【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、不純物を含む水酸化イミノホスファゼニウム含有溶液を特定の工程を経て精製することにより効率よく不純物を除去することが可能となることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0007】
即ち、本発明は、少なくとも下記(1)工程〜(3)工程を経てなる水酸化イミノホスファゼニウム含有溶液の精製方法に関するものである。
(1)工程;溶液中に含まれる下記一般式(1)で示される水酸化イミノホスファゼニウムを塩素化炭化水素及び/又は臭素化炭化水素より選択されるハロゲン化炭化水素と接触し、下記一般式(2)で示されるハロゲン化イミノホスファゼニウムとする工程。
【0008】
【化1】
(式中、R
1,R
2は各々独立して炭素数1〜10のアルキル基、無置換の若しくは置換基を有する炭素数6〜10のフェニル基又はアルキルフェニル基を表し、R
1とR
2又はR
2同士が互いに結合して環構造を形成していても良い。)
【0009】
【化2】
(式中、R
1,R
2は、上記一般式(1)で示されるものを示す。また、Xは、塩素原子又は臭素原子を表す。)
(2)工程;(1)工程により得られたハロゲン化イミノホスファゼニウム溶液の溶媒置換を行ない、ハロゲン化イミノホスファゼニウムの析出後、ろ別により精製ハロゲン化イミノホスファゼニウムを回収する工程。
(3)工程;(2)工程により回収した精製ハロゲン化イミノホスファゼニウムを有機溶媒に溶解した後、塩基性物質と接触し、水酸化イミノホスファゼニウムとする工程。
【0010】
以下に本発明を詳細に説明する。
【0011】
本発明の水酸化イミノホスファゼニウム含有溶液の精製方法は、少なくとも上記(1)工程〜(3)工程を経てなる精製方法である。
【0012】
ここで、(1)工程は、溶液中に含まれる上記一般式(1)で示される水酸化イミノホスファゼニウムを該ハロゲン化炭化水素と接触し、上記一般式(2)で示されるハロゲン化イミノホスファゼニウムとする工程であり、該(1)工程は、該水酸化イミノホスファゼニウムを該ハロゲン化炭化水素と接触することによりハロゲン化イミノホスファゼニウムにイオン変換する工程である。
【0013】
その際の該水酸化イミノホスファゼニウムは、上記一般式(1)で示される範疇に属するものであればいかなる方法により製造されたものでも良く、例えば特開2013−112646号公報の合成例、実施例等に記載の方法により製造することができる。
【0014】
該水酸化イミノホスファゼニウムにおけるR
1,R
2は各々独立して炭素数1〜10のアルキル基、無置換の若しくは置換基を有する炭素数6〜10のフェニル基又はアルキルフェニル基であり、具体的にはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、2−ブチル基、1−ペンチル基、2−ペンチル基、3−ペンチル基、2−メチル−1−ブチル基、イソペンチル基、tert−ペンチル基、3−メチル−2−ブチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、4−メチル−2−ペンチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、1−ヘプチル基、3−ヘプチル基、1−オクチル基、2−オクチル基、2−エチル−1−ヘキシル基、1,1−ジメチル−3,3−ジメチルブチル基、ノニル基、デシル基、フェニル基、4−トルイル基、ベンジル基、1−フェニルエチル基、2−フェニルエチル基等の脂肪族又は芳香族の炭化水素基が例示され、その中でもメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、tert−ペンチル基、1,1−ジメチル−3,3−ジメチルブチル基等の炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基が好ましく、メチル基がより好ましい。また、R
1とR
2、又はR
2同士が互いに結合して環構造を形成していても良く、そのような置換基として、例えばジメチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基等を挙げることができ、製造が容易であることからR
1とR
2が互いに結合して環構造を形成する場合は、テトラメチレン基が好ましく、R
2同士が互いに結合して環構造を形成する場合はジメチレン基が好ましい。そして、該水酸化イミノホスファゼニウムの具体例としては、例えばテトラキス(1,1,3,3−テトラメチルグアニジノ)ホスファゼニウムヒドロキシド、テトラキス(1,1,3,3−テトラエチルグアニジノ)ホスファゼニウムヒドロキシド、テトラキス(1,1,3,3−テトラ(n−プロピル)グアニジノ)ホスファゼニウムヒドロキシド、テトラキス(1,1,3,3−テトライソプロピルグアニジノ)ホスファゼニウムヒドロキシド、テトラキス(1,1,3,3−テトラ(n−ブチル)グアニジノ)ホスファゼニウムヒドロキシド、テトラキス(1,1,3,3−テトラフェニルグアニジノ)ホスファゼニウムヒドロキシド、テトラキス(1,1,3,3−テトラベンジルグアニジノ)ホスファゼニウムヒドロキシド、テトラキス(1,3−ジメチルイミダゾリジン−2−イミノ)ホスファゼニウムヒドロキシド等を例示でき、特に強塩基性を有するものとなることから、テトラキス(1,1,3,3−テトラメチルグアニジノ)ホスファゼニウムヒドロキシドが好ましい。
【0015】
水酸化イミノホスファゼニウム溶液を構成する溶媒としては、水酸化イミノホスファゼニウムを溶解可能な溶媒であれば如何なるものでもよく、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、t−ブタノール等のモノアルコール;エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、グリセリン等の多価アルコール;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル等の多価アルコール誘導体;エチレンジアミン、アニリン、アセトニトリル等の含窒素化合物等を挙げることができ、その中でも入手が容易であり、保存時の安定性に優れる水酸化イミノホスファゼニウム溶液となることから、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、t−ブタノール等のモノアルコールが好ましい。
【0016】
該ハロゲン化炭化水素は、塩素化炭化水素及び/又は臭素化炭化水素より選択されるものであり、水酸化イミノホスファゼニウムと接触することによりハロゲン化イミノホスファゼニウムにイオン交換を行うことが可能であれば特に制限はなく、例えばクロロホルム、1,2−ジクロロエタン、1,1−ジクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、ブロモホルム、1,2−ジブロモエタン、1,1−ジブロモエタン、1,1,1−トリブロモエタン、1,1,2−トリブロモエタン、1,1,2,2−テトラブロモエタン等を例示することができ、イオン交換反応が速く、ハロゲン化イミノホスファゼニウム生成後の不純物の除去が容易であることから、クロロホルム、1,1,2−トリクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタンが好ましい。
【0017】
その際のハロゲン化炭化水素の使用量としては、適宜選択可能であり、その中でも水酸化イミノホスファゼニウムからハロゲン化イミノホスファゼニウムへのイオン交換の反応速度が速く、イオン交換反応が十分に進行することから、水酸化イミノホスファゼニウム1モルに対して0.9モル〜10モルの範囲であることが好ましく、特に1.1モル〜7モルの範囲であることが好ましく、更に1.5モル〜5モルの範囲であることが好ましい。
【0018】
該水酸化イミノホスファゼニウムとハロゲン化炭化水素とを接触する際の方法としては、特に制限はなく、例えば水酸化イミノホスファゼニウム含有溶液に対してハロゲン化炭化水素を1度に全量供給する方法、逐次的に供給する方法、一定速度で連続的に供給する方法などが挙げられる。そして、反応熱による急激な発熱を抑制するため、水酸化イミノホスファゼニウム溶液に対して、温度上昇を伴わないように一定の速度でハロゲン化炭化水素を連続的に供給することが好ましい。また、ハロゲン化炭化水素の供給時間は、溶液の濃度や製造のスケールにより選択可能であり、例えば0.01〜10時間の範囲を挙げることができ、中でも反応温度の制御が容易となることから1〜8時間の範囲であることが好ましい。
【0019】
イオン交換を行う際の反応温度としては、例えば0〜70℃を挙げることができ、好ましく10〜50℃である。イオン交換時の反応系の雰囲気は、空気下またはヘリウム、窒素、アルゴンなどの不活性ガス雰囲気下の何れで行っても良く、中でも窒素などの不活性ガス雰囲気下で実施することが好ましい。
【0020】
該(1)工程におけるイオン交換により生成するハロゲン化イミノホスファゼニウムは、上記一般式(2)で示される範疇に属するものであり、該ハロゲン化イミノホスファゼニウムにおけるR
1,R
2は、上記一般式(1)で示されたものである。また、Xは塩素原子又は臭素原子である。そして、該ハロゲン化イミノホスファゼニウムの具体例としては、例えばテトラキス(1,1,3,3−テトラメチルグアニジノ)ホスファゼニウムクロリド、テトラキス(1,1,3,3−テトラメチルグアニジノ)ホスファゼニウムブロミド、テトラキス(1,1,3,3−テトラエチルグアニジノ)ホスファゼニウムクロリド、テトラキス(1,1,3,3−テトラエチルグアニジノ)ホスファゼニウムブロミド、テトラキス(1,1,3,3−テトラ(n−プロピル)グアニジノ)ホスファゼニウムクロリド、テトラキス(1,1,3,3−テトラ(n−プロピル)グアニジノ)ホスファゼニウムブロミド、テトラキス(1,1,3,3−テトライソプロピルグアニジノ)ホスファゼニウムクロリド、テトラキス(1,1,3,3−テトライソプロピルグアニジノ)ホスファゼニウムブロミド、テトラキス(1,1,3,3−テトラ(n−ブチル)グアニジノ)ホスファゼニウムクロリド、テトラキス(1,1,3,3−テトラ(n−ブチル)グアニジノ)ホスファゼニウムブロミド、テトラキス(1,1,3,3−テトラフェニルグアニジノ)ホスファゼニウムクロリド、テトラキス(1,1,3,3−テトラフェニルグアニジノ)ホスファゼニウムブロミド、テトラキス(1,1,3,3−テトラベンジルグアニジノ)ホスファゼニウムクロリド、テトラキス(1,1,3,3−テトラベンジルグアニジノ)ホスファゼニウムブロミド、テトラキス(1,3−ジメチルイミダゾリジン−2−イミノ)ホスファゼニウムクロリド、テトラキス(1,3−ジメチルイミダゾリジン−2−イミノ)ホスファゼニウムブロミド等を例示でき、その中でも水酸化物へのイオン交換を温和な条件で行うことが可能であり、イオン交換して得られる水酸化イミノホスファゼニウムが強塩基性を有することから、テトラキス(1,1,3,3−テトラメチルグアニジノ)ホスファゼニウムクロリドが好ましい。
【0021】
本発明の水酸化イミノホスファゼニウムの精製方法における(2)工程は、(1)工程により得られたハロゲン化イミノホスファゼニウム溶液の溶媒置換を行ない、ハロゲン化イミノホスファゼニウムの析出後、ろ別により精製ハロゲン化イミノホスファゼニウムを回収する工程であり、該(2)工程は、(1)工程により得られるハロゲン化イミノホスファゼニウムを不溶の溶媒に置換し、析出したハロゲン化イミノホスファゼニウムをろ過により分離精製する工程である。
【0022】
その際にハロゲン化イミノホスファゼニウムを析出させるために置換する溶媒としては、ハロゲン化イミノホスファゼニウムが不溶で、不純物が溶解可能な溶媒であれば特に制限はなく、例えばヘキサン、オクタン、デカン、ドデカン等の脂肪族系溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン等の芳香族系溶媒等が挙げられ、その中でも、ハロゲン化イミノホスファゼニウムの溶解性が低く、不純物の溶解性が高いばかりでなく、ハロゲン化イミノホスファゼニウムの析出晶の分散性にも優れることからトルエン、キシレンが好ましい。また、これらの溶媒は、単独でも2種以上を混合して用いてもよい。
【0023】
該置換溶媒の使用量としては、例えばハロゲン化イミノホスファゼニウムの重量に対して1〜10倍の範囲、特に2〜6倍の範囲であることが好ましい。また、溶媒による溶媒置換は、該水酸化イミノホスファゼニウムを溶解している溶媒やイオン交換に用いるハロゲン化炭化水素により適宜選択可能であり、例えば30〜100℃の温度範囲で、15kPa〜1.5kPaの減圧下にて、溶媒全量の10〜50重量%まで濃縮した後に置換溶媒を添加することが好ましい。該置換溶媒は、一度に全量添加しても良いが、十分に溶媒を置換するため、2回から3回に分割して添加することが好ましい。分割して添加する場合は、30〜100℃の温度範囲、15〜1.5kPaの減圧下で、全溶媒量に対して30重量%以下に濃縮した後に再度置換溶媒を添加し、同操作を繰り返すことにより、溶媒置換を行うことができる。
【0024】
溶媒置換して得られる粘性溶液を、放冷または冷却することにより、ハロゲン化イミノホスファゼニウムを析出させることができる。その際の温度としては、0〜50℃の範囲が好ましく、特にハロゲン化イミノホスファゼニウムの回収量が向上することから、30℃以下が好ましく、更に20℃以下が好ましい。
【0025】
析出したハロゲン化イミノホスファゼニウムは、ろ過によるろ別により回収することが可能であり、その際のろ過としては、例えば加圧ろ過、吸引ろ過などを挙げることができる。そして、本ろ過操作により、ハロゲン化イミノホスファゼニウムと不純物とを分離した精製ハロゲン化イミノホスファゼニウムとして回収することが可能となる。また、ろ過の際には、特に純度の高いハロゲン化イミノホスファゼニウムを回収することが可能となることからトルエンを洗浄溶媒として使用することが好ましい。
【0026】
ろ過により回収した精製ハロゲン化イミノホスファゼニウム中に残留する溶媒は、減圧下で加熱乾燥することにより除去が可能である。また、乾燥の際の温度や、減圧度は特に制限はなく、例えば温度は30℃〜90℃の範囲、減圧度は0.5kPa〜10kPaの範囲である。
【0027】
該(2)工程により回収される精製ハロゲン化イミノホスファゼニウムは、不純物が除去されたものであり、その純度は95%以上のものであることが好ましい。その際の純度はNMRにより測定することが可能である。
【0028】
本発明の水酸化イミノホスファゼニウムの精製方法における(3)工程は、(2)工程により回収した精製ハロゲン化イミノホスファゼニウムを有機溶媒に溶解した後、塩基性物質と接触し、水酸化イミノホスファゼニウムとする工程であり、該(3)工程は、(2)工程により得られる精製ハロゲン化イミノホスファゼニウムと塩基性物質を接触することにより、精製水酸化イミノホスファゼニウムとする工程である。
【0029】
該(3)工程において、精製ハロゲン化イミノホスファゼニウムを溶解する有機溶媒としては、ハロゲン化イミノホスファゼニウムを溶解可能な有機溶媒であれば如何なるものでもよく、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、t−ブタノール等のモノアルコール;エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、グリセリン等の多価アルコール;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル等の多価アルコール誘導体;エチレンジアミン、アセトニトリル等の含窒素化合物等を挙げることができ、その中でも入手が容易で、より効率的な精製方法となることから、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、t−ブタノール等のモノアルコールが好ましい。
【0030】
精製ハロゲン化イミノホスファゼニウムを有機溶媒に溶解した際の濃度としては、通常0.05〜5.0mol/lの範囲、好ましくは0.15〜3.0mol/lの範囲である。
【0031】
そして、該(3)工程においては、精製ハロゲン化イミノホスファゼニウム溶液と塩基性物質とを接触することにより、イオン交換により精製水酸化イミノホスファゼニウム含有溶液とすることができる。
【0032】
該塩基性物質としては、塩基性物質であれば特に限定するものではなく、例えばアルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物、アルカリ金属又はアルカリ土類金属のアルコキシド等を挙げることができ、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物としては、具体的には、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ルビジウム、水酸化セシウム:水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウム、水酸化バリウム等が例示される。また、アルカリ金属又はアルカリ土類金属のアルコキシドとしては、例えばアルカリ金属又はアルカリ土類金属のメトキシド、エトキシド、n−プロポキシド、イソプロポキシド、n−ブトキシド、イソブトキシド、t−ブトキシド等を挙げることができる。そして、より塩基性が強く、イオン交換性能が高いことから、塩基性物質としては、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物が好ましく、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムが特に好ましい。また、塩基性物質の使用量としては、ハロゲン化イミノホスファゼニウムに対し、0.8〜1.3モルの範囲が好ましく、特に0.9〜1.2モルの範囲であることが好ましい。
【0033】
該(3)工程におけるイオン交換反応は、生成する水酸化イミノホスファゼニウムの酸化劣化を低減するため、窒素やアルゴン等の不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。また、イオン交換の際の反応温度に特に制限はなく、通常0〜130℃の範囲、好ましくは20〜80℃の範囲である。さらに、反応時間にも特に制限はなく、通常1分〜24時間の範囲、好ましくは5分〜4時間の範囲である。
【0034】
また、該(3)工程においては、イオン交換の際に副生する塩を除去するため、濾過を行ってもよい。この濾過工程は、窒素やアルゴン等の不活性ガス雰囲気下、又は空気下で行うことができる。また、加圧下で行うことも、減圧下で行うこともできる。
【0035】
該(3)工程により回収される精製水酸化イミノホスファゼニウムは、不純物が除去されたものであり、その純度は95%以上のものであることが好ましい。その際の純度はNMRにより測定することが可能である。
【0036】
本発明により得られる精製水酸化イミノホスファゼニウム含有溶液は、純度が高く、各種有機反応や高分子反応に使用することができる。例えば、活性水素を有する開始剤を水酸化イミノホスファゼニウムで処理した後、アルキレンオキサイドを反応させることにより、ポリアルキレングリコールを製造することができる。