【発明が解決しようとする課題】
【0010】
発明の説明
したがって、本発明の目的は、活性ならびに可溶性、代謝クリアランスおよび生物学的利用能特性の両方に関する優れた薬理学的特性を有する、炎症性疾患または過剰増殖疾患、例えば哺乳動物における癌の処置に有用な、新規なWnt経路阻害剤を提供することにある。
【0011】
その結果、本発明は、Wnt経路阻害剤であり、特に本明細書中で述べた疾患の処置において、医薬として有用である、新規の置換2−アミノピリジン化合物またはそれらの立体異性体もしくは互変異性体、または薬学的に許容し得る塩を提供する。
【0012】
化合物は、式(I)によって定義される:
【化1】
式中:
R
1は、H、LA、Hal、CN、S(LA)、CAであり、
R
2は、H、NH
2、LA、NH(LA)、Hal、X−Cycであり、
R
3は、LA、Hal、CN、CONH
2、CONH(LA)であり、
あるいは
R
2、R
3は、それらが付着したC原子と一緒に、O、SおよびNから選択された1〜3個のヘテロ原子を有し、1つまたは2つのオキソ基によって置換されている、5または6員環の脂肪族複素環を形成し、当該複素環は、さらにLAによって単置換されていてもよく、かつ当該複素環は、フェニルまたはピリジル基との縮合環系を形成してもよく、
【0013】
R
4は、H、LA、CONH(LA)またはX−Cycであり、
R
5は、H、Fであり、
あるいは
R
4、R
5は、それらが付着した原子と一緒に、O、SおよびNから選択された1〜3個のヘテロ原子を有し、任意に独立してオキソ、LA、NH
2、NH(LA)、N(LA)
2、HO(LA)−によって単置換、二置換もしくは三置換されているか、または任意にCAによって単置換されている、5または6員環の複素環を形成し、
【0014】
R
6は、H、LA、OHまたはFであり、
Cycは、O、SおよびNから選択された1〜3個のヘテロ原子を有し、オキソ、LA、NH
2、NH(LA)、N(LA)
2、HO(LA)−によって単置換もしくは二置換されているか、またはCAによって単置換されていてもよい、5または6員環の単環式、脂肪族または芳香族の単素環または複素環であり、
Xは、−CH
2−、−C
2H
4−、−NH−、−O−または結合であり、
【0015】
LAは、1、2、3、4または5個の炭素原子を有し、飽和または部分的に不飽和であってもよく、ここで1、2または3個のH原子がHalによって置き換えられていてもよい、非分枝状または分枝状アルキルであり、かつ/あるいは
1つのCH
2基は、−O−、−NH−もしくは−SO
2−によって置き換えられていてもよく、かつ/あるいは
1つのCH基は、Nによって置き換えられていてもよく、
CAは、3、4、5もしくは6個の炭素原子を有するシクロアルキル、または
3、4、5もしくは6個の環の炭素原子および1もしくは2個の環でない炭素原子を有するシクロアルキルアルキルであり、当該シクロアルキルまたはシクロアルキルアルキルにおいて、1つのCH
2基は、−O−によって置き換えられていてもよく、または1つのCH基は、Nによって置き換えられていてもよく、
Halは、F、Cl、BrまたはIである。
【0016】
一般的に、1回よりも多く出現するすべての残基は、同一であっても異なっていてもよく、つまり互いに独立している。本明細書中で、残基およびパラメーターは、他に明確に示さない限り式(I)に対して示した意味を有する。
したがって、本発明は特に、前記残基の少なくとも1つが以下に示す好ましい意味の1つを有する式(I)で表される化合物に関する。
【0017】
Halは、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素、特にフッ素、塩素または臭素を示す。
「LA」は、例えばメチル、エチル、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、1,1,1−トリフルオロエチル、プロピル、イソプロピル、メトキシエチル、ジメチルアミノメチル、ブチル、イソブチル、sec−ブチルまたはtert−ブチル、イソプロペニル、エテニル、エチニルまたはプロパ−1−イニルを示す。
「CA」は、例えばシクロプロピル、(シクロプロピル)メチル、シクロブチル、(シクロペンチル)エチル、テトラヒドロピラニル、ピロリジン−1−イル−エチル、ピペリジニルまたはオキセタニルを示す。
【0018】
「Cyc」は、例えばフェニル、オキサゾリジン−2−、3−、4−または5−イル、イソキサゾリジン−2−、3−、4−または5−イル、2,3−ジヒドロ−2−、−3−、−4−または−5−フリル、2,5−ジヒドロ−2−、−3−、−4−または−5−フリル、テトラヒドロ−2−または−3−フリル、テトラヒドロ−1−、−2−または−4−イミダゾリル、2,3−ジヒドロ−1−、−2−、−3−、−4−または−5−ピラゾリル、テトラヒドロ−1−、−3−または−4−ピラゾリル、1,4−ジヒドロ−1−、−2−、−3−または−4−ピリジル、1,2,3,4−テトラヒドロ−1−、−2−、−3−、−4−、−5−または−6−ピリジル、1−、2−、3−、1−、5−または6−ピペリジニル、2−、3−または4−モルホリニル、テトラヒドロ−2−、−3−または−4−ピラニル、ヘキサヒドロ−1−、−3−または−4−ピリダジニル、ヘキサヒドロ−1−、−2−、−4−または−5−ピリミジニル、1−、2−または3−ピペラジニル、2−または3−フリル、1−、2−または3−ピロリル、1−、2−または3−ピロリジニル、1−、2、4−または5−イミダゾリル、1−、3−、4−または5−ピラゾリル、2−、3−または4−ピリジル、2−、4−、5−または6−ピリミジニル、ピラジン−2−または3−イル、ピリダジン−3−または4−イル、1,2,3−トリアゾール−1−、−4−または−5−イル、1,2,4−トリアゾール−1−、−3−または5−イル、1−または5−テトラゾリルを示す。
【0019】
好ましい態様において、本発明の化合物は、式(I)の副次式1〜13に適合し、ここで
副次式1において
R
2、R
3は、それらが付着しているピペリジン環と一緒に、(2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン)−8−イル、(2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1,3−ジオン)−8−イル、(1−オキサ−3,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−2−オン)−8−イル、(1,3,8−トリアザ−スピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン)−8−イル、(1,4,9−トリアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−5−オン)−9−イル、(4−オキソ−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−8−イルを形成し、
R
6は、Hであり、
【0020】
副次式2において、
R
2、R
3は、それらが付着しているC原子と一緒に1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン−3−イルまたはアザ−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン−3−イルを形成し、
R
6は、Hであり、
【0021】
副次式3において、
R
4は、モルホリン−4−イル、ピペラジン−1−イル、1H−ピラゾール−3−イル、ピリジン−3−イル、1H−ピラゾール−4−イルであり、
その各々は、非置換であるか、またはLA、OH、NH
2、HO(LA)−もしくはNH
2(LA)−によって単置換されていてもよく、
R
5は、Hであり、
【0022】
副次式4において、
R
4、R
5は、それらが付着したフェニル環と一緒に、1H−インダゾール−5−イル、1H−インダゾール−6−イル、2−オキソ−2,3−ジヒドロ−ベンゾオキサゾール−5−イル、2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル、2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−6−イル、(3,4−ジヒドロ−1H−キノリン−2−オン)−6−イル、1H−インドール−6−イル、2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−6−イル、(3,4−ジヒドロ−1H−キノリン−2−オン)−6−イル、2,2−ジオキソ−2,3−ジヒドロ−1H−2l6−ベンゾ[c]イソチアゾール−5−イル、2,2−ジオキソ−2,3−ジヒドロ−1H−2l6−ベンゾ[c]イソチアゾール−6−イル、1,1−ジオキソ−2,3−ジヒドロ−1H−1l6−ベンゾ[b]チオフェン−5−イル、1−ジオキシド−2,3−ジヒドロベンゾ[d]イソチアゾール−6−イルを形成し、
その各々は、非置換であるか、またはLA、OH、NH
2、HO(LA)−もしくはNH
2(LA)−によって置換されていてもよく、
【0023】
副次式6において、
R
1は、HalまたはC(Hal)
3であり、
副次式7において、
R
4は、モルホリン−4−イル、4−メチル−ピペラジン−1−イル、1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル、6−アミノ−ピリジン−3−イル、1−(2−ヒドロキシ−エチル)−1H−ピラゾール−4−イル、1−メチル−1H−ピラゾール−4−イルであり、
R
5は、Hであり、
【0024】
副次式8において、
R
4、R
5は、それらが付着したフェニル環と一緒に、1−メチル−1H−インダゾール−5−イル、1H−インダゾール−5−イル、1−メチル−1H−インダゾール−6−イル、1−エチル−1H−インダゾール−5−イル、1−エチル−1H−インダゾール−6−イル、1−イソプロピル−1H−インダゾール−6−イル、2−オキソ−2,3−ジヒドロ−ベンゾオキサゾール−5−イル、(3H−ベンゾオキサゾール−2−オン)−5−イル、1−メチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル、2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル、1−メチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−6−イル、(3,4−ジヒドロ−1H−キノリン−2−オン)−6−イル、1H−インドール−6−イル、2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−6−イル、(1−メチル−3,4−ジヒドロ−1H−キノリン−2−オン)−6−イル、3−アミノ−1H−インダゾール−6−イル、1−メチル−2,2−ジオキソ−2,3−ジヒドロ−1H−2l6−ベンゾ[c]イソチアゾール−5−イル、1−エチル−2,2−ジオキソ−2,3−ジヒドロ−1H−2l6−ベンゾ[c]イソチアゾール−5−イル、2,2−ジオキソ−2,3−ジヒドロ−1H−2l6−ベンゾ[c]イソチアゾール−6−イル、1,1−ジオキソ−2,3−ジヒドロ−1H−1l6−ベンゾ[b]チオフェン−5−イル、2−エチル−1,1−ジオキシド−2,3−ジヒドロベンゾ[d]イソチアゾール−6−イルを形成し、
【0025】
副次式9において、
R
1は、F、ClまたはCF
3であり、
副次式10において、
R
2、R
3は、それらが付着したピペリジン環と一緒に、(2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン)−8−イル、(1−オキサ−3,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−2−オン)−8−イル、(1,3,8−トリアザ−スピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン)−8−イルを形成し、
R
6は、Hであり、
【0026】
副次式11において、
R
1は、F、ClまたはCF
3であり、
R
2、R
3は、それらが付着したピペリジン環と一緒に、(2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン)−8−イル、(1−オキサ−3,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−2−オン)−8−イル、(1,3,8−トリアザ−スピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン)−8−イルを形成し、
R
6は、Hであり、
【0027】
副次式12において、
R
2は、Hであり、
R
3は、CN、CONH
2であり、
R
6は、Hであり、
副次式13において、
R
2は、Hであり、
R
3は、CNであり、
R
6は、OHであり、
ならびに、残りの残基は、式(I)に対して示した意味を有する。
【0028】
式(I)で表される化合物は、1つまたは2つ以上のキラリティーの中心を有し得る。それらは、したがって様々な鏡像異性体形態において存在し、ラセミ体または光学的に活性な形態にあり得る。本発明は、したがってまたこれらの化合物の光学的に活性な形態、鏡像異性体、ラセミ体、ジアステレオマー、まとめて:立体異性体に関する。
【0029】
本発明の化合物のラセミ体または立体異性体の医薬活性が異なり得るので、鏡像異性体を使用することが望ましい場合がある。これらの場合において、最終生成物またはさらに中間体を、鏡像異性体化合物に、当業者に知られている化学的もしくは物理的手段によって分離するか、またはさらに合成においてそれ自体で使用することができる。
【0030】
ラセミ体アミンの場合において、ジアステレオマーが、光学的に活性な分割剤との反応によって混合物から生成する。好適な分割剤の例は、光学的に活性な酸、例えば酒石酸、ジアセチル酒石酸、ジベンゾイル酒石酸、マンデル酸、リンゴ酸、乳酸、好適にN保護されたアミノ酸(例えばN−ベンゾイルプロリンもしくはN−ベンゼンスルホニルプロリン)、または様々な光学的に活性な樟脳スルホン酸のR体およびS体である。また有利なのは、光学的に活性な分割剤(例えばジニトロベンゾイルフェニルグリシン、三酢酸セルロースまたはシリカゲル上で固定化された炭水化物もしくはキラル的に誘導体化されたメタクリレートポリマーの他の誘導体)を用いたクロマトグラフィー的鏡像異性体分割である。この目的のために好適な溶離剤は、例えばヘキサン/イソプロパノール/アセトニトリルの、例えば比率82:15:3における水性またはアルコール性溶媒混合物である。
【0031】
エステル基(例えばアセチルエステル)を含むラセミ体の分割のための的確な方法は、酵素、特にエステラーゼの使用である。
【0032】
通常天然に発生する原子の原子質量または質量数と異なる原子質量または質量数を原子が有し得ることは、周知である。容易に商業的に入手でき、周知の方法によって本発明の化合物中に包含させることができる同位体の例は、水素、炭素、窒素、酸素、リン、フッ素および塩素の同位体、例えばそれぞれ
2H、
3H、
13C、
14C、
15N、
18O、
17O、
31P、
32P、
35S、
18Fおよび
36CIを含む。より重い同位体、特に重水素(
2H)の本発明の化合物中への包含は、この同位体標識化合物のより高い代謝安定性のために治療的利点を有する。より高い代謝安定性は、増加したin vivoでの半減期またはより低い投与量に直接変換可能である。したがって、これらの同位体は、本発明の化合物において使用するように原子H、C、Nなどの定義に含まれる。
【0033】
本発明の化合物は、プロドラッグ化合物の形態にあり得る。「プロドラッグ化合物」は、本発明の生物学的に活性な化合物に生体中の生理学的条件の下で、例えば酸化、還元、加水分解などによって変換され、その各々は酵素的に、または酵素関与を伴わずに行われる誘導体を意味する。
【0034】
プロドラッグの例は、本発明の化合物中のアミノ基がアシル化、アルキル化もしくはリン酸化されている化合物、例えばエイコサノイルアミノ、アラニルアミノ、ピバロイルオキシメチルアミノ、または水酸基がアシル化、アルキル化、リン酸化されているかもしくはホウ酸塩に変換されている化合物、例えばアセチルオキシ、パルミトイルオキシ、ピバロイルオキシ、スクシニルオキシ、フマリルオキシ、アラニルオキシ、またはカルボキシル基がエステル化もしくはアミド化されている化合物、またはスルフヒドリル基が担体分子とジスルフィド架橋を形成する化合物、例えばペプチドであり、それは薬物を標的および/または細胞の細胞質ゾルに選択的に送達する。
【0035】
これらの化合物を、本発明の化合物から周知の方法によって生産することができる。プロドラッグの他の例は、本発明の化合物中のカルボキシレートが例えばアルキル、アリール、コリン、アミノ、アシルオキシメチルエステル、リノレノイル−エステルに変換されている化合物である。
【0036】
本発明の化合物またはそれらのプロドラッグの互変異性、例えばケト−エノール互変異性が生じ得る場合には、個々の形態、例えばケトまたはエノール形態を、あらゆる比率における混合物として別個に、および一緒にクレームする。同一のことは、立体異性体、例えば鏡像異性体、シス/トランス異性体、配座異性体などに該当する。
【0037】
所望により、異性体を、当該分野において周知の方法によって、例えば、液体クロマトグラフィーによって分離することができる。同じことは、例えばキラルの固定相の使用によって鏡像異性体に該当する。さらに、鏡像異性体を、それらをジアステレオマーに変換すること、つまり鏡像異性体的に純粋な補助的化合物とのカップリング、得られたジアステレオマーのその後の分離および補助的残基の切断により単離してもよい。あるいはまた、本発明の化合物の任意の鏡像異性体を、光学的に純粋な出発物質を使用して、立体選択的合成から得てもよい。
【0038】
本発明の化合物は、薬学的に許容し得る塩、薬学的に許容し得る溶媒和物、または薬学的に許容し得る塩の薬学的に許容し得る溶媒和物の形態にあり得る。
【0039】
用語「薬学的に許容し得る塩」は、無機塩基または無機酸および有機塩基または有機酸などの、薬学的に許容し得る塩基または酸から製造された塩を指す。本発明の化合物が1つまたは2つ以上の酸性基または塩基性基を含む場合において、本発明はまた、それらの対応する薬学的に許容し得る塩を含む。したがって、酸性基を含む本発明の化合物は、塩の形態において存在し得、本発明において、例えばアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩またはアンモニウム塩として使用することができる。
【0040】
かかる塩のより正確な例は、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩またはアンモニアもしくは有機アミン、例えばエチルアミン、エタノールアミン、トリエタノールアミンもしくはアミノ酸との塩を含む。1つまたは2つ以上の塩基性基、つまりプロトン化することができる基を含む本発明の化合物は、塩形態において存在し得、本発明において無機酸または有機酸とのそれらの付加塩の形態において使用することができる。
【0041】
好適な酸の例は、塩化水素、臭化水素、リン酸、硫酸、硝酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ナフタレン二スルホン酸、シュウ酸、酢酸、酒石酸、乳酸、サリチル酸、安息香酸、ギ酸、プロピオン酸、ピバリン酸、ジエチル酢酸、マロン酸、コハク酸、ピメリン酸、フマル酸、マレイン酸、リンゴ酸、スルファミン酸、フェニルプロピオン酸、グルコン酸、アスコルビン酸、イソニコチン酸、クエン酸、アジピン酸、および当業者に知られている他の酸を含む。
【0042】
本発明の化合物が酸性基および塩基性基を分子中に同時に含む場合には、本発明はまた、述べた塩形態に加えて、内塩またはベタイン(両性イオン)を含む。それぞれの塩を、当業者に知られている慣習的な方法によって、例えばこれらを有機または無機の酸または塩基とともに溶媒または分散体中で接触させることにより、あるいは他の塩とのアニオン交換またはカチオン交換によって得ることができる。本発明はまた、低い生理学的適合性のために医薬において使用するには直接適していないが、例えば化学反応のための、または薬学的に許容し得る塩の調製のための中間体として使用することができる、本発明の化合物のすべての塩を含む。
【0043】
用語「薬学的に許容し得る溶媒和物」は、化学量論量または非化学量論量の溶媒を含有する、薬学的に許容し得る溶媒との付加形態を意味する。いくつかの化合物は、固定されたモル比の溶媒分子を結晶性固体状態で捕捉する傾向を有し、そのようにして溶媒和物を形成する。溶媒が水である場合には、生成する溶媒和物は水和物、例えば一または二水和物である。溶媒がアルコールである場合には、生成する溶媒和物はアルコラート、例えばメタノラートまたはエタノラートである。溶媒がエーテルである場合には、生成する溶媒和物はエーテラート、例えばジエチルエーテラートである。
【0044】
したがって、以下の項目がまた、本発明に従う:
a) 化合物のすべての立体異性体または互変異性体、およびすべての比率でのそれらの混合物、
b) 化合物のプロドラッグ、またはこれらのプロドラッグの立体異性体もしくは互変異性体、
c) 化合物の、ならびに(a)および(b)のもとで述べた項目の薬学的に許容し得る塩、
d) 化合物の、ならびに(a)、(b)および(c)のもとで述べた項目の薬学的に許容し得る溶媒和物。
【0045】
本明細書中の化合物へのすべての言及は、これらの項目、特に化合物の薬学的に許容し得る溶媒和物、またはそれらの薬学的に許容し得る塩の薬学的に許容し得る溶媒和物を含むことを意味することを理解するべきである。
【0046】
さらに、本発明は、本発明の化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、または前記の各々の薬学的に許容し得る塩、およびすべての比率でのそれらの混合物を、活性成分として、薬学的に許容し得る担体と一緒に含む、医薬組成物に関する。
【0047】
「医薬組成物」は、1種または2種以上の活性成分、および担体を構成する1種または2種以上の不活性成分、ならびに、成分の任意の2種または3種以上の組み合わせ、錯体形成または凝集から、あるいは成分の1種または2種以上の解離から、あるいは成分の1種または2種以上の他のタイプの反応または相互作用から直接、または間接的に生じる任意の生成物を意味する。したがって、本発明の医薬組成物は、本発明の化合物および薬学的に許容し得る担体を混合することにより作製されたいかなる組成物をも包含する。
【0048】
本発明の医薬組成物は、活性成分としての1種または2種以上の他の化合物、例えば本発明の1種または2種以上の追加の化合物、または他のWnt経路阻害剤をさらに含んでもよい。
【0049】
医薬組成物は、経口、直腸内、局所的、非経口(皮下、筋肉内および静脈内を含む)、眼の(ocular)(眼科的(ophthalmic))、肺内(経鼻もしくは口腔吸入)、または鼻腔内投与に適している組成物を含むが、任意の所与の場合における最も好適な経路は、処置する状態の性質および重篤度、ならびに活性成分の性質に依存する。それらは、単位投薬形態において便宜的に提示され、薬学の分野において周知のいずれの方法によって調製してもよい。
【0050】
一態様において、前記化合物および医薬組成物は、癌、例えば脳、肺、結腸、類表皮、扁平細胞、膀胱、胃、膵臓、乳房、頭頸部、腎臓部、腎臓、肝臓、卵巣、前立腺、子宮、食道、精巣、婦人科、甲状腺癌、黒色腫、ならびに血液系腫瘍、例えば急性骨髄性白血病、多発性骨髄腫、慢性骨髄性白血病、骨髄細胞白血病、カポジ肉腫、または任意の他のタイプの固形もしくは液体腫瘍の処置のためである。好ましくは、処置するべき癌は、結腸、肺、乳房および血液腫瘍タイプから選択される。
【0051】
さらに、前記化合物および医薬組成物は、炎症性疾患、例えば多発性硬化症、関節リウマチ、全身性ループス、炎症性腸疾患または変性疾患、例えば骨関節炎およびアルツハイマー病の処置のためである。
【0052】
本発明はまた、ある量の本発明の化合物をある量の別の抗癌治療と組み合わせて含み、ここで当該化合物および別の抗癌治療の量が一緒に異常な細胞成長を抑制するにあたり有効である、哺乳動物における異常な細胞成長を抑制するための化合物または医薬組成物に関する。多くの抗癌治療は現在、当該分野において知られている。一態様において、抗癌治療は、以下の剤の群から選択される:
【0053】
アルキル化剤、例えばアルトレタミン、ベンダムスチン、ブスルファン、カルムスチン、クロラムブシル、クロルメチン、シクロホスファミド、ダカルバジン、イホスファミド、インプロスルファン、トシル酸、ロムスチン、メルファラン、ミトブロニトール、ミトラクトール、ニムスチン、ラニムスチン、テモゾロミド、チオテパ、トレオスルファン、メクロレタミン、カルボコン;アパジコン、ホテムスチン、グルホスファミド(glufosfamide)、パリホスファミド(palifosfamide)、ピポブロマン、トロホスファミド、ウラムスチン(uramustine)、TH−302、VAL−083。
【0054】
白金化合物、例えばカルボプラチン、シスプラチン、エプタプラチン(eptaplatin)、ミリプラチン水和物、オキサリプラチン、ロバプラチン、ネダプラチン、ピコプラチン、サトラプラチン;ロバプラチン、ネダプラチン、ピコプラチン、サトラプラチン。
DNA変化剤、例えばアムルビシン、ビサントレン(bisantrene)、デシタビン、ミトキサントロン、プロカルバジン、トラベクテジン、クロファラビン;アムサクリン、ブロスタリシン(brostallicin)、ピクサントロン、ラロムスチン(laromustine)。
【0055】
トポイソメラーゼ阻害剤、例えばエトポシド、イリノテカン、ラゾキサン、ソブゾキサン、テニポシド、トポテカン;アモナフィド(amonafide)、ベロテカン(belotecan)、酢酸エリプチニウム(elliptinium acetate)、ボレロキシン。
微小管変性剤、例えばカバジタキセル、ドセタキセル、エリブリン、イクサベピロン、パクリタキセル、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビノレルビン、ビンデシン、ビンフルニン;フォスブレタブリン、テセタキセル(tesetaxel)。
【0056】
代謝拮抗薬、例えばアスパラギナーゼ、アザシチジン、カルシウムレボホリナート、カペシタビン、クラドリビン、シタラビン、エノシタビン、フロクスウリジン、フルダラビン、フルオロウラシル、ゲムシタビン、メルカプトプリン、メトトレキサート、ネララビン、ペメトレキセド、プララトレキサート、アザチオプリン、チオグアニン、カルモフール;ドキシフルリジン、エラシタラビン(elacytarabine)、ラルチトレキセド、サパシタビン(sapacitabine)、テガフール、トリメトレキセート;
抗癌抗生物質、例えばブレオマイシン、ダクチノマイシン、ドキソルビシン、エピルビシン、イダルビシン、レバミソール、ミルテホシン、マイトマイシンC、ロミデプシン、ストレプトゾシン、バルルビシン、ジノスタチン、ゾルビシン、ダウノルビシン、プリカマイシン;アクラルビシン、ペプロマイシン、ピラルビシン。
【0057】
ホルモン/アンタゴニスト、例えばアバレリックス、アビラテロン、ビカルタミド、ブセレリン、カルステロン、クロロトリアニセン、デガレリクス、デキサメタゾン、エストラジオール、フルオコルトロン、フルオキシメステロン、フルタミド、フルベストラント、ゴセレリン、ヒストレリン、リュープロレリン、メゲストロール、ミトタン、ナファレリン、ナンドロロン、ニルタミド、オクトレオチド、プレドニゾロン、ラロキシフェン、タモキシフェン、サイロトロピンアルファ、トレミフェン、トリロスタン、トリプトレリン、ジエチルスチルベストロール;アコルビフェン(acolbifene)、ダナゾール、デスロレリン(deslorelin)、エピチオスタノール、オルテロネル(orteronel)、エンザルタミド。
アロマターゼ阻害薬、例えばアミノグルテチミド、アナストロゾール、エキセメスタン、ファドロゾール、レトロゾール、テストラクトン;ホルメスタン。
【0058】
小分子キナーゼ阻害剤、例えばクリゾチニブ、ダサチニブ、エルロチニブ、イマチニブ、ラパチニブ、ニロチニブ、パゾパニブ、レゴラフェニブ、ルキソリチニブ、ソラフェニブ、スニチニブ、バンデタニブ、ベムラフェニブ、ボスチニブ、ゲフィチニブ、アキシチニブ;アファチニブ、アリセルチブ(alisertib)、ダブラフェニブ、ダコミチニブ(dacomitinib)、ジナシクリブ(dinaciclib)、ドビチニブ(dovitinib)、エンザスタウリン、ニンテダニブ、レンバチニブ、リニファニブ、リンシチニブ(linsitinib)、マシチニブ(masitinib)、ミドスタウリン(midostaurin)、モテサニブ、ネラチニブ、オランチニブ(orantinib)、ペリフォシン、ポナチニブ、ラドチニブ(radotinib)、リゴセルチブ(rigosertib)、ティピファニブ、チバンチニブ、チボザニブ、トラメチニブ、ピマセルチブ(pimasertib)、ブリバニブアラニネート、セジラニブ、アパチニブ(apatinib)
4、カボザンチニブS−マレート、イブルチニブ、イコチニブ(icotinib)、ブパルリシブ(buparlisib)、シパチニブ(cipatinib)、コビメチニブ、イデラリシブ、フェドラチニブ(fedratinib)、XL−647。
【0059】
光線感作物質、例えばメトキサレン;ポルフィマーナトリウム、タラポルフィン、テモポルフィン;
抗体、例えばアレムツズマブ、ベシレソマブ、ブレンツキシマブベドチン、セツキシマブ、デノスマブ、イピリムマブ、オファツムマブ、パニツムマブ、リツキシマブ、トシツモマブ、トラスツズマブ、ベバシズマブ、ペルツズマブ;カツマキソマブ、エロツズマブ、エプラツズマブ、ファーレツズマブ、モガムリズマブ、ネシツムマブ、ニモツズマブ(nimotuzumab)、オビヌツズマブ、オカラツズマブ(ocaratuzumab)、オレゴボマブ、ラムシルマブ、リロツムマブ、シルツキシマブ、トシリズマブ、ザルツムマブ、ザノリムマブ、マツズマブ、ダロツズマブ(dalotuzumab)、オナルツズマブ(onartuzumab)、ラコツモマブ(racotumomab)、タバルマブ(tabalumab)、EMD−525797、ニボルマブ。
【0060】
サイトカイン、例えばアルデスロイキン、インターフェロンアルファ
2、インターフェロンアルファ2a
3、インターフェロンアルファ2b;セルモロイキン、タソネルミン、テセロイキン、オプレルベキン
1、3、組換えインターフェロンベータ−1a。
薬物抱合体、例えばデニロイキンジフチトクス、イブリツモマブチウキセタン、イオベングアン(iobenguane)I123、プレドニムスチン、トラスツズマブエムタンシン(trastuzumab emtansine)、エストラムスチン、ゲムツズマブ、オゾガマイシン、アフリベルセプト;シントレデキンベスドトックス(cintredekin besudotox)、エドトレオチド(edotreotide)、イノツズマブオゾガマイシン、ナプツモマブエスタフェナトクス、オポルツズマブモナトックス(oportuzumab monatox)、テクネチウム(99mTc) アルシツモマブ、ビンタフォリド。
【0061】
ワクチン、例えばシプロイセル;ビテスペン、エメペピムト(emepepimut)−S、oncoVAX、リンドペピムト(rindopepimut)
3、troVax、MGN−1601、MGN−1703。
様々なもの:アリトレチノイン、ベキサロテン、ボルテゾミブ、エベロリムス、イバンドロン酸、イミキモド、レナリドミド、レンチナン、メチロシン、ミファムルチド、パミドロン酸、ペグアスパルガーゼ、ペントスタチン、シプロイセル、シゾフィラン、タミバロテン、テムシロリムス、サリドマイド、トレチノイン、ビスモデギブ、ゾレドロン酸、ボリノスタット;セレコキシブ、シレングチド(cilengitide)、エンチノスタット(entinostat)、エタニダゾール、ガネテスピブ(ganetespib)、イドロノキシル(idronoxil)、イニパリブ(iniparib)、イキサゾミブ(ixazomib)、ロニダミン、ニモラゾール、パノビノスタット、ペレチノイン、プリチデプシン(plitidepsin)、ポマリドミド、プロコダゾール(procodazol)、リダフォロリムス、タスキニモド(tasquinimod)、テロトリスタット(telotristat)、チマルファシン(thymalfasin)、チラパザミン、トセドスタット(tosedostat)、トラベデルセン、ウベニメクス、バルスポダル(valspodar)、ゲンジシン(gendicine)、ピシバニール、レオリシン(reolysin)、レタスピマイシン塩酸塩、トレバナニブ(trebananib)、ビルリジン(virulizin)、カーフィルゾミブ、エンドスタチン、イムコテル(immucothel)、ベリノスタット(belinostat)、MGN−1703。
【0062】
本発明はさらに、哺乳動物における異常な細胞成長を抑制するか、または過剰増殖障害を処置するための方法であって、哺乳動物に、ある量の本発明の化合物または医薬組成物を、放射線療法と組み合わせて投与することを含み、ここで当該量の化合物または医薬組成物を、哺乳動物において異常な細胞成長を抑制するかまたは過剰増殖障害を処置するにあたって有効な放射線療法と組み合わせる、前記方法に関する。
【0063】
放射線療法を施すための手法は、当該分野において知られており、これらの手法を、本明細書中に記載した併用療法において使用することができる。この併用療法における本発明の化合物または医薬組成物の投与を、本明細書中に記載したように決定することができる。本発明の化合物は、異常な細胞を、かかる細胞を死滅させ、かつ/または成長を抑制する目的のための放射線での処置に対してより感受性にすることができると考えられる。
【0064】
したがって、本発明はさらに、哺乳動物における異常な細胞を放射線での処置に対して感作するための方法であって、哺乳動物に、ある量の本発明の化合物または医薬組成物を投与することを含み、当該量が異常な細胞を放射線での処置に対して感作するにあたって有効である、前記方法に関する。この方法における化合物の量を、本明細書中に記載したかかる化合物の有効量を確認するための手段に従って決定することができる。
【0065】
実用において、本発明の化合物を、活性成分として、医薬担体との密な混合において、慣用の医薬配合手法に従って組み合わせることができる。担体は、投与のために所望される製剤の形態に依存して幅広い種類の形態、例えば経口または非経口(静脈内を含む)を採ってもよい。経口投薬形態のための組成物を調製するにあたって、通常の医薬媒体のいずれも、例えば水、グリコール、油、アルコール、風味剤、防腐剤、着色剤などを使用してもよい。
【0066】
経口液体製剤の場合において、通常の医薬媒体のいずれも、例えば懸濁液、エリキシル剤および溶液;または担体、例えばデンプン、糖、微結晶性セルロース、希釈剤、造粒剤、潤滑剤、結合剤、崩壊剤などを使用してもよい。経口固体製剤の場合において、組成物は、例えば散剤、硬質および軟質カプセルおよび錠剤のような形態をとってもよく、固体の経口製剤が、液体製剤よりも好ましい。
【0067】
それらの投与の容易さのために、錠剤およびカプセルは、最も有利な経口投薬単位形態を表し、この場合において固体の医薬担体を、明らかに使用する。所望により、錠剤を、標準的な水性または非水性手法によって被覆してもよい。かかる組成物および製剤は、少なくとも0.1パーセントの活性化合物を含むべきである。これらの組成物中の活性化合物の百分率はもちろん、変化させてもよく、便宜的にはユニットの重量の約2パーセント〜約60パーセントであってもよい。かかる治療的に有用な組成物中の活性化合物の量は、有効な投与量が得られる程度である。活性化合物をまた、鼻腔内に、例えば液滴またはスプレーとして投与することができる。
【0068】
錠剤、丸剤、カプセルなどはまた、結合剤、例えばトラガカントゴム、アカシア、トウモロコシデンプンまたはゼラチン;賦形剤、例えばリン酸二カルシウム;崩壊剤、例えばトウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、アルギン酸;潤滑剤、例えばステアリン酸マグネシウム;および甘味剤、例えばスクロース、ラクトースまたはサッカリンを含んでもよい。投薬単位形態がカプセルである場合には、それは、上記のタイプの材料に加えて、液体担体、例えば脂肪油を含んでもよい。
【0069】
様々な他の材料が、コーティングとして、または投薬単位の物理的形態を修正するために存在してもよい。例えば、錠剤を、セラック、糖または両方で被覆してもよい。シロップまたはエリキシル剤は、活性成分に加えて、甘味剤としてスクロース、防腐剤としてメチルパラベンおよびプロピルパラベン、染料および風味剤、例えばサクランボ風味剤またはオレンジ風味剤を含んでもよい。
【0070】
本発明の化合物をまた、非経口的に投与してもよい。これらの活性化合物の溶液または懸濁液を、界面活性剤、例えばヒドロキシ−プロピルセルロースと好適に混合した水中に調製することができる。分散体をまた、グリセロール、液体ポリエチレングリコールおよび油中のそれらの混合物中に調製することができる。保存および使用の通常の条件下で、これらの製剤は、微生物の生育を防止するための防腐剤を含む。
【0071】
注射可能な使用に適している医薬形態は、無菌の水性溶液または分散体および無菌の注射可能な溶液または分散体の即座の調製のための無菌の散剤を含む。すべての場合において、当該形態は無菌でなければならず、容易なシリンジ可能性(syringability)が存在する程度に流動性でなければならない。それは製造および保存の条件下で安定でなければならず、微生物、例えば細菌および菌類の汚染作用に対して保存されなければならない。担体は、例えば水、エタノール、ポリオール(例えばグリセロール、プロピレングリコールおよび液体ポリエチレングリコール)、それらの好適な混合物および植物油を含む溶媒または分散媒体であり得る。
【0072】
任意の好適な投与の経路を、哺乳動物、特にヒトに本発明の化合物の有効な用量を提供するために使用してもよい。例えば、経口、直腸内、局所的、非経口、点眼、肺内、経鼻などを、使用してもよい。投薬形態は、錠剤、トローチ、分散体、懸濁液、溶液、カプセル、クリーム、軟膏、エアゾールなどを含む。好ましくは、本発明の化合物を、経口的に投与する。
【0073】
使用する活性成分の有効な投与量は、使用する特定の化合物、投与の様式、処置する状態および処置する状態の重篤度に依存して変化し得る。かかる投与量は、当業者によって容易に確認され得る。
【0074】
本発明の化合物が必要を示される炎症性疾患、変性疾患または過剰増殖疾患を処置する場合には、一般的に満足のいく結果は、本発明の化合物を、好ましくは単一の1日用量として施与して、体重1キログラムあたり約0.01ミリグラム〜約100ミリグラムの1日投与量で投与する場合に得られる。ほとんどの大型哺乳動物について、合計の1日投与量は、約0.1ミリグラム〜約1000ミリグラム、好ましくは約0.2ミリグラム〜約50ミリグラムである。70kgの成人のヒトの場合において、合計1日用量は、一般的に約0.2ミリグラム〜約200ミリグラムである。この投薬計画を調整して、最適な治療応答を提供してもよい。
【0075】
本発明はまた、
a) 有効量の本発明の化合物またはその立体異性体もしくは互変異性体、あるいは前記の各々の薬学的に許容し得る塩、およびすべての比率でのそれらの混合物、ならびに
b) 有効量のさらなる医薬活性成分
の個別のパックからなるセット(キット)に関する。
【0076】
当該セットは、好適な容器、例えば箱、個々のボトル、バッグまたはアンプルを含む。
例として、当該セットは、有効量の本発明の化合物、および溶解形態または凍結乾燥形態での有効量のさらなる医薬活性成分をそれぞれ含有する、別々のアンプルを含んでもよい。
【0077】
実験セクション
本出願中に出現し得るいくつかの略語は、以下のとおりである:
略号
【表1】
【0078】
本発明の化合物を、以下のスキームおよび例の手順に従って、好適な材料を使用して製造することができ、以下の特定の例によってさらに例示する。
【0079】
さらに、本明細書中に記載した手順を当該分野における通常の技術と併せて利用することによって、本出願においてクレームした本発明の追加の化合物を、容易に製造することができる。しかしながら、実施例において例示した化合物を、本発明として考慮される唯一の属を形成するものと解釈するべきではない。当該例はさらに、本発明の化合物の製造のための詳細を例示する。当業者は、以下の製造手順の条件およびプロセスの既知の変法を使用してこれらの化合物を製造することができることを容易に理解する。
【0080】
本化合物を、一般的にそれらの薬学的に許容し得る塩、例えば上に記載したものの形態において単離する。単離した塩に対応するアミン非含有塩基を、好適な塩基、例えば水性炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムでの中和、ならびに遊離したアミン非含有塩基の有機溶媒中への抽出、続いて蒸発によって発生させることができる。このようにして単離したアミン非含有塩基を、別の薬学的に許容し得る塩に、有機溶媒への溶解、続いて適切な酸の添加およびその後の蒸発、沈殿または結晶化によってさらに変換することができる。
【0081】
本発明を、以下の例に記載する特定の態様への参照によって説明するが、それらには限定されない。スキームにおいて他に示さない限り、変数は、上に記載したのと同一の意味を有する。
他に特定しない限り、すべての出発物質を、商業的な供給者から得、さらに精製せずに使用する。他に特定しない限り、すべての温度を℃で表現し、すべての反応をRTで行う。化合物を、シリカクロマトグラフィーまたは分取HPLCのいずれかによって精製した。
【0082】
本発明はまた、式(I)で表される化合物の製造方法であって、式(V)
【化2】
で表される化合物を、式(IV)
【化3】
で表される化合物と反応させて、
式(III)
【化4】
で表される化合物を得、
それを次に、式(II)
【化5】
で表される化合物とさらに反応させて、
式(I)で表される化合物を得る、
前記方法に関する。
【0083】
LG
1は、求核芳香族置換において典型的に使用する脱離基、好ましくはHal、例えばF、ClまたはBrである。LG
2は、金属触媒反応(例えば鈴木反応)において反応することができる反応性基、例えばCl、BrまたはIである。
Xは、H、または典型的なアミン保護基、例えばBOCであり、それは、反応条件の下で切断される。Yは、ボロン酸またはボロン酸エステルである。
【0084】
例
HPLC方法(A)
溶媒A:水+0.1%トリフルオロ酢酸
溶媒B:アセトニトリル+0.1%トリフルオロ酢酸
流量:2mL/min、波長:220nm
勾配:0.0min 1%のB
0.2min 1%のB
3.8min 100%のB
4.2min 100%のB
カラム:Chromolith Speed ROD RP-18e 100-3.0 mm (Merck KGaA)
【0085】
HPLC方法(B)
溶媒A:水+0.1%ギ酸
溶媒B:メタノール+0.1%ギ酸
流量:1.5mL/min、波長:254nm
勾配:0.0min 10%のB
2.5min 90%のB
3.5min 90%のB
3.8min 10%のB
4.0min 10%のB
カラム:Purospher STAR RP-18e 30 x 4 mm (Merck KGaA)
【0086】
HPLC方法(C)
溶媒A:水+0.1%ギ酸
溶媒B:メタノール+0.1%ギ酸
流量:1.5mL/min、波長:220nm
勾配:0.0min 10%のB
2.5min 90%のB
3.5min 90%のB
3.8min 10%のB
4.0min 10%のB
カラム:Purospher STAR RP-18e 30 x 4 mm (Merck KGaA)
【0087】
HPLC方法(D)
溶媒A:水+0.05%ギ酸
溶媒B:アセトニトリル+0.04%ギ酸
流量:2mL/min、波長:220nm
勾配:0.0min 4%のB
2.8min 100%のB
3.3min 100%のB
カラム:Chromolith Performance RP18e 100-3
【0088】
以下に提示する作業例は、本発明の特定の態様を例示することを意図し、いかなる様式においても明細書または特許請求の範囲を限定することを意図しない。
【0089】
化学合成
このセクションにおいて、式(I)による多数の例の化合物およびそれらの合成中間体についての実験的詳細を提供する。
【0090】
1. 8−(2−アミノ−3−クロロ−5−フェニル)ピリジン−4−イル)−2,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−1−オン誘導体(22, 7, 16)
【化6】
1a. 5−ブロモ−4−クロロピリジン−2−アミン
【化7】
N−ブロモスクシンイミド(10.9g、61.3mmol)を、4−クロロ−2−アミノ−ピリジン(7.50g、58.3mmol)をアセトニトリル(130mL)に溶解した溶液に、RTで窒素雰囲気下で加えた。黄色溶液を、3時間撹拌した。溶媒を、減圧下で蒸発させ、残留物を、シリカゲル(シクロヘキサン/酢酸エチル)上のクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物を淡黄色固体(10.0g、83%)として得た。
1H-NMR (500 MHz, CDCl
3) ppm = 8.16 (s, 1 H), 6.62 (s, 1 H), 4.57 (bs, 2 H). HRMS m/z (ESI
+) [M+H]
+C
5H
5BrClN
2, calc 208.9297, 観測値 208.9297, Rt = 2.96 min(HPLC 方法B)。
【0091】
1b. 5−ブロモ−3,4−ジクロロピリジン−2−アミン
【化8】
N−クロロスクシンイミド(6.11g、45.8mmol)を、5−ブロモ−4−クロロピリジン−2−アミン(10.0g、48.2mmol)をアセトニトリル(180mL)に溶解した溶液に、RTで窒素雰囲気下で分割して加え、反応混合物を、95℃で3時間撹拌した。混合物をRTに冷却し、結晶化した固体を濾別し、低温アセトニトリルで洗浄した。残留物を高温アセトニトリルから再結晶させて、表題化合物を薄茶色固体(10.0g、83%)として得た。
1H-NMR (500 MHz, DMSO-d6) ppm = 8.13 (s, 1H), 6.85 (s, 2H). HRMS m/z (ESI
+) [M+H]
+C
5H
4BrCl
2N
2, calc 240.8929, 観測値 240.8928,
Rt = 2.96 min(HPLC 方法B)。
【0092】
1c. 8−(2−アミノ−5−ブロモ−3−クロロピリジン−4−イル)−2,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−1−オン
【化9】
5−ブロモ−3,4−ジクロロピリジン−2−アミン(300mg、1.24mmol)、8−boc−2,8−ジアザ−スピロ−[4.5]デカン−1−オン(347mg、1.36mmol)およびフッ化カリウム(144mg、2.48mmol)を、マイクロ波バイアル中に投入した。ふたをしたバイアルを、高度の真空を使用して排気し、窒素でパージした(各々3回)。トリエチルアミン(0.48mL、3.72mmol)およびNMP(3mL)を加え、混合物を、高度の真空を使用して脱気し、窒素で3回パージした。反応混合物を、マイクロ波中で220℃で2時間加熱し、冷却し、次に酢酸エチルおよび水を加え、有機層を分離した。水層を、酢酸エチルで2回抽出した。合わせた有機層をMgSO
4で乾燥し、濾過し、溶媒を減圧下で蒸発させた。得られた沈殿物を、シリカゲル(ジクロロメタン/エタノール)上のクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物を5%のNMP(260mg、60%)を含む白色固体として得た。
1H-NMR (500 MHz, DMSO-d6) ppm = 7.92 (s, 1H), 7.59 (s, 1H), 6.34 (bs, 2H), 3.27 - 2.99 (m, 6H), 2.01 (t, J=6.8, 2H), 1.93 - 1.79 (m, 2H), 1.43 - 1.37 (m, 2H). HRMS m/z (ESI
+) [M+H]
+C
13H
17BrClN
4O, calc 359.0269, 観測値 359.0268, Rt= 2.05 min(HPLC 方法B)。
【0093】
1d1.8−(2−アミノ−3−クロロ−5−(4−(1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)フェニル)ピリジン−4−イル)−2,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−1−オン(22)
【化10】
8−(2−アミノ−5−ブロモ−3−クロロピリジン−4−イル)−2,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−1−オン(30.0mg、0.083mmol)、1−メチル−3−(4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)−1H−ピラゾール(23.7mg、0.083mmol)およびPd(dppf)Cl
2・CH
2Cl
2(3.05mg、4.17μmol)を、マイクロ波バイアル中に投入した。ふたをしたバイアルを、高度の真空を使用して排気し、窒素でパージした(各々3回)。アセトニトリル(0.7mL)および水性炭酸ナトリウム(0.5M、0.23mL、0.12mmol)を加え、混合物を、高度の真空を使用することにより再び脱気し、再び窒素でパージした(各々3回)。混合物をマイクロ波中で120℃で1h加熱し、その後それをクロロホルム/メタノールの補助と共にフラスコ中に移し、水を、トルエンとの共沸的除去によって2回蒸発させた。得られた残留物を、シリカゲル(ジクロロメタン/エタノール)上のクロマトグラフィーによって精製し、分取HPLC(Gilson、アセトニトリル/水)によってさらに精製し、酢酸エチルから再結晶させて、表題化合物を白色固体(6.00mg、16%)として得た。
【0094】
1H-NMR (500 MHz, DMSO-d6) ppm = 7.82 (d, J=8.2, 2H), 7.74 (d, J=2.2, 1H), 7.66 (s, 1H), 7.50 (s, 1H), 7.27 (d, J=8.2 , 2H), 6.72 (d, J=2.2, 1H), 6.13 (s, 2H), 3.89 (s, 3H), 3.10 (t, J=6.8, 2H), 2.96 (d, J=12.4, 2H), 2.74 - 2.61 (m, 2H), 1.81 (t, J=6.8, 2H), 1.75 - 1.63 (m, 2H), 1.25 - 1.12 (m, 2H). HRMS m/z (ESI
+) [M+H]
+C
23H
26ClN
6O, calc 437.1851, 観測値 437.1838, Rt = 2.00 min(HPLC 方法B)。
【0095】
1d2.6−(6−アミノ−5−クロロ−4−(1−オキソ−2,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−8−イル)ピリジン−3−イル)インドリン−2−オン(7)
【化11】
8−(2−アミノ−5−ブロモ−3−クロロピリジン−4−イル)−2,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−1−オン(15.0mg、0.042mmol)、6−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)インドリン−2−オン(11.9mg、0.046mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(2.41mg、2.09μmol)を、マイクロ波バイアル中に投入した。ふたをしたバイアルを、高度の真空を使用して排気し、窒素でパージした(各々3回)。アセトニトリル(0.4mL)および水性炭酸ナトリウム(0.5M、0.18mL、0.058mmol)を加え、混合物を、高度の真空を使用して脱気し、窒素で再び3回パージした。混合物を、マイクロ波中で120℃で1h加熱し、その後それを、クロロホルム/メタノールの補助と共にフラスコ中に移し、水を、トルエンとの共沸的除去によって2回蒸発させた。得られた残留物を、シリカゲル(ジクロロメタン/エタノール)上のクロマトグラフィーおよび酢酸エチル/ジエチルエーテルからの再結晶によって精製して、表題化合物を白色固体(6.0mg、35%)として得た。
【0096】
1H-NMR (500 MHz, DMSO-d6) ppm = 10.39 (s, 1H), 7.61 (s, 1H), 7.52 (s, 1H), 7.23 (d, J=7.6, 1H), 6.81 (dd, J=7.5, 1.3 , 1H), 6.68 (s, 1H), 6.11 (s, 2H), 3.51 (s, 2H), 3.12 (t, J=6.8 , 2H), 2.95 (d, J=12.6, 2H), 2.65 (d, J=9.8, 2H), 1.82 (t, J=6.8, 2H), 1.71 (td, J=12.6, 3.6, 2H), 1.23 (d, J=12.6, 2H). HRMS m/z (ESI
+) [M+H]
+C
21H
23ClN
5O
2, calc 412.1535, 観測値 412.1526, Rt = 1.72 min(HPLC 方法B)。
【0097】
1d3.8−(2−アミノ−3−クロロ−5−(4−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)フェニル)ピリジン−4−イル)−2,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−1−オン(16)
【化12】
8−(2−アミノ−5−ブロモ−3−クロロピリジン−4−イル)−2,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−1−オン(30.0mg、0.083mmol)、1−メチル−4−(4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)−1H−ピラゾール(24.9mg、0.088mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(4.82mg、4.17μmol)を、マイクロ波バイアル中に投入した。ふたをしたバイアルを、高度の真空を使用して排気し、窒素でパージした(各々3回)。アセトニトリル(0.77mL)および水性炭酸ナトリウム(0.5M、0.23mL、0.117mmol)を加え、混合物を、高度の真空を使用して脱気し、窒素で3回パージした。混合物をマイクロ波中で120℃で1h加熱し、その後それを冷却し、クロロホルム/メタノールの補助と共にフラスコ中に移し、水を、トルエンとの共沸的除去によって2回蒸発させた。得られた残留物を、シリカゲル(ジクロロメタン/エタノール)上のクロマトグラフィーによって精製し、続いてSCX
2−カートリッジを使用することによってさらに精製した(ジクロロメタン/メタノール中の1N NH
3で溶出させた)。酢酸エチル/ジエチルエーテルからの再結晶によって、表題化合物が白色固体(10.0mg、27%)として得られる。
【0098】
1H-NMR (500 MHz, DMSO-d6) ppm = 8.17 (s, 1H), 7.89 (d, J=0.6, 1H), 7.64 (s, 1H), 7.60 (d, J=8.3, 2H), 7.50 (s, 1H), 7.23 (d, J=8.2, 2H), 6.11 (s, 2H), 3.87 (s, 3H), 3.10 (t, J=6.8, 2H), 3.01 - 2.91 (m, 2H), 2.73 - 2.60 (m 2H), 1.76 - 1.63 (m, 2H), 1.81 (t, J=6.8, 2H). HRMS m/z (ESI
+) [M+H]
+C
23H
26ClN
6O, calc 437.1851, 観測値 437.1862, Rt = 1.98 min(HPLC 方法B)。
【0099】
代替のアプローチは、置換反応の間にピリジンの2−アミノ官能を保護することである。
【0100】
2. 8−[2−アミノ−3−クロロ−5−(1−メチル−1H−インダゾール−5−イル)−ピリジン−4−イル]−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン(25)
【化13】
2a. 5−ブロモ−3,4−ジクロロ−2−(2,5−ジメチル−1H−ピロール−1−イル)ピリジン
【化14】
5−ブロモ−3,4−ジクロロピリジン−2−アミン(500mg、2.07mmol)、アセチルアセトン(0.27mL、2.27mmol)およびp−トルエンスルホン酸一水和物(39.3mg、0.21mmol)をトルエン(3.5mL)に溶解した溶液を、還流にて5時間撹拌した。混合物をRTに冷却し、溶媒を減圧下で蒸発させた。残留物を酢酸エチルに溶解し、ブラインで洗浄し、MgSO
4で乾燥し、濾過し、溶媒を減圧下で蒸発させた。得られた茶色油を、シリカゲル(シクロヘキサン/酢酸エチル)上のクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物を薄茶色油(360mg、55%)として得た。
【0101】
1H-NMR (500 MHz, CDCl
3) ppm = 8.69 (s, 1H), 5.95 (s, 2H), 2.02 (s, 6H). HRMS m/z (ESI
+) [M+H]
+C
11H
10BrCl
2N
2, calc 318.9399, 観測値 318.9384, Rt = 3.40 min(HPLC 方法B)。
【0102】
2b. 8−(5−ブロモ−3−クロロ−2−(2,5−ジメチル−1H−ピロール−1−イル)ピリジン−4−イル)−2,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−1−オン
【化15】
5−ブロモ−3,4−ジクロロ−2−(2,5−ジメチル−1H−ピロール−1−イル)ピリジン(225mg、0.70mmol)および8−boc−2,8−ジアザ−スピロ−[4.5]デカン−1−オン(197mg、0.77mmol)を、マイクロ波バイアル中に投入した。ふたをしたバイアルを、高度の真空を使用して排気し、窒素でパージした(各々3回)。トリエチルアミン(0.27mL、2.11mmol)およびNMP(2.3mL)を加え、混合物を、高度の真空を使用することにより脱気し、窒素で3回パージした。反応混合物をマイクロ波中で220℃で1h加熱し、その後それを冷却し、激しく撹拌した水(8mL)中に滴下した。得られた沈殿物を濾別し、残留物をシリカゲル(ジクロロメタン/エタノール)上のクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物を薄茶色固体(153mg、50%)として得た。
【0103】
1H-NMR (500 MHz, CDCl
3) ppm = 8.47 (s, 1H), 6.53 (bs, 1H), 5.90 (s, 2H), 3.52 - 3.32 (m, 6H), 2.25 - 2.10 (m, 4H), 2.01 (s, 6H), 1.58 (d, J=13.0, 2H). HRMS m/z (ESI
+) [M+H]
+C
19H
22BrClN
4O, calc 437.0738, 観測値 437.0733, Rt = 3.05 min(HPLC 方法B)。
【0104】
2c. 8−(3−クロロ−2−(2,5−ジメチル−1H−ピロール−1−イル)−5−(1−メチル−1H−インダゾール−5−イル)ピリジン−4−イル)−2,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−1−オン
【化16】
8−(5−ブロモ−3−クロロ−2−(2,5−ジメチル−1H−ピロール−1−イル)ピリジン−4−イル)−2,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−1−オン(140mg、0.32mmol)、1−メチル−1H−インダゾール−5−ボロン酸(61.9mg、0.35mmol)およびPd(dppf)Cl
2・CH
2Cl
2(11.7mg、0.016mmol)を、マイクロ波バイアル中に投入した。ふたをしたバイアルを、高度の真空を使用して排気し、窒素でパージした(各々3回)。アセトニトリル(3mL)および水性炭酸ナトリウム(0.5M、0.895mL、0.448mmol)を加え、混合物を、高度の真空を使用することにより再び脱気し、再び窒素でパージした(各々3回)。混合物をマイクロ波中で120℃で1h加熱し、その後それを、クロロホルム/メタノールの補助と共にフラスコ中に移し、水を、トルエンとの共沸的除去によって2回蒸発させた。得られた残留物を、シリカゲル(ジクロロメタン/エタノール)上のクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物を薄茶色固体(126mg、81%)として得た。
【0105】
1H-NMR (500 MHz, CDCl
3) ppm = 8.27 (s, 1H), 8.08 (s, 1H), 7.74 (s, 1H), 7.54 (d, J=8.6, 1H), 7.41 (d, J=8.6, 1H), 6.17 (bs, 1H), 5.94 (s, 2H), 4.16 (s, 3H), 3.31 - 3.20 (m, 4H), 2.78 (s, 2H), 2.10 (s, 6H), 1.99 - 1.91 (m, 4H), 1.36 (d, J=13.2, 2H). HRMS m/z (ESI
+) [M+H]
+C
27H
30ClN
6O, calc 489.2164, 観測値 489.2157, Rt = 3.01 min(HPLC 方法B)。
【0106】
2d. 8−(2−アミノ−3−クロロ−5−(1−メチル−1H−インダゾール−5−イル)ピリジン−4−イル)−2,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−1−オン(25)
【化17】
8−(3−クロロ−2−(2,5−ジメチル−1H−ピロール−1−イル)−5−(1−メチル−1H−インダゾール−5−イル)ピリジン−4−イル)−2,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−1−オン(50.0mg、0.102mmol)およびヒドロキシルアミン塩酸塩(249mg、3.58mmol)をエタノール(0.6mL)および水(0.3mL)に懸濁させた懸濁液を、還流にて8h撹拌した。混合物をRTに冷却し、その後ジクロロメタンおよび飽和Na
2CO
3溶液を加え、有機層を分離した。水層を、ジクロロメタンで2回抽出した。合わせた有機層をMgSO
4で乾燥し、濾過し、溶媒を減圧下で蒸発させた。残留物をシリカゲル(ジクロロメタン/エタノール)上のクロマトグラフィーによって精製し、SCX
2−カートリッジを使用することによってさらに精製して(ジクロロメタン/メタノール中の1N NH
3で溶出させた)、表題化合物を白色固体(10.0mg、24%)として得た。
【0107】
1H-NMR (500 MHz, DMSO-d6) ppm = 8.06 (s, 1H), 7.68 - 7.64 (m, 2H), 7.48 (s, 1H), 7.27 (dd, J=8.7, 1.6, 1H), 6.09 (bs, 2H), 4.07 (s, 3H), 3.07 (t, J=6.8, 2H), 3.01 - 2.92 (m, 2H), 2.70 - 2.55 (m, 2H), 1.75 (t, J=6.8, 2H), 1.71 - 1.59 (m, 2H), 1.20 - 1.12 (m, 2H). HRMS m/z (ESI
+) [M+H]
+C
21H
23ClN
6O, calc 411.1695, 観測値 411.1692, Rt = 1.78 min(HPLC 方法B)。
【0108】
ピリジンの2−アミノ官能をまた、2,5−ジメチル−ピロロ誘導体の代わりにビス(4−メトキシベンジル)誘導体として保護することができる。
【0109】
3. 8−(2−アミノ−3−クロロ−5−(4−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)フェニル)ピリジン−4−イル)−2,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−1,3−ジオン(38)および8−[2−アミノ−3−クロロ−5−(1−メチル−1H−インダゾール−5−イル)−ピリジン−4−イル]−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン(25)
【化18】
3a. 5−ブロモ−3,4−ジクロロ−N,N−ビス(4−メトキシベンジル)ピリジン−2−アミン
【化19】
5−ブロモ−3,4−ジクロロ−ピリジン−2−イルアミン(7.50g、31.0mmol)を、DMF(75mL)に溶解し、4−メトキシベンジルクロリド(12.4g、77.5mmol)を、加えた。撹拌下で、水素化ナトリウム(3.70g、93.0mmol、パラフィン油に溶解した60%溶液)を、ゆっくり加え、混合物を、RTで2h撹拌した。600mLのsat.NaHCO
3溶液を加え、混合物をジクロロメタン(300mL)で2回抽出した。有機層を合わせ、ブラインで洗浄し、乾燥し、蒸発させた。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル)を使用して精製して、オフホワイト固体(12.5g、25.9mmol、84%)を得た。
【0110】
1H-NMR (500 MHz, CDCl
3) ppm = 8.26 (s, 1H), 7.20 (d, J=8.6, 4H), 6.85 (d, J=8.7, 4H), 4.42 (s, 4H), 3.81 (s, 6H). HRMS m/z (ESI
+) [M+H-PMB]
+C
13H
12BrCl
2N
2O, calc 360.9505, 観測値 360.9492, Rt = 3.51 min(HPLC 方法B)。
【0111】
3b. 8−(2−(ビス(4−メトキシベンジル)アミノ)−5−ブロモ−3−クロロピリジン−4−イル)−2,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−1,3−ジオン
【化20】
5−ブロモ−3,4−ジクロロ−N,N−ビス(4−メトキシベンジル)ピリジン−2−アミン(200mg、0.415mmol)、2,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−1,3−ジオン(77.0mg、0.456mmol)およびフッ化カリウム(48.2mg、0.830mmol)を、マイクロ波バイアル中に投入した。ふたをしたバイアルを、高度の真空を使用して排気し、窒素でパージした(各々3回)。トリエチルアミン(0.16mL、1.24mmol)およびNMP(1mL)を加え、混合物を、高度の真空を使用することにより再び脱気し、再び窒素でパージした(各々3回)。反応混合物をマイクロ波中で220℃で2h加熱し、冷却し、次に酢酸エチルおよび水を加え、有機層を分離した。水層を、酢酸エチルで2回抽出した。合わせた有機層をMgSO
4で乾燥し、濾過し、溶媒を減圧下で蒸発させた。残留物をシリカゲル(ジクロロメタン/エタノール)上のクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物を無色油として得た。生成物混合物を、さらに精製せずに次のステップにおいて使用した。
【0112】
3c. 8−(2−(ビス(4−メトキシベンジル)アミノ)−3−クロロ−5−(4−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)フェニル)ピリジン−4−イル)−2,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−1,3−ジオン
【化21】
8−(2−(ビス(4−メトキシベンジル)アミノ)−5−ブロモ−3−クロロピリジン−4−イル)−2,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−1,3−ジオン(90.0mg、0.110mmol)、1−メチル−4−(4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)−1H−ピラゾール(34.4mg、0.121mmol)およびPd(dppf)Cl
2・CH
2Cl
2(4.02mg、5.50μmol)を、マイクロ波バイアル中に投入した。ふたをしたバイアルを、高度の真空を使用して排気し、窒素でパージした(各々3回)。アセトニトリル(0.8mL)および水性炭酸ナトリウム(0.5M、0.308mL、0.154mmol)を加え、混合物を、高度の真空を使用することにより再び脱気し、再び窒素でパージした(各々3回)。混合物をマイクロ波中で120℃で1h加熱し、その後それを冷却し、クロロホルム/メタノールの補助と共にフラスコ中に移し、水を、トルエンとの共沸的除去によって2回蒸発させた。得られた残留物を、シリカゲル(ジクロロメタン/エタノール)上のクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物を淡黄色油(35.0mg、46%)として得、それを、さらに精製せずに後続のステップにおいて使用した。
【0113】
3d. 8−(2−アミノ−3−クロロ−5−(4−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)フェニル)ピリジン−4−イル)−2,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−1,3−ジオン(38)
【化22】
8−(2−(ビス(4−メトキシベンジル)アミノ)−3−クロロ−5−(4−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)フェニル)ピリジン−4−イル)−2,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−1,3−ジオン(35.0mg、0.051mmol)をトリフルオロ酢酸(1mL)に溶解し、オレンジ色溶液をRTで1h撹拌した。混合物を飽和NaHCO
3中に滴加し、その後ジクロロメタンを加え、有機層を分離した。水層を、ジクロロメタンで2回抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、MgSO
4で乾燥し、濾過し、溶媒を減圧下で蒸発させた。得られた沈殿物を濾別し、残留物をシリカゲル(シクロヘキサン/酢酸エチル)上のクロマトグラフィーによって精製し、続いてSCX
2−カートリッジを使用して精製した(メタノール中のジクロロメタン/1N NH
3で溶出させた)。得られた白色固体を、最後に分取HPLC(Gilson、アセトニトリル/水)によって精製して、表題化合物を白色固体(5.00mg、3ステップにわたって7%)として得た。
【0114】
1H-NMR (500 MHz, DMSO-d6) ppm = 8.18 (s, 1H), 7.90 (d, J=0.5, 1H), 7.65 (s, 1H), 7.61 (d, J=8.2, 2H), 7.24 (d, J=8.2, 2H), 6.13 (s, 2H), 3.87 (s, 3H), 2.98 (d, J=12.8, 2H), 2.74 - 2.58 (m, 2H), 2.43 (s, 2H), 1.78 (t, J=11.9, 2H), 1.44 (d, J=11.9, 2H). HRMS m/z (ESI
+) [M+H]
+C
23H
24ClN
6O
2, calc 451.1644, 観測値 451.1632, Rt = 1.93 min(HPLC 方法B)。
【0115】
3e. 8−{2−[ビス−(4−メトキシ−ベンジル)−アミノ]−5−ブロモ−3−クロロ−ピリジン−4−イル}−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン
【化23】
NMP(10mL)中の(5−ブロモ−3,4−ジクロロ−ピリジン−2−イル)−ビス−(4−メトキシ−ベンジル)−アミン(1.60g、3.32mmol)、1−オキソ−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−8−カルボン酸tert−ブチルエステル(1.52g、5.97mmol)およびトリエチルアミン(0.755g、7.47mmol)を、マイクロ波バイアル中で220℃で60min加熱した。混合物を水(600mL)中に注ぎ、生成した沈殿物を濾過し、洗浄した。残留物を、フラッシュクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル)を使用して精製した。1.08g(1.80mmol、54%)の無色固体が、得られた。
【0116】
3f. 8−[2−アミノ−3−クロロ−5−(1−メチル−1H−インダゾール−5−イル)−ピリジン−4−イル]−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン(25)
【化24】
8−{2−[ビス−(4−メトキシ−ベンジル)−アミノ]−5−ブロモ−3−クロロ−ピリジン−4−イル}−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン(500mg、0.768mmol)および1−メチルインダゾール−5−ボロン酸(165mg、0.94mmol)を、0.5M炭酸ナトリウム溶液(2.5mL)およびアセトニトリル(10mL)に懸濁させた。混合物を脱気し、(1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)−パラジウムジクロリドジクロロメタン複合体(25.5mg、0.031mmol)を加え、混合物を窒素雰囲気下で120℃で60minマイクロ波にかけた。反応混合物を蒸発乾固させ、フラッシュクロマトグラフィーを使用して精製した。保護基の除去のために、残留物を5mLのトリフルオロ酢酸に溶解し、RTで2h撹拌した。溶液を蒸発乾固させ、20mLの水を加え、弱い塩基性pHを、固体炭酸水素ナトリウムを加えて調整し、水層をジクロロメタンで2回抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発させ、フラッシュクロマトグラフィー(メタノール/ジクロロメタン)を使用して精製した。143mg(0.348mmol、45%(2ステップ))の表題化合物が、無色油として得られた。
【0117】
1H NMR (400 MHz, DMSO) ppm = 8.06 (s, 1H), 7.68 - 7.64 (m, 2H), 7.48 (s, 1H), 7.27 (dd, J=8.7, 1.6, 1H), 6.09 (bs, 2H), 4.07 (s, 3H), 3.07 (t, J=6.8, 2H), 3.01 - 2.92 (m, 2H), 2.70 - 2.55 (m, 2H), 1.75 (t, J=6.8, 2H), 1.71 - 1.59 (m, 2H), 1.20 - 1.12 (m, 2H).
【0118】
化合物1、3、7、12、13、14、15、16、17、18、19、22、23、24、25、26、28、32、33、35、38、39、43、44、49、58、59、62、67、69、70、71、72および73を、上に記載した方法の1つによって製造した。
【0119】
同一の反応カスケードを使用して、1−オキサ−3,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−2−オンまたは2,4−ジオキソ−1,3,8−トリアザ−スピロ[4.5]デカン−8−カルボン酸tert−ブチルエステルを保護されていない、または保護された5−ブロモ−3,4−ジクロロ−ピリジン−2−イルアミンと反応させ、続いて、適用可能な場合には鈴木反応および脱保護を施し、2、4、5、6、8、9、10、20、21、29、34、36、37、41、42、54、55、60および63を得た。
【0120】
4. 1’−(2−アミノ−3−クロロ−5−(1−メチル−1H−インダゾール−5−イル)ピリジン−4−イル)スピロ[インドリン−3,4’−ピペリジン]−2−オン(31)および1’−(2−アミノ−3−クロロ−5−(4−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)フェニル)ピリジン−4−イル)スピロ[インドリン−3,4’−ピペリジン]−2−オン(11)
【化25】
4a. 1’−(2−アミノ−5−ブロモ−3−クロロピリジン−4−イル)スピロ[インドリン−3,4’−ピペリジン]−2−オン
【化26】
ブロモ−3,4−ジクロロ−N,N−ビス(4−メトキシベンジル)ピリジン−2−アミン(100mg、0.413mmol)、スピロ[インドリン−3,4’−ピペリジン]−2−オン(92.0mg、0.455mmol)およびフッ化カリウム(48.0mg、0.827mmol)を、マイクロ波バイアル中に投入した。ふたをしたバイアルを、高度の真空を使用して排気し、窒素でパージした(各々3回)。トリエチルアミン(0.159mL、1.24mmol)およびNMP(1mL)を加え、混合物を、高度の真空を使用することにより再び脱気し、再び窒素でパージした(各々3回)。反応混合物をマイクロ波中で220℃で1.5h加熱し、その後混合物を、激しく撹拌した水(20mL)に滴加した。得られた沈殿物を濾別し、シリカゲル(ジクロロメタン/エタノール)上のクロマトグラフィーによって精製した。酢酸エチル/ジエチルエーテルからの再結晶によって、表題化合物が白色固体(45.5mg、27%)として得られた。
【0121】
1H-NMR (500 MHz, DMSO-d6) ppm = 10.45 (s, 1H), 7.97 (s, 1H), 7.46 (d, J=7.2, 1H), 7.22 (t, J=7.7, 1H), 7.01 (dd, J=7.2, 7.2, 1H), 6.88 (d, J=7.2, 1H), 6.39 (s, 2H), 3.70 - 3.36 (m, 4H), 2.08 - 1.64 (m, 4H). HRMS m/z (ESI
+) [M+H]
+ C
17H
17BrClN
4O, calc 407.0269, 観測値 407.0264, Rt = 2.99 min(HPLC 方法B)。
【0122】
4b1.1’−(2−アミノ−3−クロロ−5−(1−メチル−1H−インダゾール−5−イル)ピリジン−4−イル)スピロ[インドリン−3,4’−ピペリジン]−2−オン(31)
【化27】
1’−(2−アミノ−5−ブロモ−3−クロロピリジン−4−イル)スピロ[インドリン−3,4’−ピペリジン]−2−オン(20.0mg、0.049mmol)、1−メチル−1H−インダゾール−5−イルボロン酸(8.63mg、0.049mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(2.83mg、2.45μmol)を、マイクロ波バイアル中に投入した。ふたをしたバイアルを、高度の真空を使用して排気し、窒素でパージした(各々3回)。アセトニトリル(0.5mL)および水性炭酸ナトリウム(0.5M、0.137mL、0.069mmol)を加え、混合物を、高度の真空を使用することにより再び脱気し、再び窒素でパージした(各々3回)。混合物をマイクロ波中で120℃で1h加熱し、その後それをクロロホルム/メタノールの補助と共にフラスコ中に移し、水を、トルエンとの共沸的除去によって2回蒸発させた。得られた残留物を、シリカゲル(ジクロロメタン/エタノール)上のクロマトグラフィーによって精製し、続いてSCX
2−カートリッジを使用して精製した(メタノール中のジクロロメタン/1N NH
3で溶出させた)。酢酸エチル/ジエチルエーテルからの再結晶によって、表題化合物が白色固体(10.0mg、44%)として得られた。
【0123】
1H-NMR (500 MHz, DMSO-d6) ppm = 10.34 (s, 1H), 8.15 (s, 1H), 7.83 - 7.67 (m, 3H), 7.41 (d, J=8.2, 1H), 7.21 (d, J=7.5, 1H), 7.15 (dd, J=7.6, 7.6, 1H), 6.88 (dd, J=7.6, 7.6, 1H), 6.8 (d, J=7.5, 1H), 6.15 (s, 2H), 4.09 (s, 3H), 3.23 - 3.07 (m, 2H), 3.07 - 2.87 (m, 2H), 1.87 - 1.62 (m, 2H), 1.53 - 1.21 (m, 2H). HRMS m/z (ESI
+) [M+H]
+C
25H
23ClN
6O, calc 459.1695, 観測値 459.1682, Rt = 2.33 min(HPLC 方法B)。
【0124】
4b2.1’−(2−アミノ−3−クロロ−5−(4−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)フェニル)ピリジン−4−イル)スピロ[インドリン−3,4’−ピペリジン]−2−オン(11)
【化28】
1’−(2−アミノ−5−ブロモ−3−クロロピリジン−4−イル)スピロ[インドリン−3,4’−ピペリジン]−2−オン(22mg、0.054mmol)、1−メチル−4−(4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)−1H−ピラゾール(15.3mg、0.054mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(3.12mg、2.70μmol)を、マイクロ波バイアル中に投入した。ふたをしたバイアルを、高度の真空を使用して排気し、窒素でパージした(各々3回)。アセトニトリル(0.6mL)および水性炭酸ナトリウム(0.5M、0.151mL、0.076mmol)を加え、混合物を、高度の真空を使用することにより再び脱気し、再び窒素でパージした(各々3回)。混合物をマイクロ波中で120℃で1h加熱し、その後それを、クロロホルム/メタノールの補助と共にフラスコ中に移し、水を、トルエンとの共沸的除去によって2回蒸発させた。得られた残留物を、シリカゲル(ジクロロメタン/エタノール)上のクロマトグラフィーによって精製し、続いて分取HPLC(Gilson、アセトニトリル/水)によってさらに精製して、表題化合物を白色固体(10.0mg、38%)として得た。
【0125】
1H-NMR (500 MHz, DMSO-d
6) ppm = 10.35 (s, 1H), 8.20 (s, 1H), 7.93 (s, 1H), 7.70 (s, 1H), 7.69 (d, J=6.1, 2H), 7.35 (d, J=8.0, 2H), 7.30 (d, J=7.4, 1H), 7.17 (dd, J=7.7, 0.9, 1H), 6.97 (dd, J=7.6, 0.9, 1H), 6.83 (d, J=7.6, 1H), 6.16 (s, 2H), 3.88 (s, 3H), 3.26 - 3.15 (m, 2H), 3.07 - 2.98 (m, 2H), 1.89 - 1.71 (m, 2H), 1.56 - 1.34 (m,2H). HRMS m/z (ESI
+) [M+H]
+C
27H
26ClN
6O, calc 485.1851, 観測値 485.1831, Rt = 2.38 min(HPLC 方法B)。
【0126】
5. 8−(2−アミノ−5−(1−メチル−1H−インダゾール−5−イル)−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−4−イル)−2,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−1−オン(39)
【化29】
5a. tert−ブチル5−ブロモ−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イルカルバメート
【化30】
NaH(0.398g、9.96mmol)を、5−ブロモ−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン(1.00g、4.15mmol)をTHF(40mL)に溶解した溶液に、0℃で窒素雰囲気下で加えた。反応を、RTで60min撹拌し、その後反応を0℃に冷却し、THF(10mL)中のBoc
2O(0.906g、4.15mmol)を加えた。反応をRTに加温し、16h撹拌した。反応をsat.NaHCO
3(aq)で停止し、ジエチルエーテルで抽出した。合わせた有機層を、水およびブラインで洗浄し、MgSO
4で乾燥し、濾過し、溶媒を蒸発させた。フラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/シクロヘキサン)による精製は成功せず、生成物は尚約4%の未反応の出発物質で汚染されていた。一晩の昇華(30mbar、110℃)によって、生成物(0.54g、38%)が無色結晶として得られた。
【0127】
1H-NMR (500 MHz, CDCl
3) ppm = 8.68 (d, J=2.4, 1H), 8.01 (dd, J=2.4, 0.6, 1H), 7.00 (s, 1H), 1.54 (s, 9H). HRMS m/z (ESI
+) [M+H-Boc]
+C
6H
5BrF
3N
2 calc 240.9583, 観測値 240.9581, Rt = 2.92 min((HPLC 方法B)。
【0128】
5b. tert−ブチル5−ブロモ−4−クロロ−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イルカルバメート
【化31】
ブチルリチウム(ヘキサン中1.6M、0.766mL、1.23mmol)を、THF(3.5mL)中のジイソプロピルアミン(0.189mL、1.34mmol)に、−78℃で窒素雰囲気下で加えた。30min後、THF(1.5mL)中のtert−ブチル5−ブロモ−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イルカルバメート(190mg、0.557mmol)を滴加し、暗い黄色の溶液を得た。1h後、THF(1mL)中のヘキサクロロエタン(343mg、1.448mmol)を、黄褐色懸濁液に滴加し、暗褐色溶液を得た。−78℃で80min撹拌した後、反応を15minにわたってRTに放置して加温し、次にsat.NH
4Cl(aq)で反応停止した。反応混合物をジエチルエーテル(3×)で抽出し、合わせた有機層を水(2×)およびブラインで洗浄し、MgSO
4で乾燥し、濾過し、溶媒を蒸発させた。粗製物をフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/シクロヘキサン)によって精製して、生成物(157mg、75%)をクリーム色固体として得た。
【0129】
1H-NMR (500 MHz, CDCl
3) ppm = 8.67 (s, 1H), 7.24 (bs, 1H), 1.51 (s, 9H). HRMS m/z (ESI
+) [M+H-Boc]
+C
6H
4BrClF
3N
2,
calc 274.9193, 観測値 274.9191, Rt = 3.11 min(HPLC 方法B)。
【0130】
5c. 5−ブロモ−4−クロロ−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン
【化32】
tert−ブチル5−ブロモ−4−クロロ−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イルカルバメート(150mg、0.399mmol)をDCM(2mL)に溶解し、TFA(2mL)をRTで加えた。2.5h後、反応は完了し、溶媒を蒸発させた。粗生成物をDCMに再溶解し、aq.Na
2CO
3(0.5M)およびブラインで洗浄した。有機層をMgSO
4で乾燥し、濾過し、溶媒を蒸発させて、生成物(109mg、99%)を淡黄色固体として得た。
1H-NMR (500 MHz, CDCl
3) ppm = 8.31 (s, 1H), 5.27 (s, 2H). HRMS m/z (ESI
+) [M+H]
+C
6H
4BrClF
3N
2 calc 274.9193, 観測値 274.9190, Rt = 3.02 min(HPLC 方法B)。
【0131】
5d. 8−(2−アミノ−5−ブロモ−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−4−イル)−2,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−1−オン
【化33】
5−ブロモ−4−クロロ−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−アミン(87.0mg、0.316mmol)、tert−ブチル1−オキソ−2,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−8−カルボキシレート(241mg、0.948mmol)およびトリエチルアミン(0.044mL、0.316mmol)の2−メトキシ−2−イソプロパノール(1mL)中の混合物を、220℃で2h、窒素雰囲気下でマイクロ波中で反応させた。溶媒を蒸発させ、粗製物をフラッシュクロマトグラフィー(DCM/MeOH)によって精製して、表題化合物(35.0mg、28%)を淡黄色固体として得た。
【0132】
1H-NMR (500 MHz, CDCl
3) ppm = 8.19 (s, 1H), 5.75 (s, 1H), 5.24 - 4.92 (m, 2H), 3.37 (t, J=6.7, 2H), 3.67 - 2.80 (m, 4H), 2.16 (t, J=6.7, 2H), 2.15 - 2.05 (m, 2H), 1.47 (d, J=13.8, 2H). HRMS m/z (ESI
+) [M+H]
+C
14H
17BrF
3N
4O
calc 393.0532, 観測値 393.0535, Rt = 2.51 min(HPLC 方法B)。
【0133】
5e. 8−(2−アミノ−5−(1−メチル−1H−インダゾール−5−イル)−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−4−イル)−2,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−1−オン(39)
【化34】
8−(2−アミノ−5−ブロモ−3−(トリフルオロメチル)ピリジン−4−イル)−2,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−1−オン(22.0mg、0.056mmol)、1−メチル−1H−インダゾール−5−イルボロン酸(10.8mg、0.062mmol)およびPd(dppf)Cl
2・CH
2Cl
2(2.30mg、2.80μmol)を、密閉し、窒素で洗い流したマイクロ波バイアル中に投入した。アセトニトリル(0.7mL)およびaq.炭酸ナトリウム(0.5M、0.154mL、0.077mmol)を加え、ゴム隔壁を取り外し、バイアルにふたをした。反応混合物をマイクロ波中で120℃で75min加熱し、次に濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(DCM/MeOH)、続いて分取TLC(MeOH/DCM)による精製によって、表題化合物(3.30mg、13%)が白色固体として得られた。
【0134】
1H-NMR (500 MHz, CDCl
3) ppm = 8.03 (d, J=1.0, 1H), 7.94 (s, 1H), 7.63 (dd, J=1.6, 0.8, 1H), 7.49 (d, J=8.6, 1H), 7.36 (d, J=8.6, 1H), 5.33 (bs, 1H), 5.07 (bs, 2H), 4.14 (s, 3H), 3.21 (t, J=6.8, 2H), 3.07 (dt, J=12.3, 3.4, 2H), 2.85 - 2.71 (m, 2H), 1.87 - 1.71 (m, 4H), 1.16 (d, J=13.1, 2H). HRMS m/z (ESI
+) [M+H]
+C
22H
24F
3N
6O
calc 445.1958, 観測値 445.1955, Rt = 1.94 min(HPLC 方法B)。
【0135】
6. 1−(2−アミノ−3−クロロ−5−(4−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニル)ピリジン−4−イル)ピペリジン−4−カルボニトリル(30)および1−(2−アミノ−3−クロロ−5−(4−モルホリノフェニル)ピリジン−4−イル)ピペリジン−4−カルボニトリル(27)
【化35】
6a. 1−(2−アミノ−5−ブロモ−3−クロロピリジン−4−イル)ピペリジン−4−カルボニトリル
【化36】
5−ブロモ−3,4−ジクロロピリジン−2−アミン(400mg、1.65mmol)を、NMP(2.5mL)に溶解し、4−シアノピペリジン(911mg、8.27mmol)を、加えた。バイアルを密閉し、沸騰が停止するまで高度の真空の下に配置した。5回の真空/窒素サイクルの後、隔壁を取り外し、バイアルにふたをし、マイクロ波中で窒素雰囲気下で200℃で3h加熱した。反応を水中に注ぎ、EtOAc/cHex(1:1、3×)で抽出した。合わせた有機層を水(2×)およびブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、濾過し、溶媒を蒸発させた。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/シクロヘキサン/DCM)によって精製して、生成物(0.393g、75%)を白色固体として得た。
【0136】
1H-NMR (500 MHz, CDCl
3) ppm = 8.00 (s, 1H), 4.90 (s, 2H), 3.49 - 3.32 (m, 2H), 3.23 (ddd, J=12.7, 6.7, 4.6, 2H), 2.97 - 2.71 (m, 1H), 2.11 - 1.94 (m, 4H). HRMS m/z (ESI
+) [M+H]
+C
11H
13BrClN
4 calc 315.0007, 観測値 315.0008, Rt = 2.44 min(HPLC 方法B)。
【0137】
6b. 1−(2−アミノ−3−クロロ−5−(4−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニル)ピリジン−4−イル)ピペリジン−4−カルボニトリル(30)
【化37】
1−(2−アミノ−5−ブロモ−3−クロロピリジン−4−イル)ピペリジン−4−カルボニトリル(50.0mg、0.158mmol)、4−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニルボロン酸(36.6mg、0.166mmol)およびPd(dppf)Cl
2・CH
2Cl
2(6.47mg、7.92μmol)を、密閉し、窒素で洗い流したマイクロ波バイアル中に投入し、アセトニトリル(1mL)およびaq.炭酸ナトリウム(0.5M、0.437mL、0.219mmol)を加え、バイアルにふたをし、マイクロ波中で120℃で1h加熱した。溶媒を蒸発させ、生成物をフラッシュクロマトグラフィー(DCM中の「MeOH中1M NH
3」)によって精製した。少量の不純物が生成物と同時溶出し、その後高温EtOAcからの再結晶によって除去して、表題化合物(20.0mg、31%)を白色固体として得た。
【0138】
1H-NMR (500 MHz, CDCl
3) ppm = 7.75 (s, 1H), 7.11 (d, J=8.7, 2H), 6.96 (d, J=8.7, 2H), 4.81 (s, 2H), 3.27 - 3.25 (m, 4H), 3.12 - 3.03 (m, 2H), 2.85 - 2.60 (m, 3H), 2.61 - 2.59 (m, 4H), 2.37 (s, 3H), 1.89 - 1.77 (m, 4H). HRMS m/z (ESI
+) [M+H]
+C
22H
28ClN
6 calc 411.2058, 観測値 411.2056, Rt = 1.38 min(HPLC 方法B)。
【0139】
6c. 1−(2−アミノ−3−クロロ−5−(4−モルホリノフェニル)ピリジン−4−イル)ピペリジン−4−カルボニトリル(27)
【化38】
1−(2−アミノ−5−ブロモ−3−クロロピリジン−4−イル)ピペリジン−4−カルボニトリル(50.0mg、0.158mmol)を、アセトニトリル(1mL)中の4−モルホリノフェニルボロン酸(34.4mg、0.166mmol)およびPd(dppf)Cl
2・CH
2Cl
2(6.47mg、7.92μmol)と、上で使用した手順に従って反応させた。フラッシュクロマトグラフィー(DCM中の「MeOH中の1M NH
3」)による精製、続いて高温EtOAcからの再結晶によって、表題化合物(20.0mg、32%)が白色固体として得られた。
【0140】
1H-NMR (500 MHz, CDCl
3) ppm = 7.76 (s, 1H). 7.15 - 7.11 (m, 2H), 6.97 - 6.93 (m, 2H), 4.82 (s, 2H), 3.90 - 3.88 (m, 4H), 3.22 - 3.20 (m, 4H), 3.13 - 3.01 (m, 2H), 2.90 - 2.52 (m, 3H), 1.91 - 1.76 (m, 4H). HRMS m/z (ESI
+) [M+H]
+C
21H
25ClN
5O, calc 398.1742, 観測値 398.1733, Rt = 2.04 min(HPLC 方法B)。
【0141】
同様の様式において、イソニペコタミドまたはその誘導体を、4−シアノピペリジンの代わりに反応させることができる。これらの中間体はまた、Pd触媒反応を受けて、最終的な化合物47および48を生成した。
【0142】
7. 8−(2−アミノ−3−クロロ−5−(1−メチル−2,2−ジオキシド−1,3−ジヒドロベンゾ[c]イソチアゾール−5−イル)ピリジン−4−イル)−2,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−1−オン(26)
【化39】
7a. (2−クロロフェニル)メタンスルホンアミド
【化40】
2−クロロベンジルスルホニルクロリド(1.86g、8.26mmol)をアセトン(27mL)に溶解し、次に水酸化アンモニウム(18.0mL、158mmol)を加えた。反応をRTで2.5h撹拌し、溶媒を蒸発させた。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、水を加えた。2つの層を分離し、水層を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を、硫酸マグネシウムで乾燥し、真空の下で濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(DCM/EtOH)によって精製して、表題化合物を白色固体(1.50g、88%)として得た。
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) ppm = 7.56 - 7.53 (m, 1H), 7.47 - 7.44 (m, 1H), 7.36 - 7.30 (m, 2H), 4.66 (bs, 2H), 4.57 (s, 2H). Rt = 1.77 min(HPLC 方法C)。
【0143】
7b. 1,3−ジヒドロベンゾ[c]イソチアゾール2,2−ジオキシド
【化41】
(2−クロロフェニル)メタンスルホンアミド(450mg、2.19mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(100mg、0.109mmol)、2−ジ−tert−ブチルホスフィノ−2’,4’,6’−トリ−イソプロピルビフェニル(186mg、0.438mmol)および炭酸カリウム(605mg、4.38mmol)を、マイクロ波バイアル中に投入し、THF(8.8mL)を加えた。反応混合物を80℃で13h撹拌し、その後塩化アンモニウムの飽和溶液で反応停止した。溶媒を次に蒸発させ、残留物をカラムクロマトグラフィー(シクロヘキサン/アセトン)によって精製して、表題化合物を白色固体(296mg、80%)として得た。
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) ppm = 7.31 - 7.26 (m, 1H), 7.26 - 7.23 (m, 1H), 7.07 (td, J=7.6, 0.9, 1H), 6.90 (d, J=8.0, 1H), 6.48 (bs, 1H), 4.39 (s, 2H). Rt = 1.69 min(HPLC 方法C)。
【0144】
7c. 1−メチル−1,3−ジヒドロベンゾ[c]イソチアゾール−2,2−ジオキシド
【化42】
1,3−ジヒドロベンゾ[c]イソチアゾール−2,2−ジオキシド(280mg、1.655mmol)および炭酸カリウム(229mg、1.66mmol)をDMF(5mL)に懸濁させた懸濁液に、ヨードメタン(414μL、6.62mmol)を加えた。反応をRTで6h撹拌し、次に塩化アンモニウムの飽和溶液で反応停止した。反応混合物を濃縮し、カラムクロマトグラフィー(シクロヘキサン/アセトン)によって精製して、表題化合物を白色固体(270mg、89%)として得た。
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) ppm = 7.37 - 7.32 (m, 1H), 7.27 - 7.24 (m, 1H), 7.02 (td, J=7.6, 1.0, 1H), 6.73 (d, J=8.0, 1H), 4.34 (s, 2H), 3.14 (s, 3H). Rt = 2.07 min(HPLC 方法C)。
【0145】
7d. 5−ブロモ−1−メチル−1,3−ジヒドロベンゾ[c]イソチアゾール−2,2−ジオキシド
【化43】
1−メチル−1,3−ジヒドロベンゾ[c]イソチアゾール−2,2−ジオキシド(272mg、1.49mmol)を、DMF(1.5mL)に溶解し、次にN−ブロモスクシンイミド(264mg、1.49mmol)を加えた。反応混合物を、RTで4h撹拌した。水を加えた後、反応混合物を濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(シクロヘキサン/アセトン)によって精製して、表題化合物を白色固体(330mg、85%)として得た。
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) ppm = 7.45 - 7.41 (m, 1H), 7.37 - 7.35 (m, 1H), 6.59 (d, J=8.5, 1H), 4.30 (s, 2H), 3.09 (s, 3H). Rt = 2.46 min(HPLC 方法B)。
【0146】
7e. 1−メチル−5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1,3−ジヒドロベンゾ[c]イソチアゾール2,2−ジオキシド
【化44】
5−ブロモ−1−メチル−1,3−ジヒドロベンゾ[c]イソチアゾール−2,2−ジオキシド(267mg、1.02mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(388mg、1.53mmol)、酢酸カリウム(300mg、3.06mmol)およびPd(dppf)Cl
2・CH
2Cl
2(42.0mg、0.051mmol)を、マイクロ波バイアル中に投入し、DME(7.4mL)を加えた。反応を、油浴中で80℃で一晩撹拌した。反応を濃縮し、カラムクロマトグラフィー(シクロヘキサン/アセトン)によって精製して、表題化合物を白色固体(290mg、92%)として得た。
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) ppm = 7.80 - 7.77 (m, 1H), 7.69 - 7.67 (m, 1H), 6.71 (d, J=8.0, 1H), 4.32 (s, 2H), 3.15 (s, 3H), 1.33 (s, 12H). LC - MS (ESI, m/z) Rt = 2.82 min - 310 (M+H)
+(HPLC 方法B)。
【0147】
7f. 8−(2−アミノ−3−クロロ−5−(1−メチル−2,2−ジオキシド−1,3−ジヒドロベンゾ[c]イソチアゾール−5−イル)ピリジン−4−イル)−2,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−1−オン(26)
【化45】
8−(2−アミノ−5−ブロモ−3−クロロピリジン−4−イル)−2,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−1−オン(40.0mg、0.111mmol)、1−メチル−5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1,3−ジヒドロベンゾ[c]イソチアゾール−2,2−ジオキシド(41.0mg、0.133mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(6.40mg、5.56μmol)を、マイクロ波バイアル中に投入し、次に脱気したアセトニトリル(2mL)および脱気した0.5M水性炭酸ナトリウム(310μL、0.156mmol)を加えた。反応を、120℃でマイクロ波照射の下で60分間加熱した。次に、反応混合物を濃縮し、カラムクロマトグラフィー(DCM/EtOH)によって精製して、表題化合物を白色固体(22mg、43%)として得た。
【0148】
1H NMR (500 MHz, DMSO-d
6) ppm = 7.62 (s, 1H), 7.53 (s, 1H), 7.28 (s, 1H), 7.23 (d, J=8.2, 1H), 6.98 (d, J=8.2, 1H), 6.14 (bs, 2H), 4.71 (s, 2H), 3.11 (t, J=6.9, 2H), 3.07 (s, 3H), 2.98 - 2.91 (m, 2H), 2.77 - 2.65 (m, 2H), 1.84 (t, J=6.9, 2H), 1.69 - 1.60 (m, 2H), 1.21 - 1.16 (m, 2H). HRMS m/z (ESI
+) [M+H]
+C
21H
24ClN
5OS, calc 462.1361, 観測値 462.1352, Rt = 1.76 min(HPLC 方法B)。
【0149】
追加的なボロン酸またはエステルの製造:
1−メチル−4−(4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)−1H−ピラゾールの製造
【化46】
7g. 4−(4−クロロフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール
【化47】
1−クロロ−4−ヨードベンゼン(6.39g、26.8mmol)、1−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾール(5.58g、26.8mmol)、炭酸ナトリウム(6.25g、59.0mmol)およびPd(dppf)Cl
2・CH
2Cl
2(2.20g、2.68mmol)を、フラスコ中に投入し、次にTHF/H
2O 3/1の混合物(117mL)を、加えた。反応混合物を、油浴中で80℃で一晩加熱した。それを、次に真空の下で濃縮し、残留物を、カラムクロマトグラフィー(シクロヘキサン/EtOAc)によって精製して、表題化合物を白色固体(3.80g、74%)として得た。
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) ppm = 7.72 (s, 1H), 7.57 (s, 1H), 7.38 (d, J=8.7, 2H), 7.31 (d, J=8.7, 2H), 3.93 (s, 3H). LC - MS (ESI, m/z) Rt = 2.88 min - 193 (M+H)
+(HPLC 方法B)。
【0150】
7h. 1−メチル−4−(4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)−1H−ピラゾール
【化48】
4−(4−クロロフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール(3.30g、17.1mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(5.20g、20.6mmol)、酢酸カリウム(5.00g、51.4mmol)、Xphos(650mg、1.37mmol)およびPd
2dba
3(310mg、0.343mmol)を、フラスコ中に投入し、次にジオキサン(34.3mL)を加えた。反応混合物を、油浴中で85℃で一晩撹拌した。溶媒を蒸発させ、粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シクロヘキサン/EtOAc)によって精製して、表題化合物を白色固体(3.9g、10%の1−メチル−4−フェニル−1H−ピラゾールによって汚染された、補正された収率75%)として得た。1H NMR (500 MHz, CDCl
3) ppm = 7.79 (d, J=8.3, 2H), 7.79 (s, 1H), 7.64 (s, 1H), 7.47 (d, J=8.3, 2H), 3.93 (s, 3H), 1.35 (s, 12H). LC - MS (ESI, m/z) Rt = 3.06 min - 285 (M+H)
+(HPLC 方法B)。
【0151】
7i. 6−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)インドリン−2−オン
【化49】
4個のマイクロ波バイアルに、以下のように投入した:6−ブロモインドリン−2−オン(500mg、2.36mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(898mg、3.54mmol)、酢酸カリウム(694mg、7.07mmol)およびPd(dppf)Cl
2・CH
2Cl
2(96.0mg、0.118mmol)を、DME(17mL)に溶解した。反応を、80℃で一晩加熱した。4個のバイアルの内容物を、次に合わせ、濃縮し、カラムクロマトグラフィー(シクロヘキサン/EtOAc)によって精製して、表題化合物を白色固体(2.27g、75%、純度80%)として得た。1H NMR (500 MHz, CDCl
3) ppm = 8.57 (bs, 1H), 7.48 (d, J=7.3, 1H), 7.31 (s, 1H), 7.23 (d, J=7.3, 1H), 3.55 (s, 2H), 1.33 (s, 12H). LC - MS (ESI, m/z) Rt = 2.75 min - 260 (M+H)
+(HPLC 方法B)。
【0152】
7j. 1−メチル−3−(4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)−1H−ピラゾール
【化50】
3−(4−ブロモフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール(500mg、2.11mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(876mg、3.45mmol)、酢酸カリウム(621mg、6.33mmol)およびPd(dppf)Cl
2・CH
2Cl
2(86mg、0.105mmol)を、マイクロ波バイアル中に投入し、次にDME(15mL)を加えた。反応混合物を、油浴中で80℃で一晩撹拌し、次に濃縮した。残留物を、カラムクロマトグラフィー(シクロヘキサン/EtOAc)によって精製して、表題化合物を白色固体(551mg、92%)として得た。
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) ppm = 7.83 (d, J=8.3, 2H), 7.80 (d, J=8.3, 2H), 7.37 (d, J= 2.2, 1H), 6.57 (d, J=2.2, 1H), 3.95 (s, 3H), 1.35 (s, 12H). LC - MS (ESI, m/z) Rt = 3.06 min - 285 (M+H)
+(HPLC 方法B)。
【0153】
7k. 5−[4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−フェニル]−ピリジン−2−イルアミン
【化51】
5−ブロモ−ピリジン−2−イルアミン(98%、500mg、2.89mmol)および1,4−ベンゼンジボロン酸ビス(ピナコール)エステル(1.40g、4.25mmol)を、1M炭酸ナトリウム溶液(5.7mL)およびアセトニトリル(10mL)に懸濁させた。混合物を脱気し、(1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)−パラジウムジクロリドジクロロメタン複合体(116mg、0.143mmol)を加え、混合物を、窒素雰囲気下で120℃で60minマイクロ波にかけた。反応混合物を濾過し、濾液を濃縮し、フラッシュクロマトグラフィーを使用して精製した。534mg(1.80mmol、64%)の無色油が、得られた。
【0154】
1−[2−(テトラヒドロ−ピラン−2−イルオキシ)−エチル]−4−[4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−フェニル]−1H−ピラゾールの製造
【化52】
7l. 4−(4−ブロモ−フェニル)−1−[2−(テトラヒドロ−ピラン−2−イルオキシ)−エチル]−1H−ピラゾール
【化53】
4−(4−ブロモフェニル)ピラゾール(2.00g、8.97mmol)を、アセトニトリル(300mL)に溶解した。炭酸セシウム(4.38g、13.4mmol)および2−(2−ブロモ−エトキシ)−テトラヒドロ−ピラン(96%、2.54g、11.7mmol)を加え、混合物を、RTで一晩撹拌した。その後、混合物を、70℃で24時間撹拌した。淡黄色反応混合物を、Celiteで濾過し、酢酸エチルで洗浄した。濾液を蒸発乾固させ、さらに精製せずに次のステップにおいて使用して、黄色油(94%純度、3.10g、8.31mmol、93%)において得られた。
【0155】
7m. 1−[2−(テトラヒドロ−ピラン−2−イルオキシ)−エチル]−4−[4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−フェニル]−1H−ピラゾール
【化54】
4−(4−ブロモ−フェニル)−1−[2−(テトラヒドロ−ピラン−2−イルオキシ)−エチル]−1H−ピラゾール(93%、3.10g、8.31mmol)を、THF(100mL)に溶解し、ビス(ピナコラト)ジボロン(4.22g、16.6mmol)、酢酸カリウム(2.45g、24.9mmol)および(1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)−パラジウムジクロリドジクロロメタン複合体(664mg、0.83mmol)を加え、混合物を、窒素雰囲気下で70℃で一晩撹拌した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、濾過し、蒸発させた。暗褐色残留物を、フラッシュクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール)によって精製して、2.35g(94%純度、5.55mmol、67%)の黄色の粘性油において得た。
【0156】
THP保護基を、ピリジンのアミノ官能を脱保護するために使用する条件にて、3fに記載したようにTFAを適用して切断した。
【0157】
(3−アミノ−1H−インダゾール−6−イル)ボロン酸の製造
【化55】
7n. tert−ブチル3−[ビス(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−6−ブロモ−インダゾール−1−カルボキシレート
【化56】
6−ブロモ−1H−インダゾール−3−アミン(500mg、2.36mmol)を、THF(10mL)に溶解した。ジ−tert−ブチルジカーボネート(2.52mL、11.8mmol)およびトリエチルアミン(3.27mL、23.6mmol)を加え、反応を、RTで3日撹拌した。反応混合物を、100mlの水中に注いだ。混合物を、酢酸エチルで2回抽出した。有機層を水で洗浄し、乾燥し、濾過し、蒸発乾固させて、1.42g(73%純度、2.02mmol、86%)の茶色油において得た。
【0158】
7o. tert−ブチル3−[ビス(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−6−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)インダゾール−1−カルボキシレート
【化57】
tert−ブチル3−[ビス(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−6−ブロモ−インダゾール−1−カルボキシレート(86%、1.14g、1.91mmol)を、テトラヒドロフラン(16mL)に溶解した。ビス(ピナコラト)ジボロン(486mg、1.91mmol)および酢酸カリウム(375mg、3.83mmol)を、加えた。混合物を脱気し、(1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)−パラジウムジクロリドジクロロメタン複合体(78.1mg、0.096mmol)を加え、混合物を窒素雰囲気下で70℃で一晩撹拌した。追加的なビス(ピナコラト)ジボロン(486mg、191mmol)、酢酸カリウム(130mg、1.33mmol)および(1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)−パラジウムジクロリドジクロロメタン複合体(78.1mg、0,096mmol)を加え、反応混合物を窒素雰囲気下で70℃で4時間撹拌した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、濾過し、蒸発させた。暗褐色残留物を、フラッシュクロマトグラフィー(ヘプタン/ジクロロメタン)によって精製して、1.00g(1.79mmol、94%)の黄色ガラス様固体において得た。
【0159】
7p. (3−アミノ−1H−インダゾール−6−イル)ボロン酸
【化58】
tert−ブチル3−[ビス(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−6−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)インダゾール−1−カルボキシレート(1g、1.79mmol)を、ジオキサン(25mL)に溶解した塩化水素溶液(ジオキサン中4M、5mL、20.0mmol)で処理した。淡黄色溶液を、室温で一晩撹拌した。溶液を蒸発乾固させ、残留物をジエチルエーテルで処理して、オフホワイト固体を得た。混合物を濾過し、ジエチルエーテルで洗浄した。残留物を一晩乾燥して、HCl塩であると確認された薄茶色固体(370mg、1.73mmol、97%)を生成した。
【0160】
8. 8.9−(2−アミノ−3−クロロ−5−(4−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)フェニル)ピリジン−4−イル)−1,4,9−トリアザスピロ[5.5]ウンデカン−5−オン(40)
【化59】
8a. 9−(2−アミノ−5−ブロモ−3−クロロピリジン−4−イル)−1,4,9−トリアザスピロ[5.5]ウンデカン−5−オン
【化60】
5−ブロモ−3,4−ジクロロピリジン−2−アミン(450mg、1.86mmol)、tert−ブチル−5−オキソ−1,4,9−トリアザスピロ[5.5]ウンデカン−9−カルボキシレート(501mg、1.86mmol)およびフッ化カリウム(216mg、3.72mmol)を、マイクロ波バイアル中に投入した。ふたをしたバイアルを、高度の真空を使用して排気し、窒素でパージした(各々3回)。トリエチルアミン(0.715ml、5.58mmol)およびNMP(4.5mL)を加え、混合物を、高度の真空を使用することにより再び脱気し、再び窒素でパージした(各々3回)。反応混合物を、マイクロ波中で220℃で2h加熱した。暗褐色溶液を水およびEtOAcで希釈し、有機層を分離した。水層を、EtOAcで2回抽出した。合わせた有機層を水で洗浄し、MgSO
4で乾燥し、濾過し、溶媒を減圧下で蒸発させた。得られた茶色油を、シリカゲル(CH
2Cl
2/EtOH)上のクロマトグラフィーによって精製して、生成物(380mg、55%)を白色固体として得た。
【0161】
1H NMR (500 MHz, DMSO-d
6) ppm = 7.90 (s, 1H), 7.50 (s, 1H), 6.29 (bs, 2H), 3.53 (td, J=12.1, 2.1, 2H), 3.14 (td, J=5.4, 2.4, 2H), 2.92-2.81 (m, 4H), 2.31-2.25 (m, 1H), 2.11 (td, J=12.5, 3.7, 2H), 1.64-1.56 (m, 2H). HRMS m/z (ESI
+) [M+H]
+C
13H
18BrClN
45O calc 374.0378, 観測値 374.0374, Rt = 0.61 min(HPLC 方法B)。
【0162】
8 b.9−(2−アミノ−3−クロロ−5−(4−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)フェニル)ピリジン−4−イル)−1,4,9−トリアザスピロ[5.5]ウンデカン−5−オン(40)
【化61】
1−メチル−4−(4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)−1H−ピラゾール(45.5mg、0.16mmol)、9−(2−アミノ−5−ブロモ−3−クロロピリジン−4−イル)−1,4,9−トリアザスピロ[5.5]ウンデカン−5−オン(50.0mg、0.133mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(7.70mg、6.67μmol)を、マイクロ波バイアル中に投入し、次に脱気したアセトニトリル(2.4mL)および脱気した0.5M水性炭酸ナトリウム(374μL、0.156mmol)を、加えた。反応を、120℃でマイクロ波照射の下で60min加熱した。次に、反応混合物を減圧下で濃縮し、カラムクロマトグラフィー(DCM/EtOH)によって精製した。得られた固体を、高温EtOAcで粉末にし、濾別した。固体を、次にDCMおよびMeOHの混合物に溶解し、SCX−2カラム上で濾過した。生成物をMeOH中の1Mアンモニアと共に放出させて、表題化合物を白色固体(29.0mg、50%)として得た。
【0163】
1H NMR (500 MHz, DMSO-d
6) ppm = 8.17 (s, 1H), 7.89 (s, 1H), 7.60 (s, 1H), 7.59 (d, J=8.3, 2H), 7.42 (s, 1H), 7.22 (d, J=8.3, 2H), 6.06 (bs, 2H), 3.87 (s, 3H), 3.08-3.04 (m, 2H), 3.00-2.91 (m, 2H), 2.79-2.71 (m, 4H), 2.01-1.93 (m, 2H), 1.44-1.38 (m, 2H). HRMS m/z (ESI
+) [M+H]
+C
23H
27ClN
7O calc 452.1960, 観測値 452.1952, Rt = 1.37 min(HPLC 方法B)。
【0164】
この手順に従って、また化合物45および46を、合成した。
【0165】
9. 8−[2−アミノ−3−フルオロ−5−(1−メチル−2,2−ジオキソ−2,3−ジヒドロ−1H−2l6−ベンゾ[c]イソチアゾール−5−イル)−ピリジン−4−イル]−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン(61)および8−[2−アミノ−3−フルオロ−5−(1−メチル−2,2−ジオキソ−2,3−ジヒドロ−1H−2l6−ベンゾ[c]イソチアゾール−5−イル)−ピリジン−4−イル]−1−オキサ−3,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−2−オン(60)
【化62】
9a. 4,5−ジクロロ−3−フルオロピリジン−2−アミン
【化63】
LDA(8.0mL、15.93mmol)をTHF(31mL)に溶解した溶液に、−78℃で、5−クロロ−3−フルオロピリジン−2−アミン(934mg、6.37mmol)をTHF(9.0mL)に溶解した溶液を加えた。−78℃で50min後、ヘキサクロロエタン(1.40mL、12.75mmol)をTHF(9.0mL)に溶解した溶液を、加えた。反応混合物を40min撹拌し、その後NH
4Clで反応停止した。層を分離し、水層をDCMで2回抽出した。合わせた有機層をMgSO
4で乾燥し、濾過し、溶媒を減圧下で蒸発させた。粗混合物をシリカゲル(DCM)上のクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物(950mg、82%)を白色固体として得た。
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) ppm = 7.92 (d, J=0.9, 1H), 4.74 (s, 2H). LC - MS (ESI, m/z) Rt = 2.66 min - 180 (M+H)
+(HPLC 方法B)。
【0166】
9b. 8−(2−アミノ−5−クロロ−3−フルオロピリジン−4−イル)−2,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−1−オン
【化64】
4,5−ジクロロ−3−フルオロピリジン−2−アミン(100mg、0.55mmol)およびtert−ブチル1−オキソ−2,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−8−カルボキシレート(211mg、0.83mmol)を、マイクロ波バイアル中に導入し、次にNMP(1.4mL)を加えた。バイアルを密閉し、沸騰が停止するまで高度の真空の下に配置した。3回の真空/アルゴンサイクルの後、トリエチルアミン(230μL、1.69mmol)を加え、反応混合物をマイクロ波中で220℃で2h加熱した。反応混合物を濃縮し、粗製物をシリカゲル(DCM/EtOH)上のクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物(105mg、64%)を白色固体として得た。
【0167】
1H NMR (500 MHz, DMSO-d
6) ppm = 7.67 (s, 1H), 7.59 (s, 1H), 6.17 (s, 2H), 3.34 - 3.27 (m, 2H), 3.19 (t, J=6.8, 2H), 3.12-3.05 (m, 2H), 2.01 (t, J=6.8, 2H), 1.83 - 1.76 (m, 2H), 1.44-1.38 (m, 2H). LC - MS (ESI, m/z) Rt = 1.73 min - 299 (M+H)
+(HPLC 方法B)。
【0168】
9c. 8−[2−アミノ−3−フルオロ−5−(1−メチル−2,2−ジオキソ−2,3−ジヒドロ−1H−2l6−ベンゾ[c]イソチアゾール−5−イル)−ピリジン−4−イル]−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン(61)
【化65】
8−(2−アミノ−5−クロロ−3−フルオロピリジン−4−イル)−2,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−1−オン(20mg、6.7μmol)、1−メチル−5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1,3ジヒドロベンゾ[c]イソチアゾール2,2−ジオキシド(27mg、8.7μmol)およびトランス−ジクロロビス(トリシクロヘキシルホスフィン)パラジウム(2.50mg、3.35μmol)を、マイクロ波バイアル中に投入し、次に脱気したアセトニトリル(1.1mL)および脱気した0.5M水性炭酸ナトリウム(187μL、9.4μmol)を、加えた。反応混合物を、150℃でマイクロ波照射の下で30分間加熱した。溶媒を蒸発させ、生成物をカラムクロマトグラフィー(DCM/EtOH)によって精製して、表題化合物を白色固体(17mg、57%)として得た。
【0169】
1H NMR (500 MHz, DMSO-d
6) ppm = 7.54 (s, 1H), 7.48 (s, 1H), 7.45 (s, 1H), 7.41 (d, J=8.2, 1H), 6.97 (d, J=8.2, 1H), 6.02 (s, 2H), 4.67 (s, 2H), 3.13 (t, J=6.8, 2H), 3.07 (s, 3H), 3.07 - 3.01 (m, 2H), 2.92 - 2.86 (m, 2H), 1.91 (t, J=6.8, 2H), 1.60-1.53 (m, 2H), 1.20 - 1.15 (m, 2H). HRMS m/z (ESI
+) [M+H]
+C
21H
25FN
5O
3S, calc 446.1657, 観測値 446.1656, Rt = 1.73 min(HPLC 方法B)。
【0170】
この手順に従って、また化合物64を、合成した。
【0171】
9d. 8−(2−アミノ−5−クロロ−3−フルオロピリジン−4−イル)−1−オキサ−3,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−2−オン
【化66】
4,5−ジクロロ−3−フルオロピリジン−2−アミン(100mg、0.55mmol)および1−オキサ−3,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−2−オン、酢酸塩(178mg、0.83mmol)を、マイクロ波バイアル中に導入し、次にNMP(1.4mL)を、加えた。バイアルを密閉し、沸騰が停止するまで高度の真空の下に配置した。3回の真空/アルゴンサイクルの後、トリエチルアミン(233μL、1.66mmol)を加え、反応混合物をマイクロ波中で220℃で5h加熱した。反応混合物を濃縮し、固体をDCMおよび次にMeOHで洗浄して、表題化合物(60mg、36%)を白色固体として得た。
【0172】
1H NMR (500 MHz, DMSO-d
6) ppm = 7.68 (s, 1H), 7.55 (s, 1H), 6.21 (s, 2H), 3.31 (s, 2H), 3.31 - 3.24 (m, 2H), 3.21 - 3.14 (m, 2H), 1.92 - 1.81 (m, 4H). LC - MS (ESI, m/z) Rt = 1.63 min - 301 (M+H)
+(HPLC 方法B)。
【0173】
9e. 8−[2−アミノ−3−フルオロ−5−(1−メチル−2,2−ジオキソ−2,3−ジヒドロ−1H−2l6−ベンゾ[c]イソチアゾール−5−イル)−ピリジン−4−イル]−1−オキサ−3,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−2−オン(60)
【化67】
8−(2−アミノ−5−クロロ−3−フルオロピリジン−4−イル)−1−オキサ−3,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−2−オン(30mg、0.10mmol)、1−メチル−5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1,3ジヒドロベンゾ[c]イソチアゾール2,2−ジオキシド(62.0mg、0.20mmol)およびトランス−ジクロロビス(トリシクロヘキシルホスフィン)パラジウム(3.7mg、4.99μmol)を、マイクロ波バイアル中に投入した。脱気したアセトニトリル(1.7mL)および脱気した0.5M水性炭酸ナトリウム(280μL、0.14mmol)を、次に加えた。反応を、150℃でマイクロ波照射の下で30min加熱した。次に、反応混合物を濃縮し、カラムクロマトグラフィー(DCM/EtOH)によって精製して、表題化合物を白色固体(15mg、34%)として得た。
【0174】
1H NMR (500 MHz, DMSO-d
6) ppm = 7.484 (s, 1H), 7.477 (s, 1H), 7.44 - 7.41 (m, 2H), 6.98 (d, J=8.8, 1H), 6.06 (s, 2H), 4.69 (s, 2H), 3.22 (s, 2H), 3.11 - 3.03 (m, 2H), 3.06 (s, 3H), 2.96 - 2.90 (m, 2H), 1.70 - 1.56 (m, 4H). HRMS m/z (ESI
+) [M+H]
+C
20H
23FN
5O
4S, calc 448.1449, 観測値 448.1447, Rt = 1.63 min(HPLC 方法B)。
【0175】
この手順に従って、また化合物63を、合成した。
【0176】
10. 8−[2−アミノ−3−クロロ−5−(2−エチル−1,1−ジオキソ−2,3−ジヒドロ−1H−1l6−ベンゾ[d]イソチアゾール−5−イル)−ピリジン−4−イル]−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン(68)
【化68】
10a.4−ブロモ−N−(tert−ブチル)−2−メチルベンゼンスルホンアミド
【化69】
N
2下で−20℃(CH
3CNを有するドライアイス浴)で無水DCM(50mL)に溶解した3−ブロモトルエン(3.55mL、29.2mmol)を含む100mLの3つ首フラスコ中に、クロロスルホン酸(13.7mL、205mmol)を15minにわたって滴加した。反応混合物を、N
2下で0℃で2hおよびRTで4h撹拌した。反応混合物を氷上に用心深く注ぎ、得られた懸濁液をDCM(3回80mL)で抽出した。合わせた有機相を、低温飽和ブラインで洗浄し、MgSO
4で乾燥し、濾過し、50mLに到達するまで濃縮した。
【0177】
N
2下でRTで無水DCM(30mL)に溶解したトリエチルアミン(4.27mL、30.7mmol)およびtert−ブチルアミン(3.23mL、30.7mmol)を含む100mLの3つ首フラスコに、上で製造したスルホニルクロリドの溶液を、加えた。添加を、温度を20℃より低く維持して20分にわたって行った。反応混合物を、完了までRTで15h撹拌した。
【0178】
混合物を、HCl(0.1N、100mL)、NaHCO
3の飽和溶液およびブラインで洗浄した。次に、MgSO
4での乾燥、濾過および濃縮によって、表題化合物(8.09g、90%)が帯黄色固体として得られた。
【0179】
10b.5−ブロモ−2−tert−ブチル−2,3−ジヒドロ−1,2−ベンズイソチアゾール1,1−ジオキシド
【化70】
RTでCHCl
3(40mL)中の4−ブロモ−N−(tert−ブチル)−2−メチルベンゼンスルホンアミド(8.09g、26.4mmol)を含む150mLフラスコ中に、N−ブロモスクシンイミド(4.70g、26.4mmol)を一部で加え、続いてα,α’−アゾイソブチロニトリル(86.8mg、0.53mmol)を加えた。反応混合物を、還流で16h撹拌した。
【0180】
濃縮およびMeOH(40mL)での希釈の後、水酸化ナトリウム(2.11g、52.8mmol)を加え、反応混合物を、激しい撹拌の下でRTで3h撹拌した。混合物を水中に注ぎ、得られた懸濁液を濾過して、白色固体を得、それをジエチルエーテルで洗浄し、乾燥して、表題化合物(1.72g、21.4%)を白色固体として得た。
【0181】
10c.5−ブロモ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[d]イソチアゾール1,1−ジオキシド
【化71】
ねじぶたをしたバイアル中で、5−ブロモ−2−tert−ブチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[d]イソチアゾール1,1−ジオキシド(388mg、1.28mmol)を、トリフルオロ酢酸(6mL)に溶解し、50℃で16h撹拌した。混合物を蒸発乾固させた。淡いベージュ色の残留物を、フラッシュクロマトグラフィー(n−ヘプタン/DCM)によって精製して、316mg(1.28mmol、100%)のオフホワイト固体において得た。Rt=2.063min(HPLC 方法A)
【0182】
10d.5−ブロモ−2−エチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[d]イソチアゾール1,1−ジオキシド
【化72】
12mLのねじぶたをした容器中で、5−ブロモ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[d]イソチアゾール1,1−ジオキシド(316mg、1.28mmol)を、DMF(8mL)に溶解し、炭酸カリウム(0.44g、3.20mmol)およびヨードエタン(399mg、2.56mmol)を加え、反応混合物をRTで2日間撹拌した。混合物を、50mLの水で処理した。生成した白色沈殿物を、真空の下で濾過し、水で洗浄した。固体をDCMに溶解し、相分離器を通して濾過し、蒸発乾固させて、246mg(60%)の表題化合物をオフホワイト固体として得た。Rt=2.477min(HPLC 方法A)。
【0183】
10e.5−ジヒドロキシボリル−2−エチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[d]イソチアゾール1,1−ジオキシド
【化73】
50mLのねじぶたをした容器中で、5−ブロモ−2−エチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[d]イソチアゾール1,1−ジオキシド(246mg、0.89mmol)を、テトラヒドロフラン(最大0.0075%のH
2O、15mL)に溶解した。ビス(ピナコラト)ジボロン(339mg、1.34mmol)、酢酸カリウム(262mg、2.67mmol)およびPd(dppf)Cl
2・CH
2Cl
2(72.7mg、0.089mmol)を、加えた。赤色反応混合物を、70℃で16h撹拌した。暗褐色反応混合物を酢酸エチルで処理し、濾過し、蒸発させた。粗製の残留物を、フラッシュクロマトグラフィー(n−ヘプタン/DCM)によって精製して、107mg(45%)の表題化合物を白色固体として得た。Rt=1.82min(HPLC 方法A)。
【0184】
10f.8−[2−[ビス−(4−メトキシ−ベンジル)−アミノ]−3−クロロ−5−(2−エチル−1,1−ジオキソ−2,3−ジヒドロ−1H−1ラムダ6−ベンゾ[d]イソチアゾール−5−イル)−ピリジン−4−イル]−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン
【化74】
マイクロ波バイアル中で、8−{2−[ビス−(4−メトキシ−ベンジル)−アミノ]−5−ブロモ−3−クロロ−ピリジン−4−イル}−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン(188mg、0.25mmol)を、アセトニトリル(4mL)に懸濁させた。5−ブロモ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[d]イソチアゾール1,1−ジオキシド(67.0mg、0.25mmol)、炭酸ナトリウム溶液(1mL、0.50mmol)およびPd(dppf)Cl
2・CH
2Cl
2(18.3mg、0.025mmol)を、加えた。閉じたバイアルを排気し、窒素で3回洗い流し、マイクロ波オーブン(Emrys Optimizer)中で120℃で1h撹拌した。反応混合物を酢酸エチルで処理し、濾過し、蒸発させた。粗製の茶色残留物を、フラッシュクロマトグラフィー(n−ヘプタン/DCM/MeOH)によって精製して、167mg(67%)の表題化合物を白色固体として得た。Rt=2.953min(HPLC 方法A)。
【0185】
10g.8−[2−アミノ−3−クロロ−5−(2−エチル−1,1−ジオキソ−2,3−ジヒドロ−1H−1l6−ベンゾ[d]イソチアゾール−5−イル)−ピリジン−4−イル]−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン(68)
【化75】
100mL丸底フラスコ中で、8−[2−[ビス−(4−メトキシ−ベンジル)−アミノ]−3−クロロ−5−(2−エチル−1,1−ジオキソ−2,3−ジヒドロ−1H−1ラムダ6−ベンゾ[d]イソチアゾール−5−イル)−ピリジン−4−イル]−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン(167mg、0.168mmol)を、トリフルオロ酢酸(3mL)に溶解した。暗い赤色の反応溶液を、RTで一晩撹拌した。反応混合物を蒸発させた。赤色残留物を、DCMに溶解した。水および固体炭酸ナトリウムを加えて、pH=9に調整した。それを相分離器を通して濾過し、DCM層を蒸発させた。茶色残留物をアセトニトリルで処理して、白色沈殿物を得た。反応混合物を真空の下で濾過し、アセトニトリルおよびジエチルエーテルで洗浄し、真空中で2h乾燥して、43mg(53%)の表題化合物を白色固体として得た。
【0186】
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) ppm = 7.85 (d, J=8.0, 1H), 7.70 (s, 1H), 7.58 - 7.52 (m, 1H), 7.50 (s, 1H), 7.49 - 7.44 (m, 1H), 6.28 (s, 2H), 4.50 (s, 2H), 3.35 - 3.23 (m, 4H), 3.12 (t, J=6.8, 2H), 3.04 - 2.93 (m, 2H), 1.86 (t, J=6.8, 2H), 1.72 - 1.60 (m, 2H), 1.28 (t, J=7.2, 3H), 1.25 - 1.18 (m, 2H). HPLC:(パーセント面積)100%;Rt=1.93min(HPLC 方法A)。
【0187】
11. ラセミ体トランス−2’−アミノ−3’−クロロ−3−ヒドロキシ−5’−(1−メチル−2,2−ジオキソ−2,3−ジヒドロ−1H−2l6−ベンゾ[c]イソチアゾール−5−イル)−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,4’]ビピリジニル−4−カルボニトリル(57)
【化76】
11a.ラセミ体トランス−5’−ブロモ−3’−クロロ−3−ヒドロキシ−2’−(4−メトキシ−ベンジルアミノ)−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,4’]ビピリジニル−4−カルボニトリル
【化77】
マイクロ波合成のための15mL管中で、5−ブロモ−3,4−ジクロロ−ピリジン−2−イル)−ビス−(4−メトキシ−ベンジル)−アミン(1.00g、2.07mmol)およびラセミ体トランス−4−シアノ−3−ヒドロキシ−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(493mg、2.18mmol)を、1−メチル−2−ピロリドン(5mL)に溶解し、トリエチルアミン(0.57mL、4.15mmol)を、RTで加えた。管を密閉し、排気し、窒素で洗い流した。反応混合物を、マイクロ波中で220℃で2h撹拌した。HPLC/MSによって、所望の生成物質量および一保護されたPMB生成物、しかしまた出発物質の質量が示された。混合物を、220℃でさらに8h、マイクロ波オーブン中で加熱した:出発物質は検出されず、モノ−PMB生成物の質量のみが検出された。溶媒を蒸発させ、残留物を酢酸エチルに溶解し、有機層を水で3回、次にブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を蒸発させた。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、205mg(13%)の表題化合物をオフホワイト固体として得た。
【0188】
11b.ラセミ体トランス−3’−クロロ−3−ヒドロキシ−2’−(4−メトキシ−ベンジルアミノ)−5’−(1−メチル−2,2−ジオキソ−2,3−ジヒドロ−1H−2ラムダ6−ベンゾ[c]イソチアゾール−5−イル)−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,4’]ビピリジニル−4−カルボニトリル
【化78】
マイクロ波合成のための容器に、ラセミ体トランス−5’−ブロモ−3’−クロロ−3−ヒドロキシ−2’−(4−メトキシ−ベンジルアミノ)−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,4’]ビピリジニル−4−カルボニトリル(100mg、0.133mmol)、1−メチル−5−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[c]イソチアゾール2,2−ジオキシド(50.3mg、0.159mmol)、炭酸カリウム(36.7mg、0.266mmol)およびPd(dppf)Cl
2・CH
2Cl
2(5.42mg、0.007mmol)を満たし、次にアセトニトリル(5mL)および水(2mL)を加えた。混合物を、120℃でマイクロ波オーブン中で1h撹拌した。溶媒を蒸発させ、残留物をアセトニトリルに溶解し、不溶性の塩を濾別した。濾液を蒸発させ、粗生成物を分取クロマトグラフィーによって精製した。透明な画分を合わせ、蒸発させて、32.3mg(42%)の所望の生成物を無色固体として得た。
【0189】
11c.ラセミ体トランス−2’−アミノ−3’−クロロ−3−ヒドロキシ−5’−(1−メチル−2,2−ジオキソ−2,3−ジヒドロ−1H−2l6−ベンゾ[c]イソチアゾール−5−イル)−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,4’]ビピリジニル−4−カルボニトリル(57)
【化79】
ラセミ体トランス−3’−クロロ−3−ヒドロキシ−2’−(4−メトキシ−ベンジルアミノ)−5’−(1−メチル−2,2−ジオキソ−2,3−ジヒドロ−1H−2ラムダ6−ベンゾ[c]イソチアゾール−5−イル)−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,4’]ビピリジニル−4−カルボニトリル(32.3mg、0.055mmol)を、トリフルオロ酢酸(3mL)に溶解し、RTで1h撹拌した(黄色溶液は赤色に変化した)。混合物を、RTで16h放置して撹拌した。トリフルオロ酢酸を減圧下で蒸発させ、残留物を分取クロマトグラフィーによって精製した。残留物を、酢酸エチルに再び溶解し、飽和Na
2CO
3溶液で1回洗浄して、遊離塩基を得、硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発させ、凍結乾燥して、17.3mg(72%)の所望の生成物を無色固体として得た。
【0190】
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) ppm = 7.63 (s, 1H), 7.24 - 7.15 (m, 2H), 6.98 (d, J=8.1, 1H), 6.15 (s, 2H), 5.60 (d, J=5.4, 1H), 4.68 (s, 2H), 3.68 - 3.38 (m, 1H), 3.14 - 3.01 (m, 4H), 2.96 - 2.83 (m, 1H), 2.65 - 2.22 (m, 3H), 1.98 - 1.81 (m, 1H), 1.76 - 1.58 (m, 1H). LC/MS:(パーセント面積)100%;Rt 1.372min(HPLC 方法D)。
【0191】
この手順に従って、化合物56を合成した。
鏡像異性体を、標準的な条件下でキラルHPLCによって分離した:
機器:SFC MiniGram(登録商標)
カラム:Chiralpak AS-H、250×4.6mm
溶離剤:CO2+30%メタノール+0.5%ジエチルアミン
流量:5mL/min.
λ=220nm
試料注入:100μL/試行(5mLのメタノールに溶解した50mgの試料)
Rt(化合物65)=4.20min、19.9mg
Rt(化合物66)=5.90min、21.2mg
【0192】
新たなボロンエステル
12. 1−エチル−4−(4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)−1H−ピラゾールおよび1−イソプロピル−4−(4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)−1H−ピラゾールの製造
【化80】
12a.4−(4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)−1H−ピラゾール
【化81】
4−(4−ブロモフェニル)−1H−ピラゾール(1.00g、4.48mmol)、ビス(ピナコラト)ジボラン(1.70g、6.72mmol)、酢酸カリウム(1.32g、13.45mmol)およびPd(dppf)Cl
2・CH
2Cl
2(183mg、0.224mmol)を、フラスコ中に投入し、DME(32.5mL)を加えた。反応を、80℃で一晩加熱した。さらに170mgのPd(dppf)Cl
2・CH
2Cl
2を加え、反応混合物をさらに30h加熱した。水およびDCMの添加の後、水性層をDCMで抽出した。有機層をMgSO
4で乾燥し、濾過し、溶媒を減圧下で蒸発させた。粗製物をシリカゲル(シクロヘキサン/酢酸エチル)上のクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物(820mg、68%)を白色固体として得た。
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) ppm = 7.94 (s, 2H), 7.84 (d, J= 8.2, 2H), 7.54 (d, J= 8.2, 2H), 1.38 (s, 12H). LC - MS (ESI, m/z) Rt = 2.94 min - 271 (M+H)
+(HPLC 方法B)。
【0193】
12b.1−エチル−4−(4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)−1H−ピラゾール
【化82】
4−(4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)−1H−ピラゾール(430mg、1.60mmol)をDMF(8.0mL)に溶解した溶液に、炭酸カリウム(576mg、4.17mmol)およびヨードエタン(340μL、4.17mmol)を加えた。反応混合物を、RTで一晩撹拌し、次に濾過し、濃縮した。粗製物をシリカゲル(シクロヘキサン/酢酸エチル)上のクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物(300mg、63%)を白色固体として得た。1H NMR (500 MHz, CDCl
3) ppm = 7.83 (s, 1H), 7.81 (d, J= 8.2, 2H), 7.69 (s, 1H), 7.50 (d, J= 8.2, 2H), 4.20 (q, J=7.3, 2H),1.53 (t, J=7.3, 3H), 1.36 (s, 12H). LC - MS (ESI, m/z) Rt = 3.14 min - 299 (M+H)
+(HPLC 方法B)。
【0194】
12c.1−イソプロピル−4−(4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)−1H−ピラゾール
【化83】
4−(4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)−1H−ピラゾール(390mg、1.43mmol)をDMF(7.1mL)に溶解した溶液に、炭酸カリウム(515mg、3.72mmol)および2−ヨードプロパン(180μL、1.80mmol)を加えた。反応を、RTで一晩撹拌した。さらに180μLの2−ヨードプロパンを加え、反応混合物をRTで1日間撹拌した。変換は、この段階で完了しておらず、したがって追加的な360μLの2−ヨードプロパンを加え、反応混合物をRTで2日間撹拌した。それを次に濾過し、減圧下で濃縮した。粗製物を、シリカゲル(シクロヘキサン/酢酸エチル)上のクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物(150mg、34%)を白色固体として得た。
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) ppm = 7.83 (s, 1H), 7.81 (d, J= 8.2, 2H), 7.73 (s, 1H), 7.51 (d, J= 8.2, 2H), 4.54 (七重項, J=6.7, 1H),1.56 (d, J=6.7, 6H), 1.37 (s, 12H). LC - MS (ESI, m/z) Rt = 3.20 min - 313 (M+H)
+(HPLC 方法B)。
【0195】
13. 1−エチル−5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1,3−ジヒドロベンゾ[c]イソチアゾール2,2−ジオキシド、1−イソプロピル−5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1,3−ジヒドロベンゾ[c]イソチアゾール2,2−ジオキシドおよび1−(シクロプロピルメチル)−5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1,3−ジヒドロベンゾ[c]イソチアゾール2,2−ジオキシドの製造
【化84】
13a.5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1,3−ジヒドロベンゾ[c]イソチアゾール2,2−ジオキシド
【化85】
5−ブロモ−1,3−ジヒドロベンゾ[c]イソチアゾール2,2−ジオキシド(500mg、2.02mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(768mg、3.02mmol)、酢酸カリウム(593mg、6.05mmol)およびPd(dppf)Cl
2・CH
2Cl
2(82mg、0.10mmol)を、マイクロ波バイアル中に投入し、DME(14.6mL)を加えた。反応混合物を、80℃で一晩加熱した。溶媒を蒸発させ、粗製物をシリカゲル(シクロヘキサン/アセトン)上のカラムクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物(580mg、23%のピナコールによって汚染された、補正した収率75%)を白色固体として得た。
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) ppm = 7.72 (d, J=7.9, 1H), 7.68 (s, 1H), 7.85 (d, J=7.9, 1H), 6.79 (s, 1H), 4.37 (s, 2H), 1.33 (s, 12H). LC - MS (ESI, m/z) Rt = 2.67 min - 232 (M-SO2+H)
+(HPLC 方法B)。
【0196】
13b.1−エチル−5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1,3−ジヒドロベンゾ[c]イソチアゾール2,2−ジオキシド
【化86】
DMF(7.0mL)中の5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1,3−ジヒドロベンゾ[c]イソチアゾール2,2−ジオキシド(330mg、1.12mmol)に、炭酸カリウム(386mg、2.80mmol)およびヨードエタン(180μL、2.24mmol)を加えた。反応混合物を、RTで一晩撹拌した。溶媒を蒸発させ、粗製物をシリカゲル(シクロヘキサン/アセトン)上のクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物(300mg、83%)を白色固体として得た。
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) ppm = 7.79 (d, J=7.9, 1H), 7.69 (s, 1H), 6.75 (d, J=7.9, 1H), 4.33 (s, 2H), 3.73 (q, J=7.2, 2H), 1.42 (t, J=7.2, 3H), 1.35 (s, 12H). LC - MS (ESI, m/z) Rt = 2.97 min - 232 (M-SO
2+H)
+(HPLC 方法B)。
【0197】
14. 1−エチル−6−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−インダゾールの製造
【化87】
14a.6−ブロモ−1−エチル−1H−インダゾール
【化88】
6−ブロモ−1H−インダゾール(500mg、2.54mmol)、ブロモ−エタン(0.379mL、5.08mmol)および炭酸カリウム(1052mg、7.61mmol)のDMF(8mL)中の混合物を、75℃で2h加熱した。混合物を水およびEtOAcで希釈し、層を分離した。水層を、EtOAcで3回抽出した。合わせた有機層を、MgSO
4で乾燥し、真空中で濃縮した。得られた茶色油を、カラムクロマトグラフィー(シクロヘキサン/EtOAc)によって精製して、生成物(336mg、59%)を白色固体として、および対応するN2−インダゾールアルキル化副産物(210mg、37%)を得た。
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) ppm = 7.97 (d, J=1.0, 1H), 7.61 (s, 1H), 7.60 (dd, J=8.5, 1.2, 1H), 7.25 (dd, J=8.5, 1.2, 1H), 4.40 (q, J=7.3, 2H), 1.52 (t, J=7.3, 3H). HRMS m/z (ESI
+) [M+H]
+C
9H
9BrN
2, calc 225.0022, 観測値 225.0020, Rt = 2.98(HPLC 方法B)。
【0198】
14b.1−エチル−6−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−インダゾール
【化89】
6−ブロモ−1−エチル−1H−インダゾール(325mg、1.444mmol)、ビス(ピナコラト)ジボラン(440mg、1.733mmol)、Pd(dppf)Cl
2・CH
2Cl
2(52.8mg、0.072mmol)および酢酸カリウム(425mg、4.33mmol)の脱気したDME(10mL)中の混合物を、80℃で3h加熱した。混合物を減圧下で濃縮し、カラムクロマトグラフィー(シクロヘキサン/EtOAc)によって精製して、生成物を白色固体(332mg、84%)として得た。
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) ppm = 8.00 (d, J=1.0, 1H), 7.94 (d, J=1.0, 1H), 7.74 (dd, J=8.0, 0.9, 1H), 7.57 (dd, J=8.0, 0.9, 1H), 4.50 (q, J=7.3, 2H), 1.54 (t, J=7.3, 3H), 1.40 (s, 12H). HRMS m/z (ESI
+) [M+H]
+C
15H
21N
2O
2, calc 273.1769, 観測値 273.1765, Rt = 3.17(HPLC 方法B)。
【0199】
15. 1−イソプロピル−5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−インダゾールの製造
【化90】
5−ブロモ−1−イソプロピルインダゾール(400mg、1.673mmol)、ビス(ピナコラト)ジボラン(552mg、2.175mmol)、Pd(dppf)Cl
2・CH
2Cl
2(61.2mg、0.084mmol)および酢酸カリウム(493mg、5.02mmol)を、マイクロ波バイアル中に投入し、脱気したDME(12mL)を加え、混合物を、80℃で油浴中で一晩加熱した。混合物を濃縮し、カラムクロマトグラフィー(シクロヘキサン/EtOAc)によって精製して、生成物を無色油(382mg、80%)として得た。
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) ppm = 8.29 (s, 1H), 8.03 (s, 1H), 7.79 (dd, J=8.6, 1.1, 2H), 7.44 (d, J=8.6, 1H), 4.87 (p, J=6.7, 1H), 1.61 (d, J=6.7, 6H), 1.38 (s, 12H). HRMS m/z (ESI
+) [M+H]
+C
16H
24BN
2O
2, calc 286.1962, 観測値 286.1957, Rt = 1.85(HPLC 方法B)。
【0200】
16. 1−イソプロピル−6−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−インダゾールの製造
【化91】
1H−インダゾール−6−ボロン酸ピナコールエステル(500mg、2.048mmol)、2−ブロモプロパン(0.352mL、4.10mmol)および炭酸カリウム(849mg、6.15mmol)のDMF(8mL)中の混合物を、80℃で24h加熱した。追加的な2−ブロモプロパン(0.352mL、4.10mmol)を加え、懸濁液を85℃で48h加熱し、その後混合物を水およびEtOAcで希釈し、層を分離した。水性層を、EtOAcで3回抽出した。合わせた有機層を、MgSO
4で乾燥し、減圧下で濃縮した。得られた茶色油を、カラムクロマトグラフィー(シクロヘキサン/EtOAc)によって精製して、生成物を白色固体(232mg、40%)として、および対応するN2−インダゾールアルキル化副産物(99mg、17%)を得た。
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) ppm = 8.02 (d, J=1.0, 1H), 7.99 (d, J=1.0, 1H), 7.73 (dd, J=8.1, 1.0, 1H), 7.57 (dd, J=8.1, 1.0, 1H), 4.95 (p, J=6.7, 1H), 1.60 (s, 3H), 1.58 (s, 3H), 1.37 (s, 12H). HRMS m/z (ESI
+) [M+H]
+C
16H
24BN
2O
2, calc 286.1962, 観測値 286.1963, Rt = 3.26(HPLC 方法B)。
【0201】
17. 2−メチル−1−{4−[4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−フェニル]−ピラゾール−1−イル}−プロパン−2−オールの製造
【化92】
17a.1−[4−(4−ブロモ−フェニル)−ピラゾール−1−イル]−2−メチル−プロパン−2−オール
【化93】
4−(4−ブロモ−フェニル)−1H−ピラゾール(500mg、2.24mmol.)を、DMF(5mL)に、厚肉の反応管中で溶解した。炭酸カリウム(435mg、3.14mmol)および2,2−ジメチル−オキシラン(0.40mL、4.48mmol)を加え、管をテフロン(登録商標)(teflon)ねじ蓋で密閉し、100℃に16h加熱した。RTに冷却した後、反応を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を、Na
2SO
4で乾燥し、濾過し、蒸発させて、660mg(100%)の白色結晶において得た。
【0202】
17b.2−メチル−1−{4−[4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−フェニル]−ピラゾール−1−イル}−プロパン−2−オール
【化94】
ねじぶたをした容器中で、1−[4−(4−ブロモ−フェニル)−ピラゾール−1−イル]−2−メチル−プロパン−2−オール(660mg、2.24mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(1.12g、4.50mmol)、酢酸カリウム(660mg、6.74mmol)およびPd(dppf)Cl
2・CH
2Cl
2(168mg、0.224mmol、10mol%)を秤量し、アセトニトリル(30mL)に懸濁させた。混合物を、70℃で一晩撹拌した。反応混合物を濾過し、蒸発乾固させた。粗残留物を、フラッシュクロマトグラフィーによって精製した。生成物含有画分を蒸発させて、280mg(25%)の表題化合物を無色固体として得た。Rt=2.298min(HPLC 方法A)。
【0203】
18. 1−(2−メタンスルホニル−エチル)−4−[4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−フェニル]−1H−ピラゾールの製造
【化95】
10mLのねじ蓋容器中で、4−ブロモ−1−(2−メタンスルホニル−エチル)−1H−ピラゾール(200mg、0.751mmol、1,4−ベンゼンジボロン酸ビス(ピナコール)エステル、97%(379mg、1.13mmol)、炭酸カリウム(207mg、1.50mmol)およびPd(dppf)Cl
2・CH
2Cl
2(30.7mg、0.038mmol)を、アセトニトリル(10mL)および水(2mL)に懸濁させた。混合物を、100℃で1hマイクロ波オーブン中で加熱した。溶媒を蒸発させ、残留物をアセトニトリル中で超音波処理し(sonificated)、不溶性部分を濾別した。濾液を蒸発させ、粗生成物を分取クロマトグラフィー(アセトニトリル/水)によって精製した。画分を合わせ、蒸発させて、108mg(38%)の無色固体を得た。
【0204】
19. 2−(1,1−ジオキソ−2,3−ジヒドロ−1H−1ラムダ6−ベンゾ[b]チオフェン−5−イル)−4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロランの製造
【化96】
19a.5−ブロモ−ベンゾ[b]チオフェン1,1−ジオキシド
【化97】
100mLのねじぶたをした容器中で、5−ブロモベンゾ[b]チオフェン(2.30g、10.8mmol)を、アセトン(46ml)に溶解した。Oxone(登録商標)、単過硫酸塩(monopersulfate)(カリウムペルオキシモノサルフェート)(27.0g、43.2mmol)および水を加え、70℃で一晩撹拌した。反応混合物に、水および酢酸エチルを加えた。有機層を分離し、乾燥し、濾過し、溶媒を蒸発乾固させた。黄色残留物をフラッシュクロマトグラフィー(n−ヘプタン/DCM)によって精製して、769mg(29%)の表題化合物を白色固体として得た。Rt=2.393min(HPLC 方法A)。
【0205】
19b.2−(1,1−ジオキソ−1H−1ラムダ6−ベンゾ[b]チオフェン−5−イル)−4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン
【化98】
100mLのねじぶたをした容器中で、5−ブロモ−ベンゾ[b]チオフェン1,1−ジオキシド(767mg、3.13mmol)を、テトラヒドロフラン(50mL)に溶解した。ビス(ピナコラト)ジボロン(1.19g、4.69mmol)、酢酸カリウム(921mg、9.39mmol)およびPd(dppf)Cl
2・CH
2Cl
2(256mg、0.31mmol)を、加えた。赤色反応混合物を、70℃で一晩撹拌した。粗残留物をフラッシュクロマトグラフィー(n−ヘプタン/DCM)によって精製して、870mg(95%)の表題化合物を無色固体として得た。Rt=1.599min(HPLC 方法A)。
【0206】
19c.2−(1,1−ジオキソ−2,3−ジヒドロ−1H−1ラムダ6−ベンゾ[b]チオフェン−5−イル)−4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン
【化99】
2−(1,1−ジオキソ−1H−1ラムダ6−ベンゾ[b]チオフェン−5−イル)−4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン(463mg、1.59mmol)を、テトラヒドロフラン(10mL)に溶解し、Pd/C(5%のE101R、54%の水、0.10g)を加え、混合物を水素の下でRTで2h撹拌した。反応混合物を濾過し、溶媒を減圧下で除去して、454mg(97%)の表題化合物を白色固体として得た。Rt=1.437(HPLC 方法A)。
【0207】
生物学的活性
Wnt経路に対する化合物の阻害ポテンシャルを評価するために、IC
50値を、以下の表1に示すように決定した。また示すのは、ヒト肝臓ミクロソーム固有クリアランス(CLint)であり、それによって以下の分類を使用する:
【表2】
【0208】
1. Wnt経路活性についての細胞アッセイ
LS174T−shl−fLucクローン5(LS174T−L5)レポーターアッセイ原理:
このアッセイは、in-vitroルシフェラーゼ活性読み取りに基づく。ヒト結腸癌細胞系、LS174Tを、短い半減期ルシフェラーゼ(不安定化PEST配列構築物;構築物F1756を有する):16×TCF/LEF転写部位−基本pTAプロモーター上の短い半減期ホタルルシフェラーゼ−EF−1−αプロモーター上のプロマイシン耐性遺伝子をコード化するレンチウイルスで形質導入した。この構築物を、レンチウイルス基本ベクターを使用して作成した:System BiosciencesからのpCDF1−MCS2−EF1−Puro(cat.# CD110B−1)。ルシフェラーゼは、約60分のT
1/2を有する。
【化100】
【0209】
安定なルシフェラーゼ発現クローンを、1μg/mLプロマイシン選択を使用して選択し、クローンは大きくなった。クローン5を、それが背景比率に対して良好なシグナルを有し、試験基準化合物に対して応答性であったので、常習的な使用のために選択した。
【0210】
ルシフェラーゼ読み取りを、TCF調節転写およびしたがってWntシグナル伝達活性化のレポーターとしてアッセイする。Wnt経路を阻害する化合物は、TCFによるルシフェラーゼ転写の誘導を阻害すると予測される;この結果、低減されたルシフェラーゼタンパク質産生およびルシフェラーゼシグナル読み取りがもたらされるだろう。
【0211】
化合物を、それらのWnt経路阻害活性に関して、記載したホタルルシフェラーゼレポーター細胞に基づいたアッセイを使用して試験した。LS174Tルシフェラーゼレポーター細胞系を使用し、それは、T細胞因子(TCF)依存性遺伝子プロモーターホタルルシフェラーゼ構築物を含んでいた。
【0212】
30μM〜1nMの濃度における化合物を、細胞上で24時間インキュベートした。ルシフェラーゼ活性を、Steady Glo Luciferase Assay System (Promega)およびTOPCOUNTマイクロプレートリーダー(Perkin Elmer)を使用して決定した。
分析のために、得られたデータを、未処理のビヒクル対照に対して標準化し、Excel SoftwareのExcel Fitアプリケーション(Microsoft)を使用してIC
50値の決定のために適合させた。
【0213】
2. CLint(固有クリアランス)アッセイ
器具類
Tecan Genesisワークステーション(RWS ASY 150/8)を使用して、ミクロソームインキュベーションを行った。分析を、ABSciex API3000質量分析計に結合させたWaters ACQUITY UPLCシステムを使用して行った。データ分析を、Assay Explorer (Symyx)を使用して行った。
【0214】
【表3】
【0215】
化学品
1mM MgCl
2を含む0.1Mリン酸カリウム緩衝液 pH7.4
リン酸緩衝液中の15mM NADPH
リン酸緩衝液中の5.0mgタンパク質/mL肝臓ミクロソーム
アセトニトリル
水中の20%DMSO
【0216】
ミクロソームインキュベーション
各実験は、12種の試験および2種の基準化合物からなる。基準化合物を、カクテルとしてインキュベートする。
試験化合物の希釈を、10mM DMSO原液から2つのステップにおいて行った。最初の4μLの原液を、196μLのリン酸カリウム緩衝液中の20%DMSO、pH7.4に加えた。第2のステップにおいて、10μLの最初の希釈を、1890μLのリン酸カリウム緩衝液および100μLの内部標準液に加えて、0.8μMの最終濃度とした。
【0217】
100μLの最終的な化合物希釈を、96個の深いウェルプレートに等分した。12.5μLの肝臓ミクロソームを、各ウェルに加え(0.5mg/mLの最終的なタンパク質濃度)、試料を、37℃および800rpmの撹拌にて5minプレインキュベートした。
プレインキュベーションの後、250μLの低温アセトニトリルを、0minの試料に加えて、反応を防止した。これに続いて、12.5μLのNADPH溶液を、すべてのウェルに加えて、インキュベーションを開始し、例外としては共同因子のない0minおよび30minの対照であり、ここでNADPHを、リン酸緩衝液の代わりに用いた。
【0218】
インキュベーションを、5、10、20および30min後に、250μLの低温アセトニトリルを個々のウェルに加えることにより停止した。
反応停止した試料を、次に4000gで4℃で1h遠心分離した。100μLの上清を、96ウェルプレート中に分析のために移送した。
【0219】
データ分析
各化合物の代謝的安定性を、LC−MS/MSピーク面積の経時的な変化の測定によって決定した。Assay Explorerソフトウェアを使用して、下落の勾配kを自動的に計算した。各化合物の固有のクリアランス(CLint)を、次に式:
CLint(μl/min/mgタンパク質)=k 1000/タンパク質濃度
に従って計算した。
【0220】
【表4】
【0221】
【表5】
【0222】
【表6】
【0223】
【表7】
【0224】
【表8】
【0225】
【表9】
【0226】
【表10】
【0227】
【表11】
【0228】
【表12】
【0229】
【表13】
【0230】
【表14】
【0231】
【表15】
【0232】
【表16】
【0233】
【表17】
【0234】
【表18】
【0235】
【表19】
【0236】
本発明はまた、上に記載した方法に従って製造し、試験することができる以下の化合物に関する:
【化101】
【0237】
【化102】