特許第6307481号(P6307481)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6307481圧力スイング吸着式ガス分離装置の吸着塔
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6307481
(24)【登録日】2018年3月16日
(45)【発行日】2018年4月4日
(54)【発明の名称】圧力スイング吸着式ガス分離装置の吸着塔
(51)【国際特許分類】
   B01D 53/047 20060101AFI20180326BHJP
【FI】
   B01D53/047
【請求項の数】5
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2015-157943(P2015-157943)
(22)【出願日】2015年8月10日
(65)【公開番号】特開2016-43352(P2016-43352A)
(43)【公開日】2016年4月4日
【審査請求日】2017年3月27日
(31)【優先権主張番号】特願2014-169875(P2014-169875)
(32)【優先日】2014年8月22日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000001258
【氏名又は名称】JFEスチール株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000195661
【氏名又は名称】住友精化株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083253
【弁理士】
【氏名又は名称】苫米地 正敏
(72)【発明者】
【氏名】茂木 康弘
(72)【発明者】
【氏名】齋間 等
(72)【発明者】
【氏名】三宅 正訓
(72)【発明者】
【氏名】高田 吉則
【審査官】 神田 和輝
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−148259(JP,A)
【文献】 特開昭63−294922(JP,A)
【文献】 国際公開第00/059610(WO,A1)
【文献】 中国特許出願公開第101310828(CN,A)
【文献】 特開平05−329319(JP,A)
【文献】 特開平05−317632(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 53/047−53/053
DWPI(Derwent Innovation)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に吸着剤が充填される吸着塔において、
吸着塔内部のガス流れ方向における1ヶ所以上に、ガス流れ方向に直交する方向での塔内部空間断面積が狭まるような構造部(x)を設けた吸着塔であって、
構造部(x)が、吸着塔内部のガス流れ方向に対して略直交するように設置された棒状構造部であり、該棒状構造部は、吸着塔内部を径方向に横断して設置されることを特徴とする圧力スイング吸着式ガス分離装置の吸着塔。
【請求項2】
内部に吸着剤が充填される吸着塔において、
吸着塔内部のガス流れ方向における1ヶ所以上に、ガス流れ方向に直交する方向での塔内部空間断面積が狭まるような構造部(x)を設けた吸着塔であって、
構造部(x)が、吸着塔内部のガス流れ方向に対して略直交するように設置された棒状構造部であり、該棒状構造部は、吸着塔内面に突設された棒状部材(但し、他の部材を支持する棒状部材を除く。)で構成されるとともに、その場所における設置可能長さの少なくとも半分の長さを有し、
吸着剤が充填される空間をガス流れ方向で仮想的に3つ以上に等分割した場合、この等分割された各空間内に構造部(x)が位置することを特徴とする圧力スイング吸着式ガス分離装置の吸着塔。
【請求項3】
吸着剤が充填される空間をガス流れ方向で仮想的に3つ以上に等分割した場合、この等分割された各空間内に構造部(x)が位置することを特徴とする請求項1に記載の圧力スイング吸着式ガス分離装置の吸着塔。
【請求項4】
吸着剤が充填される空間をガス流れ方向に直交する方向で仮想的に4つ以上に等分割した場合、この等分割された各空間内に構造部(x)が位置することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の圧力スイング吸着式ガス分離装置の吸着塔。
【請求項5】
棒状構造部は、断面円形または楕円形の棒状部材で構成されることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の圧力スイング吸着式ガス分離装置の吸着塔。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧力スイング吸着法(PSA法)によるガス分離装置が備える吸着塔の構造に関する。
【背景技術】
【0002】
混合ガスから目的ガスを濃縮分離するための方法として、圧力スイング吸着法(PSA法)が知られている。この手法では、目的ガスを選択的に吸着する吸着剤が充填された複数の吸着塔が使用される。
PSA法を利用した従来の目的ガス分離方法においては、吸着塔にて、例えば、吸着工程、洗浄工程および脱着工程が実行される。吸着工程では、目的ガスを含む混合ガス(原料ガス)を吸着塔に導入して混合ガス中の目的ガスを吸着剤に吸着させつつ、当該吸着塔から非吸着ガスを導出する。洗浄工程では、吸着塔に対し、目的ガス純度の高いガスを洗浄ガスとして通流させて当該吸着塔から洗浄オフガスを導出する。脱着工程では、吸着塔内を所定圧力まで減圧することによって目的ガスを吸着剤から脱着させ、この目的ガスを主に含む脱着ガスを塔外へ導出する。この脱着工程にて吸着塔から導出された脱着ガスが、純度の高められた目的ガスとして取得される。なお、脱着工程における吸着塔内の減圧操作は、例えば真空ポンプなどの減圧手段によって行う。PSA法を利用した目的ガスの分離では、上記した吸着工程、洗浄工程および脱着工程を含むサイクルが吸着塔の各々で繰り返し行われる。
【0003】
このようなPSA法で用いられる吸着塔には、吸着剤が所定の充填密度で充填され、吸着塔上部にガス流通可能なスクリーン等を設置して、必要であればその上部にセラミックボールなどの重しを充填しているが、各工程への移行時に、塔内外の圧力差によって急激なガスの出入りが生じるため、吸着剤が次第に圧密されて隙間ができてしまい、流動化して粉化、劣化する問題があった。
このような粉化を防ぐために、例えば、吸着剤そのものの耐摩耗性を向上させること(特許文献1)、上下動可能な押さえ板を設置する方法(特許文献2)、急激な圧変化が起きないように均圧化工程を取り入れる方法(特許文献3)などが検討されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−119851号公報
【特許文献2】特開2008−662号公報
【特許文献3】特開2011−201969号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の技術については、吸着剤はその種類によっては耐摩耗性が向上できないケースもあり、また吸着剤価格も高いものになってしまう。また、特許文献2のように上下動可能な押さえ板を設置する方法では、押さえ板の最適なポジションを決定することが難しく、また構造も複雑となる。さらに、特許文献3のように均圧工程を取り入れる方法では、その工程時間の分だけ全工程の効率が低下することになり、また、その分システムが複雑にならざるを得ない。
【0006】
したがって本発明の目的は、以上のような従来技術の課題を解決し、塔内に充填された吸着剤の流動化による粉化を抑えることができる吸着塔の構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らが、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、吸着塔内部のガス流れ方向における1ヶ所以上に、ガスの流れ方向に直交する方向での塔内部空間断面積が狭まるような構造部(例えば、吸着塔の内部空間を径方向で横切る棒状構造部)を設けるという簡便な構造により、吸着剤の流動化による粉化が効果的に抑えられることを見出した。
【0008】
本発明は、このような知見に基づきなされたもので、以下を要旨とするものである。
[1]内部に吸着剤が充填される吸着塔において、吸着塔内部のガス流れ方向における1ヶ所以上に、ガス流れ方向に直交する方向での塔内部空間断面積が狭まるような構造部(x)を設けたことを特徴とする圧力スイング吸着式ガス分離装置の吸着塔。
[2]上記[1]の吸着塔において、吸着剤が充填される空間をガス流れ方向で仮想的に3つ以上に等分割した場合、この等分割された各空間内に構造部(x)が位置することを特徴とする圧力スイング吸着式ガス分離装置の吸着塔。
[3]上記[1]または[2]の吸着塔において、吸着剤が充填される空間をガス流れ方向に直交する方向で仮想的に4つ以上に等分割した場合、この等分割された各空間内に構造部(x)が位置することを特徴とする圧力スイング吸着式ガス分離装置の吸着塔。
【0009】
[4]上記[1]〜[3]のいずれかの吸着塔において、構造部(x)が、吸着塔内部のガス流れ方向に対して略直交するように設置された棒状構造部であることを特徴とする圧力スイング吸着式ガス分離装置の吸着塔。
[5]上記[4]の吸着塔において、棒状構造部は、吸着塔内部を径方向に横切るように設置されることを特徴とする圧力スイング吸着式ガス分離装置の吸着塔。
[6]上記[4]の吸着塔において、棒状構造部は、その場所における設置可能長さの少なくとも半分の長さを有することを特徴とする圧力スイング吸着式ガス分離装置の吸着塔。
【発明の効果】
【0010】
本発明の吸着塔は、塔内部にガス流れ方向に直交する方向での塔内部空間断面積が狭まるような構造部xを設けるだけの簡易な構造により、塔内に充填された吸着剤の流動化を抑制し、吸着剤の流動化による粉化を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の吸着塔の一例とその作用効果を示すもので、図1(A)は吸着塔の斜視図、図1(B)は側面図、図1(C)は図1(B)中のC-C線に沿う断面図
図2】ホッパーで生じる粉体のブリッジ現象を示す説明図
図3】本発明の吸着塔の一実施形態を示すもので、図3(A)は斜視図、図3(B)は図3(A)中のB-B線に沿う断面図
図4】本発明の吸着塔の他の実施形態を示すもので、図4(A)は斜視図、図4(B)は図4(A)中のB-B線に沿う断面図
図5】本発明の吸着塔が有する構造部x(棒状構造部)の効果を確認するための試験装置の概要を示す全体説明図
図6図5の試験装置を構成する吸着塔を示す説明図
図7図6中のC-1面、C-2面、C-3面における構造部xの設置形態を示す説明図
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明は、圧力スイング吸着式ガス分離装置が備える内部に吸着剤が充填される吸着塔であって、吸着塔内部のガス流れ方向における1ヶ所以上に、ガス流れ方向に直交する方向での塔内部空間断面積が狭まるような構造部xを設けたものである。
【0013】
以下、本発明で得られた知見と、本発明の原理について説明する。
図2に示すような粉体gを収納したホッパー3では、ホッパー3の排出口30で粉体の粒子どうしがアーチ構造を形成して閉塞し、粉体gが排出口30から排出されない現象、いわゆるブリッジ(棚吊り)が生じる。この場合、図2に示すように、排出口30の真上付近の粉体gだけは排出されるが、それ以上は排出されない。この現象は、ホッパー3の形状や排出口径、粉体の性状などに起因するので、ホッパー3の設計時には注意が必要である。ホッパー3におけるブリッジは、粒子が重力により下降する際に、出口径30が狭まることにより流動できなくなる結果、生じる。そこで、吸着塔においても、粒子(吸着剤)の流動方向と直交する方向で、その径が狭まるような構造とすれば、粒子(吸着剤)が流動しにくくなるのではないかと考えた。吸着塔では、粒子(吸着剤)の流動方向はガス流れ方向であり、そこで、吸着塔の内部に、ガス流れ方向に直交する方向での塔内部空間断面積が狭まるような構造部xを設けることを検討した。
【0014】
図1は、構造部xが、吸着塔内部のガス流れ方向に略直交するように設置された棒状構造部からなる場合を示しており、本実施形態では、この棒状構造部(構造部x)は棒状部材2で構成されている。図1(A)は吸着塔1の斜視図、図1(B)は側面図、図1(C)は図1(B)中のC-C線に沿う断面図である。この実施形態(図3図4の実施形態も同様)の吸着塔1は縦型であり、その上下方向がガス流れ方向(吸着剤の流動方向)となる。
【0015】
構造部xである棒状構造部(以下、説明の便宜上「棒状部材2」という。図3図4の実施形態についても同様。)は、ガス流れ方向に略直交するように、吸着塔内部を横断して設けられている。このような吸着塔1では、構造部x(棒状部材2)の分だけ塔内部空間(吸着剤が移動しようとする流路)が狭くなり、吸着剤が横方向(壁方向)に圧密され、ブリッジのような構造ができる。その結果、吸着剤のガス流れ方向での動きが抑えられ、流動化が抑制できる。
【0016】
本発明において、上記のような作用を有する構造部xの構成や設置する位置などは任意であり、例えば、図1に示す棒状部材2のように、吸着塔1内部を横断する部材でもよいし、吸着塔1の内面に突設される部材(例えば、棒状部材、板状部材)でもよい。なお、棒状部材2は、ガス流れ方向に厳密に直交する必要はなく、ある程度の誤差(例えば、直交±15°程度)があってもよい。また、吸着塔1内に設置される器具、例えば、温度および/または圧力測定のための器具またはその保護管などを構造部xに利用してもよい。
【0017】
一方、構造部xは、吸着塔1内の吸着剤を交換するような場合、吸着剤の出し入れを妨げないようなものが好ましく、この点で、図1に示すような棒状部材2、特に、断面円形または楕円形の棒状部材2が好ましい。このような棒状部材2は、吸着剤の出し入れの際に、吸着剤を滞留させたり或いは吸着剤が充填されない隙間を生じさせず、また、吸着剤の移動を妨げることもない。また、ガスの流れを妨げることもない。
また、吸着塔1は吸着剤が充填される大型の容器であり、この大型の容器全体に構造部xの作用が及ぶようにすることが好ましく、このため下記(a)および/または(b)の条件で構造部xを設置することが好ましい。
(a)吸着剤が充填される空間をガス流れ方向で仮想的に3つ以上に等分割した場合、この等分割された各空間内に構造部xが位置する。
(b)吸着剤が充填される空間をガス流れ方向に直交する方向で仮想的に4つ以上に等分割した場合、この等分割された各空間内に構造部xが位置する。
【0018】
図3は、上記(a)および(b)の条件を満足する本発明の吸着塔の一実施形態を示すもので、図3(A)は斜視図、図3(B)は図3(A)中のB-B線に沿う断面図である。
この実施形態でも、構造部xは、ガス流れ方向に略直交するように吸着塔内部の径方向を横断して設けられる棒状部材2で構成されるが、吸着剤が充填される空間をガス流れ方向で仮想的に3つに等分割した場合、この等分割された各空間10a〜10c内に棒状部材2(構造部x)が位置している。さらに、吸着剤が充填される空間をガス流れ方向に直交する方向で仮想的に6つに等分割した場合、この等分割された各空間11a〜11f内に棒状部材2(構造部x)が位置している。
【0019】
また、棒状部材2は、必ずしも吸着塔内部の径方向を横断して設ける必要はなく、その場所における設置可能長さ(最大長さ)の少なくとも半分の長さを有すればよい。
図4は、そのような実施形態を示すもので、図4(A)は斜視図、図4(B)は図4(A)中のB-B線に沿う断面図である。
この実施形態では、吸着塔の内径Dに対して、吸着塔内部の径方向で設置される棒状部材2の長さL(吸着塔内での長さ)をD>L≧D/2とし、棒状部材2を吸着塔1の内面に突設してある。
また、この実施形態でも、吸着剤が充填される空間をガス流れ方向で仮想的に4つに等分割した場合、この等分割された各空間10a〜10d内に棒状部材2(構造部x)が位置し、さらに、吸着剤が充填される空間をガス流れ方向に直交する方向で仮想的に4つに等分割した場合、この等分割された各空間11a〜11d内に棒状部材2(構造部x)が位置している。
【0020】
[吸着剤の粉化評価試験]
本発明の吸着塔が有する構造部xの効果を確認するため、図5図7に示す試験装置による吸着剤の粉化評価試験を行った。
図5は試験装置の概要を示す全体説明図であり、Aは窒素送風用の送風機、Bは窒素のバッファータンク、Cは吸着剤が充填された吸着塔、Dは真空ポンプ、Eは窒素導入ラインの開閉弁(自動弁)、Fは真空ポンプ前の開閉弁(自動弁)、Gはガス排出用の開閉弁(自動弁)である。
【0021】
図6図5の試験装置における吸着塔Cを示す説明図、図7図6中のC-1面、C-2面、C-3面における構造部x(棒状部材)の設置形態を示す説明図である。吸着塔Cは、内径12cm、高さ100cmであり、直径1.5mm、長さ3mmのゼオライト系円柱状吸着剤を高さ90cmまで充填した。図6に示すように、吸着剤を充填した吸着塔上部には10cmの空間(C-4部)ができるが、ここには、直径1cmのセラミックボールを充填した。
図6のC-1面、C-2面、C-3面には、図7に示すような形態で直径が1cmの棒状部材を設置し、構造部x(棒状構造部)とした。なお、比較試験では、これらの棒状部材を全て取り外し、構造部xが無い吸着塔Cで試験を行った。
【0022】
この試験装置を用いて、下記(1)〜(8)の手順で吸着剤の粉化評価試験を行った。なお、真空ポンプDは常に運転状態とし、開閉弁Fが開となった時のみ真空引きを行う。また、送風機Aは、昇圧能力200kPaであり、常時運転を行い、開閉弁Eが開となった時のみ下工程に窒素を供給する。バッファータンクBは、容積20Lの圧力容器である。この試験装置では、送風機AおよびバッファータンクBにより、開閉弁Eが開となった時に吸着塔Cに大量のガスを供給できるようにしてある。また、開閉弁E,F,Gの開閉は、シーケンスにより自動制御されている。
【0023】
(1)吸着塔Cに吸着剤を充填する。この際、充填した吸着剤質量を測定する。
(2)開閉弁E、開閉弁Gが閉の状態で、開閉弁Fを開とし、真空ポンプDにて吸着塔Cを減圧する。
(3)吸着塔Cの内部の圧力が10kPa以下になってから、開閉弁Fを閉とする。
(4)開閉弁Eを開とし、送風機AおよびバッファータンクBにより、吸着塔C内部へ窒素を一気に導入する。
(5)吸着塔Cの内部の圧力が150kPa以上となってから、開閉弁Eを閉とする。
(6)上記(2)からの工程を繰り返す。
(7)200回繰り返した後、吸着塔Cから吸着剤を抜き出す。
(8)抜き出した吸着剤を篩にかけ、1mm以下の吸着剤の質量を測定する。
【0024】
試験結果は以下の通りであり、本発明の吸着塔のように、ガス流れ方向に直交する方向での塔内部空間断面積が狭まるような構造部xを設けることにより、吸着塔に充填された吸着剤の粉化を抑制できることが確認できた。
・構造部xの設置有り
吸着剤充填量6715gに対し、試験後の1mm以下の吸着剤量は32gであった。
・構造部xの設置無し
吸着剤充填量6720gに対し、試験後の1mm以下の吸着剤量は522gであった。
【符号の説明】
【0025】
1 吸着塔
2 棒状部材
10a〜10d,11a〜11f 空間
x 構造部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7