特許第6284823号(P6284823)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6284823α−ヘテロシクリル酢酸化合物の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6284823
(24)【登録日】2018年2月9日
(45)【発行日】2018年2月28日
(54)【発明の名称】α−ヘテロシクリル酢酸化合物の製造方法
(51)【国際特許分類】
   C07D 307/80 20060101AFI20180215BHJP
   C07B 53/00 20060101ALI20180215BHJP
   C07D 311/58 20060101ALI20180215BHJP
   C07D 493/04 20060101ALI20180215BHJP
   C07B 61/00 20060101ALN20180215BHJP
【FI】
   C07D307/80
   C07B53/00 B
   C07D311/58
   C07D493/04 106C
   !C07B61/00 300
【請求項の数】3
【全頁数】32
(21)【出願番号】特願2014-99842(P2014-99842)
(22)【出願日】2014年5月13日
(65)【公開番号】特開2015-214525(P2015-214525A)
(43)【公開日】2015年12月3日
【審査請求日】2017年3月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002093
【氏名又は名称】住友化学株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】504132272
【氏名又は名称】国立大学法人京都大学
(74)【代理人】
【識別番号】100080791
【弁理士】
【氏名又は名称】高島 一
(74)【代理人】
【識別番号】100125070
【弁理士】
【氏名又は名称】土井 京子
(74)【代理人】
【識別番号】100136629
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 光宜
(74)【代理人】
【識別番号】100121212
【弁理士】
【氏名又は名称】田村 弥栄子
(74)【代理人】
【識別番号】100122688
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 健二
(74)【代理人】
【識別番号】100117743
【弁理士】
【氏名又は名称】村田 美由紀
(74)【代理人】
【識別番号】100163658
【弁理士】
【氏名又は名称】小池 順造
(74)【代理人】
【識別番号】100174296
【弁理士】
【氏名又は名称】當麻 博文
(72)【発明者】
【氏名】竹本 佳司
(72)【発明者】
【氏名】小林 祐輔
(72)【発明者】
【氏名】東 巧
(72)【発明者】
【氏名】村田 晃洋
【審査官】 松澤 優子
(56)【参考文献】
【文献】 LI,D.R. et al.,J Am Chem Soc.,2008年,Vol.130, No.1,p.46-48
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D 307/80
C07B 53/00
C07D 311/58
C07D 493/04
C07B 61/00
CAplus/REGISTRY(STN)
CASREACT(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(1):
【化1】

(式中、
nは1または2を示し;
およびRは独立して、水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよいC1−8アルキル基、または置換されていてもよいフェニル基を示すか、あるいは、
とRとが結合しているCH−CHと一緒になって、置換されていてもよいベンゼン環を形成していてもよい。)
で表される化合物を、一般式(3):
Ar−B(OH) (3)
(式中、
Arは置換されていてもよいフェニル基を示す。)
で表されるボロン酸、および
【化2】

から選択される3級アミン化合物の存在下、一般式(2):
【化3】

(式中、**は不斉炭素原子を示し、その他の記号は前記と同義である。)
で表される化合物に転換することを特徴とする、一般式(2)で表される化合物の製造方法。
【請求項2】
3級アミン化合物が、
【化4】

から選択される、請求項1記載の製造方法。
【請求項3】
3級アミン化合物が不斉触媒であり、かつ一般式(2)で表される化合物が、光学活性化合物である、請求項1または2に記載の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医薬合成の中間体として有用なα−ヘテロシクリル酢酸化合物の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
下記の構造式で表されるperipentonine Cやraxofelast等の医薬、農薬等の生理活性物質の製造中間体として、α−ヘテロシクリル酢酸は有用であり、種々の合成研究が行われている。
【0003】
【化1】
【0004】
例えば、特許文献1、非特許文献1や2で開示されているように、原料としてα,β-不飽和ケトンやα,β-不飽和エステルを用いて、分子内ヘテロマイケル付加反応により、α−ヘテロシクリル酢酸誘導体を製造する方法が報告されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】WO2014/046172
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】J.Am.Chem.Soc.,2011,vol.133,p16711−16713
【非特許文献2】Angew.Chem.Int. Ed.,2013,vol.52,p11114−11118
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、α,β−不飽和カルボン酸を原料として、α−ヘテロシクリル酢酸化合物を収率よく製造する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記の課題を解決するため、鋭意検討した結果、特定の2種類の化合物を触媒として作用させて、下記一般式(1)で表される化合物を用いた分子内マイケル付加反応により、α−ヘテロシクリル酢酸化合物を収率よく製造できることを見出し、発明を完成するに至った。
即ち、本発明は以下の通りである。
[1] 一般式(1):
【0009】
【化2】
【0010】
(式中、
nは1または2を示し;
およびRは独立して、水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよいC1−8アルキル基、または置換されていてもよいフェニル基を示すか、あるいは、RとRとが結合しているCH−CHと一緒になって、置換されていてもよいベンゼン環を形成していてもよい。)
で表される化合物(以下、化合物(1)ともいう)を、一般式(3):
Ar−B(OH) (3)
(式中、
Arは置換されていてもよいフェニル基を示す。)
で表されるボロン酸(以下、化合物(3)ともいう)、および水素結合供与部位を分子内に有する3級アミン化合物の存在下、一般式(2):
【0011】
【化3】
【0012】
(式中、**は不斉炭素原子を示し、その他の記号は前記と同義である。)
で表される化合物(以下、化合物(2)ともいう)に転換することを特徴とする、一般式(2)で表される化合物の製造方法。
[2] 水素結合供与部位が、
【0013】
【化4】
【0014】
(式中、
は置換されていてもよい炭化水素基、または置換されていてもよい複素環基を示し;
Yは酸素原子、硫黄原子またはNR(式中、Rは、水素原子、置換されていてもよい炭化水素基、または置換されていてもよい複素環基を示すか、あるいは、N=CNHRと一緒になって、置換されていてもよい含窒素複素環を形成してもよい。)を示し;
*は結合部位を示す。)
で表される部分構造である、上記[1]記載の製造方法。
[3] 3級アミン化合物が、一般式(4):
【0015】
【化5】
【0016】
(式中、
は置換されていてもよい炭化水素基、または置換されていてもよい複素環基を示し;
Yは酸素原子、硫黄原子またはNR(式中、Rは、水素原子、置換されていてもよい炭化水素基、または置換されていてもよい複素環基を示すか、あるいは、N=CNHRと一緒になって、置換されていてもよい含窒素複素環を形成してもよい。)を示し;
、R、RおよびRは独立して、置換されていてもよい炭化水素基、または置換されていてもよい複素環基を示すか、RとRとが結合しているCH−CHと一緒になって、置換されていてもよい飽和炭素環を形成してもよく、RとRとが結合しているCH−Nと一緒になって、置換されていてもよい飽和含窒素複素環を形成してもよく、RとRとが結合しているCH−Nと一緒になって、置換されていてもよい飽和含窒素複素環を形成してもよく、RとRとが結合している窒素原子と一緒になって、置換されていてもよい飽和含窒素複素環を形成してもよい。)
で表される3級アミン化合物(以下、化合物(4)ともいう)である、上記[1]記載の製造方法。
[4] 3級アミン化合物が、
【0017】
【化6】
【0018】
から選択される、上記[1]記載の製造方法。
[5] 3級アミン化合物が不斉触媒であり、かつ一般式(2)で表される化合物が、光学活性化合物である、上記[1]〜[4]のいずれかに記載の製造方法。
【0019】
[6] 一般式(1):
【0020】
【化7】
【0021】
(式中、n、RおよびRは、上記[1]と同義である。)
で表される化合物を、一般式(3a):
Ar−B(OH) (3a)
(式中、Arは2位がCH−NRで置換されたフェニル基を示し、RおよびRは独立して、C1−8アルキル基を示すか、あるいは、RとRとが結合している窒素原子と一緒になって、置換されていてもよい飽和含窒素複素環を形成してもよい。)
で表されるボロン酸(以下、化合物(3a)ともいう)の存在下、一般式(2):
【0022】
【化8】
【0023】
(式中の各記号は前記と同義である。)
で表される化合物に転換することを特徴とする、一般式(2)で表される化合物の製造方法。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、α−ヘテロシクリル酢酸化合物を収率よく製造できる。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明について詳細に説明する。
本明細書中、「ハロゲン原子」としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子が挙げられる。
【0026】
本明細書中、「炭化水素基」は通常、C1−16炭化水素基を意味し、「C1−16炭化水素基」としては、例えば、C1−10アルキル基、C2−10アルケニル基、C2−10アルキニル基、C3−10シクロアルキル基、C3−10シクロアルケニル基、C4−10シクロアルカジエニル基、C6−14アリール基、C7−16アラルキル基等が挙げられる。
【0027】
本明細書中、「C1−10アルキル基」としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、1−エチルプロピル、ヘキシル、イソヘキシル、1,1−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、2−エチルブチル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル等が挙げられる。なかでも、C1−6アルキル基が好ましく、C1−4アルキル基がより好ましい。
本明細書中、「C1−8アルキル基」としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、1−エチルプロピル、ヘキシル、イソヘキシル、1,1−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、2−エチルブチル、ヘプチル、オクチル等が挙げられる。なかでも、C1−6アルキル基が好ましく、C1−4アルキル基がより好ましい。
本明細書中の「C1−6アルキル(基)」としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、1−エチルプロピル、ヘキシル、イソヘキシル、1,1−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、2−エチルブチル等が挙げられる。なかでも、C1−4アルキル(基)が好ましく、C1−2アルキル(基)がより好ましい。
【0028】
本明細書中、「C1−6アルコキシ(基)」としては、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、ペンチルオキシ、イソペンチルオキシ、ネオペンチルオキシ、ヘキシルオキシ等が挙げられる。中でも、C1−4アルコキシ(基)が好ましい。
【0029】
本明細書中、「C2−10アルケニル基」としては、例えば、エテニル、1−プロペニル、2−プロペニル、2−メチル−1−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、3−メチル−2−ブテニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、3−ペンテニル、4−ペンテニル、4−メチル−3−ペンテニル、1−ヘキセニル、3−ヘキセニル、5−ヘキセニル、1−ヘプテニル、1−オクテニル等が挙げられる。なかでも、C2−6アルケニル基が好ましい。
本明細書中の「C2−6アルケニル(基)」としては、例えば、エテニル、1−プロペニル、2−プロペニル、2−メチル−1−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、3−メチル−2−ブテニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、3−ペンテニル、4−ペンテニル、4−メチル−3−ペンテニル、1−ヘキセニル、3−ヘキセニル、5−ヘキセニル等が挙げられる。
【0030】
本明細書中、「C2−10アルキニル基」としては、例えば、エチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニル、3−ブチニル、1−ペンチニル、2−ペンチニル、3−ペンチニル、4−ペンチニル、1−ヘキシニル、2−ヘキシニル、3−ヘキシニル、4−ヘキシニル、5−ヘキシニル、1−ヘプチニル、1−オクチニル等が挙げられる。なかでも、C2−6アルキニル基が好ましい。
本明細書中の「C2−6アルキニル(基)」としては、例えば、エチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニル、3−ブチニル、1−ペンチニル、2−ペンチニル、3−ペンチニル、4−ペンチニル、1−ヘキシニル、2−ヘキシニル、3−ヘキシニル、4−ヘキシニル、5−ヘキシニル等が挙げられる。
【0031】
本明細書中、「C3−10シクロアルキル基」としては、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル等が挙げられる。なかでも、C3−6シクロアルキル基が好ましい。
本明細書中の「C3−8シクロアルキル(基)」としては、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル等が挙げられる。なかでも、C3−6シクロアルキル基が好ましい。
【0032】
本明細書中、「C3−10シクロアルケニル基」としては、例えば、2−シクロペンテン−1−イル、3−シクロペンテン−1−イル、2−シクロヘキセン−1−イル、3−シクロヘキセン−1−イル等が挙げられる。なかでも、C4−6シクロアルケニル基が好ましい。
本明細書中の「C3−8シクロアルケニル(基)」としては、例えば、2−シクロペンテン−1−イル、3−シクロペンテン−1−イル、2−シクロヘキセン−1−イル、3−シクロヘキセン−1−イル等が挙げられる。なかでも、C4−6シクロアルケニル基が好ましい。
【0033】
本明細書中、「C4−10シクロアルカジエニル基」としては、例えば、2,4−シクロペンタジエン−1−イル、2,4−シクロヘキサジエン−1−イル、2,5−シクロヘキサジエン−1−イル等が挙げられる。なかでも、C4−6シクロアルカジエニル基が好ましい。
本明細書中の「C4−8シクロアルカジエニル(基)」としては、例えば、2,4−シクロペンタジエン−1−イル、2,4−シクロヘキサジエン−1−イル、2,5−シクロヘキサジエン−1−イル等が挙げられる。なかでも、C4−6シクロアルカジエニル基が好ましい。
【0034】
本明細書中、「C6−14アリール基」としては、例えば、フェニル、ナフチル、アントリル、フェナントリル、アセナフチレニル、ビフェニリル等が挙げられる。なかでも、C6−10アリール基が好ましい。
【0035】
本明細書中、「C7−16アラルキル基」としては、例えば、ベンジル、1−フェニルエチル、2−フェニルエチル、(1−ナフチル)メチル、(2−ナフチル)メチル等が挙げられる。なかでも、C7−13アラルキル基が好ましい。
【0036】
本明細書中、「複素環基」とは、「芳香族複素環基」または「非芳香族複素環基」を意味する。
【0037】
本明細書中、「芳香族複素環基」とは、環構成原子として炭素原子に加えて、酸素原子、硫黄原子及び窒素原子から選ばれるヘテロ原子を1〜4個含有する、芳香族性を示す単環式または多環式(縮合)複素環基を意味する。
本明細書中、「単環式芳香族複素環基」としては、例えば、フリル、チエニル、ピリジル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラジニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル(1,2,4−オキサジアゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル)、チアジアゾリル(1,2,4−チアジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル)、トリアゾリル(1,2,4−トリアゾリル、1,2,3−トリアゾリル)、テトラゾリル、トリアジニル等の5〜8員の単環式芳香族複素環基が挙げられる。なかでも、5または6員の単環式芳香族複素環基が好ましい。
【0038】
本明細書中、「縮合芳香族複素環基」とは、上記単環式芳香族複素環基が、単環式芳香族環(好ましくは、ベンゼン環または単環式芳香族複素環)と縮合した基を意味し、例えば、キノリル、イソキノリル、キナゾリル、キノキサリル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、ベンズオキサゾリル、ベンズイソオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾトリアゾリル、インドリル、インダゾリル、ピロロピリジル、ピラゾロピリジル、イミダゾピリジル、チエノピリジル、ピロロピラジニル、ピラゾロピラジニル、イミダゾピラジニル、チエノピラジニル、ピロロピリミジニル、ピラゾロピリミジニル、イミダゾピリミジニル、チエノピリミジニル、ピラゾロチエニル等が挙げられる。
【0039】
本明細書中、「非芳香族複素環基」とは、環構成原子として炭素原子に加えて、酸素原子、硫黄原子及び窒素原子から選ばれるヘテロ原子を1〜4個含有する、芳香族性を示さない単環式または多環式(縮合)複素環基を意味する。
本明細書中、「単環式非芳香族複素環基」としては、例えば、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペラジニル、ヘキサメチレンイミニル、オキサゾリジニル、チアゾリジニル、イミダゾリジニル、オキサゾリニル、チアゾリニル、イミダゾリニル、ジオキソリル、ジオキソラニル、ジヒドロオキサジアゾリル、ピラニル、テトラヒドロピラニル、チオピラニル、テトラヒドロチオピラニル、テトラヒドロフリル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、テトラヒドロピリミジニル、ジヒドロトリアゾリル、テトラヒドロトリアゾリル(例、2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)等の3〜8員の単環式非芳香族複素環基が挙げられる。なかでも、5または6員の単環式非芳香族複素環基が好ましい。
【0040】
本明細書中、「縮合非芳香族複素環基」とは、上記単環式非芳香族複素環基が、単環式芳香族環(例えば、ベンゼン環、単環式芳香族複素環)または単環式非芳香族環(例えば、シクロアルカン、単環式非芳香族複素環)と縮合した基を意味し、例えば、ジヒドロインドリル、ジヒドロイソインドリル、ジヒドロベンゾフラニル、ジヒドロベンゾチオフェニル、ジヒドロベンゾジオキシニル、ジヒドロベンゾジオキセピニル、テトラヒドロベンゾフラニル、クロメニル、ジヒドロクロメニル、ジヒドロキノリル、テトラヒドロキノリル、ジヒドロイソキノリル、テトラヒドロイソキノリル、ジヒドロフタラジニル等が挙げられる。
【0041】
本明細書中、「環状アミノ基」とは、環構成原子として炭素原子に加えて、少なくとも1個の窒素原子を含有し、さらに酸素原子、硫黄原子及び窒素原子から選ばれるヘテロ原子を1〜4個含有してもよい、単環式または多環式(縮合)複素環基を意味する。
本明細書中、「単環式環状アミノ基」としては、ピロール−1−イル、ピラゾール−1−イル、イミダゾール−1−イル等の4〜8員の芳香族の単環式環状アミノ基;
アゼチジン−1−イル、ピロリジン−1−イル、ピペリジノ、モルホリノ、チオモルホリノ、ピペラジン−1−イル、ヘキサメチレンイミン−1−イル、オキサゾリジン−3−イル、チアゾリジン−3−イル、イミダゾリジン−1−イル、ピラゾリジン−1−イル等の4〜8員の非芳香族の単環式環状アミノ基が挙げられる。なかでも、5または6員の芳香族または非芳香族の単環式環状アミノ基が好ましい。
本明細書中、「縮合環状アミノ基」とは、上記単環式環状アミノ基が、単環式芳香族環(好ましくは、ベンゼン環または単環式芳香族複素環)と縮合した基、または該基の部分飽和により得られる基を意味し、例えば、インドール−1−イル、イソインドール−2−イル、インドリン−1−イル、イソインドリン−2−イル、テトラヒドロキノリン−1−イル、テトラヒドロイソキノリン−2−イル等が挙げられる。なかでも、ベンゼン環と縮合した5または6員の芳香族または非芳香族の単環式環状アミノ基が好ましい。
【0042】
本明細書中、「含窒素複素環」とは、環構成原子として炭素原子に加えて、少なくとも1個の窒素原子を含有し、さらに酸素原子、硫黄原子及び窒素原子から選ばれるヘテロ原子を1〜4個含有してもよい、単環式または多環式(縮合)複素環を意味する。
本明細書中、「単環式含窒素複素環」としては、ピロール、ピラゾール、イミダゾール等の4〜8員の芳香族の単環式複素環;
アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、チオモルホリン、ピペラジン、ヘキサメチレンイミン、オキサゾリジン、チアゾリジン、イミダゾリジン、ピラゾリジン等の4〜8員の非芳香族の単環式複素環が挙げられる。なかでも、5または6員の芳香族または非芳香族の単環式含窒素複素環が好ましい。
本明細書中、「縮合含窒素複素環」とは、上記単環式含窒素複素環が、単環式芳香族環(好ましくは、ベンゼン環または単環式芳香族複素環)と縮合した基、または該基の部分飽和により得られる基を意味し、例えば、インドール、イソインドール、インドリン、イソインドリン、テトラヒドロキノリン(例、1,2,3,4−テトラヒドロキノリン)、テトラヒドロイソキノリン(例、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン)、ジヒドロキナゾリン(例、3,4−ジヒドロキナゾリン)、1,1−ジオキシドジヒドロベンゾチアジアジン(例、1,1−ジオキシド−3,4−ジヒドロ−1,2,4−ベンゾチアジアジン)等が挙げられる。なかでも、ベンゼン環と縮合した5または6員の芳香族または非芳香族の単環式含窒素複素環が好ましい。
【0043】
本明細書中、「飽和炭素環」とは、環構成原子として炭素原子のみからなる、飽和の単環式または多環式(縮合)の炭素環を意味し、具体的には、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン等のC3−10シクロアルカンや、それらの縮合環(デカヒドロナフタレン等)等が挙げられる。
【0044】
本明細書中、「飽和含窒素複素環」としては、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、チオモルホリン、ピペラジン、ヘキサメチレンイミン、オキサゾリジン、チアゾリジン、イミダゾリジン、ピラゾリジン等の4〜8員の飽和の単環式含窒素複素環が挙げられる。
【0045】
本明細書中、「置換されていてもよいC1−6アルキル基」、「置換されていてもよいフェニル基」、「置換されていてもよいベンゼン環」、「置換されていてもよい炭化水素基」、「置換されていてもよい複素環基」、「置換されていてもよい含窒素複素環」、「置換されていてもよい飽和炭素環」および「置換されていてもよい含窒素複素環」の「置換基」としては、以下の置換基Aが挙げられる。
[置換基A]
1−6アルキル基、C2−6アルケニル基、C2−6アルキニル基、C3−8シクロアルキル基、C3−8シクロアルケニル基、C4−8シクロアルカジエニル基、C6−14アリール基、C7−16アラルキル基、複素環基;
ヒドロキシ基、C1−6アルコキシ基(C1−6アルキルオキシ基)、C2−6アルケニルオキシ基、C2−6アルキニルオキシ基、C3−8シクロアルキルオキシ基、C3−8シクロアルケニルオキシ基、C4−8シクロアルカジエニルオキシ基、C6−14アリールオキシ基、C7−16アラルキルオキシ基、複素環オキシ基;
ホルミル基、C1−6アルキル−カルボニル基、C2−6アルケニル−カルボニル基、C2−6アルキニル−カルボニル基、C3−8シクロアルキル−カルボニル基、C3−8シクロアルケニル−カルボニル基、C4−8シクロアルカジエニル−カルボニル基、C6−14アリール−カルボニル基、C7−16アラルキル−カルボニル基、複素環カルボニル基;
カルボキシ基、C1−6アルコキシ(C1−6アルキルオキシ)−カルボニル基、C2−6アルケニルオキシ−カルボニル基、C2−6アルキニルオキシ−カルボニル基、C3−8シクロアルキルオキシ−カルボニル基、C3−8シクロアルケニルオキシ−カルボニル基、C4−8シクロアルカジエニルオキシ−カルボニル基、C6−14アリールオキシ−カルボニル基、C7−16アラルキルオキシ−カルボニル基、複素環オキシカルボニル基;
1−6アルキル−カルボニルオキシ基、C2−6アルケニル−カルボニルオキシ基、C2−6アルキニル−カルボニルオキシ基、C3−8シクロアルキル−カルボニルオキシ基、C3−8シクロアルケニル−カルボニルオキシ基、C4−8シクロアルカジエニル−カルボニルオキシ基、C6−14アリール−カルボニルオキシ基、C7−16アラルキル−カルボニルオキシ基、複素環カルボニルオキシ基;
スルファニル基、C1−6アルキルスルファニル基、C2−6アルケニルスルファニル基、C2−6アルキニルスルファニル基、C3−8シクロアルキルスルファニル基、C3−8シクロアルケニルスルファニル基、C4−8シクロアルカジエニルスルファニル基、C6−14アリールスルファニル基、C7−16アラルキルスルファニル基、複素環スルファニル基;
スルフィノ基、C1−6アルキルスルフィニル基、C2−6アルケニルスルフィニル基、C2−6アルキニルスルフィニル基、C3−8シクロアルキルスルフィニル基、C3−8シクロアルケニルスルフィニル基、C4−8シクロアルカジエニルスルフィニル基、C6−14アリールスルフィニル基、C7−16アラルキルスルフィニル基、複素環スルフィニル基;
スルホ基、C1−6アルキルスルホニル基、C2−6アルケニルスルホニル基、C2−6アルキニルスルホニル基、C3−8シクロアルキルスルホニル基、C3−8シクロアルケニルスルホニル基、C4−8シクロアルカジエニルスルホニル基、C6−14アリールスルホニル基、C7−16アラルキルスルホニル基、複素環スルホニル基;
1−6アルキルスルホニルオキシ基、C2−6アルケニルスルホニルオキシ基、C2−6アルキニルスルホニルオキシ基、C3−8シクロアルキルスルホニルオキシ基、C3−8シクロアルケニルスルホニルオキシ基、C4−8シクロアルカジエニルスルホニルオキシ基、C6−14アリールスルホニルオキシ基、C7−16アラルキルスルホニルオキシ基、複素環スルホニルオキシ基;
アミノ基、モノまたはジ−C1−6アルキルアミノ基、モノまたはジ−C2−6アルケニルアミノ基、モノまたはジ−C2−6アルキニルアミノ基、モノまたはジ−C3−8シクロアルキルアミノ基、モノまたはジ−C3−8シクロアルケニルアミノ基、モノまたはジ−C4−8シクロアルカジエニルアミノ基、モノまたはジ−C6−14アリールアミノ基、モノまたはジ−C7−16アラルキルアミノ基、モノまたはジ−複素環アミノ基;
カルバモイル基、モノまたはジ−C1−6アルキルカルバモイル基、モノまたはジ−C2−6アルケニルカルバモイル基、モノまたはジ−C2−6アルキニルカルバモイル基、モノまたはジ−C3−8シクロアルキルカルバモイル基、モノまたはジ−C3−8シクロアルケニルカルバモイル基、モノまたはジ−C4−8シクロアルカジエニルカルバモイル基、モノまたはジ−C6−14アリールカルバモイル基、モノまたはジ−C7−16アラルキルカルバモイル基、モノまたはジ−複素環カルバモイル基;
チオカルバモイル基、モノまたはジ−C1−6アルキルチオカルバモイル基、モノまたはジ−C2−6アルケニルチオカルバモイル基、モノまたはジ−C2−6アルキニルチオカルバモイル基、モノまたはジ−C3−8シクロアルキルチオカルバモイル基、モノまたはジ−C3−8シクロアルケニルチオカルバモイル基、モノまたはジ−C4−8シクロアルカジエニルチオカルバモイル基、モノまたはジ−C6−14アリールチオカルバモイル基、モノまたはジ−C7−16アラルキルチオカルバモイル基、モノまたはジ−複素環チオカルバモイル基;
ハロゲン原子;
シアノ基;
ニトロ基;
オキソ基;
チオキソ基;
1−3アルレンジオキシ基;
等が挙げられる。置換基の数は、置換可能な数であれば特に限定されないが、好ましくは1〜5個、より好ましくは1〜3個である。複数の置換基が存在する場合、各置換基は、同一でも異なっていてもよい。上記の置換基は、置換基Aでさらに置換されていてもよい。
【0046】
以下、式の各置換基について説明する。
nは1または2を示す。
【0047】
およびRは独立して、水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよいC1−8アルキル基、または置換されていてもよいフェニル基を示すか、あるいは、RとRとが結合しているCH−CHと一緒になって、置換されていてもよいベンゼン環を形成していてもよい。
好ましくは、RとRとが結合しているCH−CHと一緒になって、置換されていてもよいベンゼン環を形成する。
より好ましくは、RとRとが結合しているCH−CHと一緒になって、ハロゲン原子、C1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基およびC1−3アルレンジオキシ基から選択される置換基で置換されていてもよいベンゼン環を形成する。
【0048】
Arは、置換されていてもよいフェニル基を示す。
Arは、好ましくは、
(1)ハロゲン原子(好ましくは、臭素原子)、および
(2)(i)ハロゲン原子(好ましくは、フッ素原子)、および
(ii)C1−6アルキル基(好ましくは、イソプロピル)でモノまたはジ置換されていてもよいアミノ基
から選択される置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル基(好ましくは、メチル)
から選択される置換基で置換されていてもよいフェニル基である。
Arは、より好ましくは、ハロゲン原子(好ましくは、フッ素原子)で置換されたC1−6アルキル基(好ましくは、メチル)で置換されたフェニル基である。
【0049】
は、置換されていてもよい炭化水素基、または置換されていてもよい複素環基を示す。
は、好ましくは、置換されていてもよいC6−14アリール基(好ましくは、フェニル)である。
は、より好ましくは、
(1)ハロゲン原子(好ましくは、フッ素原子)で置換されていてもよいC1−6アルキル基(好ましくは、メチル)、
(2)C1−6アルコキシ基(好ましくは、メトキシ)、および
(3)ニトロ基
から選択される置換基で置換されていてもよいC6−10アリール基(好ましくは、フェニル)である。
は、さらに好ましくは、
(1)ハロゲン原子(好ましくは、フッ素原子)で置換されていてもよいC1−6アルキル基(好ましくは、メチル)、および
(2)C1−6アルコキシ基(好ましくは、メトキシ)
から選択される置換基で置換されていてもよいC6−10アリール基(好ましくは、フェニル)である。
は、さらにより好ましくは、
(1)ハロゲン原子(好ましくは、フッ素原子)で置換されていてもよいC1−4アルキル基(好ましくは、メチル)、および
(2)C1−4アルコキシ基(好ましくは、メトキシ)
から選択される置換基で置換されていてもよいフェニル基である。
【0050】
Yは、酸素原子、硫黄原子またはNR(式中、Rは、水素原子、置換されていてもよい炭化水素基、または置換されていてもよい複素環基を示すか、あるいは、N=CNHRと一緒になって、置換されていてもよい含窒素複素環を形成してもよい。)を示す。
Yは、好ましくは、酸素原子、硫黄原子またはNR(式中、Rは、N=CNHRと一緒になって、置換されていてもよい含窒素複素環(好ましくは、ジヒドロキナゾリン、1,1−ジオキシドジヒドロベンゾチアジアジン)を形成する。)である。
Yは、さらに好ましくは、酸素原子、硫黄原子またはNR(式中、Rは、N=CNHRと一緒になって、オキソ基で置換されていてもよい、ベンゼン環と縮合した5または6員の芳香族または非芳香族の単環式含窒素複素環(好ましくは、ジヒドロキナゾリン、1,1−ジオキシドジヒドロベンゾチアジアジン)を形成する。)である。
Yは、さらにより好ましくは、酸素原子、硫黄原子またはNR(式中、Rは、N=CNHRと一緒になって、4−オキソ−1,4−ジヒドロキナゾリン、または1,1−ジオキシド−3,4−ジヒドロ−1,2,4−ベンゾチアジアジンを形成する。)である。
Yは、特に好ましくは、酸素原子、硫黄原子またはNR(式中、Rは、N=CNHRと一緒になって、1,1−ジオキシド−3,4−ジヒドロ−1,2,4−ベンゾチアジアジンを形成する。)である。
【0051】
、R、RおよびRは独立して、置換されていてもよい炭化水素基、または置換されていてもよい複素環基を示すか、RとRとが結合しているCH−CHと一緒になって、置換されていてもよい飽和炭素環を形成してもよく、RとRとが結合しているCH−Nと一緒になって、置換されていてもよい飽和含窒素複素環を形成してもよく、RとRとが結合しているCH−Nと一緒になって、置換されていてもよい飽和含窒素複素環を形成してもよく、RとRとが結合している窒素原子と一緒になって、置換されていてもよい飽和含窒素複素環を形成してもよい。
好ましくは、RおよびRは独立して、置換されていてもよいC6−10アリール基(好ましくは、フェニル)、または置換されていてもよい縮合芳香族複素環基(好ましくは、キノリル)であり、
およびRは独立して、置換されていてもよいC1−6アルキル基(好ましくは、メチル、エチル)であるか、あるいは、
とRとが結合しているCH−CHと一緒になって、置換されていてもよいC3−10シクロアルカン(好ましくは、シクロヘキサン)を形成し、
とRとが結合しているCH−Nと一緒になって、置換されていてもよい4〜8員の飽和含窒素複素環(好ましくは、ピペリジン)を形成し、
とRとが結合しているCH−Nと一緒になって、置換されていてもよい4〜8員の飽和含窒素複素環(好ましくは、ピペリジン)を形成し、
とRとが結合している窒素原子と一緒になって、置換されていてもよい4〜8員の飽和含窒素複素環(好ましくは、ピロリジン、ピペリジン)を形成する。
より好ましくは、RおよびRは独立して、C6−10アリール基(好ましくは、フェニル)、またはC1−6アルコキシ基(好ましくは、メトキシ)で置換されていてもよい縮合芳香族複素環基(好ましくは、キノリル)であり、
およびRは独立して
(1)ヒドロキシ基、および
(2)C1−6アルキル基(好ましくは、メチル)でモノまたはジ置換されていてもよいアミノ基
から選択される置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル基(好ましくは、メチル、エチル)であるか、あるいは、
とRとが結合しているCH−CHと一緒になって、C3−10シクロアルカン(好ましくは、シクロヘキサン)を形成し、
とRとが結合しているCH−Nと一緒になって、C1−6アルキル基(好ましくは、エチル)で置換されていてもよい4〜8員の飽和含窒素複素環(好ましくは、ピペリジン)を形成し、
とRとが結合しているCH−Nと一緒になって、C1−6アルキル基(好ましくは、エチル)で置換されていてもよい4〜8員の飽和含窒素複素環(好ましくは、ピペリジン)を形成し、
とRとが結合している窒素原子と一緒になって、4〜8員の飽和含窒素複素環(好ましくは、ピロリジン、ピペリジン)を形成する。
特に好ましくは、RおよびRは独立して、C1−6アルキル基(好ましくは、メチル)であり、かつ、
とRとが結合しているCH−CHと一緒になって、C3−10シクロアルカン(好ましくは、シクロヘキサン)を形成する。
【0052】
Arは、2位がCH−NRで置換されたフェニル基を示す。
およびRは独立して、C1−8アルキル基を示すか、あるいは、RとRとが結合している窒素原子と一緒になって、置換されていてもよい飽和含窒素複素環を形成してもよい。
およびRは、好ましくは、独立して、C1−6アルキル基(好ましくは、メチル、イソプロピル)であるか、あるいはRとRとが結合している窒素原子と一緒になって、C1−6アルキル基(好ましくは、メチル)で置換されていてもよい4〜8員の飽和含窒素複素環(好ましくは、ピペリジン)を形成する。
およびRは、より好ましくは、独立して、C1−6アルキル基(好ましくは、イソプロピル)である。
Arは、好ましくは、2位がCH−NR(式中、RおよびRは独立して、C1−6アルキル基(好ましくは、メチル、イソプロピル)であるか、あるいはRとRとが結合している窒素原子と一緒になって、C1−6アルキル基(好ましくは、メチル)で置換されていてもよい4〜8員の飽和含窒素複素環(好ましくは、ピペリジン)を形成する。)で置換されたフェニル基である。
Arは、より好ましくは、2位がCH−NR(式中、RおよびRは独立して、C1−6アルキル基(好ましくは、イソプロピル)である。)で置換されたフェニル基である。
【0053】
本発明の製造方法では、化合物(1)を、化合物(3)および水素結合供与部位を分子内に有する3級アミン化合物の存在下、化合物(2)に転換する(分子内マイケル付加反応)。
【0054】
「水素結合供与部位を分子内に有する3級アミン化合物」中の水素結合供与部位は特に制限はないが、例えば、
【0055】
【化9】
【0056】
(式中の各記号は前記と同義である。)で表される部分構造が挙げられる。
【0057】
好適な部分構造としては、
【0058】
【化10】
【0059】
等が挙げられる。なかでも、収率の点から、
【0060】
【化11】
【0061】
が好ましい。
【0062】
好適な「水素結合供与部位を分子内に有する3級アミン化合物」としては、化合物(4)が挙げられる。その具体例としては、
【0063】
【化12】
【0064】
等が挙げられる。なかでも、収率の点から、
【0065】
【化13】
【0066】
が好ましい。
【0067】
上記の「水素結合供与部位を分子内に有する3級アミン化合物」が不斉触媒であると、化合物(2)は光学活性化合物として得られる。
【0068】
このような光学活性な「水素結合供与部位を分子内に有する3級アミン化合物」の具体例としては、
【0069】
【化14】
【0070】
等が挙げられる。なかでも、収率の点から、
【0071】
【化15】
【0072】
が好ましい。
例えば、不斉触媒として、
【0073】
【化16】
【0074】
を使用した場合、S体の化合物(2)、即ち、
【0075】
【化17】
【0076】
が得られる。
【0077】
分子内マイケル付加反応において、上記3級アミン化合物の使用量は、収率および経済性の点から、化合物(1)に対して、通常1〜50モル%、好ましくは5〜30モル%である。
【0078】
化合物(3)としては、例えば、
【0079】
【化18】
【0080】
のボロン酸触媒等が挙げられる。なかでも、収率の点から、
【0081】
【化19】
【0082】
が好ましい。
化合物(3)の使用量は、収率および経済性の点から、化合物(1)に対して、通常1〜50モル%、好ましくは5〜30モル%である。
【0083】
分子内マイケル付加反応は、必要により、モレキュラーシーブ、酸化アルミニウム、シリカゲル等の添加剤の存在下で行ってもよい。
添加剤の使用量は、収率および経済性の点から、化合物(1)に対して、通常10〜1000重量%、好ましくは100〜700重量%である。
【0084】
分子内マイケル付加反応は、好ましくは溶媒の存在下で行われる。当該反応で使用される溶媒としては、芳香族炭化水素溶媒(例、トルエン、ベンゼン、キシレン);ハロゲン化炭化水素溶媒(例、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、四塩化炭素);エーテル溶媒(例、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、シクロペンチルメチルエーテル、メチルtert-ブチルエーテル);ニトリル溶媒(例、アセトニトリル);アミド溶媒(例、N,N−ジメチルホルムアミド)、およびこれらの混合溶媒等が挙げられる。なかでも、化合物(1)の種類にもよるが、反応性・選択性の点から、ハロゲン化炭化水素溶媒、芳香族炭化水素溶媒、エーテル溶媒が好ましく、特にジクロロエタン、メチルtert-ブチルエーテル、四塩化炭素及びそれらの混合物が好ましい。
分子内マイケル付加反応は、通常、化合物(1)、化合物(3)、上記3級アミン化合物および溶媒を混合する方法により行われる。
分子内マイケル付加反応は、化合物(1)、化合物(3)および上記3級アミン化合物の種類にもよるが、好ましくは−20〜60℃の範囲内、より好ましくは0〜30℃の範囲内で行われる。
また、その反応時間は、化合物(1)、化合物(3)および上記3級アミン化合物の種類、および反応温度にもよるが、好ましくは0.5〜130時間、より好ましくは10〜120時間である。
反応の進行度合いは、薄層クロマトグラフィー、ガスクロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー等の分析手段により確認することができる。
【0085】
分子内マイケル付加反応は化合物(3a)の存在下で行うこともできる。即ち、化合物(1)を、化合物(3a)の存在下、化合物(2)に転換する。
【0086】
化合物(3a)としては、例えば、
【0087】
【化20】
【0088】
等が挙げられる。なかでも、収率の点から、
【0089】
【化21】
【0090】
が好ましい。
化合物(3a)の使用量は、収率および経済性の点から、化合物(1)に対して、通常1〜50モル%、好ましくは5〜20モル%である。
【0091】
分子内マイケル付加反応は、好ましくは溶媒の存在下で行われる。当該反応で使用される溶媒としては、芳香族炭化水素溶媒(例、トルエン、ベンゼン、キシレン);ハロゲン化炭化水素溶媒(例、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、四塩化炭素);エーテル溶媒(例、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、シクロペンチルメチルエーテル、メチルtert-ブチルエーテル);ニトリル溶媒(例、アセトニトリル);アミド溶媒(例、N,N−ジメチルホルムアミド)、およびこれらの混合溶媒等が挙げられる。なかでも、化合物(1)の種類にもよるが、反応性・選択性の点から、ハロゲン化炭化水素溶媒、ニトリル溶媒が好ましく、ジクロロエタン、アセトニトリルがより好ましく、特にアセトニトリルが好ましい。
分子内マイケル付加反応は、通常、化合物(1)、化合物(3a)および溶媒を混合する方法により行われる。
分子内マイケル付加反応は、化合物(1)および化合物(3a)の種類にもよるが、好ましくは10〜130℃の範囲内、より好ましくは10〜120℃の範囲内で行われる。
また、その反応時間は、化合物(1)および化合物(3a)の種類、および反応温度にもよるが、好ましくは0.5〜72時間、より好ましくは1〜30時間である。
反応の進行度合いは、薄層クロマトグラフィー、ガスクロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー等の分析手段により確認することができる。
【0092】
分子内マイケル付加反応の原料として使用する化合物(1)は、市販品を使用してもよく、あるいは自体公知の方法により製造してもよい。
【0093】
とRとが結合しているCH−CHと一緒になって、置換されていてもよいベンゼン環を形成する化合物は、以下の方法により製造できる(化合物(1a))。
【0094】
【化22】
【0095】
(式中の各記号は前記と同義である。)
【0096】
また、化合物(1a)は以下の方法により製造することもできる。
【0097】
【化23】
【0098】
(式中の各記号は前記と同義である。)
化合物(3)および化合物(3a)は、市販品を使用してもよく、あるいは自体公知の方法により製造してもよい。
【0099】
このようにして得られた反応混合物に含まれる化合物(2)の単離は、反応混合物を常法による後処理(例えば、中和、抽出、水洗、蒸留、結晶化等)に付すことにより行うことができる。またその精製は化合物(2)を再結晶処理、抽出精製処理、蒸留処理、活性炭、シリカ、アルミナ等の吸着処理、シリカゲルカラムクロマトグラフィー等のクロマトグラフィー処理に付すことより行うことができる。
【0100】
このような分子内マイケル付加反応によれば、化合物(2)を50%以上の収率で得ることができる。また、光学活性な「水素結合供与部位を分子内に有する3級アミン化合物」を不斉触媒として使用することにより、光学活性な化合物(2)を得ることができる。
【実施例】
【0101】
以下、本発明について、実施例を挙げてさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
特段の断りがない限り、全ての非水系の反応は、アルゴン雰囲気下、乾燥ガラス容器で行った。溶媒と原料は市販品を精製することなく使用した。カラムクロマトグラフィーはCicaシリカゲル60(230-400 mesh)またはFuji Silysiaシリカゲル(NH, 100-200 mesh)で行い、ゲル浸透クロマトグラフィーはLC-9201で行い、フラッシュカラムクロマトグラフィーはCicaシリカゲル60(spherical/40-100μm)で行った。反応とクロマトグラフィーフラクションはプレコートシリカゲルプレート(Merck Silica Gel 60 F254)を用いて分析した。全ての融点は、BUCHI M-565融点測定装置で測定し、補正はしなかった。IRスペクトルはJASCO FT/IR-4100で測定した。特段の断りがない限り、NMRスペクトルはCDCl3で測定した。1H NMR (500 or 400 MHz)スペクトルは、JEOL ECP-500またはECS-400スペクトルメーターで測定し、化学シフトは内部標準としてTMS(CDCl3中)に対するδ (ppm)で記録した。13C NMR (126 or 100 MHz) スペクトルもまた、JEOL ECP-500またはECS-400スペクトルメーターで測定し、残存するCHCl3シグナルを参照した。1H NMR多重度は次のように報告した: br = broad; m = multiplet; s = singlet; d = doublet; t = triplet; q = quartet; sep = septet。低分解能質量スペクトルは、JMS-HX/HX 110AまたはMS700質量スペクトルメーターで測定した。高分解能質量スペクトルは、JMS-HX/MS700 (FAB)またはESIを装着したShimazu LCMS-IT-TOFで測定した。旋光度は、1cm路長のJASCO P-2200旋光計で測定した。濃度は100 mLに対するグラムとした。[α]D 値は、10−1 deg cm2/gで測定した。エナンチオマー過剰率は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)分析で決定した。特段の断りがない限り、全ての原料および溶媒はTokyo Kasei Co.、Aldrich Inc.及び他の業者から入手し、精製せずに使用した。入手できない基質は、以下に示すように、文献の方法に従って調製した。
【0102】
参考例1
(E)−5−(2−ヒドロキシフェニル)ペンタ−2−エン酸
【0103】
【化24】
【0104】
クロマン−2−オール(730mg,4.80mmol)のトルエン(40ml)溶液に、tert−ブチル 2−(トリフェニルホスホラニリデン)アセテート(2.89g,7.67mmol)を室温で加え、混合物を室温で5時間撹拌した。混合物に、tert−ブチル 2−(トリフェニルホスホラニリデン)アセテート(367mg,0.96mmol)のトルエン(10mL)溶液を加え、1時間撹拌後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc=6:1)で精製して、tert−ブチル (E)−5−(2−ヒドロキシフェニル)ペンタ−2−エノエート(918mg,76%,無色油状物)を得た。
1H NMR (CDCl3) δ: 7.14-7.06 (m, 2H), 6.94 (dt, J = 15.5, 6.9 Hz, 1H), 6.87 (dd, J = 7.4, 7.4 Hz, 1H), 6.74 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 5.80 (d, J = 15.5 Hz, 1H), 4.98 (s, 1H), 2.76 (t, J = 7.7 Hz, 2H), 2.54-2.46 (m, 2H), 1.48 (s, 9H) ppm; 13C NMR (CDCl3) δ: 166.3, 153.5, 147.4, 130.2, 127.4, 127.3, 123.3, 120.9, 115.2, 80.2, 32.2, 28.8, 28.2 ppm; IR (ATR): 3398, 3018, 2981, 1688 cm-1; HRMS (ESI): calcd. for C15H20O3Na [M+Na]+271.1305, found 271.1306.
【0105】
上記で得られたtert−ブチル (E)−5−(2−ヒドロキシフェニル)ペンタ−2−エノエート(918mg,3.70mmol)のDCM(10mL)溶液に、0℃でTFA(3mL)を滴下した。2.5時間撹拌した後、反応混合物を室温に戻し、減圧濃縮した。残渣にヘキサンを加え、溶媒を40℃で留去して、残存するTFAを除去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc=1:1)で精製して、(E)−5−(2−ヒドロキシフェニル)ペンタ−2−エン酸(711mg,quant.)を得た。:mp116-117℃(EtOAc:ヘキサン)
1H NMR (acetone-d6) δ: 10.46 (br s, 1H), 8.22 (s, 1H), 7.12 (d, J = 7.4 Hz, 1H), 7.05-6.97 (m, 2H), 6.84 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 6.77 (dd, J = 7.4, 7.4 Hz, 1H), 5.83 (dt, J = 15.7, 1.4 Hz, 1H), 2.79 (t, J = 7.7 Hz, 2H), 2.57-2.52 (m, 2H) ppm; 13C NMR (acetone-d6) δ: 167.4, 155.9, 149.9, 130.9, 128.1, 122.3, 120.4, 115.9, 32.9, 29.6, 29.3 ppm; IR (ATR):3331, 2945, 2861, 1667, 1626 cm-1; HRMS (ESI): calcd. for C11H12O3Na [M+Na]+ 215.0679, found 215.0671.
参考例2
(E)−4−(2−ヒドロキシフェニル)ブタ−2−エン酸
【0106】
【化25】
【0107】
2−アリルフェノール(0.26mL,2.0mmol)のEtO(30mL)溶液に、撹拌下、tert−ブチルアクリレート(0.73mL,5.0mmol)、ヨウ化銅(6.7mg,0.04mmol)およびGrubbs 2nd触媒(34mg,0.04mmol)を室温で加え、混合物を40℃まで加温した。19時間撹拌後、反応混合物を減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc=30:1→4:1)で精製して、tert−ブチル (E)−4−(2−ヒドロキシフェニル)ブタ−2−エノエート(430mg,92%)を得た。白色固体;mp64-66℃(EtOAc:ヘキサン)
1H NMR (CDCl3) δ: 7.15-7.07 (m, 2H), 7.04 (dt, J = 15.7, 6.4 Hz, 1H), 6.88 (dd, J = 7.4, 7.4 Hz, 1H), 6.77 (d, J = 7.4 Hz, 1H), 5.73 (dt, J = 15.7, 1.6 Hz, 1H), 5.02 (s, 1H), 3.50 (dd, J = 6.6, 1.6 Hz, 2H), 1.46 (s, 9H) ppm; 13C NMR (CDCl3) δ: 166.8, 154.0, 146.3, 130.6, 128.0, 124.3, 123.4, 120.6, 115.4, 80.6, 33.1, 28.1 ppm; IR (ATR): 3308, 2986, 1676, 1641 cm-1; HRMS (ESI): calcd. for C14H18O3Na [M+Na]+ 257.1148, found 257.1143.
【0108】
上記で得られたtert−ブチル (E)−4−(2−ヒドロキシフェニル)ブタ−2−エノエート(830mg,3.54mmol)のDCM(5mL)溶液に、撹拌下、TFA(5mL)を0℃で滴下した。1時間撹拌後、反応混合物を室温に戻し、さらに4時間撹拌後、減圧濃縮した。残渣にヘキサンを加え、40℃で溶媒留去して、残留するTFAを除去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:AcOEt=1:1)で精製して、(E)−4−(2−ヒドロキシフェニル)ブタ−2−エン酸(612mg,97%)を得た。白色固体;mp107-108℃(EtOAc:ヘキサン)
1H NMR (acetone-d6) δ: 7.15-7.04 (m, 3H), 6.88 (d, J= 8.0 Hz, 1H), 6.83-6.75 (m, 1H), 5.80 (d, J = 14.3 Hz, 1H), 3.55 (d, J= 6.9 Hz, 2H) ppm; 13C NMR (acetone-d6) δ: 167.5, 155.9, 148.5, 131.1, 128.7, 125.4, 122.4, 120.6, 116.0, 33.4 ppm; IR (ATR): 3403, 2981, 2922, 1671, 1638 cm-1; HRMS (ESI): calcd. for C10H9O3 [M-H]-177.0557, found 177.0550.
【0109】
以下の実施例で使用するボロン酸触媒およびアミン触媒を以下に示す。
【0110】
【化26】
【0111】
【化27】
【0112】
実施例1
【0113】
【化28】
【0114】
参考例1で得られた化合物(1)(19.2mg,0.1mmol)の表1に示す溶媒(1mL)の溶液に、ボロン酸触媒(3a)(5.2mg,20mol%、0.02mmol)、アミン触媒(4a−4e)(20mol%、0.02mmol)およびモレキュラーシーブ4A(100mg)を室温で加えた。混合物を表1に示す時間撹拌した後、減圧濃縮した。収率はH−NMRにより求めた。エナンチオマー過剰率(ee)は、化合物(2)をTMSCHNで処理してメチルエステル化を行った後に測定した。その結果を表1に示す。
【0115】
【表1】
【0116】
【化29】
【0117】
(S)−2−(クロマン−2−イル)酢酸
白色固体; mp 89-90℃(MeCN);
[α]26D +74.0 (c 1.56, CHCl3, for 93% ee);
1H NMR (acetone-d6) δ: 7.06-7.00 (m, 2H), 6.80 (dd, J = 7.4, 7.4 Hz, 1H), 6.57 (dd, J = 7.2, 2.0 Hz, 1H), 4.33-4.25 (m, 1H), 2.81-2.68 (m, 1H), 2.67-2.49 (m, 3H), 2.03-1.95 (m, 1H), 1.70-1.56 (m, 1H) ppm;
13C NMR (acetone-d6) δ: 171.9, 155.5, 130.4, 127.9, 122.7, 120.9, 117.3, 73.5, 40.7, 27.7, 25.1 ppm;
IR (ATR): 3040, 2927, 1696 cm-1;
HRMS (ESI): calcd. for C11H12NO3Na [M+Na]+ 215.0679, found 215.0675;
HPLC [Chiralpak OJ-3, ヘキサン/2-propanol = 98/2, 1.0 mL/min, λ = 254 nm, retention times: (major) 10.0 min (minor) 11.4 min].
【0118】
実施例2
【0119】
【化30】
【0120】
参考例1〜2と同様の方法により合成した化合物(1)(0.1mmol)の表2に示す溶媒(1mL)の溶液に、ボロン酸触媒(3a)(5.2mg,20mol%、0.02mmol)、アミン触媒(4e)(6.4mg,20mol%、0.02mmol)およびモレキュラーシーブ4A(100mg)を表2に示す温度で加えた。混合物を表2に示す時間撹拌した後、減圧濃縮し、カラムクロマトグラフィーで精製して、化合物(2)を得た。エナンチオマー過剰率(ee)は、化合物(2)をTMSCHNで処理してメチルエステル化を行った後に測定した。その結果を表2に示す。
【0121】
【表2】
【0122】
【化31】
【0123】
(S)−2−(2,3−ジヒドロベンゾフラン−2−イル)酢酸
白色固体; mp 83-84℃(MeCN);
[α]26D +36.8 (c 0.69, CHCl3, for 84% ee);
1H NMR (acetone-d6) δ: 7.18 (d, J = 7.4 Hz, 1H), 7.08 (dd, J = 6.9, 6.9 Hz, 1H), 6.81 (dd, J = 7.4, 1.1 Hz, 1H), 6.70 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 5.16-5.09 (m, 1H), 3.38-3.42 (m, 1H), 2.95-2.99 (m, 1H), 2.75-2.80 (m, 2H) ppm;
13C NMR (acetone-d6) δ: 171.8, 160.1, 128.7, 127.6, 125.9, 121.2, 109.9, 80.0, 40.9, 35.8 ppm;
IR (ATR): 3049, 2962, 2923, 2856, 1703 cm-1;
HRMS (ESI): calcd. for C10H10O3Na [M+Na]+ 201.0522, found 201.0520;
HPLC [Chiralpak IB, ヘキサン/2-propanol = 95/5, 1.0 mL/min, λ = 254 nm, retention times: (major) 6.2 min (minor) 6.8 min].
【0124】
【化32】
【0125】
(S)−2−(5−ブロモ−2,3−ジヒドロベンゾフラン−2−イル)酢酸
白色固体; mp 132-133℃(MeCN);
[α]26D +43.5 (c 1.2, CHCl3, for 78% ee);
1H NMR (CDCl3) δ: 7.27 (1H, s), 7.22 (1H, d, J = 8.0 Hz), 6.67 (1H, d, J = 8.0 Hz), 5.22-5.16 (1H, m), 3.45-3.41 (1H, m), 2.95-2.92 (2H, m), 2.76-2.73 (1H, m) ppm;
13C NMR (CDCl3) δ: 175.7, 158.0, 131.0, 128.4, 127.9, 112.5, 111.1, 78.9, 40.2, 35.1 ppm;
IR (ATR): 2922, 1704 cm-1;
HRMS (ESI): calcd. for C10H8BrO3[M-H]- 254.9662, found 254.9658.;
HPLC [Chiralpak IC, ヘキサン/2-propanol = 98/2, 1.0 mL/min, λ = 254 nm, retention times: (major) 8.6 min (minor) 9.9 min].
【0126】
【化33】
【0127】
(S)−2−(6−ブロモクロマン−2−イル)酢酸
白色固体; mp 138-139℃(MeCN);
[α]26D +77.5 (c 0.98, CHCl3, for 94% ee);
1H NMR (CDCl3) δ: 7.18-7.16 (2H, m), 6.69 (1H, d, J = 9.2 Hz), 4.47-4.43 (1H, m), 2.89-2.83 (2H, m), 2.75 (1H, dd, J = 11.7, 8.3 Hz), 2.67 (1H, dd, J = 15.8, 5.7 Hz), 2.11-2.09 (1H, m), 1.83-1.76 (1H, m) ppm;
13C NMR (CDCl3) δ: 176.3, 153.3, 132.0, 130.2, 123.6, 118.6, 112.4, 72.1 40.1, 26.2, 24.2 ppm;
IR (ATR): 2924, 1711 cm-1;
HRMS (ESI): calcd. for C11H10BrO3[M-H]- 268.9819, found 268.9814;
HPLC [Chiralpak IA, ヘキサン/2-propanol = 99/1, 0.2 mL/min, λ = 254 nm, retention times: (major) 43.2 min (minor) 47.1 min].
【0128】
【化34】
【0129】
(S)−2−(6−メチルクロマン−2−イル)酢酸
白色固体; mp 120-121℃(MeCN);
[α]26D +58.9 (c 0.58, CHCl3, for 93% ee);
1H NMR (CDCl3) δ: 6.89 (1H, d, J= 8.3 Hz), 6.86 (1H, s), 6.71 (1H, d, J = 8.3 Hz), 4.45-4.42 (1H, m), 2.88-2.83 (2H, m), 2.74-2.71 (1H, m), 2.68-2.65 (1H, m), 2.24 (3H, s), 2.11-2.08 (1H, m), 1.82-1.80 (1H, m) ppm;
13C NMR (CDCl3) δ: 176.5, 151.9, 129.8, 129.7, 127.9, 121.1, 116.6, 71.9, 40.3, 27.2, 24.3, 20.5 ppm;
IR (ATR): 2924, 1713 cm-1;
HRMS (ESI): calcd. for C12H13O3[M-H]- 205.0870, found 205.0870;
HPLC [Chiralpak IC, ヘキサン/2-propanol = 98/2, 1.0 mL/min, λ = 254 nm, retention times: (major) 10.6 min (minor) 11.8 min].
【0130】
【化35】
【0131】
(S)−2−(6−メトキシクロマン−2−イル)酢酸
白色固体; mp 108-109℃(MeCN);
[α]25D +76.1 (c 0.74, CHCl3, for 93% ee);
1H NMR (CDCl3) δ: 6.74 (1H, d, J= 9.0 Hz), 6.67 (1H, dd, J = 9.0, 2.7 Hz), 6.59 (1H, d, J = 2.7 Hz), 4.44-4.40 (1H, m), 3.74 (3H, s), 2.89-2.81 (2H, m), 2.77-2.72 (1H, m), 2.69-2.64 (1H, m), 2.12-2.07 (1H, m), 1.83-1.77 (1H, m) ppm;
13C NMR (CDCl3) δ: 176.5, 153.4, 148.3, 122.0, 117.4, 113.9, 113.3, 71.8, 55.7, 40.2, 27.1, 24.6 ppm;
IR (ATR): 2933, 1713 cm-1;
HRMS (ESI): calcd. for C12H13O4[M-H]- 221.0819, found 221.08221;
HPLC [Chiralpak IC, ヘキサン/2-propanol = 98/2, 1.0 mL/min, λ = 254 nm, retention times: (major) 10.6 min (minor) 11.8 min].
【0132】
【化36】
【0133】
(S)−2−(7−メトキシクロマン−2−イル)酢酸
白色固体; mp 62-64℃;
[α]25D +89.2 (c 0.89, CHCl3, for 96% ee);
1H NMR (CDCl3) δ: 6.94 (1H, d, J= 8.3 Hz), 6.46 (1H, dd, J = 8.3, 2.6 Hz), 6.38 (1H, d, J = 2.6 Hz), 4.49-4.45 (1H, m), 3.76 (3H, s), 2.86-2.79 (2H, m), 2.73-2.65 (2H, m), 2.11-2.07 (1H, m), 1.82-1.78 (1H, m) ppm;
13C NMR (CDCl3) δ: 176.3, 159.0, 154.9, 129.9, 113.5, 107.6, 101.4, 72.1, 55.3, 40.2, 27.2, 23.6 ppm;
IR (ATR): 2932, 1711 cm-1;
HRMS (ESI): calcd. for C12H13O4[M-H]- 221.0819, found 221.0815;
HPLC [Chiralpak OJ-3, ヘキサン/2-propanol = 98/2, 1.0 mL/min, λ = 254 nm, retention times: (major) 17.5 min (minor) 19.7 min].
【0134】
実施例3
【0135】
【化37】
【0136】
参考例1と同様の方法により合成した化合物(1)(23.6mg,0.1mmol)のMTBE/CCl(1:2,1mL)の溶液に、ボロン酸触媒(3a)(5.2mg,20mol%、0.02mmol)、アミン触媒(4e)(6.4mg,20mol%、0.02mmol)およびモレキュラーシーブ4A(100mg)を室温で加えた。混合物を24時間撹拌した後、減圧濃縮し、カラムクロマトグラフィーで精製して化合物(2)を得た。エナンチオマー過剰率(ee)は、化合物(2)をTMSCHNで処理してメチルエステル化を行った後に測定した。収率は94%、エナンチオマー過剰率は94%eeであった。
【0137】
(S)−2−(7,8−ジヒドロ−6H−[1,3]ジオキソロ[4,5−g]クロマン−6−イル)酢酸
白色固体; mp 122-124℃(MeCN);
[α]26D+59.0 (c 0.40, CHCl3, for 94% ee);
1H NMR (CDCl3) δ: 6.49 (1H, s), 6.36 (1H, s), 5.86 (2H, s), 4.43-4.37 (1H, m), 2.83-2.80 (2H, m), 2.67-2.63 (2H, m), 2.07-2.05 (1H, m), 1.80-1.75 (1H, m) ppm;
13C NMR (CDCl3) δ: 176.4, 148.7, 146.4, 141.5, 112.8, 108.1, 100.8, 98.7, 71.9, 40.2, 27.1, 24.3 ppm;
IR (ATR): 3251, 2925, 1715 cm-1;
HRMS (ESI): calcd. for C12H12O5Na [M+Na]+259.0577, found 259.0567;
HPLC [Chiralpak IC, ヘキサン/2-propanol = 95/5, 1.0 mL/min, λ = 254 nm, retention times: (major) 10.9 min (minor) 12.7 min].
【0138】
実施例4
【0139】
【化38】
【0140】
参考例1〜2と同様の方法により合成した化合物(1)(0.1mmol)のアセトニトリル(1mL)の溶液に、ボロン酸触媒(3b)(2.4mg,10mol%、0.01mmol)を表3に示す温度で加えた。混合物を表3に示す時間撹拌した後、減圧濃縮し、カラムクロマトグラフィーで精製して、化合物(2)を得た。その結果を表3に示す。
【0141】
【表3】
【0142】
【化39】
【0143】
2−(2,3−ジヒドロベンゾヒドロフラン−2−イル)酢酸
白色固体; mp 83-84℃(MeCN);
1H NMR (acetone-d6) δ: 7.18 (d, J = 7.4 Hz, 1H), 7.08 (dd, J = 6.9, 6.9 Hz, 1H), 6.81 (dd, J = 7.4, 1.1 Hz, 1H), 6.70 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 5.16-5.09 (m, 1H), 3.38-3.42 (m, 1H), 2.95-2.99 (m, 1H), 2.75-2.80 (m, 2H) ppm;
13C NMR (acetone-d6) δ: 171.8, 160.1, 128.7, 127.6, 125.9, 121.2, 109.9, 80.0, 40.9, 35.8 ppm;
IR (ATR): 3049, 2962, 2923, 2856, 1703 cm-1;
HRMS (ESI): calcd. for C10H10O3Na [M+Na]+ 201.0522, found 201.0520;
【0144】
【化40】
【0145】
2−(5−ブロモ−2,3−ジヒドロベンゾヒドロフラン−2−イル)酢酸
白色固体; mp 132-133℃(MeCN);
1H NMR (CDCl3) δ: 7.27 (1H, s), 7.22 (1H, d, J = 8.0 Hz), 6.67 (1H, d, J = 8.0 Hz), 5.22-5.16 (1H, m), 3.45-3.41 (1H, m), 2.95-2.92 (2H, m), 2.76-2.73 (1H, m) ppm;
13C NMR (CDCl3) δ: 175.7, 158.0, 131.0, 128.4, 127.9, 112.5, 111.1, 78.9, 40.2, 35.1 ppm;
IR (ATR): 2922, 1704 cm-1;
HRMS (ESI): calcd. for C10H8BrO3 [M-H]- 254.9662, found 254.9658.;
【0146】
【化41】
【0147】
2−(7−ブロモ−2,3−ジヒドロベンゾヒドロフラン−2−イル)酢酸
白色固体; mp 102-103℃(MeCN);
1H NMR (CDCl3) δ: 7.27 (1H, d, J = 7.5 Hz), 7.10 (1H, d, J = 7.5 Hz), 6.74 (1H, dd, J = 7.5, 7.5 Hz), 5.28-5.21 (1H, m), 3.57-3.54 (1H, m), 3.09-3.02 (2H, m), 2.80-2.77 (1H, m) ppm;
13C NMR (CDCl3) δ: 176.0、156.2、131.3, 127.4, 124.0, 122.1, 102.7, 78.8, 40.2, 36.2 ppm;
IR (ATR): 2922, 1704 cm-1;
HRMS (ESI): calcd. for C10H8BrO3 [M-H]- 254.9662, found 254.9662.
【0148】
【化42】
【0149】
2−(クロマン−2−イル)酢酸
白色固体; mp 89-90℃(MeCN);
1H NMR (acetone-d6) δ: 7.06-7.00 (m, 2H), 6.80 (dd, J = 7.4, 7.4 Hz, 1H), 6.57 (dd, J = 7.2, 2.0 Hz, 1H), 4.33-4.25 (m, 1H), 2.81-2.68 (m, 1H), 2.67-2.49 (m, 1H), 2.03-1.95 (m, 1H), 1.70-1.56 (m, 1H) ppm;
13C NMR (acetone-d6) δ: 171.9, 155.5, 130.4, 127.9, 122.7, 120.9, 117.3, 73.5, 40.7, 27.7, 25.1 ppm;
IR (ATR): 3040, 2927, 1696 cm-1;
HRMS (ESI): calcd. for C11H12NO3Na [M+Na]+ 215.0679, found 215.0675;
【0150】
【化43】
【0151】
2−(6−ブロモクロマン−2−イル)酢酸
白色固体; mp 138-139℃(MeCN);
1H NMR (CDCl3) δ: 7.18-7.16 (2H, m), 6.69 (1H, d, J= 9.2 Hz), 4.47-4.43 (1H, m), 2.89-2.83 (2H, m), 2.75 (1H, dd, J = 11.7, 8.3 Hz), 2.67 (1H, dd, J = 15.8, 5.7 Hz), 2.11-2.09 (1H, m), 1.83-1.76 (1H, m) ppm;
13C NMR (CDCl3) δ: 176.3, 153.3, 132.0, 130.2, 123.6, 118.6, 112.4, 72.1 40.1, 26.2, 24.2 ppm;
IR (ATR): 2924, 1711 cm-1;
HRMS (ESI): calcd. for C11H10BrO3[M-H]- 268.9819, found 268.9814;
【0152】
【化44】
【0153】
2−(6−メチルクロマン−2−イル)酢酸
白色固体; mp 120-121℃(MeCN);
1H NMR (CDCl3) δ: 6.89 (1H, d, J = 8.3 Hz), 6.86 (1H, s), 6.71 (1H, d, J = 8.3 Hz), 4.45-4.42 (1H, m), 2.88-2.83 (2H, m), 2.74-2.71 (1H, m), 2.68-2.65 (1H, m), 2.24 (3H, s), 2.11-2.08 (1H, m), 1.82-1.80 (1H, m) ppm;
13C NMR (CDCl3) δ: 176.5, 151.9, 129.8, 127.9, 121.1, 116.6, 71.9, 40.3, 27.2, 24.3, 20.5 ppm;
IR (ATR): 2924, 1713 cm-1;
HRMS (ESI): calcd. for C12H13O3[M-H]- 205.0870, found 205.0870;
【0154】
【化45】
【0155】
2−(6−メトキシクロマン−2−イル)酢酸
白色固体; mp 108-109℃(MeCN);
1H NMR (CDCl3) δ: 6.74 (1H, d, J = 9.0 Hz), 6.67 (1H, dd, J = 9.0, 2.7 Hz), 6.59 (1H, d, J = 2.7 Hz), 4.44-4.40 (1H, m), 3.74 (3H, s), 2.89-2.81 (2H, m), 2.77-2.72 (1H, m), 2.69-2.64 (1H, m), 2.12-2.07 (1H, m), 1.83-1.77 (1H, m) ppm;
13C NMR (CDCl3) δ: 176.5, 153.4, 148.3, 122.0, 117.4, 113.9, 113.3, 71.8, 55.7, 40.2, 27.1, 24.6 ppm;
IR (ATR): 2933, 1713 cm-1;
HRMS (ESI): calcd. for C12H13O4[M-H]- 221.0819, found 221.08221;
【0156】
【化46】

2−(7−メトキシクロマン−2−イル)酢酸
【0157】
白色固体; mp 62-64℃;
1H NMR (CDCl3) δ: 6.94 (1H, d, J= 8.3 Hz), 6.46 (1H, dd, J = 8.3, 2.6 Hz), 6.38 (1H, d, J = 2.6 Hz), 4.49-4.45 (1H, m), 3.76 (3H, s), 2.86-2.79 (2H, m), 2.73-2.65 (2H, m), 2.11-2.07 (1H, m), 1.82-1.78 (1H, m) ppm;
13C NMR (CDCl3) δ: 176.3, 159.0, 154.9, 129.9, 113.5, 107.6, 101.4, 72.1, 55.3, 40.2, 27.2, 23.6 ppm;
IR (ATR): 2932, 1711 cm-1;
HRMS (ESI): calcd. for C12H13O4 [M-H]- 221.0819, found 221.0815;
【0158】
本発明によれば、α−ヘテロシクリル酢酸化合物を収率よく製造できるので、peripentonine Cやraxofelast等の医薬、農薬等の合成に非常に有用である。