【実施例】
【0309】
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明していくが、本発明はこれらに限定されるものではない。まず、実施例で用いた多環芳香族化合物の合成例について、以下に説明する。
【0310】
合成例(1):
4b−アザ−12b−チオホスファジベンゾ[g,p]クリセンの合成
【化136】
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【0311】
まず、2−アミノビフェニル(16.9g、0.10mol)、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0.575g、1.0mmol)、t−ブトキシナトリウム(14.4g、0.15mol)およびトルエン(100mL)に、アルゴン雰囲気下、0℃で2−ブロモビフェニル(23.1g、0.10mol)を添加し、室温で7時間攪拌した後、フロリジル濾過をして、溶媒を減圧下に留去して得られる褐色の油状物質に、ヘキサンを用いてトリチュレーションすることで、白色粉末としてビス(ビフェニル−2−イル)アミンを得た(32.1g、収率98%)。
【0312】
1H NMR (δppm in CDCl
3); 5.79 (s, 1H), 6.92 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 7.17-7.27 (m, 14H), 7.40 (d, 2H, J = 8.1 Hz)
13C NMR (δppm in CDCl
3) 117.0, 120.8, 127.2, 128.1, 128.7, 129.0, 130.6, 132.0, 138.9, 140.1.
【0313】
【化137】
[この文献は図面を表示できません]
【0314】
次に、ビス(ビフェニル−2−イル)アミン(3.21g、10.0mmol)およびTHF(50mL)に、アルゴン雰囲気下、−78℃で、ブチルリチウムのヘキサン溶液(6.13mL、1.63M、10.0mmol)を添加し撹拌した。1時間後、三塩化リン(1.37g、10.0mmol)を加え、1時間撹拌した後、0℃に昇温しさらに1時間攪拌した。溶媒を減圧下留去し、1,2−ジクロロベンゼン(80mL)を加えた後、三塩化アルミニウム(4.00g、30.0mmol)および硫黄(0.481g、15.0mmol)を添加し、120℃で18時間撹拌した。1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(3.36g、30.0mmol)を加えて濾過後、溶媒を減圧下に留去して得られた粗生成物をHPLCおよびGPCで単離することで白色粉末として式(551)で表される化合物を得た(0.725g、収率19%)。
【0315】
HRMS(EI) m/z; calcd. 381.0741[M]
+; found 381.0746.
1H NMR (δppm in CD
2Cl
2at -40 ℃); 6.65(d, 1H, J = 8.4 Hz), 7.01(t, 1H, J = 7.2 Hz), 7.09(t, 1H, J = 7.8 Hz), 7.19 (dd, 1H, J = 7.8, 13.8 Hz), 7.31 (td, 1H, J = 3.0, 7.8 Hz), 7.54 (t, 1H, J = 7.8 Hz), 7.62 (d, 1H, J = 7.2 Hz), 7.65-7.69 (m, 2H), 7.75 (td, 1H, J = 3.0, 7.8 Hz), 7.84-7.91 (m, 3H), 8.05 (d, 2H, J = 7.2 Hz), 8.09 (t, 1H, J = 7.2 Hz), 8.58 (dd, 1H, J = 7.8, 15.6 Hz)
13C NMR (δppm in CD
2Cl
2at -40 ℃); 118.1, 120.8, 121.2, 122.3, 124.4, 126.5, 128.1, 128.5, 128.6, 128.7, 128.9, 129.3, 130.2 (2C), 131.6, 132.1, 132.8, 132.9, 134.4, 134.5, 135.2, 135.3, 136.2, 141.5
【0316】
合成例(2):
4b−アザ−12b−フェニル−12b−シラジベンゾ[g,p]クリセンの合成
【化138】
[この文献は図面を表示できません]
【0317】
ビス(ビフェニル−2−イル)アミン(0.321g、1.00mmol)およびテトラヒドロフラン(5mL)に、アルゴン雰囲気下、−78℃で、ブチルリチウムのヘキサン溶液(0.62mL、1.60M、1.00mmol)を添加し撹拌した。1時間撹拌した後、−78℃でフェニルトリクロロシラン(0.212g、1.00mmol)を加え、室温で12時間撹拌した。溶媒を減圧下留去し、1,2−ジクロロベンゼンを加えた後、三塩化アルミニウム(0.533g、4.00mmol)および2,2,6,6−テトラメチルピペリジン(0.233g、1.50mmol)を添加し、150℃で18時間攪拌した。1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(0.449g、4.00mmol)を加えて濾過後、溶媒を減圧下に留去して得られた粗生成物をHPLCおよびGPCで単離することで白色粉末として式(601)で表される化合物を得た(0.064g、収率15%)。
また式(601)で表される化合物はヘキサンから再結晶することで無色針状結晶が得られ、X線結晶構造解析により構造を決定した。
【0318】
HRMS(FAB) m/z; calcd. 423.1443[M]
+; found 423.1426.
X-ray crystal structure
【化139】
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【0319】
合成例(3):
4b−アザ−12b−ゲルマ−12b−フェニルジベンゾ[g,p]クリセンの合成
【化140】
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【0320】
ビス(ビフェニル−2−イル)アミン(0.643g、2.00mmol)およびトルエン(80mL)に、アルゴン雰囲気下、−78℃で、ブチルリチウムのヘキサン溶液(1.25mL、1.60M、2.00mmol)を添加し撹拌した。1時間後0℃に昇温しさらに1時間撹拌した後、−78℃でフェニルトリクロロゲルマニウム(0.512g、2.00mmol)を加え、室温で12時間撹拌した。溶媒を減圧下留去し、1,2−ジクロロベンゼンを加えた後、三塩化アルミニウム(1.07g、8.00mmol)および2,2,6,6−テトラメチルピペリジン(0.466g、3.00mmol)を添加し、150℃で24時間攪拌した。1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(1.12g、10.0mmol)を加えて濾過後、溶媒を減圧下に留去して得られた粗生成物をHPLCおよびGPCで単離することで白色粉末として標題化合物を得た(0.389g、収率42%)。
また標題化合物はヘキサンから再結晶することで無色柱状結晶が得られ、X線結晶構造解析により構造を決定した。
【0321】
HRMS(MALDI) m/z; calcd. 470.0964[M+H]
+; found 470.0980.
X-ray crystal structure
【化141】
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【0322】
合成例(4):
4b−アザ−12b−ボラジベンゾ[g,p]クリセンの合成
【化142】
[この文献は図面を表示できません]
【0323】
まず、[1,1’−ビフェニル]−2−アミン(28.5g)、2−ブロモ−1,1’−ビフェニル(38.6g)、ナトリウム−t−ブトキシド(24.0g)、Pd(dba)
2(0.29g)、4−(ジ−t−ブチルホスフィノ)−N,N−ジメチルアニリン(0.27g)およびトルエン(100ml)の入ったフラスコを窒素雰囲気下、70℃で1時間攪拌した。反応液を室温まで冷却した後、水およびトルエンを加え分液した。次いで、溶媒を減圧留去した後、活性アルミナカラムクロマトグラフィー(展開液:トルエン)で精製し、ジ([1,1’−ビフェニル]−2−イル)アミン(54.0g)を得た。
【0324】
【化143】
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【0325】
次に、ジ([1,1’−ビフェニル]−2−イル)アミン(15.0g)およびトルエン(250ml)の入ったフラスコを−75℃まで冷却し、n−ブチルリチウムの1.6Mヘキサン溶液(29.3ml)を滴下した。滴下終了後、一旦0℃まで昇温し、0℃で1時間撹拌した。その後、再び−75℃まで冷却し、三塩化ホウ素の1.0Mヘプタン溶液(46.9ml)を滴下した。次いで、反応液を室温まで昇温した後、一旦溶媒を減圧留去した。ここにオルトジクロロベンゼン(300ml)、2,2,6,6−テトラメチルピぺリジン(13.8g)、三塩化アルミニウム(25.0g)を加え、150℃で18時間撹拌した。1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン「DABCO」(21.0g)を加え撹拌後、トルエン(500ml)およびセライトを加えて撹拌した後、約1時間静置した。次いで、析出した沈殿をセライトを敷いた桐山ロートを用いた吸引ろ過にて除去した後、溶媒を減圧留去した。更に活性アルミナカラムクロマトグラフィー(展開液:トルエン/酢酸エチル/トリエチルアミン=90/10/1(容量比))で精製後、酢酸エチル/ヘプタン混合溶媒にて再沈殿させ、式(1)で表される化合物(8.2g)を得た。
【0326】
合成例(5):
2,7−ジブロモ−4b−アザ−12b−ボラジベンゾ[g,p]クリセンの合成
【化144】
[この文献は図面を表示できません]
【0327】
窒素雰囲気下、4b−アザ−12b−ボラジベンゾ[g,p]クリセン(18.0g)のTHF(180ml)溶液に、N−ブロモスクシンイミド(NBS)(19.9g)を加え、室温で1時間撹拌した。反応終了後、亜硫酸ナトリウム水溶液を加え、THFを減圧留去した後、トルエンを加え分液した。次いで、活性アルミナカラムクロマトグラフィー(展開液:トルエン/酢酸エチル/トリエチルアミン=95/5/1(容量比))で精製し、標題化合物(24.7g)を得た。
【0328】
合成例(6):
2,7−ジメチル−4b−アザ−12b−ボラジベンゾ[g,p]クリセンの合成
【化145】
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【0329】
2,7−ジブロモ−4b−アザ−12b−ボラジベンゾ[g,p]クリセン(0.243g、0.50mmol)およびトルエン(5.0mL)に、アルゴン雰囲気下−78℃で、ブチルリチウムのヘキサン溶液(0.63mL、1.60M、1.00mmol)を添加し、40℃で24時間撹拌した後、ヨウ化メチル(0.178g、1.00mmol)を添加し1時間撹拌した。溶媒を減圧下に留去して得られた粗生成物をGPCで単離することで白黄色粉末として標題化合物を得た(0.228g、収率20%)。
【0330】
HRMS(EI) m/z; calcd. 357.1689[M]
+; found 357.1692.
11B NMR (δppm in C
6D
6) 34.0.
【0331】
合成例(7):
14b
1−アザ−14b−ボラベンゾ[p]インデノ[1,2,3,4−defg]クリセンの合成
【化146】
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【0332】
ビス(ビフェニル−2−イル)アミン(0.643g、2.00mmol)およびトルエン(10mL)に、アルゴン雰囲気下、−78℃で、ブチルリチウムのヘキサン溶液(1.23mL、1.60M、2.00mmol)を添加し撹拌した。1時間後0℃に昇温しさらに1時間撹拌した後、−78℃で三塩化ホウ素のヘプタン溶液(2.00mL、1.00M、2.00mmol)を加え、室温で12時間撹拌した。溶媒を減圧下留去し、1,2−ジクロロベンゼン(20mL)を加えた後、三塩化アルミニウム(1.07g、8.00mmol)、エチルジイソプロピルアミン(0.258g、2.00mmol)を添加し、180℃で12時間撹拌した。1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(0.896g、8.00mmol)を加えて濾過後、溶媒を減圧下に留去して得られた粗生成物をHPLCおよびGPCで単離することで白黄色粉末として式(665)で表される化合物を得た(0.255g、収率39%)。
【0333】
HRMS(EI) m/z; calcd. 327.1219[M]
+; found 327.1215.
1H NMR (δppm in CDCl
3); 7.66-7.72 (m, 4H), 7.84 (td, 2H, J = 1.4, 8.2 Hz), 8.21 (d, 2H, J = 7.8 Hz), 8.43 (d, 2H, J = 7.8 Hz), 8.67 (d, 2H, J = 7.8 Hz), 9.18 (d, 2H, J = 7.8 Hz).
【0334】
合成例(8):
6,9−ジクロロ−14b
1−アザ−14b−ボラベンゾ[p]インデノ[1,2,3,4−defg]クリセンの合成
【化147】
[この文献は図面を表示できません]
【0335】
3,6−ジクロロ−1,8−ジフェニルカルバゾール(0.971g、2.50mmol)およびトルエン(10mL)に、アルゴン雰囲気下−78℃で、ブチルリチウムのヘキサン溶液(1.56mL、1.60M、2.50mmol)を添加し撹拌した。1時間後0℃に昇温しさらに1時間撹拌した後、−78℃で三塩化ホウ素のヘプタン溶液(2.50mL、1.00M、2.50mmol)を加え、室温で12時間撹拌した。溶媒を減圧下留去し、1,2−ジクロロベンゼン(50mL)を加えた後、三塩化アルミニウム(1.33g、10.0mmol)を添加し、160℃で14時間撹拌した。1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(1.12g、10.0mmol)を加えて濾過後、溶媒を減圧下に留去して得られた粗生成物をHPLCおよびGPCで単離することで黄褐色粉末として標題化合物を得た(0.297g、収率30%)。
【0336】
HRMS(EI) m/z; calcd. 395.0440[M]
+; found 395.0426.
【0337】
合成例(9):
4b−アザ−12b−ホスファジベンゾ[g,p]クリセンの合成
【化148】
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【0338】
4b−アザ−12b−チオホスファジベンゾ[g,p]クリセン(0.114g、0.30mmol)およびトリエチルホスフィン(0.039g、0.33mmol)にアルゴン雰囲気下0℃で、クロロベンゼン(3.0mL)を加え120℃で18時間撹拌した。溶媒を減圧下留去しヘキサンを加えトリチュレーションすることで、白色粉末として式(501)で表される化合物を得た(0.073g、収率70%)。
【0339】
HRMS(EI) m/z; calcd. 349.1020[M]
+; found 349.1013.
31P NMR (δppm in C
6D
6) 12.7.
【0340】
合成例(10):
4b−アザ−12b−オキサホスファ−ジベンゾ[g,p]クリセンの合成
【化149】
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【0341】
4b−アザ−12b−ホスファジベンゾ[g,p]クリセン(0.070g、0.20mmol)およびジクロロメタン(2.0mL)に対し30%過酸化水素水(2.0mL)を添加し、室温で6時間攪拌した。抽出した有機層の溶媒を減圧下留去し、得られた粗生成物をHPLCおよびGPCで単離することで白黄色粉末として式(301)で表される化合物を得た(0.066g、収率90%)。
【0342】
HRMS(ESI) m/z; calcd. 366.1042[M+H]
+; found 366.1032.
31P NMR (δppm in C
6D
6) 6.6.
【0343】
合成例(11):
8b,19b−ジアザ−11b,22b−ジチオホスファヘキサベンゾ[a,c,fg,j,l,op]テトラセンの合成
【化150】
[この文献は図面を表示できません]
【0344】
N,N’−ビス(ビフェニル−2−イル)−2,6−ジアミノビフェニル(0.977g、2.00mmol)およびトルエン(20mL)に、アルゴン雰囲気下、−78℃で、ブチルリチウムのヘキサン溶液(2.45mL、1.63M、4.0mmol)を添加し撹拌した。1時間後、三塩化リン(0.549g、4.0mmol)を加え、1時間撹拌した後、0℃に昇温しさらに1時間攪拌した。溶媒を減圧下留去し、1,2−ジクロロベンゼン(40mL)を加えた後、三塩化アルミニウム(2.13g、16.0mmol)、硫黄(0.192g、6.0mmol)及びエチルジイソプロピルアミン(1.55g、12.0mmol)を添加し、120℃で18時間撹拌した。1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(1.79g、16.0mmol)を加えて濾過後、溶媒を減圧下に留去して得られた粗生成物をHPLCおよびGPCで単離することで白黄色粉末として標題化合物を得た(0.122g、収率10%)。
【0345】
HRMS(FAB) m/z; calcd. 609.0778[M+H]
+; found 609.0762.
【0346】
合成例(12):
8b,19b−ジアザ−11b,22b−ジボラヘキサベンゾ[a,c,fg,j,l,op]テトラセンの合成
【化151】
[この文献は図面を表示できません]
【0347】
N,N’−ビス(ビフェニル−2−イル)−2,6−ジアミノビフェニル(0.977g、2.00mmol)およびトルエン(20mL)に、アルゴン雰囲気下、−78℃で、ブチルリチウムのヘキサン溶液(2.45mL、1.63M、4.0mmol)を添加し撹拌した。1時間後0℃に昇温しさらに1時間撹拌した後、−78℃で三塩化ホウ素のヘプタン溶液(4.00mL、1.00M、4.0mmol)を加え、1時間撹拌した後、室温に昇温しさらに12時間攪拌した。溶媒を減圧下留去し、1,2−ジクロロベンゼン(40mL)を加えた後、三塩化アルミニウム(2.13g、16.0mmol)および2,2,6,6−テトラメチルピペリジン(0.192g、6.0mmol)を添加し、150℃で24時間撹拌した。1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(1.79g、16.0mmol)を加えて濾過後、溶媒を減圧下に留去して得られた粗生成物をHPLCおよびGPCで単離することで白黄色粉末として式(251)で表される化合物を得た(0.122g、収率40%)。
【0348】
Anal. calcd for C
36H
22N
2B
2C, 85.76; H, 4.40; N, 5.56. found C, 85.85; H, 4.24; N, 5.66.
1H NMR (δppm in CS
2/CD
2Cl
2=2/1, 600 MHz) 7.31-7.34 (m, 4H, NCCCHCH), 7.55 (t, J = 8.4 Hz, 1H, NCCHCHCHCN), 7.61 (td, J = 1.2, 7.2 Hz, 2H, BCCHCHCHCH), 7.78 (td, J = 1.2, 7.2 Hz, 2H, BCCHCHCHCH), 7.91 (t, J = 7.2 Hz, 1H, BCCHCHCHCB), 8.05 (d, J = 8.4 Hz, 2H, NCCHCHCHCN), 8.11-8.13 (m, 2H, NCCHCHCHCH), 8.32-8.35 (m, 2H, NCCCH), 8.40 (d, J = 7.2 Hz, 2H, BCCCH), 8.71 (d, J = 7.2 Hz, 2H, BCCHCHCHCH), 8.96 (d, J = 7.2 Hz, 2H, BCCHCHCHCB)
13C NMR (δppm in CS
2/CD
2Cl
2=2/1, 151 MHz) 114.3 (2C), 119.2, 121.8 (2C), 123.1 (2C), 123.4 (2C), 125.7, 125.8 (2C), 126.2, 126.7 (2C), 127.1 (2C), 128.1 (2C), 130.5 (br, 2C, CBCCCBC), 131.4 (2C), 133.0 (br, 2C, CBCCCBC), 135.8 (2C), 137.5 (4C), 137.6 (2C), 138.9, 139.0 (2C)
11B NMR (δppm in CS
2/CD
2Cl
2=2/1, 193 MHz) 36.5.
【0349】
合成例(13):
4b,17b−ジアザ−9b,22b−ジボラテトラベンゾ[a,c,f,m]フェナントロ[9,10−k]テトラフェンの合成
【化152】
[この文献は図面を表示できません]
【0350】
N,N”−ビス(ビフェニル−2−イル)−2,2”−ジアミノテルフェニル(0.565g、1.00mmol)およびトルエン(10mL)に、アルゴン雰囲気下、−78℃で、ブチルリチウムのヘキサン溶液(0.62mL、1.63M、1.0mmol)を添加し撹拌した。1時間後0℃に昇温しさらに1時間撹拌した後、−78℃で三塩化ホウ素のヘプタン溶液(1.00mL、1.00M、1.0mmol)を加え、1時間撹拌した後、室温に昇温しさらに12時間攪拌した。溶媒を減圧下留去し、1,2−ジクロロベンゼン(20mL)を加えた後、三塩化アルミニウム(2.13g、16.0mmol)および2,2,6,6−テトラメチルピペリジン(0.192g、6.0mmol)を添加し、150℃で24時間撹拌した。1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(1.79g、16.0mmol)を加えて濾過後、溶媒を減圧下に留去して得られた粗生成物をHPLCおよびGPCで単離することで白黄色粉末として式(256)で表される化合物を得た(0.133g、収率23%)。
【0351】
HRMS(FAB) m/z; calcd. 580.2282[M]
+; found 580.2296.
11B NMR (δppm in CS
2/C
6D
6=2/1, 126 MHz) 35.7.
【0352】
合成例(14):
11b−アザ−3b−ボラベンゾ[11,12]クリセノ[6,5−b]チオフェンの合成
【化153】
[この文献は図面を表示できません]
【0353】
N−[(2−チエニル)フェニル]−N−(ビフェニル−2−イル)アミン(0.655g、2.00mmol)およびトルエン(10mL)に、アルゴン雰囲気下、−78℃で、ブチルリチウムのヘキサン溶液(1.25mL、1.60M、2.00mmol)を添加し撹拌した。1時間後0℃に昇温しさらに1時間撹拌した後、−78℃で三塩化ホウ素のヘプタン溶液(2.00mL、1.00M、2.00mmol)を加え、室温で12時間撹拌した。溶媒を減圧下留去し、1,2−ジクロロベンゼン(10mL)を加えた後、三塩化アルミニウム(1.07g、8.00mmol)および2,2,6,6−テトラメチルピペリジン(0.621g、4.00mmol)を添加し、150℃で24時間攪拌した。1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(0.897g、8.00mmol)を加えて濾過後、溶媒を減圧下に留去して得られた粗生成物をHPLCおよびGPCで単離することで白黄色粉末として標題化合物を得た(0.054g、収率8%)。
【0354】
HRMS(EI) m/z; calcd. 335.0940[M]
+; found 335.0926.
1H NMR (δppm in C
6D
6, 392 MHz) 6.92-7.11 (m, 5H), 7.39 (td, J = 0.9, 7.6 Hz, 1H), 7.50 (td, J = 1.8, 7.2 Hz, 1H), 7.91-8.00 (m, 4H), 8.11-8.16 (m, 2H), 8.63 (dd, J = 0.9, 7.6 Hz, 1H).
【0355】
合成例(15):
11b−アザ−3b−ボラベンゾ[11,12]クリセノ[5,6−b]チオフェンの合成
【化154】
[この文献は図面を表示できません]
【0356】
N−[(3−チエニル)フェニル]−N−(ビフェニル−2−イル)アミン(0.655g、2.00mmol)およびトルエン(10mL)に、アルゴン雰囲気下、−78℃で、ブチルリチウムのヘキサン溶液(1.25mL、1.60M、2.00mmol)を添加し撹拌した。1時間後0℃に昇温しさらに1時間撹拌した後、−78℃で三塩化ホウ素のヘプタン溶液(2.00mL、1.00M、2.00mmol)を加え、室温で12時間撹拌した。溶媒を減圧下留去し、1,2−ジクロロベンゼン(10mL)を加えた後、三塩化アルミニウム(1.07g、8.00mmol)および2,2,6,6−テトラメチルピペリジン(0.621g、4.00mmol)を添加し、150℃で24時間攪拌した。1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(0.897g、8.00mmol)を加えて濾過後、溶媒を減圧下に留去して得られた粗生成物をHPLCおよびGPCで単離することで白黄色粉末として標題化合物を得た(0.020g、収率3%)。
【0357】
HRMS(EI) m/z; calcd. 335.0940[M]
+; found 335.0943.
1H NMR (δppm in C
6D
6, 392 MHz) 7.00-7.05 (m, 2H), 7.07-7.12 (m, 2H), 7.40-7.50 (m, 3H), 7.63 (d, J = 4.9 Hz, 1H), 7.94 (dd, J = 1.8, 8.1 Hz, 1H), 8.03 (dd, J = 1.3, 8.5 Hz, 1H), 8.08-8.15 (m, 3H), 8.95 (dd, J = 1.4, 7.6 Hz, 1H).
【0358】
合成例(16):
1−メチル−11b−アザ−3b−ボラベンゾ[11,12]クリセノ[5,6−c]チオフェンの合成
【化155】
[この文献は図面を表示できません]
【0359】
N−[(3−(2−メチル)チエニル)フェニル]−N−(ビフェニル−2−イル)アミン(0.683g、2.00mmol)およびトルエン(10mL)に、アルゴン雰囲気下、−78℃で、ブチルリチウムのヘキサン溶液(1.25mL、1.60M、2.00mmol)を添加し撹拌した。1時間後0℃に昇温しさらに1時間撹拌した後、−78℃で三塩化ホウ素のヘプタン溶液(2.00mL、1.00M、2.00mmol)を加え、室温で12時間撹拌した。溶媒を減圧下留去し、1,2−ジクロロベンゼン(10mL)を加えた後、三塩化アルミニウム(1.07g、8.00mmol)および2,2,6,6−テトラメチルピペリジン(0.621g、4.00mmol)を添加し、150℃で18時間攪拌した。1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(0.897g、8.00mmol)を加えて濾過後、溶媒を減圧下に留去して得られた粗生成物をHPLCおよびGPCで単離することで褐色粉末として標題化合物を得た(0.035g、収率5%)。
HRMS(MALDI) m/z; calcd. 349.1091[M]
+; found 349.1088.
11B NMR (δppm in C
6D
6, 126 MHz) 32.5.
【0360】
合成例(17):
3b−アザ−11b−ボラベンゾ[11,12]クリセノ[6,5−b]チオフェンの合成
【化156】
[この文献は図面を表示できません]
【0361】
N−([1,1’−ビフェニル]−2―イル)−2−フェニルチオフェン−3−アミン(0.655g、2.00mmol)およびトルエン(10mL)に、アルゴン雰囲気下、−78℃で、ブチルリチウムのヘキサン溶液(1.25mL、1.60M、2.00mmol)を添加し撹拌した。1時間後0℃に昇温しさらに1時間撹拌した後、−78℃で三塩化ホウ素のヘプタン溶液(2.00mL、1.00M、2.00mmol)を加え、室温で12時間撹拌した。溶媒を減圧下留去し、1,2−ジクロロベンゼン(10mL)を加えた後、三塩化アルミニウム(1.07g、8.00mmol)および2,2,6,6−テトラメチルピペリジン(0.621g、4.00mmol)を添加し、150℃で24時間攪拌した。1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(0.897g、8.0mmol)を加えて濾過後、溶媒を減圧下に留去して得られた粗生成物をHPLCおよびGPCで単離することで白黄色粉末として標題化合物を得た(0.030g、収率4%)。
【0362】
HRMS(EI) m/z; calcd. 335.0940[M]
+; found 335.0929.
11B NMR (δppm in C
6D
6, 126 MHz) 34.5.
【0363】
合成例(18):
12b−アザ−4b−ボラジベンゾ[l,k]ピロロ[1,2−f]フェナントリジンの合成
【化157】
[この文献は図面を表示できません]
【0364】
N−(2−(1H−ピロール−1−イル)フェニル)−[1,1’−ビフェニル]−2―アミン(0.621g、2.00mmol)およびトルエン(10mL)に、アルゴン雰囲気下、−78℃で、ブチルリチウムのヘキサン溶液(1.25mL、1.60M、2.00mmol)を添加し撹拌した。1時間後0℃に昇温しさらに1時間撹拌した後、−78℃で三塩化ホウ素のヘプタン溶液(2.00mL、1.00M、2.00mmol)を加え、室温で12時間撹拌した。溶媒を減圧下留去し、1,2−ジクロロベンゼン(10mL)を加えた後、三塩化アルミニウム(1.07g、8.00mmol)および2,2,6,6−テトラメチルピペリジン(0.466g、3.00mmol)を添加し、150℃で24時間攪拌した。1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(1.12g、10.0mmol)を加えて濾過後、溶媒を減圧下に留去して得られた粗生成物をHPLCおよびGPCで単離することで白色粉末として標題化合物を得た(0.023g、収率4%)。
【0365】
HRMS(EI) m/z; calcd. 318.1328[M]
+; found 318.1324.
1H NMR (δppm in C
6D
6, 392 MHz) 6.72-6.73 (m, 1H), 6.76-6.80 (m, 1H), 6.85-6.89 (m, 1H), 7.01-7.09 (m, 2H), 7.28 (dd, J = 1.3, 8.5 Hz, 1H), 7.35-7.39 (m, 1H), 7.46-7.51 (m, 2H), 7.55 (dd, J = 1.3, 3.6 Hz, 1H), 7.80 (dd, J = 1.3, 8.5 Hz, 1H), 7.86-7.89 (m, 1H), 8.09-8.13 (m, 2H), 8.71 (dd, J = 1.3, 7.6 Hz, 1H).
【0366】
合成例(19):
4b−アザ−12b−ボラベンゾ[f]フェナントロ[9,10−h]キノリンの合成
【化158】
[この文献は図面を表示できません]
【0367】
N−([1,1’−ビフェニル]−2―イル)−3−フェニルピリジン−2−アミン(0.645g、2.00mmol)およびトルエン(10mL)に、アルゴン雰囲気下、−78℃で、ブチルリチウムのヘキサン溶液(1.25mL、1.60M、2.00mmol)を添加し撹拌した。1時間後0℃に昇温しさらに1時間撹拌した後、−78℃で三塩化ホウ素のヘプタン溶液(2.00mL、1.00M、2.00mmol)を加え、室温で12時間撹拌した。溶媒を減圧下留去し、1,2−ジクロロベンゼン(10mL)を加えた後、三塩化アルミニウム(1.07g、8.00mmol)および2,2,6,6−テトラメチルピペリジン(0.621g、4.00mmol)を添加し、150℃で24時間攪拌した。1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(0.897g、8.0mmol)を加えて濾過後、溶媒を減圧下に留去して得られた粗生成物をHPLCおよびGPCで単離することで式(6)で表される化合物を得ることができる。
【0368】
合成例(20):
4b−アザ−12b−フェニル−12b−スタンナジベンゾ[g,p]クリセンの合成
【化159】
[この文献は図面を表示できません]
【0369】
ビス(ビフェニル−2−イル)アミン(0.321g、1.00mmol)およびTHF(10mL)に、アルゴン雰囲気下、−78℃でブチルリチウムのヘキサン溶液(0.63mL、1.60M、1.00mmol)を添加し撹拌した。1時間後、−78℃でフェニルトリクロロスタナン(0.302g、1.00mmol)を加え1時間撹拌後、室温で12時間撹拌した。溶媒を減圧下留去し、1,2−ジクロロベンゼンを加えた後、三塩化アルミニウム(0.533g、4.00mmol)および2,2,6,6−テトラメチルピペリジン(0.232g、1.50mmol)を添加し、150℃で12時間攪拌した。1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(0.448g、4.00mmol)を加えて濾過後、溶媒を減圧下に留去して得られた粗生成物をHPLCおよびGPCで単離することで標題化合物を得ることができる。
【0370】
合成例(21):
6c−アザ−16b−ボラジベンゾ[c,p]ナフト[1,2−g]クリセンの合成
【化160】
[この文献は図面を表示できません]
【0371】
ビス(2−フェニルナフタレン−1−イル)アミン(5.91g、14.0mmol)およびトルエン(70mL)に、アルゴン雰囲気下、−78℃でブチルリチウムのヘキサン溶液(8.75mL、1.60M、14.0mmol)を添加し撹拌した。5分後0℃に昇温しさらに2時間半撹拌した後、−78℃で三塩化ホウ素のヘプタン溶液(14.0mL、1.00M、14.0mmol)を加え、室温で12時間撹拌した。溶媒を減圧下留去し、1,2−ジクロロベンゼンを加えた後、三塩化アルミニウム(14.9g、112mmol)および2,2,6,6−テトラメチルピペリジン(9.53mL、56.0mmol)を添加し、150℃で12時間攪拌した。1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(12.6g、112mmol)を加えて濾過後、溶媒を減圧下に留去して得られた粗生成物をヘキサン洗浄により単離することで茶色粉末として式(4)で表される化合物を得た(4.27g、収率68%)。
【0372】
HRMS(EI) m/z; calcd. 429.1694[M]
+; found 429.1698.
1H NMR (δppm in CDCl
3); 6.65-6.69 (m, 2H), 7.11 (t, 2H, J = 7.4 Hz), 7.16 (d, 2H, J = 8.9 Hz), 7.64-7.70 (m, 4H), 7.79 (d, 2H, J = 8.9 Hz), 7.86 (dd, 2H, J = 0.9, 7.6 Hz), 8.48 (d, 2H, J = 8.9 Hz), 8.60 (d, 2H, J = 8.1 Hz), 8.84 (d, 2H, J = 7.1 Hz).
【0373】
合成例(22):
6c−アザ−14b−ボラトリベンゾ[c,g,p]クリセンの合成
【化161】
[この文献は図面を表示できません]
【0374】
N−([1,1’−ビフェニル]−2−イル)−2−フェニルナフタレン−1−アミン(0.559g、1.51mmol)およびトルエン(7.5mL)に、アルゴン雰囲気下、−78℃で、ブチルリチウムのヘキサン溶液(0.940mL、1.60M、1.50mmol)を添加し撹拌した。10分後0℃に昇温しさらに1時間半撹拌した後、−78℃で三塩化ホウ素のヘプタン溶液(1.50mL、1.00M、1.50mmol)を加え、室温で12時間撹拌した。溶媒を減圧下留去し、1,2−ジクロロベンゼンを加えた後、三塩化アルミニウム(0.800g、6.00mmol)および2,2,6,6−テトラメチルピペリジン(0.510mL、3.00mmol)を添加し、150℃で12時間攪拌した。1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(0.675g、6.01mmol)を加えて濾過後、溶媒を減圧下に留去して得られた粗生成物をGPCで単離することで茶色粉末として式(2)で表される化合物を得た(0.132g、収率23%)。
【0375】
HRMS(EI) m/z; calcd. 379.1532[M]
+; found 379.1521.
1H NMR (δppm in CDCl
3); 7.04-7.06 (m, 2H), 7.10-7.15 (m, 1H), 7.18-7.22 (m, 1H), 7.37-7.41 (m, 1H), 7.58-7.62 (m, 2H), 7.63-7.67 (m, 1H), 7.77-7.89 (m, 4H), 8.30 (d, 1H, J = 7.6 Hz), 8.44 (d, 1H, J = 8.5 Hz), 8.46 (d, 1H, J = 8.0 Hz), 8.51 (d, 1H, J = 8.0 Hz), 8.74-8.77 (m, 2H).
【0376】
合成例(23):
4b−アザ−14b−ボラトリベンゾ[a,c,f]テトラフェンの合成
【化162】
[この文献は図面を表示できません]
【0377】
N−(2−(ナフタレン−2−イル)フェニル)−[1,1’−ビフェニル]−2−アミン(0.370g、0.996mmol)およびトルエン(5.0mL)に、アルゴン雰囲気下、−78℃でブチルリチウムのヘキサン溶液(0.625mL、1.60M、1.00mmol)を添加し撹拌した。15分後0℃に昇温しさらに1時間半撹拌した後、−78℃で三塩化ホウ素のヘプタン溶液(1.00mL、1.00M、1.00mmol)を加え、室温で12時間撹拌した。溶媒を減圧下留去し、1,2−ジクロロベンゼンを加えた後、三塩化アルミニウム(1.07g、8.00mmol)および2,2,6,6−テトラメチルピペリジン(0.680mL、4.00mmol)を添加し、150℃で12時間攪拌した。1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(0.897g、8.00mmol)を加えて濾過後、溶媒を減圧下に留去して得られた粗生成物をGPCで単離することで茶色粉末として式(5)で表される化合物を得た(0.219g、収率55%)。
【0378】
HRMS(EI) m/z; calcd. 379.1532[M]
+; found 379.1538.
1H NMR (δppm in CDCl
3); 7.26-7.38 (m, 4H), 7.49-7.53 (m, 1H), 7.54-7.60 (m, 1H), 7.61-7.65 (m, 1H), 7.75-7.79 (m, 1H), 7.97-8.07 (m, 4H), 8.32 (dd, 1H, J = 1.6, 7.8 Hz), 8.38-8.43 (m, 2H), 8.73 (s, 1H), 8.78 (dd, 1H, J = 1.4, 7.6 Hz), 9.10 (s, 1H).
【0379】
合成例(24):
2,11−ジブロモ−6c−アザ−16b−ボラジベンゾ[c,p]ナフト[1,2−g]クリセンの合成
【化163】
[この文献は図面を表示できません]
【0380】
6c−アザ−16b−ボラジベンゾ[c,p]ナフト[1,2−g]クリセン(0.0427g、0.996mmol)および塩化メチレン(1.0mL)に、室温でN−ブロモスクシンイミド(0.0444g、0.249mmol)を添加し6時間撹拌した。溶媒を減圧下に留去して得られた粗生成物をGPCで単離することで茶色粉末として標題化合物を得た(0.0222g、収率38%)。
【0381】
HRMS(EI) m/z; calcd. 586.9887[M]
+; found 586.9885.
1H NMR (δppm in CDCl
3); 6.79 (dt, 2H, J = 1.4, 7.7 Hz), 7.19-7.24 (m, 4H), 7.70 (t, 2H, J = 6.7 Hz), 7.90 (dt, 2H, J = 1.3, 7.4 Hz), 8.12 (d, 2H, J = 8.5 Hz), 8.55 (d, 2H, J = 8.1 Hz), 8.80 (s, 2H), 8.84 (d, 2H, J = 6.7 Hz).
【0382】
合成例(25):
8b,11b,14b−トリアザ−22b,25b,28b−トリボラオクタベンゾ[a,c,fg,jk,n,p,st,wx]ヘキサセンの合成
【化164】
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【0383】
N
2−([1,1’−ビフェニル]−2−イル)−N
6−(6−([1,1’−ビフェニル]−2−イルアミノ)−[1,1’−ビフェニル]−2−イル)−[1,1’−ビフェニル]−2,6−ジアミン(1.31g、2.00mmol)およびトルエン(20mL)に、アルゴン雰囲気下、−78℃で、ブチルリチウムのヘキサン溶液(3.68mL、1.63M、6.00mmol)を添加し撹拌した。1時間後、0℃に昇温しさらに1時間攪拌した後、−78℃で三塩化ホウ素のヘプタン溶液(6.00mL、1.00M、6.00mmol)を加え、室温で12時間撹拌した。溶媒を減圧下留去し、1,2−ジクロロベンゼン(40mL)を加えた後、三塩化アルミニウム(4.01g、30.0mmol)、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン(1.74g、11.3mmol)を添加し、150℃で12時間撹拌した。1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(3.36g、30.0mmol)を加えて濾過後、溶媒を減圧下に留去して得られた粗生成物をHPLCおよびGPCで単離することで標題化合物を得ることができる。
【0384】
合成例(26):
9b,22b−ジアザ−4b,17b−ジボラテトラベンゾ[a,c,f,m]フェナントロ[9,10−k]テトラフェンの合成
【化165】
[この文献は図面を表示できません]
【0385】
N
2’,N
5’−ジ([1,1’−ビフェニル]−2−イル)−[1,1’:4’,1”−テルフェニル]−2’,5’−ジアミン(1.13g、2.00mmol)およびトルエン(20mL)に、アルゴン雰囲気下、−78℃で、ブチルリチウムのヘキサン溶液(2.45mL、1.63M、4.00mmol)を添加し撹拌した。1時間後、0℃に昇温しさらに1時間攪拌した後、−78℃で三塩化ホウ素のヘプタン溶液(4.00mL、1.00M、4.00mmol)を加え、室温で12時間撹拌した。溶媒を減圧下留去し、1,2−ジクロロベンゼン(40mL)を加えた後、三塩化アルミニウム(2.67g、20.0mmol)、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン(1.16g、7.50mmol)を添加し、150℃で12時間撹拌した。1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(2.24g、20.0mmol)を加えて濾過後、溶媒を減圧下に留去して得られた粗生成物をHPLCおよびGPCで単離することで式(257)で表される化合物を得ることができる。
【0386】
合成例(27):
2,7−ジフェニル−4b−アザ−12b−ボラジベンゾ[g,p]クリセンの合成
【化166】
[この文献は図面を表示できません]
【0387】
2,7−ジブロモ−4b−アザ−12b−ボラジベンゾ[g,p]クリセン(0.70g)、フェニルボロン酸(0.44g)、リン酸カリウム(1.5g)、Pd−132(ジョンソン・マッセイ)(0.02g)およびトルエン(15mL)の入ったフラスコを窒素雰囲気下、70℃で1時間攪拌した。反応液を室温まで冷却した後、水およびトルエンを加え分液した。次いで、溶媒を減圧留去した後、活性アルミナカラムクロマトグラフィー(展開液:トルエン/トリエチルアミン=99/1(容量比))で精製した。溶媒を減圧留去した後、得られた固体をヘプタン、酢酸エチルの順に洗浄し、更にクロロベンゼン/ヘプタン混合溶液から再結晶させることで、式(66)で表される化合物(0.51g)を得た。
【0388】
NMR測定により得られた化合物の構造を確認した。
1H−NMR(CDCl
3):δ=8.73(d,2H)、8.60(m,2H)、8.51(d,2H)、8.23(d,2H)、7.82(t,2H)、7.75(d,4H)、7.64(m,4H)、7.51(t,4H)、7.40(t,2H).
【0389】
合成例(28):
N
2,N
2,N
7,N
7−テトラフェニル−4b−アザ−12b−ボラジベンゾ[g,p]クリセン−2,7−ジアミンの合成
【化167】
[この文献は図面を表示できません]
【0390】
2,7−ジブロモ−4b−アザ−12b−ボラジベンゾ[g,p]クリセン(0.70g)、ジフェニルアミン(0.61g)、ナトリウム−t−ブトキシド(0.35g)、Pd(dba)
2(0.02g)、4−(ジ−t−ブチルホスフィノ)−N,N−ジメチルアニリン(0.02g)およびトルエン(15ml)の入ったフラスコを窒素雰囲気下、70℃で1時間攪拌した。反応液を室温まで冷却した後、水およびトルエンを加え分液した。次いで、溶媒を減圧留去した後、活性アルミナカラムクロマトグラフィー(展開液:トルエン/ヘプタン/トリエチルアミン=10/10/1(容量比))で精製した。溶媒を減圧留去した後、得られた固体をヘプタンで洗浄し、式(198)で表される化合物(0.22g)を得た。
【0391】
NMR測定により得られた化合物の構造を確認した。
1H−NMR(CDCl
3):δ=8.67(d,2H)、8.12(m,4H)、8.03(d,2H)、7.67(t,2H)、7.57(t,2H)、7.26(m,8H)、7.16(m,8H)、7.13(dd,2H)、7.02(t,4H).
【0392】
合成例(29):
2,7−ジカルバゾリル−4b−アザ−12b−ボラジベンゾ[g,p]クリセンの合成
【化168】
[この文献は図面を表示できません]
【0393】
2,7−ジブロモ−4b−アザ−12b−ボラジベンゾ[g,p]クリセン(2.00g)、カルバゾール(1.70g)、ナトリウム−t−ブトキシド(1.00g)、Pd(dba)
2(0.05g)、トリ−t−ブチルホスフィンの1Mトルエン溶液(0.25ml)および1,2,4−トリメチルベンゼン(20ml)の入ったフラスコを窒素雰囲気下、150℃で1時間攪拌した。反応液を室温まで冷却した後、析出した固体を吸引ろ過にて採取し、メタノール、水、メタノールの順で洗浄した。次いで、加熱したクロロベンゼンに溶解させ、活性アルミナショートカラムを通過させた。この際、展開液(トルエン/酢酸エチル/トリエチルアミン=95/5/1(容量比))を用いてカラム中から溶出させた。溶媒を減圧留去した後、得られた固体を酢酸エチルで洗浄し、式(197)で表される化合物(1.50g)を得た。
【0394】
NMR測定により得られた化合物の構造を確認した。
1H−NMR(CDCl
3):δ=8.80(d,2H)、8.60(m,2H)、8.48(d,2H)、8.37(d,2H)、8.20(d,4H)、7.81(t,2H)、7.70(t,2H)、7.65(dd,2H)、7.40−7.60(m,8H)、7.33(t,4H).
【0395】
合成例(30):
2,7,11,14−テトラフェニル−4b−アザ−12b−ボラジベンゾ[g,p]クリセンの合成
【化169】
[この文献は図面を表示できません]
【0396】
まず、2−ブロモ−1,1’:4’,1”−テルフェニル(35.0g)、ナトリウム−t−ブトキシド(10.9g)、Pd(dba)
2(0.65g)、4−(ジ−t−ブチルホスフィノ)−N,N−ジメチルアニリン(0.60g)、キシレン(100ml)およびリチウムアミド(1.3g)の入ったフラスコを窒素雰囲気下、90℃で2時間攪拌した。反応液を室温まで冷却した後、水および酢酸エチルを加え分液した。次いで、溶媒を減圧留去した後、活性アルミナカラムクロマトグラフィー(展開液:トルエン)で精製した。溶媒を減圧留去した後、ヘプタンを加えることで沈殿を析出させ、得られた沈殿をヘプタンで洗浄し、ジ([1,1’:4’,1”−テルフェニル]−2−イル)アミン(22.2g)を得た。
【0397】
【化170】
[この文献は図面を表示できません]
【0398】
次に、ジ([1,1’:4’,1”−テルフェニル]−2−イル)アミン(22.2g)およびトルエン(250ml)の入ったフラスコを−70℃まで冷却し、n−ブチルリチウムの2.6Mヘキサン溶液(18.0ml)を滴下した。滴下終了後、一旦0℃まで昇温し、0℃で5分間撹拌した。その後、再び−70℃まで冷却し、三塩化ホウ素の1.0Mヘプタン溶液(46.9ml)を滴下した。次いで、反応液を室温まで昇温した後、一旦溶媒を減圧留去した。ここにオルトジクロロベンゼン(300ml)、2,2,6,6−テトラメチルピぺリジン(13.9g)、三塩化アルミニウム(25.0g)を加え、160℃で12時間撹拌した。反応液を室温まで冷却し、トルエン(500ml)およびセライトを加えて撹拌した後、約1時間静置した。次いで、析出した沈殿をセライトを敷いた桐山ロートを用いた吸引ろ過にて除去した後、溶媒を減圧留去した。更に活性アルミナカラムクロマトグラフィー(展開液:トルエン/酢酸エチル/トリエチルアミン=90/10/1(容量比))で精製後、酢酸エチル/ヘプタン混合溶媒にて再沈殿させ、式(84)で表される化合物(16.2g)を得た。
【0399】
NMR測定により得られた化合物の構造を確認した。
1H−NMR(CDCl
3):δ=9.00(m,2H)、8.50(d,2H)、8.41(d,2H)、8.15(d,2H)、8.04(d,2H)、7.77(d,4H)、7.50(t,4H)、7.40(m,6H).
【0400】
合成例(31):
2,7−ジブロモ−11,14−ジフェニル−4b−アザ−12b−ボラジベンゾ[g,p]クリセンの合成
【化171】
[この文献は図面を表示できません]
【0401】
まず、窒素雰囲気下、2,7,11,14−テトラフェニル−4b−アザ−12b−ボラジベンゾ[g,p]クリセン(4.8g)のTHF(50ml)溶液に、N−ブロモスクシンイミド(NBS)(3.7g)を加え、室温で1時間撹拌した。反応終了後、亜硝酸ナトリウム水溶液を加えて析出した沈殿を吸引ろ過にて採取した。更に得られた固体を活性アルミナカラムクロマトグラフィー(展開液:トルエン/トリエチルアミン=99/1(容量比))で精製し、2,7−ジブロモ−11,14−ジフェニル−4b−アザ−12b−ボラジベンゾ[g,p]クリセン(5.2g)を得た。
【0402】
【化172】
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【0403】
次に、2,7−ジブロモ−11,14−ジフェニル−4b−アザ−12b−ボラジベンゾ[g,p]クリセン(2.0g)、フェニルボロン酸(1.0g)、リン酸カリウム(1.3g)、ナトリウム−t−ブトキシド(0.6g)、Pd−132(ジョンソン・マッセイ)(0.04g)およびトルエン(40mL)の入ったフラスコを窒素雰囲気下、100℃で1時間攪拌した。反応液を室温まで冷却した後、水および酢酸エチルを加え分液した。次いで、溶媒を減圧留去した後、活性アルミナカラムクロマトグラフィー(展開液:トルエン/トリエチルアミン=99/1(容量比))で精製した。溶媒を減圧留去した後、ヘプタンを加え、再沈殿させることで、式(86)で表される化合物(1.8g)を得た。
【0404】
NMR測定により得られた化合物の構造を確認した。
1H−NMR(CDCl
3):δ=9.03(s,2H)、8.64(s,2H)、8.59(d,2H)、8.26(d,2H)、8.06(d,2H)、7.79(m,8H)、7.67(d,2H)、7.52(m,8H)、7.40(m,4H).
【0405】
合成例(32):
10,15−ジフェニル−4b−アザ−12b−ボラジベンゾ[g,p]クリセンの合成
【化173】
[この文献は図面を表示できません]
【0406】
まず、2−ブロモアニリン(25.0g)、[1,1’−ビフェニル]−3−イルボロン酸(28.8g)、炭酸カリウム(50.2g)、Pd(PPh
3)
4(5.0g)、トルエン(200ml)、THF(70ml)および水(30ml)の入ったフラスコを還流温度で8時間撹拌した。反応液を室温まで冷却した後、水を加え分液し、溶媒を減圧留去した。得られた油状物質をシリカゲルショートカラム(展開液:トルエン)で精製し、溶媒を減圧留去して得られた油状物質にヘプタンを加え再沈殿させ、[1,1’:3’,1”−テルフェニル]−2−アミン(33.0g)を得た。
【0407】
【化174】
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【0408】
次に、1−ブロモ−2−ヨードベンゼン(35.0g)、[1,1’−ビフェニル]−3−イルボロン酸(24.5g)、炭酸ナトリウム(32.8g)、Pd(PPh
3)
4(4.3g)、トルエン(200ml)、イソプロピルアルコール(50ml)および水(20ml)の入ったフラスコを還流温度で8時間撹拌した。反応液を室温まで冷却した後、水を加え分液し、溶媒を減圧留去した。得られた油状物質をシリカゲルショートカラム(展開液:トルエン)で精製した。溶媒を減圧留去して得られた油状物質を減圧蒸留にて更に精製し、2−ブロモ−1,1’:3’,1”−テルフェニル(34.4g)を得た。
【0409】
【化175】
[この文献は図面を表示できません]
【0410】
更に、[1,1’:3’,1”−テルフェニル]−2−アミン(20.0g)、2−ブロモ−1,1’:3’,1”−テルフェニル(25.2g)、ナトリウム−t−ブトキシド(11.8g)、Pd(dba)
2(0.11g)、4−(ジ−t−ブチルホスフィノ)−N,N−ジメチルアニリン「A−taPhos」(0.11g)およびキシレン(150ml)の入ったフラスコを窒素雰囲気下、110℃で2時間攪拌した。反応液を室温まで冷却した後、水を加え分液し、溶媒を減圧留去した。得られた油状物質をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開液:トルエン/ヘプタン=2/8(容量比))で精製し、ジ([1,1’:3’,1”−テルフェニル]−2−イル)アミン(32.6g)を得た。
【0411】
【化176】
[この文献は図面を表示できません]
【0412】
上記のようにして得たジ([1,1’:3’,1”−テルフェニル]−2−イル)アミン(22.2g)およびトルエン(250ml)の入ったフラスコを−70℃まで冷却し、n−ブチルリチウムの2.6Mヘキサン溶液(18.0ml)を滴下した。滴下終了後、一旦0℃まで昇温し、0℃で5分間撹拌した。その後、再び−70℃まで冷却し、三臭化ホウ素(11.7g)をヘプタンに溶解させたものを滴下した。次いで、反応液を室温まで昇温した後、一旦溶媒を減圧留去した。ここにオルトジクロロベンゼン(300ml)、2,2,6,6−テトラメチルピぺリジン(13.9g)、三塩化アルミニウム(25.0g)を加え、160℃で12時間撹拌した。反応液を室温まで冷却し、トルエン(500ml)およびセライトを加えて撹拌した後、約1時間静置した。次いで、析出した沈殿をセライトを敷いた桐山ロートを用いた吸引ろ過にて除去した後、溶媒を減圧留去した。更に活性アルミナカラムクロマトグラフィー(展開液:トルエン/ヘプタン/トリエチルアミン=50/50/1(容量比))で精製後、酢酸エチル/エタノール混合溶媒にて再沈殿させ、式(210)で表される化合物(17.0g)を得た。
【0413】
NMR測定により得られた化合物の構造を確認した。
1H−NMR(CDCl
3):δ=8.80(d,2H)、8.64(m,2H)、8.47(d,2H)、8.16(d,2H)、7.87(d,2H)、7.82(d,4H)、7.55(t,4H)、7.34−7.50(m,6H).
【0414】
合成例(33):
2,7,10,15−テトラフェニル−4b−アザ−12b−ボラジベンゾ[g,p]クリセンの合成
【化177】
[この文献は図面を表示できません]
【0415】
まず、窒素雰囲気下、10,15−ジフェニル−4b−アザ−12b−ボラジベンゾ[g,p]クリセン(4.8g)のTHF(40ml)溶液に、N−ブロモスクシンイミド(NBS)(3.7g)を加え、室温で1時間撹拌した。反応終了後、亜硝酸ナトリウム水溶液を加えて析出した沈殿を吸引ろ過にて採取した。更に得られた固体を活性アルミナカラムクロマトグラフィー(展開液:トルエン/トリエチルアミン=99/1(容量比))で精製した。溶媒を減圧留去して得られた固体を酢酸エチルで洗浄し、2,7−ジブロモ−10,15−ジフェニル−4b−アザ−12b−ボラジベンゾ[g,p]クリセン(5.9g)を得た。
【0416】
【化178】
[この文献は図面を表示できません]
【0417】
次に、2,7−ジブロモ−10,15−ジフェニル−4b−アザ−12b−ボラジベンゾ[g,p]クリセン(2.0g)、フェニルボロン酸(1.0g)、リン酸カリウム(2.0g)、ナトリウム−t−ブトキシド(0.3g)、Pd−132(ジョンソン・マッセイ)(0.05g)およびトルエン(40mL)の入ったフラスコを窒素雰囲気下、100℃で1時間攪拌した。反応液を室温まで冷却した後、水およびトルエンを加え分液した。次いで、溶媒を減圧留去した後、活性アルミナカラムクロマトグラフィー(展開液:トルエン/トリエチルアミン=99/1(容量比))で精製した。溶媒を減圧留去した後、トルエンから再結晶させることで、式(211)で表される化合物(1.8g)を得た。
【0418】
NMR測定により得られた化合物の構造を確認した。
1H−NMR(CDCl
3):δ=8.82(d,2H)、8.69(m,2H)、8.65(m,2H)、8.25(d,2H)、7.88(dd,2H)、7.82(d,4H)、7.76(d,4H)、7.66(dd,2H)、7.49−7.59(m,8H)、7.46(t,2H)、7.40(t,2H).
【0419】
合成例(34):
9,16−ジフェニル−4b−アザ−12b−ボラジベンゾ[g,p]クリセン化合物の合成
【化179】
[この文献は図面を表示できません]
【0420】
まず、2−ブロモアニリン(21.7g)、[1,1’−ビフェニル]−2−イルボロン酸(25.0g)、炭酸カリウム(44.0g)、Pd(PPh
3)
4(4.4g)、トルエン(175ml)、THF(60ml)および水(20ml)の入ったフラスコを還流温度で8時間撹拌した。反応液を室温まで冷却した後、水を加え分液し、溶媒を減圧留去した。得られた油状物質をシリカゲルショートカラム(展開液:トルエン/ヘプタン=1/1(容量比))で精製した。溶媒を減圧留去して得られた油状物質を減圧蒸留にて更に精製し、[1,1’:2’,1”−テルフェニル]−2−アミン(25.6g)を得た。
【0421】
【化180】
[この文献は図面を表示できません]
【0422】
次に、1−ブロモ−2−ヨードベンゼン(35.0g)、[1,1’−ビフェニル]−2−イルボロン酸(24.5g)、炭酸ナトリウム(32.8g)、Pd(PPh
3)
4(4.3g)、トルエン(200ml)、イソプロピルアルコール(50ml)および水(20ml)の入ったフラスコを還流温度で8時間撹拌した。反応液を室温まで冷却した後、水を加え分液し、溶媒を減圧留去した。得られた油状物質をシリカゲルショートカラム(展開液:トルエン/ヘプタン=1/1(容量比))で精製した。溶媒を減圧留去して得られた油状物質を減圧蒸留にて更に精製し、2−ブロモ−1,1’:2’,1”−テルフェニル(22.0g)を得た。
【0423】
【化181】
[この文献は図面を表示できません]
【0424】
更に、[1,1’:2’,1”−テルフェニル]−2−アミン(17.5g)、2−ブロモ−1,1’:2’,1”−テルフェニル(22.0g)、ナトリウム−t−ブトキシド(10.3g)、Pd(dba)
2(0.10g)、4−(ジ−t−ブチルホスフィノ)−N,N−ジメチルアニリン(0.09g)およびキシレン(100ml)の入ったフラスコを窒素雰囲気下、110℃で2時間攪拌した。反応液を室温まで冷却した後、水を加え分液し、溶媒を減圧留去した。得られた油状物質をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開液:トルエン/ヘプタン混合溶液)で精製し、ジ([1,1’:2’,1”−テルフェニル]−2−イル)アミン(32.6g)を得た。この際、「有機化学実験のてびき(1)−物質取扱法と分離精製法−」株式会社化学同人出版、94頁に記載の方法を参考にして、展開液中のトルエンの比率を徐々に増加させて目的物を溶出させた。ジ([1,1’:2’,1”−テルフェニル]−2−イル)アミン(20.1g)を得た。
【0425】
【化182】
[この文献は図面を表示できません]
【0426】
上記のようにして得たジ([1,1’:2’,1”−テルフェニル]−2−イル)アミン(19.0g)およびトルエン(250ml)の入ったフラスコを−70℃まで冷却し、n−ブチルリチウムの2.6Mヘキサン溶液(15.4ml)を滴下した。滴下終了後、一旦0℃まで昇温し、0℃で5分間撹拌した。その後、この溶液を−70℃に冷却した三塩化ホウ素(29.7g)のトルエン溶液に滴下した。次いで、一旦溶媒を減圧留去し、オルトジクロロベンゼン(300ml)、2,2,6,6−テトラメチルピぺリジン(11.9g)、三塩化アルミニウム(21.4g)を加え、160℃で12時間撹拌した。反応液を室温まで冷却し、トルエン(500ml)およびセライトを加えて撹拌した後、約1時間静置した。次いで、析出した沈殿をセライトを敷いた桐山ロートを用いた吸引ろ過にて除去した後、溶媒を減圧留去した。更に活性アルミナカラムクロマトグラフィー(展開液:トルエン/ヘプタン/トリエチルアミン=90/10/1(容量比))で精製後、酢酸エチル/エタノール混合溶媒にて再沈殿させ、式(212)で表される化合物(2.3g)を得た。
【0427】
NMR測定により得られた化合物の構造を確認した。
1H−NMR(CDCl
3):δ=8.74(d,2H)、8.70(m,1H)、8.06(d,2H)、7.26−7.70(m,16H)、7.21(t,2H)、6.77(t,2H).
【0428】
合成例(35):
2−フェニル−4b−アザ−12b−ボラジベンゾ[g,p]クリセン化合物の合成
【化183】
[この文献は図面を表示できません]
【0429】
まず、2,4−ジブロモアニリン(25.0g)、フェニルボロン酸(30.0g)、Pd(PPh
3)
4(5.8g)、リン酸三カリウム(106.0g)、キシレン(300ml)、t−ブチルアルコール(50ml)および水(50ml)の入ったフラスコを120℃で30分撹拌した。反応液を室温まで冷却し、水および酢酸エチルを加え分液した。有機層をシリカゲルショートカラムに通し、高極性の副生物を除去した後、溶媒を減圧留去した。更にシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開液:トルエン/ヘプタン=8/2(容量比))で精製した後、ヘプタンで再沈殿させ、[1,1’:3’,1”−テルフェニル]−4’−アミン(13.1g)を得た。
【0430】
【化184】
[この文献は図面を表示できません]
【0431】
次に、[1,1’:3’,1”−テルフェニル]−4’−アミン(13.0g)、2−ブロモビフェニル(12.4g)、ナトリウム−t−ブトキシド(7.6g)、Pd(dba)
2(0.08g)、4−(ジ−t−ブチルホスフィノ)−N,N−ジメチルアニリン(0.07g)およびトルエン(100ml)の入ったフラスコを窒素雰囲気下、80℃で30分攪拌した。反応液を室温まで冷却し、水および酢酸エチルを加え分液した。溶媒を減圧留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開液:トルエン/ヘプタン=2/8(容量比))で精製し、N−([1,1’−ビフェニル]−2−イル)−[1,1’:3’,1”−テルフェニル]−4’−アミン(20.0g)を得た。
【0432】
【化185】
[この文献は図面を表示できません]
【0433】
上記のようにして得たN−([1,1’−ビフェニル]−2−イル)−[1,1’:3’,1”−テルフェニル]−4’−アミン(18.6g)およびトルエン(250ml)の入ったフラスコを−70℃まで冷却し、n−ブチルリチウムの1.6Mヘキサン溶液(29.3ml)を滴下した。滴下終了後、一旦0℃まで昇温することで得られた懸濁液を三塩化ホウ素の1.0Mヘプタン溶液(46.9ml)をトルエンで希釈した溶液に−60℃で滴下した。次いで、反応液を室温まで昇温した後、一旦溶媒を減圧留去した。ここにオルトジクロロベンゼン(300ml)、2,2,6,6−テトラメチルピぺリジン(13.9g)、三塩化アルミニウム(25.0g)を加え、170℃で20時間撹拌した。反応液を60℃まで冷却し、炭酸ナトリウム(10.0g)および酢酸ナトリウム(31.0g)を加えた氷水(懸濁溶液)に加えた。有機層を分液後、セライトを敷いた桐山ロートで吸引ろ過し、溶媒を減圧留去した。次いで、活性アルミナカラムクロマトグラフィー(展開液:トルエン/トリエチルアミン=100/1(容量比))で精製後、酢酸エチル/ヘプタン混合溶媒にて再沈殿させ、式(51)で表される化合物(14.0g)を得た。
【0434】
NMR測定により得られた化合物の構造を確認した。
1H−NMR(CDCl
3):δ=8.71(m,2H)、8.58(m,1H)、8.50(d,1H)、8.43(d,1H)、8.38(d,1H)、8.19(d,1H)、8.16(d,1H)、7.80(m,2H)、7.74(d,2H)、7.63(m,3H)、7.50(t,2H)、7.33−7.43(m,3H).
【0435】
合成例(36):
9−(4−(7−フェニル−4b−アザ−12b−ボラジベンゾ[g,p]クリセン−2−イル)フェニル)−9H−カルバゾールの合成
【化186】
[この文献は図面を表示できません]
【0436】
まず、窒素雰囲気下、2−フェニル−4b−アザ−12b−ボラジベンゾ[g,p]クリセン(6.0g)のTHF(40ml)溶液に、N−ブロモスクシンイミド(NBS)(2.8g)を加え、室温で終夜撹拌した。反応終了後、亜硝酸ナトリウム水溶液およびトルエンを加え分液し、溶媒を減圧留去した。得られた固体をクロロベンゼンに溶解させ、活性アルミナショートカラム(展開液:トルエン/トリエチルアミン=100/1(容量比))に通した。溶媒を減圧留去し得られた固体をヘプタンで洗浄することで2−ブロモ−7−フェニル−4b−アザ−12b−ボラジベンゾ[g,p]クリセン(6.1g)を得た。
【0437】
【化187】
[この文献は図面を表示できません]
【0438】
次に、2−ブロモ−7−フェニル−4b−アザ−12b−ボラジベンゾ[g,p]クリセン(2.0g)、(4−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル)ボロン酸(1.4g)、Pd−132(0.06g)、リン酸三カリウム(1.75g)、ナトリウム−t−ブトキシド(1.0g)およびトルエン(40ml)の入ったフラスコを80℃で1時間撹拌した。反応液を室温まで冷却し、水および酢酸エチルを加え分液した。次いで、溶媒を減圧留去した後、活性アルミナショートカラム(展開液:オルトジクロロベンゼン)に通した。溶媒を減圧留去した後、加熱したクロロベンゼンに溶解させ、ヘプタンを加えることで再沈殿させ、式(205)で表される化合物(1.0g)を得た。
【0439】
NMR測定により得られた化合物の構造を確認した。
1H−NMR(CDCl
3):δ=8.76(m,2H)、8.70(m,1H)、8.62(m,1H)、8.58(d,1H)、8.54(d,1H)、8.30(d,1H)、8.26(d,1H)、8.18(d,2H)、7.99(d,2H)、7.84(m,2H)、7.64−7.79(m,8H)、7.53(m,4H)、7.45(t,2H)、7.40(t,1H)、7.32(t,2H).
【0440】
合成例(37):
N,N−ジフェニル−4−(7−フェニル−4b−アザ−12b−ボラジベンゾ[g,p]クリセン−2−イル)アニリンの合成
【化188】
[この文献は図面を表示できません]
【0441】
2−ブロモ−7−フェニル−4b−アザ−12b−ボラジベンゾ[g,p]クリセン(2.0g)、N,N−ジフェニル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)アニリン(1.7g)、Pd−132(0.06g)、リン酸三カリウム(1.75g)、ナトリウム−t−ブトキシド(1.0g)、t−ブチルアルコール(0.4ml)およびトルエン(40ml)の入ったフラスコを90℃で1時間撹拌した。反応液を室温まで冷却し、水および酢酸エチルを加え分液した。次いで、溶媒を減圧留去した後、活性アルミナショートカラム(展開液:トルエン/トリエチルアミン=100/1(容量比))に通した。溶媒を減圧留去した後、ヘプタンを加えることで再沈殿させ、式(209)で表される化合物(0.9g)を得た。
【0442】
NMR測定により得られた化合物の構造を確認した。
1H−NMR(CDCl
3):δ=8.73(d,2H)、8.60(m,1H)、8.57(m,1H)、8.51(m,2H)、8.22(m,2H)、7.81(m,2H)、7.75(d,2H)7.63(m,6H)、7.52(t,2H)、7.40(t,1H)、7.29(m,4H)、7.20(d,2H)、7.18(m,4H)、7.05(t,2H).
【0443】
合成例(38):
9−フェニル−3−(7−フェニル−4b−アザ−12b−ボラジベンゾ[g,p]クリセン−2−イル)−2−イル)−9H−カルバゾールの合成
【化189】
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【0444】
2−ブロモ−7−フェニル−4b−アザ−12b−ボラジベンゾ[g,p]クリセン(2.0g)、(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)ボロン酸(1.4g)、Pd−132(0.06g)、リン酸三カリウム(1.75g)、トルエン(40ml)およびt−ブチルアルコール(10ml)の入ったフラスコを120℃で2時間撹拌した。反応液を室温まで冷却し、水および酢酸エチルを加え分液した。次いで、溶媒を減圧留去した後、活性アルミナショートカラム(展開液:トルエン/トリエチルアミン=100/1(容量比))に通した。溶媒を減圧留去した後、ヘプタンを加えることで再沈殿させ、式(214)で表される化合物(1.6g)を得た。
【0445】
NMR測定により得られた化合物の構造を確認した。
1H−NMR(CDCl
3):δ=8.75(d,2H)、8.71(m,1H)、8.61(m,1H)、8.59(d,1H)、8.51(d,1H)、8.50(m,1H)、8.26(m,3H)、7.79−7.87(m,3H)、7.77(m,3H)、7.60−7.70(m,7H)、7.47−7.57(m,4H)、7.45(m,2H)、7.40(t,1H)、7.33(m,1H).
【0446】
合成例(39):
2,7−ジフェニル−4b−アザ−12b−オキサホスファ−ジベンゾ[g,p]クリセンの合成
【化190】
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【0447】
まず、窒素雰囲気下、4b−アザ−12b−オキサホスファ−ジベンゾ[g,p]クリセン(3.5g)のTHF(150ml)溶液に、N−ブロモスクシンイミド(NBS)(13.6g)を加え、還流温度で2時間撹拌した。反応終了後、亜硝酸ナトリウム水溶液およびトルエンを加え分液し、溶媒を減圧留去した。得られた油状物質にエタノールを加えることで再沈殿させ、2,7−ジブロモ−4b−アザ−12b−オキサホスファ−ジベンゾ[g,p]クリセン(4.5g)を得た。
【0448】
【化191】
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【0449】
次に、2,7−ジブロモ−4b−アザ−12b−オキサホスファ−ジベンゾ[g,p]クリセン(1.5g)、フェニルボロン酸(0.9g)、リン酸カリウム(3.0g)、Pd−132(ジョンソン・マッセイ)(0.04g)およびキシレン(30mL)の入ったフラスコを窒素雰囲気下、70℃で1時間攪拌した。反応液を室温まで冷却した後、ヘプタンを加え生じた沈殿を吸引ろ過にて採取した。得られた固体を温水で洗浄後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開液:トルエン/酢酸エチル混合溶液)で精製した。この際、展開液中の酢酸エチルの比率を徐々に増加させて目的物を溶出させた。また、シリカゲル上に試料をチャージする際は加熱したクロロベンゼンに溶解させた溶液を使用した。更に酢酸エチルから再結晶し、式(366)で表される化合物(1.3g)を得た。
【0450】
合成例(40):
2,7−ジ(ピリジン−3−イル)−4b−アザ−12b−オキサホスファ−ジベンゾ[g,p]クリセンの合成
【化192】
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【0451】
2,7−ジブロモ−4b−アザ−12b−オキサホスファ−ジベンゾ[g,p]クリセン(2.0g)、3−(4,4,5,−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン(2.0g)、リン酸カリウム(4.0g)、Pd−132(ジョンソン・マッセイ)(0.05g)、キシレン(40mL)およびt−ブチルアルコール(4ml)の入ったフラスコを窒素雰囲気下、100℃で1時間攪拌した。反応液を室温まで冷却した後、酢酸エチルおよび水を加えた。更に希塩酸を加え水層を中和してから分液した。溶媒を減圧留去し、得られた固体をNH修飾シリカゲル(DM1020:富士シリシア製)カラムクロマトグラフィー(展開液:クロロベンゼン/酢酸エチル=9/1(容量比))にて精製し、溶媒を留去した濃縮液にヘプタンを加え再沈殿させ、式(391)で表される化合物(1.0g)を得た。
【0452】
合成例(41):
2,7−ジ(ピリジン−4−イル)−4b−アザ−12b−オキサホスファ−ジベンゾ[g,p]クリセンの合成
【化193】
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【0453】
2,7−ジブロモ−4b−アザ−12b−オキサホスファ−ジベンゾ[g,p]クリセン(1.5g)、4−(4,4,5,−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン(1.5g)、リン酸カリウム(4.0g)、Pd−132(ジョンソン・マッセイ)(0.05g)、キシレン(40mL)およびt−ブチルアルコール(4ml)の入ったフラスコを窒素雰囲気下、120℃で2時間攪拌した。反応液を室温まで冷却した後、ヘプタンを加え生じた沈殿を吸引ろ過にて採取した。得られた固体を温水で洗浄後、NH修飾シリカゲル(DM1020:富士シリシア製)ショートカラム(展開液:加熱したクロロベンゼン)にて精製した。溶媒を減圧留去した後、ヘプタンを加え再沈殿させ、式(392)で表される化合物(0.4g)を得た。
【0454】
合成例(42):
2,7−ビス(3−(ピリジン−2−イル)フェニル)−4b−アザ−12b−オキサホスファ−ジベンゾ[g,p]クリセンの合成
【化194】
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【0455】
2,7−ジブロモ−4b−アザ−12b−オキサホスファ−ジベンゾ[g,p]クリセン(2.0g)、2−(3−(4,4,5,−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)ピリジン(2.7g)、リン酸カリウム(4.0g)、Pd−132(ジョンソン・マッセイ)(0.05g)、キシレン(40mL)およびt−ブチルアルコール(4ml)の入ったフラスコを窒素雰囲気下、120℃で3時間攪拌した。反応液を室温まで冷却した後、トルエンおよび希塩酸を加え分液した。溶媒を減圧留去した後、NH修飾シリカゲル(DM1020:富士シリシア製)ショートカラム(展開液:加熱したトルエン/酢酸エチル=9/1(容量比))にて精製した。更にトルエン/ヘプタン混合溶液で再沈殿させ、式(394)で表される化合物(1.6g)を得た。
【0456】
合成例(43):
2,7−ジ(カルバゾール−9−イル)−4b−アザ−12b−オキサホスファ−ジベンゾ[g,p]クリセンの合成
【化195】
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【0457】
2,7−ジブロモ−4b−アザ−12b−オキサホスファ−ジベンゾ[g,p]クリセン(2.0g)、カルバゾール(1.6g)、ナトリウム−t−ブトキシド(0.64g)、Pd(dba)
2(0.07g)、トリ−t−ブチルホスフィン1Mトルエン溶液(0.34ml)および1,2,4−トリメチルベンゼン「Me
3Ph」(40mL)の入ったフラスコを窒素雰囲気下、150℃で16時間攪拌した。反応液を室温まで冷却した後、水およびトルエンを加え分液した。溶媒を減圧留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開液:トルエン/酢酸エチル混合溶液)で精製した。この際、展開液中の酢酸エチルの比率を徐々に増加させて目的物を溶出させた。溶媒を減圧留去した後、酢酸エチルで洗浄し、更にクロロベンゼン/酢酸エチル混合溶媒で再沈殿させ、式(424)で表される化合物(0.9g)を得た。
【0458】
合成例(44):
2−フェニル−14b
1−アザ−14b−ボラベンゾ[p]インデノ[1,2,3,4−defg]クリセンの合成
【化196】
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【0459】
まず、4−ビフェニルボロン酸(13.5g)、2−ブロモアニリン(12.9g)、炭酸カリウム(18.8g)、Pd(PPh
3)
4(1.6g)、トルエン(135ml)、THF(65ml)および水(30ml)の入ったフラスコを窒素雰囲気化、還流温度で7時間撹拌した。反応液を室温まで冷却し、水およびトルエンを加え分液した。溶媒を減圧留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開液:トルエン/ヘプタン混合溶液)で精製し、[1,1’:4’,1”−テルフェニル]−2−アミン(11.1g)を得た。この際、展開液中のトルエンの比率を徐々に増加させて目的物を溶出させた。また、シリカゲル上に試料をチャージする際は加熱したクロロベンゼンに溶解させた溶液を使用した。
【0460】
【化197】
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【0461】
次に、[1,1’:4’,1”−テルフェニル]−2−アミン(11.0g)、2−ブロモビフェニル(10.5g)、ナトリウム−t−ブトキシド(5.2g)、Pd(dba)
2(0.06g)、4−(ジ−t−ブチルホスフィノ)−N,N−ジメチルアニリン(0.06g)およびトルエンの入ったフラスコを窒素雰囲気化、還流温度で3時間撹拌した。反応液を室温まで冷却した後、水およびトルエンを加え分析した。溶媒を減圧留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開液:トルエン/ヘプタン混合溶液)で精製し、N−([1,1’−ビフェニル]−2−イル)−[1,1’:4’,1”−テルフェニル]−2−アミン(17.5g)を得た。この際、展開液中のトルエンの比率を徐々に増加させて目的物を溶出させた。
【0462】
【化198】
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【0463】
上記のようにして得たN−([1,1’−ビフェニル]−2−イル)−[1,1’:4’,1”−テルフェニル]−2−アミン(7.5g)およびトルエン(100ml)の入ったフラスコを−70℃まで冷却し、n−ブチルリチウムの1.6Mヘキサン溶液(11.7ml)を滴下した。滴下終了後、一旦0℃まで昇温し、0℃で5分間撹拌した。その後、再び−70℃まで冷却し、三塩化ホウ素の1.0Mヘプタン溶液(18.8ml)を滴下した。次いで、反応液を室温まで昇温した後、一旦溶媒を減圧留去した。ここにオルトジクロロベンゼン「ODCB」(100ml)、ジイソプロピルエチルアミン(3.2ml)、三塩化アルミニウム(10.0g)を加え、170℃で13時間撹拌した。反応液を室温まで冷却後、炭酸水素ナトリウム水溶液で中和し、クロロベンゼンおよび水を加えて分液した。次いで、活性アルミナショートカラム(展開液:トルエン)で精製し、更にクロロベンゼンから再結晶することで、式(660)で表される化合物(0.2g)を得た。
【0464】
NMR測定により得られた化合物の構造を確認した。
1H−NMR(CDCl
3):δ=9.42(m,1H)、9.27(d,1H)、8.77(d,1H)、8.73(d,1H)、8.50(dd,2H)、8.27(dd,2H)、8.10(dd,1H)、7.88(m,3H)、7.73(m,3H)、7.60(t,2H)、7.47(t,1H).
【0465】
合成例(45):
2−(14b
1−アザ−14b−ボラベンゾ[p]インデノ[1,2,3,4−defg]クリセン−6−イル)−9H−カルバゾールの合成
【化199】
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【0466】
まず、窒素雰囲気下、14b
1−アザ−14b−ボラベンゾ[p]インデノ[1,2,3,4−defg]クリセン(1.0g)のオルトジクロロベンゼン(10ml)および酢酸(1ml)の混合溶液にN−ヨードスクシンイミド(NIS)(2.8g)を加え、室温で26時間撹拌した。チオ硫酸ナトリウム水溶液を加え反応を停止させ、析出した固体を吸引ろ過にて採取した。得られた固体を水、メタノールで洗浄した後、クロロベンゼンから再結晶させることで、6−ヨード−14b
1−アザ−14b−ボラベンゾ[p]インデノ[1,2,3,4−defg]クリセン(0.4g)を得た。
【0467】
【化200】
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【0468】
次に、6−ヨード−14b
1−アザ−14b−ボラベンゾ[p]インデノ[1,2,3,4−defg]クリセン(0.4g)、カルバゾール(0.2g)、ナトリウム−t−ブトキシド(0.1g)、Pd(dba)
2(0.03g)、1Mのトリ−t−ブチルホスフィントルエン溶液(0.13ml)および1,2,4−トリメチルベンゼン「Me
3Ph」(10ml)の入ったフラスコを窒素雰囲気化、還流温度で3時間撹拌した。反応液を室温まで冷却した後、水を加えて析出した固体を吸引ろ過にて採取した。得られた固体を水およびメタノールで洗浄した後、活性アルミナショートカラム(展開液:トルエン)に通した。更にクロロベンゼンから再結晶させ、式(687)で表される化合物(0.2g)を得た。
【0469】
NMR測定により得られた化合物の構造を確認した。
1H−NMR(CDCl
3):δ=9.27(m,2H)、8.74(d,1H)、8.61(m,2H)、8.53(d,1H)、8.40(m,1H)、8.24(m,3H)、7.91(t,1H)、7.85(t,1H)、7.72−7.80(m,3H)、7.42−7.51(m,4H)、7.35(t,2H).
【0470】
合成例(46):
2,5,8,11−テトラメチル−3b−アザ−9b−ボラ−ナフト[2,1−b:3,−b’:6,5−b”:7,8−b''']テトラチオフェンの合成
【化201】
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【0471】
2−メチルチオフェン(5.0g)をTHF(50ml)に溶解させ、−78℃まで冷却した。そこへ1.6Mのn−ブチルリチウムヘキサン溶液(35.0ml)をゆっくり滴下した。滴下終了から30分経過したところで0℃まで昇温、3時間撹拌した後、塩化亜鉛テトラメチルエチレンジアミン錯体(14.2g)を加え、更に30分間撹拌した。次いで反応液を室温まで昇温した後、2−ブロモ−5−メチルチオフェン(6.8g)およびPd(PPh
3)
4を加え、更に還流温度まで昇温して3時間撹拌した。反応液を室温まで冷却した後、エチレンジアミン四酢酸・四ナトリウム塩二水和物を適量の水に溶解した溶液(以後、EDTA・4Na水溶液と略記する。)およびトルエンを加え分液した。溶媒を減圧留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開液:ヘプタン)で精製し、5,5’−ジメチル−2,2’−ビチオフェン(20.3g)を得た。
【0472】
【化202】
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【0473】
5,5’−ジメチル−2,2’−ビチオフェン(7.5g)をクロロホルム(75ml)/酢酸(37.5ml)の混合溶液に溶解させ、0℃に冷却した。そこへN−ブロモスクシンイミド「NBS」(6.9g)をゆっくり加えた後、室温まで昇温した。反応終了後、水を加え分液し、更に有機層を炭酸ナトリウム水溶液で洗浄した。溶媒を減圧留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開液:ヘプタン)で精製し、3−ブロモ−5,5’−ジメチル−2,2’−ビチオフェン(10.0g)を得た。
【0474】
【化203】
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【0475】
窒素雰囲気下、3−ブロモ−5,5’−ジメチル−2,2’−ビチオフェン(8.3g)、ジフェニルメタンイミン(11.0g)、Pd(dba)
2(0.5g)、2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル「BINAP」(1.1g)、ナトリウム−t−ブトキシド(10.2g)およびトルエン(100ml)の入ったフラスコを還流温度で20時間撹拌した。反応液を室温まで冷却し、吸引ろ過にて固形分をろ別した。次いで、溶媒を減圧留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開液:ヘプタン/トルエン=1/1(容量比))で精製し、N−(ジフェニルメチレン)−5,5’−ジメチル−[2,2’−ビチオフェン]−3−アミン(11.4g)を得た。
【0476】
【化204】
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【0477】
N−(ジフェニルメチレン)−5,5’−ジメチル−[2,2’−ビチオフェン]−3−アミン(11.4g)をTHF(165ml)に溶解させた。そこへ6M塩酸(98ml)を加え、室温で10分間撹拌した。溶媒を減圧留去し析出した固体を吸引ろ過にて採取し、ヘプタンで洗浄することで、5,5’−ジメチル−[2,2’−ビチオフェン]−3−アミン塩酸塩(10.0g)を得た。
【0478】
【化205】
[この文献は図面を表示できません]
【0479】
5,5’−ジメチル−[2,2’−ビチオフェン]−3−アミン塩酸塩(10.0g)、 3−ブロモ−5,5’−ジメチル−2,2’−ビチオフェン(13.0g)、Pd(dba)
2(0.5g)、1Mトリ−t−ブチルホスフィントルエン溶液(4.3ml)、ナトリウム−t−ブトキシド(11.4g)およびキシレン(130ml)の入ったフラスコを窒素雰囲気下、120℃で12時間撹拌した。反応液を室温まで冷却し、水およびトルエンを加え分液した。溶媒を減圧留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開液:ヘプタン/トルエン=10/1(容量比))で精製した後、ヘプタンから再結晶させることで、ビス(5,5’−ジメチル−[2,2’−ビチオフェン]−3−イル)アミン(10.7g)を得た。
【0480】
【化206】
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【0481】
窒素雰囲気下、ビス(5,5’−ジメチル−[2,2’−ビチオフェン]−3−イル)アミン(5.0g)、ジイソプロピルエチルアミン(4.4ml)およびオルトジクロロベンゼン(50ml)の入ったフラスコに三臭化ホウ素(1.8ml)を加え、180℃で8時間撹拌した。溶媒を減圧留去し、活性アルミナカラムクロマトグラフィー(展開液:クロロベンゼン)で精製した。溶媒を減圧留去し得られた固体を加熱したヘプタンで洗浄し、式(47)で表される化合物(0.7g)を得た。
【0482】
NMR測定により得られた化合物の構造を確認した。
1H−NMR(CDCl
3):δ=7.73(s,2H)、7.71(s,2H)、2.69(s,6H)、2.66(s,6H).
【0483】
合成例(47):
11b−アザ−3b−ボラジベンゾ[c,f]ジピロロ[2,1−a:1’,2’−h][2,7]ナフチリジンの合成
【化207】
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【0484】
ビス(2−(1H−ピロール−1−イル)フェニルアミン(0.898g)、三臭化ホウ素(1.13g)、トリエチルアミン「NEt
3」(0.759g)および1,2−ジクロロベンゼン「ODCB」(20ml)の入ったフラスコをアルゴン雰囲気下、120℃で2時間攪拌した。反応液を室温まで冷却した後、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(2.02g)を加え活性アルミナショートカラムを通過させた。この際、トルエンを用いてカラム中から溶出させた。溶媒を減圧留去した後、得られた固体をヘキサンで洗浄し、式(26)で表される化合物(0.789g)を得た。
【0485】
NMR測定により得られた化合物の構造を確認した。
1H−NMR(CDCl
3):δ=8.01(dd,2H)、7.84(dd,2H)、7.74(dd,2H)、7.31(dd,2H)、7.16−7.23(m,4H)、6.73(dd,2H).
【0486】
合成例(48):
2,7−ジシアノ−4b−アザ−12b−ボラジベンゾ[g,p]クリセンの合成
【化208】
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【0487】
2,7−ジブロモ−4b−アザ−12b−ボラジベンゾ[g,p]クリセン(0.146g)、シアン化銅(80.6mg)およびキノリン(1.0mL)の入ったフラスコをアルゴン雰囲気下、200℃で40時間攪拌した。反応液を室温まで冷却した後、活性アルミナショートカラムを通過させた。この際、トルエンを用いてカラム中から溶出させた。溶媒を減圧留去した後、得られた粗生成物をGPCで単離することで淡黄色粉末として式(216)で表される化合物(58.0mg)を得た。
【0488】
NMR測定により得られた化合物の構造を確認した。
1H−NMR(CDCl
3):δ=8.66−8.70(m,4H)、8.38(d,2H)、8.05(d,2H)、7.89(d,2H)、7.73(d,2H)、7.65(dd,2H).
【0489】
合成例(49):
3,6−ジフルオロ−4b−アザ−12b−ボラジベンゾ[g,p]クリセンの合成
【化209】
[この文献は図面を表示できません]
【0490】
ジ([4−フルオロ−1,1’−ビフェニル]−2−イル)アミン(2.29g)およびトルエン(40ml)の入ったフラスコを−78℃まで冷却し、n−ブチルリチウムの1.6Mヘキサン溶液(4.0ml)を滴下した。滴下終了後、一旦0℃まで昇温し、0℃で1時間撹拌した。その後、再び−78℃まで冷却し、三塩化ホウ素の1.0Mトルエン溶液(6.4ml)を滴下した。次いで、反応液を室温まで昇温した後、一旦溶媒を減圧留去した。ここにオルトジクロロベンゼン(90ml)、2,2,6,6−テトラメチルピぺリジン「TMP」(1.49g)、三塩化ガリウム(4.51g)を加え、135℃で24時間、次いで150℃で15時間撹拌した。1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(5.74g)およびトルエン(100ml)を加え撹拌した。次いで、析出した沈殿をセライトを敷いたグラスフィルターを用いた吸引ろ過にて除去した後、溶媒を減圧留去した。トルエン(36ml)を加え、沈殿をろ紙を用いたろ過にて除去した。更にアルミナニュートラルを用いたショートカラム(展開液:トルエン/ジクロロメタン=1/1(容量比))で金属塩を除去し、得られた粗生成物をGPCで単離することで白色粉末として式(217)で表される化合物(1.05g)を得た。
【0491】
NMR測定により得られた化合物の構造を確認した。
1H−NMR(CDCl
3):δ=8.63(dd,2H)、8.30(d,2H)、8.29(d,2H)、7.78(dd,2H)、7.76(dd,2H)、7.59(dd,2H)、7.08(dd,2H)、7.06(dd,2H).
【0492】
合成例(50):
2,7,9,16−テトラフェニル−4b−アザ−12b−ボラジベンゾ[g,p]クリセンの合成
【化210】
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【0493】
まず、窒素雰囲気下、9,16−ジフェニル−4b−アザ−12b−ボラジベンゾ[g,p]クリセン(2.3g)のTHF(20ml)溶液に、N−ブロモスクシンイミド(NBS)(1.8g)を加え、室温で1時間撹拌した。反応終了後、亜硝酸ナトリウム水溶液を加えて析出した沈殿を吸引ろ過にて採取した。更に得られた固体を活性アルミナカラムクロマトグラフィー(展開液:トルエン/トリエチルアミン=99/1(容量比))で精製した。溶媒を減圧留去して得られた固体を酢酸エチルで洗浄し、2,7−ジブロモ−9,16−ジフェニル−4b−アザ−12b−ボラジベンゾ[g,p]クリセン(2.6g)を得た。
【0494】
【化211】
[この文献は図面を表示できません]
【0495】
次に、2,7−ジブロモ−9,16−ジフェニル−4b−アザ−12b−ボラジベンゾ[g,p]クリセン(1.8g)、フェニルボロン酸(0.9g)、リン酸カリウム(1.8g)、ナトリウム−t−ブトキシド(0.3g)、Pd−132(ジョンソン・マッセイ)(0.04g)およびトルエン(30mL)の入ったフラスコを窒素雰囲気下、80℃で1時間攪拌した。反応液を室温まで冷却した後、水およびトルエンを加え分液した。次いで、溶媒を減圧留去した後、活性アルミナカラムクロマトグラフィー(展開液:トルエン/トリエチルアミン=99/1(容量比))で精製した。更にトルエンに溶かした後にヘプタンを加えることで再沈殿させることで、式(213)で表される化合物(1.2g)を得た。
【0496】
NMR測定により得られた化合物の構造を確認した。
1H−NMR(CDCl
3):δ=8.77(d,2H)、8.16(d,2H)、7.81(m,2H)、7.66−7.74(m,4H)、7.46−7.55(m,4H)、7.20−7.30(m,14H)、7.01(m,4H).
【0497】
合成例(51):
2−フェニル−7−(トリフェニレン−2−イル)−4b−アザ−12b−ボラジベンゾ[g,p]クリセンの合成
【化212】
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【0498】
2−ブロモ−7−フェニル−4b−アザ−12b−ボラベンゾ[g,p]クリセン(2.0g)、2−トリフェニレンボロン酸(1.2g)、Pd−132(0.06g)、リン酸三カリウム(0.9g)、ナトリウム−t−ブトキシド(0.4g)および1,2,4−トリメチルベンゼン(50ml)の入ったフラスコを115℃で1時間撹拌した。反応液を室温まで冷却し、水およびヘプタンを加え、析出した固体を吸引ろ過にて採取した。次いで、加熱したクロロベンゼンに溶解させ、活性アルミナショートカラム(展開液:トルエン/トリエチルアミン=99/1(容量比))に通した。溶媒を減圧留去し、得られた固体を酢酸エチルで洗浄した後、クロロベンゼンから再結晶させることで、式(215)で表される化合物(0.6g)を得た。
【0499】
NMR測定により得られた化合物の構造を確認した。
1H−NMR(CDCl
3):δ=9.00(m,1H)、8.83(m,1H)、8.75−8.80(m,4H)、8.68−8.74(m,3H)、8.61(m,2H)、8.53(d,1H)、8.31(d,1H)、8.27(d,1H)、8.05(d,1H)、7.81−7.89(m,3H)、7.77(m,2H)、7.64−7.75(m,7H)、7.52(t,2H)、7.40(t,1H).
【0500】
合成例(52):
13c−アザ−4b−ボラ−9−フェニル−9,13c−ジヒドロ−4bH−ベンゾ[a]フェナントロ[9,10−c]カルバゾールの合成
【化213】
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【0501】
まず、1−フェニル−1H−インドール(31.0g)をTHF(500ml)に溶かした溶液を−78℃に冷却した。この溶液にt−ブチルリチウム(99.7ml)を滴下した後、ゆっくり室温まで昇温し、1時間撹拌した。再び−78℃まで冷却し、トリメトキシボラン(23.3g)を滴下した。その後室温まで昇温し、終夜撹拌を行い、THFを適量減圧留去し、塩化アンモニウム水溶液を加え1時間撹拌した。酢酸エチルを加え分液し、有機層の溶媒を減圧留去し、トルエンを加え共沸脱水を行い、(1−フェニル−1H−インドロ−2−イル)ボロン酸(31.0g)を得た。
【0502】
【化214】
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【0503】
次に、(1−フェニル−1H−インドロ−2−イル)ボロン酸(30.0g)、2−ブロモ−アニリン(20.0g)、Pd(PPh
3)
4(5.0g)、炭酸カリウム(50.0g)、トルエン(200ml)、THF(70ml)および水(30ml)の入ったフラスコを窒素雰囲気下、80℃で4時間攪拌した。反応液を室温まで冷却した後、水および酢酸エチルを加え分液し、溶媒を減圧留去した。得られた油状物質をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開液:トルエン/ヘプタン=1(容量比))で精製した後、低沸成分を減圧留去して2−(1−フェニル−1H−インドロ−2−イル)アニリン(26.8g)を得た。
【0504】
【化215】
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【0505】
更に、2−(1−フェニル−1H−インドロ−2−イル)アニリン(25.0g)、2−ブロモビフェニル(20.5g)、ナトリウム−t−ブトキシド(13.0g)、Pd(dba)
2(0.13g)、4−(ジ−t−ブチルホスフィノ)−N,N−ジメチルアニリン(0.12g)およびキシレン(120ml)の入ったフラスコを窒素雰囲気化、90℃で1時間撹拌した。反応液を室温まで冷却した後、水およびクロロベンゼンを加え分析し、活性アルミナショートカラム(展開液:クロロベンゼン)で精製した。溶媒を減圧留去し、得られた油状物質にヘプタンおよび少量の酢酸エチルを加えることで再沈殿させ、N−(2−(1−フェニル−1H−インドロ−2−イル)フェニル)−[1,1’−ビフェニル]−2−アミン(36.2g)を得た。
【0506】
【化216】
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【0507】
上記のようにして得たN−(2−(1−フェニル−1H−インドロ−2−イル)フェニル)−[1,1’−ビフェニル]−2−アミン(16.3g)およびトルエン(150ml)の入ったフラスコを−70℃まで冷却し、n−ブチルリチウムの2.6Mヘキサン溶液(14.4ml)を滴下した。滴下終了後、一旦0℃まで昇温し、0℃で5分間撹拌した。その後、この溶液を−70℃に冷却し、1Mの三塩化ホウ素トルエン溶液(37.3ml)を滴下した。次いで一旦溶媒を減圧留去し、オルトジクロロベンゼン(150ml)、2,2,6,6−テトラメチルピぺリジン(11.1g)、三塩化アルミニウム(25.0g)を加え、160℃で8時間撹拌した。反応液を室温まで冷却後、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン「DABCO」(21.0g)をトルエンに懸濁させた溶液を加え、析出した固体をセライトを敷いたロートを用いて減圧濾過にてろ別した。更に活性アルミナカラムクロマトグラフィー(トルエン/ヘプタン/トリエチルアミン=30/70/2(容量比))で精製した後、ヘプタンで洗浄し、式(48)で表される化合物(12.0g)を得た。
【0508】
NMR測定により得られた化合物の構造を確認した。
1H−NMR(CDCl
3):δ=8.97(d,1H)、8.55(m,1H)、8.40(d,1H)、8.38(d,1H)、8.23(d,1H)、8.11(d,1H)、7.73−7.90(m,3H)、7.54−7.68(m,3H)、7.21−7.39(m,8H)、6.92(t,1H).
【0509】
原料の化合物を適宜変更することにより、上述した合成例に準じた方法で、本発明の他の多環芳香族化合物を合成することができる。
【0510】
以下、本発明をさらに詳細に説明するために各実施例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0511】
実施例1〜4および比較例1に係る電界発光素子を作製し、それぞれ1000cd/m
2の輝度が得られる電流密度で定電流駆動した際の駆動開始電圧(V)および電流効率(cd/A)を測定した。以下、実施例および比較例について詳細に説明する。
【0512】
作製した実施例1〜4および比較例1に係る有機電界発光素子における、各層の材料構成を下記表1に示す。
【表1】
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【0513】
表1において、「HI」はN
4,N
4’−ジフェニル−N
4,N
4’−ビス(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミン、「NPD」はN
4,N
4’−ジ(ナフタレン−1−イル)−N
4,N
4’−ジフェニル−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミン、「CBP」は4,4’−ジ(9H−カルバゾリル−9−イル)−1,1’−ビフェニル、「Ir(PPy)
3」はトリス(2−フェニルピリジン)イリジウム(III)、「BCP」は2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン、そして「ET1」は2,5−ビス−(2’,2”−ビピリジン−6’−イル)−1,1−ジメチル−3,4−ビス(2,4,6−トリメチルフェニル)シラシクロペンタジエンである(以降の表でも同じ)。以下に化学構造を示す。
【0514】
【化217】
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【0515】
<実施例1>
<化合物(1)を発光層のホスト材料に用いた素子>
スパッタリングにより180nmの厚さに製膜したITOを150nmまで研磨した、26mm×28mm×0.7mmのガラス基板((株)オプトサイエンス製)を透明支持基板とした。この透明支持基板を市販の蒸着装置((株)昭和真空製)の基板ホルダーに固定し、HIを入れたモリブデン製蒸着用ボート、NPDを入れたモリブデン製蒸着用ボート、本発明の化合物(1)を入れたモリブデン製蒸着用ボート、Ir(PPy)
3を入れたモリブデン製蒸着用ボート、BCPを入れたモリブデン製蒸着用ボート、ET1を入れたモリブデン製蒸着用ボート、LiFを入れたモリブデン製蒸着用ボートおよびアルミニウムを入れたタングステン製蒸着用ボートを装着した。
【0516】
透明支持基板のITO膜の上に順次、下記各層を形成した。真空槽を5×10
−4Paまで減圧し、まず、HIが入った蒸着用ボートを加熱して膜厚40nmになるように蒸着して正孔注入層を形成し、次いで、NPDが入った蒸着用ボートを加熱して膜厚10nmになるように蒸着して正孔輸送層を形成した。次に、化合物(1)が入った蒸着用ボートとIr(PPy)
3の入った蒸着用ボートを同時に加熱して膜厚35nmになるように蒸着して発光層を形成した。化合物(1)とIr(PPy)
3の重量比がおよそ95対5になるように蒸着速度を調節した。次に、BCPの入った蒸着用ボートを加熱して膜厚5nmになるように蒸着して正孔阻止層を形成した。次に、ET1の入った蒸着用ボートを加熱して膜厚15nmになるように蒸着して電子輸送層を形成した。各層の蒸着速度は0.01〜1nm/秒であった。
【0517】
その後、LiFが入った蒸着用ボートを加熱して膜厚1nmになるように0.01〜0.1nm/秒の蒸着速度で蒸着した。次いで、アルミニウム入りの蒸着用ボートを加熱して、膜厚100nmになるように0.01〜2nm/秒の蒸着速度でアルミニウムを蒸着することにより陰極を形成し、有機EL素子を得た。
【0518】
ITO電極を陽極、LiF/アルミニウム電極を陰極として、直流電圧を印加すると、波長約515nmの緑色発光が得られた。また、初期輝度1000cd/m
2を得るための駆動電圧は6.0Vであり、その時の電流効率は34.2cd/Aであった。
【0519】
<実施例2>
<化合物(66)を発光層のホスト材料に用いた素子>
発光層のホスト材料である化合物(1)を化合物(66)に替えた以外は実施例1に準じた方法で有機EL素子を得た。両電極に直流電圧を印加すると、波長約515nmの緑色発光が得られた。また、初期輝度1000cd/m
2を得るための駆動電圧は5.7Vであり、その時の電流効率は36.4cd/Aであった。
【0520】
<実施例3>
<化合物(197)を発光層のホスト材料に用いた素子>
発光層のホスト材料である化合物(1)を化合物(197)に替えた以外は実施例1に準じた方法で有機EL素子を得た。両電極に直流電圧を印加すると、波長約515nmの緑色発光が得られた。また、初期輝度1000cd/m
2を得るための駆動電圧は5.6Vであり、その時の電流効率は28.1cd/Aであった。
【0521】
<実施例4>
<化合物(198)を正孔輸送層に用いた素子>
正孔輸送材料であるNPDを化合物(198)に発光層のホスト材料である化合物(1)をCBPに替えた以外は実施例1に準じた方法で有機EL素子を得た。両電極に直流電圧を印加すると、波長約515nmの緑色発光が得られた。また、初期輝度1000cd/m
2を得るための駆動電圧は5.9Vであり、その時の電流効率は26.4cd/Aであった。
【0522】
<比較例1>
発光層のホスト材料である化合物(1)をCBPに替えた以外は実施例1に準じた方法で有機EL素子を得た。両電極に直流電圧を印加すると、波長約515nmの緑色発光が得られた。また、初期輝度1000cd/m
2を得るための駆動電圧は6.7Vであり、その時の電流効率は24.6cd/Aであった。
【0523】
以上の結果を表2にまとめた。
【表2】
[この文献は図面を表示できません]
【0524】
次に、実施例5および比較例2に係る電界発光素子を作製し、それぞれ1000cd/m
2の輝度が得られる電流密度で定電流駆動した際の駆動開始電圧(V)および電流効率(cd/A)を測定した。以下、実施例および比較例について詳細に説明する。
【0525】
作製した実施例5および比較例2に係る有機電界発光素子における、各層の材料構成を下記表3に示す。
【表3】
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【0526】
表3において、「HT」はN−([1,1’−ビフェニル]−4−イル)−9,9−ジメチル−N−(4−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)フェニル)−9H−フルオレン−2−アミンである(以降の表でも同じ)。以下に化学構造を示す。
【化218】
[この文献は図面を表示できません]
【0527】
<実施例5>
<化合物(251)を発光層のホスト材料に用いた素子>
スパッタリングにより180nmの厚さに製膜したITOを150nmまで研磨した、26mm×28mm×0.7mmのガラス基板((株)オプトサイエンス製)を透明支持基板とした。この透明支持基板を市販の蒸着装置((株)昭和真空製)の基板ホルダーに固定し、HIを入れたモリブデン製蒸着用ボート、HTを入れたモリブデン製蒸着用ボート、本発明の化合物(251)を入れたモリブデン製蒸着用ボート、Ir(PPy)
3を入れたモリブデン製蒸着用ボート、BCPを入れたモリブデン製蒸着用ボート、ET1を入れたモリブデン製蒸着用ボート、LiFを入れたモリブデン製蒸着用ボートおよびアルミニウムを入れたタングステン製蒸着用ボートを装着した。
【0528】
透明支持基板のITO膜の上に順次、下記各層を形成した。真空槽を5×10
−4Paまで減圧し、まず、HIが入った蒸着用ボートを加熱して膜厚30nmになるように蒸着して正孔注入層を形成し、次いで、HTが入った蒸着用ボートを加熱して膜厚20nmになるように蒸着して正孔輸送層を形成した。次に、化合物(251)が入った蒸着用ボートとIr(PPy)
3の入った蒸着用ボートを同時に加熱して膜厚35nmになるように蒸着して発光層を形成した。化合物(251)とIr(PPy)
3の重量比がおよそ95対5になるように蒸着速度を調節した。次に、BCPの入った蒸着用ボートを加熱して膜厚5nmになるように蒸着して正孔阻止層を形成した。次に、ET1の入った蒸着用ボートを加熱して膜厚15nmになるように蒸着して電子輸送層を形成した。各層の蒸着速度は0.01〜1nm/秒であった。
【0529】
その後、LiFが入った蒸着用ボートを加熱して膜厚1nmになるように0.01〜0.1nm/秒の蒸着速度で蒸着した。次いで、アルミニウム入りの蒸着用ボートを加熱して、膜厚100nmになるように0.01〜2nm/秒の蒸着速度でアルミニウムを蒸着することにより陰極を形成し、有機EL素子を得た。
【0530】
ITO電極を陽極、LiF/アルミニウム電極を陰極として、直流電圧を印加すると、波長約515nmの緑色発光が得られた。また、初期輝度1000cd/m
2を得るための駆動電圧は5.0Vであり、その時の電流効率は33.7cd/Aであった。
【0531】
<比較例2>
発光層のホスト材料である化合物(251)をCBPに替えた以外は実施例5に準じた方法で有機EL素子を得た。両電極に直流電圧を印加すると、波長約515nmの緑色発光が得られた。また、初期輝度1000cd/m
2を得るための駆動電圧は5.9Vであり、その時の電流効率は31.8cd/Aであった。
【0532】
以上の結果を表4にまとめた。
【表4】
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【0533】
次に、実施例6〜14および比較例3〜4に係る電界発光素子を作製し、それぞれ1000cd/m
2の輝度が得られる電流密度で定電流駆動した際の駆動開始電圧(V)および電流効率(cd/A)を測定した。以下、実施例および比較例について詳細に説明する。
【0534】
作製した実施例6〜14および比較例3〜4に係る有機電界発光素子における、各層の材料構成を下記表5に示す。
【表5】
[この文献は図面を表示できません]
【0535】
表5において、「HB1」は9−(4’−(ジメシチルボリル)−[1,1’−ビナフタレン]−4−イル)−9H−カルバゾール、「ET2」は5,5”−(2−フェニルアントラセン−9,10−ジイル)ジ−2,2’−ビピリジンである(以降の表でも同じ)。以下に化学構造を示す。
【化219】
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【0536】
<実施例6>
<化合物(1)を発光層のホスト材料に用いた素子 その2>
スパッタリングにより180nmの厚さに製膜したITOを150nmまで研磨した、26mm×28mm×0.7mmのガラス基板((株)オプトサイエンス製)を透明支持基板とした。この透明支持基板を市販の蒸着装置((株)昭和真空製)の基板ホルダーに固定し、HIを入れたモリブデン製蒸着用ボート、HTを入れたモリブデン製蒸着用ボート、本発明の化合物(1)を入れたモリブデン製蒸着用ボート、Ir(PPy)
3を入れたモリブデン製蒸着用ボート、HB1を入れたモリブデン製蒸着用ボート、ET2を入れたモリブデン製蒸着用ボート、LiFを入れたモリブデン製蒸着用ボートおよびアルミニウムを入れたタングステン製蒸着用ボートを装着した。
【0537】
透明支持基板のITO膜の上に順次、下記各層を形成した。真空槽を5×10
−4Paまで減圧し、まず、HIが入った蒸着用ボートを加熱して膜厚30nmになるように蒸着して正孔注入層を形成し、次いで、HTが入った蒸着用ボートを加熱して膜厚10nmになるように蒸着して正孔輸送層を形成した。次に、化合物(1)が入った蒸着用ボートとIr(PPy)
3の入った蒸着用ボートを同時に加熱して膜厚30nmになるように蒸着して発光層を形成した。化合物(1)とIr(PPy)
3の重量比がおよそ95対5になるように蒸着速度を調節した。次に、HB1の入った蒸着用ボートを加熱して膜厚10nmになるように蒸着して正孔阻止層を形成した。次に、ET2の入った蒸着用ボートを加熱して膜厚20nmになるように蒸着して電子輸送層を形成した。各層の蒸着速度は0.01〜1nm/秒であった。
【0538】
その後、LiFが入った蒸着用ボートを加熱して膜厚1nmになるように0.01〜0.1nm/秒の蒸着速度で蒸着した。次いで、アルミニウム入りの蒸着用ボートを加熱して、膜厚100nmになるように0.01〜2nm/秒の蒸着速度でアルミニウムを蒸着することにより陰極を形成し、有機EL素子を得た。
【0539】
ITO電極を陽極、LiF/アルミニウム電極を陰極として、直流電圧を印加すると、波長約515nmの緑色発光が得られた。また、初期輝度1000cd/m
2を得るための駆動電圧は5.2Vであり、その時の電流効率は43.7cd/Aであった。
【0540】
<実施例7>
<化合物(501)を発光層のホスト材料に用いた素子>
発光層のホスト材料である化合物(1)を化合物(501)に替えた以外は実施例6に準じた方法で有機EL素子を得た。両電極に直流電圧を印加すると、波長約515nmの緑色発光が得られた。また、初期輝度1000cd/m
2を得るための駆動電圧は6.2Vであり、その時の電流効率は29.0cd/Aであった。
【0541】
<実施例8>
<化合物(551)を発光層のホスト材料に用いた素子>
発光層のホスト材料である化合物(1)を化合物(551)に替えた以外は実施例6に準じた方法で有機EL素子を得た。両電極に直流電圧を印加すると、波長約515nmの緑色発光が得られた。また、初期輝度1000cd/m
2を得るための駆動電圧は4.8Vであり、その時の電流効率は31.7cd/Aであった。
【0542】
<実施例9>
<化合物(687)を発光層のホスト材料に用いた素子>
発光層のホスト材料である化合物(1)を化合物(687)に替えた以外は実施例6に準じた方法で有機EL素子を得た。両電極に直流電圧を印加すると、波長約515nmの緑色発光が得られた。また、初期輝度1000cd/m
2を得るための駆動電圧は4.0Vであり、その時の電流効率は28.3cd/Aであった。
【0543】
<比較例3>
<CBPを発光層のホスト材料に用いた素子>
発光層のホスト材料である化合物(1)をCBPに替えた以外は実施例6に準じた方法で有機EL素子を得た。両電極に直流電圧を印加すると、波長約515nmの緑色発光が得られた。また、初期輝度1000cd/m
2を得るための駆動電圧は5.4Vであり、その時の電流効率は24.2cd/Aであった。
【0544】
<実施例10>
<化合物(301)を正孔阻止層兼電子輸送層(1層で使用)に用いた素子>
スパッタリングにより180nmの厚さに製膜したITOを150nmまで研磨した、26mm×28mm×0.7mmのガラス基板((株)オプトサイエンス製)を透明支持基板とした。この透明支持基板を市販の蒸着装置((株)昭和真空製)の基板ホルダーに固定し、HIを入れたモリブデン製蒸着用ボート、HTを入れたモリブデン製蒸着用ボート、本発明のCBPを入れたモリブデン製蒸着用ボート、Ir(PPy)
3を入れたモリブデン製蒸着用ボート、化合物(301)を入れたモリブデン製蒸着用ボート、LiFを入れたモリブデン製蒸着用ボートおよびアルミニウムを入れたタングステン製蒸着用ボートを装着した。
【0545】
透明支持基板のITO膜の上に順次、下記各層を形成した。真空槽を5×10
−4Paまで減圧し、まず、HIが入った蒸着用ボートを加熱して膜厚30nmになるように蒸着して正孔注入層を形成し、次いで、HTが入った蒸着用ボートを加熱して膜厚10nmになるように蒸着して正孔輸送層を形成した。次に、CBPが入った蒸着用ボートとIr(PPy)
3の入った蒸着用ボートを同時に加熱して膜厚30nmになるように蒸着して発光層を形成した。CBPとIr(PPy)
3の重量比がおよそ95対5になるように蒸着速度を調節した。次に、化合物(301)の入った蒸着用ボートを加熱して膜厚30nmになるように蒸着して正孔阻止層兼電子輸送層を形成した。各層の蒸着速度は0.01〜1nm/秒であった。
【0546】
その後、LiFが入った蒸着用ボートを加熱して膜厚1nmになるように0.01〜0.1nm/秒の蒸着速度で蒸着した。次いで、アルミニウム入りの蒸着用ボートを加熱して、膜厚100nmになるように0.01〜2nm/秒の蒸着速度でアルミニウムを蒸着することにより陰極を形成し、有機EL素子を得た。
【0547】
ITO電極を陽極、LiF/アルミニウム電極を陰極として、直流電圧を印加すると、波長約515nmの緑色発光が得られた。また、初期輝度1000cd/m
2を得るための駆動電圧は5.6Vであり、その時の電流効率は32.2cd/Aであった。
【0548】
<実施例11>
<化合物(391)を正孔阻止層兼電子輸送層(1層で使用)に用いた素子>
正孔阻止層兼電子輸送層である化合物(301)を化合物(391)に替えた以外は実施例10に準じた方法で有機EL素子を得た。両電極に直流電圧を印加すると、波長約515nmの緑色発光が得られた。また、初期輝度1000cd/m
2を得るための駆動電圧は6.0Vであり、その時の電流効率は28.0cd/Aであった。
【0549】
<実施例12>
<化合物(392)を正孔阻止層兼電子輸送層(1層で使用)に用いた素子>
正孔阻止層兼電子輸送層である化合物(301)を化合物(392)に替えた以外は実施例10に準じた方法で有機EL素子を得た。両電極に直流電圧を印加すると、波長約515nmの緑色発光が得られた。また、初期輝度1000cd/m
2を得るための駆動電圧は6.2Vであり、その時の電流効率は26.2cd/Aであった。
【0550】
<実施例13>
<化合物(391)を正孔阻止層に用いた素子>
スパッタリングにより180nmの厚さに製膜したITOを150nmまで研磨した、26mm×28mm×0.7mmのガラス基板((株)オプトサイエンス製)を透明支持基板とした。この透明支持基板を市販の蒸着装置((株)昭和真空製)の基板ホルダーに固定し、HIを入れたモリブデン製蒸着用ボート、HTを入れたモリブデン製蒸着用ボート、本発明のCBPを入れたモリブデン製蒸着用ボート、Ir(PPy)
3を入れたモリブデン製蒸着用ボート、化合物(391)を入れたモリブデン製蒸着用ボート、ET2を入れたモリブデン製蒸着用ボート、LiFを入れたモリブデン製蒸着用ボートおよびアルミニウムを入れたタングステン製蒸着用ボートを装着した。
【0551】
透明支持基板のITO膜の上に順次、下記各層を形成した。真空槽を5×10
−4Paまで減圧し、まず、HIが入った蒸着用ボートを加熱して膜厚30nmになるように蒸着して正孔注入層を形成し、次いで、HTが入った蒸着用ボートを加熱して膜厚10nmになるように蒸着して正孔輸送層を形成した。次に、CBPが入った蒸着用ボートとIr(PPy)
3の入った蒸着用ボートを同時に加熱して膜厚30nmになるように蒸着して発光層を形成した。CBPとIr(PPy)
3の重量比がおよそ95対5になるように蒸着速度を調節した。次に、化合物(391)の入った蒸着用ボートを加熱して膜厚10nmになるように蒸着して正孔阻止層を形成した。次に、ET2の入った蒸着用ボートを加熱して膜厚20nmになるように蒸着して電子輸送層を形成した。各層の蒸着速度は0.01〜1nm/秒であった。
【0552】
その後、LiFが入った蒸着用ボートを加熱して膜厚1nmになるように0.01〜0.1nm/秒の蒸着速度で蒸着した。次いで、アルミニウム入りの蒸着用ボートを加熱して、膜厚100nmになるように0.01〜2nm/秒の蒸着速度でアルミニウムを蒸着することにより陰極を形成し、有機EL素子を得た。
【0553】
ITO電極を陽極、LiF/アルミニウム電極を陰極として、直流電圧を印加すると、波長約515nmの緑色発光が得られた。また、初期輝度1000cd/m
2を得るための駆動電圧は3.6Vであり、その時の電流効率は28.0cd/Aであった。
【0554】
<実施例14>
<化合物(392)を正孔阻止層に用いた素子>
正孔阻止層である化合物(391)を化合物(392)に替えた以外は実施例13に準じた方法で有機EL素子を得た。両電極に直流電圧を印加すると、波長約515nmの緑色発光が得られた。また、初期輝度1000cd/m
2を得るための駆動電圧は4.9Vであり、その時の電流効率は32.7cd/Aであった。
【0555】
<比較例4>
<BCPを正孔阻止層に用いた素子>
正孔阻止層である化合物(391)をBCPに替えた以外は実施例13に準じた方法で有機EL素子を得た。両電極に直流電圧を印加すると、波長約515nmの緑色発光が得られた。また、初期輝度1000cd/m
2を得るための駆動電圧は5.7Vであり、その時の電流効率は28.7cd/Aであった。
【0556】
以上の結果を表6および表7にまとめた。
【表6】
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【0557】
【表7】
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【0558】
更に、実施例15〜29および比較例5に係る電界発光素子を作製し、それぞれ1000cd/m
2の輝度が得られる電流密度で定電流駆動した際の駆動開始電圧(V)および電流効率(cd/A)を測定した。以下、実施例および比較例について詳細に説明する。
【0559】
作製した実施例15〜29および比較例5に係る有機電界発光素子における、各層の材料構成を下記表8に示す。
【0560】
【表8】
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【0561】
表8において、「HAT−CN」は1,4,5,8,9,12−ヘキサアザトリフェニレンヘキサカルボニトリル、「TBB」はN
4,N
4,N
4’,N
4’−テトラ([1,1’−ビフェニル]−4−イル)−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミン、「TPBi」は1,3,5−トリス(1−フェニル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)ベンゼンである(以降の表でも同じ)。以下に化学構造を示す。
【化220】
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【0562】
<実施例15>
<化合物(1)を発光層のホスト材料に用いた素子 その3>
スパッタリングにより180nmの厚さに製膜したITOを150nmまで研磨した、26mm×28mm×0.7mmのガラス基板((株)オプトサイエンス製)を透明支持基板とした。この透明支持基板を市販の蒸着装置((株)昭和真空製)の基板ホルダーに固定し、HAT−CNを入れたモリブデン製蒸着用ボート、TBBを入れたモリブデン製蒸着用ボート、本発明の化合物(1)を入れたモリブデン製蒸着用ボート、Ir(PPy)
3を入れたモリブデン製蒸着用ボート、TPBiを入れたモリブデン製蒸着用ボート、LiFを入れたモリブデン製蒸着用ボートおよびアルミニウムを入れたタングステン製蒸着用ボートを装着した。
【0563】
透明支持基板のITO膜の上に順次、下記各層を形成した。真空槽を5×10
−4Paまで減圧し、まず、HAT−CNが入った蒸着用ボートを加熱して膜厚10nmになるように蒸着して正孔注入層を形成し、次いで、TBBが入った蒸着用ボートを加熱して膜厚30nmになるように蒸着して正孔輸送層を形成した。次に、化合物(1)が入った蒸着用ボートとIr(PPy)
3の入った蒸着用ボートを同時に加熱して膜厚30nmになるように蒸着して発光層を形成した。化合物(1)とIr(PPy)
3の重量比がおよそ95対5になるように蒸着速度を調節した。次に、TPBiの入った蒸着用ボートを加熱して膜厚50nmになるように蒸着して電子輸送層を形成した。各層の蒸着速度は0.01〜1nm/秒であった。
【0564】
その後、LiFが入った蒸着用ボートを加熱して膜厚1nmになるように0.01〜0.1nm/秒の蒸着速度で蒸着した。次いで、アルミニウム入りの蒸着用ボートを加熱して、膜厚100nmになるように0.01〜2nm/秒の蒸着速度でアルミニウムを蒸着することにより陰極を形成し、有機EL素子を得た。
【0565】
ITO電極を陽極、LiF/アルミニウム電極を陰極として、直流電圧を印加すると、波長約515nmの緑色発光が得られた。また、初期輝度1000cd/m
2を得るための駆動電圧は5.2Vであり、その時の電流効率は28.9cd/Aであった。
【0566】
<実施例16>
<化合物(66)を発光層のホスト材料に用いた素子>
発光層のホスト材料である化合物(1)を化合物(66)に替えた以外は実施例15に準じた方法で有機EL素子を得た。両電極に直流電圧を印加すると、波長約515nmの緑色発光が得られた。また、初期輝度1000cd/m
2を得るための駆動電圧は4.8Vであり、その時の電流効率は37.0cd/Aであった。
【0567】
<実施例17>
<化合物(84)を発光層のホスト材料に用いた素子>
発光層のホスト材料である化合物(1)を化合物(84)に替えた以外は実施例15に準じた方法で有機EL素子を得た。両電極に直流電圧を印加すると、波長約515nmの緑色発光が得られた。また、初期輝度1000cd/m
2を得るための駆動電圧は5.6Vであり、その時の電流効率は35.9cd/Aであった。
【0568】
<実施例18>
<化合物(86)を発光層のホスト材料に用いた素子>
発光層のホスト材料である化合物(1)を化合物(86)に替えた以外は実施例15に準じた方法で有機EL素子を得た。両電極に直流電圧を印加すると、波長約515nmの緑色発光が得られた。また、初期輝度1000cd/m
2を得るための駆動電圧は5.0Vであり、その時の電流効率は29.0cd/Aであった。
【0569】
<実施例19>
<化合物(197)を発光層のホスト材料に用いた素子>
発光層のホスト材料である化合物(1)を化合物(197)に替えた以外は実施例15に準じた方法で有機EL素子を得た。両電極に直流電圧を印加すると、波長約515nmの緑色発光が得られた。また、初期輝度1000cd/m
2を得るための駆動電圧は4.9Vであり、その時の電流効率は32.4cd/Aであった。
【0570】
<実施例20>
<化合物(51)を発光層のホスト材料に用いた素子>
発光層のホスト材料である化合物(1)を化合物(51)に替えた以外は実施例15に準じた方法で有機EL素子を得た。両電極に直流電圧を印加すると、波長約515nmの緑色発光が得られた。また、初期輝度1000cd/m
2を得るための駆動電圧は5.1Vであり、その時の電流効率は39.2cd/Aであった。
【0571】
<実施例21>
<化合物(214)を発光層のホスト材料に用いた素子>
発光層のホスト材料である化合物(1)を化合物(214)に替えた以外は実施例15に準じた方法で有機EL素子を得た。両電極に直流電圧を印加すると、波長約515nmの緑色発光が得られた。また、初期輝度1000cd/m
2を得るための駆動電圧は4.2Vであり、その時の電流効率は35.2cd/Aであった。
【0572】
<実施例22>
<化合物(26)を発光層のホスト材料に用いた素子>
発光層のホスト材料である化合物(1)を化合物(26)に替えた以外は実施例15に準じた方法で有機EL素子を得た。両電極に直流電圧を印加すると、波長約515nmの緑色発光が得られた。また、初期輝度1000cd/m
2を得るための駆動電圧は4.7Vであり、その時の電流効率は42.2cd/Aであった。
【0573】
<実施例23>
<化合物(210)を発光層のホスト材料に用いた素子>
発光層のホスト材料である化合物(1)を化合物(210)に替えた以外は実施例15に準じた方法で有機EL素子を得た。両電極に直流電圧を印加すると、波長約515nmの緑色発光が得られた。また、初期輝度1000cd/m
2を得るための駆動電圧は5.1Vであり、その時の電流効率は32.7cd/Aであった。
【0574】
<実施例24>
<化合物(212)を発光層のホスト材料に用いた素子>
発光層のホスト材料である化合物(1)を化合物(212)に替えた以外は実施例15に準じた方法で有機EL素子を得た。両電極に直流電圧を印加すると、波長約515nmの緑色発光が得られた。また、初期輝度1000cd/m
2を得るための駆動電圧は5.3Vであり、その時の電流効率は27.0cd/Aであった。
【0575】
<実施例25>
<化合物(215)を発光層のホスト材料に用いた素子>
発光層のホスト材料である化合物(1)を化合物(215)に替えた以外は実施例15に準じた方法で有機EL素子を得た。両電極に直流電圧を印加すると、波長約515nmの緑色発光が得られた。また、初期輝度1000cd/m
2を得るための駆動電圧は5.5Vであり、その時の電流効率は27.7cd/Aであった。
【0576】
<実施例26>
<化合物(48)を発光層のホスト材料に用いた素子>
発光層のホスト材料である化合物(1)を化合物(48)に替えた以外は実施例15に準じた方法で有機EL素子を得た。両電極に直流電圧を印加すると、波長約515nmの緑色発光が得られた。また、初期輝度1000cd/m
2を得るための駆動電圧は5.5Vであり、その時の電流効率は29.2cd/Aであった。
【0577】
<実施例27>
<化合物(209)を正孔輸送層に用いた素子>
スパッタリングにより180nmの厚さに製膜したITOを150nmまで研磨した、26mm×28mm×0.7mmのガラス基板((株)オプトサイエンス製)を透明支持基板とした。この透明支持基板を市販の蒸着装置((株)昭和真空製)の基板ホルダーに固定し、HAT−CNを入れたモリブデン製蒸着用ボート、本発明の化合物(209)を入れたモリブデン製蒸着用ボート、CBPを入れたモリブデン製蒸着用ボート、Ir(PPy)
3を入れたモリブデン製蒸着用ボート、TPBiを入れたモリブデン製蒸着用ボート、LiFを入れたモリブデン製蒸着用ボートおよびアルミニウムを入れたタングステン製蒸着用ボートを装着した。
【0578】
透明支持基板のITO膜の上に順次、下記各層を形成した。真空槽を5×10
−4Paまで減圧し、まず、HAT−CNが入った蒸着用ボートを加熱して膜厚10nmになるように蒸着して正孔注入層を形成し、次いで、化合物(209)が入った蒸着用ボートを加熱して膜厚30nmになるように蒸着して正孔輸送層を形成した。次に、CBPが入った蒸着用ボートとIr(PPy)
3の入った蒸着用ボートを同時に加熱して膜厚30nmになるように蒸着して発光層を形成した。CBPとIr(PPy)
3の重量比がおよそ95対5になるように蒸着速度を調節した。次にTPBiの入った蒸着用ボートを加熱して膜厚50nmになるように蒸着して電子輸送層を形成した。各層の蒸着速度は0.01〜1nm/秒であった。
【0579】
その後、LiFが入った蒸着用ボートを加熱して膜厚1nmになるように0.01〜0.1nm/秒の蒸着速度で蒸着した。次いで、アルミニウム入りの蒸着用ボートを加熱して、膜厚100nmになるように0.01〜2nm/秒の蒸着速度でアルミニウムを蒸着することにより陰極を形成し、有機EL素子を得た。
【0580】
ITO電極を陽極、LiF/アルミニウム電極を陰極として、直流電圧を印加すると、波長約515nmの緑色発光が得られた。また、初期輝度1000cd/m
2を得るための駆動電圧は6.8Vであり、その時の電流効率は27.2cd/Aであった。
【0581】
<実施例28>
<化合物(366)を電子輸送層に用いた素子>
スパッタリングにより180nmの厚さに製膜したITOを150nmまで研磨した、26mm×28mm×0.7mmのガラス基板((株)オプトサイエンス製)を透明支持基板とした。この透明支持基板を市販の蒸着装置((株)昭和真空製)の基板ホルダーに固定し、HAT−CNを入れたモリブデン製蒸着用ボート、TBBを入れたモリブデン製蒸着用ボート、CBPを入れたモリブデン製蒸着用ボート、Ir(PPy)
3を入れたモリブデン製蒸着用ボート、本発明の化合物(366)を入れたモリブデン製蒸着用ボート、LiFを入れたモリブデン製蒸着用ボートおよびアルミニウムを入れたタングステン製蒸着用ボートを装着した。
【0582】
透明支持基板のITO膜の上に順次、下記各層を形成した。真空槽を5×10
−4Paまで減圧し、まず、HAT−CNが入った蒸着用ボートを加熱して膜厚10nmになるように蒸着して正孔注入層を形成し、次いで、TBBが入った蒸着用ボートを加熱して膜厚30nmになるように蒸着して正孔輸送層を形成した。次に、CBPが入った蒸着用ボートとIr(PPy)
3の入った蒸着用ボートを同時に加熱して膜厚30nmになるように蒸着して発光層を形成した。CBPとIr(PPy)
3の重量比がおよそ95対5になるように蒸着速度を調節した。次に、化合物(366)の入った蒸着用ボートを加熱して膜厚50nmになるように蒸着して電子輸送層を形成した。各層の蒸着速度は0.01〜1nm/秒であった。
【0583】
その後、LiFが入った蒸着用ボートを加熱して膜厚1nmになるように0.01〜0.1nm/秒の蒸着速度で蒸着した。次いで、アルミニウム入りの蒸着用ボートを加熱して、膜厚100nmになるように0.01〜2nm/秒の蒸着速度でアルミニウムを蒸着することにより陰極を形成し、有機EL素子を得た。
【0584】
ITO電極を陽極、LiF/アルミニウム電極を陰極として、直流電圧を印加すると、波長約515nmの緑色発光が得られた。また、初期輝度1000cd/m
2を得るための駆動電圧は6.6Vであり、その時の電流効率は26.1cd/Aであった。
【0585】
<実施例29>
<化合物(424)を電子輸送層に用いた素子>
電子輸送材料である化合物(366)を化合物(424)に替えた以外は実施例28に準じた方法で有機EL素子を得た。両電極に直流電圧を印加すると、波長約515nmの緑色発光が得られた。また、初期輝度1000cd/m
2を得るための駆動電圧は6.4Vであり、その時の電流効率は27.5cd/Aであった。
【0586】
<比較例5>
電子輸送材料である化合物(366)をTPBiに替えた以外は実施例28に準じた方法で有機EL素子を得た。両電極に直流電圧を印加すると、波長約515nmの緑色発光が得られた。また、初期輝度1000cd/m
2を得るための駆動電圧は5.5Vであり、その時の電流効率は27.1cd/Aであった。
【0587】
以上の結果を表9にまとめた。
【表9】
[この文献は図面を表示できません]
【0588】
<キャリア移動度の測定>
<式(1)で表される化合物のキャリア移動度測定>
26mm×28mm×0.5mmのガラス基板(日本板硝子(株)製)を透明支持基板とした。この透明支持基板を市販の蒸着装置の基板ホルダーに、2mm幅の下部アルミ電極を得るためのメタルマスクと同時に装着した。次いで、アルミニウムをのせたタングステン製の蒸着ボートを蒸着装置にセットした。真空槽を5×10
−3Pa以下まで減圧し、蒸着用ボートを加熱して膜厚10nmになるように半透明の下部アルミ電極を形成した。蒸着速度は、0.05〜1nm/秒であった。
【0589】
次に、下部アルミ電極を覆うように設計した有機層を形成するためのメタルマスクを基板ホルダーに装着し、式(1)で表される化合物を入れたモリブデン製蒸着用ボートと共に蒸着装置にセットした。真空槽を5×10
−3Pa以下まで減圧し、蒸着用ボートを加熱して式(1)で表される化合物を蒸着した。膜厚は6μm、蒸着速度は0.1〜10nm/秒であった。
【0590】
次に、基板ホルダーに上部アルミ電極を形成するためのメタルマスクを装着し、アルミニウムをのせたタングステン製の蒸着ボートと共に蒸着装置にセットした。このメタルマスクは、上部および下部アルミニウム電極の有機層を挟んだ重なり面積が4mm
2になるように設計されている。真空槽を5×10
−3Pa以下まで減圧し、蒸着用ボートを加熱して膜厚50nmになるように上部アルミ電極を形成した。蒸着速度は、0.05〜1nm/秒であった。
【0591】
移動度の測定は、Time Of Flight法を用いて実施した。測定は市販の測定装置であるTOF−401(住友重機械アドバンストマシナリー(株) 製)を用いて実施した。励起光源は、窒素ガスレーザーを用いた。上部アルミ電極と下部アルミ電極の間に適度な電圧を印加した状態で、半透明な下アルミ電極側から光を照射し、過渡光電流を観測して移動度を求めた。過渡光電流波形の解析から移動度を導出する手法については、文献「有機EL材料とディスプレイ」(出版:株式会社シーエムシー)のP69−70に記載されている。
【0592】
測定の結果、0.5MV/cmの電界強度において、式(1)で表される化合物の電子移動度として2×10
−3(cm
2/V秒)、正孔移動度として4×10
−4(cm
2/V秒)の結果が得られた。
【0593】
<式(4)で表される化合物の移動度測定>
式(1)で表される化合物を式(4)で表される化合物に変更し、蒸着した有機層の膜厚が8.2μmになった以外は同様の手法でサンプルを作製し、同様の方法で移動度の観測を行った。
【0594】
測定の結果、0.5MV/cmの電界強度において、式(4)で表される化合物の正孔移動度として4.6×10
−4(cm
2/V秒)の結果が得られた。