【実施例】
【0086】
A.本発明の化合物の合成
[実施例1]
化合物例2((S)−2−(2−(3,6−ジアミノヘキサノイル)−1−メチルヒドラジニル)酢酸)の合成:
以下の合成スキームにより化合物例2を合成した。尚、スキーム中、構造式の下に付した番号は化合物の番号を表す。
【化62】
【0087】
(1)化合物1((S)−2,5−ビス(tert−ブトキシカルボニルアミノ)ペンチルメタンスルホネート)の合成
【化63】
Boc−Orn(Boc)−OH(1.00g、3.01mol)のTHF(3mL)溶液に、−15℃にて、N−メチルモルホリン(336μL,3.01mmol)、クロロギ酸イソブチル (395μL,3.01mmol)を添加し、同温度にて10分間撹拌した。反応溶液をろ過し、THFで洗浄し、得られた母液に氷塩浴中、水素化ホウ素ナトリウム(171mg、4.52mmol)の水(1.5mL)溶液を添加し、同温度にて20分間撹拌した。ジエチルエーテルで抽出し、有機層を水、飽和食塩水で洗浄、Na
2SO
4で乾燥した。ろ過後、母液を減圧留去することで、無色油状物質(523mg)を得た。このものは精製すること無く次の反応に用いた。
続いて、得られた残渣をジクロロメタン(8mL)に溶解し、氷冷下、トリエチルアミン(296μL、2.14mmol)、塩化メタンスルホニル(190μL、2.46mmol)を添加し、室温にて終夜撹拌した。氷冷下、反応溶液に水を加え、クロロホルムで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄、Na
2SO
4で乾燥した。ろ過後、母液を減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=40:1)で精製することで、白色粉末を得た。(381mg、0.319mmol、3工程32%)
1HNMR(300MHz,CDCl
3)δ 4.80−4.46(m,2H),4.26(dd,J=10 and 4.0Hz,1H),4.18(dd,J=10 and 4.1Hz,1H),3.95−3.76(m,1H),3.23−3.06(m,2H),3.04(s,3H),1.79−1.48(m,4H),1.44(s,18H).
【0088】
(2)化合物2((S)−tert−ブチル5−シアノペンタン−1,4−ジイルジカルバメート)の合成
【化64】
化合物1(239mg、0.603mmol)のアセトニトリル(6mL)溶液に、18−クラウン−6(239mg、0.905mmol)、シアン化カリウム(157mg、2.41mmol)を添加し、終夜加熱還流した。反応溶液を室温に戻した後、氷冷下、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄、Na
2SO
4で乾燥した。ろ過後、母液を減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=30:1)で精製することで、白色固体を得た。(146mg、0.446mmol、74%)
1HNMR(300MHz,CDCl
3)δ 4.87(brd,1H),4.68(brs,1H),3.82(brs,1H),3.23−3.07(m,2H),2.74(dd,J=17and 5.4Hz,1H),2.54(dd,J=17 and 4.2Hz,1H),1.75−1.53(m,4H),1.45(s,18H).
【0089】
(3)化合物3((S)−tert−ブチル2−(2−(3,6−ビス(tert−ブトキシカルボニルアミノ)ヘキサノイル)−1−メチルヒドラジニル)アセテート)の合成
【化65】
化合物2(115mg、0.351mmol)のエタノール:水=2:1(3mL)溶液に、水酸化カリウム(197mg、3.51mmol)を添加し、80℃にて4時間45分撹拌した。反応溶液を室温に戻した後、溶媒を減圧留去した。氷冷下、1M塩酸を加えpH1〜2にし、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄、Na
2SO
4で乾燥した。ろ過後、母液を減圧留去し、得られた残渣をDMF(3mL)に溶解させ、PTSA・H
2N−N(Me)CH
2CO
2t−Bu(233mg、0.702mmol)、HOBt・H
2O(108mg、0.702mmol)を添加した。氷冷下、トリエチルアミン(97.3μL、0.702mmol)、EDC・HCl(135mg、0.702mmol)を順次添加し、室温で2時間撹拌した。10%クエン酸水溶液に反応溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水、飽和食塩水で洗浄、Na
2SO
4で乾燥した。ろ過後、母液を減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=80:1)で精製することで、白色固体を得た。(40.1mg、0.082mmol,2工程23%)
1HNMR(300MHz,CDCl
3)δ 7.90(s)and 7.36(brd,total 1H),5.54−5.18(m,1H),4.78−4.66(m,1H),4.00−3.77(m,1H),3.63−3.31(m,2H),3.10−3.01(m,2H),2.90−2.48(m)and2.41−2.20(m,total 5H), 1.98−1.10(m,31H).
【0090】
(4)化合物例2の合成
【化66】
化合物3(66.9mg,0.137mmol)に氷冷下、4M塩酸/ジオキサン(2mL)を添加し、室温で1時間撹拌した。溶媒を減圧留去し、得られた残渣を水に溶解し、高速液体クロマトグラフィー(溶媒, H
2O in 0.1% TFA : CH
3CN in 0.1% TFA. A linear gradient 0−5% CH
3CN in 0.1% TFAover 40 min. 流速5mL/分、222nmのUVで検出)で精製することにより、無色油状物質を得た。(44.9mg、97.5μmol、71%)
1HNMR(300MHz,D
2O)δ 3.58−3.39(m,3H),2.97−2.77(m,2H),2.60−2.29(m,5H),1.70−1.45(m,4H);HRMS(ES+) calcd for C
9H
21N
4O
3(M
++H)233.1614, found 233.1614.
【0091】
[実施例2]
化合物例5((S)−エチル2−(2−(3,6−ジアミノヘキサノイル)−1−メチルヒドラジニル)アセテート)の合成:
以下の合成スキームにより化合物例5を合成した。
【化67】
【0092】
(1)化合物5((S)−5−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)ペンチルメタンスルホネート)の合成
【化68】
【0093】
Boc−Orn(Cbz)−OH(5.00g、13.6mmol)のTHF(14mL)溶液に、−15℃にて、N−メチルモルホリン(1.97mL、15.0mmol)、クロロギ酸イソブチル(1.68mL、15.0mmol)を添加し、同温度にて10分間撹拌した。反応溶液をろ過し、THFで洗浄し、得られた母液に氷塩浴中、水素化ホウ素ナトリウム(772mg、20.4mmol)の水(4mL)溶液を添加し、同温度にて10分間撹拌した。反応液に氷冷下、水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄、Na
2SO
4で乾燥した。ろ過後、母液を減圧留去することで、無色油状物質を得た。このものは精製すること無く次の反応に用いた。
続いて、得られた残渣をジクロロメタン(68mL)に溶解し、氷冷下、トリエチルアミン(2.83mL、20.4mmol)、塩化メタンスルホニル(3.14mL、40.8mmol)を添加し、室温にて30分撹拌した。氷冷下、反応溶液に水を加え、クロロホルムで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄、Na
2SO
4で乾燥した。ろ過後、母液を減圧留去し、得られた残渣を再結晶(ヘキサン:酢酸エチル)で精製することで、白色粉末を得た。(4.49g、10.4mmol、3工程、77%)
[α]25D−17.2°(c0.34,CHCl
3);
1HNMR(400MHz,CDCl
3)δ 7.43−7.30(m,5H),5.20−5.05(s,2H),4.99−4.85(brs,1H),4.80−4.62(brd,1H),4.30−4.08(m,2H),3.94−3.76(brs,1H),3.31−3.14(m,2H),3.02(s,3H),1.79−1.49(m,4H),1.44(s,9H);
13CNMR(100MHz,CDCl
3)δ 156.5,155.4,136.5,128.6,128.2,80.0,71.0,66.7,49.5,40.6,37.3,28.3,26.4;HRMS(ES+)calcd for C
19H
30N
2O
7SNa(M
++Na)453.1671,found 453.1645.
【0094】
(2)化合物6((S)−ベンジルtert−ブチル(5−シアノペンタン−1,4−ジリ)ジカルバメート)の合成
【化69】
化合物5(300mg、0.697mmol)のアセトニトリル(3.5mL)溶液に、18−クラウン−6(221mg、0.837mmol)、シアン化カリウム(136mg、2.09mmol)を添加し、30分加熱還流した。反応溶液を室温に戻した後、氷冷下、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄、Na
2SO
4で乾燥した。ろ過後、母液を減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1)で精製することで、白色固体を得た。(206mg、0.570mmol、82%)
[α]25D−41.2°(c0.74,CHCl
3);
1HNMR(400MHz,CDCl
3)δ 7.42−7.28(m,5H),5.25−5.12(m,1H),5.08(s,2H),5.06−4.92(brd,1H),3.92−3.69(brs,1H),3.30−3.09(m,2H),2.68(dd,J=17and 5.0Hz,1H),2.47(dd,J=17 and 3.7Hz,1H),1.71−1.49(m,4H),1.43(s,9H);
13CNMR(100MHz,CDCl
3)δ 156.5,155.1,136.4,128.5,128.1,128.0,117.3,80.0,66.6,47.0,40.3,30.5,28.2,26.4,23.9;HRMS(ES+) calcd for C
19H
27N
3O
4Na(M
++Na)384.1899, found 384.1857.
【0095】
(3)化合物7((S)−6−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)ヘキサナール)の合成
【化70】
アルゴン雰囲気下、化合物6(5.74g、15.9mmol)の無水ジクロロメタン(80mL)溶液に−78℃にて水素化ジイソブチルアルミニウム(1.00Mトルエン溶液、47.7mL、47.7mmol)を滴下した。反応溶液を−50℃まで昇温し、1時間20分撹拌した。同温度にて反応溶液にメタノール、飽和酒石酸カリウムナトリウム水溶液を加え、室温まで昇温した後、クロロホルムで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄、Na
2SO
4で乾燥した。ろ過後、母液を減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で精製することで、無色油状物質を得た。(1.58g、5.52mmol、35%)
1HNMR(300MHz,CDCl
3)δ 9.74(s,1H),7.40−7.29(m,5H),5.09(s,2H),4.92−4.81(m,1H),4.77−4.63(m,1H),4.10−3.95(m,1H),3.35−3.16(m,2H),2.70−2.55(m,2H),1.73−1.48(m,4H),1.42(s,9H).
【0096】
(4)化合物8((S)−6−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)ヘキサン酸)の合成
【化71】
化合物7(1.58g、4.33mmol)のt−ブチルアルコール:水=2:1(14mL)溶液に、2−メチル−2−ブテン(2.30mL、21.6mmol)、リン酸二水素ナトリウム(1.69g、10.8mmol)を添加し、室温で10分間撹拌した。次いで亜塩素酸ナトリウム(1.57g、17.3mmol)を添加し、室温で10分撹拌した。氷冷下、反応溶液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、クロロホルムで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄、Na
2SO
4で乾燥した。ろ過後、母液を減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=50:1)で精製することで、無色油状物質を得た。(1.52g、4.00mmol、92%)
1HNMR(300MHz,CDCl
3)δ 7.35−7.32(m,5H),5.09−5.07(m,2H),3.21−3.16(m,2H),2.50−2.48(m,2H),1.58−1.48(m,4H),1.42(s,9H);HRMS(ES+) calcd for C
19H
29N
2O
6(M
++H)381.2026,found 381.2020.
【0097】
(5)化合物9((S)−エチル2−(2−(6−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)ヘキサノイル)−1−メチルヒドラジニル)アセテート)の合成
【化72】
化合物8(81.1mg、0.213mmol)のDMF(2mL)溶液に、H
2N−N(Me)CH
2CO
2Et(56.4mg、0.427mmol)、HOBt・H
2O(65.4mg、0.427mmol)を添加した。氷冷下、トリエチルアミン(59.2μL、0.427mmol)、EDC・HCl(81.8mg、0.427mmol)を順次添加し、室温で終夜撹拌した。10%クエン酸水溶液に反応溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水、飽和食塩水で洗浄、Na
2SO
4で乾燥した。ろ過後、母液を減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=80:1)で精製することで、無色固体を得た。(55.5mg、0.112mmol、53%)
[α]25D−15.5°(c0.38,CHCl
3);
1HNMR(400MHz,CDCl
3)δ7.76(s,1H),7.45−7.29(m,5H),5.47−5.18(m,1H),5.08(s,2H),5.05−4.89(m,1H),4.20(q,J=7.1Hz,2H),4.00−3.78(m,1H),3.73−3.42(m,2H),3.21(t,J=6.0Hz,2H),2.92−2.49(m,4H),2.40−2.18(m,1H),1.86−1.34(m,13H),1.28(t,J=7.2Hz,3H);
13CNMR(100MHz,CDCl
3)δ 170.8,169.7,156.5,155.7,136.7,128.5,128.08,128.05,79.2,66.6,60.9,57.7,47.6,44.1,40.7,39.3,32.0,28.5,26.7,14.0;HRMS(ES+) calcd for C
24H
39N
4O
7(M
++H)495.2819, found 495.2816.
【0098】
(6)化合物例5の合成
【化73】
アルゴン雰囲気下、化合物9(44.0mg、89.0μmol)のメタノール(1mL)溶液に、10%Pd/C(4.4mg)を添加し、水素置換を行い、50℃で30分撹拌した。反応溶液をセライトろ過し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣は精製すること無く次の反応に用いた。残渣に氷冷下、4M塩酸/ジオキサン(2mL)を添加し、室温で1時間撹拌した。溶媒を減圧留去し、得られた残渣を水に溶解し、高速液体クロマトグラフィー(溶媒,H
2O in 0.1% TFA :CH
3CN in 0.1% TFA.A linear gradient of 5−10% CH
3CN in 0.1% TFA over 40 min.流速5mL/分、222nmのUVで検出)で精製することにより、無色油状物質を得た。(19.3mg、39.6μmol、2工程、44%)
1HNMR(300MHz,D
2O)δ 4.10(q,J=6.9Hz,2H),3.62−3.46(m,3H),3.01−2.86(m,1H),2.62−2.35(m,5H),1.77−1.58(m,4H),1.16(t,J=6.6Hz,3H);HRMS(ES+) calcd for C
11H
25N
4O
3(M
++H)261.1927, found 261.1926.
【0099】
[実施例3]
化合物例9((S)−2−(2−(3,6−ジアミノヘキサノイル)−1−エチルヒドラジニル)酢酸)の合成
【0100】
(1)化合物11((S)−tert−ブチル2−(2−(6−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)ヘキサノイル−1−エチルヒドラジニル)アセテートの合成
【化74】
実施例2で合成した化合物8(91.7mg、0.241mmol)のDMF(3mL)溶液に、PTSA・H
2N−N(Et)CH
2CO
2t−Bu(167mg、0.482mmol)、HOBt・H
2O(73.9mg、0.482mmol)を添加した。氷冷下、トリエチルアミン(66.8μL、0.482mmol)、EDC・HCl(92.4mg、0.482mmol)を順次添加し、室温で終夜撹拌した。10%クエン酸水溶液に反応溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水、飽和食塩水で洗浄、Na
2SO
4で乾燥した。ろ過後、母液を減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=60:1)で精製することで、無色固体を得た。(71.7mg、0.134mmol、55%)
[α]25D−6.31°(c0.52,CHCl
3);
1HNMR(400MHz,CDCl
3)δ 7.73(s) and 7.15(d,J=26Hz,total 1H),7.42−7.28(m,5H),5.59−5.24(m,1H),5.09(s,2H),5.05−4.91(brs,1H),3.98−3.78(m,1H),3.69−3.38(m,2H),3.30−3.13(m,2H),3.07−2.78(m,2H),2.74−2.21(m,2H),1.70−1.34(m,22H),1.08(t,J=7.1Hz,3H);
13CNMR(100MHz,CDCl
3)δ 170.5,169.4,156.5,155.7,136.7,128.4,128.06,128.03,82.4,79.3,66.5,57.3,50.4,47.5,40.8,36.4,32.0,28.4,28.2,26.6,12.7;HRMS(ES+) calcd for C
27H
45N
4O
7(M
++H) 537.3288, found 537.3303.
【0101】
(2)化合物例9の合成
【化75】
アルゴン雰囲気下、化合物11(55.8mg,0.104mmol)のメタノール(2mL)溶液に、10%Pd/C(5.5mg)を添加し、水素置換を行い、50℃で30分撹拌した。反応溶液をセライトろ過し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣は精製すること無く次の反応に用いた。残渣に氷冷下、4M塩酸/ジオキサン(2mL)を添加し、室温で1時間撹拌した。溶媒を減圧留去し、得られた残渣を水に溶解し、高速液体クロマトグラフィー(溶媒, H
2O in 0.1% TFA : CH
3CN in 0.1% TFA.A linear gradient of 10−20% CH
3CN in 0.1% TFA over 40 min. 流速5mL/分、222nmのUVで検出)で精製することにより、無色油状物質を得た。(26.7mg、56.2μmol、2工程、54%)
1HNMR(300MHz,CDCl
3)δ 3.65−3.52(m,3H),3.03−2.80(m,4H),2.55(dd,J=17 and 5.4Hz,2H),1.74−1.57(m,4H),0.97(t,J=7.2Hz,3H);HRMS(ES+) calcd for C
10H
23N
4O
3(M
++H)247.1770, found 247.1777.
【0102】
[実施例4]
化合物例7(2−(2−((S)−6−アミノ−3−((S)−2−アミノ−4−メチルペンタンアミド)ヘキサノイル)−1−メチルヒドラジニル)酢酸)の合成
以下の合成スキームにより化合物例7を合成した。
【化76】
【0103】
(1)化合物13((S)−ベンジル2−(2−(6−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)ヘキサノイル)−1−メチルヒドラジニル)アセテート)の合成
【化77】
化合物8(160mg、0.421mmol)のDMF(2mL)溶液に、H
2N−N(Me)CH
2CO
2Bn(163mg、0.842mmol)、HOBt・H
2O(129mg、0.842mmol)を添加した。氷冷下、トリエチルアミン(117μL、0.842mmol)、EDC・HCl(161mg、0.842mmol)を順次添加し、室温で終夜撹拌した。10%クエン酸水溶液に反応溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水、飽和食塩水で洗浄、Na
2SO
4で乾燥した。ろ過後、母液を減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=80:1)で精製することで、白色固体を得た。(139mg、0.250mmol、59%)
[α]25D−6.49°(c0.75,CHCl
3);
1HNMR(400MHz,CDCl
3)δ 7.75(s)and7.42−7.19(m,total,11H),5.48−4.76(m,6H),4.00−3.77(m,1H),3.77−3.45(m,2H),3.30−3.05(m,2H),2.90−2.48(m,4H),2.40−2.10(m,1H),1.92−1.46(m,4H),1.40(s,9H);
13CNMR(100MHz,CDCl
3)δ 170.6,169.3,156.5,155.6,136.7,135.1,128.71,128.67,128.62,128.51,128.43,128.06,79.2,66.6,58.9,57.7,47.5,44.1,40.7,39.3,32.0,28.4,26.6;HRMS(ES+) calcd for C
29H
41N
4O
7(M
++ H)557.2975, found 557.2985.
【0104】
(2)化合物14((7S,10S)−ベンジル7−(3−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)プロピル)−10−イソブチル−3,14,14−トリメチル−5,9,12−トリオキソ−13−オキサ−3,4,8,11−テトラアザペンタデカン−1−オエート)の合成
【化78】
化合物13(66.2mg、0.119mmol)に氷冷下、4M塩酸/ジオキサン(3mL)を添加し、室温で30分撹拌した。溶媒を減圧留去し、得られた残渣は精製すること無く、次の反応に用いた。残渣をDMF(2mL)に溶解させ、Boc−Leu−OH(35.6mg、0.143mmol)、HOBt・H
2O(20.0mg、0.131mmol)を添加した。氷冷下、トリエチルアミン(18.2μL、0.131mmol)、EDC・HCl(27.4mg、0.131mmol)を順次添加し、室温で終夜撹拌した。10%クエン酸水溶液に反応溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水、飽和食塩水で洗浄、Na
2SO
4で乾燥した。ろ過後、母液を減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=80:1)で精製することで、無色固体を得た。(54.0mg、0.081mmol、2工程68%)
[α]25D−21.5°(c0.67,CHCl
3);
1HNMR(400MHz,CDCl
3)δ 7.79(s)and7.45−7.29(m,total 11H),7.03(brs,1H),5.25−5.00(m,5H),4.94(brs,1H),4.35−4.10(m,1H),4.10−3.93(brs,1H),3.77−3.46(m,2H),3.28−3.08(m,2H),2.93−2.43(m,4H),2.37−2.16(m,1H),1.98−1.20(m,16H),1.03−0.75(m,6H);
13CNMR(100MHz,CDCl
3)δ 172.4,170.6,169.0,156.58,156.54,136.72,135.16,128.73,128.66,128.52,128.48,128.45,128.04,80.0,66.7,66.6,57.8,53.6,46.1,44.2,41.4,40.7,40.6,38.8,31.4,28.3,26.4,23.9,22.0;HRMS(ES+) calcd for C
35H
52N
5O
8(M
++H)670.3816, found 670.3808.
【0105】
(3)化合物例7の合成
【化79】
アルゴン雰囲気下、化合物14(31.3mg、46.8μmol)のメタノール(2mL)溶液に、10%Pd/C(3.1mg)を添加し、水素置換を行い、50℃で45分撹拌した。反応溶液をセライトろ過し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣は精製すること無く次の反応に用いた。残渣に氷冷下、4M塩酸/ジオキサン(2mL)を添加し、室温で10分間撹拌した。溶媒を減圧留去し、得られた残渣を水に溶解し、高速液体クロマトグラフィー(溶媒,H
2O in 0.1% TFA:CH
3CN in 0.1% TFA.A linear gradient of 10−15% CH
3CN in 0.1% TFA over 40min.流速5mL/分、222nmのUVで検出)で精製することにより、白色綿状物質を得た。(16.1mg、28.0μmol、2工程、60%)
1HNMR(300MHz,D
2O)δ 4.23−4.00(m,1H),3.92−3.74(m,1H),3.50(s,2H),2.89(t,J=6.3Hz,2H),2.56(s,3H),2.36(dd,J=15 and 5.4Hz,1H),2.21(dd,J=15and 9Hz,1H),1.72−1.35(m,7H),0.83(dd,J=4.2Hz,6H);HRMS(ES+)calcd for C
15H
32N
5O
4(M
++H)346.2454, found 346.2452.
【0106】
[実施例5]
化合物例3((S)−2−(2−(3,5−ジアミノペンタノイル)−1−メチルヒドラジニル)酢酸の合成
以下の合成スキームにより化合物例3を合成した。
【化80】
【0107】
(1)化合物16((S)−2,4−ビス(tert−ブトキシカルボニルアミノ)ブチルメタンスルホネート)の合成
Boc−Gln−OH (15.0g、60.9mmol)のTHF(145mL)溶液に、水(36mL)を添加し、氷冷下、ヨードベンゼンジアセテート(23.5g、73.1mmol)を添加し、室温にて4時間30分撹拌した。反応溶液を減圧留去し、得られた残渣に水を加え、酢酸エチルで抽出した。水層を減圧留去し、得られた残渣を冷クロロホルムで複数回洗浄し、乾燥させることで、白色粉末を得た(10.0g)。このものは精製すること無く次の反応に用いた。
上記粉末(10.0g、45.8mmol)のジオキサン:水=2:1(225mL)溶液に、氷冷下、水酸化ナトリウム(2.02g、50.4mmol)、(Boc)
2O(12.0g、55.0mmol)を添加し、室温で1時間撹拌した。反応溶液を減圧留去し、得られた残渣に、氷冷下、1M塩酸を加えpH1〜2にし、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄、Na
2SO
4で乾燥した。ろ過後、母液を減圧留去することで、黄色油状物質を得た。このものは精製すること無く次の反応に用いた。
残渣をTHF(90mL)に溶解し、−15℃にて、N−メチルモルホリン(5.63mL、50.4mmol)、クロロギ酸イソブチル(6.62mL、50.4mmol)を添加し、同温度にて5分間撹拌した。反応溶液をろ過、THFで洗浄し、得られた母液に氷塩浴中、水素化ホウ素ナトリウム (2.60g、68.7mmol)の水(15mL)溶液を添加し、同温度にて5分間撹拌した。反応溶液に氷冷下、1M塩酸を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄、Na
2SO
4で乾燥した。ろ過後、母液を減圧留去することで、無色油状物質を得た。このものは精製すること無く次の反応に用いた。
残渣のジクロロメタン(230mL)溶液に、氷冷下、トリエチルアミン(9.52mL、68.7mmol)、塩化メタンスルホニル(10.6mL、137mmol)を添加し、室温にて終夜撹拌した。反応溶液に氷冷下、水を加え、クロロホルムで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄、Na
2SO
4で乾燥した。ろ過後、母液を減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1)で精製することで、無色油状物質を得た。(7.97g、20.9mmol、4工程、46%)
[α]25D−38.1°(c1.97,CHCl
3);
1HNMR(400MHz,CDCl
3)δ 5.21−5.03(brs,1H),5.03−4.78(brd,1H),4.30(dd,J=10and 3.5Hz,1H),4.23(dd,J=10 and 4.4Hz,1H),4.01−3.88(m,1H),3.49−3.27(brs,1H),3.12−2.94(m,4H),1.87−1.55(m,2H),1.44(s,18H);
13CNMR(100MHz,CDCl
3)δ 156.0,155.7,80.1,79.4,71.4,47.3,37.3,36.9,31.9,28.4,28.3;HRMS(ES+)calcd for C
15H
30N
2O
7SNa(M
++Na)405.1671, found 405.1671.
【0108】
(2)化合物17((S)−tert−ブチル4−シアノブタン−1,3−ジイルジカルバメート)の合成
【化81】
化合物16(7.97g、20.9mmol)のアセトニトリル(105mL)溶液に、18−クラウン−6(2.76g、10.4mmol)、シアン化カリウム(2.72g、41.7mmol)を添加し、40℃にて終夜撹拌した。反応溶液を室温に戻した後、氷冷下、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄、Na
2SO
4で乾燥した。ろ過後、母液を減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1)で精製することで、白色固体物質を得た。(4.08g、13.0mmol、62%)
[α]25D−64.1°(c1.14,CHCl
3);
1HNMR(400MHz,CDCl
3)δ 5.03−4.72(m,2H),4.00−3.83(m,1H),3.48−3.26(m,1H),3.16−2.97(m,1H),2.74(dd,J=17and 5.4Hz,1H),2.62(dd,J=17 and 4.6Hz,1H),1.90−1.67(m,2H),1.45(s,9H),1.44(s,9H);
13CNMR(100MHz,CDCl
3)δ 156.0,155.3,117.2,80.4,79.6,45.0,36.9,34.3,28.4,28.3,23.9;HRMS(ES+)calcd for C
15H
27N
3O
4Na(M
++Na)336.1899, found 336.1896.
【0109】
(3)化合物18((S)−tert−ブチル2−(2−(3,5−ビス(tert−ブトキシカルボニルアミノ)ペンタノイル)−1−メチルヒドラジニル)アセテート)の合成
【化82】
化合物17(90.2mg、0.288mmol)のエタノール:水=2:1(3mL)溶液に、水酸化カリウム(162mg、2.88mmol)を添加し、80℃にて7時間30分撹拌した。反応溶液を室温に戻した後、溶媒を減圧留去した。氷冷下、1M塩酸を加えpH1〜2にし、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄、Na
2SO
4で乾燥した。ろ過後、母液を減圧留去し、得られた残渣をDMF(2mL)に溶解させ、PTSA・H
2N−N(Me)CH
2CO
2t−Bu(191mg、0.576mmol)、HOBt・H
2O(88.2mg、0.576mmol)を添加した。氷冷下、トリエチルアミン(79.8μL、0.576mmol)、EDC・HCl(110mg、0.576mmol)を順次添加し、室温で終夜撹拌した。
10%クエン酸水溶液に反応溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水、飽和食塩水で洗浄、Na
2SO
4で乾燥した。ろ過後、母液を減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=100:1)で精製することで、白色固体を得た。(51.3mg、0.108mmol、2工程38%)
[α]25D−40.1°(c0.52,CHCl
3);
1HNMR(400MHz,CDCl
3)δ 7.94(s)and7.38(brd,total 1H),5.83−5.49(m,1H),5.49−5.11(m,1H),4.15−3.80(m,1H),3.69−3.46(m,2H),3.46−3.20(m,1H),3.05−2.81(m,1H),2.81−2.48(m,4H),2.48−2.18(m,1H),1.75−1.18(m,29H);
13CNMR(100MHz,CDCl
3)δ 174.7,170.2,169.1,156.1,82.4,79.3,79.0,58.2,45.1,43.9,38.9,37.1,35.2,28.44,28.36,28.2;HRMS(ES+)calcd for C
22H
42N
4O
7Na(M
++Na)497.2951, found 497.2959.
【0110】
(4)化合物例3の合成
【化83】
化合物18(29.3mg、61.9μmol)に氷冷下、4M塩酸/ジオキサン(2mL)を添加し、室温で1時間撹拌した。溶媒を減圧留去し、得られた残渣を水に溶解し、高速液体クロマトグラフィー(溶媒,H
2O in 0.1% TFA:CH
3CN in 0.1% TFA.A linear gradient of 0−5% CH
3CN in 0.1% TFA over 40min.流速5mL/分、222nmのUVで検出)で精製することにより、無色油状物質を得た。(14.6mg、35.3μmol、57%)
1HNMR(300MHz,D
2O)δ 3.60−3.50(m,1H),3.47(s,2H),2.93(t,J=8.8Hz,2H),2.51−2.34(m,5H),1.99−1.79(m,2H);HRMS(ES+)calcd for C
8H
19N
4O
3(M
++H)219.1457, found 219.1455.
【0111】
[実施例6]
化合物例14〜18の合成:
以下の合成スキームにより化合物例14〜18を合成した。尚、スキーム中、構造式の下に付した番号は化合物の番号を表す。
【化84】
【0112】
(A)化合物20a〜20e
(1)化合物20aの合成
【化85】
化合物20aは、化合物13(82.9mg,0.149mmol)を用いて、化合物14と同様の方法にて合成した(白色固体、92.5mg、0.132mmol、2工程88%)。
HRMS(ES+)calcd for C
38H
50N
5O
8(M
++H)704.3659、found 704.3652.
【0113】
(2)化合物20bの合成
【化86】
化合物20bは、化合物13(61.2mg、0.110mmol)を用いて、化合物14と同様の方法にて合成した(無色固体、39.3mg、54.6μmol、2工程50%)。
HRMS(ES+)calcd for C
38H
50N
5O
9(M
++H)720.3609,found 720.3595.
【0114】
(3)化合物20cの合成
【化87】
化合物20cは、13(71.7mg、0.129mmol)を用いて、化合物14と同様の方法にて合成した(白色固体、77.8mg、0.119mmol、2工程92%)。
HRMS(ES+)calcd for C
34H
49N
5O
8Na(M
++Na)678.3479,found 678.3481
【0115】
(4)化合物20dの合成
【化88】
化合物20dは、化合物13(52.0mg、93.5μmol)を用いて、化合物14と同様の方法にて合成した(無色固体、51.7mg、84.3μmol、2工程90%)。
HRMS(ES+)calcd for C
31H
44N
5O
8(M
++H)614.3190,found 614.3175.
【0116】
(5)化合物20eの合成
【化89】
化合物20eは、化合物13(79.7mg、0.143mmol)を用いて、化合物14と同様の方法にて合成した(白色固体、90.8mg、0.136mmol、2工程95%)。
HRMS(ES+)calcd for C
35H
51N
5O
8Na(M
++Na)692.3635,found 692.3638.
【0117】
(B)化合物例14〜18
(1)化合物例14の合成
【化90】
化合物20a(43.7mg、62.1μmol)を用い、化合物例7と同様の方法にて合成した(無色固体、11.2mg、18.4μmol、2工程30%)。
HRMS(ES+)calcd for C
18H
30N
5O
4(M
++H)380.2298,found 380.2290.
【0118】
(2)化合物例15の合成
【化91】
化合物20b(27.8mg、38.6μmol)を用い、化合物例7と同様の方法にて合成した(無色固体、8.25mg、13.2μmol、2工程34%)。
HRMS(ES+)calcd for C
18H
30N
5O
5(M
++H)396.2247,found 396.2258.
【0119】
(3)化合物例16の合成
【化92】
化合物20c(40.4mg、61.6μmol)を用い、化合物例7と同様の方法にて合成した(無色固体、11.2mg、20.0μmol、2工程33%)。
HRMS(ES+)calcd for C
14H
30N
5O
4(M
++H)332.2298,found 332.2286.
【0120】
(4)化合物例17の合成
【化93】
化合物20d(30.8mg、50.2μmol)を用い、化合物例7と同様の方法にて合成した(無色固体、12.3mg、23.8μmol、2工程47%)。
HRMS(ES+)calcd for C
11H
24N
5O
4(M
++H)290.1828,found 290.1829.
【0121】
(5)化合物例18の合成
【化94】
化合物20e(43.1mg、64.4μmol)を用い、化合物例7と同様の方法にて合成した(無色固体、17.2mg、30.0μmol、2工程47%)。
HRMS(ES+)calcd for C
15H
32N
5O
4(M
++H)346.2454,found 346.2459.
【0122】
[実施例7]
化合物例19〜20の合成:
以下の合成スキームにより化合物例19〜20を合成した。尚、スキーム中、構造式の下に付した番号は化合物の番号を表す。
【化95】
【0123】
(A)化合物22a〜22b
(1)化合物22aの合成
【化96】
化合物17(1.03g、3.29mmol)のエタノール:水=2:1(16mL)溶液に、水酸化カリウム(1.85g、32.9mmol)を添加し、80℃にて5時間撹拌した。反応溶液を室温に戻した後、溶媒を減圧留去した。氷冷下、1M塩酸を加えpH1〜2にし、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄、Na
2SO
4で乾燥した。ろ過後、母液を減圧留去し、得られた残渣をDMF(16mL)に溶解させ、H
2N−N(Me)CH
2CO
2Bn(1.28g、6.58mmol)、HOBt・H
2O(1.03g、6.58mmol)を添加した。氷冷下、トリエチルアミン(912μL、6.58mmol)、EDC・HCl(1.26g、6.58mmol)を順次添加し、室温で終夜撹拌した。10%クエン酸水溶液に反応溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水、飽和食塩水で洗浄、Na
2SO
4で乾燥した。ろ過後、母液を減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=100:1)で精製することで、白色固体(771mg、1.52mmol、2工程46%)を得た。
HRMS(ES+)calcd for C
25H
41N
4O
7(M
++H)509.2975,found 509.2981.
【0124】
(2)化合物22bの合成
【化97】
化合物22bは、化合物17(111mg、0.354mmol)、H
2N−N(Me)CH
2CO
2Bn(o−Br)(62.6mg、0.229mmol)を用い、化合物22aと同様の方法にて合成した(白色固体、75.4mg、0.128mmol、2工程36%)。
HRMS(ES+)calcd for C
25H
40N
4O
7Br(M
++H)587.2080,found 587.2092.
【0125】
(B)化合物例19〜20
(1)化合物例19の合成
【化98】
化合物22a(64.9mg、0.128mmol)に氷冷下、4M塩酸/ジオキサン(2mL)を添加し、室温で1時間撹拌した。溶媒を減圧留去し、得られた残渣を水に溶解し、高速液体クロマトグラフィー(溶媒:H
2O in 0.1%TFA:CH
3CN in 0.1%TFA. A linear gradient of 15−45%CH
3CN in 0.1%TFA over 40min. Flow rate 5mL/min,detected at UV222nm)で精製することにより、無色固体(34.6mg、64.5μmol、50%)を得た。
1H NMR(300MHz、D
2O)δ7.42−7.40(m,5H),5.20(s,2H),3.67−3.62(m,3H),3.06(t,J=8.22Hz,2H),2.63(s,3H),2.52−2.48(m,2H),2.07−1.96(m,2H);HRMS(ES+)calcd for C
15H
25N
4O
3(M
++H)309.1927,found 309.1915.
【0126】
(2)化合物例20の合成
【化99】
化合物22b(52.0mg、88.5μmol)に氷冷下、4M塩酸/ジオキサン(2mL)を添加し、室温で1時間撹拌した。溶媒を減圧留去し、得られた残渣を水に溶解し、高速液体クロマトグラフィー(溶媒、H
2O in 0.1%TFA:CH
3CN in 0.1%TFA. A linear gradient of 30−50%CH
3CN in 0.1%TFA over 40 min. Flow rate 5mL/min,detected at UV222nm)で精製することにより、白色粉末(26.9mg、43.9μmol、50%)を得た。
HRMS(ES+)calcd for C
15H
24N
4O
3Br(M
++H)387.1032,found 387.1033.
【0127】
[実施例8]
化合物例21〜24の合成:
以下の合成スキームにより化合物例21〜24を合成した。尚、スキーム中、構造式の下に付した番号は化合物の番号を表す。
【化100】
【0128】
(A)化合物24a〜24d
(1)化合物24aの合成
【化101】
アルゴン雰囲気下、化合物22a(108mg、0.212mmol)のメタノール(2mL)溶液に、10%Pd/C(10.8mg)を添加し、水素置換を行い、室温で1時間30分撹拌した。反応溶液をセライトろ過し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣は精製すること無く次の反応に用いた。残渣のDMF(2mL)溶液に、室温にて3−ブロモベンジルアルコール(47.5mg、0.254mmol)を添加し、氷冷撹拌下、DMAP(2.59mg、21.2μmol)、DCC(48.1mg、0.254mmol)を加え、室温で終夜撹拌した。溶媒を減圧留去し、得られた残渣をクロロホルムで希釈し、ろ過した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄、Na
2SO
4で乾燥した。ろ過後、母液を減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=100:1)で精製することで、白色固体(84.6mg、0.144mmol、2工程 68%)を得た。
HRMS(ES+)calcd for C
25H
40N
4O
7Br(M
++H)587.2080,found 587.2080.
【0129】
(2)化合物24bの合成
【化102】
化合物24bは、化合物22a(120mg、0.236mmol)、4−ブロモベンジルアルコール(53.0mg、0.283mmol)を用い、化合物24aと同様の方法にて合成した(白色固体、71.6mg、0.122mmol、2工程52%)。
HRMS(ES+)calcd for C
25H
40N
4O
7Br(M
++H)587.2080,found 587.2078.
【0130】
(3)化合物24cの合成
【化103】
化合物24cは、化合物22a(99.6mg、0.196mmol)、2−ニトロベンジルアルコール(36.0mg、0.235mmol)を用い、化合物24aと同様の方法にて合成した(白色固体、28.3mg、51.1μmol、2工程26%)。
1H NMR(300MHz,CDCl
3)δ8.13(d,J=8.02Hz,1H),7.75−7.65(m,2H),7.65−7.51(m,2H),6.74−6.50(m,3H),5.40−5.18(brd,1H),4.08−3.86(m,1H),3.86−3.59(m,2H),3.48−3.25(m,1H),3.03−2.84(m,1H),2.84−2.49(m,4H),2.49−2.19(m,1H),1.77−1.58(m,2H),1.43(s,18H).
【0131】
(4)化合物24dの合成
【化104】
化合物22a(114mg、0.224mmol)、2−メトキシベンジルアルコール(37.1mg、0.269mmol)を用い、化合物24aと同様の方法にて合成した(白色固体、59.6mg、0.111mmol、2工程49%)。
HRMS(ES+)calcd for C
26H
43N
4O
8(M
++H)539.3081,found 539.3079.
【0132】
(B)化合物例21〜24
(1)化合物例21の合成
【化105】
化合物24a(44.9mg、76.4μmol)を用い、化合物例20と同様の方法にて合成した(白色固体、10.7mg、17.3μmol、23%)。
1H NMR(400MHz、D
2O)δ7.64−7.58(m,2H),7.43−7.33(m,2H),5.20(s,2H),3.78−3.67(m,3H),3.11(t,J=8.34Hz,2H),2.67(s,3H),2.60−2.49(m,2H),2.16−1.96(m,2H);
13C NMR(100MHz,D
2O)δ170.60,168.82,137.73,131.49,130.94,130.53,127.03,121.94,66.2,58.4,46.0,44.3,35.6,34.5,29.8.
【0133】
(2)化合物例22の合成
【化106】
化合物24b(37.2mg,63.3μmol)を用い、化合物例20と同様の方法にて合成した(白色固体、18.4mg、29.9μmol、47%)。
HRMS(ES+)calcd for C
15H
24N
4O
3Br(M
++H)387.1032,found 387.1024.
【0134】
(3)化合物例23の合成
【化107】
化合物24c(28.3mg、51.1μmol)を用い、化合物例20と同様の方法にて合成した(白色固体、21.8mg、37.5μmol、73%)。
HRMS(ES+)calcd for C
15H
24N
5O
5(M
++H)354.1777,found 354.1782.
【0135】
(4)化合物例24の合成
【化108】
化合物24d(30.4mg、56.5μmol)を用い、化合物例20と同様の方法にて合成した(白色固体、20.8mg、36.8μmol、65%)。
HRMS(ES+)calcd for C
16H
27N
4O
4(M
++H)339.2032,found 339.2025.
【0136】
[実施例9]
化合物例25〜28の合成:
以下の合成スキームにより化合物例25〜28を合成した。尚、スキーム中、構造式の下に付した番号は化合物の番号を表す。
【化109】
【0137】
(A)化合物27の合成
【化110】
1,3−アセトンジカルボン酸ジメチル(14.4mL、100mmol)のメタノール溶液(285mL)に酢酸アンモニウム(23.1g、300mmol)、モレキュラーシーブス3A(24g)を添加し、室温で5時間30分撹拌した。シアノ水素化ホウ素ナトリウム(7.86g、125mmol)を添加し、メタノール−塩酸溶液をpH3まで添加し、室温で20分撹拌した。反応溶液をセライトろ過し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣を水(200mL)に溶解させジエチルエーテルで洗浄した。水層を氷冷撹拌下、pH10付近まで、炭酸ナトリウムを添加した。同温度にて、ジ−tert−ブトキシジカルボネート(21.8g、100mmol)を添加し、室温で終夜撹拌した。反応溶液をジエチルエーテルで抽出し、抽出液を飽和食塩水で洗浄、乾燥(Na
2SO
4)した後、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=4:1)で精製することにより、無色油状物質(23.3g、84.6mmol、85%)を得た。
1H NMR(300MHz、CDCl
3)δ5.39−5.30(brd,1H),4.38−4.28(m,1H),3.69(s,6H),2.74−2.59(m,4H),1.43(s,9H).
【0138】
(B)化合物28の合成
【化111】
化合物27(1.00g、3.60mmol)のリン酸緩衝液(pH8、0.5M、100mL)にアセトン(4mL)、esterase,from porcine liver(Aldrich、70.6mg、1200unit)を添加し、25℃にてpH8を維持し、終夜撹拌した。反応溶液に濃塩酸をpH1付近まで加え、ろ過した。クロロホルムで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄、乾燥(Na
2SO
4)した後、溶媒を減圧留去した。得られた残渣は精製することなく次の反応に用いた。アルゴン雰囲気下、残渣の無水テトラヒドロフラン溶液(11mL)に、−78℃撹拌下にてボラン−テトラヒドロフラン錯体(1.0M、5.42mL)を滴下し、室温にて終夜撹拌した。氷冷撹拌下、反応溶液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、ジエチルエーテルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄、乾燥(Na
2SO
4)した後、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=4:1)で精製することにより、無色油状物質(588mg、2.37mmol、66%)を得た。
[α]25D−20.7°(c1.00、CHCl
3),lit[α]25D−23.9°(c1.00、CHCl
3);
1H NMR(300MHz、CDCl
3)δ5.42−5.36(brs,1H),4.21−4.11(m,1H),3.70(s,3H),3.65−3.58(m,2H),2.69−2.50(m,2H),1.83−1.49(m,2H),1.49(s,9H).
【0139】
(C)化合物29の合成
【化112】
化合物28(50.0mg、0.202mmol)のジクロロメタン溶液(1mL)に、氷冷撹拌下、トリエチルアミン(42.1μL、0.303mmol)、塩化メタンスルホニル(31.1μL、0.404mmol)を添加し、室温にて2時間分撹拌した。氷冷撹拌下、反応溶液に水を加え、クロロホルムで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄、乾燥(Na
2SO
4)した後、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で精製することにより、白色固体であるメシル体(59.7mg、0.183mmol、90%)を得た。
1H NMR(300MHz、CDCl
3)δ5.20−5.10(brd,1H),4.35−4.22(m,2H),4.19−4.01(m,1H),3.70(s,3H),3.04(s,3H),2.68−2.53(m,2H),2.05−1.96(m,2H),1.44(s,9H).
上記メシル体(365mg、1.12mmol)のDMF(10mL)溶液にアジ化ナトリウム(219mg、3.36mmol)を添加し、50℃にて終夜撹拌した。反応溶液を室温に戻した後、減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=3:1)で精製することにより、無色油状物質(278mg、1.02mmol、91%)を得た。
1H NMR(300MHz、CDCl
3)δ5.13−5.03(brd,1H),4.10−3.92(m,1H),3.70(s,3H),3.45−3.30(m,2H),2.64−2.50(m,2H),1.83−1.69(m,2H),1.44(s,9H).
【0140】
(D)化合物30の合成
【化113】
化合物29(500mg、1.84mmol)のメタノール−水(2:1、9mL)混合溶液に氷冷撹拌下、水酸化カリウム(310mg、5.52mmol)を添加し、室温にて、1時間30分撹拌した。反応溶液を減圧留去し、得られた残渣を氷冷撹拌下、pH1付近まで1M塩酸溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄、乾燥(Na
2SO
4)した後、溶媒を減圧留去した。得られた残渣は精製することなく次の反応に用いた。残渣のDMF溶液(9mL)にPTSA・H
2N−N(Me)CH
2CO
2t−Bu(1.22g、3.68mmol)、HOBt・H
2O(564mg、3.68mmol)を添加し、氷冷撹拌下、トリエチルアミン(510μL、3.68mmol)、EDC・HCl(705mg、3.68mmol)を添加し、室温にて終夜撹拌した。10%クエン酸水溶液に反応溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水、飽和食塩水で順次洗浄、乾燥 (Na
2SO
4)した後、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=80:1)で精製することにより、無色油状物質(241mg、0.601mmol、2工程33%)を得た。
HRMS(ES+)calcd for C
17H
33N
6O
5(M
++H)401.2512,found 401.2509.
【0141】
(E)化合物31の合成
【化114】
化合物30(135mg、0.337mmol)のメタノール溶液(2mL)に、10%Pd/C(13.5mg)を水素雰囲気下で、1時間30分撹拌した。反応溶液をセライトろ過し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣は精製することなく次の反応に用いた。ジクロロメタン溶液(2mL)に、氷冷撹拌下、トリエチルアミン(56.0μL、0.404mmol)、ノシルクロリド(82.2mg、0.371mmol)を添加し、室温にて35分撹拌した。氷冷撹拌下、反応溶液に水を加え、クロロホルムで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄、乾燥(Na
2SO
4)した後、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=100:1)で精製することにより、無色油状物質(164mg、0.293mmol、2工程87%)を得た。
HRMS(ES+)calcd for C
23H
38N
5O
8S(M
++H)560.2390,found 560.2386.
【0142】
(F)化合物32a〜32d
(1)化合物32aの合成
【化115】
化合物31(49.7mg、88.9μmol)のDMF溶液(2mL)に炭酸カリウム(14.7mg、0.107mmol)、3−ブロモプロピン(7.28μL、97.8μmol)を室温にて添加し、50℃で1時間45分撹拌した。反応溶液を室温に戻した後、水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄、乾燥(Na
2SO
4)した後、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=100:1)で精製することにより、無色油状物質(50.1mg、83.9μmol、94%)を得た。
HRMS(ES+)calcd for C
26H
40N
5O
9S(M
++H)598.2547,found 598.2543.
【0143】
(2)化合物32bの合成
【化116】
化合物31(61.5mg、0.110mmol)、1−ブロモプロパン(55.0μL、0.550mmol)を用い、化合物32aと同様の方法にて合成した(黄色油状物質、60.3mg、0.100mmol、91%)。
HRMS(ES+)calcd for C
26H
44N
5O
9S(M
++H)602.2860,found 602.2845.
【0144】
(3)化合物32cの合成
【化117】
化合物31(60.5mg、0.108mmol)、1−ブロモペンタン(66.9μL、0.540mmol)を用い、化合物32aと同様の方法にて合成した(無色油状物質、62.7mg、99.6μmol、92%)。
HRMS(ES+) calcd for C
28H
48N
5O
9S(M
++H)630.3173, found 630.3174.
【0145】
(4)化合物32dの合成
【化118】
化合物31(58.2mg、0.104mmol)、ベンジルブロミド(12.4μL、0.114mmol)を用い、化合物32aと同様の方法にて合成した(無色油状物質、52.7mg、81.2μmol、78%)。
HRMS(ES+) calcd for C
30H
44N
5O
9S(M
++H)650.2860,found 650.2842.
【0146】
(G)化合物例25〜28
(1)化合物例25の合成
【化119】
化合物32a(35.8mg、59.9μmol)のアセトニトリル溶液(2mL)に炭酸カリウム(41.5mg、0.300mmol)、チオフェノール(30.6μL、0.300mmol)を添加し、室温で2時間15分撹拌した。反応溶液をセライトろ過し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣を氷冷撹拌下、4M塩酸/ジオキサン(2mL)を添加し、室温にて1時間撹拌した。反応溶液を減圧留去後、残渣を水に溶解し、HPLCにより精製した。溶媒を凍結乾燥することで、白色固体(13.3mg、27.4μmol、2工程46%)を得た。
1H NMR(300MHz、D
2O)δ3.96(d,J=2.49Hz,2H),3.80−3.71(m,1H),3.64(s,2H),3.35−3.20(m,2H),3.01(t,J=2.56Hz,1H),2.68−2.54(m,5H),2.17−2.05(m,2H);HRMS(ES+)calcd for C
11H
21N
4O
3(M
++H)257.1614,found 257.1616.
【0147】
(2)化合物例26の合成
【化120】
化合物32b(43.2mg、71.8μmol)を用い、化合物例25と同様の方法にて合成した(白色固体、18.7mg、38.3μmol、2工程53%)。
1H NMR(300MHz、D
2O)δ3.76−3.72(m,1H),3.65(s,2H),3.25−3.08(m,2H),3.02(t,J=7.44Hz,2H),2.67−2.54(m,5H),2.20−2.00(m,2H),1.75−1.62(m,2H),0.95(t,J=7.56Hz,3H);HRMS(ES+)calcd for C
11H
25N
4O
3(M
++H)261.1927,found 261.1931.
【0148】
(3)化合物例27の合成
【化121】
化合物33c(39.2mg、62.2μmol)を用い、化合物例25と同様の方法にて合成した(白色固体、11.4mg、22.0μmol、2工程35%)。
1H NMR(300MHz、D
2O)δ3.76−3.67(m,1H),3.56(s,2H),3.19−3.08(m,2H),3.02(t,J=7.63Hz,2H),2.66−2.51(m,5H),2.14−2.02(m,2H),1.67−1.60(m,2H),1.35−1.22(m,4H),0.85(t,J=6.89Hz,3H);HRMS(ES+)calcd for C
13H
29N
4O
3(M
++H)289.2240,found 289.2238.
【0149】
(4)化合物例28の合成
【化122】
化合物33d(35.2mg、54.2μmol)を用い、化合物例25と同様の方法にて合成した(白色固体、9.23mg、17.2μmol、2工程32%)。
1H NMR(300MHz、D
2O)δ7.49−7.43(m,5H),4.24(s,2H),3.72−3.68(m,1H),3.56(s,2H),3.20−3.13(m,2H),2.62−2.49(m,5H),2.11−2.05(m,2H);HRMS(ES+)calcd for C
15H
25N
4O
3(M
++H)309.1927, found 309.1920.
【0150】
[実施例10]
化合物例29〜31の合成:
以下の合成スキームにより化合物例29〜31を合成した。尚、スキーム中、構造式の下に付した番号は化合物の番号を表す。
【化123】
【0151】
(A)化合物34a〜34c
(1)化合物34aの合成
【化124】
化合物30(54.9mg、0.137mmol)のメタノール溶液(2mL)に、10%Pd/C(5.49mg)を水素雰囲気下で、1時間30分撹拌した。反応溶液をセライトろ過し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣は精製することなく次の反応に用いた。残渣のDMF溶液(2mL)にN−Boc−グリシン(26.5mg、0.151mmol)、HOBt・H
2O(23.1mg、0.151mmol)を添加し、氷冷撹拌下、トリエチルアミン(22.8μL、0.164mmol)、EDC・HCl(31.5mg、0.164mmol)を添加し、室温にて終夜撹拌した。10%クエン酸水溶液に反応溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水、飽和食塩水で順次洗浄、乾燥(Na
2SO
4)した後、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=80:1)で精製することにより、無色油状物質(57.6mg、0.108mmol、2工程79%)を得た。
HRMS(ES+)calcd for C
24H
46N
5O
8(M
++H)532.3346,found 532.3329.
【0152】
(2)化合物34bの合成
【化125】
化合物30(55.2mg、0.138mmol)、N−Boc−γ−アミノ酪酸(30.9mg、0.152mmol)を用い、化合物34aと同様の方法にて合成した(白色固体、64.0mg、0.114mmol、2工程83%)。
HRMS(ES+)calcd for C
26H
50N
5O
8(M
++ H)560.3659, found 560.3646.
【0153】
(3)化合物34c
【化126】
化合物30(48.1mg、0.120mmol)、N−Boc−ε−アミノカプロン酸(30.5mg、0.132mmol)を用い、化合物34aと同様の方法にて合成した(白色固体、52.5mg、89.4μmol、2工程74%)。
HRMS(ES+)calcd for C
28H
54N
5O
8(M
++H)588.3972,found 588.3979.
【0154】
(B)化合物例29〜31
(1)化合物例29の合成
【化127】
化合物34a(33.7mg、63.4μmol)に氷冷撹拌下、4M塩酸/ジオキサン(2mL)を添加し、室温にて1時間撹拌した。反応溶液を減圧留去後、残渣を水に溶解し、HPLCにより精製した。溶媒を凍結乾燥することで、無色固体(13.9mg、27.5μmol、43%)を得た。
1H NMR(300MHz、D
2O)δ3.80(s,2H),3.66−3.57(m,3H),3.41−3.28(m,2H),2.68−2.50(m,5H),1.94−1.80(m,2H);HRMS(ES+)calcd for C
10H
22N
5O
4(M
++H)276.1672,found 276.1666.
【0155】
(2)化合物例30の合成
【化128】
化合物34b(32.4mg、57.9μmol)を用い、化合物例29と同様の方法にて合成した(無色固体、17.3mg、32.5μmol、56%)。
1H NMR(300MHz、D
2O)δ3.66−3.56(m,3H),3.35−3.21(m,2H),2.99(t,J=7.73Hz,2H),2.68−2.50(m,5H),2.36(t,J=7.51Hz,2H),1.97−1.80(m,4H);HRMS(ES+)calcd for C
12H
26N
5O
4(M
++H)304.1985,found 304.1982.
【0156】
(3)化合物例31の合成
【化129】
化合物34c(33.3mg、56.7μmol)を用い、化合物例29と同様の方法にて合成した(無色固体、17.5mg、31.2μmol、55%)。
1H NMR(300MHz、D
2O)δ3.66(s,2H),3.65−3.53(m,1H),3.38−3.21(m,2H),2.97(t,J=7.48Hz,2H),2.68−2.50(m,5H),2.26(t,J=7.44Hz,2H),1.91−1.78(m,2H),1.70−1.55(m,4H),1.40−1.30(m,2H);HRMS(ES+)calcd for C
14H
30N
5O
4(M
++H)332.2298,found 332.2289.
【0157】
[実施例11]
化合物例32の合成:
以下の合成スキームにより化合物例32を合成した。尚、スキーム中、構造式の下に付した番号は化合物の番号を表す。
【化130】
【0158】
(1)化合物36の合成
【化131】
化合物30(53.6mg、0.134mmol)のメタノール溶液(2mL)に、10%Pd/C(5.36mg)を水素雰囲気下で、2時間30分撹拌した。反応溶液をセライトろ過し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣は精製することなく次の反応に用いた。残渣のジクロロメタン溶液(2mL)に、氷冷撹拌下、トリエチルアミン(22.3μL、0.161mmol)、塩化メタンスルホニル(11.4mg、0.147mmol)を添加し、室温にて1時間撹拌した。氷冷撹拌下、反応溶液に水を加え、クロロホルムで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄、乾燥(Na
2SO
4)した後、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=100:1)で精製することにより、無色油状物質(43.1mg、95.3μmol、2工程71%)を得た。
HRMS(ES+)calcd for C
18H
37N
4O
7S(M
++H)453.2383,found 453.2390.
【0159】
(2)化合物例32の合成
【化132】
化合物36(22.1mg、48.9μmol)に氷冷撹拌下、4M塩酸/ジオキサン(2mL)を添加し、室温にて1時間撹拌した。反応溶液を減圧留去後、残渣を水に溶解し、HPLCにより精製した。溶媒を凍結乾燥することで、白色固体(9.86mg、24.0μmol、49%)を得た。
1H NMR(300MHz、D
2O)δ3.75−3.69(m,1H),3.63(s,2H),3.24−3.13(m,2H),3.05(s,3H),2.66−2.48(m,5H),1.97−1.83(m,2H);HRMS(ES+)calcd for C
9H
21N
4O
5S(M
++H)297.1233,found 297.1221.
【0160】
[実施例12]
化合物例33〜46の合成:
以下の合成スキームにより化合物例33〜46を合成した。尚、スキーム中、構造式の下に付した番号は化合物の番号を表す。
【化133】
【0161】
(A)化合物38の合成
【化134】
化合物29(100mg、0.367mmol)、H
2N−N(Me)CH
2CO
2Bn(143mg、0.734mmol)を用い、化合物30と同様の方法にて合成した(無色油状物質、127mg、0.291mmol、2工程79%)。
HRMS(ES+)calcd for C
20H
30N
6O
5Na(M
++Na)457.2175,found 457.2175.
【0162】
(B)化合物39a〜39n
(1)化合物39aの合成
【化135】
化合物38(53.6mg、0.123mmol)に氷冷下、4M塩酸/ジオキサン(2.0mL)を添加し、室温で1時間撹拌した。溶媒を減圧留去し、得られた残渣は精製すること無く、次の反応に用いた。残渣をDMF(2mL)に溶解させ、Boc−Phe−OH(65.4mg、0.246mmol)、HOBt・H
2O(37.8mg、0.246mmol)を添加した。氷冷下、トリエチルアミン(34.2μL、0.246mmol)、EDC・HCl(47.3mg、0.246mmol)を順次添加し、室温で終夜撹拌した。10%クエン酸水溶液に反応溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水、飽和食塩水で洗浄、Na
2SO
4で乾燥した。ろ過後、母液を減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=80:1)で精製することで、白色固体(68.5mg、0.118mmol、2工程96%)を得た。
HRMS(ES+)calcd for C
29H
40N
7O
6(M
++H)582.3040,found 582.3030.
【0163】
(2)化合物39bの合成
【化136】
化合物38(42.8mg、98.6μmol)を用い、化合物39aと同様の方法にて合成した(白色固体、49.5mg、82.9μmol、2工程84%)。
HRMS(ES+)calcd for C
29H
39N
7O
7Na(M
++Na)620.2809,found 620.2811.
【0164】
(3)化合物39cの合成
【化137】
化合物38(44.3mg、0.102mmol)を用い、化合物39aと同様の方法にて合成した(白色固体、53.2mg、99.8μmol、2工程98%)。
HRMS(ES+)calcd for C
25H
40N
7O
6(M
++H)534.3040,found 534.3029.
【0165】
(4)化合物39dの合成
【化138】
化合物38(109mg、0.422mmol)を用い、化合物39aと同様の方法にて合成した(黄色油状物質、38.0mg、75.2μmol、2工程18%)。
1H NMR(300MHz、CDCl
3)δ7.88(s,1H),7.40−7.33(m,5H),7.25−7.10(m,1H),5.18(s,2H),5.15−4.99(m,1H),4.40−4.07(m,1H),4.07−3.99(m,1H),3.82−3.44(m,2H),3.34(t,J=6.23Hz,2H),3.02−2.81(m,3H),2.80−2.70(m,3H),2.64−2.50(m,1H),2.44−2.23(m,1H),2.03−2.67(m,2H),1.44(s,9H)
【0166】
(5)化合物39eの合成
【化139】
化合物38(46.2mg、0.106mmol)を用い、化合物39aと同様の方法にて合成した(黄色油状物質、42.7mg、89.7μmol、2工程84%)。
HRMS(ES+)calcd for C
22H
34N
7O
6(M
++H)492.2571,found 492.2576.
【0167】
(6)化合物39fの合成
【化140】
化合物38(52.8mg、0.122mmol)を用い、化合物39aと同様の方法にて合成した(白色固体、58.5mg、0.107mmol、2工程88%)。
HRMS(ES+)calcd for C
26H
42N
7O
6(M
++H)548.3197,found 548.3201.
【0168】
(7)化合物39gの合成
【化141】
化合物38(50.0mg、0.115mmol)を用い、化合物39aと同様の方法にて合成した(白色固体、30.0mg、48.4μmol、2工程42%)。
1H NMR(300MHz、CDCl
3)δ8.21(s,1H),7.42−7.27(m,5H),5.88−5.76(brs,1H),5.49−5.10(m,4H),4.40−4.22(m,1H),4.22−4.04(m,1H),3.90−3.40(m,4H),3.34(t,J=6.16Hz,2H),3.03−2.55(m,4H),2.43−2.19(m,1H),1.90−1.71(m,2H),1.45(s,18H)
【0169】
(8)化合物39hの合成
【化142】
化合物38(50.7mg、0.117mmol)を用い、化合物39aと同様の方法にて合成した(白色固体、25.9mg、40.8μmol、2工程35%)。
1H NMR(300MHz、CDCl
3)δ7.86(s,1H),7.42−7.27(m,5H),5.42−5.01(m,5H),4.45−4.23(m,1H),4.16−4.00(m,1H),3.83−3.56(m,2H),3.46−3.24(m,2H),3.14−2.97(m,2H),2.97−2.51(m,4H),2.44−2.24(m,1H),2.10−1.57(m,4H),1.44(s,18H).
【0170】
(9)化合物39iの合成
【化143】
化合物38(51.4mg、0.118mmol)を用い、化合物39aと同様の方法にて合成した(白色固体、74.3mg、0.115mmol、2工程97%)。
HRMS(ES+)calcd for C
30H
49N
8O
8(M
++H)649.3673, found 649.3679.
【0171】
(10)化合物39jの合成
【化144】
化合物38(50.9mg、0.117mmol)を用い、化合物39aと同様の方法にて合成した(黄色固体、72.3mg、0.109mol、2工程93%)。
HRMS(ES+)calcd for C
31H
51N
8O
8(M
++H)663.3830,found 663.3823.
【0172】
(11)化合物39kの合成
【化145】
化合物38(50.0mg、0.115mmol)を用い、化合物39aと同様の方法にて合成した(白色固体、41.0mg、74.8μmol、2工程65%)。
HRMS(ES+)calcd for C
24H
37N
8O
7(M
++H)549.2785,found 549.2785.
【0173】
(12)化合物39lの合成
【化146】
化合物38(50.2mg、0.116mmol)を用い、化合物39aと同様の方法にて合成した(白色固体、47.9mg、74.9μmol、2工程65%)。
HRMS(ES+)calcd for C
31H
42N
7O
8(M
++H)640.3095,found 640.3099.
【0174】
(13)化合物39mの合成
【化147】
化合物38(50.9mg、0.117mmol)を用い、化合物39aと同様の方法にて合成した(白色固体、54.9mg、97.6μmol、2工程83%)。
1H NMR(300MHz、CDCl
3)δ8.11(s,1H),7.80−7.42(m,1H),7.42−7.27(m,5H),7.02−6.74(m,1H),6.39−6.10(m,1H),5.78−5.43(m,1H),5.18(s,2H),4.50−4.22(m,1H),4.18−3.90(m,1H),3.82−3.55(m,2H),3.36(s,2H),2.88−2.61(m,3H),2.45−1.70(m,8H),1.43(s,9H)
【0175】
(14)化合物39nの合成
【化148】
化合物38(52.7mg、0.121mmol)を用い、化合物39aと同様の方法にて合成した(白色固体、54.7mg、86.1μmol、2工程71%)。
HRMS(ES+)calcd for C
32H
44N
7O
8(M
++H)654.3251,found 654.3262.
【0176】
(C)化合物例33〜46
(1)化合物例33の合成
【化149】
アルゴン雰囲気下、化合物39a(42.4mg、72.9μmol)のメタノール(2mL)溶液に、10%Pd/C(4.2mg)を添加し、水素置換を行い、室温で1時間撹拌した。反応溶液をセライトろ過し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣は精製すること無く次の反応に用いた。残渣に氷冷下、4M塩酸/ジオキサン(2mL)を添加し、室温で1時間撹拌した。溶媒を減圧留去し、得られた残渣を水に溶解し、高速液体クロマトグラフィー(溶媒、H
2O in 0.1%TFA:CH
3CN in 0.1%TFA. A linear gradient of 10−15%CH
3CN in 0.1%TFA over 40min. Flow rate 5mL/min,detected at UV222nm)で精製することにより、白色固体(10.4mg、17.5μmol、2工程24%)を得た。
HRMS(ES+)calcd for C
17H
28N
5O
4(M
++H)366.2141,found 366.2141.
【0177】
(2)化合物例34の合成
【化150】
化合物39b(30.0mg、50.2μmol)を用い、化合物例33と同様の方法にて合成した(白色固体、5.12mg、8.95μmol、2工程16%)。
HRMS(ES+)calcd for C
17H
28N
5O
5(M
++H)382.2090,found 382.2089.
【0178】
(3)化合物例35の合成
【化151】
化合物39c(33.4mg、62.6μmol)を用い、化合物例33と同様の方法にて合成した(黄色固体、4.07mg、7.47μmol、2工程12%)。
HRMS(ES+)calcd for C
13H
28N
5O
4(M
++H)318.2141,found 318.2142.
【0179】
(4)化合物例36の合成
【化152】
化合物39d(29.8mg、58.9μmol)を用い、化合物例33と同様の方法にて合成した(黄色固体、11.2mg、21.6μmol、2工程38%)。
HRMS(ES+)calcd for C
11H
24N
5O
4(M
++H)290.1828,found 290.1819.
【0180】
(5)化合物例37の合成
【化153】
化合物39e(24.7mg、51.9μmol)を用い、化合物例33と同様の方法にて合成した(緑色固体、7.50mg、14.9μmol、2工程29%)。
HRMS(ES+)calcd for C
10H
22N
5O
4(M
++H)276.1672,found 276.1675.
【0181】
(6)化合物例38の合成
【化154】
化合物39f(32.0mg、58.5μmol)を用い、化合物例33と同様の方法にて合成した(黄色固体、13.4mg、23.9μmol、2工程41%)。
HRMS(ES+)calcd for C
14H
30N
5O
4(M
++H)332.2298,found 332.2291.
【0182】
(7)化合物例39の合成
【化155】
化合物39g(30.0mg、48.4μmol)を用い、化合物例33と同様の方法にて合成した(黄色固体、9.20mg、14.2μmol、2工程29%)。
HRMS(ES+)calcd for C
11H
25N
6O
4(M
++H)305.1937,found 305.1930.
【0183】
(8)化合物例40の合成
【化156】
化合物39h(25.9mg、40.8μmol)を用い、化合物例33と同様の方法にて合成した(黄色固体、4.96mg、7.51μmol、2工程18%)。
HRMS(ES+)calcd for C
12H
27N
6O
4(M
++H)319.2094,found 319.2085.
【0184】
(9)化合物例41の合成
【化157】
化合物39i(44.6mg、68.8μmol)を用い、化合物例33と同様の方法にて合成した(黄色固体、3.35mg、4.97μmol、2工程7.2%)。
HRMS(ES+)calcd for C
13H
29N
6O
4(M
++H)333.2250,found 333.2238.
【0185】
(10)化合物例42の合成
【化158】
化合物39j(57.8mg、87.3μmol)を用い、化合物例33と同様の方法にて合成した(黄色固体、11.89mg、17.3μmol、2工程20%)。
HRMS(ES+)calcd for C
14H
31N
6O
4(M
++H)347.2407,found 347.2408.
【0186】
(11)化合物例43の合成
【化159】
化合物39k(34.6mg、63.1μmol)を用い、化合物例33と同様の方法にて合成した(黄色固体、10.64mg、19.0μmol、2工程30%)。
HRMS(ES+)calcd for C
12H
25N
6O
5(M
++H)333.1886,found 333.1880.
【0187】
(12)化合物例44の合成
【化160】
化合物39l(34.4mg、53.8μmol)を用い、化合物例33と同様の方法にて合成した(緑色固体、9.56mg、17.0μmol、2工程32%)。
HRMS(ES+)calcd for C
12H
24N
5O
6(M
++H)334.1727,found 334.1724.
【0188】
(13)化合物例45の合成
【化161】
化合物39m(48.2mg、85.7μmol)を用い、化合物例33と同様の方法にて合成した(黄色固体、20.5mg、35.7μmol、2工程42%)。
HRMS(ES+)calcd for C
13H
27N
6O
5(M
++H)347.2043,found 347.2040.
【0189】
(14)化合物例46の合成
【化162】
化合物39n(44.8mg、70.5μmol)を用い、化合物例33と同様の方法にて合成した(緑色固体、18.55mg、32.3μmol、2工程46%)。
HRMS(ES+)calcd for C
13H
26N
5O
6(M
++H)348.1883,found 348.1873.
【0190】
B.リードスルー活性の測定
[実施例13]
in−vitro評価
(1)細胞培養
African Green Monkey SV40−transf’d kidney fibroblast cell line(COS−7)を、ファルコン社製セルカルチャーディッシュ100x20mmに播種し、37℃、5%CO
2中で培養した。培養液として、和光純薬工業株式会社製D−MEM(高グルコース、L−グルタミン、フェノールレッド含有)、500mLにウシ胎児血清(FBS)50mLを添加し、10%FBSに調製したものを用いた。(以下、培養液とする。)
【0191】
(2)リードスルー活性評価
以後、表記するReporter Lysis Buffer,5x、Assay 2x buffer、1MNa
2CO
3および検量線作成に用いるスタンダードは、Promega社製β−Galactosidase Enzyme Assay System with Reporter Lysis Bufferに含まれているものである。
Corning社製 細胞培養用平底96ウェルプレート(costar(登録商標)3596)にCOS−7細胞(8.0x10
3個/1ウェル)を100μLずつ連続分注で播種し、37℃にて15〜16時間インキュベートした。
レポーター遺伝子(β−ガラクトシダーゼ遺伝子とルシフェラーゼ遺伝子とを連結し、その繋ぎ目に未熟終止コドン(TGA)を挿入したコンストラクト)1.32μL(2μg)、invitrogen社製OPTI−MEM(登録商標)I(Reduced Serum Medium 1X)100μL、Roche社製FuGENE(登録商標)HD Transfection Reagent 4μLの比率にて調製したDNA溶液を1ウェルに4μLずつ、液中で添加し、37℃にて10〜11時間インキュベートした。
培養液を全て吸い取り、評価する化合物を培養液で200μMに調製し、1ウェル当たり200μLずつ連続分注にて添加した。100μM、50μMも同様に調製し、200μLずつ連続分注にて添加した。添加後37℃にて48時間インキュベートした。
48時間が経過した後、ウェル中の培養液を全て吸い取り、PBSで2回洗浄した。続いて、Reporter Lysis Buffer,5xをmilliQにて希釈し、Reporter Lysis Buffer,1xに調製した溶液を100μLずつ連続分注で添加後、15分間室温で静置した。その後、ウェルごとに内容物を回収し、全量をサーモフィッシャーサイエンティフィック社製Nuncマイクロウェルプレート(V底)に移し替え、遠心分離(1800回転、15分間)を行った。このライセート85μLをサーモフィッシャーサイエンティフィック社製Nuncローバインディングプレート、96ウェルプレート(平底)クリアに移し替えた。
【0192】
<β−ガラクトシダーゼ活性評価>
サーモフィッシャーサイエンティフィック社製Nuncローバインディングプレート、96ウェルプレート(平底)クリアを用い、1ウェルあたりReporter Lysis Buffer,1xを連続分注にて30μL添加後、回収したライセート20μLを添加し50μLとした。また別に、検量線作成に必要なスタンダードをPromega社製β−Galactosidase Enzyme Assay System with Reporter Lysis Bufferのプロトコールに従い、0、1、2、3、4、5mUとなるようにそれぞれ添加した。これらウェルにAssay 2x buffer を50μLずつ添加し、室温にて25分インキュベートした。反応停止液である1MNa
2CO
3を150μLずつ添加し、直ちにテカン社製 吸光/蛍光マイクロプレートリーダーTECAN SAFIREを用いて発光強度(420nm,reference 0nm)を測定した。スタンダードの吸光度から検量線を作成し、この検量線に従い、吸光度をmUに換算することで活性値とした。
【0193】
<ルシフェラーゼ活性評価>
Corning社製96ウェルホワイトプレート(costar(登録商標)3912)に回収したライセートを50μLずつ添加し、東洋インキ社製ピッカジーン(登録商標)を100μL添加後、室温にて5分インキュベートした。5分後、ベルトールドジャパン社製ベルトールドルミノメーター マイクロルーマットプラスLB96V型にて、発光強度を測定した。
【0194】
<リードスルー効率の算出>
前記測定したルシフェラーゼ活性をβ−ガラクトシダーゼ活性で割った値とした。
【0195】
実施例1で合成した化合物例2、実施例5で合成した化合物例3、及び別途同様の方法で合成した化合物例1及び化合物例4を用いて、リードスルー活性を評価した。その結果を
図1に示す。
図1から、化合物例1〜4は、ネガマイシンと同様にリードスルー活性を有しており、とりわけ、化合物例3は顕著に高いリードスルー効率を示すことが分かる。
【0196】
次に、化合物例2の末端カルボキシル基をエステル化した化合物例5、及び化合物例2の3位にN−結合アミノ酸基を導入した化合物例7について、リードスルー活性を評価した。これら化合物と、化合物例2、化合物例3、及びネガマイシンのリードスルー活性を評価し、その結果を
図2に示す。
図2から、化合物例2、3、5及び7は、ネガマイシンに比べても顕著に高いリードスルー効率を有することが示される。
【0197】
更に、一般式(3)に含まれる化合物例3、及びその3位にN−結合アミノ酸基を導入した化合物例12について、リードスルー活性を評価した。
図3から、化合物例2に対して主鎖の炭素数が少ないこれら化合物も、ネガマイシンと同等以上のリードスルー効率を有することが示される。
【0198】
[実施例14]
実施例6〜実施例12で得た化合物例14〜46について、実施例13と同様の方法によりリードスルー活性を評価した。その結果を以下の表1に示す。
【0199】
【表1】
ネガマイシンについて同様の条件で評価したところ、リードスルー活性は1.53±0.04であった。表1で示す通り、本発明の化合物例はいずれもネガマイシンと同等程度あるいはそれ以上のリードスルー活性を有する。
【0200】
[実施例15]
in−vivoでの評価
国際公開第WO2008/004610号パンフレットに記載の方法で、レポーター遺伝子として、ルシフェラーゼ遺伝子とβガラクトシダーゼ遺伝子を導入したトランスジェニックマウスを作出した。
【0201】
作出したトランスジェニックマウスに、実施例1で合成した化合物例2の生理食塩水溶液を、24時間毎に7日間連日腹部皮下に投与した。8日目にマウスの大腿直筋と腓腹・ヒラメ筋を摘出し、眼科用ハサミで細片化した後,湿重量の3倍量のReporter Lysis Buffer(Promega,米国)を加え、ヒスコトロン(日音理科器械製作所)により組織を破壊した。一晩凍結し融解後、遠心上清を96穴プレートに入れ、Beta−Glo Assay System(Promega,米国)によりβ−ガラクトシダーゼ活性を測定し、さらに、Bright−Glo Assay System(Promega,米国)によりルシフェラーゼ活性を測定した。測定にはルミノメータ(ATTO)を用いた。β−ガラクトシダーゼ活性値でルシフェラーゼ活性値を割り、10
4を掛けた値をリードスルー効率とした。
【0202】
図4にゲンタマイシン、5−エピ−ネガマイシン並びに本発明の化合物例2のリードススルー活性の測定の結果を示す。本発明の化合物例2は、リードスルー活性が認められ、ゲンタマイシン、5−エピ−ネガマイシンと比較しても高いリードスルー活性を有していた。