(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記バッテリセル全体に対応する(+)、(−)端子のうちの1つと、前記絶縁電源部の入力端との間に制御スイッチがさらに具備されることを特徴とする請求項1又は2に記載のセルバランシング回路。
前記基準値より低い電圧を有するバッテリセルを判断し、前記判断されたバッテリセルの(+)、(−)端子に連結された1対のスイッチのターンオンおよびそれ以外のスイッチのターンオフ動作を制御する制御部が含まれることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のセルバランシング回路。
前記制御部は、前記絶縁電源部にイネーブル信号を提供し、前記絶縁電源部は、前記イネーブル信号が印加される期間にのみ前記第1充電電圧を出力することを特徴とする請求項5〜8のいずれか1項に記載のセルバランシング回路。
【背景技術】
【0002】
充放電が可能な二次電池(rechargeable battery)は、携帯電話(cellular phone)、ノートパソコンなどの携帯用電子機器の開発により研究が盛んになっている。特に、このような二次電池は、ニッケル−カドミウム電池(nikel−cadimium battery)、鉛蓄電池、ニッケル−水素電池(NiMH:nickel metal hydride battery)、リチウム−イオン電池(lithium ion battery)、リチウムポリマー電池(lithium polymer battery)、金属リチウム電池、空気亜鉛蓄電池など、多様な種類が開発されている。このような二次電池は、一般的に、回路と接続されてバッテリパックを構成し、バッテリパックの外部端子を介して充電と放電が行われる。
【0003】
バッテリパックは、大別して、バッテリセルと、充放電回路を含む周辺回路とを含んでなり、この周辺回路は、一般的に、印刷回路基板として製作された後、前記バッテリセルと結合される。バッテリパックの外部端子を介して外部電源が連結されると、外部端子および充放電回路を介して供給される外部電源によってバッテリセルが充電され、外部端子を介して負荷(load)が連結されると、バッテリセルの電力が充放電回路および外部端子を介して負荷に供給される動作が生じる。この時、充放電回路は、外部端子とバッテリセルとの間でバッテリセルの充放電を制御する。一般的に、バッテリセルは、負荷の消耗容量に合わせて複数のバッテリセルを直列に連結して用いる。
【0004】
前記バッテリパックをなすそれぞれの前記バッテリセルは、製造工程上の様々な理由によって容量偏差が存在する。したがって、バッテリパックは、充放電サイクル中に各バッテリセルの充放電電圧に偏差が発生する。これにより、バッテリパックは、充電中に特定のバッテリセルが過充電されることがあり、また、放電中に特定のバッテリセルが過放電されることがある。このように、バッテリパック中において、特定のバッテリセルの過充電や過放電は、バッテリパックの容量を減少させるだけでなく、バッテリパックを劣化(degrade)させ、寿命を短縮させる。したがって、一般的に、バッテリモニタリングユニットは、直列連結された複数のバッテリセルの電圧差を最小化するためのバランシング回路を有する。
【0005】
すなわち、バッテリモニタリングユニットは、各バッテリセルの電圧をセンシングし、各バッテリセルの電圧差が基準値以上に差がある場合、電圧が相対的に高いバッテリセルを強制放電させ、すべてのバッテリセルの電圧が等しくなるようにするセルバランシングを行う。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、このような従来のパッシブ(passive)方式のセルバランシングは、前記強制放電時に抵抗で一定の電力を消耗するため、バッテリ容量を100%使用できずに熱として消費されるという欠点があった。
【0007】
本発明は、直列に連結された複数のバッテリセルの全体電圧が印加される絶縁(isolation)電源部が具備され、前記絶縁電源部を介して、基準値より低い電圧を有するバッテリセルに充電電圧を印加することにより、バッテリ容量を100%使用可能なセルバランシング回路およびセルバランシング方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、本発明にかかるセルバランシング回路は、直列に連結された複数のバッテリセルと、前記バッテリセルの全体電圧が印加され、前記バッテリセルのうち、基準値より低い電圧を有する1つのバッテリセルに第1充電電圧を出力する絶縁電源部とが含まれる。
【0009】
また、前記各バッテリセルの(+)、(−)端子にそれぞれ連結された1対のスイッチが含まれ、前記各バッテリセルに接続される1対のスイッチは互いに独立にターンオンされ、前記ターンオンされた1対のスイッチを介して、前記絶縁電源部の第1充電電圧が前記バッテリセルに印加される。
【0010】
さらに、前記各バッテリセルに接続される1対のスイッチは、バッテリセルごとに分離されて構成される。
【0011】
また、前記バッテリセル全体に対応する1つの(+)端子(B+)および1つの(−)端子(B−)が具備され、前記絶縁電源部は、前記1つの(+)端子および(−)端子に連結される入力端と、前記1対のスイッチに連結される出力端とを含む。
【0012】
さらに、前記バッテリセル全体に対応する(+)、(−)端子のうちの1つと、前記絶縁電源部の入力端との間に制御スイッチがさらに具備される。
【0013】
また、前記絶縁電源部の出力端と前記1対のスイッチとの間に電気的に連結される充電器がさらに具備され、前記充電器は、前記絶縁電源部から第1充電電圧が印加され、これを第2充電電圧に変換する。
【0014】
また、前記第1充電電圧は、第2充電電圧より大きい。
【0015】
さらに、前記バッテリセル全体に対応する(−)端子(B−)に電気的に接続される第1接地電源(GND1)と、前記第1接地電源とは異なり、前記絶縁電源部の出力端に電気的に接続される第2接地電源とが含まれる。
【0016】
また、前記絶縁電源部は、コイル方式の変圧器を含み、前記変圧器の巻線比を調整し、入力された全体電圧を第1充電電圧に変換する。
【0017】
さらに、前記基準値より低い電圧を有するバッテリセルを判断し、前記判断されたバッテリセルの(+)、(−)端子に連結された1対のスイッチのターンオンおよびそれ以外のスイッチのターンオフ動作を制御する制御部が含まれる。
【0018】
また、前記制御部は、前記各バッテリセルの電圧を測定し、前記測定された電圧と予め設定された前記基準値とを比較する。
【0019】
さらに、前記制御部は、前記1対のスイッチを構成する2個のスイッチを同時にターンオン/オフ制御する。
【0020】
また、前記制御部は、前記1対のスイッチをそれぞれ独立に制御する。
【0021】
さらに、前記制御部は、前記絶縁電源部にイネーブル信号を提供し、前記絶縁電源部は、前記イネーブル信号が印加される期間にのみ第1充電電圧を出力する。
【0022】
なお、前記絶縁電源部は、少なくとも1つのバッテリセルが前記基準値に対応する電圧に充電されるまで、第1充電電圧を出力する。
【0023】
また、本発明の他のセルバランシング回路は、バッテリパックに具備された複数のバッテリセルの(+)、(−)端子にそれぞれ連結され、前記各バッテリセルに接続され、互いに独立にターンオンされる1対のスイッチと、前記バッテリセルの全体電圧が印加され、前記バッテリセルのうち、基準値より低い電圧を有する1つのバッテリセルに、前記ターンオンされた1対のスイッチを介して第1充電電圧を出力する絶縁電源部とが含まれる。
【0024】
さらに、前記基準値より低い電圧を有するバッテリセルを判断し、前記判断されたバッテリセルの(+)、(−)端子に連結された1対のスイッチのターンオンおよびそれ以外のスイッチのターンオフ動作を制御する制御部が含まれる。
【0025】
また、本発明にかかるセルバランシング方法は、直列に連結された複数のバッテリセルの全体電圧を受信するステップと、前記受信した全体電圧を第1充電電圧に変換するステップと、前記バッテリセルのうち、基準値より低い電圧を有する1つのバッテリセルに前記第1充電電圧を提供するステップとを含む。
【0026】
さらに、各バッテリセルの電圧を測定するステップと、前記測定された各バッテリセルの電圧を予め設定された基準値と比較するステップと、前記比較に基づき、充電が必要なバッテリセルを決定するステップとを含む。
【0027】
なお、前記各バッテリセルの電圧を測定することは、前記各バッテリセルに接続され、互いに独立にターンオンされる1対のスイッチが順次にターンオンされる期間に行われる。
【発明の効果】
【0028】
このような本発明によれば、直列に連結された複数のバッテリセルの全体電圧が印加される絶縁(isolation)電源部が具備され、前記絶縁電源部を介して、基準値より低い電圧を有するバッテリセルに充電電圧を印加することにより、セルバランシングを複数のバッテリセルの全体電圧を用いて実現し、強制放電による熱消費がないため、バッテリ容量を100%使用できるという利点がある。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、添付した図面を参照して、前記欠点を克服できる本発明の実施形態をより詳細に説明する。
【0031】
図1は、本発明の実施形態にかかるセルバランシング回路を示す回路図であり、
図2は、
図1に示された絶縁電源部の一実施形態を示す回路図である。
【0032】
図1を参照すれば、本発明の実施形態にかかるセルバランシング回路100は、直列に連結された複数のバッテリセルB1、B2、B3と、前記各バッテリセルの(+)、(−)端子にそれぞれ連結された1対のスイッチSW1−1、SW1−2、SW2−1、SW2−2、SW3−1、SW3−2とを含む。
【0033】
また、前記セルバランシング回路100は、前記バッテリセルの全体電圧が入力端Aを介して印加され、出力端Bが前記1対のスイッチに連結された絶縁電源部(Isolation Power)110と、前記1対のスイッチのターンオン/オフおよび前記絶縁電源部110の動作を制御する制御部(Controller)120とを含む。
【0034】
ただし、
図1に示された実施形態では、3個の直列に連結されたバッテリセルB1、B2、B3と、前記バッテリセルにそれぞれ接続される3対のスイッチSW1−1、SW1−2、SW2−1、SW2−2、SW3−1、SW3−2が示されているが、前記バッテリセルの数字などが必ずしもこのような形態に限定されるものではない。
【0035】
本発明の実施形態の場合、前記各バッテリセルに連結されるスイッチは一対で実現されるもので、
図1に示された実施形態を参照すれば、第1バッテリセルB1の(+)端子には第1−1スイッチSW1−1が連結され、第1バッテリセルB1の(−)端子には第1−2スイッチSW1−2が連結される。
【0036】
これと同様に、第2バッテリセルB2の(+)端子には第2−1スイッチSW2−1が連結され、第2バッテリセルB2の(−)端子には第2−2スイッチSW2−2が連結され、第3バッテリセルB3の(+)端子には第3−1スイッチSW3−1が連結され、第3バッテリセルB3の(−)端子には第3−2スイッチSW3−2が連結される。
【0037】
この時、前記スイッチは、リレー(Relay)、フォトMOSリレー(Photo MOS Relay)、フォトカプラ(Photo coupler)などで実現可能である。
【0038】
また、前記第1ないし第3バッテリセルB1〜B3は直列に連結されているため、
図1を参照すれば、第1バッテリセルB1と第2バッテリセルB2とが接続された部分に連結された第1−2スイッチSW1−2と第2−1スイッチSW2−1とは、互いに同一のノードに接続される。
【0039】
これと同様に、前記第2バッテリセルB2と第3バッテリセルB3とが接続された部分に連結された第2−2スイッチSW2−2と第3−1スイッチSW3−1とも、互いに同一のノードに接続される。
【0040】
本発明の実施形態の場合、前記各バッテリセルに接続される1対のスイッチは互いに独立に動作するため、前記同一のノードに接続されても、対応するバッテリセルごとに分離されて具備されなければならない。
【0041】
すなわち、第1バッテリセルB1に対応する1対のスイッチである第1−1スイッチSW1−1と第1−2スイッチSW1−2は同時にターンオン/オフ制御されるものであって、前記スイッチSW1−1、SW1−2がターンオンされることにより、第1バッテリセルB1の電圧値をセンシングするか、または前記絶縁電源部の出力端に連結され、前記第1バッテリセルB1に充電電圧を提供する役割を果たすことができる。
【0042】
また、第2バッテリセルB2に対応するスイッチである第2−1スイッチSW2−1と第2−2スイッチSW2−2、および第3バッテリセルB3に対応するスイッチである第3−1スイッチSW3−1と第3−2スイッチSW3−2により、前記スイッチSW1−1、SW1−2と同じ動作を行う。
【0043】
この実施形態の場合、前記制御部120が前記スイッチSW1−1、SW1−2;SW2−1、SW2−2;SW3−1、SW3−2をそれぞれ個別的に制御することにより、前記1対のスイッチに対応する各バッテリセルB1、B2、B3の電圧を測定し、前記測定された電圧値に基づき、基準値より低い電圧を有するバッテリセルがある場合、前記バッテリセルに充電電圧が印加されるように、前記バッテリセルに連結された1対のスイッチがターンオンされ、前記絶縁電源部110に連結される。
【0044】
前記基準値は、前記制御部120または別のメモリ(図示せず)に格納可能であり、これは、バッテリ容量、バッテリの類型(type)、バッテリの個数、バッテリセルに電源を提供する外部デバイス(external device)の類型などのような因子(factors)に基づいて修正(modified)できる。
【0045】
ここで、各バッテリセルの電圧を測定することは、電圧測定期間の間、前記各バッテリセルに連結された1対のスイッチが順次にターンオンされることにより実現できる。
【0046】
また、前記制御部120は、各バッテリセルの電圧を受信して予め設定された基準値と比較し、特定のバッテリセルの電圧が基準値より低い場合、前記制御部120は、前記電圧測定期間の間、バッテリセルに充電電圧を印加するセルバランシング動作を行う。あるいは、前記制御部120は、各バッテリセルの電圧を測定し、測定された電圧と前記予め設定された基準値とを比較してセルバランシング動作を行うこともできる。
【0047】
一例として、第1バッテリセルB1の電圧が基準値より低い場合には、前記第1−1スイッチSW1−1および第1−2スイッチSW1−2がターンオンされ、前記第1バッテリセルB1の(+)、(−)端子が絶縁電源部110の出力端(
図1のB)に連結され、これにより、前記第1バッテリセルは、前記絶縁電源部110から出力される充電電圧(第1充電電圧)が印加される。
【0048】
ただし、前記第1バッテリセルB1に対する充電バランシング動作が行われる間には、残りのバッテリセルB2、B3に前記充電電圧が伝達されないように、第2、第3バッテリセルに連結されたスイッチはすべてターンオフされる。
【0049】
このような本発明の実施形態にかかるセルバランシング動作は、前記直列に連結されたバッテリセルの全体電圧が印加される絶縁(isolation)電源部110が具備され、前記絶縁電源部110を介して、基準値より低い電圧を有するバッテリセルに充電電圧を印加することにより、前記セルバランシングを複数のバッテリセルの全体(total)電圧(または累積(cumulative)電圧)を用いて実現し、強制放電による熱消費がないため、バッテリ容量を100%使用できるようになるのである。
【0050】
この時、前記セルバランシング動作は、前記制御部120からのイネーブル信号Enableが前記絶縁電源部110に印加されることにより実行できる。すなわち、セルバランシング動作が行われる時にのみ前記絶縁電源部110が動作されることにより、消費電力を最小化することができる。
【0051】
また、
図1に示されるように、バッテリセル全体の(+)端子B+と前記絶縁電源部の入力端(
図1のA)側の(+)端子との間に制御スイッチCSが追加的にさらに具備され得、前記セルバランシング動作が行われない場合には、前記制御スイッチCSをターンオフさせ、前記バッテリセルと絶縁電源部110との連結を切ることができ、これにより、消費電力をさらに低減することができる。
【0052】
このような本発明の実施形態にかかるセルバランシングは、バッテリセルの全体電圧を用いて低い電圧を有するバッテリセルを充電させることを特徴とする。
【0053】
すなわち、前記絶縁電源部110は、前記低い電圧を有するバッテリセルが基準値に対応する電圧に充電されるまで、または少なくとも他のバッテリセルのうちの1つの電圧と実質的に等しくなるまで、充電電圧(charging voltage)(第1充電電圧)を出力する。この時、前記制御部120は、前記絶縁電源部110が充電電圧を出力する期間の間、絶縁電源部110を制御する。
【0054】
図2に示された本発明の実施形態にかかる絶縁電源部110は、入力端Aに前記バッテリセルの全体電圧が印加され、内部に具備された誘導起電力を用いたコイル方式の変圧器112の巻線比を調整するか、または電源制御部(Power Controller)114を介してスイッチングタイムを制御することにより、前記入力された全体電圧を所定の電圧に変換し、前記変換された所定の電圧を、前記出力端Bに連結された当該バッテリセルに提供する。
【0055】
ここで、前記電源制御部114は、複数のスイッチ(一例として、フルブリッジ(full bridge)タイプのスイッチ)を含み、前記入力端Aに印加されるバッテリセルの全体電圧をAC電圧に変換し、これを変圧器112に提供する役割を果たすことができる。
【0056】
この時、入力端Aおよび出力端Bにそれぞれ形成されたキャパシタ116は、安定化キャパシタの役割を果たし、出力端Bに具備されたダイオード118は、出力端からの逆電流を防止する役割を果たす。
【0057】
また、本発明の実施形態の場合、前記絶縁電源部110と前記1対のスイッチとの間に別の充電器(charger)130を追加的に具備することができる。
【0058】
前記充電器130は、DC/DCコンバータで実現できるものであって、前記絶縁電源部110から出力された電圧(第1充電電圧)が入力(Vin)され、これを充電が必要なバッテリセルに適した電圧(第2充電電圧)に変換して出力(Vout)する役割を果たす。
【0059】
一例として、前記バッテリセルの全体電圧が30Vであれば、前記絶縁電源部110は、前記30Vが入力され、5Vを出力することができ、前記絶縁電源部110から出力される電圧(第1充電電圧)は、前記充電器の入力電圧Vinとして印加される。ただし、前記絶縁電源部110の出力電圧(第1充電電圧)は、前記充電器の仕様に応じて異なり得る。
【0060】
また、特定のバッテリセルを充電する時に用いられる前記充電器(Charger)130の出力電圧Vout(第2充電電圧)は、一例として4.2Vで用いることができ、これは、バランシング動作方法によっては、前記4.2Vより低電圧でも可能である。例えば、バランシング動作が3.5Vを基準値としてバッテリセルの電圧値を比較する場合であれば、前記充電電圧としての充電器の出力電圧は3.5Vに設定することができる。この時、前記充電器の出力電圧(第2充電電圧)が常に固定されたレベルで出力されるものではない。
【0061】
ただし、前記絶縁電源部110の出力電圧(第1充電電圧)は、前記充電器(Charger)130の出力電圧(第2充電電圧)より大きい。
【0062】
また、前記絶縁電源部110は、前記バッテリセルから全体電圧が印加されるが、分離された電源として特定のバッテリセルに充電電圧を提供する役割を果たすために、前記バッテリセルとは異なる接地電源を用いなければならない。
【0063】
そこで、前記バッテリセル全体の(−)端子B−に接続される第1接地電源GND1と、前記絶縁電源部の出力端側の(−)端子に接続される第2接地電源GND2とは、互いに物理的に分離されて互いに結線されない構造である。
【0064】
このように、互いに異なる接地電源を用いることは、バランシング動作時にバッテリセルが短絡(short)する状況を防止するためである。
【0065】
一例として、前記第1接地電源GND1および第2接地電源GND2が同一の結線で連結された同一の接地電源として用いられると、第1バッテリセルB1のバランシング動作時に、前記第1バッテリセルB1の(−)端子に印加される接地電源GND2と同一のノードに接続された第2バッテリセルの(+)端子と、第3バッテリセルB3の(−)端子に印加される接地電源GND1が同一で互いに短絡し、バッテリセルが爆発し得る危険性がある。
【0066】
図3は、本発明の実施形態にかかるセルバランシング方法を示すフローチャートである。
【0067】
以下、
図1および
図3を参照して、本発明の実施形態にかかるセルバランシング方法を説明する。
【0068】
まず、直列に連結された複数のバッテリセルB1、B2、B3の(+)、(−)端子にそれぞれ連結された1対のスイッチSW1−1、SW1−2、SW2−1、SW2−2、SW3−1、SW3−2が順次にターンオンされ、各バッテリセルの電圧値をセンシングする(ST300)。
【0069】
この時、前記各バッテリセルに接続される1対のスイッチは互いに独立に動作するものであって、前記第1バッテリセルB1に対応するスイッチである第1−1スイッチSW1−1と第1−2スイッチSW1−2は同時にターンオン/オフ制御され、前記1対のスイッチSW1−1、SW1−2がターンオンされることにより、第1バッテリセルB1の電圧値をセンシングすることができる。
【0070】
また、第2バッテリセルB2に対応するスイッチである第2−1スイッチSW2−1と第2−2スイッチSW2−2、および第3バッテリセルB3に対応するスイッチである第3−1スイッチSW3−1と第3−2スイッチSW3−2により、前記と同じ動作を行う。
【0071】
すなわち、前記制御部120が、電圧測定期間の間、前記1対のスイッチSW1−1、SW1−2;SW2−1、SW2−2;SW3−1、SW3−2をそれぞれ順次にターンオンさせることにより、前記1対のスイッチに対応する各バッテリセルB1、B2、B3の電圧を測定できるのである。
【0072】
次に、前記測定された各バッテリセルの電圧は前記制御部に伝達されて予め設定された基準値と比較され、特定のバッテリセルの電圧が基準値より低い場合には、前記バッテリセルに充電電圧が印加されるセルバランシング動作が行われる(ST310)。
【0073】
一例として、第1バッテリセルB1の電圧が基準値より低い場合には、前記第1−1スイッチSW1−1および第1−2スイッチSW1−2がターンオンされ、前記第1バッテリセルB1の(+)、(−)端子が絶縁電源部の出力端に連結され、これにより、前記第1バッテリセルは、前記絶縁電源部から出力される充電電圧が印加される。
【0074】
ただし、前記第1バッテリセルB1に対する充電バランシング動作が行われる間には、残りのバッテリセルB2、B3に前記充電電圧が伝達されないように、第2、第3バッテリセルに連結されたスイッチはすべてターンオフされる。
【0075】
前記セルバランシング動作は、バッテリセルの全体電圧を用いて低い電圧を有するバッテリセルを充電させて実現される(ST320)。
【0076】
すなわち、直列に連結されたバッテリセルの全体電圧が印加される絶縁(isolation)電源部110が、前記基準値より低い電圧を有するバッテリセルに充電電圧を印加して実現されるのである。
【0077】
この時、前記セルバランシング動作は、前記制御部120からのイネーブル信号が前記絶縁電源部110に印加されることにより実行できる。すなわち、セルバランシング動作が行われる時にのみ前記絶縁電源部110が動作されることにより、消費電力を最小化することができる。
【0078】
このような本発明の実施形態は、直列に連結された複数のバッテリセルの全体電圧が印加される絶縁(isolation)電源部が具備され、前記絶縁電源部を介して、基準値より低い電圧を有するバッテリセルに充電電圧を印加することにより、セルバランシングを複数のバッテリセルの全体電圧を用いて実現し、強制放電による熱消費がないため、バッテリ容量を100%使用できるようになる。
【0079】
本発明の技術思想は、上記の好ましい実施形態によって具体的に記述されたが、上記の実施形態はそれを説明するためのものであって、それを制限するためのものではないことに注意しなければならない。また、本発明の技術分野における通常の知識を有する者であれば、本発明の技術思想の範囲内で多様な変形例が可能であることを理解することができる。
【0080】
上述した発明に対する権利範囲は、以下の特許請求の範囲で定められるものであって、明細書本文の記載にこだわらず、請求の範囲の均等範囲に属する変形および変更はすべて本発明の範囲に属する。