(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1透光性部材及び前記第2透光性部材が其々、母材と、前記母材中に含有された、前記第1発光素子及び前記第2発光素子の一次光を吸収して前記一次光の波長と異なる波長の二次光を発する波長変換物質と、を含み、
前記第3工程より前において、前記第1側面及び前記第2側面が其々、前記波長変換物質の存在により形成される凸部を有しており、
前記第3工程において、前記凸部を削ぐ、請求項1又は2に記載の発光装置の製造方法。
前記第1透光性部材及び前記第2透光性部材が其々、母材と、前記母材中に含有された、前記第1発光素子及び前記第2発光素子の一次光を吸収して前記一次光の波長と異なる波長の二次光を発する波長変換物質と、を含み、
前記波長変換物質が、第2蛍光体を含み、
前記第2蛍光体が、マンガン賦活フッ化物系蛍光体であって、
前記第3工程において、乾式の切削装置により前記第1側面及び/若しくは前記第2側面を削る、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の発光装置の製造方法。
前記第1発光素子、前記第2発光素子、前記第1透光性部材、及び前記第2透光性部材の其々の上面視形状が、第1方向に延びる2つの長尺側面と、前記第1方向に垂直な第2方向に延び前記長尺側面より短い2つの短尺側面と、を含む形状であり、
前記第1側面及び前記第2側面が前記長尺側面である、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の発光装置の製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、発明の実施の形態について適宜図面を参照して説明する。但し、以下に説明する発光装置及びその製造方法は、本発明の技術思想を具体化するためのものであって、特定的な記載がない限り、本発明を以下のものに限定しない。また、図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため、誇張していることがある。
【0010】
なお、可視波長域は波長が380nm以上780nm以下の範囲とし、青色域は波長が420nm以上480nm以下の範囲、緑色域は波長が500nm以上560nm以下の範囲、黄色域は波長が560nmより長く590nm以下の範囲、赤色域は波長が610nm以上750nm以下の範囲とする。
【0011】
<実施の形態1>
図1A及び
図1Bは其々、実施の形態1に係る発光装置100の概略斜視図及び概略断面図である。
図2は、実施の形態1に係る発光装置100の製造に使用する基板10の一例の概略上面図である。
図3A〜
図3Eは其々、実施の形態1に係る発光装置100の製造方法の第1工程〜第5工程を示す概略断面図である。
【0012】
なお、
図1A,1B中、発光装置100における、幅方向をX方向、厚さ方向をY方向、前後(奥行き)方向をZ方向として示す。このX、Y、Z方向(軸)は其々、他の2方向(軸)と垂直な方向(軸)である。より詳細には、右方向をX
+方向、左方向をX
−方向、上方向をY
+方向、下方向をY
−方向、前方向をZ
+方向、後ろ方向をZ
−方向としている。Y
−方向が当該発光装置100の実装方向である。Z
+方向が当該発光装置100の主発光方向である。また、
図2及び
図3A〜
図3E中のX、Y、Z方向は、
図1A,1B中のX、Y、Z方向に相当するが、
図2及び
図3A〜
図3E中ではX方向が横方向、Y方向が縦方向、Z方向が上下方向となる。以下、X方向を第1方向とし、Y方向を第2方向とする。
【0013】
(発光装置100)
図1A,1Bに示すように、実施の形態1に係る発光装置100は、小片基板101と、導電性接着部材20と、発光素子30と、導光部材40と、透光性部材50と、光反射性の被覆部材701と、を備えている。小片基板101は、配線111と、その配線111を保持する基体151と、を有している。発光素子30は、X方向に長くY方向に短い発光ダイオードチップである。発光素子30は、導電性接着部材20を介して、小片基板の配線111上にフリップチップ実装されている。透光性部材50は、母材55中に波長変換物質60を含有して成っている。透光性部材50は、X方向に長くY方向に短い直方体状の小片である。透光性部材50は、前面視において、発光素子30の全てを覆い隠す大きさである。透光性部材50は、導光部材40を介して発光素子30上に接着されている。被覆部材701は、母材75中に白色顔料77を含有して成っている。被覆部材701は、小片基板101上に形成され、発光素子30の側面、導光部材40の側面、及び透光性部材50の側面を被覆している。被覆部材701は、発光素子30及び透光性部材50の側方の全周を包囲している。透光性部材50の前面と被覆部材701の前面は、実質的に同一面を構成している。
【0014】
なお、配線111は、後述の配線11が個片化されたものである。基体151は、後述の基体15が個片化されたものである。被覆部材701は、後述の被覆部材70が個片化されたものである。発光素子30は、後述の第1発光素子31若しくは第2発光素子32を含むものである。透光性部材50は、後述の第1透光性部材51若しくは第2透光性部材52を含むものである。
【0015】
このような構成を有する発光装置100は、例えば、回路基板に配線111の正極/負極の外部接続端子部を半田付けされ、回路を通じて給電されることにより発光する。このとき、被覆部材701の高い光反射性によって、発光素子30及び透光性部材50から側方に出射される多くの光が前方へ偏向され、発光装置100の主たる発光領域は透光性部材50の前面になる。
【0016】
(発光装置100の製造方法)
図2に示すように、基板10は、複数の発光装置用の小片基板101が連結してなる集合基板である。基板10は、配線11と、その配線11を保持する基体15と、を有している。基体15には、上面から下面に貫通したY方向に長尺な貫通孔Sが複数本、X方向に等間隔に形成されている。基板10の上面において、2つの貫通孔Sに挟まれた領域、より詳細にはその中央部が、後述の第1発光素子31及び第2発光素子32を含む発光素子の実装領域となる。2つの貫通孔Sに挟まれた領域において、配線11は、正極/負極の素子接続端子部を基体15の上面の中央部に、正極/負極の外部接続端子部を基体15の上面の左/右端部から貫通孔Sの側面を経て下面の左/右端部にかけて、並びにこれら端子部間を接続するリード配線部を基体15の上面に、含んでいる。以上のように、基板10の2つの貫通孔Sに挟まれた領域は、複数の発光装置用の小片基板101がY方向に連結されて構成されている。そして、2つの貫通孔S間をX方向に切断することで、1つの発光装置の小片基板101が個片化される。
【0017】
図3A〜
図3Eに示すように、実施の形態1に係る発光装置100の製造方法は、以下の第1工程〜第5工程をこの工程番号順に備える。
【0018】
第1工程は、
図3Aに示すように、基板10上に第1発光素子31と第2発光素子32を互いに離間させてフリップチップ実装する工程である。すなわち、第1発光素子31と第2発光素子32の正極/負極の電極を其々、導電性接着部材20を介して、配線11の正極/負極の素子接続端子部に接続する。このとき、第1発光素子31と第2発光素子32は、上面視矩形状である場合、互いに対向する2側面がX方向に、他の互いに対向する2側面がY方向に、其々大略平行になるように実装されることが好ましい。より具体的には、例えば、ペースト状態の導電性接着部材(20)を正極/負極の素子接続端子部に塗布し、その上に第1発光素子31及び第2発光素子32を載置して、導電性接着部材(20)をリフロー炉などでの加熱処理により溶融させた後、冷却して固化させる。なお、本明細書及び図面中の括弧付きの符号は、その構成要素が最終形態に至る前の状態にあることを意味する。
【0019】
第2工程は、
図3Bに示すように、第1工程の後、第1側面51Lを有する第1透光性部材51を第1発光素子31上に接着し、第2側面52Lを有する第2透光性部材52を第2側面52Lが第1側面51Lと離間し且つ向かい合うように第2発光素子32上に接着する工程である。このとき、第1発光素子31、第2発光素子32、第1透光性部材51、及び第2透光性部材52が上面視矩形状である場合、第1透光性部材51及び第2透光性部材52は、その各側面が第1発光素子31及び第2発光素子32の各側面と其々大略平行になるように接着されることが好ましい。より具体的には、例えば、基板10上に実装された第1発光素子31及び第2発光素子32上に液状の導光部材(40)を塗布して、その上に第1透光性部材51及び第2透光性部材52を載置して、導光部材(40)をオーブンなどでの加熱処理により硬化させる。なお、本明細書における「液状」は、ゾル状、スラリー状を含むものとする。
【0020】
なお、第1透光性部材51及び第2透光性部材52は、例えばシートを小片に切断すなわち個片化することで作製される。このシートの切断には、シートの切断幅を小さくしやすい観点から、非回転刃を用いるのが好ましい。非回転刃としては、例えば引き切り型又は押し切り型のカッターが挙げられる。また、第1側面51L及び第2側面52Lを比較的平坦にするため、非回転刃に超音波を印加することが好ましい。また、後述と同様の理由から、このシートの切断も、乾式の切断装置にて行うことが好ましい。
【0021】
第3工程は、
図3Cに示すように、第2工程の後、第1透光性部材の第1側面51L及び/若しくは第2透光性部材の第2側面52Lを削って第1´側面51LS及び/若しくは第2´側面52LSを露出させる工程である。より具体的には、例えば、円盤状の回転刃である切削工具90を、盤面をX方向に平行に向けて、Y方向の所定位置すなわち切削工具90の刃が第1側面51Lと第2側面52Lの少なくとも一方に接触する位置に設定し、基板10上において、基板10上面から離間させて、X方向に走査する。なお、第1´側面51LSは、第1透光性部材の第1側面51Lを削った後に第1側面51Lに代わって存在する側面である。また、第2´側面52LSは、第2透光性部材の第2側面52Lを削った後に第2側面52Lに代わって存在する側面である。
【0022】
第4工程は、
図3Dに示すように、第3工程の後、第1側面51L若しくは第1´側面51LS、並びに第2側面52L若しくは第2´側面52LSを被覆する光反射性の被覆部材70を基板10上に形成する工程である。より具体的には、例えば、基板10上における第1発光素子31、第2発光素子32、第1透光性部材51、及び第2透光性部材52の周囲に、液状の被覆部材70を充填して、被覆部材70をオーブンなどでの加熱処理により硬化させる。このとき、例えば、第1透光性部材51及び第2透光性部材52が被覆部材70内に完全に埋め込まれるように被覆部材70を形成した後、研削若しくはブラストなどによって第1透光性部材51の上面及び第2透光性部材52の上面を被覆部材70から露出させる。このほか、第1透光性部材51の上面及び第2透光性部材52の上面が露出するように、第1透光性部材51の上面及び第2透光性部材52の上面を金型などで押さえながら、液状の被覆部材70を充填及び硬化させてもよい。
【0023】
第5工程は、
図3Eに示すように、第4工程の後、第1側面51L若しくは第1´側面51LSと、第2側面52L若しくは第2´側面52LSと、の間において、基板10及び被覆部材70を切断する工程である。より具体的には、例えば、円盤状の回転刃である切削工具92を、盤面をX方向に平行に向けて、Y方向においては第1側面51L若しくは第1´側面51LSと、第2側面52L若しくは第2´側面52LSと、の間の中央に設定し、X方向に走査することで、基板10及び被覆部材70を切断する。なお、このとき、第1側面51L若しくは第1´側面51LSを被覆する被覆部材70、並びに第2側面52L若しくは第2´側面52LSを被覆する被覆部材70の少なくとも一方、好ましくはその両方が残存するように、基板10及び被覆部材70を切断する。また、この第5工程では、被覆部材70の十分な肉厚を確保しやすくする観点から、第4工程完了時における、第1側面51L若しくは第1´側面51LSと、第2側面52L若しくは第2´側面52LSと、の間隔より小さい厚さの切削工具92を用いることが好ましい。
【0024】
以上、実施の形態1に係る発光装置100の製造方法では、第2工程において、予め分離した第1透光性部材51と第2透光性部材52を互いに離間させて第1発光素子31と第2発光素子32上に其々接着するので、第1透光性部材51と第2透光性部材52を離間させるための切削を必要としない。このため、第1透光性部材51及び第2透光性部材52の切削量を抑えることができる。また、もし仮に、第2工程完了後の第1側面51Lと第2側面52Lの間隔が不十分であったとしても、第3工程において第1側面51L及び/又は第2側面52Lを削ることによって、その間隔を補正することができる。これにより、第1側面51L若しくは第1´側面51LSと、第2側面52L若しくは第2´側面52LSと、の間に充填される被覆部材70の肉厚を高精度に管理することができる。したがって、実施の形態1に係る発光装置100の製造方法によれば、第1透光性部材51及び第2透光性部材52の切削量を抑えながら、第1透光性部材51の側面及び第2透光性部材52の側面を被覆する被覆部材70に十分な肉厚を持たせることができる。
【0025】
なお、第1発光素子31及び第2発光素子32のフリップチップ実装、言い換えれば導電性接着部材20の焼成は、比較的高温、例えば発光装置100の回路基板などへの半田付け時より高温で行われることが多い。このため、第1透光性部材51及び第2透光性部材52の第1発光素子31及び第2発光素子32への接着を、第1発光素子31及び第2発光素子32のフリップチップ実装より後に行うことで、第1透光性部材51及び第2透光性部材52の熱による劣化を抑えることができる。特に、第1透光性部材51及び第2透光性部材52が波長変換物質60を含有する場合には、波長変換物質60の熱による劣化を抑えることができる。耐熱性の比較的低い波長変換物質60としては、例えばマンガン賦活フッ化物系蛍光体が挙げられる。しかしながら、基板10に固着された第1発光素子31及び第2発光素子32上に、予め分離した第1透光性部材51及び第2透光性部材52を其々接着する場合、接着技術だけで第1側面51Lと第2側面52Lの間隔を高精度に制御することが難しくなる。本実施形態の第3工程は、このような課題を解決するものでもある。
【0026】
以下、実施の形態1に係る発光装置100の製造方法における好ましい形態について詳述する。
【0027】
図3Cに示すように、第3工程において、第2工程完了時における第1側面51Lと第2側面52Lの間隔より大きい厚さの切削工具90を用いることが好ましい。これにより、第1側面51Lと第2側面52Lを1つの切削工具90により同時に削ることができる。したがって、第1´側面51LSと第2´側面52LSとの間隔を管理しやすく、ひいてはその間に充填される被覆部材70の肉厚を管理しやすい。また、少ない工数で第1側面51Lと第2側面52Lを削ることができる。
【0028】
図1B及び
図3Bに示すように、第1透光性部材51及び第2透光性部材52は其々、母材55と、母材55中に含有された波長変換物質60と、を含んでいる。波長変換物質60は、第1発光素子31及び第2発光素子32の一次光を吸収して、その一次光の波長と異なる波長の二次光を発する。そして、第3工程より前において、第1側面51L及び第2側面52Lは其々、波長変換物質60の存在により形成される凸部を有している。このような場合には、第3工程において、その凸部を削ぐことが好ましい。第1側面51L及び第2側面52Lにある凸部は、光反射性の被覆部材70により直接被覆されることで、光の閉じ込め領域を形成し、それにより光損失を生じやすくなる。このため、第3工程において、この凸部を削いで第1´側面51LS及び/若しくは第2´側面52LSを平らに均しておくと良い。
【0029】
図1B及び
図3Bに示すように、波長変換物質60は、第1蛍光体61を含んでいる。また、第1透光性部材51及び第2透光性部材52の母材55は、シリコーン樹脂又は変性シリコーン樹脂である。そして、第1蛍光体61は、サイアロン(Si−Al−O−N)系蛍光体であることが好ましい。サイアロン系蛍光体は比較的硬質の粒子であり、シリコーン樹脂又は変性シリコーン樹脂は比較的軟質の樹脂である。このため、第1透光性部材51及び第2透光性部材52の形成時、例えばシートからの個片化時において、サイアロン系蛍光体はシリコーン樹脂又は変性シリコーン樹脂の切断端面より外側にはみ出して残りやすく、第1側面51L及び第2側面52Lに凸部を形成しやすい。よって、第3工程において、その凸部を削いで第1´側面51LS及び/若しくは第2´側面52LSを平らに均す技術的意義が高くなる。
【0030】
図1B及び
図3Bに示すように、波長変換物質60は、第2蛍光体62を含んでいる。そして、第2蛍光体62は、マンガン賦活フッ化物系蛍光体である。このような場合には、第3工程において、乾式の切削装置により第1側面51L及び第2側面52Lを削ることが好ましい。マンガン賦活フッ化物系蛍光体は、スペクトル線幅の比較的狭い発光が得られ色再現性の観点において好ましい反面、水分により劣化しやすい性質を有している。このため、乾式の切削装置により第1側面51L及び第2側面52Lを削ることで、切削水及び/若しくは冷却水などの水分によるマンガン賦活フッ化物系蛍光体の劣化を抑制乃至回避することができる。
【0031】
図1A、
図1B、及び
図3A〜
図3Eに示すように、第1発光素子31、第2発光素子32、第1透光性部材51、及び第2透光性部材52の其々の上面視(前面視)形状は、第1方向に延びる2つの長尺側面と、第1方向に垂直な第2方向に延び長尺側面より短い2つの短尺側面と、を含む形状である。このような場合、第1側面51L及び第2側面52Lは、第1方向に延びる長尺側面であることが好ましい。これは、第1透光性部材51及び第2透光性部材52の長尺側面を被覆する被覆部材70の肉厚を管理することが、光取り出し効率の観点において技術的意義が大きいからである。
【0032】
被覆部材70の好ましい肉厚を得るために、第1´側面51LSと第2´側面52LSとの間隔は、以下のような範囲とするのが良い。下限値としては、側方への漏光を抑えて装置前方に光を効率良く取り出す観点において、0.05mm以上であることが好ましく、0.07mm以上であることがより好ましい。また、上限値としては、発光装置を薄型又は小型に形成する観点において、0.4mm以下であることが好ましく、0.32mm以下であることがより好ましい。
【0033】
以下、本発明の一実施の形態に係る発光装置の各構成要素について説明する。
【0034】
(発光装置100)
発光装置は、例えば、発光ダイオード(LED;Light Emitting Diode)である。上記実施の形態1の発光装置は、側面発光型(「サイドビュー型」とも呼ばれる)であるが、上面発光型(「トップビュー型」とも呼ばれる)にすることも可能である。側面発光型の発光装置は、実装方向と主発光方向が互いに垂直である。上面発光型の発光装置は、実装方向と主発光方向が互いに平行である。発光装置の前面視形状すなわち主発光方向から見た形状は、適宜選択できるが、矩形状が量産性において好ましい。特に、発光装置が側面発光型である場合の前面視形状は、長手方向と短手方向を有する長方形状が好ましい。一方、発光装置が上面発光型である場合の前面視形状は、正方形状が好ましい。また、第1発光素子及び第2発光素子も発光装置と同様の前面視形状とするのが良い。
【0035】
(基板10,小片基板101)
基板は、少なくとも、配線と、その配線を保持する基体と、により構成される。このほか、基板は、ソルダーレジスト又はカバーレイなどの絶縁保護膜を含んでいてもよい。小片基板も同様である。
【0036】
(配線11,111)
配線は、基体の少なくとも上面(前面)に形成され、基体の内部及び/若しくは側面及び/若しくは下面(後面)にも形成されていてもよい。また、配線は、発光素子が実装される素子接続端子部、外部回路と接続される外部接続端子部、及びこれら端子部間を接続するリード配線部などを有することが好ましい。配線は、銅、鉄、ニッケル、タングステン、クロム、アルミニウム、銀、金、チタン、パラジウム、ロジウム、又はこれらの合金で形成することができる。これらの金属又は合金の単層でも多層でもよい。特に、放熱性の観点においては銅又は銅合金が好ましい。また、配線の表層には、接合部材の濡れ性及び/若しくは光反射性などの観点から、銀、白金、アルミニウム、ロジウム、金若しくはこれらの合金などの層が設けられていてもよい。
【0037】
(基体15,151)
基体は、リジッド基板であれば、樹脂若しくは繊維強化樹脂、セラミックス、ガラス、金属、紙などを用いて構成することができる。樹脂若しくは繊維強化樹脂としては、エポキシ、ガラスエポキシ、ビスマレイミドトリアジン(BT)、ポリイミドなどが挙げられる。セラミックスとしては、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化ジルコニウム、窒化ジルコニウム、酸化チタン、窒化チタン、若しくはこれらの混合物などが挙げられる。金属としては、銅、鉄、ニッケル、クロム、アルミニウム、銀、金、チタン、若しくはこれらの合金などが挙げられる。基体は、可撓性基板であれば、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、液晶ポリマー、シクロオレフィンポリマーなどを用いて構成することができる。なお、これらの基材のうち、特に発光素子の線膨張係数に近い物性を有する基材を使用することが好ましい。
【0038】
(導電性接着部材20)
導電性接着部材としては、金、銀、銅などのバンプ、銀、金、銅、プラチナ、アルミニウム、パラジウムなどの金属粉末と樹脂バインダを含む金属ペースト、錫−ビスマス系、錫−銅系、錫−銀系、金−錫系などの半田、低融点金属などのろう材のうちのいずれか1つを用いることができる。
【0039】
(発光素子30、第1発光素子31、第2発光素子32)
発光素子は、少なくとも半導体素子構造を備え、多くの場合に基板をさらに備える。発光素子としては、例えばLEDチップが挙げられる。発光素子の前面視形状は、矩形、特に正方形状又は一方向に長い長方形状であることが好ましいが、その他の形状であってもよく、例えば六角形状であれば発光効率を高めることもできる。発光素子若しくはその基板の側面は、上面に対して、垂直であってもよいし、内側又は外側に傾斜していてもよい。発光素子は、同一面側に正負(p,n)電極を有することが好ましい。1つの発光装置に搭載される発光素子の個数は1つでも複数でもよい。複数の発光素子は、直列又は並列に接続することができる。半導体素子構造は、半導体層の積層体、即ち少なくともn型半導体層とp型半導体層を含み、また活性層をその間に介することが好ましい。半導体素子構造は、正負電極及び/若しくは絶縁膜を含んでもよい。正負電極は、金、銀、錫、白金、ロジウム、チタン、アルミニウム、タングステン、パラジウム、ニッケル又はこれらの合金で構成することができる。絶縁膜は、珪素、チタン、ジルコニウム、ニオブ、タンタル、アルミニウムからなる群より選択される少なくとも一種の元素の酸化物又は窒化物で構成することができる。発光素子の発光ピーク波長は、半導体材料やその混晶比によって、紫外域から赤外域まで選択することができる。半導体材料としては、波長変換物質を効率良く励起できる短波長の光を発光可能な材料である、窒化物半導体を用いることが好ましい。窒化物半導体は、主として一般式In
xAl
yGa
1−x−yN(0≦x、0≦y、x+y≦1)で表される。発光素子の発光ピーク波長は、発光効率、並びに波長変換物質の励起及びその発光との混色関係等の観点から、400nm以上530nm以下が好ましく、420nm以上490nm以下がより好ましく、450nm以上475nm以下がよりいっそう好ましい。このほか、InAlGaAs系半導体、InAlGaP系半導体、硫化亜鉛、セレン化亜鉛、炭化珪素などを用いることもできる。発光素子の基板は、主として半導体素子構造を構成する半導体の結晶を成長可能な結晶成長用基板であるが、結晶成長用基板から分離した半導体素子構造に接合させる接合用基板であってもよい。基板が透光性を有することで、フリップチップ実装を採用しやすく、また光の取り出し効率を高めやすい。基板の母材としては、サファイア、スピネル、窒化ガリウム、窒化アルミニウム、シリコン、炭化珪素、ガリウム砒素、ガリウム燐、インジウム燐、硫化亜鉛、酸化亜鉛、セレン化亜鉛、ダイヤモンドなどが挙げられる。なかでも、サファイアが好ましい。基板の厚さは、例えば0.02mm以上1mm以下であり、基板の強度や発光装置の厚さの観点において、0.05mm以上0.3mm以下であることが好ましい。
【0040】
(導光部材40)
導光部材は、発光素子と透光性部材を接着し、発光素子からの光を透光性部材に導光する部材である。導光部材の母材は、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、又はこれらの変性樹脂が挙げられる。なかでも、シリコーン樹脂及び変性シリコーン樹脂は、耐熱性及び耐光性に優れ、好ましい。具体的なシリコーン樹脂としては、ジメチルシリコーン樹脂、フェニル−メチルシリコーン樹脂、ジフェニルシリコーン樹脂が挙げられる。また、導光部材の母材は、後述の透光性部材の母材と同様のフィラーを含有してもよい。なお、以下、本明細書における「変性樹脂」は、ハイブリッド樹脂を含むものとする。
【0041】
(透光性部材50、第1透光性部材51、第2透光性部材52)
透光性部材は、発光素子上に設けられ、発光素子から出射される光を装置外部に透過させる部材である。透光性部材は、少なくとも以下のような母材により構成される。また、透光性部材は、以下のような波長変換物質を母材中に含有することで、波長変換部材として機能させることができる。但し、波長変換物質の含有は必須ではない。また、透光性部材は、波長変換物質と例えばアルミナなどの無機物との焼結体、又は波長変換物質の板状結晶などを用いることもできる。
【0042】
(透光性部材の母材55)
透光性部材の母材は、発光素子から出射される光に対して透光性を有するものであればよい。なお、「透光性」とは、発光素子の発光ピーク波長における光透過率が、好ましくは60%以上であること、より好ましくは70%以上であること、よりいっそう好ましくは80%以上であることを言う。透光性部材の母材は、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、又はこれらの変性樹脂を用いることができる。ガラスでもよい。なかでも、シリコーン樹脂及び変性シリコーン樹脂は、耐熱性及び耐光性に優れ、好ましい。具体的なシリコーン樹脂としては、ジメチルシリコーン樹脂、フェニル−メチルシリコーン樹脂、ジフェニルシリコーン樹脂が挙げられる。透光性部材は、これらの母材のうちの1種を単層で、若しくはこれらの母材のうちの2種以上を積層して構成することができる。
【0043】
透光性部材の母材は、上記樹脂若しくはガラス中に各種のフィラーを含有してもよい。このフィラーとしては、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛などが挙げられる。フィラーは、これらのうちの1種を単独で、又はこれらのうちの2種以上を組み合わせて用いることができる。特に、熱膨張係数の小さい酸化珪素が好ましい。また、フィラーとして、ナノ粒子を用いることで、発光素子の青色光のレイリー散乱を含む散乱を増大させ、波長変換物質の使用量を低減することもできる。なお、ナノ粒子とは、粒径が1nm以上100nm以下の粒子とする。また、本明細書における「粒径」は、例えば、D
50で定義される。
【0044】
(波長変換物質60)
波長変換物質は、発光素子が発する一次光の少なくとも一部を吸収して、一次光とは異なる波長の二次光を発する。これにより、可視波長の一次光及び二次光の混色光、例えば白色光を発する発光装置とすることができる。波長変換物質は、以下に示す具体例のうちの1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0045】
(第1蛍光体61、第2蛍光体62)
第1蛍光体及び第2蛍光体は、以下のような具体例の中から適宜選択することができる。例えば、第1蛍光体は緑色乃至黄色発光する蛍光体とし、第2蛍光体は赤色発光する蛍光体とすることができる。緑色発光する蛍光体としては、イットリウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(例えばY
3(Al,Ga)
5O
12:Ce)、ルテチウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(例えばLu
3(Al,Ga)
5O
12:Ce)、テルビウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(例えばTb
3(Al,Ga)
5O
12:Ce)系蛍光体、シリケート系蛍光体(例えば(Ba,Sr)
2SiO
4:Eu)、クロロシリケート系蛍光体(例えばCa
8Mg(SiO
4)
4Cl
2:Eu)、βサイアロン系蛍光体(例えばSi
6−zAl
zO
zN
8−z:Eu(0<z<4.2))、SGS系蛍光体(例えばSrGa
2S
4:Eu)などが挙げられる。黄色発光の蛍光体としては、αサイアロン系蛍光体(例えばM
z(Si,Al)
12(O,N)
16(但し、0<z≦2であり、MはLi、Mg、Ca、Y、及びLaとCeを除くランタニド元素)などが挙げられる。このほか、上記緑色発光する蛍光体の中には黄色発光する蛍光体もある。また例えば、イットリウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体は、Yの一部をGdで置換することで発光ピーク波長を長波長側にシフトさせることができ、黄色発光が可能である。また、これらの中には、橙色発光が可能な蛍光体もある。赤色発光する蛍光体としては、窒素含有アルミノ珪酸カルシウム(CASN又はSCASN)系蛍光体(例えば(Sr,Ca)AlSiN
3:Eu)などが挙げられる。このほか、マンガン賦活フッ化物系蛍光体(一般式(I)A
2[M
1−aMn
aF
6]で表される蛍光体である(但し、上記一般式(I)中、Aは、K、Li、Na、Rb、Cs及びNH
4からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、Mは、第4族元素及び第14族元素からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素であり、aは0<a<0.2を満たす))が挙げられる。このマンガン賦活フッ化物系蛍光体の代表例としては、マンガン賦活フッ化珪酸カリウムの蛍光体(例えばK
2SiF
6:Mn)がある。
【0046】
(光反射性の被覆部材70,701)
光反射性の被覆部材は、前方への光取り出し効率の観点から、発光素子の発光ピーク波長における光反射率が、70%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましく、90%以上であることがよりいっそう好ましい。さらに、被覆部材は、白色であることが好ましい。よって、被覆部材は、母材中に白色顔料を含有してなることが好ましい。被覆部材は、硬化前には液状の状態を経る。被覆部材は、トランスファ成形、射出成形、圧縮成形、ポッティングなどにより形成することができる。
【0047】
(被覆部材の母材75)
被覆部材の母材は、樹脂を用いることができ、例えばシリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、又はこれらの変性樹脂が挙げられる。なかでも、シリコーン樹脂及び変性シリコーン樹脂は、耐熱性及び耐光性に優れ、好ましい。具体的なシリコーン樹脂としては、ジメチルシリコーン樹脂、フェニル−メチルシリコーン樹脂、ジフェニルシリコーン樹脂が挙げられる。また、被覆部材の母材は、上記の透光性部材の母材と同様のフィラーを含有してもよい。
【0048】
(白色顔料77)
白色顔料は、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、チタン酸バリウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウムのうちの1種を単独で、又はこれらのうちの2種以上を組み合わせて用いることができる。白色顔料の形状は、特に限定されず、不定形若しくは破砕状でもよいが、流動性の観点では球状が好ましい。また、白色顔料の粒径は、例えば0.1μm以上0.5μm以下程度が挙げられるが、光反射や被覆の効果を高めるためには小さい程好ましい。光反射性の被覆部材中の白色顔料の含有量は、適宜選択できるが、光反射性及び液状時における粘度などの観点から、例えば10wt%以上80wt%以下が好ましく、20wt%以上70wt%以下がより好ましく、30wt%以上60wt%以下がよりいっそう好ましい。なお、「wt%」は、重量パーセントであり、光反射性の被覆部材の全重量に対する当該材料の重量の比率を表す。
【実施例】
【0049】
以下、本発明に係る実施例について詳述する。なお、本発明は以下に示す実施例のみに限定されないことは言うまでもない。
【0050】
<実施例1>
実施例1の発光装置は、
図1A,1Bに示す発光装置100の構造を有する、幅(横)1.8mm、厚さ(縦)0.32mm、奥行き0.70mmの側面発光型のLEDである。
【0051】
小片基板101の大きさは、幅(横)1.8mm、厚さ(縦)0.32mm、奥行き0.36mmである。基体151は、BT樹脂製(例えば三菱瓦斯化学社製:HL832NSF typeLCA)の直方体状の小片である。正負一対の配線111は、基体151側から銅/ニッケル/金が積層されて成っている。正/負一対の配線111は其々、基体151の前面の横方向の中央側に形成された素子接続端子部と、リード配線部と、後述の被覆部材701から左/右に露出され、基体151の前面の左/右端部から側面を経て後面の左/右端部にかけて形成された外部接続端子部と、を含んでいる。なお、素子接続端子部は、銅層が奥行き0.04mmの突起を含んでいる。
【0052】
正負一対の配線111の素子接続端子部上には、1つの発光素子30が導電性接着部材20を介してフリップチップ実装されている。発光素子30は、サファイア基板上に窒化物半導体のn型層、活性層、p型層が順次積層された、青色(発光ピーク波長452nm)発光可能な、幅(横)1.1mm、厚さ(縦)0.2mm、奥行き0.12mmの直方体状のLEDチップである。導電性接着部材20は、奥行き0.015mmの金−錫系半田(Au:Sn=79:21)である。
【0053】
発光素子30上には、透光性部材50が導光部材40を介して接着されている。透光性部材50は、フィラーとして酸化珪素のナノ粒子を含有するフェニル−メチルシリコーン樹脂である母材55中に、波長変換物質60としてユーロピウム賦活βサイアロンの第1蛍光体61及びマンガン賦活フッ化珪酸カリウムの第2蛍光体62と、を含有する、幅(横)1.21mm、厚さ(縦)0.24mm、奥行き0.16mmの直方体状の小片である。透光性部材50は、発光素子30側から、母材55と第1蛍光体61からなる層、母材55と第2蛍光体62からなる層、母材55からなる層、が積層されて成っている。導光部材40は、奥行き0.005mmのジメチルシリコーン樹脂の硬化物である。
【0054】
小片基板101の前面上には、発光素子30及び透光性部材50の側方の全周を包囲するように、光反射性の被覆部材701が形成されている。被覆部材701は、幅(横)1.35mm、厚さ(縦)0.32mmであって、フェニル−メチルシリコーン樹脂の硬化物である母材75中に、白色顔料77として酸化チタンを60wt%含有して成っている。被覆部材701は、発光素子30の側面、導光部材40の側面、及び透光性部材50の側面を直接被覆している。被覆部材701の前面は、透光性部材50の前面と実質的に同一面を構成している。
【0055】
このような実施例1の発光装置は、以下のように作製される。なお、本実施例1では、
図2に示す構造の基板10を用いる。
【0056】
(第1工程)
基板10上に、第1発光素子31と第2発光素子32を含む複数個の発光素子を、縦方向すなわちY方向に互いに離間させて並べて、其々フリップチップ実装する。より具体的には、基板10の配線11の各素子接続端子部上に導電性接着部材20となる金−錫系半田のペーストを塗布し、その上に各発光素子を載置した後、リフロー(最高到達温度320℃)により、金−錫系半田を溶融、固化させればよい。このとき、各発光素子は、横方向すなわちX方向に長尺であるように、すなわち互いに長尺側面を向かい合わせて並べられる。第1発光素子31と第2発光素子32の間隔(中心間距離)は、0.37mmである。
【0057】
(第2工程)
次に、各発光素子上に透光性部材を導光部材を介して接着することにより、複数の発光構造体を形成する。すなわち、少なくとも、第1発光素子31上に第1透光性部材51を導光部材40を介して接着し、第2発光素子32上に第2透光性部材52を導光部材40を介して接着する。このとき、第1透光性部材51の長尺側面の1つである第1側面51Lと、第2透光性部材52の長尺側面の1つである第2側面51Lと、を互いに離間させ且つ向かい合わせる。より具体的には、第1発光素子31、第2発光素子32上に導光部材40となる液状樹脂を其々塗布し、その上に第1透光性部材51、第2透光性部材52を其々載置した後、オーブンで加熱して樹脂を硬化させればよい。ここで、第1側面51Lと第2側面52Lの間隔は、0.08〜0.09mmである。なお、各透光性部材は、母材55と第1蛍光体61からなる第1シート、母材55と第2蛍光体61からなる第2シート、及び母材55からなる第3シートをこの順に熱圧着により貼り合わせたシートを、超音波カッターを切断刃として具備する乾式の切断装置を用いて、小片に切断して作製する。なお、このとき、第1側面51L及び第2側面52Lは、主としてβサイアロンの第1蛍光体61の存在により形成される凸部を有している。
【0058】
(第3工程)
次に、各発光構造体における透光性部材の長尺側面を削る。すなわち、少なくとも、第1透光性部材の第1側面51L及び/若しくは第2透光性部材の第2側面52Lを削って第1´側面51LS及び/若しくは第2´側面52LSを露出させる。より具体的には、乾式の切削装置に具備される厚さ0.13mmのダイシングブレードである切削工具90を、ブレードの盤面をX方向に平行に向けて、Y方向においては切削工具90の刃が第1側面51Lと第2側面52Lの少なくとも一方に接触する位置に設定し、基板10上においてX方向に走査すればよい。これにより、第1´側面51LS及び第2´側面52LSは、凸部を削がれて均される。なお、この後、各発光構造体における透光性部材の短尺側面も同様に削ってもよい。
【0059】
(第4工程)
次に、各発光構造体の側面を被覆する光反射性の被覆部材70を基板10上に形成する。より具体的には、トランスファ成形機を用いて、Y方向に並ぶ複数の発光構造体を1つの直方体状ブロックの被覆部材70で完全に埋め込むように、基板10上に被覆部材70を成形する。そして、研削装置を用いて、その被覆部材70を上方から研削して、各透光性部材の上面を露出させればよい。
【0060】
(第5工程)
最後に、各発光構造体間の基板10と被覆部材70を切断して発光装置100を個片化する。より具体的には、厚さ0.05mmのダイシングブレードである切削工具92を、ブレードの盤面をX方向に平行に向け、Y方向においては第1側面51L若しくは第1´側面51LSと、第2側面52L若しくは第2´側面52LSと、の間の中央に設定し、X方向に走査することにより、基板10及び被覆部材70を切断すればよい。