(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、異なる照明幾何学形状又は照明設定を設定するときの柔軟性が高められるような冒頭に示したタイプの照明光学ユニットを開発することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明により、この目的は、リソグラフィマスクを配置することができる物体視野に照明光を案内するためのEUV投影リソグラフィのための照明光学ユニットであって、
少なくとも2つの傾斜位置の間で切り換えることができ、照明光部分ビームを前記物体視野に案内するための個々のミラー照明チャネルを与える多数の個々のミラーを含む第1のファセットミラーを有し、
前記照明光のビーム経路内で前記第1のファセットミラーの下流に配置され、かつ群ミラー照明チャネルを通じた前記物体視野内への該第1のファセットミラーの前記個々のミラーの群の結像にそれぞれ寄与する複数のファセットを有する第2のファセットミラーであって、該個々のミラー群の該像が、該物体視野内で互いの上に重ね合わされる前記第2のファセットミラーを有し、
前記個々のミラーの少なくとも一部が、該個々のミラーのそれぞれの前記傾斜位置に応じて少なくとも1つの専用群ミラー照明チャネルを通じて少なくとも1つの専用の第2のファセットにそれぞれ関連付けることができる前記個々のミラー群のうちの少なくとも2つの異なる群に属する、
ことを特徴とする照明光学ユニットによって達成することができる。
【0007】
本発明は、各個々のミラーが厳密に1つの個々のミラー群だけに関連付けられた特定の個々のミラー群への第1のファセットミラーの全ての個々のミラーの固定された割り当てを指示することから解放される。本発明による照明光学ユニットでは、個々のミラーの傾斜は、個々のミラー照明チャネルを通じて関連付けられた第2のファセットの間の変更をもたらすことができるだけではなく、少なくとも1つの群照明チャネルを通じて少なくとも1つの第2のファセットに関連付けられたそれぞれ1つの個々のミラー群への個々のミラーのグループ割り当てを変更することができる。個々のミラーの傾斜位置に応じて、1つの同じ個々のミラー群をそれぞれ1つの群照明チャネルを通じて異なる第2のファセットに関連付けることができる。個々のミラーの少なくとも一部が、少なくとも2つの異なる個々のミラー群に属することができることの結果として、専用群ミラー照明チャネルを通じて専用の第2のファセットにそれぞれ関連付けられた第1のファセットミラー内の所定の個数の個々のミラーの場合に、従来技術のグループ割り当ての場合に可能であったものよりも遥かに多数の個々のミラー群を形成することができる。従って、所定の個数の個々のミラーを有する第1のファセットミラーを用いて、それぞれの群ミラー照明チャネルを通じて遙かに多数の第2のファセットを照明することができる。それに応じて、原理的に第2のファセットミラーのファセットを通じて照明視野内に個々のミラー群を結像することによって得ることができる照明角度分布の個数及び従って利用可能な照明幾何学形状又は照明設定の個数の増加がある。それとは逆に、より少数の個々のミラーを有する第1のファセットミラーを用いて、所定の個数の必要とされる照明角度分布を得ることができる。第2のファセットミラーのファセットは、個々に又は照明光学ユニットのその後の構成要素と相互作用して、第1のファセットミラーのそれぞれの個々のミラー群を照明視野に結像することに寄与することができる。群ミラー照明チャネルは、第2のファセットミラーの関連付けられたファセットを通じての結像の結果として全体の照明視野を照明する上で互いに相補し合う個々のミラー群の全ての個々のミラー照明チャネルの総計である。個々のミラー群は、物体視野が配置されるか又は物体視野と一致する照明視野の原像であると考えることができる。これらの原像は、それぞれ実質的に同じアスペクト比を有する。個々のミラー群もまた、それぞれ実質的に同じアスペクト比を有する。それぞれの個々のミラー群を物体視野に結像するときに個々のミラーの傾斜位置に依存するビーム幾何学形状の変化の結果として発生するアスペクト比の差は、本明細書では考慮しないままに留める。照明視野の照明は、次に、照明視野内での原像の重ね合わせを構成し、原像は、いかなる場合にも物体視野内で一致する。異なる個々のミラー群は、同じ個々のミラーで構成されない個々のミラー群である。すなわち、異なる個々のミラー群の場合に、両方の個々のミラー群に同時に属さない少なくとも1つの個々のミラーが常に存在する。既に上述したように、1つの同じ個々のミラー群は、傾斜位置に依存して異なる第2のファセットに関連付けることができる。それぞれの個々のミラー群を形成するための個々のミラーの割り当て及びそれぞれの第2のファセットへのそれぞれの個々のミラー群の割り当ては、それぞれ形成される個々のミラー群に属する個々のミラーの対応する位置又はスイッチ位置を指定することによってもたらされる。
【0008】
第1のファセットミラーの個々のミラーのうちの
過半数が、専用群ミラー照明チャネルを通じて専用の第2のファセットにそれぞれ関連付けられた個々のミラー群のうちの少なくとも2つに属する割り当ては、特に高い照明柔軟性に導くものである。
【0009】
第1のファセットミラーの個々のミラーの少なくとも一部が、専用群ミラー照明チャネルを通じて専用の第2のファセットにそれぞれ関連付けられた個々のミラー群のうちのちょうど2つに属する割り当ては、それぞれの個々のミラーが、それぞれの群割り当てを達成するために過度に多くの異なる傾斜位置をとらなければならないことを回避する。対応する陳述は、第1のファセットミラーの個々のミラーのうちの
過半数が、専用群ミラー照明チャネルを通じて専用の第2のファセットにそれぞれ関連付けられた個々のミラー群のうちのちょうど2つに属する割り当てに適用される。
【0010】
第1のファセットミラーの個々のミラーのうちのいずれも、専用群ミラー照明チャネルを通じて専用の第2のファセットにそれぞれ関連付けられた個々のミラー群のうちの2つよりも多いものに属さない割り当てでは、専用群ミラー照明チャネルを通じて専用の第2のファセットにそれぞれ関連付けられた個々のミラー群のうちの最大で2つの重なりが存在する。これはまた、個々のミラーの傾斜調節の要件を程よい程度に保つことに寄与する。
【0011】
専用群ミラー照明チャネルを通じて専用の第2のファセットにそれぞれ関連付けられた2つの個々のミラー群が、2つの個々のミラー群の個々のミラーの全てのうちの20%と80%の間のものが両方の個々のミラー群に同時に属するように互いに重なる重なりは、実際の用途に適することが見出されている。特に、重なり領域は、個々のミラーの全体の行又は列を含むことができる。
【0012】
専用群ミラー照明チャネルを通じて専用の第2のファセットにそれぞれ関連付けられた3つの個々のミラー群が、3つの個々のミラー群のうちの第1の群が3つの個々のミラー群のうちの第2の群に重なり、かつ3つの個々のミラー群のうちの第2の群が3つの個々のミラー群のうちの第3の群に重なり、更に、3つの個々のミラー群のうちの第1の群と第3の群が互いに重なり合わないような互いに重なる割り当ても、個々のミラーの傾斜機能に対する要件を程よい程度に保つ。
【0013】
本発明による照明光学ユニットと物体視野を像視野に結像するための投影光学ユニットとを有する照明系の利点と、本発明による照明系を有し、EUV光源を有し、物体変位ドライブを用いて変位方向に沿って変位可能である物体視野内に物体を保持するための物体ホルダを有し、ウェーハ変位ドライブを用いて変位方向に沿って変位可能である像視野内にウェーハを保持するためのウェーハホルダを有する投影露光装置の利点と、感光材料の層が少なくとも部分的に塗布されたウェーハを与える段階と、結像される構造を有するレチクルを与える段階と、本発明による投影露光装置を与える段階と、投影露光装置の投影光学ユニットを用いてレチクルの少なくとも一部を層の領域上に投影する段階とを含む微細構造化又はナノ構造化構成要素を生成する方法の利点と、本方法によって生成される構成要素の利点とは、本発明による照明光学ユニットを参照して上述したものに対応する。個々のミラー群のうちの少なくとも2つが変位方向に沿って互いに重なる投影露光装置の場合に、実質的に1つの軸の回りに傾斜可能であるように設計された個々のミラーを使用することができる。原理的には、個々のミラー群のうちの少なくとも2つが変位方向に対して横断する方向に重なることも可能である。個々のミラー群のうちの少なくとも2つの変位方向に沿う及び横切る両方の同時重なりも可能である。
【0014】
本発明の例示的実施形態を図面に基づいて以下により詳細に説明する。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1は、マイクロリソグラフィのための投影露光装置1を子午断面に略示している。投影露光装置1は、放射線源2を含む。投影露光装置1の照明系3は、物体平面6の物体視野5と一致する照明視野を露光するための照明光学ユニット4を有する。照明視野は、物体視野5よりも大きいとすることができる。この場合に、露光されるものは、物体視野5に配置されて物体ホルダ又はレチクルホルダ8によって保持されたレチクル7の形態にある物体である。物体ホルダ8は、物体変位ドライブ9を用いて変位方向に沿って変位可能である。投影光学ユニット10は、物体視野5を像平面12の像視野11に結像するように機能する。レチクル7上の構造は、像平面12の像視野11の領域に配置されたウェーハ13の感光層上に結像される。ウェーハ13は、ウェーハホルダ14(同じく例示していない)によって保持される。ウェーハホルダ14もまた、ウェーハ変位ドライブ15を用いて物体ホルダ8と同期させて変位方向に沿って変位させることができる。
【0017】
放射線源2は、5nmと30nmの間の範囲の放出使用放射線を有するEUV放射線源である。この場合に、EUV放射線源は、プラズマ光源、例えば、GDPP光源(ガス放電生成プラズマ)又はLPP光源(レーザ生成プラズマ)を含むことができる。シンクロトロン又は自由電子レーザ(FEL)に基づく放射線源を放射線源2として使用することができる。一例として、当業者は、そのような放射線源に関する情報をUS 6,859,515 B2に見出すことができる。放射線源2によって放出されたEUV放射線16は、コレクター17によってフォーカスされる。対応するコレクターは、EP 1 225 481 Aから公知である。コレクター17の後に、EUV放射線16は、中間焦点面18を通って伝播し、その後に視野ファセットミラー19上に入射する。視野ファセットミラー19は、照明光学ユニット4の第1のファセットミラーである。視野ファセットミラー19は、
図1には例示していない多数の個々のミラーを有する。視野ファセットミラー19は、物体平面6に対して光学的に共役である照明光学ユニット4の平面に配置される。
【0018】
以下に続く本文では、EUV放射線16を照明光又は結像光とも表している。
【0019】
視野ファセットミラー19の後に、EUV放射線16は、瞳ファセットミラー20によって反射される。瞳ファセットミラー20は、照明光学ユニット4の第2のファセットミラーである。瞳ファセットミラー20は、中間焦点面18及び投影光学ユニット10の瞳平面に対して光学的に共役であるか又はこの瞳平面と一致する照明光学ユニット4の瞳平面に配置される。瞳ファセットミラー20は、
図1には例示してない複数の瞳ファセットを有する。瞳ファセットミラー20の瞳ファセットと、ビーム経路の順序で表記しているミラー22、23、及び24を有する伝達光学ユニット21の形態にある下流結像光学アセンブリとを用いて、下記で尚もより詳細に説明する視野ファセットミラー19の個々のミラー群24a(
図7を参照されたい)が物体視野5に結像される。伝達光学ユニット21の最後のミラー24は、かすめ入射ミラーである。
【0020】
位置関係の説明を簡単にするために、
図1には、物体平面6と像平面12の間にある投影露光装置1の構成要素の位置関係の説明のための広域座標系として直交xyz座標系を描示している。
図1では、x軸は、作図面と垂直に作図面に向けて延びている。y軸は、
図1の右に向けて物体ホルダ8及びウェーハホルダ14の変位方向と平行に延びている。
図1では、z軸は下向きに、すなわち、物体平面6及び像平面12と垂直に延びている。
【0021】
図2は、視野ファセットミラー19の設計の詳細を非常に概略的な図に示している。視野ファセットミラー19の全体の反射面25は、行と列に再分割され、個々のミラー26の格子が形成される。個々のミラー26の個々の反射面は平坦であり、湾曲していない。個々のミラー行27は、互いに直接隣り合って位置する複数の個々のミラー26を有する。1つの個々のミラー行27上には数十個から数百個の個々のミラー26を設けることができる。
図2に記載の例では、個々のミラー26は正方形である。可能な限り少ない間隙を有する反射面20の占有を可能にする他の形状の個々のミラーを使用することができる。そのような代替の個々のミラー形状は、モザイク細工の数学理論から公知である。この点に関しては、WO 2009/100 856 A1に指定されている引用文献を参照されたい。
【0022】
視野ファセットミラー19の実施形態に基づいて、個々のミラー列28も同じく複数の個々のミラー26を有する。一例として、個々のミラー列28毎に数十個から数百個の個々のミラー26が設けられる。
【0023】
位置関係の説明を簡単にするために、
図2には、ファセットミラー19の局所座標系として直交xyz座標系を描示している。ファセットミラー又はその区画を上面図に示すその後の図においても対応する局所xyz座標系を示している。
図2では、x軸は、右に向けて水平に個々のミラー行27と平行に延びている。
図2では、y軸は、上方に個々のミラー列28と平行に延びている。z軸は、
図2の作図面と垂直に作図面から飛び出すように延びている。
【0024】
図1に記載の広域座標系のy方向、すなわち、レチクル7及びウェーハ13の変位方向、すなわち、個々のミラーアレイの列方向は、互いに厳密に平行に延びる必要はなく、その代わりに例えば互いに対して小さい角度を取ることができる。
【0025】
視野ファセットミラー19の反射面25は、x方向にx
0という広がりを有する。y方向には、視野ファセットミラー19の反射面25はy
0という広がりを有する。
【0026】
視野ファセットミラー19の実施形態に基づいて、個々のミラー26は、例えば500μm×500μmから例えば2mm×2mmまでの領域内のx/y広がりを有する。個々のミラー26は、照明光16に対してフォーカス効果を有するように成形することができる。個々のミラー26のそのようなフォーカス効果は、照明光16による視野ファセットミラー19の発散照明が使用される場合は特に有利である。全体の視野ファセットミラー19は、実施形態に依存して例えば300mm×300mm又は600mm×600mmのx
0/y
0広がりを有する。個々のミラー群24a(
図7を参照されたい)は、一般的に25mm×4mm又は104mm×8mmのx/y広がりを有する。それぞれのミラー群24aのサイズとこれらの個々のミラー群24aを構成する個々のミラー26のサイズとの比に基づいて、個々のミラー群24aの各々は、適切な個数の個々のミラー26を有する。
【0027】
個々のミラー26の各々は、
図2に反射面25の左下手コーナに配置された2つの個々のミラー26に基づいて破線で示し、かつ
図3に個々のミラー行27の区画に基づいてより詳細に示すように、入射照明光16の個々の偏向の目的でそれぞれアクチュエータ29に接続される。アクチュエータ29は、個々のミラー26の反射側から離れる方向に向く個々のミラー26の各々の側に配置される。一例として、アクチュエータ29は、圧電アクチュエータとして構成することができる。そのようなアクチュエータの実施形態は、マイクロミラーアレイの設計から公知である。
【0028】
個々のミラー行27のアクチュエータ29は、それぞれ信号線30を通じて行信号バス31に接続される。1つの個々のミラー行27は、行信号バス31のそれぞれ1つに関連付けられる。個々のミラー行27の行信号バス31は、更に主信号バス32に接続される。主信号バス32は、視野ファセットミラー19の制御デバイス33への信号接続を有する。制御デバイス33は、特に線毎、すなわち、行毎又は列毎の個々のミラー26の作動に向けて構成される。個々のミラー行27及び個々のミラー列28の範囲での個々のミラー26の個々の作動も可能である。
【0029】
個々のミラー26の各々は、互いに対して垂直な2つの傾斜軸の回りに個々に独立して傾斜させることができ、これらの傾斜軸のうちの第1のものは、x軸と平行に延び、これらの2つの傾斜軸のうちの第2のものは、y軸と平行に延びる。2つの傾斜軸は、それぞれの個々のミラー26の個々の反射面内に位置する。
【0030】
更に、アクチュエータ29は、個々のミラー26をz方向に個々に変位させることも可能にする。従って、個々のミラー26は、反射面25に対する法線に沿って互いに分離して作動可能な方式で変位させることができる。その結果、反射面25全体のトポグラフィを変更することができる。これを
図4から
図6に基づいて非常に概略的な形式で例示している。その結果、ミラー区画の形態で平面に全体的にフレネルレンズの方式で配置された大きいサグ高、すなわち、反射面のトポグラフィにおいて大きい変化を有する輪郭の反射面を製造することも可能である。フレネルゾーンの様式での区画へのそのような再分割により、大きいサグ高を有するそのようなミラー面トポグラフィの基本的な湾曲が除かれる。
【0031】
図4は、個々のミラー行27の全ての個々のミラー26が制御デバイス33及びアクチュエータ29によって同じ絶対z位置に設定された個々のミラー行27の区画の個々のミラー26の個々の反射面を示している。それによって個々のミラー行27の平坦な行反射面がもたらされる。視野ファセットミラー19の全ての個々のミラー26が
図4に従って位置合わせされる場合に、視野ファセットミラー19の全体の反射面25が平坦である。
【0032】
図5は、中心の個々のミラー26
mが、隣接する個々のミラー26
r1、26
r2、26
r3に対して負のz方向にオフセット設定された個々のミラー行27の個々のミラー26の作動を示している。これの結果は、段状装置であり、それは、
図5に記載の個々のミラー行27上に入射するEUV放射線16の対応する位相オフセットに導く。この場合に、2つの中心の個々のミラー26mによって反射されたEUV放射線16は、最大の位相リターデーションを受ける。縁部側の個々のミラー26
r3は、最小の位相リターデーションを発生させる。中間の個々のミラー26
r1、26
r2は、中心の個々のミラー26
mによる位相リターデーションから始まって相応に段毎に次第に小さい位相リターデーションを発生させる。
【0033】
図6は、第1に個々のミラー26の互いに対するz方向のオフセット及び第2に個々のミラー26の互いに対する向きの結果として、全体として凸面の個々のミラー行27がもたらされるような図示の個々のミラー行27の区画の個々のミラー26の作動を示している。これは、視野ファセットミラー19の個々のミラー群の結像効果を発生させるのに使用することができる。当然ながら同じ方法で、例えば、個々のミラー26の群の凹状配置も可能である。
【0034】
図5及び
図6を参照して上述したものに対応する設計は、x次元に限定されず、制御デバイス33を用いた作動に基づいて視野ファセットミラー19のy次元にわたって続けることもできる。
【0035】
制御デバイス33を用いたアクチュエータ29の個々の作動の結果として、それぞれ少なくとも2つの個々のミラー26から構成された上述の個々のミラー群24aを形成するために個々のミラー26の予め決定された傾斜グループ分けを設定することができる。個々のミラー群24aを照明光16に対する少なくとも1つの専用群ミラー照明チャネルを通じて物体視野5に結像するために、個々のミラー群24aは、瞳ファセットミラー20の少なくとも1つの専用瞳ファセットにそれぞれ関連付けられる。この割り当ては、個々のミラー群24aに属する個々のミラーのそれぞれの傾斜位置又はスイッチ位置を予め決定することによってもたらされる。ここで、群ミラー照明チャネルは、全体の照明視野又は物体視野5を照明するための瞳ファセットを通じての結像の結果として互いに相補し合うそれぞれの個々のミラー群24aの全ての個々のミラー照明チャネルの総計である。従って、個々のミラー群24aの各々は、照明視野5の原像であると考えることができる。照明視野又は物体視野5の全体照明は、次に、これらの原像の重ね合わせを構成する。
【0036】
従って、視野ファセットミラーのファセットの機能は、例えば、US 6,438,199 B1又はUS 6,658,084 B2に開示するように、各場合に個々のミラー群24aのうちの1つによって受け持たれる。
【0037】
図7は、そのようなグループ分けを例示している。
図2に記載の図と比較して複数の個々のミラー26を有する視野ファセットミラー19の代替の視野ファセット板の反射面25の区画が示されている。
図2から
図6を参照して上述したものに対応する構成要素を同じ参照記号で表記し、これらに対しては再度詳細に説明することはしない。
【0038】
図7の例では、制御デバイス33による作動の適切な組合せにより、反射面25内に合計で12個の個々のミラー群24aが形成される。個々のミラー群24aは、それぞれ同じx/yアスペクト比を有する。個々のミラー群24aの各々は、個々のミラー26の24×3アレイから構成され、すなわち、それぞれ24個の個々のミラー26を有する3つの個々のミラー行を有する。従って、個々のミラー群24aの各々は、8対1のアスペクト比を有する。このアスペクト比は、照明される物体視野5のアスペクト比に対応する。
【0039】
個々のミラー群24aの各々内では、個々のミラー26は、個々のミラー群24aの各々の形状が従来の視野ファセットミラーの個々の視野ファセットの形状に対応するように互いに対して位置合わせされる。
【0040】
図8及び
図9は、個々のミラー群24aを形成するための視野ファセットミラー19の個々のミラー26のグループ分けの例を示している。この図では、個々のミラー行27に上部から下部に連続して番号を振った添字を付与している。従って、最上部の個々のミラー線を27
1で表記し、最下部の個々のミラー線を27
8で表記している。
【0041】
図8に記載のグループ分けでは、互いに上下に位置するそれぞれ2つの個々のミラー行、すなわち、個々のミラー行27
2/3、27
4/5、及び27
6/7が組み合わされ、3つの個々のミラー群24a
1、24a
2、及び24a
3を形成する。群ミラー照明チャネル35
1、35
2、及び35
3を通じてのこれらの個々のミラー群24a
1から24a
3と3つの瞳ファセット34
1、34
2、及び34
3との割り当ても
図8に略示している。
図8に記載の割り当てでは、照明光は、これらの個々のミラー群24a
1から24a
3に属する個々のミラー26の個々のミラー照明チャネルを通り、瞳ファセット34
1から34
3を通って照明視野5に案内され、それぞれの個々のミラー群24a
1から24a
3が物体視野又は照明視野5に結像される。個々のミラー群24a
1から24a
3の個々のミラー26は、照明光16がそれぞれの瞳ファセット34
1から34
3に案内されるように制御デバイス33を用いて傾斜される。
【0042】
図9は、個々のミラー群を形成するための視野ファセットミラー19の個々のミラー26の異なる割り当てを示している。この場合に、個々のミラー行27
1/2は、個々のミラー群24a
4に関連付けられ、個々のミラー行27
3/4は、個々のミラー群24a
5に関連付けられ、個々のミラー行27
5/6は、個々のミラー群24a
6に関連付けられ、個々のミラー行27
7/8は、個々のミラー群24a
7に関連付けられる。個々のミラー群24a
4から24a
7は、更に、
図8に記載の割り当てによる瞳ファセット34
1から34
3とは異なる瞳ファセット34
4から34
7に群ミラー照明チャネル35
4から35
7を通じて関連付けられる。個々のミラー群24a
4から24a
7は、ここでもまた、群ミラー照明チャネル35
4から35
7を通じ、瞳ファセット34
4から34
7を通じて物体視野又は照明視野5に結像される。
【0043】
図9に記載の割り当てでは、瞳ファセット34
1から34
3は、照明されないままに留まる。相応に
図8に記載の割り当てでは、瞳ファセット34
4から34
7が照明されないままに留まる。
【0044】
瞳ファセット34への個々のミラー群24aの2つの異なる割り当ては、物体視野又は照明視野5の照明において相応に異なる照明角度分布をもたらす。これらの異なる照明角度分布を照明設定とも呼ぶ。
【0045】
図8及び
図9の割り当て例では、個々のミラー行27
2から27
7の個々のミラー26は、2つの異なる個々のミラー群24aに属する。一例として、個々のミラー行27
2は、第1に個々のミラー群24a
1に属し、第2に個々のミラー群24a
4に属する。これらの異なる個々のミラー群、すなわち、例えば個々のミラー群24a
1,24a
4は、それぞれ専用の第2のファセット、すなわち、図示の例では瞳ファセット34
1及び34
4に専用群ミラー照明チャネル、すなわち、例えば群ミラー照明チャネル35
1及び35
4を通じて関連付けられる。
【0046】
図8及び
図9に記載の実施形態において、視野ファセットミラー19の個々のミラー26の
過半数、すなわち、個々のミラー行27
2から27
7の個々のミラーは、専用群ミラー照明チャネル35を通じて専用の第2のファセット34にそれぞれ関連付けられた少なくとも2つの個々のミラー群24aに属する。個々のミラー行27
2から27
7のこれらの個々のミラーは、上述したように、それぞれちょうど2つの個々のミラー群24aに属する。ある一定の個々のミラー26が多数の個々のミラー群24aに属する照明幾何学形状も可能であることは自明である。一例として、個々のミラー群24aが3つの個々のミラー行27から構成される場合に、
図8及び
図9に関して上述したものと同様に、これらの3つの個々のミラー行のうちの1つが、第1のグループ分けにおいて第1の個々のミラー群の上側の個々のミラー行を構成し、第2のグループ分けにおいて第2の個々のミラー群の中心行を構成し、第3のグループ分けにおいて第3の個々のミラー群の下側行を構成するグループ分け割り当てを予め決定することが可能である。
【0047】
図8及び
図9に記載の実施形態において、個々のミラー26のうちのいずれも、2つよりも多い個々のミラー群24aに属さない。
図8及び
図9に記載の代替のグループ分け割り当てでは、個々のミラー群24a、すなわち、例えば、
図8に記載のグループ分け割り当ての個々のミラー群24a
1と
図9に記載のグループ分け割り当ての個々のミラー群24a
4とは、これらの個々のミラー群24a
1,24a
4の個々のミラー26、すなわち、個々のミラー行27
2の個々のミラー26の全てのうちの50%が両方の個々のミラー群24a
1,24a
4に同時に属するように重なる。
図8及び
図9に記載の実施形態において、それぞれ3つの個々のミラー群が存在し、すなわち、例えば、個々のミラー群24a
4及び24a
5の各々が、個々のミラー群24a
1と重なるが、互いには重なり合わないように互いに重なる
図9に記載のグループ分け割り当ての個々のミラー群24a
4、24a
5と
図8に記載のグループ分け割り当ての個々のミラー群24a
1とが存在する。
【0048】
視野ファセットミラー36の変形を使用する場合のグループ分け割り当ての代替実施形態を
図10に例示している。
図1から
図9を参照して上述したものに対応する構成要素を同じ参照記号で表記し、これらに対して、再度詳細に説明することはしない。
【0049】
視野ファセットミラー19と同様に、視野ファセットミラー36は、個々のミラー26の格子に再分割される。しかし、視野ファセットミラー36では、この格子の行及び列は、それぞれ物体変位方向yに対して45°の角度で延びている。
図10に記載の視野ファセットミラー36と視野ファセットミラー19の間の更に別の相違点は、個々のミラー群24aが矩形ではなく弓形の様式で囲まれる点である。これらの弓形の個々のミラー群24aは、それぞれ関連付けられた瞳ファセット34と、任意的に、原則的に従来技術で公知の下流伝達光学ユニットとを通じて弓形の物体視野又は照明視野内に相応に結像される。
【0050】
図10では、個々のミラー群24aの弓形縁部をそれぞれ実線で例示している。50%を超えるものがそれぞれこの縁部内に位置する個々のミラー26は、それぞれの個々のミラー群24aに属する。
【0051】
図10には、瞳ファセット34への個々のミラー群24aの2つの異なるグループ分け割り当てを示している。第1のグループ分け割り当てでは、上下に位置して互いに接する2つの個々のミラー群24a
1,24a
2の個々のミラー26が、群ミラー照明チャネル35
1、35
2を通じて2つの瞳ファセット34
1、34
2に関連付けられる。代替のグループ分け割り当てでは、半分がこれらの2つの第1の個々のミラー群24a
1、24a
2と重なる第3の個々のミラー群24a
3が、第3の群ミラー照明チャネル35
3を通じて第3の瞳ファセット34
3に関連付けられる。
【0052】
図10では、2つの異なる個々のミラー群24a
2及び24a
3に属する個々のミラー26
0のうちの1つを例示的に強調表示している。この個々のミラー26
0は、ちょうど2つの個々のミラー群、すなわち、個々のミラー群24a
2及び24a
3に属する。
【0053】
図10には、個々のミラー照明チャネル35aのうちの一部も例示的に示している。照明光16の照明光部分ビームは、それぞれの個々のミラー26から個々のミラー照明チャネル35aを通じ、それぞれの瞳ファセット34を通じて照明視野又は物体視野5に案内される。
【0054】
図10に記載の実施形態において、2つの個々のミラー群24a
1と24a
3は、例えば、これら2つの個々のミラー群24a
1、24a
3の個々のミラー26の全てのうちの約50%が両方の個々のミラー群24a
1、24a
3に同時に属するように互いに同じく重なる。一方で2つの個々のミラー群24a
1と24a
3、及び他方で個々のミラー群24a
2と24a
3は、それぞれ約50%だけ重複し、それに対して2つの個々のミラー群24a
1と24a
3は、互いに重なり合わない。
【0055】
視野ファセットミラー19及び36では、瞳ファセットミラー20が、関連付けられた群ミラー照明チャネル35を通じて照明光16が入射することができる遥かにより多数の瞳ファセット34を有することができるように、個々のミラー群24aを形成するための個々のミラー26の代替の割り当てにより、個々のミラー群24aを形成するのに多くの異なる方法で個々のミラー26をグループ分けすることができる。これによって異なる照明設定の選択が著しく増加する。
【0056】
微細構造化又はナノ構造化構成要素、特に半導体構成要素、例えばマイクロチップのリソグラフィを用いる生成に対して、投影露光装置1を用いて、物体視野5内のレチクルの少なくとも一部は、像視野11内のウェーハ13上の感光層の領域上に結像される。投影露光装置1がスキャナ又はステッパとしてそのいずれに具現化されるかに応じて、レチクル7とウェーハ13は、スキャナ動作で連続的に又はステッパ動作で逐次にいずれかで時間同期でy方向に変位される。