(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
事前定義しきい値より低い測定された線幅を有する各特徴は、そのような特徴が、前記事前定義しきい値以上の測定された線幅を有する別の特徴に対する事前定義距離以内である場合のみ、前記非印刷可能特徴地図内に含まれる、請求項2に記載の方法。
前記1つ以上の試験像の前記分析は、前記1つ以上の試験像を、前記マスクを製作するための設計データベースから取得される参照像と比較することによって達成される、請求項1に記載の方法。
前記スポット像に基づき、そして幾何学的特徴を、縁、角、および線端から成る群から選択される1つ以上の幾何学的特徴形式に分類するために、幾何学的地図を構築することをさらに含み、前記1つ以上の試験像の前記分析は前記幾何学的地図にさらに基づく、請求項1に記載の方法。
事前定義しきい値より低い測定された線幅を有する各特徴は、そのような特徴が、前記事前定義しきい値以上の測定された線幅を有する別の特徴に対する事前定義距離以内である場合のみ、前記非印刷可能特徴地図内に含まれる、請求項11に記載のシステム。
1つ以上の試験像を分析することは、前記1つ以上の試験像を、前記マスクを製造するための設計データベースから得られた参照像と比較することにより達成される、請求項10に記載のシステム。
前記少なくとも1つのメモリおよび少なくとも1つのプロセッサは、前記スポット像に基づいて幾何学地図を構築し、幾何学特徴を、縁、角、線端から選択された1つ以上の幾何学的特徴タイプに分類するように構成され、1つ以上の試験像を分析することは、前記幾何学地図に基づくものである、請求項10に記載のシステム。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下の記述では、本発明の徹底的理解を提供するために、多数の具体的詳細が論述される。本発明は、これらの具体的詳細のいくつかまたはすべてが無しで、実践され得る。他の事例においては、よく知られたプロセス動作は不必要に本発明を不明瞭にしないために、詳細には記述されていない。本発明は具体的実施形態と併せて記述されるが、本発明をその実施形態に限定することは意図されていないことは理解されるであろう。
【0016】
導入
1つの感光性マスク検査方法は、非印刷可能特徴を含む区域を後で「減感」するために、印刷可能特徴(主特徴としても参照される)を非印刷可能特徴(細線としても参照される)から分離するための手法を使用する。試験像および/または参照像が使用され、ユーザによって設定された規則に基づき、特徴地図を作成する。通常は、ユーザは非印刷可能特徴を印刷可能特徴から分離するための基準として線幅を定義する。
【0017】
1つの手法は、参照および試験像の捕獲で始まり得る。技法例はVinayak Phalkeらの米国特許第8,090,189号に記述されており、これはその全体がすべての目的に関して本明細書中に参照によって組み込まれる。概して強度しきい値が、特徴の前景を定義するためにこれらの像に適用され、これは、強度値がこのしきい値未満である像区域の集まりである。
【0018】
感光性マスクは、不透明細線および透明細線等の異なる型式の細線でしばしば設計され、これは前景を定義する際に追加の複雑性を加える。不透明細線はモリブデンケイ素の細い縞または点であり、これは透過像上ではその周囲よりもより暗く見える。手の上では、透明細線はモリブデンケイ素/クローム表面上で作成された切り出しの細い縞または点であり、反射像上ではこれらの周囲表面よりもより暗く見える。さらに、ダイ対ダイ検査においては、欠陥区域は試験および参照像からは明白ではない。したがって、参照および試験像の組み合わせ分析が実施される必要がある。次の動作においては、前景特徴の線幅が測定されて細線と主特徴との間が区別され、「生」特徴地図を形成する。この線幅しきい値に関する規則はユーザによって典型的に設定される。
【0019】
光学像を生成するとき、例えばぼけまたは他の光学ひずみの理由により、像内のひずみが特定特徴のオーバーシュートまたはアンダーシュートに帰結し得る。例えば、OMOG(ガラス上の不透明MoSi)反射像は、高いアンダーシュートに帰結し得る。そのような効果はしばしば分割プロセスを複雑にする傾向がある。例えば、オーバーシュートは分割プロセスにおいて散乱として仕え、特定のオーバーシュート特徴を細線または非細線にどのように分割するかを判定するためにより慎重に分析されねばならない。要するに、オーバーシュートおよびアンダーシュートは分割プロセスに対して複雑性を追加可能である。
【0020】
線幅定義は主観的になる傾向があり、ユーザによって任意に選択される単一しきい値(輪郭レベル)に依存する。結果としての線幅は、根底にあるマスクパターンの真の寸法と直接的相関性を有しない。それはしばしば細線を正しく分割するためにしきい値を見つけることをユーザが複数回反復しなければならないことに帰結する。さらに、ユーザはしばしば透明細線および不透明細線に関して別々に輪郭レベルを設定する必要があり、これはセットアップ作業量を2倍にする。最後に、細線の線幅が小さいとき、または細線が近所に他のパターンを有するとき、細線の調整は多く変化することが可能である。ときどきは、同一トーンのすべての細線を分割するための単一輪郭レベルを見つけることはまったく不可能である。
【0021】
さらに、この直前の手法は、細線検出の性質の故に、大型幾何学形状保護は指定しない。例えば、欠陥のある主特徴(印刷可能特徴)が検出された細線の近くに出現することが可能であり、通常拡張余地が適用されて元の検出された細線を拡大し、いくつかの近隣区域をカバーするが、これは次に欠陥のある主特徴を包含し得る。主特徴保護なしでは、そのような拡張は主特徴ならびに関連欠陥と混ざり合う危険性を有し、結果として非印刷可能細線の近隣における大型印刷可能幾何学形状のリソグラフィ上の重大欠陥を減感する。
【0022】
上の争点のいくつかは以下の例においてさらに図解されることが可能である。
図1Aは、感光性マスク上に提供される図解的基礎パターンを図解し、一方
図1Bはその基礎パターンの結果としてのウェハー像を図解する。2つの像間には、もしあるとしても非常に僅かの類似性がある。OPCの広範な使用はそのような食い違いに繋がる。
【0023】
検査方法例
図2は、本発明の模範的実施形態に従い、帯域限定スポット像に基づく感光性マスクのための細線検出のための手順200の流れ図である。本明細書中に記述される例では、細線検出は感光性マスクのあらゆる非印刷可能なリソグラフィ上顕著でない特徴の検出を含む。用語「細線」、「非印刷可能」、および「リソグラフィ上顕著でない」は本明細書中では互換的に使用される。
【0024】
概して、感光性マスク(レチクル)のあらゆる好適形式がプロセス中で使用され得る。例えば、クローム金属吸収膜によって定義されるパターンを有する、透明融解シリカ未加工材から作成される感光性マスクが使用されることが可能である。概して、感光性マスクまたはマスクは、例えば位相変移マスク等のあらゆる好適形式のレチクルまたは感光性マスク、および埋め込み位相変移マスク(EPSM)の形態を取り得る。感光性マスクは概して、複数の印刷可能特徴および複数の非印刷可能特徴を含む。
【0025】
印刷可能特徴は、結果としてのウェハー像上に現れる特徴として定義されることが可能である。そのような印刷された特徴は、感光性マスク上と同一の形状または形態で、結果としてのウェハー上に存在し得るか、またはし得ない。例えば、
図1Aは感光性マスク上に提供される基本パターンを図解し、一方、
図1Bは、その基本パターンの結果としてのウェハー像を図解する。それゆえ、感光性マスクの文脈内では、印刷可能特徴は、ウェハー面上の印刷可能特徴に対応する区域として理解され得る。非印刷可能特徴(または「細線」)は、回折および他の理由により、撮像エラーを補償するために使用されるさまざまな光学的近接訂正(OPC)特徴を含み得る。そのような非印刷可能特徴の1つの形式は、副解像度補助特徴(SRAF)である。
【0026】
感光性マスクが検査プロセスのために一旦提供されると、例えば、検査システムの検査ステージ上に置かれると、感光性マスクの反射像および透過像は動作202中に提供される。より一般的には、感光性マスクは異なる照明および/または収集条件において、2つ以上の光強度像を捕獲するために図解され得る。図解された実施形態においては、透過光強度像および反射光強度像が捕獲される。他の実施形態においては、像の2つ以上の他の形式が使用され得る。
【0027】
捕獲され試験像は動作204において典型的に整列される。この整列は、いくつかの試験および参照像について、検査システムの光学特質の突き合わせを伴い得る。例えば、透過および反射像のケースでは、2つのそれぞれの信号の光学経路の違いを補償するために像のいくつかの調整が行われることが可能である。整列調整は、使用される検査システムの具体的幾何学形状に依存し得る。図解される実施形態においては、整列は反射像に対する透過像の整列を伴う。
【0028】
整列が行われると、スポット像は、動作206において反射および透過像に基づいて構築され得る。スポット像は、帯域限定マスク像としても参照される。スポット像を構築するためのプロセスは、概して透過および反射像から光学雑音を実質的に撤廃することを含み、結果としてのスポット像を取得し得る。概して、高周波効果は実質的に低減または撤廃される。例えば、検査システムの光学効果の理由により特定レチクルパターンの周囲に形成されるリングは、スポット像内で除去される。スポット像は、オーバーシュートおよびアンダーシュートの量の低減に帰結し、これはさもなくば細線検出を散らし得る。すなわち、マスク像内の雑音は実質的に低減され、そのような雑音はもはや細線として検出されることは可能ではない。反射および透過像は線形結合において選択された係数と結合させるのが可能であり、したがって、高周波期間は互いに打ち消し合う。その結果、スポット像はマスクパターン像の帯域限定ローパスバージョンである。
【0029】
1つの手法においては、部分的可干渉性光学撮像は、2つ以上の可干渉性システムの合計としてモデル化が可能であり、これはWihlらの米国特許第7,873,204号にさらにより詳細に説明され、これは動作206を記述するための目的で、参照によって本明細書中に組み込まれる。この実装例では、部分的可干渉性撮像に関するHopkins方程式を使用し、相互透過係数(TCC)行列を形成可能である。この行列は次に対応するEigenベクトルに分解されることが可能であり、これは可干渉性システムの核として活動する。これらの可干渉性システムのそれぞれからの強度貢献のEigen値加重合計は像強度を算出し、これを使用して、透過信号の強度を代表させることが可能である。一定の実施形態においては、試験像の反射および透過強度は、帯域限定マスク振幅関数として参照される、線形用語のみと共に代表されることが可能である。この関数の例は数式1に提示される。
【0031】
ここで、a
Rはマスク前景トーンと背景トーンとの間の違いの複合反射振幅であり、I
T(x,y)は検査システムを使用するマスクの透過強度像を記述し、C
Tはマスクの背景トーンの複合透過振幅であり(例えば、石英およびクローム二元マスクでは、C
Tはクロミウムパターンの特質を記述可能である)、a
Tはマスク前景トーンと背景トーンの間の違いの複合透過振幅であり(例えば、上と同一のマスクを使用して、a
Tは石英とクロミウムの間の違いの光学的特質を記述可能であり、c
Tおよびa
Tはもちろん記述される材料層の特質に依存して変化する)、I
R(x,y)は検査システムを使用したマスクの反射強度像を記述し、C
Rはマスクの背景トーンの複合反射振幅で、a
Rはマスク前景トーンと背景トーンの間の違いの復号反射振幅であり、Re(x)は、xの実構成要素を代表し、P(x,y)は検査されている感光性マスクのマスクパターンを定義し、E
iおよびλ
iはそれぞれEigenベクトルおよび検査工具に関連付けられた相互透過係数(TCC)撮像行列の関連要素のEigen値を参照し、D
iはE
iのDC利得である。
【0032】
帯域限定マスクパターンM(x,y)は、
【数2】
で畳み込まれたマスクパターンP(x,y)によって定義され、これは「回復核」として参照される。それゆえ、帯域限定マスクパターンはマスクパターン関数P(x,y)の改質されたバージョンである。
【0033】
反射および透過像の結合は像のいくつかの高周波部分に帰結し、これは光学効果によるものであり取り消されることになるが、スポット像構築は、依然として「真の」マスク(例えば、収差なし)の近似化であり、これはいくつかの収差がスポット像内に残るためである。さらなる実施形態では、構築されたスポット像は一定収差を補償するために処理されることが可能である。例えば、静的収差をオフラインで校正し、次にスポット像から収差効果を濾過する方法を使用可能である。概して、多様なパターンを校正マスク上で製作し、次に撮像することができる。校正像内の収差期間は、次に異なるパターンのために抽出されることが可能である。抽出された収差期間は次にスポット像の類似パターンの像から差し引かれ、それにより、そのような収差期間はスポット像から除去される。
【0034】
スポット像が構築された後、動作208において、復元反転プロセスが実施されて復元されたマスク像を取得し得る。つまり、より「真の」または二元似マスク像が反転プロセス内でスポット像から導出される。例えば、光学系によってぼける場合があるスポット像内のパターンが、鋭敏にされてマスク像を形成する。近隣の他のパターンから良好に分離されない非常に細線または細線に関しては、この後処理はより容易で不明瞭さの少ない分割を促進する。
【0035】
ダイ対ダイ検査プロセスに関しては、自動しきい値を有する簡素なハイパスを使用して、スポット像におけるより鋭敏な移行を作成し得る。KLA−Tencor Corp.of Milpitas,CAから入手可能なStarLight(商標)等の一定の検査工具においては、レベル設定に基づく反転が工具に提供され、根底マスクパターンを演繹する。レベル設定関数の例が、Daniel Abramsによって2010年9月30日に出願された、米国特許出願公開第2010/0251203号に記述され、この出願はレベル設定プロセスを記述するために参照によって本明細書中に組み込まれる。レベル設定関数を使用して、マスク上の境界(または輪郭)を定義することが可能であり、この関数は復元されるマスク像が見つかるまで増分的におよび反復的に調整される。マスク輪郭の各セットに関し、元のマスク像を取得するために使用された光学検査工具がマスク輪郭のセット上でモデル化またはシミュレートされ、シミュレートされたスポット像に帰結する。マスク輪郭セットは調整され、輪郭の各調整されたセットに基づくシミュレートされたスポット像が、構築されたスポット像と最も近く一致するまで生成される。例えば、最小のちがいが達成される。構築されたスポット像に最も近く一致するシミュレートされたスポット像に帰結するマスク輪郭のセットは、次に復元されたマスク像として定義されることが可能である。
【0036】
レベル設定関数は、各像マスク特徴の境界を定義するためにあらゆる好適な形態を採用し得る。1つの実施形態では、レベル設定関数は、境界または輪郭において0に等しく、輪郭の外側については0未満であり、そして輪郭の内側については0より大きい。レベル設定0関数(または輪郭を定義するあらゆる関数)は、マスク像上の重大寸法(CD)を測定するために使用されることが可能である。つまり、CDは0
thレベル設定関数(または定義された輪郭)上で直接に測定されることが可能である。例えば、各特徴輪郭上の4つのCD測定は、4つの方向において採用され得、そして最小値はそのような特徴に関してCDとして定義される。
【0037】
結果としてのマスク像は、パターン、幾何学形状、特徴、形状等(「パターン」)を含み、パターンは典型的に輪郭、線、境界、縁、曲線等(「輪郭」)のセットで定義され、これは概してマスク上のパターンを構成するさまざまな領域の境界を包囲、封止、および/または定義する。線幅は特定輪郭上で確かめることは困難であり得る。例えば、円輪郭の線幅測定は、
図3に図解されるように、測定がどこで取得されるかに依存して変化し得る。示されるように、円の中心を通って測定される線幅302は、円の縁を通って特定される線幅304よりずっと大きいであろう。
【0038】
したがって、像マスク上で線幅をどこで測定するかを判定するためのプロセスが使用され得る。1つの実施形態では、動作210において骨格像を取得するためにマスク像上で細線化プロセスが実施され得る。概して、マスク像の各パターンは寸法が低減され、特定マスク像パターン上の線幅の後の測定のため、マスク像内の領域または場所を提供する。例えば、円に関する骨格は、円の中心における画素であり、したがって、線幅はマスク像上の円の中心を通って取得され、線に関する骨格は1画素幅である線であり、したがって、線の線幅は線の縦軸に沿ったいずれかにおいて取得されることが可能である。
【0039】
マスク像が細線化されて骨格像を生成した後、骨格およびマスク像は、次に動作212において、マスク像内の線幅は細線パターンまたは非細線パターンとして定義されることが可能であるかどうかを判定するために使用される。この線幅チェックは、細線地図および非細線地図の両方に帰結する。概して、骨格像は、マスク像上の線幅を測定するため、そして測定された線幅を細線(または非細線)に関する線幅仕様と比較するために使用される。測定された線幅が線幅仕様未満である場合には、関連パターンは細線として定義される。線幅チェックはまた、そのような特徴が非細特徴に対する事前定義された近接内である場合のみ、特徴を細線として定義することを含んでもよい。測定された線幅が線幅仕様と等しいまたはより大きい場合には、関連パターンは非細線として定義される。このように、マスク像上の特定パターンは、細線または非細線区域として定義されることが可能であり、細線および非細線地図の両方を生成する。
【0040】
ダイ対ダイに関しては、二元マスク像は最初に正規化され、次にテンプレート画素アルゴリズムが適用されることが可能である。概して、このプロセスは、試験画素の近隣における画素強度の変化率、これは骨格像によって定義される、を所与の寸法または線幅の細線(例えばSRAF)に関する理論的劣化に対して比較することを含み得る。
【0041】
レベル設定関数が提供されたとき、関数のゼロ交差はそれ自身特定輪郭である。いくつかの方向に沿ったこの輪郭上の線幅の直接測定は実施可能である。最後に、これらの測定の最小値を採用することは、次に線幅を近似化するために使用され得る。主特徴保護のために、線幅チェックは、パターンが細線または太線パターンであるかどうかを決定するための唯一の基準となることが可能である。
【0042】
さらに画素が細線と同一のトーンを有するが、その線幅はユーザが定義した線幅仕様より大きいときは、そのような画素は非細線画素として取り扱われることが可能である。これらの非細線画素は大型幾何学形状地図(または非細線地図)像を形成し、これは細線成長から保護される必要がある。この細線成長の間、この像は動作214における希望されない成長を停止するためのマスクとして使用されることが可能である。このように、細線成長はマスク像の大型幾何学形状区域を侵食することが阻止され、最終細線地図(または反対に非細線地図)に帰結し、これは本明細書中では特徴地図として参照される。
【0043】
図4は、旧プロセスと比較される、本発明の模範的実施形態に従う、検査報告の画面コピーである。反射光学像302は大量のアンダーシュートを示す。細線地図は「特徴地図」(旧方法に関しては306、スポット像方法に関しては312)として示される。各特徴地図(306および312)内の暗い背景は、細線が見つからないことを告発する。旧方法からの「特徴地図」306内の暗灰色線は細線候補画素であるが、後に他の理由により拒絶された。それらは図解目的のみのために示されている。新しい方法から「特徴地図」312内の明白色線は、線幅チェックおよび主特徴への近さを含むさらなるチェックを合格した細線画素であり、それゆえ真の細線として受諾される。白色線を包囲する明灰色区域は、ユーザの指定した程度に近隣をカバーする細線成長である。
【0044】
図4で見られるように、旧方法は、他のパターンに対して近接してぶつかるため、2つの細線を分割するのに失敗した。その代わり、旧方法は、接触の縁上のいくつかの細線画素候補によって、アンダーシュートの理由により、錯乱されたが、しかしながらそのような画素は他の理由により後ほど失格とされる。新しい方法は、そのかわり、細線を正しく捕獲したばかりでなく、偽細線候補から錯乱されるのを回避した。結果としての特徴地図はより正確であるばかりでなく、より堅牢であり、演算的により効率的であり、錯乱が少ない。
【0045】
ダイ対ダイにおいておよび設定レベル関数オプションの選択において使用される異なる手法は、代替的態様であると考察される。本発明の一定の実施形態の長所は、より信頼性のある細線分割を含み得、なぜならば、光学像に存在するオーバーシュートまたはアンダーシュートを大部分は回避するからである。一定の実施形態は、異なる調整の細線および近隣パターンに近いものを分割することは非常に困難または不可能であり得るが、ダイ対ダイ細線検出の制限も大部分は克服し得る。一定の実施形態は、また、ユーザに対して任意に輪郭を設定させる代わりに、自動的に輪郭を選択するためによりユーザフレンドリーとなり得る。さらに、2つの輪郭の代わりに、1つの輪郭が透明および暗の両方の細線について使用されることが可能である。細線測定は、また、マスク上の根底細線幅とより良好に相互関係し得、大型幾何学形状上の減感重大欠陥内への細線成長は回避され得る。
【0046】
図5は、本発明の1つの実施形態に従い、レチクル検査手順500を図解する流れ図である。最初は、動作502において、最終特徴地図に基づき、異なる検査しきい値が異なるレチクル区域と関連付けられ得る。感光性マスク検査方法は、1つ以上のユーザ定義検出しきい値を提供することを伴い得る。例えば、特徴地図によって主特徴として定義された区域は、1つの検出しきい値を割り振られ得、一方、SRAFまたは他の非印刷可能細線特徴を含む区域は、より低いしきい値を割り振られ得る。この差別化は、検査資源の最適化を行うために使用されることが可能である。
【0047】
参照像が動作504において提供され得る。例えば、レチクル上のダイ区域の別の像は、ダイ対ダイ形式検査のために取得される。ダイ対データベース検査においては、参照像が設計データベースに基づいて生成される。例えば、検査光学系がモデル化され、設計パターンに適用されて参照像を取得する。参照像は、動作506において、試験像に対して整合され得る。試験および参照像の両方は、本明細書中に記述されるマスク復元スポット像、または検査工具から取得される「生」像であり得る。
【0048】
動作508において、参照像は、特徴地図内に含まれる情報に基づき、試験像と比較される。例えば、試験および参照像は、特徴地図内において識別されるいくつかの区域に分割され得る。試験像区域および対応する参照像区域を含む区域の各セットは、個々に検査され得る。MEEF、ユーザ定義しきい値、幾何学形状地図、および各区域固有の他の情報が、この動作において使用され得る。言い換えれば、試験像の分析は、試験像の一部分および参照像の対応部分を識別すること、および各識別された部分についてこれらの像内のあらゆる違いを識別することを伴い得る。具体的実施形態においては、整合された試験透過および参照透過像の間および整合された試験反射および参照反射像の間における違いが識別される。
【0049】
次に、比較結果に基づき、動作510においてレチクルが検査を合格するかどうかが判定され得る。レチクルが合格すると、検査プロセスは終り、合格したレチクルを使用して製作が前進し得る。レチクルが合格しない場合は、動作512においてレチクルは修理されるかまたは廃棄され得、検査は終わる。
【0050】
概して、特徴地図は、レチクル検査中にリソグラフィ上顕著な特徴および欠陥を含む区域を定義およびそれに焦点を合わせるために具体的に使用されることが可能である。地図を使用して、検査中に細線または非印刷可能特徴として定義された区域を「減感」ささるために、命令を検査システムに提供することが可能である。例えば、細線のみ(例えば、SRAF)を含む区域は、主特徴(印刷可能または非細線特徴)を含む区域よりも、より低い感度で検査され得る。上に表示されたように、細線特徴地図の区域は、特徴の2つの型式間を区別する。全体では、本明細書中に記述される新規のプロセスおよび検査システムは、より効果的なレチクル検査プロセスを許可する。
【0051】
さらに別の実施形態では、方法は、幾何学特徴を縁、角、および線端等の1つ以上の幾何学特徴形式に分類するための帯域限定マスクパターンに基づいて幾何学地図を構築することも含み得る。さらに、リソグラフィ上顕著な欠陥を識別するプロセスは、異なる検出しきい値を幾何学地図の異なる幾何学特徴形式に適用することによって強化されることが可能である。
【0052】
一定の実施形態においては、検査はいくつかのトーンマスクにも適用される。そのようなマスクの一例は、三−トーンマスクであり、最も暗い領域(例えば、クロームまたは不透明領域)および石英または最も明るい領域を有し、グレースケール領域のパターンはこれら2つの間の暗さを有する。そのようなグレースケール領域は、いくつかの方法で(例えば、EPSM材料等を使用して)取得されることが可能である。このケースでは、マスクは別々に分析される2つの異なるマスクとして取り扱われる。例えば、三−トーンマスクは、上に記述された技法と同一の技法を使用して取り扱われることが可能である。しかしながら、三−トーンマスクは背景パターン(例えば、クロミウム)を有するマスクとして取り扱われることが可能であり、グレースケールパターン(例えば、EPSM材料)は前景として取り扱われる。像は、同一の等式およびプロセス動作を使用して上のように処理されることが可能である。第2の分析は、EPSM材料を背景パターンとして使用してマスク上で実施され、最も明るいパターン(例えば、石英)は前景として取り扱われる。整合は容易に発効されることが可能であり、それは、材料のそれぞれが実質的に異なる特性を有し、像を整合させるために使用されることが可能な異なるエッジ効果を呈するからである。マスクパターンは次に合計され、そして次にダイ対ダイまたはダイ対データベースの比較における参照と比較され、プロセスウィンドウにわたってウェハーパターンの正しさを検証し、リソグラフィ上顕著な欠陥を識別する。
システム例
【0053】
図6Aは、一定の実施形態に従ってマスクパターンを感光性マスクMからウェハーWへ転写するために使用されることが可能な、典型的リソグラフィシステム600の簡素化された略図表現である。そのようなシステムの例は、スキャナおよびステッパを含み、より具体的には、ASML、Veldhoven、Netherlandsから入手可能なPAS 5500システムである。概して、照明源603は光ビームを照明レンズ605を通してマスク面602に位置決めされた感光性マスクMへ向ける。照明レンズ605はその面602において開口数601を有する。開口数601の値は、感光性マスク上のどの欠陥がリソグラフィ上顕著な欠陥であり、またどれがそうではないかに関して影響力を有する。感光性マスクMを通過するビームの一部分は、撮像光学系653を透過、ウェハーWへ向けられ、パターン転写を開始するパターン化された光学信号を形成する。
【0054】
図6Bは、一定の実施形態に従い、撮像レンズ651aを有する検査システム650の略図を提供し、レチクル面652において比較的大きな開口数651bを有する。描かれた検査システム650は、例えば、強化された検査のために60〜200X倍率を提供するように設計された顕微鏡的拡大光学系653を含む。検査システムのレチクル面652における開口数651bは、しばしばリソグラフィシステム600のレチクル面602における開口数601よりかなり大きく、これは、試験検査像と実際の印刷像との間の違いに帰結する。これらの光学システム(600、650)のそれぞれは、生成された像内で異なる光学的効果を含み、これは本明細書中に記述される新規の検査技法において考慮され、補償される。
【0055】
本明細書中に記述される検査技法は、さまざまな特別に構成された検査システム上で実装され得、これは
図6Bにおいて略図的に図解されるもの等である。システム650は、レチクル面652内の感光性マスクM上へ照明光学系651を通って向けられる光ビームを生成する照明源660を含む。光源の例はレーザーまたはフィルタ付きランプを含む。1つの例では、源は193nmレーザーである。上に説明されたように、検査システム650は、レチクル面652において、対応するリソグラフィシステムのレチクル面開口数(例えば、
図6Aの要素601)より大きくあり得る開口数651bを有する。検査される感光性マスクMは、レチクル面652に配置され、源に露出される。
【0056】
マスクMからのパターン化された像は、拡大光学要素653の集まりを通って向けられ、これはパターン化された像をセンサ654上に投影する。好適なセンサは、電化結合デバイス(CCD)、CCDアレイ、時間遅延積算(TDI)センサ、TDIセンサアレイ、光電子増倍管(PMT)および他のセンサを含む。反射システムにおいては、光学要素は反射像を方向付けおよび捕獲する。
【0057】
センサ654によって捕獲された信号は、コンピュータシステム673または、より一般的には、信号処理デバイスによって、処理されることが可能であり、これは処理のためにアナログ信号をセンサ654からデジタル信号へ変換するように構成されたアナログ−デジタルコンバータを含み得る。コンピュータシステム673は、強度、位相および/または感知された光ビームの他の特性を分析するように構成され得る。コンピュータシステム673は、結果としての試験像および他の検査特性を表示するためのユーザインターフェース(例えば、コンピュータ画面上)を提供するように構成され得る(例えば、プログラミング命令で)。コンピュータシステム673は、また、変化する検出しきい値等のユーザ入力を提供するための1つ以上の入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、ジョイスティック)を含み得る。一定の実施形態においては、コンピュータシステム673は以下に詳述される検査技法を実行するように構成される。コンピュータシステム673は、入力/出力ポートに連結された1つ以上のプロセッサ、および適切なバスまたは他の通信機構を介して1つ以上のメモリを典型的に有する。
【0058】
そのような情報およびプログラム命令は特別に構成されたコンピュータシステム上で実装され得るので、そのようなシステムは、コンピュータ可読媒体上に記憶されることが可能な、本明細書中に記述されるさまざまな動作を実施するためのプログラム命令/コンピュータコードを含む。機械可読媒体の例は、それらに限定されないが、ハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、および磁気テープ等の磁気媒体、CD−ROMディスク等の光学媒体、光ディスク等の磁気光学媒体、および、読み取り専用メモリデバイス(ROM)およびランダムアクセスメモリ(RAM)等の、プログラム命令を記憶および実施するように特別に構成されたハードウエアデバイス、を含む。プログラム命令の例は、コンパイラ等によって生成される機械コードおよび、解釈プログラムを使用してコンピュータによって実行され得るより高いレベルのコードを含むファイルの両方を含む。
【0059】
一定の実施形態においては、感光性マスクを検査するためのシステムは、少なくとも1つのメモリ、および以下の動作を実施するように構成される少なくとも1つのプロセッサを含み、それらは、試験透過像および試験反射像を含むマスクの試験光強度像を生成すること、スポット像を構築すること、スポット像をマスク像に復元すること、線の細線化をすること、特徴地図を作成すること、および特徴地図を使用して試験光強度像を分析して感光性マスクの欠陥を識別すること、である。検査システムの一例は、Milpitas、CaliforniaのKLA−Tencorから入手可能な特別に構成されたTeraScan(商標)DUV検査システムを含む。
【0060】
先行する発明は理解の明確性の目的のためにいくらかの詳細によって記述されてきたが、一定の変更および修正は、付属の請求項の範囲内で実践され得ることは明白である。本発明のプロセス、システム、および装置を実装の多くの代替方法が存在することに注目されるべきである。したがって、本実施形態は図解的であって制限的ではないと考察されるべきであり、本発明は本明細書中に与えられた詳細には限定されない。