(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
重合性液晶材料が少なくとも1種の単、二または多反応性の重合性メソゲン性化合物、および少なくとも1種の二色性光開始剤を含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
重合性液晶材料が少なくとも1種の単反応性の重合性メソゲン性化合物、少なくとも1種の二または多反応性の重合性メソゲン性化合物、および少なくとも1種の二色性光開始剤を含むことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
重合性液晶材料が少なくとも1種の単反応性のキラルな重合性メソゲン性化合物、少なくとも1種の単、二または多反応性のアキラルな重合性メソゲン性化合物、および少なくとも1種の二色性光開始剤を含むことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
重合性液晶材料が少なくとも1種の二または多反応性のキラルな重合性メソゲン性化合物、少なくとも1種の単、二または多反応性のアキラルな重合性メソゲン性化合物、および少なくとも1種の二色性光開始剤を含むことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
重合性液晶材料が少なくとも1種の非重合性のキラルな化合物、少なくとも1種の単、二または多反応性のアキラルな重合性メソゲン性化合物および少なくとも1種の二色性光開始剤を含むことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【
図1】
図1は、本発明のプロセスを図式的に例示し、ここで1は放射源を示し、2は偏光していない光を示し、3はワイヤーグリッド偏光子を示し、4は直線偏光を示し、5は重合性液晶材料を示し、6は基板を示し、7は加熱源を示し、8は加熱した窒素パージを示し、αは可変放射角を示す。
【0043】
【
図2】
図2は、例1のポリマーフィルムのリタデーションプロフィールを描写する。
【
図3】
図3は、例2のポリマーフィルムのリタデーションプロフィールを描写する。
【
図4】
図4は、例3のポリマーフィルムのリタデーションプロフィールを描写する。
【
図5】
図5は、例4のポリマーフィルムのリタデーションプロフィール(放射源の角度依存性)を描写する。
【0044】
詳細な説明
本発明の方法のために使用する好適な重合性液晶材料は、少なくとも1種の単、二または多反応性の重合性メソゲン性化合物および少なくとも1種の二色性光開始剤を含む。
【0045】
すべての既知の二色性光開始剤は、本発明の方法に適している。好ましくは、EP-A-1 388 538に開示されているα−アミノ基を含む二色性光開始剤を、使用する。特に好ましいのは、式Iで表される二色性光開始剤である。
【化1】
【0046】
式中、
Pは、重合性基であり、
Spは、スペーサー基または単結合であり、
A
11は、複数の出現の場合においては互いに独立して、任意に1つまたは2つ以上の同一であるかまたは異なる基Lによって置換されているアリール、ヘテロアリール、脂肪族または複素環式基、好ましくは任意に1つまたは2つ以上の同一であるかまたは異なる基Lによって置換されている1,4−シクロヘキシレンまたは1,4−フェニレンであり、
【0047】
Z
11は、各出現において互いに独立して−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−S−CO−、−CO−S−、−O−COO−、−CO−NR
01−、−NR
01−CO−、−NR
01−CO−NR
02、−NR
01−CO−O−、−O−CO−NR
01−、−OCH
2−、−CH
2O−、−SCH
2−、−CH
2S−、−CF
2O−、−OCF
2−、−CF
2S−、−SCF
2−、−CH
2CH
2−、−(CH
2)
4−、−CF
2CH
2−、−CH
2CF
2−、−CF
2CF
2−、−CH=N−、−N=CH−、−N=N−、−CH=CR
01−、−CY
01=CY
02−、−C≡C−、−CH=CH−COO−、−OCO−CH=CH−または単結合、好ましくは−COO−、−OCO−または単結合であり、
【0048】
Y
01およびY
02は、各々、互いに独立してH、F、ClまたはCNを示し、
mは、0、1、2または3、好ましくは2または3であり、
rは、0、1、2、3または4、好ましくは0、1または2であり、
【0049】
Lは、複数の出現の場合において互いに独立してH、ハロゲン、CNまたは1〜5個のC原子を有する任意にハロゲン化されたアルキル、アルコキシ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシもしくはアルコキシカルボニルオキシ、好ましくはH、ハロゲンまたはCN、1〜5個のC原子を有するアルキルまたはアルコキシであり、
【0050】
R
11〜13は、互いに独立してH、ハロゲン、CN、NO
2、NCS、SF
5、P−Sp−または1〜20個のC原子を有し、任意にF、Cl、Br、IもしくはCNによって単置換もしくは多置換されており、かつここで1つもしくは2つ以上の隣接していないCH
2基が任意に、各場合において互いに独立して−O−、−S−、−NR
01−、−SiR
01R
02−、−CO−、−COO−、−OCO−、−OCO−O−、−NR
01−CO−、−CO−NR
01−、−NR
01−CO−NR
02−、−S−CO−、−CO−S−、−CY
01=CY
02−もしくは−C≡C−によって、Oおよび/もしくはS原子が互いに直接結合しないように置き換えられている直鎖状もしくは分枝状アルキル、好ましくは1〜12個のC原子を有するアルキルまたはアルコキシであり、ならびに
【0051】
R
01およびR
02は、互いに独立してH、または1〜20個のC原子、好ましくは1〜6個のC原子を有する直鎖状もしくは分枝状アルキルである。
【0052】
本明細書中で、「カルビル基」は、さらなる原子を含まない(例えば−C≡C−)か、または任意に1個もしくは2個以上のさらなる原子、例えばN、O、S、P、Si、Se、As、TeもしくはGeを含む(例えばカルボニルなど)、少なくとも1個の炭素原子を含む一価の、または多価の有機基を示す。「ヒドロカルビル基」は、さらに1個または2個以上のH原子および任意に1個または2個以上のヘテロ原子、例えばN、O、S、P、Si、Se、As、TeまたはGeを含むカルビル基を示す。「ハロゲン」は、F、Cl、BrまたはIを示す。
【0053】
カルビルまたはヒドロカルビル基は、飽和の、または不飽和の基であり得る。不飽和の基は、例えばアリール、アルケニルまたはアルキニル基である。3個より多いC原子を有するカルビルまたはヒドロカルビル基は、直鎖状、分枝状および/または環状であり得、またスピロ結合または縮合環を含んでいてもよい。
【0054】
本明細書中で、用語「アルキル」、「アリール」、「ヘテロアリール」などはまた、多価の基、例えばアルキレン、アリーレン、ヘテロアリーレンなどを包含する。用語「アリール」は、芳香族炭素基またはそれから誘導された基を示す。用語「ヘテロアリール」は、1個または2個以上のヘテロ原子を含む上記の定義による「アリール」を示す。
【0055】
好ましいカルビルおよびヒドロカルビル基は、1〜40個、好ましくは1〜25個、特に好ましくは1〜18個のC原子を有する任意に置換されたアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシおよびアルコキシカルボニルオキシ、6〜40個、好ましくは6〜25個のC原子を有する任意に置換されたアリールもしくはアリールオキシ、または6〜40個、好ましくは6〜25個のC原子を有する任意に置換されたアルキルアリール、アリールアルキル、アルキルアリールオキシ、アリールアルキルオキシ、アリールカルボニル、アリールオキシカルボニル、アリールカルボニルオキシおよびアリールオキシカルボニルオキシである。
【0056】
さらに好ましいカルビルおよびヒドロカルビル基は、C
1〜C
40アルキル、C
2〜C
40アルケニル、C
2〜C
40アルキニル、C
3〜C
40アリル、C
4〜C
40アルキルジエニル、C
4〜C
40ポリエニル、C
6〜C
40アリール、C
6〜C
40アルキルアリール、C
6〜C
40アリールアルキル、C
6〜C
40アルキルアリールオキシ、C
6〜C
40アリールアルキルオキシ、C
2〜C
40ヘテロアリール、C
4〜C
40シクロアルキル、C
4〜C
40シクロアルケニルなどである。特に好ましいのは、C
1〜C
22アルキル、C
2〜C
22アルケニル、C
2〜C
22アルキニル、C
3〜C
22アリル、C
4〜C
22アルキルジエニル、C
6〜C
12アリール、C
6〜C
20アリールアルキルおよびC
2〜C
20ヘテロアリールである。
【0057】
さらに好ましいカルビルおよびヒドロカルビル基は、1〜40個、好ましくは1〜25個のC原子を有し、非置換であるか、またはF、Cl、Br、IもしくはCNによって単置換もしくは多置換されており、かつここで1つまたは2つ以上の隣接していないCH
2基は、各々、互いに独立して、−C(R
x)=C(R
x)−、−C≡C−、−N(R
x)−、−O−、−S−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−O−CO−O−によって、Oおよび/またはS原子が互いに直接結合しないように置き換えられていてもよい直鎖状、分枝状または環状アルキルラジカルである。
【0058】
R
xは、好ましくはH、ハロゲン、1〜25個のC原子を有し、ここでさらに1個もしくは2個以上の隣接していないC原子が−O−、−S−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−O−CO−O−によって置き換えられていてもよく、かつここで1個もしくは2個以上のH原子がフッ素によって置き換えられていてもよい直鎖状、分枝状もしくは環状アルキル鎖、6〜40個のC原子を有する任意に置換されたアリールもしくはアリールオキシ基または2〜40個のC原子を有する任意に置換されたヘテロアリールもしくはヘテロアリールオキシ基を示す。
【0059】
好ましいアルキル基は、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、2−メチルブチル、n−ペンチル、s−ペンチル、シクロペンチル、n−ヘキシル、シクロヘキシル、2−エチルヘキシル、n−ヘプチル、シクロヘプチル、n−オクチル、シクロオクチル、n−ノニル、n−デシル、n−ウンデシル、n−ドデシル、ドデカニル、トリフルオロメチル、パーフルオロ−n−ブチル、2,2,2−トリフルオロエチル、パーフルオロオクチル、パーフルオロヘキシルなどである。
【0060】
好ましいアルケニル基は、例えばエテニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、シクロペンテニル、ヘキセニル、シクロヘキセニル、ヘプテニル、シクロヘプテニル、オクテニル、シクロオクテニルなどである。
好ましいアルキニル基は、例えばエチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル、オクチニルなどである。
【0061】
好ましいアルコキシ基は、例えばメトキシ、エトキシ、2−メトキシエトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、n−ブトキシ、i−ブトキシ、s−ブトキシ、t−ブトキシ、2−メチルブトキシ、n−ペントキシ、n−ヘキソキシ、n−ヘプトキシ、n−オクトキシ、n−ノノキシ、n−デコキシ、n−ウンデコキシ、n−ドデコキシなどである。
好ましいアミノ基は、例えばジメチルアミノ、メチルアミノ、メチルフェニルアミノ、フェニルアミノなどである。
【0062】
アリールおよびヘテロアリール基は、単環式または多環式であり得、つまりそれらは、1つの環(例えばフェニル)または2つもしくは3つ以上の環を有することができ、それはまた融合している(例えばナフチル)か、または共有結合している(例えばビフェニル)か、または融合した環と結合した環との組み合わせを含んでいてもよい。ヘテロアリール基は、好ましくはO、N、SおよびSeから選択された1個または2個以上のヘテロ原子を含む。
【0063】
特に好ましいのは、2〜25個のC原子を有する単環式、二環式または三環式アリール基および6〜25個のC原子を有し、任意に融合環を含み、任意に置換されている単環式、二環式または三環式ヘテロアリール基である。好ましいのは、さらに5、6または7員環のアリールおよびヘテロアリール基であり、ここでさらに1つまたは2つ以上のCH基は、N、SまたはOによって、O原子および/またはS原子が互いに直接結合しないように置き換えられていてもよい。
【0064】
好ましいアリール基は、例えばフェニル、ビフェニル、テルフェニル、[1,1’:3’,1’’]テルフェニル−2’−イル、ナフチル、アントラセン、ビナフチル、フェナントレン、ピレン、ジヒドロピレン、クリセン、ペリレン、テトラセン、ペンタセン、ベンゾピレン、フルオレン、インデン、インデノフルオレン、スピロビフルオレンなどである。
【0065】
好ましいヘテロアリール基は、例えば5員環、例えばピロール、ピラゾール、イミダゾール、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、テトラゾール、フラン、チオフェン、セレノフェン、オキサゾール、イソキサゾール、1,2−チアゾール、1,3−チアゾール、1,2,3−オキサジアゾール、1,2,4−オキサジアゾール、1,2,5−オキサジアゾール、1,3,4−オキサジアゾール、1,2,3−チアジアゾール、1,2,4−チアジアゾール、1,2,5−チアジアゾール、1,3,4−チアジアゾール、6員環、例えばピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、1,3,5−トリアジン、1,2,4−トリアジン、1,2,3−トリアジン、1,2,4,5−テトラジン、1,2,3,4−テトラジン、1,2,3,5−テトラジン、または縮合した基、例えばインドール、イソインドール、インドリジン、インダゾール、ベンズイミダゾール、ベンゾトリアゾール、プリン、ナフトイミダゾール、フェナントロイミダゾール、ピリドイミダゾール、ピラジンイミダゾール、キノキサリンイミダゾール、ベンゾキサゾール、ナフトキサゾール、アントロキサゾール、フェナントロキサゾール、イソキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾフラン、イソベンゾフラン、ジベンゾフラン、キノリン、イソキノリン、プテリジン、ベンゾ−5,6−キノリン、ベンゾ−6,7−キノリン、ベンゾ−7,8−キノリン、ベンゾイソキノリン、アクリジン、フェノチアジン、フェノキサジン、ベンゾピリダジン、ベンゾピリミジン、キノキサリン、フェナジン、ナフチリジン、アザカルバゾール、ベンゾカルボリン、フェナントリジン、フェナントロリン、チエノ[2,3b]チオフェン、チエノ[3,2b]チオフェン、ジチエノチオフェン、イソベンゾチオフェン、ジベンゾチオフェン、ベンゾチアジアゾチオフェン、またはこれらの基の組み合わせである。ヘテロアリール基はまた、アルキル、アルコキシ、チオアルキル、フッ素、フルオロアルキルまたはさらにアリールもしくはヘテロアリール基によって置換されていてもよい。
【0066】
(非芳香族の)脂環式および複素環式基は、飽和の環、つまり専ら単結合を含むもの、およびまた部分的に不飽和の環、つまりまた多重結合を含んでいてもよいものの両方を包含する。複素環式環は、好ましくはSi、O、N、SおよびSeから選択された1個または2個以上のヘテロ原子を含む。
【0067】
(非芳香族の)脂環式および複素環式基は、単環式、つまり1つのみの環を含む(例えばシクロヘキサン)か、または多環式、つまり複数の環を含む(例えばデカヒドロナフタレンもしくはビシクロオクタン)ことができる。特に好ましいのは、飽和の基である。好ましいのは、さらに3〜25個のC原子を有し、任意に融合環を含み、任意に置換されている単環式、二環式または三環式基である。好ましいのは、さらに5、6、7または8員環の炭素環式基であり、ここでさらに、1個もしくは2個以上のC原子はSiによって置き換えられていてもよく、かつ/または1つもしくは2つ以上のCH基はNによって置き換えられていてもよく、かつ/または1つもしくは2つ以上の隣接していないCH
2基は−O−および/もしくは−S−によって置き換えられていてもよい。
【0068】
好ましい脂環式および複素環式基は、例えば5員環の基、例えばシクロペンタン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロチオフラン、ピロリジン、6員環の基、例えばシクロヘキサン、シリナン、シクロヘキセン、テトラヒドロピラン、テトラヒドロチオピラン、1,3−ジオキサン、1,3−ジチアン、ピペリジン、7員環の基、例えばシクロヘプタン、および融合した基、例えばテトラヒドロナフタレン、デカヒドロナフタレン、インダン、ビシクロ[1.1.1]ペンタン−1,3−ジイル、ビシクロ[2.2.2]オクタン−1,4−ジイル、スピロ[3.3]ヘプタン−2,6−ジイル、オクタヒドロ−4,7−メタノインダン−2,5−ジイルである。
【0069】
アリール、ヘテロアリール、カルビルおよびヒドロカルビルラジカルは、任意に1つまたは2つ以上の置換基を有し、それらは、好ましくはシリル、スルホ、スルホニル、ホルミル、アミン、イミン、ニトリル、メルカプト、ニトロ、ハロゲン、C
1〜12アルキル、C
6〜12アリール、C
1〜12アルコキシ、ヒドロキシル、またはこれらの基の組み合わせを含む群から選択される。
【0070】
好ましい置換基は、例えば可溶性促進基、例えばアルキルもしくはアルコキシ、電子求引基、例えばフッ素、ニトロもしくはニトリル、またはポリマーにおけるガラス転移温度(Tg)を上昇させるための置換基、特に嵩の大きい基、例えばt−ブチルまたは任意に置換されたアリール基である。
【0071】
また以下で「L」と称する好ましい置換基は、例えばF、Cl、Br、I、OH、−CN、−NO
2、−NCO、−NCS、−OCN、−SCN、−C(=O)N(R
x)
2、−C(=O)Y
1、−C(=O)R
x、−C(=O)OR
x、−N(R
x)
2であり、ここでR
xは上述の意味を有し、Y
1はハロゲン、任意に置換されたシリル、4〜40個、好ましくは4〜20個の環原子を有する任意に置換されたアリールまたはヘテロアリール、および1〜25個のC原子を有する直鎖状または分枝状アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシまたはアルコキシカルボニルオキシを示し、ここで1個または2個以上のH原子は、任意にFまたはClによって置き換えられていてもよい。
【0072】
「置換シリルまたはアリール」は、好ましくはハロゲン、−CN、R
0、−OR
0、−CO−R
0、−CO−O−R
0、−O−CO−R
0または−O−CO−O−R
0によって置換されていることを意味し、ここでR
0は上述の意味を有する。
特に好ましい置換基Lは、例えばF、Cl、CN、NO
2、CH
3、C
2H
5、OCH
3、OC
2H
5、COCH
3、COC
2H
5、COOCH
3、COOC
2H
5、CF
3、OCF
3、OCHF
2、OC
2F
5、さらにフェニルである。
【0073】
本明細書中で示した式中で、置換フェニレン環
【化2】
は、好ましくは
【化3】
であり、
【0074】
ここでLは、各出現において同一にまたは異なって本明細書中で示した意味の1つを有し、好ましくはF、Cl、CN、NO
2、CH
3、C
2H
5、C(CH
3)
3、CH(CH
3)
2、CH
2CH(CH
3)C
2H
5、OCH
3、OC
2H
5、COCH
3、COC
2H
5、COOCH
3、COOC
2H
5、CF
3、OCF
3、OCHF
2、OC
2F
5またはP−Sp−、非常に好ましくはF、Cl、CN、CH
3、C
2H
5、OCH
3、COCH
3、OCF
3またはP−Sp−、最も好ましくはF、Cl、CH
3、OCH
3、COCH
3またはOCF
3である。
【0075】
重合性基Pは、好ましくはC=C二重結合またはC≡C三重結合を含む基、および開環を伴う重合に適している基、例えばオキセタンまたはエポキシド基から選択される。
【0076】
非常に好ましくは、重合性基Pは、
【化4】
からなる群から選択され、
【0077】
式中W
1は、H、F、Cl、CN、CF
3、フェニルまたは1〜5個のC原子を有するアルキル、特にH、F、ClまたはCH
3を示し、W
2は、Hまたは1〜5個のC原子を有するアルキル、特にH、メチル、エチルまたはn−プロピルを示し、W
3およびW
4は、各々、互いに独立してH、Clまたは1〜5個のC原子を有するアルキルを示し、Pheは、1,4−フェニレンを示し、それは、任意に上に定義したがP−Spとは異なる1つまたは2つ以上のラジカルLによって置換されており、k
1、k
2およびk
3は、各々、互いに独立して0または1を示し、k
3は、好ましくは1を示し、k
4は、1〜10の整数である。
【0078】
特に好ましい基Pは、
【化5】
特にビニルオキシ、アクリレート、メタクリレート、フルオロアクリレート、クロロアクリレート、オキセタンおよびエポキシド、最も好ましくはアクリレートまたはメタクリレートである。
【0079】
本発明のさらなる好ましい態様において、すべての重合性化合物およびその対応する従属式は、1つまたは2つ以上のラジカルP−Sp−の代わりに、2つまたは3つ以上の重合性基Pを含む1つまたは2つ以上の分枝状ラジカル(多反応性重合性ラジカル)を含む。このタイプの好適なラジカル、およびそれらを含む重合性化合物は、例えばUS 7,060,200 B1またはUS 2006/0172090 A1に記載されている。特に好ましいのは、以下の式から選択された多反応性重合性ラジカルである:
【化6】
【0080】
式中、
alkylは、単結合または1〜12個のC原子を有する直鎖状もしくは分枝状アルキレンを示し、ここで1つまたは2つ以上の隣接していないCH
2基は、各々、互いに独立して、−C(R
x)=C(R
x)−、−C≡C−、−N(R
x)−、−O−、−S−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−O−CO−O−によって、Oおよび/またはS原子が互いに直接結合しないように置き換えられていてもよく、かつここでさらに、1個または2個以上のH原子は、F、ClまたはCNによって置き換えられていてもよく、ここでR
xは上述の意味を有し、好ましくは上に定義したR
0を示し、
【0081】
aaおよびbb、は各々、互いに独立して0、1、2、3、4、5または6を示し、
Xは、X’について示した意味の1つを有し、ならびに
P
1〜5は、各々、互いに独立してPについて上に示した意味の1つを有する。
【0082】
好ましいスペーサー基Spは、式Sp’−X’から選択され、したがってラジカル「P−Sp−」は、式「P−Sp’−X’−」に適合し、ここで
Sp’は、1〜20個、好ましくは1〜12個のC原子を有するアルキレンを示し、それは任意にF、Cl、Br、IまたはCNによって単置換または多置換されており、かつここでさらに、1つまたは2つ以上の隣接していないCH
2基は、各々、互いに独立して、−O−、−S−、−NH−、−NR
01−、−SiR
01R
02−、−CO−、−COO−、−OCO−、−OCO−O−、−S−CO−、−CO−S−、−NR
01−CO−O−、−O−CO−NR
01−、−NR
01−CO−NR
01−、−CH=CH−または−C≡C−によって、Oおよび/またはS原子が互いに直接結合しないように置き換えられていてもよく、
【0083】
X’は、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−O−COO−、−CO−NR
01−、−NR
01−CO−、−NR
01−CO−NR
01−、−OCH
2−、−CH
2O−、−SCH
2−、−CH
2S−、−CF
2O−、−OCF
2−、−CF
2S−、−SCF
2−、−CF
2CH
2−、−CH
2CF
2−、−CF
2CF
2−、−CH=N−、−N=CH−、−N=N−、−CH=CR
01−、−CY
01=CY
02−、−C≡C−、−CH=CH−COO−、−OCO−CH=CH−または単結合を示し、
【0084】
R
01およびR
02は、各々、互いに独立してHまたは1〜12個のC原子を有するアルキルを示し、および
Y
01およびY
02は、各々、互いに独立してH、F、ClまたはCNを示す。
【0085】
X’は、好ましくは−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−O−COO−、−CO−NR
0−、−NR
01−CO−、−NR
01−CO−NR
01−または単結合である。
典型的なスペーサー基Sp’は、例えば−(CH
2)
p1−、−(CH
2CH
2O)
q1−CH
2CH
2−、−CH
2CH
2−S−CH
2CH
2−、−CH
2CH
2−NH−CH
2CH
2−または−(SiR
01R
02−O)
p1−であり、
ここでp1は1〜12の整数であり、q1は1〜3の整数であり、R
01およびR
02は上述の意味を有する。
特に好ましい基−X’−Sp’−は、−(CH
2)
p1−、−O−(CH
2)
p1−、−OCO−(CH
2)
p1−、−OCOO−(CH
2)
p1−である。
【0086】
特に好ましい基Sp’は、例えば、各場合において直鎖状エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン、ヘキシレン、ヘプチレン、オクチレン、ノニレン、デシレン、ウンデシレン、ドデシレン、オクタデシレン、エチレンオキシエチレン、メチレンオキシブチレン、エチレンチオエチレン、エチレン−N−メチルイミノエチレン、1−メチルアルキレン、エテニレン、プロペニレンおよびブテニレンである。
【0087】
好ましくは本発明の方法のために使用することができる式Iで表される化合物は、以下のものである。
【化7】
【0088】
【化8】
【0089】
式中、LはHまたはFであり、R
11は1〜12個のC原子を有するアルキル基またはアルコキシであり、R
12およびR
13は1〜6個のC原子を有するアルキルまたはアルコキシから、非常に好ましくはメチル、エチルまたはプロピルから選択される。
【0090】
本発明の方法のために使用する最も好ましい二色性光開始剤は、式I−2で表され、式中LがFであり、R
11が1〜12個のC原子のアルキルであり、R
12およびR
13がアルキルから、非常に好ましくはメチル、エチルまたはプロピルから選択される化合物である。
【0091】
本発明の方法のために使用する好ましい液晶材料中の二色性光開始剤の割合は、好ましくは1〜40重量%の範囲内、より好ましくは1〜30重量%の範囲内および尚より好ましくは1〜20重量%の範囲内にある。
【0092】
好ましくは、本発明の方法のために使用する重合性液晶材料は、2種または3種以上、例えば2〜25種の液晶化合物の混合物である。
【0093】
本発明の方法は、特定の液晶材料に限定されず、原則として先行技術から知られているすべてのRMの整列のために使用することができる。RMは、好ましくは、サーモトロピックもしくはリオトロピック液晶性を例証するカラミティックもしくはディスコティック化合物、非常に好ましくはカラミティック化合物、またはある温度範囲において液晶中間相を有する1つもしくは2つ以上のタイプのこれらの化合物の混合物から選択される。これらの材料は、典型的には良好な光学的特性、例えば低下した色度を有し、所望の配向に容易かつ迅速に整列することができ、それは大規模でのポリマーフィルムの工業的生産のために特に重要である。液晶は、小分子(つまりモノマー化合物)または液晶オリゴマーであり得る。
【0094】
好ましくは、本発明の方法のために使用する重合性液晶材料は、好ましくは少なくとも1種の単反応性重合性メソゲン性化合物、少なくとも1種の二または多反応性重合性メソゲン性化合物、および少なくとも1種の二色性光開始剤を含む。
【0095】
本発明の好適な重合性液晶材料は、式IIから選択された重合性の単、二または多反応性化合物を含む。
P−Sp−MG−R
0 II
【0096】
式中、
Pは、重合性基、好ましくはアクリル、メタクリル、ビニル、ビニルオキシ、プロペニルエーテル、エポキシ、オキセタンまたはスチレン基であり、
Spは、スペーサー基または単結合であり、
MGは、棒状のメソゲン性基であり、それは、好ましくは式Mから選択され、
Mは、−(A
21−Z
21)
k−A
22−(Z
22−A
23)
l−であり、
【0097】
A
21〜A
23は、各出現において互いに独立して、任意に1つまたは2つ以上の同一であるかまたは異なる基Lによって置換されているアリール、ヘテロアリール、複素環式または脂環式基、好ましくは任意に1つまたは2つ以上の同一であるかまたは異なる基Lによって置換されている1,4−シクロヘキシレンまたは1,4−フェニレン、1,4 ピリジン、1,4−ピリミジン、2,5−チオフェン、2,6−ジチエノ[3,2−b:2’,3’−d]チオフェン、2,7−フッ素、2,6−ナフタレン、2,7−フェナントレンであり、
【0098】
Z
21およびZ
22は、各出現において互いに独立して、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−S−CO−、−CO−S−、−O−COO−、−CO−NR
01−、−NR
01−CO−、−NR
01−CO−NR
02、−NR
01−CO−O−、−O−CO−NR
01−、−OCH
2−、−CH
2O−、−SCH
2−、−CH
2S−、−CF
2O−、−OCF
2−、−CF
2S−、−SCF
2−、−CH
2CH
2−、−(CH
2)
4−、−CF
2CH
2−、−CH
2CF
2−、−CF
2CF
2−、−CH=N−、−N=CH−、−N=N−、−CH=CR
01−、−CY
01=CY
02−、−C≡C−、−CH=CH−COO−、−OCO−CH=CH−または単結合、好ましくは−COO−、−OCO−、−CO−O−、−O−CO−、−OCH
2−、−CH
2O−、−、−CH
2CH
2−、−(CH
2)
4−、−CF
2CH
2−、−CH
2CF
2−、−CF
2CF
2−、−C≡C−、−CH=CH−COO−、−OCO−CH=CH−または単結合であり、
【0099】
Lは、式Iにおいて上に定義した意味の1つを有し、
R
0は、H、1〜20個のC原子、より好ましくは1〜15個のC原子を有し、任意にフッ素化されているアルキル、アルコキシ、チオアルキル、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシもしくはアルコキシカルボニルオキシであるか、またはY
0もしくはP−Sp−であり、
【0100】
Y
0は、F、Cl、CN、NO
2、OCH
3、OCN、SCN、1〜4個のC原子を有する任意にフッ素化されたアルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシもしくはアルコキシカルボニルオキシ、または1〜4個のC原子を有する一、オリゴもしくは多フッ素化されたアルキルもしくはアルコキシ、好ましくはF、Cl、CN、NO
2、OCH
3または1〜4個のC原子を有する一、オリゴもしくは多フッ素化されたアルキルもしくはアルコキシであり、
【0101】
Y
01およびY
02は、各々および独立して式Iにおいて上に定義した意味を有し、
R
01およびR
02は、各々および独立して式Iにおいて上に定義した意味を有し、ならびに
kおよびlは、各々および独立して0、1、2、3または4、好ましくは0、1または2、最も好ましくは1である。
【0102】
好適なRMは、当業者に知られており、例えばWO 93/22397、EP 0 261 712、DE 195 04 224、WO 95/22586、WO 97/00600、US 5,518,652、US 5,750,051、US 5,770,107およびUS 6,514,578に開示されている。本発明において使用する好適であり、好ましい単反応性、二反応性または多反応性RMの例を、以下のリスト中に示す。
【化9】
【0103】
【化10】
【0104】
【化11】
【0105】
【化12】
【0106】
【化13】
【0107】
式中、
P
0は、複数の出現の場合において互いに独立して、重合性基、好ましくはアクリル、メタクリル、オキセタン、エポキシ、ビニル、ビニルオキシ、プロペニルエーテルまたはスチレン基であり、
A
0は、複数の出現の場合において互いに独立して、任意に1、2、3もしくは4つの基Lで置換されている1,4−フェニレン、またはトランス−1,4−シクロヘキシレンであり、
Z
0は、複数の出現の場合において互いに独立して、−COO−、−OCO−、−CH
2CH
2−、−C≡C−、−CH=CH−、−CH=CH−COO−、−OCO−CH=CH−または単結合であり、
【0108】
rは、0、1、2、3または4、好ましくは0、1または2であり、
tは、複数の出現の場合において互いに独立して0、1、2または3であり、
uおよびvは、互いに独立して0、1または2であり、
【0109】
wは、0または1であり、
xおよびyは、互いに独立して0または1〜12の同一であるかもしくは異なる整数であり、
zは、0または1であり、zは、隣接したxまたはyが0である場合には0であり、
かつここでベンゼンおよびナフタレン環は、さらに1つまたは2つ以上の同一であるかまたは異なる基Lで置換され得る。
【0110】
パラメーターR
0、Y
0、R
01、R
02およびLは、式IIにおいて上に示したのと同一の意味を有する。
【0111】
別の好ましい態様において、好適な重合性液晶材料は、少なくとも1種の単反応性のキラルな重合性メソゲン性化合物、少なくとも1種の単、二または多反応性のアキラルな重合性メソゲン性化合物、および少なくとも1種の二色性光開始剤を含む。
【0112】
特に好ましい態様において、本発明の方法のために使用する好適な重合性液晶材料は、少なくとも1種の二または多反応性のキラルな重合性メソゲン性化合物、少なくとも1種の単、二または多反応性のアキラルな重合性メソゲン性化合物、および少なくとも1種の二色性光開始剤を含む。
【0113】
本発明において使用する単、二または多反応性のキラルな重合性メソゲン性化合物は、好ましくは、直接の結合によって、または結合基を介して一緒に結合しており、かつここでこれらの環要素の2つが任意に互いに、直接または結合基を介して結合していてもよく、述べた結合基と同一であっても異なっていてもよい1つまたは2つ以上の環要素を含む。環要素は、好ましくは、4、5、6または7員環、好ましくは5または6員環の群から選択される。
【0114】
本発明において好ましく用いられる重合性のキラルな化合物は、好ましくは、各々単独で、または互いと組み合わせて、20μm
−1またはそれ以上、好ましくは40μm
−1またはそれ以上、より好ましくは60μm
−1またはそれ以上の範囲内、最も好ましくは80μm
−1またはそれ以上〜260μm
−1またはそれ以下の範囲内のらせんねじれ力
【数1】
の絶対値を有する。
【0115】
好適な重合性のキラルな化合物およびそれらの合成は、例えばUS 7,223,450に記載されているか、または例えばPaliocolor LC756(登録商標)(BASF AG)のように商業的に入手できる。
【0116】
本発明において使用する好ましい単、二または多反応性のキラルな重合性メソゲン性化合物は、以下の式から選択される。
【化14】
【0117】
【化15】
【0118】
式中、
P
0は、複数の出現の場合においては互いに独立して、重合性基、好ましくはアクリル、メタクリル、オキセタン、エポキシ、ビニル、ビニルオキシ、プロペニルエーテルまたはスチレン基であり、
A
0およびB
0は、複数の出現の場合においては互いに独立して、任意に1、2、3もしくは4つの基Lで置換されている1,4−フェニレン、またはトランス−1,4−シクロヘキシレンであり、
【0119】
X
0およびZ
0は、複数の出現の場合においては互いに独立して、−COO−、−OCO−、−CH
2CH
2−、−C≡C−、−CH=CH−、−CH=CH−COO−、−OCO−CH=CH−または単結合であり、
R*は、4個または5個以上、好ましくは4〜12個のC原子を有するキラルなアルキルまたはアルコキシ基、例えば2−メチルブチル、2−メチルオクチル、2−メチルブトキシまたは2−メチルオクトキシであり、
Chは、コレステリル、エストラジオールから選択されたキラルな基、またはテルペノイドラジカル、例えばメンチルもしくはシトロネリルであり、
【0120】
Lは、式Iにおいて上に定義した意味の1つを有し、
rは、0、1、2、3または4、好ましくは0、1または2であり、
tは、複数の出現の場合においては互いに独立して0、1、2または3であり、
【0121】
uおよびvは、互いに独立して0、1または2であり、
wは、0または1であり、
xは、互いに独立して0または1〜12の同一であるかもしくは異なる整数であり、
zは、0または1であり、zは、隣接するxまたはyが0である場合には0であり、
かつここでベンゼンおよびナフタレン環は、さらに1つまたは2つ以上の同一であるかまたは異なる基Lで置換され得る。
【0122】
好ましい態様において、本発明の方法のために使用する液晶材料を全体とした、単反応性の重合性メソゲン性化合物、好ましくは式II−1、II−13から選択されたもの、の割合は、好ましくは20〜90重量%の範囲内、より好ましくは30〜80重量%の範囲内および尚より好ましくは40〜70重量%の範囲内である。
【0123】
別の好ましい態様において、本発明の方法のために使用する液晶材料を全体とした、二反応性の重合性メソゲン性化合物、好ましくは式II−27から選択されたもの、の割合は、好ましくは1〜30重量%の範囲内、より好ましくは1〜20重量%の範囲内および尚より好ましくは1〜10重量%の範囲内である。
【0124】
別の好ましい態様において、本発明の方法のために使用する液晶材料を全体とした、多反応性の重合性メソゲン性化合物の割合は、好ましくは0〜30重量%の範囲内、より好ましくは0〜20重量%の範囲内および尚より好ましくは0〜10重量%の範囲内である。
【0125】
の本発明の方法のたに使用する好ましい液晶材料を全体とした、キラルな重合性メソゲン性化合物、好ましくは式CR8から選択されるもの、の割合は、好ましくは0〜30重量%の範囲内、より好ましくは0〜20重量%の範囲内および尚より好ましくは0〜10重量%の範囲内である。
【0126】
特に好ましい態様において、本発明において使用する重合性液晶材料は、少なくとも1種の非重合性のキラルな化合物、少なくとも1種の単、二または多反応性のアキラルな重合性メソゲン性化合物および少なくとも1種の二色性光開始剤を含む。
【0127】
特に好ましいのは、高いらせんねじれ力(HTP)を有する非重合性のキラルな化合物、特にWO 98/00428に開示されているものである。さらなる典型的に用いられている非重合性のキラルな化合物は、例えば商業的に入手できるR/S−5011、R−811またはCB−15(Merck KGaA, Darmstadt、ドイツ国から)である。
【0128】
本発明の方法のために使用する好ましい液晶材料を全体とした、前記キラルな非重合性メソゲン性化合物の割合は、好ましくは0〜30重量%の範囲内、より好ましくは0〜20重量%の範囲内および尚より好ましくは0〜10重量%の範囲内である。
【0129】
本発明の方法のために使用する好適な重合性液晶材料はまた、重合のために使用する放射線の波長に調整された吸収極大を有する1種または2種以上の色素、特にUV色素、例えば4,4’’−アゾキシアニソールまたはTinuvin(登録商標)色素(Ciba AGから)を含んでもよい。
【0130】
本発明において使用する重合性の液晶材料はまた、例えば商業的に入手できるIrganox(登録商標)シリーズ(Ciba AG)、例えばIrganox 1076から選択された、所望されない自発的な重合を防止するための1種または2種以上の安定剤または阻害剤を、好ましくは0〜0.1%、非常に好ましくは0〜0.2%の量において含んでもよい。
【0131】
好ましい態様において、本発明の方法のために使用する好適な重合性液晶材料は、1種または2種以上の単反応性の重合性非メソゲン性化合物を、好ましくは0〜50%、非常に好ましくは0〜20%の量において含む。典型的な例は、アルキルアクリレートまたはアルキルメタクリレート、好ましくはイソボルニルメタクリレートである。
【0132】
別の好ましい態様において、本発明の方法のために使用する重合性液晶材料は、任意に1種または2種以上の二または多反応性の重合性非メソゲン性化合物を、好ましくは0〜50%、非常に好ましくは0〜20%の量において、二または多反応性の重合性メソゲン性化合物に対して代替的に、またはそれに加えて含む。二反応性モノマーの典型的な例は、1〜20個のC原子のアルキル基を有するアルキルジアクリレートもしくはアルキルジメタクリレートまたはヘキサンジオールジアクリレートである。多反応性モノマーの典型的な例は、トリメチルプロパントリメタクリレート、またはペンタエリスリトールテトラアクリレートである。
【0133】
1種または2種以上の連鎖移動剤を重合性液晶材料に、ポリマーフィルムの物理的特性を修正するために加えることがまた、可能である。特に好ましいのは、チオール化合物、例えば単反応性チオール、例えばドデカンチオールまたは多反応性チオール、例えばトリメチルプロパントリ(3−メルカプトプロピオネート)である。非常に好ましいのは、例えばWO 96/12209、WO 96/25470またはUS 6,420,001に開示されているメソゲン性または液晶性チオールである。連鎖移動剤を使用することによって、ポリマーフィルム中の遊離のポリマー鎖の長さおよび/または2つの架橋間のポリマー鎖の長さを制御することができる。連鎖移動剤の量が増加する場合には、ポリマーフィルム中のポリマー鎖長さは減少する。
【0134】
本発明の重合性液晶材料はまた、ポリマー結合剤またはポリマー結合剤を形成することができる1種もしくは2種以上のモノマー、および/または1種もしくは2種以上の分散補助剤を含んでもよい。好適な結合剤および分散補助剤は、例えばWO 96/02597に開示されている。好ましくは、しかしながら、重合性材料は、結合剤または分散補助剤を含まない。
【0135】
前記重合性液晶材料は、さらに1種または2種以上の追加の構成成分、例えば触媒、感光剤、安定剤、阻害剤、連鎖移動剤、同時反応モノマー(co-reacting monomer)、界面活性化合物、潤滑剤、湿潤剤、分散剤、疎水剤、接着剤、流動性向上剤、消泡剤、脱気剤、希釈剤、反応性希釈剤、補助剤、着色剤、色素または顔料を含むことができる。
【0136】
本発明において使用する重合性液晶材料を、自体慣用の方式において、例えば前述の二色性光開始剤の1種または2種以上を上に定義した1種または2種以上の重合性化合物と、ならびに任意にさらなる液晶化合物および/または添加剤と混合することにより製造する。一般に、少ない方の量において使用する所望の量の構成成分を、主成分を構成する構成成分に、有利には高い温度で溶解する。また、構成成分を有機溶媒、例えばアセトン、クロロホルムまたはメタノールに溶解した溶液を混合し、溶媒を再び、完全な混合の後に例えば蒸留によって除去することが、可能である。
【0137】
本発明の方法のために、特に好ましい重合性液晶材料は、以下のものを含む:
a)1種または2種以上のアキラルな単、二または多反応性の重合性メソゲン性化合物、
b)1種または2種以上の二色性光開始剤、
c)任意に1種または2種以上の重合性のキラルな化合物、
d)任意に1種または2種以上の安定剤、
【0138】
e)任意に1種または2種以上の単、二または多反応性の重合性非メソゲン性化合物、
f)任意に1種または2種以上の非重合性のキラルな化合物、
g)任意に光重合を開始するために使用する波長で吸収極大を示す1種または2種以上の色素、
h)任意に1種または2種以上の連鎖移動剤、
i)任意に1種または2種以上の安定剤。
【0139】
重合性液晶材料を、基板上に、慣用のコーティング手法、例えばスピンコーティングまたはブレードコーティングによって適用することができる。それをまた、専門家に知られている慣用の印刷手法、例えばスクリーン印刷、オフセット印刷、オープンリール式印刷、レタープレス刷、グラビア印刷(gravure printing)、グラビア印刷(rotogravure printing)、フレキソ印刷、凹版印刷、パッド印刷、ヒートシール印刷、インクジェット印刷またはスタンプもしくは印刷プレートによる印刷によって基板に適用することができる。
【0140】
重合性液晶材料を好適な溶媒に溶解することがまた、可能である。この溶液を、次に基板上に、例えばスピンコーティングもしくは印刷または他の既知の手法によりコーティングするかまたは印刷し、溶媒を重合前に蒸発させる。ほとんどの場合において、溶媒の蒸発を容易にするために混合物を加熱することが、好適である。溶媒として、例えば標準的な有機溶媒を、使用することができる。
【0141】
溶媒を、例えばケトン、例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトンまたはシクロヘキサノン;酢酸塩、例えば酢酸メチル、エチルもしくはブチルまたはアセト酢酸メチル;アルコール、例えばメタノール、エタノールまたはイソプロピルアルコール;芳香族溶媒、例えばトルエンまたはキシレン;ハロゲン化炭化水素、例えばジまたはトリクロロメタン;グリコールまたはそれらのエステル、例えばPGMEA(プロピルグリコールモノメチルエーテルアセテート)、γ−ブチロラクトンなどから選択することができる。また、上記の溶媒の二成分系、三成分系またはより多成分系の混合物を使用することが、可能である。
【0142】
本発明による方法のための基板として、例えば、ガラスもしくは石英板またはプラスチックフィルムもしくは板を、使用することができる。好適であり、好ましいプラスチック基板は、例えばポリエステル、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)またはポリエチレン−ナフタレート(PEN)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリカーボネート(PC)またはトリアセチルセルロース(TAC)のフィルム、非常に好ましくはPETまたはTACフィルムである。複屈折基板として、例えば一軸伸長プラスチックフィルムを、使用することができる。PETフィルムは、例えばデュポン帝人フィルムから商標名Melinex(登録商標)の下で商業的に入手できる。特に、好ましい基板は、TAC、PET、PVA、PEフィルムまたはガラス板である。
【0143】
好ましくは、本発明のコーティングした基板は平坦であり、しかしまた構築された基板、例えばフレネルレンズを、使用することができる。
【0144】
また、第2の基板をコーティングした材料の上に、重合に先立って、および/または重合中に、および/または重合後に配置することが、可能である。基板を、重合後に除去するかまたは除去しないことができる。2つの基板を使用する際には、少なくとも1つの基板は、重合のために使用する化学線に対して透過性でなければならない。アイソトロピックの、または複屈折の基板を、使用することができる。基板をポリマーフィルムから重合後に除去しない場合において、好ましくはアイソトロピックの基板を、使用する。
【0145】
本発明のステップb)における照射を、好ましくは重合性液晶材料を直線偏光した化学線に露光することにより行う。化学線は、光、好ましくはUV光、IR光での照射を意味する。本発明のプロセスにおいて、放射波長を、それが二色性光開始剤の解離および重合性化合物の重合を生じるように選択しなければならない。この点において、ステップb)を、最も好ましくは重合性液晶材料を直線偏光したUV放射線に露光することにより行う。
【0146】
放射波長を、UVバンドパスフィルターによって調整することができる。照射波長は、好ましくは250nm〜450nmの範囲内、より好ましくは320nm〜390nmの範囲内である。特に好ましいのは、約365nmの照射波長である。
【0147】
UV放射線のための源として、例えば単一のUVランプまたはUVランプのセットを、使用することができる。高いランプ出力を使用する際には、硬化時間を低減させることができる。UV放射線のための別の可能な源は、レーザーである。
【0148】
化学線の直線偏光を、専門家に知られている方法によって達成することができる。好ましくは、直線偏光を、放射線を好適な直線偏光子(例えば商業的に入手できる色素をドープした吸収偏光子)に通じることにより達成する。
【0149】
本発明のステップb)における照射を、重合性液晶材料がアイソトロピック相にある温度で行う。好ましい態様において、照射を、好ましくは、透明点より1〜10℃高い温度で、より好ましくは透明点より1〜5℃高い温度で、および最も好ましくは透明点より1〜3℃高い温度で行う。
【0150】
本発明のステップb)における照射を、好ましくは不活性ガス雰囲気の下で、好ましくは加熱した窒素雰囲気中で行うが、また空気中での照射が、可能である。
【0151】
上に記載したように、本発明において使用する重合性液晶材料は、二色性光開始剤を含む。一般的な光開始剤におけるように、二色性光開始剤は、正確な波長に露光した際に解離し、生成したラジカルは、モノマーの重合を開始するだろう。本発明の重合性液晶材料において使用する二色性光開始剤は、光吸収が分子の分子配向に依存するという特性を有する。したがって、前記の直線偏光したUV光で照射した際に、重合を開始するフリーラジカルが主に生成し、ここで局所的なダイレクターは偏光の方向に対して平行である。
【0152】
局所的なフリーラジカル生成の結果、アイソトロピック相における重合性液晶材料の種々の局所的な重合速度がもたらされる。直線偏光した光の電場に対して平行に配向した液晶分子の重合速度は、直線偏光した光の電場に対して垂直に配向した液晶分子の重合より迅速に進行する。その結果、重合速度の差異は、直線偏光したUV光に対して平行なドメイン形成を優先的にし、最終的には、ポリマーフィルム中の液晶材料の完全な重合および均一な整列により、ポリマーフィルム中への複屈折を誘発する。
【0153】
硬化時間は、とりわけ重合性液晶材料の反応性、被覆した層の厚さ、重合開始剤のタイプおよびUVランプの出力に依存する。硬化時間は、好ましくは≦5分、非常に好ましくは≦3分、最も好ましくは≦1分である。大量生産のために、≦30秒の短い硬化時間が、好ましい。
【0154】
好適なUV放射線出力は、好ましくは5〜200mWcm
−2の範囲内、より好ましくは50〜175mWcm
−2の範囲内および最も好ましくは100〜150mWcm
−2の範囲内である。
適用するUV放射線と関連して、および時間の関数として、好適なUV線量は、好ましくは25〜7200mJcm
−2の範囲内、より好ましくは500〜7200mJcm
−2の範囲内および最も好ましくは3000〜7200mJcm
−2の範囲内である。
【0155】
好ましい態様において、ポリマーフィルム中の液晶分子は、基板の主要面に関して平面状の配向に整列する。得られたポリマーフィルムにおける液晶分子のこの平面状配向を、ステップb)における放射線源が基板の主要面に対して垂直な角度で配置される場合に達成することができる。
【0156】
別の好ましい態様において、ポリマーフィルム中の液晶材料は、基板の主要面に関して傾斜した配向(>0°<90°)に整列し、それを、放射線源が基板の主要面に関して斜角(>0°<90°)で配置される場合に達成することができる。好ましくは、照射角度は、>10°<80°、より好ましくは>20°<70°またはより、または尚より好ましくは>30°<60°である。
【0157】
本発明はまた、本明細書中に記載した方法によって得られたポリマーフィルムに関する。
本発明の配向したポリマーフィルムを、例えばLCDにおいてリタデーションまたは補償フィルムとして使用して、大きな視野角でのコントラストおよび明るさを改善し、かつ色度を低減することができる。それらを、LCDにおいて切換可能な液晶セルの外側で、または基板、通常ガラス基板間で使用し、切換可能な液晶セルを形成し、切換可能な液晶媒体を含む(インセル(incell)適用)ことができる。
【0158】
様々なタイプの光学的リターダーが、知られている。例えば、「Aフィルム」(またはAプレート)は、その異常な軸が層の平面に対して平行に配向した一軸に複屈折の材料の層を利用する光学的リターダーである。この関連において、「Oフィルム」(またはOプレート)は、その異常な軸が層の平面に対してある角度で傾斜した一軸に複屈折の材料の層を利用する光学的リターダーである。
【0159】
上に記載した照射角度に依存して、本発明の方法によって得ることができるポリマーフィルムを、ステップb)における放射線源が基板の主要面に対して垂直な角度で位置する場合にはAプレート(ポリマーフィルムの液晶分子の平面状配向)として、または、放射線源が基板の主要面に関して斜角(>0°<90°)で位置する場合にはOプレート(ポリマーフィルム中の液晶分子の傾斜した配向)として使用することができる。
【0160】
入射光線の波長(λ)の関数としてのポリマーフィルムの光学リタデーション(δ(λ))は、以下の方程式(6)によって付与される:
δ(λ)=(2πΔn・d)/λ (6)
式中、(Δn)はフィルムの複屈折であり、(d)はフィルムの厚さであり、λは入射光線の波長である。
【0161】
Snellius法則によれば、入射光線の方向の関数としての複屈折は、
Δn=sinθ/sinΨ (7)
として定義され、
式中、sinθはフィルム中の光軸の入射角またはティルト角であり、sinΨは対応する反射角である。
【0162】
これらの法則に基づいて、複屈折およびしたがってまた光学リタデーションは、基本的にフィルムにおけるフィルムの厚さおよび光軸のティルト角に依存する(Berekの補償板を参照)。したがって、熟練した専門家は、種々の光学リタデーションまたは種々の複屈折がポリマーフィルムにおける液晶分子の配向を調整することにより誘発され得ることに気づいている。
【0163】
本発明のポリマーフィルムの複屈折(Δn)は、好ましくは0.01〜0.30の範囲内、より好ましくは0.01〜0.25の範囲内および尚より好ましくは0.01〜0.16の範囲内である。
【0164】
本発明の方法によって得られたポリマーフィルムの厚さは、好ましくは3〜30μmの範囲内、より好ましくは3〜20μmの範囲内および尚より好ましくは3〜10μmの範囲内である。
【0165】
本発明の方法によって得られたティルト角およびポリマーフィルムの厚さの関数としての光学リタデーションは、200nm未満、好ましくは180nm未満および尚より好ましくは150nm未満である。
【0166】
本発明はさらに、ポリマーフィルムの製造方法であって、種々の複屈折を有する少なくとも2つの領域を含むか、または種々の複屈折を有する2つもしくは3つ以上の領域のパターンを含む、前記方法に関する。
複屈折の変化によって、フィルムの種々の領域におけるリタデーションの変形がもたらされる。
【0167】
かかるフィルムを、上に記載した方法によって製造することができ、ここで重合性液晶材料の選択した部分のみを、例えばフォトマスクを使用することによって照射に露光するか、またはここで重合性液晶材料の種々の部分を、例えば照射の種々の透過を有する異なる領域を有する保護したフォトマスクを使用することによって、もしくは可変の強度を有する放射源を使用することによって種々の強度の照射に露光する。
【0168】
特に好ましいのは、リタデーションの種々の値を有する1つまたは2つ以上のパターン、好ましくは1つ、2つまたは3つの異なる領域を含む本発明のポリマーフィルムであり、前記値の各々を、直線偏光した光を円偏光した光に変換するその効率が原色の赤、緑および青(R、G、B)の1つの光について最適化されるように調整する。特に、リタデーションの前記値はそれぞれの色の波長の4分の1に相当し、好ましくは以下のとおりである:
【0169】
600nmの波長の赤色光について、リタデーションは、140〜190nm、好ましくは145〜180nm、非常に好ましくは145〜160nm、最も好ましくは150nmである。
550nmの波長の緑色光について、リタデーションは、122〜152nm、好ましくは127〜147nm、非常に好ましくは132〜142nm、最も好ましくは137nmである。
450nmの波長の青色光について、リタデーションは、85〜120nm、好ましくは90〜115nm、非常に好ましくは100〜115nm、最も好ましくは112nmである。
【0170】
フィルムのリタデーションを、例えば照射の強度および/または継続時間を変化させることによって変化させることができる。
本発明のポリマーフィルムをまた、整列フィルムとして他の液晶材料またはRM材料のために使用することができる。例えば、それらをLCDにおいて使用して、切換可能な液晶の媒体の整列を誘発もしくは改善するか、またはその上に被覆した重合性液晶材料のその後の層を整列させることができる。このようにして、重合した液晶フィルムの積み重ねを、製造することができる。
【0171】
本発明のポリマーフィルムを、様々なタイプの液晶ディスプレイ、例えば垂直の整列を有するディスプレイ、例えばDAP(整列相の変形)、ECB(電気的に制御された複屈折)、CSH(カラー超ホメオトロピック)、VA(垂直整列)、VANもしくはVAC(垂直に整列したネマチックもしくはコレステリック)、MVA(多重ドメイン垂直整列)またはPVA(パターン化された垂直整列)モード;ベンドもしくは混合整列を有するディスプレイ、例えばOCB(光学的に補償されたベンドセルもしくは光学的に補償された複屈折)、R−OCB(反射性OCB)、HAN(混合整列ネマチック)またはパイセル(πセル)モード;ねじれ整列を有するディスプレイ、例えばTN(ねじれネマチック)、HTN(高度ねじれネマチック)、STN(超ねじれネマチック)、AMD−TN(アクティブマトリクス駆動TN)モード;IPS(面内切換)モードのディスプレイ、または光学的にアイソトロピックな相における切換を有するディスプレイにおいて使用することができる。
【0172】
本発明を、好ましい態様への特定の言及と共に本明細書中に記載した。様々な変更および修正が、本発明の精神および範囲から逸脱せずにそこで行われ得ることを理解しなければならない。
【0173】
本明細書中で述べた化合物またはその混合物の多くは、商業的に入手できる。これらの化合物のすべては、知られているか、または文献に(例えば標準的学術書、例えばHouben-Weyl, Methoden der Organischen Chemie [Methods of Organic Chemistry], Georg-Thieme-Verlag, Stuttgartに)記載されているように、正確には知られており、前記反応に適している反応条件の下で、自体知られている方法によって製造することができる。また、自体知られているが、ここで述べない変法を、ここで活用してもよい。
【0174】
文脈が他に明確に示さない限り、本明細書中で使用する用語の複数形は、ここで単数形を含み、逆もまた同様であると解釈されるべきである。
【0175】
本出願の全体にわたって、他に明確に述べない限り、すべての濃度を重量パーセントにおいて示し、それぞれの完全な混合物に関し、すべての温度を、摂氏度(摂氏)において示し、すべての温度の差異を摂氏度において示す。すべての物理的特性を、"Merck Liquid Crystals, Physical Properties of Liquid Crystals", Status Nov. 1997, Merck KGaA、ドイツ国に従って決定しており、決定し、他に明確に述べない限り20℃の温度について示す。光学異方性(Δn)を、589nmの波長で決定する。
【0176】
この明細書の記載および特許請求の範囲の全体にわたって、語「含む(comprise)」および「含む(contain)」ならびに当該後の変化形、例えば「含む(comprising)」および「含む(comprises)」は、「含むがこれらに限定されない」ことを意味し、他の構成成分を除外することを意図しない(かつ除外しない)。他方、語「含む」はまた、語「からなる」を包含するが、それには限定されない。
【0177】
本発明の前記の態様に対する変化を本発明の範囲内に尚ある一方行うことができることが、認識されるだろう。この明細書中に開示した各特徴は、他に述べない限り同一の、等価の、または同様の目的を果たす代替の特徴によって置き換えられ得る。したがって、他に述べない限り、開示した各特徴は、総括的な一連の等価であるかまたは同様の特徴の1つの例であるに過ぎない。
【0178】
この明細書中で開示した特徴のすべてを、少なくともかかる特徴および/またはステップのいくつかが相互に排他的である組み合わせを除いて、あらゆる組み合わせにおいて組み合わせてもよい。特に、本発明の好ましい特徴は、本発明のすべての観点に適用可能であり、あらゆる組み合わせにおいて使用され得る。同様に、必須でない組み合わせにおいて記載した特徴を、別個に(組み合わせにおいてではなく)使用してもよい。
【0179】
本発明をここで、以下の例への参照によってより詳細に記載し、それは例示的であるに過ぎず、本発明の範囲を限定しない。
【0180】
例
例1
以下の重合性液晶材料を、製造する。
化合物(1) 9.86%
化合物(2) 56.39%
化合物(3) 7.17%
化合物(4) 2.00%
化合物(5)(二色性光開始剤) 16.00%
化合物(6)(キラルなRM) 8.00%
BDH1533 0.50%
Irganox 1076(登録商標)(安定剤) 0.08%
透明点:48.5℃
【化16】
【0181】
重合性液晶材料を、未加工のガラス上に1000rpmで30秒間スピンコートする。51℃で30秒間アニーリングした後に、材料を、偏光したUV光(365nmのバンドパスフィルター)に、120mWcm
−2で40秒間、窒素雰囲気下で51℃で露光する。得られたポリマーフィルムは、以下の特性を有する。
フィルム厚さ=3.93μm
Δn=0.0358
【0182】
ポリマーフィルムのリタデーションプロフィールを、
図2に示し、ここでリタデーションを、視野角に対してプロットする。
図2から明らかなように、リタデーションプロフィールは、0°の視野角で最大を有する。このリタデーションプロフィールは、「Aプレート」に典型的であり、ここでLC材料の正常の軸(また「
a軸」と称する)は、層の平面に対して垂直に、つまり通常に入射する光の方向に対して
平行に配向する。
【0183】
例2
以下の重合性液晶材料を、製造する。
化合物(1) 11.1%
化合物(2) 63.72%
化合物(3) 8.00%
化合物(4) 5.00%
化合物(5)(二色性光開始剤) 4.00%
化合物(6)(キラルなRM) 8.00%
Tego(登録商標)Rad 2500 0.10%
Irganox 1076(登録商標)(安定剤) 0.08%
透明点:48.5℃
【化17】
【0184】
重合性液晶材料を、未加工のガラス上に1000rpmで30秒間スピンコートする。その後、材料を、偏光したUV光(365nmのバンドパスフィルター)に、120mWcm
−2で40秒間、窒素雰囲気下で53℃で露光する。得られたポリマーフィルムは、以下の特性を有する。
フィルム厚さ=3.03μm
Δn=0.0253
【0185】
ポリマーフィルムのリタデーションプロフィールを、
図3に示し、ここでリタデーションを、視野角に対してプロットする。
図3から明らかなように、リタデーションプロフィールは、0°の視野角で最大を有する。このリタデーションプロフィールは、「Aプレート」に典型的であり、ここでLC材料の正常の軸(また「
a軸」と称する)は、層の平面に対して垂直に、つまり通常に入射する光の方向に対して
平行に配向する。
【0186】
例3
以下の重合性液晶材料を、製造する。
化合物(1) 40.23%
化合物(2) 40.23%
化合物(3) 5.46%
化合物(4)(二色性光開始剤) 4.00%
Paliocolor LC 756(登録商標)(キラルなRM) 10.00%
Irganox 1076(登録商標)(安定剤) 0.08%
透明点:41.9℃
【化18】
【0187】
重合性液晶材料を、未加工のガラス上に600rpmで30秒間スピンコートする。その後、材料を、偏光したUV光(365nmのバンドパスフィルター)に、35mWcm
−2で30秒間、窒素雰囲気下で43℃で露光する。
【0188】
ポリマーフィルムのリタデーションプロフィールを、
図4に示し、ここでリタデーションを、視野角に対してプロットする。
図4から明らかなように、リタデーションプロフィールは、0°の視野角で最大を有する。このリタデーションプロフィールは、「Aプレート」に典型的であり、ここでLC材料の正常の軸(また「
a軸」と称する)は、層の平面に対して垂直に、つまり通常に入射する光の方向に対して
平行に配向する。
【0189】
例4:放射源の角度依存性
化合物(1) 35.71%
化合物(2) 35.71%
化合物(3) 10.00%
化合物(4) 2.00%
化合物(5)(二色性光開始剤) 8.00%
化合物(6)(キラルなRM) 8.00%
BDH1533 0.50%
Irganox 1076(登録商標)(安定剤) 0.08%
透明点:48.9℃
【化19】
【0190】
重合性液晶材料を、各々未加工のガラス上に1000rpmで30秒間スピンコートする。その後、材料を、偏光したUV光(365nmのバンドパスフィルター)に、各々放射源の種々の斜角(40°、50°、60°、70°および90°)で50mWcm
−2で30秒間、窒素雰囲気下で51℃で露光する。得られたポリマーフィルムは、以下の特性を有する。
フィルム厚さ=3.31μm
Δn=0.0272。
【0191】
ポリマーフィルムのリタデーションプロフィールを、
図5に示し、ここで対応するリタデーションを、各々視野角に対してプロットする。
図5から明らかなように、90°の角度(
図1におけるαを参照)での照射によって得られたポリマーフィルムについてのリタデーションプロフィールは、0°の視野角でリタデーションについての極大値を有する。このリタデーションプロフィールは、「Aプレート」に典型的であり、ここでLC材料の正常の軸(また「
a軸」と称する)は、層の平面に対して垂直に、つまり通常に入射する光の方向に対して
平行に配向する。照射角度(
図1におけるα)の依存性において、リタデーションプロフィールは、典型的な「Aプレート」リタデーションプロフィール(90°を参照)から典型的な「Oプレート」リタデーションプロフィール(50°または40°を参照)に段階的に変化する。「Oプレート」において、LC材料の異常な軸は、層の平面に関して傾斜しており、ここで−60°の視野角でのリタデーションについての極大値がもたらされる。