(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ランプが着脱可能な装着部と、前記ランプが前記装着部に装着された第1状態と前記装着部への前記ランプの装着が解除された第2状態とを切替える切替部と、を有し、前記ランプを保持するランプ保持部と、
所定方向に関して、前記ランプと前記ランプ保持部とを収容する収容部と、
前記ランプへ電力供給するために接続されたケーブルを冷却する気体を供給する給気部と、を備え、
前記切替部は、前記ケーブルが取り外され電力供給が停止された第1ランプが取り外された前記装着部に前記第1ランプとは異なる第2ランプが挿入され、前記ランプ保持部と前記収容部との前記所定方向に関する相対距離が変更されるよう前記第2ランプと前記ランプ保持部とが前記収容部外から前記収容部に収容されると、前記第2状態から前記第1状態へ切替え、
前記給気部は、前記第1状態の前記第2ランプに接続された前記ケーブルに対して前記気体を供給する光源装置。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されない。以下の説明においては、XYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部の位置関係について説明する。水平面内の所定方向をX軸方向、水平面内においてX軸方向と直交する方向をY軸方向、X軸方向及びY軸方向のそれぞれと直交する方向(すなわち鉛直方向)をZ軸方向とする。また、X軸、Y軸、及びZ軸まわりの回転(傾斜)方向をそれぞれ、θX、θY、及びθZ方向とする。
【0016】
図1は、本実施形態に係る露光装置EXの一例を示す概略構成図である。
図1において、露光装置EXは、パターンが形成されたマスクMを支持して移動可能なマスクステージ14と、基板Pを支持して移動可能な基板ステージ15と、ランプ1から発した露光光ELを射出する光源装置20と、光源装置20から射出された露光光ELをマスクMに照射して、マスクMを露光光ELで照明する照明装置ILと、露光光ELで照明されたマスクMのパターンの像を基板Pに投影する投影光学系PLと、露光装置EX全体の動作を制御する制御装置16とを備えている。
【0017】
マスクMは、基板Pに投影されるデバイスパターンが形成されたレチクルを含み、例えばガラス板等の光透過性の板と、その板上にクロム等の遮光材料で形成された遮光パターンとを有する。なお、光透過性の板上に形成されるパターンは、遮光パターンのみならず、位相パターン及び減光パターンの少なくとも一方でもよい。また、本実施形態においては、マスクMとして透過型のマスクを用いるが、反射型のマスクでもよい。
【0018】
基板Pは、デバイスを製造するための感光基板を含み、例えば半導体ウエハ、あるいはガラスプレート等の基材と、その基材上に形成された感光膜とを有する。感光膜は、例えば基材に塗布された感光材の膜である。
【0019】
光源装置20は、露光光ELを発生するランプ1と、ランプ1を保持する保持機構21と、ランプ1の周囲の少なくとも一部に配置される反射鏡2と、少なくともランプ1及び反射鏡2を収容するハウジング部材(ランプハウス)22とを備えている。本実施形態において、ランプ1は、放電ランプである。なお、ランプ1が、白熱ランプでもよい。反射鏡2は、ランプ1から発した露光光ELを反射する凹面状の反射面2Rを有する。本実施形態において、反射鏡2は、楕円鏡であり、反射面2Rは、回転楕円面(楕円の一部をその軸回りに回転して形成される面)である。なお、反射鏡2の反射面2Rが、回転放物面でもよいし、球面でもよい。以下の説明において、反射鏡2を適宜、楕円鏡2、と称する。
【0020】
照明装置ILは、ダイクロイックミラー3、シャッター4、コリメータレンズ5、波長選択フィルタ6、オプティカルインテグレータ7、フィールドレンズ8、ハーフミラー9、リレーレンズ10、ブラインド装置11、コンデンサレンズ12、及び折り曲げミラー13等を備えている。照明装置ILは、所定の照明領域に露光光ELを照射可能である。
照明装置ILは、照明領域に配置されたマスクMの一部分を、均一な照度分布の露光光ELで照明する。
【0021】
なお、光源装置20が、ダイクロイックミラー3を備えてもよい。例えば、ハウジング部材22の内部にダイクロイックミラー3が配置されてもよい。
【0022】
マスクステージ14は、マスクMを支持した状態で、照明領域に対して移動可能である。マスクステージ14は、リニアモータ等の駆動システム14Dの作動により、X軸、Y軸、及びθZ方向の3つの方向に移動可能である。
【0023】
投影光学系PLは、所定の投影領域に露光光ELを照射可能である。投影光学系PLは、投影領域に配置された基板Pの一部分に、マスクMのパターンの像を所定の投影倍率で投影する。本実施形態の投影光学系PLは、その投影倍率が例えば1/4、1/5、1/8等の縮小系である。なお、投影光学系PLは等倍系及び拡大系のいずれでもよい。また、投影光学系PLは、反射光学素子を含まない屈折系、屈折光学素子を含まない反射系、反射光学素子と屈折光学素子とを含む反射屈折系のいずれであってもよい。また、投影光学系PLは、倒立像と正立像とのいずれを形成してもよい。
【0024】
基板ステージ15は、基板Pを支持した状態で、投影領域に対して移動可能である。基板ステージ15は、リニアモータ等の駆動システム15Dの作動により、X軸、Y軸、Z軸、θX、θY、及びθZ方向の6つの方向に移動可能である。
【0025】
マスクステージ14、及び基板ステージ15の位置情報は、それぞれ干渉計システム14L,15Lによって計測される。基板Pの露光処理を実行するとき、あるいは所定の計測処理を実行するとき、干渉計システム14L,15Lの計測結果に基づいて、マスクステージ14(マスクM)、及び基板ステージ15(基板P)の位置制御が実行される。
【0026】
照明装置ILは、マスクステージ14が支持するマスクMを露光光ELで照明し、そのマスクMのパターンを介して、基板ステージ15が支持する基板Pを露光する。投影光学系PLは、マスクステージ14が支持するマスクMのパターンの像を、基板ステージ15が支持する基板Pに投影する。照明装置ILは、投影光学系PLを介して、基板Pを露光する。
【0027】
図2は、本実施形態に係る光源装置20の構成を示す図である。
図2に示すように、光源装置20は、ランプ1と、楕円鏡2と、ランプ1を保持する保持機構21と、楕円鏡2を保持する保持部材23と、保持部材23を支持する支持部材24と、それらランプ1、楕円鏡2、保持機構21、保持部材23、及び支持部材24を収容可能なハウジング部材22と、ハウジング部材22の内部空間22Hの異物を回収可能な引き出し部材25とを備えている。
【0028】
ランプ1は、陰極及び陽極を有する超高圧水銀ランプを含む。ランプ1は、発光管内に封入された水銀を蒸発させて発光する。ランプ1は、第1口金部1Aと第2口金部1Bとを有する。第1口金部1Aは陽極側に設けられ、第2口金部1Bは陰極側に設けられている。第1、第2口金部1A、1Bは、例えばモリブデン等の金属部材である。ランプ1は、その第1、第2口金部1A、1Bを介して電力を受ける。第1口金部1Aは、ケーブル26に接続されている。第2口金部1Bは、保持機構21に接続されている。ケーブル26の少なくとも一部は、ランプ1から発した露光光EL、あるいは反射面2Rで反射した露光光ELが照射される位置に配置されている。
【0029】
楕円鏡2は、ランプ1の少なくとも一部が配置される開口部2Aと、開口部2Aの周囲に設けられ、ランプ1から発した露光光ELを反射する反射面2Rとを有する。反射面2Rで反射された露光光ELは、楕円鏡2の射出口2Bより射出される。射出口2Bは、開口部2Aより大きく、楕円鏡2の第2焦点に近い位置に配置される。楕円鏡2は、ガラス等から形成された基材と、基材の表面に形成された誘電導膜とを有する。反射面2Rは、誘電導膜で形成されている。誘電導膜は、蒸着法によって、基材上に形成される。ランプ1から発した光のうち、特定波長の光(露光光EL)が反射面2Rで反射し、特定波長以外の光は、楕円鏡2を通過する。
【0030】
図3は、保持部材23を示す図である。
図2及び
図3に示すように、保持部材23は、楕円鏡2の射出口2Bの縁部に接続されるフランジ部27と、楕円鏡2の周囲に配置され、上端がフランジ部27と接続される筒状の保持本体部28と、保持本体部28の下端に接続されるプレート部29とを有する。フランジ部27、保持本体部28、及びプレート部29は、一体である。フランジ部27は、射出口2Bの縁部に固定される。プレート部29は、楕円鏡2の下部を支持する。
【0031】
また、保持部材23は、フランジ部27と保持本体部28とプレート部29とで形成される内部空間30と、内部空間30において、反射面2Rに対して反対側の楕円鏡2の裏面2Sの周囲の少なくとも一部に配置された遮光部材31とを有する。本実施形態において、遮光部材31は、楕円鏡2の裏面2Sの周囲に配置された第1,第2遮光部材31A,31Bを含む。第1,第2遮光部材31A,31Bのそれぞれは、楕円鏡2を囲む筒状の部材である。第1遮光部材31Aは、第2遮光部材31Bより小さく、内部空間30において、保持本体部28及び楕円鏡2に支持されている。第2遮光部材31Bは、内部空間30において、楕円鏡2の裏面2Sと対向するように、保持本体部28及びプレート部29に支持されている。保持本体部28は、第2遮光部材31Bの周囲に配置される。なお、保持本体部28は、筒状に限定されず、筒の側面に適宜開口が設けられた構造や、フレーム構造(例えば、バー状のフレームが円筒面状に配置された構造、網目構造等)などにしてもよい。
【0032】
図4は、支持部材24を示す図、
図5は、支持部材24と支持部材24に支持された保持部材23とを上方から見た図である。
図2,
図4,
図5に示すように、支持部材24は、保持部材23の周囲の少なくとも一部に配置される。支持部材24は、保持部材23を支持する第1部分24Aと、保持機構21を支持する第2部分24Bとを有する。第1部分24Aは、フランジ部27を支持する上面32Tを有するプレート部材32と、プレート部材32の下面に接続され、保持部材23の少なくとも一部が配置される内部空間33が形成された第1部材34とを有する。第2部分24Bは、第1部材34の下面に接続され、保持機構21の少なくとも一部が配置される空間36が形成された第2部材37を有する。
【0033】
プレート部材32は、上面32Tの少なくとも一部に配置された気体流入口38と、気体流出口39と、気体流入口38と気体流出口39とを結ぶ内部流路40とを有する。
図5に示すように、上面32Tの外形は、四角形であり、気体流入口38は、上面32Tの4つのコーナーそれぞれの近傍、及びフランジ部27に対して−X側の所定領域に形成されている。気体流入口38から流入した気体は、内部流路40を流れて、気体流出口39より流出する。
【0034】
図2に示すように、光源装置20は、少なくとも開口部2A近傍の楕円鏡2の反射面2Rに気体を導く第1給気部(反射面給気部)41と、露光光ELが照射されるケーブル26の少なくとも一部に気体を導く第2給気部(ケーブル給気部)42と、楕円鏡2の裏面2Sに気体を導く第3給気部(裏面給気部)43とを備えている。
【0035】
第1給気部41は、第1給気口41A及びチューブ部材41Tを含む。第1給気口41Aは、反射面2Rと対向する位置に配置されている。第1給気口41Aは、チューブ部材41Tの先端に配置されている。第1給気口41Aは、チューブ部材41Tの内部流路を介して、気体供給装置(不図示)と接続されている。気体供給装置は、クリーンで温度調整された気体を第1給気部41に供給する。第1給気部41は、そのクリーンで温度調整された気体を、第1給気口41Aから導出して開口部2A近傍の反射面2Rに導く。
【0036】
図6は、第1給気口41A、チューブ部材41T、及び反射面2Rを上方から見た模式図である。
図2及び
図6に示すように、本実施形態において、第1給気口41A及びチューブ部材41Tは、2つ配置されている。2つの第1給気口41Aは、開口部2Aの中心に対して対称に配置されている。第1給気口41Aは、気体供給装置から供給された気体を、反射面2Rに向けて導出し、反射面2Rに沿って流動させる。
【0037】
第2給気部42は、第2給気口42A及びチューブ部材42Tを含む。第2給気口42Aは、ケーブル26の外面と対向する位置に配置されている。第2給気口42Aは、チューブ部材42Tの先端に配置されている。第2給気口42Aは、チューブ部材42Tの内部流路を介して、気体供給装置(不図示)と接続されている。気体供給装置は、クリーンで温度調整された気体を第2給気部42に供給する。第2給気部42は、そのクリーンで温度調整された気体を、第2給気口42Aから導出してケーブル26の外面に導く。
【0038】
図7は、第2給気口42A、チューブ部材42T、及びケーブル26を示す模式図である。本実施形態において、ケーブル26は、米国特許出願公開第2008/0218049号明細書、国際公開第2008/026709号パンフレットに開示されているような、第1口金部1Aに電力を供給可能な配線部26Aと、第1口金部1Aに供給される気体が流れる流路が形成されたチューブ部26Bとを含む。チューブ部26Bを流れた気体は、第1口金部1Aに供給され、その第1口金部1Aを冷却する。第2給気部42は、気体供給装置から供給された気体を、露光光ELが照射されるケーブル26の少なくとも一部に導く。
【0039】
第3給気部43は、裏面2Sと対向可能な保持部材23の少なくとも一部に配置されている。第3給気部43は、保持本体部28に配置されている。
図2に示すように、気体流出口39が、第3給気部43の近傍に配置される。保持部材23が支持部材24に支持されることによって、第3給気部43の位置と気体流出口39の位置とが一致する。気体流出口39は、気体流入口38から流入し、内部流路40を流れた気体を、第3給気部43に供給する。第3給気部43は、気体流出口39からの気体の少なくとも一部を、裏面2Sに導く。
【0040】
遮光部材31は、第3給気部43から導かれた気体を、裏面2Sに沿ってガイドする。
図2及び
図3に示すように、第1遮光部材31Aは、内部空間30において、第3給気部43と対向するように、且つ、第3給気部43を塞がないように、保持本体部28と楕円鏡2との間に配置される。本実施形態において、第3給気部43に面する第1遮光部材31Aの第1面311の上端は、第3給気部43の上端近傍の保持本体部28の内面に接続され、第1面311の下端は、第3給気部43(保持本体部28の内面)から離れた位置に配置される。
【0041】
第2遮光部材31Bは、内部空間30において、裏面2Sと対向するように、且つ、第3給気部43を塞がないように、保持本体部28とプレート部29との間に配置される。
本実施形態において、第1面311と間隙を介して対向する第2遮光部材31Bの第2面312の上端は、第3給気部43の下端近傍の保持本体部28の内面に接続され、第2面312の下端は、プレート部29の上面に接続される。
【0042】
保持部材23は、第3給気部43と異なる位置に配置され、第3給気部43から導かれた気体の少なくとも一部を排出する排気口44を有する。排気口44は、第3給気部43から気体が導かれる内部空間30の気体の少なくとも一部を、内部空間30から排出する。本実施形態において、排気口44は、プレート部29に配置されている。排気口44は、楕円鏡2の裏面2Sと第2遮光部材31Bの第2面312との間におけるプレート部29の一部に配置されている。
【0043】
図2に示すように、ハウジング部材22は、外部の気体を内部空間22Hに導く給気口45を有する。本実施形態において、給気口45の少なくとも一つは、ハウジング部材22の上板に形成されている。また、ハウジング部材22は、内部空間22Hの気体を外部に排出する排気口(不図示)を有する。例えば特開2004−296125号公報に開示されているように、内部空間22Hにおいて、排気口の近傍には、ファン装置が配置される。ファン装置が作動することによって、外部の気体が給気口45を介して、ハウジング部材22の内部空間22Hに導かれる。給気口45より導かれた気体の少なくとも一部は、気体流入口38に流入し、内部流路40及び気体流出口39を介して、第3給気部43に供給される。第3給気部43は、気体を裏面2Sに導く。遮光部材31にガイドされて裏面2Sに沿って内部空間30を流れた気体は、排気口44より排出される。排気口44から排出された気体の少なくとも一部は、ファン装置が配置された排気口より、ハウジング部材22の外部に排出される。
【0044】
次に、保持機構21について説明する。保持機構21は、ランプ1の第2口金部1Bが挿入される挿入口46を有し、その第2口金部1Bを着脱可能に保持する保持機構21を含む。上述のように、保持機構21は、支持部材24(第2部分)に支持される。
【0045】
図8,
図9,及び
図10は、保持機構21の一例を示す図である。保持機構21は、ランプ1の下端の第2口金部1Bが挿入される挿入口46を有する円筒部材47と、円筒部材47の周囲に配置され、Z軸方向に移動可能な移動部材48と、ガイド部材49の周囲に配置された圧縮コイルばね50と、圧縮コイルばね50の下端に配置され、圧縮コイルばね50が発生する−Z方向への力を移動部材48に加える連結部材51と、移動部材48が−Z方向に移動したときに第2口金部1Bの被押圧面1BTと対向し、移動部材48が+Z方向に移動したときに被押圧面1BTと対向しない位置に退避するローラ52を有するアーム53と、移動部材48に対して+Z方向に向かう駆動力を作用させる切替リンク機構54と、切替リンク機構54を作動する回転レバー55とを備えている。保持機構21に設けられた回転レバー55を操作することによって、保持機構21がランプ1(第2口金部1B)を固定する第1状態、及びランプ1(第2口金部1B)の固定を解除する第2状態の一方から他方へ変化させることができる。
図10(A)は、ランプ1が固定されている第1状態を示し、
図10(B)は、ランプ1の固定が解除されている第2状態を示す。ランプ1の第2口金部1Bを着脱可能に保持する保持機構21は、米国特許出願公開第2008/0218049号明細書、国際公開第2008/026709号パンフレットに開示されている。
【0046】
図11は、光源装置20を−Y側から見た模式図である。
図11に示すように、光源装置20は、一端がハウジング部材22に接続され、他端が回転レバー55に接続されたワイヤ部材56を備える。ワイヤ部材56を介して回転レバー55に力を加えることができる。
【0047】
図12は、光源装置20の動作の一例を示す図である。本実施形態において、ハウジング部材22は、−X側に開口22Kを有する。開口22Kは、十分に大きい。
図12に示すように、支持部材24、その支持部材24に支持された保持機構21、ランプ1、保持部材23、及び楕円鏡2は、開口22Kを通過することができる。すなわち、開口22Kは、出入口として機能する。ハウジング部材22は、開口22Kを閉じることができるドア部材を備えている。ハウジング部材22の内部に支持部材24が配置されたとき、ドア部材によって開口22Kが閉じられる。
【0048】
図2に示すように、光源装置20は、ハウジング部材22に設けられ、支持部材24が開口22Kを通過するように、ハウジング部材22に対して支持部材24をX軸方向にガイドするガイド機構57を有する。ガイド機構57は、ハウジング部材22の内側に配置されている。開口22Kを介してハウジング部材22の内部から支持部材24を出すとき、あるいは開口22Kを介してハウジング部材22の外部から内部に支持部材24を入れるとき、支持部材24は、ガイド機構57にガイドされながら移動することができる。
【0049】
また、光源装置20は、ハウジング部材22に収容された支持部材24の位置を固定するストッパ機構58を有する。ストッパ機構58は、ハウジング部材22に設けられ、支持部材24に配置された凸部材24Tと接触可能なストッパ部材58Aと、ストッパ部材58Aを回転可能に支持する支持機構58Bとを有する。支持機構58Bは、開口22Kの近傍におけるハウジング部材22の内面に配置されている。
【0050】
図13は、ストッパ機構58の動作の一例を示す図である。
図13(A)に示すように、支持部材24がハウジング部材22に収容された状態で、凸部材24Tと対向するようにストッパ部材58Aが回転し、凸部材24Tと接触ことによって、支持部材24の位置が固定される。これにより、支持部材24が開口22Kを介してハウジング部材22の外部に出てしまうことが抑制される。また、
図13(B)に示すように、凸部材24Tと対向しないようにストッパ部材58Aが回転することによって、支持部材24は、開口22Kを通過して、ハウジング部材22の外部に出ることができる。
【0051】
図14は、ハウジング部材22の外部から内部に支持部材24が移動する動作の一例を示す。支持部材24をハウジング部材22に収容する際、第2口金部1Bが保持機構21の挿入口46に挿入された状態で、支持部材24がハウジング部材22の内部に移動する。保持機構21は、支持部材24に支持されており、支持部材24と一緒に、ハウジング部材22の内部に移動する。また、保持機構21に設けられている回転レバー55も、保持機構21と一緒に、ハウジング部材22の内部に移動する。
【0052】
一端がハウジング部材22に接続され、他端が回転レバー55に接続されたワイヤ部材56は、保持機構21とともに移動される回転レバー55の可動範囲を規制する。ワイヤ部材56は、保持機構21を支持した支持部材24が開口22Kからハウジング部材22の内側に(+X方向)に移動するとき、保持機構21とともに移動される回転レバー55の、X軸方向に関する移動可能範囲を規制する。
【0053】
例えば、
図14(A)に示すように、第2口金部1Bが挿入口46に挿入された状態、且つ、保持機構21が第2状態(保持機構21によるランプ1の固定が解除された状態)である場合において、支持部材24がハウジング部材22の内側に移動するとき、X軸方向に関する回転レバー55の移動可能範囲(開口22Kから+X方向への移動可能範囲)が、ワイヤ部材56によって規制される。本実施形態においては、
図14(B)に示すように、ワイヤ部材56は、X軸方向に関する開口22Kからの回転レバー55の移動距離が、所定距離L1以上にならないように、X軸方向に関する回転レバー55の移動可能範囲を規制する。ワイヤ部材56は、回転レバー55の所定部位(例えば回転レバー55の先端部)の移動距離が、所定距離L1以上にならないように、回転レバー55を作動させる。これにより、
図14(C)に示すように、回転レバー55は、ワイヤ部材56によって、保持機構21が第1状態になるように(第2口金部1Bが保持機構21に固定されるように)作動する。
【0054】
このように、ワイヤ部材56は、第2口金部1Bが挿入口46に挿入された状態で、回転レバー55の所定部位が開口22Kに対して所定距離L1以上進入するとき、第2口金部1Bが保持機構21に固定されるように、回転レバー55を作動させることができる。
これにより、第2口金部1Bが保持機構21に固定されていない状態で、支持部材24をハウジング部材22に収容してしまった場合でも、支持部材24(保持機構21)の移動に伴って、第2口金部1Bが保持機構21に固定されるように、回転レバー55を作動することができる。したがって、第2口金部1Bが保持機構21に固定されていない状態で、ランプ1に電力を供給してしまうといった不具合の発生を抑制できる。
【0055】
引き出し部材25は、開口22Kを通過することができる。引き出し部材25は、ランプ1及び楕円鏡2の下方に移動可能である。引き出し部材25は、開口22Kを介して、ランプ1及び楕円鏡2の下方に移動可能である。
図2に示すように、本実施形態において、引き出し部材25は、支持部材24の下方に移動可能である。ハウジング部材22は、引き出し部材25が開口22Kを通過するように、ハウジング部材22に対してX軸方向にガイドするガイド機構を有する。開口22Kを介してハウジング部材22の内部から引き出し部材25を出すとき、あるいは開口22Kを介してハウジング部材22の外部から内部に引き出し部材25を入れるとき、引き出し部材25は、ガイド機構にガイドされながら移動することができる。
【0056】
引き出し部材25は、上部に開口25Kを有する。引き出し部材25は、ハウジング部材22の内部空間22Hの異物を回収可能である。引き出し部材25は、例えばランプ1及び楕円鏡2の少なくとも一方から発生する異物を回収可能である。ランプ1及び楕円鏡2の少なくとも一方が破損した場合、そのランプ1及び楕円鏡2から発生した異物は、重力の作用により、下方に配置されている引き出し部材25に回収される。これにより、異物を円滑に回収することができる。また、本実施形態においては、ハウジング部材22の内部空間22Hに、ハウジング部材22の内部空間22Hの異物を引き出し部材25の開口25Kに導くガイド部材59が配置されている。ガイド部材59は、支持部材24の周囲の少なくとも一部に配置されている。ガイド部材59の下端と、引き出し部材25との間の間隙は、十分に小さい。これにより、異物の飛散を抑制しつつ、引き出し部材25で異物を回収することができる。
【0057】
次に、光源装置20の動作の一例について説明する。光源装置20から露光光ELを射出させるために、ランプ1に電力が供給される。ランプ1から発生した光の少なくとも一部は、楕円鏡2の反射面2Rで反射して、照明装置ILに供給される。また、ファン装置が駆動され、給気口45からハウジング部材22の内部空間22Hに気体が流入する。また、第1給気部41は、反射面2Rに気体を導き、第2給気部42は、ケーブル26に気体を導く。
【0058】
開口部2A近傍の反射面2Rは、ランプ1に近い位置に配置されており、ランプ1から発生する光によって加熱され、過剰に温度上昇する可能性がある。本実施形態においては、第1給気部41が開口部2A近傍の反射面2Rに気体を導いているので、その気体によって、楕円鏡2を冷却することができる。したがって、その開口部2A近傍の楕円鏡2の過剰な温度上昇を未然に防ぐことができる。
【0059】
本実施形態においては、第1給気部41の第1給気口41Aは、反射面2Rと対向する位置に配置されており、ランプ1に対して気体をほぼ導かない。ランプ1が所望の光を発するためのランプ1の最適温度と、楕円鏡2(誘電導膜)の耐熱温度とは異なる。一般に、ランプ1の最適温度のほうが、楕円鏡2の耐熱温度より高い。本実施形態においては、第1給気部41は、ランプ1に対して気体をほぼ導かず、反射面2Rに気体を導くので、ランプ1の温度低下を抑制しつつ、楕円鏡2を良好に冷却することができる。
【0060】
ケーブル26の少なくとも一部は、露光光ELが照射される位置に配置されており、その露光光ELによって加熱され、過剰に温度上昇する可能性がある。本実施形態においては、第2給気部42が、露光光ELが照射されるケーブル26の少なくとも一部に気体を導いているので、その気体によって、ケーブル26を冷却することができる。したがって、ケーブル26の過剰な温度上昇を未然に防ぐことができる。本実施形態においては、ケーブル26は、第1口金部1Aを冷却するための気体が流れるチューブ部26Bを含む。
ケーブル26が加熱してしまうと、第1口金部1Aに供給される気体の温度が上昇してしまい、第1口金部1Aを冷却することが困難となる可能性がある。本実施形態においては、第2給気部42が導く気体によってケーブル26が冷却されるので、第1口金部1Aに供給される気体の温度上昇も未然に防ぐことができる。
【0061】
ハウジング部材22の給気口45から内部空間22Hに導かれた気体の少なくとも一部は、気体流入口38に流入する。気体流入口38に流入した気体は、内部流路40、及び気体流出口39を介して、第3給気部43に供給される。第3給気部43は、楕円鏡2の裏面2Sに気体を導く。これにより、楕円鏡2を冷却することができる。第3給気部43から内部空間30に導かれ、その内部空間30を流れた気体は、排気口44より排気される。なお、ファン装置は、給気口45からハウジング部材22の内部空間22Hに導かれた気体によってランプ1が最適温度より低くならないように、所定の駆動量で駆動する。
【0062】
本実施形態においては、遮光部材31(31A,31B)が、第3給気部43からの気体を裏面2Sに沿ってガイドするガイド部材として機能しており、裏面2Sに良好に導くことができる。また、第1遮光部材31Aは、第3給気部43と対向するように配置されている。したがって、内部空間22Hの異物が第3給気部43に侵入してしまうことを抑制することができる。例えば、ランプ1及び楕円鏡2の少なくとも一方が破損して異物が発生した場合、その異物が第3給気部43に侵入してしまうことを抑制することができる。
【0063】
また、ハウジング部材22の内部空間22Hの異物は、引き出し部材25に回収されるので、その引き出し部材25を引き出して、異物の処理を一括して実行することができ、メンテナンス作業、清掃作業等を円滑に実行することができる。
【0064】
また、本実施形態においては、楕円鏡2と、保持部材23と、遮光部材31とが一体化(ユニット化)されて、楕円鏡ユニットを構成している。楕円鏡ユニットは、扱い易く、交換が容易なので、メンテナンス作業、交換作業等を円滑に実行することができる。また、楕円鏡2が保持部材23の内部空間30に配置されているので、楕円鏡2が破損した場合でも、破損によって発生した異物の飛散を、保持部材23で抑制することができる。
【0065】
また、
図14等を参照して説明したように、本実施形態においては、第2口金部1Bが挿入口46に挿入された状態で、支持部材24及び保持機構21とともに移動される回転レバー55の可動範囲(移動可能範囲)を規制するワイヤ部材56が設けられているので、保持機構21が第2口金部1Bを固定しない状態で、ハウジング部材22に収容されてしまった場合でも、ワイヤ部材56の作用によって、保持機構21で第2口金部1Bを固定することができる。
【0066】
次に、ランプ1の交換作業の一例について説明する。ランプ1の交換作業は、例えば作業者によって実行される。
【0067】
まず、ハウジング部材22の内部に配置されているランプ1を取り出す手順について説明する。ランプ1(第1,第2口金部1A,1B)に対する電力の供給を停止して、ランプ1を消灯する。例えば、ランプ1に接続されている電力供給装置の作動を停止して、ランプ1に対する電力の供給を停止する。電力供給装置の作動の停止のみならず、ブレーカー(配線用遮断器)を操作して、電力会社から電力供給装置への電力の供給を遮断することが望ましい。ランプ1を消灯してから第1の時間(例えば30分)経過後、ドア部材を操作して、開口22Kを開け、ケーブル26の一端を第1口金部1Aから外す。また、ケーブル26の他端も、ハウジング部材22に設けられているコネクタから外す。本実施形態においては、工具を使用することなく、ケーブル26を外すことができる。
【0068】
次に、ストッパ部材58Aを操作して、支持部材24に対するストッパ機構58による固定を解除する。工具を使用することなく、ストッパ部材58Aを操作するだけで、支持部材24に対する固定を解除することができる。そして、開口22Kを介して、支持部材24をハウジング部材22の外部に出す。ガイド機構57が設けられているので、支持部材24を円滑に移動することができる。
【0069】
支持部材24をハウジング部材22の外部に出した後、回転レバー55を操作して、第2口金部1B(ランプ1)に対する保持機構21による固定を解除する。工具を使用することなく、回転レバー55を操作するだけで、第2口金部1Bに対する固定を解除することができる。
【0070】
そして、ランプ1を保持機構21から外す。本実施形態においては、耐熱手袋が用意されており、その耐熱手袋を使用して、ランプ1を保持機構21から外すことができる。
【0071】
次に、新たなランプ1を保持機構21に取り付けて、ハウジング部材22の内部に配置する手順について説明する。新たなランプ1の第2口金部1Bを保持機構21の挿入口46に挿入した後、回転レバー55を操作して、第2口金部1B(ランプ1)を保持機構21で固定する。工具を使用することなく、回転レバー55を操作するだけで、第2口金部1Bを保持機構21で固定することができる。
【0072】
そして、開口22Kを介して、支持部材24をハウジング部材22の内部に入れる。ガイド機構57が設けられているので、支持部材24を円滑に移動することができる。また、本実施形態においては、ワイヤ部材56が設けられているので、
図14を参照して説明したように、第2口金部1Bが保持機構21に固定されていない状態で、支持部材24をハウジング部材22に収容してしまった場合でも、支持部材24(保持機構21)の移動に伴って、第2口金部1Bを保持機構21で固定することができる。
【0073】
支持部材24をハウジング部材22の内部に移動した後、ストッパ部材58Aを操作して、支持部材24の位置をストッパ機構58で固定する。工具を使用することなく、支持部材24をストッパ機構58で固定することができる。そして、ケーブル26の一端を第1口金部1Aに接続し、他端をハウジング部材22に設けられているコネクタに接続する。工具を使用することなく、ケーブル26を接続することができる。なお、ケーブル26の一端が第1口金部1Aに良好に接続されていない場合、ケーブル26の一端と第1口金部1Aとの間に間隙が形成される構造になっているので、ケーブル26が第1口金部1Aに良好に接続されているか否かを確認することができる。同様に、ケーブル26の他端とハウジング部材22に設けられているコネクタとが良好に接続されているか否かを確認することができる。
【0074】
ケーブル26を取り付けた後、ドア部材を操作して、開口22Kを閉じる。そして、ランプ1に対して電力を供給して、ランプ1を点灯させる。以上により、ランプ1の交換作業が終了する。本実施形態においては、工具を使用することなく、ランプ1の交換作業を実行することができる。
【0075】
なお、本実施形態においては、ランプ1を消灯してからの経過時間が計測される。本実施形態においては、制御装置16が、ランプ1を消灯してからの経過時間を計測する。なお、電力供給装置が計測してもよい。例えば、ランプ1を交換しない場合において、ランプ1を消灯してから点灯(再点灯)するまでの時間が短い場合、ランプ1が劣化したり、破損したりする可能性がある。ランプ1を消灯してからの経過時間が、予め定められた第2の時間(例えば15分)を超えたかどうかを確認した後、ランプ1を点灯することによって、ランプ1の破損等を防ぐことができる。また、本実施形態においては、露光装置EXは、例えばフラットパネルディスプレイ等の表示装置を備えており、ランプ1を消灯してからの経過時間を表示装置で表示することができる。
【0076】
以上説明したように、本実施形態によれば、ランプ1の最適温度を維持しつつ、楕円鏡2、ケーブル26等の過剰な温度上昇を抑制することができる。したがって、光源装置20は、所期の性能を発揮でき、光源装置20の稼動率の低下を抑制できる。
【0077】
また、本実施形態によれば、ランプ1、楕円鏡2の破損等により、光源装置20の性能が低下した場合において、光源装置20が所期の性能を発揮できるようにするためのメンテナンス作業、復旧作業、交換作業等を作業性良く円滑に実行することができる。したがって、光源装置20の稼動率の低下を抑制できる。
【0078】
なお、上述の実施形態においては、回転レバー55の移動可能範囲を規制する規制機構がワイヤ部材56を備える場合を例にして説明したが、例えば
図15に示すように、ハウジング部材22の内面に固定された凸部材56Bを備えてもよい。凸部材56Bは、ハウジング部材22の−Y側の内面に固定され、+Y側に突出している。凸部材56Bは、開口22Kから所定距離L1の位置に配置されている。支持部材24が開口22Kからハウジング部材22の内側に(+X方向)に移動するとき、保持機構21とともに移動される回転レバー55Bは、凸部材56Bによって、X軸方向に関する移動可能範囲を規制される。
【0079】
例えば、
図15(A)に示すように、保持機構21が第2状態である場合において、支持部材24がハウジング部材22の内側に移動するとき、
図15(B)に示すように、回転レバー55Bが凸部材56Bに接触する。回転レバー55Bと凸部材56Bとが接触した状態で、支持部材24が+X方向に移動することによって、
図15(C)に示すように、回転レバー55Bは、凸部材56Bによって、保持機構21が第1状態になるように作動する。
【0080】
なお、上述の実施形態において、露光装置EXが、投影光学系PLを複数備え、マスクMと基板Pとを所定の走査方向に同期移動しながら、マスクMのパターンの像を基板Pに投影する、所謂、マルチレンズ型スキャン露光装置であってもよい。
【0081】
なお、上述の実施形態の基板Pとしては、ディスプレイデバイス用のガラス基板のみならず、半導体デバイス製造用の半導体ウエハ、薄膜磁気ヘッド用のセラミックウエハ、あるいは露光装置で用いられるマスクまたはレチクルの原版(合成石英、シリコンウエハ)等が適用される。
【0082】
なお、露光装置EXとしては、マスクMと基板Pとを同期移動してマスクMのパターンを介した露光光ELで基板Pを走査露光するステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置(スキャニングステッパ)の他に、マスクMと基板Pとを静止した状態でマスクMのパターンを一括露光し、基板Pを順次ステップ移動させるステップ・アンド・リピート方式の投影露光装置(ステッパ)にも適用することができる。
【0083】
また、本発明は、米国特許第6341007号明細書、米国特許第6208407号明細書、米国特許第6262796号明細書等に開示されているような、複数の基板ステージを備えたツインステージ型の露光装置にも適用できる。
【0084】
また、本発明は、米国特許第6897963号明細書、欧州特許出願公開第1713113号明細書等に開示されているような、基板を保持する基板ステージと、基板を保持せずに、基準マークが形成された基準部材及び/又は各種の光電センサを搭載した計測ステージとを備えた露光装置にも適用することができる。また、複数の基板ステージと計測ステージとを備えた露光装置を採用することができる。
【0085】
露光装置EXの種類としては、液晶表示素子製造用又はディスプレイ製造用の露光装置に限られず、基板Pに半導体素子パターンを露光する半導体素子製造用の露光装置、薄膜磁気ヘッド、撮像素子(CCD)、マイクロマシン、MEMS、DNAチップ、あるいはレチクル又はマスクなどを製造するための露光装置などにも広く適用できる。
【0086】
なお、上述の各実施形態においては、レーザ干渉計を含む干渉計システムを用いて各ステージの位置情報を計測するものとしたが、これに限らず、例えば各ステージに設けられるスケール(回折格子)を検出するエンコーダシステムを用いてもよい。
【0087】
なお、上述の実施形態においては、光透過性の基板上に所定の遮光パターン(又は位相パターン・減光パターン)を形成した光透過型マスクを用いたが、このマスクに代えて、例えば米国特許第6778257号明細書に開示されているように、露光すべきパターンの電子データに基づいて透過パターン又は反射パターン、あるいは発光パターンを形成する可変成形マスク(電子マスク、アクティブマスク、あるいはイメージジェネレータとも呼ばれる)を用いてもよい。また、非発光型画像表示素子を備える可変成形マスクに代えて、自発光型画像表示素子を含むパターン形成装置を備えるようにしても良い。
【0088】
上述の実施形態の露光装置EXは、本願請求の範囲に挙げられた各構成要素を含む各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度、光学的精度を保つように、組み立てることで製造される。これら各種精度を確保するために、この組み立ての前後には、各種光学系については光学的精度を達成するための調整、各種機械系については機械的精度を達成するための調整、各種電気系については電気的精度を達成するための調整が行われる。
各種サブシステムから露光装置への組み立て工程は、各種サブシステム相互の、機械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路の配管接続等が含まれる。この各種サブシステムから露光装置への組み立て工程の前に、各サブシステム個々の組み立て工程があることはいうまでもない。各種サブシステムの露光装置への組み立て工程が終了したら、総合調整が行われ、露光装置全体としての各種精度が確保される。なお、露光装置の製造は温度およびクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
【0089】
半導体デバイス等のマイクロデバイスは、
図16に示すように、マイクロデバイスの機能・性能設計を行うステップ201、この設計ステップに基づいたマスク(レチクル)を製作するステップ202、デバイスの基材である基板を製造するステップ203、上述の実施形態に従って、マスクのパターンからの露光光で基板を露光して、そのパターンを基板Pに転写すること、パターンが転写された基板を現像し、パターンに対応する形状の転写パターン層を基板に形成すること、及び転写パターン層を介して基板を加工することを含む基板処理ステップ204、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程などの加工プロセスを含む)205、検査ステップ206等を経て製造される。
【0090】
なお、上述の実施形態及び変形例の要件は、適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。また、法令で許容される限りにおいて、上述の実施形態及び変形例で引用した露光装置などに関する全ての公開公報及び米国特許の開示を援用して本文の記載の一部とする。