特許第6293750号(P6293750)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6293750
(24)【登録日】2018年2月23日
(45)【発行日】2018年3月14日
(54)【発明の名称】冷凍調理済み麺類の製造方法
(51)【国際特許分類】
   A23L 7/109 20160101AFI20180305BHJP
【FI】
   A23L7/109 C
   A23L7/109 A
【請求項の数】7
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-522990(P2015-522990)
(86)(22)【出願日】2014年6月20日
(86)【国際出願番号】JP2014066388
(87)【国際公開番号】WO2014203991
(87)【国際公開日】20141224
【審査請求日】2017年1月11日
(31)【優先権主張番号】特願2013-130354(P2013-130354)
(32)【優先日】2013年6月21日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】398012306
【氏名又は名称】日清フーズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000084
【氏名又は名称】特許業務法人アルガ特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100077562
【弁理士】
【氏名又は名称】高野 登志雄
(74)【代理人】
【識別番号】100096736
【弁理士】
【氏名又は名称】中嶋 俊夫
(74)【代理人】
【識別番号】100117156
【弁理士】
【氏名又は名称】村田 正樹
(74)【代理人】
【識別番号】100111028
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 博人
(72)【発明者】
【氏名】小泉 典夫
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 武紀
(72)【発明者】
【氏名】味谷 陽一郎
【審査官】 北田 祐介
(56)【参考文献】
【文献】 特開平09−070272(JP,A)
【文献】 特開平11−266811(JP,A)
【文献】 特開2011−067163(JP,A)
【文献】 特開2004−229570(JP,A)
【文献】 特開2012−157320(JP,A)
【文献】 特開2008−295338(JP,A)
【文献】 特開2002−199852(JP,A)
【文献】 特開2011−062116(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L 7/109−7/113
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/FSTA/WPIDS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
普通小麦粉を70質量%以上含む小麦粉100質量部と、植物性蛋白質0.5〜5質量部とを配合した生地を、60kgf/cm2〜160kgf/cm2の圧力で押出して生中華麺を得ること、
当該生中華麺を調理すること、および
当該調理した中華麺を凍結すること、
を含む冷凍調理済み中華麺の製造方法。
【請求項2】
前記普通小麦粉が準強力粉および中力粉のいずれか一種以上である、請求項記載の方法。
【請求項3】
前記植物性蛋白質がグルテンである、請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
前記生地が、粉原料100質量部と練り水20〜43質量部とを混練して得られた生地である、請求項1〜のいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
前記調理後の中華麺の歩留まりが200〜260質量%である、請求項1〜のいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
前記中華麺の凍結が、前記調理した中華麺をスープまたはソースとともに凍結することを含む、請求項1〜のいずれか1項記載の方法。
【請求項7】
前記中華麺の凍結の前に、前記調理した中華麺をソースとともに調理することをさらに含む、請求項1〜のいずれか1項記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷凍調理済み麺類の製造方法に関する。より詳細には、調理された状態で、冷凍下で長期保存が可能な冷凍調理済み麺類の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年では、冷凍技術の発達により、喫食可能に調理したうどんや中華麺などの麺類を冷凍した冷凍麺類が流通および市販されている。このような冷凍麺類は、長期間の保存が可能になるという利点を有している。さらに、冷凍した調理済み麺類とソースや具材とがセットになった、簡便に調理可能な冷凍食品も市販されている。しかしながら、調理した麺類は、いわゆるのびたような状態となり、弾力が低下して食感が軟らかくなったり、艶がなくくすんだ色の外観となったりすることがあった。または、冷凍保存中に、色が白化して滑らかさを失ったり、硬いが脆く弾力のない食感になったりする、いわゆる冷凍やけを起こすことがあった。
【0003】
麺生地を高圧で押出成形する高圧押出製麺法は、従来、スパゲティやマカロニ等のイタリアンパスタ(本明細書においては、単にパスタと称することがある)の製法として知られている。高圧押出製麺法は、一般的には、乾燥パスタの製造に利用されてきた。すなわち、乾燥パスタは、パスタ生地に高圧をかけて押出製麺した後、乾燥処理することによって製造されている。さらに特許文献1〜3には、パスタ生地を押出成形して得られた生麺線または半乾燥麺線を茹で処理し、冷凍することにより冷凍パスタを製造することが記載されている。一般的なパスタは、硬質の小麦粉であるデュラムセモリナ、デュラム小麦粉などを主原料とするため、比較的歯応えが強く硬い食感を有し、歯切れがよいという特徴がある。乾燥パスタなどの高圧押出製麺されたものは、その特徴がさらに顕著である。
【0004】
これに対し、うどんや中華麺などの麺類は、適度な粘りと弾力を有するものが好まれている。このような食感を提供するため、従来のうどんや中華麺を製造する際には、生地の粘りと弾力を増すため、澱粉の質(硬質、軟質)が適正となるように小麦粉等の原料を厳選したり、原料粉の蛋白質含量を調節したり、またはかんすい、グルテン、澱粉、卵、卵白粉、食塩、ガム類などが添加されることがあった。
【0005】
例えば、特許文献4には、粗タンパク質含量が12重量%以上の小麦粉と、エーテル化またはアセチル化処理タピオカ澱粉と、グルテンから製造したα化麺類を凍結する冷凍麺類の製造方法が記載されている。特許文献5には、小麦粉と、活性グルテンおよび/または卵白と、水との混合物を、減圧押出しして生麺類を製造する方法が記載されている。特許文献6には、小麦粉、澱粉、活性粉末グルテンおよび卵白の混合物に、かん水を加えて混練した後、脱気下にて30kg/cm2以下程度の低圧で麺帯を押出し、さらに圧延して麺線を成形する中華麺の製造方法が記載されている。特許文献7には、デュラムセモリナと澱粉の混合粉にかん水を加えて混練した後、押出成形する中華風麺の製造方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開昭61−141855号公報
【特許文献2】特開平9−70272号公報
【特許文献3】特開2001−346533号公報
【特許文献4】特開平10−042811号公報
【特許文献5】特開2001−245617号公報
【特許文献6】特開平04−252148号公報
【特許文献7】特開昭62−143661号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、冷凍で長期保存が可能で、かつ解凍直後や解凍から時間経過後にも、生のうどんや中華麺などの生麺を調理後直ちに喫食した場合のような、粘りと弾力のある良好な外観と食感とを有する冷凍調理済み麺類を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
従来、うどんや中華麺などの適度な粘りと弾力が求められる麺類は、一般的には、中力粉や準強力粉などから調製された生地を、ロール等で圧延して一定の厚さの麺帯を得た後、切刃によって切断して麺線へと成形することによって製造されていた。これらの麺類を高圧をかけて押出製麺することは、粘りと弾力のある良好な食感が損なわれてしまうため、好ましくないと考えられていた。
【0009】
しかしながら種々の研究の結果、本発明者らは、驚くべきことに、特定量で小麦粉と植物性蛋白質が配合された麺生地を高圧押出製麺した後、調理し、凍結することにより得られた冷凍調理済み麺類が、冷凍で長期保存可能であり、かつ解凍後および解凍後時間が経過しても生のうどんや中華麺などの生麺を調理後直ちに喫食した場合のような、良好な外観と食感を呈することを見出した。
【0010】
すなわち本発明は、普通小麦粉を70質量%以上含む小麦粉100質量部と、植物性蛋白質0.5〜5質量部とを配合した生地を、60kgf/cm2〜160kgf/cm2の圧力で押出して生麺類を得ること、当該生麺類を調理すること、および当該調理した麺類を凍結することを含む冷凍調理済み麺類の製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0011】
本発明の製造方法で得られた冷凍調理済み麺類は、冷凍下で長期保存した後であっても、解凍後には、従来の生うどんや生中華麺などの生麺を調理後直ちに喫食した場合に得られるような、表面が滑らかで変色もない良好な外観と、粘りと弾力のある好ましい食感とを呈することができる。さらに、本発明の製造方法で得られる冷凍調理済み麺類は、ソースとあわせた状態で冷凍保存しても、保存中に麺にソースが染み込むことによる品質低下が防止される。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の冷凍調理済み麺類として提供される麺類は、穀粉を主原料とする原料粉を混練して調製された生地を成形して得られる食品であればよいが、但し、一般的にデュラムセモリナやデュラム小麦粉を主原料とする種類の麺類、例えば、スパゲティ等のロングパスタ、マカロニ等のショートパスタ、ラザニア等の平打ちパスタを含むイタリアンパスタを含まないことが好ましい。例えば、本発明により提供される麺類の種類としては、うどん、冷麦、そうめん、きしめん、そば、沖縄そば、中華麺等の麺線類、だんご等の短い麺、ギョーザ皮等の麺皮類などが好ましい。
【0013】
本明細書において、生麺類とは、麺生地から製造された後、乾燥工程や表面α化処理を経ることなく、喫食可能に調理されるタイプの麺類をいい、乾燥麺、半乾燥麺、および表面スチーム処理や半茹で麺等の半調理麺類とは区別される。
【0014】
本発明の冷凍調理済み麺類の製造方法においては、従来のうどんや中華麺などの製法と比べて麺生地に極めて高い圧力をかけて、生麺類を調製する。例えば、本発明の製造方法においては、生地は、60kgf/cm2〜160kgf/cm2の圧力で押出製麺され得る。この本発明の方法で使用される押出し圧は、乾パスタ製造の際に通常使用されている押出し圧(70〜160kgf/cm2程度)と同等であり、従来の生うどんや生中華麺などの生麺類の製造過程で麺生地に負荷されていた圧力と比べて極めて高い。
【0015】
上記本発明の製造方法において調製される生麺類用の生地は、小麦粉を主原料とし、さらに特定量の植物性蛋白質が配合された粉原料に、練り水を加え混練して得られた生地である。上記粉原料に含まれる小麦粉としては、うどんや中華麺など、上述した本発明により提供される種類の麺類の原料として一般的に使用されているもの、例えば、強力粉、準強力粉、中力粉、薄力粉などの普通小麦(6倍体小麦)の粉が挙げられる。これらの普通小麦粉は、単独でまたは二種以上を混合して用いてもよいが、好ましくは準強力粉および中力粉のいずれか一種以上を含み、より好ましくは中力粉である。
【0016】
上記粉原料中には、上記普通小麦粉以外の小麦粉、例えば、一般にイタリアンパスタ類の製造に用いられるデュラム小麦粉やデュラムセモリナなどが含まれていてもよい。但し、デュラム小麦粉やデュラムセモリナを多く含む麺は食感が硬くなるため、粉原料中のデュラム小麦粉およびデュラムセモリナの含有量は少ないことが望ましく、粉原料中の小麦粉全量に対して、好ましくは30質量%未満、より好ましくは20質量%未満、さらに好ましくは10質量%未満である。なお好ましくは、粉原料中にデュラム小麦粉およびデュラムセモリナは含まれていない。あるいは、粉原料に含まれる小麦粉中における上記普通小麦粉の含有量は、好ましくは70質量%以上、より好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上、なお好ましくは100質量%である。
【0017】
上記粉原料に配合される植物性蛋白質としては、小麦蛋白質、トウモロコシ蛋白質、グルテン、グリアジン、ゼイン、カフィリンなどが挙げられる。これらのうち、グルテンが好ましい。粉原料中における上記植物性蛋白質の含有量は、粉原料中の小麦粉100質量部に対して0.5〜5質量部、好ましくは1〜4質量部、より好ましくは1〜3質量部である。当該植物性蛋白質の含有量が0.5質量部未満の場合、麺類の粘りや弾力が低下することがあるため好ましくない。一方、当該植物性蛋白質の含有量が5質量部を超える場合、麺類が硬くなるためやはり好ましくない。
【0018】
上記粉原料には、上記小麦粉および植物性蛋白質に加えて、うどんや中華麺などの麺類の製造に通常用いられるその他の原料、例えば、澱粉、加工澱粉、糖類、卵、卵白粉、食塩、かんすい、油脂、乳化剤、増粘剤等を配合することができる。粉原料中におけるこれらその他の原料の配合量は、当該粉原料中の小麦粉100質量部に対して0〜30質量部であり得る。
【0019】
上記生麺類用の生地の製造に使用される練り水としては、水、食塩水、かん水など、通常製麺に用いられる水や液体を使用することができる。練り水の添加量は、得られた生地が上述のような高い押出し圧にかけられることを考慮すると、上記粉原料100質量部に対して20〜43質量部が好ましく、23〜40質量部がより好ましく、26〜37質量部がさらに好ましく、29〜34質量部がなお好ましい。練り水の添加量が20質量部未満である場合、押出した麺が脆くなることがあり、一方練り水の添加量が43質量部を超える場合、生地が弱くダメージを受けやすいものとなり、いずれも得られた麺類に所望の外観または食感が付与されないことがある。
【0020】
本発明の製造方法においては、上述の手順で得られた麺生地を高い圧力下で押出製麺することによって、生麺類を得る。すなわち、本発明の製造方法においては、該生地を、例えば60kgf/cm2〜160kgf/cm2、好ましくは80〜140kgf/cm2の圧力で押出製麺して、生麺類を調製すればよい。押出製麺の際の減圧度は−200mmHg〜真空、好ましくは−600mmHg〜真空であり得る。押出製麺は、乾パスタの製造に用いられる押出製麺機等を用いて行うことができる。本発明による生麺類の調製過程においては、上記粉原料と練り水とを混練して得られた生地を押出製麺すればよいので、混練工程と製麺工程はそれぞれ1回でよい。本発明の製造過程においては、製麺後の生地を再度混練したり、製麺後の生地を再度製麺にかけるなどの2回以上の混練工程や製麺工程は必要ない。
【0021】
本発明において、調製される生麺類の形状は特に限定されない。例えば、通常使用される押出製麺機の麺線の押出部に適当な形状の孔を有するダイスを設置して、所望の形状の麺類を押出成形すればよい。
【0022】
次いで、得られた生麺類を、乾燥や表面α化等の工程を経ることなく、そのまま調理して、喫食可能な状態にする。調理の方法としては、生麺類を喫食可能にα化することができる方法であれば制限はなく、蒸し調理、茹で調理、またはそれらの組合せなどが挙げられるが、蒸し調理が好ましい。いずれの場合も、調理後の麺類の歩留まり(調理前の生麺類の質量に対する調理後の麺類の質量)が200〜260質量%程度になるように麺類を調理することが好ましい。例えば、茹で調理では、生麺類を70℃〜沸点の水中で2〜10分間茹でればよく、蒸し調理では、蒸し器を用いて生麺類を5〜15分間蒸せばよい。調理した麺類は、必要に応じて湯切および/または冷却した後、凍結処理に付される。
【0023】
本発明の製造方法における凍結処理は、麺類に対して通常行われる凍結処理を採用することができる。例えば、上記調理した麺類を、必要に応じて所定の分量、例えば、一人分として150〜300gに分けてトレイ等に盛り付けた後、凍結処理に付すのが好ましい。凍結処理は急速冷凍、緩慢冷凍いずれも採用できるが、急速冷凍が好ましい。一旦急速冷凍で凍結させた後は、通常の冷凍保存条件で保存すればよい。
【0024】
上記凍結処理では、調理した麺類は、スープ、ソース等の調味料や具材とともに凍結されてもよい。例えば、上述のように調理した麺類を容器に取り分け、ソース、スープ、具材などを加えた後、凍結させてもよく、または調理した麺類にソースや具材などを混ぜた後、容器に入れて凍結させてもよい。ソースとしては、麺類用のスープやソースとして使用できるものであればいずれの種類を用いてもよく、例えば、ラーメンスープ、うどんスープ、そばつゆ、焼きそば用ソース、あん、ウスターソース、カレーソース、クリームソース、オイルソース、塩だれ、醤油だれ、味噌だれなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0025】
本発明の製造方法においては、上記調理した麺類を、上記凍結処理に付す前にさらに調理してもよい。このさらなる調理としては、加熱した鉄板やフライパンなどを用いて、好適には油脂とともに、麺類を加熱する調理が好ましく、例えば、焼き調理、ソテー調理、炒め調理、揚げ焼き調理などが挙げられる。このさらなる調理により、麺類にソテーの香ばしい風味が付与されるとともに、麺の表面が締まってより弾力ある食感になる。上記さらなる調理の際には、上述したソースとともに麺類を調理してもよい。麺類とソースをともに調理することで、麺類にソースの風味をさらに付与することができる。
【0026】
本発明の製造方法に従って製造された冷凍調理済み麺類は、従来の生うどんや生中華麺などの生麺を茹でて冷凍した冷凍麺類と比べて、冷凍耐性が向上しており、長期間冷凍保存した後でも外観および食感が良好に保たれている。したがって、本発明の冷凍調理済み麺類は、解凍または再加熱後にも、生のうどんや中華麺などの生麺類を茹でた後直ちに喫食した場合に得られるような、表面が滑らかで変色もない良好な外観と、粘りと弾力のある好ましい食感とを呈することができる。また、本発明の製造方法に従って製造された冷凍調理済み麺類においては、当該スープやソースの吸収により生じる麺類の食感や外観の低下が防止されるので、スープやソースなどとともに長期間冷凍保存した場合でも良好な品質を維持することができる。
【実施例】
【0027】
以下、実施例を挙げて、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例にのみ限定されるものではない。
【0028】
(製造例1〜8)
中力粉(ナンバーワン:日清製粉株式会社)100質量部に対して、グルテン(スーパーグル85H:日本コロイド株式会社)、かんすいおよび水を表1記載の量で加え、ミキサーで減圧下にて混合し、混練して麺生地を調製した。該生地を、製麺機を用いて、−600mmHgの減圧条件下、表1記載の圧力条件で押出製麺し、生中華麺(直径2mmの円形断面)を得た。
得られた各生麺を、庫内温度約101℃に設定した蒸し庫で、歩留まり220質量%になるように蒸し調理(約7分)した。調理した麺の粗熱をとり、100gごとに小分けして−25℃以下で急速凍結した後、個別に食品用包装袋に包装して冷凍調理済み中華麺を得た。
【0029】
(製造例9)
製造例1と同様の手順で麺生地を得た。この麺生地を常法によりロール圧延後、切刃で切り出し、生中華麺(直径2mmの円形断面)を得た。得られた生麺を、製造例1と同様の手順で蒸し調理、凍結、および包装して冷凍調理済み中華麺を得た。
【0030】
(試験例1)
製造例1〜9の各冷凍調理済み中華麺を、−18℃で1週間保存後、電子レンジで加熱解凍(600W、4分)した。解凍直後の麺の外観と食感を評価した。さらに解凍後の麺をラップして室温(25℃)で6時間放置した後、外観と食感を評価した。評価は、10名のパネルにより表2の評価基準で行い、平均点を求めた。結果を表1に示す。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】
(製造例10〜17)
製造例1〜8と同様の手順で生中華麺を製造し、蒸し調理した。各調理済み中華麺を一旦冷却した後、刻んだニンジン、キャベツ、豚肉およびソースとともに炒め調理して、焼きそばを製造した。製造した各焼きそばの粗熱をとり、麺重量として100gごとに小分けして−25℃以下で急速凍結した後、個別に食品用包装袋に包装して冷凍調理済み焼きそばを得た。
【0034】
(製造例18)
製造例9と同様の配合と製法で生中華麺を製造し、蒸し調理した。得られた調理済み中華麺から製造例10と同様の手順で焼きそばを製造し、凍結、および包装して冷凍調理済み焼きそばを得た。
【0035】
(試験例2)
製造例10〜18の各冷凍調理済み焼きそばを、試験例1と同様の手順で、但し表4の評価基準に基づいて、電子レンジで加熱解凍直後および解凍から6時間経過後の外観と食感を評価した。結果を表3に示す。
【0036】
【表3】
【0037】
【表4】
【0038】
(製造例19〜23)
生中華麺を蒸し調理する際の歩留まりを表5のように変更した以外は、製造例14と同様の手順で冷凍調理済み焼きそばを製造した。
【0039】
(試験例3)
製造例19〜23の各冷凍調理済み焼きそばを、試験例2と同様の手順で評価した。結果を表5に示す。なお、表5には製造例14の結果を再掲する。
【0040】
【表5】
【0041】
(製造例24〜28)
麺生地へのグルテンの添加量を表6のように変更した以外は、製造例14と同様の手順で冷凍調理済み焼きそばを製造した。
【0042】
(試験例3)
製造例24〜28の各冷凍調理済み焼きそばを、試験例2と同様の手順で評価した。結果を表6に示す。なお、表6には製造例14の結果を再掲する。
【0043】
【表6】