【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 日本放送協会が2013年9月30日にNHKネットクラブのウェブサイト(https://pid.nhk.or.jp/pid16/campaign/2013/09/post−26.html)において発表
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
番組コンテンツを放送するデジタル放送送信装置と、会員サイトに予め会員登録した視聴者への視聴者サービスとして前記番組コンテンツの視聴記録を登録して当該登録情報を視聴者の通信機器から参照できるサービスを提供するWebサーバと、を備えるサービス提供システムにおける前記Webサーバであって、
通信ネットワークに接続された前記視聴者の通信機器に対して前記視聴者サービスを提供するページ画面を含む通信コンテンツを配信する通信コンテンツ配信手段と、
前記会員サイトに予め会員登録した視聴者の視聴者識別情報を含むデータベースを視聴者毎に記憶する視聴者情報記憶手段と、
前記視聴者の通信機器から前記通信ネットワークを介して前記視聴者サービスの要求情報を受信したときに当該視聴者の視聴記録を前記視聴者識別情報に対応付けて前記データベースに登録する視聴履歴登録手段と、
携帯端末機から接続要求を受け付けた場合、前記会員サイトにログインしているときに前記視聴者サービスの要求情報を受信し、当該視聴者の視聴記録を登録するための前処理を行う登録前処理手段と、を備え、
前記登録前処理手段は、
前記視聴者サービスの要求情報から視聴秘密情報の文字列を抽出する視聴秘密情報抽出手段と、
前記抽出した視聴秘密情報と同一の情報が前記データベースに登録されているか否かを判別する判別手段と、
前記抽出した視聴秘密情報が未登録の場合に、前記視聴履歴登録手段によって当該視聴者の視聴記録を登録させ、前記抽出した視聴秘密情報と同一の情報が前記データベースに既に登録されている場合、前記通信コンテンツ配信手段によって、エラーメッセージを前記携帯端末機に配信させる登録制御手段と、を備えることを特徴とするWebサーバ。
番組コンテンツを放送し、放送中の番組に連動してデータ放送にて提供される番組連動コンテンツを放送するデジタル放送送信装置と、会員サイトに予め会員登録した視聴者への視聴者サービスとして前記番組コンテンツの視聴記録を登録して当該登録情報を視聴者の通信機器から参照できるサービスを提供するWebサーバと、を備えるサービス提供システムにおいて前記デジタル放送送信装置からデータ放送で送信される受信機プログラムあって、
デジタル放送受信装置を、
データ放送において前記視聴者サービスの要求を受け付け、当該デジタル放送受信装置が通信ネットワークに接続されてないときに前記番組連動コンテンツから、データ放送で提供されていて前記放送中の番組には連動していない視聴記録情報発行コンテンツに画面遷移するサービス要求受付手段、
前記WebサーバのURLの文字列の後に視聴秘密情報の文字列を連結したテキスト情報から2次元コードを生成する2次元コード生成手段、
前記生成された2次元コードとその読取りを勧める案内文とを、前記視聴記録情報発行コンテンツの画面に表示する表示制御手段、
として機能させるための受信機プログラム。
番組コンテンツを放送し、放送中の番組に連動してデータ放送にて提供される番組連動コンテンツを放送し、データ放送において前記番組連動コンテンツから遷移可能なコンテンツであって前記放送中の番組には連動していない視聴記録情報発行コンテンツを放送するデジタル放送送信装置と、会員サイトに予め会員登録した視聴者への視聴者サービスとして前記番組コンテンツの視聴記録を登録して当該登録情報を視聴者の通信機器から参照できるサービスを提供するWebサーバと、を備えるサービス提供システムであって、
前記番組連動コンテンツは、放送中にデジタル放送受信装置にて前記視聴者サービスの要求情報を取得した場合、前記デジタル放送受信装置が通信ネットワークに接続されていないときに前記視聴記録情報発行コンテンツに画面遷移するコンテンツであり、
前記視聴記録情報発行コンテンツは、前記WebサーバのURLの文字列の後に視聴秘密情報の文字列を連結したテキスト情報から生成された2次元コードとその読取りを勧める案内文とを前記デジタル放送受信装置の画面に表示するコンテンツであり、
前記Webサーバは、
前記会員サイトに予め会員登録した視聴者の視聴者識別情報を含むデータベースを視聴者毎に記憶する視聴者情報記憶手段と、
携帯端末機から通信ネットワークを介して、当該WebサーバのURLの文字列と前記視聴秘密情報の文字列とが連結された文字列を受信し、受信した文字列に連結されている前記視聴秘密情報の文字列を抽出する視聴秘密情報抽出手段と、
前記抽出した視聴秘密情報と同一の情報が前記データベースに登録されているか否かを判別する判別手段と、
前記抽出した視聴秘密情報が未登録の場合に、前記視聴者識別情報に対応付けて前記データベースに登録する視聴履歴登録手段と、
前記視聴秘密情報が登録された場合、前記視聴者サービスを提供するページ画面を含む通信コンテンツを前記携帯端末機に配信し、前記抽出した視聴秘密情報と同一の情報が前記データベースに既に登録されている場合、エラーメッセージを前記携帯端末機に配信する通信コンテンツ配信手段と、を備えることを特徴とするサービス提供システム。
【背景技術】
【0002】
図7は、従来の放送通信連携システムの構成を示す模式図である。この放送通信連携システム901は、デジタル放送受信装置3と、デジタル放送送信装置905と、Webサーバ906と、を備えている。従来、放送局(放送事業者)がサービス事業者を兼ねて、所定の会員サイトに予めユーザ登録した視聴者(会員)に通信ネットワークNを介して各種サービスを提供している。視聴者(会員)に対するサービスを提供するためのサービス提供システム902は、デジタル放送送信装置905と、Webサーバ906とによって構成される。
【0003】
放送事業者は、視聴者に例えばドラマ等の放送番組を継続的に視聴してもらえるようにサービス向上に取り組んでいる。このような視聴者サービスとして、放送されるドラマ番組を視聴した会員のために「ドラマの視聴スタンプラリー」が展開されている(非特許文献1参照)。このスタンプラリーの仕組みによって、視聴者は、ドラマの放送中に、視聴した記録として通信コンテンツ上のスタンプ帳にスタンプを押すと、会員として利用できるポイントがスタンプを押す毎にもらえるほか、一定期間内で全ての放送回のスタンプを押すと、記念品やスタジオ見学ツアーへの応募をすることができるといった特典がもらえる。
【0004】
スタンプラリーを展開しているドラマには、
図8(a)及び
図8(c)に示すように、データ放送として番組連動コンテンツ811が放送されている。番組連動コンテンツ811が画面表示されているときに放送番組コンテンツ領域812には、放送中のドラマ(番組コンテンツ)が画面表示されている。番組連動コンテンツ811によれば、ドラマのあらすじなどの情報を見ることができる。番組連動コンテンツ811には、ユーザによるリモコン操作が可能な各種ボタンが表示される。例えば
図8(a)に示すように、現在ページからデータ放送コンテンツのトップページへ戻るための黄色ボタン813と、現在ページよりも詳細な情報が記載されたデータ放送コンテンツのページへ進むための緑色ボタン814と、が表示される。加えて、
図7に示すように通信ネットワークNに繋がっているデジタル放送受信装置3aの場合、番組連動コンテンツ811上に、データ放送において通信コンテンツのページへ進むための赤色ボタンとして例えばスタンプラリーボタン815が表示される。
【0005】
スタンプラリーに参加している視聴者が、
図8(a)に示すスタンプラリーボタン815を押下すると、
図8(b)に示すように、デジタル放送受信装置3aの画面表示が、
番組連動コンテンツ811からスタンプラリーコンテンツ821に遷移する。このスタンプラリーコンテンツ821は、視聴者が会員として予めユーザ登録している視聴者サービスを提供するWebサーバ906から配信される通信コンテンツである。そして、スタンプラリーコンテンツ821に遷移する間に、デジタル放送受信装置3aはWebサーバ906と通信し、当該会員サイトにログインする。
【0006】
番組連動コンテンツ811は、番組の終了と共に終了するが、視聴者は、放送中以外であっても、スタンプラリーコンテンツ821において自分のスタンプ帳を見ることができるようになっている。ただし、スタンプを押すことができるのは番組コンテンツの放送中のみとなっている。
【0007】
ドラマの放送中に、ユーザがスタンプを押す操作をすると、スタンプラリーコンテンツ821は、会員サイトを提供するWebサーバ906に対してスタンプ押印情報を送信する(ステップS701:
図7参照)。すると、Webサーバ906は、スタンプ押印情報を、会員情報に紐付いたスタンプデータベースに記録し(ステップS702)、スタンプ押印結果を、デジタル放送受信装置3aに返す(ステップS703)。そして、デジタル放送受信装置3aは、データ放送において通信コンテンツのページにスタンプ押印結果を表示する(ステップS704)。これにより、視聴者は、通信コンテンツのページ画面上でスタンプが貯まっていくことを確認することができる。
【0008】
なお、ユーザ登録に関して、放送局が、データ放送にて、2次元コードを表示するためのプログラムを送信し、視聴者が2次元コードを用いてユーザ登録を行うといった技術が特許文献1に開示されている。この方法によれば、デジタル放送受信装置3に画面表示された2次元コードを携帯端末機で読み取って所定のURL(Uniform Resource Locator)にアクセスすることで所定の会員サイトにユーザ登録することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、
図7に示すように通信ネットワークNに繋がっていないデジタル放送受信装置3bの場合、
図8(b)に示すように番組連動コンテンツ811上にスタンプラリーボタン815が表示されなかった。そして、デジタル放送受信装置3bを利用する視聴者は、上記のスタンプラリーサービス等の視聴者サービスを享受することができなかった。
【0012】
一方で、デジタル放送の視聴者は、インターネットに接続する環境を整えることを強制されるものではなく、また、デジタル放送受信装置3a,3bが混在しているのが現状である。例えば、自宅でデジタル放送受信装置3aを利用する視聴者がスタンプラリーサービスを受けているときに、自宅以外で通信ネットワークNに繋がっていないデジタル放送受信装置3bによって当該ドラマを視聴した場合、その回のスタンプを押すことができなかった。そして、このような場合、一定期間内で全ての放送回のスタンプを押すことを要件とする特典をもらうことはできなかった。
【0013】
なお、通信ネットワークNに繋がっていないデジタル放送受信装置3bの画面にスタンプ情報を示す2次元コードを表示し、この2次元コードを読み取ってWebサーバ906に送ることも考えられる。ただし、誰にでも同じパスワードを出したことになってしまい、スタンプ情報は所定のURLなので、URLの情報をネット上の掲示板などで公開されてしまうというURL拡散の虞がある。URLの情報が公開されてしまうと、実際にはドラマを視聴していない会員が、スタンプラリーの特典を受けるといった不正行為が可能となってしまう。このような場合には、連続して視聴する努力をした視聴者が不快な想いを感じることになる。したがって、このような不正行為を防止する仕組みが求められる。
【0014】
本発明は、以上のような問題点に鑑みてなされたものであり、放送番組の視聴者が視聴者サービスを受ける際の利便性を向上させることのできるWebサーバ、視聴者サービス提供プログラム、受信機プログラム及びサービス提供システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
前記課題を解決するために、本発明に係るWebサーバは、番組コンテンツを放送するデジタル放送送信装置と、会員サイトに予め会員登録した視聴者への視聴者サービスとして前記番組コンテンツの視聴記録を登録して当該登録情報を視聴者の通信機器から参照できるサービスを提供するWebサーバと、を備えるサービス提供システムにおける前記Webサーバであって、通信コンテンツ配信手段と、視聴者情報記憶手段と、視聴履歴登録手段と、登録前処理手段と、を備え、前記登録前処理手段が、視聴秘密情報抽出手段と、判別手段と、登録制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0016】
かかる構成によれば、Webサーバは、通信コンテンツ配信手段によって、通信ネットワークに接続された前記視聴者の通信機器に対して前記視聴者サービスを提供するページ画面を含む通信コンテンツを配信する。そして、Webサーバは、視聴者情報記憶手段に、前記会員サイトに予め会員登録した視聴者の視聴者識別情報を含むデータベースを視聴者毎に記憶する。そして、Webサーバにおいて、視聴履歴登録手段は、前記視聴者の通信機器から前記通信ネットワークを介して前記視聴者サービスの要求情報を受信したときに当該視聴者の視聴記録を前記視聴者識別情報に対応付けて前記データベースに登録する。そして、Webサーバにおいて、登録前処理手段は、
携帯端末機から接続要求を受け付けた場合、前記会員サイトにログインしているときに前記視聴者サービスの要求情報を受信し、当該視聴者の視聴記録を登録するための前処理を行う。そして、Webサーバの登録前処理手段において、視聴秘密情報抽出手段は、前記視聴者サービスの要求情報から視聴秘密情報の文字列を抽出する。そして、前記登録前処理手段において、判別手段は、前記抽出した視聴秘密情報と同一の情報が前記データベースに登録されているか否かを判別する。そして、前記登録前処理手段において、登録制御手段は、前記抽出した視聴秘密情報が未登録の場合に、前記視聴履歴登録手段によって当該視聴者の視聴記録を登録させ、前記抽出した視聴秘密情報と同一の情報が前記データベースに既に登録されている場合、前記通信コンテンツ配信手段によって、エラーメッセージを前記携帯端末機に配信させる。したがって、Webサーバの側で、視聴記録の登録が重複しないようにチェックを施し、同じ2次元コードで複数の視聴者が登録することを防止できる。そのため、URL拡散といった不正行為を防止しながら、視聴者の利便性を向上させることができる。
【0017】
また、前記課題を解決するために、コンピュータを前記Webサーバの各手段として機能させるための視聴者サービス提供プログラムを用いることができる。
【0018】
また、前記課題を解決するために、本発明に係る受信機プログラムは、番組コンテンツを放送し、放送中の番組に連動してデータ放送にて提供される番組連動コンテンツを放送するデジタル放送送信装置と、会員サイトに予め会員登録した視聴者への視聴者サービスとして前記番組コンテンツの視聴記録を登録して当該登録情報を視聴者の通信機器から参照できるサービスを提供するWebサーバと、を備えるサービス提供システムにおいて前記デジタル放送送信装置からデータ放送で送信される受信機プログラムあって、
デジタル放送受信装置を、サービス要求受付手段、2次元コード生成手段、表示制御手段、として機能させるためのプログラムであるものとした。
【0019】
かかる構成によれば、受信機プログラムにおいて、サービス要求受付手段は、データ放送において前記視聴者サービスの要求を受け付け、当該デジタル放送受信装置が通信ネットワークに接続されてないときに前記番組連動コンテンツから、データ放送で提供されていて前記放送中の番組には連動していない視聴記録情報発行コンテンツに画面遷移する。そして、受信機プログラムにおいて、2次元コード生成手段は、前記WebサーバのURLの文字列の後に視聴秘密情報の文字列を連結したテキスト情報から2次元コードを生成する。そして、受信機プログラムにおいて、表示制御手段は、前記生成された2次元コードとその読取りを勧める案内文とを、前記視聴記録情報発行コンテンツの画面に表示する。
【0020】
また、前記課題を解決するために、本発明に係るサービス提供システムは、番組コンテンツを放送し、放送中の番組に連動してデータ放送にて提供される番組連動コンテンツを放送し、データ放送において前記番組連動コンテンツから遷移可能なコンテンツであって前記放送中の番組には連動していない視聴記録情報発行コンテンツを放送するデジタル放送送信装置と、会員サイトに予め会員登録した視聴者への視聴者サービスとして前記番組コンテンツの視聴記録を登録して当該登録情報を視聴者の通信機器から参照できるサービスを提供するWebサーバと、を備えるサービス提供システムであって、前記番組連動コンテンツは、放送中に
デジタル放送受信装置にて前記視聴者サービスの要求情報を取得した場合、前記デジタル放送受信装置が通信ネットワークに接続されていないときに前記視聴記録情報発行コンテンツに画面遷移するコンテンツであり、前記視聴記録情報発行コンテンツは、前記WebサーバのURLの文字列の後に視聴秘密情報の文字列を連結したテキスト情報から生成された2次元コードとその読取りを勧める案内文とを前記デジタル放送受信装置の画面に表示するコンテンツであり、前記Webサーバが、視聴者情報記憶手段と、視聴秘密情報抽出手段と、判別手段と、視聴履歴登録手段と、通信コンテンツ配信手段と、を備えることとした。
【0021】
かかる構成によれば、サービス提供システムにおいて、前記Webサーバは、視聴者情報記憶手段に、前記会員サイトに予め会員登録した視聴者の視聴者識別情報を含むデータベースを視聴者毎に記憶する。そして、前記Webサーバにおいて、視聴秘密情報抽出手段は、
携帯端末機から通信ネットワークを介して、当該WebサーバのURLの文字列と前記視聴秘密情報の文字列とが連結された文字列を受信し、受信した文字列に連結されている前記視聴秘密情報の文字列を抽出する。そして、前記Webサーバにおいて、判別手段は、前記抽出した視聴秘密情報と同一の情報が前記データベースに登録されているか否かを判別する。そして、前記Webサーバにおいて、視聴履歴登録手段は、前記抽出した視聴秘密情報が未登録の場合に、前記視聴者識別情報に対応付けて前記データベースに登録する。そして、前記Webサーバにおいて、通信コンテンツ配信手段は、前記
視聴秘密情報が登録された場合、前記視聴者サービスを提供するページ画面を含む通信コンテンツを前記携帯端末機に配信し、前記抽出した視聴秘密情報と同一の情報が前記データベースに既に登録されている場合、エラーメッセージを前記携帯端末機に配信する。
【発明の効果】
【0022】
本発明に係るWebサーバは、携帯端末機からも視聴記録を受け付けるので、放送番組の視聴者が視聴者サービスを受ける際の利便性を向上させることができる。また、Webサーバは、視聴記録を登録するための前処理において、携帯端末機から取得した視聴秘密情報が既に登録されている場合、その登録を受け付けないので、URL拡散といった不正行為を防止することができる。
【0023】
本発明に係る受信機プログラムは、受信機が通信ネットワークに接続されていない場合、番組連動コンテンツから視聴記録情報発行コンテンツに画面遷移して2次元コードとその読取りを勧める案内文とを表示するので、視聴者の利便性を向上させることができる。
【0024】
本発明に係るサービス提供システムは、データ放送により視聴記録情報発行コンテンツを放送して、受信機側において2次元コードとその読取りを勧める案内文とを表示するので、視聴者の利便性を向上させることができる。また、サービス提供システムは、Webサーバにおいて、携帯端末機から取得した視聴秘密情報が既に登録されている場合、その登録を受け付けないので、URL拡散といった不正行為を防止することができる。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明に係るWebサーバ、視聴者サービス提供プログラム、受信機プログラム及びサービス提供システムを実施するため形態(以下「実施形態」という)について図面を参照して詳細に説明する。
【0027】
[サービス提供システムの概要]
放送通信連携システム1は、
図1に示すように、サービス提供システム2と、デジタル放送受信装置3と、携帯端末機4とを備える。視聴者は、デジタル放送受信装置3によって番組コンテンツを視聴する。以下、ユーザという場合、視聴者を指す。ユーザは、通信ネットワークNに繋がっているデジタル放送受信装置3aや、通信ネットワークNに繋がっていないデジタル放送受信装置3bを利用する。
【0028】
携帯端末機4は、視聴者(ユーザ)が利用するものであり、2次元コード読み取り機能を備えると共に、インターネット等の通信ネットワークNへの接続機能を備えた一般的な端末機である。一般に広く普及している携帯端末機4としては、例えばスマートフォン、携帯電話機、タブレット端末、携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistant)等を挙げることができる。
【0029】
サービス提供システム2は、番組コンテンツの視聴者に対して、通信ネットワークNを用いた視聴者サービスを提供するシステムであり、放送局で使用されコンテンツを放送するデジタル放送送信装置5と、Webサーバ6とを備える。
【0030】
Webサーバ6は、会員サイトに予め会員登録した視聴者への視聴者サービスとして番組コンテンツの視聴記録を登録して当該登録情報を視聴者の通信機器から参照できるサービスを提供するものである。このような視聴者サービスとしては、例えばスタンプラリーサービスを挙げることができる。ここで、視聴者の通信機器は、通信ネットワークNに接続された通信機器であればよく、デジタル放送受信装置3aや携帯端末機4のほか、デスクトップ型やノート型の一般的なパーソナルコンピュータ等であってもよい。
【0031】
図1に示すデジタル放送送信装置5及びデジタル放送受信装置3は、例えば
図2に示すような機能ブロックで構成される。また、
図1に示すWebサーバ6は、例えば
図3に示すような機能ブロックで構成される。以下、各装置の構成の詳細について説明する。
【0032】
[デジタル放送送信装置]
デジタル放送送信装置5は、視聴者サービスが提供される番組コンテンツを放送し、放送中の番組コンテンツに連動してデータ放送にて提供される番組連動コンテンツを放送するものである。
【0033】
番組連動コンテンツは、放送中にデジタル放送受信装置3にて視聴者サービスの要求情報を取得した場合、デジタル放送受信装置3が通信ネットワークNに接続されていないときに視聴記録情報発行コンテンツに画面遷移するものである。
【0034】
視聴記録情報発行コンテンツは、データ放送において番組連動コンテンツから遷移可能なコンテンツであって放送中の番組には連動していない独立コンテンツである。また、視聴記録情報発行コンテンツは、2次元コードとその読取りを勧める案内文とをデジタル放送受信装置3の画面に表示する。この視聴記録情報発行コンテンツは、通信ネットワークNに繋がっていないデジタル放送受信装置3bの画面に表示されるものであり、通信ネットワークNに繋がっているデジタル放送受信装置3aの画面には表示されない。
【0035】
視聴記録情報発行コンテンツが表示する2次元コードは、Webサーバ6のURLの文字列の後に、視聴秘密情報の文字列を連結したテキスト情報から生成されるものである。視聴秘密情報は、視聴者が番組コンテンツを放送中に視聴したことを示す情報である。視聴秘密情報の内容は、例えば、データ放送視聴の時刻情報と、放送中の番組の番組識別情報(番組ID)と、放送受信中のデジタル放送受信装置3の装置識別情報(受信機ID)とを含んでいる。
【0036】
ここで、データ放送視聴の時刻情報は、例えば、デジタル放送受信装置3において放送中に該当する番組コンテンツが表示されているときにリモコンのdボタンが押されて番組連動コンテンツが最初に表示された時刻の情報とすることができる。また、番組IDは、データ放送で送られている情報である。受信機IDは、デジタル放送受信装置3のセキュリティモジュールに書き込まれている。
【0037】
視聴秘密情報は、通信ネットワークNに送信される際には、暗号化される。なお、視聴秘密情報の暗号化には、例えば、共通鍵暗号化方式であるDES(Data Encryption Standard)やAES(Advanced Encryption Standard)等を暗号アルゴリズムとして用いてもよく、Webサーバ6は、これに対応した復号処理を行う。
【0038】
以下では、視聴者サービスを受けるための宛先(URL)が記載された2次元コードがQRコード(登録商標)であるものとして説明する。なお、QRコードは、日本工業規格(JIS X 0510)で仕様が定められている。
【0039】
デジタル放送送信装置5は、前記機能を実現するために、コンテンツ記憶手段31と、放送制御手段32と、放送送出手段33と、を備えている。
【0040】
コンテンツ記憶手段31は、デジタル放送の番組コンテンツやデータ放送コンテンツ等の各種コンテンツを記憶するものであって、ハードディスク等の記憶装置である。
コンテンツ記憶手段31は、Webサーバ6のURLの文字列を記憶すると共に、QRコード生成プログラム等を記憶する。
【0041】
放送制御手段32は、コンテンツ記憶手段31から、番組コンテンツ、データ放送コンテンツ等を読み出して、放送送出手段33に出力するものである。
放送制御手段32は、データ放送コンテンツのBML(Broadcast Markup Language)文書に、デジタル放送受信装置3で動作する受信機プログラムとして、Webサーバ6のURLの文字列と、QRコード生成プログラム等を組み込む。この放送制御手段32は、データ放送にて、受信機プログラムとして、QRコード生成プログラム、QRコード生成用のパラメータ及びWebサーバ6のURLの文字列を一度に送信するようにしてもよいし、別々に送信するようにしてもよい。なお、放送制御手段32は、詳細な説明は省略するが、デジタル放送の限定受信システムに対応してコンテンツのスクランブル、鍵情報の暗号化等の各種の制御を行う。
【0042】
放送送出手段33は、放送制御手段32から出力される番組コンテンツ、データ放送のデータ等を多重化して、データカルーセルで伝送(配信)するものである。
【0043】
[デジタル放送受信装置]
デジタル放送受信装置3は、放送波W等により、番組コンテンツおよびデータ放送を受信するものである。ここでは、デジタル放送受信装置3は、放送受信手段41と、ユーザ操作手段42と、表示手段43と、コンテンツ蓄積手段44と、プログラム記憶手段45と、受信制御手段46と、を備えている。そして、デジタル放送受信装置3は、セキュリティモジュールである個別情報記憶カード47を装着されることで、デジタル放送の受信を可能としている。個別情報記憶カード47は、例えば、B−CASカードである。なお、デジタル放送受信装置3は、通信ネットワークNに接続されていてもよいし(デジタル放送受信装置3a:
図1)、接続されていなくてもよい(デジタル放送受信装置3b:
図1)。
【0044】
放送受信手段41は、デジタル放送送信装置5から送出されるデジタル放送を受信するチューナ等から構成され、個別情報記憶カード47の装着時に受信したデジタル信号を受信制御手段46に出力するものである。
ユーザ操作手段42は、ユーザの操作により指定されるコマンドを受信制御手段46に出力するものであり、例えば、リモコン装置等である。
表示手段43は、受信制御手段46の処理結果として復号されたデジタル放送番組、データ放送を画面上に表示するものであり、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)等である。
【0045】
コンテンツ蓄積手段44は、放送受信手段41で受信したデジタル放送番組等のコンテンツを記憶するものであり、ハードディスク等で構成される。
【0046】
プログラム記憶手段45は、受信制御手段46等の動作プログラムやその処理結果等を記憶するものであり、メモリやハードディスク等で構成される。このプログラム記憶手段45には、例えば、ユーザが居住する地域の郵便番号や都道府県等の情報を記憶した不揮発性メモリであるNVRAM(Non-volatile Random Access Memory)も含むこととする。
【0047】
受信制御手段46は、放送受信手段41で受信したデジタル信号の再生・表示を制御するものである。ここでは、受信制御手段46は、コンテンツ再生制御手段461と、表示制御手段462と、サービス要求受付手段463と、通信コンテンツ画面遷移手段464と、放送コンテンツ画面遷移手段465と、2次元コード生成手段466と、再発行要求受付手段467と、経過時間判別手段468と、再発行情報生成手段469と、を備えている。
【0048】
コンテンツ再生制御手段461は、受信した多重化されたデジタル信号から暗号化鍵情報やコンテンツ等を分離し、鍵情報を復号して、コンテンツをデスクランブルすることでコンテンツを再生する制御を行うものである。
【0049】
表示制御手段462は、コンテンツ再生制御手段461で再生されたコンテンツを表示手段43に表示させるものである。また、表示制御手段462は、データ放送の電子文書であるBMLを解析し、表示制御を行うものでもある。表示制御手段462は、生成されたQRコードとその読取りを勧める案内文とを、視聴記録情報発行コンテンツの画面に表示する。
【0050】
サービス要求受付手段463は、データ放送で送られるBML文書に記載のコマンドによって、DOM(Document Object Mode)のAPI(Application Programming Interface)が呼び出されて、データ放送において視聴者サービスの要求を受け付けるものである。これにより、サービス要求受付手段463は、視聴者サービスを要求するためのボタン操作がされたか否かを判別する。また、サービス要求受付手段463は、当該デジタル放送受信装置3が通信ネットワークNに接続されているか否かを判別する。
【0051】
通信コンテンツ画面遷移手段464は、サービス要求受付手段463にてデジタル放送受信装置3aが通信ネットワークNに接続されていると判別され、
図6(a)に示す番組連動コンテンツ811においてスタンプラリーボタン815が選択された場合、APIが呼び出されて、
図6(b)に示すように、通信コンテンツであるスタンプラリーコンテンツ821に画面遷移するものである。
【0052】
放送コンテンツ画面遷移手段465は、サービス要求受付手段463にてデジタル放送受信装置3bが通信ネットワークNに接続されていないと判別され、
図6(c)に示す番組連動コンテンツ811においてスタンプラリーボタン815が選択された場合、APIが呼び出されて、
図6(d)に示すように、放送コンテンツである視聴記録情報発行コンテンツ611に画面遷移するものである。なお、視聴記録情報発行コンテンツ611は、データ放送で提供されていて放送中の番組には連動していないコンテンツである。
【0053】
2次元コード生成手段466は、通信ネットワークNに接続されていないデジタル放送受信装置3bにおいて2次元コードを生成するものである。この2次元コード生成手段466は、デジタル放送送信装置5から、受信機プログラムとしてQRコード生成プログラム等を含む電子文書を受信した際に、当該電子文書に組み込まれている情報(QRコード生成プログラム)に基づいて機能する。2次元コード生成手段466は、デジタル放送受信装置3bにおいて番組連動コンテンツが表示されているときに、視聴者がサービスを受けるためのボタン操作をした際に、URLの文字列および視聴秘密情報の文字列を含むQRコードを生成し、表示手段43に表示させる。視聴秘密情報は、データ放送視聴の時刻情報と、番組IDと、受信機IDとを含む。2次元コード生成手段466は、Webサーバ6のURLの文字列の後に、この視聴秘密情報の文字列を連結したテキスト情報からQRコードを生成する。このように、生成されるQRコードは、生成時刻、受信機、番組に応じて異なっている。
【0054】
このQRコードの生成に用いられる文字列の文字数は、2次元コードの仕様を満足するように選択されて予め設定されている。例えば、QRコードの仕様では、型番(バージョン)、誤り訂正レベル、文字種モード等に応じてQRコードに記載できる文字数が定められている。なお、具体的な例としては、例えば、英数字モード、「型番(バージョン)」が“3”、「誤り訂正レベル」が“Q”ならば、合計値が「47文字」と定められている。なお、本実施形態において、QRコードの生成に用いられる文字列の文字数は、47文字に限定されるものではない。
【0055】
ここで、2次元コード生成手段466によるQRコード生成処理の概要について
図4を参照して説明する。
図4は、
図2に示すデジタル放送受信装置3で行う2次元コード生成処理の概要を示すフローチャートである。まず、QRコードで実際に読み取らせたい内容を示すテキストとして、URLの文字列と視聴秘密情報の文字列とを続けて2次元コード生成手段466に入力する(ステップS401)。例えば、「http:// … 」等のテキストが入力される。
【0056】
次に、2次元コード生成手段466は、入力テキストを符号化する(ステップS402)。これにより、例えば「http:// … 」等のテキストは、「100110 … 」のような2進表現のビット列(データコード語列)に変換される。次に、2次元コード生成手段466は、数値演算を実行する。まず、誤り訂正符号を計算し、付加する。QRコードは、データコード語列に付加する一連の誤り訂正コード語を生成するリードソロモン(RS)誤り訂正を備えている。そこで、2次元コード生成手段466は、RS誤り訂正符号(誤り訂正コード語)を計算により求め、データコード語列に付加する(ステップS403)。
【0057】
さらに、2次元コード生成手段466は、マスク処理を行う(ステップS404)。マスク処理は、明モジュールと暗モジュールとをバランスよく配置してQRコードを読み取り易くするために、符号化領域で与えられたモジュールパターン(ビット列のパターン)と、複数のマスクパターン(マスク処理マトリックスパターン)とで順にXOR(排他的論理和)による変換を行い、変換結果の評価により、マスクパターンとして最適なものを選定し、最適なマスクパターンを用いた場合のXOR演算結果を出力する処理である。なお、QRコードは、8種類のマスクパターン{0,…,7}を備えている。そして、2次元コード生成手段466は、生成したQRコードを出力する(ステップS405)。例えば、シンボルとして構成したQRコード(QRコードシンボル)を表示手段43の画面に表示させることができる。
【0058】
再発行要求受付手段467は、データ放送で送られるBML文書に記載のコマンドによってAPIが呼び出されて、データ放送において2次元コードの再発行要求を受け付けるものである。この再発行要求受付手段467は、通信ネットワークNに接続されていないデジタル放送受信装置3bにおいて視聴記録情報発行コンテンツ611が表示されているときに2次元コードの再発行要求を受け付ける。再発行要求受付手段467は、
図6(d)に示すQRコード613の再発行を要求するためのボタン615を選択決定する操作がされたか否かを判別する。ボタン615の操作情報は、経過時間判別手段468及び再発行情報生成手段469に出力される。
【0059】
ここで、QRコードの再発行とは、Webサーバ6の側で同じQRコードに基づく複数回の登録を防止する仕組みの中で、ユーザの使い勝手を良くするために導入したサービスである。なお、再発行とは、初回のQRコードと関連するQRコードを発行することを表しており、完全に一致するQRコードを発行することを意味するものではない。
【0060】
経過時間判別手段468は、データ放送の画面表示が番組連動コンテンツ811から視聴記録情報発行コンテンツ611へ遷移した時刻から再発行要求を受け付けた時刻までの経過時間が所定の時間内か否かを判別するものである。この経過時間判別手段468は、通信ネットワークNに接続されていないデジタル放送受信装置3bにおいて前記経過時間を判別する。ここで、所定時間とは、QRコードの再発行を可能とする時間を制限するものであって、所望の値を適宜設定できる。所定時間は、番組尺程度、例えば30分間とすることができる。
【0061】
具体的には、再発行可能な所定時間を例えば30分間であるものとして、例えば午前8時開始の15分間のドラマ番組を想定すると、通信ネットワークNに接続されていないデジタル放送受信装置3bにおいてデータ放送の画面表示が番組連動コンテンツ811から視聴記録情報発行コンテンツ611へ遷移した時刻が午前8時であれば、再発行の受付期限は午前8時30分となる。このドラマ番組は午前8時15分に終了してしまうが、視聴記録情報発行コンテンツは独立コンテンツであるため例えば午前8時30分であっても再発行可能となる。よって、例えば、このドラマにおいて、視聴記録情報発行コンテンツへ遷移した時刻が午前8時14分であれば、視聴記録情報発行コンテンツの画面において午前8時44分までならばQRコードの再発行が可能となる。
【0062】
再発行情報生成手段469は、通信ネットワークNに接続されていないデジタル放送受信装置3bにおいてQRコードの再発行が要求されたときに、再発行に必要な再発行情報を生成するものである。再発行情報生成手段469は、経過時間判別手段468によって経過時間が所定の時間内であると判別された場合、所定の文字列からなる再発行情報を生成する。ここで生成された再発行情報は、2次元コード生成手段466に出力される。再発行情報としての文字列は、特に限定されず適宜設定することができる。再発行を要求するユーザの利便性に鑑みれば、複数通りの表現が可能な文字列が好ましく、例えば乱数発生器で発生させるランダム値であってもよい。
【0063】
本実施形態では、再発行情報生成手段469が再発行情報を生成した場合、2次元コード生成手段466が、視聴秘密情報に再発行情報を含めた文字列を用いてQRコードを生成することとした。視聴秘密情報に含まれる番組ID、受信機IDは当然ながら再発行時も不変であり、時刻情報に関しては、再発行に際しても初回の発行時刻を用いる。再発行時には、例えばランダム値の文字列が連結される点が異なっている。これにより、再発行されたQRコードは、初回発行時のQRコードとは相違することとなる。
【0064】
デジタル放送受信装置3の受信制御手段46は、デジタル放送受信装置3に内蔵されたコンピュータを、前記した各手段として機能させる受信機プログラムにより動作させることで実現することができる。この受信機プログラムは、デジタル放送送信装置5からデータ放送を介して提供される。
【0065】
[Webサーバ]
Webサーバ6は、サービス事業者によって用意され、CGI(Common Gateway Interface)やPHP(Hypertext Preprocessor)といったサーバである。なお、本実施形態では、放送局(放送事業者)がサービス事業者を兼ねている。Webサーバ6は、サービス事業者の会員サイトに対して予めユーザ登録した視聴者がデジタル放送受信装置3にて番組コンテンツを放送中に視聴した視聴記録を登録して視聴記録を携帯端末機4から参照することができる視聴者サービスを提供するものである。
【0066】
Webサーバ6は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等の演算装置と、メモリ、ハードディスク等の記憶装置(記憶手段)と、外部との各種情報の送受信を行うインタフェース装置と、を備え、前記したハードウェア資源がプログラムによって制御されることにより実現され、
図3に示すように、通信コンテンツ配信手段11と、通信コンテンツ記憶手段12と、ユーザ登録手段13と、視聴履歴登録手段14と、視聴者情報記憶手段15と、登録前処理手段16と、を備える。
【0067】
通信コンテンツ配信手段11は、通信ネットワークNに接続された視聴者の通信機器に対して視聴者サービスを提供するページ画面を含む通信コンテンツを配信するものである。通信コンテンツはブラウザ等で表示可能なコンテンツである。なお、通信ネットワークNに接続された通信機器は、デジタル放送受信装置3aや携帯端末機4のほか、デスクトップ型やノート型の一般的なパーソナルコンピュータ等も表す。
通信コンテンツ記憶手段12は、通信コンテンツを記憶するものであり、メモリやハードディスク等の記憶装置から構成される。
【0068】
ユーザ登録手段13は、ユーザからサービス事業者(放送局兼務)の会員サイトへの会員登録(ユーザ登録)を受け付けるものである。ユーザ登録手段13は、視聴者(ユーザ)から、通信ネットワークNに接続された通信機器を介してユーザ登録用個人情報を受け付けて視聴者情報記憶手段15に登録し、登録が完了したことを示す登録完了情報を、該当ユーザの通信機器に返信する。ここで、ユーザ登録用個人情報は、例えば、氏名や住所といった本人を特定するための情報や、会員サイトにおけるユーザID(視聴者識別情報)、会員サイトへのログイン用パスワード等を表す。
【0069】
視聴履歴登録手段14は、通信機器から通信ネットワークNを介して視聴者サービスの要求情報を受信したときに当該視聴者の視聴記録をユーザID(視聴者識別情報)に対応付けてユーザ毎のデータベースに登録するものである。
【0070】
視聴者情報記憶手段15は、ユーザ登録用個人情報や視聴者サービスに係る視聴者の個人情報を記憶するものであり、メモリやハードディスク等の記憶装置から構成される。
視聴者情報記憶手段15は、会員サイトに予め会員登録した視聴者の個人情報をユーザID(視聴者識別情報)別にデータベースに格納して記憶する。ここで、視聴者サービスに係る視聴者の個人情報とは、視聴者から受け付けた視聴者の視聴記録に関する情報であり、例えば、スタンプラリーサービスにおけるスタンプ帳及びスタンプ押印情報等である。
【0071】
登録前処理手段16は、携帯端末機4から接続要求を受け付けた場合、会員サイトにログインしているときに視聴者サービスの要求情報を受信し、当該視聴者の視聴記録を登録するための前処理を行うものである。この登録前処理手段16は、
図3に示すように、視聴秘密情報抽出手段17と、判別手段18と、登録制御手段19と、を備えている。
【0072】
視聴秘密情報抽出手段17は、視聴者サービスの要求情報から視聴秘密情報の文字列を抽出するものである。本実施形態では、一例として、通信コンテンツ配信手段11が、携帯端末機4のブラウザが会員サイトにログイン状態か否かを判別することとした。通信コンテンツ配信手段11は、携帯端末機4のブラウザが会員サイトにログインしていなければ、ログイン画面を表示させる。携帯端末機4のブラウザが会員サイトにログインした状態であれば、視聴秘密情報抽出手段17は、視聴者サービスの要求情報に付加されたクエリから、時刻情報、番組ID等を算出する。
【0073】
ここで、視聴者サービスの要求情報は、携帯端末機4が視聴記録情報発行コンテンツ611(
図6(d)参照)に表示されたQRコード613を読み取って取得したテキスト情報である。このテキスト情報は、当該Webサーバ6のURLの文字列と、このURLの文字列に紐づけられたクエリストリングといわれる文字列(視聴秘密情報の文字列)とが連結された文字列とを含んでいる。抽出された視聴秘密情報は、判別手段18に出力される。なお、視聴秘密情報は暗号化されているので、視聴秘密情報抽出手段17が、対応した復号処理を行う。
【0074】
判別手段18は、視聴秘密情報抽出手段17で抽出した視聴秘密情報と同一の情報が視聴者情報記憶手段15のデータベースに登録されているか否かを判別するものである。判別結果は、登録制御手段19に出力される。
【0075】
仮に、Webサーバ6の側において初回発行時のQRコードに含まれていた視聴秘密情報が既に登録されていて、一方、そのQRコードに関して再発行されたQRコードを読み取った携帯端末機4から視聴者サービスの要求情報をWebサーバ6が受信した場合、判別手段18は、視聴秘密情報抽出手段17で抽出された視聴秘密情報と同一の情報は登録されていないと判定する。
【0076】
登録制御手段19は、視聴秘密情報抽出手段17で抽出した視聴秘密情報が未登録の場合に、視聴履歴登録手段14によって当該携帯端末機4で視聴者サービスの要求情報を送信した視聴者の視聴記録をデータベースに登録させるものである。つまり、Webサーバ6が携帯端末機4から視聴者サービスの要求情報を受信して、視聴秘密情報抽出手段17で抽出した視聴秘密情報が未登録の場合、登録制御手段19の制御の下、視聴履歴登録手段14は、抽出された視聴秘密情報をユーザIDに対応付けてデータベースに登録する。
【0077】
一方、視聴秘密情報抽出手段17で抽出した視聴秘密情報と同一の情報がデータベースに既に登録されている場合、登録制御手段19は、通信コンテンツ配信手段11によって、エラーメッセージを携帯端末機4に配信させる。
【0078】
要するに、通信コンテンツ配信手段11は、視聴履歴登録手段14によって
視聴秘密情報が登録された場合、視聴者サービスを提供するページ画面を含む通信コンテンツを携帯端末機4に配信し、抽出した視聴秘密情報と同一の情報がデータベースに既に登録されている場合、エラーメッセージを携帯端末機4に配信する。
【0079】
通信コンテンツ記憶手段12は、通信コンテンツとして、判別手段18の判別結果に応じたページ画面の情報を記憶している。スタンプラリーサービスの場合のエラーメッセージとしては、例えば、“スタンプを押すことができませんでした。原因として以下の内容が考えられます。1.既にスタンプを押している。2.データ放送の画面を表示してから所定時間以上経過している。3.同じQRコードを使用して他人がスタンプを押している。詳しくは「スタンプラリーについて」のページをご覧ください”といったメッセージが用意されている。
【0080】
このWebサーバ6は、一般的なコンピュータを、前記した各手段として機能させるための視聴者サービス提供プログラムにより動作させることで実現することができる。この視聴者サービス提供プログラムは、通信回線を介して提供することも可能であるし、CD−ROM等の記録媒体に書き込んで配布することも可能である。
【0081】
[放送通信連携システムにおける処理の概要]
図1の放送通信連携システム1における処理の概要について
図5を参照して説明する。ここでは、ユーザが、通信ネットワークNに接続されていないデジタル放送受信装置3bによって番組コンテンツを視聴したこととする。ユーザが、リモコン等によって、視聴者サービスを受けるためのボタン操作をした場合、デジタル放送受信装置3bは、データ放送のBML文書で送られた受信機プログラムのコマンドにしたがって、視聴者サービスを要求する操作を受け付ける(ステップS501)。そして、デジタル放送受信装置3bは、Webサーバ6のサーバアドレス(URL)と、データ放送視聴の時刻情報と、番組IDと、受信機IDとを取得する(ステップS502)。そして、デジタル放送受信装置3bは、取得した情報と、受信機プログラムとして取得した2次元コード生成プログラムとに基づいてQRコードを生成して画面に表示する(ステップS503)。
【0082】
携帯端末機4は、ユーザの操作にしたがって、デジタル放送受信装置3bに表示されたQRコードを読み取り(ステップS504)、通信ネットワークNを介してWebサーバ6にアクセスする(ステップS505)。Webサーバ6は、携帯端末機4から取得した文字列から視聴秘密情報を抽出し(ステップS506)、抽出した視聴秘密情報が新規情報か否かを判別する(ステップS507)。そして、Webサーバ6は、抽出した視聴秘密情報が新規情報であれば、当該情報を該当の会員のデータベースに登録した上で、要求された視聴者サービスを提供し、抽出した視聴秘密情報が登録済みの情報と同一であれば、送信元の携帯端末機4にエラーメッセージを表示させる(ステップS508)。これにより、携帯端末機4は、Webサーバ6による判定に基づく視聴者サービスの通信コンテンツを表示する(ステップS509)。
【0083】
[スタンプラリーサービス]
以下では、視聴者サービスをスタンプラリーサービスとして、放送通信連携システム1の中での各装置の処理の概要について
図1及び
図6を参照して説明する。スタンプラリーを展開しているドラマには、
図6(a)及び
図6(c)に示すように、データ放送として番組連動コンテンツ811が放送されている。本実施形態では、通信ネットワークNに繋がっているデジタル放送受信装置3aだけでなく、通信ネットワークNに繋がっていないデジタル放送受信装置3bであっても、
図6(c)に示すように、番組連動コンテンツ811上に、データ放送において通信コンテンツのページへ進むための赤色ボタンとして例えばスタンプラリーボタン815が表示されることとした。
【0084】
デジタル放送受信装置3bを利用する視聴者が、スタンプラリーボタン815を押下すると、
図1に示すようにQRコードが画面表示される(ステップS101)。詳細には、番組連動コンテンツ811は、スタンプラリーボタン815が選択された場合、デジタル放送受信装置3bが通信ネットワークNに接続されていないとき、
図6(d)に示すように視聴記録情報発行コンテンツ611に画面遷移する。なお、番組連動コンテンツ811は、スタンプラリーボタン815が選択された場合、デジタル放送受信装置3aが通信ネットワークNに接続されているとき、
図6(b)に示すようにスタンプラリーコンテンツ821に画面遷移する。
【0085】
図6(d)に示すように視聴記録情報発行コンテンツ611が画面表示されているときに放送番組コンテンツ領域612には、放送中のドラマ(番組コンテンツ)が画面表示されている。視聴記録情報発行コンテンツ611には、ユーザによるリモコン操作が可能な各種ボタンが表示されることに加えて、QRコード613と、その読取りを勧める案内文614とが表示される。
【0086】
デジタル放送受信装置3bを利用した視聴者がQRコード613を携帯端末機4で読み取って(ステップS102:
図1参照)、読み取ったアドレス情報にしたがって、会員サイトを提供するWebサーバ6にログインすると、携帯端末機4は
図6(e)に示すように、通信コンテンツであるスタンプラリーコンテンツ616を表示する。ここで、スタンプラリーコンテンツ616は、携帯端末機4用のスタンプラリーコンテンツである。
【0087】
視聴者が、携帯端末機4においてスタンプラリーコンテンツのスタンプを押す操作をすると、携帯端末機4が、Webサーバ6に対してスタンプ押印情報を送信する(ステップS103:
図1)。すると、Webサーバ6は、スタンプ押印情報を、会員情報に紐付いたスタンプデータベースに記録し(ステップS104)、スタンプ押印結果を、携帯端末機4に返す(ステップS105)。そして、携帯端末機4は、スタンプラリーコンテンツ616のページにスタンプ押印結果を表示する(ステップS106)。これにより、視聴者は、スタンプラリーコンテンツ616のページ画面上でスタンプが貯まっていくことを確認することができる。
【0088】
本実施形態によれば、サービス提供システム2において、通信ネットワークNに繋がっていないデジタル放送受信装置3bの場合、番組連動コンテンツ811から、QRコードを表示する視聴記録情報発行コンテンツ611に画面遷移し、QRコードを読み取った情報をWebサーバ6に伝送できるように構成したので、スタンプラリーサービス等の視聴者サービスの利便性を向上させることができる。
また、Webサーバ6は、視聴記録情報発行コンテンツ611に表示されたQRコードを読み取ったと考えられる携帯端末機4から、視聴者情報記憶手段15に既登録された情報と同じ視聴秘密情報を受信した場合、その登録を受け付けないので、URL拡散といった不正行為を防止することができる。したがって、QRコードに記載されたURLの情報を不正により得た者の不正行為を無効化することができる。
【0089】
さらに、Webサーバ6の側で同じQRコードの重複登録を防止する仕組みの中で、Webサーバ6が、再発行されたQRコードに関しては、同じQRコードであるとは認識しないように構成したので、ユーザの使い勝手を良くすることができる。この再発行のための構成は、具体的には、例えば1台のデジタル放送受信装置3を家族や仲間で囲んで複数の視聴者が同時に視聴して、スタンプラリーのために各視聴者が順番にQRコードを読み取るような利用がなされる場合を想定している。この場合、視聴秘密情報は、番組ID及び受信機IDが一致しているので、続けて登録しようとすれば本来ならば2人目から無効と判定される可能性が高い。ここで、視聴秘密情報のうちデータ放送視聴の時刻情報に着目すると、例えば予め1分刻みで時刻情報を取得するようにしていれば、理論的には2人目の視聴者が1分間だけ待つことでスタンプ情報を登録することも可能である。ただし、それでは利用者サービスが充分であるとは言えない。このような場合であっても、本発明によれば、2人目以降のユーザのためにQRコードを再発行できるので、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0090】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、この実施形態には限定されない。例えば、本実施形態では、2次元コードをQRコードとして説明したが、これに限らない。
【0091】
また、視聴者サービスとして例えばスタンプラリーサービスを挙げて説明したが、これに限定されるものではない。その他の視聴者サービスとして、例えば、視聴者参加型のクイズ番組に参加した際のクイズの解答を記録するクイズ解答記録サービス、視聴者参加型の番組におけるアンケート回答を記録するアンケート記録サービス、あるいは、番組コンテンツの放送中に番組を視聴したことをメモ、手帳または日記として記録するダイアリーサービス等であってもよい。例えば、クイズ解答記録サービスの場合、X月Y日に放送された番組において第1問の自分の答えは何だったのか、といった記録を残すことが可能である。
【0092】
また、番組コンテンツは、既に収録されたドラマや制作されたアニメーション番組等に限らず、生放送の番組コンテンツであってもよい。生放送の場合、放送局にて、データ放送の番組連動コンテンツに対して、生放送中に番組スタッフがパスワード等の情報を入れ込んでもよい。そして、デジタル放送受信装置3で生放送の番組コンテンツを視聴するユーザが、通信ネットワークNに接続された通信機器を使って会員サイトにログインした後で、このパスワード等の情報を入力すれば例えばボーナス特典を受けられるようにしてもよい。
【0093】
また、Webサーバ6において、視聴者情報記憶手段15は、ユーザ登録用個人情報のための専用の記憶装置と、視聴者サービスに係る視聴者の個人情報のための専用の記憶装置とに分けて構成してもよい。また、Webサーバ6を、ユーザ登録専用サーバと、視聴履歴等の視聴者サービス専用サーバとに分けて構成してもよい。この場合、ユーザ登録専用サーバは、ユーザ登録用個人情報のための専用の記憶装置と、ユーザ登録手段13とを備えればよい。