(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0008】
図1は、撮像装置2000の模式的な断面図である。撮像装置2000は、一眼レフレックスカメラである。撮像装置2000は、レンズユニット2010およびカメラ本体2020を備える。レンズユニット2010は、交換レンズである。レンズユニット2010は、カメラ本体2020に着脱可能である。
図1は、カメラ本体2020にレンズユニット2010が装着された状態を撮像装置2000として示す。
【0009】
カメラ本体2020は、ボディ側マウント2022と、カバー部2030と、ボディ部2040と、ミラーユニット2042と、シャッタユニット2023と、撮像ユニット2100と、処理ユニット基板2420と、表示ユニット2024と、表示ユニットカバー1610と、ファインダユニット2060と、ファインダ窓2064と、レンズ駆動ユニット2025と、焦点検出ユニット2026とを有する。レンズユニット2010は、ボディ側マウント2022に装着される。
【0010】
カバー部2030は、撮像装置2000の外観を提供する。カバー部2030は、前カバー2031と、上カバー2032と、後カバー2033とを有する。ボディ部2040と、ミラーユニット2042と、シャッタユニット2023と、撮像ユニット2100と、処理ユニット基板2420と、ファインダユニット2060と、レンズ駆動ユニット2025と、焦点検出ユニット2026とは、前カバー2031、上カバー2032および後カバー2033によって実質的に覆われる。
【0011】
撮像装置2000に係る構成を説明する場合に、レンズユニット2010の光軸Xに沿う方向をz軸方向と定める。すなわち、被写体光束が入射する方向をz軸方向と定める。被写体光束が入射する方向をz軸マイナス方向と定め、その反対方向をz軸プラス方向と定める。また、
図1に図示した方向にx軸方向およびy軸方向を定める。x軸、y軸、z軸は右手系の直交座標系である。また、z軸プラス方向を前方、前側等と呼ぶ場合がある。また、z軸マイナス方向を後方、後側等と呼ぶ場合がある。また、y軸プラス方向を上方、上側、上部等と呼ぶ場合がある。y軸プラス方向を下方、下側、下部等と呼ぶ場合がある。
【0012】
レンズユニット2010は、レンズ側マウント2012と、光学系2014とを有する。光学系2014は、レンズ群2015と、レンズ群2016とを含む。レンズ群2015およびレンズ群2016は、z軸マイナス方向に沿って、レンズ群2015、レンズ群2016の順で、光軸Xに沿って設けられる。レンズ側マウント2012は、光学系2014より後側に設けられる。レンズ側マウント2012は、カメラ本体2020の前面に配されたボディ側マウント2022と嵌合することにより、レンズユニット2010がカメラ本体2020に装着される。
【0013】
レンズ群2016は、光軸Xに沿って移動可能に設けられる。レンズ群2016が光軸Xに沿って移動することにより、光学系2014の焦点距離、合焦位置が変化する。レンズ群2016は、レンズ駆動ユニット2025の制御によって、光軸Xに沿って移動する。レンズユニット2010は、レンズ群2015およびレンズ群2016を通過した被写体光束を出射する。
【0014】
カメラ本体2020において、ボディ部2040の上方には、ファインダユニット2060が固定される。ファインダユニット2060は、フォーカシングスクリーン2061と、ペンタプリズム2062と、ファインダレンズ系2063と、測光ユニット2067とを有する。測光ユニット2067は、測光光学系2068と、測光センサ2069とを含む。
【0015】
ボディ部2040内には、ミラーユニット2042が設けられる、ミラーユニット2042は、メインミラー2043と、サブミラー2044とを含む。
【0016】
ミラーユニット2042は、レンズユニット2010が出射した被写体光束の光路中に進入した状態と、被写体光束の光路から退避した状態とをとる。
図2は、ミラーユニット2042が被写体光束の光路中に進入した状態を示す。具体的には、メインミラー2043は、レンズユニット2010が出射した被写体光束の光路中に進入した進入位置と、被写体光束の光路から退避した退避位置との間で、回転可能に軸支される。サブミラー2044は、メインミラー2043に対して回転可能に軸支される。サブミラー2044は、メインミラー2043とともに被写体光束中に進入し、メインミラー2043とともに被写体光束から退避する。
【0017】
メインミラー2043が進入位置にある場合、メインミラー2043に入射した被写体光束の一部は、メインミラー2043に反射されてフォーカシングスクリーン2061に導かれる。フォーカシングスクリーン2061は、撮像ユニット2100が有する撮像素子2130の撮像面と共役な位置に配されて、レンズユニット2010が有する光学系2014が形成した被写体像を可視化する。フォーカシングスクリーン2061に形成された被写体像の光束は、ペンタプリズム2062に導かれる。ペンタプリズム2062に導かれた光束の一部の光束は、ペンタプリズム2062およびファインダレンズ系2063を通じてファインダ窓2064から出射して、被写体として観察され得る。ファインダ窓2064は、後カバー2033に対して固定されている。
【0018】
メインミラー2043が進入位置にある場合、メインミラー2043に入射した被写体光束のうちメインミラー2043で反射した被写体光束以外の光束は、サブミラー2044に入射する。具体的には、メインミラー2043はハーフミラー領域を有し、メインミラー2043のハーフミラー領域を透過した被写体光束がサブミラー2044に入射する。ハーフミラー領域を透過しサブミラー2044で反射した被写体光束は、焦点検出ユニット2026に入射する。
【0019】
焦点検出ユニット2026は、入射した光束を検出して被写体に対する焦点状態を示す情報を出力する焦点検出センサ部2027を有する。焦点検出センサ部2027は、焦点状態の検出結果を処理ユニット基板2420へ出力する。焦点検出センサ部2027からの出力信号は、フレキシブルプリント基板を介して処理ユニット基板2420へ出力される。処理ユニット基板2420に設けられた処理回路は、焦点検出センサ部2027からの出力信号はhが示す焦点状態の検出結果に基づいて、焦点調節を行う。例えば、処理ユニット基板2420に設けられた処理回路は、焦点状態の検出結果に基づいてレンズ駆動ユニット2025を制御して、レンズ群2016を移動させる。
【0020】
ペンタプリズム2062に導かれた光束の一部の光束は、測光光学系2068を通じて測光センサ2069に入射する。測光センサ2069は、入射した光束を受光して、被写体の光量を検出する。測光センサ2069は、被写体の光量の検出結果を処理ユニット基板2420へ出力する。測光センサ2069からの出力信号は、フレキシブルプリント基板を介して処理ユニット基板2420へ出力される。処理ユニット基板2420に設けられた処理回路は、測光センサ2069からの出力信号が示す被写体の光量の検出結果に基づいて、露出調節を行う。例えば、処理ユニット基板2420に設けられた処理回路は、被写体の光量の検出結果に基づいて、レンズユニット2010の絞り、露出時間、撮像素子2130の感度の少なくとも一つを制御する。
【0021】
ミラーユニット2042が被写体光束から退避し、シャッタユニット2023の先幕および後幕が開状態となれば、レンズユニット2010を透過する被写体光束は、シャッタユニット2023の後方に配置された撮像ユニット2100に入射して、撮像素子2130の撮像面に到達する。
【0022】
撮像ユニット2100の後方には、処理ユニット基板2420、押さえ板1700、表示ユニット2024、表示ユニットカバー1610が順次配置される。押さえ板1700は、表示ユニット2024を後カバー2033に押さえ付けて、表示ユニット2024を後カバー2033に対して固定する。
【0023】
表示ユニット2024は、撮像素子2130からの出力信号から生成される画像を表示する。表示ユニット2024の表示面の画像は、カメラ本体2020の背面から、カバー部2030が有する開口2039および表示ユニットカバー1610を通じて表示される。表示ユニット2024には、液晶パネルを適用できる。表示ユニット2024は、液晶パネル、液晶パネルよりz軸プラス方向に位置するバックライトパネルを含んでよい。表示ユニット2024は、液晶パネルよりz軸マイナス方向に位置するタッチパネルを含んでよい。
【0024】
処理ユニット基板2420には、MPU、ASIC等の処理回路を含む電子回路が実装される。MPUは、撮像装置2000の全体の制御を担う。撮像素子2130からの出力信号は、撮像ユニット2100と処理ユニット基板2420とを接続するフレキシブルプリント基板を介して、ASICへ出力される。ASICは、撮像素子2130から出力された出力信号を処理する。
【0025】
ASICは、撮像素子2130からの出力信号に基づいて、表示用の画像データを生成する。表示ユニット2024は、ASICが生成した表示用の画像データに基づいて画像を表示する。ASICは、撮像素子2130からの出力信号に基づいて、記録用の画像データを生成する。カメラ本体2020には、後述する記録媒体1680が着脱可能に設けられる。ASICが生成した記録用の画像データは、カメラ本体2020に装着された記録媒体1680に記録される。
【0026】
前カバー2031、上カバー2032および後カバー2033は樹脂で形成される。前カバー2031、上カバー2032および後カバー2033は、導電性を有する樹脂で形成される。前カバー2031、上カバー2032および後カバー2033は、樹脂成形により形成される。ボディ側マウント2022は金属で形成される。ボディ側マウント2022は、環形状を有するマウントリングである。ボディ部2040は、樹脂で形成される。ボディ側マウント2022は、ボディ部2040の剛性より高い剛性を有する。
【0027】
カバー部2030において、前カバー2031は、ボディ側マウント2022の近傍においてボディ部2040に固定される。前カバー2031は、ボディ部2040においてボディ側マウント2022が締結された部位およびボディ側マウント2022の少なくとも一方に締結される。例えば、前カバー2031は、ボディ側マウント2022に締結されてよい。より具体的には、前カバー2031は、ボディ側マウント2022およびボディ部2040と共締めされる。前カバー2031は、ボディ側マウント2022とボディ部2040との間に挟まれた部分を有し、その部分がボディ側マウント2022およびボディ部2040と共締めされてよい。前カバー2031は、ボディ側マウント2022をボディ部2040に締結するビスにより、ボディ側マウント2022およびボディ部2040と共締めされてよい。
【0028】
カバー部2030はモノコック構造を有する。上カバー2032は、前カバー2031および後カバー2033と締結される。後カバー2033は、前カバー2031および上カバー2032と締結される。前カバー2031、上カバー2032および後カバー2033は、前カバー2031、上カバー2032および後カバー2033で形成されるカバー部2030がモノコック構造を有するように、それぞれ他のカバーと締結される。
【0029】
カバー部2030は、ボディ側マウント2022の近傍の部位で、ボディ部2040に締結されている。ボディ部2040は、他の部位では前カバー2031、上カバー2032および後カバー2033のいずれとも締結されていない。例えば、前カバー2031は、ボディ側マウント2022の近傍以外の部位では、ボディ部2040に締結されていない。また、前カバー2031は、ボディ側マウント2022を除いて、ボディ部2040と締結された他の部材に締結されていない。上カバー2032および後カバー2033は、ボディ部2040と締結されていない。上カバー2032および後カバー2033は、前カバー2031を除いて、ボディ部2040と締結された他の部材に締結されていない。したがって、カバー部2030は、ボディ側マウント2022の近傍の部位でのみ、ボディ部2040に締結されている。
【0030】
ボディ側マウント2022がボディ部2040と締結されることで、ボディ部2040においてボディ側マウント2022が締結された部位およびその近傍の部位の剛性が高まる。したがって、カバー部2030は、ボディ部2040において高い剛性を有する部位に締結される。
【0031】
また、カバー部2030はモノコック構造を有するので、前カバー2031、上カバー2032および後カバー2033のいずれかに加わった応力を、前カバー2031、上カバー2032および後カバー2033の全体で受け持つことができるとともに、前カバー2031、上カバー2032および後カバー2033のいずれかに加わった応力は、ボディ部2040においてボディ側マウント2022が固定されることによって剛性が高まった部位に集中的に伝達される。そのため、前カバー2031、上カバー2032および後カバー2033のいずれかに加わった応力がボディ部2040の他の部位に伝達される場合と比べて、その応力が撮像ユニット2100の位置決め精度に与える影響を軽減できる。
【0032】
なお、シャッタユニット2023は、フレキシブルプリント基板を介して処理ユニット基板2420に接続される。測光センサ2069の出力信号は、フレキシブルプリント基板を介して処理ユニット基板2420に接続される。撮像ユニット2100は、フレキシブルプリント基板を介して処理ユニット基板2420に接続される。同様に、シャッタユニット2023はフレキシブル基板を介して、処理ユニット基板2420に接続される。また、上カバー2032に設けられた操作部材は、フレキシブル基板を介して処理ユニット基板2420に接続される。したがって、例えば後カバー2033や上カバー2032に加わった応力が、処理ユニット基板2420およびフレキシブルプリント基板を介してボディ部2040に実質的に伝達されることはない。そのため、カバー部2030に加えられた応力が伝達される部位は、ボディ部2040においてボディ側マウント2022が固定された部位の近傍に限定される。
【0033】
図2は、前部ユニット1900の分解斜視図である。前部ユニット1900は、前カバー2031、上カバー2032およびボディ部組2050を有する。ボディ部組2050は、ボディ部2040と、ボディ側マウント2022と、撮像ユニット2100と、取付部材2150と、撮像ユニット側接地導体1800と、シャッタユニット2023と、焦点検出ユニット2026とを有する。
【0034】
ボディ側マウント2022、撮像ユニット2100、取付部材2150、撮像ユニット側接地導体1800、シャッタユニット2023、焦点検出ユニット2026は、ボディ部2040と直接または間接的に締結される。撮像ユニット2100は、ボディ部2040と締結される取付部材2150を介してボディ部2040に取り付けられている。取付部材2150は、剛性を有する材料で形成される。取付部材2150を形成する材料は金属であってよい。撮像ユニット2100は、取付部材2150を介してボディ部2040と間接的に締結されている。
【0035】
前部ユニット1900において、前カバー2031はボディ部2040に締結されている。上カバー2032は、前カバー2031に締結されている。上カバー2032は、
図3等に示す後カバー2033に締結される。
【0036】
図3は、後部ユニット1910の分解斜視図である。後部ユニット1910は、表示ユニットカバー1610、後カバー2033、表示ユニット2024、押さえ板1700、処理ユニット基板2420、および電源ユニット2500を有する。処理ユニット基板2420には、機器接続用コネクタ1691および記録媒体用コネクタ1692等の電子回路が設けられる。電源ユニット2500は、電源基板2520および電池ボックス2510を含む。後部ユニット1910を表示ユニット2024の中心部を通る線に沿って見た場合、処理ユニット基板2420、押さえ板1700、表示ユニット2024、表示ユニットカバー1610がz軸マイナス方向に順に配置される。
【0037】
表示ユニットカバー1610は、z軸マイナス方向から後カバー2033に取り付けられる。表示ユニット2024は、表示面である第2主面1622と、第2主面1622とは反対側の第1主面1621とを有する。表示ユニット2024は、押さえ板1700によってz軸プラス方向の位置から後カバー2033に押しつけられて固定される。押さえ板1700は、表示ユニット2024の第1主面1621から表示ユニット2024を後カバー2033に押さえ付けて、後カバー2033に対して表示ユニット2024を固定する。表示ユニット2024は、後カバー2033が有する表示ユニット支持部1650で支持された状態で、押さえ板1700に押しつけられる。表示ユニット2024の第2主面1622に表示された画像は、後カバー2033が有する開口2039を通じて外部に提示される。
【0038】
押さえ板1700は、後カバー2033にビスで締結される。表示ユニット2024は、後カバー2033に締結された押さえ板1700から加わるz軸マイナス方向の力によって、後カバー2033に押し付けられて後カバー2033に固定される。
【0039】
押さえ板1700は、金属で形成される。押さえ板1700を形成する材料は、銅であってよい。押さえ板1700は、表示ユニット2024を押さえ付ける部材として機能するだけでなく、撮像装置2000におけるフレームグランド導体の少なくとも一部として機能する。押さえ板1700の剛性は、後カバー2033の剛性より低い。例えば、押さえ板1700の曲げ弾性率は、後カバー2033の曲げ弾性率より低い。押さえ板1700の曲げ弾性率は、前カバー2031の曲げ弾性率より低い。押さえ板1700の曲げ弾性率は、上カバー2032の曲げ弾性率より低い。
【0040】
図4は、電源ユニット2500および押さえ板1700の分解斜視図である。
図4は、
図3が示す分解斜視図とは異なる向きから見た分解斜視図である。
図5は、電源ユニット2500および押さえ板1700が組み付けられた状態を示す斜視図である。
図5に示されるように、押さえ板1700には電源ユニット2500が取り付けられる。電源ユニット2500は、押さえ板1700が有する取付部1790に取り付けられる。
【0041】
電源基板2520は、電源基板2520を押さえ板1700に取り付けるための穴2531を有する。押さえ板1700は、電源基板2520を取り付けるための穴1731を取付部1790に有する。穴1731は、取付部1790における第1主面1791から第2主面1792まで貫通する穴である。電源基板2520は、電源基板2520が有する穴2531および取付部1790が有する穴1731にビスが挿入されて押さえ板1700と締結される。電源基板2520は、取付部1790の第2主面1792に接触した状態で、取付部1790に締結される。
【0042】
電源基板2520は、複数の電池接続端子2330が設けられた第1主面2521と、第1主面2521とは反対側の第2主面2522とを有する。電池ボックス2510には、電池が装着される。第2主面2522には、電池ボックス2510に装着される電池が持つ複数の端子に対応して、複数の電池接続端子2330が設けられる。電池ボックス2510に電池が装着された場合、複数の電池接続端子2330のそれぞれは、電池が有する対応する端子と接触する。
【0043】
電源基板2520は、電源基板2520の第2主面2522が取付部1790に接触して固定される。複数の電池接続端子2330のうち、電池ボックス2510に装着される電池が有する負極端子に接触する電池接続端子2330に、押さえ板1700が電気的に接続される。押さえ板1700は、電池の負極端子に接触する電池接続端子2330に接続された接地導体と接触する。当該接地導体は、電源回路の基準電位を提供する。押さえ板1700は、当該接地導体の異なる複数の位置で接地導体と接続される。押さえ板1700が電源基板2520の接地導体と電気的に接続されているので、押さえ板1700の電位は接地電位となる。押さえ板1700は、撮像装置2000におけるフレームグランド導体の少なくとも一部を提供する。
【0044】
上述したように、カバー部2030はモノコック構造を有している。撮像装置2000は、撮像装置2000全体の強度を提供する構造体をカバー部2030内に有しない。撮像装置2000は、金属製の構造体をカバー部2030内に有しない。撮像装置2000においては、押さえ板1700をフレームグランド導体として用いるので、フレームグランド専用の導体を設ける場合と比べて、部品点数を削減できる。また、押さえ板1700をフレームグランド導体として用いるので、撮像装置2000全体の強度を提供する構造体をフレームグランド導体として利用する場合と比較して、フレームグランド導体が占める空間を小さくすることができる。
【0045】
撮像装置2000において、電源基板2520は押さえ板1700の取付部1790に接触して締結される。電源基板2520は押さえ板1700に接触して設けられるので、電池の負極端子と押さえ板1700との間のインピーダンスを低減することができる。
図2に示されるように、取付部1790には開口1795が設けられている。電源基板2520の第2主面2522からは、電池接続端子2330のz軸マイナス方向側の先端部2331が突出している。電源基板2520を取付部1790に取り付けた場合に、先端部2331は開口1795に収容される。そのため、先端部2331が押さえ板1700に接触することを防ぐことができる。また、電源基板2520と取付部1790とを密接して締結することができる。また、電源基板2520と取付部1790とを短距離で接続することができる。そのため、電池の負極端子と押さえ板1700との間のインピーダンスをより低減することができる。
【0046】
図6は、電源基板2520、処理ユニット基板2420および押さえ板1700が接続された状態を示す。
図6では、機器接続用コネクタ1691、記録媒体用コネクタ1692および記録媒体1680は省略して図示されている。処理ユニット基板2420は、押さえ板1700と締結される。
【0047】
押さえ板1700は、平板部1710と、第1延伸部1720と、第2延伸部1730と、取付部1790とを有する。平板部1710は、第1主面1711と、第1主面1711とは反対側の第2主面1712とを有する。第1主面1711および第2主面1712は、xy平面に略平行な面である。第2主面1712は、表示ユニット2024をz軸マイナス方向に押さえ付ける面である。平板部1710は、xy平面において矩形の形状を有する。xy面内において、平板部1710の面積は表示ユニット2024の面積より大きい。
【0048】
処理ユニット基板2420は、処理ユニット基板2420を押さえ板1700に取り付けるための穴2432、穴2433および穴2434を有する。処理ユニット基板2420の穴2432、穴2433および穴2434は、処理ユニット基板2420の第1主面2421から第2主面2422まで貫通する穴である。押さえ板1700は、処理ユニット基板2420を取り付けるための穴1732、穴1733および穴1734を、平板部1710に有する。
【0049】
処理ユニット基板2420は、処理ユニット基板2420の穴2432および押さえ板1700の平板部1710の穴1732にビスが挿入されて押さえ板1700と締結される。また、処理ユニット基板2420は、処理ユニット基板2420の穴2433および押さえ板1700の平板部1710の穴1733にビスが挿入されて押さえ板1700と締結される。また、処理ユニット基板2420は、処理ユニット基板2420の穴2434および押さえ板1700の平板部1710の穴1734にビスが挿入されて押さえ板1700と締結される。
【0050】
第1延伸部1720は、第1主面1711よりz軸プラス方向に延伸する。第1延伸部1720は、平板部1710のy軸プラス方向の端部からz軸プラス方向に延伸する。第1延伸部1720は、xy平面に略平行な板形状を有する。第2延伸部1730は、第1主面1711よりz軸プラス方向に延伸する。第2延伸部1730は、平板部1710のy軸マイナス方向の端部からz軸プラス方向に延伸する。第2延伸部1730は、xy平面に略平行な板形状を有する。
【0051】
取付部1790は、第1延伸部1720のz軸プラス方向の端部から、y軸マイナス方向に延伸する。取付部1790は、z軸に略垂直な第1主面1791と、z軸に略垂直な第2主面1792とを有する。取付部1790は、xy平面に略平行な板形状を有する。z軸方向において、処理ユニット基板2420は、取付部1790の第1主面1791と、押さえ板1700の第1主面1711との間に設けられる。
【0052】
処理ユニット基板2420が押さえ板1700に締結された場合、押さえ板1700は、処理ユニット基板2420に設けられた接地導体と接触する。処理ユニット基板2420に設けられた接地導体は、複数点で押さえ板1700に電気的に接続される。処理ユニット基板2420に設けられた接地導体は、押さえ板1700に電気的に接続されて、処理ユニット基板2420におけるシグナルグランドを提供する。処理ユニット基板2420に設けられた接地導体は、処理ユニット基板2420に設けられたASIC、MPUならびに後述する機器接続用コネクタ1691および記録媒体用コネクタ1692等の電子回路におけるシグナルグランドを提供する。
【0053】
なお、第1延伸部1720には穴が設けられていない。また、平板部1710には、ビスを挿入するための穴以外に、穴部や開口を有しない。そのため、押さえ板1700において電源基板2520の接地導体と接触している部位と、押さえ板1700において処理ユニット基板2420の接地導体と接触している部位との間の電気経路の断面積を大きくすることができる。そのため、電源基板2520の接地導体と処理ユニット基板2420の接地導体とを低インピーダンスで電気的に接続することができる。また、電源基板2520の接地導体と処理ユニット基板2420の接地導体との間の電気経路において発生するノイズを低減することができる。
【0054】
主として
図3に示されるように、処理ユニット基板2420は、他の機器が接続される機器接続用コネクタ1691と、記録媒体用コネクタ1692とが設けられる。機器接続用コネクタ1691および記録媒体用コネクタ1692は、処理ユニット基板2420の第1主面2421に設けられる。上述したASIC、MPU等は、処理ユニット基板2420の第2主面2422に設けられる。
【0055】
処理ユニット基板2420に設けられたASICが生成した記録用の画像データは、記録媒体用コネクタ1692に装着された記録媒体1680に記録される。記録媒体1680としては、SDカード等の半導体メモリカードを例示することができる。処理ユニット基板2420に設けられたASICが生成した記録用の画像データや、記録媒体用コネクタ1692に装着されたメモリカードから読み出された画像データは、機器接続用コネクタ1691を介して他の機器に出力される。機器接続用コネクタ1691としては、USBコネクタ、HDMI(登録商標)コネクタ等を例示することができる。
【0056】
図7は、撮像ユニット2100、取付部材2150、電源基板2520および撮像ユニット側接地導体1800を示す斜視図である。
図8は、撮像ユニット2100、取付部材2150、処理ユニット基板2420、押さえ板1700および表示ユニット2024の断面図を示す。
図8は、yz面の切断面であり、
図7に示すA−A断面を示す。
【0057】
図8に示されるように、第1延伸部1720は、処理ユニット基板2420の第2主面2422より、z軸プラス方向の位置まで延伸している。第2延伸部1730は、処理ユニット基板2420の第2主面2422より、z軸プラス方向の位置まで延伸している。そのため、押さえ板1700は、処理ユニット基板2420をシールドする部材としても機能する。例えば押さえ板1700は、処理ユニット基板2420を電磁シールドする部材として機能する。
【0058】
処理ユニット基板2420の第2主面2422には、上述したASIC、MPU等の電子回路が設けられる。したがって、ASIC、MPU等の電子回路は、押さえ板1700によりシールドされる。処理ユニット基板2420に高周波信号を処理する電子回路や高周波の発振を伴うパターン等の回路を設ける場合は、これらの回路を処理ユニット基板2420の第2主面2422に設けることが好ましい。処理ユニット基板2420の第1主面2421には、高周波信号を処理する電子回路や高周波の発振を伴うパターン等の回路を設けないことがより好ましい。
【0059】
なお、第1延伸部1720および第2延伸部1730は、処理ユニット基板2420の第1主面2421よりz軸プラス方向の位置まで延伸していてもよい。第1延伸部1720および第2延伸部1730の一方だけが、処理ユニット基板2420の第1主面2421よりz軸プラス方向の位置まで延伸していてもよい。
【0060】
図9は、
図8のB部を拡大して示す断面図である。
図10は、撮像ユニット側接地導体1800、押さえ板1700および電源基板2520の位置関係を主として示す斜視図である。
【0061】
図8に主として示されるように、撮像ユニット2100は、第1基板2120と、第2基板2122と、撮像素子2130と、環囲部材2140と、カバーガラス2142と、光学素子2144と、マスクゴム2146と、押さえ板2148とを含む。
【0062】
撮像素子2130は、第1基板2120に実装される。第2基板2122は、第1基板2120よりz軸マイナス方向に位置している。第2基板2122は、第1基板2120に取り付けられる。撮像素子2130が出力した信号は、第1基板2120を介して第2基板2122に伝送され、第2基板2122からフレキシブルプリント基板を介して処理ユニット基板2420に伝送される。
【0063】
環囲部材2140は、第1基板2120に設けられ、撮像素子2130を環囲する。環囲部材2140のz軸プラス方向の上面には、カバーガラス2142が設けられる。撮像素子2130は、第1基板2120、環囲部材2140およびカバーガラス2142によって形成される閉空間内に設けられる。
【0064】
光学素子2144は、光学ローパスフィルタおよび赤外カットフィルタを含んでよい。光学素子2144に入射した被写体光束は、光学素子2144およびカバーガラス2142を通過して撮像素子2130に入射する。押さえ板2148は、取付部材2150に締結される。押さえ板2148は、マスクゴム2146を介して光学素子2144をz軸マイナス方向に押し付けて、光学素子2144をカバーガラス2142へ押さえ付ける。
【0065】
撮像ユニット側接地導体1800は、第2基板2122のz軸マイナス方向側の主面2128に沿って設けられる主部1810と、第1側壁部1821と、第2側壁部1822と、第3側壁部1823と、第4側壁部1824と、第5側壁部1825と、第6側壁部1826と、第7側壁部1827と、第8側壁部1828と、第9側壁部1829と、第1取付部1830と、第2取付部1840と、接地接続部1850とを有する。
【0066】
主部1810は、第2基板2122のz軸マイナス方向側の主面2128に沿う形状を有する。主面2128に電子回路が設けられている部分においては、主部1810は当該電子回路の外形に沿う形状を有する。主部1810は、主面2128に設けられた電子部品と主面2128とに沿う起伏形状を有する。第1側壁部1821、第2側壁部1822、第3側壁部1823および第9側壁部1829は、主部1810からz軸プラス方向に延伸し、xy平面に略平行な平板形状を有する。
【0067】
第1側壁部1821は、主部1810のy軸プラス方向の端部から、z軸プラス方向に延伸する。第2側壁部1822、第3側壁部1823および第9側壁部1829は、主部1810のy軸マイナス方向の端部から、z軸プラス方向に延伸する。第2側壁部1822は、第3側壁部1823よりx軸プラス方向に位置する。第3側壁部1823は、第9側壁部1829よりx軸プラス方向に位置する。第2側壁部1822は、第3側壁部1823よりy軸マイナス方向に位置する。第3側壁部1823は、第9側壁部1829よりy軸マイナス方向に位置する。第1側壁部1821および第2側壁部1822は、取付部材2150の近傍までz軸プラス方向に延伸している。
【0068】
第4側壁部1824、第5側壁部1825、第6側壁部1826、第7側壁部1827、第8側壁部1828および第9側壁部1829は、主部1810からz軸プラス方向に延伸する。第4側壁部1824、第5側壁部1825、第6側壁部1826、第7側壁部1827および第8側壁部1828は、yz平面に略平行な平板形状を有する。第1側壁部1821、第2側壁部1822、第3側壁部1823、第4側壁部1824、第5側壁部1825、第6側壁部1826、第7側壁部1827および第8側壁部1828によって、少なくとも第2基板2122が実質的に囲まれる。
【0069】
第1取付部1830は、第1側壁部1821のz軸プラス方向の端部からy軸プラス方向に延伸する。第1取付部1830は、xy平面に略平行な平板形状を有する。第1取付部1830は、撮像ユニット側接地導体1800を取付部材2150に取り付けるための穴1831および穴1832を有する。
【0070】
第2取付部1840は、第2側壁部1822のz軸プラス方向の端部からy軸マイナス方向に延伸する。第2取付部1840は、xy平面に略平行な平板形状を有する。第2取付部1840は、撮像ユニット側接地導体1800を取付部材2150に取り付けるための穴1841を有する。
【0071】
取付部材2150は、撮像ユニット側接地導体1800を取り付けるための穴1951および穴1952を有する。撮像ユニット側接地導体1800は、第1取付部1830が有する穴1831および取付部材2150が有する穴1951にビスが挿入されて取付部材2150と締結される。撮像ユニット側接地導体1800は、第1取付部1830が有する穴1832および取付部材2150が有する穴1952にビスが挿入されて取付部材2150と締結される。撮像ユニット側接地導体1800は、第2取付部1840が有する穴1841および取付部材2150が有する穴1953にビスが挿入されて、取付部材2150と締結される。
【0072】
接地接続部1850は、第2取付部1840のy軸マイナス方向の端部から、主としてz軸マイナス方向に延伸する。主として
図9に示されるように、接地接続部1850は、xz平面に略平行に延伸する第1延伸部1851および第2延伸部1852と、第1延伸部1851と第2延伸部1852との間の屈曲部1853と、押さえ板1700と接触するコネクタ部1860とを有する。
【0073】
コネクタ部1860は、押さえ板1700の第2延伸部1730のz軸プラス方向の縁部を挟んだ状態で押さえ板1700に支持される。撮像ユニット側接地導体1800は、コネクタ部1860において押さえ板1700と電気的に接続される。
【0074】
屈曲部1853は、応力吸収部の一例である。屈曲部1853は、応力に対して変形することにより応力を吸収する。屈曲部1853は、第1延伸部1851から伝達された応力を吸収して、第1延伸部1851から伝達された応力が第2延伸部1852に伝達されることを抑制する。屈曲部1853は、第2延伸部1852から伝達された応力を吸収して、第2延伸部1852から伝達された応力が第1延伸部1851に伝達されることを抑制する。
【0075】
後カバー2033に応力が加わった場合に、後カバー2033から押さえ板1700を介して撮像ユニット側接地導体1800のコネクタ部1860に伝達された応力は、屈曲部1853で吸収される。そのため、後カバー2033に加わった応力がボディ部組2050に伝達されることが抑制される。
【0076】
なお、屈曲部1853の形状は、図示した形状に限られない。屈曲部1853は、S字、U字等、種々の形状を有してよい。屈曲部1853で生じる撓み応力は低いことが好ましい。屈曲部1853は、応力に対して柔軟な屈曲性を有することが好ましい。
【0077】
本実施形態の撮像装置2000においては、処理ユニット基板2420が電源基板2520よりz軸マイナス方向に位置する。しかし、z軸方向において、処理ユニット基板2420が電源基板2520と同じ位置に配置されてよい。処理ユニット基板2420は、電源基板2520とxy面内で並んで配置されてよい。
【0078】
なお、測光センサ2069の出力信号は、シャッタユニット2023と処理ユニット基板2420とを接続するフレキシブルプリント基板を介して、処理ユニット基板2420に接続されてよい。また、焦点検出センサ部2027の出力信号は、シャッタユニット2023と処理ユニット基板2420とを接続するフレキシブルプリント基板を介して、処理ユニット基板2420に接続されてよい。このように、測光センサ2069および焦点検出センサ部2027と処理ユニット基板2420との間の接続は、シャッタユニット2023と処理ユニット基板2420とを接続するフレキシブルプリント基板に集約されてよい。
【0079】
ここで、シャッタユニット2023と処理ユニット基板2420とを接続するフレキシブルプリント基板は、撮像ユニット2100よりy軸プラス方向の位置を通って、処理ユニット基板2420に接続されてよい。同様に、撮像ユニット2100と処理ユニット基板2420とを接続するフレキシブルプリント基板は、y軸プラス方向の位置から処理ユニット基板2420に接続される。同様に、上カバー2032に設けられた操作部材と処理ユニット基板2420とを接続するフレキシブル基板は、y軸プラス方向の位置から処理ユニット基板2420に接続される。これにより前部ユニット1900に後部ユニット1910を組み付ける工程において、各フレキシブル基板を処理ユニット基板2420に接続する工程の作業性が高まる。なお、上カバー2032と処理ユニット基板2420とは、基板対基板コネクタ等のリジッドコネクタで接続してもよい。
【0080】
本実施形態においては、レンズユニットをするカメラ本体を取り上げて、撮像装置2000が有する構成を説明した。しかし、撮像装置とは、レンズユニットを有しないカメラ本体を含む概念である。また、撮像装置とは、レンズ交換式カメラの一例である一眼レフレックスカメラの他に、レンズ非交換式カメラ等、種々の態様のカメラを含む概念である。
【0081】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0082】
特許請求の範囲、明細書、及び図面中において示した装置、システム、プログラム、及び方法における動作、手順、ステップ、及び段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、及び図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。