(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6290275
(24)【登録日】2018年2月16日
(45)【発行日】2018年3月7日
(54)【発明の名称】高度なRF及び温度の均一性を備えた静電チャック
(51)【国際特許分類】
H01L 21/3065 20060101AFI20180226BHJP
H01L 21/205 20060101ALI20180226BHJP
C23C 16/458 20060101ALI20180226BHJP
C23C 16/46 20060101ALI20180226BHJP
C23C 16/50 20060101ALI20180226BHJP
H01L 21/683 20060101ALI20180226BHJP
【FI】
H01L21/302 101G
H01L21/302 101R
H01L21/205
C23C16/458
C23C16/46
C23C16/50
H01L21/68 R
【請求項の数】20
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2016-22809(P2016-22809)
(22)【出願日】2016年2月9日
(62)【分割の表示】特願2015-509085(P2015-509085)の分割
【原出願日】2013年4月23日
(65)【公開番号】特開2016-146487(P2016-146487A)
(43)【公開日】2016年8月12日
【審査請求日】2016年3月4日
(31)【優先権主張番号】61/637,500
(32)【優先日】2012年4月24日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/775,372
(32)【優先日】2013年3月8日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】13/867,515
(32)【優先日】2013年4月22日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100101502
【弁理士】
【氏名又は名称】安齋 嘉章
(72)【発明者】
【氏名】ルボミルスキー ディミトリー
(72)【発明者】
【氏名】サン ジェニファー
(72)【発明者】
【氏名】マルコブスキー マーク
(72)【発明者】
【氏名】マクラトシェブ コンスタンティン
(72)【発明者】
【氏名】ブッフバーガー ダグラス エー ジュニア
(72)【発明者】
【氏名】バンナ セイマ
【審査官】
正山 旭
(56)【参考文献】
【文献】
特開2008−115440(JP,A)
【文献】
国際公開第2011/049620(WO,A2)
【文献】
特開2005−093746(JP,A)
【文献】
特開平04−226051(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2009/0002913(US,A1)
【文献】
特開2005−136350(JP,A)
【文献】
特開2003−017223(JP,A)
【文献】
特開2007−317772(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2013/0098895(US,A1)
【文献】
特表2013−508968(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/3065
C23C 16/458
C23C 16/46
C23C 16/50
H01L 21/205
H01L 21/683
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の温度を制御するための方法であって、
ベースラインの温度制御を提供するために、基板を支持する静電チャック(ESC)内に含まれる1以上の高出力ヒータに電力を供給する工程と、
温度分布の微調整を提供するために、ESC内に含まれる最小単位化された二次元配列構成の複数の抵抗ヒータのうちの1以上に電力を供給する工程と、
1以上の高出力ヒータに、及び最小単位化された二次元配列構成の複数の抵抗ヒータのうちの1以上に電力を供給しながら、ESCを含むチャンバ内で基板を処理する工程を含む方法。
【請求項2】
最小単位化された二次元配列構成の複数の抵抗ヒータのうちの1以上に電力を供給する工程は、ESCのバスバー配電層に電力を供給する工程を含む、請求項1記載の方法。
【請求項3】
最小単位化された二次元配列構成の複数の抵抗ヒータは、45〜169の最小単位化された二次元配列構成の抵抗ヒータを含む、請求項1記載の方法。
【請求項4】
1以上の高出力ヒータに電力を供給する工程は、1〜8の高出力ヒータに電力を供給する工程を含む、請求項1記載の方法。
【請求項5】
チャンバ内で基板を処理する工程は、プラズマエッチングチャンバ内で基板を処理する工程を含む、請求項1記載の方法。
【請求項6】
チャンバ内で基板を処理する工程は、プラズマ蒸着チャンバ内で基板を処理する工程を含む、請求項1記載の方法。
【請求項7】
基板を処理する工程は、チャック電極を使用してESCに基板を保持する工程を含む、請求項1記載の方法。
【請求項8】
最小単位化された二次元配列構成の複数の抵抗ヒータのうちの1以上に電力を供給する工程は、基板とESCの1以上の高出力ヒータとの間に配置された最小単位化された二次元配列構成の抵抗ヒータに電力を供給する工程を含む、請求項1記載の方法。
【請求項9】
チャンバ内で基板を処理しながらESCの領域を冷却する工程を含む、請求項1記載の方法。
【請求項10】
上部誘電体層の上方で基板を支持するための上部誘電体層と、
上部誘電体層の下方に配置された最小単位化された二次元配列構成の複数の抵抗ヒータであって、45〜169の最小単位化された二次元配列構成の抵抗ヒータを含み、温度分布の微調整を提供するための最小単位化された二次元配列構成の複数の抵抗ヒータと、
最小単位化された二次元配列構成の複数の抵抗ヒータの下方に配置され、ベースラインの温度制御を提供するための1以上の高出力ヒータを含む静電チャック(ESC)。
【請求項11】
上部誘電体層は、上部に配置された複数の表面チャネルを含む、請求項10記載のESC。
【請求項12】
上部誘電体層の表面チャネルは、ESC用の冷却チャネルを提供する、請求項11記載のESC。
【請求項13】
上部誘電体層は、溶射誘電体材料を含む、請求項10記載のESC。
【請求項14】
上部誘電体層は、上部誘電体層の上で直接基板を支持するためのものである、請求項10記載のESC。
【請求項15】
上部誘電体層の上に配置された固体セラミックスプレートを含む、請求項10記載のESC。
【請求項16】
固体セラミックスプレートは、基板を上で支持するように構成される、請求項15記載のESC。
【請求項17】
ESCに基板をクランプするためのチャック電極を含む、請求項10記載のESC。
【請求項18】
最小単位化された二次元配列構成の複数の抵抗ヒータに電力を供給するためのバスバー配電層を含む、請求項10記載のESC。
【請求項19】
請求項10記載のESCを含むプラズマエッチングチャンバ。
【請求項20】
請求項10記載のESCを含むプラズマ蒸着チャンバ。
【発明の詳細な説明】
【0001】
本出願は、2012年4月24日に出願された米国仮出願第61/637,500号及
び2013年3月8日に出願された米国仮出願第61/775,372号の利益を主張し
、その全内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
1)分野
本発明の実施形態は、半導体処理装置の分野に関し、特に、高度なRF及び温度の均一
性を備えた静電チャック、及びそのような静電チャックを製造する方法に関する。
【0003】
2)関連技術の説明
プラズマ処理チャンバ(例えば、プラズマエッチング又はプラズマ蒸着チャンバ)内で
は、チャンバコンポーネントの温度は、しばしばプロセスの間に制御すべき重要なパラメ
ータである。例えば、一般に、チャック又は台座と呼ばれる基板ホルダーの温度は、(例
えば、エッチングレートを制御するために)プロセスレシピの間、様々な制御された温度
にワークピースを加熱/冷却するように制御することができる。同様に、シャワーヘッド
/上部電極、チャンバライナー、バッフル、プロセスキット又は他のコンポーネントの温
度もまた、処理に影響を与えるようにプロセスレシピの間、制御することができる。従来
は、ヒートシンク及び/又はヒートソースが処理チャンバに結合され、これによってチャ
ンバコンポーネントの温度を所望の温度に維持する。しばしば、チャンバコンポーネント
に熱的に結合された少なくとも1つの熱伝導流体ループが用いられ、これによって加熱及
び/又は冷却力を提供する。
【0004】
熱伝導流体ループ内の長いライン長さ、及びそのような長いライン長さと関連した大き
な熱伝導流体の体積は、温度制御の応答時間に弊害をもたらす。使用場所に基づくシステ
ムは、流体ループの長さ/体積を減らす1つの手段である。しかしながら、物理的な空間
の制約は、そのような使用場所に基づくシステムの電源負荷を不利に制限する。
【0005】
RF電力レベルが増加し続け、ワークピース径も増加し続ける(現在典型的には300
mmだが現在450mmシステムが開発中である)プラズマ処理の傾向によって、高速応
答時間及び高い電源負荷の両方に対処する温度及び/又はRF制御及び分配は、プラズマ
処理領域において有利である。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】本発明の一実施形態に係る、ウェハ又は基板を支持するように構成された静電チャック(ESC)の一部の断面図を示す。
【
図2】本発明の別の一実施形態に係る、ウェハ又は基板を支持するように構成された様々な静電チャックの部分の断面図を示す。
【
図3】本発明の別の一実施形態に係る、ウェハ又は基板を支持するように構成された静電チャックの一部の断面図を示す。
【
図4】本発明の別の一実施形態に係る、ウェハ又は基板を支持するように構成された静電チャックの一部の断面図を示す。
【
図5A】本発明の別の一実施形態に係る、ウェハ又は基板を支持するように構成された静電チャックの一部の断面図を、プラズマ溶射配置を強調して示す。
【
図5B】本発明の別の一実施形態に係る、ウェハ又は基板を支持するように構成された静電チャックの一部の断面図を、固体(中実)セラミックス上部配置を強調して示す。
【
図6】本発明の様々な実施形態に係る、静電チャック(ESC)用抵抗補助ヒータの12×13構成を含む電気ブロック図である。
【
図7】本発明の一実施形態に係る、高度なRF及び温度の均一性を備えた静電チャックを内部に収容可能なシステムを示す。
【
図8】本発明の一実施形態に係る、典型的なコンピュータシステムのブロック図を示す。
【0007】
高度なRF及び温度の均一性を備えた静電チャックとそのような静電チャックを製造す
る方法が記述される。以下の説明では、本発明の実施形態の完全な理解を提供するために
、多数の特定の詳細(例えば、特定のチャック材料レジーム)が述べられる。本発明の実
施形態がこれらの特定の詳細なしで実施可能であることは、当業者にとって明らかである
。他の例では、既知の態様(例えば、チャックによって支持されるウェハの存在するエッ
チング処理)は、本発明の実施形態を必要以上に曖昧にしないために詳細には説明されな
い。更に、図示される様々な実施形態は、例示的表現であって、必ずしも比例して描かれ
てはいないことを理解すべきである。
【0008】
本明細書に記載される1以上の実施形態は、高度なRF及び温度の均一性を備えた静電
チャック又は高度なRF及び温度の均一性を備えた静電チャックを含むシステムに関する
。
【0009】
背景を説明すると、エッチング処理の間に温度制御を提供するために、静電的なチャッ
キングによるウェハのクランプが用いられてきた。ウェハは、アプリケーションによって
、セラミックスに、又はヒートシンク又はヒータ(又は両方)を備えた多層表面に固定さ
れる。内在する不均一性及び補助的なハードウェア(例えば、リフターピン、RF/DC
電極など)のために、セラミックス表面の温度は、均一ではない。この不均一性は、ウェ
ハに転移し、エッチングプロセスに影響を及ぼす。従来のチャックの設計は、クーラント
のレイアウトの最適化と複数(最大4ゾーン)のヒータの導入に集中してきた。そのよう
なチャックの設計は、補助的なハードウェア(例えば、リフターピン、RF/DC電極な
ど)に関連する、又はそれに起因する問題を解決するためには役立たなかった。
【0010】
一実施形態では、従来のアプローチによって上記の問題に対処するために、徹底的な温
度均一性を備えた次世代の(4ゾーンを超える)エッチングチャンバのESCが記述され
る。一実施形態では、以下に詳細に説明されるように、本明細書に記載されるチャックは
、Al
2O
3ベースの12インチのパック、最高130℃の温度能力、プラズマによる摂
氏65/65/45度での温度均一性0.5℃以下のうちの1以上を含む熱的要件を達成
することができる。本明細書に記載される実施形態は、動的な温度制御を備えた次世代エ
ッチングチャンバESCを指向することができる。
【0011】
図1〜5A及び5Bは、本発明の様々な実施形態に係る、静電(ESC)構造又はその
部分を示す。
【0012】
図1を参照すると、ESC100は、ウェハ又は基板102を支持するように構成され
る。ESCのフレームワーク104は、例えば、アルミニウムから構成することができる
。プラズマ溶射コーティング層106(例えば、セラミックス層)が、フレームワーク1
04の様々な表面上に含まれる。メインヒータ108が、補助ヒータ110と共に含まれ
る。
【0013】
図2を参照すると、断面図から示されるように、ESC部200は、ウェハ又は基板2
02を支持するように構成される。ウェハ又は基板202を載置することができるセラミ
ックス層204が、複数の抵抗ヒータ要素206上に配置され、例えば、接着層208に
よって適所に保持される。金属ベース210は、複数の抵抗ヒータ要素206を支持し、
RFを通電することができる。
図2に示されるように、オプションのチャック電極212
もまた含むことができる。
【0014】
再び
図2を参照すると、断面図から示されるように、固体セラミックスプレート221
を有するESCの部分220が、ESC内のRF経路222及び224を示すために提供
される。
図2の断面図からまた示されるように、RF経路242が、(240Aとして示
されるように構成することもできる)ESCの部分240B内に更に示される。いくつか
の実施形態では、図示されたESCの部分220、240A及び240Bは、固体セラミ
ックスプレートのみの構成(図示)と共に構成することができる、又は
図5Bに関連して
以下に詳細に説明されるように、固体セラミックスプレートが上部に固着されたプラズマ
溶射コーティング層を含むことができることを理解すべきである。
【0015】
図3を参照すると、ESC300は、断面図から示されるように、ウェハ又は基板302を支持するように構成される。誘電体層304(例えば、プラズマ溶射誘電体層)は、ウェハ又は基板302を載置できるサポートを提供する。開いた領域306は、冷却チャネル(例えば、裏面ヘリウム(He)冷却用)を提供する。誘電体層304は、上部金属部308(例えば、RF波用のガイドを提供可能)の上方に配置される。誘電体層310(例えば、プラズマ溶射又はアーク酸化層)が、
最小単位化された二次元配列構成の複数の抵抗ヒータ312の上方に配置され、上部金属部308によって部分的に囲まれる。更なる誘電体層314が、誘電体層310の下方に配置され、誘電体層314と誘電体層310の間には境界線316が存在する。ビア318が、
最小単位化された二次元配列構成の複数の抵抗ヒータ312をバスバー配電層320に結合するために含まれる。誘電体層322が、バスバー配電層320の下方に配置され、誘電体層314と誘電体層322の間には境界線324が存在する。上記構成が、金属ベース326の上方に配置される。金属ベース326は、高出力ヒータ要素又はブースター328を収容する。
図3に示されるように、溶接された下部プレート330もまた含むことができる。
【0016】
本発明の一実施形態によると、静電チャック(ESC)は、1以上(最高8つ)のメイ
ンヒータを有し、これによってベースラインの温度制御を提供する。温度分布の微調整を
提供するために、多数の補助ヒータが、ESC表面近くに配置される。RFに関連する均
一性を減らすために、すべてのヒータは、同時にRFシールドとRF伝達経路として作用
するアルミニウムケージの内部に配置される。こうして、一実施形態では、改善されたR
F均一性及び/又は改善された温度均一性を備えたエッチング処理が達成可能となる。
【0017】
特定の一実施形態では、本明細書に記載されるチャックは、以下のうちの1以上を含む
温度均一性要件を達成することができる。(1)ヒータレイアウトのための要件:RFカ
ップリング、工程間におけるプロセス温度勾配は、4ゾーンのヒータ設計によって対処さ
れる。(2)ツールマッチングのための要件:従来のESC/シャワーヘッド/端部HW
における微妙な変化は、局所的な熱い/冷たい点をもたらし、もしもこのチャックでない
ならば、マルチアレイの45台から最高169台の等価ヒータが、ツールからツールへの
温度均一性をマッチングさせるために必要となる。
【0018】
一実施形態では、
図3に関連して記述されるESC300は、まず金属ベース326内に高出力ヒータ要素又はブースター328を設置することによって製造することができる。その後、下部プレート330が、所定の位置に溶接される。その後、誘電体層322が、例えば、プラズマ溶射又はアーク陽極酸化のアプローチによって堆積される。その後、金属層が、例えば、スクリーン印刷によって形成され、これによって
最小単位化された二次元配列構成の抵抗ヒータ312に電流を送ることができるバスバー配電層320を提供する。その後、誘電体層314が堆積され、誘電体層324を覆う。その後、ビアホールが誘電体層314内に形成され、バスバー配電層320を露出させる。その後、金属堆積が実行され、これによってビアホールを埋め、ビア318を形成する。あるいはまた、ビア318は、
最小単位化された二次元配列構成の抵抗ヒータ312を形成すると同時に、埋めることができる。その後、誘電体層310が堆積され、上部金属部308の堆積が続く。上部金属部308は、金属ベースの端部を提供するために形成される。その後、誘電体層304が形成され、これによって上述した層の全てを覆う。オプションで、構造は、誘電体層304内へ機械加工され、これによってESC300とのウェハインタフェースを手直しする。
【0019】
図4を参照すると、ESC部400は、断面図から示されるように、ウェハ又は基板を
支持するように構成される。ESC400の上部誘電体層又は構造は、例えば、(例えば
、プラズマ溶射によって)堆積された誘電体層(例えば、Al
2O
3)402Aを含むこ
とによって提供することができる。代替的に、又はこれに追加して、誘電体プレート40
2B(例えばAl
2O
3プレート)を含むことができる。両方のオプションが、
図4に示
される。金属ベース404(例えばアルミニウム(Al)ベース)は、誘電体層402A
及び/又はや誘電体プレート402Bの下に含まれる。スロット406が、金属ベース4
04内に含まれ、これによって断熱層を提供することができる。ケーブルヒータ408は
、金属ベース404内に収容される。金属ベース404は、
図4に示されるように、冷却
ベースへの経路を更に含むことができる。
【0020】
図5Aは、断面図から示されるように、プラズマ溶射構成を強調した、本発明の一実施
形態に係るESC部500Aを示す。ESC部500Aは、プラズマ溶射誘電体層504
を上に配置した金属ベース部502(例えばアルミニウムベース)を含む。プラズマ溶射
層は、誘電体材料(例えば、アルミナ(Al
2O
3)、酸化イットリウム(Y
2O
3)、
又は高機能材料(HPM)を含むが、これらに限定されない)から構成することができる
。多孔質プラグ506は、金属ベース部502内に配置され、(例えば、ヘリウム流によ
る)ウェハ又は基板冷却用経路508を提供する。経路508は、プラズマ溶射誘電体層
504を貫通して配置される。
【0021】
図5Bは、断面図から示されるように、固体セラミックス上部構成を強調した、本発明
の一実施形態に係るESC部500Bを示す。ESC部500Bは、金属ベース部552
(例えばアルミニウムベース)を含む。固体セラミックス上部554(例えば、Al
2O
3プレート)が、金属ベース部552の上方に配置される。一実施形態では、固体セラミ
ックス上部554は、
図5Bに示されるように、プラズマ溶射誘電体層560の上方に配
置される。プラズマ溶射層560は、誘電体材料(例えば、アルミナ(Al
2O
3)、酸
化イットリウム(Y
2O
3),又は高機能材料(HPM)を含むが、これらに限定されな
い)から構成することができる。その実施形態では、固体セラミックス上部554は、接
着層562によってプラズマ溶射誘電体層560に結合することができる。多孔質プラグ
556が、金属ベース部552内に配置され、(例えば、ヘリウム流による)ウェハ又は
基板冷却用経路558を提供する。経路558は、固体セラミックス上部554及びもし
も存在するならばプラズマ溶射誘電体層560を貫通して配置される。
【0022】
一実施形態では、本明細書に記載されるチャックの機械的な態様は、ESC自体、追加
の24〜26のフィルタ用に再設計された陰極アセンブリ、電気的なRFフィルタ、補助
ヒータへの送電を含む。一実施形態では、本明細書に記載されるチャックの交換/スイッ
チングロジックの態様は、既存のハードウェアとのインタフェースを含む。一実施形態で
は、本明細書に記載されるチャックのソフトウェアの態様は、I−4の温度データとのイ
ンタフェース、及び/又は電気サブアセンブリとの通信を含む。一実施形態では、本明細
書に記載されるチャック用のメインヒータは、デュアルゾーンヒータを含む。一実施形態
では、本明細書に記載されるチャック用の出力要件は、補助ヒータによって対処される。
【0023】
一実施形態では、本明細書に記載されるチャックのESCタイプの態様は、クーロン力
の、約92%のアルミナ構成の、薄いセラミックスの、場合によっては交換可能な/消耗
可能な、接地された、RF通電のクランプ電極及び/又はプリントRF電極付きの1以上
の冷却プレートを含む。一実施形態では、最大RF電力の仕様は、最大約2kW及び約1
3.56MHzである。一実施形態では、最大ヘリウム圧の仕様は、約10トールである
。一実施形態では、RF電流の制約は、ピンと電極のインタフェースに対して、1つのピ
ン当たり約20Aに定量化される。一実施形態では、内部/外部のヒータ抵抗は、およそ
90C、130C、25A、160V、150C(内部) 13A、150V、150C
(外部)である。
【0024】
一実施形態では、本明細書に記載されるチャック用の補助ヒータは、およそ45台のヒ
ータ、最高144〜169台(12×12又は13×13構成)を含む。約92%のアル
ミナ、最小局所的な1C加熱、最大4℃加熱、及び45台のヒータでのヒータのための推
定される電力は、ヒータ(4Wの高純度)間の6℃デルタに対して約3Wである。一実施
形態では、フィードバックは、デュアルゾーンメインヒータに対して2台のセンサを含む
。一実施形態では、RFフィルタリングは、平均1台のヒータ当たり3Wに基づき、合計
169台のヒータ(〜168オーム)でDC294V、1.75Aである。一例として、
図6は、本発明の一実施形態に係る電気ブロック
図600である。
図6を参照すると、抵
抗補助ヒータの12×13構成602が、一例として提供される。
【0025】
高度なRF及び温度の均一性を備えた静電チャックは、エッチング用のサンプルの近く
でエッチングプラズマを提供するのに適した処理装置内に含むことができる。例えば、図
7は、本発明の一実施形態に係る、高度なRF及び温度の均一性を備えた静電チャックを
内部に収容することができるシステムを示す。
【0026】
図7を参照すると、プラズマエッチングプロセスを実行するためのシステム700は、
サンプルホルダー704を備えたチャンバ702を含む。排気装置706、ガス入口装置
708、及びプラズマ点火装置710が、チャンバ702に結合される。コンピューティ
ングデバイス712は、プラズマ点火装置710に結合される。システム700は、サン
プルホルダー704に結合された電圧源714と、チャンバ702に結合された検出器7
16を更に含むことができる。コンピューティングデバイス712は、
図7に示されるよ
うに、排気装置706、ガス入口装置708、電圧源714、及び検出器716にも結合
することができる。
【0027】
チャンバ702とサンプルホルダー704は、イオン化されたガス(すなわち、プラズ
マ)を含み、そこから排出されたイオン化ガス又は荷電種の近くにサンプルをもたらすの
に適した反応チャンバ及びサンプル位置決め装置を含むことができる。排気装置706は
、チャンバ702を排気し、減圧させるのに適した装置であることができる。ガス入口装
置708は、チャンバ702内に反応ガスを注入するのに適した装置であることができる
。プラズマ点火装置710は、ガス入口装置708によってチャンバ702内に注入され
た反応ガス由来のプラズマを点火するのに適した装置であることができる。検出装置71
6は、処理操作の終点を検出するのに適した装置であることができる。一実施形態では、
システム700は、アプライドマテリアルズ(商標名)AdvantEdgeシステム上
で使用されるConductorエッチングチャンバ又は関連チャンバと類似又は同じ、
チャンバ702、サンプルホルダー704、排気装置706、ガス入口装置708、プラ
ズマ点火装置710、及び検出器716を含む。
【0028】
本発明の実施形態は、本発明に係るプロセスを実行するように、コンピュータシステム
(又は他の電子デバイス)をプログラミングするために使用することができる命令を内部
に格納したマシン可読媒体を含むことができる、コンピュータプログラム製品、又はソフ
トウェアとして提供することができる。マシン可読媒体は、マシン(例えば、コンピュー
タ)によって読み取り可能な形式で情報を記憶又は伝送する任意の機構を含む。例えば、
マシン可読(例えば、コンピュータ可読)媒体は、マシン(例えば、コンピュータ)で読
み取り可能な記憶媒体(例えば、リードオンリーメモリ(「ROM」)、ランダムアクセ
スメモリ(「RAM」)、磁気ディスク記憶媒体、光記憶媒体、フラッシュメモリデバイ
ス等)、マシン(例えば、コンピュータ)で読み取り可能な伝送媒体(電気的、光学的、
音響的又はその他の形態の伝搬信号(例えば、赤外線信号、デジタル信号等))等を含む
。
【0029】
図8は、本明細書に記載される任意の1以上の方法をマシンに実行させるための命令セ
ットを内部で実行することができるコンピュータシステム800の例示的な形態における
マシンの図表示を示す。代替の実施形態では、マシンは、ローカルエリアネットワーク(
LAN)、イントラネット、エクストラネット、又はインターネット内で他のマシンに接
続(例えば、ネットワーク接続)することができる。マシンは、クライアント−サーバネ
ットワーク環境におけるサーバ又はクライアントマシンの機能で、又はピアツーピア(又
は分散)ネットワーク環境におけるピアマシンとして動作することができる。マシンは、
パーソナルコンピュータ(PC)、タブレットPC、セットトップボックス(STB)、
パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、携帯電話、ウェブアプライアンス、サーバ
、ネットワークルータ、スイッチ又はブリッジ、又はそのマシンによって取られる動作を
特定する命令のセット(シーケンシャル又はそれ以外)を実行することができる任意のマ
シンであることができる。更に、単一のマシンのみが示されているが、用語「マシン」は
また、本明細書内で議論された任意の1以上の方法を実行する命令のセット(又は複数の
セット)を個々に又は共同で実行するマシン(例えば、コンピュータ)の任意の集合を含
むと解釈すべきである。一実施形態では、コンピュータシステム800は、
図7に関連し
て説明されたコンピューティングデバイス712として使用するのに適している。
【0030】
例示的なコンピュータシステム800は、プロセッサ802、メインメモリ804(例
えば、リードオンリーメモリ(ROM)、フラッシュメモリ、ダイナミックランダムアク
セスメモリ(DRAM)(例えば、シンクロナスDRAM(SDRAM)又はラムバスD
RAM(RDRAM)など)、スタティックメモリ806(例えば、フラッシュメモリ、
スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)など)、及び二次メモリ818(例え
ば、データ記憶装置)を含み、これらはバス830を介して互いに通信する。
【0031】
プロセッサ802は、1以上の汎用処理装置(例えば、マイクロプロセッサ、中央処理
装置など)を表す。より具体的には、プロセッサ802は、複合命令セットコンピューテ
ィング(CISC)マイクロプロセッサ、縮小命令セットコンピューティング(RISC
)マイクロプロセッサ、超長命令語(VLIW)マイクロプロセッサ、他の命令セットを
実行するプロセッサ、又は命令セットの組み合わせを実行するプロセッサであることがで
きる。プロセッサ802は、1以上の特殊目的処理装置(例えば、特定用途向け集積回路
(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、デジタル信号プロ
セッサ(DSP)、ネットワークプロセッサなど)であることも可能である。プロセッサ
802は、本明細書で議論された操作を実行するための処理ロジック826を実行するよ
うに構成される。
【0032】
コンピュータシステム800は更に、ネットワークインタフェースデバイス808を含
むことができる。コンピュータシステム800は、ビデオディスプレイユニット810
(例えば、液晶ディスプレイ(LCD)、又は陰極線管(CRT))、英数字入力装置8
12(例えば、キーボード)、カーソル制御装置814(例えば、マウス)、及び信号生
成装置816(例えば、スピーカ)を含むこともできる。
【0033】
二次メモリ818は、本明細書に記載の1以上の方法又は機能の何れかを具現化する1
以上の命令セット(例えば、ソフトウェア822)を格納するマシンアクセス可能な記憶
媒体(又は、より具体的には、コンピュータ可読記憶媒体)831を含むことができる。
ソフトウェア822はまた、コンピュータシステム800、メインメモリ804及びプロ
セッサ802(これらもまたマシン可読記憶媒体を構成している)によるその実行中に、
メインメモリ804内及び/又はプロセッサ802内に、完全に又は少なくとも部分的に
常駐することもできる。ソフトウェア822は更に、ネットワークインタフェースデバイ
ス808を介してネットワーク820上で送信又は受信されることができる。
【0034】
マシンアクセス可能な記憶媒体831は、例示的な一実施形態では単一の媒体であるこ
とが示されているが、用語「マシン可読記憶媒体」は、1以上の命令セットを格納する単
一の媒体又は複数の媒体(例えば、集中型又は分散型データベース、及び/又は関連する
キャッシュ及びサーバ)を含むように解釈されるべきである。用語「マシン可読記憶媒体
」はまた、マシンによる実行用命令セットを格納又はエンコードすることができ、本発明
の1以上の方法の何れかをマシンに実行させる任意の媒体を含むようにも解釈されるべき
である。したがって、用語「マシン可読記憶媒体」は、固体メモリ、光・磁気メディアを
含むが、これらに限定されないように解釈されるべきである。
【0035】
このように、高度なRF及び温度の均一性を備えた静電チャックと、そのような静電チャックを製造する方法が開示された。一実施形態では、高度なRF及び温度の均一性を備えた静電チャック(ESC)は、上部誘電体層を含む。上部金属部が、上部誘電体層の下方に配置される。第2誘電体層が、
最小単位化された二次元配列構成の複数の抵抗ヒータの上方に配置され、上部金属部によって部分的に囲まれる。第3誘電体層が、第2誘電体層の下方に配置され、第3誘電体層と第2誘電体層の間には境界線を有する。複数のビアが、第3誘電体層内に配置される。バスバー配電(バスパワーバー分配)層が、複数のビアの下方に配置され、複数のビアに結合される。複数のビアは、
最小単位化された二次元配列構成の複数の抵抗ヒータをバスバー配電層に電気的に結合する。第4誘電体層が、バスバー配電層の下方に配置され、第4誘電体層と第3誘電体層の間には境界線を有する。金属ベースが、第4誘電体層の下方に配置される。金属ベースは、内部に収容された複数の高出力ヒータ要素を含む。