(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を用いて、本発明の実施形態について説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。ただし図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なっている場合がある。従って、具体的な寸法等は以下の説明を参酌して判断すべきものである。又、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
【0013】
<実施形態1>
1.発光装置100の構成
実施形態に係る発光装置100の構成について、図面を参照しながら説明する。
図1は、発光装置100の構成を示す断面図である。
【0014】
発光装置100は、基板10と、発光素子20と、樹脂部材30と、を備える。樹脂部材30は、基板10と発光素子20との間に配置される。樹脂部材30は、第1樹脂部材30aと、第1樹脂部材30aと異なる領域に設けられる第2樹脂部材30bを有する。また、第1樹脂部材30aは、第2樹脂部材30bと硬さが異なり、第1樹脂部材30a上の発光素子上面の高さと、第2樹脂部材30b上の発光素子の上面の高さが異なる。
【0015】
実施形態1では、発光素子の中央の上面の高さが、発光素子の周辺部の上面の高さよりも高い。すなわち、発光素子の上面が、その中央が最も高い凸形状(凸曲面)となる。詳細には、
図1に示すように、発光素子の中央領域の下部に第1樹脂部材30aを設け、発光素子の周辺部の下部に第2樹脂部材30bを設け、第1樹脂部材30a上の発光素子20上面の高さが、第2樹脂部材30b上の発光素子20上面の高さより高くなっている。これにより、発光素子の上面に高低差がない場合に比して、発光素子からの出射光の配向を、広げることができる。2つの樹脂部材30の硬度差に比例して、各樹脂部材の上方に位置する発光素子の上面の高さの差が広がる。言い換えると、より曲率半径の小さい凸状形状となる。
【0016】
なお、発光素子の上面は、上記のように曲面の場合には、「発光素子の上面の高さ」は、それぞれ「第1樹脂部材30a上の発光素子の上面における平均高さ」と、「第2樹脂部材30b上の発光素子の上面における平均高さ」を指す。つまり、「高さが異なる」としているものの、連続して設けられる発光素子の上面であるため、その境界において同じ高さの上面となる部分を含む。
【0017】
樹脂部材30は発光素子20の少なくとも1つの側面の一部又は全面に接触して、発光素子20の側面を被覆するように配置されていることが好ましく、発光素子20の全周囲を取り囲むように、発光素子20に接触して配置されていることが好ましい。
【0018】
(基板)
基板10は、発光装置の母材となるものであり、基板本体11と、n側配線電極12と、p側配線電極13と、を有する。
基板10の形状は特に限定されず基板本体11の形状に相当する形状となる。例えば、円形、四角形等の多角形又はこれらに近い形状が挙げられる。
基板10の厚みは、基板本体11の厚みによって調整することができる。例えば、最も厚い部位の厚みは、1000μm程度以下が好ましく、500μm程度以下がより好ましい。また、40μm程度以上が好ましい。
【0019】
(基板本体)
基板本体11は、例えば、金属、セラミック、樹脂、誘電体、パルプ、ガラス、紙又はこれらの複合材料(例えば、複合樹脂)、あるいはこれら材料と導電材料(例えば、金属、カーボン等)との複合材料等が挙げられる。金属としては、銅、鉄、ニッケル、クロム、アルミニウム、銀、金、チタン又はこれらの合金を含むものが挙げられる。セラミックとしては、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化ジルコニウム、窒化ジルコニウム、酸化チタン、窒化チタン又はこれらの混合物を含むものが挙げられる。複合樹脂としては、ガラスエポキシ樹脂等が挙げられる。樹脂としては、エポキシ樹脂、ビスマレイミドトリアジン(BT)樹脂、ポリイミド樹脂、シアネート樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、フェノキシ樹脂、アクリル樹脂、アルキッド樹脂、ウレタン樹脂等が挙げられる。
【0020】
(配線電極)
n側配線電極12及びp側配線電極13は、基板10の上面10S上に配置される。n側配線電極12及びp側配線電極13は、それぞれ図示しない外部接続用の配線電極に接続されている。
【0021】
配線電極は、セラミックやガラエポを基板本体とする場合は、メッキ、スパッタ、蒸着等による金属膜を配線電極とすることができる。また、基板本体が樹脂の場合は、リードフレームを配線電極とすることができる。メッキ等による金属膜の場合は、配線電極の厚みは、数μmから数十μmが挙げられる。
【0022】
基板10は、発光素子20に電気的に接続される配線電極の他に、さらに、放熱用の端子、ヒートシンク、補強部材等を有していてもよい。
【0023】
配線電極は、例えば、Au、Pt、Pd、Rh、Ni、W、Mo、Cr、Ti、Fe、Cu、Al、Ag等又はこれらの合金の単層膜又は積層膜によって形成することができる。なかでも、導電性及び実装性に優れているものが好ましく、実装側の接合部材との接合性及び濡れ性の良い材料がより好ましい。特に、放熱性の観点から、銅又は銅合金が好ましい。配線電極の表面には、銀、プラチナ、錫、金、銅、ロジウム又はこれらの合金の単層膜又は積層膜等、光反射性の高い被膜が形成されていてもよい。配線電極は、具体的には、W/Ni/Au、W/Ni/Pd/Au、W/NiCo/Pd/Au、Cu/Ni/Cu/Ni/Pd/Au、Cu/Ni/Pd/Au、Cu/Ni/Au、Cu/Ni/Ag、Cu/Ni/Au/Agなどの積層構造が挙げられる。また、部分的に厚み又は積層数が異なっていてもよい。
【0024】
(発光素子)
発光素子20は、半導体層21と、半導体層21に形成されたp側電極及びn側電極(図示しない)と、を有する。本実施形態において、発光素子は、基板上に実装された後に、素子基板(サファイア等の成長基板)を除去したものであり、その素子基板の一部を、半導体層上に有していてもよい。また、後述のように、素子基板を備えた発光素子を基板に実装した後、素子基板側からレーザ光を照射することで基板を除去するため、素子基板としては、レーザ光が照射可能な透光性のものを用いる。
1つの発光装置に搭載される発光素子20は1つでもよいし、複数でもよい。発光素子20の大きさ、形状、発光波長は適宜選択することができる。複数の発光素子20が搭載される場合、その配置は不規則でもよく、行列など規則的又は周期的に配置されてもよい。複数の発光素子は、直列、並列、直並列又は並直列のいずれの接続形態でもよい。
【0025】
半導体層21は、半導体層21に設けた電極を介して、バンプB1及びバンプB2上に配置される。半導体層21は、n型半導体層、活性層、p型半導体層と、を有する。n型半導体層及びp型半導体層は、例えば窒化ガリウムやアルミニウム窒化ガリウム、窒化アルミニウム等によって構成することができるが、これに限られるものではない。活性層は、例えばインジウム窒化ガリウムによって構成することができるが、これに限られるものではない。n型半導体層にn側電極が形成されており、p型半導体層にはp側電極が形成されている。
【0026】
発光素子の平面視における形状は特に限定されるものではなく、四角形(長方形又は正方形)又はこれに近似する形状が好ましい。発光素子20の大きさは、発光装置の大きさによって、その上限を適宜調整することができる。例えば、発光素子20の一辺の長さが、百μmから2mm程度が挙げられ、1000μm×1000μm程度、1400μm×1400μm程度、2000μm×2000μm程度等が好ましい。
【0027】
発光素子20の厚みは、素子基板の有無にかかわらず、電極を含む厚みとして、200μm以下であることが好ましく、180μm以下、150μm以下であることがより好ましい。また、素子基板(サファイア基板)50が除去された半導体層21のみによって、20μm以下であることが好ましく、15μm以下、10μm以下であることがより好ましい。
【0028】
発光素子20は、
図1に示すように、断面視において中央部から離れるに従い高さが変わっていく。中央が凸形状をとる。後述の樹脂部材の配置によって、発光素子の4辺に相当する周辺部が、全て中央よりも低くすることができ、あるいは、その一部を低くすることができる。
【0029】
発光素子20は、基板にフリップチップ実装されていることが好ましい。つまり、半導体層のうち、電極が形成された面と反対側の面(素子基板が除去された側の面)を上面とし、この上面を発光面とすることが好ましい。この場合、通常、半導体層21側に形成された電極(図示しない)が、接合部材によって、上述した基板の配線電極と接合されている。このような接合部材は、当該分野で公知の材料のいずれをも用いることができ、導電性の接合部材が挙げられる。具体的には、例えば、錫-ビスマス系、錫-銅系、錫-銀系、金-錫系などの半田(具体的には、AgとCuとSnとを主成分とする合金、CuとSnとを主成分とする合金、BiとSnとを主成分とする合金等)、共晶合金(AuとSnとを主成分とする合金、AuとSiとを主成分とする合金、AuとGeとを主成分とする合金等)銀、金、パラジウムなどの導電性ペースト、バンプ、異方性導電材、低融点金属などのろう材等が挙げられる。なかでも、バンプを用いることにより、後述で述べる所望の形状がより発揮させることができる。
【0030】
(樹脂部材)
樹脂部材30は、基板10と発光素子20との間に配置されるものであり、少なくとも硬さが異なる2種類の樹脂部材から構成される。実施形態1では、第1樹脂部材30aは、第2樹脂部材30bよりも、硬い樹脂であり、発光素子の中央の下に設けられる。第2樹脂部材30bは、第1樹脂部材30aよりも柔らかい樹脂であり、発光素子の周辺部の下に設けられる。また、第1樹脂部材の面積は、第2樹脂部材の面積の同等以下の面積とするのが好ましい。第1樹脂部材の面積が同等以下となることで、より曲率半径の小さい凸状形状となり、広配光化が可能となる。
樹脂部材30は、後述のサファイア基板50を除去(剥離)するプロセス中において、発光素子20の強度を向上させることができる。さらに発光装置全体の強度を確保することができる。封止部材を放熱性の高い材料で形成することによって、発光装置の小型化を維持したまま、放熱性を向上させることができる。
【0031】
第1樹脂部材30aは、ショア硬度D40以上、第2樹脂部材30bは、それよりも柔らかいほうが好ましい。第1樹脂部材30aのショア硬度は、より高く、第2樹脂部材30bのショア硬度はより低く、その硬度差が大きい方がより好ましい。硬さの調整方法の一つとして、フィラー添加量を調整し、硬度を調整可能である。
【0032】
第1樹脂部材30aは、上面視において、発光素子20の略中央に位置し、第2樹脂部材30bにより側方を取り囲まれている。第1樹脂部材30a及び第2樹脂部材30bは、後述するサファイア基板50のレーザーリフトオフ工程(
図6)において半導体層21を支持する。そのため、第1樹脂部材30a及び第2樹脂部材30bは、共に、基板10と発光素子20の間に充填されていることが好ましい。ただし、目的とする配光によっては、発光素子の外周部のうちの一部に第2樹脂部材30bが充填されてもよい。例えば、発光素子の4辺のうち、対向する2辺に第2樹脂部材を設け、つまり、第2樹脂部材を2つの領域に分けて形成し、それらに挟まれるように第1樹脂部材を設けるようにすることができる。その場合、発光素子20は一方向に湾曲する形状をとる。つまり、発光素子の中央の断面において、第2樹脂部材/第1樹脂部材/第2樹脂部材という異なる樹脂部材が設けられている方向(一方向)には、発光素子の上面は、中央が周辺部よりも突出した形状となり、発光素子の中央の断面であって、上記一方向と垂直な方向の断面は、第1樹脂部材のみが設けられているため、発光素子の上面に高低差がない。
【0033】
発光素子の周辺部の下方に設けられる第2樹脂部材30bは、発光素子20の各側面と接して設けられ、断面視において、基板10から離れるほど(上側ほど)細くなるように(厚みが薄くなるように)形成される。また、第2樹脂部材30bの頂部31は、発光素子20の出射面20Sと同程度の高さに位置するのが好ましく、やや上側もしくは下側であっても構わない。例えば、素子基板(サファイア基板)50の側面にまで達する樹脂部材30を形成した後、半導体層21からサファイア基板50を除去することで、サファイア基板50の厚み分だけ第2樹脂部材30bの頂部は、発光素子の上面(出射面20S)よりも高い位置になる場合もある。樹脂部材30のうち、発光素子20の出射面20Sから頂部31までの距離(高さ)は、除去するサファイア基板50の厚みと同程度であり、10μm〜150μm程度である。
【0034】
第1樹脂部材30a及び第2樹脂部材30bは、それぞれ、例えばシリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂から選択される少なくとも1種の絶縁性材料を含に、これらに、フィラーなどの添加剤を含有させることができる。特に、耐熱性や耐光性の高いシリコーン樹脂が好適である。硬さを変えるには、例えば、フィラーの種類や、添加量、樹脂の種類等をを種々選択することで所望の硬さとすることができる。フィラーの添加量を多くすることで、硬度を高くすることができる。また、白色の酸化チタン、酸化珪素、或いはアルミナなどの充填材を第1樹脂部材30a、第2樹脂部材30bに混合することによって、発光装置100の光取り出し効率を高くすることができる。また、これらの添加剤を混合することにより、第1樹脂部材30a及び第2樹脂部材30bの強度を高めることができるため、後述するサファイア基板50のレーザーリフトオフ時や発光装置100の完成後において半導体層21の保持強度を高めることができる。その結果、基板10が剥離した際や発光装置100の使用時における信頼性を高めることができる。
【0035】
(封止部材)
封止部材40は、発光素子や、発光素子の下に設けられる樹脂部材30、更に基板の上面等を覆う部材である。封止部材に、蛍光体が含まれている場合、このように発光素子20の出射面(上面)だけでなく、その周囲に設けられる樹脂部材30bの表面にも封止部材40が設けられることで、色ムラを低減することができる。また、蛍光体を含む封止部材40の上に、蛍光体を含まない封止部材(クリア層)があってもよい。
クリア層の形状は、特に限定されず、例えばレンズ形状であってもよい。
【0036】
封止部材40の厚みは、発光素子の上面(出射面20S)の上、発光素子の外周に設けられる樹脂部材30の上において、略均一な膜厚とすることが好ましい。封止部材40の厚みは、5μm〜50μm程度であることが好ましい。樹脂部材が発光素子の側面を覆うように設けられ、かつ、その頂部31近傍の樹脂部材(第2樹脂部材30b)自体の厚みが薄い場合、封止部材40を薄く設けることで、光の取り出し効率を低下しにくくすることができ好ましい。
【0037】
(バンプ)
バンプB1、B2は、発光素子と基板とを電気的に接続させるとともに、発光素子を基板上に接合するための部材である。バンプの材料としては、例えば、Au、Cu、Alなどを用いることができる。バンプB1,B2は、p側配線電極とn側配線電極のそれぞれに複数個設けられることが好ましい。これにより、より安定して接続することができる。また、バンプB1、B2の高さは、数十μm程度である。
【0038】
2.発光装置100の製造方法
発光装置100の製造方法について、図面を参照しながら説明する。
図2〜6は、発光装置100の製造方法を説明するための図である。
【0039】
まず、半導体層21を有する発光素子20を準備する。本実施の形態において、発光装置の製造方法は、発光素子を準備する工程を有しており、は、あらかじめ作成された発光素子を準備する工程、もしくは、発光素子を製造して準備する工程、のいずれでもよい。
【0040】
図2に示すように、準備された発光素子20を基板10上に接続する。詳細には、バンプB1を介して発光素子のn側電極を基板10のn側配線電極12に接続するとともに、バンプB2を介して発光素子のp側電極を基板10のp側配線電極13に接続する。尚、バンプB1,B2は、基板10側に設けてもよく、発光素子20側に設けてもよい。さらに、バンプB1,B2があらかじめ形成された発光素子20を用いる場合は、バンプB1,B2を形成する工程を省略することもできる。
【0041】
次に、
図3に示すように、ポッティング、印刷、トランスファモールド、圧縮成形等によって、発光素子20と基板10の間(発光素子20の下側)に第1樹脂部材30a及び第2樹脂部材30bを形成する。
【0042】
図4、
図5は、発光素子を上面側から見た図であり、第1樹脂部材と第2樹脂部材の形成領域が分かるよう、バンプなどを省略した図である。
図4では、第1樹脂部材30aが発光素子の中央の下方に、第2樹脂部材30bが発光素子の周辺部の下方に設けられている例を示している。ここでは、第2樹脂部材30bは、第1樹脂部材30aの外周を取り囲むように環状に設けられている。ポッティングにより第1樹脂部材30a、第2樹脂部材30bを形成する場合は、
図4に示すように、第1樹脂部材30aが発光素子20の中央に有するよう、粘度や使用量を調整して形成した後に、第2樹脂部材30bを第1樹脂部材30aを取り囲むように、その外側に形成する。
【0043】
樹脂部材30を形成する際には、発光素子20は、素子基板(サファイア基板)50を有している。樹脂部材30は、素子基板の側面にまで達しないように(這い上がらないように)形成することが好ましい。また、次工程でサファイア基板を除去するために、サファイア基板にレーザ光を照射するため、半導体層の上面(出射面20S)の上に設けられるサファイア基板の上には樹脂部材30を形成しないことが好ましい。
【0044】
また、
図5に示すように、第2樹脂部材30bを発光素子の周辺部のうち、4角に位置する、粘度や使用量を調整して形成し、次いで、第1樹脂部材30aを中央に形成してもよい。ここでは、第2樹脂部材30bが、複数の領域に、それぞれ離間して設けられている。つまり、第1樹脂部材30aは、その外周の一部が第2樹脂部材30bと接し、それ以外の部分は、発光素子の周辺部の下方にまで達している。
【0045】
図4及び
図5は2種類の樹脂部材を用いる場合について示したが、これに限らず、2種類以上であってもよい。また、各樹脂部材の配置もこれに限ったものである必要はない。
【0046】
また、第1樹脂部材と第2樹脂部材とは、異なる方法で形成してもよい。例えば、
図4に示すような発光素子の中央に、まずポッティングにより第1樹脂部材30aを形成し、その後、印刷、トランスファモールド、圧縮成形など第2樹脂部材を設けるなどの方法とすることができる。また、このような形成方法を用いる場合、第2樹脂部材30bを、発光素子20の上面を覆う程度にまで設けてもよく、ブラストなどにより第2樹脂部材30bの一部を除去することで、発光素子の上の素子基板の上面を露出させることができる。これにより、
図3に示すような、基板10の上面から半導体層21の側面にかけて傾斜した形状の、換言すれば、上側にいくほど幅(厚み)が狭くなるような形状の樹脂部材30bを形成する。
【0047】
次に、
図5に示すように、素子基板(サファイア基板)50を透過するレーザ光(例えば、Nd:YAGレーザ、KrFエキシマレーザ)を、サファイア基板50の上面側(半導体層21が形成されている面の反対側)から照射して、サファイア基板50と半導体層21の界面(出射面20S)で分解反応を生じさせることによって、サファイア基板50を半導体層21から分離させる。分離する時の応力と2種類の樹脂部材使用によって、発光素子20が
図5のように中央が凸形状となる。
【0048】
次に、ポッティング法、圧縮成形法、スプレー法、射出成形法、或いは印刷法によって、封止部材40を形成する。封止部材40は、蛍光体を含有するものを用いる。以上によって、
図1に示す発光装置100が完成する。
【0049】
<実施形態2>
実施形態2では、第2樹脂部材30bが設けられ、その外側に第1樹脂部材30aを備える。第1樹脂部材30aは、第2樹脂部材30よりも、硬い樹脂であり、発光素子の周辺部の下に設けられる。第2樹脂部材30bは、第1樹脂部材30aよりも柔らかい樹脂であり、発光素子の中央の下に設けられる。また、第1樹脂部材30aの発光素子20上面の高さは、第2樹脂部材(樹脂部材30b)の発光素子20上面の高さに比べ、高い。つまり、発光素子20は、
図7に示すように、凹形状となる。このような形状とすることで、発光素子の上面に高低差がない場合に比して、発光素子からの出射光の配向を狭くすることができる。