(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1の接続電極が、前記第1の半導体層の上面の一部を覆うことにより該第1の半導体層と電気的に接続されていることを特徴とする請求項1または2に記載の発光装置。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、以下の説明では、必要に応じて特定の方向や位置を示す用語(例えば、「上」、「下」、「右」、「左」及びそれらの用語を含む別の用語)を用いるが、それらの用語の使用は図面を参照した発明の理解を容易にするためであって、それらの用語の意味によって本発明の技術的範囲が制限されるものではない。また、複数の図面に表れる同一符号の部分は同一の部分又は部材を示す。
【0013】
本発明者らは鋭意検討した結果、底面を光出射面とし、1つの側面を実装基板に実装するための実装面とするサイドビュー型の発光装置において(すなわち、実装基板上に配置して使用する際は当該実装面が実装基板の上面と略平行になるように実装され、光出射面である底面が例えば実装基板の上面と略垂直な方向に配置されることで、出射面を出た多くの光が実装基板の上面に略平行な方向に進むことが可能となる発光装置)、以下の構成を有することで薄型化が可能となることを見出した。
【0014】
本実施形態に係る発光装置は、実装面から露出した2つの接続電極である、第1の接続電極と第2の接続電極を有する。そして、底面(出射面)側から順に配置され、それらの間で発光する2つの半導体層であって、p型半導体層およびn型半導体層の一方である第1の半導体層と、p型半導体層およびn型半導体層の他方である第2の半導体層への電力(電流)の供給を第1の接続電極と第2の接続電極を用いて行う。
第1の接続電極は、第1の半導体と直接接する、または第1の半導体と電気的に接続されている第1の半導体層電極と電気的に接続されることにより、第1の半導体層と電気的に接続している。
第2の接続電極は、金属ワイヤであって、その一方の端部が、前記第2半導体層の上面と電気的に接続されている電極と電気的に接続されることにより、第2の半導体層と電気的に接続されている。
本実施形態に係る発光装置は、第1の半導体層と、第2の半導体層と、第1の接続電極と、第2の接続電極と、金属ワイヤ、それぞれの少なくとも一部分を覆い、発光装置の上面および側面を形成する樹脂層を有している。
【0015】
他の実施形態に係る発光装置としては、金属ワイヤ18を複数備えているものがある。第1の金属ワイヤ18は、一方の端部が反射膜16の上面にワイヤボンディングされボンディング58eを形成し、他方の端部がp側接続電極14bの上面にワイヤボンディングされボンディング部58bを形成している。また、別の金属ワイヤ(第2の金属ワイヤ)は、少なくとも一方の端部がn側接続電極14aの上面にワイヤボンディングされボンディング部58aを形成している。
【0016】
このような、構成を有する本実施形態の発光装置は、従来のサイドビュー型発光装置と異なり、その上に半導体チップを載置するリードを必要としない。
また、第1の半導体層と、第2の半導体層と、第1の接続電極と、第2の接続電極と、金属ワイヤ、それぞれの少なくとも一部分を覆い、発光装置の上面および側面を形成する樹脂層を用いている。このため、キャビティを形成した樹脂パッケージを用い、そのキャビティの底部に発光素子(半導体チップ)を挿入する従来のサイドビュー型発光装置のような、半導体チップ(例えば、第1の半導体層および第2の半導体層)と樹脂層の間に挿入のためのギャップを設ける必要がない。
【0017】
これらのために、本発明の発光装置は小型化、とりわけ発光装置の厚さ方向(実装面に垂直な方向)の寸法を小さくする薄型化が可能となる。
【0018】
また、本実施形態に係る発光装置の製造方法では、整列した複数の発光装置が繋がっている発光装置集合体を形成し、これら複数の発光装置のそれぞれを個片化することで所望の発光装置を得ている。
そして、発光装置集合体を形成する過程、より具体的には個々の発光装置のための第1の接続電極と第2の接続電極とを形成する際に、隣り合う2つの発光装置の間で、一方の発光装置の第1の接続電極と他方の発光装置の第2の接続電極とを一体で形成する。
これにより、より効率的に発光装置を製造することが可能となる。
以下に、図を参照して本実施形態に係る発光装置の詳細を説明する。
【0019】
1.発光装置100
図1は、本発明の一実施形態に係る発光装置100を示す概略平面図である。
図2(a)は、
図1のIIa−IIa断面を示す概略断面図である。また、
図2(b)は、
図1のIIb−IIb断面を示す概略断面図である。
図2(c)は、
図1のIIc−IIc断面を示す概略断面図である。
図2(d)は、
図1のIId−IId断面を示す概略断面図である。
図3(a)は、
図1のIIIa−IIIa断面を示す概略断面図である。また、
図3(b)は、
図1のIIIb−IIIb断面を示す概略断面図である。
図3(c)は、
図1のIIIc−IIIc断面を示す概略断面図である。
【0020】
なお、
図1では、金属ワイヤ18等の半導体100の構成要素の配置を明確に示すために樹脂層20の記載を省略している。
また、本明細書では、
図2(a)〜
図2(d)のように、図を示す数字が同じで、括弧内に示されたアルファベットが異なる図を総称して、「
図2」のように図の番号のみで呼ぶ場合がある。
詳細を後述するように、本発明の実施形態では、基板2等の上に半導体層4、6および樹脂層20等を形成した後、基板2を取り除いてよく、また基板2を取り除いた後に基板2のあった場所に蛍光体層22を形成してよい。
図1では、後述する製造方法の説明の際に用いる
図4に示す発光装置集合体200との対比を容易にするため、基板2を残して記載しているが、
図2および
図3では、基板2は除去され、蛍光体層22が設けられている。
以下の発光装置100では、蛍光体層22が設けられた構成を主として説明することから、
図1の基板2は随時蛍光体22と読み替えて説明する場合があることに留意されたい。
【0021】
発光装置100は、蛍光体層22(または基板2)上に配置されたn型半導体層(第1の半導体層)4と、n型半導体層4の上に配置されたp型半導体層(第2の半導体層)6と、p型半導体層6の上面と接触し、当該上面のほぼ全面を覆って配置されている全面電極8と、全面電極8上の一部分に全面電極8と接触して配置されたp側電極12eとを有している。
全面電極8を介してp型半導体層6全体に亘り比較的均一に電流を流せるように、p側電極12eを複数個配置することが好ましい(
図1に示す実施形態では全面電極8の上に8個のp側電極が配置されている)。
【0022】
好ましくは、
図1に示すように蛍光体層22(または基板2)の上面の外周部(外周部の一部または外周部全体)には、n型半導体層4が形成されていないことが望ましい。後述する樹脂層20、n側接続電極14aおよびp側接続電極14bを蛍光体層22(または基板2)の上面の外周部に配置することが可能だからである。
【0023】
また、n型半導体層4と、p型半導体層6と全面電極8とを覆うように絶縁材より成る保護膜10が設けられている。
図1〜3に示す実施形態では、保護膜10は、n型半導体層4、p型半導体層6および全面電極8それぞれの側面と上面の両方の少なくとも一部分に接触している。また、全面電極8の上面については、p側電極12eが設けられていない部分に保護膜10が形成されている(
図2(b)、
図3(b))。
【0024】
p側電極12eの上には、p側電極12eと接触し、かつ全面電極8の上面を略覆うように反射膜16が設けられている(
図2(a)、(b)および
図3)。反射膜16はその下方(
図1〜3の−Z方向)から来た光を反射するとともに、導電性を有しており、例えばアルミニウム等の金属から形成されてよい。また、この反射膜16の反射特性をより向上させるために、反射膜16の少なくとも一部にDBRを用いることができる。反射膜16は、電極としての機能も有することができる。
なお、後述する樹脂層20も例えば、色が白色の樹脂から形成する等により高い反射率を得ることができる。このため、反射膜16がある方がより高い反射率が得られるため好ましいものの、反射膜16は、コスト等の理由により適宜省略してもよい。
【0025】
n型半導体層4と接触したn側電極12aが配置されている。
図1〜3に示す実施形態では、n側電極12aは、n型半導体層4の上面のうち下部(
図1〜3の−Y方向)でかつp型半導体層6が形成されていない部分および側面(
図1〜3においてZ−X面に平行な2つの側面のうち、
図1の下方(−Y方向)にある側面)と接触している。
この場合、n側電極12aは、好ましくは、
図3(c)に示すようにn型半導体層4上をn型半導体の長さ(
図2のX方向長さ)の1/4程度の長さで延在している。n側電極をこのような構造とすることで、光束を高くすることができる。
一方、n側電極12aは、n型半導体層4の外周を被覆する構造とすることもできる。このような構造であれば、Vfやリニアリティを向上させることができる。
また、n側電極12aとn型半導体層4との電気的接続はこれらの形態に限定されるものではなく、蛍光体層22とn側電極12aの間にはn型半導体層4が全面もしくは一部設けられている任意の形態で電気的に接続されてよい。これにより、半導体層の成長用基板であるサファイア基板を容易に剥離することができる。
図1〜3に示す実施形態では、n側電極12aは、蛍光体層22と接触している部分と、n型半導体層4の側面と接触している部分と、n側半導体層4の上面と接触している部分を有しているが、これに代えて、蛍光体層22と接触している部分と、n型半導体層4の側面と接触している部分のみを有してもよい。
【0026】
p側全面電極8は、n型半導体層4と分離しておく必要がある。その理由は、発光装置100内でのショートの発生を抑制するためである。このp側全面電極8は、発光装置の製造工程上、n型半導体層4の露出した側面と分離しておくことが好ましい。その分離手段としては、例えば、これらのp側全面電極8とn型半導体層4とを絶縁膜を介して分離することである。
【0027】
発光装置100は、p型半導体層6とn型半導体層4との間に電流を流すことでp型半導体層6とn型半導体4層との間で発光する。なお、より高い発光効率が得られるように、p型半導体層6とn型半導体層4との間に半導体層を積層させた発光層(活性層)を設けている。
【0028】
以上説明したように、p型半導体層6は、全面電極8およびp側電極12bを介して反射膜16と電気的に接続されている。
一方、n型半導体層4は、n側電極12aと電気的に接続されている。
【0029】
図1に示す実施形態では、n型半導体4を成長するために用いた、例えばサファイア基板等のような基板2をそのまま残している。この場合、発光装置100の出射面である底面(
図1〜3のY−X面に平行な2つの面のうち、−Z方向に位置する面)は基板2により構成される。
【0030】
図2および
図3に示す実施形態では、発光装置100の底面には、基板2に代えて蛍光体層22が配置されている。この場合、発光装置100の光の出射面である底面は蛍光体層22により構成される。
基板2を除去した後に蛍光体22を形成したものである。蛍光体層22は、p型半導体層6とn型半導体層4との間の活性層から発光した光の一部を吸収し、より波長の長い光を発光する蛍光体を含んでいる。
蛍光体層22を設ける場合、蛍光体層22と接するn型半導体層4の下面は粗面化され凹凸を有することが好ましい。凹凸によって光が散乱され、n型半導体層4と蛍光体層22との界面において生じる全反射を軽減することができる為、発光効率(特に、光取り出し効率)が高くなるためである。
また、このように基板2を除去してから蛍光体層22を設けることに代えて、基板2の下部(
図1〜3の−Z方向)に蛍光体層22を設けてもよい。
【0031】
次に発光装置100が例えば実装基板に配置された配線層のような外部からp型半導体層6およびn型半導体層4に電力(電流)を供給するための構成を説明する。n側接続電極(第1の接続電極)14aおよびp側接続電極(第2の接続電極)14bは、発光装置100の側面の1つである実装面(
図1〜3において、Z−X面に平行な2つの側面のうち、−Y方向に位置する側面)から露出するように配置されている。
n側接続電極14aおよびp側接続電極14bは、それぞれ、はんだ等を介して、例えば、実装基板の配線層等のような外部配線に接続される。
【0032】
好ましくは、n側接続電極14aおよびp側接続電極14bは、それぞれ、実装面の横方向の異なる端部に位置する。
図2(d)は、上述のように
図1のIId−IId断面を示す概略断面図であるが、この好ましい実施形態における実装面を垂直な報告から見た側面図と一致している。すなわち、n側接続電極14aは、実装面(
図1〜3において、Z−X面に平行な2つの側面のうち、−Y方向に位置する側面)の横方向(X方向)の左側端部(−X方向の端部)に位置し、p側接続端電極12bは実装面の横方向の右側端部(X方向の端部)に位置している。
発光装置100から光の漏れを防止するためには発光装置100の外周部に半導体層を設けないことが考えられるが、一方で電極と蛍光体層22が直接接合する構造の場合には、基板剥離が容易ではない。 そこで、n側電極12a、金属膜12bの下部の全面に半導体層を設けられていれば、基板の剥離は容易にはなるが、ウエハから個片化する際に半導体層に発生するクラックの進展が発生しやすい。しかしながら、n側電極12a、金属膜12bが部分的に半導体層や蛍光体と接合しているものであれば、基板剥離を容易にすることとクラック進展の抑制とを実現できる。その理由としては、電極形成領域(n側電極12a、金属膜12bの下部)にはクラックが発生するものの、半導体層が分断させていることで、全面電極8の下部の半導体層にまでクラックが進展せず、発光装置の特性には悪影響を及ぼさない。
【0033】
これにより、発光装置100を製造する際に、隣接する2つの発光装置100の一方のn側接続電極14aと隣接する2つの発光装置の他方のp側接続電極14bとを一体で形成でき、生産性を向上できるという利点を有する。
なおこのように一体で形成した、n側接続電極14aとp側接続電極14bとは、繋がった複数の発光装置100を個片化する際に分離することができる。
【0034】
また、この好ましい実施形態に従った配置では、
図1に示すように上面側から平面視した場合に、n側接続電極14aとp側接続電極14bとが、発光装置100の異なる下側コーナー部(−Y方向)に位置することを意味する。すなわち、
図1に示す実施形態では、n側接続電極14aは、左下コーナー部に位置し、p側接続電極14bは、右下コーナー部に位置している。
【0035】
このことは、上面視した場合に、通常、
図1に示すように、周辺部には個片化の際の切りしろを確保するため、および成長用基板の剥離を容易に行うために、発光装置の外側端部まではp型半導体層6およびn型半導体層4を配置しないことから、p型半導体層6およびn型半導体層4を配置可能な部分とn側接続電極14aおよびp側接続電極14bを配置する部分との干渉が少ないことを意味する。
この結果、上面視した場合に、発光装置の面積が同じであっても、より広い領域にp型半導体層6およびn型半導体層4を配置することが可能となり、より多くの光を発することが可能となるという利点を有する。また、このことは換言すれば、同じ光量を確保するのにより少ない面積(上面した場合の面積)でよいことを意味することから発光装置の小型化が可能となる。
【0036】
n側接続電極14aは、n側電極12aと電気的に接続されている。
図1〜3で示す実施形態では、n側接続電極14aは、n側電極12aに接触するように配置されている。
【0037】
好ましくは、
図2(c)に示すように、n側接続電極14aは、n側電極12aの蛍光体層22(または基板2)上を延在する部分とn型半導体層4の上面(
図1〜3のX−Y面)上に延在している部分とに接触している。さらに、n側接続電極14aは、必要に応じて、n型半導体層4の側面(
図1〜3のX−Z面および/または
図1〜3のY−Z)上に延在している部分と接触している。
これにより、n側接続電極14aは、
図1に示す上面視において、比較的狭い面積しか有していないにもかかわらず、より確実にn側電極12aと電気的に接続できる。
【0038】
p側接続電極14bは、金属ワイヤ18を介して、反射膜16と電気的に接続されている。上述のように反射膜16は、p型半導体層6と電気的に接続されていることから、これによりp側接続電極14bとp型半導体層6とは電気的に接続される。
図1〜3に示す実施形態では、金属ワイヤ18は、一方の端部が反射膜16の上面にワイヤボンディングされボンディング58eを形成し、他方の端部がp側接続電極14bの上面にワイヤボンディングされボンディング部58bを形成している。
なお、発光装置100は、
図1に示すように金属ワイヤがボンディングされていないワイヤボンディング部58a、58c、58dを有してよい。これは、詳細を後述するように、本発明の1つの実施形態に係る発光装置の製造方法では、隣接する発光装置にワイヤボンディング部58a、58c、58dを形成することにより、確実に所望の形態のボンディング部58bを得ることができるためである。
【0039】
p側接続電極14bは、金属ワイヤ18がボンディングしやすいように例えば、金属メッキにより形成されるメッキバンプのようなバンプであることが好ましい。
n側接続電極14aは、金属ワイヤと接続されるわけではないことから、ワイヤボンディングがし易い形態を有する必要はない。しかし、後述の本発明に係る製造方法の説明で詳述するように、隣り合う2つの発光装置の100の一方のp側接続電極14bと他方のn側接続電極14aとは一体で形成された後、分割されることから、この場合、p側接続電極14bをメッキバンプのようなバンプとして形成すると、n側接続電極14aもメッキバンプのようなバンプとして形成される。
上述しためっきバンプは、反射膜16上に形成してもよい。これにより、反射効果を高めることができる。
【0040】
なお、
図1、
図2(c)および
図2(d)に示されるように、p側接続電極14bは、金属膜12bを介して蛍光体層22bの上に配置されている。この金属膜12bは、詳細を後述する製造方法において、隣り合う別の発光装置100のn側電極12aと一体で金属膜を形成後、その金属膜上に一体でp形接続電極14bと当該別の発光装置100のn側接続電極14aとを一体で形成し、その後、発光装置100の個片化を行うことで得られたものである。
従って、他の製造方法を用いる等により金属膜12bを形成することなく、蛍光体層22(または基板2)の上面に接触するようにp側接続電極14bを配置してもよい。
【0041】
発光装置100では、金属ワイヤは上述の金属ワイヤ18の1つを用いるだけでよく、リードとn側電極とを電気的に接続するワイヤとリードとp側電極とを電気的に接続するワイヤとを要する従来の発光装置と比べて小型化が容易となる。
なお、金属ワイヤ18は例えば金ワイヤ等の任意の金属からなるワイヤであってよい。
【0042】
図1に示す発光装置100は、長手方向の幅は200μm以上、3mm以下であることが好ましく、さらには長手方向の幅は600μm以上、2mm以下であることがより好ましい。また、短手方向の幅は60μm以上、3mm以下であることが好ましく、さらには短手方向の幅は150μm以上、2mm以下であることがより好ましい。
【0043】
図1にある金属ワイヤ18の太さ(直径)は、15μm以上、70μm以下であることが好ましい。また、金属ワイヤ18の太さ(直径)は、30μm以上、50μm以下であることがより好ましい。金属ワイヤ18の太さ(直径)の下限が、この範囲であれば、ワイヤの断線を防止することができる。また、金属ワイヤ18の太さ(直径)の上限をこの範囲とすることで、ボールの大きさに対応したパッドエリアを確保することができる。
【0044】
図2に示す発光装置100の高さは、1500μm以下とすることができる。また、窒化物半導体層や蛍光体層の膜厚を調整することにより100μm程度まで薄型化したサイドビュー型発光装置を提供することができる。
【0045】
発光装置100は、上述のようにその下面に、n型半導体層4(および/またはp型半導体層6)を成長させるために用いた基板(成長基板)2を有しなくてよい。詳細を後述するように、所望の半導体層を得た後、基板2を除去してよいためである。
基板2を有しなくても発光装置100が十分な剛性を有するように、n型半導体層4と、p型半導体層6と、n側接続電極14aと、n側接続電極14bと、金属ワイヤ18、それぞれの少なくとも一部分を覆う樹脂層20が形成されている。
図2および
図3から判るように、樹脂層20は、また発光装置100の上面(
図1〜3のX−Y面に平行な面)および側面(
図1〜3のY−Z面に平行な面およびZ−X面に平行な面)を形成(側面全体又は側面の一部を形成)している。
【0046】
そして、樹脂層20は、予めキャビティを設けてその中に半導体チップを収容する従来の発光装置の樹脂パッケージと異なり、半導体層(p型半導体層6およびn型半導体層4)を形成後に、これら半導体層に近接して配置できる。これにより、発光装置の小型化が可能となる。特に、発光装置の厚さ(例えば、
図1〜
図3のY方向長さ)を小さくできることから、発光装置の薄型化が可能となる。
【0047】
図1〜3に示す実施形態では、樹脂層20は、その上部において、金属ワイヤ18および反射膜16に接触してこれらを覆っている。樹脂層20は、その下部において、蛍光体層22(または基板2)の上面の外周部分と接触している。蛍光体層20はまた、n側接続電極14aおよびp側接続電極14bと接触し、これらの一部を覆っている。さらに蛍光体層20は、保護膜10,全面電極8および反射膜16等を介して、p型半導体層6およびn型半導体層4を覆っている。
【0048】
なお、発光装置100の構成を説明するにあたり、蛍光体層22側を底面(下方向)、反射膜16側(または樹脂層20のうち、反射膜16の上に位置する側)を上面(上方向)として説明しているが、これは、後述するように発光装置100を製造するに際し、基板2を下にして、その上に、順にn型半導体層4、p型半導体層6、全面電極8、保護膜10、反射膜16および樹脂層20等が形成されるためである。
一方、発光装置100を実装する際には、実装基板の上面とほぼ並行に実装面を配置して、実装面の配線層とn側接続電極14aおよびp側接続電極14bとを接続することから、実装面が底面となり、実装面と反対側の面が上面となる(実装面を下面側とした場合)となる。
【0049】
発光装置100の各要素の詳細について説明する。
・p型半導体層6およびn型半導体層4
p型半導体層6およびn型半導体層4は、発光ダイオード等の任意の発光素子(半導体チップ)に用いる任意の種類のp型半導体であってよい。
好ましい例として、p型半導体層6およびn型半導体層4が、青色LEDを形成可能なIn
XAl
YGa
1-X-YN(0≦X、0≦Y、X+Y≦1)等の窒化物半導体であることを挙げることができる。この場合、p型半導体層6とn型半導体層4との間にこれらよりもハンドギャップエネルギーの小さいInGaN層等を含む発光層(活性層)を有することが好ましい。
p型半導体層6およびn型半導体層4は、これに限定されるものではない。例えば、AlInGaP、AlGaAs、GaP等を含む、発光ダイオードに用いる任意の半導体を含む層であってよい。
【0050】
図1に示す発光装置100は、蛍光体層22(または成長基板2(最終の発光装置では除去されていてよい))の上にn型半導体層4が形成され、その上にp型半導体層6が形成されている。しかし、発光装置100はこれに限定されるものではなく、蛍光体層22(または成長基板2(最終の発光装置では除去されていてよい))の上にp型半導体層が形成され、その上にn型半導体層が形成されている発光装置(発光装置100に対してp型半導体層とn型半導体層が入れ替わった発光装置)を含む。
【0051】
・保護膜10
保護膜10は、酸化膜等、発光装置に用いられている任意の材料を用いてよい。
また、この保護膜10は、誘電体膜を多層にしたDBR膜としてもよく、これにより、保護膜に反射効果を持たせることができる。
【0052】
・全面電極8
全面電極8、p型半導体層6内により均一に電流が流れるようにp型半導体層6の上面のほぼ全面を覆うように形成される。GaN等の窒化物半導体のように、電流を均一に流すことが容易でない半導体の上面に設けると効果的である。全面電極に用いる材料としてITO(インジウム−スズ酸化物)、IZO(インジウム−亜鉛酸化物)、ZnO、In
2O
3、SnO
2などの導電性酸化物およびAgなどの金属薄膜を例示できる。このなかでも透明電極であるITOを用いることが好ましい。
【0053】
・反射膜16
反射膜16は、導電性を有し金属ワイヤ16とp側電極12eとを電気的に接続する。これに加えて、p型半導体層6とn型半導体層4との間の発光のうち、上(Z方向)に進み、全面電極8、保護膜10およびp側電極12eを透過した光を下方(−Z方向)の例えば蛍光体層22(または基板2)に向けて反射する機能を有する。これにより発光装置100の効率を高くすることができる。
反射膜16は、誘電体膜や金属を用いることができる。この反射膜16に好ましい金属材料として銀(Ag)や金(Au)またはアルミニウム(Al)などを例示できる。また、反射膜16は、より反射率を高くするために誘電体膜や金属の多層膜を用いることができる。その誘電体膜の多層膜としては、酸化ニオブと酸化ケイ素との多層膜、または酸化チタンと酸化ケイ素との多層膜を用いることができる。このDBRは、少なくも3ペア以上あればよく、上限は特に限定されないが、発光装置の生産性を考慮すると40ペア程度が上限となる。
さらに好ましくは、上述したDBRとAlとを組み合わせたもの、他にもDBRとAgとの組み合わせたものを用いることができる。このDBRとAgとの組み合わせは、あらゆる入射角に対して反射率が良好であるので、全体的な反射率も高くなる。DBRと金属材料とを組み合わせた反射膜16は、多数の材料を使用することになるが、このような多層膜を採用した発光装置は、光の取り出し効率をより高くすることができる。
この反射膜16がn側電極12aや金属膜12bを兼ねてもよい。その場合、Al/Ti/AuやASC/Ti/AuやAl/Ni/Au、ASC/Ni/Au、他にもASC/Ti/Pt/Auとする。他にも、Ti/Al/Ti/AuやTi/ASC/Ti/AuやTi/Al/Ni/Au、Ti/ASC/Ni/Au、Ti/ASC/Ti/Pt/Auとする。
【0054】
・n側電極12a、金属膜12b、p側電極12e
n側電極12a、金属膜12bおよびp側電極12eは、n型半導体層4またはp型半導層に用いる任意の電極材料であってよい。
このような電極材料として、Ti、Cr、Ni、Au、Pt、Rh、W、Alなどを用いることができる。
また、n側電極12a、金属膜12b、p側電極12eは、上述した反射膜を用いることにより省略することができる。
【0055】
・樹脂層20
樹脂層20は任意の種類の樹脂により構成されてよい。好ましい樹脂として、シリコーン樹脂およびエポキシ樹脂などを例示できる。
樹脂層20は、好ましくは白色の樹脂より成る。樹脂層20に達した光をより多く反射できるからである。
【0056】
・P側接続電極14b、n側接続電極14a
P側接続電極14bおよびn側接続電極14aは、金属等、導電性を有する任意の材料により構成されてよい。好ましい、P側接続電極14bおよびn側接続電極14aは、銅または銅合金からなるメッキバンプである。その他にも、P側接続電極14bやn側接続電極14aは、Auめっきや積層めっきであってもよい。この積層めっきは、例えばCuの電解めっきを行った後、Ni/Auの無電解めっきを行うものである。
【0057】
・基板2
基板2は、n型半導体層4(場合によってはp型半導体層)を形成できる任意の基板であってよい。好ましい基板2として、サファイア基板、炭化ケイ素基板および窒化ガリウム基板を挙げることができる。なお、半導体層は、In
XAl
YGa
1-X-YN(0≦X、0≦Y、X+Y≦1)等の一般式で示すことができる。また、n型半導体層にはn型不純物が含有されており、p型半導体層にはp型不純物が含有されている。
【0058】
・蛍光体層22
蛍光体層22を用いる場合、蛍光体層22は、発光ダイオードを用いた発光装置に用いることができる任意の蛍光体を含んだ層であってよい。
例えば、p型半導体層6およびn型半導体層4が、青色LEDを形成可能なIn
XAl
YGa
1-X-YN(0≦X、0≦Y、X+Y≦1)等の窒化物半導体である場合、好ましい蛍光体として、緑色および/または黄色を発光するYAG系蛍光体およびクロロシリケート蛍光体等のシリケート系蛍光体、赤色を発光する(Sr,Ca)AlSiN
3:Eu等のSCASN系蛍光体、CaAlSiN
3:Eu等のCASN系蛍光体などから選択される1種以上を例示することができる。
【0059】
このような発光装置100の動作については説明する。
発光装置100は、上述したように、実装基板上に実装されて用いられる。この際に、n側接続電極14aおよびp側接続電極14bが実装基板上の異なる配線と電気的に接続される。このため、電流が、p側接続電極14b、金属ワイヤ18、反射膜16、p側電極12eおよび全面電極8を流れ、p型半導体層6に入る。p型半導体層6からn型半導体層4に流れた電流は、n側電極12aおよびn側接続電極14bを流れて実装基板の配線に流れる。
このように電流が供給されることにより、p型半導体層6とn型半導体層4との間から所望の波長の光が発光される。発光の一部は直接下方(
図1〜3の−Z方向)に向かい、発光の別の一部は樹脂層20または反射層16により反射されて下方に向かい、発光装置100を出て実装基板に略平行な方向に進む。
【0060】
蛍光体層22を設けた場合、蛍光体層22に入射した光の一部を蛍光体層22内部の蛍光体が吸収し、当該蛍光体は吸収した光よりも波長の長い光を発する。
【0061】
(2)発光装置100の製造方法
次に
図4〜
図13を用いて、発光装置100の製造方法を工程の順序に従って説明する。以下の説明は、発光装置100の製造方法を例示することを目的とするものであって、発光装置100の製造方法を限定することを目的とするものではない。
なお、
図5〜
図13では1個の発光装置100に対応する要素が記載されているが、
図5〜
図13は、
図4に例示するようにウエハ(基板)2上で複数の発光装置100が同時に形成される課程の1個の発光装置のみを示したものである点に留意されたい。
【0062】
図4は、基板2に複数の発光装置100が繋がって形成された発光装置集合体200の上面図である。なお、
図4では
図1と同様に樹脂層20の記載を省略している。
図5(a)〜
図5(d)、
図6(e)〜
図6(h)および
図7(i)〜
図7(k)は、
図1のIIa−IIa断面が形成される過程を示す概略断面図であり、
図8(a)〜
図8(d)、
図9(e)〜
図9(h)および
図10(i)〜
図10(k)は、
図1のIId−IId断面が形成される過程を示す概略断面図であり、
図11(a)〜
図11(d)、
図12(e)〜
図12(h)および
図13(i)〜
図13(k)は、
図1のIIIc−IIIc断面が形成される過程を示す概略断面図である。
なお、
図5〜
図13において、例えば「
図5(a)」の「(a)」のように括弧内のアルファベットが同じ図は、同じ工程を完了後の概略断面を示す。また、以下に示す「工程(a)」の「(a)」ように「工程」の後のアルファベットは
図5〜
図13の図の番号の後のアルファベットが同じ図と対応した工程であることを示す。
【0063】
・工程(a)
図5(a)、
図8(a)および
図11(a)に示すように、基板2の上にn型半導体層4を形成し、その上にp型半導体層6を形成した後、p型半導体層6の上面に全面電極8を形成する。
【0064】
・工程(b)
図5(b)、
図8(b)および
図11(b)に示すように、p型半導体層6の外周部をエッチングにより除去し、n型半導体4の上面の外周部を露出させる。
【0065】
・工程(c)
図5(c)、
図8(c)および
図11(c)に示すように、n型半導体層4の外周部をエッチングにより除去し、n型半導体層4の外周の外側に基板2の上面を露出させる。これにより、例えば
図5(c)に示すように、n型半導体層4の外周部、p型半導体6の外周部および全面電極8の外周部が階段状となる。
【0066】
・工程(d)
図5(d)、
図8(d)および
図11(d)に示すように、基板2、n型半導体層4、p型半導体層6および全面電極8のそれぞれの露出した部分に保護膜10を形成する。
ただし、基板2の外周部、全面電極8の上面のうちp側電極12eを形成する部分、ならびにn型半導体層4の上面および側面のうちn側電極12bを形成する部分には、保護膜10を設けない。
【0067】
・工程(e)
図6(e)、
図9(e)および
図12(e)に示すように、n側電極12a、金属膜12bおよびp側接続電極12eを形成する。
これらの電極および金属膜の形成は、フォトリソグラフィによりレジストパターンを形成し、スパッタリングを行った後、リフトオフにより、レジストパターンおよびその上に形成された金属薄膜を除去することで所望の位置にのみ、金属薄膜を残すことにより行ってもよい。
【0068】
図4に示すように隣接する2つの発光装置100の一方のn側電極12aと他方の金属膜12bとを一体に形成することが好ましい。
図4は、整列して配置され、かつ互いに繋がった複数の発光装置100から成る発光装置集合体200を示す。
図4では発光装置100A〜100Fの6つの発光装置100が示されているが、言うまでもなくこれは例示であって、発光装置集合体200は2以上の任意の数の発光装置100を含んでよい。
図4では、例えば、発光装置100Dのn側電極12aと発光装置100Cの金属膜12bとを金属膜12として一体で形成している(他の発光装置での同様に一体に形成されているが特に発光装置100Cと発光装置100Dを取り上げて説明する)。
【0069】
また、個片化を行ったときにn側電極12aと金属膜12bとが確実に実装面から露出するように、当該金属膜12は発光装置100Eと発光装置100Fにも形成されている。
この当該金属膜12は、個片化後、発光装置100Eでは金属膜12cとなり、発光装置100Fでは金属膜12dとなる。
【0070】
このように一体で金属膜12を形成することで、個別にn側電極12aと金属膜12bを形成するよりも少ない面積(
図1の平面視において)でn側電極12aと金属膜12bとを形成できる。また、このような構造とすることで、発光面積が拡大するため、出力が向上する。他にも、生産効率も高い。
【0071】
・工程(f)
図6(f)、
図9(f)および
図12(f)に示すように、n側接続電極14a、p側接続電極14aを形成する。
これらの接続電極14a、14bは、例えば、メッキ法により形成できる。
【0072】
図4に示すように隣接する2つの発光装置100の一方のn側接続電極14aと他方のp側接続電極14bとを一体に形成することが好ましい。
図4では、例えば、発光装置100Dのn側接続電極14aと発光装置100Cのp側接続電極14bと金属部14として一体で形成している。
【0073】
また、個片化を行ったときにn側接続電極14aとp側接続電極金14bとが確実に実装面から露出するように、当該金属部14は発光装置100Eと発光装置100Fにも形成されている。
この当該金属部14は、個片化後、発光装置100Eでは金属部14cとなり、発光装置100Fでは金属部14dとなる。
【0074】
このように一体で金属部14を形成することで、個別にn側接続電極14aとp側接続電極14bを形成するよりも少ない面積(
図1の平面視において)でn側接続電極14aとp側接続電極14bとを形成できる。このような構造とすることで、発光面積が拡大するため、出力が向上する。また生産効率も高くなる。
さらに、このように一体で形成した金属部14を例えば個片化の際に切断してn側接続電極14aとp側接続電極14bに分割することで、n側接続電極14aとp側接続電極14bとは、それぞれ、実装面と隣接する別の側面から露出することになる(n側接続電極14aは
図1〜3のY−Z面に平行な2つの側面うち−X方向側の側面(第2の側面)から露出し、p側接続電極14bは
図1〜3のY−Z面に平行な2つの側面うちX方向側の側面(第3の側面)から露出する。)。
そして、発光装置100を実装基板に実装する際に、n側接続電極14aの第2の側面からの露出部とp側接続電極14bの第3の側面からの露出部にもはんだ付け等を行うことにより、発光装置100を実装基板の配線と、より確実に電気的に接続できる。
【0075】
・工程(g)
図6(g)、
図9(g)および
図12(g)に示すように、保護膜10の上面およびp側電極の上面に反射膜16を形成する。
反射膜16は例えば、スパッタリング等により形成できる。
【0076】
・工程(h)
図6(h)、
図9(h)および
図12(h)に示すように、金属ワイヤ18によりp側接続電極14bと反射膜16とを接続する。好ましくは、金属ワイヤ18の一端をp側接続電極14bの上面にワイヤボンディング(ワイヤボンディング部58bを形成)し、金属ワイヤ18の他端を反射膜16の上面にワイヤボンディング(ワイヤボンディング部58eを形成)して接続する。
なお、ワイヤボンディング58bを
図1および
図9(h)に示すように端部(
図1および
図9(h)のX方向の端部および−Y方向の端部)まで、より確実に形成するようにワイヤボンディング部58を隣接する他の発光装置100に至るまで形成し、個片化により個々の発光装置を得る際にワイヤボンディング部58bを得てよい。
すなわち、
図4に示した発光装置100Cを例に説明すると、発光装置100Cのワイヤボンディング部58bを形成するために、発光装置100Cに加えて、隣接する3つの発光装置100D、発光装置100Eおよび発光装置100Fに亘って1つのワイヤボンディング部58を形成する。その後の個片化工程において、発光装置100C、100D、100E、100Fが個片化されると、発光装置100Cにワイヤボンディング部58bが形成される。一方、発光装置100Dには、ボンディング部58aが形成され、発光装置100Eにはボンディング部58cが形成され、発光装置100Fにはボンディング部58dが形成される。
図4に示す実施形態では、ボンディング部58a、58c、58dには金属ワイヤはボンディングされない。しかし、このようなボンディング部58a、58c、58dを形成することで、隣接する他の発光装置に所望の形態のワイヤボンディング58bを得ることができる。
【0077】
・工程(i)
図7(i)、
図10(i)および
図13(i)に示すように、樹脂層20を形成する。
樹脂層20は、金型内に、その上に上記の工程(a)〜(h)を経て複数の発光装置100のための部材が配置されている基板2(
図4に示す状態)を配置して圧縮成形を行うことで形成することができる。
この状態で詳細を後述する個片化を行うと、底面が基板2である発光装置100を得ることができる。
また、個片化の前に以下の工程(j)、または工程(j)および工程(k)を行ってもよい。
【0078】
・工程(j)
図7(j)、
図10(j)および
図13(j)に示すように、基板2を除去する。
基板2は完全に除去されてよい。基板2の除去は、例えば、レーザーリフトオフ(LLO)法により行うことができる。
この状態で個片化を行って発光装置100を得てもよい。
【0079】
・工程(k)
図7(k)、
図10(k)および
図13(k)に示すように、蛍光体層22を設ける。
好ましくは、基板2を除去後、蛍光体層22を形成する前にn型半導体層4の下面を粗面化することが好ましい。粗面化は例えばウエットエッチングにより実施することができる。
蛍光体を含む樹脂を用いて圧縮成形を行うことにより、n型半導体層4の下面に蛍光体層23を形成することができる。
【0080】
このようにして、発光装置集合体200を形成後ダイスにより個片化(得られた複数の発光装置を1個ずつ分離すること)を行うことで発光装置100を得ることができる。