(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記主要部分から前記第1末端部分までの、及び/又は前記主要部分から前記第2末端部分までのすべての直線経路は、前記一又は複数の切り欠きのうちの少なくとも1つと交差する、請求項1から3のいずれか一項に記載の基板キャリア。
前記一又は複数の切り欠き、及び/又は一又は複数の応力低減切り欠きは、前記基板キャリアを完全に通って延在する、請求項1から10のいずれか一項に記載の基板キャリア。
前記基板キャリアによって保持された前記基板が熱処理を受けている間に、前記基板と前記移送装置との間の前記熱エネルギー伝達を低減するための、請求項1から12のいずれか一項に記載の前記基板キャリアの使用。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[0016] 次に、各図に一または複数の例が示されている様々な実施形態を細部にわたり参照する。各例は説明として提示されており、限定を意味するものではない。例えば、一実施形態の一部として図示又は説明された特徴を用いて、或いは他の実施形態と組み合わせて、さらに別の実施形態を得ることができる。本開示は、このような修正又は変形を含むことが意図されている。
【0013】
[0017] 本明細書で使用されているように、基板の「前面」という用語は、一般的に、処理中には基板キャリアに面しておらず、処理される面に関連する基板の上面を意味し、基板の「背面」は、一般的に、移送/処理中の基板キャリア又は基板ホルダに面する基板の底面を意味する。本明細書に記載の実施形態では、前面及び背面は実質的に平坦かつ平行となりうる。
【0014】
[0018] 本明細書で使用されているように、「熱分離」という用語は、基板キャリアの2つの部分の間で、或いは基板キャリアと移送装置との間で、熱エネルギー伝達を低減することとして理解されるよう、意図されている。
【0015】
[0019] 本明細書で使用されているように、「開放切り欠き」という用語は、切り欠き又はスリットを表わすように意図されており、基板キャリアの側端面に向かって開口部を有する部分を含む。本明細書で使用されているように、「閉鎖切り欠き」という用語は、基板キャリアによって完全に囲まれた切り欠き又はスリット、例えば、基板キャリアの上表面と下表面とを相互連結する穴又は貫通孔を表わすように意図されている。
【0016】
[0020] 本明細書で使用されているように、「熱処理」という用語は、熱エネルギーを生成する任意の処理ステップを表わすように意図されている。このような熱処理の非限定的な例には、プラズマ化学気相堆積(PECVD)などの化学気相堆積(CVD)に加えて、スパッタ堆積などの物理的気相堆積(PVD)プロセスが含まれうる。
【0017】
[0021] 本明細書に記載の実施形態によれば、処理中には、多種多様な異なるタイプの基板ホルダが存在しうる。例えば、基板ホルダは、主要部分、すなわち支持された基板を受ける及び/又は横たえる表面を有する本体を含みうる。基板を受ける又は支持する基板ホルダの表面は、支持された基板の背面と接することがありうる。
【0018】
[0022] 基板キャリアの主要部分は、例えば、一又は複数の基板を支持する、閉鎖プレートであってもよい。閉鎖プレートは、一又は複数の基板を受けるように適合された、一又は複数の凹んだ或いは薄くなった区間を含みうる。凹んだ或いは薄くなった区間は、1つの基板又は複数の基板がそこに適合されるように、寸法が決められている。本明細書に記載の実施形態では、凹んだ或いは薄くなった区間は、くぼみ又はポケットと称されることがある。
【0019】
[0023] 本明細書に記載のように、処理される基板を保持するための基板キャリアが提供される。基板キャリアは、基板を保持するための主要部分、移送装置によって支持されるように適合された第1末端部分、及び主要部分を第1末端部分に接続する少なくとも1つの第1中間部分を含む。少なくとも1つの第1中間部分は、主要部分と第1末端部分との間で熱エネルギー伝達を低減するように適合された一又は複数の切り欠きを含む。
【0020】
[0024] 本明細書に記載の更なる実施形態によれば、基板キャリアの主要部分は、一又は複数の基板を支持する開放プレートであってもよい。開放プレートは、基板キャリアを完全に通って延在する一又は複数の切り欠きを含みうる。一又は複数の切り欠きは、1つの基板又は複数の基板がそこに適合されるように、寸法が決められてもよい。
【0021】
[0025] 本明細書に記載の実施形態では、基板キャリアは、移送装置によって支持されるように適合された少なくとも1つの第1末端部分を含みうる。本明細書に記載の実施形態では、移送装置は、保持装置とも称されうる。移送装置は、基板キャリアを、例えば処理リアクタ内へ移動するために使用されうる。移送装置はまた、基板キャリアを所定の位置に保持又は固定するようにも機能しうる。
【0022】
[0026] 基板キャリアの第1末端部分は、例えば、保持装置に対して一又は複数の装着点を含みうる。例えば、第1末端部分には3つの装着点が配置されうる。装着点は、基板キャリアの重量、寸法及び形状に基づいて、全体的に所望どおりに構成されうる。装着点は、基板キャリアと、例えば移送装置との間の接続を促進する。本明細書に記載の実施形態によれば、電気絶縁のための磁石システム及び/又はプラスチック部品は、第1末端部分の装着点で組み立てられうる。
【0023】
[0027] 本明細書に記載の実施形態によれば、基板キャリアはオプションにより、移送装置によって支持されるように適合された第2末端部分も含みうる。第2末端部分はまた、一又は複数の装着点を含みうる。例えば、第2末端部分は5つの装着点を含みうる。本明細書に記載の実施形態によれば、第1末端部分と同様に、電気絶縁のための磁石システム及び/又はプラスチック部品は、第2末端部分の装着点で組み立てられうる。
【0024】
[0028] 第2末端部分は、第1末端部分と同じ数及びタイプの装着点を含みうる。本明細書に記載の更なる実施形態では、第2末端部分の装着点の数及びタイプは、第1末端部分の装着点の数及びタイプと異なりうる。
【0025】
[0029] 本明細書に記載の実施形態によれば、基板キャリアは、主要部分を第1末端部分に接続する第1中間部分を含みうる。オプションにより、本明細書に記載の実施形態では、基板キャリアは、主要部分を第2末端部分に接続する第2中間部分を含みうる。
【0026】
[0030] 本明細書に記載の実施形態では、処理中、処理される基板を支持する基板キャリアの主要部分は、最高温度を経験しうる。第1及び/又は第2中間部分は、主要部分と第1末端部分及び/又は第2末端部分との間で熱エネルギー伝達を低減するように適合された一又は複数の切り欠きを含みうる。本明細書では、既に述べた切り欠きはまた、熱エネルギー分離切り欠きとも称されうる。
【0027】
[0031]
図1は、基板
105を保持するための基板キャリア100を示す、本明細書に記載の実施形態による概略図である。基板キャリアは、基板
105を保持するための主要部分110、第1末端部分130、及び主要部分110を第1末端部分130に接続する第1中間部分120を含みうる。3つの装着点300は、基板キャリア100の第1末端部分130に配置されうる。装着点は、基板キャリアを移送装置(図に示さず)に接続するために利用されうる。装着点は更に、例えば移送装置から基板キャリアを電気絶縁する磁石システム又はプラスチック部品を含みうる。
【0028】
[0032] 本明細書に記載の実施形態によれば、基板キャリアの主要部分は、熱負荷中(すなわち、熱エネルギーが基板に提供される基板の処理中)に、最大の温度変化を経験しうる。
【0029】
[0033]
図1に示したように、基板キャリア100は、基板キャリアの第1末端に配置された第1末端部分130、及び基板キャリア100の第2末端に配置された第2末端部分150を含みうる。第1末端部分130及び第2末端部分150は、基板キャリア100の対向する末端に存在しうる。
【0030】
[0034] 主要部分110は、第1中間部分120及び第2中間部分140を介して、それぞれ第1末端部分130及び第2末端部分150に相互接続されうる。基板キャリア100の主要部分110に支持されている基板
105の熱処理中、最高量の熱エネルギーが、基板キャリア100の主要部分110に局所集中されうる。
【0031】
[0035] 基板キャリア100の主要部分110から末端部分130、150への熱エネルギー伝達を低減するため、第1中間部分120及び/又は第2中間部分140は一又は複数の熱エネルギー分離切り欠きを含みうる。
【0032】
[0036] 本明細書に記載の実施形態によれば、一又は複数の熱エネルギー分離切り欠きによる、基板が支持されている主要部分から基板キャリアの各末端部分への熱エネルギー伝達の低減又は防止は、処理システムのより安全な運用を保証しうる。これは更に、基板キャリア又は移送装置の経時的な材料疲労を低減しうる。基板キャリア上での熱エネルギー伝達の低減は、基板キャリア表面の歪みを更に低減し、これにより極めて高い品質での基板の処理を保証し、更に、基板キャリアが交換される必要なく、連続的な処理ステップに使用されうることを保証する。したがって、基板の全体的な処理品質は改善され、一方で運用時間及び運用コストは大幅に低減されうる。
【0033】
[0037]
図1に示した基板キャリア100の主要部分110と第1末端部分130との間の熱エネルギー伝達を効率的に低減するため、第1中間部分120は一又は複数の熱エネルギー分離切り欠き
、例えば第1開放切り欠き201、
第2開放切り欠き202、
閉鎖切り欠き210を含みうる。本明細書に記載の実施形態によれば、第1中間部分120は、第1開放切り欠き201及び第2開放切り欠き202を含む。第1切り欠き201及び第2切り欠き202は、基板キャリア100の対向する側端面261、262に向かって開放されている。第1切り欠き201及び第2切り欠き202は共に、基板キャリア100の側端面261、262のうちの少なくとも1つの長手方向に垂直又は実質的に垂直な方向で、基板キャリア100の中心に向かって延在しうる。本明細書に記載の更なる実施形態では、第1及び第2の開放切り欠きは、基板キャリアのそれぞれの側端面の長手方向に対して45度から90度の間の任意の角度となる方向で、基板キャリアの中心に向かって延在しうる。
【0034】
[0038] 第1切り欠き201及び第2切り欠き202は、基板キャリア100上で互いに対して鏡面対称に配置されうる。基板キャリアの中心平面500は、第1切り欠き201と第2切り欠き202の対称な平面となりうる。しかし、更なる実施形態では、切り欠きは互いに対して鏡面対称に配置されなくてもよい。
【0035】
[0039] 本明細書に記載の実施形態では、第1開放切り欠きは、基板キャリアの第1側端面から基板キャリアの中心平面に向かって延在して当該平面を越え、第2開放切り欠きは、基板キャリアの第2側端面から基板キャリアの中心平面に向かって、基板キャリアの中心平面と交差することなく延在しうる。第2側端面は、基板キャリアの第1側端面に対向しうる。第2開放切り欠きは、第1開放切り欠きと平行な方向に延在しうるが、一方の切り欠きは、他方の切り欠きからオフセットされて、異なる平面内にあってもよい。
【0036】
[0040] 実施形態によれば、第1開放切り欠き及び第2開放切り欠きは共に、基板キャリアの中心平面を越えて延在しうる。切り欠きの一方が異なる平面に沿って他方の上に配置されるように、第1開放切り欠きは第2開放切り欠きからオフセットされてもよい。基板キャリアの中間部分での第1及び第2の開放切り欠き又はスリットのこのような配置は、基板キャリアの主要部分から第1末端部分までの、及び/又は主要部分から第2末端部分までのすべての直線経路が、一又は複数の第1開放切り欠き及び/又は第2開放切り欠きのうちの少なくとも1つと交差することを保証しうる。
【0037】
[0041]
図2は、
図1に示した基板キャリア100の平面A−Aに沿った断面を示す。本明細書に記載の実施形態によれば、第1切り欠き201及び/又は第2切り欠き202はそれぞれ、基板キャリア100の外側端面261、262から基板キャリア100の中心平面500に向かって、基板キャリア100の幅の全長の最大45%まで延在しうる。その関連において、基板キャリア100の幅は、基板キャリア100の第1側端面261から第2側端面262までの最短直線の長さとして表わされうる。
【0038】
[0042] 基板キャリア100は、
図1に示した実施形態によれば、閉鎖切り欠き210を更に含みうる。閉鎖切り欠き210は、主要部分110と第1末端部分130との間の最短熱伝導経路の長さが、主要部分110と第1末端部分130との間の最短距離よりも大きくなるように、配置されうる。
【0039】
[0043] 閉鎖切り欠き210は、基板キャリアが第1開放切り欠き201及び第2開放切り欠き202をそれぞれ部分的に取り囲むように、基板キャリア100上に配置されうる。閉鎖切り欠き210の第1部分211は、第1開放切り欠き201及び第2開放切り欠き202の上方に配置されうる。第1部分211は、第1切り欠き201及び/又は第2切り欠き202にそれぞれ平行な方向に延在しうる。閉鎖切り欠き210の第2部分212は、第1開放切り欠き201及び第2開放切り欠き202のうちの少なくとも1つの長手方向に対して垂直な方向に延在しうる。閉鎖切り欠き210の第3部分213は、第1開放切り欠き201及び第2開放切り欠き202の下方に配置されうる。第3部分213は、第1切り欠き201及び/又は第2切り欠き202にそれぞれ平行な方向に延在しうる。
【0040】
[0044]
図1に示した実施形態によれば、閉鎖切り欠き210の第1部分211、第2部分212及び第3部分213は、基板キャリア100の主要部分110と第1末端部分130との間の最短熱伝導経路が、基板キャリア100の主要部分110と第1末端部分130との間の最短距離よりも大きいことを保証するため、第1開放切り欠き201及び/又は第2開放切り欠き202と一体となって機能する。基板キャリア100の主要部分110と第1末端部分130との間の最短距離は、基板キャリア100の主要部分110上の仮想点と第1末端部分130上の仮想点との間の最短直線として定義されうる。
【0041】
[0045] 上述のように、本明細書に記載の実施形態によれば、基板キャリアは、主要部分を第1末端部分に接続する第1中間部分を含みうる。オプションにより、本明細書に記載の実施形態では、基板キャリアは、主要部分を第2末端部分に接続する第2中間部分を含みうる。
【0042】
[0046] 本明細書に記載の実施形態では、処理中、処理される基板を支持する基板キャリアの主要部分は、最高温度を経験しうる。第1及び/又は第2中間部分は、主要部分と第1及び/又は第2末端部分との間で熱エネルギー伝達を低減するように適合された一又は複数の切り欠きを含みうる。本明細書では、既に述べた切り欠きはまた、熱エネルギー分離切り欠きとも称されうる。
【0043】
[0047] 本明細書に記載の実施形態では、基板キャリアの主要部分と第1末端部分との間の、及び/又は主要部分と第2末端部分との間の最短熱伝導経路の長さが、基板キャリアの主要部分と第1末端部分との間の、及び/又は主要部分と第2末端部分との間の最短距離よりもそれぞれ大きくなるように、一又は複数の熱エネルギー分離切り欠きが基板キャリア上に配置されうる。
【0044】
[0048] 本明細書に記載の実施形態によれば、主要部分から第1末端部分までの、及び/又は主要部分から第2末端部分までのすべての直線経路は、一又は複数の切り欠きのうちの少なくとも1つと、例えば、熱エネルギー分離切り欠きと交差しうる。その結果、例えば、基板の処理中、基板キャリアの主要部分からの熱エネルギーは、基板キャリアの第1及び/又は第2末端部分から効果的に分離或いは低減されうる。有利には、基板キャリアから一又は複数の移送装置までの熱エネルギー伝達もまた分離或いは低減される。
【0045】
[0049] 基板キャリアの主要部分から基板キャリアの末端部分までの熱エネルギー伝達の分離或いは低減は、主要部分から一又は複数の移送装置までの熱エネルギー伝達を分離或いは低減し、材料疲労の低減を支援し、一又は複数の移送装置並びに基板キャリアの双方について、より軽く及び/又はよりコスト効率のよい材料の幅広い範囲での使用も可能にしうる。
【0046】
[0050] 更に、熱負荷中の基板キャリアの主要部分から末端部分までの熱エネルギー伝達の分離或いは低減は、基板キャリアの歪みを防止しうる。
【0047】
[0051] 本明細書に記載の実施形態では、一又は複数の熱エネルギー分離切り欠きのうちの少なくとも1つは、基板キャリアによって完全に取り囲まれるように、配置されうる。本明細書の文脈で「完全に取り囲まれる」という用語は、切り欠きが基板キャリアを通って延在する貫通孔、スリット又は穿孔となるように、基板を通って完全に延在する切り欠きが基板キャリアによって取り囲まれていることを意味するものと理解されうる。
【0048】
[0052] 本明細書に記載の実施形態によれば、基板キャリア又はその部品は、金属又は金属合金、基板キャリア上に配設された基板の高温処理時などに、加熱されると変化しうる容積を含みうる。基板の高温処理中の基板キャリアの容積の増大は、基板キャリアの形状の歪み又は変形を引き起こしうる。更に、熱処理中の基板キャリアの温度変化により、基板キャリアの微分的な拡張又は収縮は、表面での歪み又は変形の原因となりうる。配設された基板は、基板キャリアの表面形状のこのような変化によって、結果的に損傷されること、或いは基板キャリアをその後の処理ステップで使用できない状態にすることがありうる。
【0049】
[0053] 本明細書に記載の実施形態によれば、一又は複数の熱エネルギー分離切り欠きを含む中間部分は、熱処理中に基板を支持する基板キャリアの主要部分が歪むこと又は変形することなく、基板キャリアが熱処理中に膨張及び収縮しうることを保証する。更に、基板キャリアの一又は複数の熱エネルギー分離切り欠きは、一又は複数の付加的な応力低減切り欠きを含みうる。応力低減切り欠きは、高温処理中に基板キャリアの歪み又は変形を更に低減するように適合されている。
【0050】
[0054] 本明細書に記載の更なる実施形態では、一又は複数の応力低減切り欠きは、相互接続されるか、基板キャリアの一又は複数の熱エネルギー分離切り欠きの一部となりうる。一又は複数の応力低減切り欠きは、基板キャリアを部分的に通って延在する開口部となりうる。一又は複数の応力低減切り欠きはまた、基板キャリアを完全に通って延在する掘削孔又は貫通孔となりうる。本明細書に記載の実施形態によれば、応力低減切り欠きは、例えば、2mm以上の曲率半径、例を挙げるならば、2mmから25mmまでのいずれかの曲率半径を有しうる。
【0051】
[0055] 本明細書に記載の実施形態では、熱エネルギー分離切り欠きの各々は、一又は複数の応力低減切り欠きを含みうる。例えば、基板キャリアによって完全に取り囲まれている熱エネルギー分離切り欠きは、4つの応力低減切り欠きを含みうる。
【0052】
[0056] 第1末端部分130と同様に、基板キャリア100の第2末端部分150は、基板キャリア100を移送装置(図には示さず)に接続するのに利用されうる、一又は複数の装着点を含みうる。
図1に示した基板キャリアの第2末端部分の5つの装着点は、例えば移送装置から基板キャリアを電気絶縁する磁石システム又はプラスチック部品を含みうる。本明細書に記載の更なる実施形態では、基板キャリアは異なる数の装着点を含みうる。装着点の数は、例えば、基板キャリアが使用される移送装置のタイプに依存しうる。本明細書に記載の実施形態によれば、第1末端部分130の装着点の数は、基板キャリア100の第2末端部分150の装着点の数と同じであってもよく、或いは異なってもよい。
【0053】
[0057]
図1に示した実施形態によれば、主要部分110は第2中間部分140を介して第2末端部分150に接続されうる。第1中間部分120と同様に、基板キャリア100の第2中間部分140は、第1中間部分120の
第1開放切り欠き201、
第2開放切り欠き202及び
閉鎖切り欠き210と同様な方法で配置されうる、一又は複数の熱エネルギー分離切り欠き
、例えば第1開放切り欠き301、
第2開放切り欠き302、
及び閉鎖切り欠き310を含みうる。
【0054】
[0058] 第1開放切り欠き301及び第2開放切り欠き302は、基板キャリア100の対向する側端面261、262に向かって開放されてうる。第1切り欠き301及び第2切り欠き302は共に、基板キャリア100の側端面261、262のうちの少なくとも1つの長手方向に垂直又は実質的に垂直な方向で、基板キャリア100の中心に向かって延在しうる。本明細書に記載の更なる実施形態では、第1及び第2の切り欠きは、基板キャリアのそれぞれの側端面の長手方向に対して45度から90度の間の任意の角度となる方向で、基板キャリア100の中心に向かって延在しうる。
【0055】
[0059] 第1切り欠き301及び第2切り欠き302は、基板キャリア100上で互いに対して鏡面対称に配置されうる。基板キャリアの中心平面500は、第1切り欠き301と第2切り欠き302の対称な平面となりうる。しかし、更なる実施形態では、切り欠きは互いに対して鏡面対称に配置されなくてもよい。例えば、第1切り欠きは基板キャリアの第1側端面から延在し、基板キャリアの中心平面500を越えうる。
【0056】
[0060] 本明細書に記載の実施形態では、第2中間部分の第1開放切り欠きは、基板キャリアの第1側端面から基板キャリアの中心平面に向かって延在して当該平面を越え、第2開放切り欠きは、基板キャリアの第2側端面から基板キャリアの中心平面に向かって、基板キャリアの中心平面と交差することなく延在しうる。第2側端面は、基板キャリアの第1側端面に対向しうる。第2開放切り欠きは、第1開放切り欠きと平行な方向に延在しうるが、一方の切り欠きは、他方の切り欠きからオフセットされて、異なる平面内にあってもよい。
【0057】
[0061] 実施形態によれば、第1開放切り欠き及び第2開放切り欠きは共に、基板キャリアの中心平面を越えて延在しうる。切り欠きの一方が異なる平面に沿って他方の上に配置されるように、第1開放切り欠きは第2開放切り欠きからオフセットされてもよい。基板キャリアの中間部分での第1及び第2の開放切り欠き又はスリットのこのような配置は、基板キャリアの主要部分から第1末端部分までの、及び/又は主要部分から第2末端部分までのすべての直線経路が、一又は複数の第1及び/又は第2開放切り欠きのうちの少なくとも1つと交差することを保証しうる。
【0058】
[0062] 基板キャリア100の第2中間部分140は、
図1に示した実施形態によれば、第1中間部分120の閉鎖切り欠き210と同様に配置された閉鎖切り欠き310を含みうる。閉鎖切り欠き310は、主要部分110と第2末端部分150との間の最短熱伝導経路の長さが、主要部分110と第2末端部分150との間の最短距離よりも大きくなるように、配置されうる。
【0059】
[0063] 閉鎖切り欠き310は、基板キャリアが第1開放切り欠き301及び第2開放切り欠き302をそれぞれ部分的に取り囲むように、基板キャリア100上に配置されうる。閉鎖切り欠き310の第1部分311は、第1開放切り欠き301及び第2開放切り欠き302の上方に配置されうる。第1部分311は、第1切り欠き301及び/又は第2切り欠き302にそれぞれ平行な方向に延在しうる。閉鎖切り欠き310の第2部分312は、第1開放切り欠き301及び第2開放切り欠き302のうちの少なくとも1つの長手方向に対して垂直な方向に延在しうる。閉鎖切り欠き310の第3部分313は、第1開放切り欠き301及び第2開放切り欠き302の下方に配置されうる。第3部分313は、第1切り欠き301及び/又は第2切り欠き302にそれぞれ平行な方向に延在しうる。
【0060】
[0064]
図1に示した実施形態によれば、閉鎖切り欠き310の第1部分311、第2部分312及び第3部分313は、基板キャリア100の主要部分110と第2末端部分150との間の最短熱伝導経路が、基板キャリア100の主要部分110と第2末端部分150との間の最短距離よりも大きいことを保証するため、第1開放切り欠き301及び/又は第2開放切り欠き302と一体となって機能する。基板キャリア100の主要部分110と第2末端部分150との間の最短距離は、基板キャリア100の主要部分110上の仮想点と第2末端部分150上の仮想点との間の最短直線として定義されうる。
【0061】
[0065]
図1に示した基板キャリア100の第2中間部分140の閉鎖切り欠き310は、一又は複数の応力低減切り欠き320を含みうる。第2中間部分140の閉鎖切り欠き310は、4つの応力低減切り欠きを含む。応力低減切り欠きのうちの2つは、閉鎖切り欠き310の第1部分311に配置される。応力低減切り欠きのうちの他の2つは、閉鎖切り欠き310の第3部分313に配置される。本明細書に記載の実施形態では、応力低減切り欠き320は、閉鎖切り欠き310の第1部分311及び第3部分313の対向する末端にそれぞれ配置されうる。
【0062】
[0066] 本明細書に記載の実施形態によれば、基板キャリアの第1及び第2中間部分の双方の閉鎖切り欠きは、一又は複数の応力低減切り欠きを含みうる。これらの応力低減切り欠きは、2mm以上の曲率半径、例えば、2mmから25mmまでのいずれかの曲率半径を有しうる。本明細書に記載の実施形態での応力低減切り欠きは、基板キャリアの主要部分及び/又は末端部分に関して、閉鎖切り欠きと開放切り欠きとの間に配置される、基板キャリアの一部の相対運動を促進しうる(例えば、
図6及び以下の記述を参照)。
【0063】
[0067]
図3は、本明細書に記載の実施形態による基板キャリア101を示す。基板キャリア101は、複数の基板を受けるために適合された複数の切り欠き
106を有する主要部分110を含む。複数の切り欠き
106は、基板キャリア101を完全に通って延在する、薄くなった区間、くぼみ又は貫通孔であってもよい。
【0064】
[0068] 主要部分110は、第1中間部分120及び第2中間部分140を介して、それぞれ第1末端部分130及び第2末端部分150に相互接続されうる。基板キャリア101の主要部分110に支持されている複数の基板の熱処理中、最高量の熱エネルギーが、基板キャリア101の主要部分110に局所集中されうる。
【0065】
[0069]
図1に示した実施形態と同様に、基板キャリア101の主要部分110から末端部分130、150への熱エネルギー伝達を低減するため、第1中間部分120及び/又は第2中間部分140は一又は複数の熱エネルギー分離切り欠きを含みうる。基板キャリア101の第1末端部分130及び第2末端部分150は、第1中間部分120及び第2中間部分140をそれぞれ介して主要部分110に接続されうる。第1中間部分120及び第2中間部分140は、一又は複数の熱エネルギー分離切り欠き、及び一又は複数の応力低減切り欠きの双方を含みうる。
【0066】
[0070]
図3に示した実施形態では、第1中間部分120は、互いに対して鏡面対称に配置された2つの熱エネルギー分離開放切り欠きを含む。第1中間部分120は更に、2つの熱エネルギー分離開放切り欠きを部分的に取り囲む、熱エネルギー分離閉鎖切り欠きを含む。
【0067】
[0071]
図3に示した基板キャリア101の主要部分110と第1末端部分130との間の熱エネルギー伝達を効率的に低減するため、第1中間部分120は一又は複数の熱エネルギー分離切り欠き
、例えば第1開放切り欠き201、
第2開放切り欠き202、
及び閉鎖切り欠き210を含みうる。本明細書に記載の実施形態によれば、第1中間部分120は、第1開放切り欠き201及び第2開放切り欠き202を含む。第1切り欠き201及び第2切り欠き202は、基板キャリア101の対向する側端面261、262に向かって開放されている。第1切り欠き201及び第2切り欠き202は共に、基板キャリア101の側端面261、262のうちの少なくとも1つの長手方向に垂直又は実質的に垂直な方向で、基板キャリア101の中心に向かって延在しうる。本明細書に記載の更なる実施形態では、第1及び第2の切り欠きは、基板キャリアのそれぞれの側端面の長手方向に対して45度から90度の間の任意の角度となる方向で、基板キャリアの中心に向かって延在しうる。
【0068】
[0072] 第1切り欠き201及び第2切り欠き202は、基板キャリア101上で互いに対して鏡面対称に配置されうる。基板キャリアの中心平面500は、第1切り欠き201と第2切り欠き202の対称な平面となりうる。しかし、更なる実施形態では、切り欠きは互いに対して鏡面対称に配置されなくてもよい。
【0069】
[0073] 基板キャリア101は、
図3に示した実施形態によれば、閉鎖切り欠き210を更に含みうる。閉鎖切り欠き210は、主要部分110と第1末端部分130との間の最短熱伝導経路の長さが、主要部分110と第1末端部分130との間の最短距離よりも大きくなるように、配置されうる。
【0070】
[0074] 閉鎖切り欠き210は、基板キャリアが第1開放切り欠き201及び第2開放切り欠き202をそれぞれ部分的に取り囲むように、基板キャリア101上に配置されうる。閉鎖切り欠き210の第1部分211は、第1開放切り欠き201及び第2開放切り欠き202の上方に配置されうる。第1部分211は、第1切り欠き201及び/又は第2切り欠き202にそれぞれ平行な方向に延在しうる。閉鎖切り欠き210の第2部分212は、第1開放切り欠き201及び第2開放切り欠き202のうちの少なくとも1つの長手方向に対して垂直な方向に延在しうる。閉鎖切り欠き210の第3部分213は、第1開放切り欠き201及び第2開放切り欠き202の下方に配置されうる。第3部分213は、第1切り欠き201及び/又は第2切り欠き202にそれぞれ平行な方向に延在しうる。
【0071】
[0075]
図3に示した実施形態によれば、閉鎖切り欠き210の第1部分211、第2部分212及び第3部分213は、基板キャリア101の主要部分110と第1末端部分130との間の最短熱伝導経路が、基板キャリア101の主要部分110と第1末端部分130との間の最短距離よりも大きいことを保証するため、第1開放切り欠き201及び/又は第2開放切り欠き202と一体となって機能しうる。基板キャリア101の主要部分110と第1末端部分130との間の最短距離は、基板キャリア101の主要部分110上の仮想点と第1末端部分130上の仮想点との間の最短直線として定義されうる。
【0072】
[0076]
図3に示した基板キャリア101の第1中間部分120の閉鎖切り欠き210は、一又は複数の応力低減切り欠き220を含みうる。第1中間部分120の閉鎖切り欠き210は、4つの応力低減切り欠きを含む。応力低減切り欠きのうちの2つは、閉鎖切り欠き210の第1部分211に配置される。応力低減切り欠きのうちの他の2つは、閉鎖切り欠き210の第3部分213に配置される。本明細書に記載の実施形態では、応力低減切り欠き220は、閉鎖切り欠き210の第1部分211及び第3部分213の対向する末端にそれぞれ配置されうる。
【0073】
[0077] 本明細書に記載の実施形態によれば、基板キャリアの第1中間部分の閉鎖切り欠きは、一又は複数の応力低減切り欠きを含みうる。これらの応力低減切り欠きは、2mm以上の曲率半径、例えば、2mmから25mmまでのいずれかの曲率半径を有しうる。本明細書に記載の実施形態での応力低減切り欠きは、基板キャリアの主要部分及び/又は末端部分に関して、閉鎖切り欠きと開放切り欠きとの間に配置される、基板キャリアの一部の相対運動を促進しうる(例えば、
図6及び以下の記述を参照)。
【0074】
[0078]
図3に示した実施形態によれば、主要部分110は第2中間部分140を介して第2末端部分150に接続されうる。第1中間部分120と同様に、基板キャリア101の第2中間部分140は、第1中間部分120の切り欠き201、202及び210と同様な方法で配置されうる、一又は複数の熱エネルギー分離切り欠き
、例えば第1開放切り欠き301、
第2開放切り欠き302、
及び閉鎖切り欠き310を含みうる。
【0075】
[0079] 第2中間部分140の第1開放切り欠き301及び第2開放切り欠き302は、基板キャリア101の対向する側端面261、262に向かって開放されてうる。第1切り欠き301及び第2切り欠き302は共に、基板キャリア101の側端面261、262のうちの少なくとも1つの長手方向に垂直又は実質的に垂直な方向で、基板キャリア101の中心に向かって延在しうる。本明細書に記載の更なる実施形態では、第1及び第2の切り欠きは、基板キャリアのそれぞれの側端面の長手方向に対して45度から90度の間の任意の角度となる方向で、基板キャリアの中心に向かって延在しうる。
【0076】
[0080] 第1切り欠き301及び第2切り欠き302は、基板キャリア101上で互いに対して鏡面対称に配置されうる。基板キャリアの中心平面500は、第1切り欠き301と第2切り欠き302の対称な平面となりうる。しかし、更なる実施形態では、切り欠きは互いに対して鏡面対称に配置されなくてもよい。例えば、第1切り欠きは基板キャリアの第1側端面から延在し、基板キャリアの中心平面500を越えうる。
【0077】
[0081] 本明細書に記載の実施形態では、第1開放切り欠きは、基板キャリアの第1側端面から基板キャリアの中心平面に向かって延在して当該平面を越え、第2開放切り欠きは、基板キャリアの第2側端面から基板キャリアの中心平面に向かって、基板キャリアの中心平面と交差することなく延在しうる。第2側端面は、基板キャリアの第1側端面に対向しうる。第2開放切り欠きは、第1開放切り欠きと平行な方向に延在しうるが、一方の切り欠きは、他方の切り欠きからオフセットされて、異なる平面内にあってもよい。
【0078】
[0082] 実施形態によれば、第1開放切り欠き及び第2開放切り欠きは共に、基板キャリアの中心平面を越えて延在しうる。切り欠きの一方が異なる平面に沿って他方の上に配置されるように、第1開放切り欠きは第2開放切り欠きからオフセットされてもよい。基板キャリアの中間部分での第1及び第2の開放切り欠き又はスリットのこのような配置は、基板キャリアの主要部分から第1末端部分までの、及び/又は主要部分から第2末端部分までのすべての直線経路が、一又は複数の第1及び/又は第2開放切り欠きのうちの少なくとも1つと交差することを保証しうる。
【0079】
[0083] 基板キャリア101の第2中間部分140は、
図3に示した実施形態によれば、第1中間部分120の閉鎖切り欠き210と同様に配置された閉鎖切り欠き310を含みうる。閉鎖切り欠き310は、主要部分110と第2末端部分150との間の最短熱伝導経路の長さが、主要部分110と第2末端部分150との間の最短距離よりも大きくなるように、配置されうる。
【0080】
[0084] 閉鎖切り欠き310は、基板キャリアが第1開放切り欠き301及び第2開放切り欠き302をそれぞれ部分的に取り囲むように、基板キャリア101上に配置されうる。閉鎖切り欠き310の第1部分311は、第1開放切り欠き301及び第2開放切り欠き302の上方に配置されうる。第1部分311は、第1切り欠き301及び/又は第2切り欠き302にそれぞれ平行な方向に延在しうる。閉鎖切り欠き310の第2部分312は、第1開放切り欠き301及び第2開放切り欠き302のうちの少なくとも1つの長手方向に対して垂直な方向に延在しうる。閉鎖切り欠き310の第3部分313は、第1開放切り欠き301及び第2開放切り欠き302の下方に配置されうる。第3部分313は、第1切り欠き301及び/又は第2切り欠き302にそれぞれ平行な方向に延在しうる。
【0081】
[0085]
図3に示した実施形態によれば、閉鎖切り欠き310の第1部分311、第2部分312及び第3部分313は、基板キャリア101の主要部分110と第2末端部分150との間の最短熱伝導経路が、基板キャリア101の主要部分110と第2末端部分150との間の最短距離よりも大きいことを保証するため、第1開放切り欠き301及び/又は第2開放切り欠き302と一体となって機能する。基板キャリア101の主要部分110と第2末端部分150との間の最短距離は、基板キャリア101の主要部分110上の仮想点と第2末端部分150上の仮想点との間の最短直線として定義されうる。
【0082】
[0086] 図
3に示した基板キャリア101の第2中間部分140の閉鎖切り欠き310は、一又は複数の応力低減切り欠き320を含みうる。第2中間部分140の閉鎖切り欠き310は、4つの応力低減切り欠きを含む。応力低減切り欠きのうちの2つは、閉鎖切り欠き310の第1部分311に配置される。応力低減切り欠きのうちの他の2つは、閉鎖切り欠き310の第3部分313に配置される。本明細書に記載の実施形態では、応力低減切り欠き320は、閉鎖切り欠き310の第1部分311及び第3部分313の対向する末端にそれぞれ配置されうる。
【0083】
[0087] 本明細書に記載の実施形態によれば、これらの応力低減切り欠きは、2mm以上の曲率半径、例えば、2mmから25mmまでのいずれかの曲率半径を有しうる。本明細書に記載の実施形態での応力低減切り欠きは、基板キャリアの主要部分及び/又は末端部分に関して、閉鎖切り欠きと開放切り欠きとの間に配置される、基板キャリアの一部の相対運動を促進しうる(例えば、
図6及び以下の記述を参照)。
【0084】
[0088]
図4及び
図5は、基板を保持するための基板キャリアの一部を示す、本明細書に記載の更なる実施形態による概略図である。
図4に示した基板キャリア102の一部は、主要部分110の一部、主要部分110を基板キャリア102の末端部分130に接続する中間部分120を示す。
【0085】
[0089] 基板の熱処理中に、主要部分110から末端部分130への熱エネルギー伝達を低減するため、
中間部分120は、一又は複数の熱エネルギー分離切り欠き、及びオプションにより、一又は複数の応力低減切り欠きを含む。
【0086】
[0090]
図4に示した実施形態によれば、第1中間部分120は、第1開放切り欠き201、第2開放切り欠き202、第3開放切り欠き203及び第4開放切り欠き204を含む。第1切り欠き201及び第2切り欠き202は、基板キャリア102の対向する側端面261、262に向かって開放されうる。第3切り欠き203及び第4切り欠き204はまた、基板キャリア102の対向する側端面261、262に向かって開放されうる。第1切り欠き201、第2切り欠き202、第3切り欠き203及び第4切り欠き204は、基板キャリア102の側端面261、262のうちの少なくとも1つの長手方向に垂直又は実質的に垂直な方向で、基板キャリア102の中心に向かって延在しうる。本明細書に記載の更なる実施形態では、第1、第2、第3及び第4の開放切り欠きは、基板キャリアのそれぞれの側端面の長手方向に対して45度から90度の間の任意の角度となる方向で、基板キャリアの中心に向かって延在しうる。
【0087】
[0091] 第1切り欠き201及び第2切り欠き202、並びに第3切り欠き203及び第4切り欠き204は、基板キャリア102上でそれぞれ互いに対して鏡面対称に配置されうる。基板キャリアの中心平面500は、第1切り欠き201と第2切り欠き202の、並びに第3切り欠き203と第4切り欠き204の対称な平面となりうる。しかし、更なる実施形態では、切り欠きは互いに対して鏡面対称に配置されなくてもよい。
【0088】
[0092] 本明細書に記載の実施形態では、第1開放切り欠きは、基板キャリアの第1側端面から基板キャリアの中心平面に向かって延在して当該平面を越え、第2開放切り欠きは、基板キャリアの第2側端面から基板キャリアの中心平面に向かって、基板キャリアの中心平面と交差することなく延在しうる。第2側端面は、基板キャリアの第1側端面に対向しうる。第2開放切り欠きは、第1開放切り欠きと平行な方向に延在しうるが、一方の切り欠きは、他方の切り欠きからオフセットされて、異なる平面内にあってもよい。第3及び第4開放切り欠きは、第1及び第2切り欠きと同じような方法で配置されうる。
【0089】
[0093] 実施形態によれば、第1及び第2開放切り欠き及び/又は第3及び第4開放切り欠きは、基板キャリアの中心平面を越えて延在しうる。切り欠きの一方が異なる平面に沿って他方の上に配置されるように、第1開放切り欠きは第2開放切り欠きからオフセットされてもよく、第3開放切り欠きは第4開放切り欠きからオフセットされてもよい。基板キャリアの中間部分での第1、第2、第3及び第4の開放切り欠き又はスリットのこのような配置は、基板キャリアの主要部分から第1末端部分までの、及び/又は主要部分から第2末端部分までのすべての直線経路が、一又は複数の開放切り欠きのうちの少なくとも1つと交差することを保証しうる。
【0090】
[0094] 基板キャリア102は、
図4に示した実施形態によれば、閉鎖切り欠き210を更に含みうる。閉鎖切り欠き210は、主要部分110と第1末端部分130との間の最短熱伝導経路の長さが、主要部分110と第1末端部分130との間の最短距離よりも大きくなるように、配置されうる。
【0091】
[0095] 閉鎖切り欠き210は、基板キャリアが第1開放切り欠き201、第2開放切り欠き202、第3開放切り欠き203及び第4開放切り欠き204をそれぞれ部分的に取り囲むように、基板キャリア102上に配置されうる。閉鎖切り欠き210の第1部分211は、第1開放切り欠き201及び第2開放切り欠き202の上方に配置されうる。第1部分211は、第1切り欠き201及び/又は第2切り欠き202にそれぞれ平行な方向に延在しうる。閉鎖切り欠き210の第2部分212は、第1開放切り欠き201及び第2開放切り欠き202のうちの少なくとも1つの長手方向に対して垂直な方向に延在しうる。閉鎖切り欠き210の第3部分213は、第1開放切り欠き201及び第2開放切り欠き202の下方に、また第3開放切り欠き203及び第4開放切り欠き204の上方に、それぞれ配置されうる。閉鎖切り欠き210の第3部分213は、第1開放切り欠き201、第2開放切り欠き202、第3開放切り欠き203及び第4開放切り欠き204のうちのいずれか一又は複数に平行な方向に延在しうる。
【0092】
[0096]
図4に示した実施形態によれば、閉鎖切り欠き210の第1部分211、第2部分212及び第3部分213は、基板キャリア102の主要部分110と第1末端部分130との間の最短熱伝導経路が、基板キャリア102の主要部分110と第1末端部分130との間の最短距離よりも大きいことを保証するため、第1開放切り欠き201、第2開放切り欠き202、第3開放切り欠き203及び第4開放切り欠き204と一体となって機能する。基板キャリア102の主要部分110と第1末端部分130との間の最短距離は、基板キャリア102の主要部分110上の仮想点と第1末端部分130上の仮想点との間の最短直線として定義されうる。
【0093】
[0097]
図4に示した基板キャリア102の第1中間部分120の閉鎖切り欠き210は、オプションにより、一又は複数の応力低減切り欠き320(図には示さず)を含みうる。第1中間部分120の閉鎖切り欠き210は、4つの応力低減切り欠きを含む。応力低減切り欠きのうちの2つは、閉鎖切り欠き210の第1部分211に配置されうる。応力低減切り欠きのうちの他の2つは、閉鎖切り欠き210の第3部分213に配置されうる。本明細書に記載の実施形態では、応力低減切り欠き220は、閉鎖切り欠き210の第1部分211及び第3部分213の対向する末端にそれぞれ配置されうる。
【0094】
[0098] 本明細書に記載の実施形態によれば、基板キャリアの第1中間部分の閉鎖切り欠きは、一又は複数の応力低減切り欠きを含みうる。これらの応力低減切り欠きは、2mm以上の曲率半径、例えば、2mmから25mmまでのいずれかの曲率半径を有しうる。本明細書に記載の実施形態での応力低減切り欠きは、基板キャリアの主要部分及び/又は末端部分に関して、閉鎖切り欠きと開放切り欠きとの間に配置される、基板キャリアの一部の相対運動を促進しうる(例えば、
図6及び以下の記述を参照)。
【0095】
[0099]
図5は、本明細書に記載の更なる実施形態による基板キャリアの一部を示す。
図5に示した基板キャリア103の一部は、
図4に示した基板キャリア102の一部に類似している。これらの実施形態の間の違いは、
図5に示した実施形態の閉鎖切り欠き210が、付加的な第4部分214及び第5部分215を含むことである。閉鎖切り欠き210の第4部分214は、第1開放切り欠き203及び第4開放切り欠き204のうちの少なくとも1つの長手方向に対して垂直な方向に延在しうる。閉鎖切り欠き210の第5部分215は、第3開放切り欠き203及び第4開放切り欠き204の下方に配置されうる。閉鎖切り欠き210の第5部分215は、第1開放切り欠き201、第2開放切り欠き202、第3開放切り欠き203及び第4開放切り欠き204のうちのいずれか一又は複数に平行な方向に延在しうる。
【0096】
[00100] 本明細書に記載の実施形態によれば、閉鎖切り欠きの付加的な第4部分及び第5部分は、基板キャリアの主要部分と末端部分との間の熱分離効果を高めうる。言い換えるならば、閉鎖切り欠きの第4部分及び第5部分は、閉鎖切り欠きが第1部分、第2部分及び第3部分(例えば、
図4を参照)のみを含む実施形態と比較して、基板キャリアの主要部分と末端部分との間の最短熱伝導経路を増大させうる。しかし、本明細書に記載の実施形態では、閉鎖切り欠き部分の総数は3から15の間で変動しうる。本明細書に記載のこれまでの実施形態のいずれかと同様に、
図4及び
図5に示した閉鎖切り欠きは更に、上述のように一又は複数の応力低減切り欠きを含む。
【0097】
[00101]
図6は、本明細書に記載の実施形態による基板キャリアの方向変位を示す。
図6に示された方向変位は、基板キャリア104の第1中間部分120と第2中間部分140の熱伝導経路の変位をよりわかりやすく示すため拡大されている。実際の変位は、例えば、処理温度、材料及びキャリアの長さなど、様々なパラメータに依存する。基板キャリア104の中心平面500に向かって延在する、第1中間部分120の熱伝導経路部分216、217は、基板キャリア104の主要部分110に向かう方向に移動しうる。基板キャリア104の中心平面500に最も近い熱伝導経路部分216、217、218、219の区間は、基板キャリア104の側端面261、262により近い熱伝導経路部分216、217、218、219の区間よりも大きな変位を経験しうる。
【0098】
[00102] 本明細書に記載の実施形態によれば、熱処理中、基板キャリア104の中心平面500に最も近い第1中間部分120の熱伝導経路部分216、217の区間は、主要部分110の熱膨張が基板キャリア104の末端部分130におけるよりも大きいとき、基板キャリア104の主要部分110に向かって下向きに移動しうる。同様に、基板キャリア104の中心平面500に最も近い第2中間部分140の熱伝導経路部分218、219の区間は、主要部分110の熱膨張が基板キャリア104の末端部分150におけるよりも大きいとき、基板キャリア104の主要部分110に向かって
上向きに移動しうる。この熱伝導経路部分の移動の自由度は、基板キャリアの面の曲げ又は歪みを防止しうる。
【0099】
[00103] 本明細書に記載の実施形態では、一又は複数の熱エネルギー分離切り欠き、及びオプションにより一又は複数の応力低減切り欠きを含む基板キャリアは、基板キャリアによって保持される基板が熱処理を受ける間に、基板と移送装置との間の熱エネルギー伝達を低減するために使用されうる。
【0100】
[00104] 基板を処理するためのシステム及び基板キャリアの例示的な実施形態が上記に詳述されている。本システム及び基板キャリアは、本明細書に記載の特定の実施形態に限定されるのではなく、システムの構成要素及び基板キャリアは、本明細書に記載の他の構成要素とは独立かつ別々に利用されうる。
【0101】
[00105] 本発明の様々な実施形態の具体的な特徴は、一部の図面に示され、他の図面には示されていないことがあるが、これは単に便宜のためにすぎない。本発明の原理によれば、ある図面のどの特徴も、他の任意の図面のどの特徴とも組み合わせて参照又は特許請求することができる。
【0102】
[00106] 本明細書では例を用いて、最良の形態を含む本発明を開示し、また当業者が本発明を実施することを、任意の装置またはシステムを作製及び使用すること、及び組み込まれる任意の方法を実施することを含めて可能にしている。様々な具体的な実施形態を上記で開示したが、当業者には、特許請求の趣旨および範囲で、等しく効果的な修正形態が可能であることが理解されよう。特に、上述の実施形態の相互に非排他的な特徴は、互いに組み合わされうる。本発明に関して特許を受けることができる範囲は、特許請求の範囲によって規定され、当業者に想到される他の例も含むことができる。このような他の例は、それが特許請求の範囲の文字通りの言葉と相違しない構造要素を有する場合、または特許請求の範囲の文字通りの言葉とは実質的な違いがない等価の構造要素を有する場合には、特許請求の範囲内にあるものとする。