアニン顔料、チタニウムフタロシアニン顔料、コバルトフタロシアニン顔料およびスズフタロシアニン顔料である。
【0344】
該カラーフィルタレジスト組成物における顔料は、好ましくは、可視光の波長(400nm〜700nm)よりも小さい平均粒径を有する。特に、100nm未満の平均顔料直径が好ましい。
【0345】
全固体成分(様々な色の顔料および樹脂)中の顔料の濃度は、例えば5質量%〜80質量%の範囲にあり、特に20質量%〜65質量%の範囲にある。
【0346】
全固体成分(様々な色の染料および樹脂)中の染料の濃度は、例えば0.5質量%〜95質量%の範囲にあり、特に0.5質量%〜70質量%の範囲にある。
【0347】
必要に応じて、前記顔料は、感光性組成物において、該顔料を分散剤で前処理して、液体配合物中の顔料の分散安定性を改善させることによって安定化させることができる。好適な添加剤を、以下に記載する。
【0348】
添加剤:
添加剤、例えば分散剤、界面活性剤、付着促進剤、感光剤などは任意に存在する。
【0349】
顔料を分散しやすくするために、かつ得られた顔料分散液を安定化させるために、顔料に表面処理を加えることが好ましい。表面処理試薬は、例えば界面活性剤、ポリマー型分散剤、一般的なテクスチャ向上剤、顔料誘導体およびそれらの混合物である。本発明による着色剤組成物が、少なくとも1種のポリマー型分散剤および/または少なくとも顔料誘導体を含む場合が特に好ましい。
【0350】
好適な界面活性剤には、アニオン系界面活性剤、例えばアルキルベンゼンスルホネートもしくはアルキルナフタレンスルホネート、アルキルスルホスクシネートもしくはナフタレンホルムアルデヒドスルホネート;カチオン系界面活性剤、例えば第四級塩、例えばベンジルトリブチルアンモニウムクロリドなどの界面活性剤;または非イオン系もしくは両性界面活性剤、例えばそれぞれポリオキシエチレン界面活性剤とアルキル−もしくはアミドプロピルベタインが含まれる。
【0351】
界面活性剤の実例には、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、例えばポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテルおよびポリオキシエチレンオレイルエーテル;ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、例えばポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテルおよびポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル;ポリエチレングリコールジエステル、例えばポリエチレングリコールジラウレートおよびポリエチレングリコールジステアレート;ソルビタン脂肪酸エステル;脂肪酸変性ポリエステル;第三級アミン変性ポリウレタン;ポリエチレンイミン;KP(信越化学株式会社の製品)、Polyflow(共栄社化学株式会社の製品)、F-Top(Tochem Products Co., Ltdの製品)、MEGAFAC (大日本インキ化学工業株式会社の製品)、Fluorad(住友スリーエム株式会社の製品)、Asahi GuardおよびSurflon(旭硝子株式会社の製品)の商品名で入手できる界面活性剤などが含まれる。
【0352】
これらの界面活性剤は、単独でまたは2もしくはそれより多くの混合物で使用してよい。前記の界面活性剤は、一般に、着色剤組成物100質量部に対して、50質量部以下の量で、好ましくは0〜30質量部の量で使用される。
【0353】
ポリマー型の分散剤は、顔料親和性基を有する高分子量ポリマーを含む。例は、例えばスチレン誘導体、(メタ)アクリレートおよび(メタ)アクリルアミドから構成される統計コポリマー、および後変性により変性されたかかる統計コポリマー;例えばスチレン誘導体、(メタ)アクリレートおよび(メタ)アクリルアミドから構成されるブロックコポリマーおよび/または櫛形ポリマーおよび後変性によって変性されたかかるブロックコポリマーおよび/または櫛形ポリマー;例えばポリエステルと一緒に作られたポリエチレンイミン;例えばポリエステルと一緒に作られたポリアミン;ならびに多くの種類の(変性)ポリウレタンである。
【0354】
ポリマー型の分散剤を使用してもよい。好適なポリマー型の分散剤は、例えばBYK社製のDISPERBYK(登録商標)101、115、130、140、160、161、162、163、164、166、168、169、170、171、180、182、2000、2001、2009、2020、2025、2050、2090、2091、2095、2096、2150、Ciba社製のCiba(登録商標)EFKA(登録商標)4008、4009、4010、4015、4046、4047、4050、4055、4060、4080、4300、4310、4330、4340、4400、4401、4402、4403、4406、4500、4510、4520、4530、4540、4550、4560、味の素ファインテクノ社製のPB(登録商標)711、821、822、823、824、827、Lubrizol社製のSOLSPERSE(登録商標)1320、13940、17000、20000、21000、24000、26000、27000、28000、31845、32500、32550、32600、33500、34750、36000、36600、37500、39000、41090、44000、53095ならびにそれらの組み合わせである。
【0355】
Ciba(登録商標)EFKA(登録商標)4046、4047、4060、4300、4310、4330、4340、DISPERBYK(登録商標)161、162、163、164、165、166、168、169、170、2000、2001、2020、2050、2090、2091、2095、2096、2105、2150、PB(登録商標)711、821、822、823、824、827、SOLSPERSE(登録商標)24000、31845、32500、32550、32600、33500、34750、36000、36600、37500、39000、41090、44000、53095ならびにそれらの組み合わせを分散剤として使用することが好ましい。
【0356】
好適なテクスチャ向上剤は、例えば脂肪酸、例えばステアリン酸もしくはベヘン酸ならびに脂肪アミン、例えばラウリルアミンおよびステアリルアミンである。更に、脂肪アルコールもしくはエトキシ化脂肪アルコール、ポリオール、例えば脂肪族1,2−ジオールもしくはエポキシ化大豆油、ワックス、樹脂酸および樹脂酸塩を、この目的のために使用してよい。
【0357】
好適な顔料誘導体は、例えば銅フタロシアニン誘導体、例えばCiba社製のCiba(登録商標)EFKA(登録商標)6745、Lubrizol社製のSOLSPERSE(登録商標)5000、12000、BYK社製のSYNERGIST 2100ならびにアゾ誘導体、例えばCiba(登録商標)EFKA(登録商標)6750、SOLSPERSE(登録商標)22000およびSYNERGIST 2105である。
【0358】
上述の顔料用の分散剤および界面活性剤は、例えば本発明の組成物であってレジスト配合物として使用される配合物において、特にカラーフィルタ配合物において使用される。
【0359】
本発明の対象は、また、前記の光重合性組成物であって、更なる添加剤として、分散剤もしくは分散剤の混合物を含む組成物ならびに前記の光重合性組成物であって、更なる添加剤として顔料もしくは顔料の混合物を含む組成物である。
【0360】
本発明においては、分散剤の含量は、該顔料の質量に対して、好ましくは1〜80質量%、より好ましくは5〜70質量%、更により好ましくは10〜60質量%である。
【0361】
付着性向上剤:
本発明の硬化性組成物は、支持体などの硬質表面への付着性を向上させるための付着性向上剤を含有してよい。付着性向上剤は、シランカップリング剤、チタニウムカップリング剤などでありうる。
【0362】
感光剤:
光重合は、また、スペクトル感受性をシフトしまたは拡大する更なる感光剤もしくは補助開始剤を添加することによって加速させることもできる。これらは、特に、芳香族化合物、例えばベンゾフェノンおよびその誘導体、チオキサントンおよびその誘導体、アントラキノンおよびその誘導体、クマリンおよびフェノチアジンならびにその誘導体、また3−(アロイルメチレン)チアゾリン、ローダニン、カンファーキノンであるが、またエロシン、ローダミン、エリスロシン、キサンテン、チオキサンテン、アクリジン、例えば9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9−アクリジニル)ヘプタン、1,5−ビス(9−アクリジニル)ペンタン、シアニンおよびメロシアニン色素である。
【0363】
かかる化合物の特定の例は、以下の通りである:
1. チオキサントン
チオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン、2−ドデシルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、1−メトキシカルボニルチオキサントン、2−エトキシカルボニルチオキサントン、3−(2−メトキシエトキシカルボニル)−チオキサントン、4−ブトキシカルボニルチオキサントン、3−ブトキシカルボニル−7−メチルチオキサントン、1−シアノ−3−クロロチオキサントン、1−エトキシカルボニル−3−クロロチオキサントン、1−エトキシカルボニル−3−エトキシチオキサントン、1−エトキシカルボニル−3−アミノチオキサントン、1−エトキシカルボニル−3−フェニルスルフリルチオキサントン、3,4−ジ−[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシカルボニル]−チオキサントン、1,3−ジメチル−2−ヒドロキシ−9H−チオキサンテン−9−オン 2−エチルヘキシルエーテル、1−エトキシカルボニル−3−(1−メチル−1−モルホリノエチル)−チオキサントン、2−メチル−6−ジメトキシメチル−チオキサントン、2−メチル−6−(1,1−ジメトキシベンジル)−チオキサントン、2−モルホリノメチルチオキサントン、2−メチル−6−モルホリノメチルチオキサントン、N−アリルチオキサントン−3,4−ジカルボキシイミド、N−オクチルチオキサントン−3,4−ジカルボキシイミド、N−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−チオキサントン−3,4−ジカルボキシイミド、1−フェノキシチオキサントン、6−エトキシカルボニル−2−メトキシチオキサントン、6−エトキシカルボニル−2−メチルチオキサントン、チオキサントン−2−カルボン酸 ポリエチレングリコールエステル、2−ヒドロキシ−3−(3,4−ジメチル−9−オキソ−9H−チオキサントン−2−イルオキシ)−N,N,N−トリメチル−1−プロパナミニウムクロリド;
2. ベンゾフェノン
ベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、4−メトキシベンゾフェノン、4,4′−ジメトキシベンゾフェノン、4,4′−ジメチルベンゾフェノン、4,4′−ジクロロベンゾフェノン、4,4′−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4′−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4′−ビス(メチルエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4′−ビス(p−イソプロピルフェノキシ)ベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、4−(4−メチルチオフェニル)−ベンゾフェノン、3,3′−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、メチル−2−ベンゾイルベンゾエート、4−(2−ヒドロキシエチルチオ)−ベンゾフェノン、4−(4−トリルチオ)ベンゾフェノン、1−[4−(4−ベンゾイル−フェニルスルファニル)−フェニル]−2−メチル−2−(トルエン−4−スルホニル)−プロパン−1−オン、4−ベンゾイル−N,N,N−トリメチルベンゼンメタンアミニウムクロリド、2−ヒドロキシ−3−(4−ベンゾイルフェノキシ)−N,N,N−トリメチル−1−プロパナミニウムクロリド一水和物、4−(13−アクリロイル−1,4,7,10,13−ペンタオキサトリデシル)−ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−N,N−ジメチル−N−[2−(1−オキソ−2−プロペニル)オキシ]エチル−ベンゼンメタンアミニウムクロリド;
3. クマリン
クマリン1、クマリン2、クマリン6、クマリン7、クマリン30、クマリン102、クマリン106、クマリン138、クマリン152、クマリン153、クマリン307、クマリン314、クマリン314T、クマリン334、クマリン337、クマリン500、3−ベンゾイルクマリン、3−ベンゾイル−7−メトキシクマリン、3−ベンゾイル−5,7−ジメトキシクマリン、3−ベンゾイル−5,7−ジプロポキシクマリン、3−ベンゾイル−6,8−ジクロロクマリン、3−ベンゾイル−6−クロロ−クマリン、3,3′−カルボニル−ビス[5,7−ジ(プロポキシ)クマリン]、3,3′−カルボニル−ビス(7−メトキシクマリン)、3,3′−カルボニル−ビス(7−ジエチルアミノ−クマリン)、3−イソブチロイルクマリン、3−ベンゾイル−5,7−ジメトキシ−クマリン、3−ベンゾイル−5,7−ジエトキシ−クマリン、3−ベンゾイル−5,7−ジブトキシクマリン、3−ベンゾイル−5,7−ジ(メトキシエトキシ)−クマリン、3−ベンゾイル−5,7−ジ(アリルオキシ)クマリン、3−ベンゾイル−7−ジメチルアミノクマリン、3−ベンゾイル−7−ジエチルアミノクマリン、3−イソブチロイル−7−ジメチルアミノクマリン、3−ベンゾイル−7−ジエチルアミノクマリン、3−イソブチロイル−7−ジメチルアミノクマリン、5,7−ジメトキシ−3−(1−ナフトイル)−クマリン、5,7−ジエトキシ−3−(1−ナフトイル)−クマリン、3−ベンゾイルベンゾ[f]クマリン、7−ジエチルアミノ−3−チエノイルクマリン、3−(4−シアノベンゾイル)−5,7−ジメトキシクマリン、3−(4−シアノベンゾイル)−5,7−ジプロポキシクマリン、7−ジメチルアミノ−3−フェニルクマリン、7−ジエチルアミノ−3−フェニルクマリン、JP 09-179299-AおよびJP 09-325209-Aに開示されるクマリン誘導体、例えば7−[{4−クロロ−6−(ジエチルアミノ)−S−トリアジン−2−イル}アミノ]−3−フェニルクマリン;
4. 3−(アロイルメチレン)−チアゾリン
3−メチル−2−ベンゾイルメチレン−β−ナフトチアゾリン、3−メチル−2−ベンゾイルメチレン−ベンゾチアゾリン、3−エチル−2−プロピオニルメチレン−β−ナフトチアゾリン;
5. ローダニン
4−ジメチルアミノベンザールローダニン、4−ジエチルアミノベンザールローダニン、3−エチル−5−(3−オクチル−2−ベンゾチアゾリニリデン)−ローダニン、JP 08-305019Aに開示されるローダニン誘導体、式[1]、[2]、[7];
6. 他の化合物
アセトフェノン、3−メトキシアセトフェノン、4−フェニルアセトフェノン、ベンジル、4,4′−ビス(ジメチルアミノ)ベンジル、2−アセチルナフタレン、2−ナフタアルデヒド、ダンシル酸誘導体、9,10−アントラキノン、アントラセン、ピレン、アミノピレン、ペリレン、フェナントレン、フェナントレンキノン、9−フルオレノン、ジベンゾスベロン、クルクミン、キサントン、チオミヒラーズケトン、α−(4−ジメチルアミノベンジリデン)ケトン、例えば2,5−ビス(4−ジエチルアミノベンジリデン)シクロペンタノン、2−(4−ジメチルアミノ−ベンジリデン)−インダン−1−オン、3−(4−ジメチルアミノ−フェニル)−1−インダン−5−イル−プロペノン、3−フェニルチオフタルイミド、N−メチル−3,5−ジ(エチルチオ)−フタルイミド、N−メチル−3,5−ジ(エチルチオ)フタルイミド、フェノチアジン、メチルフェノチアジン、アミン、例えばN−フェニルグリシン、エチル 4−ジメチルアミノベンゾエート、ブトキシエチル 4−ジメチルアミノベンゾエート、4−ジメチルアミノアセトフェノン、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、2−(ジメチルアミノ)エチルベンゾエート、ポリ(プロピレングリコール)−4−(ジメチルアミノ)ベンゾエート。
【0364】
感光剤は、ベンゾフェノンおよびその誘導体、キサントンおよびその誘導体、アントラキノンおよびその誘導体またはクマリンおよびその誘導体からなる群から選択してよい。
【0365】
促進剤:
光重合を促進するために、アミン、例えばトリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、エチル−p−ジメチルアミノベンゾエート、2−(ジメチルアミノ)エチルベンゾエート、2−エチルヘキシル−p−ジメチルアミノベンゾエート、オクチル−パラ−N,N−ジメチルアミノベンゾエート、N−(2−ヒドロキシエチル)−N−メチル−パラ−トルイジンまたはミヒラーズケトンを添加することが可能である。前記のアミンの作用は、ベンゾフェノン型の芳香族ケトンの添加によって強化することができる。酸素スカベンジャーとして使用できるアミンの例は、置換されたN,N−ジアルキルアニリンであり、それらはEP339841に記載されている。他の促進剤、補助開始剤および自己酸化剤は、チオール、チオエーテル、ジスルフィド、ホスホニウム塩、ホスフィンオキシドまたはホスフィンであり、それらは、例えばEP438123、GB2180358および特開平6-68309に記載されている。
【0366】
1もしくはそれより多くの添加剤の選択は、適用分野およびこの分野に必要とされる特性に依存してなされる。前記の添加剤は、当該技術分野で慣用であり、従って各用途で通常の量で添加される。
【0367】
熱抑制剤(Thermal inhibitor):
熱抑制剤は、早期重合を抑えることを目的とし、その例は、ヒドロキノン、ヒドロキノン誘導体、p−メトキシフェノール、β−ナフトールまたは立体障害フェノール、例えば2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾールである。暗所での貯蔵に対する安定性を高めるために、例えば銅化合物、例えば銅ナフテネート、ステアレートもしくはオクトエート、リン化合物、例えばトリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリフェニルホスフェートもしくはトリベンジルホスフェート、第四級アンモニウム化合物、例えばテトラメチルアンモニウムクロリドもしくはトリメチルベンジルアンモニウムクロリドまたはヒドロキシルアミン誘導体、例えばN−ジエチルヒドロキシルアミンを使用することができる。重合の間の大気酸素を排除するために、パラフィンまたは類似のワックス様物質を添加することができ、前記物質は、ポリマー中で不十分な可溶性があり、重合の開始時に表面へとマイグレーションし、空気の侵入を防ぐ透明な表面層を形成する。また、酸素不透過性の層を適用することも可能である。少量で添加できる光安定剤は、UV吸収剤、例えばヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール型、ヒドロキシフェニル−ベンゾフェノン型、オキサルアミド型またはヒドロキシフェニル−s−トリアジン型のものである。これらの化合物は、個別にまたは混合物で、立体障害アミン(HALS)を用いてまたは用いずに使用することができる。
【0368】
溶剤:
好適な溶剤の例は、ケトン、エーテルおよびエステル、例えばメチルエチルケトン、イソブチルメチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、N−メチルピロリドン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、2−メトキシブチルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、4−メトキシブチルアセテート、2−メチル−3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、3−エチル−3−メトキシブチルアセテート、2−エトキシブチルアセテート、4−エトキシブチルアセテート、4−プロポキシブチルアセテート、2−メトキシペンチルアセテート、3−メトキシペンチルアセテート、4−メトキシペンチルアセテート、2−メチル−3−メトキシペンチルアセテート、3−メチル−3−メトキシペンチルアセテート、3−メチル−4−メトキシペンチルアセテート、4−メチル−4−メトキシペンチルアセテート、エチルアセテート、n−ブチルアセテート、エチルプロピオネート、プロピルプロピオネート、ブチルプロピオネート、エチル 3−エトキシプロピオネート、メチル 3−メトキシプロピオネート、2−ヘプタノン、2−ペンタノンおよびエチルラクテートである。
【0369】
ハイブリッドシステム:
本発明による組成物は、追加的に、酸もしくは塩基によって活性化される架橋剤(例えばJP 10 221843-Aに記載される)および熱的にもしくは化学線によって酸もしくは塩基を発生して架橋反応を活性化する化合物を含んでよい。遊離基硬化剤に加えて、カチオン系光開始剤もしくは熱開始剤、例えばスルホニウム塩、ホスホニウム塩もしくはヨードニウム塩、例えばIRGACURE(登録商標)250、San-Aid SIシリーズ SI-60L、SI-80L、SI-100L、SI-110L、SI-145、SI-150、SI-160、SI-180L(三新化学により製造)、シクロペンタジエニル−アレーン−鉄(II)錯塩、例えば(η6−イソ−プロピルベンゼン)(η5−シクロペンタジエニル)鉄(II)ヘキサフルオロホスフェートならびにオキシムスルホン酸エステル(例えばEP 780729に記載される)が使用される。例えばEP 497531およびEP 441232に記載されるピリジニウム塩および(イソ)キノリニウム塩を、前記の新規光開始剤と組み合わせて使用してよい。塩基の例は、イミダゾールおよびその誘導体、例えば四国化学により提供されるCurezole ORシリーズおよびCNシリーズである。
【0370】
酸もしくは塩基によって活性化されうる架橋剤には、エポキシ基もしくはオキセタン基を有する化合物が含まれる。固体もしくは液体の公知のエポキシ化合物もしくはオキセタン化合物を使用してよく、かつ前記化合物は、必要とされる特性に応じて使用される。好ましいエポキシ樹脂は、ビスフェノールS型のエポキシ樹脂、例えばBPS-200(日本化薬株式会社により製造)、EPX-30(ACR Co.により製造)、Epiculon EXA-1514(大日本インキ化学株式会社により製造)など;ビスフェノールA型のエポキシ樹脂、例えばEpiculon N-3050、N-7050、N-9050(大日本インキ化学株式会社により製造)、XAC-5005、GT-7004、6484T、6099;ビスフェノールF型のエポキシ樹脂、例えばYDF-2004、YDF2007(東都化成株式会社により製造)など;ビスフェノールフルオレン型のエポキシ樹脂、例えばOGSOL PG、PG-100、EG、EG-210(大阪ガス化学により製造);ジグリシジルフタレート樹脂、例えばBlemmer DGT(日本油脂株式会社により製造)など;複素環式のエポキシ樹脂、例えばTEPIC(日産化学工業株式会社により製造)、Araldite PT810(Ciba Specialty Chemicals Inc.により製造)など;ビキシレノール型のエポキシ樹脂、例えばYX-4000(油化シェル株式会社により製造)など;ビフェノール型のエポキシ樹脂、例えばYL-6056(油化シェル株式会社により製造)など;テトラグリシジルキシレノイルエタン樹脂、例えばZX-1063(東都化成株式会社により製造)など;ノボラック型のエポキシ樹脂、例えばEPPN-201、EOCN-103、EOCN-1020、EOCN-1025およびBRRN(日本化薬株式会社により製造)、ECN-278、ECN-292およびECN-299(旭化学工業株式会社により製造)、GY-1180、ECN-1273およびECN-1299(Ciba Specialty Chemicals Inc.により製造)、YDCN-220L、YDCN-220HH、YDCN-702、YDCN-704、YDPN-601およびYDPN-602(東都化成株式会社により製造)、Epiculon-673、N-680、N-695、N-770およびN-775(大日本インキ化学株式会社により製造)など;ビスフェノールAのノボラック型のエポキシ樹脂、例えばEPX-8001、EPX-8002、EPPX-8060およびEPPX-8061(旭化学工業株式会社により製造)、Epiculon N-880(大日本インキ化学株式会社により製造)など;キレート型のエポキシ樹脂、例えばEPX-49-69およびEPX-49-30(旭電化工業株式会社により製造)など;グリオキサール型のエポキシ樹脂、例えばYDG-414(東都化成株式会社により製造)など;アミノ基を有するエポキシ樹脂、例えばYH-1402およびST-110(東都化成株式会社により製造)、YL-931およびYL-933(油化シェル株式会社により製造)など;ゴム変性エポキシ樹脂、例えばEpiculon TSR-601(大日本インキ化学株式会社により製造)、EPX-84-2およびEPX-4061(旭電化工業K.K.により製造)など;ジシクロペンタジエンフェノール型のエポキシ樹脂、例えばDCE-400(山陽国策パルプ株式会社により製造)など;シリコーン変性エポキシ樹脂、例えばX-1359(旭電化工業K.K.により製造)など;ε−カプロラクトン変性エポキシ樹脂、例えばPlaque G-402およびG-710(ダイセル化学工業株式会社により製造)などならびにその他である。更に、これらのエポキシ化合物の部分エステル化された化合物(例えば(メタ)アクリレートによりエステル化された)を組み合わせて使用することができる。オキセタン化合物の例は、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン(オキセタンアルコール)、2−エチルヘキシルオキセタン、キシレンビスオキセタン、3−エチル−3−[[3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ]メチル]オキセタン(Aron Oxetaneシリーズ)(東亞合成により提供)である。
【0371】
本発明による重合性組成物であって、式Iの少なくとも1種の化合物を含む組成物は、特に以下の用途に適している:
− 様々なディスプレイ用途のためのカラーフィルタの製造のためのレジスト、
− LCD用のスペーサー、
− カラーフィルタまたはLCD用のオーバーコート層、
− LCD用のシーラント、
− LCD用の絶縁層。
【0372】
本発明による重合性組成物であって、式Iの少なくとも1種の化合物を含む組成物は、また以下の用途に適している:
− 様々な用途のための光学フィルム、例えばハードコート、反射防止フィルム、ギラツキ防止フィルム、位相差フィルム、NIR吸収フィルム、プリズムシート、輝度向上フィルムなど、
− プラズマディスプレイパネル、エレクトロルミネッセンスディスプレイおよびLCDの製造プロセスにおいて構造もしくは層を生成するための、他のレジスト、感光性組成物もしくは熱硬化性組成物、
− ソルダーレジスト、
− プリント回路基板の連続ビルドアップ層における誘電性層の形成に使用されるホトレジスト材料、
− エレクトロニクス用ホトレジスト、電気メッキレジスト、エッチングレジスト、液体被膜型と乾燥被膜型の両方、
− 異方性伝導性接着剤(異方性伝導性接着剤は、樹脂組成物中に伝導性粒子を含有し、電子部品もしくは電機部品の電気的接合に使用できる。それらは、精密回路、例えば液晶ディスプレイ(LCD)およびテープキャリヤパッケージ(TCP)もしくはTCPおよびプリント回路基板(PCB)などに使用することができる)、
− オリゴマー、コ−オリゴマー、ポリマーおよびコポリマー、例えばランダムブロック、マルチブロック、スターまたはグラジエントコポリマーの形成のための重合、
− ポリマーの制御された分解および分子量もしくは架橋の制御されたビルドアップ、
− 建造物、建材、自動車部品、電気機器、精密機器などのための被覆剤、
− 光学フィルムと感圧性接着剤層を含む感圧性接着剤光学フィルム、例えばLCD用のおよび有機エレクトロルミネッセンス(EL)ディスプレイ用のフィルム、
− 接着剤および接着剤層を有するプリント回路基板(例えば自動車部品、電気機器などとして使用される)、
− 歯科材料、
− 建造物および建材用のシーラー。
【0373】
本発明は、更に、前記ホトレジスト組成物を、様々なディスプレイ用途のためのカラーフィルタならびに電荷結合素子(CCD)および相補型金属酸化膜半導体(CMOS)などのイメージセンサ用のカラーフィルタ、LCD用のスペーサー、カラーフィルタおよびLCD用のオーバーコート層、LCD用のシーラント、様々なディスプレイ用途のための光学フィルム、LCD用の絶縁層、プラズマディスプレイパネル、エレクトロルミネッセンスディスプレイおよびLCDの製造プロセスにおいて構造または層を生成するためのレジストもしくは感光性組成物、ソルダーレジストの製造のために、プリント回路基板の連続ビルドアップ層における誘電性層の形成に使用されるフォトレジスト材料として用いる使用に関する。
【0374】
本発明による組成物は、カラーフィルタまたはカラーモザイクシステム(例えばEP 320 264に記載されるような)の製造のために特に適している。前記のカラーフィルタは、例えばフラットパネルディスプレイ技術、例えばLCD、エレクトロルミネッセンスディスプレイおよびプラズマディスプレイのために、CCDおよびCMOSなどのイメージセンサなどのために使用することができる。
【0375】
前記のカラーフィルタは、通常は、赤色ピクセル、緑色ピクセルおよび青色ピクセルならびに黒色マトリックスをガラス基板上に形成させることによって製造される。これらのプロセスにおいて、本発明による光硬化性組成物を使用することができる。特に好ましい使用方法は、赤色、緑色および青色の着色物の染料および顔料を、本発明の感光性樹脂へと添加することと、基材を該組成物で被覆することと、該被覆を短時間の熱処理で乾燥させることと、該コーティングを化学線へとパターン状に露光することと、引き続き好適な水性アルカリ現像液と熱処理において前記パターンを現像することとを含む。こうして、赤色の、緑色の、青色のおよび黒色の顔料が加えられた被覆を、任意の所望の順序において、互いの上部へと前記プロセスで引き続き適用することによって、赤色ピクセル、緑色ピクセルおよび青色ピクセルならびに黒色マトリックスを有するカラーフィルタ層を製造することができる。
【0376】
ホトリソグラフィーにおいては、約150nm〜600nmの、例えば190〜600nm(UV−VIS領域)の好適な放射は、例えば日光または人工的な光源からの光において選択される。従って、非常に様々な種類の多数の光源が使用される。点光源およびアレイ(“ランプカーペット”)の両方が適している。例は、炭素アーク灯、キセノンアーク灯、超高圧、高圧、中圧および低圧の水銀灯、あるいは金属ハロゲン化物ドープを有するもの(メタルハロゲンランプ)、マイクロ波誘導型金属蒸気ランプ、エキシマレーザ、超アクチノイド蛍光管、蛍光灯、アルゴン白熱灯、電子閃光灯、写真用フラッドランプ、発光ダイオード(LED)、電子線およびX線である。前記のランプと露光されるべき基材との間の本発明による距離は、意図される用途ならびにランプの種類および出力に応じて変更してよく、例えば2cm〜150cmであってよい。レーザ光源、例えばエキシマレーザ、例えばKrFレーザ、例えば248nmのレーザ、ArFレーザ、例えば193nmのレーザならびに157nmでの露光用のF2レーザも適している。可視領域のレーザも使用することができる。
【0377】
感光性樹脂組成物が基材上に被覆され乾燥されるプロセスに加えて、本発明の感光性樹脂組成物は、層転写材料のためにも使用することができる。つまり、前記の感光性樹脂組成物は、一時支持体上に、好ましくはポリエチレンテレフタレートフィルム上に直接的に、または酸素遮断層および剥離層もしくは剥離層と酸素遮断層とが提供されたポリエチレンテレフタレートフィルム上に、層状に提供される。通常は、合成樹脂製のリムーバブルなカバーシートが、取り扱い時の保護のためにその上に積層される。更に、同様に、アルカリ可溶性熱可塑性樹脂層と中間層が一時支持体上に提供され、その上に更に感光性樹脂組成物層が提供された層構造を適用できる(JP 5-173320-A)。
【0378】
前記のカバーシートは使用時に取り除かれ、感光性樹脂組成物層が永続支持体(permanent support)上に積層される。引き続き、剥離は、酸素遮断層と剥離層が設けられる場合には、これらの層と一時支持体との間で行われ、剥離層と酸素遮断層が設けられる場合には、剥離層と酸素遮断層との間で行われ、かつ剥離層または酸素遮断層のいずれかが設けられていない場合には、一時支持体と感光性樹脂組成物層との間で行われ、そして一時支持体が取り除かれる。
【0379】
現像液は、当業者に公知のあらゆる形態で、例えば浴溶液、たまり液もしくは噴霧溶液の形態で使用することができる。感光性樹脂組成物層の未硬化の部分を除去するために、複数の方法を組み合わせることができる。例えば、擦りと回転ブラシとを組み合わせること、および擦りと湿ったスポンジとを組み合わせることができる。通常は、現像液の温度は、好ましくは室温ないし40℃とその付近である。現像時間は、感光性樹脂組成物の特定の種類と、現像液のアルカリ度と温度と、添加する場合には有機溶剤の種類と濃度とに応じて変更できる。通常は、現像時間は、10秒から2分である。現像過程の後にすすぎ工程を置くことができる。
【0380】
最終熱処理は、好ましくは、現像過程の後に行われる。従って、露光により光重合された層(以下で光硬化層と呼ぶ)を有する支持体は、電気炉および乾燥機において加熱されるか、またはその光硬化層は、赤外ランプで照射されるかもしくはホットプレート上で加熱される。加熱温度と加熱時間は、使用される組成物と、形成された層の厚さに依存する。一般に、加熱は、約120℃ないし約250℃で、約2分から約60分にわたって加えることが好ましい。
【0381】
カラーフィルタレジスト、かかるレジストの組成およびプロセス条件のための例は、T. Kudo et al., Jpn. J. Appl. Phys. Vol. 37 (1998) 3594;T. Kudo et al., J. Photopolym. Sci. Technol. Vol 9 (1996) 109;K. Kobayashi, Solid State Technol. Nov. 1992, p. S15-S18;US5368976;US5800952;US5882843;US5879855;US5866298;US5863678;JP 06-230212-A;EP320264;JP 09-269410-A;JP 10-221843-A;JP 01-090516-A;JP 10-171119-A、US5821016、US5847015、US5882843、US5719008、EP881541またはEP902327に示されている。
【0382】
感光性組成物を使用して黒色マトリックスを形成し、その黒色の感光性組成物をホトリソグラフィーによりパターン状の露光によりパターン形成して、透明基材上の赤色、緑色および青色に着色された領域を分ける黒色パターンを形成する代わりに、代替として、無機の黒色マトリックスを使用することができる。かかる無機の黒色マトリックスは、透明基材上に、好適なイメージング法、例えばエッチングレジストによりホトリソグラフィーによるパターン形成を用い、エッチングレジストにより保護されていない領域で無機層をエッチングし、次いで残りのエッチングレジストを除去することによって、堆積された(すなわちスパッタリングされた)金属(すなわちクロム)被膜から形成することができる。
【0383】
本発明の感光性組成物または熱硬化性組成物は、また、かかるオーバーコート層の形成に使用することもできる。それというのも、該組成物の硬化被膜は、平坦性、硬さ、化学的および熱的な耐久性、透過性、特に可視領域での透過性、基材への付着性およびその上への透明な伝導性被膜、例えばITO被膜の形成のための適性の点で優れているからである。保護層の製造において、保護層の不必要な部分、例えば基材の切断のためのスクライビング線上の部分および固体イメージセンサの接合パッド上の部分は、JP57-42009-A、JP1-130103-AおよびJP1-134306-Aに記載されるようにして、前記基材から取り除くべきであると要求されている。これに関して、上述の熱硬化性樹脂を使用して良好な精度で保護層を選択的に形成することは困難である。しかしながら、感光性組成物は、保護層の不必要な部分を、ホトリソグラフィーによって容易に取り除くことを可能にする。
【0384】
本発明による感光性組成物は、更に、液晶ディスプレイパネルにおける液晶部分のセルギャップを制御する製造スペーサのために使用することができる。液晶ディスプレイにおいて液晶層を通過した光または反射した光の特性は、セルギャップに依存するので、ピクセルアレイにわたる厚さ精度および均一性は、液晶ディスプレイユニットの性能に決定的なパラメータである。ホトリソグラフィー法を使用することによって、樹脂カラムが、ピクセルアレイ領域と対向電極との間の領域においてスペーサーとして形成され、規定のセルギャップを形成させることができる。接着特性を有するホトリソグラフィーにより感光性の材料は、例えばカラーフィルタの製造において通常使用される。この方法は、スペーサーの位置、数および高さを自由に制御できるという点で、スペーサービーズを使用した慣用の方法と比較して好ましい。カラー液晶ディスプレイパネルにおいて、かかるスペーサーは、カラーフィルタエレメントの黒色マトリックスの下にある非イメージング領域において形成される。従って、感光性組成物を使用して形成されたスペーサーは、輝度および光学的開口を低下させない。
【0385】
カラーフィルタ用のスペーサーを用いて保護層を製造するための感光性組成物は、JP 2000-81701-Aに開示され、スペーサー材料のための乾燥被膜型のホトレジストは、また、JP 11-174459-AおよびJP 11-174464-Aに開示されている。それらの文献に記載されるように、前記の感光性組成物、液体被膜型および乾燥被膜型のホトレジストは、少なくとも1種のアルカリ可溶性もしくは酸可溶性のバインダーポリマー、ラジカル重合性モノマーおよび硬化促進剤を含んでいる。幾つかの場合に、熱架橋性成分、例えばエポキシドおよびカルボン酸は、追加的に含まれていてよい。
【0386】
感光性組成物を使用したスペーサーの形成のためのステップは、以下の通りである:
感光性組成物を基材に、例えばカラーフィルタパネルに適用し、基材をプリベークした後に、それをマスクを通して露光させる。次いで、前記の基材は現像剤により現像され、パターン形成され、所望のスペーサーが形成される。前記組成物が、幾つかの熱硬化性の成分を含有する場合に、通常は、該組成物の熱硬化のためにポストベークが行われる。本発明による光硬化性組成物は、液晶ディスプレイ用のスペーサーの製造のために適している(前記の通り)。
【0387】
本発明による組成物は、また、液晶ディスプレイにおいて層間絶縁層または誘電性層を製造するためにも適しており、より具体的には、アレイ型LCDおよび反射型LCD上のカラーフィルタなどの特定のLCD構造において適している。
【0388】
本発明による組成物は、また、絶縁性電気機器のために巻き線を被覆するために、そしてエナメルまたは他の絶縁被覆を有するマグネット線で巻かれた電気誘導デバイス、例えばモータのステータ巻き線を環境からシールするために適している。
【0389】
感光性の熱硬化性樹脂組成物およびそれを使用することによるソルダーレジストパターンの形成方法は、より具体的には、プリント回路基板の製造のための材料、金属物品の精密な製造のための材料、ガラス物品および石材物品のエッチングのための材料、プラスチック物品のレリーフのための材料および印刷版の製造のための材料のための材料として有用な、特にプリント回路基板のためのソルダーレジストとして特に有用な新規の感光性の熱硬化性樹脂組成物、ならびに樹脂組成物の層を化学線へとパターンを有するホトマスクを通じて化学線に露光するステップと該層の非露光部分を現像するステップによってソルダーレジストパターンを形成する方法に関する。
【0390】
ソルダーレジストは、所定の部分のろう付けの間に、溶融したハンダが無関係の部分および保護回路に付着することを避ける目的のためにプリント回路基板に使用される物質である。従って、高い接着性、絶縁抵抗、ろう付け温度に対する耐久性、耐溶剤性、溶剤耐性、耐アルカリ性、耐酸性ならびにメッキ耐久性(resistance to plating)などの特性を有する必要がある。本発明の対象は、また、前記の組成物を含むソルダーレジストである。
【0391】
本発明による化合物として記載された熱硬化性エレメントを含む組成物のイメージ形成法、例えばソルダーマスクの製造方法における使用が好ましく、該方法においては、
1)前記の組成物の成分を混合し、
2)得られた組成物を、基材へと塗布し(“基材の被覆”)、
3)存在する場合には溶剤を、高められた温度で、例えば80〜90℃の温度で蒸発させ、
4)被覆された基材を、ネガ型マスクを通じて電磁線にパターン状に露光させ(それによりアクリレートの反応を開始させる)、
5)照射されたサンプルを、アルカリ水溶液で洗浄し、それにより未硬化の領域を除去することによって現像し、
6)前記サンプルは、例えば約150℃の温度で熱硬化される。
【0392】
この方法は、本発明のもう一つの対象である。
【0393】
加熱ステップ(6)は、通常は、少なくとも100℃で、200℃を上回らない温度で、好ましくは130〜170℃の温度で、例えば150℃で行われる。
【0394】
本発明の感光性のまたは熱硬化性の被覆組成物は、接着特性、耐熱性、フレキシビリティー、接着性、電気絶縁特性および耐湿性が必要とされるかかる被覆層の形成に、建造物、建材、自動車部品、電気機器、精密機器などに使用することもできる。
【0395】
本発明による組成物は、また、歯科用材料のためにも適しており、US6410612およびJP60011409にも開示される。前記の文献に記載されるように、感光性組成物または熱硬化性組成物は、幾つかの種類のアクリル樹脂および重合開始剤を含む。
【0396】
異方性伝導性接着剤は、伝導性粒子が絶縁性接着成分中に分散された回路接続材料であり、前記接着剤は、反対方向に配置された回路を機械的に接着し、同時に回路電極間に伝導性粒子が介在することで電気的接続が確立される。絶縁性接着成分としては、熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂が使用でき、該熱硬化性樹脂は、接続の確実性の点でより好ましくは使用される。
【0397】
接着成分として熱硬化性樹脂を使用する場合に、接続された後に熱圧縮されるべきものの間に異方性伝導性接着剤を介在させることによって接続がなされる。
【0398】
本発明は、前記のように、顔料が加えられたおよび顔料が加えられていないペイントおよびワニス、粉体コーティング、印刷インキ、印刷版、接着剤、歯科用組成物を製造するための組成物を提供する。エレクトロニクス用のホトレジスト、電気メッキレジスト、エッチングレジスト(液体皮膜型と乾燥皮膜型の両方)、ソルダーレジスト、様々なディスプレイ用途のためのカラーフィルタの製造のためのまたはプラズマディスプレイ(例えばバリヤリブ、蛍光体層、電極)、エレクトロルミネッセンスディスプレイおよびLCDの製造方法における構造の作製のためのレジストとして(例えば層間絶縁層、スペーサー、マイクロレンズアレイ)、電機部品および電子部品の封入のための組成物として、磁気記録材料、マイクロメカニカル部品、導波体、光学スイッチ、メッキマスク、エッチングマスク、色校正システム、ガラスファイバーケーブル被覆、スクリーン印刷ステンシルの製造のために、立体リソグラフィーによる三次元物体の製造のために、かつ画像記録材料として、特にホログラフィー記録のための材料、マイクロエレクトロニクス回路、脱色材料、画像記録材料用の脱色材料として、マイクロカプセルを使用した画像記録材料のために使用される。
【0399】
以下の実施例は本発明をより詳細に説明するものである。
【実施例】
【0400】
実施例
I.1 式IA.1の化合物の製造
例1:
【化55】
【0401】
1.1 中間体I1の製造
【化56】
【0402】
59.1gのアセトアルドキシムをDMF(200mL)中に入れたものに、130.4gのN−クロロスクシンイミドを分けて40℃で添加した。室温で20分間にわたり撹拌した後に、136.6gのp−トルエンチオールおよび111.3gのトリエチルアミンを、前記混合物に0℃で添加し、次いで該混合物を、室温で2時間にわたり撹拌した。水の添加後に、有機層を、酢酸エチルで抽出した。その溶液を濃縮し、そして残留物を、ヘキサンと酢酸エチルとの混合物から沈殿させた。83.05gのI1が白色の固体として得られた。
【0403】
1.2 以下の化合物の製造
【化57】
【0404】
27.2gの例1.1の化合物をテトラヒドロフラン(THF)(90mL)中に入れたものに、31.5gの塩化p−トルエンスルホニルおよび18.2gのトリエチルアミンを0℃で添加し、次いで該混合物を室温で3時間にわたり撹拌した。水の添加後に、有機層を、酢酸エチルで抽出し、その溶液をヘキサンに添加した。40.8gの表題化合物が、白色の固体として得られた。
【0405】
例2
【化58】
【0406】
2.1 中間体化合物I2の製造
【化59】
【0407】
14.0gのエチルグリシン塩酸をH2O(20mL)中に入れたものに、36%の水性塩酸(16.6mL)を−10℃で添加した。13.8gの亜硝酸ナトリウムを20mLのH2O中に溶かしたものを、45分かけて滴加した。室温で4時間撹拌した後に、t−ブチルメチルエーテルを添加し、有機層を分離した。濃縮後に、残留物をヘキサンから再結晶化させた。8.9gの塩化オキシミドイルが、白色の粉末として得られた。
【0408】
2.2 中間体化合物I3の製造
【化60】
【0409】
1.52gの例2.1の化合物をt−ブチルメチルエーテル(65mL)中に入れたものに、1.24gのp−トルエンチオールおよび1.02gのトリエチルアミンを、前記混合物に0℃で添加し、次いで該混合物を、室温で2時間にわたり撹拌した。水の添加後に、有機層を、酢酸エチルで抽出した。その溶液を濃縮し、そして2.41gのI3が、白色の固体として得られた。
【0410】
2.3 以下の化合物の製造
【化61】
【0411】
表題化合物は、例1.2に示した手順によって製造した。表題化合物は、白色の粉末として得られた。
【0412】
例14
【化62】
【0413】
14.1 以下の化合物の製造
【化63】
【0414】
0.73gの例2.1の中間体化合物I2をt−ブチルメチルエーテル(50mL)中に入れたものに、0.19gの1,2−エタンジチオールおよび0.49gのトリエチルアミンを0℃で添加した。該混合物を、室温で2時間にわたり撹拌した。水の添加後に、有機層を、酢酸エチルで抽出した。その溶液を濃縮し、そして残留物を、溶出剤としてのヘキサン/CH2Cl2から沈殿させた。0.62gのI4が、白色の固体として得られた。
【0415】
14.2 以下の化合物の製造
【化64】
【0416】
0.20gの例14からの中間体化合物I4をテトラヒドロフラン(THF)(4.0mL)中に入れたものに、0.26gの塩化p−トルエンスルホニルおよび0.15gのトリエチルアミンを0℃で添加し、次いで該混合物を室温で3時間にわたり撹拌した。水の添加後に、有機層を、酢酸エチルで抽出した。その溶液を濃縮し、そして残留物を、溶出剤としてt−ブチルメチルエーテルを用いたカラムクロマトグラフィーによって精製した。0.31gの表題化合物が、白色の粉末として得られた。
【0417】
例18
【化65】
【0418】
18.1 中間体化合物I5の製造
【化66】
【0419】
1.64gの例2.1からの中間体化合物I2をテトラヒドロフラン(THF)(84mL)中に入れたものに、1.07gのトリメチロールプロパントリス(チオグリコレート)および1.09gのトリエチルアミンを0℃で添加し、次いで該混合物を室温で2時間にわたり撹拌した。水の添加後に、有機層を、酢酸エチルで抽出した。その溶液を濃縮し、そして残留物を、溶出剤としてCH2Cl2/アセトンを用いたカラムクロマトグラフィーによって精製した。2.05gのI5が、無色の樹脂として得られた。
【0420】
18.2 以下の化合物の製造
【化67】
【0421】
0.55gの例18.1からの中間体化合物I5をテトラヒドロフラン(THF)(0.50mL)中に入れたものに、0.54gの塩化p−トルエンスルホニルおよび1.0mLのピリジンを0℃で添加し、次いで該混合物を室温で3時間にわたり撹拌した。水の添加後に、有機層を、酢酸エチルで抽出した。その溶液を濃縮し、そして残留物を、溶出剤としてCH2Cl2/アセトンを用いたカラムクロマトグラフィーによって精製した。0.58gの表題化合物が、オフホワイト色の樹脂として得られた。
【0422】
例31
【化68】
【0423】
31.1 以下の化合物の製造
【化69】
【0424】
2.16gの例2.1からの中間体化合物I2をテトラヒドロフラン(THF)(15mL)中に入れたものに、1.18gの塩化ベンゼン−1,3−ジスルホニルおよび0.91gのトリエチルアミンを0℃で添加し、次いで該混合物を室温で3時間にわたり撹拌した。水の添加後に、有機層を、酢酸エチルで抽出した。その溶液を濃縮し、そして溶出剤としてヘキサン/CH2Cl2を用いたカラムクロマトグラフィーによって精製した。0.46gの表題化合物が、白色の固体として得られた。
【0425】
例33
【化70】
【0426】
33.1 中間体化合物I6の製造
【化71】
【0427】
8.03gの25%水性グルタルアルデヒドをピリジン(30mL)中に入れたものに、4.18gの塩酸ヒドロキシルアンモニウムを0℃で添加し、次いで該混合物を、80℃で2時間にわたり撹拌した。水の添加後に、有機層を、酢酸エチルで抽出した。その溶液を濃縮し、そして2.80gのI6が、黄色の固体として得られた。
【0428】
33.2 中間体化合物I7の製造
【化72】
【0429】
1.53gの例33.1からの中間体化合物I6をDMF(5mL)中に入れたものに、2.26gのN−クロロスクシンイミドを、40℃で分けて添加した。室温で20分間にわたり撹拌した後に、2.00gのp−トルエンチオールおよび1.63gのトリエチルアミンを、前記混合物に0℃で添加し、次いで該混合物を、室温で2時間にわたり撹拌した。水の添加後に、有機層を、酢酸エチルで抽出した。その溶液を濃縮し、そして残留物を、ヘキサンと酢酸エチルとの混合物から沈殿させた。0.34gのI7が、白色の固体として得られた。
【0430】
33.3 以下の化合物の製造
【化73】
【0431】
表題化合物は、例14.2に示した手順によって製造した。表題化合物は、白色の粉末として得られた。
【0432】
例118
【化74】
【0433】
118.1 中間体化合物I8の製造
【化75】
【0434】
5.34gのメチル 2−クロロアセトアセテートをメタノール(4.5mL)およびH2O(4.5mL)中に入れたものに、4.5mLの濃塩酸水を添加し、次いで2.43gのNaNO2をH2O(4.5mL)中に入れたものを室温で滴加した。一晩撹拌した後に、有機層を酢酸エチルで2回抽出し、引き続きブラインで洗浄した。有機層を濃縮した後に、得られた油状物をヘキサン/1,4−ジオキサンで洗浄することで、3.29gのI8が、白色の固体として得られた。
【0435】
118.2 中間体化合物I9の製造
【化76】
【0436】
5.02gの例118.1からの中間体化合物I8をメチルエチルケトン(MEK、40mL)中に入れたものに、7.28gの塩化ベンジルスルホニルを、引き続き3.86gのトリエチルアミンを約−10℃において滴加した。その同じ温度で3.5時間にわたり撹拌した後に、水を添加し、そして有機層を、酢酸エチルで抽出した。その溶液を濃縮し、次いで残留物を、溶出剤としてヘキサン/CH2Cl2を用いたカラムクロマトグラフィーにかけた。7.45gのI9が、白色の固体として得られた。
【0437】
118.3 以下の化合物の製造
【化77】
【0438】
0.76gの例118.2からの中間体化合物I9および0.22gのペンタエリトリトールテトラキス(メルカプトアセテート)を、t−ブチルメチルエーテル(5mL)およびジメトキシエタン(2mL)中に溶解させ、そしてこの溶液に、0.22gのトリエチルアミンをジメトキシエタン(3mL)中に入れたものを0℃で滴加した。3時間にわたり撹拌した後に、水を添加し、そして有機層を、酢酸エチルで抽出した。その溶液を濃縮し、次いで残留物を、溶出剤としてCH2Cl2/アセトンを用いたカラムクロマトグラフィーにかけた。0.29gの表題化合物が、無色の樹脂として得られた。
【0439】
例133
【化78】
【0440】
133.1 以下の化合物の製造
【化79】
【0441】
中間体化合物I13を、例1.1に示された手順によって、p−トルエンチオールの代わりに4−メタンチオアセチルベンジルメルカプタンと反応させることによって製造した。I13が、淡黄色の樹脂として得られた。
【0442】
133.2 以下の化合物の製造
【化80】
【0443】
中間体化合物I14を、例1.2に示された手順によって、塩化p−トルエンスルホニルの代わりに塩化ベンジルスルホニルと反応させることによって製造した。I14が、無色の樹脂として得られた。
【0444】
133.3 以下の化合物の製造
【化81】
【0445】
0.53gのN−クロロスクシンイミドをアセトニトリル(10mL)中に溶かした溶液に、0.41gの濃塩酸水を、次いで0.61gの例133の中間体化合物I15をアセトニトリル(20mL)中に入れたものを0℃で滴加した。室温で30分間撹拌した後に、有機層を、酢酸エチルで抽出した。その溶液を濃縮し、次いで残留物を、溶出剤としてCH2Cl2/ヘキサンを用いたカラムクロマトグラフィーにかけた。0.56gのI15が、無色の樹脂として得られた。
【0446】
133.4 以下の化合物の製造
【化82】
【0447】
中間体化合物I16を、例1.1に示した手順によって製造した。I16が、白色の固体として得られた。
【0448】
133.5 以下の化合物の製造
【化83】
【0449】
0.56gの例133.3からの中間体化合物I15および0.25gの例133.4からの中間体化合物I16を、CH2Cl2(10mL)中に溶解させ、この溶液に、0.12gのトリエチルアミンをCH2Cl2(5mL)中に入れたものを0℃で滴加した。2時間にわたり撹拌した後に、水を添加し、そして有機層を、酢酸エチルで抽出した。その溶液を濃縮し、次いで残留物を、溶出剤としてCH2Cl2/ヘキサンを用いたカラムクロマトグラフィーにかけた。0.19gの表題化合物が、無色の樹脂として得られた。
【0450】
例135
【化84】
【0451】
135.1 中間体I10の製造
【化85】
【0452】
中間体化合物I10を、例1.1に示される手順によって、p−トルエンチオールの代わりに6−アセチルチオヘキサンチオールと反応させることによって製造した。I10が、淡黄色の固体として得られた。
【0453】
135.2 中間体I11の製造
【化86】
【0454】
1.09gの例135.1の中間体化合物I10をMEK(4mL)中に入れたものに、1.13gの塩化p−メトキシベンゼンスルホニルを、次いで0.56gのトリエチルアミンをMEK(2mL)中に入れたものを0℃で滴加した。室温で一晩撹拌した後に、水を添加し、そして有機層を、酢酸エチルで抽出した。その溶液を濃縮し、次いで残留物を、溶出剤としてCH2Cl2/アセトンを用いたカラムクロマトグラフィーにかけた。1.14gのI11が、淡褐色の油状物として得られた。
【0455】
135.3 以下の化合物の製造
【化87】
【0456】
0.21gの例135.2の中間体化合物I11をジメトキシエタン(3mL)中に入れたものに、0.21gのヒドラジン一水和物を室温で添加した。2時間にわたり撹拌した後に、水と酢酸エチルを添加した。有機層を分離し濃縮させた。0.19gの無色の樹脂が得られ、それは、更なる精製をすることなく後続の反応のために使用した。
【0457】
135.4 以下の化合物の製造
【化88】
【0458】
0.19gの例135.3からの中間体化合物I12および0.58gの例151.2からの中間体化合物I9を、MEK(2mL)中に溶解させ、この溶液に、0.20gのトリエチルアミンをMEK(0.5mL)中に入れたものを0℃で滴加した。2時間にわたり撹拌した後に、水を添加し、そして有機層を、酢酸エチルで抽出した。その溶液を濃縮し、次いで残留物を、溶出剤としてCH2Cl2/アセトンを用いたカラムクロマトグラフィーにかけた。0.23gの表題化合物が、白色の樹脂として得られた。
【0459】
例136
【化89】
【0460】
136.1 中間体化合物I17の製造
【化90】
【0461】
0.42gの例118.1からの中間体化合物I8を酢酸エチル(1mL)中に入れたものに、0.75gのナトリウム p−トルエンスルフィネート四水和物をH2O(2mL)中に入れたものと0.02gの塩化テトラブチルアンモニウムを室温で添加した。2.5時間にわたり撹拌した後に、水を添加し、そして有機層を、酢酸エチルで抽出した。その溶液を濃縮し、次いで残留物を、溶出剤としてCH2Cl2/アセトンを用いたカラムクロマトグラフィーにかけた。0.61gのI17が、無色の樹脂として得られた。
【0462】
136.2 以下の化合物の製造
【化91】
【0463】
表題化合物は、例1.2に示した手順によって製造した。表題化合物は、白色の固体として得られた。
【0464】
例146
【化92】
【0465】
146.1 中間体化合物I18の製造
【化93】
【0466】
1.01gのn−ヘキシルアミンをピリジン(5mL)中に入れたものに、2,2′−チオジグリコール酸無水物を室温で分けて添加した。1時間にわたり撹拌した後に、3.8mLの無水酢酸を添加し、そして該反応混合物を、95℃で12時間にわたり加熱した。該混合物を、真空中で濃縮し、次いでH2Oを添加した。有機層を、CH2Cl2で抽出した。その溶液を濃縮し、次いで残留物を、溶出剤としてCH2Cl2/アセトンを用いたカラムクロマトグラフィーにかけた。1.12gのI18が、黄色の油状物として得られた。
【0467】
146.2 中間体化合物I19の製造
【化94】
【0468】
例156.1からの中間体化合物I18に、9.3mLの4.0MのHClの1,4−ジオキサン中の溶液を、次いで0.82gの亜硝酸イソアミルを室温で滴加した。2日間にわたり撹拌した後に、水を添加し、そして有機層を、酢酸エチルで抽出した。その溶液を濃縮し、次いで残留物を、溶出剤としてCH2Cl2/アセトンを用いたカラムクロマトグラフィーにかけた。0.35gのI19が、オフホワイト色の固体として得られた。
【0469】
146.3 以下の化合物の製造
【化95】
【0470】
表題化合物は、例1.2に示した手順によって製造した。表題化合物は、黄色の樹脂として得られた。
【0471】
例147
【化96】
【0472】
表題化合物は、例146.2からの中間体化合物I19から例1.2に示した手順によって製造した。表題化合物は、黄色の樹脂として得られた。表Iに列挙される以下のオキシムスルホネートは、同様にして製造した。
【0473】
表I:
【表1】
【0474】
【表2】
【0475】
【表3】
【0476】
【表4】
【0477】
【表5】
【0478】
【表6】
【0479】
【表7】
【0480】
【表8】
【0481】
【表9】
【0482】
【表10】
【0483】
【表11】
【0484】
【表12】
【0485】
【表13】
【0486】
【表14】
【0487】
【表15】
【0488】
【表16】
【0489】
【表17】
【0490】
【表18】
【0491】
【表19】
【0492】
【表20】
【0493】
【表21】
【0494】
【表22】
【0495】
【表23】
【0496】
【表24】
【0497】
II. 適用例
II.1 カラーフィルタレジスト(青色)の製造
青色顔料分散液を、以下の成分を混合し、それらをペイントコンディショナー(SKANDEX)を使用することにより分散させることによって製造した。
【0498】
青色分散液
5.3質量部の青色顔料(PB15:6, Blue E、東洋インキにより提供)
1.9質量部の分散剤(Ajisper PB821、味の素ファインテクノにより提供)
0.2質量部の相乗剤(Solsperse S5000、Lubrizolにより提供)
55.8質量部の溶剤プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)
カラーフィルタレジスト(青色)を、更に、以下の成分を前記で製造した分散液に添加することによって製造した。
19.1質量部のアルカリ現像性バインダー、37.8%溶液(Ripoxy SPC-2000、昭和高分子により提供)
12.3質量部の溶剤PGMEA
5.3質量部の多官能性アクリレート(DPHA、UCB Chemicalsにより提供)
【0499】
光硬化後の青色カラーフィルタレジストの熱硬化試験
試験すべきオキシムスルホネートと、更に光開始剤としてのCiba(登録商標)IRGACURE(登録商標)369(固体で4.8質量%)を、前記のカラーフィルタレジスト組成物に添加し混合した。該組成物を、シリコンウェハへとスピンコータ(1H-DX2、MIKASA)を使用して適用した。溶剤を、対流式オーブンにおいて90℃で2.5分間加熱することによって除去した。乾燥被膜の厚さは、約1.0μmであった。露光を、次いで、250Wの超高圧水銀灯(USHIO、USH-250BY)を使用して15cmの間隔で行った。光パワーメータ(ORC UV Light Measure モデルUV-M02、UV-35デテクタ付)を用いて光強度を測定することによって測定された総露光線量は、150mJ/cm2であった。前記被覆を、更に、以下の表IIに列挙される条件下でベークした。ベーク中のアクリル基の変換を、ベークの前後で、810cm-1のIR吸収をFT−IRスペクトロメータ(FT-720、HORIBA)で測定することによって測定した。該組成物中のオキシムスルホネートの濃度は、0.02モル/kgであった。試験結果を、表IIに示した。
【0500】
比較のために、熱硬化試験を、硬化促進剤を用いないか、またはペルオキシドもしくはアゾ化合物を用いた、いずれかによって繰り返した。その試験結果も、表IIに示した。理解できるように、より短いベーク時間しか必要とされないのは、本発明によるオキシムスルホネートを使用した場合であった。
【0501】
表II:
【表25】
【0502】
【表26】
【0503】
【表27】
【0504】
【表28】
【0505】
【表29】
【0506】
No OS オキシムスルホネートなし
peroxide 1 t−ブチルペルオキシラウレート
【化97】
peroxide 2 t−ブチルペルオキシベンゾエート
【化98】
peroxide 3 ジラウロイルペルオキシド
【化99】
azo 2,2′−アゾビス(2−メチルプロピロニトリル)
【化100】
【0507】
I.2 カラーフィルタレジスト(青色)の製造
青色顔料分散液を、以下の成分を混合し、それらをペイントコンディショナー(SKANDEX)を使用することにより分散させることによって製造した。
【0508】
青色分散液
5.3質量部の青色顔料(PB15:6, Blue E、東洋インキにより提供)
1.9質量部の分散剤(Ajisper PB821、味の素ファインテクノにより提供)
0.2質量部の相乗剤(Solsperse S5000、Lubrizolにより提供)
55.8質量部の溶剤プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)
カラーフィルタレジスト(青色)を、更に、以下の成分を前記で製造した分散液に添加することによって製造した:
19.1質量部のアルカリ現像性バインダー、37.8%溶液(Ripoxy SPC-2000、昭和高分子により提供)
12.3質量部の溶剤PGMEA
5.3質量部の多官能性アクリレート(DPHA、UCB Chemicalsにより提供)
【0509】
光硬化およびベーク後の青色カラーフィルタレジストの耐溶剤性試験
試験すべきオキシムスルホネートと、更に光開始剤としてのIRGACURE(登録商標)369(固体で4.8質量%)を、前記のカラーフィルタレジスト組成物に添加し混合した。該組成物中のオキシムスルホネートの濃度は、0.02モル/kgであった。該組成物を、2×3cmのシリコンウェハへとスピンコータ(1H-DX2、MIKASA)を使用して適用した。溶剤を、対流式オーブンにおいて90℃で2.5分間加熱することによって除去した。乾燥被膜の厚さは、約1.0μmであった。露光を、次いで、250Wの超高圧水銀灯(USHIO、USH-250BY)を使用して15cmの間隔で行った。光パワーメータ(ORC UV Light Measure モデルUV-M02、UV-35デテクタ付)を用いて光強度を測定することによって測定された総露光線量は、150mJ/cm2であった。前記被覆を、更に、以下の表IIIに列挙される条件下でベークした。ベーク後の被覆を、ガラス容器中の12gのN−メチルピロリドン(NMP)中に3分間にわたり浸し、次いで青色顔料の浸出を、NMP層の目視分析によって評価した。青色顔料の浸出が観察されたことを“−”とし、青色顔料の浸出が観察されなかったことを“+”とした。その試験結果を、表IIIに示した。
【0510】
表III:
【表30】
【0511】
【表31】
【0512】
II.3 アクリレート配合物(クリヤー)の製造
58.6質量部の溶剤(PGMEA)
11.9質量部のアルカリ現像性バインダー、37.8%溶液(Ripoxy SPC-2000、昭和高分子により提供)
1.0質量部の多官能性アクリレート(DPHA、UCB Chemicalsにより提供)
【0513】
アクリレート配合物の熱硬化試験
試験すべきオキシムスルホネートを、上記の配合物の溶液に添加し混合した。前記混合物を、シリコンウェハへとスピンコータ(1H-DX2、MIKASA)を使用して適用した。溶剤を、対流式オーブンにおいて90℃で2.5分間加熱することによって除去した。乾燥被膜の厚さは、約0.6μmであった。前記被覆を、更に、表IIIに列挙される条件下でベークした。ベーク時におけるアクリル二重結合の変換を、前記方法によって測定した。その試験結果を、表IVに示す。
【0514】
比較のために、熱硬化試験を、硬化促進剤を用いないか、またはペルオキシド化合物を用いた、いずれかによって繰り返した。その試験結果も、表IIIに示した。理解できるように、より短いベーク時間しか必要とされないのは、本発明によるオキシムスルホネートを使用した場合である。
【0515】
表IV
【表32】