【課題を解決するための手段】
【0008】
これらの課題は、請求項1、32又は35の特徴を備える投影レンズ、請求項29の特徴を備えるフィルム素子及び請求項37の特徴を備える投影レンズの製造方法により解決される。
【0009】
有利な発展形態は、従属請求項により特定される。全ての請求項の表現は、明細書の内容を参照して組み入れられている。
【0010】
フィルム素子の第1層及び第2層は各々特定の機能を有し、定義された通りに投影ビーム光線上に作用する。投影ビーム光線は、波面のプロフィールをあらかじめ定義可能な方法で変更するために通過する。好適には、波面のプロフィール又は形状がこの場合変更され、投影ビーム路に層が存在する場合に、像面における像形成につながる波面が、波面(所望の波面)の所望のプロフィールに、層が存在しない場合よりも近づく。波面は従って、層を経由する放射線により修正される。
【0011】
各層(第1層及び第2層)は、波面修正において、求めらるか又は所望の第1機能、及び必然的に同様に存在するであろう第2機能を有し、双方のケースにおいて、第1層及び第2層の材料として選択された材料に各々起因する。材料は、特に材料の複素屈折率又は複素屈折率を決定する光学定数に基づいて決定される。
【0012】
材料の複素屈折率nは、実部(1-δ)及び虚部iβの合計として、n = (1-δ) + iβにより描写可能である。この表記において、無次元のパラメータδは、屈折率nの実部の値1からの逸脱を表す。無次元のパラメータβは、本出願において吸収係数を表す。
【0013】
第1層材料の場合では、第1屈折率の実部は値1から、吸収係数よりも大きく逸脱する。その場合、一般的にこれらの2つの値の間の差を可及的に大きくすべきである(即ちδ
1 >>β
1)。その結果、第1層材料は通過する投影ビーム光線の位相又は位相遅れに対して比較的大きな影響を有し、同時に強度は比較的僅かに吸収されるのみである。この場合、位相遅れ及び吸収の範囲は、対応する放射線貫通位置にあり、第1層厚のプロフィールにより定義される(局所的)な層厚に比例する。第1層は、通過する放射線の位相に対して、位置依存的な比較的大きな影響を有し、同時に吸収は、比較的僅かに、同様に局所的に影響を受けるのみであるため、第1層の(所望の)第1機能は、位置依存的な位相遅れを導入することであり、一方(不可避の)第2機能は、通過する放射線の強度に対して位置依存的に僅かに影響を及ぼすことである。その第1機能のために、第1層は今後「波面修正層」と呼称する。
【0014】
第1屈折率の実部の値1からの逸脱と吸収係数の間の反対関係が、第2層材料の場合に存在する。ここで吸収係数は、逸脱(即ちδ
2<<β
2)に関して可及的に大きいものとする。第2層の第1機能は、通過する放射線の強度を位置依存的に減衰させることである。その場合、減衰の範囲は第2層厚のプロフィールの経過により調整可能である。(不可避の)第2機能として、第2層も又、通過する放射線の位相に対して一定の影響を有することがある。しかし、第2屈折率の実部の値1からの逸脱が比較的小さいため、この影響は比較的小さい。第2層の主たる機能のために、第2層は今後「伝導修正層」と呼称する。
【0015】
瞳面の領域で作用する位置依存的な伝導修正は、ここでは「アポダイゼーション」とも呼称する。従って「アポダイゼーション」という用語は、投影レンズの瞳面における、位置依存的な強度減衰又は位置依存的な伝導損失を意味する。
【0016】
対照的に、瞳面に対してフーリエ変換された視野面の領域において位置依存的な伝導を修正することは、主として像視野における照明の同質性又は視野の均一性に影響する。
【0017】
製造中、及び/又は第1層及び/又は第2層の後の処理の間、第1及び第2層厚を目的に従って制御すると、第1層と第2層の組み合わせにより、位置依存的な所望の方法で、通過するビームの波面のプロフィールを修正可能である。その場合、同時に強度減衰の局所プロフィールも、目的通りに設定可能である。従って、第1層と第2層を組み合わせた場合、1つの層は各ケースにおいて、もう1つの層の不所望な第2機能を少なくとも部分的に補償可能であり、必然的に制御不能な位置依存的な伝導損失を導入することなく、層の組み合わせと共に波面の修正を導入可能である。
【0018】
第1層及び第2層の層厚(及び必要に応じて、フィルム素子の1つ以上のフィルム更なる層)は、この場合全てを合わせても非常に薄いため、光学的使用領域において、層に衝突するEUV線の主たる部分、即ち少なくとも50%のEUV線が層を介して伝導される。
【0019】
フィルムベースの波面修正装置は(少なくとも1つの)第1層及び(少なくとも1つの)第2層を有し、第1層及び第2層は上述のように設計され、投影レンズのミラーに加えて、光学的な活性層を投影ビーム路に導入する。活性層は、不可避の小さい伝導損失を導入するが、同時に投影放射線の波面に、目的通りの位置依存的な干渉を引き起こす。波面修正は、投影レンズのミラーの位置及び/又は表面形状を変更する必要なく実行可能である。波面修正装置により、元来の据え付け及び調整の後に寿命効果を修正可能である。
【0020】
フィルム技術を使用した結果、いくつかの実施形態においては、フィルム素子は、光学的使用領域全体に衝突するEUV線に対して、少なくとも70%の透過率を有する。この場合、実際に得ることが可能な透過率は、主として照射される全体の厚み、及び内部で使用された層材料に依存し、フィルムの機械的安定性を危険な状態にすることなく、任意に低減可能である。しかし、光学的使用領域全体において、透過率が80%を超える、又は85%を超える実施形態も又可能である。通常、透過率は90%を超えることはない。なぜなら、層厚が極めて薄いと、そのためにフィルムの安定性に対し、重大な影響を与える可能性があるためである。
【0021】
更にフィルム素子の透過率は、少なくとも、実行される波面修正のピークバレー値によっては影響されない。通常ピークバレー値が大きいと、少なくとも1つの視野点において位相効果がより大きく変化する。これにより、上述のように第2機能として、前記視野点における伝導挙動の変化の増大が誘発される。
【0022】
伝導された放射線の偏波状態に実質的に影響を及ぼすことなく、所望の波面修正を確実に実行するために、好ましい実施形態によれば、フィルム素子又は少なくとも一枚のフィルムが、投影ビームの全体の放射線が光学的使用領域上に20度未満、好適には10度未満の入射角で入射するよう配置され、従ってフィルム素子又は少なくとも一枚のフィルムが、フィルムの通常の方向に対して垂直若しくは略垂直、または比較的小さな角度で通過する。その結果、偏波選択的効果を、ほぼ避けることができる。
【0023】
フィルム素子は、投影ビーム路で所望の修正効果に対して、異なる位置に配置可能である。いくつかの実施形態においては、投影レンズにおいて、少なくとも1つの瞳面は、物体面と像面との間にあり、フィルム素子は瞳面に、又は瞳面に対して光学的に近接して配置される。こうした配置を、今後「瞳に対する近接配置」と呼称する。フィルム素子はその場合、物体面及び結像面の位置に対して実質的にフーリエ変換された位置に配置される。瞳に対する近接配置の場合、物体視野から入射する投影ビームの全ての光線は、投影レンズの特定の光線角度で、光学的使用領域内部の実質的に同一の局所領域でフィルム素子上に当たる。これは、全ての物体視野点に対して、物体視野の物体視野点の位置とは無関係にあてはまる。従って、フィルム素子を瞳面に又は瞳面に近接して配置することにより、全ての視野点に亘る波面に共通のオフセットが修正可能となる。
【0024】
フィルム素子を物体面又は像面に光学的に近接して配置することも又可能である。中間像面が物体面と像面との間にある場合には、フィルム素子は又、中間像面に又は中間像面に光学的に近接させて配置可能である。物体面、像面、又は必要に応じて中間像面に光学的に近接する位置は、「視野に対する近接配置」又は視野面に対する近接配置と呼称する。視野に対する近接配置の場合、フィルム素子を光学的使用領域内部の異なる位置に配置すると、異なる視野点において挙動が異なり、必要に応じて、波面の収差の視野プロフィールを修正可能である。
【0025】
視野面と光学的に近接するフィルム素子は、例えば物体面と第1ミラーとの間の領域に配置可能である。
【0026】
例として、サブ開口率SVは、光学素子又はビーム路の面の位置を定量化するために使用可能である。
【0027】
明確な定義に従って、投影ビーム路の光学素子の光学的表面のサブ開口率SAは、サブ開口直径D
SAと光学的に自由な直径D
SAとの間の比率としてSA:= D
SA/D
CAに従って定義される。サブ開口直径D
SAは、所定の視野から発せられるビーム光線により照明される光学素子の部分的表面の最大直径として与えられる。光学的に自由な直径D
CAは、光学素子の基準軸周りの最少円の直径である。その場合円は、物体視野から来る全ての光線により照明される光学素子の表面領域を含んでいる。
【0028】
従って視野面(例えば物体面又は像面)において、SV = 0が当てはまる。瞳面では、SV=1が当てはまる。従って、「視野に近接する」面は、0に近いサブ開口率を有し、一方「瞳に近接する」面は、1に近いサブ開口率を有する。一般的に、瞳に近接して配置されたフィルム素子の場合、サブ開口率は好適には、0.5と1、特に0.7と1との間の範囲である。視野に近接して配置されたフィルム素子の場合、サブ開口率は好適には、0と0.5との間に、特に0と0.3との間の範囲となる。
【0029】
第1層及び第2層の相対的配置については、多様な可能性がある。
【0030】
第1層は第2層に対して、放射線がまず第1を通過し、その後に第2層を通過するよう配置可能である。反対の配置も又可能である。
【0031】
第1層及び第2層の双方に対応する多層フィルムを有するフィルム素子を提供可能である。この場合、第1層及び第2層は同一の多層フィルムに位置しており、その結果、層の相対的方向及び局所的な割り当てが特に精密となる。更に、共通の多層フィルムに統合するため、両層が同一の多層フィルムの機械的安定性に貢献し、伝導損失が特に小さく保てるという利点がもたらされる。
【0032】
1つを上回るフィルムを提供することも可能であり、その場合、第1層は第1フィルムに、第2層は第2フィルムに取り付けられ、第2フィルムは物理的に第1フィルムと分離する。この変形形態により、特に、第1層厚プロフィール及び第2層厚プロフィールを互いに独立して製造可能であり、必要に応じて、実質的に変更してより単純化が可能であるという利点がもたらされる。両フィルムの1つまたは双方は、多層フィルムとして具体化可能である。
【0033】
必要に応じて、フィルム素子は又単層フィルムを備えることが可能である。その場合、フィルムはもっぱら第1層又は第2層により形成される。こうした単層フィルムは、不均一性の層厚を有する。その場合層厚は、同時に全体のフィルム厚となる。単層フィルムは、更なる単層フィルム(それぞれ他の層材料で構成される)又は多層フィルムと組み合わせ可能である。
【0034】
雰囲気又は雰囲気による作動又は汚染と接触した結果、厳密な意味での元来の単層フィルムは多層フィルムとなる。好適には、層の表面上に、例えば単一フィルム層を重ねた材料の酸化生成物のような異なる材料が、薄く領域的又は点状に堆積する。更に可能な追加層としては、フィルム層が雰囲気と接触した結果生じる炭素付着物、又は揮発性金属水素化物から構成される付着物がある。それは又、多層フィルムと周囲の大気との間のインターフェイスに関しても同様である。
【0035】
放射線が通過する第1層及び第2層に互いに割り当てられた領域に関して、所望の局所的な割り当てが精度を十分とするためには、第1多層フィルムと第2多層フィルム(又は単層フィルム)との間の光学的及び/又は幾何的間隔を非常に小さくすることが有利である。
【0036】
幾何学的間隔は、一般的に10センチメートル未満、特に1センチメートル未満とすべきである。数ミリメートルから1ミリメートル、必要に応じてそれを下回る範囲の間隔が有利となり得る。
【0037】
光学的間隔は、好適には第1及び第2層(多層フィルム又は単層フィルム)の領域において、サブ開口率が実質的に同一又は非常に類似しており、両多層フィルムが光学的視点から見て、実質的に同一の投影光線を「見る」よう選択される。
【0038】
特に、第1及び第2フィルムのサブ開口率は、互いに0.05未満、又は0.01未満で逸脱することとする。
【0039】
原則的に、もし第2フィルムが光学的に第1フィルムに近接する場合、又は第2フィルムが、第1フィルムの位置に対して光学的に共益関係にある位置で、第1フィルムから間隔をおいて配置される場合が有利である。投影レンズの場合には、中間像は物体面と像面との間に生成される。例えば、第1フィルムを、物体面と中間像との間の第1瞳表面の領域に配置し、第2フィルムを、中間像と像面との間の第2瞳表面の領域に配置することが可能である。
【0040】
一方いくつかのケースにおいては、フィルム素子を瞳に又は瞳に近接して位置させること、及び更なるフィルム素子を視野に又は視野に近接して位置させることも有利である。その結果、視野において一定及び視野において変化する波面の障害を修正可能である。
【0041】
第1層材料及び第2層材料の材料選択のために、以下に述べる考察は個々に又は組み合わせて有用である。
【0042】
例えば、第1層材料及び第2層材料のために効率比V
i = δ
i/β
iを定義することが役立つ可能性がある。効率比率は、層の各第1機能のための層材料の、適合性を質的に測定するものである。第1層材料の場合、第1効率比、V
1=δ
1/β
1は1を上回るものとし、好適には5を上回り、理想的には10を上回るものとする。そうした層材料は、同時に伝導損失の位置依存性が比較的小さい、所望の波面輪郭を得るために特に効果的である。対照的に、第2効率比、V
2=δ
2/β
2は1未満である。その場合、0.6未満の値、又は更に0.2未満の値が得に有利とみなされる。この場合、比較的層厚により依存する、位置依存的な強度減衰は、波面に対して影響を小さくして得ることが可能である。
【0043】
有利な実施形態においては、いわば各効率比の比率であるV
1/V
2の比率は、2を上回る。好適には、この比率は10を上回り、理想的には20を上回るものとする。可能な限りV
1/V
2 > 50を当てはめることが可能である。これらの状態が当てはまる場合、各層材料はその要求(伝導損失を小さくして波面を修正する、又は波面に対する影響を小さくして伝導を修正する)に特に良好に適合している。従って、望ましい機能を得るための絶対的層厚を小さく保つことが可能であり、その結果今度は、総合的な伝導が比較的高い値を達成可能である。
【0044】
適正な材料の組み合わせは、特に作動波長に依存する。作動波長は、5 nm乃至20 nmの波長範囲が好適である。
【0045】
7 nm乃至20 nmの波長範囲からの作動波長、特に約13.5 nm周辺の波長を得るためには、第1層材料を以下の群から選ぶことが好適である。ルテニウム(Ru)、ジルコニウム(Zr)、モリブデン(Mo)、ニオブ(Nb)、クロム(Cr)、ベリリウム(Be)、金(Au)、イットリウム(Y)、ケイ酸イットリウム(Y
5Si
3)、ケイ酸ジルコニウム(ZrSi
2)、又は主として、特に少なくとも90%の範囲まで、これらの材料の1つからなる材料組成。
【0046】
第2層材料は、ケイ素(Si)及びゲルマニウム(Ge)からなる群より選ばれるか、又は主として(例えば少なくとも90%の範囲まで)これらの材料の1つからなる材料組成より選ばれることが好適である。
【0047】
もし約6 nmと約7 nmとの間の範囲の作動波長が使用された場合、第1層に適した材料としては、例えば以下が挙げられる。NbOB
4C, NbO
2, Nb
2O
5, RuO
4, MoO
2, Rh
2O
3, C, Te, In, Ba, Sn, RuO
2, MoO
3, La。及び第2層材料としては、材料Y又はRb、又は主として(例えば少なくとも90%の範囲まで)これらの材料の1つからなる材料組成。
【0048】
総合的な伝導に関しては、前記総合的な伝導が、実行される波面修正の範囲に依存することを又考慮すべきである。例えば、モリブデン(Mo)が第1層の材料として使用された場合、波面PV値の1 nmの修正は、約7.5 %の伝導変化及びそれに対応する伝導損失と共に「購入」される。波面収差がより小さく修正される場合、その際には対応してより小さな層厚で十分であり、その結果伝導変化及び伝導損失もまた小さくなる。
【0049】
第1層厚を局所的に変更することで得られる波面修正の範囲は、特にいわゆるPV比率に依存する。PV比率は、光学的使用領域の第1光学層厚の、最大局所値と最少局所値の間の比率である。好適な実施形態においては、前記PV比率は2乃至6の範囲とする。PV比率が2を顕著に下回った場合、通常比較的僅かに波面が修正されるのみである。そのため、必要とされる労力と、結果として得ることが可能な利益とは、互いの関連性において算出されるべきである。対照的に、PV比率が6を顕著に上回った場合、通常最大の局所的層厚が非常に大きくなり、それに伴って伝導損失が限界となる可能性がある。
【0050】
第2層の層厚を変化させることに関して、対応して考察を行うことが有用であるかもしれない。この場合でも、PV比率は好適には2乃至6の範囲とする。第2層材料として例えばケイ素が使用された場合、達成可能な伝導修正と導入される伝導損失との間で良好に妥協を図るためには、約20 nmと約70 nmとの間の層厚で十分である場合が多い。
【0051】
双方のケースにおいて、PV比率の計算は材料依存性の最少層厚に依存し、最少層厚はアンダーショートされないこととする。
【0052】
第2層厚のプロフィールが第1層厚のプロフィールに対して相補的である実施形態は、特に得策である。この場合「相補的」との用語は、厳密に数学的意味で理解されるべきではなく、むしろ、第1層及び第2層が互いに反対の局所的な層厚分布を有する傾向にあることが好適である、との意味で理解されるべきである。特に、第2層厚のプロフィールが、第1層が第1層厚の局所的最少厚を有する位置で最大層厚を有するような状態が可能である。伝導修正層は従って、関連する波面修正層が「バレー」を有する位置で「ピーク」を有することが好適である。その結果、第1層により導入される伝導損失の位置依存的な変化が、少なくとも部分的に、第2層厚を用いた波面修正層により補償可能であるという光学的効果が達成される。限定的なケースにおいてこのことは、第1及び第2層を備えるフィルム素子の伝導損失が、光学的使用領域全体に亘って実質的に均一であり、位置依存的に変化する波面修正のみが残る、ということを意味することが可能である。相補的な層厚プロフィールの結果、更にフィルム素子の総合的な厚みが光学的使用領域において、比較的僅かにのみ変化し、ほぼ均一なフィルム厚が達成される。このことは、特に機械的安定性にとり有利となり得る。
【0053】
いくつかのケースにおいては、投影レンズの伝導にある程度の変動、例えば0.1%、さもなくば1%、又更に10%の変動を有することが許容可能である。この変動範囲は、局所的変化をより少なくして伝導修正層を提供するために使用可能である。これは、伝導修正層が、修正プロフィールが比較的劣った材料(例えばSi)である場合に、有利となり得る。
【0054】
波面修正の有効性に関して、第1層及び第2層の層厚が、フィルムが最大波面変化の領域において、作動波長の少なくとも3%の波面変化を引き起こすよう設計されている場合、更に有効となり得る。13.4 nmの作動波長に対しては、これは例えば約0.4 nmの最小波面修正に対応するであろう。
【0055】
伝導変化を可及的に小さくして波面修正を効果的に達成するために、多くの実施形態においては、第2層厚を光学的使用領域における少なくとも1つの位置で、作動波長よりも大きくして提供している。この特徴により特に、波面修正用に提供された層システムは、既知の多層ミラー層と明確に区別可能である。既知の多層ミラー層においては、個々の層の層厚は一般的に作動波長のフラクションに過ぎず、例えば1/4波長層のケースが挙げられる。
【0056】
一般的に、ここで考慮されているフィルムのタイプは、第1フィルム表面、第2フィルム表面、及び第1と第2フィルム表面との間で測定された1μm未満のフィルム厚を有する。その場合、フィルム厚は好適には200 nm以下、特に100 nm以下とする。30 nm以下、又は更に25 nm以下のフィルム厚の場合、多層フィルムの機械的安定性に関して問題が生じる可能性がある。200 nmと25 nmとの間の範囲のフィルム厚であれば、一方の機械的安定性と、他方で許容可能な伝導損失を伴う十分に大きな波面修正との間で、良好に妥協を図ることができる。
【0057】
ここで考慮されているフィルムのタイプは、一般的に長期使用のために提供されるものであり、光学的機能は比較的長期間(必要に応じて数年間)に亘ってほぼ不変である。いくつかの実施形態においては、フィルムは少なくともの1つのフィルム表面において、保護層材料からなる外側の保護層を有する。保護層材料は、保護層直近の内側の層よりも周囲の影響に対する耐性が強い。保護層材料として適切であるのは、例えばルテニウム(Ru)又はロジウム(Rh)があり、これらは時に、EUV範囲用の多層ミラーにおけるいわゆる「キャップ層」としても使用される。炭素(C)、イリジウム(Ir)及びケイ素(Si)も又、保護層に適している。保護層が主として酸化物又は窒化物、特にSi
3N
4(窒化ケイ素)からなる場合が得策となり得る。こうした材料はルテニウム又はロジウムに対して吸収性が低く、伝導損失を小さく保つことができる。好適には、両フィルム表面は、外側の保護層を備える。保護層は、外側層の酸化物又は窒化物により形成可能である。
【0058】
多くのケースにおいて、多層フィルムが個々の層の個数を可及的に少なく抑え、伝導損失及び界面効果を小さく保持可能であることが有利である。好適な実施形態においては、多層フィルムは単一の第1層のみ、及び/又は単一の第2層のみを備える。その結果、所望の光学的機能を、可能な限り最高の伝導と共に確保可能である。
【0059】
多層フィルムが、作動波長に対して反射低減効果を有する少なくとも1つの反射防止層を備えることが有利となり得る。その結果、伝導を改善可能である。反射防止層は、例えば作動波長の半分の桁の光学的層厚を有することが可能である。反射防止層は、例えば第1層及び/又は第2層の直近に備えることができる。
【0060】
代替的又は追加的に、多層フィルムは1つ以上の機能層を備えることが可能であり、機能層は追加機能を提供する。例えば、1つのフィルタ層(又は複数のフィルタ層)を1つのフィルム表面又は両フィルム表面に備え、それほど所望されない波長を投影放射線から低減する又は取り除いてもよい。フィルタ層は、多層格子又は回折格子を備えることが可能である。
【0061】
第1及び第2層は、互いに直近して配置可能である。少なくとも1つの中間層を第1層と第2層との間に配置することも又可能である。中間層は、例えば反射防止層とすることが可能である。第1及び第2層材料に応じて、中間層として拡散バリア層を挿入することも又有利である。拡散バリア層は、例えばC, B4C, SixNy, SiC, Mo2C, MoSi2, Y
5Si
3 又はNb4Si、又はこれらの材料の1つを有する組成物からなる。拡散バリア層は、反射防止層としても設計可能である。
【0062】
多層フィルムは、2つ以上の個々の層を備える。ここで考慮されている多層フィルムのタイプは、一般的に、投影ビーム路で可能な限り小さい伝導損失を起こすことを意図している。従って多くのケースにおいて、多層フィルムが第1層及び第2層に加えて、10層を下回る更なる層を備える場合が有利である。多層フィルムは個々の層を、例えば5層と9層との間で備えることが可能である。
【0063】
第1層及び/又は第2層は、製造に使用するコーティング方法の結果として、略均質の層構造を有することが可能である。多くのケースにおいて第1層及び/又は第2層は、主として又は完全に非晶質層構造を有する。安定性のための理由により、層材料の結晶化を防止するための特別の方法を使用することが得策であろう。このために、第1層及び/又は第2層を異質な層構造で構成することが特に得策であろう。第1層がモリブデンベースである場合、特に、要求される層厚により第1層に内側の層構造を導入することが得策であろう。内側の層構造においては、モリブデンよりなる比較的厚い部分層が、結晶化ストップ層により分離される。結晶化ストップ層は部分層と比較して非常に薄く、実質的に光学的機能を有さない。いくつかの実施形態においては、結晶化ストップ層の層厚は1 nm未満とし、一方隣接するモリブデン部分層の層厚は、2倍、5倍又は10倍を上回る厚さとすることが可能である。層厚の設計において、結晶化ストップ層及び基材層の因果的連鎖の結果である反射効果が発生しないよう、減衰を与えるべきである。これは、例えば個々の部分層が不均一の層厚を有すること、及び/又は境界層間の光学的間隔が、λ/4の倍数から著しく逸脱することにより達成可能である。
【0064】
フィルム素子又は光学的使用領域のサイズは、各取り付け位置において影響を受ける投影ビームの断面に対して適合させることが可能である。いくつかの実施形態においては、光学的使用領域は50 nm以上の最小直径を有する。特に最小直径は、100 nm以上、又は120 nm以上、又は150 nm以上とすることが可能である。このように使用された直径が比較的大きいことにより、特に、投影レンズのビーム路の瞳面の領域に適用可能となる。
【0065】
フィルム素子の機械的安定性を、長時間に亘って確保するために、いくつかの実施形態により、格子状の支承構造を有するフィルム素子が提供される。格子状の支承構造は、光学的使用領域において多層フィルムと接触し、多層フィルムを安定させる。格子状の支承構造は、例えばハニカム構造を有する。ハニカム構造は、六角形又は他の多角形の開口(例えば三角形、四辺形、正方形、長方形の開口)を形成する支柱を有する。開口の直径は、1 mm未満の桁、例えば300 μm未満、及び/又は100 μmと200 μmとの間とすることが可能である。
【0066】
ハニカム構造のような安定構造をエンボス可能によりフィルム上に生成してもよく、安定支承部分がフィルム材料からなる。
【0067】
ハニカム状の支承構造を有するフィルム素子は、米国特許第7,639,418号明細書から既知であり、例えば投影露光装置のEUV光源の領域における「スペクトル純度フィルタ」として、この明細書内で使用されている。米国特許第7,982,854号明細書は、比較的薄い偏波ビームを開示する。偏波ビームは素子をフィルム形状に分割し、フィルム形状は有孔性支承構造を備え、機械的に安定可能である。これらの偏波光学素子は、偏波選択的効果を達成するためにビーム路で斜めに配置される。
【0068】
代替的又は追加的に、フィルム素子の熱的安定性を特定の方法で改善してもよい。いくつかの実施形態においては、EUV線にさらされるフィルム素子の領域からの熱消散を向上させるために、光学的使用領域において多層フィルムと接触する格子状の支承構造を、フィルム材料の熱伝導性よりも顕著に大きな熱伝導性を有する材料製としてもよい。格子状構造又はその支柱は、例えば以下の金属材料製及び/又は炭素ベース材料としてもよい。銅(Cu)、ニッケル(Ni)、グラフェン又はカーボンナノチューブ(CNT)又はそれらの組み合わせを、熱伝導性格子を形成するために使用してもよい。格子のサイズ及び形状は、上述と類似してもよい。
【0069】
投影レンズで使用するために、フィルムが光学的使用領域で自立支承するようフィルム(単層フィルム又は多層フィルム)を支承するフレームを有するフィルム素子を提供することが好適である。全てのフレーム素子は、従って光学的使用領域の外側にあり、その結果、結像を妨げることがない。
【0070】
好適な実施形態においては、投影レンズのミラーを取り外すことなく、フィルム素子は投影ビーム路内部へ合体可能、又は格子から取り外し可能である。その結果、フィルム素子による波面修正のための労力を、特に低く抑えることが可能である。これは、投影レンズが、ミラーを投影ビーム路のミラーの位置に保持するための支承構造を有し、フィルム素子が、支承構造に対して可動な可変ホルダ上に配置されているという事実により構造的に達成可能である。フィルム素子は、可変ホルダを移動させることにより、投影ビーム路に又は投影ビーム路の外側に光学的に配置可能である。その結果、後に要求される元来の調整及びメンテナンス作業が、必要に応じて特に簡素化される。投影レンズ上に、計画された取り付け位置の各々に関して、フィルム素子を投影レンズのビーム路に配置するための、対応するアクセスシャフトが備えられる。
【0071】
フィルム素子が交換可能であることは、複数の方法において有用である。交換可能なフィルム素子を、選択的に投影ビーム路の内部に持ち込むか、又は取り去ってもよい。第1フィルム素子を、第1フィルム素子とは異なる効果を有する第2フィルム素子と交換してもよい。その結果、投影レンズの結像特性を特定のアプリケーションのための要求に従って変更してもよい。場合によっては、これはミラーの位置及び/又は形を変えないで達成されるかもしれない。投影レンズは、異なるフィルム素子のセットを備えてもよい。エンドユーザはこうしたフィルム素子を使用し、投影レンズの結像特性を必要とされる特定の使用ケースに適合させる。例えば、特定パターンを適切に結像するために、フィルム素子は照明系に設定された照明装置に応じて交換してもよい。
【0072】
フィルム素子(フィルム及びフィルムを支承するフレームを備える)は、別のフィルム素子に交換してもよい。この別のフィルム素子は、一般的には同一タイプのフレームを備えるが、異なるフィルムを備える。代替的に、フィルム素子を含む交換可能ホルダを、フィルム素子を備えるか、又は備えない別の交換可能ホルダに交換してもよい。
【0073】
第1及び第2層の層厚の局所プロフィールに関しては、フィルム素子の全域に亘って十分な伝導が確保されている限り、基本的な制限はない。従って、回転対称的な層厚プロフィール、又は放射状に対称的な層厚プロフィール、又は層厚が使用波において横方向に傾斜することも可能である。従って、必要に応じて特に系統的な収差を修正可能である。
【0074】
しかし好適な実施形態において、フィルム素子は投影レンズにおける残存収差を修正するために使用され、好適な実施形態において、層厚プロフィールは一般的に、高次のゼルニケ関数を重ね合わせることにより、近似的にのみ描写可能である。この関数は一般的に、投影レンズにおいてランダムに生成される変動に依存して発生する。一般的に、例えば第1層は、光学使用領域において、鏡面対称性、放射状対称性又は回転対称性のいずれをも有さない層厚プロフィールを備える。
【0075】
全ての適切な製造方法は、層厚プロフィール又は局所的に異なる層厚を有する層を製造するために使用可能である。非均一な層厚は、適切な方法を実施して層を製造しているコーティング法の間に、例えばコーティング粒子の材料流を局所的に異なる範囲で作り出すのに適したマスキング法を使用して製造可能である。すでに製造された層を再加工し、その結果層厚プロフィールを変更することも又可能である。例えば、局所的に異なる範囲で材料を取り除くことは、イオンアシスト材料除去(IBF:イオンビームフィギュアリング)により可能である。これは、例えば所望の、必要に応じて非対称的な層厚プロフィールを、第1層、及び/又は均一な厚さのスタート層、又は回転対称的な層厚プロフィールを有するスタート層から続く第2層に対して製造するためである。
【0076】
少なくとも1つの波面修正フィルムを使用して投影レンズを製造する際に、例えば以下のステップを適用可能である。まず、投影レンズ用に備えられた結像ミラーは、ミラー表面が投影ビーム路で物体面と像面との間に位置するよう、支持機構に配置され、結像が物体面と像面との間で実行可能である。更に、少なくとも1つのフィルムの要素は投影ビーム路の内部で既定の取り付け位置に、例えば瞳面の光学的近傍に取り付けられる。
【0077】
投影レンズ上ではそれから、まず通常の通常の調節操作が行われる。通常の調節操作には、例えば個々のミラーの剛体移動が行われ、及び/又はマニピュレータに支承された個々のミラーの変形が行われる。これらの調節操作によって、生成された波面を所望の仕様に可及的に近づける試みが可能になる。この場合、投影レンズの波面収差は、必要に応じて測定値により繰り返して決定される。例えば、この目的のために干渉測定を使用可能である。
【0078】
この第1調節段階の後にも、一般的には投影レンズに残存収差がある。この残存収差はもはや修正不可能であるか、又はミラー上で操作する著しい労力によってのみ修正可能である。
【0079】
測定された波面収差に基づいて、その後、投影ビーム路で、(少なくとも1つの)フィルム素子が位置している修正位置に関して、位置依存的な波面修正が、測定された波面収差から計算される。
【0080】
要求される波面修正は、その後、第1層及び/又は第2層の層厚プロフィールを、所望の波面修正を得るべく変更する方法を計算するために使用される。
【0081】
この後に、第1層及び第2層のための所望の層プロフィールを備えたフィルム素子の完成が続く。材料除去方法及び/又は材料確定方法を、この場合使用可能である。
【0082】
この後に、変更された(処理された)フィルム素子の新たな取り付け、及び今や修正されたフィルム素子を含む投影レンズの波面収差を更に決定するステップが続く。フィルム素子を処理するプロセス及びそれに続く測定は、投影レンジに適合したフィルム素子を含む投影レンズが既定の仕様となるまで、必要に応じて繰り返すことが可能である。
【0083】
フィルム素子を段階的(反復的)に完成させる一つの可能性として、1つのみの支承層又は複数の支承層、及び第1層をまず施すことがあり、これは、所望の波面修正に著しく貢献する。この後に、フィルム素子と共に取り付け及び測定が続き、それに基づいて、後に施される第2層の光学的効果を考慮し、目的とする第1層のための層厚プロフィールが計算される。
【0084】
その後、第1層は局所的に異なるよう処理、例えばイオン照射(イオンビームフィギュアリング)により、所望の第1層厚プロフィールが得られるよう処理される。計算された局所的に変化する層厚を有する第2層が、それから施される。従って、更に完成度の高まったフィルム素子が与えられた位置に再度取り付けられ、フィルム素子が所望の波面修正を行うか確認するために、更なる測定が行われる。測定が望むものでなければ、可能性のある残存収差を除去するために、更なる材料除去処理を、今度は第2層に対して実行可能である。必要に応じて、このステップは繰り返し可能である。その後、第1層及び第2層が共に所望の光学的効果を有する場合、必要に応じて、例えば外側の保護層等の更なる層を、フィルム素子を完成させるために施すことが可能である。
【0085】
代替的に、第1層が施された未処理の層スタック原料から開始することも可能である。この場合、一方の側にイオン照射(イオンビームフィギュアリング、IBF)することからアクセス可能であり、第2層は別の側(一般的には第1層の反対側)からイオン照射することからアクセス可能である。その結果、1つの側から、1つの層で所望の層表面を得るために、1つ以上の処理ループが実行可能である。もう一方の側から、もう一方の層で所望の層表面を得るために、1つ以上の処理ループが同様に実行可能である。
【0086】
フィルム素子はそれから、備えられた取り付け位置に取り付けられ、フィルム素子を装備した投影レンズは、容認可能とみなされる非常に小さな残存収差のみを有する。
【0087】
容認測定は、例えば好適には投影ビーム路のフィルム素子と共に実行可能である。適切に表面処理された修正素子(フィルム素子)を製造するための測定は、すでに取り付けられた(及び例えば交換可能な)フィルム素子と共に、又はそうしたフィルム素子無しで、又は表面処理されていない、一定の層厚を有するフィルム素子と共に実行可能である。
【0088】
本発明は又、以下のステップを含むマイクロリソグラフィ投影露光装置の投影レンズの製造方法に関する。
多数のミラーを与えられた位置に取り付けるステップであって、ミラー表面を投影ビーム路で物体面と像面との間に配置し、物体面に配置されたパターンが、ミラーにより像面内に結像可能であるステップと、
投影レンズの波面収差を決定するステップと、
取り付け位置のために、投影レンズの波面収差から位置依存的な波面修正を計算するステップと、
フィルム素子を処理するステップであって、フィルム素子を取り付けられた位置で投影ビーム路内に挿入する場合、波面修正はフィルム素子の影響を受けるステップと、
処理されたフィルム素子を、取り付け位置に取り付けるステップ。
【0089】
従ってこの場合、投影レンズはまずフィルム素子無しで測定される。
【0090】
本方法は又、波面収差の決定に先立ち、フィルム素子を投影ビーム路内部の既定の取り付け位置に取り付け、波面収差の決定後、フィルム素子を投影ビーム路から取り除き、それから処理されるよう実行することも可能である。
【0091】
本願明細書中に記載された1つ又は複数の箔素子は、EUV線を使用した反射マスク(レチクル)部分を検査するための光学マスク検査システム用に設計されるか、又は検査システム内に合体された投影レンズにおいて波面に影響を与えるために使用可能である。マイクロリソグラフィ用投影露光装置での使用のために設計された投影レンズが、一般的に縮小型光学結像システムである一方で、マスク検査システムでの使用のために設計された投影レンズは、拡大型光学結像システムであり、物体よりも大きな像を生成する。米国特許出願公開第2012/140454号明細書は、マスク検査システムでの使用のために設計された、拡大型の投影レンズの例を開示している。このレンズに、本開示による1つ以上の箔素子を装備することが可能である。箔素子は、永久的に取り付けても、又は交換可能としてもよい。本明細書中の「投影レンズ」という用語は、拡大型光学結像系及び縮小型光学結像系の双方を含むものとする。
【0092】
上記及び下記の特徴は、請求項のみでなく明細書中の記載及び図面から明らかである。個々の特徴は各ケースにおいて、個々の特徴により又は複数の特徴を部分的に組み合わせた形状で、本発明の実施形態及び他の分野において実行可能である。個々の特徴は、有利な実施形態及び本質的に保護可能な実施形態を構成可能である。本発明の代表的な実施形態を、以下の図面をもとに詳述する。