(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載された面実装型リアクトルでは、磁心109の中脚部110と外脚部111それぞれの端面が、同じ形状、面積で形成されている。そのため閉磁路構造であっても磁心109の組み合わせに位置ずれがあると、突合せ面の面積が小さくなってリアクトルのインダクタンス値の低下やばらつきを招き易い。また、中脚部110においては突合せ面がコイル101の内側に形成されるので、漏洩する磁束がコイル101と交鎖して渦電流損失が生じて発熱の増加を招いてしまう。外脚部111においては突合せ面が磁束に垂直となるため、そこから漏洩する磁束が回路基板に実装される他の部品へノイズとして影響する恐れがある。
【0008】
また、特許文献1に記載された面実装型リアクトルでは、中脚部110と外脚部111とそれらを繋ぐ連結部112で構成される複雑な磁心形状を有するため、磁心の成形に使用できる材料が限られたり、材料や成形圧力との関係で十分な磁気特性が得られにくいという問題もあった。
【0009】
そこで本発明は、複数の部材で構成される磁心を組み合わせる際に、部材間の位置ずれによる影響を大幅に低減可能な磁気シールド構造を有し、しかも磁心を構成する各部材が成形し易い形状となる面実装型リアクトル及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の面実装型リアクトルは、コイルと、前記コイルが配置される軸部と、前記軸部の両端側に鍔部とを備えた第1磁心部と、前記コイルの外側に配置され、前記第1磁心部の鍔部間を連結する第2磁心部と、前記コイルの外側に配置される樹脂台部とを備え、前記第2磁心部が前記コイルの外側の方向に分割可能な複数の部材で構成され、前記第2磁心部と前記樹脂台部とで前記コイルの外周を囲い、前記コイルの端部が樹脂台部の外側に配置されている面実装型リアクトルである。
【0011】
本発明において、前記コイルが平角導線で構成されたエッジワイズコイルであり、前記樹脂台部の孔部から延出したコイルの端部を実装端子とすることが好ましい。このとき、前記実装端子は、前記樹脂台部から延出したコイルの両側の前記端部を、延出した部分から前記コイルの巻軸方向に前記樹脂台部の外方又は内方に向かって、それぞれ逆向きに屈曲した部分で形成することが好ましい。また、前記実装端子が設けられた面内において、2つの実装端子が180度の回転対称の位置にあることが好ましい。
【0012】
本発明の面実装型リアクトルは6面体構造を有し、前記第1磁心部の鍔部が前記6面体構造の対向する2面を構成し、前記第2磁心部が他の3面を構成し、前記樹脂台部が、前記第1磁心部の鍔部の間にあって前記コイルの他の側面を覆い、残りの1面を構成することが好ましい。
【0013】
また、前記樹脂台部が、前記コイルの巻軸方向に、前記コイルを挟むように位置する一対の壁部と、前記壁部よりも外方に設けられた磁心配置部と、前記壁部間に設けられたコイル配置部とを備えることが好ましい。このとき、前記樹脂台部の磁心配置部に、コイルの巻軸方向の端面側に開口する開口部を備え、前記コイルの端部の先端を前記開口部に収めることが好ましい。
【0014】
前記第1磁心部は軸部となる部材と鍔部となる部材で構成され、前記鍔部となる部材には前記軸部となる部材の端部を収める窪み部を備えることが好ましい。
【0015】
前記第1磁心部と前記第2磁心部で画定された空間に樹脂で前記コイルを封止することが好ましい。
【0016】
前記第1磁心部の鍔部の周面が、前記コイルと面する前記第2磁心部の内面と当接する
特に本発明では、前記第1磁心部の鍔部が、平行な二辺とこれらに連続する他の辺とを外周部に有する板状体であり、前記第2磁心部を構成する部材の一方は、前記コイルの巻軸方向と直交する断面において、前記二辺の一方に沿う直線部と、他の辺に沿う屈曲部とを内面に有し、前記部材の他方は、同断面において前記二辺の他方に沿う直線部と、前記他の辺に沿う屈曲部とを内面に有し、前記一方の部材と前記他方の部材を組み合わせて前記第2磁心部を構成することが好ましい。このとき、前記第2磁心部の部材間を繋ぐシール部材を備えることが好ましい。
【0017】
また、第1磁心部と第2磁心部とを樹脂台部に固定するカバー部材を備えることが好ましい。
【0018】
本発明では、前記第1磁心部が金属磁性材料を用いた圧粉磁心で形成され、前記第2磁心部がフェライト材を用いたフェライト磁心で形成されることが好ましい。
【0019】
一方、本発明の面実装型リアクトルの製造方法は、コイルと、前記コイルが配置される軸部と、前記軸部の両端側に鍔部とを備えた第1磁心部と、前記コイルの外側に配置され、前記第1磁心部の鍔部間を連結する第2磁心部と、前記コイルの外側に配置される樹脂台部とを備え、前記第2磁心部が前記コイルの外側の方向に分割可能な複数の部材で構成され、前記第2磁心部と前記樹脂台部とで前記コイルの外周を囲い、前記コイルの端部が樹脂台部の外側に配置されている面実装型リアクトルの製造方法であって、前記コイルが配置された軸部と、平行な二辺とこれらに連続する他の辺とを外周部に有する板状体の鍔部とを備えた第1磁心部と、前記第2磁心部を構成する部材として、前記コイルの巻軸方向と直交する断面において、前記二辺の一方に沿う直線部と、他の辺に沿う屈曲部とを内面に有する一方の部材と、同断面において前記二辺の他方に沿う直線部と、前記他の辺に沿う屈曲部とを内面に有する他方の部材と、を用いて、前記第1磁心部の鍔部の周面が、前記コイルと面する前記第2磁心部の内面と当接するように、前記一方と他方の部材を組み合わせる第1工程を備えた面実装型リアクトルの製造方法である。
【0020】
本発明においては、前記第1工程の後に、前記コイルの端部を前記樹脂台部に設けられた孔部を通す第2工程を有することが好ましい。また、前記第2工程の後に、前記樹脂台部から延出したコイルの両側の前記端部を、延出した部分から前記コイルの巻軸方向に前記樹脂台部の外方又は内方に向かって、それぞれ逆向きに屈曲して、前記実装端子を形成する第3工程を有することが好ましい。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、軸部とその両端側に鍔部とを備えた第1磁心部と、その鍔部間を連結する第2磁心部とを別体で構成し、しかも第2磁心部がコイルの外側の方向に分割可能な複数の部材で構成されるため、磁心を構成する各部材が成形し易い形状となる。また、軸部が中間に分割構造を有さず、鍔部の位置ずれがあっても突合せ面の面積が減少することがないため、位置ずれによるインダクタンス値の低下やばらつきを抑制できる。更に、第2磁心部が外側の方向に分割可能な部材で構成されるため、突き合わせ面が磁束の方向に垂直にならないため、部材間の位置ずれによる影響が低減できる。
【0022】
その結果、複数の部材で構成される磁心を組み合わせる際に、部材間の位置ずれによる影響を大幅に低減可能な磁気シールド構造を有し、しかも磁心を構成する各部材が成形し易い形状となる面実装型リアクトル及びその製造方法を提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明の一実施形態に係る面実装型リアクトルの斜視図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る面実装型リアクトルの正面図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係る面実装型リアクトルの側面図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係る面実装型リアクトルの下面図である。
【
図5】本発明の一実施形態に係る面実装型リアクトルの分解斜視図である。
【
図6】本発明の他の実施形態に係る面実装型リアクトルの正面図である。
【
図7】本発明の他の実施形態に係る面実装型リアクトルの側面図である。
【
図8】本発明の他の実施形態に係る面実装型リアクトルの下面図である。
【
図9】本発明の一実施形態に係る面実装型リアクトルの組立てを説明するための図である。
【
図10】本発明の一実施形態に係る面実装型リアクトルの組立てを説明するための図である。
【
図11】本発明の他の実施形態に係る面実装型リアクトルの組立てを説明するための図である。
【
図12】本発明の一実施形態に係る面実装型リアクトルに用いる樹脂台部の斜視図である。
【
図13】本発明の一実施形態に係る面実装型リアクトルに用いる樹脂台部の正面図である。
【
図14】本発明の一実施形態に係る面実装型リアクトルに用いる樹脂台部の下面図である。
【
図15】本発明の一実施形態に係る面実装型リアクトルに用いる樹脂台部の
図12におけるA−A矢視断面図である。
【
図16】本発明の他の実施形態に係る面実装型リアクトルの正面図である。
【
図17】本発明の一実施形態(実施例1)に係る面実装型リアクトルの直流重畳特性を示す図である。
【
図18】本発明の他の実施形態に係る面実装型リアクトルの組立てを説明するための図である。
【
図19】本発明の他の実施形態に係る面実装型リアクトルの組立てを説明するための図である。
【
図20】本発明の他の実施形態に係る面実装型リアクトルの組立てを説明するための図である。
【
図21】本発明の他の実施形態に係る面実装型リアクトルの組立てを説明するための図である。
【
図22】本発明の他の実施形態に係る面実装型リアクトルの組立てを説明するための図である。
【
図23】本発明の他の実施形態に係る面実装型リアクトルの斜視図である。
【
図24】本発明の他の実施形態(実施例2)に係る面実装型リアクトルの直流重畳特性を示す図である。
【
図25】従来の面実装型リアクトルの構造を示す分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明するが、本発明はそれらに限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で追加及び変更が可能である。
図1は本発明の一実施形態に係る面実装型リアクトルの斜視図であり、
図2はその正面図であり、
図3はその側面図であり、
図4はその下面図であり、
図5はその分解図である。
【0025】
本発明の面実装型リアクトル1は、コイル60と、第1磁心部5と、第2磁心部10と、樹脂台部30とを備えた6面体構造で、6面の内の2面を第1磁心部5で構成し、3面を第2磁心部10の部材10a,10bで構成し、残りの1面をコイル60の巻軸に並行して設けられた樹脂台部30で構成して、そこに実装端子を設けて、限られた回路基板の領域に面実装可能な様にしている。そしてコイル60を第1磁心部5の鍔部5b,5c、第2磁心部10と樹脂台部30に囲まれた空間に収容して電気的絶縁性を確保している。つまり、本発明では、第2磁心部10と樹脂台部30とがコイル60の外側に配置され、第2磁心部10と樹脂台部30とでコイル60の外周を囲っている。
【0026】
第1磁心部5は、コイル60が配置される軸部5aと、前記軸部5aの両端側に前記コイル60を挟んで位置し、前記軸部5aの径方向にコイルの外径よりも拡張された角形状の外周部を有する鍔部5b,5cとを備える。軸部5aと鍔部5bと鍔部5cとは、全てが一体に成形されていてもよいが、コイル60の配置のし易さの観点から、鍔部5b,5cの少なくとも一方は、残りの部分とは別に成形されていることが好ましい。鍔部5b,5cが軸部5aの端部に設けられる場合、鍔部5b,5cは6面体構造の対向する2面を構成する。ここで角形状とは、例えば4辺の平坦な側面部と、角部に位置する円弧形状のコーナー部とを連続的に結合した4角形状である。つまり、本発明では、第1磁心部5の鍔部5b,5cが、平行な二辺とこれらに連続する他の辺とを外周部に有する板状体であることが好ましい。但し、第2磁心部10との連結を阻害しない形状であれば、側面部の一部が凹んだり、突き出すなど、単純な4角形状から変形した形状も含まれる。
【0027】
第2磁心部10は、コイル60を囲むように第1磁心部5の鍔部5b,5cの間を連結して角形状の外周部の3側面を覆って、6面体構造の対向する前記2面間の3面を構成する。第2磁心部10の形態は、例えば、
図1においてY方向(コイル60の巻軸方向に対する直交方向)の断面形状がアルファベットのU字状である。断面形状がL字状の部材を組み合わせてU字状として構成しても良い。第2磁心部10は第1磁心部5の鍔部5b,5cの外周部と当接して閉磁路を形成する。第2磁心部10のコイル60側に現われる面が第1磁心部5の鍔部5b,5cの外周部との当接面となるので、第1磁心部5の鍔部5b,5cの外周部の厚みや長さによって当接面の面積を設定するのが容易である。コイル60が配置される第1磁心部5の軸部5の断面積よりも前記当接面の面積を大きくすれば、組み合わせの位置ずれによって当接面の面積が減少しても、インダクタンス値の低下を抑えることが出来る。また、第2磁心部10のX方向の長さは第1磁心部5のX方向の長さと同じで良いが、それよりも長くすればX方向の位置ずれがあっても突合せ面の面積が減少することが無い。
【0028】
また図示した実施態様では、第2磁心部10を2つのL字状の部材10a,10bで構成し、第1磁心部5をY方向に挟んで組み合わせている。つまり、本発明では、第2磁心部10がコイル60の外側の方向に分割可能な複数の部材10a,10bで構成されている。L字状の部材10a,10bをそれぞれ第1磁心部5の鍔部5b,5cの外周部の平坦な2側面と当接させ、前記2側面の内の1側面を2つのL字状の部材10a,10bに共通の当接面として、第2磁心部10を第1磁心部5の鍔部5b,5cの3側面と接触させる。L字状の部材10a,10bで構成すれば、第1磁心部5の鍔部5b,5cとの組み合わせが容易となる。
【0029】
つまり、本実施形態では、第1磁心部5の鍔部5b,5cが、平行な二辺とこれらに連続する他の辺とを外周部に有する板状体であり、第2磁心部10を構成する一方の部材10aは、コイル60の巻軸方向と直交する断面において、前記二辺の一方に沿う直線部と、他の辺に沿う屈曲部とを内面に有し、他方の部材10bは、同断面において前記二辺の他方に沿う直線部と、前記他の辺に沿う屈曲部とを内面に有し、前記一方の部材10aと前記他方の部材10bを組み合わせて第2磁心部10を構成している。
【0030】
このような構成によると、予め、部材10aと部材10bを組み合わせて第2磁心部10とした状態で、第1磁心部5を容易に挿入することができ、その鍔部5b,5cの外周部と第2磁心部10の内面とを精度良く密着させることができる。
【0031】
第1磁心部5や第2磁心部10には、金属磁性材料、ソフトフェライト等の磁性材料が用いられる。リアクトルに用いる磁心の小型化には、飽和磁束密度が大きい金属磁性材料粉末を絶縁樹脂で結着した圧粉磁心を用いるのが有利である。しかしながら、ソフトフェライトを使用した磁心と比べて磁心損失が大きく透磁率が小さい。また、成形に高圧が必要で金型の破損等の問題から複雑な磁心形状とするのが難しく、低圧で成形すると密度が上がらず透磁率が一層低下する。要求されるインダクタンス値を得るにはコイルの巻回数を増さざるを得ず、結果、磁心を小型化してもリアクトルの小型化に結びつかない場合がある。
【0032】
他方、ソフトフェライトは飽和磁束密度が小さく、金属磁性材料と比べてキュリー温度が低くて、温度が高くなるに従って飽和磁束密度が低下するため、磁路断面積を大きくして磁気飽和を防ぐように設計せざるを得ず、自ずと磁心の形状が大きくなり易い。そのため面実装型リアクトル1を小型にするには、コイル60が配置され磁束が集中する第1磁心部5に飽和磁束密度が大きい金属磁性材料を用いた圧粉磁心を採用し、第2磁心部10には透磁率が高く、低磁心損失であるソフトフェライトを用いたフェライト磁心を採用するのが好ましい。
【0033】
樹脂台部30は、その外周縁よりも内側の領域に、コイル60を挟むように位置する一対の壁部32を備え、前記壁部32の間にはコイル60の端部を通す孔部45が形成され、図示した前記壁部32よりも外側には、第1磁心部5の鍔部5b,5cの位置を決める窪み部36が形成されている。つまり、本実施形態では、樹脂台部30が、コイル60の巻軸方向に、コイル60を挟むように位置する一対の壁部32と、壁部32よりも外方に設けられた磁心配置部(窪み部36)と、壁部32間に設けられたコイル配置部とを備えている。第1磁心部5の鍔部5b,5cが樹脂台部30の窪み部36で位置決めされ、そこに重ねて第2磁心部10が配置される。樹脂台部30を基準に第1磁心部5の鍔部5b,5cと第2磁心部10を正確に組み合わせることが出来るので、位置ずれによるインダクタンスの低下や、ばらつきを減じることが出来る。
【0034】
L字状の部材10a,10bを組み合わせて第2磁心部10とした面実装型リアクトル1は、その上面側で第2磁心部10が分割された状態となっていて、筋状の間隙50がコイルの巻軸方向(X方向)に形成される。面実装型リアクトル1を面実装する際にその上面を吸着する場合があり、空気漏れを防ぐように、間隙50の少なくとも一部を閉じるシール部材100を貼付したり、
図16に示すようなキャップ状のカバー部材120で覆うのが好ましい。カバー部材120は、ばね性を有するものであれば材質を問わないが、実装端子40と近接するので絶縁性であるのが好ましい。前記カバー部材120は面実装型リアクトル1の上方から各側面に延出される延長部を有し、第1磁心部5の鍔部5b,5c、第2磁心部10、樹脂台部30を挟持するのが好ましい。カバー部材120は樹脂台部30に接着固定しても良いし、延長部の端部に爪部を設けて樹脂部材30に形成した段差部等に係合させて固定しても良い。この様な構成によれば、面実装型リアクトル1を構成する複数の部材がカバー部材120により保持されて、外力によって容易に分離脱落することが無い。
【0035】
樹脂台部30の一対の壁部32の間に配置されたコイル60の端部65は、樹脂台部30に設けられた孔部45から下面側に通され、下面に沿って側面側に延設し、側面に屈曲して実装端子40aとなる。つまり、本実施形態では、樹脂台部30から延出したコイル60の両側の端部65を、延出した部分からコイル60の巻軸方向に樹脂台部30の外方に向かって、それぞれ逆向きに屈曲して、実装端子40aを形成しており、コイル60の端部65が樹脂台部30の外側に配置されている。2つの実装端子40aを、樹脂台部30の中心に対して180度の回転対称位置に設けることで、実装においてその方向性を考慮する必要がなく、方向出しのための工数を低減することが出来る。樹脂台部30の下面には回路基板との固定用の実装端子40bが設けられている。回路基板に実装端子40aとともに半田付けすることで、固着強度を向上させることが出来る。
【0036】
実装端子の他の構成例を説明する。
図6は面実装型リアクトルの他の実施態様を示す正面図であり、
図7はその側面図であり、
図8はその下面図であって、実装端子40をピン状に形成した例を示している。図示した例ではコイル60の端部65を折り曲げないで実装端子40aとし、更に回路基板との固定用の実装端子40bもピン状となっている。回路基板に設けたスルーホールに実装端子40(40a、40b)を通してはんだ付け固定すれば、固着強度を一層向上させることが出来る。
【0037】
以下、面実装型リアクトルを構成する部材について説明し、それ等を用いた面実装型リアクトルの組立てについて説明する。なお説明が重複する部分は省略する場合がある。
図9及び
図10は本発明の一実施形態に係る面実装型リアクトルの組立てを説明するための図であり、
図11は本発明の他の実施形態に係る面実装型リアクトルの組立てを説明するための図である。
図12は本発明の一実施形態に係る面実装型リアクトルに用いる樹脂台部の斜視図であり、
図13はその正面図であり、
図14はその下面図であり、
図15は
図12のA−A矢視断面図である。
【0038】
(第1磁心部)
第1磁心部5は軸部5aとその両端側に位置する角型の鍔部5b,5cとを備える。
図9や
図10に示した例では円柱状の軸部5aと、角形状で板状の鍔部5b,5cとをそれぞれ別の部材として3つの部材で構成している。この様な構成によれば、各部材が単純な形状なので金属磁性材料を使用して圧粉磁心とするのが容易となる。他の態様として、
図11に示すように軸部5aと鍔部5cとが一体で、Y方向に垂直に切断して現れるXZ断面がアルファベットのT字状の部材を用いて構成しても良い。
【0039】
第1磁心部に供される圧粉磁心は、例えば表面に絶縁被膜が形成された金属磁性材料とシリコーン樹脂等とを混合し、圧縮成形した後、残留応力を除くためのアニール熱処理を施すことによって製造される。金属磁性材料としてFe基非晶質合金薄帯、Fe基ナノ結晶合金薄帯、純Fe、あるいはFe−Si系合金、Fe−Ni系合金、Fe−Al系合金、Fe−Co系合金、Fe−Cr系合金、Fe−Si−M系合金(MはCr又はAl)等のFe基軟磁性材料粉末を使うことが出来る。好ましくは、23℃において、金属磁性材料の飽和磁束密度Bsが800mT以上であって、それを圧粉磁心とした場合の初透磁率μiが周波数100kHzで40以上、磁心損失が周波数20kHz、最大磁束密度150mTで250kW/m
3以下である。
【0040】
(第2磁心部)
第2磁心部10は2つの断面L字状の部材10a,10bで構成される。図示したL字状の部材10a,10bを、第1磁心部5と同様に金属磁性材料を用いた圧粉磁心としても良いが、前述の理由にてソフトフェライト材料を用い、その中でも飽和磁束密度Bsが大きいMn系のフェライト材料を用いるのが好ましい。面実装型リアクタンスはコイルの発熱や使用される環境において100℃を超える環境に晒される場合がある。ソフトフェライト材料は金属磁性材料と比べてキュリー温度が低く飽和磁束密度の温度依存性が大きい。そのため、Mn系のフェライト材料の中でも、磁気特性の一つである磁心損失が最小値を示す温度が100℃以上にあって、130℃における飽和磁束密度が380mT以上のソフトフェライト材料を使うのが面実装型リアクトルの小型化、高温環境下での熱暴走を防ぐ点で望ましい。好ましくは、23℃において、飽和磁束密度が500mT以上であって、初透磁率が周波数100kHzで1500以上、磁心損失が周波数100kHz、最大磁束密度200mTで800kW/m
3以下であり、130℃における飽和磁束密度が400mT以上である。
【0041】
(コイル)
コイル60は、導線(例えば、銅線にポリアミドイミドを被覆したエナメル線)を巻回してコイル60を構成する。コイル60を形成する導線は円形状、長方形状等の種々の断面形状のものを用いることができるが、幅と厚さの比が5以上の長方形状断面の導線(平角線)を用いればコイルの占積率を高めることができる。図示した例では平角線をエッジワイズ巻きにしたエッジワイズコイルを用いている。コイル60の巻数は、要求されるインダクタンス値に基づいて適宜設定され、また線径も通電される電流により適宜選択される。
【0042】
(樹脂台部)
樹脂台部30の実施形態を
図12〜
図15に示す。樹脂台部30の材質は絶縁性能を満足すれば特に限定するものではないが、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、液晶ポリマー等の樹脂であって、射出成形等の公知の成形法にて得ることができる。絶縁性能として絶縁破壊電圧が3kV/mm以上が好ましく、更に10kV/mm以上であるのが望ましい。
【0043】
樹脂台部30の下面には実装端子40bがインサート成形によって設けられている。実装端子40bは、コイル60の端部65によって形成される実装端子40aよりも大きな面積で形成されていて、回路基板との接続強度を増している。また、樹脂台部30の側面に段差部38が設けられており、そこに実装端子40bの一部が現れていて、回路基板との半田接続時のフィレット形成の確認を容易にしている。
【0044】
樹脂台部30の板状の壁部32には、第1磁心部5の軸部5aが通る開口部35が形成されている。開口部35は第1磁心部5の軸部5aを挿通可能な大きさに形成されていて、軸部5aの両端部を支持する。壁部32に挟まれた領域39のコイル60の下部と対向する部分37は、コイル60との干渉を防ぐように円弧状に窪んで形成されている。樹脂台部30の一部を窪ませて形成することで、樹脂台部30の強度を確保しながら面実装型リアクトルの高さを低く形成することが出来る。
【0045】
(面実装型リアクトルの組立て)
本実施形態の面実装型リアクトルは例えば以下の工程を経て製造することが出来る。
図9、
図10を基に説明する。
【0046】
図9に示すように、樹脂台部30の一対の壁部32の間の領域39にコイル60を配置する。コイル60はその空芯部の中心が、壁部32に設けられた開口部35の中心と略一致するように配置される。コイル60の延長部を樹脂台部30に設けられた孔部45に通して、樹脂台部30の下面側に延出させる。コイル60はその側面を樹脂台部30の領域37等の部位で接着するのが好ましい。
【0047】
次に、開口部35と略同心に組み合わされたコイル60の空芯部に第1磁心部5の軸部5aを挿通する。コイル60をその巻回軸方向から挟むように、樹脂台部30の窪み部36に第1磁心部5の鍔部5b,5cを配置し軸部5aの両端と接着する。更に第1磁心部5の鍔部5b,5cの外周部と第2磁心部のL字状の部材10a,10bとを接着固定し、第1磁心部5、第2磁心部10、コイル60、樹脂台部30を一体化する。樹脂台部30の下面に現れているコイル60の端部65を下面に沿って屈曲し、更に側面側に延設させ、樹脂台部30の側面に沿って折り返し、不要な部分を切断して実装端子40aとして面実装型リアクトル1が完成する。
【0048】
(面実装型リアクトルの他の実施形態)
図18〜
図22は、本発明の他の実施形態に係る面実装型リアクトルの組立てを説明するための図であり、
図23は、この実施形態により得られる面実装型リアクトルの斜視図である。
【0049】
前述の実施形態では、樹脂台部30の一対の壁部32の間の領域39にコイル60を配置し、壁部32に設けた開口部35を通して、コイル60の空芯部に第1磁心部5の軸部5aを挿通してある例を示したが、
図18に示すように、コイル60が軸部5aに配置され、次に鍔部5b,5cが配置された第1磁心部5に対して、第2磁心部10を構成しコイル60の外側の方向に分割可能な複数の部材10a,10bを組み合わせることも可能である。
【0050】
その場合、コイル60が配置された軸部5aと、平行な二辺S1,S2とこれらに連続する他の辺S3とを外周部に有する板状体の鍔部5b,5cとを備えた第1磁心部5と、第2磁心部10を構成する部材として、コイル60の巻軸方向と直交する断面において、前記二辺の一方S1に沿う直線部L1と、他の辺S3に沿う屈曲部L2とを内面に有する一方の部材10aと、同断面において前記二辺の他方S2に沿う直線部L3と、前記他の辺S3に沿う屈曲部L4とを内面に有する他方の部材10bと、を用いることができる。その際、第1磁心部5を軸部5aとなる部材と鍔部5b,5cとなる部材とで構成し、鍔部5b,5cとなる部材には、軸部5aとなる部材の端部を収める窪み部5dを備えることが好ましい。
【0051】
このような一方の部材10aと他方の部材10bを用いて、第1磁心部5の鍔部5b,5cの周面が、コイル60と面する第2磁心部10の内面と当接するように、一方の部材10aと他方の部材10bを組み合わせる第1工程を実施する。この第1工程では、予め一方の部材10aと他方の部材10bとの突き合わせ面同士に接着剤等を塗布した状態で、保持台に保持しておき、両方の部材10a,10bの間に、コイル60を配置した第1磁心部5を挿入し、両方の部材10a,10bを外側から加圧して接着させることが好ましい。
【0052】
次いで、
図19に示すように、コイル60の端部65を通すための孔部45を有する樹脂台部30を用いて、コイル60の端部65を樹脂台部30に設けられた孔部45を通す第2工程を実施する。この工程に先立って、第1磁心部5と第2磁心部10で画定された空間に樹脂を導入してコイル60を封止することが好ましい。この樹脂としては、シリコーン系樹脂などの熱伝導性の高い樹脂が好ましく使用される。
【0053】
第2工程は、例えば挟持装置52の挟持板52aに、第2磁心部10の部材10a,10bを挟んで保持し、コイル60の端部65をチャック装置51で挟んで位置決めした後、樹脂台部30を下降させて、端部65を先端から孔部45に通す。その後、チャック装置51を取外してから、樹脂台部30を更に下降させて、両方の部材10a,10bの間に挿入する。
【0054】
樹脂台部30としては、コイル60の巻軸方向に、コイル60を挟むように位置する一対の壁部32を有するものを使用することができる。
【0055】
また、樹脂台部30を配置した後に、その内部に樹脂を導入してもよく、導入のための開口を樹脂台部30が有していてもよい。熱硬化性樹脂を用いる場合、樹脂台部30の内部に熱硬化性樹脂を導入した後には、加熱により熱硬化性樹脂を硬化させることが好ましい。
【0056】
次いで、
図20に示すように、樹脂台部30から延出したコイル60の両側の端部65を、延出した部分からコイル60の巻軸方向に樹脂台部30の内方(又は外方)に向かって、それぞれ逆向きに屈曲して、実装端子40aを形成する第3工程を実施する。この工程に先立って、コイル60の両側の端部65を適当な長さに切断することが好ましい。
【0057】
第3工程は、面実装型リアクトル1を固定した状態で、水平ロッド53を矢印の方向スライドさせることで実施できる。これにより、コイル60の両側の端部65が樹脂台部30の底面に沿って屈曲する。
【0058】
更に、この実施形態では、
図21〜
図23に示すように、コイル60の巻軸方向の端面側に開口する開口部46を備えた樹脂台部30を用いて、コイル60の端部65の先端65aを前記開口部46に収めた構造にしてもよい。その場合、第3工程の後に、コイル60の端部65の先端6が、樹脂台部30の底面から延長された位置になるように、端部65の長さを設定する。
【0059】
まず、
図21に示すように、面実装型リアクトル1を固定した状態で、垂直ロッド54を矢印の方向にスライドさせ、コイル60の端部65の先端65a付近を、樹脂台部30の側面に沿って屈曲させる工程を実施する。これにより、コイル60の両側の端部65の先端65aを、樹脂台部30の側面に設けられた開口部46の外側に位置させることができる。
【0060】
次いで、
図22に示すように、面実装型リアクトル1を固定した状態で、押し込みロッド55を矢印の方向にスライドさせ、コイル60の端部65の先端65a付近を、樹脂台部30の側面に設けられた開口部46の内側に屈曲させる工程を実施する。これにより、コイル60の両側の端部65の先端65aを、樹脂台部30の側面に設けられた開口部46の内側に位置させることができる。
【0061】
図23に示すように、樹脂台部30の開口部46には、凸状の係止部46aを設けることが好ましく、凸状の係止部46aは、開口部46の側壁において対向するように、両側に設けることが好ましい。その場合、両側の係止部46aは、その最狭部の間隔がコイル60の端部65の幅より狭く設定される。
【0062】
そうすると、端部65の先端65aを屈曲させる際、端部65が変形して凸状の係止部46aを乗り越えて、係止部46aに係止して、端部65の全体が固定される。
【実施例】
【0063】
(実施例1)
第1磁心部に金属磁性材料(Fe基アモルファス合金)を使用した圧粉磁心を用い、第2磁心部にMnZn系フェライトを使用したフェライト磁心を用いて面実装型リアクトル1を作製した。構成は
図1に示したものと同じなのでその説明を省略する。ポリエチレンテレフタレートで形成された樹脂台部を含めた外径寸法は、縦14mm、横13mm、高さ13mmであった。コイルには幅2mm、厚み0.2mmの平角導線を用いたエッジワイズコイルで9ターン巻回したものを用いた。
【0064】
第1磁心部5(軸部5a、鍔部5b,5c)の圧粉磁心にはFe基アモルファス合金(Metglas,Inc.製、2605SA1)のリボン粉砕粉を使用した。リボン粉砕粉にはTEOS (テトラエトキシシラン)処理によってシリコン酸化物被膜が形成されている。リボン粉砕粉とバインダとなるシリコーン樹脂との混合物を金型に充填して加圧成形し、得られた成形体をFe基アモルファス合金の結晶化温度よりも低い400℃で焼鈍して第1磁心部5の軸部5a、鍔部5b,5cを得た。第1磁心部の軸部5aの寸法は、外形φ5mm×長さ8mmで、鍔部5b,5cはぞれぞれ縦10mm×横10mm×厚み2mmで、隅部をRで2.2mm面取りされてある。
【0065】
同じリボン粉砕粉を使用した材料でて外径14mm、内径8mm、高さ5mmの環状の圧粉磁心を作製し、導線を30ターン巻回し、ヒューレット・パッカード社製LCRメータ 4284Aにより、周波数100kHzで23℃にて初透磁率を測定した。また、環状の圧粉磁心に対して一次側と二次側にそれぞれ導線を20ターン巻回し、B―Hアナライザー(岩通計測株式会社製SY−8232)により、最大磁束密度150mT、周波数20kHzの正弦波交流磁界を印加し、23℃にて磁心損失Pcvを測定した。その結果、初透磁率μiは50で、磁心損失は200kW/m
3であった。
【0066】
また第2磁心部10(L字状の部材10a,10b)にFe、Mn、Znを主成分とし、副成分としてSi、Ca、Co、Biを含むMnZn系フェライトを用いた。MnZn系フェライトの造粒粉を金型に充填して加圧成形し、得られた成形体を、酸素濃度を調整しながら1300℃で焼成して、L字状の部材10a,10bを得た。L字状の部材10a,10bの寸法は、長さ(
図1のX方向)12mmで、外側で縦(同Z方向)9.5mm×横(同Y方向)7mmであって、厚みがZ方向、Y方向で2mmであり、内側隅部は隅部をRで2mm面取りされ、外側隅部をRで2.8mm面取りされてある。
【0067】
同じMnZn系フェライトを使用して、外径25mm、内径15mm、高さ5mmの環状のフェライト磁心を作製し、導線を10ターン巻回し、ヒューレット・パッカード社製LCRメータ 4284Aにより、周波数100kHzで23℃にて初透磁率μiを測定した。また、環状のフェライト磁心に対して一次側と二次側とにそれぞれ5ターン巻回し、最大磁束密度200mT、周波数100kHzの正弦波交流磁界を印加し、23℃〜150℃における磁心損失を測定した。また、フェライト磁心に対して、一次側と二次側とに導線をそれぞれ40回巻回し、1.2kA/mの磁界を印加し、直流磁化測定試験装置(メトロン技研株式会社製SK−110型)を用いて130℃において飽和磁束密度を測定した。その結果、初透磁率μiは2000で、磁心損失は測定温度範囲では23℃で最も大きく700kW/m
3で、130℃で最も小さく400kW/m
3であった。また130℃での飽和磁束密度は400mTであった。
【0068】
樹脂台部30にはポリエチレンテレフタレートで射出成型されたものを使用した。樹脂台部30には、壁部32、コイル60の端部を通す孔部45、第1磁心部5の鍔部5b,5cの位置を決める窪み部36等が形成されている。第1磁心部5、第2磁心部10、コイル60、樹脂台部30を前述の手順で組立てて面実装型リアクトル1とした。コイル60を第1磁心部5、第2磁心部10、樹脂台部30で囲むことで、電気的絶縁を強化できた。また、樹脂台部30に形成した窪み部36を基準とし、第1磁心部5の鍔部5b,5c、更に第2磁心部10を2つのL字状の部材10a,10bを組み合わせることで、複数の部材で構成される磁心の組み合わせが容易で、部材間に位置ずれが生じるのを低減できた。
【0069】
LCRメータ4284Aを用いて、周波数50kHzで23℃、130℃、150℃にてインダクタンスLを測定し、面実装型リアクトルの直流重畳特性を評価した。その結果を
図17に示す。本実施例の面実装型リアクトルは、高温環境下(130℃、150℃)の直流重畳特性は23℃の状態と比べて、低重畳電流ではインダクタンスが高く、高重畳電流では低いものの、遜色ないレベルであった。
【0070】
(実施例2)
下記の材質、寸法、コイルを採用して、前述した他の実施形態(
図18〜
図22に示す工程)を実施して、
図23に示すような構造の面実装型リアクトル1を作製した。本実施例のリアクトルは、その直流重畳特性において初期インダクタンスが30μH以上、7A重畳時のインダクタンスが25μH以上となるように設計した。
【0071】
(材質)
第1磁心部5の鍔部5b,5cと、第2磁心部10は実施例1と同じにし、第1磁心部5の軸部5aにFeSiAl合金であるセンダスト(登録商標)又はFeNi合金であるハイフラックスを使用した。センダストは、Fe7.0Si8.5Al;飽和磁束密度Bs=1.1T、初透磁率μi=80であり、ハイフラックスは、Fe50Ni;飽和磁束密度Bs=1.5T、初透磁率μi=50である。
【0072】
(寸法)
第1磁心部5(軸部5a)は、φ5mm×7.5mmとし、第1磁心部5(鍔部5b,5c)は縦8mm×横10.5mm×厚み2mmで、隅部をRで1.2mm面取りし、第2磁心部10のL字状の部材10a,10bは、長さ12.5mm、外側で縦1.25mm×横7mmであって、厚みが2mmであり、内側隅部は隅部をRで1mm面取り、外側隅部をRで1.5mm面取りした。
【0073】
(コイル)
幅2mm、厚み0.2mmの平角導線を用いたエッジワイズコイルで25ターンを使用した。
【0074】
以上で得られた面実装型リアクトル1について、実施例1と同様にして測定(温度23℃)した直流重畳特性を
図24に示す。
【0075】
この結果が示すように、本実施例の面実装型リアクトルは、低重畳電流ではともにインダクタンスが高く、特に、ハイフラックスを使用した場合に、高重畳電流でもより高いインダクタンスを示した。