【文献】
すしし,「『グラブル』ついに“ガチャ仕様”変更―利用額が9万円を超えた場合、好きな装備品を一つ獲得できる…お詫びアイテム配布も」,インサイド,[online],2016年 2月25日,[2017年10月27日検索],(全文及び全画像を参照),URL,https://www.inside-games.jp/article/2016/02/25/96271.html
【文献】
「引換券付プラチナオーディションガチャ」,ピクシブ百科事典,[online],2016年 3月15日,[2017年10月26日検索],(特に、「仕組み」の項を参照),URL,https://web.archive.org/web/20160315021923/https://dic.pixiv.net/a/引換券付プラチナオーディションガチャ
【文献】
「グラブル スタートダッシュガチャで交換したいオススメキャラは?」,グラブル無課金攻略!貧乏騎空士の奮闘記,[online],2016年 8月30日,[2017年10月26日検索],(特に、「スタートダッシュガチャとは?」の項を参照),URL,https://web.archive.org/web/20160830163547/https://gurabulu-kouryaku.com/1223.html
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
有料抽選要素は、有償(何らかの対価が必要となる意。)で景品を抽選する自動選択要素である。そして、有料抽選要素を含むゲームでは、有料抽選要素がゲームの興趣を高めるとともにゲーム運営上の収益を確保する上で重要な働きをしている。しかし、有料が故に抽選結果がユーザに与える影響も大きくなる。
【0006】
例えば、希少度(レアリティ)が設定されたアイテムを景品とする有料抽選の場合、交換特典候補には異なる希少度のアイテムが含まれている。希少度が高いアイテムほど当選確率が低くなるように設定されているため、有料抽選を実行したからと言って必ずしも希少度の高いアイテムが当選するとは限らない。
【0007】
有料抽選を利用するユーザも、そこのところを理解したうえで有料抽選を利用するのだが、心情としては対価を支払ったのに相応の景品が得られない場合には不満感が募る。特に、実行対価を一括支払いして複数回連続で抽選する連続有料抽選要素(以下、「連続抽選要素」と言う。)において全く期待外れの景品ばかりが出てしまった場合には、その実行対価が単発の有料抽選要素を同じ回数分行うよりもずっと安価に設定されているとしても、募る不満感は極めて大きくなる。
【0008】
そして、こうした不満感が重なると、やがてユーザはゲームシステムそのものへの不公平感を抱き、終にはゲーム離れを起こす可能性がある。或いは、欲しいアイテムを獲得するまで、何度も連続抽選要素を実行して過度に高額な課金をしてしまうといった問題を起こす可能性がある。特に、未成年プレーヤについては過度な課金に及ぶ傾向があると考えられる。
【0009】
本発明は、実行対価を一括支払いして複数回連続で抽選する連続抽選要素を含むゲームにおいて、当該連続抽選要素で期待外れな結果を得た場合にユーザが抱く不満感を低減できる技術を提供するために考案されたものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した課題を解決するための第1の発明は、コンピュータシステムに、所与のゲームを実行させるためのプログラムであって、
前記ゲーム内で使用可能なゲーム媒体を当選品として選択する抽選要素であって、1回の発動において複数回の連続した抽選を自動的に実行して各抽選で選択した当選品をプレーヤに付与する連続抽選要素を1回実行する連続抽選要素実行制御手段(例えば、
図9のサーバ処理部200s、ゲーム管理部220、連続抽選要素実行制御部222、
図16のステップS8)、
1回の前記連続抽選要素の実行結果に応じて交換特典が異なる交換媒体の種類及び/又は数(以下、包括して「交換媒体付与内容」という)を決定し、当該交換媒体付与内容に従った交換媒体(例えば、
図2の交換チケット10a,10b)を、当該連続抽選要素による当選品の付与とは別に前記プレーヤに付与する交換媒体付与手段(例えば、
図9のサーバ処理部200s、ゲーム管理部220、交換媒体付与部224、
図16のステップS14〜S16)、
前記プレーヤの操作に基づき、前記交換媒体の消費と引き換えに、当該交換媒体に関連付けられた交換特典(例えば、
図2の交換特典候補群12a,12bのゲーム媒体5)を前記プレーヤに付与する交換特典付与手段(例えば、
図9のサーバ処理部200s、ゲーム管理部220、交換特典付与部230、
図17のステップS32〜S38)、
として前記コンピュータシステムを機能させるためのプログラムである。
【0011】
第1の発明によれば、連続抽選要素の実行結果、つまり抽選結果の内容に応じて交換特典と引き換えできる交換媒体をプレーヤに付与することができる。よって、対価を一括支払いして複数回連続で抽選する連続抽選要素を含むゲームにおいて、当該連続抽選要素で期待外れな結果を得た場合にユーザが抱く不満感をより低減できる。
【0012】
なお、交換特典の内容は、適宜設定可能である。ゲームで使用できるゲーム媒体(例えば、アイテム、キャラクタ、イベント参加権、レベルアップ権、スキル付与、クーポンなど)は勿論のこと、ゲームプレイ対価の値引きなどでもよい。
【0013】
第2の発明は、前記当選品には価値を示す価値情報が設定されており、前記交換媒体付与手段は、前記連続抽選要素で付与された当選品の前記価値情報に基づいて、前記交換媒体付与内容を決定する第1の決定手段(例えば、
図9の価値情報基準決定部232、
図12の連続抽選要素当選品構成条件550)、を有する、第1の発明のプログラムである。
【0014】
第2の発明によれば、当選品の価値に着目して交換媒体の付与内容を決定できる。例えば、連続抽選要素の実行結果の価値が、連続抽選要素を実行するために支払った対価に対して不相応に低いと思われる場合に、その価値の不足分を補填するのに適当な交換特典が得られる交換媒体を付与できるようになる。よって、ユーザが抱く不満感をより効果的に低減できる。
【0015】
第3の発明は、前記第1の決定与段が、前記連続抽選要素で付与された当選品のうち、前記価値情報が高価値であることを示す所与の高価値条件に該当する当選品の数及び/又は割合に基づいて、前記交換媒体付与内容を決定する、第2の発明のプログラムである。
【0016】
第3の発明によれば、例えば、連続抽選要素でプレーヤが欲しいと願う高価値の当選品に着目して交換媒体の付与内容を決定できるので、連続抽選要素の実行結果への不満を効果的に解消することができる。
【0017】
第4の発明は、前記当選品には属性が設定されており、前記交換媒体付与手段は、前記連続抽選要素で付与された当選品の前記属性に基づいて、前記交換媒体付与内容を決定する第2の手段(例えば、
図9の属性基準決定部233、
図12の連続抽選要素当選品構成条件550において属性率を含む例)を有する、第1〜第3の何れかの発明のプログラムである。
【0018】
第4の発明によれば、当選品の属性に着目して交換媒体の付与内容を決定できる。例えば、当選品をプレーヤキャラクタに装備させるアイテムとして、プレーヤキャラクタの属性とアイテムの属性との組み合わせに相性の良し悪しがある場合、連続抽選要素の実行結果における属性の構成はプレーヤにとっての利用価値に直結する。よって、本発明によれば、属性を設定するゲームにおいて、連続抽選要素の実行結果への不満を効果的に解消することができる。
【0019】
第5の発明は、前記交換媒体付与手段が、前記プレーヤが保有する前記ゲーム媒体に基づいて、前記交換媒体付与内容を決定する第3の手段(例えば、
図9の保有ゲーム媒体基準決定部234、
図12の高レアゲーム媒体保有数範囲542)を有する、第1〜第4の何れかの発明のプログラムである。
【0020】
第5の発明によれば、プレーヤのゲーム媒体の保有状況に応じて交換媒体の付与内容を決定できる。例えば、連続抽選要素においてある一定確率で出現し得る高価値なゲーム媒体の保有数に着目して、当該確率から想定される保有数を下回るプレーヤは不運な状態にあり、ゲームへの不満を抱いている可能性が高い。そうしたプレーヤを識別して、高価値の交換特典と引き換えできる交換媒体を付与すれば、効果的に不満を鎮めることができる。
【0021】
第6の発明は、前記交換媒体付与手段が、前記プレーヤのプレーヤレベルに基づいて、前記交換媒体付与内容を決定する第4の手段(例えば、
図9のプレーヤレベル基準決定部236、
図12のプレーヤレベル範囲543)を有する、第1〜第5の何れかの発明のプログラムである。
【0022】
第6の発明によれば、プレーヤのプレーヤレベル、すなわちプレーヤレベルにより間接的に表現される当該プレーヤの腕前やゲームへの習熟度合いに応じて交換媒体の付与内容を決定できる。例えば、思うような好成績を残せないプレーヤや、初心者プレーヤを識別して、交換特典について彼等を少しだけ優遇することで、そうしたプレーヤがゲームに満足して、より長くゲームを続けて貰えるようにできる。
【0023】
第7の発明は、前記連続抽選要素実行制御手段が、前記プレーヤの操作に基づき、所与の連続抽選対価の消費と引き換えに前記連続抽選要素を実行し、前記交換媒体付与手段は、前記連続抽選要素の実行記録(例えば、
図14のユーザ管理データ600、決済媒体帳簿データ603)に基づいて、前記交換媒体付与内容を決定する第5の手段(例えば、
図9の実行記録基準決定部238、
図12の全連続抽選要素実行回数範囲544)を有する、第1〜第6の何れかの発明のプログラムである。
【0024】
第7の発明によれば、連続抽選要素をプレーヤが過去にどれくらい実行しているかに着目して交換媒体の付与内容を決定できる。
【0025】
第8の発明は、前記第5の手段が、前記連続抽選要素の実行回数、実行間隔、および、消費した前記連続抽選対価の合計のうちの少なくとも1つに基づいて、前記交換媒体付与内容を決定する、第7の発明のプログラムである。
【0026】
第8の発明によれば、例えば、沢山或いは頻繁に連続抽選要素を実行するプレーヤに対して交換特典の便宜を図ることができる。
【0027】
第9の発明は、前記連続抽選要素には、前記連続抽選対価が異なる複数種類の連続抽選要素があり、前記第5の手段は、何れの種類の前記連続抽選要素を実行したかに応じて、前記交換媒体付与内容を決定する、第7又は第8の発明のプログラムである。
【0028】
第9の発明によれば、連続抽選対価、すなわち連続抽選要素の実行対価に着目して交換媒体の付与内容を決定できる。例えば、より高額な実行対価の連続抽選要素の実行記録に着目すれば、ゲーム提供事業者にとって収益に貢献するプレーヤを効果的に選別し、優遇処置を施すことができるようになる。
【0029】
第10の発明は、前記交換媒体付与手段が、前記交換媒体付与内容に従った交換媒体を抽選により選択する手段(例えば、
図20の交換媒体抽選部225)を有する、第1〜第9の何れかの発明のプログラムである。
【0030】
第10の発明によれば、必ずしも交換媒体付与内容に従った交換媒体が付与されるとは限らないようにして、抽選特有の興趣をもたらすことができる。
【0031】
第11の発明は、前記交換媒体付与手段により付与された前記交換媒体を、時間経過に応じて変更する交換媒体変更手段(例えば、
図20の交換媒体変更部228)、として前記コンピュータシステムを更に機能させるための第1〜第10の何れかの発明のプログラムである。
【0032】
第11の発明によれば、交換媒体が付与されてからの経過時間に応じて交換媒体を差し替えできるようになる。例えば、交換媒体に関連付けられる交換特典の価値を、交換媒体の付与直後よりも相対的に低下させるようにすれば、あたかも交換媒体の価値が経時劣化するかのようにできる。プレーヤに対して交換特典への引き替えを促す効果が期待できる。反対に、交換媒体に関連付けられる交換特典の価値を、交換媒体の付与直後よりも相対的に向上させるようにすれば、あたかも交換媒体が経時と共に熟成して価値を増すかのようなルールを実現できる。つまり、交換媒体を利用したゲームの興趣をより高めることができる。
【0033】
第12の発明は、前記交換媒体付与手段により付与された前記交換媒体に関連付けられた交換特典を、時間経過に応じて変更する特典変更手段(例えば、
図9の特典変更部226、
図13のチケット関連付け設定データ570、
図17のステップS32)、として前記コンピュータシステムを更に機能させるための第1〜第10の何れかの発明のプログラムである。
【0034】
第12の発明によれば、交換媒体と交換特典との関連付けを、交換媒体が付与されてからの経過時間に応じて変更できるようになる。例えば、相対的に価値の低い交換特典に変更するようにすれば、あたかも交換媒体の価値が経時劣化するかのようなルールを実現できる。プレーヤに対して交換特典への引き替えを促す効果が期待できる。反対に、相対的に価値の高い交換特典に変更するようにすれば、あたかも交換媒体が経時と共に熟成して価値を増すかのようなルールを実現できる。つまり、交換媒体を利用したゲームの興趣をより高めることができる。
【0035】
第13の発明は、前記連続抽選要素実行制御手段は、所与のイベント期間内において前記連続抽選要素を実行する、第1〜第12の何れかの発明のプログラムである。
【0036】
第13の発明によれば、連続抽選要素実行制御手段による連続抽選要素の実行をイベント期間の特徴とすることができる。
【0037】
第14の発明は、前記交換媒体には、所与の期限が定められており、前記交換特典付与手段は、前記期限が経過した前記交換媒体については、前記交換特典の付与を抑制する(例えば、
図17のステップS30、S40)、第1〜第13の何れかの発明のプログラムである。
【0038】
第14の発明によれば、交換媒体に有効期限を設定することができる。
【0039】
第15の発明は、所与のゲームを実行するコンピュータシステムであって、
前記ゲーム内で使用可能なゲーム媒体を当選品として選択する抽選要素であって、1回の発動において複数回の連続した抽選を自動的に実行して各抽選で選択した当選品をプレーヤに付与する連続抽選要素を1回実行する連続抽選要素実行制御手段(例えば、
図1の制御基板1150、
図9のサーバ処理部200s、ゲーム管理部220、連続抽選要素実行制御部222、
図16のステップS8)と、
1回の前記連続抽選要素の実行結果に応じて交換特典が異なる交換媒体の種類及び/又は数(以下、包括して「交換媒体付与内容」という)を決定し、当該交換媒体付与内容に従った交換媒体を、当該連続抽選要素による当選品の付与とは別に前記プレーヤに付与する交換媒体付与手段(例えば、
図1の制御基板1150、
図9のサーバ処理部200s、ゲーム管理部220、交換媒体付与部224、
図16のステップS14〜S16)と、
前記プレーヤの操作に基づき、前記交換媒体の消費と引き換えに、当該交換媒体に関連付けられた交換特典を前記プレーヤに付与する交換特典付与手段(例えば、
図1の制御基板1150、
図9のサーバ処理部200s、ゲーム管理部220、交換特典付与部230、
図17のステップS32〜S38)と、を備えたコンピュータシステムである。
【0040】
ここで言うコンピュータシステムは、単数のコンピュータ又は複数のコンピュータが通信可能に連結されたシステムの意味である。第15の発明によれば、コンピュータシステムに第1の発明と同様の作用効果を発揮させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0042】
以下、本発明を適用した実施形態の一例を説明するが、本発明を適用可能な形態が以下の実施形態に限られないことは勿論である。また、自動選択要素を、その代表例である抽選要素として説明する。
【0043】
〔第1実施形態〕
第1実施形態として、実行対価の支払いによって複数回連続で抽選要素を実行する連続有料抽選(以下、単に「連続抽選」と言う。)を課金要素として含むオンラインゲームを実現する例を説明する。
【0044】
なお、「課金要素」とは、ユーザが承認操作して対価を支払うことにより実行される要素である。例えば、有料のゲームプレイ、特別なイベントやゲームステージの有料プレイ、アイテム等のゲーム媒体が当選品に含まれる有料抽選(有料の自動選択要素の一例)の実行、ゲーム媒体の購入、などがこれに該当する。
【0045】
[ハードウェア構成の説明]
図1は、本実施形態におけるゲームシステムの構成の一例を示す図である。本実施形態のゲームシステム1000は、通信回線9に接続することで相互にデータ通信が可能なサーバシステム1100とユーザ端末1500とを含むコンピュータシステムである。図示の例では、ユーザ端末1500を1台としているが、実際の運用に当たってはプレーヤであるユーザ別に複数のユーザ端末1500が存在し、各々がサーバシステム1100と通信接続可能な状態となり得る。
【0046】
サーバシステム1100は、本体装置1101と、キーボード1106と、タッチパネル1108と、ストレージ1140とを有し、本体装置1101には制御基板1150を搭載する。
【0047】
制御基板1150には、CPU(Central Processing Unit)1151やGPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)などの各種マイクロプロセッサ、VRAMやRAM,ROM等の各種ICメモリ1152、通信装置1153が搭載されている。なお、制御基板1150の一部または全部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)や、FPGA(field-programmable gate array)、SoC(System on a Chip)により実現するとしてもよい。
【0048】
そして、サーバシステム1100は、制御基板1150が所定のプログラム及びデータに基づいて演算処理することにより、1)ユーザ登録等に係るユーザ管理機能と、2)ユーザ端末1500でゲームプレイするのに必要なデータを提供してユーザ端末1500でのゲームの実行制御を管理するゲーム管理機能と、3)ゲームで利用可能な様々なアイテムをオンラインでユーザに販売するオンラインショッピング機能と、を実現する。つまり、本実施形態におけるゲームは、一種のクライアント・サーバ型のオンラインゲームとして実現される。
【0049】
なお、サーバシステム1100は単体として記しているが、各機能を分担する複数のブレードサーバを搭載して相互に内部バスを介してデータ通信可能に接続した構成であっても良い。或いは、離れた場所に設置された独立した複数のサーバを、通信回線9を介してデータ通信させることで、全体としてサーバシステム1100として機能させる構成であっても良い。
【0050】
ユーザ端末1500は、プレーヤである登録済ユーザがゲームプレイのために個別に使用するコンピュータシステムであって、通信回線9を介してサーバシステム1100にアクセスしてオンラインゲームを実行できる電子装置(電子機器)である。本実施形態のユーザ端末1500は、いわゆるスマートフォンと呼ばれる装置であるが、携帯型ゲーム装置や、ゲームコントローラ、パソコン、タブレット型コンピュータ、ウェアラブルコンピュータ、業務用ゲーム装置などでもよい。
【0051】
ユーザ端末1500は、方向入力キー1502と、ボタンスイッチ1504と、画像表示デバイス兼接触位置入力デバイスとして機能するタッチパネル1506と、スピーカ1510と、内蔵バッテリー1509と、マイク1512と、制御基板1550と、コンピュータ読み出し可能な記憶媒体であるメモリカード1540からデータを読み書きできるメモリカード読取装置1542と、を備える。その他、図示されていない電源ボタン、音量調節ボタン等が設けられている。また、ゲームプレイの対価の支払いが可能なICカード型のクレジットカードやプリペイドカードに対して非接触にデータの読み書きが行えるICカード読取装置などを設けるとしてもよい。
【0052】
制御基板1550は、CPU1551やGPU,DSPなどの各種マイクロプロセッサ、VRAMやRAM,ROM等の各種ICメモリ1552、通信回線9に接続する携帯電話基地局や無線LAN基地局などと無線通信するための無線通信モジュール1553、インターフェース回路1557などを搭載する。
【0053】
インターフェース回路1557には、タッチパネル1506のドライバ回路、方向入力キー1502及びボタンスイッチ1504からの信号を受信する回路、スピーカ1510へ音声信号を出力する出力アンプ回路、マイク1512で集音した音声の信号を生成する入力信号生成回路、メモリカード読取装置1542への信号入出力回路、などが含まれている。
【0054】
制御基板1550に搭載されているこれらの要素は、バス回路などを介して電気的に接続され、データの読み書きや信号の送受信が可能に接続されている。なお、制御基板1550の一部または全部をASICやFPGA、SoCにて構成してもよい。そして、制御基板1550は、本実施形態のゲームのユーザ端末としての機能を実現させるためのクライアントプログラムや各種データをICメモリ1552に記憶する。
【0055】
なお、本実施形態では、ユーザ端末1500はクライアントプログラムや各種設定データをサーバシステム1100からダウンロードする構成としているが、別途入手したメモリカード1540などの記憶媒体から読み出す構成としても良い。
【0056】
[原理の説明]
図2は、本実施形態におけるゲームに係る連続抽選要素と、その抽選結果(実行結果)が期待外れであった場合に如何にユーザの不満感を低減するかについて説明するための図である。
【0057】
本実施形態には、課金要素の一種として、様々な種類のゲームに係る連続抽選要素3が用意されている。連続抽選要素3が実行可能になるタイミングは、適宜設定可能である。例えば、ログイン後からゲームプレイを開始するまでや、ゲームプレイ中、ゲームプレイ後、を設定可能である。より具体的には、ログイン後のメニュー画面から選択される連続抽選要素、ゲームプレイ中すなわちゲームの世界で実行される連続抽選要素、などとすることができる。
【0058】
連続抽選要素3の実行対価及び連続回数は、適宜設定可能である。本実施形態では、実行対価と連続回数が異なる複数種類の連続抽選要素3が予め用意されているものとする。
【0059】
連続抽選要素3の実行対価の支払は、他の課金要素と同様であり、登録ユーザ毎に対応付けられて記憶管理される「決済媒体」の消費により行われる。決済媒体は、例えば、行動ポイントなどの呼称が与えられるゲームポイントや、ゲーム内における所定のアイテム、ゲーム内通貨などであり、現金やプリペイドポイント、クレジットカードによる事前決済により補充され得る。
【0060】
連続抽選要素3の当選品候補とされるゲーム媒体5(5a,5b,…)は、ゲーム内で利用可能な要素である。ゲーム媒体5のゲーム世界における役割は、ゲーム内容に応じて適宜設定可能である。例えばアクションRPGと仮定すると、プレーヤキャラクタが装備・使用が可能な武器・防具・弾・薬などのいわゆる「アイテム」を設定することができる。更には、プレーヤキャラクタとして使用できるキャラクタそのものや、乗り物、召喚獣、プレーヤキャラクタのレベルアップ権、プレーヤキャラクタに付加できる追加能力(いわゆるスキル)、新しいゲームステージやマップの開放権、イベント参加権、NPC(ノンプレイヤブルキャラクタ)へのプレゼント、NPCへの報酬、アイテムの製造材料又は補強材料、ゲーム内通貨、などであっても良い。
【0061】
そして、当選品候補とされるゲーム媒体5(5a,5b,…)には、それぞれ「価値情報」と「属性」とが設定されている。
【0062】
価値情報は、当該ゲーム媒体のゲーム世界における利用価値を示す指標であり、ゲーム媒体5をアイテムとするならば、そのレアリティ(希少度)や、秀・優・良・並と言ったアイテムの品質や効力の高低、ゲーム世界内における販売価格などがこれに相当する。また、連続抽選要素3での当選品候補とするゲーム媒体5を単一品種とし、当選結果の種類をそのゲーム媒体5の獲得数違いとすれば、その獲得数を価値情報と見なすことができる。
【0063】
属性は、プレーヤキャラクタや敵キャラクタなどのゲーム世界における特徴や性質のカテゴリー分類である。本実施形態では、他のゲーム媒体との相性に影響する情報とされる。具体的には、例えば、水・火・風・闇・光と言ったエレメント系属性、などがこれに該当する。戦略ゲームなどであれば、兵器の種別やカテゴリー(戦艦、巡洋艦、空母、潜水艦、対潜艦、対潜哨戒機、など)であってもよい。
【0064】
さて、本実施形態では、連続抽選要素3の当選品候補とされるゲーム媒体5(5a,5b,…)には、価値情報として、価値の高い方から順にSレア・Aレア・Bレアの3種のうちの何れかのレアリティが設定されているものとする。なお、レアリティの呼称や種類は3種類に限らず適宜設定可能である。
【0065】
連続抽選要素3の仕組みは、BOX方式でも確率抽選方式でもよい。
BOX方式は、所定数の当選品候補が予め決められていて、その中から抽選の都度に1つずつ当選品がランダムに選出され、当選品候補が減っていく方式である。全ての当選品候補が当選品となって選出された場合には、所定数の当選品候補が設定された新たなBOXが用意される。
確率抽選方式は、当選品候補の種類別に当選確率が設定されており、抽選の都度に発生させた乱数を用いて当選確率に従ったランダム選択を実現する方式である。抽選が行われて当選品が選出されても、大元の当選品候補は減らない方式である。
本実施形態の連続抽選要素3では、確率抽選方式を採用することとし、レアリティの高いゲーム媒体5ほど当選品候補として含まれる数が少なく設定されているものとする。
【0066】
さて、連続抽選要素3の抽選結果(実行結果)は、BOX方式と確率抽選方式の何れであろうとも予測できない。予測できない以上、連続抽選の結果7は、高レアリティのゲーム媒体5を当選品として引き当てた「良い結果7a」の場合もあれば、高レアリティのゲーム媒体5が全く又はほとんど含まれない「悪い結果7b」の場合もあり得る。
【0067】
良い結果7aであれば、プレーヤであるユーザ2は満足するであろう。そして、悪い結果7bであれば、連続抽選要素3が有償であるがゆえにユーザは損をしたような不満を抱くであろう。そこで、本実施形態では、抽選結果に応じた有効期限付きの交換チケット10を付与し、悪い結果7bで損した気分を補い、ユーザが不満を抱くのを抑制する。
【0068】
交換チケット10(10a,10b,…)は、連続抽選要素3とは別にゲーム媒体5を交換特典として引き換えできる交換媒体であり、予め複数の種類が用意されている。そして、その種類毎に、交換特典候補群12(12a,12b,…)が関連付けられている。ユーザは交換チケット10を使用(消費)することで、当該チケットの種類に対応する交換特典候補群12に含まれる交換特典の中から、少なくとも何れか1つを交換特典として選択・付与される。本実施形態では、交換特典としてゲーム媒体5を設定する。
【0069】
交換特典候補群12には、その内容構成によって、ユーザにとって価値の低いゲーム媒体5が集められた相対的に低価値な交換特典候補群12aと、ユーザにとって価値の高いゲーム媒体5が集められた相対的に高価値な交換特典候補群12bと、が用意されている。
これを逆説的に言えば、交換チケット10には、高価値なチケットから低価値なチケットまでが用意されているとも言える。
【0070】
そして、連続抽選要素3において良い結果7aを得たユーザには、低価値な交換特典候補群12aが対応付けられた低価値な交換チケット10aを付与し、連続抽選要素3において悪い結果7bを得たユーザには、高価値な交換特典候補群12bが対応付けられた高価値な交換チケット10bを付与することとする。
つまり、連続抽選要素3が悪い結果7bであっても、ユーザは交換チケット10bで高価値なゲーム媒体5を別途入手できるので、連続抽選要素3と交換チケット10による交換特典とをトータルで見た場合に、連続抽選要素3の実行対価に相応しい満足感を得ることができるようになっている。
【0071】
交換チケット10の使用タイミングは、連続抽選要素3が利用可能なタイミングと同様に適宜設定可能である。本実施形態では、ゲームプレイ中に交換可能な構成とする。
【0072】
なお、交換チケット10は、別の形態で表現されてもよい。例えば、鍵や卵、宝箱と言ったアイテムや、交換特典候補群12を持ち歩く行商人NPC(ノンプレーヤキャラクタ)の出現日時と出現場所の情報が記載されたメモ、などであってもよい。
【0073】
また、交換特典候補群12から交換特典とされるゲーム媒体5を選択する方法は、ユーザに自由に選択させる方式としても良いし、ランダムに選択する方式としてもよく、交換特典候補群12の当選品の内容の設定に応じて設定することができる。
【0074】
図3及び
図4は、付与する交換チケット10の選択の考え方の概念を示す図である。
図3に示すように、本実施形態では、付与される交換チケット10の価値は、連続抽選要素3の当選品の中に含まれる所定の高レア(高レアリティ)なゲーム媒体5の割合に対して、負の相関関係を有するよう決定される。これにより、悪い結果7bの場合であっても、その程度に応じた価値の交換チケット10が得られるので、その時々の抽選結果に応じて効果的にユーザの不満を抑制することができる。
【0075】
加えて、本実施形態では、連続抽選要素3を実行したユーザが保有する高レアのゲーム媒体5の数である高レア保有数に対しても、負の相関関係を有するように決定される。つまり、高レア保有数をユーザの初心者度合の1つと考え、高レア保有数が少ないユーザは初心者の度合が高いと判断して、より価値の高い交換チケット10を付与することができる。すなわち、このゲームを続けるか否かまだ決めかねているような初心者を優遇し連続抽選要素3への不満をより効果的に抑制して、継続的なゲームプレイを促すことができるようになる。
【0076】
また、本実施形態では、連続抽選要素3を実行したユーザのプレーヤレベルとも負の相関関係を有するように決定される。プレーヤレベルとは、ゲーム成績に応じて自動的に付与されるゲームプレイの上手さ・ゲームへの熟練度を表す指標である。つまり、プレーヤレベルが低いユーザにはより価値の高い交換チケット10を付与することができる。すなわち、ゲーム離れに陥り易いゲームに不慣れなユーザについては、これを優遇し連続抽選要素3への不満を効果的に抑制し、ゲーム離れを抑制できる。
【0077】
そして、
図4に示すように、本実施形態では、付与される交換チケット10の価値は、全種類の連続抽選要素3をカウント対象として、ユーザが過去に実行した連続抽選要素3の累計回数である全連続抽選実行回数に対して、正の相関関係を有するように決定される。また、連続抽選要素3のうち、実行対価が所定の高額条件を満たす連続抽選要素3のみをカウント対象とした過去の実行累計回数である高額連続抽選実行回数についても、正の相関関係を有するように決定される。これらのことにより、連続抽選要素3を多く利用してくれているユーザを、優良顧客として優遇することができるようになる。
【0078】
なお、全連続抽選実行回数や高額連続抽選実行回数は、それぞれのカウント対象となる連続抽選要素の実行間隔や、実行対価として消費された決済媒体の合計に代えることができる。実行間隔であれば、前回、連続抽選要素3を実行してからの現在までの経過時間が短いほど、価値の高い交換チケット10を付与すればよい。決済媒体の合計でれば、合計が多いほど価値の高い交換チケット10を付与すればよい。
【0079】
図3,4では、当選品中の高レア割合、高レア保有数、プレーヤレベル、全連続抽選実行回数、高額連続抽選実行回数の各パラメータに対する、付与する交換チケット10の価値の関係(傾向)を示したが、実際に付与する交換チケット10を選択する際は、これらの各パラメータを総合した例えば関数に基づいて、交換チケット10を選択する。勿論、
図3,4に示したパラメータ全てを用いずに、何れかのみを用いて交換チケット10を選択するようにしてもよい。
【0080】
図5〜
図8は、交換特典候補群12の価値の付け方の例を説明するための図である。
先ず、
図5に示すように、交換特典候補群12を、BOX式による連続抽選要素3向けに、交換特典候補とするゲーム媒体5のリストで定義する場合には、最も価値の高い“秀”の交換特典候補群12Hでは、レアリティの高いゲーム媒体5ばかりでリストを構成し、“秀”より劣るが価値の高い“優”の交換特典候補群12MUでは、一部のゲーム媒体5のレアリティを下げるようにリストの構成を変えれば良い。同様にして、価値が下がるにつれて(価値が“優”の次に高い“良”の交換特典候補群12MD→価値が低い“並”の交換特典候補群12L)、リストを構成するゲーム媒体5のレアリティを相対的に下げてゆけばよい。
【0081】
また、
図6に示すように、交換特典候補群12を、確率抽選式による連続抽選要素3向けに、交換特典候補とするゲーム媒体5の価値情報とその当選確率との組み合わせで定義する場合には、最も価値の高い“秀”の交換特典候補群12Hでは、レアリティの高いゲーム媒体5の当選確率を高く、レアリティの低いゲーム媒体5の当選確率を低く設定する。そこから、交換特典候補群12の価値が下がるにつれて、高レアリティのゲーム媒体の当選確率を下げ、反対に低レアリティのゲーム媒体の当選確率を高めるように設定すればよい。
【0082】
また、
図7に示すように、交換特典候補群12を、単一品種のゲーム媒体5の獲得数違いで定義する場合には、交換特典候補群12の価値が高い程、相対的に獲得数を多く設定すればよい。こうした設定は、RPGにおける回復薬のようにゲームプレイ中に比較的大量に消費されるアイテム等に向いている。
【0083】
同様に、
図8に示すように、交換特典候補群12を、プレーヤキャラクタとして使用できるキャラクタであるゲーム媒体5dの初期設定違いで定義する場合には、交換特典候補群12の価値が高ほど、初期設定される能力(図中のEXPポイント)を相対的に高くすればよい。
【0084】
なお、これらの図で例示した交換特典候補群12の種類数は、説明の便宜上示したものであり、実際の運用時における交換特典候補群12の種類数は適宜設定することができる。勿論、同じ価値の交換特典候補群12が複数種類あっても良い。
【0085】
[機能構成の説明]
次に、本実施形態における機能構成について説明する。
図9は、本実施形態におけるサーバシステム1100の機能構成例を示す機能ブロック図である。本実施形態におけるサーバシステム1100は、操作入力部100sと、サーバ処理部200sと、音出力部390sと、画像表示部392sと、通信部394sと、サーバ記憶部500sとを備える。
【0086】
操作入力部100sは、サーバの管理のための各種操作を入力するための手段である。
図1のキーボード1106がこれに該当する。
【0087】
サーバ処理部200sは、例えばCPUやGPU等のマイクロプロセッサや、ASIC、ICメモリなどの電子部品によって実現され、操作入力部100sやサーバ記憶部500sを含む各機能部との間でデータの入出力制御を行う。そして、所定のプログラムやデータ、操作入力部100sからの操作入力信号、ユーザ端末1500から受信したデータに基づいて各種の演算処理を実行して、サーバシステム1100の動作を統合的に制御する。
【0088】
そして、本実施形態のサーバ処理部200sは、ユーザ管理部202と、ゲーム管理部220と、計時部280sと、音生成部290sと、画像生成部292sと、通信制御部294sとを含む。勿論、これら以外の機能部も適宜含めることができる。
【0089】
ユーザ管理部202は、ユーザ登録手続きに係る処理及びアカウント(ユーザID、プレーヤID)に紐付けられるデータの記憶管理を行う。
本実施形態では、
1)新規登録するユーザへのアカウントの付与を制御するアカウント付与部と、
2)ユーザに関する個人情報を登録管理する登録情報管理部と、
3)決済媒体の口座の設定と補充/消費をその事由とともに記憶管理する決済媒体帳簿管理部204と、
4)ログイン/ログアウトに基づくアクセス履歴を管理する第1のプレイ履歴管理部206と、
5)それまでのゲーム進行状況に関するデータ(所謂ゲームセーブデータ)をアカウントと紐付けて記憶管理する第2のプレイ履歴管理部208と、
の機能を有する。勿論、これら以外のアカウントに紐付けられるデータの管理機能も適宜含めることもできる。
【0090】
ゲーム管理部220は、ゲームの実行管理に係る各種処理を行う。本実施形態のゲームは、クライアント・サーバ型のオンラインゲームなので、本実施形態のゲーム管理部220は、ユーザ端末1500と通信を行いながらゲームプレイに必要なデータを提供する制御を行う。もしPvP(Player versus Player)形式でゲームを実行する場合には、ゲーム管理部220に対戦者のマッチングに関する制御を実行させることとしてもよい。
【0091】
そして、本実施形態のゲーム管理部220は、連続抽選要素実行制御部222と、交換媒体付与部224と、特典変更部226と、交換特典付与部230と、を有する。
【0092】
連続抽選要素実行制御部222は、決済媒体の消費を実行対価としてゲーム内で使用可能なゲーム媒体を当選品として選択する抽選要素であって、1回の発動において複数回の連続した抽選を自動的に実行して各抽選で選択した当選品をプレーヤに付与する。
【0093】
交換媒体付与部224は、1回の連続抽選要素の実行結果に応じて、交換特典が異なる交換媒体の種類及び/又は数を決定し、当該決定に従った有効期限付きの交換媒体を、当該連続抽選要素による当選品の付与とは別にプレーヤであるユーザに付与する。本実施形態では、交換チケット10の選択と付与とがこれに該当する(
図2参照)。なお、有効期限については、永久有効すなわち無期限を含み得る。
【0094】
特典変更部226は、付与された交換媒体に関連付けられた交換特典を、時間経過に応じて変更する。本実施形態では、交換チケット10と交換特典候補群12との関連付けを、交換チケット10の種類とその付与日時からの経過時間との2つの条件の組み合わせで変更しており、経過時間が長くなるほど対応づけられる交換特典候補群12の価値が低くなるようにすることで、交換チケット10が経時劣化するルールを実現している。
【0095】
交換特典付与部230は、プレーヤであるユーザの操作に基づき、交換媒体の消費と引き換えに、当該交換媒体に関連付けられた交換特典をプレーヤであるユーザに付与する。但し、有効期限が経過した交換媒体については、交換特典の付与を抑制する。
具体的には、交換特典付与部230は、価値情報基準決定部232と、属性基準決定部233と、保有ゲーム媒体基準決定部234と、プレーヤレベル基準決定部236と、実行記録基準決定部238と、を有する。
【0096】
価値情報基準決定部232は、連続抽選要素3で付与された当選品の価値情報に基づいて交換媒体の種類及び/又は数を決定する。具体的には、価値情報が高価値であることを示す所与の高価値条件に該当する当選品の数及び/又は割合に基づいて決定する。本実施形態では、当選品中の高レア割合に基づいて付与する交換チケット10の内容すなわち交換チケット10の価値を決定することがこれに該当する(
図3参照)。
【0097】
属性基準決定部233は、連続抽選要素3で付与された当選品それぞれに設定されている属性に基づいて、交換媒体の種類及び/又は数を決定する。属性の種類や数、属性のもたらす作用効果の設定は、ゲーム内容に応じて適宜設定可能である。本実施形態では、プレーヤが使用するプレーヤキャラクタにも属性が設定されていて、連続抽選要素3の当選品とされるゲーム媒体5の属性との間で相性の良し悪しが設定されており、プレーヤキャラクタと組み合わせるゲーム媒体5との相性が良いほど、悪い相性で組み合わせた場合よりも、ゲーム媒体5の作用効果が高くなるものとする。
【0098】
保有ゲーム媒体基準決定部234は、プレーヤであるユーザが保有するゲーム媒体5に基づいて、付与する交換媒体の内容(種類及び/又は数)を決定する。本実施形態では、ユーザの高レア保有数に基づいて付与する交換チケット10の内容を決定することがこれに該当する(
図3参照)。
【0099】
プレーヤレベル基準決定部236は、プレーヤであるユーザのプレーヤレベルに基づいて、付与する交換媒体の内容(種類及び/又は数)を決定する(
図3参照)。
【0100】
実行記録基準決定部238は、連続抽選要素の実行記録に基づいて、付与する交換媒体の内容(種類及び/又は数)を決定する。具体的には、連続抽選実行回数、実行間隔、および、消費した連続抽選対価の合計のうちの少なくとも1つに基づいて決定する。本実施形態では、決済媒体帳簿管理部204の管理する帳簿データから求められる全連続抽選実行回数や、高額連続抽選実行回数に基づいて決定することがこれに該当する(
図4参照)。
【0101】
計時部280sは、システムクロックを利用して現在日時、カウントダウンタイマー等に係る計時を行う。
【0102】
音生成部290sは、音声データの生成やデコードをするICやソフトウェアの実行により実現され、サーバシステム1100のシステム管理やゲームプレイに係る操作音やBGMなどの音声データを生成或いはデコードする。そして、システム管理に関する音声信号は音出力部390sへ出力する。
【0103】
音出力部390sは、音声信号を放音する。
図1の例では本体装置1101やタッチパネル1108が備えるスピーカ(非図示)がこれに該当する。
【0104】
画像生成部292sは、サーバシステム1100のシステム管理に関する画像や、ゲーム画像(又はゲーム画像をユーザ端末1500で表示させるためのデータ)等を生成することができる。そして、システム管理に関する画像は画像表示部392sへ出力することができる。
【0105】
画像表示部392sは、画像生成部292sから入力される画像信号に基づいてシステム管理のための各種画像を表示する。例えば、フラットパネルディスプレイ、ブラウン管(CRT)、プロジェクター、ヘッドマウントディスプレイといった画像表示装置によって実現できる。
図1の例ではタッチパネル1108が該当する。
【0106】
通信制御部294sは、データ通信に係るデータ処理を実行し、通信部394sを介して外部装置とのデータのやりとりを実現する。
【0107】
通信部394sは、通信回線9と接続して通信を実現する。例えば、無線通信機、モデム、TA(ターミナルアダプタ)、有線用の通信ケーブルのジャックや制御回路等によって実現される。
図1の例では通信装置1153が該当する。
【0108】
サーバ記憶部500sは、サーバ処理部200sにサーバシステム1100を統合的に制御させるための諸機能を実現するためのプログラムや各種データ等を記憶する。また、サーバ処理部200sの作業領域として用いられ、サーバ処理部200sが各種プログラムに従って実行した演算結果などを一時的に記憶する。この機能は、例えばRAMやROMなどのICメモリ、ハードディスク等の磁気ディスク、CD−ROMやDVDなどの光学ディスク、オンラインストレージなどによって実現される。
図1の例では本体装置1101が搭載するICメモリ1152やハードディスクなどの記憶媒体、及びストレージ1140がこれに該当する。
【0109】
図10は、本実施形態におけるサーバ記憶部500sが記憶するプログラムやデータの例を示す図である。本実施形態におけるサーバ記憶部500sは、サーバシステムプログラム501と、サーバプログラム503と、配信用ゲームクライアントプログラム505と、ゲーム初期設定データ510と、交換チケット配付付きイベント期間定義データ518と、連続抽選要素初期設定データ520と、交換チケット初期設定データ528と、交換チケット選択データ530と、交換特典候補群設定データ560と、チケット関連付け設定データ570と、を記憶する。
【0110】
また、サーバ記憶部500sは、逐次生成・管理されるデータとして、ユーザ管理データ600と、プレイデータ700と、現在日時800と、を記憶する。その他、タイマや、カウンタ、各種フラグなどの情報を適宜記憶できる。
【0111】
サーバシステムプログラム501は、サーバ処理部200sが読み出して実行することでサーバシステム1100にコンピュータとして必要な基本的な入出力機能を実現する為のシステムプログラムである。
【0112】
サーバプログラム503は、サーバ処理部200sが読み出して実行することで、ユーザ管理部202と、ゲーム管理部220としての機能を実現させるためのプログラムである(
図9参照)。
【0113】
配信用ゲームクライアントプログラム505は、ユーザ端末1500へ提供されるゲームクライアントプログラムのオリジナルである。
【0114】
ゲーム初期設定データ510は、ゲームを実行させるための各種初期設定データを格納する。例えば、RPGであれば、プレーヤが使用するプレーヤキャラクタや、敵キャラクタを表示しゲーム内で行動させるための各種初期設定データと、それらが闘う環境であるゲーム空間を定義する各種データを定義するデータが含まれる。より具体的には、キャラクタのモデルデータや、モーションデータ、初期パラメータ値リスト(例えば、キャラクタレベル、攻撃力、防御力、移動力、初期スキルなど)等のデータを対応づけて格納する。
【0115】
そして、本実施形態では、ゲーム初期設定データ510は、ゲーム媒体初期設定データ512を含む。ゲーム媒体初期設定データ512は、ゲーム媒体毎に用意され、そのゲーム媒体に係る各種初期設定データを格納する。1つのゲーム媒体初期設定データ512は、例えば、固有のゲーム媒体ID、ゲーム媒体種類、レアリティ、属性、能力パラメータ値などを格納する。
【0116】
交換チケット配付付きイベント期間定義データ518は、交換チケット10の配付を特典として実行するイベント期間を定義する。具体的には、日時の期間を単数又は複数定義するデータである。なお、交換チケット配付付きイベント期間定義データ518は「設定無し」や実質的に常時交換チケット10を配付することになる「無期限」を設定することもできる。
【0117】
連続抽選要素初期設定データ520は、連続抽選要素3毎に用意され、その連続抽選要素を定義する各種データを格納する。
例えば、
図11に示すように、1つの連続抽選要素初期設定データ520は、固有の連続抽選要素ID521(例えば、固有の連続抽選要素の名称)と、実行対価522と、当選品候補とされるゲーム媒体5のリストデータである当選品候補ゲーム媒体リスト523と、を含む。
【0118】
当選品候補ゲーム媒体リスト523は、当該連続抽選要素3をBOX式とする場合には、単数又は複数の種類のゲーム媒体ID(
図10のゲーム媒体初期設定データ512を参照)を格納する(
図5参照)。当該連続抽選要素3を確率抽選式とする場合には、ゲーム媒体5の種類やレアリティの種類と、当選確率との組み合わせを単数又は複数格納する(
図6参照)。
【0119】
図10に戻って、交換チケット初期設定データ528は、交換チケット10の種類毎に用意されて、そのチケットを定義する各種データを格納する。1つの交換チケット初期設定データ528は、例えば固有のチケットIDと、当該チケットをゲーム画面内で表示させるためのデータである表示用データと、を含む。勿論、これら以外のデータも適宜含めることができる。
【0120】
交換チケット選択データ530は、どのような条件でどの種類の交換チケット10を選択・付与するかを定義するデータである。例えば、
図12に示すように、1つの交換チケット選択データ530は、その選択データが適用される条件を定義するデータ適用条件540と、連続抽選要素当選品構成条件550と対応付けられた付与交換チケット種類552と、有効期限554と、を含む。勿論、これら以外のデータも適宜含めることができる。
【0121】
データ適用条件540は、連続抽選要素3を実行したプレーヤ及び消費される交換チケット10に関する条件である。例えば、適用連続抽選要素IDリスト541と、高レアゲーム媒体保有数範囲542と、プレーヤレベル範囲543と、全連続抽選要素実行回数範囲544と、高額連続抽選実行回数545と、を含む。
【0122】
適用連続抽選要素IDリスト541は、どの種類の連続抽選要素3を実行したかについての条件であり、単数又は複数の連続抽選要素ID521(
図11参照)が格納される。
【0123】
高レアゲーム媒体保有数範囲542は、連続抽選要素3を実行するプレーヤが実行直前に保有している所定の高レア条件(例えば、Aレア以上)を満たすゲーム媒体5の数についての条件である。なお、当該数のカウントに当たっては、ゲーム媒体5のゲーム媒体種類や属性を限定してもよい。
【0124】
プレーヤレベル範囲543は、連続抽選要素3を実行するプレーヤのプレーヤレベルについての条件である。どのプレーヤレベルにでも適用可能であることを示す「制限なし」も設定可能である。
【0125】
全連続抽選要素実行回数範囲544と高額連続抽選実行回数545は、連続抽選要素3を実行するプレーヤが過去に何回連続抽選要素を実行したかについての条件である。前者は、全種類の連続抽選要素の実行回数であり、後者は、実行対価522(
図11参照)が所定の高額条件を満たす連続抽選要素の実行回数である。「0」は勿論のこと「制限なし」も設定可能である。
【0126】
連続抽選要素当選品構成条件550は、連続抽選要素3を実行した結果についての条件である。
図12の例では、当選品とされるゲーム媒体のレアリティの構成と、属性の構成とのAND条件で定義する例を示している。勿論、OR条件で定義してもよいし、レアリティの構成のみ、属性の構成のみで定義してもよい。つまり、連続抽選要素当選品構成条件550は、良い結果7a、悪い結果7bの内容を定義している(
図2参照)。例えば、当選結果が単一品種のゲーム媒体5の獲得数違いで構成される場合には、連続抽選要素当選品構成条件550にユーザが獲得したゲーム媒体5の合計数を設定すればよい。
【0127】
付与交換チケット種類552は、付与する交換チケット10のチケットIDを単数又は複数含む。
【0128】
有効期限554は、当該データが適用されて選択された交換チケット10に付与される有効期限を定義する。図示の例では、付与日からの経過日数の固定値で定義する例を示しているが、経過日数の範囲を設定しその範囲でランダムに選択・決定するとしてもよい。或いは、イベント終了日時や、クリスマス期間の最終日、といったカレンダーに基づく特定日時を定義してもよい。
【0129】
図10に戻って、交換特典候補群設定データ560は、交換特典候補群12(例えば、
図2の低価値な交換特典候補群12a、高価値な交換特典候補群12b;
図5,
図6,
図7,
図8参照)を定義する各種データを格納する。
1つの交換特典候補群設定データ560は、固有の交換特典候補群IDと、交換特典候補ゲーム媒体リストと、を格納する。交換特典候補ゲーム媒体リストは、当該交換特典候補群に含まれる交換特典を定義するデータであって、ゲーム媒体IDとその付与数との組み合わせが単数又は複数設定される。
【0130】
チケット関連付け設定データ570は、交換チケット10と交換特典候補群12との対応付けを定義する。具体的には、
図13に示すように、交換チケット種類571と、関連付け条件572と、関連付け交換特典候補群ID573とを対応づけて格納する。
【0131】
関連付け条件572は、関連付けに係る副条件である。例えば、交換に使用される交換チケット10の有効期限の残り具合や、曜日、カレンダー上の特定日時、付与日時からの経過日数、付与日時以降のプレイ回数、付与日時以降のプレイ頻度、付与日時以降の連続抽選要素3の実行回数、付与日時以降の決済媒体の増額/消費の合計値、などで条件を定義することができる。
【0132】
同図の例では、同じ交換チケット種類571でも表の上に位置する関連付け条件572ほど、関連付けされる交換特典候補群12の価値が高く、下に下がるほど価値が低くなる例として設定されている。
【0133】
図10に戻って、ユーザ管理データ600は、登録ユーザ毎に用意され、固有の識別情報であるアカウントと紐付けられる各種データを格納する。
本実施形態では、
図14に示すように、一つのユーザ管理データ600には、固有のユーザアカウント601と、決済媒体帳簿データ603と、アクセス履歴データ605と、保有ゲーム媒体管理データ610と、保有交換チケット管理データ612と、ゲームセーブデータ620と、を含む。勿論、これら以外のデータも適宜格納することができる。
【0134】
決済媒体帳簿データ603は、当該ユーザに紐付けられる決済媒体の補充/消費の量と、補充/消費の事由と、変更日時と、の情報を対応づけて格納する所謂帳簿である。決済媒体帳簿管理部204(
図9参照)により管理される。
【0135】
アクセス履歴データ605は、過去に何時ゲームを利用したかを記述するデータをプレイした時系列に格納するデータであって、ログイン/ログアウトのタイミングで自動的に更新される。
【0136】
保有ゲーム媒体管理データ610は、当該ユーザが保有するゲーム媒体毎に用意され、当該ゲーム媒体の状態を記述する各種データを格納する。1つの保有ゲーム媒体管理データ610は、固有のゲーム媒体IDと、ゲーム媒体種類と、レアリティと、属性と、入手日時と、を対応付けて格納する。勿論、これら以外のデータも適宜格納することができる。そして、ゲーム媒体5を入手する都度に新たな管理データが作成され、消費されると削除される。
【0137】
保有交換チケット管理データ612は、当該ユーザに付与され未使用のまま保有している交換チケット10毎に用意される。1つの保有交換チケット管理データ612は、固有の交換チケットIDと、チケット種類と、付与日時と、有効期限と、を対応づけて格納する。勿論、これら以外のデータも適宜格納することができる。交換チケット10が付与されると新たな管理データが作成され、消費されると削除される。
【0138】
ゲームセーブデータ620は、当該ユーザのゲームプレイの状態を保存したデータである。ゲーム媒体の入手や交換チケットの入手が、ゲームプレイ中に限られる場合には、保有ゲーム媒体管理データ610と保有交換チケット管理データ612とを含める構成としてもよい。
【0139】
図10に戻って、プレイデータ700は、ログインしたプレーヤであるユーザ毎に用意され、利用状況やゲームプレイ状況を記述する各種データを格納する。本実施形態では、連続抽選要素3を実行する毎に作成され、実行される連続抽選要素3を示す実行連続抽選要素ID704と、連続抽選当選品リスト706と、消費対象として選択された付与済み交換チケット10を示す消費交換チケットID708と、交換チケット10の引き換えに使用される交換特典候補群12を示す使用交換特典候補群ID710と、を含む。勿論、これら以外のデータも適宜含めることができる。
【0140】
図15は、本実施形態におけるユーザ端末1500の機能構成の一例を示す機能ブロック図である。本実施形態のユーザ端末1500は、操作入力部100と、端末処理部200と、音出力部390と、画像表示部392と、通信部394と、端末記憶部500とを備える。
【0141】
操作入力部100は、プレーヤによって為された各種の操作入力に応じて操作入力信号を端末処理部200に出力する。例えば、プッシュスイッチや、ジョイスティック、タッチパッド、トラックボール、加速度センサ、ジャイロ、CCDモジュール、などによって実現できる。
図1の方向入力キー1502や、ボタンスイッチ1504、タッチパネル1506がこれに該当する。
【0142】
端末処理部200は、例えばCPUやGPU等のマイクロプロセッサや、ASIC、ICメモリなどの電子部品によって実現され、操作入力部100や端末記憶部500を含む各機能部との間でデータの入出力制御を行う。そして、所定のプログラムやデータ、操作入力部100からの操作入力信号、サーバシステム1100から受信した各種データに基づいて各種の演算処理を実行して、ユーザ端末1500の動作を制御する。
図1の制御基板1550がこれに該当する。そして、本実施形態における端末処理部200は、ユーザ端末演算部260と、計時部280と、音生成部290と、画像生成部292と、通信制御部294と、を備える。
【0143】
ユーザ端末演算部260は、操作信号送信制御部261と、ゲーム画面表示制御部262とを含む。
【0144】
操作信号送信制御部261は、操作入力部100へ為された操作に応じて、各種データやリクエストをサーバシステム1100へ送信するための処理を実行する。
【0145】
ゲーム画面表示制御部262は、サーバシステム1100から受信した各種データに基づいてゲーム画面を表示するための制御を行う。当該構成では、ゲーム空間画像(例えば、3DCG画像など)をサーバシステム1100にて生成する構成とするが、ゲーム空間画像をユーザ端末1500で生成する構成も可能である。その場合、ゲーム画面表示制御部262は、例えば3DCGを生成するための仮想3次元空間に配置されたオブジェクトの制御を含むこととなる。
【0146】
音生成部290は、例えばデジタルシグナルプロセッサ(DSP)や、音声合成ICなどのプロセッサ、音声ファイル再生可能なオーディオコーデック等によって実現され、ゲーム画面表示制御部262による処理結果に基づいてゲームに係る効果音やBGM、各種操作音の音信号を生成し、音出力部390に出力する。
【0147】
音出力部390は、音生成部290から入力される音信号に基づいて効果音やBGM等を音出力する装置によって実現される。
図1のスピーカ1510がこれに該当する。
【0148】
画像生成部292は、例えば、GPU、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)などのプロセッサ、ビデオ信号IC、ビデオコーデックなどのプログラム、フレームバッファ等の描画フレーム用ICメモリ等によって実現される。
【0149】
そして、画像生成部292は、サーバシステム1100から受信した各種データに基づいて1フレーム時間(例えば1/60秒)で1枚のゲーム画面の画像を生成し、生成したゲーム画面の画像信号を画像表示部392に出力する。
【0150】
画像表示部392は、画像生成部292から入力される画像信号に基づいて各種ゲーム画像を表示する。例えば、フラットパネルディスプレイ、ブラウン管(CRT)、プロジェクター、ヘッドマウントディスプレイといった画像表示装置によって実現できる。本実施形態では、
図1のタッチパネル1506がこれに該当する。
【0151】
通信制御部294は、データ通信に係るデータ処理を実行し、通信部394を介して外部装置とのデータのやりとりを実現する。通信部394は、通信回線9と接続して通信を実現する。例えば、無線通信機、モデム、TA(ターミナルアダプタ)、有線用の通信ケーブルのジャックや制御回路等によって実現され、
図1の無線通信モジュール1553がこれに該当する。
【0152】
端末記憶部500は、端末処理部200にユーザ端末1500を統合的に制御させるための諸機能を実現するためのシステムプログラムや、ゲームプレイに必要なプログラム、各種データ等を記憶する。また、端末処理部200の作業領域として用いられ、端末処理部200が各種プログラムに従って実行した演算結果や操作入力部100から入力される入力データ等を一時的に記憶する。こうした機能は、例えばRAMやROMなどのICメモリ、ハードディスク等の磁気ディスク、CD−ROMやDVDなどの光学ディスクなどによって実現される。
図1の制御基板1550が搭載するICメモリ1552やメモリカード1540がこれに該当する。
【0153】
本実施形態の端末記憶部500は、端末システムプログラム502と、ゲームクライアントプログラム504と、を記憶する。勿論、これら以外のデータも適宜記憶することができる。
【0154】
端末システムプログラム502は、ユーザ端末1500のコンピュータとしての入出力の基本機能を実現するためのプログラムである。
【0155】
ゲームクライアントプログラム504は、端末処理部200が読み出して実行することによってユーザ端末演算部260としての機能を実現させるためのアプリケーションソフトウェアであるが、端末システムプログラム502の一部として組み込まれた構成であっても良い。本実施形態では、サーバシステム1100から提供される配信用ゲームクライアントプログラム505(
図10参照)のコピーとする。
【0156】
なお、ゲームクライアントプログラム504は、オンラインゲームを実現する技術手法に応じて専用のクライアントプログラムであっても良いし、ウェブブラウザプログラム及びインタラクティブな画像表示を実現するプラグインなどにより構成するとしても良い。
【0157】
[動作の説明]
次に、サーバシステム1100における処理の流れについて説明する。ここで説明する処理の流れは、サーバ処理部200sがサーバシステムプログラム501とサーバプログラム503とを実行することにより実行される。
【0158】
図16は、本実施形態のサーバシステム1100における連続抽選要素実行処理の流れを説明するためのフローチャートであって、ユーザ端末1500にて所定の連続抽選要素3の実行操作が検出されると実行される。また、ゲームプレイ中、所定の連続抽選要素発動条件(例えば、イベントクリアなど)が満たされると実行される。
【0159】
同処理においては、先ずサーバシステム1100は、実行する連続抽選要素3の選択を受け付ける(ステップS4)。具体的には、連続抽選要素初期設定データ520(
図11参照)を参照して、連続抽選要素ID521と、実行対価522と、当選品候補ゲーム媒体リスト523とを対応づけたリストを、ユーザ端末1500でユーザヘ向けて提示する。そして、当該リストから選択操作された連続抽選要素ID521を、プレイデータ700の実行連続抽選要素ID704に格納する(
図10参照)。なお、プレーヤが選択する余地が無いケース、例えば、とあるゲームイベントとして特定の連続抽選要素3を実行するようなケースではステップS4は適宜省略される。
【0160】
次に、サーバシステム1100は、実行連続抽選要素ID704の連続抽選要素初期設定データ520の実行対価522の支払処理を実行する(ステップS6)。すなわち、所定の承認操作入力を経て、プレーヤであるユーザが保有する決済媒体を、実行対価522の分だけ消費させるように決済媒体帳簿データ603を更新する。
【0161】
次に、サーバシステム1100は、選択された連続抽選要素3を実行し(ステップS8)、連続抽選要素の抽選結果をプレーヤであるユーザに通知し(ステップS10)、当選品をプレーヤであるユーザに付与する(ステップS12)。
すなわち、当選品候補ゲーム媒体リスト523の中から、所定回数連続して当選品を選択し、その結果を連続抽選当選品リスト706(
図10参照)に格納する。そして、プレーヤであるユーザのユーザ管理データ600に、当選品に対応する新しい保有ゲーム媒体管理データ610(
図14参照)を作成する。
【0162】
次いで、サーバシステム1100は、交換チケット配付付きイベント期間定義データ518と現在日時800とを比較して、現在が交換チケット配付付きイベント期間に該当するかを判定する。そして、肯定の場合(ステップS13のYES)、サーバシステム1100は、交換チケット10を選択して(ステップS14)これをプレーヤであるユーザに付与する(ステップS16)。
【0163】
すなわち、プレーヤであるユーザのユーザ管理データ600を参照して、データ適用条件540が適合する交換チケット選択データ530(
図12参照)を検索する。そして、連続抽選当選品リスト706が適合する連続抽選要素当選品構成条件550に対応づけられている付与交換チケット種類552に従って、新たな交換チケット10を選択し、有効期限554を適用してプレーヤであるユーザに付与する。これにより、当該ユーザのユーザ管理データ600に新たな保有交換チケット管理データ612が作成される。
【0164】
図17は、本実施形態におけるサーバシステム1100が実行するチケット交換処理の流れを説明するためのフローチャートであって、ユーザ端末1500にて、保有する交換チケット10の中から消費する交換チケット10を選択する操作を含む所定の交換実行操作が検出されると実行される。消費する交換チケット10のチケットIDは、消費交換チケットID708に格納されている。
【0165】
同処理において、サーバシステム1100は、先ず消費する交換チケット10が有効期限内であるか判定し、有効期限内であれば(ステップS30のYES)、消費される交換チケットに応じて交換特典候補群12を選択する(ステップS32)。
具体的には、チケット関連付け設定データ570(
図13参照)と、消費交換チケットID708の示す交換チケット10の保有交換チケット管理データ612とを参照して、消費交換チケットID708に適合する交換チケット種類571の中から、更に適合する関連付け条件572を検索する。そして、検索された関連付け条件572に対応する関連付け交換特典候補群ID573を選択し、使用交換特典候補群ID710に設定する(
図10参照)。
【0166】
次いで、サーバシステム1100は、使用交換特典候補群ID710の示す交換特典候補群設定データ560(
図10参照)の交換特典候補ゲーム媒体リストをプレーヤであるユーザに提示して(ステップS34)、その中から交換する対象の選択操作を受け付ける(ステップS36)。そして、選択されたゲーム媒体5(交換特典)をプレーヤであるユーザに付与し(ステップS36)、消費交換チケットID708の示す交換チケット10の保有交換チケット管理データ612を消去する(ステップS38)。
【0167】
一方、消費する交換チケット10の有効期限が過ぎている場合には(ステップS30のNO)、サーバシステム1100は有効期限切れをプレーヤであるユーザへ通知するとともに(ステップS40)、交換チケット10の交換特典との引き換えは行わずに、当該交換チケットの保有交換チケット管理データ612を消去する(ステップS42)。つまり、交換特典の付与を抑制する。
【0168】
以上、本実施形態によれば、実行対価を一括支払いして複数回連続で抽選する連続抽選要素3を含むゲームにおいて、当該連続抽選要素3で期待外れな結果を得た場合にユーザが抱く不満感を低減できる。
【0169】
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
本実施形態は、基本的には第1実施形態と同様に実現されるが、ゲーム進行制御の処理主体がユーザ端末1500である点が異なる。以降では、主に第1実施形態との差異について述べることとし、第1実施形態と同様の構成要素については同じ符号を付与して説明は省略するものとする。
【0170】
図18は、本実施形態におけるユーザ端末1500Bの機能構成例を示す機能ブロック図である。本実施形態のユーザ端末1500Bは、ゲーム画面表示制御部262が省略され、代わりに第1実施形態のサーバシステム1100が有していたゲーム管理部220を備える。すなわち、本実施形態ではユーザ端末1500は、自身でゲーム進行に関する演算処理を実行して、ゲーム空間画像を自身で生成する。
【0171】
図19は、本実施形態のユーザ端末1500Bの端末記憶部500に記憶されるプログラムやデータの例を示す図である。本実施形態の端末記憶部500は、端末システムプログラム502と、ゲームプログラム506と、を記憶する。そして、ゲーム管理部220がユーザ端末1500Bにて処理されるのに伴って、ユーザ管理データ600を除くゲーム初期設定データ510〜現在日時800までが、第1実施形態ではサーバ記憶部500sが記憶していたところ、本実施形態では端末記憶部500が記憶する。
【0172】
ゲームプログラム506は、本実施形態のユーザ端末演算部260と、ゲーム管理部220と、を端末処理部200にて実現させるためのプログラムである。
【0173】
本実施形態における処理の流れは、第1実施形態におけるサーバシステム1100の処理の流れ(
図16〜
図17参照)と基本的に同じであり、ゲーム管理部220をユーザ端末1500Bにて実行するのに合わせて、適宜各ステップの実行主体をサーバシステム1100又はユーザ端末1500Bと読み替えれば良い。なお、ユーザ端末1500Bにてログインなどユーザ管理データ600を参照する必要がある処理を実行する場合には、適宜サーバシステム1100へ必要なデータの提供や照合をリクエストするか、処理そのものをリクエストするかして対処するものとする。
【0174】
本実施形態によれば、第1実施形態と同様の作用効果が得られる。
なお、ユーザ端末1500Bが、ゲーム管理部220の全てを担うのではなく、その一部に限定して担う構成としてもよい。
【0175】
〔第3実施形態〕
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
本実施形態は、基本的には第1実施形態又は第2実施形態と同様に実現されるが、1)交換チケット10を当該チケットの付与以降からの経過時間等に応じて差し替えることにより、交換チケット10と交換特典候補群12との関連づけを変更する点、2)付与するべき交換チケット10を抽選により選択する点、が異なる。
以降では、第1実施形態をベースとして、主に第1実施形態との差異について述べることとし、第1実施形態と同様の構成要素については同じ符号を付与して説明は省略するものとする。
【0176】
第1及び第2実施形態では、チケット関連付け設定データ570(
図13参照)の設定により、交換チケット10の付与後からの時間経過に応じて関連付けられる交換特典候補群12を変更することで、あたかも交換チケット10が付与後の時間経過によって価値が劣化するように表現することとしたが、本実施形態では、これを付与済み交換チケット10の差し替えにより実現する。
【0177】
図20は、本実施形態におけるサーバシステム1100Cの機能構成例を示す機能ブロック図である。本実施形態のサーバシステム1100Cでは、交換媒体付与部224が交換媒体抽選部225を有する。また、第1実施形態における特典変更部226が交換媒体変更部228に置き換えられている。
【0178】
交換媒体抽選部225は、交換媒体付与部224が決定した交換媒体の付与内容(種類及び/又は付与する数)に従った交換媒体を抽選により選択する。具体的には、交換チケット選択データ530(
図12参照)の付与交換チケット種類552で定義される付与内容を適用するか否かの抽選を実行し、当選した場合には付与交換チケット種類552の定義に従って交換チケット10を付与し、落選した場合には適用しないとする。適用しない場合には、付与交換チケット種類552で定義された交換チケット10よりも価値の低い交換チケット10又は付与数を減らすものとする。つまり、連続抽選要素3において損をする可能性、抽選特有の興趣をもたらすことができる。
【0179】
交換媒体変更部228は、付与された交換媒体に関連付けられた交換特典を、時間経過に応じて変更する。
【0180】
図21は、本実施形態におけるチケット関連付け設定データ570Cのデータ構成例を示す図である。チケット関連付け設定データ570Cでは、交換チケット10の種類と交換特典候補群12とを1対1の関係で関連付ける。
【0181】
図22は、本実施形態におけるサーバ記憶部500sが新たに記憶するチケット変更設定データ580のデータ構成例を示す図である。チケット変更設定データ580は、変更前チケット種類581と変更前チケットについての条件である変更条件582との組み合わせ毎に、変更後チケット種類583を対応付けて格納している。
【0182】
図23は、本実施形態におけるサーバシステム1100Cが、所定周期で実行するチケット変更処理の流れを説明するためのフローチャートである。
同処理では、サーバシステム1100Cは、全登録ユーザを対象にして、保有されている交換チケット10のうち、変更前チケット種類581と変更条件582とを満たしたチケットを変更対象の交換チケット10として抽出する(ステップS60)。
そして、抽出された交換チケット10の保有交換チケット管理データ612を、付与日時と有効期限はそのままに、変更後チケット種類583の示す交換チケット10のチケット種類に差し替える(ステップS62)。交換チケットIDは、固有値なので自動的に更新される。
【0183】
〔変形例〕
以上、本発明を適用した実施形態について説明したが、本発明を適用可能な形態は上記形態に限定されるものではなく適宜構成要素の追加・省略・変更を施すことができる。
【0184】
[その1]
例えば、上記実施形態では、クライアント・サーバ型のコンピュータシステムにてオンラインゲームを実現する例を挙げたが、複数のユーザ端末1500をピアツーピア接続したコンピュータシステムにおいて実現するとしてもよい。その場合、何れかのユーザ端末1500に第1実施形態のサーバシステム1100の機能を担わせる。或いは、複数のユーザ端末1500で第2実施形態のようにゲーム管理部220が有する機能を分担して担う構成としてもよい。
【0185】
[その2]
更には、上記実施形態ではオンラインゲームを例示したが、ユーザ端末1500がスタンドアローンで実行するゲーム、換言すると単独のコンピュータからなるコンピュータシステムにおいて実行するゲームにおいても同様に適用できる。この場合、基本的には
図9や
図18、
図20で示した機能構成を、ユーザ端末1500単独で実現するものと読み替えれば良い。
【0186】
[その3]
また、上記実施形態では、ステップS30(
図17参照)で有効期限切れの交換チケット10の交換特典との引き換えを抑制しているが、交換特典の付与の抑制はこれ以外の方法でもよい。例えば、ステップS40に前後して、交換特典との引き換えは行うが、有効期限切れの場合に付与されるゲーム媒体5を、所定の低価値なゲーム媒体5として残念賞に見立てて付与するステップを適宜加えることで、抑制された引き換えを実現してもよい。或いは、低価値なゲーム媒体5のみを候補とする、有効期限切れの場合の専用の交換特典候補群12から、プレーヤであるユーザが交換品を選択することで、抑制された引き換えを実現するとしてもよい。
【0187】
[その4]
また、上記実施形態では、連続抽選要素3において、交換チケット10の配布を特典として実行するイベント期間を定義することとして説明したが、次のようにしてもよい。すなわち、連続抽選要素3においては交換チケット10を配布することとし、連続抽選要素3自体を実行可能とするイベント期間を定めることとする。そして、当該イベント期間において連続抽選要素3を実行することとし、当該イベント期間外でも連続抽選要素3を実行不可とする。