(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記成分D)が、グリセロールとスクロースの混合物をベースとするプロポキシル化ポリオールである、請求項1から6のいずれか一項に記載の硬質ポリウレタンフォーム。
【発明を実施するための形態】
【0015】
成分a1)の好ましいポリオールまたはポリアミンは、糖(ソルビトール、グルコース、スクロース)、ペンタエリトリトール、ソルビトール、トリメチロールプロパン、グリセロール、トリレンジアミン、エチレンジアミン、エチレングリコール、プロピレングリコールおよび水からなる群から選択される。糖(ソルビトール、グルコース、スクロース)、グリセロール、水およびエチレングリコールならびにまたこれらの混合物が特に好ましく、スクロース、グリセロール、水およびジエチレングリコールから選択される2種以上の化合物を含む混合物が特別好ましい。
【0016】
特定の一実施形態において、成分a1)は、グリセロールとスクロースの混合物を含む。
【0017】
ポリオールおよび/またはポリアミンa1)によってもたらされる、本発明のポリエーテルエステルポリオールの割合は、ポリエーテルエステルポリオールの質量に対して、一般に15から40質量%の範囲、好ましくは20から35質量%の範囲、より好ましくは25から30質量%の範囲である。
【0018】
一般に、脂肪酸または脂肪酸モノエステルa2)は、ポリヒドロキシ脂肪酸、リシノール酸、ヒドロキシ修飾油、ヒドロキシ修飾脂肪酸およびミリストレイン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、バクセン酸、ペトロセリン酸、ガドレイン酸、エルカ酸、ネルボン酸、リノール酸、α−およびγ−リノレン酸、ステアリドン酸、アラキドン酸、チムノドン酸、イワシ酸およびセルボン酸ベースの脂肪酸エステルからなる群から選択される。メチルエステルが、好ましい脂肪酸モノエステルである。
【0019】
本発明の好ましい一実施形態において、脂肪酸または脂肪酸モノエステルa2)は、脂肪酸メチルエステル、バイオディーゼルまたは純脂肪酸の形態で使用される。バイオディーゼルおよび純脂肪酸が特に好ましく、純脂肪酸、好ましくはオレイン酸およびステアリン酸、特にオレイン酸が特別に好ましい。
【0020】
本発明の他の好ましい実施形態において、脂肪酸または脂肪酸モノエステルa2)は、オレイン酸もしくはステアリン酸またはこれらの脂肪酸の誘導体であり、オレイン酸、オレイン酸メチル、ステアリン酸およびステアリン酸メチルが特に好ましい。脂肪酸または脂肪酸モノエステルは、一般に、ポリウレタンフォームの製造において、発泡剤の溶解度を改良するのに使用される。本発明の特に好ましい実施形態において、成分a2)には、オレイン酸メチルが含まれ、特に好ましい成分a2)は、オレイン酸メチルからなる。
【0021】
本発明によるポリエーテルエステルポリオールの脂肪酸の割合は、ポリエーテルエステルポリオールの質量に対して、一般に2から30質量%の範囲、好ましくは5から25質量%の範囲、より好ましくは8から20質量%の範囲、特に12から17質量%の範囲である。
【0022】
有用なアルキレンオキシドa3)は、2から4個の炭素原子を有し、例えば、テトラヒドロフラン、1,3−プロピレンオキシド、1,2−ブチレンオキシド、2,3−ブチレンオキシド、スチレンオキシド、好ましくはエチレンオキシドおよび1,2−プロピレンオキシドが含まれる。アルキレンオキシドは、個別に、相次いで交互に、または混合物として使用することができる。プロピレンオキシドおよびエチレンオキシドは、好ましいアルキレンオキシドであり、プロピレンオキシドが>35質量%である、エチレンオキシドとプロピレンオキシドの混合物が好ましく、純粋なプロピレンオキシドが特別好ましい。
【0023】
好ましい一実施形態は、アミン、好ましくはジメチルエタノールアミンまたはイミダゾール、より好ましくはイミダゾールを含むアルコキシル化触媒を使用する。
【0024】
アルキレンオキシドによってもたらされる、本発明のポリエーテルエステルポリオールの割合は、一般に35から70質量%の範囲、好ましくは50から65質量%の範囲、より好ましくは55から60質量%の範囲である。
【0025】
本発明のポリエーテルエステルポリオールのOH価は、200から700mgKOH/gの範囲、好ましくは300から600mgKOH/gの範囲、より好ましくは350から500mgKOH/gの範囲、特に400から500mgKOH/gの範囲である。
【0026】
本発明のポリエーテルエステルポリオールの平均官能基数は、一般に2.5から8の範囲、好ましくは3から6の範囲、より好ましくは3.5から5.5の範囲、特に4から5の範囲である。
【0027】
本発明のポリエーテルエステルポリオールの粘度は、すべてDIN53018で25℃において測定した、一般に<10000mPas、好ましくは<7000mPas、より好ましくは<5500mPas、特に<4000mPasである。
【0028】
本発明は、
A)有機もしくは修飾有機ポリイソシアナートまたはこれらの混合物と、
B)1種または複数の上記のポリエーテルエステルポリオールと、
C)場合により他のポリエステルポリオールと、
D)場合によりポリエーテルオールポリオールと、
E)場合により難燃剤と、
F)1種または複数の発泡剤と、
G)触媒と、
H)場合により他の助剤および/または添加剤と
の反応によって硬質ポリウレタンフォームを製造する方法をさらに提供する。
【0029】
本発明はまた、前記成分B)からF)およびH)、即ち、
B)1種または複数の上記のポリエーテルエステルポリオール、
C)場合により他のポリエステルポリオール、
D)場合によりポリエーテルポリオール、
E)場合により難燃剤、
F)1種または複数の発泡剤、
G)場合により触媒、および
H)場合により他の助剤および/または添加剤
を含むポリオール混合物を提供する。
【0030】
本発明の他の主題には、本発明の方法を介して入手可能な硬質ポリウレタンフォームおよび硬質ポリイソシアヌラートフォーム、ならびにまた、硬質ポリウレタンフォームまたは硬質ポリイソシアヌラートフォームを製造するための、本発明のポリエーテルエステルポリオールを使用する方法が含まれる。
【0031】
本発明のポリエーテルエステルポリオールB)の割合は、総成分B)からH)に対して、一般に>20質量%、好ましくは>40質量%、より好ましくは>60質量%、特に好ましくは>70質量%である。
【0032】
本発明の方法による硬質ポリウレタンフォームの製造は、上記の特定のポリエーテルエステルポリオールに加えて、以下にあ詳述するそれ自体既知の構成成分(constructal components)を使用する。
【0033】
可能性のある有機または修飾有機ポリイソシアナートA)は、それ自体既知の脂肪族、脂環式、芳香脂肪族(araliphatic)および好ましくは芳香族多官能性イソシアナートである。
【0034】
特定の例は、アルキレン基中に4から12個の炭素原子を有するアルキレンジイソシアナート、例えば、ドデカン1,12−ジイソシアナート、2−エチルテトラメチレン1,4−ジイソシアナート、2−メチルペンタメチレン1,5−ジイソシアナート、テトラメチレン1,4−ジイソシアナート、および好ましくはヘキサメチレン1,6−ジイソシアナート;シクロヘキサン1,3−および1,4−ジイソシアナートならびにまたこれらの異性体の任意の混合物、1−イソシアナト−3,3,5−トリメチル−5−イソシアナトメチルシクロヘキサン(IPDI)、ヘキサヒドロトリレン2,4−および2,6−ジイソシアナートならびにまた対応する異性体混合物、ジシクロヘキシルメタン4,4’−,2,2’−および2,4’−ジイソシアナートならびにまた対応する異性体混合物等の脂環式ジイソシアナート、ならびにトリレン2,4−および2,6−ジイソシアナートならびに対応する異性体混合物、ジフェニルメタン4,4’−,2,4’−および2,2’−ジイソシアナートならびに対応する異性体混合物、ジフェニルメタン4,4’−と2,2’−ジイソシアナートの混合物、ポリフェニルポリメチレンポリイソシアナート、ジフェニルメタン4,4’−,2,4’−および2,2’−ジイソシアナートとポリフェニルポリメチレンポリイソシアナートの混合物(粗MDI)および粗MDIとトリレンジイソシアナートの混合物等の好ましくは芳香族ジイソシアナートおよびポリイソシアナートである。有機ジイソシアナートおよびポリイソシアナートは、個別にまたはこれらの混合物の形態で使用することができる。
【0035】
好ましいポリイソシアナートは、トリレンジイソシアナート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアナート(MDI)および特にジフェニルメタンジイソシアナートとポリフェニレンポリメチレンポリイソシアナート(ポリマーMDIまたはPMDI)の混合物である。
【0036】
修飾多官能性イソシアナート、即ち、有機ポリイソシアナートの化学反応によって得られる生成物もしばしば使用される。挙げることができる例は、エステル、尿素、ビューレット、アロファナート、カルボジイミド、イソシアヌラート、ウレトジオン、カルバマートおよび/またはウレタン基を含むポリイソシアナートである。
【0037】
本発明の硬質ポリウレタンフォームを製造するために、ポリマーMDIの使用が特別好ましい。
【0038】
適した他のポリエステルポリオールC)は、例えば、2から12個の炭素原子を有する有機ジカルボン酸、好ましくは芳香族または芳香族と脂肪族ジカルボン酸の混合物と、2から12個の炭素原子、好ましくは2から6個の炭素原子を有する多価アルコール、好ましくはジオールから調製することができる。可能性のあるジカルボン酸は、例えば、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、イソフタル酸およびテレフタル酸である。ジカルボン酸は、個別にまたは互いの混合物で使用することができる。遊離のジカルボン酸の代わりに、対応するジカルボン酸誘導体、例えば、1から4個の炭素原子を有するアルコールのジカルボン酸エステルまたはジカルボン酸無水物を使用することも可能である。芳香族ジカルボン酸として、フタル酸、無水フタル酸、テレフタル酸および/またはイソフタル酸を混合物としてまたは単独で使用することが好ましい。脂肪族ジカルボン酸として、例えば、質量比20〜35:35〜50:20〜32のコハク酸、グルタル酸およびアジピン酸のジカルボン酸混合物、ならびに特にアジピン酸の使用が好ましい。二価および多価アルコール、特にジオールの例は、エタンジオール、ジエチレングリコール、1,2−または1,3−プロパンジオール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,10−デカンジオール、グリセロール、トリメチロールプロパンおよびペンタエリトリトールである。エタンジオール、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオールまたは挙げた少なくとも2種のジオールの混合物、特に、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオールおよび1,6−ヘキサンジオールの混合物の使用が好ましい。ラクトン、例えばε−カプロラクトン、またはヒドロキシカルボン酸、例えばω−ヒドロキシカプロン酸から誘導されたポリエステルポリオールを使用することも可能性がある。
【0039】
他のポリエステルポリオールC)を調製するために、バイオベースの出発材料および/またはこれらの誘導体、例えば、ヒマシ油、ポリヒドロキシ脂肪酸、リシノール酸、ヒドロキシ修飾油、ブドウ種子油、ブラッククミン油、カボチャ種子油、ルリジサ種子油、大豆油、コムギ胚芽油、ナタネ油、ヒマワリ油、ピーナッツ油、杏仁油、ピスタチオ油、アーモンド油、オリーブ油、マカダミアナッツ油、アボカド油、シーバックソーン油、ゴマ油、大麻油、ヘーゼルナッツ油、プリムラ油、ノバラ油、ベニバナ油、クルミ油;ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、バクセン酸、ペトロセリン酸、ガドレイン酸、エルカ酸、ネルボン酸、リノール酸、α−およびγ−リノレン酸、ステアリドン酸、アラキドン酸、チムノドン酸、イワシ酸およびセルボン酸をベースとするヒドロキシ修飾脂肪酸および脂肪酸エステルも適している。
【0040】
他のポリエステルポリオールC)の濃度は、総成分B)からH)に対して、一般に0から20質量%の範囲である。本発明の一実施形態は、1から10質量%のポリエステルポリオールC)を使用する。本発明の好ましい一実施形態は、他のポリエステルポリオールC)を使用しない。
【0041】
ポリエーテルポリオールD)を同時に使用することも可能であり、これは、既知の方法、例えば、アルキレン基中に2から4個の炭素原子を有する1種または複数のアルキレンオキシドから、触媒として、アルカリ金属水酸化物、例えば、水酸化ナトリウムもしくは水酸化カリウム、またはアルカリ金属アルコキシド、例えば、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシドもしくはカリウムエトキシドまたはカリウムイソプロポキシドを用い、2から8個、好ましくは2から6個の反応性水素原子を含む少なくとも1種の開始剤分子を添加してアニオン重合によって、または触媒としてルイス酸、例えば五塩化アンチモン、ホウ素フルオリドエーテラート、または漂白土を用いてカチオン重合によって調製される。
【0042】
適したアルキレンオキシドは、例えば、テトラヒドロフラン、1,3−プロピレンオキシド、1,2−または2,3−ブチレンオキシド、スチレンオキシド、好ましくはエチレンオキシドおよび1,2−プロピレンオキシドである。アルキレンオキシドは、個別に、相次いで交互にまたは混合物として使用することができる。好ましいアルキレンオキシドは、プロピレンオキシドおよびエチレンオキシドであり、プロピレンオキシドが特に好ましい。
【0043】
可能性のある開始剤分子は、例えば、水;コハク酸、アジピン酸、フタル酸およびテレフタル酸等の、脂肪族および芳香族の有機ジカルボン酸、場合により、アルキル基中に1から4個の炭素原子を有するN−モノアルキル、N,N−ジアルキルおよびN,N’−ジアルキルで置換されたジアミン、例えば、場合によりモノアルキルおよびジアルキルで置換された、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、1,3−プロピレンジアミン、1,3−または1,4−ブチレンジアミン、1,2−、1,3−、1,4−、1,5−および1,6−ヘキサメチレンジアミン、フェニレンジアミン、2,3−、2,4−および2,6−トリレンジアミンならびに4,4’−、2,4’−および2,2’−ジアミノジフェニルメタンである。
【0044】
他の可能性のある、開始剤分子は、エタノールアミン、N−メチルエタノールアミンおよびN−エチルエタノールアミン等のアルカノールアミン、ジエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミンおよびN−エチルジエタノールアミン等のジアルカノールアミン、ならびにトリエタノールアミン等のトリアルカノールアミン、ならびにアンモニアである。
【0045】
エタンジオール、1,2−および1,3−プロパンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、グリセロール、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリトール、ソルビトールおよびスクロース等の二価または多価アルコールを使用することが好ましい。前掲のジ第一級アミン、例えばエチレンジアミンが特に好ましい。
【0046】
ポリエーテルポリオールD)、好ましくは、ポリオキシプロピレンポリオールおよび/またはポリオキシエチレンポリオールは、好ましくは2から6、特に2から5の官能基数、および150から3000、好ましくは200から2000、特に250から1000の数平均分子量を有する。
【0047】
本発明の一実施形態は、ポリエーテルポリオールD)として、アルコキシル化アミン、好ましくはプロポキシル化アミン、例えばプロポキシル化エチレンジアミンを、総成分B)からH)に対して、一般に0から35質量%の量で、好ましくは0から10質量%の量で使用する。一実施形態は、プロポキシル化アミンを2から6質量%の量で使用する。特に好ましい一実施形態は、アルコキシル化アミンを使用しない。
【0048】
本発明の1つの利点は、ポリエーテルポリオールD)、特にプロポキシル化アミンを省くこともできることである。
【0049】
本発明の他の特に好ましい実施形態は、ポリエーテルポリオールD)として、グリセロールとスクロースの混合物またはジエチレングリコールとスクロースの混合物をベースとする、アルコキシル化ポリオール、好ましくはプロポキシル化ポリオールを、総成分B)からH)に対して好ましくは0から35質量%、好ましくは0から20質量%、より好ましくは0から10質量%の量で使用する。
【0050】
ポリエーテルポリオールD)の割合は、総成分B)からF)に対して、一般に0から40質量%の範囲、好ましくは0から20質量%の範囲、より好ましくは0から10質量%の範囲である。
【0051】
難燃剤E)として、一般に、先行技術で既知の難燃剤を使用することが可能である。適した難燃剤は、例えば、非混合性臭素化物質、臭素化エステル、臭素化エーテル(Ixol)、またはジブロモネオペンチルアルコール、トリブロモネオペンチルアルコールおよびPHT−4−ジオール等の臭素化アルコール、ならびにまたトリス(2−クロロエチル)ホスファート、トリス(2−クロロプロピル)ホスファート(TCPP)、トリス(1,3−ジクロロプロピル)ホスファート、トリクレシルホスファート、トリス(2,3−ジブロモプロピル)ホスファート、テトラキス(2−クロロエチル)エチレンジホスファート、ジメチルメタンホスホナート、ジエチルジエタノールアミノメチルホスホナート等の塩素化ホスファート、ならびにまた市販のハロゲンを含む難燃剤ポリオールである。ジエチルエタンホスホナート(DEEP)、トリエチルホスファート(TEP)、ジメチルプロピルホスホナート(DMPP)、ジフェニルクレシルホスファート(DPK)等の、ホスファートまたはホスホナート、ならびに他の液体難燃剤としてその他のものを使用することが可能である。
【0052】
上記の難燃剤を別として、赤リン、赤リンを含む調製物、酸化アルミニウム水和物、三酸化アンチモン、酸化ヒ素、ポリリン酸アンモニウムおよび硫酸カルシウム、膨張黒鉛もしくはメラミン等のシアヌル酸誘導体等の無機または有機難燃剤、または硬質ポリウレタンフォームを不燃性にするための、少なくとも2種の難燃剤の混合物、例えば、ポリリン酸アンモニウムおよびメラミンならびに場合によりトウモロコシデンプン、またはポリリン酸アンモニウム、メラミンおよび膨張黒鉛ならびに場合により芳香族ポリエステルを使用することが可能である。
【0053】
好ましい難燃剤は、前掲のリン含有難燃剤であり、ジメチルプロピルホスホナート(DMPP)、ジエチルエタンホスホナート(DEEP)、トリエチルホスファート(TEP)、ジフェニルクレシルホスファート(DPK)、トリフェニルホスファート(TPP)およびトリス−(2−クロロプロピル)ホスファート(TCPP)が特に好ましく、TCPPが特別好ましい。
【0054】
難燃剤E)の割合は、成分B)からH)に対して、一般に0から30質量%の範囲、好ましくは0から15質量%の範囲、より好ましくは0から10質量%の範囲、さらに好ましくは0から5質量%の範囲、特に0質量%である。
【0055】
硬質ポリウレタンフォームを製造するために使用される発泡剤F)には、好ましくは水、ギ酸およびこれらの混合物が含まれる。これらは、イソシアナート基と反応して、二酸化炭素を、ならびにギ酸の場合は二酸化炭素および一酸化炭素を形成する。さらに、低沸点炭化水素等の物理的発泡剤を使用することができる。適した物理的発泡剤は、有機の、場合により修飾されたポリイソシアナートに対して不活性である液体であり、大気圧で100℃未満、好ましくは50℃未満の沸点を有し、そのため発熱性重付加反応の条件下で蒸発する。好ましくは使用することができるこのような液体の例は、ヘプタン、ヘキサン、n−ペンタンおよびイソペンタン、好ましくはn−ペンタンとイソペンタン、n−ブタンとイソブタンとプロパンの工業から得た混合物等のアルカン、シクロペンタンおよび/またはシクロヘキサン等のシクロアルカン、フラン、ジメチルエーテルおよびジエチルエーテル等のエーテル、アセトンおよびメチルエチルケトン等のケトン、ギ酸メチル、ジメチルオキサラートおよび酢酸エチル等のアルキルカルボキシラート、ならびにメチレンクロリド、ジクロロモノフルオロメタン、ジフルオロメタン、トリフルオロメタン、ジフルオロエタン、テトラフルオロエタン、クロロフルオロエタン、1,1−ジクロロ−2,2,2−トリフルオロエタン、2,2−ジクロロ−2−フルオロエタンおよびヘプタフルオロプロパン等のハロゲン化炭化水素である。これらの低沸点液体と互いの、および/または他の置換もしくは非置換炭化水素との混合物も使用することができる。ギ酸、酢酸、シュウ酸、リシノール酸等の有機カルボン酸およびカルボキシル含有化合物も適している。
【0056】
発泡剤として、いずれのハロゲン化炭化水素も使用しないことが好ましい。水、任意のペンタン異性体およびまた水とペンタン異性体の混合物、ならびにまたギ酸を使用することが好ましい。
【0057】
発泡剤は、ポリオール成分(即ち、B+C+D+E+F+G+H)中に全体的にまたは部分的に溶解される、またはポリオール成分を発泡させる直前にスタティックミキサーを介して導入される。水またはギ酸がポリオール成分中に完全にまたは部分的に溶解され、物理的発泡剤(例えばペンタン)および化学発泡剤のいかなる残りも「オンライン」で導入されることが有用である。
【0058】
ポリオール成分は、現場(in situ)でペンタン、場合によっては化学発泡剤の一部およびまた触媒のすべてまたは一部と混合される。助剤および添加剤ならびに難燃剤は、存在する場合、ポリオールブレンド中にすでに含まれている。
【0059】
使用される発泡剤または発泡剤混合物の量は、すべてが総成分B)からH)に対して、1から40質量%の範囲、好ましくは1から25質量%の範囲、より好ましくは1.5から17.5質量%の範囲である。
【0060】
発泡剤として水が使用する場合、好ましくは、成分B)に対して0.2から5質量%の量で、成分B)に添加される。水の添加は、記載されている他の発泡剤の使用と一緒に実施することができる。水をペンタンと組み合わせて使用することが好ましい。
【0061】
硬質ポリウレタンフォームを調製するために使用される触媒G)は、特に、反応性水素原子、特にヒドロキシル基を含む成分B)からF)の化合物と有機の、場合により修飾されたポリイソシアナートA)との反応を実質的に速める化合物である。
【0062】
塩基性ポリウレタン触媒、例えば、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジメチルベンジルアミン、ジシクロヘキシルメチルアミン、ジメチルシクロヘキシルアミン等の第三級アミン、N,N,N’,N’−テトラメチルジアミノジエチルエーテル、ビス(ジメチルアミノプロピル)尿素、N−メチルモルホリンまたはN−エチルモルホリン、N−シクロヘキシルモルホリン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N,N−テトラメチルブタンジアミン、N,N,N,N−テトラメチルヘキサン−1,6−ジアミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、ジメチルピペラジン、N−ジメチルアミノエチルピペリジン、1,2−ジメチルイミダゾール、1−アザビシクロ−[2.2.0]オクタン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(Dabco)、ならびにトリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、およびN−エチルジエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、2−(N,N−ジメチルアミノエトキシ)エタノール等のアルカノールアミン化合物、N,N’,N”−トリス(ジアルキルアミノアルキル)ヘキサヒドロトリアジン、例えば、N,N’,N”−トリス(ジメチルアミノプロピル)−ヘキサヒドロトリアジン、ならびにトリエチレンジアミンを使用することが有利である。しかし、塩化鉄(II)、塩化亜鉛、オクタン酸鉛等の金属塩、ならびに好ましくは、ジオクタン酸スズ、ジエチルヘキサン酸スズおよびジラウリン酸ジブチルスズ等のスズ塩、ならびにまた特に、第三級アミンと有機スズ塩の混合物も適している。
【0063】
他の可能性のある触媒は、2,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロピリミジン等のアミジン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド等のテトラアルキルアンモニウムヒドロキシド、水酸化ナトリウム等のアルカリ金属水酸化物、ならびにナトリウムメトキシドおよびカリウムイソプロポキシド等のアルカリ金属アルコキシド、ならびにまた、10から20個の炭素原子および場合により側方OH基を有する長鎖脂肪酸のアルカリ金属塩である。成分B)からH)の質量に対して、0.001から6質量%、特に0.05から3質量%の触媒または触媒の組合せの使用が好ましい。触媒作用なしで反応を進行させておくことも可能である。この場合、アミンの触媒活性で開始されるポリオールが利用される。
【0064】
発泡の間、比較的大きなポリイソシアナートの過剰が使用する場合、過剰なNCO基の互いの三量化反応のための他の適した触媒は、イソシアヌラート基を形成する触媒、例えば、単独でまたは第三級アミンと組み合わせたアンモニウムイオン塩またはアルカリ金属塩である。イソシアヌラートの形成は、好ましくは工業用硬質フォーム、例えば、断熱ボードまたはサンドイッチ要素として建築物および建設で使用される不燃性PIRフォームを生じる。
【0065】
上記のおよび他の出発材料に関するさらなる情報は、技術文献、例えば、Kunststoffhandbuch、第VII巻、Polyurethane、Carl Hanser Verlag Munich、Vienna、第1版、第2版および第3版1966年、1983年および1993年に見い出し得る。
【0066】
他の助剤および/または添加剤H)は、場合により、硬質ポリウレタンフォームを製造するための反応混合物に添加することができる。例えば、界面活性物質、泡安定剤、気泡調節剤、充填剤、染料、顔料、難燃剤、加水分解防止剤、静真菌性および静菌性物質を挙げてもよい。
【0067】
可能性のある界面活性物質は、例えば、出発材料の均質化を助ける役割を果たし、ポリマーの気泡構造を調節するのに適している可能性のある化合物である。例えば、ヒマシ油スルファートまたは脂肪酸のナトリウム塩およびまた脂肪酸とアミンの塩、例えば、ジエチルアミンオレアート、ジエタノールアミンステアラート、ジエタノールアミンリシノレアート、スルホン酸の塩、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸またはジナフチルメタンジスルホン酸のアルカリ金属またはアンモニウム塩ならびにリシノール酸の塩等の乳化剤;シロキサン−オキシアルキレンコポリマーおよび他の有機ポリシロキサン、エトキシル化アルキルフェノール、エトキシル化脂肪アルコール、パラフィン油、ヒマシ油エステルまたはリシノール酸エステル、ロート油およびピーナッツ油等の泡安定剤、ならびにパラフィン、脂肪アルコールおよびジメチルポリシロキサン等の気泡調節剤を挙げてもよい。上記の、側鎖基としてポリオキシアルキレン基およびフルオロアルカン基を有するオリゴマーのアクリラートも、乳化作用、気泡構造および/または泡の安定化を改良するのに適している。界面活性物質は、成分B)からH)の質量に対して、通常0.01から10質量%、好ましくは0.01から5質量%の量で使用される。
【0068】
充填剤、特に強化充填剤は、それ自体が既知の、通例の有機および無機充填剤、強化材料、増量剤、塗料の摩耗挙動を改良する作用剤、コーティング組成物等を意味するものと理解される。特定の例は、無機充填剤等のシリカ含有鉱物、例えば、アンティゴライト、蛇紋石、普通閃石、角閃石、クリソタイルおよびタルク等の板状ケイ酸塩、カオリン、酸化アルミニウム、酸化チタンおよび酸化鉄等の金属酸化物、チョーク、重晶石等の金属塩、ならびに硫化カドミウムおよび硫化亜鉛等の無機顔料、ならびにまたガラス等である。カオリン(チャイナクレー)、ケイ酸アルミニウムおよび硫酸バリウムとケイ酸アルミニウムの共沈殿物、ならびにまたケイ灰石、金属繊維および特に、様々な長さのガラス繊維(これはサイズと共に被覆され得る)等の天然および合成繊維状鉱物の使用が好ましい。可能性のある有機充填剤は、例えば、炭素、メラミン、ロジン、シクロペンタジエニル樹脂およびグラフトポリマーおよびまたセルロース繊維、ポリアミド、ポリアクリロニトリル、ポリウレタン、芳香族および/または脂肪族ジカルボン酸エステルをベースとするポリエステル繊維ならびに特に炭素繊維である。
【0069】
無機および有機充填剤は、個別でまたは混合物として使用することができ、成分A)からH)の質量に対して、0.5から50質量%、好ましくは1から40質量%の量で反応混合物に添加され得るが、マット、天然および合成繊維の不織布および織物の含有量は、最大80質量%の値に達することができる。
【0070】
上記の他の通例の助剤および添加剤に関するさらなる情報は、技術文献、例えばJ.H.SaundersおよびK.C.Frischによるモノグラフ、「High Polymers」第XVI巻、Polyurethane、第1部および第2部、lnterscience Publishers 1962年および1964年、またはKunststoff−Handbuch、Polyurethane、第VII巻、Hanser−Verlag、Munich、Vienna、第1版および第2版、1966年および1983年に見い出し得る。
【0071】
本発明の硬質ポリウレタンフォームを生成するために、場合により修飾された有機ポリイソシアナートA)、本発明の特定のポリエーテルエステルポリオールB)、場合による他のポリエステルポリオールC)および場合によるポリエーテルオールおよび/または2つ以上のイソシアナート反応性基を有する他の化合物D)は、ポリイソシアナートA)のNCO基対成分B)、場合によるC)、場合によるD)ならびにまたE)およびF)の反応性水素原子の合計の当量比が、1から6:1の範囲、好ましくは1.1から5:1の範囲、特に1.2から3.5:1の範囲であるような量で反応される。
【0072】
好ましい一実施形態において、ポリオール成分は、
25から90質量%のポリエーテルエステルポリオールB)、
0から20質量%の他のポリエステルポリオールC)、
0から35質量%のポリエーテルポリオールD)、
0から30質量%の難燃剤E)、
1から40質量%の発泡剤F)、
0.01から5質量%の触媒G)、
0.01から10質量%の助剤および/または添加剤H)
を含む。
【0073】
ポリオール成分が、
50から85質量%のポリエーテルエステルポリオールB)、
0から10質量%、特に0質量%の他のポリエステルポリオールC)、
0から10質量%、特に0質量%のポリエーテルポリオールD)、
0から15質量%の難燃剤E)、
1から30質量%の発泡剤F)、
0.05から3質量%の触媒G)、
0.01から5質量%の助剤および/または添加剤H)
を含むことがより好ましい。
【0074】
硬質ポリウレタンフォームは、ワンショットプロセス、例えば、解放型または密閉型の例えば金属の型中で高圧または低圧技術を用いて製造されることが有利である。反応混合物を適切なベルトラインに連続的に適用して、パネルを製造することも通例である。
【0075】
出発成分は、15から90℃、好ましくは20から60℃、特に20から35℃の温度で混合され、解放型中にもしくは必要に応じて大気圧を超える密閉型中に導入され、または反応性材料を受け取るベルトへの連続ワークステーションに適用される。既述のように、混合は、撹拌機または撹拌翼を用いて機械的に実施することができる。型温度は、有利には20から110℃の範囲、好ましくは30から70℃の範囲、特に40から60℃の範囲である。
【0076】
本発明の方法によって製造された硬質ポリウレタンフォームは、15から300g/l、好ましくは20から100g/l、特に25から60g/lの密度を有する。
実施例
【実施例1】
【0077】
オレイン酸によるポリエーテルエステルポリオールの生成
250.1gのグリセロール、2.5gのイミダゾール、1139.7gのスクロースならびに750.6gのオレイン酸を、最初に25℃で5Lの反応器に投入した。次いで反応器を窒素で不活性化した。ケトルを130℃に加熱し、2858.1gのプロピレンオキシドを計量供給した。4時間の反応時間に続いて、ケトルを100℃で60分間十分に排気し、次いで25℃まで冷却して、4945gの生成物を得た。
【0078】
得られたポリエーテルエステルポリオールは、以下の特性値を有していた:
OH価:416.3mgKOH/g
粘度(25℃):7210mPas
酸価:0.08mgKOH/g
水含量:0.016%
【実施例2】
【0079】
オレイン酸メチルによるポリエーテルエステルポリオールの生成
995.2gのグリセロール、2.5gのイミダゾール、422.8gのスクロースならびに676.1gのオレイン酸メチルを、最初に25℃で5Lの反応器に投入した。次いで反応器を窒素で不活性化した。ケトル(カマ)を130℃に加熱し、2903.4gのプロピレンオキシドを計量供給した。3時間の反応時間に続いて、ケトルを100℃で60分間十分に排気し、次いで25℃まで冷却して、4904.1gの生成物を得た。
【0080】
得られたポリエーテルエステルポリオールは、以下の特性値を有していた:
OH価:464.5mgKOH/g
粘度(25℃):783mPas
酸価:0.11mgKOH/g
水含量:0.02%
【0081】
<比較例1>
プロピレンオキシドならびに開始剤として糖とグリセロールの混合物をベースとする、490mgKOH/gのヒドロキシル価を有する、55.65質量部のポリエーテルアルコール1、
プロピレンオキシドおよび開始剤としてエチレンジアミンをベースとする、750mgKOH/gのヒドロキシル価を有する、6質量部のポリエーテルアルコール2、
20質量部のヒマシ油、
15質量部のトリス−2−クロロイソプロピルホスファート(TCPP)、
2質量部のシリコーン泡安定剤(Goldschmidt製Tegostab(登録商標)B8443)、
0.5質量部の、酢酸カリウムの50質量%エチレングリコール溶液、および
0.85質量部の水
から出発して混合することによって、ポリオール成分を製造した。
【0082】
該ポリオール成分は、20℃で安定である。これは、n−ペンタン(7.5質量部)、ジメチルシクロヘキシルアミンおよび水の存在下、31.5質量%のNCO含量を有するポリマーMDI(BASF SE製Lupranat(登録商標)M50)と129のイソシアナート指数で反応した。ジメチルシクロヘキシルアミンおよび水の量は、ファイバー時間(fiber time)が53秒であり、得られる泡が38kg/m
3の密度を有するように選択された。
【0083】
<比較例2>
比較例1のポリオール成分と比較して、使用するポリエーテルアルコール1および水の量を以下のように変更した:
54.0質量部のポリエーテルアルコール1、および
2.5質量部の水。
【0084】
ポリオール成分を混合することによって製造した。ポリオール成分は、T=20℃で安定でなく、2相に分離した。
【0085】
<比較例3>
比較例1のポリオール成分と比較して、使用するポリエーテルアルコール1およびトリス−2−クロロイソプロピルホスファートの量を以下のように変更した:
60.65質量部のポリエーテルアルコール1、および
10質量部のトリス−2−クロロイソプロピルホスファート。
【0086】
ポリオール成分を混合することによって製造した。ポリオール成分は、T=20℃で安定でなく、2相に分離した。
【0087】
<比較例4>
比較例1のポリオール成分中で使用するポリエーテルアルコール1およびポリエーテルアルコール2の量を以下のように変更した:
60.65質量部のポリエーテルアルコール1、および
0質量部のポリエーテルアルコール2。
【0088】
ポリオール成分を混合することによって製造した。ポリオール成分は、T=20℃で安定でなく、2相に分離した。
【0089】
<比較例5>
56.15質量部のポリエーテルアルコール1、
6質量部のポリエーテルアルコール2、
プロピレンオキシドおよび開始剤としてグリセロールをベースとする、400mgKOH/gのヒドロキシル価を有する、20質量部のポリエーテルアルコール3、
15質量部のトリス−2−クロロイソプロピルホスファート、
1.8質量部のシリコーン泡安定剤(Goldschmidt製Tegostab(登録商標)B8443)、
0.2質量部の酢酸カリウムの50質量%エチレングリコール溶液、および
0.85質量部の水
から出発して混合することによって、ポリオール成分を製造した。
【0090】
該ポリオール成分は、20℃で安定であった。これは、n−ペンタン(7.5質量部)ジメチルシクロヘキシルアミンおよび水の存在下、31.5質量%のNCO含量を有するポリマーMDI(BASF SE製Lupranat(登録商標)M50)と116のイソシアナート指数で反応した。ジメチルシクロヘキシルアミンおよび水の量は、ファイバー時間が53秒であり、得られる泡が38kg/m
3の密度を有するように選択された。
【0091】
<比較例6>
比較例5のポリオール成分と比較して、使用するポリエーテルアルコール1および水の量を以下のように変更した:
54.5質量部のポリエーテルアルコール1、および
2.5質量部の水。
【0092】
ポリオール成分を混合することによって製造した。該ポリオール成分は、T=20℃で透明である。これは、n−ペンタン(7.5質量部)、ジメチルシクロヘキシルアミンおよび水の存在下、31.5質量%のNCO含量を有するポリマーMDI(BASF SE製Lupranat(登録商標)M50)と116のイソシアナート指数で反応した。ジメチルシクロヘキシルアミンおよび水の量は、ファイバー時間が53秒であり、得られる泡が38kg/m
3の密度を有するように選択された。
【0093】
<比較例7>
比較例5のポリオール成分と比較して、使用する原料ポリエーテルアルコール1およびトリス−2−クロロイソプロピルホスファートの量を以下のように変更した:
61.15質量部のポリエーテルアルコール1、および
10質量部のトリス−2−クロロイソプロピルホスファート。
【0094】
ポリオール成分を混合することによって製造した。該ポリオール成分は、T=20℃で濁っていた。これは、n−ペンタン(7.5質量部)、ジメチルシクロヘキシルアミンおよび水の存在下、31.5質量%のNCO含量を有するポリマーMDI(BASF SE製Lupranat(登録商標)M50)と116のイソシアナート指数で反応した。ジメチルシクロヘキシルアミンおよび水の量は、ファイバー時間が53秒であり、得られる泡が38kg/m
3の密度を有するように選択された。
【0095】
<比較例8>
比較例1のポリオール成分と比較して、使用するポリエーテルアルコール1およびポリエーテルアルコール2の量を以下のように変更した:
60.65質量部のポリエーテルアルコール1、および
0質量部のポリエーテルアルコール2。
【0096】
ポリオール成分を混合することによって製造した。該ポリオール成分は、T=20℃で安定でなくなく、2相に分離した。
【実施例3】
【0097】
プロピレンオキシドならびに開始剤として糖、グリセロールおよびオレイン酸の混合物をベースとする、416mgKOH/gのヒドロキシル価を有する、75.65質量部の実施例1からのポリエーテルエステルポリオール1、
6質量部のポリエーテルアルコール2、
15質量部のトリス−2−クロロイソプロピルホスファート、
2.0質量部のシリコーン泡安定剤(Goldschmidt製Tegostab(登録商標)B8443)、
0.5質量部の、酢酸カリウムの50質量%エチレングリコール溶液、および
0.85質量部の水
から出発して混合することによって、ポリオール成分を製造した。
【0098】
該ポリオール成分は、20℃で安定であった。これは、n−ペンタン(7.5質量部)、ジメチルシクロヘキシルアミンおよび水の存在下、31.5質量%のNCO含量を有するポリマーMDI(BASF SE製Lupranat(登録商標)M50)と116のイソシアナート指数で反応した。ジメチルシクロヘキシルアミンおよび水の量は、ファイバー時間が53秒であり、得られる泡が38kg/m
3の密度を有するように選択された。
【実施例4】
【0099】
本発明の実施例3のポリオール成分と比較して、使用するポリエーテルエステルポリオール1および水の量を以下のように変更した:
74.0質量部のポリエーテルエステルポリオール1、および
2.5質量部の水。
【0100】
ポリオール成分を混合することによって製造した。該ポリオール成分は、20℃で透明であった。これは、n−ペンタン(7.5質量部)、ジメチルシクロヘキシルアミンおよび水の存在下、31.5質量%のNCO含量を有するポリマーMDI(BASF SE製Lupranat(登録商標)M50)と116のイソシアナート指数で反応した。ジメチルシクロヘキシルアミンおよび水の量は、ファイバー時間が53秒であり、得られる泡が38kg/m
3の密度を有するように選択された。
【実施例5】
【0101】
本発明の実施例3のポリオール成分と比較して、使用するポリエーテルエステルポリオール1およびトリス−2−クロロイソプロピルホスファートの量を以下のように変更した:
80.65質量部のポリエーテルエステルポリオール1、および
10質量部のトリス−2−クロロイソプロピルホスファート。
【0102】
ポリオール成分を混合することによって製造した。該ポリオール成分は、T=20℃で透明であった。これは、n−ペンタン(7.5質量部)、ジメチルシクロヘキシルアミンおよび水の存在下、31.5質量%のNCO含量を有するポリマーMDI(BASF SE製Lupranat(登録商標)M50)と116のイソシアナート指数で反応した。ジメチルシクロヘキシルアミンおよび水の量は、ファイバー時間が53秒であり、得られる泡が38kg/m
3の密度を有するように選択された。
【実施例6】
【0103】
本発明の実施例3のポリオール成分と比較して、使用するポリエーテルエステルポリオール1およびポリエーテルアルコール2の量を以下のように変更した:
81.65質量部のポリエーテルエステルポリオール1、および
0質量部のポリエーテルアルコール2。
【0104】
ポリオール成分を混合することによって製造した。該ポリオール成分は、T=20℃で透明であった。これは、n−ペンタン(7.5質量部)、ジメチルシクロヘキシルアミンおよび水の存在下、31.5質量%のNCO含量を有するポリマーMDI(BASF SE製Lupranat(登録商標)M50)と116のイソシアナート指数で反応した。ジメチルシクロヘキシルアミンおよび水の量は、ファイバー時間が53秒であり、得られる泡が38kg/m
3の密度を有するように選択された。
【実施例7】
【0105】
プロピレンオキシドおよび開始剤として糖、グリセロールおよびオレイン酸の混合物をベースとする、465mgKOH/gのヒドロキシル価を有する、75.65質量部の、実施例2からのポリエーテルエステルポリオール2、
6質量部のポリエーテルアルコール2、
15質量部のトリス−2−クロロイソプロピルホスファート、
2.0質量部のシリコーン泡安定剤(Goldschmidt製Tegostab(登録商標)B8443)、
0.5質量部の、酢酸カリウムの50質量%エチレングリコール溶液、および
0.85質量部の水
から出発して混合することによって、ポリオール成分を製造した。
【0106】
該ポリオール成分は、20℃で安定であった。これは、n−ペンタン(7.5質量部)、ジメチルシクロヘキシルアミンおよび水の存在下、31.5質量%のNCO含量を有するポリマーMDI(BASF SE製Lupranat(登録商標)M50)と116のイソシアナート指数で反応した。ジメチルシクロヘキシルアミンおよび水の量は、ファイバー時間が53秒であり、得られる泡が38kg/m
3の密度を有するように選択された。
【実施例8】
【0107】
本発明の実施例7のポリオール成分と比較して、使用するポリエーテルエステルポリオール2および水の量を以下のように変更した:
74.0質量部のポリエーテルエステルポリオール2、および
2.5質量部の水。
【0108】
ポリオール成分を混合することによって製造した。該ポリオール成分は、T=20℃で透明であった。これは、n−ペンタン(7.5質量部)、ジメチルシクロヘキシルアミンおよび水の存在下、31.5質量%のNCO含量を有するポリマーMDI(BASF SE製Lupranat(登録商標)M50)と116のイソシアナート指数で反応した。ジメチルシクロヘキシルアミンおよび水の量は、ファイバー時間が53秒であり、得られる泡が38kg/m
3の密度を有するように選択された。
【実施例9】
【0109】
本発明の実施例7のポリオール成分と比較して、使用するポリエーテルエステルポリオール2およびトリス−2−クロロイソプロピルホスファートの量を以下のように変更した:
80.65質量部のポリエーテルエステルポリオール2、および
10質量部のトリス−2−クロロイソプロピルホスファート。
【0110】
ポリオール成分を混合することによって製造した。該ポリオール成分は、T=20℃で透明であった。これは、n−ペンタン(7.5質量部)、ジメチルシクロヘキシルアミンおよび水の存在下、30.9質量%のNCO含量を有するポリマーMDI(BASF SE製Lupranat(登録商標)M50)と116のイソシアナート指数で反応した。ジメチルシクロヘキシルアミンおよび水の量は、ファイバー時間が53秒であり、得られる泡が38kg/m
3の密度を有するように選択された。
【実施例10】
【0111】
本発明の実施例7のポリオール成分と比較して、使用するポリエーテルエステルポリオール2およびポリエーテルアルコール2の量を以下のように変更した:
81.65質量部のポリエーテルエステルポリオール2、および
0質量部のポリエーテルアルコール2。
【0112】
ポリオール成分を混合することによって製造した。該ポリオール成分は、T=20℃で透明であった。これは、n−ペンタン(7.5質量部)、ジメチルシクロヘキシルアミンおよび水の存在下、31.5質量%のNCO含量を有するポリマーMDI(BASF SE製Lupranat(登録商標)M50)と116のイソシアナート指数で反応した。ジメチルシクロヘキシルアミンおよび水の量は、ファイバー時間が53秒であり、得られる泡が38kg/m
3の密度を有するように選択された。
【0113】
<硬化度(Curing)>
硬化度を、ボルト試験を用いて決定した。このために、成分をポリスチレンビーカー中で混合後、2.5、3、4、5、6、および7分において、半径10mmの球形キャップを備えた鋼ボルトを引張/圧縮試験機によって、形成されたキノコ形の泡中に10mmの深さで押し込んだ。ここで必要な最大の力(N単位)が、泡の硬化の測度である。3、4および5分後の最大の力の平均値を報告する。
【0114】
<ペンタン溶解度>
ペンタン溶解度が測定される成分に、ペンタンを斬増的に添加することによって、ペンタン溶解度を決定した。ペンタンを、試験をする正確に100gの成分に、起こり得るペンタン溶解度に従って添加し、成分と混合した。混合物が濁ってもおらず、2つの相も持たない場合、さらなるペンタンを添加し、再度混合することになる。
【0115】
混合物が2つの相を持つ場合、ガラスを除去して、過剰のペンタンが蒸発して、残る溶液が透明になってくるまで室温で大気に解放して置き、次いで溶解されたペンタンの量を再び計量した。
【0116】
濁った場合、ガラスを密閉し、2つの相が形成されるまで、室温で放置させて置いた。これに続いて蒸発させて、再び計量した。
【0117】
試験の結果を表1から4に要約する。
【0118】
【表1】
【0119】
【表2】
【0120】
【表3】
【0121】
糖 22.8質量%、
グリセロール 5.0質量%、
オレイン酸 15.0質量%及び
PO 57.2質量%
からのポリエーテルエステルポリオール1
ヒドロキシル価:416mgKOH/g (DIN53240)
粘度(T=25℃):7210mPas (DIN53018)
【0122】
【表4】
【0123】
糖 8.46質量%、
グリセロール 19.9質量%、
オレイン酸メチル 13.5質量%及び
PO 58.07質量%
からのポリエーテルエステルポリオール2
ヒドロキシル価:464.5mgKOH/g (DIN53240)
粘度(T=25℃):783mPas (DIN53018)
表1および2の比較例に対する結果は、記載されている標準的な系は、混合の不均衡に関して極めて不安定であることを示す。組成のわずかな変化でさえ相分離を引き起こす(比較例2、3、4および8)。本発明の実施例1から8はすべて、ポリオール成分の組成の対応する変化に対して、安定な相の応答を有する。
【0124】
さらに、すべての本発明の実施例は、極めて良好なペンタン溶解度(すべてが>15%)を示し、比較例のペンタン溶解度(4.2から7%)を超えている。高ペンタン溶解度は、多くの用途に関連する。
【0125】
さらに、本発明の実施例3から6、7および9で使用されたポリエーテルエステルは、改良された硬化をもたらす。さらに、ポリエーテルエステルポリオール2(本発明の実施例7から10)の使用はより低い粘度を付与し、これは、ある種の処理機械に関して処理が有利である。