(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
基板、前記基板の第一面上の絶縁層、および、伝送線のグランドプレーンである第1セグメントと、第2セグメントとを含む第1再分配層(RDL)、を含む装置を提供する工程と、
前記装置の上方に位置し、前記第1セグメントの上方に形成され、かつ前記絶縁層によって前記第1セグメントから分離された第1マイクロバンプ線、および、外部コネクタでありかつ前記第2セグメントに接続されたマイクロバンプを含み、前記第1マイクロバンプ線が前記伝送線の信号伝送線であり、前記第1セグメントの幅が前記第1マイクロバンプ線の幅の1.5から2倍であるマイクロバンプ層を形成する工程と、
絶縁アンダーフィル材料で前記第1マイクロバンプ線を被覆する工程と、
を含むことを特徴とする伝送線の形成方法。
前記装置の上方に、第2マイクロバンプ線と第3マイクロバンプ線を形成して、前記伝送線用の一対のグランドプレーンとし、前記第1マイクロバンプ線、前記第2マイクロバンプ線、および、前記第3マイクロバンプ線が同一平面上にあり、前記絶縁層の頂部に位置し、且つ、前記絶縁アンダーフィル材料により互いに分離される工程を含むこと
を特徴とする請求項9に記載の伝送線の形成方法。
【発明を実施するための形態】
【0011】
開示される実施例の製作と使用は以下で述べる。しかし、理解できることは、開示される実施例は、多種多様な特定の文脈中で具体化される使用可能な概念を提供する。以下に述べる特定の実施例は、開示される内容の特定の製作および使用方式に用いられ、開示内容を限定するものではない。
【0012】
上述のように、マイクロバンプ層を用いて、伝送線を有する半導体装置パッケージを形成する方法と装置が開示される。マイクロバンプ層は、項部ダイと底部ダイ、または、ダイとインターポーザー間に形成されるマイクロバンプとマイクロバンプ線を含む。装置の上方にあるマイクロバンプ線を用いて、信号伝送線が形成される。装置内の再分配層(RDL)、または、追加マイクロバンプ線を用いて、グランドプレーンが形成される。RDLが形成されたグランドプレーンは、開放スロットを含む。マイクロバンプ線の上方と下方の底部装置と頂部装置に、RDLを有して、グランドプレーンの部分を形成する。よって、形成された伝送線は低抵抗であると共に、伝送線により占有される面積を節約することができる。
【0013】
素子、または、層が、別の素子、または、層“上にある”、“に接続される”または“に結合される”と表現されている場合は、別の素子、または、層上に直接存在、直接接続または直接結合されているか、或いは、素子、または、層が間に介在されていることを意味しています。反対に、素子が、別の素子、または、層に“直接、存在する”、“直接、接続される”または“直接、結合される”と表現されている場合は、素子、または、層が介在していないことを意味しています。
【0014】
ここで、第一、第二、第三等の用語は、種々の素子、構成要素、領域、層および/または、セクションを描写するのに用いられ、これらの素子、構成要素、領域、層、および/または、セクションは、これらの用語に限定されません。これらの用語は、唯一、一の素子、構成要素、領域、層、または、セクションを、別の領域、層、または、セクションから区別するために用いられる。このように、以下で論じられる第一素子、構成要素、領域、層、または、セクションは、本願の発明性の概念から示唆される範囲を逸脱しない範囲で、第二素子、構成要素、領域、層、または、セクションと表現することができる。
【0015】
空間的な相対語、たとえば、“下”、“下方”、“低い”、“上”、“上方”等は、ここでは、1つの素子や特徴と、もうひとつの素子や特徴との関係を、図面に示されているように簡潔に示すために使用されている。これらの空間相対語は、図に示される方位に加え、使用または操作時の装置の異なる方位を包含するものである。たとえば、図中の装置が回転する場合、別の素子または特徴の“下方”または“下”の素子は、別の素子または特徴の“上方”に位置する。よって、例の用語“上方”または“下方”は、上方と下方両方の方位を包含する。装置は、その他の方位に配向し(90度回転またはその他の方位で回転)、ここでは空間的、相対的な記述がとなっている。
【0016】
ここで使用される術語は、特定の具体例を説明することが目的であり、本発明を限定するものではない。ここで使用される単数形は、指定されない限り、複数形も含む。さらに理解できることは、明細書中で、“含む”を使用するとき、列挙される特徴、数字、ステップ、操作、素子、および/または、構成要素が存在することを示すが、ひとつ、または、それ以上のその他の特徴、数字、ステップ、操作、素子、構成要素、および/または、それらの組み合わせの存在、または、追加を除外するものではない。
【0017】
明細書中で使用される“一具体例”は、実施例と関連する特定の特徴、構造、または、特性が、少なくとも一実施例中に含まれることを意味する。よって、明細書中にある“一具体例”は、同一実施例のことを意味する必要はない。さらに、特定の特徴、構造、または、特性は、任意の適当な方式で、ひとつ、または、それ以上の具体例に結合される。注意すべきことは、以下の図式は、縮小率に基づいて製図されておらず、単に説明のためのものである。
【0018】
図1(a)は、具体例によるマイクロバンプ層を用いてパッケージ中に形成されるマイクロストリップ伝送線の断面図である。通常、マイクロストリップ伝送線は、薄い平面コンダクタでできた信号伝送線と、グランドプレーンを含み、信号伝送線はグランドプレーンと平行で、且つ、ある種の絶縁基板、または、誘電体などの材料により、グランドプレーンから分離されている。
【0019】
図1(a)に示されるように、伝送線490を含む半導体装置パッケージ100が、装置301上に形成される。装置301は、スルービア(TV:through vias)303を有する基板302、誘電体層311、複数のコンタクトパッド321、パッシベーション層341、絶縁層361、セグメント480と489を含む再分配層(RDL)、別の絶縁層371、および、絶縁層371の開口を被覆するUBMパッド391と、RDLセグメント480(または、単にRDL480と称する)に平行な絶縁層371より上方のUBM線390を含むバンプ底層金属線(UBM:under bump metal)層を含む。マイクロバンプ層は、装置301より上方に形成されてもよい。マイクロバンプ層は、RDL480に平行なUBM線390上のマイクロバンプ線470、および、UBMパッド391上に位置するマイクロバンプ485を含み、バンプ485は、さらに、装置内301内のRDL489に接続される。ダイ601は装置301の上方に位置し、コネクタ603により、マイクロバンプ485に接続される。アンダーフィル571は、装置301とダイ601間のギャップを充填し、マイクロバンプ線470、マイクロバンプ485、および、コネクタ603を被覆する。これらの構造は、それぞれ、後段で詳細に説明する。
【0020】
RDL480、絶縁層371により、RDL480から分離されるマイクロバンプ線470、および、マイクロバンプ線470下のUBM線390は、伝送線490を形成し、RDL480はグランドプレーンで、マイクロバンプ線470とUBM線390は、信号伝送線を形成する。ある別の具体例において、UBM線390は存在せず、マイクロバンプ線470は、単独で、絶縁層371上に設置されて、信号伝送線となる。
【0021】
装置301は、基板を含むインターポーザーで、基板中に形成されるスルービアを有する基板、および、複数のコンタクトパッド、パッシベーション層、絶縁層、RDL、および、UBM層を含む。あるいは、装置301は、チップ、または、集積回路(IC)ダイの一部分で、ダイの表側か裏側である。装置301がダイの一部である時、ダイ601がIC装置301上に設置され、さらに、コネクタ、たとえば、マイクロバンプにより、インターポーザーに結合されて、パッケージ、たとえば、3DICパッケージを形成する。装置301がダイの一部である場合、底部ダイと称され、ダイ601は項部ダイと称される。装置301がダイの裏側であるとき、パッケージ100が、ダイ301と601の背面向きスタックにより形成される。装置301がダイの表側である時、パッケージ100が、ダイ301と601の対面スタックにより形成される。あるいは、装置301は、スルービア、上述の任意の、または、全ての層を有さないパッケージ基板であってもよい。これらの装置、および、別の適当な装置が選択的に用いられ、これらは全て本発明の範囲内に含まれる。
【0022】
装置301の基板302は、たとえば、ドープされた、または、未ドープのシリコン基板、または、シリコンオンインシュレーター(SOI:Silicon−On−Insulator)基板のアクティブ層で、装置301へのサポートを提供するのに用いられる。しかし、基板302は、ガラス基板、セラミック基板、ポリマー基板、または、適当な保護、および/または、相互接続機能を提供する別の基板でもよい。これらの、および、別の適当な材料を基板302に用いてもよい。
図1(a)に示されていないが、基板302中に形成される複数の能動、または、受動素子、たとえば、トランジスタ、キャパシタ、レジスタ等がある。当業者ならわかるように、装置301の設計において、多種多様な能動素子、または、受動素子を用いて、所望の構造、および、機能要求を生成する。
【0023】
基板302を貫通する複数のTV303が形成される。適当なフォトレジストを塗布、および、現像することにより、TV303を形成し、その後、基板302をエッチングして、TV開口を生成する。TV303の開口が形成され、少なくとも最終的に必要な高さより大きい深さになるように基板302に延伸する。したがって、深さは、基板302の表面下方の約1μm〜約700μmである。TV303の開口の直径は、約1μm〜約100μmである。その後、TV303の開口は、バリア層と導電材料により、化学蒸着(CVD:chemical vapor deposition)プロセス、プラズマ化学気相成長法(PECVD:plasma enhanced chemical vapor deposition)、スパッタリング、または、有機金属化学気相成長法(MOCVD:metal organic chemical vapor deposition)等のプロセスを用いて充填される。化学機械研磨(CMP:chemical mechanical)等の研削加工により、TV303の開口の外側の過剰なバリア層と過剰な導電材料が除去される。その後、CMP、または、エッチング等の平坦化プロセスにより、基板302の第二面の薄化工程が実行されて、TV303の開口を露出すると共に、基板302を通して延伸する導電材料から、TV303を形成する。誘電体層311が基板302上に形成される。誘電体層311は、複数のサブレイヤーの集合、たとえば、埋め込まれた各種金属層を有する金属間誘電体層である。
【0024】
複数のコンタクトパッド321が誘電体層311上に形成される。コンタクトパッド321は、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、スズ(Sn)、ニッケル(Ni)、金(Au)、銀(Ag)、または、別の電気的導電材料で形成される。コンタクトパッド321の蒸着は、電解めっき、スパッタリング、物理的気相成長法(PVD:physical vapor deposition)、または、無電解めっきプロセスを用いる。コンタクトパッド321のサイズ、形状、および、位置は説明目的のためのものであり、これに限定されない。複数のコンタクトパッド321は、同サイズ、または、異なるサイズである。
【0025】
基板302と、誘電体層311の上、および、コンタクトパッド321の上方に、パッシベーション層341が形成されて、構造上の支持となると共に物理的に分離している。パッシベーション層341は、窒化ケイ素(SiN)、二酸化ケイ素(SiO2)、オキシ窒化けい素(SiON)、ポリイミド(PI)、ベンゾシクロブテン(BCB)、ポリベンゾオキサゾール(PBO)、または、別の絶縁材料で形成されている。パッシベーション層341の開口は、マスク特定フォトレジストエッチングプロセスを用いて、パッシベーション層341の一部を除去することにより形成されて、コンタクトパッド321を露出する。開口のサイズ、形状、位置は説明目的のためのものであり、これに限定されない。
【0026】
絶縁層361、たとえば、ポリマー層361が、パッシベーション層341上とパッシベーション層開口上に形成されて、コンタクトパッド321を被覆している。絶縁層361の開口が形成されて、コンタクトパッド321を露出している。絶縁層361の開口は、マスク特定フォトレジストエッチングプロセスを用いて、絶縁層361の一部を除去することにより形成されて、コンタクトパッド321を露出している。作られた開口のサイズ、形状、位置は説明目的のためのものであり、これに限定されない。
【0027】
RDL480と489が絶縁層361の上方に形成されている。RDL489は露出したコンタクトパッド321を被覆しているが、RDL480は、絶縁層361、または、371内のどのコンタクト、または、コンダクタとも接触していない。代わりに、RDL480は、伝送線490のグランドプレーンとして機能している。
図1(a)では、誘電体と相互接続の単一層として示されているが、RDL480と489は、誘電体と導電材料の交互層で形成してもよく、適当なプロセス(蒸着、ダマシン、デュアルダマシン等)により形成されている。RDL480と489は、たとえば、Al、Cu、または、Cu合金で形成されている。RDL480と489は、電解めっき、スパッタ、PVD、または、無電解めっきプロセスにより形成される。RDL480と489は、例えば、Ti、TiW、TaN、TaまたはCrの接着層を用いた単一層、または、複数の層で形成されている。装置301は、半導体装置の機能に従って、複数のRDL層を含み、中間相互接続のネットワークを形成している。
【0028】
別の絶縁層371がRDL480と489上に形成され、それは、装置301の頂部層と表面層である。絶縁層371の開口が形成されて、RDL489を露出し、RDL480が絶縁層371により被覆される。絶縁層371の開口は、マスク特定フォトレジストエッチングプロセスを用いて、絶縁層371の一部を除去することにより形成され、RDL489を露出する。開口のサイズ、形状、位置は説明目的のためのものであり、これに限定されない。絶縁層371は、ポリマー、たとえば、エポキシ、ポリイミド、ベンゾシクロブテン(BCB)、ポリベンゾオキサゾール(PBO)などで形成されているが、別の比較的軟弱な材料、しばしば有機の、誘電体材料も使用することができる。形成方法は、スピンコーティング、または、別の常用の方法を含む。絶縁層371の厚さは、たとえば、約5μm〜約30μmである。記載される尺寸は、単なる例であり、集積回路の尺寸の縮小に伴って変化する。
【0029】
UBM層は、UBMパッド391とUBM線390を含む。UBMパッド391が絶縁層371の開口周辺に形成され、RDL489に接続される。UBM線390は、RDL480と平行に形成され、絶縁層371により、RDL480から分離される。UBMパッド391とUBM線390は、銅、または、銅合金で形成され、銀、クロム、ニッケル、スズ、金、および、それらの組み合わせを含む。前述の銅層上に、追加層、たとえば、ニッケル層、無鉛プレはんだ層、または、それらの組み合わせにより形成される。UBMパッド391とUBM線390は、厚さが、約1μm〜約20μmである。UBMパッド391はコンタクトパッドとも称される。
【0030】
上述の装置301は、具体例の単なる例である。
図1(a)と前述に示したものとは異なる多種の変化がある。たとえば、ある具体例中で、絶縁層361は存在しない、または、ある具体例中に、複数のパッシベーション層341があってもよい。装置301は、絶縁層中に含まれるRDLだけを有してもよい。
【0031】
ダイ601は、マイクロバンプ層により、装置301とパッケージされ、ダイ601と装置301間のギャップはアンダーフィル571により被覆されている。ダイ601はコネクタ603に接続され、マイクロバンプ層内のマイクロバンプ485上に設置されている。
【0032】
コネクタ603が用いられて、マイクロバンプ485とダイ601間の接続を提供している。コネクタ603は、コンタクトバンプ、たとえば、マイクロバンプ、または、制御崩壊チップ接続(C4)(controlled collapse chip connection)バンプで、且つ、スズなどの材料、または、その他の適当な材料、たとえば、銀や銅を含む。ある具体例において、コネクタ603はスズはんだバンプで、コネクタ603は、適当な方法、たとえば、蒸発、電気めっき、印刷、はんだ転移、ボールプレースメント等により、好ましくは、厚さ約100μmの一層のスズ層を最初に形成することにより形成される。一層のスズ層が構造より上方に形成された後、リフローを実施して、材料を所望のバンプ形状に形成する。
【0033】
アンダーフィル571は、ダイ601と装置301間で用いられて、ダイ601と装置301の付着能力を強化し、熱応力が、ダイ601と装置301間の接続を断裂するのを防止する。通常、アンダーフィル571の材料、たとえば、有機樹脂が選択されて、アンダーフィル571の熱膨張と収縮係数を制御する。はじめに、液体有機樹脂が塗布されて、ダイ601と装置301の表面間のギャップに流入し、その後、硬化時に、アンダーフィルで発生する収縮を制御する。
【0034】
マイクロバンプ層は、マイクロバンプ485、および、マイクロバンプ線470を含み、マイクロバンプ485が用いられて、別のダイ、たとえば、ダイ601に接続され、マイクロバンプ線470は伝送線490の一部である。少しの追加コスト、または、追加コストが無い状況で同時に、マイクロバンプ線470、および、マイクロバンプ485が形成され、高さが同じで、同様の材料で形成される。マイクロバンプ層の高さは、マイクロバンプ485の高さにより決定され、パッケージに用いられる技術に依存してもよい。たとえば、現在の技術によれば、マイクロバンプ層の高さは、約10μm〜約50μmの範囲内にあり、たとえば、約27μmとなる。
【0035】
マイクロバンプ485は、Cu層475の上方に形成されるはんだバンプ471を含む。はんだバンプ471とCu層475間に、任意のNi層473が形成される。はんだバンプ471は、導電はんだ材料、たとえば、Sn、Ni、Au、Ag、Cu、ビスマス(Bi)、および、それらの合金、または、その他の導電材料の組み合わせを含む。たとえば、はんだバンプ471は、Cu/SnAgはんだバンプである。スパッタリング、蒸発、電気めっき、印刷、はんだ転移、ボールプレースメント等の方法により、厚さが、たとえば、約15μmのCu層475を最初に形成することによりマイクロバンプ485を形成した後、Ni層473を形成し、最後に、はんだ層471、たとえば、無鉛はんだSnAgを形成すると共に、相同、または、類似する方法を順に使用して各層を形成する。その後、リフローが実行されて、はんだ層471を、はんだバンプ471として示される所望のバンプ形状に形成する。マイクロバンプ485を生成する任意の適当な方法を用いることもできる。たとえば、マイクロバンプ485は、制御崩壊チップ接続新プロセス(C4NP)(Controlled Collapse Chip Connection New Process)を用いて製造される。
【0036】
マイクロバンプ485は、装置301のUBMパッド391上に設置され、時に、コンタクトパッドと称される。UBMパッド391は、開口を充填する、または、絶縁層、たとえば、絶縁層371の開口を部分的に充填する。UBMパッド391は、さらに、装置301内のUBMパッド489の下の金属層、たとえば、RDL489、または、コンタクトパッド321に接続される。マイクロバンプ485の高さは、約10μm〜約50μmである。しかし、形状(feature sizes)とパッケージサイズの減少継続に伴い、具体例のサイズは、上述のものより小さくなる。一方、マイクロバンプ485は、大きいサイズを有し、たとえば、フリップチップバンプ、または、パッケージバンプで、特定の対象のアプリケーションに対応するものである。
【0037】
マイクロバンプ線470は、マイクロバンプ485に用いられる材料と実質的に同様の材料で作られる。マイクロバンプ線470は、RDL480と平行なUBM線390上に位置する。RDL480、絶縁層371により、RDL480と分離されるマイクロバンプ線470、および、マイクロバンプ線470下のUBM線390は、伝送線490を形成し、RDL480は、グランドプレーンであるが、マイクロバンプ線470とUBM線390は、信号伝送線を形成する。
【0038】
図1(a)に示されるように、信号伝送線の一部であるマイクロバンプ線470は、複数の層を含み、UBM線390上の層475は銅層、層475上の層473はNi層、層473上の層471は、無鉛はんだ、たとえば、SnAg層である。一方、マイクロバンプ線470は、二層だけでもよく、UBM線390上の層475は銅層、層471は、無鉛はんだ、たとえば、SnAgの層で、Niの層473がなくてもよい。層471はSnAgの無鉛はんだ層で、Agは約1%〜約2%、Snは約99%〜約98%である。三層471、473、および、475の高さは、同じか、または、異なり、異なる要求によって変化する。たとえば、Cuの層475、Niの層473、および、無鉛はんだの層471の高さの比率は、およそ15/1.5/10で、マイクロバンプ線470の全高は、約10μm〜約50μmの範囲にあり、たとえば、27μmである。ある別の具体例において、信号伝送線470とグランドプレーン480の厚さは、約0.5〜2ミクロンである。
【0039】
マイクロバンプ線470は、幅がおよそ10μm〜約100μmの長方形である。マイクロバンプ線470は、狭い、広い、または、テーパ形状をしてもよい。マイクロバンプ線470の本体は、実質的に一定の厚さである。マイクロバンプ線470は、円形、八角形、長方形、細長い六角形の対向端に二個の台形を有する細長い六角形、楕円形、ダイアモンド等の他の形状であってもよい。
【0040】
ある具体例において、伝送線490のパフォーマンスに対して、グランドプレーン線480の幅が、マイクロバンプ線470の幅である信号伝送線の幅の約1.5倍であることが望ましい。より優れたパフォーマンスのため、ある具体例において、さらに、グランドプレーン線480の幅が、信号伝送線470の幅の約2倍であることが望まれる。
さらに、幅は、グランドプレーン線480と信号伝送線470間の距離に依存し、絶縁層371、または、ある別の誘電体層、または、基板により充填される。
グランドプレーン線480と信号伝送線470間の距離が増加するにつれて、信号伝送線470の対応する幅が増加する。ある具体例において、グランドプレーン線480と信号伝送線470間の距離が20ミクロンのとき、信号伝送線470の理想の幅は、おおよそ27.6ミクロンである。
【0041】
図1(a)中のパッケージ100の簡略図が
図1(b)に示される。
図1(b)に示されるように、パッケージ100が装置301上に形成されている。装置301は、基板302、基板302上の絶縁層371、装置301内の再分配層(RDL)480、および、絶縁層371上のUBM線390を含む。マイクロバンプ線470は装置301の上方に形成されて、UBM線390と接触している。RDL480、絶縁層371により、RDL480から分離されるマイクロバンプ線470、および、マイクロバンプ線470下のUBM線390は、伝送線490を形成し、RDL480はグランドプレーンであるが、マイクロバンプ線470とUBM線390は信号伝送線を形成している。あるいは、
図1(c)に示されるように、RDL480は信号伝送線であるが、マイクロバンプ線470とUBM線390はグランドプレーンを形成している。アンダーフィル571はマイクロバンプ線470とUBM線390を被覆している。ダイが、装置301の上方とアンダーフィル571の上方に設置されると共に、
図1(b)に示されていないが、コネクタにより、マイクロバンプに接続される。
図1(b)に示されるパッケージ100は簡略図であり、パッケージ100中に、図示されていない別の層がある。たとえば、RDL480下に、さらに多くの層、たとえば、低誘電率(low−K)の金属間誘電体(IMD)層を有する銅金属層、パッシベーション層を有している。
【0042】
伝送線490の別の具体例は、類似の方式で、
図1(d)に示される。
図1(d)に示されるように、パッケージ100が装置301上に形成される。装置301は、基板302と基板302上の絶縁層371を含んでいる。装置301は、さらに、絶縁層371内かつ基板302の上方に、第1RDL480、および、第2RDL481を含んでいる。第1RDL480と第2RDL481は、ビア483により接続される。マイクロバンプ線470が装置301の上方に形成される。この具体例において、マイクロバンプ線470下にUBM線はない。アンダーフィル571はマイクロバンプ線470を被覆する。ダイを、装置301の上方とアンダーフィル571の上方に設置し、
図1(d)に図示されていないが、コネクタにより、マイクロバンプに接続される。RDL480と481、および、絶縁層371により、RDL480と481から隔離されているマイクロバンプ線470は、伝送線490を形成し、RDL480と481はグランドプレーンであるが、マイクロバンプ線470は信号伝送線である。あるいは、第2RDL481は、第2RDLに代わって、別の金属層でもよい。たとえば、幅が約0.1μm〜約3.5μmの範囲にあるCu金属層481がRDL480に接続されると共に、一緒に、グランドプレーンを形成するが、マイクロバンプ線470は信号伝送線である。
図1(d)の各構成要素の詳細は、
図1(a)に記載のものと実質上同じである。
【0043】
伝送線490の別の具体例が、
図1(e)に示されている。
図1(e)に示されるように、パッケージ100が装置301上に形成される。装置301は基板302と絶縁層371を含み、絶縁層371は、基板302の第一面にある。装置301は、さらに、基板302の第一面と反対の第二面に、RDL480を含む。マイクロバンプ線470が装置301の上方に形成される。マイクロバンプ線470は絶縁層371と接触している。あるいは、マイクロバンプ線470は絶縁層371の上方に位置し、絶縁層371と接触していない。この具体例において、マイクロバンプ線470下にUBM線はない。あるいは、UBM線はマイクロバンプ線470下に形成されている。アンダーフィル571はマイクロバンプ線470を被覆している。ダイを、装置301の上方とアンダーフィル571の上方に設置し、
図1(e)に示されていないが、コネクタにより、マイクロバンプに接続される。RDL480、および、絶縁層371と基板302により、RDL480から分離されるマイクロバンプ線470は、伝送線490を形成し、RDL480はグランドプレーンであるが、マイクロバンプ線470は信号伝送線である。
図1(e)の各構成要素の詳細は、
図1(a)に記載のものと実質上同じである。
【0044】
伝送線490の別の具体例の上面図が
図1(f)に示されている。
図1(f)に示されるように、パッケージ100が、装置の基板である基板302上に形成される。再分配層(RDL)480が、基板302上、および、図示されない絶縁層中に形成される。マイクロバンプ線470がRDL480の上方に形成される。RDL480、および、絶縁層により、RDL480から分離されるマイクロバンプ線470は、伝送線490を形成し、RDL480はグランドプレーンであるが、マイクロバンプ線470は信号伝送線である。RDL480は、ひとつ、または、複数の開放スロット281、282、および、283を含む。開放スロット281、282、および、283は、波動を遅くし、RDL480に必要な長さを減少させて、所望のパフォーマンスを達成することができる。
図1(f)で示される3個の開放スロットではなく、一つの開放スロットだけ、または、任意の数量の開放スロットであってもよい。
図1(f)の各構成要素の詳細は、
図1(a)に記載のものと実質上同じである。
【0045】
図1(a)〜
図1(f)に示されるマイクロストリップ伝送線は、伝送線の一種にすぎない。
図2(a)〜
図2(e)は、別の具体例によるマイクロバンプ層を用いたパッケージ内に形成される共平面導波路(CPW)伝送線の断面図、および、三次元ビューである。共平面導波路(CPW)伝送線は、一対のグランドプレーンから分離された信号伝送線により形成され、全ては、同一平面上にあり、誘電体媒質の頂部にある。
【0046】
図2(a)と
図2(b)に示されるように、CPW伝送線490を含むパッケージ100が装置301上に形成される。装置301は、基板302および基板302上の絶縁層371を含む。装置301は、図示されない別の層、たとえば、パッシベーション層、および、コンタクトを有する。マイクロバンプ線470、484、および、482を含むマイクロバンプ層が装置301の上方に形成されている。マイクロバンプ線470、484、および、482は絶縁層371と接触している。あるいは、マイクロバンプ線470、484、および、482は絶縁層371の上方に位置し、絶縁層371と接触していない。
図2(a)に示される具体例において、マイクロバンプ線470下に、UBM線はない。あるいは、
図2(b)に示されるように、UBM線390が、マイクロバンプ線470、484、および、482下に形成される。アンダーフィル571は、マイクロバンプ線470、484、および、482を被覆している。ダイを、装置301の上方とアンダーフィル571の上方に設置し、
図2(a)と
図2(b)に示されないが、コネクタにより、マイクロバンプに接続される。
【0047】
図2(a)に示されるように、マイクロバンプ線470、484、および、482は伝送線490を形成し、マイクロバンプ線484と482は一対のグランドプレーンであるが、マイクロバンプ線470は信号伝送線である。
図2(b)に示されるように、マイクロバンプ線470、484、および、482、および、各マイクロバンプ線に接続されるUBM線390は、伝送線490を形成し、マイクロバンプ線484と482、および、接続されたUBM線390は一対のグランドプレーンであるが、マイクロバンプ線470、および、その接続されたUBM線390は信号伝送線である。マイクロバンプ線470、484、および、482は、全て、同一平面上にあり、誘電体媒質、たとえば、絶縁層371の頂部に位置し、且つ、アンダーフィル571により分離される。
図2(a)〜
図2(b)の各構成要素の詳細は、
図1(a)に記載のものと実質上同じである。
【0048】
あるいは、
図2(c)に示されるように、パッケージ100に関して、装置301内に、ある追加のRDL480を形成すると共に、マイクロバンプ線470、484、および、482に接続されて、伝送線490を形成する。接続されたRDL480に対するマイクロバンプ線484と482は、一対のグランドプレーンであるが、接続されたRDL480に対するマイクロバンプ線470は、信号伝送線である。マイクロバンプ線470、484、482、および、接続されたRDL480は、全て、同一平面上にあり、誘電体媒質、たとえば、絶縁層371の頂部に位置し、且つ、アンダーフィル571と絶縁層371により分離される。
図2(c)の各構成要素の詳細は、
図2(a)〜
図2(b)と
図1(a)に記載のものと実質上同じである。
【0049】
あるいは、
図2(d)に示されるように、パッケージ100は、さらに、マイクロバンプ線470、484、および、482の上方、および、アンダーフィル571の上方に位置する第二装置601を含む。第二装置601は、基板302と絶縁層371も含む。RDL4801が、装置601内の各マイクロバンプ線470、484、および、482に接続される。RDL4802が、装置301中の各マイクロバンプ線470、484、および、482に接続される。RDL4801と4802、および、装置301と装置601間のマイクロバンプ線470、482、および、484により、伝送線490が形成される。接続されたRDL4801と4802に対するマイクロバンプ線484と482は、一対のグランドプレーンであるが、接続されたRDL4801と4802に対するマイクロバンプ線470は、信号伝送線である。マイクロバンプ線470、484、482、および、接続されたRDL4801と4802は、全て、同一平面上にあり、誘電体媒質、たとえば、絶縁層371の頂部に位置し、且つ、アンダーフィル571と絶縁層371により分離される。
図2(d)の各構成要素の詳細は、
図2(a)〜
図2(b)と
図1(a)に記載のものと実質上同じである。
【0050】
装置301と装置601は、基板302と基板302上の絶縁層371を含んでいる。装置301と装置601は、図示されない別の層、たとえば、パッシベーション層、UBM層、および、コンタクトを有する。マイクロバンプ線470、484、および、482が装置301の上方に形成されて、一つのマイクロバンプ層となる。装置301は、インターポーザー、チップ、または、集積回路(IC)ダイの一部で、ダイ、または、パッケージ基板の裏側、または、表側である。同様に、装置601は、インターポーザー、チップ、または、集積回路(IC)ダイの一部で、ダイ、または、パッケージ基板の裏側、または、表側である。これらの装置、および、その他の適当な装置が選択的に用いられ、本発明の範囲に含まれる。
【0051】
伝送線490の別の具体例の三次元ビューが、
図2(e)に示される。
図2(e)に示される伝送線490は、ある断面方向で、
図2(d)に示される断面図を有する。RDL4801は、
図2(d)中の頂部装置601の絶縁層中で展開するRDL線で、RDL4802は、
図2(d)中の底部装置301の絶縁層中で展開するRDL線である。複数のマイクロバンプ線470、482、および、484が、RDL線4801と4802に接続されている。接続されたRDL4801と4802に対する複数のマイクロバンプ線484と482は、一対のグランドプレーンであるが、接続されたRDL4801と4802に対する複数のマイクロバンプ線470は信号伝送線である。複数のマイクロバンプ線470、484、482と、接続されたRDL4801と4802は、全て、同一平面上にあり、誘電体媒質、たとえば、絶縁層371の頂部に位置し、且つ、
図2(d)に示されるように、アンダーフィル571と絶縁層371により分離されている。
【0052】
グランドプレーンが、誘電体の反対側で提供される時、CPW伝送線の変形が形成され、有限グランドプレーン共平面導波路(FGCPW)伝送線、または、簡潔に、接地共平面導波路(GCPW)伝送線と称される。
図3(a)〜
図3(d)は、ある具体例によるマイクロバンプ層を用いたパッケージ内に形成されるGCPW伝送線の断面図と三次元ビューである。
【0053】
図3(a)に示されるように、GCPW伝送線490を含むパッケージ100が装置301上に形成されている。装置301は、基板302と基板302上の絶縁層371を含んでいる。RDL480は装置301中にある。装置301は、図示されない別の層、低誘電率の金属間誘電体(IMD)層を有する銅金属層、パッシベーション層、UBM層、および、コンタクトを有する。マイクロバンプ線470、484、および、482を含むマイクロバンプ層が装置301の上方に形成されている。マイクロバンプ線470、484、および、482は、絶縁層371と接触している。あるいは、マイクロバンプ線470、484、および、482は絶縁層371の上方に位置するが、絶縁層371と接触していない。この具体例において、マイクロバンプ線470下にUBM線はない。あるいは、UBM線が、マイクロバンプ線470、484、および、482下に形成される。アンダーフィル571は、マイクロバンプ線470、484、および、482を被覆している。ダイを、装置301の上方とアンダーフィル571の上方に設置し、
図3(a)に示されないが、コネクタにより、マイクロバンプに接続している。
【0054】
マイクロバンプ線470、484、および、482とRDL480はGCPW伝送線490を形成し、マイクロバンプ線484と482は一対のグランドプレーンで、RDL480は第三グランドプレーンであるが、マイクロバンプ線470は信号伝送線である。マイクロバンプ線470、484、および、482は、全て、同一平面上にあり、誘電体媒質、たとえば、絶縁層371の頂部に位置し、且つ、アンダーフィル571により分離される。あるいは、
図3(b)に示されるように、複数のRDLセグメント480、482、および、484が装置301中に形成され、マイクロバンプ線470が装置301の上方に形成され、RDL480、482、および、484は信号伝送線で、マイクロバンプ線470はグランドプレーンである。
図3(a)と
図3(b)の各構成要素の詳細は、
図2(a)と
図1(a)に記載のものと実質上同じである。
【0055】
あるいは、
図3(c)に示されるように、グランドプレーンRDL480は、ビア483により、マイクロバンプ線484と482に接続され(グランドプレーンでもある)、GCPW伝送線490に用いるグランドプレーンを形成する。マイクロバンプ線470は、依然として、信号伝送線である。マイクロバンプ線470、484、および、482は、全て、同一平面上にあり、誘電体媒質、たとえば、絶縁層371の頂部に位置し、且つ、アンダーフィル571と絶縁層371により分割される。
図3(c)の各構成要素の詳細は、
図1(a)、
図2(a)、および、
図3(a)に記載のものと実質上同じである。
【0056】
あるいは、
図3(c)のGCPW伝送線490の三次元ビューが
図3(d)に示されている。
図3(c)に示されるように、RDL480は装置301中に含まれ、マイクロバンプ層で、マイクロバンプ線484と482に接続される。RDL480と、接続されたマイクロバンプ線484と482、および、絶縁層により、RDL480から分離されるマイクロバンプ線470は、GCPW伝送線490を形成し、RDL480とマイクロバンプ線484と482はグランドプレーンであるが、マイクロバンプ線470は信号伝送線である。RDL480は、ひとつ、または、複数の開放スロット281を含む。開放スロット281は、波動を遅くし、RDL480に必要な長さを減少させて、所望のパフォーマンスを達成する。
図1(d)で示される3個の開放スロットではなく、一つの開放スロットだけ、または、任意の数量の開放スロットを有する。
図3(d)の各構成要素の詳細は、
図1(a)、
図2(a)、および、
図3(a)に記載のものと実質上同じである。
【0057】
本発明では好ましい実施例を前述の通り開示したが、これらは決して本発明を限定するものではなく、当該技術を熟知する者なら誰でも、本発明の精神と領域を脱しない範囲内で各種の変動や潤色を加えることができ、従って本発明の保護範囲は、特許請求の範囲で指定した内容を基準とする。