特許第6302713号(P6302713)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 新日本無線株式会社の特許一覧

特許6302713シリアル通信方法およびシリアル通信装置
<>
  • 特許6302713-シリアル通信方法およびシリアル通信装置 図000002
  • 特許6302713-シリアル通信方法およびシリアル通信装置 図000003
  • 特許6302713-シリアル通信方法およびシリアル通信装置 図000004
  • 特許6302713-シリアル通信方法およびシリアル通信装置 図000005
  • 特許6302713-シリアル通信方法およびシリアル通信装置 図000006
  • 特許6302713-シリアル通信方法およびシリアル通信装置 図000007
  • 特許6302713-シリアル通信方法およびシリアル通信装置 図000008
  • 特許6302713-シリアル通信方法およびシリアル通信装置 図000009
  • 特許6302713-シリアル通信方法およびシリアル通信装置 図000010
  • 特許6302713-シリアル通信方法およびシリアル通信装置 図000011
  • 特許6302713-シリアル通信方法およびシリアル通信装置 図000012
  • 特許6302713-シリアル通信方法およびシリアル通信装置 図000013
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6302713
(24)【登録日】2018年3月9日
(45)【発行日】2018年3月28日
(54)【発明の名称】シリアル通信方法およびシリアル通信装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 13/42 20060101AFI20180319BHJP
【FI】
   G06F13/42 350B
【請求項の数】6
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-61303(P2014-61303)
(22)【出願日】2014年3月25日
(65)【公開番号】特開2015-184955(P2015-184955A)
(43)【公開日】2015年10月22日
【審査請求日】2017年2月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】000191238
【氏名又は名称】新日本無線株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083194
【弁理士】
【氏名又は名称】長尾 常明
(72)【発明者】
【氏名】小笠原 健一
【審査官】 田上 隆一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−016026(JP,A)
【文献】 特開昭60−010852(JP,A)
【文献】 特開2007−172415(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 13/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
受信したシリアルデータの単位区間内の「H」期間と「L」期間の一方から他方を差し引いた時間差分を検出し、該時間差分の少なくとも極性に応じて前記シリアルデータの論理値を判定するシリアル通信方法において、
前記シリアルデータは、前記単位区間の開始点と終了点に同一極性のエッジを持ち、前記開始点と前記終了点の間に逆極性のエッジを持ち、
前記時間差分の正の最大値と負の最大値との間の範囲をn個(nは2以上)に分割し、前記論理値をn値とすることを特徴とするシリアル通信方法。
【請求項2】
請求項1に記載のシリアル通信方法において、
前記n値は3値以上であり、前記n値のうちの2値の組み合わせで決まる互いに異なる複数の識別コードが形成され、該複数の識別コードの内の特定の識別コードを形成する2値で前記シリアルデータが構成されていることを特徴とするシリアル通信方法。
【請求項3】
受信したシリアルデータの単位区間内の「H」期間と「L」期間をそれぞれ基準クロックでカウントして、前記「H」期間のカウント値と前記「L」期間のカウント値の一方から他方を差し引いた時間差分の少なくとも極性を示す信号を出力するカウント手段と、該カウント手段から出力する前記時間差分の少なくとも極性を示す信号に応じて前記シリアルデータの論理値を判定する判定手段と、を備えることを特徴とするシリアル通信装置において、
前記シリアルデータは、前記単位区間の開始点と終了点に同一極性のエッジを持ち、前記開始点と前記終了点の間に逆極性のエッジを持ち、
前記時間差分の正の最大値と負の最大値との間の範囲をn個(nは2以上)に分割し、前記論理値をn値とすることを特徴とするシリアル通信装置
【請求項4】
請求項3に記載のシリアル通信装置において、
前記n値は3値以上であり、前記n値のうちの2値の組み合わせで決まる互いに異なる複数の識別コードが形成され、該複数の識別コードの内の特定の識別コードを形成する2値で前記シリアルデータが構成されていることを特徴とするシリアル通信装置
【請求項5】
請求項4に記載のシリアル通信装置において、
前記シリアルデータを送信するマスタ装置と該マスタ装置から送信される前記シリアルデータを受信する複数のスレーブ装置とを備え、
前記複数のスレーブ装置には互いに異なる前記識別コードが割り当てられ、
前記複数のスレーブ装置の内の特定のスレーブ装置が、該特定のスレーブ装置に割り当てられている識別コードを形成する2値で構成された特定のシリアルデータを受信することで、前記特定のスレーブ装置が識別されるとともに、前記特定のスレーブ装置が前記特定のシリアルデータにより制御されることを特徴とするシリアル通信装置。
【請求項6】
請求項に記載のシリアル通信装置において、
前記シリアルデータを送信するマスタ装置と該マスタ装置から送信される前記シリアルデータを受信するスレーブ装置とを備え、
前記スレーブ装置は互いに異なる前記識別コードが割り当てられた複数のレジスタを含み、
該複数のレジスタの内の特定のレジスタが、該特定のレジスタに割り当てられている識別コードを形成する2値で構成される特定のシリアルデータを受信することで、前記特定のレジスタが識別されるとともに、前記特定のレジスタが該特定のシリアルデータにより制御されることを特徴とするシリアル通信装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ通信を行うシリアル通信方法およびシリアル通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の1線式のシリアルデータ通信(例えば特許文献1、2)では、図12に示すように、入力データの例えば立上りタイミングで決まる前縁エッジt1の検出パルスTgの立上りから、基準時間T1が経過した時点に発生するストローブパルスStbの立上りタイミングで、入力データの論理を判定していた。図12では、データD(L)はLレベル(以下、「L」と呼ぶ)として、データD(H)はHレベル(以下、「H」と呼ぶ)として判定されるべきデータである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許明細書第5210846号
【特許文献2】米国特許明細書第5398326号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、図12に示す従来方式では、基準時間T1を用いるので、シリアルデータの転送速度を変更し難いという問題がある。例えば、通信速度を上げるために基準時間T1を短く設定した場合は、通信環境が悪くノイズ等によりデータが劣化する際に通信速度を下げようとしても、もはや基準時間T1を変更できないため、ノイズ環境に対応できない。逆に、基準時間T1を長く設定した場合は、通信速度が基準時間T1により制約を受けてしまう。
【0005】
本発明の目的は、シリアルデータの転送速度の変更が容易となったシリアル通信方法およびシリアル通信装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1にかかる発明のシリアル通信方法は、受信したシリアルデータの単位区間内の「H」期間と「L」期間の一方から他方を差し引いた時間差分を検出し、該時間差分の少なくとも極性に応じて前記シリアルデータの論理値を判定するシリアル通信方法において、前記シリアルデータは、前記単位区間の開始点と終了点に同一極性のエッジを持ち、前記開始点と前記終了点の間に逆極性のエッジを持ち、前記時間差分の正の最大値と負の最大値との間の範囲をn個(nは2以上)に分割し、前記論理値をn値とすることを特徴とする。
請求項2にかかる発明は、請求項1に記載のシリアル通信方法において、前記n値は3値以上であり、前記n値のうちの2値の組み合わせで決まる互いに異なる複数の識別コードが形成され、該複数の識別コードの内の特定の識別コードを形成する2値で前記シリアルデータが構成されていることを特徴とする。
請求項3にかかる発明のシリアル通信装置は、受信したシリアルデータの単位区間内の「H」期間と「L」期間をそれぞれ基準クロックでカウントして、前記「H」期間のカウント値と前記「L」期間のカウント値の一方から他方を差し引いた時間差分の少なくとも極性を示す信号を出力するカウント手段と、該カウント手段から出力する前記時間差分の少なくとも極性を示す信号に応じて前記シリアルデータの論理値を判定する判定手段と、を備えることを特徴とするシリアル通信装置において、前記シリアルデータは、前記単位区間の開始点と終了点に同一極性のエッジを持ち、前記開始点と前記終了点の間に逆極性のエッジを持ち、前記時間差分の正の最大値と負の最大値との間の範囲をn個(nは2以上)に分割し、前記論理値をn値とすることを特徴とする。
請求項4にかかる発明は、請求項3に記載のシリアル通信装置において、前記n値は3値以上であり、前記n値のうちの2値の組み合わせで決まる互いに異なる複数の識別コードが形成され、該複数の識別コードの内の特定の識別コードを形成する2値で前記シリアルデータが構成されていることを特徴とする。
請求項5にかかる発明は、請求項4に記載のシリアル通信装置において、前記シリアルデータを送信するマスタ装置と該マスタ装置から送信される前記シリアルデータを受信する複数のスレーブ装置とを備え、前記複数のスレーブ装置には互いに異なる前記識別コードが割り当てられ、前記複数のスレーブ装置の内の特定のスレーブ装置が、該特定のスレーブ装置に割り当てられている識別コードを形成する2値で構成された特定のシリアルデータを受信することで、前記特定のスレーブ装置が識別されるとともに、前記特定のスレーブ装置が前記特定のシリアルデータにより制御されることを特徴とする。
請求項6にかかる発明は、請求項に記載のシリアル通信装置において、前記シリアルデータを送信するマスタ装置と該マスタ装置から送信される前記シリアルデータを受信するスレーブ装置とを備え、前記スレーブ装置は互いに異なる前記識別コードが割り当てられた複数のレジスタを含み、該複数のレジスタの内の特定のレジスタが、該特定のレジスタに割り当てられている識別コードを形成する2値で構成される特定のシリアルデータを受信することで、前記特定のレジスタが識別されるとともに、前記特定のレジスタが該特定のシリアルデータにより制御されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、受信したシリアルデータの単位区間内の「H」期間と「L」期間の一方から他方を差し引いた時間差分を検出し、該時間差分に応じてシリアルデータの論理値を判定するので、その単位時間を調整すること、あるいはその単位時間を計測する基準クロックの周波数を調整することによって、シリアルデータの通信速度を容易に変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の第1の実施例のシリアルデータ受信装置のブロック図である。
図2図1のシリアルデータ受信装置の動作波形図である。
図3】本発明の第2の実施例のシリアルデータ受信装置のブロック図である。
図4図3のシリアルデータ受信装置の動作波形図である。
図5】本発明の第3の実施例のマスタ/スレーブ装置のブロック図である。
図6図5のスレーブ装置のブロック図である。
図7図6の判定部4Aの動作波形図である。
図8図5のスレーブ装置の判定部4Aの動作波形図である。
図9】本発明の第4の実施例のスレーブ装置の動作波形図である。
図10】本発明の第4の実施例のスレーブ装置の動作波形図である。
図11】本発明の第5の実施例のマスタ/スレーブ装置のブロック図である。
図12】従来のシリアルデータの「H」と「L」の識別の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<第1の実施例>
図1に本発明の第1の実施例のシリアルデータ受信装置を示す。1はDFF回路であり、シリアルデータDを基準クロックCLKで保持する。2はアンド回路であり、シリアルデータDとDFF回路1の反転Q出力データを入力して、シリアルデータDの立上りエッジの検出信号n1を出力する。3はアップダウンカウンタであり、DFF回路1のQ出力データD1が「H」のとき基準クロックCLKをアップカウントし、「L」のとき基準クロックCLKをダウンカウントし、アンド回路2の出力データn1が「H」のとき初期化される。4は判定部であり、アップダウンカウンタ3の初期化時のカウント値n2に応じて、シリアルデータDの「H」、「L」の判定を行う。なお、基準クロックCLKとしては、シリアルデータDの先頭に含ませた同期符号から再生したクロックあるいはシリアルデータDと別に送信するクロックを使用する。
【0010】
図2図1のシリアルデータ受信装置の動作波形を示す。DFF回路1の反転Q出力のデータがシリアルデータDに対して1クロック分遅れているので、1クロック分の「H」パルスがエッジ検出信号n1としてアンド回路2から出力し、これにより、アップダウンカウンタ3が初期化される。このアップダウンカウンタ3は、DFF回路1のQ出力データD1の「H」の期間は「0」〜「9」までアップカウントし、「L」の期間は「9」からダウンカウントし、「−12」までダウンカウントした時点で初期化されるので、最終的なアップダウンカウンタ3のカウント値n2は「−12」となる。
【0011】
図2ではシリアルデータDの論理を判定する単位時間が31クロックであるので、カウント値n2の負の最大値は−30となり、正の最大値は+30となる。よって、例えば、
n2=−30 〜 −1・・・・・「L」
n2= 0 〜 +30・・・・「H」
のようにH/Lの判定基準を判定部4に予め設定しておけば、その判定部4においてシリアルデータDの2値判定が可能となる。図2の例ではシリアルデータDは「L」と判定される。なお、アップダウンカウンタ3の最上位ビットはカウント値の極性を示すので、アップダウンカウンタ3の最上位ビットのみを判定することでも、2値判定が可能となる。このとき、具体的なカウント値n2を判定する必要はない。
【0012】
本実施例によれば、シリアルデータ受信装置の側において、シリアルデータDの判定を行う単位時間(クロックCLKの数)を調整し、あるいはクロックCLKの周波数を調整できるので、それに合わせて送信側でシリアルデータDの通信速度を調整することができる。例えば、通信速度を上げる場合は単位時間を短くし、あるいはクロックCLKの周波数を高くすればよく、通信速度を下げる場合はその逆を行えばよい。
【0013】
<第2の実施例>
第2の実施例では、図3に示すように、図1のシリアルデータ受信装置で説明した判定部4を「L」、「M」、「H」の3値を判定できる判定部4Aに置き換える。図2ではシリアルデータDの論理を判定する単位時間が31クロックであり、カウント値n2の負の最大値は−30となり、正の最大値は+30となるので、この範囲を3分割して、例えば、
n2=−30 〜 −15・・・・・「L」
n2=−14 〜 +14・・・・・「M」
n2=+15 〜 +30・・・・・「H」
のようにし、この判定基準「L」、「M」、「H」のカウント値n2を判定部4Aに設定する。これにより、3値で形成されたシリアルデータDを受信して、判定部4Aで3値判定を行うことができる。図4(a)にn2=−12の場合(D=「L」)の波形を、図3(b)にn2=+8の場合(D=「H」)の波形を、図3(a)にn2=0の場合(D=「M」)の波形を、それぞれ示した。
【0014】
このように、第2の実施例では、シリアルデータDの単位区間に3値のデータを含ませ、シリアルデータ受信装置でそれを識別受信することができる。
【0015】
<第3の実施例>
第2の実施例のシリアルデータ受信装置は、上記したようにシリアルデータDに3値を含ませることができるので、3値の内の2値の組み合わせに応じて、特定のシリアルデータ受信装置の識別と当該シリアルデータ受信装置の制御を行うことができる。
【0016】
図5に1個のマスタ装置10によって3個のスレーブ装置11,12,13の識別と制御を行う例を示す。ここでは、スレーブ装置11,12,13に、図6に示すシリアルデータ受信装置の構成を採用する。図6において、5は3値の内の2値が識別コードとして割り当てられた識別部、6はシリアルデータDによって制御される制御部である。
【0017】
ここでは、マスタ装置10から送信するシリアルデータDとして、単位時間を4クロックとした図7に示すような3値データを使用する。すなわち、n2=「L」と判定されるデータを「0」とし、n2=「M」と判定されるデータを「1」とし、n2=「H」と判定されるデータを「2」とするデータを使用する。そして、図5に示すスレーブ装置11の識別部5には「0、1」の識別コードを割り当て、スレーブ装置12の識別部5には「1、2」の識別コードを割り当て、スレーブ装置13の識別部5には「0、2」の識別コードを割り当てる。
【0018】
このようにスレーブ装置11、12、13にそれぞれ異なった識別コードを割り当てると、図8(a)に示すように、「0」と「1」でシリアルデータDを形成するときは、8ビットデータとして、例えば、「0x55」、「0x02」、「0xF0」、「0x38」を構成することができる。この場合は、シリアルデータDに「0」と「1」のデータが含まれるので、スレーブ装置11の識別部5においてそれが識別されて、当該スレーブ装置11が選択される。そして、スレーブ装置11の制御部6において、上記8ビットデータ「0x55」、「0x02」、「0xF0」、「0x38」によって所定の制御が行われる。
【0019】
また、図8(b)に示すように、「1」と「2」でシリアルデータDを形成したときは、8ビットデータとして、例えば、「0xAA」、「0x20」、「0x0E」、「0x79」を構成することができる。この場合は、シリアルデータDに「1」と「2」のデータが含まれるので、スレーブ装置12の識別部5においてそれが識別されて、当該スレーブ装置12が選択される。そして、スレーブ装置12の制御部6において、上記8ビットデータ「0xAA」、「0x20」、「0x0E」、「0x79」によって所定の制御が行われることになる。
【0020】
また、図8(c)に示すように、「0」と「2」でシリアルデータDを形成したときは、8ビットデータとして、例えば、「0x33」、「0xB4」、「0xDC」、「0x16」を構成することができる。この場合は、シリアルデータDに「0」と「2」のデータが含まれるので、スレーブ装置13の識別部5においてそれが識別されて、当該スレーブ装置13が選択される。そして、スレーブ装置13の制御部6において、上記8ビットデータ「0x33」、「0xB4」、「0xDC」、「0x16」によって所定の制御が行われることになる。
【0021】
このように、第3の実施例では、シリアルデータDに含ませた3値データのうちの互いに異なる3種の2値データを識別コードに使用することによって、3つのスレーブ装置の識別と制御を行うことができる。
【0022】
<第4の実施例>
図5図8で説明した第3の実施例では、8ビットデータとして、必ず2値を含む必要があるので、1値のみを使用する「0x00」や「0xFF」のデータを作成してもスレーブ装置11、12、13の識別部5で識別されない。そこで、「0x00」や「0xFF」のデータを含ませる必要がある場合には、それを識別する対のデータを1ビットだけ付加して、9ビットデータとする。
【0023】
図9(a)は、スレーブ装置11用の識別データ「0」、「1」を使用して「0x00」、「0xFF」のデータをマスタ装置10から送信する場合の例である。ここでは、8ビットデータ「0x00」として「0」を使用し、9ビット目に「1」を識別ビットとして付加している。また、8ビットデータ「0xFF」として「1」を使用し、9ビット目に「0」を識別ビットとして付加している。これらにより、識別部5は9ビット目までの識別を行う必要があるものの、8ビットの全データ「0x00」〜「0xFF」を送受信することが可能となる。
【0024】
図9(b)は、スレーブ装置12用の識別データ「1」、「2」を使用して「0x00」、「0xFF」のデータをマスタ装置10から送信する場合の例である。また、図9(c)は、スレーブ装置13用のデータ「0」、「2」を使用して「0x00」、「0xFF」のデータをマスタ装置10から送信する場合の例である。いずれの場合も、8ビットの全データ「0x00」〜「0xFF」を送受信することが可能となる。
【0025】
なお、以上では8ビットデータの次の9ビット目に識別ビットを付加したが、図10の(a),(b),(c)に示すように、1ビット目に識別ビットを付加し、その後ろに8ビットデータを続ける構成でも、同様にスレーブ装置11、12、13等で識別可能なデータ「0x00」、「0xFF」を実現することができる。
【0026】
<第5の実施例>
また、以上ではスレーブ装置11,12,13のそれぞれに2ビットの識別コードを割り当てたが、図11に示すように、1個のスレーブ装置14の中に3個のレジスタ141,142,143が装備されているとき、その3個のレジスタ141,142,143に個々に2ビットの識別コードを割り当てて、当該レジスタ141,142,143を識別し、制御することが可能となる。この場合は、当該レジスタ141,142,143に、それぞれ図6で説明した識別部5と制御部6を設ければよい。
【符号の説明】
【0027】
1:DFF回路、2:アンド回路、3:アップダウンカウンタ、4,4A:判定部、5:識別部、6:制御部
10:マスタ装置、11〜14:スレーブ装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12