(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナフタレン誘導体およびペリレン誘導体に関する。
【0002】
数多くのナフタレン誘導体およびペリレン誘導体は、重要な着色剤である。この伝統的な用途に加えて、ナフタレン誘導体および殊に、ペリレン誘導体は、他の用途、例えば有機電界効果トランジスター、有機発光素子、光起電力素子、例えば色素増感型太陽電池(DSCs)およびキセログラフィー(xerography)においてますます関心をもたれている。
【0003】
特別な用途に適するように調整される、ナフタレン誘導体およびペリレン誘導体の設計および製造は、活発な研究分野である。
【0004】
全部で4つの周辺結合位置で、殊に置換基、例えばシアノ、アルキルオキシ、アリールオキシ、シリル、置換アミノ、アルキルチオ、アリールチオ、アルキルおよびアリールで置換されている、ナフタレン誘導体およびペリレン誘導体は、数多くの用途に適する可能性がある。
【0005】
ドイツ連邦共和国特許第340091号明細書には、3,4,9−トリシアノ−10−ブロモペリレンからの3,4,9,10−テトラシアノペリレンの製造が記載されている。3,4,9−トリシアノ−10−ブロモペリレンは、ペリレンをニトロベンゼン中で臭素化することによって得られる3,4,9,10−テトラブロモペリレンから製造された。
【0006】
特開2002−012861号公報には、置換または非置換のアミノ基を1位または2位に有するペリレン誘導体が記載されている。殊に、特開2002−012861号公報には、それぞれ1,7−ジブロモ−3,4,9,10−テトラフェニルペリレン、1,7−ジブロモペリレン3,4,9,10−テトラカルボニトリルからの、1位および7位で置換アミノ基で双方とも置換された、3,4,9,10−テトラフェニルペリレンおよび3,4,9,10−テトラシアノペリレンの製造が記載されている。
【0007】
Zinke,A.;Pongratz,A.,Funke,K.Chem.Ber.1925,58,330−332およびドイツ連邦共和国特許第498039号明細書には、ペリレンをハロゲン化する方法が記載されており、その際に、このハロゲン化は、溶剤、例えばニトロベンゼンの存在下で行なわれ、およびハロゲンは、発生した際の状態で使用される。実施例によれば、3,9−ジクロロペリレン、テトラクロロペリレン(融点350℃)およびヘキサクロロペリレン(融点356℃)は、過酸化水素の酢酸溶液をニトロベンゼン中のペリレン溶液中に流入させると同時に濃塩酸の酢酸溶液を添加することによって製造される。前記テトラクロロペリレンは、3,4,9,10−テトラクロロペリレンに類似していると言われている。Xのさらなる置換は、記載されていない。
【0008】
全部で4つの周辺結合位置で、塩素化または臭素化されている多数のナフタレン誘導体は、公知である(ドイツ連邦共和国特許第66611号明細書、Whitehurst,J.S.J.Chem.Soc.1951,221−226,Bassilios,H.F.;Salem,A.Y.;Shawky,M.Rec.Trav.Chim.Pays−Bas 1962,81,209−214,ドイツ連邦共和国特許第1958595号明細書,Mesh,L.A.;Grudtsyn,Y.V.J.Org.Chem.USSR 1977,13,2384−2389,Brady,J.H.;Redhouse,A.D.;Wakefield,B.J.J.Chem.Res.Miniprint 1982,6,1541−1554,Otsubo,T.;Sukenobe,N.;Aso,Y.;Ogura,F.Chem.Lett.1987,315−316,Garcia,R.;Riera,J.;Carilla,J.;Julia,L.;Molins,E.,Miravitlles C.J.Org.Chem.1992,57,5712,Kodama,T.;Kodani,M.;Takimiya,K.;Aso,Y.;Otsubo,T.Heteroatom.Chem.2001,12,287−292)。
【0009】
ドイツ連邦共和国特許第1154799号明細書には、次の方法
【化1】
が記載されている。
【0010】
ドイツ連邦共和国特許第1154799号明細書には、テトラハロゲン化ナフタリンを得ることが不可能であることが強調されている。Xのさらなる置換は、記載されていない。
【0011】
本発明の目的は、全部で4つの周辺結合位置で置換されている、ナフタレン誘導体およびペリレン誘導体を提供することであった。
【0012】
この目的は、請求項1記載の方法、請求項8記載の化合物および請求項12記載の化合物によって解決される。
【0013】
式
【化2】
〔式中、
nは、0または1であり、
R
11とR
12は、同一であり、かつCN、OR
300、Si(R
301)
3、NHR
302、NR
303R
304、SR
305およびR
306からなる群から選択されており、
ここで、
R
300、R
301、R
302、R
303、R
304、R
305およびR
306は、C
1〜20アルキル、C
2〜20アルケニル、C
2〜20アルキニルまたはC
6〜14アリールであり、
ここで、
C
1〜20アルキル、C
2〜20アルケニルおよびC
2〜20アルキニルは、フェニル、NR
3000R
3001、O−R
3002およびS−R
3003からなる群から選択された1個以上の置換基で置換されていてよく、および
C
6〜14アリールは、C
1〜10アルキル、NR
3004R
3005、O−R
3006およびS−R
3007からなる群から選択された1個以上の置換基で置換されていてよく、
ここで、R
3000、R
3001、R
3002、R
3003、R
3004、R
3005、R
3006およびR
3007は、同一であるかまたは異なり、かつC
1〜10アルキルまたはフェニルであり、
或いは、
R
11とR
12は、一緒になって、
【化3】
からなる群から選択されたものであり、
ここで、
L
1およびL
2は、C
1〜6アルキレン、C
6〜14アリーレンまたはC
1〜6アルキレン−C
6〜14アリーレン−C
1〜6アルキレンであり、
R
25は、H、C
1〜20アルキル、C
2〜20アルケニル、C
2〜20アルキニル、C
5〜8シクロアルキルまたはC
6〜14アリールであり、
ここで、
C
1〜20アルキル、C
2〜20アルケニル、C
2〜20アルキニルおよびC
5〜8シクロアルキルは、フェニル、NR
3010R
3011、O−R
3012およびS−R
3013からなる群から選択された1個以上の置換基で置換されていてよく、および
C
6〜14アリールは、C
1〜10アルキル、NR
3014R
3015、O−R
3016およびS−R
3017からなる群から選択された1個以上の置換基で置換されていてよく、
ここで、R
3010、R
3011、R
3012およびR
3013、R
3014、R
3015、R
3016およびR
3017は、同一であるかまたは異なり、かつC
1〜10アルキルまたはフェニルであり、
L
3は、直接結合、C
1〜6アルキレン、C
6〜14アリーレンまたはC
1〜6アルキレン−C
6〜14アリーレン−C
1〜6アルキレンであり、
および
R
15、R
16、R
17、R
18、R
19、R
20、R
21およびR
22は、同一であるかまたは異なり、かつH、F、Cl、Br、I、CN、R
310、OR
311、SR
312、OC(O)R
313およびC(O)OR
314からなる群から選択されており、
ここで、R
310、R
311、R
312、R
313およびR
314は、C
1〜20アルキル、C
2〜20アルケニル、C
2〜20アルキニル、C
5〜8シクロアルキルまたはC
6〜14アリールであり、
ここで、
C
1〜20アルキル、C
2〜20アルケニル、C
2〜20アルキニルおよびC
5〜8シクロアルキルは、フェニル、NR
3020R
3021、O−R
3022、S−R
3023、NO
2、CNおよびハロゲンからなる群から選択された1個以上の置換基で置換されていてよく、
C
6〜14アリールは、C
1〜10アルキル、NR
3024R
3025、O−R
3026、S−R
3027、NO
2、CNおよびハロゲンからなる群から選択された1個以上の置換基で置換されていてよく、
ここで、R
3020、R
3021、R
3022、R
3023、R
3024、R
3025、R
3026およびR
3027は、同一であるかまたは異なり、かつC
1〜10アルキルまたはフェニルであり、
或いは
R
17とR
19、R
18とR
20は、それぞれ、一緒になって、
【化4】
である〕の化合物を製造するための本発明の方法は、
式
【化5】
〔式中、
nは、式(3)の記載と同じ意味を有し、
R
9およびR
10は、同一であるかまたは異なり、かつCOOHまたはCOOR
200であり、
ここで、R
200は、C
1〜20アルキル、C
2〜20アルケニル、C
2〜20アルキニル、C
5〜8シクロアルキルまたはC
6〜14アリールであり、
ここで、
C
1〜20アルキル、C
2〜20アルケニル、C
2〜20アルキニルおよびC
5〜8シクロアルキルは、フェニル、NR
2000R
2001、O−R
2002およびS−R
2003からなる群から選択された1個以上の置換基で置換されていてよく、
C
6〜14アリールは、C
1〜10アルキル、NR
2004R
2005、O−R
2006およびS−R
2007からなる群から選択された1個以上の置換基で置換されていてよく、
ここで、R
2000、R
2001、R
2002およびR
2003、R
2004、R
2005、R
2006およびR
2007は、同一であるかまたは異なり、かつC
1〜10アルキルまたはフェニルであり、
或いは
R
9とR
10は、一緒になって、
【化6】
であり、
および
R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7およびR
8は、同一であるかまたは異なり、かつH、F、Cl、Br、I、CN、R
200、OR
201、SR
202、OC(O)R
203およびC(O)OR
204からなる群から選択されており、
ここで、R
200、R
201、R
202、R
203およびR
204は、C
1〜20アルキル、C
2〜20アルケニル、C
2〜20アルキニル、C
5〜8シクロアルキルまたはC
6〜14アリールであり、
ここで、
C
1〜20アルキル、C
2〜20アルケニル、C
2〜20アルキニルおよびC
5〜8シクロアルキルは、フェニル、NR
2010R
2011、O−R
2012、S−R
2013、NO
2、CNおよびハロゲンからなる群から選択された1個以上の置換基で置換されていてよく、
C
6〜14アリールは、C
1〜10アルキル、NR
2014R
2015、O−R
2016、S−R
2017、NO
2、CNおよびハロゲンからなる群から選択された1個以上の置換基で置換されていてよく、
ここで、R
2010、R
2011、R
2012、R
2013、R
2014、R
2015、R
2016およびR
2017は、同一であるかまたは異なり、かつC
1〜10アルキルまたはフェニルであり、
或いは
R
3とR
5、R
4とR
6は、それぞれ、一緒になって、
【化7】
である〕の化合物を、
a)MOH〔ただし、Mは、アルカリ金属、N(R
400R
401R
402R
403)、P(R
400R
401R
402R
403)またはヘキサ(C
1〜10アルキル)グアニジニウムであるものとし、
ここで、R
400、R
401、R
402およびR
403は、同一であるかまたは異なり、かつH、C
1〜20アルキル、C
2〜20アルケニル、C
2〜20アルキニル、C
5〜8シクロアルキルおよびC
6〜14アリールからなる群から選択されており、
ここで、
C
1〜20アルキル、C
2〜20アルケニル、C
2〜20アルキニルおよびC
5〜8シクロアルキルは、フェニルで置換されていてよく、
C
6〜14アリールは、C
1〜10アルキルで置換されていてよい〕
および
b)X供与体〔ただし、Xは、Cl、BrまたはIであるものとする〕で処理し、
式
【化8】
〔式中、
Xは、X供与体の記載と同じ意味を有し、
nは、式(3)の記載と同じ意味を有し、
および
R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7およびR
8は、式(2)の記載と同じ意味を有する〕の化合物を得る工程を含む。
【0014】
C
1〜10アルキルおよびC
1〜20アルキルは、分枝鎖状または非分枝鎖状であることができる。C
1〜10アルキルの例は、メチル、エチル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、1,1−ジメチル−3,3−ジメチルブチル、ノニルおよびデシルである。C
1〜20アルキルの例は、C
1〜10アルキル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシルおよびエイコシルである。
【0015】
C
2〜20アルケニルは、分枝鎖状または非分枝鎖状であることができる。C
2〜20アルケニルの例は、ビニル、プロペニル、シス−2−ブテニル、トランス−2−ブテニル、3−ブテニル、シス−2−ペンテニル、トランス−2−ペンテニル、シス−3−ペンテニル、トランス−3−ペンテニル、4−ペンテニル、2−メチル−3−ブテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニルおよびドセニル、リノレイル(C
18)、リノレニル(C
18)、オレイル(C
18)およびアラキドニル(C
20)である。
【0016】
C
2〜20アルキニルは、分枝鎖状または非分枝鎖状であることができる。C
2〜20アルキニルの例は、エチニル、2−プロピニル、2−ブチニル、3−ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル、へプチニル、オクチニル、ノニニル、デシニル、ウンデシニル、ドデシニル、ウンデシニル、ドデシニル、トリデシニル、テトラデシニル、ペンタデシニル、ヘキサデシニル、ヘプタデシニル、オクテデシニル、ノナデシニルおよびイコシニル(icosynyl)(C
20)である。
【0017】
C
5〜8シクロアルキルの例は、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルおよびシクロオクチルである。
【0018】
C
6〜14アリールの例は、フェニルおよびナフチルである。
【0019】
ハロゲンの例は、F、Cl、BrおよびIである。
【0020】
アルカリ金属の例は、Na、KおよびLiである。
【0021】
N(R
400R
401R
402R
403)の例は、テトラ(n−ブチル)アンモニウムおよびデシル−メチル−ジオクチル−アンモニウムである。
【0022】
ヘキサ(C
1〜10アルキル)グアニジニウムの例は、ヘキサメチルグアニジニウムおよびヘキサエチルグアニジニウムである。
【0023】
X供与体の例は、X−X、XスクシンイミドおよびN,N’−ジ−X−イソシアヌル酸である。
【0024】
好ましくは、R
11とR
12は、同一であり、かつCN、OR
300およびSi(R
301)
3からなる群から選択されており、
ここで、
R
300およびR
301は、C
1〜20アルキル、C
2〜20アルケニル、C
2〜20アルキニルまたはC
6〜14アリールであり、
ここで、
C
1〜20アルキル、C
2〜20アルケニルおよびC
2〜20アルキニルは、フェニル、NR
3000R
3001、O−R
3002およびS−R
3003からなる群から選択された1個以上の置換基で置換されていてよく、および
C
6〜14アリールは、C
1〜10アルキル、NR
3004R
3005、O−R
3006およびS−R
3007からなる群から選択された1個以上の置換基で置換されていてよく、
ここで、R
3000、R
3001、R
3002、R
3003、R
3004、R
3005、R
3006およびR
3007は、同一であるかまたは異なり、かつC
1〜10アルキルまたはフェニルであり、
或いは
R
11とR
12は、一緒になって、
【化9】
であり、
ここで、
L
3は、直接結合、C
1〜6アルキレン、C
6〜14アリーレンまたはC
1〜6アルキレン−C
6〜14アリーレン−C
1〜6アルキレンである。
【0025】
より好ましくは、R
11とR
12は、同一であり、かつCN、OR
300およびSi(R
301)
3からなる群から選択されており、
ここで、
R
300およびR
301は、C
1〜20アルキルまたはC
6〜14アリールであり、
ここで、
C
1〜20アルキルは、フェニル、NR
3000R
3001、O−R
3002およびS−R
3003からなる群から選択された1個以上の置換基で置換されていてよく、および
C
6〜14アリールは、C
1〜10アルキル、NR
3004R
3005、O−R
3006およびS−R
3007からなる群から選択された1個以上の置換基で置換されていてよく、
ここで、R
3000、R
3001、R
3002、R
3003、R
3004、R
3005、R
3006およびR
3007は、同一であるかまたは異なり、かつC
1〜10アルキルまたはフェニルであり、
或いは
R
11とR
12は、一緒になって、
【化10】
である。
【0026】
最も好ましくは、R
11とR
12は、同一であり、かつCN、OR
300およびSi(R
301)
3からなる群から選択されており、
ここで、
R
300およびR
301は、C
1〜20アルキルまたはC
6〜14アリールであり、
ここで、
C
6〜14アリールは、C
1〜10アルキル、NR
3004R
3005、O−R
3006およびS−R
3007からなる群から選択された1個以上の置換基で置換されていてよく、
ここで、R
3004、R
3005、R
3006およびR
3007は、同一であるかまたは異なり、かつC
1〜10アルキルまたはフェニルであり、
或いは
R
11とR
12は、一緒になって、
【化11】
である。
【0027】
好ましくは、nは、1であり、
好ましくは、R
15、R
16、R
17、R
18、R
19、R
20、R
21およびR
22は、同一であるかまたは異なり、かつH、Cl、Br、I、CNおよびOR
311からなる群から選択されており、
ここで、R
311は、C
1〜20アルキル、C
2〜20アルケニル、C
2〜20アルキニル、C
5〜8シクロアルキルまたはC
6〜14アリールであり、
ここで、
C
1〜20アルキル、C
2〜20アルケニル、C
2〜20アルキニルおよびC
5〜8シクロアルキルは、フェニル、NR
3020R
3021、O−R
3022、S−R
3023、NO
2、CNおよびハロゲンからなる群から選択された1個以上の置換基で置換されていてよく、
C
6〜14アリールは、C
1〜10アルキル、NR
3024R
3025、O−R
3026、S−R
3027、NO
2、CNおよびハロゲンからなる群から選択された1個以上の置換基で置換されていてよく、
ここで、R
3020、R
3021、R
3022、R
3023、R
3024、R
3025、R
3026およびR
3027は、同一であるかまたは異なり、かつC
1〜10アルキルまたはフェニルであり、
或いは
R
17とR
19、R
18とR
20は、それぞれ、一緒になって、
【化12】
である。
【0028】
好ましくは、nが0である場合、R
15、R
16、R
17およびR
18は、Hである。
【0029】
好ましくは、nが1である場合、R
15、R
16、R
21およびR
22は、Hであり、およびR
17、R
18、R
19およびR
20は、同一であるかまたは異なり、かつF、Cl、Br、I、CN、R
300、OR
311、SR
312、OC(O)R
313およびC(O)OR
314からなる群から選択されており、
ここで、R
310、R
311、R
312、R
313およびR
314は、C
1〜20アルキル、C
2〜20アルケニル、C
2〜20アルキニル、C
5〜8シクロアルキルまたはC
6〜14アリールであり、
ここで、
C
1〜20アルキル、C
2〜20アルケニル、C
2〜20アルキニルおよびC
5〜8シクロアルキルは、フェニル、NR
3020R
3021、O−R
3022、S−R
3023、NO
2、CNおよびハロゲンからなる群から選択された1個以上の置換基で置換されていてよく、
C
6〜14アリールは、C
1〜10アルキル、NR
3024R
3025、O−R
3026、S−R
3027、NO
2、CNおよびハロゲンからなる群から選択された1個以上の置換基で置換されていてよく、
ここで、R
3020、R
3021、R
3022、R
3023、R
3024、R
3025、R
3026およびR
3027は、同一であるかまたは異なり、かつC
1〜10アルキルまたはフェニルであり、
或いは
R
17とR
19、R
18とR
20は、それぞれ、一緒になって、
【化13】
である。
【0030】
より好ましくは、nが1である場合、R
15、R
16、R
21およびR
22は、Hであり、およびR
17、R
18、R
19およびR
20は、同一であるかまたは異なり、かつCl、Br、I、CNおよびOR
311からなる群から選択されており、
ここで、R
311は、C
1〜20アルキル、C
2〜20アルケニル、C
2〜20アルキニル、C
5〜8シクロアルキルまたはC
6〜14アリールであり、
ここで、
C
1〜20アルキル、C
2〜20アルケニル、C
2〜20アルキニルおよびC
5〜8シクロアルキルは、フェニル、NR
3020R
3021、O−R
3022、S−R
3023、NO
2、CNおよびハロゲンからなる群から選択された1個以上の置換基で置換されていてよく、
C
6〜14アリールは、C
1〜10アルキル、NR
3024R
3025、O−R
3026、S−R
3027、NO
2、CNおよびハロゲンからなる群から選択された1個以上の置換基で置換されていてよく、
ここで、R
3020、R
3021、R
3022、R
3023、R
3024、R
3025、R
3026およびR
3027は、同一であるかまたは異なり、かつC
1〜10アルキルまたはフェニルであり、
或いは
R
17とR
19、R
18とR
20は、それぞれ、一緒になって、
【化14】
である。
【0031】
最も好ましくは、nが1である場合、R
15、R
16、R
21およびR
22は、Hであり、およびR
17、R
18、R
19およびR
20は、同一であるかまたは異なり、かつCl、Br、IおよびCNからなる群から選択されている。
【0032】
さらに最も好ましくは、nが1である場合、R
15、R
16、R
21およびR
22は、Hであり、およびR
17、R
18、R
19およびR
20は、Clである。
【0033】
好ましくは、R
9とR
10は、同一であり、かつCOOHであるか、
或いは
R
9とR
10は、一緒になって、
【化15】
である。
【0034】
より好ましくは、R
9とR
10は、一緒になって、
【化16】
である。
【0035】
好ましくは、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7およびR
8は、同一であるかまたは異なり、かつH、Cl、Br、I、CNおよびOR
201からなる群から選択されており
ここで、R
201は、C
1〜20アルキル、C
2〜20アルケニル、C
2〜20アルキニル、C
5〜8シクロアルキルまたはC
6〜14アリールであり、
ここで、
C
1〜20アルキル、C
2〜20アルケニル、C
2〜20アルキニルおよびC
5〜8シクロアルキルは、フェニル、NR
2010R
2011、O−R
2012、S−R
2013、NO
2、CNおよびハロゲンからなる群から選択された1個以上の置換基で置換されていてよく、
C
6〜14アリールは、C
1〜10アルキル、NR
2014R
2015、O−R
2016、S−R
2017、NO
2、CNおよびハロゲンからなる群から選択された1個以上の置換基で置換されていてよく、
ここで、R
2010、R
2011、R
2012、R
2013、R
2014、R
2015、R
2016およびR
2017は、同一であるかまたは異なり、かつC
1〜10アルキルまたはフェニルであり、
或いは
R
3とR
5、R
4とR
6は、それぞれ、一緒になって、
【化17】
である。
【0036】
好ましくは、nが0である場合、R
1、R
2、R
3およびR
4は、Hである。
【0037】
好ましくは、nが1である場合、R
1、R
2、R
7およびR
8は、Hであり、およびR
3、R
4、R
5およびR
6は、同一であるかまたは異なり、かつF、Cl、Br、I、CN、R
200、OR
201、SR
202、OC(O)R
203およびC(O)OR
204からなる群から選択されており、
ここで、R
200、R
201、R
202、R
203およびR
204は、C
1〜20アルキル、C
2〜20アルケニル、C
2〜20アルキニル、C
5〜8シクロアルキルまたはC
6〜14アリールであり、
ここで、
C
1〜20アルキル、C
2〜20アルケニル、C
2〜20アルキニルおよびC
5〜8シクロアルキルは、フェニル、NR
2010R
2011、O−R
2012、S−R
2013、NO
2、CNおよびハロゲンからなる群から選択された1個以上の置換基で置換されていてよく、
C
6〜14アリールは、C
1〜10アルキル、NR
2014R
2015、O−R
2016、S−R
2017、NO
2、CNおよびハロゲンからなる群から選択された1個以上の置換基で置換されていてよく、
ここで、R
2010、R
2011、R
2012、R
2013、R
2014、R
2015、R
2016およびR
2017は、同一であるかまたは異なり、かつC
1〜10アルキルまたはフェニルであり、
或いは
R
3とR
5、R
4とR
6は、それぞれ、一緒になって、
【化18】
である。
【0038】
より好ましくは、nが1である場合、R
1、R
2、R
7およびR
8は、Hであり、およびR
3、R
4、R
5およびR
6は、同一であるかまたは異なり、かつCl、Br、I、CNおよびOR
201からなる群から選択されており、
ここで、R
201は、C
1〜20アルキル、C
2〜20アルケニル、C
2〜20アルキニル、C
5〜8シクロアルキルまたはC
6〜14アリールであり、
ここで、
C
1〜20アルキル、C
2〜20アルケニル、C
2〜20アルキニルおよびC
5〜8シクロアルキルは、フェニル、NR
2010R
2011、O−R
2012、S−R
2013、NO
2、CNおよびハロゲンからなる群から選択された1個以上の置換基で置換されていてよく、
C
6〜14アリールは、C
1〜10アルキル、NR
2014R
2015、O−R
2016、S−R
2017、NO
2、CNおよびハロゲンからなる群から選択された1個以上の置換基で置換されていてよく、
ここで、R
2010、R
2011、R
2012、R
2013、R
2014、R
2015、R
2016およびR
2017は、同一であるかまたは異なり、かつC
1〜10アルキルまたはフェニルであり、
或いは
R
3とR
5、R
4とR
6は、それぞれ、一緒になって、
【化19】
である。
【0039】
最も好ましくは、nが1である場合、R
1、R
2、R
7およびR
8は、Hであり、およびR
3、R
4、R
5およびR
6は、同一であるかまたは異なり、かつCl、BrおよびOR
201からなる群から選択されており、
ここで、R
201は、C
6〜14アリールであり、
ここで、
C
6〜14アリールは、C
1〜10アルキルで置換されていてよく、
或いは
R
3とR
5、R
4とR
6は、それぞれ、一緒になって、
【化20】
である。
【0040】
好ましくは、Mは、アルカリ金属であり、より好ましくは、Naである。
【0041】
好ましくは、Xは、ClまたはBrであり、より好ましくは、Brである。
【0042】
好ましくは、式(2)の化合物は、最初にMOHで処理され、続いてX供与体で処理される。通常、前記方法は、任意の中間体生成物の単離なしに、いわゆる“ワンポット反応”で実施される。
【0043】
式(2)の化合物は、商業的に入手可能であるかまたは刊行物中に公知の方法によって得ることができる。
【0044】
好ましくは、X供与体はX−Xである。より好ましくは、X供与体は、XがClまたはBrであるX−Xである。最も好ましくは、X供与体は、XがBrであるX−Xである。
【0045】
好ましくは、MOHでの処理およびX供与体での処理は、水性溶剤中、例えば水または水と適当な有機溶剤、例えばテトラヒドロフランまたはジオキサンとの混合物中で実施される。より好ましくは、MOHでの処理およびX供与体での処理は、溶剤としての水中で実施される。
【0046】
好ましくは、MOHでの処理は、10〜100℃、より好ましくは20〜60℃の温度で実施される。
【0047】
好ましくは、MOH/一般式(2)の化合物のモル比は、4/1〜20/1、より好ましくは4/1〜10/1、最も好ましくは4/1〜7/1である。
【0048】
好ましくは、X供与体/一般式(2)の化合物のモル比は、4/1〜30/1、より好ましくは4/1〜20/1、最も好ましくは4/1〜17/1である。
【0049】
好ましくは、X供与体での処理は、10〜260℃、より好ましくは20〜120℃、最も好ましくは20〜100℃の温度で実施される。
【0050】
式(1)の化合物は、刊行物中に公知の方法によって、例えば適当な有機溶剤、例えばジクロロメタンでの抽出によって単離されうる。単離後に、式(1)の化合物は、刊行物中に公知の方法によって、例えば再結晶またはクロマトグラフィーによって後精製されてよい。
【0051】
式(3)の化合物は、直接に式(1)の化合物から得ることができるかまたは刊行物中に公知の方法によって多段階法で中間体化合物を経て得ることができる。
【0052】
例えば、式(3)、式中、R
11およびR
12は双方ともCNまたはOR
300であるものとし、の化合物は、式(1)の化合物を、M
2CNまたはM
2OR
300、ただし、M
2はアルカリ金属または遷移金属であってよいものとし、で処理することによって製造されうる。
【0053】
例えば、式(3)、式中、R
11およびR
12は双方ともSi(R
301)
3であるものとし、の化合物は、式(1)の化合物を、オルガニルM
3、ただし、M
3はアルカリ金属であってよいものとし、で処理し、続いてX
2−Si(R
301)
3、ただし、X
2は、ハロゲンであってよいものとし、で処理することによって製造されうる。
【0054】
例えば、式(3)、式中、R
11とR
12は一緒になって、
【化21】
であるものとし、の化合物は、
式(1)の化合物を硫黄で処理することによって製造されうる。
【0055】
例えば、式(3)、式中、R
11およびR
12は、双方ともそれぞれ、NHR
302、NR
303R
304、SR
305であるものとし、の化合物は、式(1)の化合物を、そのつど、NH
2R
302、NHR
303R
304、HSR
305で処理することによって製造されうる。
【0056】
例えば、式(3)、式中、R
11およびR
12は、双方ともR
306であるものとし、の化合物は、式(1)の化合物をR
306ホウ酸で適当な触媒、例えばPd[P(Ph)
3]
4の存在下で処理することによって製造されうる。
【0057】
例えば、式
【化22】
の化合物は、式
【化23】
の化合物を硫黄で処理することによって製造されうる。
【0058】
例えば、式
【化24】
の化合物は、式
【化25】
の化合物を4−(2,4,4−トリメチルペンタン−2−イル)フェノールおよびK
2CO
3で処理することによって製造されうる。
【0059】
例えば、式
【化26】
の化合物は、式
【化27】
の化合物をn−ブチルリチウムおよびトリメチルシリルクロリドで処理することによって製造されうる。
【0060】
例えば、式
【化28】
の化合物は、式
【化29】
の化合物をCuCNで処理することによって製造されうる。
【0061】
また、本発明の一部は、式
【化30】
〔式中、
Xは、Cl、BrまたはIであり、
nは、0または1であり、
および
R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7およびR
8は、同一であるかまたは異なり、かつH、F、Cl、Br、I、CN、R
200、OR
201、SR
202、OC(O)R
203およびC(O)OR
204からなる群から選択されており、
ここで、R
200、R
201、R
202、R
203およびR
204は、C
1〜20アルキル、C
2〜20アルケニル、C
2〜20アルキニル、C
5〜8シクロアルキルまたはC
6〜14アリールであり、
ここで、
C
1〜20アルキル、C
2〜20アルケニル、C
2〜20アルキニルおよびC
5〜8シクロアルキルは、フェニル、NR
2010R
2011、O−R
2012、S−R
2013、NO
2、CNおよびハロゲンからなる群から選択された1個以上の置換基で置換されていてよく、
C
6〜14アリールは、C
1〜10アルキル、NR
2014R
2015、O−R
2016、S−R
2017、NO
2、CNおよびハロゲンからなる群から選択された1個以上の置換基で置換されていてよく、
ここで、R
2010、R
2011、R
2012、R
2013、R
2014、R
2015、R
2016およびR
2017は、同一であるかまたは異なり、かつC
1〜10アルキルまたはフェニルであり、
或いは
そのつど、R
3とR
5、R
4とR
6は、一緒になって、
【化31】
である〕の化合物であり、
ただし、
nが0でありかつXがClである場合、R
1、R
2、R
3およびR
4は、H、Cl、CN、R
200またはC(O)OR
204ではなく、
ここで、R
200およびR
204は、C
1〜20アルキルであり、
nが0でありかつXがBrである場合、R
1、R
2、R
3およびR
4は、H、BrまたはR
200ではなく、
ここで、R
200は、C
1〜20アルキルであり、および
nが1でありかつXがClまたはBrである場合、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7およびR
8は、Hではない。
【0062】
好ましくは、式
【化32】
〔式中、
Xは、Cl、BrまたはIであり、
nは、1であり、
および
R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7およびR
8は、同一であるかまたは異なり、かつH、F、Cl、Br、I、CN、R
200、OR
201、SR
202、OC(O)R
203およびC(O)OR
204からなる群から選択されており、
ここで、R
200、R
201、R
202、R
203およびR
204は、C
1〜20アルキル、C
2〜20アルケニル、C
2〜20アルキニル、C
5〜8シクロアルキルまたはC
6〜14アリールであり、
ここで、
C
1〜20アルキル、C
2〜20アルケニル、C
2〜20アルキニルおよびC
5〜8シクロアルキルは、フェニル、NR
2010R
2011、O−R
2012、S−R
2013、NO
2、CNおよびハロゲンからなる群から選択された1個以上の置換基で置換されていてよく、
C
6〜14アリールは、C
1〜10アルキル、NR
2014R
2015、O−R
2016、S−R
2017、NO
2、CNおよびハロゲンからなる群から選択された1個以上の置換基で置換されていてよく、
ここで、R
2010、R
2011、R
2012、R
2013、R
2014、R
2015、R
2016およびR
2017は、同一であるかまたは異なり、かつC
1〜10アルキルまたはフェニルであり、
或いは
R
3とR
5、R
4とR
6は、それぞれ、一緒になって、
【化33】
である〕の化合物であり、
ただし、
nが1でありかつXがClまたはBrである場合、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7およびR
8は、Hではない。
【0063】
より好ましくは、式
【化34】
〔式中、
Xは、Cl、BrまたはIであり、
nは、1であり、
および
R
1、R
2、R
7およびR
8は、Hであり、およびR
3、R
4、R
5およびR
6は、同一であるかまたは異なり、かつF、Cl、Br、I、CN、R
200、OR
201、SR
202、OC(O)R
203およびC(O)OR
204からなる群から選択されており、
ここで、R
200、R
201、R
202、R
203およびR
204は、C
1〜20アルキル、C
2〜20アルケニル、C
2〜20アルキニル、C
5〜8シクロアルキルまたはC
6〜14アリールであり、
ここで、
C
1〜20アルキル、C
2〜20アルケニル、C
2〜20アルキニルおよびC
5〜8シクロアルキルは、フェニル、NR
2010R
2011、O−R
2012、S−R
2013、NO
2、CNおよびハロゲンからなる群から選択された1個以上の置換基で置換されていてよく、
C
6〜14アリールは、C
1〜10アルキル、NR
2014R
2015、O−R
2016、S−R
2017、NO
2、CNおよびハロゲンからなる群から選択された1個以上の置換基で置換されていてよく、
ここで、R
2010、R
2011、R
2012、R
2013、R
2014、R
2015、R
2016およびR
2017は、同一であるかまたは異なり、かつC
1〜10アルキルまたはフェニルであり、
或いは
R
3とR
5、R
4とR
6は、それぞれ、一緒になって、
【化35】
である〕の化合物である。
【0064】
式(3)の化合物の製造法のために上記されたn、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8およびXは、好ましくは、式(1)の化合物にも適用される。
【0065】
次の化合物
【化36】
【0066】
【化37】
が殊に好ましい。
【0067】
式(1)の化合物は、用途の広い構成単位である。
【0068】
また、本発明の一部は、式
【化38】
〔式中、
nは、0または1であり、
R
11およびR
12は、同一であり、かつCN、OR
300、Si(R
301)
3、NHR
302、NR
303R
304、SR
305およびR
306からなる群から選択されており、
ここで、
R
300、R
301、R
302、R
303、R
304、R
305およびR
306は、C
1〜20アルキル、C
2〜20アルケニル、C
2〜20アルキニルまたはC
6〜14アリールであり、
ここで、
C
1〜20アルキル、C
2〜20アルケニルおよびC
2〜20アルキニルは、フェニル、NR
3000R
3001、O−R
3002およびS−R
3003からなる群から選択された1個以上の置換基で置換されていてよく、および
C
6〜14アリールは、C
1〜10アルキル、NR
3004R
3005、O−R
3006およびS−R
3007からなる群から選択された1個以上の置換基で置換されていてよく、
ここで、R
3000、R
3001、R
3002、R
3003、R
3004、R
3005、R
3006およびR
3007は、同一であるかまたは異なり、かつC
1〜10アルキルまたはフェニルであり、
或いは
R
11とR
12は、一緒になって、
【化39】
であり、
ここで、
L
1およびL
2は、C
1〜6アルキレン、C
6〜14アリーレンまたはC
1〜6アルキレン−C
6〜14アリーレン−C
1〜6アルキレンであり、
R
25は、H、C
1〜20アルキル、C
2〜20アルケニル、C
2〜20アルキニル、C
5〜8シクロアルキルまたはC
6〜14アリールであり、
ここで、
C
1〜20アルキル、C
2〜20アルケニル、C
2〜20アルキニルおよびC
5〜8シクロアルキルは、フェニル、NR
3010R
3011、O−R
3012およびS−R
3013からなる群から選択された1個以上の置換基で置換されていてよく、および
C
6〜14アリールは、C
1〜10アルキル、NR
3014R
3015、O−R
3016およびS−R
3017からなる群から選択された1個以上の置換基で置換されていてよく、
ここで、R
3010、R
3011、R
3012、R
3013、R
3014、R
3015、R
3016およびR
3017は、同一であるかまたは異なり、かつC
1〜10アルキルまたはフェニルであり、
L
3は、直接結合、C
1〜6アルキレン、C
6〜14アリーレンまたはC
1〜6アルキレン−C
6〜14アリーレン−C
1〜6アルキレンであり、
および
R
15、R
16、R
17、R
18、R
19、R
20、R
21およびR
22は、同一であるかまたは異なり、かつH、F、Cl、Br、I、CN、R
310、OR
311、SR
312、OC(O)R
313およびC(O)OR
314からなる群から選択されており、
ここで、R
310、R
311、R
312、R
313およびR
314は、C
1〜20アルキル、C
2〜20アルケニル、C
2〜20アルキニル、C
5〜8シクロアルキルまたはC
6〜14アリールであり、
ここで、
C
1〜20アルキル、C
2〜20アルケニル、C
2〜20アルキニルおよびC
5〜8シクロアルキルは、フェニル、NR
3020R
3021、O−R
3022、S−R
3023、NO
2、CNおよびハロゲンからなる群から選択された1個以上の置換基で置換されていてよく、
C
6〜14アリールは、C
1〜10アルキル、NR
3024R
3025、O−R
3026、S−R
3027、NO
2、CNおよびハロゲンからなる群から選択された1個以上の置換基で置換されていてよく、
ここで、R
3020、R
3021、R
3022、R
3023、R
3024、R
3025、R
3026およびR
3027は、同一であるかまたは異なり、かつC
1〜10アルキルまたはフェニルであり、
或いは
R
17とR
19、R
18とR
20は、それぞれ、一緒になって、
【化40】
である〕の化合物であり、
ただし、
nが0であり、R11およびR12が双方ともCNである場合、R15、R16、R17およびR18はHではなく、
および
nが1であり、R11およびR12が双方ともCNまたはフェニルであり、かつR15、R16、R18、R19、R20、R21およびR22がHである場合、R17およびR20はBrではない。
【0069】
好ましくは、式
【化41】
〔式中、
nは、0または1であり、
R
11とR
12は、同一であり、かつCN、OR
300およびSi(R
301)
3からなる群から選択されており、
ここで、
R
300およびR
301は、C
1〜20アルキル、C
2〜20アルケニル、C
2〜20アルキニルまたはC
6〜14アリールであり、
ここで、
C
1〜20アルキル、C
2〜20アルケニルおよびC
2〜20アルキニルは、フェニル、NR
3000R
3001、O−R
3002およびS−R
3003からなる群から選択された1個以上の置換基で置換されていてよく、および
C
6〜14アリールは、C
1〜10アルキル、NR
3004R
3005、O−R
3006およびS−R
3007からなる群から選択された1個以上の置換基で置換されていてよく、
ここで、R
3000、R
3001、R
3002、R
3003、R
3004、R
3005、R
3006およびR
3007は、同一であるかまたは異なり、かつC
1〜10アルキルまたはフェニルであり、
或いは
R
11とR
12は、一緒になって、
【化42】
であり、
ここで、
L
3は、直接結合、C
1〜6アルキレン、C
6〜14アリーレンまたはC
1〜6アルキレン−C
6〜14アリーレン−C
1〜6アルキレンであり、
および
R
15、R
16、R
17、R
18、R
19、R
20、R
21およびR
22は、同一であるかまたは異なり、かつH、F、Cl、Br、I、CN、R
310、OR
311、SR
312、OC(O)R
313およびC(O)OR
314からなる群から選択されており、
ここで、R
310、R
311、R
312、R
313およびR
314は、C
1〜20アルキル、C
2〜20アルケニル、C
2〜20アルキニル、C
5〜8シクロアルキルまたはC
6〜14アリールであり、
ここで、
C
1〜20アルキル、C
2〜20アルケニル、C
2〜20アルキニルおよびC
5〜8シクロアルキルは、フェニル、NR
3020R
3021、O−R
3022、S−R
3023、NO
2、CNおよびハロゲンからなる群から選択された1個以上の置換基で置換されていてよく、
C
6〜14アリールは、C
1〜10アルキル、NR
3024R
3025、O−R
3026、S−R
3027、NO
2、CNおよびハロゲンからなる群から選択された1個以上の置換基で置換されていてよく、
ここで、R
3020、R
3021、R
3022、R
3023、R
3024、R
3025、R
3026およびR
3027は、同一であるかまたは異なり、かつC
1〜10アルキルまたはフェニルであり、
或いは
R
17とR
19、R
18とR
20は、それぞれ、一緒になって、
【化43】
である〕の化合物であり、
ただし、
nが0であり、R11およびR12が双方ともCNである場合、R15、R16、R17およびR18はどれもHではなく、
および
nが1であり、R11およびR12が双方ともCNまたはフェニルであり、かつR15、R16、R18、R19、R20、R21およびR22がHである場合、R17およびR20はBrではない。
【0070】
より好ましくは、式
【化44】
〔式中、
nは1であり、
R
11とR
12は、同一であり、かつCN、OR
300およびSi(R
301)
3からなる群から選択されており、
ここで、
R
300およびR
301は、C
1〜20アルキル、C
2〜20アルケニル、C
2〜20アルキニルまたはC
6〜14アリールであり、
ここで、
C
1〜20アルキル、C
2〜20アルケニルおよびC
2〜20アルキニルは、フェニル、NR
3000R
3001、O−R
3002およびS−R
3003からなる群から選択された1個以上の置換基で置換されていてよく、および
C
6〜14アリールは、C
1〜10アルキル、NR
3004R
3005、O−R
3006およびS−R
3007からなる群から選択された1個以上の置換基で置換されていてよく、
ここで、R
3000、R
3001、R
3002、R
3003、R
3004、R
3005、R
3006およびR
3007は、同一であるかまたは異なり、かつC
1〜10アルキルまたはフェニルであり、
或いは
R
11とR
12は、一緒になって、
【化45】
であり、
ここで、
L
3は、直接結合、C
1〜6アルキレン、C
6〜14アリーレンまたはC
1〜6アルキレン−C
6〜14アリーレン−C
1〜6アルキレンであり、
および
R
15、R
16、R
17、R
18、R
19、R
20、R
21およびR
22は、同一であるかまたは異なり、かつH、F、Cl、Br、I、CN、R
310、OR
311、SR
312、OC(O)R
313およびC(O)OR
314からなる群から選択されており、
ここで、R
310、R
311、R
312、R
313およびR
314は、C
1〜20アルキル、C
2〜20アルケニル、C
2〜20アルキニル、C
5〜8シクロアルキルまたはC
6〜14アリールであり、
ここで、
C
1〜20アルキル、C
2〜20アルケニル、C
2〜20アルキニルおよびC
5〜8シクロアルキルは、フェニル、NR
3020R
3021、O−R
3022、S−R
3023、NO
2、CNおよびハロゲンからなる群から選択された1個以上の置換基で置換されていてよく、
C
6〜14アリールは、C
1〜10アルキル、NR
3024R
3025、O−R
3026、S−R
3027、NO
2、CNおよびハロゲンからなる群から選択された1個以上の置換基で置換されていてよく、
ここで、R
3020、R
3021、R
3022、R
3023、R
3024、R
3025、R
3026およびR
3027は、同一であるかまたは異なり、かつC
1〜10アルキルまたはフェニルであり、
或いは
R
17とR
19、R
18とR
20は、それぞれ、一緒になって、
【化46】
である〕の化合物であり、
ただし、
nが1であり、R11およびR12が双方ともCNまたはフェニルであり、かつR15、R16、R18、R19、R20、R21およびR22がHである場合、R17およびR20はBrではない。
【0071】
さらに、より好ましくは、式
【化47】
〔式中、
nは、1であり、
R
11とR
12は、同一であり、かつCN、OR
300およびSi(R
301)
3からなる群から選択されており、
ここで、
R
300およびR
301は、C
1〜20アルキル、C
2〜20アルケニル、C
2〜20アルキニルまたはC
6〜14アリールであり、
ここで、
C
1〜20アルキル、C
2〜20アルケニルおよびC
2〜20アルキニルは、フェニル、NR
3000R
3001、O−R
3002およびS−R
3003からなる群から選択された1個以上の置換基で置換されていてよく、および
C
6〜14アリールは、C
1〜10アルキル、NR
3004R
3005、O−R
3006およびS−R
3007からなる群から選択された1個以上の置換基で置換されていてよく、
ここで、R
3000、R
3001、R
3002、R
3003、R
3004、R
3005、R
3006およびR
3007は、同一であるかまたは異なり、かつC
1〜10アルキルまたはフェニルであり、
或いは
R
11とR
12は、一緒になって、
【化48】
であり、
ここで、
L
3は、直接結合、C
1〜6アルキレン、C
6〜14アリーレンまたはC
1〜6アルキレン−C
6〜14アリーレン−C
1〜6アルキレンであり、
および
R
15、R
16、R
21およびR
22は、Hであり、およびR
17、R
18、R
19およびR
20、同一であるかまたは異なり、かつF、Cl、Br、I、CN、R
310、OR
311、SR
312、OC(O)R
313およびC(O)OR
314からなる群から選択されており、
ここで、R
310、R
311、R
312、R
313およびR
314は、C
1〜20アルキル、C
2〜20アルケニル、C
2〜20アルキニル、C
5〜8シクロアルキルまたはC
6〜14アリールであり、
ここで、
C
1〜20アルキル、C
2〜20アルケニル、C
2〜20アルキニルおよびC
5〜8シクロアルキルは、フェニル、NR
3020R
3021、O−R
3022、S−R
3023、NO
2、CNおよびハロゲンからなる群から選択された1個以上の置換基で置換されていてよく、
C
6〜14アリールは、C
1〜10アルキル、NR
3024R
3025、O−R
3026、S−R
3027、NO
2、CNおよびハロゲンからなる群から選択された1個以上の置換基で置換されていてよく、
ここで、R
3020、R
3021、R
3022、R
3023、R
3024、R
3025、R
3026およびR
3027は、同一であるかまたは異なり、かつC
1〜10アルキルまたはフェニルであり、
或いは
R
17とR
19、R
18とR
20は、それぞれ、一緒になって、
【化49】
である〕の化合物である。
【0072】
最も好ましくは、式
【化50】
〔式中、
nは、1であり、
R
11とR
12は、一緒になって、
【化51】
であり、
R
15、R
16、R
21およびR
22は、Hであり、およびR
17、R
18、R
19およびR
20、同一であるかまたは異なり、かつF、Cl、Br、I、CN、R
310、OR
311、SR
312、OC(O)R
313およびC(O)OR
314からなる群から選択されており、
ここで、R
310、R
311、R
312、R
313およびR
314は、C
1〜20アルキル、C
2〜20アルケニル、C
2〜20アルキニル、C
5〜8シクロアルキルまたはC
6〜14アリールであり、
ここで、
C
1〜20アルキル、C
2〜20アルケニル、C
2〜20アルキニルおよびC
5〜8シクロアルキルは、フェニル、NR
3020R
3021、O−R
3022、S−R
3023、NO
2、CNおよびハロゲンからなる群から選択された1個以上の置換基で置換されていてよく、
C
6〜14アリールは、C
1〜10アルキル、NR
3024R
3025、O−R
3026、S−R
3027、NO
2、CNおよびハロゲンからなる群から選択された1個以上の置換基で置換されていてよく、
ここで、R
3020、R
3021、R
3022、R
3023、R
3024、R
3025、R
3026およびR
3027は、同一であるかまたは異なり、かつC
1〜10アルキルまたはフェニルであり、
或いは
R
17とR
19、R
18とR
20は、それぞれ、一緒になって、
【化52】
である〕の化合物である。
【0073】
殊に好ましくは、次の化合物
【化53】
【0074】
【化54】
である。
【0075】
式(3)の化合物は、さまざまな用途、例えば着色剤または染料として、または電子デバイス、例えば有機電界効果トランジスターにおいて、有機発光素子において、および光起電力素子、例えば色素増感型太陽電池(DSC)において使用されうる。
【0076】
また、本発明の一部は、電子デバイスにおける、式(3)の化合物の使用である。
【0077】
また、本発明の一部は、染料としての、式(3)の化合物の使用である。
【0078】
本発明の方法は、該方法が式(3)の化合物を有利に製造しうるという利点を有する。
【0079】
式(3)の化合物を製造するための本発明の方法の基本となる中間体は、4個のX基、ただし、Xは、Cl、BrまたはIであるものとし、を周辺結合位置に有する式(1)の化合物である。式(1)の化合物は、用途の広い構成単位であり、これは、刊行物中に公知の方法によって、さまざまな置換基を周辺結合位置に簡単に導入することを可能にする。式(1)の化合物も適当な置換基、例えばClを、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7および/またはR
8の位置に有する場合には、これらの置換基は、他の置換基で簡単に置き換えられうる。
【0080】
式(1)の化合物は、極めて有利で経済的な方法で式(2)の化合物から製造されうる。式(2)の化合物、殊にR
9とR
10が一緒になって、
【化55】
である、式(2)の化合物は、低価格で直ちに入手可能である。式(1)の化合物は、殊にnが1であり、XがBrであり、かつR
1、R
2、R
7およびR
8がHであり、かつR
3とR
4とR
5とR
6が同一であり、かつH、ClおよびBrからなる群から選択されるか、または、R
3とR
5、R
4とR
6が、それぞれ、一緒になって
【化56】
である場合に、通常、高い収率(例えば、80%を上回る)で得られる。
【0081】
工程a)およびb)は、適度な温度で、例えば100℃を下回る温度で実施されうる。さらに、工程a)およびb)は、水性溶剤中、例えば水中でいわゆる“ワンポット反応”で実施されうる。
【0082】
例
例1
化合物1aの製造
【化57】
【0083】
1MのNaOH20mlを水20ml中の化合物2a(4.00mmol)の懸濁液に添加し、この混合物を攪拌して清澄な溶液を得た。臭素(1.0ml、3.11g)を1回分で添加し、この反応混合物を90〜95℃で24時間、攪拌した。沈殿物をろ過し、かつ乾燥させた。粗製固体をジクロロメタンで抽出した。有機溶剤を蒸発させて乾燥し、化合物1aをシリカ上で溶離剤としてのヘキサンを用いてクロマトグラフィーによって精製した。収量180mg(10%)。
【0084】
【0085】
例2
化合物1bの製造
【化58】
【0086】
1MのNaOH10mlを水20ml中の化合物2b(2.00mmol)の懸濁液に添加し、この混合物を55℃で30分間、攪拌した。臭素(1.0ml)を添加し、この反応混合物を24時間、攪拌した。沈殿物をろ過し、かつ乾燥させた。粗製化合物1bを、昇華によって精製する(1.27g;90%)かまたは1,2−ジクロロベンゼンからの再結晶によって精製した(1.17g;83%)。
【0087】
【0088】
例3
化合物1cの製造
【化59】
【0089】
1MのNaOH10mlを水30ml中の化合物2c(1.42g、2.00mmol)の懸濁液に添加し、この混合物を55℃で30分間、攪拌した。臭素(1.0ml)を添加し、この反応混合物を24時間、攪拌した。沈殿物をろ過し、かつ乾燥させた(1.70g、96%)。粗製化合物1cを1,2−ジクロロベンゼンからの再結晶によって精製した(1.47g;83%)。
【0090】
【0091】
例4
化合物1dの製造
【化60】
【0092】
1MのNaOH3mlを、水10ml中の化合物2d(0.50mmol)の溶液に添加した後、THFを添加して澄明な溶液を得た。臭素(0.40ml)を1回分で添加し、この反応混合物を室温で0.5〜1時間攪拌した(TLCモニタリング)。Na
2SO
3(水10ml中、1g)の溶液を添加し、かつ20分間攪拌した。化合物1dをジクロロメタンで抽出し、かつ溶離剤としてのヘキサンを用いてシリカ上でクロマトグラフィーによって精製した。収量5〜30mg(1〜6%)。
【0093】
【0094】
例5
化合物2eの製造
【化61】
【0095】
1MのNaOH(22ml)を、化合物2b(2.65g、5.00mmol)と水18mlとの混合物にアルゴンの下で添加した。この混合物を70℃で30分間攪拌し、かつAliquat 336(Stark’触媒)1mlを添加して同じ温度でさらに10分間攪拌した。1−ヨードヘプタンを添加し、この反応混合物を2時間還流させた。室温への冷却後、この混合物をジクロロメタンで抽出した。溶剤を真空下に除去し、粗製生成物2eをクロマトグラフィーによって精製した(シリカゲル、石油エーテル/ジクロロメタン)。収量4.315g(90%)、オレンジ色の油として。
【0096】
【0097】
例6
化合物2fの製造
【化62】
【0098】
Pd(PPh
3)
4(780mg、0.67mmol)およびBu
3SnSSnBu
3(3.67g、6.00mmol)を、アルゴンの下でトルエン100ml中の化合物2e(2.60g、2.71mmol)の溶液に添加した。この混合物を攪拌しかつ24時間、還流させた。溶剤を真空下に除去し、粗製化合物2fをメタノールで洗浄し、かつカラムクロマトグラフィーにより精製した(シリカゲル、石油エーテル/酢酸エチル)。収量1.58g(66%)。
【0099】
【0100】
例7
化合物2gの製造
【化63】
【0101】
KOH(2.25g、34mmol)および水5mlを、2−プロパノール100ml中の化合物2f(1.5g、1.70mmol)の溶液に添加した。この反応混合物を一晩中、還流させた。冷却後、この反応混合物を氷/10%塩酸上に注いだ。沈殿物をろ過し、水およびメタノールで洗浄し、かつ乾燥させた。固体を酢酸(50ml)中で懸濁させ、かつ70℃で5時間攪拌した。酢酸を真空下に除去した。粗製生成物2gを後精製なしに使用した。収量0.75g(98%)。
【0102】
【0103】
例8
化合物1eの製造
【化64】
【0104】
1MのNaOH4.5mlを水20ml中の化合物2g(0.455g、1.00mmol)の懸濁液に添加し、この混合物を30℃で20分間攪拌した。臭素(0.21ml、4.1mmol)を添加し、この反応混合物を30℃で10分間攪拌した。沈殿物をろ過し、水で洗浄し、かつ乾燥させた。粗製化合物1eをTHF(20ml)中に懸濁させ、かつろ過し、洗浄して乾燥させた(0.56g;89%)。
【0105】
【0106】
例9
化合物3aの製造
【化65】
【0107】
3,4,9,10−テトラブロモ−1,6,7,12−テトラクロロペリレン(0.71g、1.00mmol)およびNMP40ml中の硫黄(0.26g、8.0mmol)の懸濁液を、190℃で3時間攪拌した。室温への冷却後、この反応混合物を水中に注いだ。沈殿物をろ過し、水で洗浄し、かつ乾燥させた。粗製化合物3aを溶離剤としてのジクロロメタンを用いてシリカ上でカラムクロマトグラフィーにより精製した(0.50g、97%)。
【0108】
【0109】
例10
化合物3bの製造
【化66】
【0110】
化合物1b(706mg、1mmol)、4−(2,4,4−トリメチルペンタン−2−イル)フェノール(1240mg、6mmol)およびNMP30ml中のK
2CO
3(830mg、6mmol)の混合物を120℃で5時間攪拌した。この混合物を室温へ冷却し、かつジクロロメタン(100ml)を添加した。この溶液を7回水で洗浄し、乾燥させ、かつ蒸発させた。粗製生成物3bを溶離剤としてのヘキサン/ジクロロメタンを用いてシリカ上でクロマトグラフィーにより精製した。収量890mg(74%)。
【0111】
【0112】
例11
化合物3cの製造
【化67】
【0113】
n−BuLi(1.6M、7mmol)の溶液4.40mlを無水THF20ml中の化合物1b(1mmol、706mg)の懸濁液に−78℃で添加した。この反応混合物を−78℃で1時間攪拌し、TMSCl(0.90ml、7mmol)を前記溶液に滴加した。この混合物を徐々に室温へ昇温させ、かつさらに2時間攪拌した。メタノール(1ml)を添加し、溶剤を蒸発させた。粗製化合物3cを溶離剤としてのヘキサンを用いてシリカ上でカラムクロマトグラフィーにより精製し、かつさらにメタノールから再結晶させた。収量325mg(48%)。
【0114】
【0115】
例12
化合物3dの製造
【化68】
【0116】
化合物1b(2.11g、3.00mmol)およびDMF50ml中のCuCN(5.40g、60mmol)の懸濁液を130℃で2時間攪拌した。室温への冷却後、この反応混合物を水中へ注いだ。沈殿物をろ過し、乾燥させ、かつジクロロメタン600ml中へ溶解した。シリカ20gを前記溶液に添加し、かつ蒸発させて乾燥させた。粗製生成物3dを溶離剤としてのジクロロメタンを用いてシリカ上でカラムクロマトグラフィーにより精製した(1.03g、70%)。
【0117】