特許第6286142号(P6286142)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6286142
(24)【登録日】2018年2月9日
(45)【発行日】2018年2月28日
(54)【発明の名称】表示装置、及びソースドライバ
(51)【国際特許分類】
   G09G 3/36 20060101AFI20180215BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20180215BHJP
   G02F 1/133 20060101ALI20180215BHJP
【FI】
   G09G3/36
   G09G3/20 622R
   G09G3/20 623U
   G09G3/20 612L
   G09G3/20 623R
   G09G3/20 611H
   G09G3/20 621B
   G02F1/133 505
【請求項の数】10
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2013-130017(P2013-130017)
(22)【出願日】2013年6月20日
(65)【公開番号】特開2015-4820(P2015-4820A)
(43)【公開日】2015年1月8日
【審査請求日】2016年6月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】308033711
【氏名又は名称】ラピスセミコンダクタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(74)【代理人】
【識別番号】100099025
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 浩志
(72)【発明者】
【氏名】渡部 五常
(72)【発明者】
【氏名】松下 裕一
【審査官】 安藤 達哉
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2008/0297539(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0206606(US,A1)
【文献】 特開平09−160526(JP,A)
【文献】 特開2002−352593(JP,A)
【文献】 特開2007−264368(JP,A)
【文献】 特開2010−039031(JP,A)
【文献】 特開2008−185915(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 3/00−3/38
G02F 1/133
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データに基づいた画像を表示する表示パネルと、
第1の入力端子と、前記表示パネルに接続された第1の出力端子とを備えるソースドライバと、
第1の入出力端子と、該第1の入出力端子と接続された第2の入出力端子と、前記表示パネルに接続された第2の出力端子とを備え、前記第1の入出力端子又は前記第2の入出力端子から入力され、かつ、前記画像データのフレーム開始位置を示す第1信号によって前記表示パネルを順次駆動し、その後、前記第2の入出力端子又は前記第1の入出力端子から前記第1信号を出力するように、内部で前記第1信号の伝送を行うゲートドライバと、
記第1信号を前記第1の入出力端子へ出力又は前記第1の入出力端子から入力するための第1端子と、該第1信号を前記第2の入出力端子から入力又は前記第2の入出力端子へ出力するための第2端子とを有するタイミングコントローラと、
前記第1端子に接続され、前記第1の入出力端子と信号の伝送が可能なように配線された第1の信号線と、
前記第2端子に接続され、前記第2の入出力端子と信号の伝送が可能なように配線された第2の信号線と、
前記ソースドライバと前記タイミングコントローラとに接続され、前記画像データに基づいた画像の表示方向を示す第2信号であって、前記第1信号を前記第1の信号線から前記第2の信号線に向けて伝送する第1の順、及び、前記第1信号を前記第2の信号線から前記第1の信号線に向けて伝送する第2の順のいずれで伝送するかを示す第2信号を伝送する第3の信号線と、
前記第2信号が前記第1信号を前記第1の順で伝送することを示す場合、前記第1の信号線を選択し、前記第2信号が前記第1信号を前記第2の順で伝送することを示す場合、前記第2の信号線を選択する選択部と、
を備え、
前記ソースドライバは、前記選択部により選択された前記第1の信号線又は前記第2の信号線から伝送された第1信号を用いて動作することを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記第2信号は、前記画像の上下の走査線方向、及び、前記画像の左右のデータ線方向の少なくとも一方の表示方向を示す信号であることを特徴とする請求項1記載の表示装置。
【請求項3】
前記ソースドライバは、前記選択部を備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の表示装置。
【請求項4】
前記選択部は、前記第1の信号線又は前記第2の信号線を選択して、前記ソースドライバに接続することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の表示装置。
【請求項5】
前記選択部は、前記第1の信号線又は前記第2の信号線を選択して、前記ソースドライバに接続された信号線に接続することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の表示装置。
【請求項6】
第1〜第mの1以上m個の前記ソースドライバ、および、第1〜第nの1以上n個の前記ゲートドライバを備えたことを特徴とする請求項1から請求項5の何れか1項に記載の表示装置。
【請求項7】
前記第1信号は、前記ソースドライバ、及び、前記ゲートドライバの各々に対するオフセットキャンセルの基準を示す信号であることを特徴とする請求項1から請求項6の何れか1項に記載の表示装置。
【請求項8】
画像データに基づいた画像を表示する表示パネルと、
第1の入出力端子と、該第1の入出力端子と接続された第2の入出力端子と、前記表示パネルに接続された出力端子とを備え、前記第1の入出力端子又は前記第2の入出力端子から入力され、かつ、前記画像データのフレーム開始位置を示す第1信号によって前記表示パネルを順次駆動し、その後、前記第2の入出力端子又は前記第1の入出力端子から前記第1信号を出力するように、内部で前記第1信号の伝送を行うゲートドライバと、
記第1信号を前記第1の入出力端子へ出力又は前記第1の入出力端子から入力するための第1端子と、該第1信号を前記第2の入出力端子から入力又は前記第2の入出力端子へ出力するための第2端子とを有するタイミングコントローラと、
前記第1端子に接続され、前記第1の入出力端子と信号の伝送が可能なように配線された第1の信号線と、
前記第2端子に接続され、前記第2の入出力端子と信号の伝送が可能なように配線された第2の信号線と、
前記タイミングコントローラに接続され、前記画像データに基づいた画像の表示方向を示す第2信号であって、前記第1信号を前記第1の信号線から前記第2の信号線に向けて伝送する第1の順、及び、前記第1信号を前記第2の信号線から前記第1の信号線に向けて伝送する第2の順のいずれで伝送するかを示す第2信号を伝送する第3の信号線と、
前記第2信号が前記第1信号を前記第1の順で伝送することを示す場合、前記第1の信号線を選択し、前記第2信号が前記第1信号を前記第2の順で伝送することを示す場合、前記第2の信号線を選択する選択部と、
を備えた表示装置におけるソースドライバであって、
前記ソースドライバは、
入力端子と、
前記表示パネルに接続された他の出力端子と、
を備え、
前記第3の信号線と接続され、前記選択部により選択された前記第1の信号線又は前記第2の信号線から伝送された第1信号を用いて動作することを特徴とするソースドライバ。
【請求項9】
前記ソースドライバは、前記選択部を備えたことを特徴とする請求項8に記載のソースドライバ。
【請求項10】
前記第2信号は、前記画像の上下の走査線方向、及び、前記画像の左右のデータ線方向の少なくとも一方の表示方向を示す信号であることを特徴とする請求項8又は9に記載のソースドライバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置およびソースドライバに係り、特に、各ドライバ内部のアンプ素子のオフセットキャンセルをスキャン方向によらずに使用可能とするのに好適な表示装置、及び、ソースドライバに関するものである。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置における液晶パネルのTFT(Thin Film Transistor)を駆動するソースドライバおよびゲートドライバ内部にあるアンプ素子のオフセット電圧は、ドライバの特性に影響を及ぼし、パネル表示劣化につながる可能性もある。このオフセット電圧の影響を少なくするため、従来、アンプ素子の入力極性を反転する技術(オフセットキャンセル)が用いられている。
【0003】
極性を反転する技術には、1ライン毎に反転させるドット反転方式、2ライン毎に反転させる2ライン反転方式、フレーム毎に反転させるフレーム反転方式がある。これらの各方式によるタイムチャートを図12に示す。
【0004】
図12に示すように、ドット反転方式、2ライン反転方式、および、フレーム反転方式のいずれの方式においても、1ライン目の極性はフレーム毎に反転する仕組みになっている。この仕組みを構成するには、各ラインの極性を正にするか負にするかを選択するPOL信号と、フレームの先頭がどこであるかを通知するストローブ信号(以下、STV信号ともいう)とが必要となる。
【0005】
特にSTV信号は、フレームの先頭で処理されない場合、各ラインで期待する極性が得られず、オフセットキャンセルが正常に動作しなくなる。そのため、STV信号の入力タイミングのずれは、表示劣化につながる。
【0006】
液晶表示装置においては、ゲートドライバでは走査方向(上下スキャン方向)、ソースドライバでは駆動方向(左右スキャン方向)の切り替えを可能とすることが望まれている。
【0007】
このような走査方向および駆動方向の制御方向を変更しない前提であれば、液晶表示装置の液晶パネルを設計する際に駆動方向を決めることで、それに合わせたゲートドライバおよびソースドライバを設計して対応することも可能である。この場合、STV信号を、ゲートドライバおよびソースドライバで共通化することが可能である。
【0008】
これに対して、制御方向を変更する場合には、例えば、特許文献1に記載のように、夫々の動作の開始を示すSTV信号をゲートドライバおよびソースドライバに対して別々に入力する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2007−264368号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
解決しようとする問題は、従来技術においてSTV信号をゲートドライバおよびソースドライバで共通化した場合には、以下、図13図16を用いて説明するように、液晶表示装置におけるゲートドライバでの走査方向(上下スキャン方向)の切り替え、および、ソースドライバでの駆動方向(左右スキャン方向)の切り替えを正常に行うことができない点である。
【0011】
図13は、従来の液晶表示装置に設けられた液晶パネルのドライバ駆動制御回路におけるSTV信号の配線状態を示している。図13において、71は液晶パネル、72はタイミングコントローラ、73〜73はゲートドライバ、74〜74はソースドライバ、75はSTV信号を伝送させるSTV信号用配線、76は左右のスキャン方向を示すLRb信号を伝送させるLRb信号用配線である。
【0012】
STV信号の配線、各ドライバの配置は、STV信号がフレームの先頭で処理される様に考慮されている。また、スキャン方向に関しては、左右のスキャン方向を選択する信号であるLRb信号により選択できるようになっている。
【0013】
なお、ここでは、ゲートドライバ73からゲートドライバ73にスキャンされる方向、および、ソースドライバ74からソーストドライバ74にスキャンされる方向を正スキャン方向(パネル左上始点)とし、この逆を逆スキャン方向(パネル右下始点)としている。
【0014】
次に、図13に示すドライバ駆動制御回路の動作について説明する。正スキャン時においては、タイミングコントローラ72から出力されたSTV信号は、ゲートドライバ73からゲートドライバ73の順に処理される。また、ゲートドライバ73にSTV信号が入力されると同時に、ソースドライバ74〜74に同様のSTV信号が入力され処理される。
【0015】
図14は、図13のゲートドライバ73に入力されるSTV信号をSTVb、ソースドライバ74〜74に入力されるSTV信号をSTVsとした時のタイムチャートを示している。ゲートドライバ、ソースドライバともに、1フレームの先頭でSTV信号が入力される。これにより、どのドライバにおいても、フレーム毎にオフセットキャンセルが正常に行われることになる。
【0016】
しかしながら、図13で述べた構成では、正スキャンと逆スキャンを切り替えて使用することを考慮したパネルの場合、逆スキャン時、ソースドライバにSTV信号が、フレームの最初で入力されないという問題が生じる。
【0017】
図15では、逆スキャン時におけるSTV信号の流れを示している。図15において、逆スキャン時には、STV信号はゲートドライバ73、ゲートドライバ73n−1、ゲートドライバ73の順に処理され、その後、ソースドライバ74〜74に送られる。
【0018】
ゲートドライバ73に入力されるSTV信号をSTVd、ソースドライバ74〜74に入力されるSTV信号をSTVsとした時のタイムチャートを図16に示す。図16に示すように、STVdとSTVsの入力タイミングが異なり、STVsは1フレームの最後に入力されることになる。
【0019】
上述したように、STV信号はフレームの先頭で処理されなくてはならず、図16に示すように、フレームの最後に処理された場合には、期待される極性が得られず、パネル表示劣化につながる。
【0020】
このように、ゲートドライバとソースドライバとでSTV信号用の配線を共通化した場合、液晶表示装置の液晶パネルにおける走査方向および駆動方向の制御方向を変更すると、STV信号がフレームの先頭で処理されずに、フレームの最後に処理されて、期待される極性が得られず、パネル表示劣化につながるが、上記特許文献1等の従来技術では、このような問題に対処することができない。
【0021】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、STV信号の配線をソースドライバとゲートドライバで共通化しつつ、液晶パネルのスキャンの制御方向をパネル設計後でも変更可能な技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0022】
上記目的を達成するため、本発明の表示装置は、画像データに基づいた画像を表示する表示パネルと、第1の入力端子と前記表示パネルに接続された第1の出力端子とを備えるソースドライバと、第1の入出力端子と該第1の入出力端子と接続された第2の入出力端子と前記表示パネルに接続された第2の出力端子とを備え、前記第1の入出力端子又は前記第2の入出力端子から入力され、かつ、前記画像データのフレーム開始位置を示す第1信号によって前記表示パネルを順次駆動し、その後、前記第2の入出力端子又は前記第1の入出力端子から前記第1信号を出力するように、内部で前記第1信号の伝送を行うゲートドライバと、前記第1信号を前記第1の入出力端子へ出力又は前記第1の入出力端子から入力するための第1端子と、該第1信号を前記第2の入出力端子から入力又は前記第2の入出力端子へ出力するための第2端子とを有するタイミングコントローラと、前記第1端子に接続され、前記第1の入出力端子と信号の伝送が可能なように配線された第1の信号線と、前記第2端子に接続され、前記第2の入出力端子と信号の伝送が可能なように配線された第2の信号線と、前記ソースドライバと前記タイミングコントローラとに接続され、前記画像データに基づいた画像の表示方向を示す第2信号であって、前記第1信号を前記第1の信号線から前記第2の信号線に向けて伝送する第1の順、及び、前記第1信号を前記第2の信号線から前記第1の信号線に向けて伝送する第2の順のいずれで伝送するかを示す第2信号を伝送する第3の信号線と、前記第2信号が前記第1信号を前記第1の順で伝送することを示す場合、前記第1の信号線を選択し、前記第2信号が前記第1信号を前記第2の順で伝送することを示す場合、前記第2の信号線を選択する選択部と、を備え、前記ソースドライバは、前記選択部により選択された前記第1の信号線又は前記第2の信号線から伝送された第1信号を用いて動作することを特徴とする。
【0023】
一方、上記目的を達成するため、本発明のソースドライバは、画像データに基づいた画像を表示する表示パネルと、第1の入出力端子と該第1の入出力端子と接続された第2の入出力端子と前記表示パネルに接続された出力端子とを備え、前記第1の入出力端子又は前記第2の入出力端子から入力され、かつ、前記画像データのフレーム開始位置を示す第1信号によって前記表示パネルを順次駆動し、その後、前記第2の入出力端子又は前記第1の入出力端子から前記第1信号を出力するように、内部で前記第1信号の伝送を行うゲートドライバと、前記第1信号を前記第1の入出力端子へ出力又は前記第1の入出力端子から入力するための第1端子と、該第1信号を前記第2の入出力端子から入力又は前記第2の入出力端子へ出力するための第2端子とを有するタイミングコントローラと、前記第1端子に接続され、前記第1の入出力端子と信号の伝送が可能なように配線された第1の信号線と、前記第2端子に接続され、前記第2の入出力端子と信号の伝送が可能なように配線された第2の信号線と、前記タイミングコントローラに接続され、前記画像データに基づいた画像の表示方向を示す第2信号であって、前記第1信号を前記第1の信号線から前記第2の信号線に向けて伝送する第1の順、及び、前記第1信号を前記第2の信号線から前記第1の信号線に向けて伝送する第2の順のいずれで伝送するかを示す第2信号を伝送する第3の信号線と、前記第2信号が前記第1信号を前記第1の順で伝送することを示す場合、前記第1の信号線を選択し、前記第2信号が前記第1信号を前記第2の順で伝送することを示す場合、前記第2の信号線を選択する選択部と、を備えた表示装置におけるソースドライバであって、前記ソースドライバは、入力端子と、前記表示パネルに接続された他の出力端子と、を備え、前記第3の信号線と接続され、前記選択部により選択された前記第1の信号線又は前記第2の信号線から伝送された第1信号を用いて動作することを特徴とする。
【0024】
本発明では、選択部により、ドライバのスキャン方向に応じて、ソースドライバ用のSTV信号を、第1のゲートドライバと第nのドライバの何れか側に接続されたSTV信号線から選択して入力する構成とし、いずれのスキャン方向でも同じドライバ配置で、オフセットキャンセルを使用可能とする。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、ゲートドライバとソースドライバとでSTV信号の配線を共通化した液晶表示装置において液晶パネルの走査方向および駆動方向の制御方向を変更した場合でも、STV信号がフレームの先頭で処理され、期待される極性が得られ、パネル表示劣化を回避できるので、STV信号をゲートドライバとソースドライバで共通化しつつ、液晶パネルのスキャンの制御方向をパネル設計後でも変更することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明に係る表示装置のドライバ駆動制御回路の構成例(第1の実施形態)を示す回路図である。
図2図1におけるソースドライバ内部に設けられたセレクタの内部構成例を示す回路図である。
図3図1におけるドライバ駆動制御回路の正スキャン時の信号処理内容例を示すタイミングチャートである。
図4図1におけるドライバ駆動制御回路の逆スキャン時の信号処理内容例を示すタイミングチャートである。
図5】本発明に係る表示装置のドライバ駆動制御回路の構成例(第2の実施形態)を示す回路図である。
図6】本発明に係る表示装置のドライバ駆動制御回路の構成例(第3の実施形態)を示す回路図である。
図7】本発明に係る表示装置のドライバ駆動制御回路の構成例(第4の実施形態)を示す回路図である。
図8図7におけるソースドライバ内部に設けられたセレクタの内部構成例を示す回路図である。
図9図7におけるドライバ駆動制御回路の正・逆スキャン時の信号処理内容例を示す説明図である。
図10】本発明に係る表示装置のドライバ駆動制御回路の構成例(第5の実施形態)を示す回路図である。
図11】本発明に係る表示装置のドライバ駆動制御回路の構成例(第6の実施形態)を示す回路図である。
図12】従来の表示装置のドライバ駆動制御回路の信号処理動作例を示すタイミングチャートである。
図13】従来の表示装置のドライバ駆動制御回路の構成例(正スキャン時)を示す回路図である。
図14図13におけるドライバ駆動制御回路の正スキャン時の信号処理内容例を示すタイミングチャートである。
図15】従来の表示装置のドライバ駆動制御回路の構成例(逆スキャン時)を示す回路図である。
図16図15におけるドライバ駆動制御回路の逆スキャン時の信号処理内容例を示すタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、図を用いて本発明に係る実施の形態(第1の実施の形態)について説明する。図1において、1は液晶パネル、2はタイミングコントローラ、3〜3はゲートドライバ、4〜4はソースドライバ、5はSTV信号用配線、6は本発明に係る方向指示信号線としてのLRbスキャン方向選択信号用配線(左右のデータ転送方向の切替信号用の配線)である。
【0028】
ゲートドライバ3〜3、ソースドライバ4〜4、STV信号用配線5、LRbスキャン方向選択信号用配線6により、本発明に係る表示装置のドライバ駆動制御回路が構成されており、タイミングコントローラ2からの信号に基づいて、ゲートドライバ3〜3、ソースドライバ4〜4に対する駆動制御を行う。
【0029】
液晶パネル1においては、TFTおよび画素電極により有効表示域が形成され、各TFTのゲートがゲートドライバ3〜3に接続され、ソースがソースドライバ4〜4に接続されており、スキャンライン(ゲートライン)とデータライン(ソースライン)のマトリクス交差部の画素ごとにスイッチングデバイスを組み込んだ構造となっている。
【0030】
タイミングコントローラ2は図示していない制御部に含まれ、制御部には、例えば、コンピュータ、テレビジョン装置、ビデオ再生装置、DVD再生装置、ナビゲーション本体等の外部機器から送られてきた外部信号が入力される。入力された外部信号に基づいて、制御部は、図示していない信号線を介してゲートドライバ3〜3およびソースドライバ4〜4に表示データと制御信号等を出力して、液晶パネル1に対する駆動制御を行うと共に、タイミングコントローラ2を介して、STV信号用配線5およびLRbスキャン方向選択信号用配線6に制御信号等を出力して、ゲートドライバ3〜3およびソースドライバ4〜4にフレームの先頭を示すSTV信号と駆動方向(左右スキャン方向)を示すLRb信号を通知する。
【0031】
本実施の形態に係る表示装置のドライバ駆動制御回路においても、図13で示した従来の表示装置のドライバ駆動制御回路と同様、STV信号の配線、および、各ドライバの配置は、STV信号がフレームの先頭で処理される様に考慮されている。また、スキャン方向に関しては、左右のスキャン方向を選択する信号であるLRb信号により選択できるようになっている。
【0032】
すなわち、ゲートドライバ3からゲートドライバ3にスキャンされる方向、および、ソースドライバ4からソースドライバ4にスキャンされる方向を正スキャン方向(パネル左上始点)とし、この逆を逆スキャン方向(パネル右下始点)としているで、上下のスキャン方向に関しても、左右のスキャン方向を選択する信号であるLRb信号により選択できるようになっている。
【0033】
例えば、タイミングコントローラ2からのLRb信号が「0(ローレベル)」の時には、ゲートドライバ3〜3およびソースドライバ4〜4における表示データの転送順序を、液晶パネルの出力端子の1番から大きい方(n,m)への順に(下シフト、右シフト)転送するようにし、LRb信号が「1(ハイレベル)」の時には、逆順(上シフト、左シフト)に転送するようにする。
【0034】
このように、本実施の形態では、LRbスキャン方向選択信号用配線6を、STV信号がゲートドライバ3とゲートドライバ3のいずれの側から伝送されるかを示す方向指示信号をソースドライバ4〜4の各々に並行に伝送させて同時に入力させる方向指示信号線として用いている。
【0035】
図1に示すドライバ駆動制御回路では、ソースドライバ4〜4へのSTV信号用配線が2系列(本発明に係る第1の信号線としての配線STV1/本発明に係る第2の信号線としての配線STV2)設けられ、さらに、ソースドライバ4〜4の各々には、図2に示すように、スキャン方向に応じて、接続するSTV信号用配線として配線STV1または配線STV2のいずれか一方を選択するための本発明に係る選択部としてのセレクタ411〜4m1が設けられている。
【0036】
図2に示すように、ソースドライバ4〜4の各々に設けられたセレクタ411〜4m1は、NOT回路およびMOSFETからなるスイッチング素子(図中、「SW」と記載)等で構成され、スキャン方向を特定するLRb信号線の出力が「0(ローレベル)」であれば、配線STV1を接続先として選択し、LRb信号線の出力が「1(ハイレベル)」であれば、配線STV2を接続先として選択する。
【0037】
このように、本実施の形態の表示装置のドライバ駆動制御回路の、図13で示した従来の表示装置のドライバ駆動制御回路からの変更点は、ソースドライバへのSTV信号を伝送する配線を2系統(STV1/STV2)設け、配線STV1と配線STV2とを、スキャン方向に応じて切り替えられるようソースドライバ内部にセレクタを追加したことである。
【0038】
そして、本実施の形態では、ゲートドライバ3からゲートドライバ3にスキャンされる方向、および、ソースドライバ4からソースドライバ4にスキャンされる方向を正スキャン方向(パネル左上始点)とし、この逆を逆スキャン方向(パネル右下始点)としており、このセレクタを制御する信号として、LRb信号を用いている。
【0039】
このLRb信号は左右のスキャン方向を決める信号であり、このLRb信号によりスキャン方向を選択すると同時に、配線STV1と配線STV2を選択できるようにすることで、新たな端子の追加をせずにセレクタ制御が可能となる。
【0040】
このような構成からなる本実施の形態の表示装置のドライバ駆動制御回路の動作を、図3および図4を用いて説明する。
【0041】
図3においては、正スキャン時の信号処理動作例を示しており、各ソースドライバ内のセレクタは、配線STV1を選択しており、タイミングコントローラ2から出力されたSTV信号は、ゲートドライバ3側からゲートドライバ3側への順に処理されると共に、ゲートドライバ3にSTV信号が入力されると同時に、ソースドライバ4〜4の各々に同様のSTV信号が並行に同時に入力され処理される。このようにして、正スキャン時において、ゲートドライバ、ソースドライバともに、1フレームの先頭でSTV信号が入力される。
【0042】
図4においては、逆スキャン時の信号処理動作例を示しており、各ソースドライバ内のセレクタは、配線STV2を選択しており、タイミングコントローラ2から出力されたSTV信号は、ゲートドライバ3側からゲートドライバ3側の順に処理されると共に、ゲートドライバ3にSTV信号が入力されると同時に、ソースドライバ4〜4の各々に同様のSTV信号が並行に同時に入力され処理される。このようにして、逆スキャン時においても、ゲートドライバ、ソースドライバともに、1フレームの先頭でSTV信号が入力される。
【0043】
このように、本実施の形態の表示装置のドライバ駆動制御回路では、m×nのマトリクス配線に各々接続された第1〜第mのソースドライバ4〜4および第1〜第nのゲートドライバ3〜3と、第1のゲートドライバ3側に入力され第nのゲートドライバ3側から出力される第1の順で伝送される、第1〜第nのゲートドライバ3〜3の各々に対して極性反転するフレームの先頭位置を通知するSTV信号が第1のゲートドライバ3側に入力される際に、STV信号が第1〜第mのソースドライバ4〜4の各々に同時に入力されるよう配線された第1の信号線としての配線STV1と、第nのゲートドライバ3側に入力され第1のゲートドライバ3側から出力される第2の順で伝送されるSTV信号が第nのゲートドライバ3側に入力される際に、STV信号が第1〜第mのソースドライバ4〜4の各々に同時に入力されるよう配線された第2の信号線としての配線STV2と、STV信号が第1の順と第2の順のいずれで伝送されるかを示す方向指示信号としてのLRb信号が第1〜第mのソースドライバ4〜4の各々に同時に伝送されるよう配線された方向指示信号線としてのLRbスキャン方向選択信号用配線6と、LRb信号に基づいて、STV信号が第1の順で伝送される場合は配線STV1が第1〜第mのソースドライバ4〜4の各々に接続されるよう選択し、STV信号が第2の順で伝送される場合は配線STV2が第1〜第mのソースドライバ4〜4の各々に接続されるよう選択する選択部としてのセレクタ411〜4m1と、を備え、さらに、セレクタ411〜4m1をソースドライバ4〜4の各々の内部に設けた構成としている。
【0044】
このような構成により、本実施の形態の表示装置のドライバ駆動制御回路では、正スキャン、および、逆スキャンのいずれにおいても、1フレームの最初に、STV信号がソースドライバで処理されることになる。これにより、どのドライバにおいても、フレーム毎にオフセットキャンセルが正常に行われると共に、表示パネルとソースドライバを実装した後に表示パネルの操作方向を変更することが可能となる。
【0045】
このように、本実施の形態の表示装置のドライバ駆動制御回路では、ソースドライバに2系統のSTV信号とセレクタを用意し、LRb信号にてどちらのSTV信号を使うか切り替えるようにしたことにより、新たな端子を追加することなく、逆スキャン時でも1フレームの先頭にSTV信号を処理することが可能になる。従って、正スキャンと逆スキャンを切り替えて使用するデバイスにおいて、簡易な構成で、オフセットキャンセルを行うことが可能となり、パネル表示劣化を抑制する効果が得られる。
【0046】
なお、本実施の形態の表示装置のドライバ駆動制御回路においては、ソースドライバ4〜4へのSTV信号用の配線STV1,2およびLRbスキャン方向選択信号用配線6の各々は、タイミングコントローラ2と接続された側の反対側が開放されている構成となっているが、これに限るものではない。
【0047】
次に、図5を用いて本発明に係る他の実施の形態(第2の実施の形態)について説明する。図5においては、図1に示す表示装置のドライバ駆動制御回路において、セレクタをソースドライバの外部に設けた表示装置のドライバ駆動制御回路の構成を示している。すなわち、図5に示す表示装置のドライバ駆動制御回路では、セレクタ51を、ソースドライバ4’〜4’と、ゲート用のSTV配線5の第1のゲートドライバ3側および第nのゲートドライバ3側との間に設けている。
【0048】
このような構成においても、図5の表示装置のドライバ駆動制御回路では、セレクタ51により、LRb信号に基づいて、ソースドライバ4’〜4’の各々に同時に入力するSTV信号の伝送元として配線STV1,2の何れか一方の配線を選択することができ、新たな端子を追加することなく、逆スキャン時でも1フレームの先頭にSTV信号を処理することが可能になり、正スキャンと逆スキャンを切り替えて使用するデバイスにおいて、簡易な構成で、オフセットキャンセルを行うことが可能となり、パネル表示劣化を抑制する効果が得られる。
【0049】
次に、図6を用いて本発明に係る他の実施の形態(第3の実施の形態)について説明する。図6においては、図1に示す表示装置のドライバ駆動制御回路において、セレクタをソースドライバの外部に設け、かつ、ソース用のSTV配線を1系列としたドライバ駆動制御回路の構成を示している。
【0050】
図6に示す表示装置のドライバ駆動制御回路では、STV信号を第1〜第mのソースドライバ4’〜4’の各々に同時に伝送させる配線として1つの配線(STV1)のみを備え、かつ、セレクタ61は、LRb信号に基づいて、STV1を、ゲートドライバ用のSTV配線5の第1のゲートドライバ3側、または、第nのゲートドライバ3側のいずれか一方に接続する構成としている。
【0051】
このような構成において、図6の表示装置のドライバ駆動制御回路では、セレクタ61により、LRb信号に基づいて、ソースドライバ4’〜4’の各々に同時に入力するSTV信号の伝送元として、STV配線5の第1のゲートドライバ3側、または、第nのゲートドライバ3側のいずれか一方を選択して接続することができ、新たな端子を追加することなく、逆スキャン時でも1フレームの先頭にSTV信号を処理することが可能になり、正スキャンと逆スキャンを切り替えて使用するデバイスにおいて、簡易な構成で、オフセットキャンセルを行うことが可能となり、パネル表示劣化を抑制する効果が得られる。
【0052】
次に、図7を用いて本発明に係る他の実施の形態(第4の実施の形態)について説明する。図7においては、セレクタによる、ソースドライバ4〜4の各々に同時に入力するSTV信号の伝送元の選択を、左右方向へのスキャン方向を切り替えるためのLRb信号と共に、上下方向へのスキャン方向を切り替えるためのUDb信号を用いて行う表示装置のドライバ駆動制御回路の構成を示している。
【0053】
図7において、41は液晶パネル、42はタイミングコントローラ、43〜43はゲートドライバ、44〜44はソースドライバ、45はSTV信号用配線、46は本発明に係る第1の方向指示信号線としてのLRbスキャン方向選択信号用配線(左右のデータ転送方向の切替信号用の配線、以下LRbともいう)、46’は本発明に係る第2の方向指示信号線としてのUDbスキャン方向選択信号用配線(上下のデータ転送方向の切替信号用の配線、以下UDbともいう)である。
【0054】
ゲートドライバ43〜43、ソースドライバ44〜44、STV信号用配線45、LRb46により、本発明に係る表示装置のドライバ駆動制御回路が構成されており、タイミングコントローラ42からの信号に基づいて、ゲートドライバ43〜43、ソースドライバ44〜44に対する駆動制御を行う。
【0055】
液晶パネル41は、図1における液晶パネル1と同じものであり、タイミングコントローラ42を含む制御部からの信号に基づいて、ゲートドライバ43〜43、ソースドライバ44〜44に対する駆動制御、および、液晶パネル41に対する表示制御を行う動作も図1における液晶パネル1に対するものと同様であり、その詳細な説明はここでは行わない。
【0056】
図7に示す表示装置のドライバ駆動制御回路においても、図1における表示装置のドライバ駆動制御回路と同様に、図13で示した従来の表示装置のドライバ駆動制御回路と同様、STV信号の配線、および、各ドライバの配置は、STV信号がフレームの先頭で処理される様に考慮されている。また、スキャン方向に関しては、左右のスキャン方向を選択する信号であるLRb信号により選択できるようになっている。
【0057】
例えば、LRb信号が「0(ローレベル)」の時には、タイミングコントローラ42からは、表示データの転送順序を、液晶パネルの出力端子の1番から大きい方への順に(右シフト)転送するようにし(右方向スキャン)、LRb信号が「1(ハイレベル)」の時には、逆順(左シフト)に転送するようにする(左方向スキャン)。
【0058】
さらに、本実施の形態に係る表示装置のドライバ駆動制御回路においては、上下のスキャン方向に関して、UDb信号により選択できるようになっている。
【0059】
例えば、UDb信号が「0(ローレベル)」の時には、タイミングコントローラ42からは、表示データの転送順序を、液晶パネルの出力端子の1番から大きい方への順に(下シフト)転送するようにし(下方向スキャン)、UDb信号が「1(ハイレベル)」の時には、逆順(上シフト)に転送するようにする(上方向スキャン)。
【0060】
図7に示す表示装置のドライバ駆動制御回路では、ソースドライバ44〜44へのSTV信号用配線が2系列(STV1/STV2)設けられ、さらに、ソースドライバ44〜44の各々には、スキャン方向に応じて、接続するSTV信号用配線として配線STV1または配線STV2のいずれか一方を選択するための本発明に係る選択部としての図8に示すセレクタ4411〜44m1が設けられている。
【0061】
図8に示すように、セレクタ4411〜44m1は、NOT回路およびMOSFET等からなる論理回路等で構成され、図9の真理値表91に示されるLRb信号とUDb信号の各々の信号レベル状態の組み合わせに応じて、STV信号の入力元として配線STV1と配線STV2のいずれか一方を選択する。
【0062】
ここでは、LRb信号が「0(ローレベル)」の時、左から右方向へスキャンし、LRb信号が「1(ハイレベル)」では右から左方向へスキャンしていくとし、UDb信号が「0(ローレベル)」で配線STV1を、UDb信号が「1(ハイレベル)」で配線STV2を選択すると定義している。
【0063】
具体的には、図9に示されるように、スキャン始点が左上の場合にはLRb信号線およびUDb信号線の出力が共に「0(ローレベル)」であり、この場合、セレクタ4411〜44m1は、STV信号の入力元として配線STV1を選択し、スキャン始点が左下の場合にはLRb信号線およびUDb信号線の出力が各々「0(ローレベル)」と「1(ハイレベル)」であり、この場合、セレクタ4411〜44m1は、STV信号の入力元として配線STV2を選択する。
【0064】
また、スキャン始点が右上の場合にはLRb信号線およびUDb信号線の出力が各々「1(ハイレベル)」と「0(ローレベル)」であり、この場合、セレクタ4411〜44m1は、STV信号の入力元として配線STV1を選択し、スキャン始点が右下の場合にはLRb信号線およびUDb信号線の出力が共に「1(ハイレベル)」であり、この場合、セレクタ4411〜44m1は、STV信号の入力元として配線STV2を選択する。
【0065】
このように、本実施の形態の表示装置のドライバ駆動制御回路の、図13で示した従来の表示装置のドライバ駆動制御回路からの変更点は、ソースドライバへのSTV信号を伝送する配線を2系統(STV1/STV2)設け、配線STV1と配線STV2とを、スキャン方向に応じて切り替えられるようソースドライバ内部にセレクタを追加したことである。
【0066】
そして、このセレクタを制御する信号には、LRb信号とUDb信号を用いている。このLRb信号は、左右のスキャン方向を決める信号であり、UDb信号は、上下のスキャン方向を決める信号であり、このLRb信号とUDb信号との組み合わせによりスキャン方向を選択すると同時に、配線STV1と配線STV2を選択できるようにすることで、新たな端子の追加をせずにセレクタ制御を可能としている。
【0067】
このような構成からなる本実施の形態の表示装置のドライバ駆動制御回路の動作は、上述の図4および図7を用いて説明したものと同様になり、スキャン始点がいずれの場合であっても、ゲートドライバ、ソースドライバともに、1フレームの先頭でSTV信号が入力される。
【0068】
このように、図7に示す本実施の形態の表示装置では、m×nのマトリクス配線に各々接続された第1〜第mのソースドライバ44〜44および第1〜第nのゲートドライバ43〜43と、第1のゲートドライバ43側に入力され第nのゲートドライバ43側から出力される第1の順で伝送される、第1〜第nのゲートドライバ43〜43の各々に対して極性反転するフレームの先頭位置を通知するSTV信号が第1のゲートドライバ43側に入力される際に、STV信号が第1〜第mのソースドライバ44〜44の各々に同時に入力されるよう配線された第1の信号線としての配線STV1と、第nのゲートドライバ43側に入力され第1のゲートドライバ43側から出力される第2の順で伝送されるSTV信号が第nのゲートドライバ43側に入力される際に、STV信号が第1〜第mのソースドライバ44〜44の各々に同時に入力されるよう配線された第2の信号線としての配線STV2と、第1〜第mのソースドライバ44〜44の各々に対して第1〜第mのソースドライバ44〜44の駆動方向を通知する第1の方向指示信号としてのLRb信号が第1〜第mのソースドライバ44〜44の各々に同時に伝送されるよう配線された第1の方向指示信号線としてのLRbスキャン方向選択信号用配線46と、第1〜第mのソースドライバ44〜44の各々に対して第1〜第nのゲートドライバ43〜43の制御方向を通知する第2の方向指示信号としてのUDb信号が第1〜第mのソースドライバ44〜44の各々に同時に伝送されるよう配線された第2の方向指示信号線としてのUDbスキャン方向選択信号用配線46’と、LRb信号とUDb信号の組み合せに基づいて、STV信号が第1の順で伝送される場合は配線STV1を選択して第1〜第mのソースドライバ44〜44の各々に接続し、STV信号が第2の順で伝送される場合は配線STV2を選択して第1〜第mのソースドライバ44〜44の各々に接続する選択部としてのセレクタ4411〜44m1と、を備えており、また、セレクタ4411〜44m1を、ソースドライバ44〜44の各々の内部に設けた構成となっている。
【0069】
このような構成により、図7に示す本実施の形態の表示装置では、液晶パネル41のスキャン方向として、左上スキャン始点と右下スキャン始点だけでなく、右上スキャン始点と左下スキャン始点とするものであっても、これら全方向へのスキャンが可能となる。
【0070】
すなわち、スキャン始点が左上の時(LRb=Low、UDb=Low)、STV信号はゲートドライバ43から処理される。この時、ソースドライバ44〜44では配線STV1からのSTV信号が選択され処理される。また、スキャン始点が左下の時(LRb=Low、UDb=High)、STV信号はゲートドライバ43から処理される。その時、ソースドライバ44〜44では配線STV2からのSTV信号が選択され処理される。
【0071】
従って、左上スキャン始点でも左下スキャン始点でも、1フレームの先頭にてSTV信号が処理されることになる。左上スキャン始点動作と左下スキャン始点動作の異なる点は、スキャン方向が上方向か下方向かである。図1で示す表示装置のドライバ駆動制御回路では、LRb信号が、配線STV1と配線STV2のセレクタ信号としての役割を担っていたため、2つの始点(左上始点と右下始点)のみにしか対応できなかった。これに対して、図7に示す表示装置のドライバ駆動制御回路では、UDb信号という別の信号も用いることにより、上下方向のスキャン選択も可能となり、どのスキャン方向においても、ソースドライバでSTV信号がフレームの先頭にて処理される。
【0072】
このように、図7に示す表示装置のドライバ駆動制御回路では、配線STV1,2を選択するセレクタ信号としてLRb信号と共にUDb信号を用いたことにより、スキャン方向に依存せず、図1に示す表示装置のドライバ駆動制御回路と同等の効果が得られる。従って、どのスキャン方向においても、オフセットキャンセルが使用可能となり、特に、スキャン方向を各方向へ切り替えながら使用するデバイスでは有効な効果が得られる。
【0073】
次に、図10を用いて本発明に係る他の実施の形態(第5の実施の形態)について説明する。図10においては、図7においてソースドライバ内に設けていたセレクタをソースドライバの外部に設けた表示装置のドライバ駆動制御回路の構成を示している。すなわち、図10に示す表示装置のドライバ駆動制御回路では、セレクタ101を、ソースドライバ44〜44と、ゲート用のSTV配線45の第1のゲートドライバ43側および第nのゲートドライバ43側との間に設けている。
【0074】
このような構成においても、図10の表示装置のドライバ駆動制御回路では、セレクタ101により、LRb信号とUDb信号とに基づいて、ソースドライバ44〜44の各々に同時に入力するSTV信号の伝送元として配線STV1,2の何れか一方を選択することができ、新たな端子を追加することなく、全ての方向のスキャン時においても1フレームの先頭にSTV信号を処理することが可能になり、各スキャン方向を切り替えて使用するデバイスにおいて、簡易な構成で、オフセットキャンセルを行うことが可能となり、パネル表示劣化を抑制する効果が得られる。
【0075】
次に、図11を用いて本発明に係る他の実施の形態(第6の実施の形態)について説明する。図11においては、セレクタをソースドライバの外部に設け、かつ、ソース用のSTV配線を1系列とした表示装置のドライバ駆動制御回路の構成を示している。
【0076】
すなわち、図11に示す表示装置のドライバ駆動制御回路では、STV信号を第1〜第mのソースドライバ44〜44の各々に同時に伝送させる配線として1つの配線(STV1)のみを備え、かつ、セレクタ111は、LRb信号とUDb信号とに基づいて、配線STV1を、ゲートドライバ用のSTV配線5の第1のゲートドライバ43側、または、第nのゲートドライバ43側のいずれか一方に接続する構成としている。
【0077】
このような構成において、図11の表示装置のドライバ駆動制御回路では、セレクタ111により、LRb信号とUDb信号とに基づいて、ソースドライバ44〜44の各々に同時に入力するSTV信号の伝送元として、STV配線5の第1のゲートドライバ43側、または、第nのゲートドライバ43側のいずれか一方を選択して接続することができ、新たな端子を追加することなく、全ての方向のスキャン時においても1フレームの先頭にSTV信号を処理することが可能になり、各スキャン方向を切り替えて使用するデバイスにおいて、簡易な構成で、オフセットキャンセルを行うことが可能となり、パネル表示劣化を抑制する効果が得られる。
【0078】
以上、各図を用いて説明したように、本実施の形態の表示装置のドライバ駆動制御回路では、セレクタを備え、このセレクタにより、スキャン方向に応じて、ソースドライバ用のSTV信号を、第1のゲートドライバ側と第nのドライバ側の何れかに接続されたSTV信号線から選択して入力する構成としている。このセレクタを制御する信号として、例えば、左上スキャン始点を正スキャン、右下スキャン始点を逆スキャンとした場合に左方向へのスキャンか右方向へのスキャンかを切り替えるために用いられているLRb信号を兼用することにより、正スキャンと逆スキャンのどちらでも同じドライバ配置で、オフセットキャンセルを使用可能である。また、セレクタを制御する信号として、上下のスキャン方向に対応して、配線STV1と配線STV2を選択する制御信号(UDb)を新たに追加することで、ドライバ配置を変更することなく、全スキャン方向でオフセットキャンセルを使用可能である。
【0079】
なお、本発明は、各図を用いて説明した実施の形態例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能である。例えば、図9で示した、スキャン始点とSTV信号との関係に関しては、1フレーム目の先頭にてSTV信号が処理されるよう論理が組まれていれば、LRb信号とUDb信号の論理(Low・ローとHigh・ハイ)が逆であっても特に問題は無い。
【符号の説明】
【0080】
1,41 液晶パネル
2,42 タイミングコントローラ
〜3,43〜43 ゲートドライバ
〜4,44〜44 ソースドライバ(セレクタ付)
4’〜4’,44’〜44’ ソースドライバ(セレクタ無)
11〜4m1,4411〜44m1,51,61,101,111 セレクタ(選択部)
5,45 STV配線
6,46 LRbスキャン方向選択信号用配線
46’ UDbスキャン方向選択信号用配線
91 真理値表
STV1,2 配線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16