(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
少なくとも1つの前置増幅器が、前記照射光源の上流部品からの入力を受けるASEフィルタと、ポンプレーザーと、前記ASEフィルタ及び前記ポンプレーザーの出力を結合する光カプラと、前記光カプラの出力を増幅するファイバ増幅器とを備える、請求項1に記載の照射光源。
少なくとも1つの前置増幅器が、前記照射光源の上流部品からの入力を受けるASEフィルタと、前記ASEフィルタの出力を増幅するファイバ増幅器と、ポンプレーザーと、前記ファイバ増幅器及び前記ポンプレーザーの出力を結合する光カプラとを備える、請求項1に記載の照射光源。
少なくとも1つの前置増幅器が、前記照射光源の上流部品からの入力を受けるASEフィルタと、ポンプレーザーと、前記ASEフィルタ及び前記ポンプレーザーの出力を結合する光カプラと、前記光カプラの出力を増幅するファイバ増幅器とを備える、請求項8に記載の照射光源。
少なくとも1つの前置増幅器が、前記照射光源の上流部品からの入力を受けるASEフィルタと、前記ASEフィルタの出力を増幅するファイバ増幅器と、ポンプレーザーと、前記ファイバ増幅器及び前記ポンプレーザーの出力を結合する光カプラとを備える、請求項8に記載の照射光源。
少なくとも1つの前置増幅器が、前記照射光源の上流部品からの入力を受けるASEフィルタと、ポンプレーザーと、前記ASEフィルタ及び前記ポンプレーザーの出力を結合する光カプラと、前記光カプラの出力を増幅するファイバ増幅器とを備える、請求項15に記載の照射光源。
少なくとも1つの前置増幅器が、前記照射光源の上流部品からの入力を受けるASEフィルタと、前記ASEフィルタの出力を増幅するファイバ増幅器と、ポンプレーザーと、前記ファイバ増幅器及び前記ポンプレーザーの出力を結合する光カプラとを備える、請求項15に記載の照射光源。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図2Aは、検査システム用UVレーザー光を生成できるファイバベース照射光源200のブロック図である。照射光源200は、約1104nmの波長のパルスシードレーザー201、及び約1160nmの波長の連続波ラマンシードレーザー202を備える(すなわち、2つの波長の分離は、融解石英中のラマン遷移のピークにほぼ対応する)。パルスシードレーザー201のパルスシード及びラマンシードレーザー202のラマンシードは、光カプラ203中で光学的に結合される。その後、光カプラ203の出力は、複数の順次結合された前置増幅段204に供給される。次に、前置増幅204の出力は、出力増幅器205に供給される。
図2Aに示す実施形態では、前置増幅段204は、3つの前置増幅器204A,204B,204Cを備える。しかし、照射光源200の他の実施形態では、所望の出力レベルに応じて任意の数の前置増幅器を組み込むことができる。
【0024】
一実施形態では、1160nmでのラマン利得を最も効率的にポンピングすると思われるために、パルスシードレーザー201に対し1104nmの波長が選択される(代表的ポンピングは、
図5A,5B,6を参照して記載する)。しかし、融解石英(ラマン利得ファイバ206、前置増幅段204及び出力増幅器205の1つ以上で使用可能である)のラマン利得は、非常に広く(60nmを超える)、そのため、広範囲の波長を用いて1160nmラマン変換をポンピングすることができる。パルスシードレーザー201は、種々のパルス幅、繰返し率、最大出力、及びパルス波形を有することができることに留意されたい。パルスシードレーザー201は、モードロックレーザー、Qスイッチレーザー、ゲインスイッチレーザー又はダイオードレーザーであってよい。また、連続波レーザーを使うこともでき、続けて、電気光学変調器を用いてその出力がチョップされる。連続波レーザーの使用により、繰返し率、パルス幅、及び/又はパルス波形の調節が容易になる。例えば、方形パルス波形のラマン生成が非常に効率的に行える。
【0025】
ラマンシードレーザーの使用は、本明細書で記載される照射光源において特に重要である。具体的には、ラマンシードレーザーは、光学的にポンピングされるが、従来のレーザーの場合のように反転分布を起こさない。その代わりに、ラマンシードレーザーでは、光子が吸収され、誘導ラマン散乱により低周波光子として送出される。2つのフォトンエネルギー間の差は、照射光源に使われるファイバ増幅器の利得媒体に対応するように固定できる。この対応により、適切に選択されたポンプレーザー波長(例えば、上記波長)に基づいた、特定のレーザー出力波長の生成が可能となる。
【0026】
好ましい一実施形態では、ラマンシードレーザー202のラマンシードは、第6高調波が約193.4nmになるように、約1160.2nmの波長を有する。しかし、異なる波長を使うことも可能であり、この場合も本発明の範囲内にある。好ましい一実施形態では、ラマンシードレーザー202は、極狭周波数帯の連続波レーザーであり、光カプラ203中の誘導ラマン散乱の帯域幅が可能な限り狭くなるのを確実にする。その他の実施形態では、ラマンシードレーザー202は、パルスシードレーザー201と同期したパルス光源であってもよい。一部の実施形態では、スペクトルフィルタ(後述)を前置増幅器段204中に配置して、パルスシードレーザー201又はラマンシードレーザー202に損害を与えるすべての望ましくない発光を防止できる。代表的なラマンシードレーザーは、ラマンファイバレーザーを用いて、又はシリコンラマンレーザーで実現できる。照射光源200の構成は、有利にも、出力増幅器205の下流部品(例えば、出力207の後ろの結合器)で低応力になるように、ラマンシードレーザー202のラマンシード及びパルスシードレーザー201のパルスシードを結合して前置増幅段204に送出できる。そうでない場合は、長寿命で、高平均出力及び高最大出力の光学的結合及びファイバ接合を実現するのが困難である。一例として、100MHzパルスレーザーの場合に、40Wの平均出力、及び20kWの最大出力で信頼性が問題になり始める。特に、約193nm、例えば、193.4nmの波長の出力207の第6高調波が、出力207から生成できる。1104nmの第6高調波は、184nmで、多くの所望の用途にとって適切な波長ではない。
【0027】
一部の実施形態では、ラマンシードレーザー202は、約1160nmの波長を提供するが、ラマン利得の大部分は、前置増幅段204及び出力増幅器205ではなく、ラマン利得増幅器206から生じる可能性がある。その他の実施形態では、前置増幅段204の前置増幅は、その中のファイバ増幅器(
図5A,5Bを参照して後述する)がファイバ増幅器中で所望のラマン利得出力を生成できるように設計される。一実施形態では、補助的なラマン利得ファイバ206は、出力増幅器205の出力を受けるように配置され、ポンプ波長を増幅することなく、ラマン利得の一部を提供できる。このような構成は、前置増幅段204及び出力増幅器205により与えられた増幅利得とは独立したラマン利得の調整を容易に可能とする。
【0028】
図2Bは、前置増幅段204への入力時点のシードプロファイルの例を示す。この例では、パルス光源1104nmは、20psパルス幅(全幅半値FWHM)及び50W最大出力を有する。1160nmシードレーザーは、平均出力100mWの連続レーザーである。また、チョップされたCWレーザーから生ずるパルスなどのはるかに長いパルス、又はフェムト秒レーザーからのパルスなどのはるかに短いパルスを使用することも可能である。
図2Cは、出力増幅器205の出力時の1104nm光及び1160nm光の時間的プロファイルを示す。図から分かるように、ラマンプロセスにより、1104nm光のかなりの部分が1160nm光に変化している。ラマン利得ファイバ206に非ドープ部分を付加することにより、追加のラマン利得が可能である。
【0029】
図3Aは、検査システム用UVレーザー光を生成できる別のファイバベース照射光源300のブロック図を示す。照射光源300は、約1104nmの波長のパルスシードレーザー301を備えており、その出力を複数の順次結合された前置増幅段304に供給できる
図3Aに示す実施形態では、前置増幅段304は、3つの前置増幅器304A、304B、及び304Cを備える。しかし、照射光源300の他の実施形態では、所望の出力レベルに応じて任意の数の前置増幅器を組み込むことができる。前置増幅段304の出力及びラマンシードレーザー302の出力は、光カプラ303に供給され、次に、その出力が出力増幅器305に供給される。
【0030】
一実施形態では、1160nmでのラマン利得を最も効率的にポンピングすると思われるために、パルスシードレーザー301に対し1104nmの波長が選択される。しかし、融解石英(ラマン利得ファイバ306、前置増幅段304及び出力増幅器305の1つ以上で使用可能である)のラマン利得は、非常に広く(60nmを超える)、そのため、広範囲の波長を用いて1160nmラマン変換(例えば、前置増幅段304、出力増幅器305、及び/又はラマン利得ファイバ306により行われるプロセス)をポンピングすることができる。パルスシードレーザー301は、種々のパルス幅、繰返し率、最大出力、及びパルス波形を有することができることに留意されたい。パルスシードレーザー201は、モードロックレーザー、Qスイッチレーザー、ゲインスイッチレーザー又はダイオードレーザーであってよい。また、連続波レーザーを使うこともでき、続けて、電気光学変調器を用いてその出力がチョップされる。連続波レーザーの使用により、繰返し率、パルス幅、及び/又はパルス波形の調節が容易になる。例えば、前置増幅段304からの増幅方形パルス波形と、ラマンシードレーザー302からのラマンシードとの組み合わせは、非常に効率的である。
【0031】
好ましい一実施形態では、ラマンシードレーザー202のラマンシードは、第6高調波が約193.4nmになるように、約1160.2nmの波長を有する。しかし、異なる波長を使うことも可能であり、この場合も本発明の範囲内にある。好ましい一実施形態では、ラマンシードレーザー302は、極狭周波数帯の連続波レーザーであり、光カプラ303中の誘導ラマン散乱の帯域幅が可能な限り狭くなるのを保証する。その他の実施形態では、ラマンシードレーザー302は、パルスシードレーザー301と同期したパルス光源であってもよい。
【0032】
照射光源300の構成は、有利にも、ラマンシードレーザー302のラマンシードが低出力で注入されるのを可能とし、それによって出力増幅器305のいずれかの内部フィルタに関連する損失(
図6を参照して記載する)を避けることができる。さらに、この低出力注入により、出力増幅器305の下流の部品(例えば、出力307の後ろの溶融結合器)に対する低応力が保証される。特に、出力307の約193nmの第6高調波が、出力307から生成できる。
【0033】
一実施形態では、出力増幅器305は、前置増幅段304により生成されるラマン利得から所望の1160nm出力を生成する増幅器ファイバを備える。任意の一実施形態では、ラマン利得ファイバ306は、出力増幅器305の出力を受けて、ポンプ波長(パルスシードレーザー301の波長)を増幅せずにラマン利得の一部を実行することができる。この実施形態では、ラマン利得は、出力増幅器305の増幅利得とは独立に調整できる。
【0034】
図3Bは、前置増幅段304への入力時点の1104nmシードプロファイルの例を示す。この例では、パルス光源1104nmは、20psパルス幅(全幅半値FWHM)及び50W最大出力を有する。
図3Cは、前置増幅段304の出力時の1104nm光の時間的プロファイルを示す。この時点では1160nmのラマン信号がないので、1104nm光のみが増幅されている。100mW CWシード302を使った、出力増幅器305の代表的出力を
図3Dに示す。図から分かるように、ラマンプロセスにより、1104nm光のかなりの部分が1160nm光に変化している。ラマン利得ファイバ306の非ドープ部分を付加することにより、追加のラマン利得が可能である。
【0035】
図4Aは、検査システム用UVレーザー光を生成できる別のファイバベース照射光源400のブロック図を示す。照射光源400は、約1104nmの波長のパルスシードレーザー401を備えており、その出力を複数の順次結合された前置増幅段404に供給できる。
図4Aに示す実施形態では、前置増幅段404は、3つの前置増幅器404A,404B,404Cを備える。しかし、照射光源400の他の実施形態では、所望の出力レベルに応じて任意の数の前置増幅器を組み込むことができる。次に、前置増幅404の出力は、出力増幅器405に供給される。
【0036】
この実施形態では、ラマンシードレーザー402のラマンシードレーザーは、出力増幅器405の出力と光カプラ403中で結合される。その後、光カプラ403の出力は、ラマン利得ファイバ406に供給され、出力407を生成する。従って、この構成は、低出力ラマンシードと出力増幅器405からの高出力光を結合し、それにより、前置増幅段404又は出力増幅器405の前又はそれらのプロセスの間の、別々の波長の注入に伴う全ての厄介な問題を排除する(
図5A,5B,6を参照して後述)。特に、出力407の約193nmの第6高調波が、出力407から生成できる。
【0037】
一実施形態では、1160nmでのラマン利得を最も効率的にポンピングするために、パルスシードレーザー401に対し1104nmの波長が選択される。しかし、融解石英のラマン利得は、非常に広く(60nmを超える)、そのため、広範囲の波長を用いて1160nmラマンシードをポンピングすることができる。パルスシードレーザー401は、種々のパルス幅、繰返し率、最大出力、及びパルス波形を有することができることに留意されたい。パルスシードレーザー401は、モードロックレーザー、Qスイッチレーザー、ゲインスイッチレーザー又はダイオードレーザーであってよい。また、連続波レーザーを使うこともでき、続けて、電気光学変調器を用いてその出力がチョップされる。連続波レーザーの使用により、繰返し率、パルス幅、及び/又はパルス波形の調節が容易になる。例えば、方形パルス波形のラマン生成が非常に効率的に行える。
【0038】
好ましい一実施形態では、ラマンシードレーザー402のラマンシードは、第6高調波が約193.4nmになるように、約1160.2nmの波長を有する。しかし、異なる波長を使うことも可能であり、この場合も本発明の範囲内にある。好ましい一実施形態では、ラマンシードレーザー402は、極狭周波数帯の連続波レーザーである。その他の実施形態では、ラマンシードレーザー402は、パルスシードレーザー401と同期したパルス光源であってもよい。
【0039】
図4Bは、前置増幅段404への入力時点の1104nmシードプロファイルの例を示す。この例では、パルス光源1104nmは、20psパルス幅及び50W最大出力を有する。
図4Cは、出力増幅器405の出力時の1104nm光の時間的プロファイルを示す。この時点では1160nmのラマン信号がないので、1104nm光のみが増幅されている。100mW CWシード402を使った、ラマン利得ファイバ406の出力を
図4Dに示す。図から分かるように、ラマンプロセスにより、1104nm光のかなりの部分が1160nm光に変化している。
【0040】
図5Aは、代表的前置増幅器500を示し、これは、
図2A、3A、及び4Aに示す前置増幅段の1つを形成できる。本実施形態では、前置増幅器500は、上流部品からの入力508を受ける増幅自然放出光(ASE)フィルタ501を備える。光カプラ502は、ASEフィルタ501の出力とポンプレーザー504の出力を結合し、1つの出力を生成する。ポンプレーザー504を用いて、ファイバ増幅器503の利得媒体にエネルギーを移す。このエネルギーは、媒体に吸収され、それにより、原子が励起状態になる。ポンプレーザー504は、半導体レーザー又はファイバレーザーを用いて実現でき、このポンプレーザーは入力508の発振閾値より高いエネルギーを有する。一実施形態では、ポンプレーザー504は、一緒に連結された複数の単一エミッターダイオードを備えてよい。単一のエミッターダイオードは比較的長い寿命を有する傾向があるので、ポンプレーザー504のこのような構成は有利であると思われる。ポンプレーザー504のポンプ光は、800〜1000nmの範囲であってよいが、1090nmもの長さであってもよい(ポンピングに多光子プロセスが不用なために、このような柔軟性が生ずる)。光カプラ502の出力は、ファイバ増幅器503に供給される。ファイバ増幅器503は、コアポンプ型でも、クラッドポンプ型でもよい。クラッドポンピングは非常によく使われ、ポンプ光がコアと非ドープクラッドの両方を伝播するファイバレーザー独特の性質である。これにより、ファイバの長尺に沿ったより均一なポンピングが可能となる。コアポンピングは、通常、非常に短いファイバ片のみを使用する場合に行われる。ファイバ増幅器503の出力509は下流部品に供給できる。高平均出力及び高最大出力では、全ての溶融接合の品質が長期稼働に対し危険な状態になる可能性がある。具体的には、何らかの混入物がこのような接合の寿命を短くすると思われる。CO
2レーザー融着などの新しい技術により、有利にも、極小限の混入物で高出力接合が可能となる。記載及び図示されているように、前置増幅器500の構成は、入力光伝播の方向に伝播するポンプ光を使用する。
【0041】
ASEは自然放出により生成された光であり、ファイバ増幅器503の場合のように、利得媒体の誘導放出により光学的に増幅されることに留意されたい。例えば、ASEは、ファイバ増幅器503の利得媒体がポンプレーザー502によりポンピングされる際に生成できる。過剰ASEは、ファイバ増幅器503の利得媒体中で達成できる最大ゲインを制限するため望ましくない。ASEフィルタ501は、有利にも、入力508中に存在するASE、ならびに、前置増幅器500中で生成されたASEを吸収又は抽出できる。ASEはファイバの両方向に伝播することに留意されたい。これらのフィルタには2つの目的がある。第1の目的は、逆伝播による低い出力の部品に対する損傷を防ぐことである。第2の目的は、順伝播方向のASE光の増幅を最小限にすることである。すなわち、ASEが増幅されると、望ましい1104nm光から離れて利得が生ずる。
【0042】
ASEは、出力509と関係するノイズにも大きく関与することにもさらに留意されたい。従って、好ましい一実施形態では、ASEフィルタ501は、単一周波線路の90%を伝送すると同時に、広帯域スペクトルASEバックグラウンドノイズをレーザー線より80dB超低いレベルまで減らすように構成できる。この構成には、バルクの感光性ケイ酸塩ガラス中に書き込まれたブラッグ格子(RBG)を組み込んでもよく、又は他の干渉フィルタ技術を用いてもよい。一部の実施形態では、さらなるASE軽減は、ファイバ増幅器503のファイバ長、又はファイバのドープレベルを変えることにより実現できる。一部の実施形態では、光アイソレータを用いてASEの影響を制限することもできる。
【0043】
図5Bは、別の代表的前置増幅器510を示し、これは、
図2A、3A、及び4Aに示す前置増幅段の1つを形成できる。本実施形態では、前置増幅器510は、上流部品からの入力518を受ける増幅自然放出光(ASE)フィルタ511を備える。ファイバ増幅器512は、ASEフィルタ511の出力を受け、出力を生成する。その後、ファイバ増幅器512の出力は、光カプラ513を用いてポンプレーザー514からの出力と結合される。ポンプレーザー514を用いて、ファイバ増幅器512の利得媒体にエネルギーを移す。このエネルギーは、媒体に吸収され、それにより、原子が励起状態になる。ポンプレーザー514は、半導体レーザー又はファイバレーザーを用いて実現でき、このポンプレーザーは入力518の発振閾値より高いエネルギーを有する。一実施形態では、ポンプレーザー514は、一緒に連結された複数の単一エミッターダイオードを備えてよい。単一のエミッターダイオードは比較的長い寿命を有する傾向があるので、ポンプレーザー514のこのような構成は有利であると思われる。ポンプレーザー514のポンプ光は、800〜1000nmの範囲であってよいが、1090nmもの長さであってもよい。ファイバ増幅器512は、コアポンプ型でも、クラッドポンプ型でもよい。ファイバ増幅器513の出力519は下流部品に供給できる。記載及び図示されているように、前置増幅器510の構成は、入力光伝播の方向とは逆方向に伝播するポンプ光を使用する。この構成は、種々の用途での非線形効果を最小化できる。特に、自己位相変調(SPM)は光ファイバ中のスペクトルの広がりを生ずる非線形効果である。逆伝播ポンプは、ファイバの出力端に向かってより多くのレーザー利得を配置し、それにより、実効非線形長を減らすことができる。
【0044】
図5Cは、代表的前置増幅器520を示し、これは、
図2A、3A、及び4Aに示す前置増幅段の1つを実現するために使用できる。この実施形態では、前置増幅器520は、上流部品からの入力528を受けてよいASEフィルタ521を備える。第1の光カプラ522は、ASEフィルタ521の出力と第1のポンプレーザー524の出力を結合してよい。第1の光カプラ522の出力は、ファイバ増幅器523に供給される。第1のポンプレーザー524は、半導体レーザー又はファイバレーザーを用いて実現でき、このポンプレーザーは入力528の発振閾値より高いエネルギーを有する。一実施形態では、ポンプレーザー524は、一緒に連結された複数の単一エミッターダイオードを備えてよい。単一のエミッターダイオードは比較的長い寿命を有する傾向があるので、第1のポンプレーザー524のこのような構成は有利であると思われる。ポンプレーザー524のポンプ光は、800〜1000nmの範囲であってよいが、1100nmもの長さであってもよい。第1の光カプラ522の出力は、ファイバ増幅器523に供給される。ファイバ増幅器523は、コアポンプ型でも、クラッドポンプ型でもよい。第2の光カプラ525は、ファイバ増幅器523の出力と第2のポンプレーザー526の出力を結合してよい。第2のポンプレーザー526は、半導体レーザー又はファイバレーザーを用いて実現でき、このポンプレーザーはファイバ増幅器523の出力の発振閾値より高いエネルギーを有する。一実施形態では、ポンプレーザー526は、一緒に連結された複数の単一エミッターダイオードを備えてよい。単一のエミッターダイオードは比較的長い寿命を有する傾向があるので、第2のポンプレーザー526のこのような構成は有利であると思われる。ポンプレーザー526のポンプ光は、800〜1000nmの範囲であってよいが、1100nmもの長さであってもよい。第2の光カプラ525の出力529は下流部品に供給できる。記載及び図示されているように、前置増幅器520の構成は、入力光伝播の方向、及びそれとは逆方向の両方に伝播するポンプ光を使用し、それにより、長いファイバのより均一なポンピングを可能とする。これは、例えば、約1104nmのような長い波長の場合に問題となる場合がある。理由は、Ybの利得が極めて低いからである。このような場合には、典型的な前置増幅器は極めて長く、例えば、数十メートルの長さになる可能性があるが、2方向に効果的にポンピングしてこの長さを減らすことができる。
【0045】
前置増幅器500,510,520(
図5A,
図5B,
図5Cにそれぞれ示す)のいずれも照射光源200,300,400(
図2,
図3,
図4にそれぞれ示す)のいずれかを実装するために使用できる。例えば、一実施形態では、前置増幅器404A,404B,404C(
図4A)は、前置増幅器500(
図5A)のみの構成を用いて実装することができる。別の一実施形態では、前置増幅器404A,404B,404Cは、それぞれ、前置増幅器500,510,520(
図5A,
図5B,
図5Cにそれぞれ図示)の構成を用いて実装することができる。さらに別の実施形態では、前置増幅器404Aは、前置増幅器500の構成を用いて実装することができ、前置増幅器404B,404Cは、前置増幅器520の構成を用いて実装することができる。従って、代表的前置増幅器の任意の組み合わせを、上述の改良された照射光源に使用できる。
【0046】
図6は、出力増幅器600の代表的配置を示す。この実施形態では、出力増幅器600の構成は、前置増幅器520の構成に類似している。しかし、出力増幅器は、前置増幅器と同様に、順方向、逆方向、又はそれら両方向にポンピングできる。従って、ほかの実施形態では、代表的出力増幅器の構成は、前置増幅器500又は510で示された構成と同様であってよい。出力増幅器は、出力を引き出すように設計され、他方、前置増幅器は、ほとんどの場合は高利得を重視して設計されることに留意されたい。従って、典型的には、出力増幅器の繊維直径は、可能な限りエネルギーを取り出す体積を付与するために、前置増幅器の繊維直径より大きい。
【0047】
図7は、代表的ラマン利得ファイバ700を示し、これは、所望のラマン利得を得ることができる任意のタイプのラマンファイバ703を備える。一実施形態では、1104nmポンプ光701を増幅しないファイバを使用可能である。ラマンファイバ703は融解石英でもその他のガラス材料でもよい。また、該ラマンファイバは、ゲルマニウムなどの材料がドープされてラマン利得を改善できる。フォトニック結晶構造を有するファイバも使用可能である。ファイバに加えて、結晶材料(簡略化のために示していない)を使用してその他のラマン波長を生成することも可能である。1160nmのラマンシード又は増幅信号702と一緒に1104nmの入力ポンプ光701がラマンファイバ703に入力される。1104nmポンプ光からのエネルギーが1160nmのラマン信号に移される。ラマンファイバ703の後で波長分離器704を用いて2つの波長が分離される。この波長分離器704は、2色性塗料、回折格子、エタロン、体積ブラッググレーティング、又はその他の類似の波長選択技術であってよい。
【0048】
図8〜15は、上述の照射光源の内の1つを組み込むことができるシステムを示す。これらのシステムは、フォトマスク、レチクル又はウエハ検査の用途に用いることができる。
【0049】
図8は、基板812の表面を検査するための代表的な光学検査システム800を示す。システム800は、一般的に、第1の光学配置851及び第2の光学配置857を備える。図に示すように、第1の光学配置851は、少なくとも、光源852、検査光学系854、及び参照光学系856を備え、一方、第2の光学配置857は、少なくとも、透過光学系858、透過光検出器860、反射光学系862、及び反射光検出器864を備える。一つの好ましい構成では、光源852は、上述の照射光源の内の1つを含む。
【0050】
光源852は、光ビームを屈折させてこれを合焦させるように配置された音響光学デバイス870を通る光ビームを放射するように構成される。音響光学デバイス870は、一対の音響光学素子、たとえば、音響光学プレスキャナ及び音響光学スキャナを備えることができ、これらは、Y方向における光ビームを屈折させてZ方向に合焦させる。一例として、ほとんどの音響光学デバイスは、RF信号を石英又はTeO
2などの結晶に送信することによって動作する。このRF信号によって、音波が結晶を通って伝播する。伝播する音波のため、結晶は非対称になり、結晶の至るところで屈折率が変化する。この屈折率の変化によって、入射ビームが振動により屈折されて合焦した伝播スポットを形成する。
【0051】
光ビームは、音響光学デバイス870から出ると、次に一対の4分の1波長板872及びリレーレンズ874を通り抜ける。リレーレンズ874は、光ビームを平行にするように配設される。平行になった光ビームは、その後回折格子876に到達するまでその経路を進み続ける。回折格子876は、光ビームを広げるように、より詳細には、光ビームを3つの別個のビームに分離するように配設される。これらの別個のビームは、互いに空間的に識別できる(すなわち、空間的に別個のものである)。ほとんどの場合には、空間的に別個のビームはまた、互いに等しい間隔をあけて、実質的に等しい光度を有するように配置される。
【0052】
3本のビームは、回折格子876を離れると、アパーチャ880を通り抜け、その後ビームスプリッタキューブ882に到達するまで進み続ける(4分の1波長板872と組み合わせて)。ビームスプリッタキューブ882は、ビームを2つの経路に分割するように配設される。すなわち、一方のビームは下向きに、他方のビームは右向きに導かれる(
図8に示す構成で)。下に向けられた経路は、ビームの第1の光部分を基板812に分配するのに用いられ、右に向けられたた経路は、ビームの第2の光部分を参照光学系856に分配するのに用いられる。ほとんどの実施形態では、光の大部分が基板812に分配され、わずかな比率の光が参照光学系856に分配される。しかし、その比率は各光学検査システムに特有の設計に応じて異なってもよい。一実施形態では、参照光学系856は、参照集光レンズ814及び参照検出器816を備えてよい。参照集光レンズ814は、ビームの一部分を集光し、光の強度を測定するように配置された参照検出器816に向けるように配設される。参照光学系は、一般的に当技術分野において周知であり、簡潔さのために詳細には論じない。
【0053】
ビームスプリッタ882から下に導かれた3本のビームは、光の方向を変え、広げる数個のレンズ要素を含む望遠鏡888に受光される。一実施形態では、望遠鏡888は、ターレット上で回転する複数の望遠鏡を備える望遠鏡システムの一部である。例えば、3つの望遠鏡を用いることができる。これらの望遠鏡の目的は、基板上の走査スポットのサイズを変更することによって、最小の検出可能な欠陥サイズを選択できるようにすることである。より詳細には、各望遠鏡は、一般的に、異なるピクセルサイズを示す。従って、一つの望遠鏡が、検査は速いが感度が低い(たとえば、低解像度)より大きなスポットサイズを生成し、一方、別の望遠鏡が、検査は遅いが感度が高い(たとえば、高解像度)、より小さいスポットサイズを生成できる。
【0054】
望遠鏡888から出た3本のビームは、基板812の表面にビームを合焦させるように配設された対物レンズ890を通過する。ビームが3つの別個のスポットとして該表面と交差すると、反射光ビーム及び透過光ビームの両方が生成され得る。透過光ビームは基板812を通過し、一方、反射光ビームは表面に反射する。一例として、反射光ビームは、基板の不透明な表面に反射し、透過光ビームは、基板の透明領域を通り伝達することができる。透過光ビームは、透過光学系858によって集光され、反射光ビームは、反射光学系862によって集光される。
【0055】
透過光学系858に関しては、透過光ビームは、基板812を通過後、第1の透過レンズ896により集光され、球面収差補正レンズ898の助けを借りて透過プリズム810に合焦する。プリズム810は、透過光ビームごとに小面を有するように構成することができ、この小面は透過光ビームの位置を変え、曲げるように配設される。ほとんどの場合、プリズム810を用いてビームを分離し、ビームの各々を透過光検出器860の各々の検出器(3つの別個の検出器を有する検出器として示す)に入射させる。従って、ビームはプリズム810を離れると、分離したビームの各々を個々に3つの検出器の1つに合焦させる第2の透過レンズ802を通り抜ける。3つの検出器の各々は、透過光の強度を測定するように配設される。
【0056】
反射光学系862に関しては、基板812に反射した後の反射光ビームは対物レンズ890に集光され、その後、該対物レンズはビームを望遠鏡888に向ける。ビームは、望遠鏡888に到達する前に、4分の1波長板804も通過する。一般的な条件では、対物レンズ890及び望遠鏡888は、入射ビームを動作する方法に対して光学的に逆の方法で集光したビームを動作する。すなわち、対物レンズ890は、ビームを再度平行にし、望遠鏡888はビームのサイズを小さくする。ビームは望遠鏡888を離れると、ビームスプリッタキューブ882に到達するまで(逆方向に)進み続ける。ビームスプリッタ882は、4分の1波長板804と連携してビームを中央経路806に向けるように配設される。
【0057】
ビームは、経路806を進み続け、その後、第1の反射レンズ808に集光する。第1の反射レンズ808は、反射光ビームごとの小面を含む反射プリズム809にビームの各々を合焦させる。反射プリズム809は、反射光ビームの位置を変え、曲げるように配設される。反射プリズム809は、透過プリズム810と同様に、ビームを分離してビームの各々を反射光検出器864の各々の検出器に入射させるのに用いられる。図に示すように、反射光検出器864は、3つの別個の検出器を備える。ビームは反射プリズム809を離れると、第2の反射レンズ811を通り抜ける。該反射レンズは、分離したビームの各々を、それぞれ、反射光の強度を測定するように配設されたそれらの検出器の一つに合焦させる。
【0058】
前述の光学アセンブリによって容易に行うことができる複数の検査モードがある。例えば、光学アセンブリは、透過光検査モード、反射光検査モード、及び同時検査モードを容易に行うことができる。透過光検査モードは、透過モード検出は、通常、基板上の、例えば、透明領域及び不透明領域を有する従来の光マスクにおける欠陥を検出するために使われる。光ビームがマスク(又は、基板812)を走査するとき、光は透明点においてマスクを突き抜け、マスクの後方に位置する透過光検出器860によって検出される。この検出器860は、第1の透過レンズ896、第2の透過レンズ802、球面収差レンズ898、及びプリズム810を含む透過光学系858によって集光された光ビームの各々の強度を測定する。
【0059】
反射光検査モードは、クロム、現像されたフォトレジスト、又は他の特徴の形態の画像情報を含む透明又は不透明基板に対し反射光検査を実施することができる。基板812に反射された光は、検査光学系854を前と同じ光路に沿って逆行して進むが、その後偏光ビームスプリッタ882によって検出器864の方に進路変更される。より詳細には、第1の反射レンズ808、プリズム809、及び第2の反射レンズ811は、進路変更された光ビームからの光を検出器864に投射する。反射光検査は、不透明基板表面上部の汚れの検出にも用いることができる。
【0060】
同時検査モードは、透過光及び反射光の両方を活用して、欠陥の存在及び/又はタイプを決定する。システムの2つの測定値は、透過光検出器860によって検知された基板812を透過した光ビームの強度と、反射光検出器864によって検出された反射光ビームの強度である。それらの2つの測定値を、その後処理して、欠陥がある場合には基板812の対応するポイントにおける欠陥のタイプを決定することができる。
【0061】
より詳細には、透過光及び反射光による同時検出によって、透過検出器により検知される不透明欠陥の存在を明らかにすることができ、同時に、反射検出器の出力を用いて欠陥のタイプを明らかにすることができる。例えば、基板上のクロムドット又は粒子は共に、透過検出器によって低い透過光として現れる可能性があるが、反射性のクロム欠陥は反射光検出器によって高い反射光として現れ、粒子は同じ反射光検出器によってより低い反射光として現れる可能性がある。従って、反射光及び透過光による検出の両方を用いることによって、欠陥の反射又は透過特性の一方のみを調査する場合にはなしえないと思われる、クロム配置の上部の粒子の位置を発見することができる。加えて、特定タイプの欠陥に対応する識別特性、例えば、それらの反射光度と透過光度との比率を測定することができる。次に、この情報を用いて欠陥を自動的に分類することができる。1996年10月8日に発行された米国特許第5,563,702号に、システム800に関する追加の詳細が記載されている。この特許は、参照により本明細書に援用される。
【0062】
本発明の特定の実施形態では、約193nmレーザーシステムを組み込んだ検査システムは、単一の検出器で2つのチャネルのデータを同時に検出できる。このような検査システムを用いて、レチクル、フォトマスク又はウエハなどの基板を検査でき、2009年5月5日に発行されたBrownらの米国特許第7,528,943号に記載のように動作できる。この特許は、参照により本明細書に援用される。
【0063】
図9は、1つのセンサー970で2チャネルのイメージ又は信号を同時に検出するレチクル、フォトマスク、又はウエハ検査システム900を示す。照射光源909は、本明細書で記載の193.4nmレーザーシステムを組み込んでいる。光源は、パルス乗算器及び/又はコヒーレンス低減機構をさらに含んでもよい。2つのチャネルは、検査対象物930が透明である場合(例えば、レチクル又はフォトマスク)、反射及び透過強度を含んでもよく、又は入射角度、偏光状態、波長帯又は幾つかのこれらの組み合わせなどの2つの異なる照射モードを含んでもよい。
【0064】
図9に示すように、照射リレー光学系915,920は、照射を光源909から検査対象物930に中継する。検査対象物930は、レチクル、フォトマスク、半導体ウエハ、又はその他の検査物品であってよい。イメージリレー光学系955,960は、検査対象物930により反射及び/又は透過される光をセンサー970に中継する。2つのチャネルの検出信号又はイメージに対応するデータは、データ980として示され、処理のためにコンピュータ(図示せず)に伝送される。
【0065】
図10は、複数の対物レンズ及び上述の照射光源の内の1つを含む代表的な検査システム1000を示す。システム1000では、レーザー光源1001からの照射が照射サブシステムの複数の部分に送られる。照射サブシステムの第1の部分は、要素1002a〜1006aを含む。レンズ1002aは、レーザー1001からの光を合焦させる。レンズ1002aからの光は、その後ミラー1003aに反射する。ミラー1003aは、例示目的でこの位置に設置されるが、他の位置に配置することもできる。ミラー1003aからの光は、その後レンズ1004aによって集光され、照射瞳面1005aを形成する。光を変性するためのアパーチャ、フィルタ又は他のデバイスを、検査モードの要件に応じて瞳面1005aに設置することができる。瞳面1005aからの光は、その後レンズ1006aを通過し、照射視野面1007を形成する。
【0066】
照射サブシステムの第2の部分は、要素1002b〜1006bを含む。レンズ1002bは、レーザー1001からの光を合焦させる。レンズ1002bからの光は、その後ミラー1003bに反射する。ミラー1003bからの光は、その後レンズ1004bによって集光され、照射瞳面1005bを形成する。光を変性するためのアパーチャ、フィルタ又は他のデバイスを、検査モードの要件に応じて瞳面1005bに設置することができる。瞳面1005bからの光は、その後レンズ1006bを通過し、照射視野面1007を形成する。照射視野面1007における照射視野光エネルギーが組み合わされた照射部分から構成されるように、第2の部分からの光はその後ミラー又は反射面によって方向を変えられる。
【0067】
視野面の光は、その後ビームスプリッタ1010に反射する前に、レンズ1009によって集光される。レンズ1006a,1009は、対物レンズ瞳平面1011の位置に第1の照射瞳面1005aの像を形成する。同様に、レンズ1006b,1009は、対物レンズ瞳平面1011の位置に第2の照射瞳面1005bの像を形成する。対物レンズ1012(又は、その代わりに、1013)は、その瞳光を取り込み、試料1014の位置に照射視野1007の像を形成する。対物レンズ1012,1013は、試料1014に接近させて配置できる。試料1014は、所望の位置に試料を配置するステージ(図示せず)上を動かすことができる。試料1014から反射及び散乱した光は、高NAの反射屈折対物レンズ1012又は1013によって集光される。光エネルギーは、対物レンズ瞳面1011に反射光の瞳を形成した後、ビームスプリッタ1010及びレンズ1015を通り、その後結像サブシステム内に内部視野1016を形成する。この内部結像視野は、試料1014及び対応する照射視野1007の像である。この視野は、照射視野に対応する複数の視野に空間的に分離することができる。これらの視野の各々は、個々の結像モードをサポートすることができる。
【0068】
これらの視野の一つは、ミラー1017を用いて方向を変えることができる。方向を変えられた光は、次に、レンズ1018bを通過して、その後別の結像瞳1019bを形成する。この結像瞳は、瞳1011及び対応する照射瞳1005bの像である。光を変性するためのアパーチャ、フィルタ又は他のデバイスを、検査モードの要件に応じて瞳面1019bに設置することができる。瞳面1019bからの光は、その後レンズ1020bを通過し、センサー1021bに像を形成する。同様に、ミラー又は反射面1017を通った光は、レンズ1018aによって集光され、結像瞳1019aを形成する。結像瞳1019aからの光は、次に、レンズ1020aによって集光され、その後検出器1021aに像を形成する。検出器1021aに投影された光は、センサー1021bに投影された光とは異なる結像モードに用いることができる。
【0069】
システム1000に採用される照射サブシステムは、レーザー光源1001、集光光学系1002〜1004、瞳面1005に接近して設置されたビーム成形構成要素、ならびにリレー光学系1006及び1009から構成される。内部視野平面1007は、レンズ1006とレンズ1009との間に配置される。1つの好ましい構成では、レーザー光源1001は、上述の照射光源の内の1つを備えてよい。
【0070】
レーザー光源1001に関しては、光を伝送する2つのポイント又は角度を有する単一の均一ブロックとして図示したが、実際には、これは2つの照射チャネルを備えることが可能なレーザー光源を表す。これらのチャネルは、例として、光エネルギー、例えば、要素1002a〜1006aを通る、第1の周波数のレーザー光エネルギーの第1のチャネルと、光エネルギー、例えば、要素1002b〜1006bを通る、第2の周波数のレーザー光エネルギーの第2のチャネルである。これらには互いに異なる光エネルギーモードを採用することができる。例えば、一方のチャネルに明視野エネルギー、他方のチャネルに暗視野モードを採用することができる。
【0071】
レーザー光源1001からの光エネルギーは互いに90度離れて放出され、要素1002a〜1006a及び1002b〜1006bは90度の方向に配置するように示したが、実際には、光は、必ずしも二次元ではないさまざまな向きに放射することができ、構成要素は、示したものとは異なる方向に配置することができる。従って、
図10は、用いられる構成要素を簡単に表するものであり、示した角度又は距離は、正確な縮尺ではなく、設計上、特に要求されるものでもない。
【0072】
瞳面1005に接近して配置される要素は、アパーチャ成形の概念を利用して現在のシステムに利用することができる。この設計を用いれば、均一照射又は略均一の照射、ならびに、個別点照射、輪帯照射、四極照射、又は他の望ましいパターンの照射も実現できる。
【0073】
対物レンズのさまざまな実施は、一般の結像サブシステムに採用することができる。単独の固定対物レンズを用いることができる。単独の対物レンズは、すべての所望の結像及び検査モードをサポートすることができる。そのような設計は、結像システムが比較的大きい視野サイズ及び比較的大きい開口数をサポートする場合に達成可能である。開口数は、瞳面1005a,1005b,1019a,1019bに設置された内部アパーチャを用いることによって、所望の値に減少させることができる。
【0074】
図10に示すように複数の対物レンズを用いることもできる。例えば、2つの対物レンズ1012,1013を示しているが、任意の数のレンズを用いることが可能である。そのような設計における対物レンズの各々は、レーザー光源1001によって生成される波長に応じて最適化することができる。これらの対物レンズ1012,1013は、定位置に固定してもよいし、試料1014に接近する位置に動くものでもよい。試料に接近させるように複数の対物レンズを動かすために、標準の顕微鏡によく使われる回転ターレットを用いることができる。試料に接近させるように対物レンズを動かすための他の設計が利用可能である。この設計は、限定されないが、ステージ上で対物レンズを横方向に平行移動させる設計、及びゴニオメータを用いて対物レンズを円弧状に移動させる設計を含む。加えて、固定対物レンズとターレットにおける複数の対物レンズとの任意の組み合わせも、現行システムにより達成できる。
【0075】
この構成の最大開口数は、0.97に近いか又はこれを超える値であるが、特定の例ではその数値をより高くすることができる。この高NAの反射屈折結像システムで可能な広範囲の照射及び集束角が、その大きな視野サイズと組み合わされて、システムは複数の検査モードを同時にサポートすることができる。前の段落から解るように、照射装置に連結する単一の光学系又は機械を用いて複数の結像モードを実施することができる。照射及び集光に関し開示された高NAによって、同じ光学系を用いて結像モードの実施が可能になる。従って、異なるタイプの欠陥又は試料に応じた結像の最適化が可能になる。
【0076】
結像サブシステムは、中間像形成光学系1015も含む。像形成光学系1015の目的は、試料1014の内部像1016を形成することである。この内部像1016において、ミラー1017を、検査モードの1つに対応する光の方向を変えるように設置することができる。結像モード用の光は空間的に分離するため、この位置における光の方向を変えることが可能になる。像形成光学系1018(1018a,1018b)及び1020(1020a,1020b)は、いくつかの異なる形態で実施することができる。例えば、可変焦点ズーム、集光光学系を有する複数の無限焦点チューブレンズ、又は複数の像形成マグチューブを含む形態がある。2009年7月16日に公開され、参照により本明細書に援用される米国公開出願第2009/0180176号に、システム1000に関する追加の詳細が記載されている。
【0077】
図11に、3つのサブセクション1101A,1101B,1101Cを含む代表的な超広帯域UV顕微鏡結像システム1100を示す。サブセクション1101Cは、反射屈折対物レンズ部分1102、及びズーミングチューブレンズ1103を備える。反射屈折対物レンズ部分1102は、反射屈折レンズ群1104、視野レンズ群1105、及び集束レンズ群1106を備える。システム1100は、対象物及び/又は試料1109(たとえば、検査されるウエハ)を像平面1112に結像することができる。
【0078】
反射屈折レンズ群1104は、略平面の(又は平面の)反射器(反射コーティングを施したレンズ要素)、凹凸レンズ(屈折面)、及び凹球面反射器を含む。これらの反射性要素の両方が、反射性材料の存在なしで中央光学的アパーチャを持ち、これにより、中間像面からの光は、凹球面反射器を通過して、略平面の(又は平面の)反射器に反射して凹球面反射器に向かい、途中で関連する1つ以上のレンズ要素を通過して、略平面の(又は、平面の)反射器を通過して戻ることができる。反射屈折レンズ群1104は、中間像の実像を形成するように配置される。これは、ズーミングチューブレンズ1103と組み合わせて、波長域全体にわたるシステムの1次縦色収差を実質的に補正する。
【0079】
視野レンズ群1105は、2種以上の異なる屈折性材料、例えば、溶融石英及びフッ化物ガラス、又は回折面から作ることができる。視野レンズ群1105は、一緒に光学的に結合してもよいし、あるいは、空中でわずかに間隙を介して配置してもよい。溶融石英とフッ化物ガラスとは深紫外線領域における分散が実質的に相違しないため、異なる分散を与えるために、視野レンズ群のいくつかの構成要素の個々のパワーを大きくする必要がある。視野レンズ群1105は、中間像に近接する光路に沿って整列された正味の正のパワーを有する。そのような色収差補正視野レンズの使用によって、超広帯域のスペクトル領域にわたる、少なくとも2次縦色に加えて、1次及び2次の横色も含む色収差の完全な補正が可能になる。一実施形態では、唯一の視野レンズ構成要素を、システムの他のレンズとは異なる屈折性材料から構成する必要がある。
【0080】
集束レンズ群1106は複数のレンズ要素を含み、これらは、好ましくはすべてが単一の材料タイプから形成され、単色収差及び色収差の両方を補正するように選択された曲率及び位置を有する屈折面を持ち、中間像に光を合焦させる。集束レンズ群1106の一実施形態では、低パワーのレンズ1113の組み合わせが、球面収差、コマ収差及び非点収差における色度変化を補正する。ビームスプリッタ1107は、UV光源1108用の入射口を提供する。UV光源1108は、有利にも、上述の照射光源によって実施することができる。
【0081】
ズーミングチューブレンズ1103は、すべて同じ屈折性材料、例えば、溶融石英から構成でき、1次縦色及び1次横色がズーミング中に変化しないように設計される。これらの1次色収差は、ゼロまで補正する必要はなく、単一種類のガラスのみを用いた場合ゼロまで補正することができないが、収差を変化させない必要があり、これは可能である。その結果、ズーミングチューブレンズ部分1103のこれらの補正されていないが、変化していない色収差を補正するように、反射屈折対物レンズ1102の設計を変更する必要がある。ズーミングチューブレンズ群1103は、その高次の色収差を変化させることなく倍率をズーム又は変化させることができ、システムの光路に沿って配置されたレンズ面を備える。
【0082】
好ましい一実施形態では、ズーミングチューブレンズ1003は、2つの屈折性材料(例えば、溶融石英及びフッ化カルシウム)を用いて、反射屈折対物レンズ部分1102とは独立して最初に補正される。次に、ズーミングチューブレンズ1103は、反射屈折対物レンズ1102と組み合わされ、その時点で、反射屈折対物レンズ部分1102をシステム1100の残りの高次の色収差を補正するように修正できる。この補正は、視野レンズ群1105と低パワーレンズ群1113によって実現可能である。組み合わされたシステムは、次に、最高性能を達成するように変更されたすべてのパラメータを用いて最適化される。
【0083】
サブセクション1101A,1101Bがサブセクション1201Cとほぼ同様の構成要素を含み、従って、詳細には考察しないことに留意されたい。
【0084】
システム1100は、36X〜100Xのズームを可能にする直線ズーム運動ができる折り畳みミラー群1111を備える。広範囲ズームは連続的な倍率変更を可能にし、細かいズームは、エイリアシングを減らし、電子的画像処理、例えば、繰り返しの画像配列におけるセル間サブトラクションを可能にする。折り畳みミラー群1111は、反射要素の「トロンボーン」システムとして特徴づけることができる。ズーミングは、一つの単位としてレンズ群1103群を動かし、さらにトロンボーンスライドのアームも動かすことによって行われる。トロンボーン運動が合焦のみに作用し、その位置におけるf♯速度が非常に遅いため、この運動の精度は非常に不正確となることがある。このトロンボーン構成の1つの利点は、システムが著しく短くなることである。別の利点は、能動型(非平坦)光学素子を必要とする唯一のズーム運動であることである。また、トロンボーンスライドを使った他のズーム運動は、誤差に鈍感である。1999年12月7日に発行され、参照により本明細書に援用される米国特許第5,999,310号に、システム1100に関するさらなる詳細が記載されている。
【0085】
図12は、反射屈折結像システム1200への垂直入射レーザー照射(暗視野又は明視野)の追加例を示す。システム1200の照射ブロックは、レーザー1201、検査される表面における照射ビームのサイズ及び輪郭を制御する適合光学系1202、機械的ハウジング1204のアパーチャ及びウィンドウ1203、ならびにレーザーを垂直入射の光軸に沿って試料1208の表面に方向を変えるプリズム1205を備える。また、プリズム1205は、試料1208の表面形状に由来する正反射を、及び対物レンズ1206の光学面からの反射を同様に、光路に沿って像平面1209の方向に向ける。対物レンズ1206のレンズは、一般的な形態の反射屈折対物レンズ、集束レンズ群及びズーミングチューブレンズ部分(たとえば、
図11参照)として提供されてもよい。好ましい実施形態では、レーザー1201は、前述の照射光源によって実現することができる。2007年1月4日に公開され、参照により本明細書に援用される特許公開第2007/0002465号に、システム1200に関して、さらに詳細に記載されている。
【0086】
図13Aは、表面1311領域を検査するための照射システム1301及び集光システム1310を備える表面検査器具1300を示す。
図13Aに示すように、レーザーシステム1320は、光ビーム1302を、レンズ1303を通る方向に導く。好ましい実施形態では、レーザーシステム1320は、前述の照射光源、アニール結晶、及び低温での標準動作中に結晶のアニール状態を維持するハウジングを備える。第1のビーム成形光学系は、レーザーからのビームを受け入れ、ビームを結晶内又はそれに近接するビームウエスト位置の楕円断面に合焦させるように構成できる。
【0087】
レンズ1303の向きは、その主平面が試料表面1311と実質的に平行で、結果として、照射線1305がレンズ1303の焦点面内の表面1311に形成されるように配置される。加えて、光ビーム1302及び収束ビーム1304は、表面1311への入射が非直交角度となるように導かれる。特に、光ビーム1302及び焦点ビーム1304を、表面1311に垂直な方向から約1度〜約85度斜めの方向に導くことができる。この方法では、照射線1305は、実質的に収束ビーム1304の入射面内にある。
【0088】
集光システム1310は、照射線1305から散乱した光を集光するためのレンズ1312、及びレンズ1312から出た光を素子、例えば、光検出器のアレイを備える電荷結合素子(CCD)1314に合焦させるためのレンズ1313を含む。一実施形態では、CCD1314は、検出器の直線配列を備えてよい。そのような場合は、CCD1314内の検出器の直線配列は、照射線1315と平行な向きに配置できる。一実施形態では、複数の集光システムを備えることができ、それらの各々が同様の構成要素を含むが、向きが異なる。
【0089】
例えば、
図13Bは、表面検査器具用の代表的な集光システム配列1331,1332,1333を示す(たとえば、その照射システムは照射システム1301と同様であり、これは簡潔を期するために不図示)。集光システム1331の第1の光学系は、試料1311の表面から第1の方向に散乱した光を集光する。集光システム1332の第2の光学系は、試料1311の表面から第2の方向に散乱した光を集光する。集光システム1333の第3の光学系は、試料1311の表面から第3の方向に散乱した光を集光する。第1の経路、第2の経路及び第3の経路は、試料1311の前記表面に対する異なる角度の反射の経路であることに留意されたい。試料1311を支持するプラットフォーム1335を用いて、試料1311の表面全域が走査できるように、該光学系と試料1311との間を相対運動させることができる。2009年4月28日に発行され、参照により本明細書に援用される米国特許第7,525,649号に、表面検査器具1300及び他の複数の集光システムに関するさらなる詳細が記載されている。
【0090】
図14は、表面1401の異常を検査するために用いることができる表面検査システム1400を示す。この実施形態では、表面1401を、前述の照射光源によって生成されるレーザービームを含むレーザーシステム1430の実質的に固定された照射装置部分によって照射することができる。レーザーシステム1430の出力は、ビームを広げてこれを合焦させる、偏光光学系1421と、ビーム拡大器及びアパーチャ1422と、ビーム形成光学系1423とを連続的に通り抜けることができる。
【0091】
合焦したレーザービーム1402は、次に、ビーム折り返し構成要素1403及びビーム偏向器1404に反射し、ビーム1405は表面1401の方に導かれて当該表面を照射する。好ましい実施形態では、ビーム1405は、表面1401に実質的に垂直又は直角に入射する。しかし、他の実施形態では、ビーム1405は表面1401に斜角で入射してもよい。
【0092】
一実施形態では、ビーム1405は、表面1401に実質的に直角又は垂直に入射し、ビーム偏向器1404が、表面1401からのビームの正反射をビーム変向構成要素1403の方に反射する。この結果、ビーム偏向器1404は正反射が検出器に到達するのを防ぐ遮蔽板として機能する。正反射の方向は、試料表面1401に垂直である線SRに沿う方向である。ビーム1405が表面1401に垂直である一実施形態では、この線SRはビーム1405の照射方向と一致する。この共通基準線又は方向を、本明細書では検査システム1400の軸と呼ぶ。ビーム1405が表面1401に対して斜角である場合には、正反射SRの方向は、ビーム1405が入る方向に一致しない。そのような例では、表面法線の方向を示す線SRは、検査システム1400の集光部分の主軸と称される。
【0093】
小さな粒子によって散乱された光は、ミラー1406に集光し、アパーチャ1407及び検出器1408の方に導かれる。大きな粒子によって錯乱された光は、レンズ1409に集光し、アパーチャ1410及び検出器1411の方に導かれる。一部の大きな粒子が光を散乱し、同様に集光されたその光を検出器1408の方向に向け、一部の小さな粒子が光を散乱し、同様に集光されたその光を検出器1411の方向に向けるが、そのような光は、それぞれの検出器が検出するように設計された散乱光の強度と比較して比較的低強度であることに留意されたい。一実施形態では、検出器1411は受光素子のアレイを備えることができ、このアレイの各受光素子は、照射線の拡大像の対応する一部分を検出するように構成される。一実施形態では、検査システムを、パターン形成されていないウエハの欠陥の検出に使用するように構成することができる。2001年8月7日に発行され、参照により本明細書に援用される米国特許第6,271,916号に、検査システム1400のさらなる詳細が記載されている。
【0094】
図15は、垂直照射ビームと斜め照射ビームの両方を用いて異常検出を実現するように構成された検査システム1500を示す。この構成では、レーザーシステム1530は、前述の照射光源を備え、レーザービーム1501を提供することができる。レンズ1502が、ビーム1501を、空間フィルタ1503を通るように合焦させ、レンズ1504がビームを平行にして偏光ビームスプリッタ1505に伝達する。ビームスプリッタ1505は、第1の偏光成分を垂直照射チャネルに通し、第2の偏光成分を斜め照射チャネルに通す。ここでは、第1の成分と第2の成分とは直角を成す。垂直照射チャネル1506において、第1の偏光成分は、光学系1507によって合焦され、ミラー1508に反射して試料1509表面の方に送られる。試料1509によって散乱した放射は、放物面ミラー1510によって集光され、光電子増倍管1511に合焦する。
【0095】
斜め照射チャネル1512では、第2の偏光成分は、ビームスプリッタ1505によりミラー1513の方向に反射される。このビームは、ミラー1513によって2分の1波長板1514を通るように反射され、光学系1515によって試料1509に合焦する。斜めチャネル1512の斜め照射ビームから生じた照射は、試料1509によって散乱され、同様に放物面ミラー1510によって集光されて、光電子増倍管1511に合焦する。光電子増倍管1511はピンホール入射口を有することに留意されたい。ピンホール及び照射されたスポット(表面1509の垂直及び斜め照射チャネルから照射された)は、好ましくは、放物面ミラー1510の焦点の位置にある。
【0096】
放物面ミラー1510は、試料1509からの散乱照射を平行ビーム1516にする。平行ビーム1516は、次に、対物レンズ1517によって合焦され、アナライザー1518を通り光電子増倍管1511に送られる。放物面形状以外の形状を有する湾曲ミラー面も用いることができることに留意されたい。機器1520は、試料1509の表面全域におけるスポットを走査するように、ビームと試料1509との間を相対運動させることができる。2001年3月13日に発行され、参照により本明細書に援用される米国特許第6,201,601号に、検査システム1500のさらなる詳細が記載されている。
【0097】
他のレチクル、フォトマスク、又はウエハ検査システムは、有利にも、前述の改善された照射光源を使用できる。例えば、他のシステムには、米国特許第5,563,702号、同5,999,310号、同6,201,601号、同6,271,916号、同7,352,457号、同7,525,649号、及び同7,528,943号で記載のものが含まれる。またさらなるシステムは、米国特許公開第2007/0002465号、及び同2009/0180176号に記載のものが含まれる。検査システムに使用する場合、前述の照射光源は、有利にも、コヒーレンス及びスペックル低減器具、ならびに国際公開第WO 2010/037106号、及び米国特許出願第13/073,986号に開示の方法と組み合わせることができる。また、前述の照射光源は、有利にも、「Optical peak power reduction of laser pulses and semiconductor and metrology systems using same」という名称で2011年6月13日出願の米国特許仮出願第61/496,446号、及び「Semiconductor Inspection And Metrology System Using Laser Pulse Multiplier」の名称で米国特許出願第13/487,075号として2012年6月1日に出願され、現在、米国特許公開第2012/0314286号として公開されている特許に開示の方法とシステムとも組み合わせることができる。この段落で引用された特許、特許公報、及び特許出願は、参照により本明細書に援用される。
【0098】
添付する図面を参照しながら、本明細書に本発明の例示的実施形態を詳細に記載したが、本発明はこれらの実施形態に厳密に限定されないことを理解されたい。これらの実施形態は、すべてを網羅するものではなく、本発明を開示された厳密な形態に限定することも意図されていない。従って、この技術分野の専門家には、多くの修正及び変形があり得ることは自明であろう。従って、本発明の範囲は、次の請求項及びその等価物により規定されることが意図されている。