【文献】
BELLASSOUED, Moncev, et al.,Journal of Organometallic Chemistry,1975年,93,9-14
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
下記一般式(9)で示される化合物に塩基又は1A族金属、2A族金属、2B族金属から選ばれる金属を作用させて金属エノラート試薬を調製し、このエノラート試薬と下記一般式(8)で示されるアシロキシケトンを反応させることを特徴とする下記一般式(1)で示される単量体の製造方法。
【化1】
(式中、R
1は水素原子、メチル基、又はトリフルオロメチル基を示す。R
2は水素原子、又はヘテロ原子を含んでもよい炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状の1価炭化水素基を示す。R
3及びR
4はそれぞれ独立に水素原子、又はヘテロ原子を含んでもよい炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状の1価炭化水素基を示す。R
3、R
4は互いに結合してこれらが結合する炭素原子と共に環を形成してもよい。R
5及びR
6はそれぞれ独立に水素原子、又はヘテロ原子を含んでもよい炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状の1価炭化水素基を示す。R
5、R
6は互いに結合してこれらが結合する炭素原子と共に環を形成してもよい。R
7及びR
8はそれぞれ独立に水素原子、又はヘテロ原子を含んでもよい炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状の1価炭化水素基を示す。R
7、R
8は互いに結合してこれらが結合する炭素原子と共に環を形成してもよい。X
1はエーテル基、エステル基、ラクトン環又はヒドロキシ基を有していてもよい炭素数1〜10のアルキレン基、又は炭素数6〜10のアリーレン基を示す。mは0又は1を示す。m=0の場合、R
2とR
5又はR
6は互いに結合してこれらが結合する炭素原子と共に環を形成してもよい。m=1の場合、R
2とR
7又はR
8は互いに結合してこれらが結合する炭素原子と共に環を形成してもよい。k
1は0又は1を示す。X
cは水素原子又はハロゲン原子を示す。R
aは炭素数1〜10の直鎖状又は分岐状の1価炭化水素基を示す。)
下記一般式(9)で示される化合物に塩基又は1A族金属、2A族金属、2B族金属から選ばれる金属を作用させて金属エノラート試薬を調製し、このエノラート試薬と下記一般式(8)で示されるアシロキシケトンを反応させて下記一般式(12)で示される中間体を調製・単離した後、ラクトン化を行うことを特徴とする下記一般式(1)で示される単量体の製造方法。
【化2】
(式中、R
1は水素原子、メチル基、又はトリフルオロメチル基を示す。R
2は水素原子、又はヘテロ原子を含んでもよい炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状の1価炭化水素基を示す。R
3及びR
4はそれぞれ独立に水素原子、又はヘテロ原子を含んでもよい炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状の1価炭化水素基を示す。R
3、R
4は互いに結合してこれらが結合する炭素原子と共に環を形成してもよい。R
5及びR
6はそれぞれ独立に水素原子、又はヘテロ原子を含んでもよい炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状の1価炭化水素基を示す。R
5、R
6は互いに結合してこれらが結合する炭素原子と共に環を形成してもよい。R
7及びR
8はそれぞれ独立に水素原子、又はヘテロ原子を含んでもよい炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状の1価炭化水素基を示す。R
7、R
8は互いに結合してこれらが結合する炭素原子と共に環を形成してもよい。X
1はエーテル基、エステル基、ラクトン環又はヒドロキシ基を有していてもよい炭素数1〜10のアルキレン基、又は炭素数6〜10のアリーレン基を示す。mは0又は1を示す。m=0の場合、R
2とR
5又はR
6は互いに結合してこれらが結合する炭素原子と共に環を形成してもよい。m=1の場合、R
2とR
7又はR
8は互いに結合してこれらが結合する炭素原子と共に環を形成してもよい。k
1は0又は1を示す。X
cは水素原子又はハロゲン原子を示す。R
aは炭素数1〜10の直鎖状又は分岐状の1価炭化水素基を示す。)
【背景技術】
【0002】
LSIの高集積化と高速度化に伴い、パターンルールの微細化が急速に進んでいる。特にフラッシュメモリー市場の拡大と記憶容量の増大化が微細化を牽引している。最先端の微細化技術としては、ArFリソグラフィーによる65nmノードのデバイスの量産が行われており、次世代のArF液浸リソグラフィーによる45nmノードの量産準備が進行中である。次世代の32nmノードとしては、水よりも高屈折率の液体と高屈折率レンズ、高屈折率レジスト膜を組み合わせた超高NAレンズによる液浸リソグラフィー、波長13.5nmの真空紫外光(EUV)リソグラフィー、ArFリソグラフィーの2重露光(ダブルパターニングリソグラフィー)などが候補であり、検討が進められている。
【0003】
近年、アルカリ現像によるポジティブトーンレジストと共に有機溶剤現像によるネガティブトーンレジストも脚光を浴びている。ポジティブトーンでは達成できない非常に微細なホールパターンをネガティブトーンの露光で解像するために、解像性の高いポジ型レジスト組成物を用いた有機溶剤現像でネガパターンを形成するのである。更に、アルカリ現像と有機溶剤現像の2回の現像を組み合わせることにより、2倍の解像力を得る検討も進められている。
有機溶剤によるネガティブトーン現像用のArFレジスト材料としては、従来型のポジ型ArFレジスト材料を用いることができ、特許文献1〜6(特開2008−281974号公報、特開2008−281975号公報、特開2008−281980号公報、特開2009−53657号公報、特開2009−25707号公報、特開2009−25723号公報)にパターン形成方法が示されている。
【0004】
これらの提案において、ヒドロキシアダマンタンメタクリレートを共重合、ノルボルナンラクトンメタクリレートを共重合、あるいはカルボキシル基、スルホ基、フェノール基、チオール基等の酸性基を2種以上の酸不安定基で置換したメタクリレート、環状の酸安定基エステルを有するメタクリレートを共重合した有機溶剤現像用レジスト材料及びこれを用いたパターン形成方法が提案されている。
カルボキシル基を酸不安定基で保護したエステル単位は、現在の化学増幅型レジスト材料のベース樹脂の主要な構成単位の一つであるが、特許第4631297号公報(特許文献7)では、ヒドロキシアダマンタンメタクリレートの水酸基が第三級アルキル基で保護された単位を含有するポジ型レジストが提案されている。また、特開2011−197339号公報(特許文献8)には、水酸基がアセタールや第三級エーテルとして保護された基のみを酸不安定単位として含有するベース樹脂を用いて有機溶剤現像を行い、ネガティブパターンを形成する例も報告されている。
【0005】
これら酸不安定基を有する重合単位は、現在の化学増幅型レジスト材料のベース樹脂の構成単位として重要なものであるが、密着性基を有する重合単位も溶解コントラストや酸拡散の抑制等の観点から高解像度のパターンを形成する上で重要なものである。この重合単位としては例えば、ブチロラクトン骨格、バレロラクトン骨格、ノルボルナンラクトン骨格、シクロヘキサンラクトン骨格等のラクトン単位、及びスルトン単位を有するメタアクリル化合物が挙げられる。中でも、5員環ラクトンであるブチロラクトン骨格を持つ密着性単位が主に用いられており、α−メタアクリロイルオキシ−γ−ブチロラクトン骨格とβ−メタアクリロイルオキシ−γ−ブチロラクトン骨格が検討されている。
国際公開第2013−183380号(特許文献9)や特開2001−33971号公報(特許文献10)では、ラクトン環上に置換基を持つβ−メタアクリロイルオキシ−γ−ブチロラクトン単位の製法や、レジスト材料としての使用が検討されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述のβ−(メタ)アクリロイルオキシ−γ−ブチロラクトン単位は、レジスト材料のベース樹脂の構成単位として幅広く適用されているが、その工業的な製造には化合物の安定性や使用原料の取り扱い難さ、処理の困難さ、コストの高さ、また特殊な反応設備が必要等の問題がある。そのため、β−(メタ)アクリロイルオキシ−γ−ブチロラクトン類を安定かつ大量に工業的に製造する方法が求められる。
【0008】
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、アルカリ現像だけでなく、有機溶剤現像においても溶解コントラスト、酸拡散制御、低ラフネスなどの諸特性に優れた性能を有するフォトレジスト材料のベース樹脂用の密着性単位として有用な単量体の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、(メタ)アクリロイルオキシ基の転位を伴う反応を利用することで、β−ヒドロキシラクトンやβ−ハロラクトン等の中間体を経由することなく、また特殊な設備を必要とせず、短工程かつ高収率でβ−(メタ)アクリロイルオキシ−γ−ブチロラクトン類及びβ−(メタ)アクリロイルオキシ−γ−バレロラクトン類を製造することが可能な製造方法を見出した。
【0010】
更に、本発明の単量体を用いて製造された高分子化合物をレジスト材料のベース樹脂の密着性単位として用いることで、従来のアルカリ現像液によるポジ型のパターン形成に有用であるだけでなく、有機溶剤現像におけるポジネガ反転の画像形成において、パターン倒れに強く、高溶解コントラスト、酸拡散制御、低ラフネスなどのレジスト性能が向上することを見出した。
【0011】
即ち、本発明は下記の単量体の製造方法を提供する。
〔1〕
下記一般式(9)で示される化合物に塩基又は1A族金属、2A族金属、2B族金属から選ばれる金属を作用させて金属エノラート試薬を調製し、このエノラート試薬と下記一般式(8)で示されるアシロキシケトンを反応させることを特徴とする下記一般式(1)で示される単量体の製造方法。
【化1】
(式中、R
1は水素原子、メチル基、又はトリフルオロメチル基を示す。R
2は水素原子、又はヘテロ原子を含んでもよい炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状の1価炭化水素基を示す。R
3及びR
4はそれぞれ独立に水素原子、又はヘテロ原子を含んでもよい炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状の1価炭化水素基を示す。R
3、R
4は互いに結合してこれらが結合する炭素原子と共に環を形成してもよい。R
5及びR
6はそれぞれ独立に水素原子、又はヘテロ原子を含んでもよい炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状の1価炭化水素基を示す。R
5、R
6は互いに結合してこれらが結合する炭素原子と共に環を形成してもよい。R
7及びR
8はそれぞれ独立に水素原子、又はヘテロ原子を含んでもよい炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状の1価炭化水素基を示す。R
7、R
8は互いに結合してこれらが結合する炭素原子と共に環を形成してもよい。X
1はエーテル基、エステル基、ラクトン環又はヒドロキシ基を有していてもよい炭素数1〜10のアルキレン基、又は炭素数6〜10のアリーレン基を示す。mは0又は1を示す。m=0の場合、R
2とR
5又はR
6は互いに結合してこれらが結合する炭素原子と共に環を形成してもよい。m=1の場合、R
2とR
7又はR
8は互いに結合してこれらが結合する炭素原子と共に環を形成してもよい。k
1は0又は1を示す。X
cは水素原子又はハロゲン原子を示す。R
aは炭素数1〜10の直鎖状又は分岐状の1価炭化水素基を示す。)
〔2〕
下記一般式(9)で示される化合物に塩基又は1A族金属、2A族金属、2B族金属から選ばれる金属を作用させて金属エノラート試薬を調製し、このエノラート試薬と下記一般式(8)で示されるアシロキシケトンを反応させて下記一般式(12)で示される中間体を調製・単離した後、ラクトン化を行うことを特徴とする下記一般式(1)で示される単量体の製造方法。
【化2】
(式中、R
1は水素原子、メチル基、又はトリフルオロメチル基を示す。R
2は水素原子、又はヘテロ原子を含んでもよい炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状の1価炭化水素基を示す。R
3及びR
4はそれぞれ独立に水素原子、又はヘテロ原子を含んでもよい炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状の1価炭化水素基を示す。R
3、R
4は互いに結合してこれらが結合する炭素原子と共に環を形成してもよい。R
5及びR
6はそれぞれ独立に水素原子、又はヘテロ原子を含んでもよい炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状の1価炭化水素基を示す。R
5、R
6は互いに結合してこれらが結合する炭素原子と共に環を形成してもよい。R
7及びR
8はそれぞれ独立に水素原子、又はヘテロ原子を含んでもよい炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状の1価炭化水素基を示す。R
7、R
8は互いに結合してこれらが結合する炭素原子と共に環を形成してもよい。X
1はエーテル基、エステル基、ラクトン環又はヒドロキシ基を有していてもよい炭素数1〜10のアルキレン基、又は炭素数6〜10のアリーレン基を示す。mは0又は1を示す。m=0の場合、R
2とR
5又はR
6は互いに結合してこれらが結合する炭素原子と共に環を形成してもよい。m=1の場合、R
2とR
7又はR
8は互いに結合してこれらが結合する炭素原子と共に環を形成してもよい。k
1は0又は1を示す。X
cは水素原子又はハロゲン原子を示す。R
aは炭素数1〜10の直鎖状又は分岐状の1価炭化水素基を示す。)
〔3〕
式(8)で示されるアシロキシケトンが、下記一般式(4)で示されるハロケトン化合物と下記一般式(5)で示されるカルボン酸塩化合物との反応によって製造される〔1〕又は〔2〕に記載の単量体の製造方法。
【化3】
(式中、R
1、R
2、R
5、R
6、R
7、R
8、X
1、m、k
1は上記の通り、X
aはハロゲン原子、M
aはLi、Na、K、Mg
1/2、Ca
1/2又は置換もしくは非置換のアンモニウムを示す。)
〔4〕
式(8)で示されるアシロキシケトンが、下記一般式(6)で示されるアルコール化合物と下記一般式(7)で示されるエステル化剤との反応によって製造される〔1〕又は〔2〕に記載の単量体の製造方法。
【化4】
[式中、R
1、R
2、R
5、R
6、R
7、R
8、X
1、m、k
1は上記の通り、X
bはハロゲン原子、水酸基又は−OR
bを示す。R
bはメチル基、エチル基又は下記式(11)
【化5】
(式中、R
1、X
1、k
1は上記の通り、破線は結合手を示す。)
を示す。]
【発明の効果】
【0012】
本発明の単量体は、機能性材料、医薬・農薬等の原料として有用であり、中でも波長500nm以下、特に波長300nm以下の放射線に対して優れた透明性を有し、現像特性の良好な感放射線レジスト材料のベース樹脂を製造するための単量体として非常に有用である。また、本発明の単量体を用いて製造した高分子化合物を感放射線レジスト材料のベース樹脂として用いた場合、従来のアルカリ現像によるポジ型のパターン形成のみならず、有機溶剤現像におけるポジネガ反転の画像形成において、パターン倒れに強く、高溶解コントラスト、酸拡散制御、低ラフネスなどのレジスト性能が向上する。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を詳細に説明する。なお、以下の説明中、化学式で表される構造によっては不斉炭素が存在し、エナンチオ異性体(enantiomer)やジアステレオ異性体(diastereomer)が存在し得るものがあるが、その場合は一つの式でそれらの異性体を代表して表す。それらの異性体は単独で用いてもよいし、混合物として用いてもよい。
【0014】
まず、本発明の製造方法によって得られる単量体について説明すると、本発明に係る単量体は、下記一般式(1)で示されるものである。
【化6】
(式中、R
1は水素原子、メチル基、又はトリフルオロメチル基を示す。R
2は水素原子、又はヘテロ原子を含んでもよい炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状の1価炭化水素基を示す。R
3及びR
4はそれぞれ独立に水素原子、又はヘテロ原子を含んでもよい炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状の1価炭化水素基を示す。R
3、R
4は互いに結合してこれらが結合する炭素原子と共に環を形成してもよい。R
5及びR
6はそれぞれ独立に水素原子、又はヘテロ原子を含んでもよい炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状の1価炭化水素基を示す。R
5、R
6は互いに結合してこれらが結合する炭素原子と共に環を形成してもよい。R
7及びR
8はそれぞれ独立に水素原子、又はヘテロ原子を含んでもよい炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状の1価炭化水素基を示す。R
7、R
8は互いに結合してこれらが結合する炭素原子と共に環を形成してもよい。X
1はエーテル基、エステル基、ラクトン環又はヒドロキシ基を有していてもよい炭素数1〜10のアルキレン基、又は炭素数6〜10のアリーレン基を示す。mは0又は1を示す。m=0の場合、R
2とR
5又はR
6は互いに結合してこれらが結合する炭素原子と共に環を形成してもよい。m=1の場合、R
2とR
7又はR
8は互いに結合してこれらが結合する炭素原子と共に環を形成してもよい。k
1は0又は1を示す。)
【0015】
式中、R
2〜R
8の炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状の1価炭化水素基としては、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、2−エチルヘキシル基、n−オクチル基、ノルボルニル基、トリシクロデカニル基、アダマンチル基等の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、ビニル基、アリル基、エチニル基、プルパギル基等のアルケニル基やアルキニル基、フェニル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基等のアラルキル基を挙げることができる。
また、ヘテロ原子を含んでもよい1価炭化水素基の場合、ヘテロ原子としては、窒素原子、酸素原子、硫黄原子等が挙げられ、ヘテロ原子を含む1価炭化水素基としては、具体的に下記のものが例示される。
【0017】
式中、R
3とR
4、R
5とR
6、R
7とR
8が結合して環を形成する場合、具体的には下記のものを例示することができる。
【化8】
ここで、破線は結合手を示す(以下、同様)。
【0018】
式中、X
1で示されるエーテル基、エステル基、ラクトン環又はヒドロキシ基を有していてもよい炭素数1〜10のアルキレン基、又は炭素数6〜10のアリーレン基として、具体的には下記のものを例示することができる。
【化9】
【0019】
上記一般式(1)で示される単量体は、下記に例示することができる。
【化10】
(式中、R
1は前記と同様である。)
【0020】
【化11】
(式中、R
1は前記と同様である。)
【0021】
【化12】
(式中、R
1は前記と同様である。)
【0022】
【化13】
(式中、R
1は前記と同様である。)
【0023】
【化14】
(式中、R
1は前記と同様である。)
【0024】
【化15】
(式中、R
1は前記と同様である。)
【0025】
【化16】
(式中、R
1は前記と同様である。)
【0026】
以下、本発明の上記一般式(1)の単量体の製造方法について説明すると、本発明の第1の製造方法は、下記一般式(9)で示される化合物に塩基又は1A族金属、2A族金属、2B族金属から選ばれる金属を作用させて金属エノラート試薬を調製し、このエノラート試薬と下記一般式(8)で示されるアシロキシケトンを反応させる方法である。
【化17】
(式中、R
1〜R
8、X
1、k
1、mは上記の通りである。X
cは水素原子又はハロゲン原子を示す。R
aは炭素数1〜10の直鎖状又は分岐状の1価炭化水素基を示す。)
【0027】
また、第2の製造方法は、上記一般式(9)で示される化合物に塩基又は1A族金属、2A族金属、2B族金属から選ばれる金属を作用させて金属エノラート試薬を調製し、このエノラート試薬と上記一般式(8)で示されるアシロキシケトンを反応させて下記一般式(12)で示される中間体を調製・単離した後、ラクトン化を行う方法である。
【化18】
(式中、R
1〜R
8、X
1、k
1、m、R
aは上記の通りである。)
【0028】
更に詳述すると、本発明の一般式(1)で示される単量体は、下記反応式に示したスキームにより得ることができる。
【化19】
[式中、R
1〜R
8、X
1、k
1、mは前記と同様である。X
aはハロゲン原子を示す。X
bはハロゲン原子、水酸基又は−OR
bを示す。R
bはメチル基、エチル基又は下記式(11)
【化20】
(式中、R
1、X
1及びk
1は前記と同様である。破線は結合手を示す。)
を示す。X
cは水素原子又はハロゲン原子を示す。M
aはLi、Na、K、Mg
1/2、Ca
1/2又は置換もしくは非置換のアンモニウムを示す。M
bは金属を示す。R
aは炭素数1〜10の直鎖状又は分岐状の1価炭化水素基を示す。]
【0029】
上記反応式で示した本発明の単量体の製造方法について以下に詳述する。
ステップ(i)は、ハロケトン化合物(4)とカルボン酸塩化合物(5)との反応により環化前駆体化合物(8)に導く工程である。
【0030】
反応は、常法に従って行うことができる。カルボン酸塩化合物(5)としては、各種カルボン酸金属塩などの市販のカルボン酸塩化合物をそのまま用いてもよいし、メタクリル酸、アクリル酸等の対応するカルボン酸と塩基により反応系内でカルボン酸塩化合物を調製して用いてもよい。カルボン酸塩化合物(5)の使用量は、原料であるハロケトン化合物(4)1モルに対し0.5〜10モル、特に1.0〜3.0モルとすることが好ましい。0.5モル未満の使用では原料が大量に残存するため収率が大幅に低下する場合があり、10モルを超える使用では使用原料費の増加、釜収率の低下などによりコスト面で不利となる場合がある。対応するカルボン酸と塩基より反応系内でカルボン酸塩化合物を調製する場合に用いることができる塩基としては、例えば、アンモニア、トリエチルアミン、ピリジン、ルチジン、コリジン、N,N−ジメチルアニリンなどのアミン類;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化テトラメチルアンモニウムなどの水酸化物類;炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウムなどの炭酸塩類;ナトリウムなどの金属類;水素化ナトリウムなどの金属水素化物;ナトリウムメトキシド、カリウム−tert−ブトキシドなどの金属アルコキシド類;ブチルリチウム、臭化エチルマグネシウムなどの有機金属類;リチウムジイソプロピルアミドなどの金属アミド類から選択して単独あるいは2種以上を混合して用いることができる。塩基の使用量は、対応するカルボン酸1モルに対し0.2〜10モル、特に0.5〜2.0モルとすることが好ましい。0.2モル未満の使用では大量のカルボン酸が無駄になるためコスト面で不利になる場合があり、10モルを超える使用では副反応の増加により収率が大幅に低下する場合がある。
【0031】
上記ステップ(i)で示される反応に用いられる溶媒としてはトルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタンなどの炭化水素類;塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロエタンなどの塩素系溶媒;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジブチルエーテルなどのエーテル類;アセトン、2−ブタノンなどのケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類;アセトニトリルなどのニトリル類;メタノール、エタノールなどのアルコール類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシドなどの非プロトン性極性溶媒;水から選択して単独あるいは2種以上を混合して用いることができる。反応には、触媒として、硫酸水素テトラブチルアンモニウムなどの相間移動触媒を添加してもよい。その場合の相間移動触媒の添加量は原料であるハロケトン化合物(4)1モルに対し0.0001〜1.0モル、特に0.001〜0.5モルとすることが好ましい。0.0001モル未満の使用では添加効果が得られない場合があり、1.0モルを超える使用では触媒費の増加によりコスト面で不利となる場合がある。
【0032】
上記エステル化反応の反応温度は−70℃から使用する溶媒の沸点程度が好ましく、反応条件により適切な反応温度を選べるが、通常0℃から使用する溶媒の沸点程度が特に好ましい。反応温度が高くなると副反応が顕著になる場合があるため、現実的速度で反応が進行する範囲のなるべく低温で反応を行うことが高収率を達成するために重要である。上記反応の反応時間は収率向上のため薄層クロマトグラフィー、ガスクロマトグラフィーなどにより反応の進行を追跡して決定することが好ましいが、通常30分〜40時間程度である。反応混合物から通常の水系後処理(aqueous work−up)により環化前駆体化合物(8)を得ることができ、必要があれば蒸留、再結晶、クロマトグラフィー等の常法に従って精製することができる。
【0033】
ステップ(ii)は、アルコール化合物(6)とエステル化剤(7)との反応により環化前駆体化合物(8)へ導く工程である。
【0034】
反応は公知の方法により容易に進行するが、エステル化剤(7)としては、酸クロリド{式(7)において、X
bが塩素原子の場合}又はカルボン酸無水物{式(7)において、X
bが−OR
bであり、R
bが下記式(11)の場合}
【化21】
(式中、R
1、X
1、k
1は上記の通り、破線は結合手を示す。)
が好ましい。酸クロリドを用いる場合は、無溶媒あるいは塩化メチレン、アセトニトリル、トルエン、ヘキサン等の溶媒中、アルコール化合物(6)、メタクリル酸クロリド、メタクリロイルオキシ酢酸クロリド等の対応する酸クロリド、トリエチルアミン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン等の塩基を順次又は同時に加え、必要に応じ、冷却あるいは加熱するなどして行うのがよい。酸クロリドの使用量は、アルコール化合物(6)1モルに対して0.5〜10モル、特に1.0〜3.0モルとすることが好ましく、塩基の使用量は、アルコール化合物(6)1モルに対して0.5モル以上であり、溶媒としても使用でき、特に1.0〜5.0モルとすることが好ましい。また、カルボン酸無水物を用いる場合は、トルエン、ヘキサン等の溶媒中、アルコール化合物(6)とメタクリル酸無水物、メタクリロイルオキシ酢酸無水物等の対応するカルボン酸無水物を好ましくはアルコール化合物(6)1モルに対し1〜5モルの割合で酸触媒の存在下加熱し、必要に応じて生じる水を系外に除くなどして行うのがよい。用いる酸触媒としては、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、過塩素酸などの無機酸類、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸などの有機酸等が挙げられる。
【0035】
エステル化剤(7)の使用量は、アルコール化合物(6)1モルに対し1〜10モル、特に1〜5モルとすることが好ましい。1モル未満の使用では反応の進行は不十分であり、アルコール化合物(6)が残存するため収率が大幅に低下する場合があり、10モルを超える使用では使用原料費の増加、釜収率の低下などによりコスト面で不利となる場合がある。
【0036】
上記エステル化反応の反応温度は−70℃から使用する溶媒の沸点程度が好ましく、反応条件により適切な反応温度を選べるが、通常0℃から使用する溶媒の沸点程度が特に好ましい。反応温度が高くなると副反応が顕著になる場合があるため、現実的速度で反応が進行する範囲のなるべく低温で反応を行うことが高収率を達成するために重要である。反応時間は収率向上のため薄層クロマトグラフィー、ガスクロマトグラフィーなどにより反応の進行を追跡して決定することが好ましいが、通常30分〜40時間程度である。反応混合物から通常の水系後処理(aqueous work−up)により本発明の環化前駆体化合物(8)を得ることができ、必要があれば蒸留、再結晶、クロマトグラフィー等の常法に従って精製することができる。
【0037】
ステップ(iii)は上記式(9)で示される対応するエステル(X
cが水素原子の場合)又は、ハロエステル(X
cがハロゲン原子の場合)に塩基又は金属を作用させ、金属エノラート試薬を調製し、このエノラートとアシロキシケトン(8)のケトン部位に対する求核付加反応により上記式の中間体(10)及び(11)を経由して、One−Potで一挙に本発明の単量体(1)を得る工程である。
【0038】
用いられる塩基として、具体的にはナトリウムアミド、カリウムアミド、リチウムジイソプロピルアミド、カリウムジイソプロピルアミド、リチウムジシクロヘキシルアミド、カリウムジシクロヘキシルアミド、リチウム2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、リチウムビストリメチルシリルアミド、ナトリウムビストリメチルシリルアミド、カリウムビストリメチルシリルアミド、リチウムイソプロピルシクロヘキシルアミド、ブロモマグネシウムジイソプロピルアミド等の金属アミド、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、リチウムメトキシド、リチウムエトキシド、リチウムtert−ブトキシド、カリウムtert−ブトキシド等のアルコキシド、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム、水酸化テトラ−n−ブチルアンモニウム等の無機水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸リチウム、炭酸カリウムなどの無機炭酸塩、ボラン、アルキルボラン、水素化ナトリウム、水素化リチウム、水素化カリウム、水素化カルシウムなどの金属水素化物、トリチルリチウム、トリチルナトリウム、トリチルカリウム、メチルリチウム、フェニルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、エチルマグネシウムブロマイド等のアルキル金属化合物、更に金属として1A族、2A族、2B族から選ばれる金属、例えばリチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、亜鉛等の金属等(ハロエステル、及び亜鉛を使用した反応は、いわゆるReformatsky反応として知られている。)を例示できるが、これに限定されるものではない。この中でも、金属エノラート試薬の調製、取り扱いを温和な温度条件で行うことができ、かつアシロキシケトン(8)のケトン部位に対する反応の選択性が高いことから、Reformatsky反応を好適に用いることができる。
【0039】
Reformatsky反応は、公知の方法に従って行うことができるが、予めReformatsky試薬を調製する方法では収率の低下、副生成物の生成を招く場合があるため、ハロエステル(9)と環化前駆体化合物であるケトン(8)を亜鉛中に同時滴下する処方が好ましい。Reformatsky試薬を先に調製する場合では、生じたReformatsky試薬が原料のハロエステル(9)と反応することで消費され、収率が低下していると考えられる。環化前駆体化合物(8)の使用量は、原料であるハロエステル化合物(9)1モルに対し0.5〜10モル、特に0.8〜3.0モルとすることが好ましい。0.5モル未満の使用では原料が大量に残存するため収率が大幅に低下する場合があり、10モルを超える使用では使用原料費の増加、釜収率の低下などによりコスト面で不利となる場合がある。X
cが水素原子であるエステル(9)を塩基により金属エノラート試薬として反応させる場合においても、同様に環化前駆体化合物(8)の使用量は、原料であるエステル(9)1モルに対して0.5〜10モル、特に0.8〜3.0モルとすることが好ましい。また、塩基又は金属の使用量は、エステル(9)1モルに対して0.8〜5モル、特に0.8〜2.0モルとすることが好ましい。0.8モル未満の使用では原料が大量に残存するため収率が大幅に低下する場合があり、5モルを超える使用では使用原料費の増加、釜収率の低下などによりコスト面で不利となる場合がある。上記反応は、溶媒中で行うことができ、溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタンなどの炭化水素類;塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロエタンなどの塩素系溶媒;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジブチルエーテルなどのエーテル類;アセトニトリルなどのニトリル類;メタノール、エタノールなどのアルコール類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシドなどの非プロトン性極性溶媒;水から選択して単独あるいは2種以上を混合して用いることができる。特に、Reformatsky反応の場合は、亜鉛をエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジブチルエーテルなどのエーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタンなどの炭化水素類等の溶媒に溶解し、これにハロエステルを投入することが好ましい。
【0040】
上記反応は反応条件により適切な反応温度を選べるが、過度な低温条件では反応が進行せず、高温では副反応が顕著になる場合があるため、通常30〜80℃が好ましい。上記反応の反応時間は収率向上のため薄層クロマトグラフィー、ガスクロマトグラフィーなどにより反応の進行を追跡して決定することが好ましいが、長時間の熟成はアニオン重合による収率低下を招く可能性があるため通常30分〜2時間程度である。本反応では基本的に、付加中間体(10)から更に反応が進行し、エステル部位の転位により中間体(11)となり、その後ラクトン化が起こり単量体(1)となる。反応混合物から通常の水系後処理(aqueous work−up)により単量体(1)を得ることができ、必要があれば蒸留、再結晶、クロマトグラフィー等の常法に従って精製することができる。
【0041】
ステップ(iii)でエステル(9)として分岐状の嵩高いエステル、例えばtert−ブチルエステル等を用いた場合、反応が中間体(10)で止まる場合がある。単量体(1)のOne−Pot合成において、収率が低下する、精製が困難になる等の問題が生じた際は、この結果を利用し、一度ヒドロキシエステル(10’)を単離した後、酸処理により単量体(1)を得ることでこれらの問題を改善できる場合がある。この場合は、例えば、下記反応式に示したスキームにより単量体(1)を得ることができる。
【化22】
(式中、R
1〜R
8、X
1、X
c、k
1、m、R
a及びM
bは前記と同様である。)
【0042】
ステップ(iv)はアシロキシケトン(8)とエステル(9)との付加反応であり、ステップ(iii)と同様で種々の塩基、金属を用いて反応を行うことができるが、好ましくはReformatsky反応を用いる方法である。また、ステップ(iii)と同様の条件で反応を行うことができる。反応が上記中間体(10)で止まっている状態で、通常の水系後処理(aqueous work−up)を行うことでヒドロキシエステル(10’)を得ることができ、必要があれば蒸留、再結晶、クロマトグラフィー等の常法に従って精製することができる。
【0043】
ステップ(v)はヒドロキシエステル(10’)に対して酸処理を行い、単量体(1)を得る工程である。反応は、ヒドロキシエステル(10’)を溶媒で希釈した後、酸を加えて加熱撹拌することでできる。
【0044】
溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタンなどの炭化水素類;塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロエタンなどの塩素系溶媒;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジブチルエーテルなどのエーテル類;アセトン、2−ブタノンなどのケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類;アセトニトリルなどのニトリル類;メタノール、エタノールなどのアルコール類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシドなどの非プロトン性極性溶媒;水から選択して単独あるいは2種以上を混合して用いることができる。また、無溶媒で反応を行うこともできる。
【0045】
酸としては、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、過塩素酸などの無機酸類、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸などの有機酸類、三フッ化ホウ素、トリメチルシリルトリフラート、塩化アルミニウム、塩化マグネシウム、塩化鉄、塩化亜鉛、塩化チタンなどのルイス酸を用いることができる。また、酸の使用量は、原料であるヒドロキシエステル(10’)1モルに対し0.001〜5モル、特に0.01〜0.5モルとすることが好ましい。0.001モル未満の使用では反応速度が遅く、反応時間の増加によりコスト面で不利になる場合があり、5モルを超える使用では強酸性による副反応が起こり、収率が低下する場合がある。
【0046】
上記酸処理は反応条件により適切な反応温度を選べるが、低温条件では反応が進行しない場合があるため、通常40〜70℃が好ましい。また、反応時間は収率向上のため薄層クロマトグラフィー、ガスクロマトグラフィーなどにより反応の進行を追跡して決定することが好ましいが、通常2時間〜1日程度である。反応終了後、通常の水系後処理(aqueous work−up)により単量体(1)を得ることができ、必要があれば蒸留、再結晶、クロマトグラフィー等の常法に従って精製することができる。
【0047】
以上のように製造された単量体は、必要により重合性二重結合を有する他の単量体と共に、有機溶剤中、ラジカル重合開始剤を加えて加熱重合することにより、下記式で示される繰り返し単位を有する高分子化合物を得ることができる。
【化23】
(式中、R
1〜R
8、X
1、k
1、mは前記と同様である。)
【0048】
なお、重合時に使用する有機溶剤としては、トルエン、ベンゼン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサン、シクロヘキサン、シクロペンタン、メチルエチルケトン、γ−ブチロラクトン等が例示できる。重合開始剤としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、ベンゾイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド等が例示でき、好ましくは50〜80℃に加熱して重合できる。反応時間としては2〜100時間、好ましくは5〜20時間である。
【0049】
得られた高分子化合物は、化学増幅ポジ型又はネガ型レジスト材料のベース樹脂として好適に用いられる。なお、かかるレジスト材料を用いてパターンを形成する方法としては、公知の方法を採用し得る。
【実施例】
【0050】
以下、実施例、参考例、比較例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。なお、下記例において、分子量はテトラヒドロフラン(THF)溶液のゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより確認した。なお、分子量はGPCによるポリスチレン換算重量平均分子量を示す。
【0051】
[モノマーの合成]
本発明の単量体及び単量体を得るための前駆体であるケトン化合物を以下に示す方法で合成した。
[実施例1]モノマー1、2、3の合成
【化24】
【0052】
[実施例1−1]モノマー1の合成
窒素雰囲気下、粉末亜鉛79.2gをTHF660mLに溶解後、1,2−ジブロモエタン4.93g、トリメチルシリルクロリド1.86gを加え加熱撹拌することで亜鉛の活性化処理を行った。活性化した亜鉛−THF溶液中に、公知の方法で得られるケトン1を200.8g、2−ブロモプロピオン酸エチルを182.7g及びTHFを330mLの混合溶液を45℃で滴下し、2時間加熱撹拌した。氷冷下10質量%塩酸530gを加えた後、通常の水系後処理(aqueous work−up)、溶媒留去の後、蒸留精製を行い、モノマー1を132.1g(収率63%;異性体比率61:39)を得た。
【0053】
[実施例1−2]モノマー2、3の合成
[実施例1−1]で得たモノマー1を132gに対して酢酸エチル65gとヘキサン200gを用いて−10℃で再結晶を行うことで、モノマー2を68.2g(異性体比率97:3)得た。また、母液を減圧濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することでモノマー3を45.7g(異性体比率100:0)得た。
モノマー2
融点:76.0−76.3℃、沸点:69℃/10Pa
IR(D−ATR):ν=2981、2962、2942、1780、1768、1708、1634、1475、1447、1379、1331、1302、1254、1212、1178、1165、1152、1127、1102、1063、1032、1010、947、870、817、721、658、564cm
-1
1H−NMR(600MHz、DMSO−d
6中、主異性体のみ示す):δ=1.12(3H、d)、1.61(3H、s)、1.83(3H、s)、2.89(1H、q)、4.24(1H、d)、4.72(1H、d)、5.69(1H、s)、5.96(1H、s)ppm
モノマー3
沸点:69℃/10Pa
IR(D−ATR):ν=2983、1785、1716、1637、1449、1389、1333、1309、1286、1220、1169、1146、1131、1096、1055、1014、940、863、814、652cm
-1
1H−NMR(600MHz、DMSO−d
6中):δ=1.15(3H、d)、1.45(3H、s)、1.85(3H、s)、3.07(1H、q)、4.42(1H、d)、4.48(1H、d)、5.71(1H、s)、6.04(1H、s)ppm
【0054】
[実施例2]モノマー4の合成
【化25】
窒素雰囲気下、粉末亜鉛92.4gをTHF800mLに溶解後、1,2−ジブロモエタン5.53g、トリメチルシリルクロリド1.92gを加え加熱撹拌することで亜鉛の活性化処理を行った。活性化した亜鉛−THF溶液中に、ケトン1を178.1g、2−ブロモイソ酪酸エチルを241.6g及びTHFを400mLの混合溶液を50℃で滴下し、1.5時間加熱撹拌した。氷冷下10質量%塩酸584gを加えた後、通常の水系後処理(aqueous work−up)、溶媒留去の後、蒸留精製を行い、モノマー4を156.2g(収率58%)得た。
沸点:75℃/10Pa
IR(D−ATR):ν=2982、2940、1785、1717、1637、1485、1468、1395、1380、1328、1304、1286、1233、1159、1141、1118、1102、1024、944、843、814、659cm
-1
1H−NMR(600MHz、DMSO−d
6中):δ=1.14(3H、s)、1.18(3H、s)、1.50(3H、s)、1.84(3H、s)、4.45(1H、d)、4.71(1H、d)、5.69(1H、s)、5.98(1H、s)ppm
【0055】
[実施例3]モノマー5の合成
[実施例3−1]モノマー5の合成(1)
【化26】
【0056】
[実施例3−1−1]ケトン2の合成
窒素雰囲気下、アセトイン200gとメタクリル酸無水物269.2gをTHF1,000mLに溶解後、トリエチルアミン212gを室温滴下し、室温で24時間撹拌した。通常の水系後処理(aqueous work−up)、溶媒留去の後、蒸留精製を行い、ケトン2を212.7g(収率74%)得た。
沸点:63℃/900Pa
IR(D−ATR):ν=2988、2932、1717、1638、1452、1360、1329、1309、1162、1094、1047、1009、945、861、815、657cm
-1
1H−NMR(600MHz、DMSO−d
6中):δ=1.36(3H、d)、1.89(3H、s)、2.13(3H、s)、5.09(1H、q)、5.74(1H、m)、6.09(1H、m)ppm
【0057】
[実施例3−1−2]モノマー5の合成
窒素雰囲気下、粉末亜鉛33.9gをTHF250mLに溶解後、1,2−ジブロモエタン2.3g、トリメチルシリルクロリド0.9gを加え加熱撹拌することで亜鉛の活性化処理を行った。活性化した亜鉛−THF溶液中に、ケトン2を82.0g、2−ブロモプロピオン酸エチルを98.5g及びTHFを150mLの混合溶液を55℃で滴下し、1.5時間加熱撹拌した。氷冷下10質量%塩酸227gを加えた後、通常の水系後処理(aqueous work−up)、溶媒留去の後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製を行い、モノマー5を53.1g(収率48%;異性体比率57:32:11:0)得た。
IR(D−ATR):ν=2985、2944、1782、1717、1637、1455、1386、1328、1302、1208、1167、1135、1096、1072、1052、1012、944、888、814、663cm
-1
1H−NMR(600MHz、DMSO−d
6中、主異性体のみ示す):δ=1.13(3H、d)、1.30(3H、d)、1.57(3H、s)、1.83(1H、m)3.09(1H、q)、4.96(1H、q)、5.68(1H、m)、5.95(1H、m)ppm
【0058】
[実施例3−2]モノマー5の合成(2)
【化27】
【0059】
[実施例3−2−1]ヒドロキシエステル2の合成
亜鉛250.6g、THF2,900mLの懸濁液に、1,2−ジブロモエタン16.4gを加え、1時間、還流条件下に撹拌した。内温40℃まで冷却後、クロロトリメチルシラン7.6gを加え、10分間撹拌した。上記懸濁液へ、ケトン2を653g、2−ブロモプロピオン酸tert−ブチルを728.5g及び1,2−ジブロモエタンを16.4g及びTHF750mLの混合溶液を内温30℃にて滴下し、40℃以下で滴下を完了した(適宜冷却)。滴下終了後、内温35℃で1時間撹拌後、冷却し、20℃以下を維持しながら20質量%塩酸1,050gを滴下し、反応を停止した。室温にて暫時撹拌を行い、亜鉛が溶解した後、トルエン2,000mLにて抽出し、通常の水系後処理(aqueous work−up)、溶媒留去の後、蒸留精製を行い、ヒドロキシエステル2を716.3g(収率69%;異性体比率40:39:18:3)得た。
沸点:80℃/10Pa
1H−NMR(600MHz、DMSO−d
6中、主異性体のみ示す):δ=1.05(3H、d)、1.09(3H、s)、1.17(3H、d)、1.33(9H、s)、1.87(3H、s)、2.46(1H、q)、4.58(1H、s)、4.87(1H、m)、5.61(1H、s)、6.08(1H、s)ppm
【0060】
[実施例3−2−2]モノマー5の合成
ヒドロキシエステル2を800g、トルエン800gの混合溶液に、室温でメタンスルホン酸80gを滴下し、加熱を行い、内温50℃で12時間撹拌を行った。反応完結を確認後、反応液を冷却し、10質量%炭酸水素ナトリウム水溶液880gを滴下し、反応を停止した。通常の水系後処理(aqueous work−up)、溶媒留去の後、蒸留精製を行い、モノマー5を466.8g(収率77%;異性体比率40:28:18:14)得た。
沸点:73℃/5Pa
【0061】
[実施例4]モノマー6の合成
【化28】
【0062】
[実施例4−1]ケトン3の合成
メタクリル酸ナトリウム300g、トルエン3,000mLの懸濁液にクロロケトン1を339g加え、90℃で40時間熟成を行った。反応液を冷却し、水1,000mLを加え反応を停止した。通常の水系後処理(aqueous work−up)、溶媒留去の後、減圧蒸留を行い、ケトン3を409g(収率90%)得た。
【0063】
[実施例4−2]ヒドロキシエステル1の合成
窒素雰囲気下、粉末亜鉛28.8gをTHF280mLに溶解後、1,2−ジブロモエタン1.8g、トリメチルシリルクロリド0.7gを加え加熱撹拌することで亜鉛の活性化処理を行った。活性化した亜鉛−THF溶液中に、ケトン3を92.0g、2−ブロモプロピオン酸tert−ブチルを76.8g及びTHFを140mLの混合溶液を60℃で滴下し、1.0時間加熱撹拌した。氷冷下飽和塩化アンモニウム水溶液400gを加えた後、通常の水系後処理(aqueous work−up)、溶媒留去を行い粗体としてヒドロキシエステル1を134.9g(収率73%;異性体比率55:45)得た。
【0064】
[実施例4−3]モノマー6の合成
粗ヒドロキシエステル1を100.2g、トルエン100gの混合液にメタンスルホン酸10gを添加した後、50℃で10時間加熱撹拌した。反応液を冷却後、氷冷下飽和炭酸水素ナトリウム水溶液100gを加えた。通常の水系後処理(aqueous work−up)、溶媒留去の後、減圧蒸留を行い、モノマー6を40.3g(収率78%、異性体比率55:45)得た。
【0065】
[実施例5]モノマー7の合成
【化29】
1.3M濃度のリチウムヘキサメチルジシラジドTHF溶液78mLを−50℃に冷却し、同温度でエステル1を14.8g滴下した。10分撹拌後、エノラート溶液の温度を−40℃に調整し、ケトン1を16.3gとTHFを15mLの混合溶液を滴下した。−40℃にて30分撹拌後、冷却を止めて1時間かけて室温に昇温した後、40℃に加熱し、1時間加熱撹拌した。反応液を冷却後、10質量%塩酸水溶液40gを加え反応を停止した。通常の水系後処理(aqueous work−up)、溶媒留去の後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによる精製を行い、モノマー7を10.2g(収率40%)得た。
【0066】
[実施例6]モノマー8の合成
【化30】
ケトン1の代わりに、ケトン2を使用し、上記[実施例2]と同様の方法を用いることでモノマー8を33.7g(収率51%)得た。
【0067】
[実施例7]モノマー9の合成
【化31】
【0068】
[実施例7−1]ケトン4の合成
窒素雰囲気下、ヒドロキシアセトン20gとエステル化剤1を48.1g、4−ジメチルアミノピリジン0.5gをアセトニトリル100mLに溶解後、トリエチルアミン35.5gを室温滴下し、室温で12時間撹拌した。通常の水系後処理(aqueous work−up)、溶媒留去の後、蒸留精製を行い、ケトン4を44.5g(収率85%)得た。
【0069】
[実施例7−2]モノマー9の合成
ケトン1の代わりに、ケトン4を使用し、上記[実施例1−1]と同様の方法を用いることでモノマー9を28.4g(収率46%)得た。
【0070】
[実施例8]モノマー10の合成
【化32】
エステル化剤1の代わりに、エステル化剤2を使用した以外上記[実施例7]と同様の方法を用いることでモノマー10を20.3g(収率41%)得た。
【0071】
[実施例9]モノマー11の合成
【化33】
ヒドロキシアセトン、アクリル酸無水物及び2−ブロモイソ酪酸エチルを使用して、上記[実施例3]と同様の方法を用いることでモノマー11を17.4g(二工程収率37%)得た。
【0072】
[実施例10]モノマー12の合成
【化34】
ヒドロキシアセトン、α−トリフルオロメチルアクリル酸無水物及び2−ブロモイソ酪酸エチルを使用して、上記[実施例3]と同様の方法を用いることでモノマー12を13.8g(二工程収率35%)得た。
【0073】
上記実施例にて合成した本発明の単量体の一覧を以下に示す。
【化35】
【0074】
[参考例]ポリマーの合成
レジスト材料に用いる高分子化合物として、各々のモノマーを組み合わせてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)溶剤下で共重合反応を行い、メタノールに晶出し、更にメタノールで洗浄を繰り返した後に単離、乾燥して、以下に示す組成の高分子化合物を得た。得られた高分子化合物の組成は
1H−NMR、分子量及び分散度はゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより確認した。
【0075】
【化36】
【0076】
【化37】
【0077】
【化38】
【0078】
【化39】
【0079】
【化40】
【0080】
【化41】
【0081】
[参考例1−1〜1−13及び比較例1−1〜1−6]
レジスト溶液の調製
上記参考例で示した高分子化合物を使用し、下記表1,2に示す組成でレジスト材料を調合し、0.2μmのテフロン(登録商標)フィルターで濾過することによりレジスト溶液R−1〜R−19をそれぞれ調製した。
なお、表1,2において、上記参考例で示した高分子化合物と共にレジスト材料として使用した光酸発生剤(PAG−1〜3)、撥水性ポリマー(SF−1,2)、クエンチャー(Q−1〜6)、及び溶剤は下記の通りである。
【0082】
光酸発生剤:PAG−1〜3(下記構造式参照)
【化42】
【0083】
撥水性ポリマー:SF−1,2(下記構造式参照)
【化43】
【0084】
クエンチャー:Q−1〜6(下記構造式参照)
【化44】
【0085】
有機溶剤:PGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)
GBL(γ−ブチロラクトン)
PGME(プロピレングリコールモノメチルエーテル)
【0086】
【表1】
【0087】
【表2】
【0088】
[参考例2−1〜10及び比較例2−1〜4]
ArF露光パターニング評価(ラインアンドスペースパターン評価)
上記表1,2に示す組成で調製した本発明のレジスト材料(R−1〜10)及び比較例用のレジスト材料(R−14〜17)を、信越化学工業(株)製スピンオンカーボン膜ODL−50(カーボンの含有量が80質量%)を200nm、その上に珪素含有スピンオンハードマスクSHB−A940(珪素の含有量が43質量%)を35nmの膜厚で成膜したトライレイヤープロセス用の基板上へスピンコーティングし、ホットプレートを用いて100℃で60秒間ベークし、レジスト膜の厚みを100nmにした。これをArFエキシマレーザー液浸スキャナー((株)ニコン製、NSR−610C、NA1.30、σ0.98/0.78、4/5輪帯照明)を用いて、以下に説明するマスクAを介してパターン露光を行った。
【0089】
ウエハー上寸法がピッチ100nm、ライン幅50nmのラインが配列された6%ハーフトーン位相シフトマスクAを用いて照射を行った。露光後60秒間の熱処理(PEB)を施した後、現像ノズルから酢酸ブチルを3秒間30rpmで回転させながら吐出させ、その後静止パドル現像を27秒間行い、4−メチル−2−ペンタノールでリンス後スピンドライし、100℃で20秒間ベークしてリンス溶剤を蒸発させた。その結果、マスクで遮光された未露光部分が現像液に溶解してイメージ反転されたスペース幅50nm、ピッチ100nmのラインアンドスペースパターン(以下、LSパターン)が得られた。
【0090】
[感度評価]
感度として、前記評価において、スペース幅50nm、ピッチ100nmのLSパターンが得られる最適な露光量Eop(mJ/cm
2)を求めた。この値が小さいほど、感度が高い。
【0091】
[露光裕度(EL)評価]
露光裕度評価として、前記マスクAを用いたLSパターンにおける50nmのスペース幅の±10%(45〜55nm)の範囲内で形成される露光量から、次式により露光裕度(単位:%)を求めた。この値が大きい程、性能として良好である。
露光裕度(%)=(|E1−E2|/Eop)×100
E1:スペース幅45nm、ピッチ100nmのLSパターンを与える最適な露光量
E2:スペース幅55nm、ピッチ100nmのLSパターンを与える最適な露光量
Eop:スペース幅50nm、ピッチ100nmのLSパターンを与える最適な露光量
【0092】
[ラインウィドゥスラフネス(LWR)評価]
前記感度評価における最適露光量で照射してLSパターンを得る。(株)日立ハイテクノロジーズ製TDSEM(S−9380)でスペース幅の長手方向に10箇所の寸法を測定し、その結果から標準偏差(σ)の3倍値(3σ)をLWRとして求めた結果を表3に示す。この値が小さいほど良好で、ラフネスが小さく均一なスペース幅のパターンが得られる。
【0093】
各レジスト材料の評価結果を表3に示す。
【表3】
【0094】
[参考例3−1〜3及び比較例3−1,2]
レジスト保存安定性の評価:ArF露光
レジスト溶液の保存安定性の評価は、レジスト調製後20℃で1ヶ月経過後のEop値と初期Eop値とを比較することにより調べた。
下記式より感度変動値を求めた。
【数1】
負の値はレジストが高感度化したことを示す。絶対値が小さいほどレジスト中の組成物に経時変化が起こらず、保存安定性が高いことを示す。
【0095】
各レジスト材料の評価結果を表4に示す。
【表4】
【0096】
表3の結果より、上記参考例のレジスト材料が、有機溶剤現像によるネガティブパターン形成においてLWR、露光裕度(EL)に優れることがわかった。また、表4の結果より、上記参考例のレジスト材料は、塩基性化合物を組成物として含む場合においても、十分な保存安定性を有することが確認された。