【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、前記の問題点を解決すべく鋭意研究を進めた結果、特定の構造を有するアルカリ可溶性樹脂(A)、光重合性モノマー(B)、光重合開始剤(C)、及び白色遮光材(D)を含む白色感光性樹脂組成物が、光によるパターン形成が可能であって、優れた耐熱変色性を有する硬化物を得ることができ、タッチパネルの加飾用として有用であることを見出した。すなわち、本発明の要旨は次のとおりである。
【0009】
(1)本発明は、(A)ビスフェノール類から誘導される2個のグリシジルエーテル基を有するエポキシ化合物と不飽和基含有モノカルボン酸との反応物に対して、(a)ジカルボン酸若しくはトリカルボン酸又はその酸無水物、及び(b)テトラカルボン酸又はその酸二無水物を反応させて得られたアルカリ可溶性樹脂、(B)少なくとも1個のエチレン性不飽和結合を有する光重合性モノマー、(C)光重合開始剤、及び(D)白色遮光材を含有する白色感光性樹脂組成物であり、(A)100質量部に対して(B)が10〜100質量部であり、また、(A)と(B)の合計量100質量部に対して(C)が0.1〜40質量部であり、さらに固形分中に(D)が1〜90質量%含有されることを特徴とする白色感光性樹脂組成物である。
【0010】
(2)本発明はまた、(1)に加えて(E)エポキシ化合物又はエポキシ樹脂を含む白色感光性樹脂組成物である。
【0011】
(3)本発明はまた、これらの白色感光性樹脂組成物をフォトリソグラフィー法によりパターニングした後、引き続き熱硬化させることにより得られる硬化物である。
【0012】
(4)本発明はまた、これら硬化物を有するタッチパネルである。
【0013】
以下に、本発明を詳細に説明する。
【0014】
本発明の白色感光性樹脂組成物における(A)は、ビスフェノール類から誘導される2個のグリシジルエーテル基を有するエポキシ化合物と不飽和基含有モノカルボン酸との反応物に対して、(a)ジカルボン酸若しくはトリカルボン酸又はその酸無水物、及び(b)テトラカルボン酸又はその酸二無水物を反応させて得られたアルカリ可溶性樹脂であり、なかでも、上記(a)/(b)のモル比が0.1〜10で得られたものであることが好ましい。
【0015】
(A)の原料となるビスフェノール類としては、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)ケトン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)ケトン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジメチルシラン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)ジメチルシラン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)ジメチルシラン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−クロロフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エ−テル、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)エ−テル、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)エ−テル、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−クロロフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−ブロモフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−フルオロフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)フルオレン、4,4’−ビフェノ−ル、3,3’−ビフェノ−ル等およびこれらの誘導体が挙げられる。これらの中では、9,9−フルオレニル基を有するものが特に好適に利用される。
【0016】
(A)のアルカリ可溶性樹脂を得るにあたっては、上記ビスフェノール類とエピクロルヒドリンとを反応させて2個のグリシジルエーテル基を有するエポキシ化合物を得る。この反応の際には、一般にジグリシジルエーテル化合物のオリゴマー化を伴うため、下記一般式(I)のエポキシ化合物を得ることになる。
【化1】
一般式(I)の式中、R
1、R
2、R
3及びR
4は、それぞれ独立して水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、ハロゲン原子又はフェニル基を表し、Aは、−CO−、−SO
2−、−C(CF
3)
2−、−Si(CH
3)
2−、−CH
2−、−C(CH
3)
2−、−O−、9,9−フルオレニル基又は直結合を表す。lは0〜10の数である。好ましいR
1、R
2、R
3、及びR
4は水素原子であり、好ましいAは−C(CH
3)
2−、又は9,9−フルオレニル基であり、特に好ましくは9,9−フルオレニル基である。また、lは通常複数の値が混在するため平均値0〜10(整数とは限らない)となるが、好ましいlの平均値は0〜3である。lの値が上限値を超えると、当該エポキシ化合物使用して合成したアルカリ可溶性樹脂を用いた白色感光性樹脂組成物としたときに、組成物の粘度が大きくなりすぎて塗工がうまく行かなくなったり、アルカリ可溶性を十分に付与できずアルカリ現像性が非常に悪くなったりする。
【0017】
次に、一般式(I)の化合物に対して、例えば不飽和基含有モノカルボン酸としてアクリル酸若しくはメタクリル酸又はこれらの両方を反応させ、これにより得られたヒドロキシ基を有する反応物に対して、(a)ジカルボン酸若しくはトリカルボン酸又はその酸無水物、及び(b)テトラカルボン酸又はその酸二無水物を反応させる。その際、(a)/(b)のモル比が0.1〜10となる範囲で反応させるのが好ましい。そして、下記一般式(II)で表されるエポキシ(メタ)アクリレート酸付加物の構造を有するアルカリ可溶性樹脂を得る。
【化2】
(式中、R
1、R
2、R
3及びR
4は、それぞれ独立して水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、ハロゲン原子又はフェニル基を表し、R
5は、水素原子又はメチル基を表し、Aは、−CO−、−SO
2−、−C(CF
3)
2−、−Si(CH
3)
2−、−CH
2−、−C(CH
3)
2−、−O−、9,9−フルオレニル基又は直結合を表し、Xは4価のカルボン酸残基を表し、Y
1及びY
2は、それぞれ独立して水素原子又は−OC−Z−(COOH)
m(但し、Zは2価又は3価カルボン酸残基を表し、mは1又は2の数を表す)を表し、nは1〜20の数を表す。)
【0018】
このエポキシ(メタ)アクリレート酸付加物(II)は、エチレン性不飽和二重結合とカルボキシル基とを併せ持つアルカリ可溶性樹脂であるため、本発明の白色感光性樹脂組成物の(A)として優れた耐熱変色性、光硬化性、良現像性、パターニング特性を与え、良好なタッチパネル用白色硬化膜パターンが得られるものである。
【0019】
本発明の(A)である一般式(II)のエポキシ(メタ)アクリレート酸付加物に利用される(a)ジカルボン酸若しくはトリカルボン酸又はその酸無水物としては、鎖式炭化水素ジカルボン酸若しくはトリカルボン酸又はその酸無水物や脂環式ジカルボン酸若しくはトリカルボン酸又はその酸無水物、芳香族ジカルボン酸若しくはトリカルボン酸又はその酸無水物が使用される。ここで、鎖式炭化水素ジカルボン酸若しくはトリカルボン酸又はその酸無水物としては、例えば、コハク酸、アセチルコハク酸、マレイン酸、アジピン酸、イタコン酸、アゼライン酸、シトラリンゴ酸、マロン酸、グルタル酸、クエン酸、酒石酸、オキソグルタル酸、ピメリン酸、セバシン酸、スベリン酸、ジグリコール酸等の化合物があり、更には任意の置換基の導入されたジカルボン酸若しくはトリカルボン酸又はその酸無水物でもよい。また、脂環式ジカルボン酸若しくはトリカルボン酸又はその酸無水物としては、例えば、シクロブタンジカルボン酸、シクロペンタンジカルボン酸、ヘキサヒドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸、ノルボルナンジカルボン酸等の化合物があり、更には任意の置換基の導入されたジカルボン酸若しくはトリカルボン酸又はその酸無水物でもよい。更に、芳香族ジカルボン酸若しくはトリカルボン酸又はその酸無水物としては、例えばフタル酸、イソフタル酸、トリメリット酸等の化合物があり、更には任意の置換基の導入されたジカルボン酸若しくはトリカルボン酸又はその酸無水物でもよい。
【0020】
また、本発明の(A)である一般式(II)のエポキシ(メタ)アクリレート酸付加物に利用される(b)テトラカルボン酸又はその酸二無水物としては、鎖式炭化水素テトラカルボン酸又はその酸二無水物や脂環式テトラカルボン酸又はその酸二無水物、又は、芳香族多価カルボン酸又はその酸二無水物が使用される。ここで、鎖式炭化水素テトラカルボン酸又はその酸二無水物としては、例えば、ブタンテトラカルボン酸、ペンタンテトラカルボン酸、ヘキサンテトラカルボン酸等があり、更には置換基の導入されたテトラカルボン酸又はその酸二無水物でもよい。また、脂環式テトラカルボン酸又はその酸二無水物としては、例えば、シクロブタンテトラカルボン酸、シクロペンタンテトラカルボン酸、シクロヘキサンテトラカルボン酸、シクロへプタンテトラカルボン酸、ノルボルナンテトラカルボン酸等があり、更には置換基の導入されたテトラカルボン酸又はその酸二無水物でもよい。更に、芳香族テトラカルボン酸やその酸二無水物としては、例えば、ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、ビフェニルテトラカルボン酸、ビフェニルエ−テルテトラカルボン酸又はその酸二無水物が挙げられ、更には置換基の導入されたテトラカルボン酸又はその酸二無水物でもよい。
【0021】
本発明の(A)である一般式(II)のエポキシ(メタ)アクリレート酸付加物に使用される(a)ジカルボン酸若しくはトリカルボン酸又はその酸無水物と(b)テトラカルボン酸又はその酸二無水物とのモル比(a)/(b)は、上述したように0.1〜10であるのが好ましく、より好ましくは0.2〜3となる範囲である。モル比(a)/(b)が上記範囲を逸脱すると最適分子量が得られず、(A)を使用した白色感光性樹脂組成物において、アルカリ現像性、耐熱性、耐溶剤性、パターン形状等が劣化するおそれがある。なお、モル比(a)/(b)が小さいほどアルカリ溶解性が大となり、分子量が大となる傾向がある。
【0022】
また、本発明の(A)である一般式(II)のエポキシ(メタ)アクリレート酸付加物は、重量平均分子量(Mw)が2000〜10000の間であることが好ましく、3000〜7000の間であることが特に好ましい。重量平均分子量(Mw)が2000に満たないと(A)を使用した白色感光性樹脂組成物の現像時のパターンの密着性が維持できず、パターン剥がれが生じ、また、重量平均分子量(Mw)が10000を超えると現像残渣や未露光部の残膜が残り易くなる。更に、(A)は、その酸価が30〜200KOHmg/gの範囲にあることが望ましい。この値が30KOHmg/gより小さいと(A)を使用した白色感光性樹脂組成物のアルカリ現像がうまくできないか、強アルカリ等の特殊な現像条件が必要となり、200KOHmg/gを超えると(A)を使用した白色感光性樹脂組成物へのアルカリ現像液の浸透が早くなり過ぎ、剥離現像が起きるので、何れも好ましくない。
【0023】
本発明で利用される一般式(II)のエポキシ(メタ)アクリレート酸付加物は、上述の工程により、既知の方法、例えば特開平8−278629号公報や特開2008−9401号公報等に記載の方法により製造することができる。先ず、一般式(I)のエポキシ化合物に不飽和基含有モノカルボン酸を反応させる方法としては、例えば、エポキシ化合物のエポキシ基と当モルの不飽和基含有モノカルボン酸を溶剤中に添加し、触媒(トリエチルベンジルアンモニウムクロライド、2,6−ジイソブチルフェノール等)の存在下、空気を吹き込みながら90〜120℃に加熱・攪拌して反応させるという方法がある。次に、反応生成物であるエポキシアクリレート化合物の水酸基に酸無水物を反応させる方法としては、エポキシアクリレート化合物と酸二無水物および酸一無水物の所定量を溶剤中に添加し、触媒(臭化テトラエチルアンモニウム、トリフェニルホスフィン等)の存在下、90〜130℃で加熱・攪拌して反応させるという方法がある。
【0024】
本発明の白色感光性樹脂組成物における(B)少なくとも1個のエチレン性不飽和結合を有する光重合性モノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステル類や、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、ソルビトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、又はジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ソルビトールヘキサ(メタ)アクリレート、フォスファゼンのアルキレンオキサイド変性ヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類、デンドリマー型多官能アクリレートを挙げることができ、これらの1種又は2種以上を使用することができる。また、当該少なくとも1個のエチレン性不飽和結合を有する光重合性モノマーは、光重合性基を2個以上有して不飽和基含有アルカリ可溶性樹脂の分子同士を架橋することができるものを用いることが好ましい。なお、(B)少なくとも1個のエチレン性不飽和結合を有する光重合性モノマーは遊離のカルボキシ基を有しない。
【0025】
本発明の白色感光性樹脂組成物における(C)光重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、P−ジメチルアセトフェノン、P−ジメチルアミノプロピオフェノン、ジクロロアセトフェノン、トリクロロアセトフェノン、P−TERT−ブチルアセトフェノン等のアセトフェノン類、ベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、P,P‘−ビスジメチルアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン類、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾインエーテル類、2−(O−クロロフェニル)−4,5−フェニルビイミダゾール、2−(O−クロロフェニル)−4,5−ジ(M−メトキシフェニル)ビイミダゾール、2−(O−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルビイミダゾール、2−(O−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルビイミダゾール、2、4,5−トリアリールビイミダゾール等のビイミダゾール系化合物類、2−トリクロロメチル−5−スチリル−1,3,4−オキサジアゾ−ル、2−トリクロロメチル−5−(P−シアノスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(P−メトキシスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール等のハロメチルチアゾール化合物類、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−メチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−フェニル−4、6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−クロロフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−メトキシナフチル)−4,6−ビス(トリクロロRメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(3,4,5−トリメトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−メチルチオスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン等のハロメチル−S−トリアジン系化合物類、1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−,2−(O−ベンゾイルオキシム)、1−(4−フェニルスルファニルフェニル)ブタン−1,2−ジオン−2−オキシム−O−ベンゾア−ト、1−(4−メチルスルファニルフェニル)ブタン−1,2−ジオン−2−オキシム−O−アセタート、1−(4−メチルスルファニルフェニル)ブタン−1−オンオキシム−O−アセタート等のO−アシルオキシム系化合物類、ベンジルジメチルケタール、チオキサンソン、2−クロロチオキサンソン、2,4−ジエチルチオキサンソン、2−メチルチオキサンソン、2−イソプロピルチオキサンソン等のイオウ化合物、2−エチルアントラキノン、オクタメチルアントラキノン、1,2−ベンズアントラキノン、2,3−ジフェニルアントラキノン等のアントラキノン類、アゾビスイソブチルニトリル、ベンゾイルパーオキサイド、クメンパーオキシド等の有機過酸化物、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール等のチオール化合物、トリエタノールアミン、トリエチルアミン等の第3級アミンなどが挙げられる。この中でも、高感度の白色感光性樹脂組成物を得られやすい観点から、O−アシルオキシム系化合物類を用いることが好ましい。また、これら光重合開始剤を2種類以上使用することもできる。なお、本発明でいう光重合開始剤とは、増感剤を含む意味で使用される。
【0026】
本発明のタッチパネル用白色感光性樹脂組成物における(D)白色遮光材としては、白色有機顔料、白色無機系顔料が挙げられる。白色有機顔料としては、特開平11−129613号公報に示される一般式A
n-n[B]の有機化合物塩(Aはアニオン性基及びスルホン酸基を有する置換スチルベン系蛍光増白剤、置換クマリン系蛍光増白剤、置換チオフェン系蛍光増白剤等の蛍光増白剤成分、Bは炭素数が15以上であるアンモニウム、ピリジニウム等の有機カチオン、nは、1〜9の整数を表す)や、特開平6−122674号公報に示されるエチレンビスメラミン、N,N’−ジシクロヘキシルエチレンビスメラミン等のアルキレンビスメラミン誘導体等の白色有機顔料(市販品としては、ShigenoxOWP、ShigenoxOWPL(ハッコールケミカル社製))、特開2008−1072号公報記載の熱可塑樹脂を用いた中空粒子、例えばスチレン−アクリル共重合体からなる中空粒子、架橋スチレン−アクリル共重合体からなる中空粒子(市販品としては、SX866、SX8782(JSR社製))などが挙げられる。
【0027】
白色無機系顔料としては、酸化クロム、酸化鉄、酸化チタン、チタニウムホワイト、酸窒化チタン、チタン窒化物等を挙げることができる。これらの遮光材は、白色有機顔料や白色無機系顔料を含めて、いずれか1種類単独でも2種以上を適宜選択して用いることもできるが、特にチタニウムホワイトが、遮光性、表面平滑性、分散安定性、樹脂との親和性が良好な点で好ましい。また、使用する白色有機白色顔料又は有機無機顔料の平均粒径(レーザー回折・散乱式粒子径測定装置による体積平均粒径)は20〜1000nmであることがよく、50〜700nmであることがより好ましい。
【0028】
また、本発明の白色感光性樹脂組成物は、用途に応じてグレー、ピンク等へと色目を変える、あるいは遮光性を調節するため、有色インク又は有色無機系顔料等を特に制限なく併用することができる。併用する有色無機系顔料としては、カーボンブラック、酸化クロム、酸化鉄、酸化チタン、チタンブラック、酸窒化チタン、チタン窒化物等を挙げることができる。なお、遮光性を調節する目的では、黒色の遮光層と2層構造にすることもできる。2層構造とする場合は、たとえば、表面保護用のガラス板に白色硬化膜層を形成し、その上に黒色感光性樹脂組成物を用いて遮光層を形成することができる。
【0029】
併用する有色インク(黒、シアン、マゼンダ、イエローの各色インク)は特に制限はなく、インクの使用目的に適合する色相、色濃度を達成できるものであれば、公知の水溶性染料、油溶性染料及び顔料から適宜選択して用いることができる。なかでも、非水溶性の液体に均一に分散、溶解しやすい油溶性染料や顔料を用いることが好ましい。油溶性染料を用いる場合の染料の含有量は、白色感光性樹脂組成物の固形分換算で0.05〜20質量%の範囲であることが好ましい。
【0030】
白色感光性樹脂組成物中の(A)〜(D)の各成分の構成割合については、(A)100質量部に対して、(B)が10〜100質量部、また、(C)が(A)と(B)の合計量100質量部に対して0.1〜40質量部である。(D)は、固形分(光硬化反応により固形分となるモノマー成分を含む)中1〜90質量%である。好ましくは(A)100質量部に対して、(B)が30〜50質量部、また、(C)が(A)と(B)の合計量100質量部に対して3〜30質量部であり、(D)が固形分中40〜60質量%である。
【0031】
(A)100質量部に対して(B)が10質量部を下回ると、現像液に対する塗膜の溶解性が低くなりすぎるため、フォトリソグラフィー性能が低下する。また、(A)100質量部に対して(B)が100質量部を上回ると、現像液に対する膜の溶解性が高くなりすぎるため、現像時の塗膜の密着性が低下する。
【0032】
(C)が(A)と(B)の合計量100質量部に対して0.1質量部を下回ると、塗膜が硬化しなくなり、40質量部を上回るとマスク開口面積よりも広い面積が硬化する為、フォトリソグラフィー性能が低下する。
【0033】
(D)が固形分中1質量%を下回ると遮光性が低下し配線等が透けて見えるようになってしまい、90質量%を上回るとインクの粘度が上がり膜の塗装が困難となる。
【0034】
本発明の白色感光性樹脂組成物は、上記(A)〜(D)成分を主成分として含有する。この感光性樹脂組成物においては、固形分(光硬化後に固形分となるモノマー成分を含む)中に、(A)〜(D)成分が合計で70質量%以上、好ましくは80質量%、より好ましくは90質量%以上含むことがよい。
【0035】
本発明の白色感光性樹脂組成物においては、上記(A)〜(D)の他に溶剤を使用して粘度を調整することが好ましい。溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、N−プロパノール、イソプロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール類、α−もしくはβ−テルピネオール等のテルペン類等、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、N−メチル−2−ピロリドン等のケトン類、トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼン等の芳香族炭化水素類、セロソルブ、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、カルビトール、メチルカルビトール、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート、エチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、3−メトキシ−3−メチルブチルアセテート等の酢酸エステル類等が挙げられ、これらを用いて溶解、混合させることにより、均一な溶液状の組成物とすることができる。溶剤の量は、目標とする粘度によって変化するが、感光性樹脂組成物溶液中60〜90質量%の範囲が好ましい。
【0036】
本発明では、(A)〜(D)成分に加えて(E)エポキシ化合物又はエポキシ樹脂を含む白色感光性樹脂組成物とすることもできるが、この(E)エポキシ化合物又はエポキシ樹脂として利用される化合物としては、フェニルグリシジルエーテル、p−ブチルフェノールグリシジルエーテル、トリグリシジルイソシアヌレート、ジグリシジルイソシアヌレート、アリルグリシジルエーテル、グリシジルメタクリレート等のエポキシ化合物類、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、3,3',5,5'-テトラメチル-4,4'-ビフェノール型エポキシ樹脂、ビスフェノールフルオレン型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂類、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂類、多価アルコールのグリシジルエーテル、多価カルボン酸のグリシジルエステル、3,4-エポキシシクロヘキセニルメチル-3',4'-エポキシシクロヘキセンカルボキシレート、2,2-ビス(ヒドロキシメチル)-1-ブタノールの1,2-エポキシ-4-(2-オキシラニル)シクロヘキサン付加物等の脂環式エポキシ化合物、エポキシシリコーン樹脂等のシリコーン骨格を有するエポキシ樹脂類等が挙げられる。好ましくはエポキシ基を2つ以上有するエポキシ化合物又はエポキシ樹脂である。
【0037】
この(E)成分のエポキシ化合物又はエポキシ樹脂の使用量は、白色感光性樹脂組成物のアルカリ可溶性の性質が維持される範囲内で配合するのがよく、上記(A)成分と(B)成分の合計100質量部に対して5〜30質量部の範囲で配合するのがよい。
【0038】
また、本発明の白色感光性樹脂組成物には、必要に応じて硬化促進剤、酸化防止剤、熱重合禁止剤、可塑剤、充填材、溶剤、レベリング剤、消泡剤、カップリング剤、界面活性剤等の添加剤を配合することができる。熱重合禁止剤としては、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、ピロガロール、TERT−ブチルカテコール、フェノチアジン等を挙げることができ、酸化防止剤としてはヒンダードフェノール系酸化防止剤、リン系加工熱安定剤を上げることができ、可塑剤としては、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート、リン酸トリクレジル等を挙げることができ、充填材としては、ガラスファイバー、シリカ、マイカ、アルミナ等を挙げることができ、消泡剤やレベリング剤としては、シリコーン系、フッ素系、アクリル系の化合物を挙げることができる。また、界面活性剤としてはフッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤等を挙げることができ、シランカップリング剤としては3−(グリシジルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3−イソシアナトプロピルトリエトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン等を挙げることができる。
【0039】
本発明の白色硬化物は、本発明の白色感光性樹脂組成物を用いてフォトリソグラフィー法により形成される。その製造工程としては、先ず、感光性樹脂組成物溶液を基板表面に塗布し、次いで溶媒を乾燥させた(プリベーク)後、このようにして得られた被膜の上にフォトマスクをあて、紫外線を照射して露光部を硬化させ、更にアルカリ水溶液を用いて未露光部を溶出させる現像を行ってパターンを形成し、更に後硬化としてポストベークを行う方法が挙げられる。ここで、感光性樹脂組成物溶液を塗布する基板としては、ガラス、透明フィルム(例えば、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルスルフォン等)等が用いられる。
【0040】
感光性樹脂組成物溶液を基板に塗布する方法としては、公知の溶液浸漬法、スプレー法の他、ローラーコーター機、ランドコーター機、スリットコーター機やスピナ−機を用いる方法等の何れの方法を採用することができる。これらの方法によって、所望の厚さに塗布した後、溶剤を除去する(プリベーク)ことにより、被膜が形成される。プリベークはオーブン、ホットプレート等により加熱することによって行われる。プリベークにおける加熱温度及び加熱時間は使用する溶剤に応じて適宜選択され、例えば60〜110℃の温度で1〜3分間行われる。
【0041】
プリベーク後に行われる露光は、露光機によって行なわれ、フォトマスクを介して露光することによりパターンに対応した部分の感光性樹脂組成物のみを感光させる。露光機及びその露光照射条件は適宜選択され、超高圧水銀灯、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、遠紫外線灯等の光源を用いて露光を行い、塗膜中の感光性樹脂組成物を光硬化させる。
【0042】
露光後のアルカリ現像は、露光されない部分の感光性樹脂組成物を除去する目的で行われ、この現像によって所望のパターンが形成される。このアルカリ現像に適した現像液としては、例えば、アルカリ金属やアルカリ土類金属の炭酸塩の水溶液、アルカリ金属の水酸化物の水溶液等を挙げることができるが、特に炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の炭酸塩を0.03〜1重量%含有する弱アルカリ性水溶液を用いて23〜27℃の温度で現像するのがよく、市販の現像機や超音波洗浄機等を用いて微細な画像を精密に形成することができる。
【0043】
このようにして現像した後、200〜240℃の温度、20〜60分の条件で熱硬化処理(ポストベーク)が行われる。このポストベークは、パターニングされた白色膜と基板との密着性を高めるため等の目的で行われる。これはプリベークと同様に、オーブン、ホットプレート等により加熱することによって行われる。本発明のパターニングされた白色硬化物は、以上のフォトリソグラフィー法による各工程を経て形成される。