【実施例1】
【0075】
測定系
NMR[
1H
NMR (300 MHz),
31P NMR
(121 MHz)]測定には,ヴァリアンマーキュリー300(Varian MERCURY) 300
(300MHz) を用いた。
1H NMRはCDCl
3中テトラメチルシラン(tetramethylsilane) (TMS) (δ0.0) を外部標準として用いた。
31P NMRは85% H
3PO
4 (δ0.0) を外部標準として用いた。UV/visスペクトル測定には,JASCO V−550 UV/vis スペクトロフォトメータ(spectrophotometer)を用いた。モルディタイムオブフライト質量分析(MALDI−TOF−MS)測定には,アプライドバイオシステム社製ボイジャーDESTRスペクトロメータ(Applied Biosystems Voyager−DE STR spectrometer)を用いた。薄相クロマトグラフィー (TLC) には,TLCプレートシリカゲル(TLC plates Silica gel) 60
F
254 (メルク, No. 5715) を用いた。 シリカゲルカラムクロマトグラフィーには,カントーシリカゲル(Kanto silica gel )60N (spherical, neutral, 63−210マイクロm)を用いた。 逆相(Reversed−phase) HPLC (RP−HPLC) には,マイクロボンドアスフェア(μBondasphere) 5 μm C18 column (100 オングストローム, 3.9 mm × 150 mm) (Waters),またはソース 5RPC ST 4.6/150 (4.6 mm × 150
mm) (GE ヘルスケア)を用いた。反応に用いた溶媒は,市販のものを適切に蒸留し,ナトリウムまたはモレキュラーシーブ (MS) で乾燥したものを用いた。反応は全てアルゴン(Ar)雰囲気下に行った。
【0076】
2’−O−ハロアルコシキメチル−5’−O−(4,4’−ジメトキシトリイル)ウリジン3’−(2−シアノエチル ジイソプロピルホスホロアミダイト)の合成
(2´−O−haloalchoxymethyl−5´−O−(4,4´−dimethoxytrityl)
uridine 3´−(2−cyanoethyl diisopropylphosphoramidite))
以下のスキーム1〜3を,Ohgi,
T.; Kitagawa, H.; Yano, J.; Current Protocols in Nucleic Acid Chemistry,
2008, 2.15.1−2.15.19.に記載の方法を参照して行った。
【0077】
2’−O−ハロアルコシキメチル−3’,5’−O−(1,1,3,3,−テトライソプロピルジシロキサン−1,3ジイル)ウリジン(2a−e)の調整
(2´−O−
haloalchoxymethyl −3´,5´−O−(1,1,3,3−tetraisopropyldisiloxane−1,3 −diyl)uridine (2a−e))
【0078】
スキーム1
【化11】
【0079】
スキーム1において,NISは,N−ヨードスクシンイミドを示す。TfOHは,トリフルオロメタンスルホン酸を示す。THFは,テトラヒドロフランを示す。
【0080】
2’−O−(2−クロロ)エトキシメチル−3’,5’−O−(1,1,3,3,−テトライソプロピルジシロキサン−1,3ジイル)ウリジン(2a)
(2´−O−(2−chloro)ethoxymethyl−3´,5´−O−(1,1,3,3−tetraisopropyldisiloxane−1,3−diyl)uridine (2a))
式1で示される化合物2’−O−メチルチオメチル−3’,5’−O−(1,1,3,3,−テトライソプロピルジシロキサン−1,3ジイル)ウリジン(1)(2´−O−methylthiomethyl−3´,5´−O−(1,1,3,3−tetraisopropyldisiloxane−1,3−diyl)uridine) (1.09 g, 2 mmol)をピリジン及びトルエンによって共沸乾燥を行ない,THF(7 ml)に溶解させた。これに2−クロロエタノール (268 ml, 4 mmol)を加え,−40°Cに冷却した。その後,N−ヨードスクシンイミド(540 mg, 2.4 mmol THF 5.4 ml中)を加え,トリフルオロメタンスルホン酸(351 ml, 2 mmol THF 7 ml中)を滴下した。反応混合物を−40°Cで1時間撹拌した後,トリエチルアミンを7 ml加えて反応を停止した。これにジクロロメタン(60 ml)を加え,10% Na
2S
2O
3水溶液(40 ml×2),飽和重曹水(40 ml×2)で洗浄し,集めた洗液をジクロロメタン(60 ml)で抽出した。集めた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後,ろ過し,減圧下濃縮乾燥したものをシリカゲルクロマトグラフィー[3×10 cm, 30g のシリカゲル, ジクロロメタン−メタノール(dichloromethane−methanol) (99.5:0.5,v/v → 99:1,v/v)]によって精製することにより,式2aで示される化合物(1.06 g, 92%)を得た。
【0081】
1H NMR (300 MHz, CDCl
3) d 9.51 (1H, br, NH), d 7.90 (1H, d, J
= 8.1 Hz, 6−H) , d 5.75 (1H, s, 1´−H), d 5.69 (1H, d, J
= 8.4 Hz, 5−H) , d 5.05 (1H, d, J =
6.9 Hz, H−C of acetal) , d 4.99 (1H, d, J =
6.9 Hz, H−C of acetal), d 4.29−3.67 (9H, m, 2´−H, 3´−H, 4´−H, 5´−H, CH
2Cl−CH
2−O), d 1.11−0.93 (28H, m, iPr×4).
【0082】
2’−O−(2,2−ジクロロ)エトキシメチル−3’,5’−O−(1,1,3,3,−テトライソプロピルジシロキサン−1,3ジイル)ウリジン(2b)
(2´−O−(2,2−dichloro)ethoxymethyl−3´,5´−O−(1,1,3,3−tetraisopropyldisiloxane−1,3−diyl)uridine (2b))
【0083】
上記式1で示される2’−O−メチルチオメチル−3’,5’−O−(1,1,3,3,−テトライソプロピルジシロキサン−1,3ジイル)ウリジン(820 mg, 1.5 mmol) をピリジン及びトルエンによって共沸乾燥を行ない,THF(10 ml)に溶解させた。これに2,2−ジクロロエタノール (250 ml, 3 mmol),モレキュラーシーブス4A (1.6 g)を加え,−40°Cに冷却した後,N−ヨードスクシンイミド(420 mg, 1.8 mmol)を加え,トリフルオロメタンスルホン酸(270 ml, 3 mmol)を滴下した。反応混合物を−40°Cで1時間撹拌した後,トリエチルアミンを5 ml加えて反応を停止した。これにジクロロメタン(40 ml)を加え,10% Na
2S
2O
3水溶液(30 ml×2),飽和重曹水(30 ml×2)で洗浄し,集めた洗液をジクロロメタン(40 ml)で抽出した。集めた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後,ろ過し,減圧下濃縮乾燥したものをシリカゲルクロマトグラフィー[2×10 cm, 20g of silica
gel, dichloromethane−methanol
(99.5:0.5,v/v →
97:3,v/v)]によって精製することにより,式2bで示される化合物(761 mg, 83%)を得た。
【0084】
1H
NMR (300 MHz, CDCl
3) d 8.09 (1H, br, NH), d 7.89 (1H, d, J =
8.4 Hz, 6−H) , d 5.86 (1H, t, CHCl
2−CH
2−O), d 5.72 (1H, s, 1´−H), d 5.69−5.66 (1H, m, 5−H) , d 5.09 (1H, d, J =
6.6 Hz, H−C of acetal) , d 5.02 (1H, d, J =
6.9 Hz, H−C of acetal), d 4.29−3.96 (7H, m, 2´−H, 3´−H, 4´−H, 5´−H, CHCl
2−CH
2−O), d 1.11−0.93 (28H, m, iPr×4).
【0085】
2’−O−(2,2,2−トリクロロ)エトキシメチル−3’,5’−O−(1,1,3,3,−テトライソプロピルジシロキサン−1,3ジイル)ウリジン(2c)
(2´−O−(2,2,2−trichloro)ethoxymethyl−3´,5´−O−(1,1,3,3−tetraisopropyldisiloxane−1,3−diyl)uridine )
上記式1で示される2’−O−メチルチオメチル−3’,5’−O−(1,1,3,3,−テトライソプロピルジシロキサン−1,3ジイル)ウリジン (1.09 g, 2 mmol) をピリジン及びトルエンによって共沸乾燥を行ない,THF(14 ml)に溶解させた。これに2,2,2−トリクロロエタノール (970 ml, 10 mmol),モレキュラーシーブス4A (1.5 g),及びN−ヨードスクシンイミド(545 mg, 2.4 mmol)を加え,−40°Cに冷却した後,トリフルオロメタンスルホン酸(351 ml, 4 mmol)を滴下した。反応混合物を−40°Cで1時間撹拌した後,トリエチルアミンを1.5 ml加えて反応を停止した。これにジクロロメタン(60 ml)を加え,10% Na
2S
2O
3水溶液(40 ml×2),飽和重曹水(40 ml×2)で洗浄し,集めた洗液をジクロロメタン(40 ml×2)で抽出した。集めた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後,ろ過し,減圧下濃縮乾燥したものをシリカゲルクロマトグラフィー[3×17 cm, 25g of silica gel, dichloromethane−methanol (99.5:0.5,v/v → 99:1,v/v)]によって精製することにより式2cで示される化合物(826 mg, 64%)を得た。
【0086】
1H
NMR (300 MHz, CDCl
3) d 8.35 (1H, br, NH), d 7.89 (1H, d, J =
7.5 Hz, 6−H), d 5.75 (1H, s, 1´−H), d 5.68 (1H, d, J
= 7.8 Hz, 5−H) , d 5.23 (1H, d, J =
6.6 Hz, H−C of acetal) , d 5.16 (1H, d, J =
6.9 Hz, H−C of acetal), d 4.35−3.96 (7H, m, 2´−H, 3´−H, 4´−H, 5´−H, CCl
3−CH
2−O), d 1.11−0.96 (28H, m, iPr×4).
【0087】
2’−O−(2,2−ジフルオロ)エトキシメチル−3’,5’−O−(1,1,3,3,−テトライソプロピルジシロキサン−1,3ジイル)ウリジン(2d)
(2´−O−(2,2−difluoro)ethoxymethyl−3´,5´−O−(1,1,3,3−tetraisopropyldisiloxane−1,3−diyl)uridine )
上記式1で示される2’−O−メチルチオメチル−3’,5’−O−(1,1,3,3,−テトライソプロピルジシロキサン−1,3ジイル)ウリジン(3.25 g, 6 mmol) をピリジン及びトルエンによって共沸乾燥を行ない,THF(38 ml)に溶解させた。これに2,2−ジフルオロエタノール (760 ml, 12 mmol),及びモレキュラーシーブス4Aを加え,−40°Cに冷却した後,N−ヨードスクシンイミド(1.62 g, 7.2 mmol)を加え,トリフルオロメタンスルホン酸(760 ml, 12 mmol)を滴下した。反応混合物を−40°Cで1時間撹拌した後,トリエチルアミンを10 ml加えて反応を停止した。これにジクロロメタン(150 ml)を加え,10% Na
2S
2O
3水溶液(150 ml×2),飽和重曹水(150 ml×2)で洗浄し,集めた洗液をジクロロメタン(50 ml×2)で抽出した。集めた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後,ろ過し,減圧下濃縮乾燥したものをシリカゲルクロマトグラフィー[4×16 cm, 80g of silica gel, dichloromethane−methanol (99.5:0.5,v/v → 99:1,v/v)]によって精製することで式2dで示される化合物(2.85 g, 83%)を得た。
【0088】
1H NMR (300 MHz, CDCl
3) d 8.90 (1H, br, NH), d 7.90 (1H, d, J
= 8.1 Hz, 6−H) , d 6.17−5.77 (1H, m, CHF
2−CH
2−O), d 5.73 (1H, s, 1´−H), d 5.69 (1H, d, J = 7.5 Hz, 5−H) , d 5.06 (1H, d, J
= 6.9 Hz, H−C of acetal) , d 4.97 (1H, d, J =
6.9 Hz, H−C of acetal), d 4.29−3.77 (7H, m, 2´−H, 3´−H, 4´−H, 5´−H, CHF
2−CH
2−O), d 1.14−0.91 (28H, m, iPr×4).
【0089】
2’−O−(2,2,2−トリフルオロ)エトキシメチル−3’,5’−O−(1,1,3,3,−テトライソプロピルジシロキサン−1,3ジイル)ウリジン(2e)
(2´−O−(2,2,2−trifluoro)ethoxymethyl−3´,5´−O−(1,1,3,3−tetraisopropyldisiloxane−1,3−diyl)uridine )
上記式1で示される2’−O−メチルチオメチル−3’,5’−O−(1,1,3,3,−テトライソプロピルジシロキサン−1,3ジイル)ウリジン(1.09 g, 2 mmol) をピリジン及びトルエンによって共沸乾燥を行ない,THF(12 ml)に溶解させた。これに2,2,2−トリフルオロエタノール (288 ml, 4 mmol),モレキュラーシーブス4A (1 g)を加え,−40°Cに冷却した後,N−ブロモスクシンイミド(540 mg, 2.4 mmol)を加え,p−トルエンスルホン酸(288 ml, 4 mmol)を滴下した。反応混合物を−40°Cで1時間撹拌した後,トリエチルアミンを3 ml加えて反応を停止した。これにジクロロメタン(60 ml)を加え,10% Na
2S
2O
3水溶液(40 ml×2),飽和重曹水(40 ml×2)で洗浄し,集めた洗液をジクロロメタン(40 ml×2)で抽出した。集めた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後,ろ過し,減圧下濃縮乾燥したものをシリカゲルクロマトグラフィー[4×8 cm, 40g of silica gel, dichloromethane−methanol (99.5:0.5,v/v → 99:1,v/v)]によって精製を行なった。式2eで示される化合物を得ることはできたものの,アノマー異性体と考えられる副生成物の除去が困難であったため,これ以上の精製は行なわずこのまま次の反応に用いた。
【実施例2】
【0090】
2’−O−(ハロアルコシキメチル)−5’−O−(4,4’−ジメトキシトリイル)ウリジン(4a−e)の合成
(2´−O− haloalchoxymethyl −5´−O−(4,4´−dimethoxytrityl)uridine)
スキーム2
【0091】
【化12】
【0092】
上記スキーム2において,MeOHはメタノールを示す。DMTrClは,4,4’−ジメトキシトリチリルクロライドを示す。Pyridineはピリジンを示す。rtは室温を示す。
【0093】
2’−O−(2−クロロ)エトキシメチル−5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)ウリジン(4a)
(2´−O−(2−chloro)ethoxymethyl −5´−O−(4,4´−dimethoxytrityl)uridine )
式2aで示される2’−O−2−クロロエトシキメチル−3’,5’−O−(1,1,3,3,−テトライソプロピルジシロキサン−1,3ジイル)ウリジン(869 mg, 1.5 mmol)をピリジン,及びによって共沸乾燥を行ない,メタノール(7.5 ml)に溶解させた。これにフッ化アンモニウム (222 mg, 6 mmol)を加え,50°Cで7時間撹拌した。反応混合物を減圧下濃縮し,アセトニトリル(30 ml)を加え,不溶物をろ過により除去した。これをヘキサン(30 ml×2)で洗浄し,集めた洗液をアセトニトリル(30 ml)で抽出した。集めた有機層を減圧下濃縮し,これ以上の精製は行なわず次の反応に用いた。粗精製物をピリジンによって共沸乾燥を行ない,ピリジン(15 ml)に溶解させた。これに4,4’−ジメトキシトリチリルクロライド(4,4´−dimethoxytritylchloride:DMTrCl)(730 mg, 2.25 mmol)を加え,室温で3日間撹拌した。メタノール(1.5 ml)で反応を停止した後,溶媒を減圧下留去し,ジクロロメタン(40 ml)を加えた。これを飽和重曹水(40 ml×3)で洗浄し,集めた洗液をジクロロメタン(40 ml×2)で抽出した。集めた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後,ろ過し,減圧下濃縮乾燥したものをシリカゲルクロマトグラフィー[3×14 cm, 40g of silica gel, dichloromethane−methanol− pyridine (99.5:0:0.5,v/v/v → 96.5:3:0.5,v/v/v)]によって精製することにより式4aで示される化合物(754 mg, 79%)を得た。
【0094】
1H
NMR (300 MHz, CDCl
3) d 9.35 (1H, br, NH) , d 7.94 (1H, d, J =
8.1 Hz, 6−H) , d 7.40−6.82 (13H, m,
DMTr) , d 6.03 (1H, d, J = 2.7 Hz, 1´−H) , d 5.33−5.30 (1H, m, 5−H) , d 5.03 (1H, d, J =
6.9 Hz, H−C of acetal) , d 4.93 (1H, d, J =
6.9 Hz, H−C of acetal), d 4.50 (1H, m, 3´−H) , d 4.36−4.33 (1H, m, 2´−H) , d 4.09−4.07 (1H, m, 4´−H) , d 3.89−3.63 (8H, m, MeO×2, CH
2Cl−CH
2−O) , d 3.54−3.52 (2H, m, 5´−H), d 2.74 (1H, d, 3´−OH).
【0095】
2’−O−(2,2−ジクロロ)エトキシメチル−5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)ウリジン(4b)
(2´−O−(2,2−dichloro)ethoxymethyl −5´−O−(4,4´−dimethoxytrityl)uridine )
式2bで示される化合物2’−O−(2,2−ジクロロ)エトキシメチル−3’,5’−O−(1,1,3,3,−テトライソプロピルジシロキサン−1,3ジイル)ウリジン(531mg, 865mmol)をピリジン,及びトルエンによって共沸乾燥を行ない,メタノール(5 ml)に溶解させた。これにフッ化アンモニウム (132 mg, 3.56 mmol)を加え,50℃Cで4時間撹拌した。反応混合物を減圧下濃縮し,アセトニトリル(30 ml)を加え,不溶物をろ過により除去した。これをヘキサン(30 ml×2)で洗浄し,集めた洗液をアセトニトリル(20 ml)で抽出した。集めた有機層を減圧下濃縮し,これ以上の精製は行なわず次の反応に用いた。粗精製物をピリジンによって共沸乾燥を行ない,ピリジン(10 ml)に溶解させた。これにDMTrCl(290 mg, 850 mmol)を加え,室温で10時間撹拌した。メタノール(2 ml)で反応を停止した後,溶媒を減圧下留去し,ジクロロメタン(15 ml)を加えた。これを飽和重曹水(10 ml×3)で洗浄し,集めた洗液をジクロロメタン(10 ml×2)で抽出した。集めた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後,ろ過し,減圧下濃縮乾燥したものをシリカゲルクロマトグラフィー[3×14 cm, 40g of silica gel, dichloromethane−methanol− pyridine (99.5:0:0.5,v/v/v → 98.5:1:0.5,v/v/v)]によって精製することで式4bで示される化合物(470 mg, 86%)を得た。
【0096】
1H
NMR (300 MHz, CDCl
3) d 8.24 (1H, br, NH) , d 7.96 (1H, d, J = 8.1
Hz, 6−H) , d 7.39−6.83 (13H, m,
DMTr) , d 6.01 (1H, d, J = 2.7 Hz, 1´−H) , d 5.80
(1H, t, CHCl
2−CH
2−O) , d 5.78−5.31 (1H, m, 5−H) , d 5.11 (1H, d, J = 6.9 Hz, H−C of
acetal) , d 4.98 (1H, d, J = 6.6 Hz, H−C of
acetal), d 4.53−4.46 (1H, m, 3´−H) , d 4.35−4.32 (1H, m, 2´−H) , d 4.06−4.04 (1H, m, 4´−H) , d 4.02−4.00 (2H, m, CHCl
2−CH
2−O) , d 3.80 (6H, s, MeO×2) , d 3.61−3.51 (2H, m, 5´−H), d 2.41 (1H, d, 3´−OH).
【0097】
2’−O−2,2,2−トリクロロエトキシメチル−5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)ウリジン(4c)
(2´−O−(2,2,2−trichloro)ethoxymethyl −5´−O−(4,4´−dimethoxytrityl)uridine )
式2cで示される化合物2’−O−(2,2,2−トリクロロ)エトキシメチル−3’,5’−O−(1,1,3,3,−テトライソプロピルジシロキサン−1,3ジイル)ウリジン(650 mg, 1 mmol)をピリジン及びトルエンによって共沸乾燥を行ない,メタノール(5 ml)に溶解させた。これにフッ化アンモニウム (148 mg, 4 mmol)を加え,50°Cで7時間撹拌した。反応混合物を減圧下濃縮し,アセトニトリル(20 ml)を加え,不溶物をろ過により除去した。これをヘキサン(20 ml×2)で洗浄し,集めた洗液をアセトニトリル(20 ml)で抽出した。集めた有機層を減圧下濃縮し,これ以上の精製は行なわず次の反応に用いた。粗精製物をピリジンによって共沸乾燥を行ない,ピリジン(10 ml)に溶解させた。これにDMTrCl(510 mg, 1.51mmol)を加え,室温で18時間撹拌した。メタノール(1 ml)で反応を停止した後,溶媒を減圧下留去し,ジクロロメタン(30 ml)を加えた。これを飽和食塩水(30 ml×3)で洗浄し,集めた洗液をジクロロメタン(30 ml)で抽出した。集めた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後,ろ過し,減圧下濃縮乾燥したものをシリカゲルクロマトグラフィー[2×10 cm, 25g of silica gel, dichloromethane−methanol− pyridine (99.5:0:0.5,v/v/v → 98.5:1:0.5,v/v/v)]によって精製することにより式4cで示される化合物(621 mg, 88%)を得た。
【0098】
1H NMR (300 MHz, CDCl
3) d 8.27 (1H, br, NH) , d 7.95 (1H, d, J
= 7.8 Hz, 6−H) , d 7.40−6.83 (13H, m, DMTr) , d 6.04 (1H, d, J = 3.0 Hz, 1´−H) , d 5.33−5.29 (1H, m, 5−H) , d 5.22 (1H, d, J =
6.9 Hz, H−C of acetal) , d 5.11 (1H, d, J =
6.9 Hz, H−C of acetal), d 4.52−4.48 (1H, m, 3´−H) , d 4.41−4.39 (1H, m, 2´−H) , d 4.29−4.20 (2H, m, CCl
3−CH
2−O), d 4.10−4.08 (1H, m, 4´−H), d 3.80 (6H, s,
MeO×2) , d 3.57−3.53 (2H, m, 5´−H), d 2.42
(1H, d, 3´−OH).
【0099】
2’−O−2,2−ジフルオロエトキシメチル−5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)ウリジン(4d)
(2´−O−(2,2−difluoro)ethoxymethyl −5´−O−(4,4´−dimethoxytrityl)uridine )
式2dで示される化合物2’−O−(2,2−ジフルオロ)エトキシメチル−3’,5’−O−(1,1,3,3,−テトライソプロピルジシロキサン−1,3ジイル)ウリジン (1.16 g, 2 mmol)をピリジン及びトルエンによって共沸乾燥を行ない,メタノール(10 ml)に溶解させた。これにフッ化アンモニウム (296 mg, 8 mmol)を加え,50°Cで7時間撹拌した。反応混合物を減圧下濃縮し,アセトニトリル(40 ml)を加え,不溶物をろ過により除去した。これをヘキサン(50 ml×2)で洗浄し,集めた洗液をアセトニトリル(30 ml)で抽出した。集めた有機層を減圧下濃縮し,これ以上の精製は行なわず次の反応に用いた。粗精製物をピリジンによって共沸乾燥を行ない,ピリジン(20 ml)に溶解させた。これにDMTrCl(1.42 g, 4.2 mmol)を加え,室温で3日間撹拌した。メタノール(2 ml)で反応を停止した後,溶媒を減圧下留去し,ジクロロメタン(30 ml)を加えた。これを飽和重曹水(30 ml×3)で洗浄し,集めた洗液をクロロホルム (30 ml)で抽出した。集めた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後,ろ過し,減圧下濃縮乾燥したものをシリカゲルクロマトグラフィー[3×8 cm, 20g of silica gel, dichloromethane−methanol− pyridine (99.5:0:0.5,v/v/v → 96.5:3:0.5,v/v/v)]によって精製することにより,式4dで示される化合物(376 mg, 90%)を得た。
【0100】
1H NMR
(300 MHz, CDCl
3) d 8.25 (1H, br, NH) ,
d 7.96 (1H, d, J = 8.1 Hz, 6−H) , d 7.39−6.83 (13H, m, DMTr) , d 6.10−5.73 (1H, m, CHF
2−CH
2−O) , d 6.00 (1H, d, J = 2.7 Hz, 1´−H) , d 5.32−5.28 (1H, m, 5−H) , d 5.07 (1H, d, J =
6.9 Hz, H−C of acetal) , d 4.93 (1H, d, J =
6.6 Hz, H−C of acetal), d 4.53−4.47 (1H, m, 3´−H) , d 4.34−4.31 (1H, m, 2´−H) , d 4.08−4.06 (1H, m, 4´−H) , d 3.88−3.78 (8H, m, CHCl
2−CH
2−O, MeO×2) , d 3.60−3.51 (2H, m, 5´−H), d 2.39
(1H, d, 3´−OH).
【0101】
2’−O−2,2,2−トリフルオロエトキシメチル−5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)ウリジン(4e)
(2´−O−(2,2,2−trifluoro)ethoxymethyl −5´−O−(4,4´−dimethoxytrityl)uridine )
式2eで示される化合物2’−O−(2,2,2−トリフルオロ)エトキシメチル−3’,5’−O−(1,1,3,3,−テトライソプロピルジシロキサン−1,3ジイル)ウリジン(414 mg, 692 mmol, crude)をピリジン及びトルエンによって共沸乾燥を行ない,メタノール(4 ml)に溶解させた。これにフッ化アンモニウム (103 mg, 2.78 mmol)を加え,50°Cで8時間撹拌した。反応混合物を減圧下濃縮し,アセトニトリル(15 ml)を加え,不溶物をろ過により除去した。これをヘキサン(15 ml×2)で洗浄し,集めた洗液をアセトニトリル(10 ml)で抽出した。集めた有機層を減圧下濃縮し,これ以上の精製は行なわず次の反応に用いた。粗精製物をピリジンによって共沸乾燥を行ない,ピリジン(7 ml)に溶解させた。これにDMTrCl(510mg, 1.51 mmol)を加え,室温で17時間撹拌した。メタノール(1 ml)で反応を停止した後,溶媒を減圧下留去し,クロロホルム(20 ml)を加えた。これを飽和食塩水(20 ml×3)で洗浄し,集めた洗液をクロロホルム(20 ml)で抽出した。集めた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後,ろ過し,減圧下濃縮乾燥したものをシリカゲルクロマトグラフィー[1×15 cm, 10g of silica gel, dichloro methane−methanol− pyridine (99.5:0:0.5,v/v/v → 98.5:1:0.5,v/v/v)]によって精製することにより,式4eで示される化合物(205 m,式1で示される化合物からの収率19%)を得た。
【0102】
1H NMR (300 MHz, CDCl
3) d 8.06 (1H, br, NH) , d 7.95 (1H, d, J
= 8.4 Hz, 6−H) , d 7.39−6.84 (13H, m, DMTr) , d 6.00 (1H, d, J = 2.7 Hz, 1´−H) , d 5.1 (1H, d, J
= 8.4 Hz, 5−H) , d 5.10 (1H, d, J =
6.9 Hz, H−C of acetal) , d 4.96 (1H, d, J =
7.2 Hz, H−C of acetal), d 4.48 (1H, m, 3´−H) , d 4.35−4.33 (1H, m, 2´−H) , d 4.08−3.95 (2H, m, CF
3−CH
2−O, 4´−H) , d 3.80 (6H, s,
MeO×2) , d 3.57−3.53 (2H, m, 5´−H), d 2.33
(1H, d, 3´−OH).
【0103】
2’−O−ハロアルコシキメチル−5’−O−(4,4’−ジメトキシトリイル)ウリジン3’−(2−シアノエチル ジイソプロピルホスホロアミダイト)(5a−e)の調整
(2´−O−haloalchoxymethyl−5´−O−(4,4´−dimethoxytrityl) uridine 3´−(2−cyanoethyl diisopropylphosphoramidite))
スキーム3
【0104】
【化13】
【0105】
スキーム3中,DIPEAは,ジイソプロピルアミンを示す。
【0106】
2’−O−(2−クロロ)エトキシメチル−5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)ウリジン3’−(2−シアノエチル ジイソプロピルホスホロアミダイト)(5a)
(2´−O−(2−chloro)ethoxymethyl −5´−O−(4,4´−dimethoxytrityl) uridine 3´−(2−cyanoethyl diisopropylphosphoramidite) )
式4aで示される2’−O−2−クロロエトキシメチル−5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)ウリジン(511 mg, 800 mmol)をピリジン及びトルエンによって共沸乾燥を行ない,ジクロロメタン(4 ml)に溶解させた。これにジイソプロピルアミン (410 mll, 2.4 mmol)を加え,2−シアノエチルジイソプロピルクロロホスホロアミジド (268 ml, 1.2 mmol in CH
2Cl
2 4 ml) を滴下した。室温で1時間撹拌し,エタノール(1.5 ml)で反応を停止した。これにジクロロメタン(40 ml)を加え,飽和重曹水(40 ml×3)で洗浄し,集めた洗液をジクロロメタン(40 ml)で抽出した。集めた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後,ろ過し,減圧下濃縮乾燥したものをシリカゲルクロマトグラフィー[2×10 cm, 15g of amino silica gel, hexane−ethylacetate (7:3,v/v → ethylacetate only)]によって精製することで,ジアステレオマー混合物の目的物である式5aで示される化合物(469 mg, 70%)を得た。
【0107】
1H
NMR (300 MHz, CDCl
3) d 9.15 (1H, br, NH) , d 7.99−7.92 (1H, m, 6−H) , d 7.41−6.84 (13H, m, DMTr) , d 6.06 (1H, m, 1´−H) , d 5.30−5.23 (1H, m, 5−H) , d 5.06−4.93 (2H, m, H−C of acetal) , d 4.58−4.56 (1H, m, 3´−H) , d 4.47−4.42 (1H, m, 2´−H) , d 4.27−4.18 (1H, m, 4´−H) , d 3.99−3.44 (16H, m, MeO×2, 5´−H, 2×(CH
3)
2CH−N, CH
2Cl−CH
2−O, NC−CH
2CH
2−), d 2.69−2.41 (2H, m, NC−CH
2CH
2−) , d 1.17−1.02 (12H, m, 2×(CH
3)
2CH−N).
31P NMR (121 MHz, CDCl
3) d 151.35, d 150.48
【0108】
2’−O−(2,2−ジクロロ)エトキシメチル−5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)ウリジン3’−(2−シアノエチル ジイソプロピルホスホロアミダイト)(5b)
(2´−O−(2,2−dichloro)ethoxymethyl −5´−O−(4,4´−dimethoxytrityl) uridine 3´−(2−cyano ethyl diisopropylphosphoramidite) )
式4bで示される2’−O−2,2−ジクロロエトキシメチル−5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)ウリジンをピリジン及びトルエンによって共沸乾燥を行ない,ジクロロメタン(3 ml)に溶解させた。これにジイソプロピルアミン (255 ml, 1.5 mmol)を加え,2−シアノエチルジイソプロピルクロロホスホロアミジド (167 ml, 1.2 mmol in CH
2Cl
2 2 ml) を滴下した。室温で1.5時間撹拌し,エタノール(1 ml)で反応を停止した。これにジクロロメタン(30 ml)を加え,飽和重曹水(30 ml×3)で洗浄し,集めた洗液をジクロロメタン(30 ml)で抽出した。集めた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後,ろ過し,減圧下濃縮乾燥したものをシリカゲルクロマトグラフィー[2×6 cm, 10g of amino silica gel, hexane−ethylacetate (7:3,v/v → ethylacetate only)]によって精製することで,ジアステレオマー混合物の目的物である式5bで示される化合物(324 mg, 77%)を得た。
【0109】
1H NMR (300 MHz, CDCl
3) d 8.16 (1H, br, NH) , d 7.99−7.94 (1H, m, 6−H) , d 7.41−6.84 (13H, m, DMTr) , d 6.04−6.01 (1H, m, 1´−H) , d 5.86−5.79 (1H, m, 5−H) , d 5.29−5.20 (1H, m, CHCl
2−CH
2−O) , d 5.02−4.86 (2H, m, H−C of アセタール) , d 4.58−4.54 (1H, m, 3´−H) , d 4.44−4.41 (1H, m, 2´−H) , d 4.27−4.18 (1H, m, 4´−H) , d 4.13−3.42 (14H, m, MeO×2, 5´−H, 2×(CH
3)
2CH−N, CHCl
2−CH
2−O, NC−CH
2CH
2−), d 2.68−2.44 (2H, m, NC−CH
2CH
2−) , d 1.25−1.03 (12H, m, 2×(CH
3)
2CH−N).
31P NMR (121 MHz, CDCl
3) d 151.49, d 150.43
【0110】
2’−O−(2,2,2−トリクロロ)エトキシメチル−5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)ウリジン3’−(2−シアノエチル ジイソプロピルホスホロアミダイト)(5c)
(2´−O−(2,2,2−trichloro)ethoxymethyl −5´−O−(4,4´−dimethoxytrityl) uridine 3´−(2−cyano ethyl diisopropylphosphoramidite) )
式4cで示される2’−O−2,2,2−トリクロロエトキシメチル−5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)ウリジン(283 mg, 400 mmol)をピリジン及びトルエンによって共沸乾燥を行ない,ジクロロメタン(2 ml)に溶解させた。これにジイソプロピルアミン (204 ml, 1.5 mmol)を加え,2−シアノエチルジイソプロピルクロロホスホロアミジド (134 ml, 600 mmol in CH
2Cl
2 2 ml) を滴下した。室温で1時間撹拌し,エタノール(1 ml)で反応を停止した。これにジクロロメタン(25 ml)を加え,飽和重曹水(25 ml×3)で洗浄し,集めた洗液をジクロロメタン(25 ml)で抽出した。集めた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後,ろ過し,減圧下濃縮乾燥したものをシリカゲルクロマトグラフィー[2×6 cm, 10g of amino silica gel, hexane−ethylacetate (8:2,v/v → ethylacetate only)]によって精製することで,ジアステレオマー混合物の目的物である式5cで示される化合物(285 mg, 83%)を得た。
【0111】
1H NMR (300 MHz, CDCl
3) d 8.11 (1H, br, NH) , d 7.96−7.94 (1H, m, 6−H) , d 7.41−6.84 (13H, m, DMTr) , d 6.06 (1H, m, 1´−H) , d 5.30−5.06 (3H, m, 5−H, H−C
of acetal) , d 4.59−4.47 (2H, m, 3´−H, 2´−H) , d 4.29−3.41 (15H, m, 4´−H, MeO×2, 5´−H, 2×(CH
3)
2CH−N, CCl
3−CH
2−O, NC−CH
2CH
2−), d 2.68−2.42 (2H, m, NC−CH
2CH
2−) , d 1.26−1.03 (12H, m, 2×(CH
3)
2CH−N).
31P NMR (121 MHz, CDCl
3) d 151.49, d 150.43
【0112】
2’−O−(2,2−ジフルオロ)エトキシメチル−5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)ウリジン3’−(2−シアノエチル ジイソプロピルホスホロアミダイト)(5d)
(2´−O−(2,2−difluoro)ethoxymethyl −5´−O−(4,4´−dimethoxytrityl) uridine 3´−(2−cyano ethyl diisopropylphosphoramidite) )
式4dで示される2’−O−2,2−ジフルオロエトキシメチル−5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)ウリジン(320 mg, 500 mmol)をピリジン及びトルエンによって共沸乾燥を行ない,ジクロロメタン(5 ml)に溶解させた。これにジイソプロピルアミン (255 ml, 1.5 mmol)を加え,氷浴下で2−シアノエチルジイソプロピルクロロホスホロアミジド (225 ml, 1 mmol) を滴下した。室温で1時間撹拌し,反応混合物にクロロホルム(30 ml)を加えた。これをリン酸バッファー (pH 7.0, 20 ml×4)で洗浄し,集めた洗液をクロロホルム(40 ml)で抽出した。集めた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後,ろ過し,減圧下濃縮乾燥したものをシリカゲルクロマトグラフィー[1×8 cm, 5g of amino silica gel, hexane−ethylacetate (7:3,v/v → ethylacetate only)]によって精製することで,ジアステレオマー混合物の目的物である式5dで示される化合物(227 mg, 54%)を得た。
【0113】
1H NMR (300 MHz, CDCl
3) d 8.10 (1H, br, NH) , d 8.00−7.94 (1H, m, 6−H) , d 7.39−6.84 (13H, m, DMTr) , d 6.10−5.73 (2H, m, 1´−H) , d 5.28−5.20 (2H, m, CHF
2−CH
2−O, 5−H) , d 5.03−4.89 (2H, m, H−C of acetal) , d 4.61−4.56 (1H, m, 3´−H) , d 4.43−4.41 (1H, m, 2´−H) , d 4.27−4.20 (1H, m, 4´−H) , d 3.93−3.42 (14H, m, MeO×2, 5´−H, 2×(CH
3)
2CH−N, CHF
2−CH
2−O, NC−CH
2CH
2−) , d 2.65−2.44 (2H, m, NC−CH
2CH
2−) , d 1.29−0.85 (12H, m, 2×(CH
3)
2CH−N).
31P NMR (121 MHz, CDCl
3) d 151.56, d 150.38
【0114】
2’−O−(2,2,2−トリフルオロ)エトキシメチル−5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)ウリジン3’−(2−シアノエチル ジイソプロピルホスホロアミダイト)(5e)
(2´−O−(2,2,2−trifluoro)ethoxymethyl −5´−O−(4,4´−dimethoxytrityl) uridine 3´−(2−cyano ethyl diisopropylphosphoramidite) )
式4eで示される2’−O−2,2,2−トリフルオロエトキシメチル−5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)ウリジン (184 mg, 280 mmol)をピリジン及びトルエンによって共沸乾燥を行ない,ジクロロメタン(2 ml)に溶解させた。これにジイソプロピルアミン (143 ml, 840 mmol)を加え,2−シアノエチルジイソプロピルクロロホスホロアミジド (93.7 ml, 420 mmol in CH
2Cl
2 1 ml) を滴下した。室温で1.5時間撹拌し,エタノール(500 ml)で反応を停止した。これにジクロロメタン(15 ml)を加え,飽和重曹水(15 ml×3)で洗浄し,集めた洗液をジクロロメタン(15 ml)で抽出した。集めた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後,ろ過し,減圧下濃縮乾燥したものをシリカゲルクロマトグラフィー[2×7 cm, 11g of amino silica gel, hexane−ethylacetate (8:2,v/v → ethylacetate only)]によって精製することで,ジアステレオマー混合物の目的物である式5eで示される化合物(188 mg, 80%)を得た。
【0115】
1H NMR (300 MHz, CDCl
3) d 9.00 (1H, br, NH) , d 7.99−7.94 (1H, m, 6−H) , d 7.39−6.84 (13H, m, DMTr) , d 6.01 (1H, m, 1´−H) , d 5.30−5.21 (1H, m, 5−H) , d 5.05−4.97 (2H, m, H−C of acetal) , d 4.62−4.55 (1H, m, 3´−H) , d 4.44 (1H, m, 2´−H) , d 4.27−4.18 (1H, m, 2´−H) , d 4.10−3.42 (14H, m, MeO×2, 5´−H, 2×(CH
3)
2CH−N, CCl
3−CH
2−O, NC−CH
2CH
2−), d 2.64−2.41 (2H, m, NC−CH
2CH
2−) , d 1.26−1.02 (12H, m, 2×(CH
3)
2CH−N).
31P NMR (121 MHz, CDCl
3) d 151.74, d 150.40
【実施例3】
【0116】
2’−O−(2−フルオロ)エトキシメチル−5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)ウリジン3’−(2−シアノエチルジイソプロピルホスホロアミダイト)(5f)の調整
(2´-O-(2-fluoro)ethoxymethyl-5´-O-(4,4´-dimethoxytrityl) uridine 3´-(2-cyanoethyl diisopropylphosphoramidite) (5f))
【0117】
スキーム4
【化14】
【0118】
スキーム4中,NISは,N−ヨードスクシンイミドを示す。TfOHは,トリフルオロメタンスルホン酸を示す。THFは,テトラヒドロフランを示す。MeOHはメタノールを示す。DMTrClは,4,4’−ジメトキシトリチリルクロライドを示す。Pyridineはピリジンを示す。rtは室温を示す。
【0119】
2’−O−(2−フルオロ)エトキシメチル−3’,5’−O−(1,1,3,3−テトライソプロピルジシロキサン−1,3−ジイル)ウリジン(2f)
(2´-O-(2-fluoro)ethoxymethyl-3´,5´-O-(1,1,3,3-tetraisopropyldisiloxane-1,3-diyl)uridine(2f))
2fの粗精製物は1(1.64 g, 3 mmol)と2-フルオロエタノール (1.65 ml, 30 mmol) から、2aと同様の手法により得た。シリカゲルクロマトグラフィー[3×17 cm, 50g of silica gel, hexane-ethylacetate (7:3,v/v)]によって精製を行い、2fを得た(1.13 g, 66%)。
【0120】
1H NMR (300
MHz, CDCl
3), 9.57 (1H, br, NH), 7.90 (1H, d, J = 8.1 Hz, 6-H),
5.76 (1H, s, 1´-H), 5.69 (1H, d, J
= 8.1 Hz, 5-H), 5.04 (1H, d, J = 6.9 Hz, H-C of acetal), 5.00 (1H, d, J
= 6.9 Hz, H-C of acetal), 4.68-4.53 (2H, m, CH
2F-CH
2-O)
4.29-3.86 (7H, m, 2´-H, 3´-H, 4´-H, 5´-H, CH
2F-CH
2-O),
1.10-0.91 (28H, m, iPr×4).
【0121】
2’−O−(2−フルオロ)エトキシメチル−5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)ウリジン(4f)
(2´-O-(2-fluoro)ethoxymethyl-5´-O-(4,4´-dimethoxytrityl)uridine (4f))
4fの粗精製物は,2´-O-(2-fluoro)ethoxymethyl-3´,5´-O-(1,1,3,3-tetraisopropyldisiloxane
-1,3-diyl)uridine 2f (1.13 g, 2.0 mmol)を原料とし、4aと同様の手法により得た。シリカゲルクロマトグラフィー[2.5×15 cm, 22g of silica gel, dichloromethane-methanol- pyridine
(99.5:0:0.5,v/v/v → 96.5:1:0.5,v/v/v)]によって精製を行い4fを得た(908 mg, 73%)。
【0122】
1H NMR (300
MHz, CDCl
3) 8.03 (1H, br, NH), 7.93 (1H, d, J = 8.4 Hz, 6-H),
7.39-6.82 (13H, m, DMTr), 6.02 (1H, d, J = 3.3 Hz, 1´-H), 5.30-5.28 (1H, m, 5-H), 5.04 (1H, d, J
= 6.6 Hz, H-C of acetal), 4.93 (1H, d, J = 6.6 Hz, H-C of acetal),
4.67-4.46 (3H, m, 3´-H, CH
2F-CH
2-O),
4.36-4.34 (1H, m, 2´-H), 4.10-4.08 (1H, m, 4´-H),3.94-3.80 (8H, m, MeO×2, CH
2F-CH
2-O),
3.53-3.52 (2H, m, 5´-H), 2.61 (1H, d, 3´-OH).
【0123】
2’−O−(2−フルオロ)エトキシメチル−5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)ウリジン3’−(2−シアノエチルジイソプロピルホスホロアミダイト)(5f)
(2´-O-(2-fluoro)ethoxymethyl-5´-O-(4,4´-dimethoxytrityl) uridine 3´-(2-cyanoethyl diisopropylphosphoramidite) (5f))
2´-O-(2-fluoro)ethoxymethyl-5´-O-(4,4´-dimethoxytrityl)uridine
4f (908 mg, 1.46 mmol)を原料とし、5aと同様に合成、精製を行い、ジアステレオマー混合物の5fを得た(918 mg, 77%)。
【0124】
1H NMR (300 MHz, CDCl
3) d 8.34 (1H, br, NH) , d 7.95-7.90 (1H, m, 6-H) , d 7.41-6.84 (13H, m, DMTr)
, d 6.06 (1H, m, 1´-H) , d 5.30-5.23 (1H, m, 5-H) ,
d 5.01-4.86 (2H, m, H-C of acetal) , d 4.67-4.43 (4H, m, 2’-H, 3´-H, CH
2F-CH
2-O) , d 3.97-3.40 (14H, m, MeO×2, 5´-H, 2×(CH
3)
2CH-N, CH
2F-CH
2-O,
NC-CH
2CH
2-), d 2.68-2.41 (2H, m, NC-CH
2CH
2-) , d 1.28-1.03 (12H, m, 2×(CH
3)
2CH-N).
31P NMR (121 MHz, CDCl
3) d 151.1, d 150.8