(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
従来、固体撮像素子(イメージセンサ)は、光電変換された信号電荷をアナログ信号として処理していたが、信号電荷(電荷量)を固体撮像素子内でA/D(アナログ/デジタル)変換し、デジタルデータとして出力することにより、光電変換のダイナミックレンジを拡大するとともに、出力信号の処理を容易化することができる。
【0003】
これまで、CMOSイメージセンサなどの固体撮像素子において、縦横にアレイ状に並んだ画素の列毎にA/D変換回路を共有する方式の列並列信号処理の固体撮像素子が作製されている。しかし、このような一列の画素のA/D変換処理を一つのA/D変換回路で行う構成では、固体撮像素子の高精細度化に伴って(すなわち、一列あたりの画素数の増大に伴って)、A/D変換処理にかかる時間が長時間化し、動画イメージ処理において1フレームレートの時間内で全画素の信号処理を行うことが困難になってきている。
【0004】
そこで、固体撮像素子の低雑音化や処理の高速化を目的として、各画素内にA/D変換回路を備え、光電変換した信号を全画素並列に出力することができる画素並列信号処理方式の固体撮像素子が提案されている。画素並列信号処理固体撮像素子は、従来の列並列信号処理固体撮像素子の欠点である走査線数とフレームレートのトレードオフを解消することができるため、将来の高性能固体撮像素子の有力な候補として研究が進められている。中でも、非特許文献1に記載の固体撮像素子は、1ビット型A/D変換回路(1bit ADC)と称される回路を搭載しており、フォトダイオードの直近でA/D変換を行うため信号伝達時の雑音の影響を受けにくく、入力可能な光量がフォトダイオードの蓄積容量で制限されないため、固体撮像素子のダイナミックレンジを格段に向上することができるとされている。
【0005】
非特許文献1で提案されている固体撮像素子の読み出し回路の動作を、以下に説明する。非特許文献1中のFig.3に回路が図示されているが、説明を簡単にするため、回路動作に本質的ではないトランジスタ(Tr1、Tr3、Tr4)とそれらを含むフィードバック回路やカウンタの詳細を省略した回路(
図11)を用いて説明する。
【0006】
図11に、非特許文献1に記載された従来の1ビット型A/D変換回路(1bit ADC)を用いた固体撮像素子の読み出し回路を示す。
【0007】
11は光電変換素子としてのフォトダイオード(PD)であり、12はリセット電圧V
RSTをフォトダイオード11の電極に印加するためのリセットトランジスタ(T
R)である。14はインバータ回路(インバータ・チェーン)であり、インバータ(Inv_1、Inv_2,・・・Inv_n)が奇数段接続されている。フォトダイオード11の電圧検出ノード(N
PD)13の電位がインバータ回路14に入力される。インバータ回路14の出力は、A/D変換回路の出力(Pulse OUT)として、カウンタ15に入力されるとともに、リセットトランジスタ12のゲート電極に印加される。カウンタ15は、1ビット型A/D変換回路出力(Pulse OUT)のパルス数をカウントして、例えば8ビットのカウンタ出力として出力する。
【0008】
次に、
図11の固体撮像素子の読み出し回路の動作を説明する。
【0009】
(1)フォトダイオードのリセットが解除された時点から説明する。すなわち、フォトダイオード(PD)11の電位がリセット(≒V
RST)された状態で、初段のインバータ(Inv_1)の入力がHiで出力がLo、2段目のインバータ(Inv_2)の出力がHi、最終段のインバータ(Inv_n)の出力、すなわちA/D変換回路出力(Pulse OUT)がLoであり、リセットトランジスタ(T
R)12がオフ(OFF)状態になっているとする。[初期化状態]
【0010】
(2)フォトダイオード11に光が入射すると、光電変換により生成した電子がフォトダイオード11内に蓄積して、フォトダイオード11の電極(電圧検出ノードN
PD)の電位が下がる。
【0011】
(3)フォトダイオード11の電圧検出ノード(N
PD)13の電圧が初段のインバータ(Inv_1)の反転しきい値電圧に達するとインバータ(Inv_1)の出力がHiに反転する。インバータはn段(nは奇数)接続されており、順次出力が反転して伝達され、最終段のインバータ(Inv_n)の出力、すなわち、A/D変換回路出力(Pulse OUT)がHiとなる。なお、インバータが1段ではなくn段接続されているのは、n段のインバータによる遅延を利用して、回路動作を安定化するためである。
【0012】
(4)A/D変換回路出力(Pulse OUT)がHiになると、リセットトランジスタ12がオン(ON)状態になり、フォトダイオード11の電極にリセット電圧V
RSTが印加され、フォトダイオード11が再度リセットされる。
【0013】
(5)フォトダイオード11がリセットされると、初段のインバータ(Inv_1)の入力がHi、A/D変換回路出力(Pulse_OUT)がLoになり、(1)に戻る。
【0014】
その後、上記(1)〜(5)が繰り返され、インバータ回路(インバータ・チェーン)14の出力がHiとLoを繰り返す。フォトダイオード11へ入射する光量が多ければフォトダイオード11の電位変化が速くなり、インバータ回路14の反転タイミングが早くなる。したがって、画像の1フレーム期間内にA/D変換回路出力(Pulse OUT)には光量に比例した数のパルスが発生する。
【0015】
カウンタ15では逐次パルスを積算しており、1フレーム期間終了後に、カウンタ出力を読み出す。非特許文献1の試作例では、カウンタ15は8ビットであるが、1bit ADCを利用した読み出し回路の能力としては、60フィールド/秒の動作で18〜19ビットのダイナミックレンジを実現できるとされている。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0035】
(実施の形態1)
図1に、本発明の実施の形態1である1ビット型A/D変換回路(1bit ADC)の第1の実施例の回路図を示す。本発明の実施の形態1に係る1ビット型A/D変換回路は、固体撮像素子の読み出し回路に用いることができる。
【0036】
1は光電変換素子としてのフォトダイオード(PD)であり、例えば、半導体基板に形成された、暗電流が少ない埋め込み型フォトダイオードで構成する。なお、光電変換素子の形態はこれに限られず、基板表面に形成された通常のPN接合フォトダイオードや、MOS型フォトダイオード、更には、薄膜型のフォトダイオード等、光電変換機能を有する素子であれば、任意のものが利用できる。
【0037】
2はリセット電圧V
RSTをフォトダイオード1の電極に印加するためのリセットトランジスタ(T
R)である。フォトダイオード(PD)1の電極とリセットトランジスタ(T
R)2との接続点3は、フォトダイオード1の電圧検出ノード(N
PD)となる。
【0038】
4はその一端がフォトダイオード1の電圧検出ノード(N
PD)3に接続されたクランプ容量(C
CP)であり、他端が出力側のノード(N
CP)7となっている。
【0039】
5はクランプ用トランジスタ(T
CP)である。クランプ用トランジスタ(T
CP)5は、オン(ON)状態となることにより、クランプ容量(C
CP)4の出力側のノード(N
CP)7の電圧を所定の基準電圧V
REFに設定する機能を有する。
【0040】
6はクランプ容量4の出力側のノード(N
CP)7と接地電位(又は基板電位)との間に接続されたサンプルホールド容量(C
SH)である。この容量(C
SH)は、ノード(N
CP)7の電位を安定させるために用いられるが、容量の大きさ等は適宜設計することがでる。サンプルホールド容量(C
SH)6は個別の容量素子として形成することも、回路の寄生容量等を利用して構成することもでき、場合によっては省略することも可能である。
【0041】
8は比較器(Comp)であり、クランプ容量4の出力側のノード(N
CP)7の電圧としきい値電圧V
Tとを比較して、両者が一致したとき(ノード(N
CP)の電圧がしきい値電圧V
Tより低くなったとき)、出力がハイ(Hi)レベルとなってパルスを発生する。比較器(Comp)8は、出力がロー(Lo)レベルとなる条件をノード(N
CP)7の電圧が十分に高くなった場合に設定する等、出力パルスがリセット動作に十分なパルス幅となるように設計することが望ましい。なお、この比較器8は、従来技術と同様に奇数段接続されたインバータ回路(インバータ・チェーン)で代替することも可能である。インバータ回路で構成された場合は、ノード(N
CP)7の電圧がインバータの反転しきい値電圧となったとき、インバータが反転しパルスが発生する。比較器8から出力されたパルスは、A/D変換回路出力(Pulse OUT)として外部に出力されるとともに、リセットトランジスタ(T
R)2及びクランプ用トランジスタ(T
CP)5のゲート電極に印加される。なお、このパルスは、図示しないカウンタに入力され、パルス数をカウントして、固体撮像素子の読み取り回路出力とすることができる。
【0042】
本発明の1ビット型A/D変換回路(1bit ADC)は、従来の1ビット型A/D変換回路に、クランプ容量(C
CP)4、クランプ用トランジスタ(T
CP)5、及び必要に応じてサンプルホールド容量(C
SH)6が付加されたものである。
【0043】
次に、
図1の1ビット型A/D変換回路(1bit ADC)の動作について、
図2のタイミングチャートを用いて説明する。
【0044】
(1)フォトダイオードのリセットが解除された時点(
図2のt
0)から説明する。すなわち、フォトダイオード(PD)1の電位がリセットされ、且つ、リセットトランジスタ(T
R)2がオフ(OFF)状態になっているとする。このとき、フォトダイオード(PD)1の電圧検出ノード(N
PD)3に発生する電圧V
PDは、リセット電圧V
RSTに、熱雑音によるリセットノイズ(kTCノイズ)やリセットトランジスタ(T
R)2のしきい値ばらつきによる固定パターンノイズ(FPN)を含むノイズ電圧V
Nが加わった値となっている。なお、このノイズ電圧V
Nはランダムノイズを含むため、リセットの度にV
N1、V
N2、V
N3、・・・と異なる電圧値となる。ここでは、最初のt
0の時点で電圧V
PDは(V
RST +V
N1)となっている。光が入射すると、フォトダイオード(PD)1に電荷(N型フォトダイオードであれば電子)が蓄積し、ノード(N
PD)3の電圧V
PDが次第に低下していく。
【0045】
(2)時刻t
1において、クランプ用トランジスタ(T
CP)5がオフ(OFF)状態になる。なお、後述するように、クランプ用トランジスタ(T
CP)5はリセットトランジスタ(T
R)2よりも少し遅れてオフになるように設計しておく。時刻t
1より前のクランプ用トランジスタ(T
CP)5はオン(ON)状態であるから、クランプ容量(C
CP)4の出力側のノード(N
CP)7の電圧は、このとき基準電圧V
REFになっている。
【0046】
各ノードの電圧について説明する。時刻t
1においてすでにリセットトランジスタ(T
R)2がオフとなっており、電圧検出ノード(N
PD)3がフローティングで電圧V
PDであることから、クランプ容量(C
CP)4に印加される電圧V
Cは、ノイズ電圧V
Nとして、以下の式のようになる。
【0047】
V
C = V
REF - V
PD = V
REF - (V
RST +V
N)
【0048】
厳密には、t
0からt
1の期間にフォトダイオード1に入射した光の分だけV
PDが変化しているが、この期間は蓄積時間全体に対して十分短い時間でありV
PDの変化は無視できるとする。
【0049】
フォトダイオード(PD)1に蓄積した電荷による信号電圧をV
S(電荷が電子であるときはマイナス電圧になる)とすると、ノード(N
PD)3の電圧V
PDは、信号電圧により、V
S +V
RST +V
Nに変化する。
【0050】
サンプルホールド容量(C
SH)6が小さくて無視できるものとすると、クランプ容量(C
CP)4の出力側のノード(N
CP)7の電圧V
CPは、最初にクランプ容量4に与えられた電圧V
Cを維持したまま、ノード(N
PD)3の電圧V
PDに応じて変化するから、以下の式で表される。
【0051】
V
CP = V
PD +V
C = (V
S +V
RST +V
N) +V
REF - (V
RST +V
N) = V
S +V
REF
【0052】
このように、ノード(N
CP)7の電圧V
CP はノイズ電圧V
Nに依存しない値となる。
【0053】
なお、サンプルホールド容量(C
SH)6を考慮すると、光電変換による信号電圧V
Sにより、クランプ容量(C
CP)4及びサンプルホールド容量(C
SH)6には、V
S・(C
SH・C
CP/(C
SH+C
CP))の電荷が誘起されて、クランプ容量(C
CP)4の電圧V
CはV
S・C
SH/(C
SH+C
CP)だけ変動する。したがって、出力側のノード(N
CP)7の電圧V
CPは、以下の式となる。
【0054】
V
CP = V
PD +V
C = (V
S +V
RST +V
N) +V
REF - (V
RST +V
N) −V
S・C
SH/(C
SH+C
CP)= V
REF +V
S・C
CP/(C
SH+C
CP)
【0055】
このように、信号電圧V
SがC
SHとC
CPで容量分割されて小さくなるが、電圧V
CPはノイズ電圧V
Nに依存しない値であることについては、変わりがない。
【0056】
(3)時刻t
2において、ノード(N
CP)7の電圧V
CPが比較器(Comp)8に設定したしきい値電圧V
Tに達すると、比較器8の出力(Pulse OUT)がハイレベルになり、パルスを発生する。なお、この電圧V
CPから、信号電圧を検出するために、
図1においては、比較器(Comp)8のしきい値V
Tを、検出したい信号電圧に基準電圧V
REFを加えた電圧に設定しておく。比較器8の入力電圧がV
Tのとき、ノード(N
PD)3の電圧V
PDは、(V
T−V
REF+V
RST +V
N1)であり、ノイズ電圧V
Nを含んでおり、毎回異なる値となる。
【0057】
比較器8の出力パルスがリセットトランジスタ(T
R)2とクランプ用トランジスタ(T
CP)5のゲートに入力されて両トランジスタがオンになるが、ここで、トランジスタのサイズを調整するなどして、リセット手段であるリセットトランジスタ(T
R)2よりもクランプ用トランジスタ(T
CP)5の方が、オン・オフが遅くなるように設計しておく。リセットトランジスタ(T
R)2がオンになることにより、フォトダイオード(PD)1の電圧検出ノード(N
PD)3が急速にリセット電圧(V
RST)に近づく。このとき、クランプ容量(C
CP)4で容量結合されているノード(N
CP)7の電圧V
CPも上昇を始めるが、上記のトランジスタの設計により、フォトダイオード(PD)1の電圧検出ノード(N
PD)3がリセットされる時間よりも、クランプ容量(C
CP)4の出力側のノード(N
CP)7が基準電圧V
REFまで上昇する遅延時間が長くなる。
【0058】
(4)再び、時刻t
0において、フォトダイオード(PD)1の電位はリセットされているが、フォトダイオード(PD)1の電圧検出ノード(N
PD)3に発生する電圧V
PDは、リセット電圧V
RSTに、前と異なるノイズ電圧V
N2が加わった値(V
RST + V
N2)となっている。クランプ容量(C
CP)4の出力側のノード(N
CP)7がハイレベル(V
REF)に反転した後に、比較器(Comp)8の出力(Pulse OUT)がローレベルになる。出力(Pulse OUT)の変化は、ノード(N
PD)よりもノード(N
CP)には遅延を持って伝わるため、先にリセットトランジスタ(T
R)2がオフとなり、次にクランプ用トランジスタ(T
CP)5がオフとなり、以下、(1)〜(4)と同様の動作を繰り返す。
【0059】
リセットノイズ(kTCノイズ)はランダムノイズであることから、ノイズ電圧V
Nはリセットのたびごとに異なる値となる。従来は、ノイズ電圧V
Nを含んだ電圧値を検出してパルスを発生していたため、パルス頻度が安定しないという問題があったが、本発明の1ビット型A/D変換回路(1bit ADC)によれば、ノイズ電圧V
Nを含まない電圧値を検出できるため、フォトダイオード1の信号電圧値に正確に対応したパルス出力が可能となる。さらに、リセットノイズに加えて、リセットトランジスタのしきい値ばらつきによる固定パターンノイズ(FPN)も除去することができる。よって、ランダムノイズと固定パターンノイズ(FPN)の影響を受けずにパルスを出力する1ビット型A/D変換回路(1bit ADC)の動作が可能となる。
【0060】
このA/D変換回路(1bit ADC)のパルス出力は、光量に対応して、すなわち、光電変換された信号電荷の電荷量に対応してパルス数が変化するため、このパルス出力(パルス密度の変化)を信号処理して画像処理を行うことができる。
【0061】
上記の実施例では、光電変換素子としてフォトダイオードを単独で用いたが、埋め込みフォトダイオードに転送トランジスタを組み合わせて、埋め込みフォトダイオードで発生した電荷をフローティングディフュージョン(FD)に常時転送し、フローティングディフュージョン(FD)の電圧を
図1の電圧検出ノード(N
PD)3と同様に検出する構成でもよい。
【0062】
図3は、第1の実施例の変形例であり、比較器(Comp)8の設定を容易にするために、差動増幅器(Amp)9を追加したものである。
【0063】
光電変換素子としてのフォトダイオード(PD)1、リセットトランジスタ(T
R)2、クランプ容量(C
CP)4、クランプ用トランジスタ(T
CP)5、サンプルホールド容量(C
SH)6、及び比較器(Comp)8は、
図1と同じものである。
【0064】
図3の回路では、クランプ容量(C
CP)4の出力側のノード(N
CP)7と比較器(Comp)8の入力との間に、差動増幅器(Amp)9を設ける。この差動増幅器(Amp)9は、負極入力に基準電圧V
REFと同じ電圧を入力し、正極入力にノード(N
CP)7の電圧を入力する。なお、増幅率は1倍でも良く、また、比較器8における感度を高くするために増幅率をより高く設定することもできる。
【0065】
図1に関して説明したとおり、クランプ容量(C
CP)4の出力側のノード(N
CP)7には、フォトダイオード(PD)1の光電変換により生じた電位に対して基準電圧V
REFの電圧が加わっており、電圧V
CPがV
S +V
REFとなっている。このV
REFだけシフトしていることを避けるために、
図3のように差動増幅器(Amp)9を設けて、V
REF分の減算を行った出力を比較器(Comp)8の入力とすることができる。
【0066】
この回路構成により、比較器(Comp)8のしきい値V
Tを、信号電圧に近い値に設定できるとともに、差動増幅器(Amp)9の増幅率を調整することにより、光電変換信号に対する感度を自由に設定できる。
【0067】
図4は、第1の実施例の別の変形例であり、比較器(Comp)8に入力される電圧を安定させるために、バッファアンプ(Buf)10を追加したものである。
【0068】
光電変換素子としてのフォトダイオード(PD)1、リセットトランジスタ(T
R)2、クランプ容量(C
CP)4、クランプ用トランジスタ(T
CP)5、サンプルホールド容量(C
SH)6、及び比較器(Comp)8は、
図1と同じものである。
【0069】
図4の回路では、クランプ容量(C
CP)4の出力側のノード(N
CP)7と、サンプルホールド容量(C
SH)6及び比較器(Comp)8の入力との間に、バッファアンプ(Buf)10を設ける。
【0070】
図4のように、クランプ容量(C
CP)4とサンプルホールド容量(C
SH)6の間にバッファアンプ(Buf)10を設けることにより、クランプ用トランジスタ(T
CP)5がオフした状態の時にクランプ容量(C
CP)4とサンプルホールド容量(C
SH)6に信号電荷が分配される影響を除去することができる。バッファアンプ(Buf)10により、クランプ容量(C
CP)4の出力側のノード(N
CP)7の電圧を確実にサンプルホールド容量(C
SH)6に与えることができ、比較器(Comp)8の入力電圧を安定させて、安定したパルス出力を得ることが可能となる。
【0071】
図5は、第1の実施例の更に別の変形例であり、パルス出力(Pulse OUT)のパルス幅を確保する目的で、遅延回路(Delay)11を追加したものである。
【0072】
光電変換素子としてのフォトダイオード(PD)1、リセットトランジスタ(T
R)2、クランプ容量(C
CP)4、クランプ用トランジスタ(T
CP)5、サンプルホールド容量(C
SH)6、及び比較器(Comp)8からなる回路構成は、
図1と同じである。
【0073】
図5の回路では、回路の出力端(Pulse OUT)と、リセットトランジスタ(T
R)2及びクランプ用トランジスタ(T
CP)5のゲートとの間に、遅延回路(Delay)11を配置している。遅延回路(Delay)11は、遅延を生じる任意の回路構成とすることができ、例えば、偶数個のCMOSインバータ等から構成しても良い。遅延回路(Delay)11が挿入されることにより、比較器(Comp)8の出力パルス(ハイレベル)が出力されてから、リセットトランジスタ(T
R)2及びクランプ用トランジスタ(T
CP)5がオンするまでの時間にタイムラグが生じるため、クランプ容量4の出力側のノード(N
CP)7の電圧が基準電圧V
REFに戻るまでの時間が長くなり、比較器(Comp)8の出力パルスがローレベルとなるまでの時間が確保され、安定したパルス幅のパルスを出力することができる。
【0074】
これにより、回路の出力パルスのパルス幅が少なくとも遅延回路11の遅延時間よりも長くなり、リセットトランジスタ(T
R)2及びクランプ用トランジスタ(T
CP)5を確実に動作させることができ、1ビット型A/D変換回路(1bit ADC)の動作を安定化させることができる。
【0075】
なお、
図5では、遅延回路(Delay)11を回路の出力端(Pulse OUT)と、各トランジスタのゲートとの間に配置しているが、遅延回路(Delay)11を比較器(Comp)8の出力と回路の出力端(Pulse OUT)との間に配置しても良い。この場合は、比較器(Comp)8の出力と回路出力(Pulse OUT)との間にタイムラグが生じるが、1ビット型A/D変換回路としての出力パルス数に変わりは無く、同様に、少なくとも遅延回路11の遅延時間よりも長いパルス幅のパルスを出力することができ、回路を安定させることができる。
【0076】
これまで、
図3ないし
図5に基づいて、第1の実施例の変形例について説明してきたが、これらの変形例は、互いに組み合わせることができる。
【0077】
図6は、第2の実施例であり、クランプ用トランジスタ(T
CP)5を時間差で確実に動作させるために、遅延回路(Delay)11を追加したものである。
【0078】
光電変換素子としてのフォトダイオード(PD)1、リセットトランジスタ(T
R)2、クランプ容量(C
CP)4、クランプ用トランジスタ(T
CP)5、サンプルホールド容量(C
SH)6、及び比較器(Comp)8からなる回路構成は、
図1と同じである。なお、第1の実施例では、トランジスタの構造上の工夫により、クランプ用トランジスタ(T
CP)5がリセットトランジスタ(T
R)2よりも少し遅れてオフになるように設計したが、本実施例においては、クランプ用トランジスタ(T
CP)5とリセットトランジスタ(T
R)2を同じ構造のトランジスタで構成できる。
【0079】
図6の回路では、回路の出力端(Pulse OUT)からの信号線が分岐した配線に、遅延時間ΔTを生じる遅延回路(Delay)11が配置され、遅延回路(Delay)11の出力ノード(N
DL)の電圧がクランプ用トランジスタ(T
CP)5ゲートに印加される。なお、リセットトランジスタ(T
R)2のゲートには、比較器(Comp)8のパルス出力(Pulse OUT)が直接入力される。遅延回路(Delay)11は、遅延を生じる任意の回路構成とすることができ、例えば、偶数個のCMOSインバータ等から構成する。
【0080】
比較器(Comp)8の出力パルス(ハイレベル)が出力されると、リセットトランジスタ(T
R)2は直ちにオンし、フォトダイオード1の電圧検出ノード(N
PD)3をリセットするが、クランプ用トランジスタ(T
CP)5は、遅延回路(Delay)11が挿入されることにより、比較器(Comp)8の出力パルス(ハイレベル)が出力されてから、オンするまでの時間にタイムラグ(ΔT)が生じる。また、出力(Pulse OUT)がローレベルになるときも、クランプ用トランジスタ(T
CP)5のゲートが遅れてローレベルになるため、クランプ用トランジスタ(T
CP)5は、遅れてオフとなる。
【0081】
次に、
図6の1ビット型A/D変換回路(1bit ADC)の動作について、
図7のタイミングチャートを用いて説明する。
【0082】
(1)フォトダイオードのリセットが解除された時点(
図7のt
0)から説明する。すなわち、フォトダイオード(PD)1の電位がリセットされ、且つ、リセットトランジスタ(T
R)2がオフ(OFF)状態になっているとする。このとき、フォトダイオード(PD)1の電圧検出ノード(N
PD)3に発生する電圧V
PDは、リセット電圧V
RSTに、熱雑音によるリセットノイズ(kTCノイズ)やリセットトランジスタ(T
R)2のしきい値ばらつきによる固定パターンノイズ(FPN)を含むノイズ電圧V
Nが加わった値となっている。ここでは、最初のt
0の時点で電圧V
PDは(V
RST +V
N1)となっている。光が入射すると、フォトダイオード(PD)1に電荷(N型フォトダイオードであれば電子)が蓄積し、ノード(N
PD)3の電圧V
PDが低下していく。
【0083】
なお、この時点で、遅延回路(Delay)11の作用により、クランプ用トランジスタ(T
CP)5のゲート(ノードN
DL)の電圧はハイレベルであり、クランプ用トランジスタ(T
CP)5はオン(ON)状態にある。したがって、クランプ容量(C
CP)4の出力側のノード(N
CP)7の電圧は、基準電圧V
REFになっている。
【0084】
(2)時刻t
0から遅延回路(Delay)11の遅延時間ΔTだけ遅れた時刻t
1において、ノード(N
DL)の電圧が立ち下がり、クランプ用トランジスタ(T
CP)5がオフになる。
図2と同様に、このとき、クランプ容量(C
CP)4に印加される電圧V
Cは、ノイズ電圧をV
Nとして、V
C = V
REF - V
PD = V
REF - (V
RST +V
N) となっている。
【0085】
フォトダイオード(PD)1に蓄積した電荷による信号電圧V
Sにより、ノードN
PDの電圧V
PD、及び、クランプ容量(C
CP)4の出力側のノード(N
CP)7の電圧V
CPは次第に変化するが、
図2で説明したように、ノード(N
CP)7の電圧V
CP はノイズ電圧V
Nに依存しない値となる。
【0086】
(3)時刻t
2において、ノード(N
CP)7の電圧V
CPが比較器(Comp)8に設定したしきい値電圧V
Tを超えると、比較器8の出力(Pulse OUT)がハイレベルになり、パルスを発生する。当該パルスはリセットトランジスタ(T
R)2のゲートに直接入力されて、リセットトランジスタ(T
R)2がオンになり、フォトダイオード(PD)1の電圧検出ノード(N
PD)3が急速にリセット電圧(V
RST)に近づく。この時点では、遅延回路(Delay)11の作用により、クランプ用トランジスタ(T
CP)5はまだオンになっていないが、ノード(N
PD)3とクランプ容量(C
CP)4で容量結合されているノード(N
CP)7の電圧V
CPも上昇を始める。
【0087】
(4)時刻t
2から遅延回路(Delay)11の遅延時間ΔTだけ遅れた時刻t
3において、ノード(N
DL)の電圧が立上ることにより、クランプ用トランジスタ(T
CP)5がオンになり、クランプ容量(C
CP)4の出力側のノード(N
CP)7が基準電圧V
REFまで上昇する。以下、(1)〜(4)の動作を繰り返す。
【0088】
本実施例では、遅延回路(Delay)11によって、クランプ用トランジスタ(T
CP)5がオフするタイミングをリセットトランジスタ(T
R)2のそれよりも遅延時間ΔTだけ確実に遅くすることができる。これによって、第1の実施例のように、トランジスタのサイズを調整するなどしてアナログ回路的に遅延時間を作り出す必要がなくなり、デジタル回路で遅延を発生するため正確なタイミング制御が可能となる。
【0089】
また、これにより、クランプ容量(C
CP)4にノイズ電圧を反映した電荷を確実に蓄積して正確に信号電荷をとらえることができ、1ビット型A/D変換回路(1bit ADC)の精度を向上させることができる。
【0090】
図8に第3の実施例を示す。第3の実施例は、クランプ用トランジスタ(T
CP)5を長い時間確実に動作させるために、遅延回路(Delay)11とOR回路12を追加したものである。
【0091】
光電変換素子としてのフォトダイオード(PD)1、リセットトランジスタ(T
R)2、クランプ容量(C
CP)4、クランプ用トランジスタ(T
CP)5、サンプルホールド容量(C
SH)6、及び比較器(Comp)8からなる回路構成は、
図1と同じである。なお、第1の実施例では、トランジスタの構造上の工夫により、クランプ用トランジスタ(T
CP)5がリセットトランジスタ(T
R)2よりも少し遅れてオフになるように設計したが、本実施例においては、クランプ用トランジスタ(T
CP)5とリセットトランジスタ(T
R)2を同じ構造のトランジスタで構成できる。
【0092】
図8の回路では、回路の出力(Pulse OUT)を、遅延時間ΔTを生じる遅延回路(Delay)11に入力し、この遅延回路(Delay)11の出力と比較器(Comp)8の出力(Pulse OUT)を、OR回路12の入力とする。そして、OR回路12の出力ノード(N
OR)の電圧が、クランプ用トランジスタ(T
CP)5のゲートに印加される。なお、リセットトランジスタ(T
R)2のゲートには、回路のパルス出力(Pulse OUT)が直接入力される。遅延回路(Delay)11は、遅延を生じる任意の回路構成とすることができ、例えば、偶数個のCMOSインバータ等から構成する。
【0093】
比較器(Comp)8の出力パルス(ハイレベル)が出力されたときは、OR回路12の出力ノード(N
OR)の電圧は直ちにハイレベルとなり、リセットトランジスタ(T
R)2とクランプ用トランジスタ(T
CP)5は同時にオンするが、出力(Pulse OUT)がローレベルとなるときは、リセットトランジスタ(T
R)2は直ちにオフするが、遅延回路(Delay)11により、クランプ用トランジスタ(T
CP)5は、オフするまでの時間にタイムラグ(ΔT)が生じる。
【0094】
次に、
図8の1ビット型A/D変換回路(1bit ADC)の動作について、
図9のタイミングチャートを用いて説明する。
【0095】
(1)フォトダイオードのリセットが解除された時点(
図9のt
0)から説明する。すなわち、フォトダイオード(PD)1の電位がリセットされ、且つ、比較器(Comp)8の出力パルスは立ち下がり、リセットトランジスタ(T
R)2がオフ(OFF)状態になっている。このとき、フォトダイオード(PD)1の電圧検出ノード(N
PD)3に発生する電圧V
PDは、リセット電圧V
RSTに、熱雑音によるリセットノイズ(kTCノイズ)やリセットトランジスタ(T
R)2のしきい値ばらつきによる固定パターンノイズ(FPN)を含むノイズ電圧V
Nが加わった値となっている。ここでは、最初のt
0の時点で電圧V
PDは(V
RST + V
N1)となっている。光が入射すると、フォトダイオード(PD)1に電荷(N型フォトダイオードであれば電子)が蓄積し、ノード(N
PD)3の電圧V
PDが低下していく。
【0096】
なお、この時点で、遅延回路(Delay)11の作用により、クランプ用トランジスタ(T
CP)5のゲート(OR回路12の出力ノードN
OR)の電圧は、ハイレベルであり、クランプ用トランジスタ(T
CP)5はオン(ON)状態にある。したがって、クランプ容量(C
CP)4の出力側のノード(N
CP)7の電圧は、基準電圧V
REFになっている。
【0097】
(2)時刻t
0から遅延回路(Delay)11の遅延時間ΔTだけ遅れた時刻t
1において、ノード(N
OR)の電圧が立ち下がりとなり、クランプ用トランジスタ(T
CP)5がオフになる。
図2と同様に、このとき、クランプ容量(C
CP)4に印加される電圧V
Cは、ノイズ電圧V
Nとして、V
C = V
REF - V
PD = V
REF - (V
RST +V
N) となっている。
【0098】
フォトダイオード(PD)1に蓄積した電荷による信号電圧V
Sにより、ノードN
PDの電圧V
PD、及び、クランプ容量(C
CP)4の出力側のノード(N
CP)7の電圧V
CPは次第に変化するが、
図2で説明したように、ノード(N
CP)7の電圧V
CP はノイズ電圧V
Nに依存しない値となる。
【0099】
(3)時刻t
2において、ノード(N
CP)7の電圧V
CPが比較器(Comp)8に設定したしきい値電圧V
Tを超えると、比較器8の出力(Pulse OUT)がハイレベルになり、パルスを発生する。当該パルスはリセットトランジスタ(T
R)2のゲートに直接入力されて、リセットトランジスタ(T
R)2がオンになり、フォトダイオード(PD)1の電圧検出ノード(N
PD)3が急速にリセット電圧(V
RST)に近づく。また、比較器(Comp)8の出力パルスは、OR回路12にも入力されており、ノード(N
OR)の電圧もハイレベルとなって、クランプ用トランジスタ(T
CP)5も同時にオンになり、クランプ容量(C
CP)4の出力側のノード(N
CP)7が基準電圧V
REFまで上昇する。
【0100】
(4)再び、時刻t
0において、クランプ容量(C
CP)4の出力側のノード(N
CP)7がハイレベルに反転した後に、比較器(Comp)8の出力(Pulse OUT)がローレベルになる。出力(Pulse OUT)の変化は、遅延回路(Delay)11によりノード(N
OR)に確実に遅延を持って伝わるため、先にリセットトランジスタ(T
R)2がオフとなり、次にクランプ用トランジスタ(T
CP)5がオフとなり、以下、(1)〜(4)と同様の動作を繰り返す。
【0101】
本実施例では、遅延回路(Delay)11とOR回路12によって、リセットトランジスタ(T
R)2とクランプ用トランジスタ(T
CP)5を同時にオンすると共に、クランプ用トランジスタ(T
CP)5がオフするタイミングをリセットトランジスタ(T
R)2のそれよりも遅延時間ΔTだけ確実に遅くすることができる。これによって、第1の実施例のように、トランジスタのサイズを調整するなどしてアナログ回路的に遅延時間を作り出す必要がなくなり、デジタル回路で遅延を発生するため正確なタイミング制御が可能となる。また、これにより、クランプ容量(C
CP)4にノイズ電圧を反映した電荷を確実に蓄積して正確に信号電荷をとらえることができ、1ビット型A/D変換回路(1bit ADC)の精度を向上させることができる。
【0102】
なお、本実施例ではクランプ用トランジスタ(T
CP)5が第2の実施例よりも早くオンするため、出力パルス(Pulse OUT)が十分なパルス幅となるよう、比較器(Comp)8の出力と回路出力(Pulse OUT)との間に別の遅延回路を挿入することが望ましい。これにより、各トランジスタのオンしている時間を確実に確保することが可能となり、より正確なタイミング制御が可能となる。
【0103】
第2の実施例と第3の実施例は、第1の実施例と同様に、
図3及び
図4に記載の変形例と、互いに組み合わせることができる。
【0104】
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2について説明をする。これまでは、光電変換素子で生じた信号電荷の電荷量(アナログ量)を、パルスの数に変換する1ビット型A/D変換回路(1bit ADC)を説明したが、
図11のように、このA/D変換回路(1bit ADC)を、その出力パルスをカウントするカウンタと組み合わせて、所定ビット数の出力を行う、固体撮像素子の読み出し回路を構成することができる。前述した各実施例の1ビット型A/D変換回路(1bit ADC)を用いることにより、従来よりも、信号電荷量を正確に検出可能な固体撮像素子の信号読み出し回路が実現できる。
【0105】
(実施の形態3)
次に、本発明の実施の形態3について説明をする。
図10に、本発明の第3の実施形態としての固体撮像素子(イメージセンサ)100の概念図を示す。
【0106】
図10の固体撮像素子100は、各画素がデジタルデータを出力する画素並列信号処理方式の固体撮像素子である。
【0107】
固体撮像素子100のセンサ領域101には、画素103が縦横に配列されている。各画素103は、その内部に撮像回路を備えており、光電変換素子としてのフォトダイオード(PD)104と、フォトダイオード104からの信号電荷の量をデジタルデータ化するA/D変換回路(1bit ADC)105と、AD変換回路の出力(Pulse_OUT)のパルス数をカウントし、所定のビット数のデータとして出力するカウンタ106とを有している。各画素103のA/D変換回路(1bit ADC)105は、第1乃至第3の実施例のいずれかの1ビット型A/D変換回路である。
【0108】
各画素からの出力は、出力処理回路102で処理され、デジタルデータの撮像データとして出力される。この出力処理回路102では、例えば、各画素103からのデータを一度バッファメモリ等に蓄積した後、順次読み出しする処理が行われる。また、図示しない走査回路により、全画素の出力データを順次走査処理して出力することもでき、任意の適切な読み出し処理を行うことができる。
【0109】
本発明の固体撮像素子100は、各画素103が、第1乃至第3の実施例のいずれかの1ビット型A/D変換回路(1bit ADC)を備えており、従来の1ビット型A/D変換回路を備えた固体撮像素子よりも、光電変換による信号電荷量を正確に検出することができる。
【0110】
本発明を諸図面や実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形や修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形や修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各手段に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の手段やステップ等を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。