特許第6333734号(P6333734)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6333734レーザ維持プラズマ光源におけるVUVフィルタリングを提供するためのプラズマセル
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6333734
(24)【登録日】2018年5月11日
(45)【発行日】2018年5月30日
(54)【発明の名称】レーザ維持プラズマ光源におけるVUVフィルタリングを提供するためのプラズマセル
(51)【国際特許分類】
   H01J 65/00 20060101AFI20180521BHJP
   H05H 1/24 20060101ALI20180521BHJP
【FI】
   H01J65/00 Z
   H05H1/24
【請求項の数】19
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2014-553398(P2014-553398)
(86)(22)【出願日】2013年1月17日
(65)【公表番号】特表2015-505419(P2015-505419A)
(43)【公表日】2015年2月19日
(86)【国際出願番号】US2013021857
(87)【国際公開番号】WO2013109701
(87)【国際公開日】20130725
【審査請求日】2016年1月15日
(31)【優先権主張番号】61/587,380
(32)【優先日】2012年1月17日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】13/741,566
(32)【優先日】2013年1月15日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500049141
【氏名又は名称】ケーエルエー−テンカー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】特許業務法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ベゼル イリヤ
(72)【発明者】
【氏名】シュエメリニン アナトリー
(72)【発明者】
【氏名】シフリン ユージーン
(72)【発明者】
【氏名】パンザー マシュー
(72)【発明者】
【氏名】ダースティン マシュー
(72)【発明者】
【氏名】ワン ジンチェン
(72)【発明者】
【氏名】チンマルジー アナント
(72)【発明者】
【氏名】パティル ラジーブ
(72)【発明者】
【氏名】ブランナー ルドルフ
【審査官】 杉田 翠
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2011/100322(WO,A1)
【文献】 特開2005−019131(JP,A)
【文献】 特開2009−181818(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0205529(US,A1)
【文献】 特開2009−151954(JP,A)
【文献】 特開昭52−151269(JP,A)
【文献】 特開2001−043831(JP,A)
【文献】 特開昭56−099959(JP,A)
【文献】 特開2000−285854(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05H1/00−1/54
H01J61/35
61/50−65/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザ維持プラズマ光源のプラズマセルであって、
プラズマを発生させるのに適したガスを収容し、且つ前記レーザ維持プラズマ光源の動作中においてプラズマバルブ内のプラズマ状態の前記ガスを維持するポンプレーザから生じた光を実質的に通し、且つ前記レーザ維持プラズマ光源の動作中において前記プラズマ状態の前記ガスによる発光の収集可能なスペクトル領域の少なくとも一部を実質的に通す、プラズマバルブと、
前記プラズマバルブの体積内に配置され、前記レーザ維持プラズマ光源の動作中において前記プラズマ状態の前記ガスによる発光の紫外スペクトル領域を遮断する、液体フィルタと気体フィルタとフィルタ組立体のうちの2つ以上のフィルタと、
を備えるプラズマセル。
【請求項2】
前記レーザ維持プラズマ光源の動作中における前記プラズマ状態の前記ガスによる発光の収集可能なスペクトル領域が、赤外光、可視光、又は紫外光のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載のプラズマセル。
【請求項3】
前記フィルタ組立体が、前記レーザ維持プラズマ光源の動作中における前記プラズマ状態の前記ガスによる発光の真空紫外スペクトル領域を遮断する、請求項1に記載のプラズマセル。
【請求項4】
前記フィルタ組立体が、前記レーザ維持プラズマ光源の動作中における前記プラズマ状態の前記ガスによる発光の紫外スペクトル領域の少なくとも一部を吸収する、請求項1に記載のプラズマセル。
【請求項5】
前記フィルタ組立体が、前記レーザ維持プラズマ光源の動作中における前記プラズマ状態の前記ガスによる発光の紫外スペクトル領域の少なくとも一部を反射させる、請求項1に記載のプラズマセル。
【請求項6】
前記フィルタ組立体が前記プラズマバルブの内面に機械的に結合される、請求項1に記載のプラズマセル。
【請求項7】
前記フィルタ組立体が第1の材料から形成され、前記プラズマバルブが第2の材料から形成される、請求項1に記載のプラズマセル。
【請求項8】
前記第1の材料と前記第2の材料が同じである、請求項7に記載のプラズマセル。
【請求項9】
前記第1の材料と前記第2の材料が異なる、請求項7に記載のプラズマセル。
【請求項10】
前記第1の材料が前記第2の材料とは異なる温度に保持される、請求項7に記載のプラズマセル。
【請求項11】
前記第1の材料が前記第2の材料と同じ温度に保持される、請求項7に記載のプラズマセル。
【請求項12】
前記プラズマバルブ及び前記フィルタ組立体のうちの少なくとも1つが、実質的に円筒形の形状、実質的に球形の形状、実質的に偏長回転楕円形の形状、長円形の形状、及び実質的に心臓形の形状のうちの少なくとも1つを有する、請求項1に記載のプラズマセル。
【請求項13】
前記ガスが、Ar、Kr、N、HO、O、H、CH、1つ以上のハロゲン化金属、AR/Xe混合物、ArHg、KrHg、及びXeHgのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載のプラズマセル。
【請求項14】
前記プラズマバルブ及び前記フィルタ組立体のうちの少なくとも1つがガラス材料から形成される、請求項1に記載のプラズマセル。
【請求項15】
前記プラズマバルブ及び前記フィルタ組立体のうちの少なくとも1つのガラス材料が溶融石英ガラスを含む、請求項14に記載のプラズマセル。
【請求項16】
前記フィルタ組立体がミクロ構造化されたフィルタ組立体を含む、請求項1に記載のプラズマセル。
【請求項17】
前記フィルタ組立体が犠牲フィルタ組立体を含む、請求項1に記載のプラズマセル。
【請求項18】
前記フィルタ組立体がサファイアフィルタ組立体を含む、請求項1に記載のプラズマセル。
【請求項19】
前記サファイアフィルタ組立体が、巻かれたサファイアフィルタ組立体を含む、請求項18に記載のプラズマセル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、プラズマに基づく光源に関し、より具体的には、ガスバルブ内のレーザ維持プラズマによって放出されるUV光、特にVUV光をフィルタリングするのに適したガスバルブ構成に関する。
【背景技術】
【0002】
絶えず縮小していくデバイス特徴を有する集積回路の需要が増加し続けるのに伴い、これらの絶えず縮小していくデバイスの検査に用いられる改善された照射源に対する必要性が増大し続けている。1つのこうした照射源はレーザ維持プラズマ光源を含む。レーザ維持プラズマ(laser−sustained plasma:LSP)光源は、高出力広帯域光を生じることができる。レーザ維持光源は、アルゴン、キセノン、水銀などのガスを、光を放出することができるプラズマ状態に励起させるために、レーザ放射を或る体積のガス中に合焦することで動作する。この効果は、通常、プラズマの「ポンピング」と呼ばれる。プラズマを発生させるのに用いられるガスを収容するために、実装するプラズマセルは、ガス種並びに発生したプラズマを収容するように構成される「バルブ(bulb)」を必要とする。
【0003】
典型的なレーザ維持プラズマ光源は、数キロワットのオーダーのビームパワーを有する赤外レーザポンプを用いて保持されてもよい。所与のレーザに基づく照射源からのレーザビームが、プラズマセルの中の低圧又は中圧の或る体積のガスの中に合焦される。プラズマによるレーザパワーの吸収が、プラズマ(例えば、12K〜14Kプラズマ)を発生させ、維持する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許出願公開第2011/0181191号
【特許文献2】米国特許出願公開第2010/0264820号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
レーザ維持光源の伝統的なプラズマバルブは、溶融石英ガラスから形成される。溶融石英ガラスは、およそ170nmよりも短波長の光を吸収する。これらの短波長の光の吸収は、プラズマバルブの急速な損傷を招いて、190〜260nmの範囲の光の透過を減少させる。短波長の光(例えば、真空UV光)の吸収はまた、プラズマバルブに負荷をかけ、これは過熱を招き、バルブを破裂させる恐れがあり、影響の及ぶ範囲の高出力レーザ維持プラズマ光源の使用を制限する。したがって、従来技術で識別される欠点を修正するプラズマセルを提供することが望ましいであろう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
レーザ維持プラズマ光源に用いるのに適した紫外光フィルタリングのためのプラズマセルが開示される。一態様では、プラズマセルは、プラズマを発生させるのに適したガスを収容するように構成され、且つプラズマバルブ内のプラズマを維持するように構成されたポンプレーザから生じる光を実質的に通し、且つプラズマによる発光の収集可能なスペクトル領域の少なくとも一部を実質的に通す、プラズマバルブと、プラズマバルブの内面上に配置され、プラズマによる発光の選択されたスペクトル領域を遮断するように構成された、フィルタ層と、を含んでもよいがこれに限定されない。
【0007】
別の態様では、プラズマセルは、プラズマを発生させるのに適したガスを収容するように構成され、且つプラズマバルブ内のプラズマを維持するように構成されたポンプレーザから生じる光を実質的に通し、且つプラズマによる発光の収集可能なスペクトル領域の少なくとも一部を実質的に通す、プラズマバルブと、プラズマバルブの体積内に配置され、プラズマによる発光の選択されたスペクトル領域を遮断するように構成された、フィルタ組立体と、を含んでもよいがこれに限定されない。
【0008】
別の態様では、プラズマセルは、プラズマを発生させるのに適したガスを収容するように構成され、且つプラズマバルブ内のプラズマを維持するように構成されたポンプレーザから生じる光を実質的に通し、且つプラズマによる発光の収集可能なスペクトル領域の少なくとも一部を実質的に通す、プラズマバルブと、プラズマバルブの第1の部分に配置される液体入口と、プラズマバルブの第1の部分とは反対側のプラズマバルブの第2の部分に配置される液体出口と、を含み、液体入口及び液体出口が、液体を液体入口から液体出口に流すように構成され、液体が、プラズマによる発光の選択されたスペクトル領域を遮断するように構成されてもよいがこれに限定されない。
【0009】
別の態様では、プラズマセルは、プラズマバルブと、プラズマバルブ内に配置され、プラズマを発生させるのに適したガスを収容するように構成された、内側プラズマセルと、内側プラズマセルの外面とプラズマバルブの内面によって形成される気体フィルタキャビティと、を含み、プラズマバルブ及び内側プラズマセルが、内側プラズマセル内のプラズマを維持するように構成されたポンプレーザから生じる光を実質的に通し、且つプラズマによる発光の収集可能なスペクトル領域の少なくとも一部を実質的に通し、気体フィルタキャビティが、気体フィルタ材料を収容するように構成され、気体フィルタ材料が、プラズマによる発光の選択されたスペクトル領域の一部を吸収するように構成されてもよいがこれに限定されない。
【0010】
別の態様では、プラズマセルは、プラズマを発生させるのに適したガスを収容するように構成され、且つプラズマバルブ内のプラズマを維持するように構成されたポンプレーザから生じる光を実質的に通し、且つプラズマによる発光の収集可能なスペクトル領域の少なくとも一部を実質的に通す、プラズマバルブと、プラズマバルブの内面上に配置されるフィルタ層、プラズマバルブの体積内に配置されるフィルタ組立体、プラズマバルブの体積内に形成される液体フィルタ、及びプラズマバルブの体積内に形成される気体フィルタのうちの少なくとも1つと、を含んでもよいがこれに限定されない。
【0011】
上記の概要と以下の詳細な説明との両方は、単なる例示及び解説であって、特許請求される本発明を必ずしも制限するものではないことが理解される。本明細書に組み込まれ及びその一部をなす付属の図面は、本発明の実施形態を例証し、概要と共に本発明の原理を解説するのに役立つ。
【0012】
添付の図面を参照することで、本開示の多数の利点が当業者により良く理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施形態に係るフィルタコーティングを備えたプラズマバルブを有するプラズマセルを示す図である。
図2】本発明の一実施形態に係るフィルタ組立体を備えたプラズマバルブを有するプラズマセルを示す図である。
図3】本発明の一実施形態に係る液体フィルタの使用のために構成されたプラズマバルブを有するプラズマセルを示す図である。
図4】本発明の一実施形態に係る内側プラズマセル及び気体フィルタキャビティを有するプラズマバルブを有するプラズマセルを示す図である。
図5】本発明の一実施形態に係るフィルタコーティング、フィルタ組立体、及び内側プラズマキャビティを備えたプラズマバルブを有するプラズマセルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
付属の図面に示される開示される主題への言及がここで詳細になされる。
【0015】
図1図5を概して参照すると、レーザ維持プラズマ光源に用いるのに適した紫外光フィルタリングのためのプラズマセルが本発明に従って説明される。1つの態様では、本発明は、短波長放射がバルブの内面に当たらないようにするためにバルブ内の維持されるプラズマによって放出される短波長放射(例えば、VUV放射)をフィルタするように構成されたプラズマバルブを備えるプラズマセルに向けられる。別の態様では、本発明のプラズマバルブは、プラズマによって放出される収集可能な放射(例えば、広帯域放射)の選択された部分を透過させるように構成される。これに関して、本発明のプラズマセルのプラズマバルブは、プラズマセルの中のプラズマを維持するのに用いられるポンプレーザによって放出される放射を少なくとも部分的に通し、且つプラズマバルブ内のプラズマによって放出される収集可能な光の選択された部分を少なくとも部分的に通す。プラズマバルブの内面に当たる短波長放射(例えば、VUV放射)の量を制限することによって、本発明は、レーザ維持照射源のプラズマバルブのソラリゼーションによって生じる損傷の量を低減させることができる。特に、本発明は、所与のプラズマバルブ内のプラズマによって放出される紫外光(例えば、VUV光)によって引き起こされるプラズマバルブガラスの劣化を低減させる一助となることができる。プラズマバルブの劣化は、バルブの動作不良を招き、これは所与のレーザ維持光源のプラズマバルブの交換を必要とする。加えて、プラズマバルブの劣化は、バルブが冷えた後の又はバルブの作動中のプラズマバルブの破裂を引き起こすことがある。ガス種内のプラズマの発生は、一般に、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる2007年4月2日に出願された米国特許出願第11/695,348号、及び2006年3月31日に出願された米国特許出願第11/395,523号で説明される。
【0016】
図1は、本発明の一実施形態に係るフィルタ層104を備えたプラズマバルブ102を有するプラズマセル100を示す。一実施形態では、本発明のプラズマセル100は、選択された形状(例えば、円筒形、球など)を有し、且つレーザ光源(図示せず)からの光108の少なくとも一部を実質的に通す材料(例えば、ガラス)から形成される、プラズマバルブ102を含む。別の実施形態では、プラズマバルブ102は、バルブ102内の維持されるプラズマ106によって放出される収集可能な照射光(例えば、IR光、可視光、紫外光)の少なくとも一部を実質的に通す。例えば、バルブ102は、プラズマ106からの広帯域発光114の選択されたスペクトル領域を通してもよい。別の実施形態では、プラズマバルブ102の内面上にフィルタ層104が配置される。一実施形態では、フィルタ層104は、プラズマ106による発光の選択されたスペクトル領域を遮断するのに適している。例えば、フィルタ層104は、プラズマ106による発光の選択されたスペクトル領域110を実質的に吸収するのに適していてもよい。別の例として、フィルタ層104は、プラズマ106による発光の選択されたスペクトル領域112を実質的に反射させるのに適していてもよい。さらなる実施形態では、フィルタ層104は、限定はされないがおよそ200nmを下回る紫外などの短波長照射(例えば、VUV光)を吸収する又は反射させるのに適していてもよい。
【0017】
別の実施形態では、フィルタ層104は、バルブの内面102上に堆積される材料を含んでもよいがこれに限定されない。これに関して、フィルタ層104は、プラズマバルブの内面102上に堆積されるコーティング材料を含んでもよい。例えば、フィルタ層104は、プラズマバルブの内面102上に堆積される酸化ハフニウムのコーティングを含んでもよいがこれに限定されない。酸化ハフニウムコーティングが220nm未満の波長の光を強く吸収することができ、酸化ハフニウムが本発明でのフィルタリング材料に特に有用なものとなることが本明細書で認識される。所望の波長範囲の光を吸収する又は反射させる能力を提供するあらゆるコーティング材料が本発明での実装に適する可能性があることが認識されるので、出願人は、本発明が酸化ハフニウムに限定されないことを特筆する。波長の関数としての酸化ハフニウムの透過特徴が、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるE.E.Hoppe他、J.Appl.Phys.、101、123534(2007)によって詳細に説明される。フィルタ層での実装に適する付加的な材料は、酸化チタン、酸化ジルコニウムなどを含んでもよいがこれらに限定されない。
【0018】
別の実施形態では、フィルタ層104は、第1の材料から形成された第1のコーティングと、第1のコーティングの表面上に配置される第2の材料から形成された第2のコーティング(図示せず)を含んでもよい。一実施形態では、第1のコーティングと第2のコーティングは同じ材料から形成されてもよい。別の実施形態では、第1のコーティングと第2のコーティングは異なる材料から形成されてもよい。
【0019】
別の実施形態では、フィルタ層104は多層コーティングを含んでもよい。これに関して、多層コーティングは、異なる波長の光の選択的な反射又は吸収を提供するように構成されてもよい。
【0020】
別の実施形態では、フィルタ層104は、バルブの内面102上に配置されるミクロ構造化された層を含んでもよいがこれに限定されない。例えば、フィルタ層104は、反射防止コーティングがもたらされるようにプラズマバルブ102のバルブ内壁をサブ波長ミクロ構造化することによって形成されてもよい。これに関して、反射防止コーティングは、特定の帯域幅の光(例えば、プラズマによって放出される収集可能な光)のために構成されてもよい。これに関して、反射性又は吸収性コーティングは、特定の帯域幅の光(例えば、プラズマによって放出される収集可能な光)のために構成されてもよい。別の例として、フィルタ層104は、特定のバンドの光(例えば、VUV)のための吸収性又は反射性コーティングがもたらされるようにプラズマバルブ102のバルブ内壁をサブ波長ミクロ構造化することによって形成されてもよい。
【0021】
大きい粗度が達成されるようにプラズマバルブの内面102のコーティングをミクロ構造化することで、結果的に、ソラリゼーションによってバルブ壁が経験する応力を低下させることができることがさらに注目される。
【0022】
別の実施形態では、フィルタ層104は、特定の波長域(例えば、UV光)を吸収するのに適するナノ結晶を含んでもよいがこれに限定されない。ナノ結晶は調整可能な吸収バンドを有することがあることが本明細書で注目される。これに関して、ナノ結晶の吸収バンドは、用いられるナノ結晶のサイズを変えることによって調整可能である。ナノ結晶は、頑健な吸収特性を有することがあることにさらに注目される。当該特定の波長域を吸収又は反射するように調整された選択された量の特定のナノ結晶を含むフィルタ層104を用いてプラズマによる発光の特定の波長域(例えば、UV又はVUV)がフィルタで除去されてもよいことが本明細書で認識される。このように、本発明での実装のための特定のナノ結晶の選択は、それによりナノ結晶のサイズ(例えば、平均サイズ(mean size、average size)、最小サイズ、最大サイズなど)が決定される、フィルタで除去されるべき関心ある特定の照射の波長域に依存することがある。
【0023】
さらなる態様では、1つ以上のフィルタ層104がプラズマバルブ102への機械的保護を提供してもよい。これに関して、プラズマバルブの内面102上に堆積されるフィルタ層104は、プラズマバルブ102を補強するように作用してもよく、それにより、プラズマバルブ102の機械的破壊(例えば、バルブの破裂)の可能性を低下させるであろう。
【0024】
別の実施形態では、フィルタ層104は、犠牲コーティングを含んでもよいがこれに限定されない。フィルタ層104は、プラズマによって放出される光から損傷を受け、徐々に分解し、はがれる、剥離する、又は粉々になることがあることが本明細書で注目される。このように、犠牲コーティングの劣化後であってもバルブ102の継続作動を可能にする犠牲コーティングが、本発明のフィルタ層104に実装されてもよい。
【0025】
別の態様では、1つ以上のフィルタ層104は、プラズマバルブ102のバルブ壁を冷却するように構成されてもよい。これに関して、プラズマバルブの内面102上に堆積されるフィルタ層104は、熱管理サブシステム(図示せず)に熱的に結合されてもよい。熱管理サブシステムは、熱交換器及びヒートシンクを含んでもよいがこれらに限定されない。この意味では、フィルタ層104は、ヒートシンクとフィルタ層104を熱的に結合する熱交換器を介して、熱をバルブ壁からヒートシンクに伝達してもよい。
【0026】
別の態様では、プラズマセル100のバルブ102は、レーザなどの関連するポンピング源からの照射及びプラズマ106からの収集可能な広帯域発光の1つ以上の選択された波長(又は波長範囲)を実質的に通す、ガラスなどの材料から形成されてもよい。ガラスバルブは種々のガラス材料から形成されてもよい。一実施形態では、ガラスバルブは溶融石英ガラスから形成されてもよい。さらなる実施形態では、ガラスバルブ102は、低OH含有溶融合成石英ガラス材料から形成されてもよい。他の実施形態では、ガラスバルブ102は、高OH含有溶融合成石英ガラス材料で形成されてもよい。例えば、ガラスバルブ102は、SUPRASIL 1、SUPRASIL 2、SUPRASIL 300、SUPRASIL 310、HERALUX PLUS、HERALUX−VUVなどを含んでもよいがこれらに限定されない。本発明のガラスバルブでの実装に適する種々のガラスは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるA.Schreiber他、Radiation Resistance of Quartz Glass for VUV Discharge Lamps、J.Phys.D:Appl.Phys.、38(2005)、pp.3242〜3250で詳細に論じられる。
【0027】
別の態様では、プラズマセル100のバルブ102は、当該技術分野では公知の任意の形状を有してもよい。例えば、バルブ102は、以下の形状、すなわち、円筒形、球形、長球面形、楕円形、又は心臓形のうちの1つを有してもよいがこれらに限定されない。
【0028】
本発明の再充填可能なプラズマセル100は、種々のガス環境においてプラズマを維持するのに用いられてもよいことが本明細書で考慮される。一実施形態では、プラズマセルのガスは、不活性ガス(例えば、希ガス又は非希ガス)又は非不活性ガス(例えば、水銀)を含んでもよい。例えば、本発明の或る体積のガスがアルゴンを含んでもよいことが本明細書で予想される。例えば、ガスは、5atmを超える圧力に保たれる実質的に純アルゴンガスを含んでもよい。別の場合には、ガスは、5atmを超える圧力に保たれる実質的に純クリプトンガスを含んでもよい。一般的な意味で、ガラスバルブ102は、レーザ維持プラズマ光源に用いるのに適した当該技術分野では公知の任意のガスが充填されてもよい。加えて、充填ガスは、2つ以上のガスの混合物を含んでもよい。ガスバルブ102に充填するのに用いられるガスは、Ar、Kr、N、Br、I、HO、O、H、CH、NO、NO、CHOH、COH、CO、1つ以上のハロゲン化金属、Ne/Xe、AR/Xe、又はKr/Xe、Ar/Kr/Xe混合物、ArHg、KrHg、及びXeHgなどを含んでもよいがこれらに限定されない。一般的な意味で、本発明は、任意の光ポンププラズマ発生システムにまで及ぶように解釈されるべきであり、さらに、プラズマセル内のプラズマを維持するのに適するあらゆるタイプのガスにまで及ぶように解釈されるべきである。
【0029】
本発明の別の態様では、プラズマセル100のプラズマ106をポンピングするのに用いられる照射源は、1つ以上のレーザを含んでもよい。一般的な意味で、照射源は、当該技術分野では公知のあらゆるレーザシステムを含んでもよい。例えば、照射源は、電磁スペクトルの可視部分又は紫外部分の放射を放出することができる当該技術分野では公知のあらゆるレーザシステムを含んでもよい。一実施形態では、照射源は、持続波(continuous wave:CW)レーザ放射を放出するように構成されるレーザシステムを含んでもよい。例えば、或る体積のガスがアルゴンである又はアルゴンを含む設定では、照射源は、1069nmの放射を放出するように構成されるCWレーザ(例えば、ファイバレーザ又はディスクYbレーザ)を含んでもよい。この波長は、アルゴンの1068nm吸収線に当てはまり、したがって、ガスをポンピングするのに特に有用であることに注目される。CWレーザの上記の説明は限定するものではなく、当該技術分野では公知のあらゆるCWレーザが本発明との関連で実装されてもよいことが本明細書で注目される。
【0030】
別の実施形態では、照射源は、1つ以上のダイオードレーザを含んでもよい。例えば、照射源はプラズマセルのガス種の任意の1つ以上の吸収線に対応する波長の放射を放出する1つ以上のダイオードレーザを含んでもよい。一般的な意味で、照射源のダイオードレーザは、ダイオードレーザの波長が当該技術分野では公知の任意のプラズマの任意の吸収線(例えば、イオン遷移線)又はプラズマ生成ガスの吸収線(例えば、高励起中性遷移線)に調整されるように実装に関して選択されてもよい。したがって、所与のダイオードレーザ(又はダイオードレーザの組)の選択は、本発明のプラズマセルに用いられるガスの種類に依存するであろう。
【0031】
1つの別の実施形態では、照射源は、1つ以上の周波数変換されるレーザシステムを含んでもよい。例えば、照射源は、Nd:YAG又はNd:YLFレーザを含んでもよい。別の実施形態では、照射源は広帯域レーザを含んでもよい。別の実施形態では、照射源は、変調されたレーザ放射又はパルスレーザ放射を放出するように構成されるレーザシステムを含んでもよい。
【0032】
本発明の別の態様では、照射源は、2つ以上の光源を含んでもよい。一実施形態では、照射源は、2つ以上のレーザを含んでもよい。例えば、照射源(又は複数の照射源)は、複数のダイオードレーザを含んでもよい。別の例として、照射源は、複数のCWレーザを含んでもよい。さらなる実施形態では、2つ以上のレーザのそれぞれは、プラズマセル内のガス又はプラズマの異なる吸収線に調整されたレーザ放射を放出してもよい。
【0033】
図2は、本発明の代替的な実施形態に係るプラズマバルブ102の体積内に配置されるフィルタ組立体202を備えたプラズマバルブ102を有するプラズマセル200を示す。図1に関して既に本明細書で説明した、充填するガスの種類、ガラスバルブの材料、バルブの形状、及びレーザポンピング源は、他に記載のない限り本開示のプラズマセル200にまで及ぶように解釈されるべきであることが本明細書で注目される。
【0034】
本発明の実施形態では、本明細書で前述したようなフィルタリング(すなわち、反射又は吸収)は、フィルタ組立体202を介して達成されることが本明細書でさらに注目される。これに関して、フィルタ組立体202は、プラズマ106による発光の選択されたスペクトル領域を遮断するのに適している。例えば、フィルタ組立体202は、プラズマ106による発光の選択されたスペクトル領域110を実質的に吸収するのに適していてもよい。別の例として、フィルタ組立体202は、プラズマ106による発光の選択されたスペクトル領域112を実質的に反射させるのに適していてもよい。さらなる実施形態では、フィルタ組立体202は、限定はされないがおよそ200nmを下回る紫外などの短波長照射(例えば、VUV光)を吸収する又は反射させるのに適していてもよい。
【0035】
別の実施形態では、フィルタ組立体202は、プラズマバルブの内面に機械的に結合される。フィルタ組立体202は、当該技術分野では公知の任意の様態でプラズマバルブの内面102に機械的に結合されてもよいことが本明細書で注目される。
【0036】
一態様では、フィルタ組立体は第1の材料から形成され、一方、プラズマバルブは第2の材料から形成される。一実施形態では、フィルタ組立体202は、バルブ102とは異なるタイプのガラス材料で作製される。フィルタ組立体202のガラスの異なる吸収特性が、バルブ102のガラスの保護を可能にし得ることが本明細書で認識される。
【0037】
1つの別の実施形態では、フィルタ組立体202は、バルブ102のガラスと同じタイプのガラスで作製される。1つの別の実施形態では、フィルタ組立体202のガラス材料は、バルブ102のガラス材料と同じ温度に保たれる。フィルタ組立体202による放射の吸収は、バルブガラス102を放射への露出(例えば、VUV光への露出)から保護するように作用することが本明細書で認識される。この設定では、フィルタ組立体202によって引き起こされるソラリゼーション損傷はバルブ102の構造的一体性を損なわせない。フィルタ組立体202がクラックを生じる場合であっても、バルブ102の動作不良(例えば、バルブ内の高い圧力に起因するバルブの破裂)は起こらない。
【0038】
別の実施形態では、バルブ102のガラスは、フィルタ組立体202のガラスとは異なる温度に保持される。例えば、フィルタ組立体202のガラスは、バルブ102のガラスの温度よりも高い温度に保持されてもよい。ガラスの吸収特性は温度の関数として大きく変化することがあるので、フィルタ組立体202の吸収特性は、バルブガラス102を放射(例えば、VUV光)から保護するように構成されてもよいことが本明細書で認識される。さらなる実施形態では、フィルタ組立体202によって引き起こされるソラリゼーション損傷は、フィルタ組立体202の高い温度によってアニールされることがある。例えば、フィルタ202は、フィルタ組立体202のガラスが軟化し迅速にアニールするおよそ1200℃の温度に保持されてもよい。フィルタ組立体202はバルブ102の構造的荷重を支えないので、フィルタ組立体202のガラスの軟化はバルブ102の構造的一体性を損なわせないことが本明細書でさらに注目される。対照的に、バルブ102が、バルブ102のガラスの軟化を招く高い温度に保たれる設定では、バルブ内の高いガス圧がバルブ102の破裂を招くことがある。
【0039】
別の実施形態では、フィルタ組立体202は、コーティング材料を組立体(例えば、ガラス組立体)上に堆積させることによって形成されてもよく、組立体は、プラズマバルブ102の体積内に設置される。組立体202に用いられるコーティング材料は、フィルタ層104に関して本明細書で前述したコーティング材料(例えば、酸化ハフニウムなど)のうちの1つ以上からなってもよいことが本明細書で認識される。
【0040】
別の実施形態では、フィルタ組立体202は、サファイア以外で形成されてもよい。サファイアがVUVバンドにおける照射を吸収するのに一般に適していることを当業者は認識するであろう。さらなる実施形態では、フィルタ組立体202はサファイアの薄い巻かれたシートからなってもよい。例えば、サファイアのシートは、概して円筒形の形状に巻かれ、プラズマバルブ102の体積内に配置されてもよい。例えば、サファイアシートは、およそ5〜20mmの厚さを有してもよい。
【0041】
別の実施形態では、フィルタ組立体202は、ミクロ構造化されたフィルタ組立体を含んでもよい。これに関して、フィルタ組立体202の表面は、バルブ102表面のミクロ構造化された表面に関して本明細書で前述したのと類似した方法でミクロ構造化されてもよい。
【0042】
別の実施形態では、フィルタ組立体202は、犠牲フィルタ組立体を含んでもよい。これに関して、フィルタ組立体202は劣化又は故障することがあるが、プラズマバルブ102の一体性は保持される。
【0043】
図3は、本発明の代替的な実施形態に係るプラズマセル100のプラズマバルブの内面102に沿って液体を流すように構成される液体入口301及び液体出口304を備えたプラズマバルブ102を有するプラズマセル300を示す。図1に関して既に本明細書で説明した、充填するガスの種類、ガラスバルブの材料、及びレーザポンピング源は、他に記載のない限り本開示のプラズマセル300にまで及ぶように解釈されるべきであることが本明細書で注目される。
【0044】
一態様では、プラズマセル300は、プラズマバルブの第1の部分102に配置される液体入口301を含む。別の態様では、プラズマセル300は、プラズマバルブ102の第1の部分とは反対側のプラズマバルブ102の第2の部分に配置される液体出口304を含む。さらなる態様では、液体入口及び液体出口は、プラズマバルブの内面102の少なくとも一部を液体302で覆うために液体302を液体入口301から液体出口304に流すように構成される。さらなる実施形態では、液体入口301は、バルブの内面102付近に液体302を分布させるのに適した1つ以上の(例えば、1、2、3、4など)ジェットを含んでもよい。付加的な態様では、液体は、プラズマ106による発光の選択されたスペクトル領域を遮断する(例えば、吸収する)ように構成される。
【0045】
代替的実施形態では、液体入口301及び液体出口304は、プラズマバルブ102の体積内に液体302の独立したシース又はカーテンを形成するために液体を液体入口から液体出口に流すように構成される。これに関して、液体のシースはプラズマバルブの内面102と接触している必要はない。さらなる実施形態では、液体のシースは、液体入口301における1つ以上の(例えば、1、2、3、4など)ジェットを用いてプラズマバルブ102の体積内に形成されてもよい。
【0046】
別の実施形態では、プラズマセル300は、プラズマバルブ102の内面の少なくとも一部の付近に液体302を分布させるためにプラズマバルブ102を少なくとも部分的に回転させるように構成される作動組立体をさらに含んでもよい。
【0047】
一実施形態では、液体302は、1つ以上の放射吸収剤を含んでもよい。これに関して、液体302は、選択された吸収剤を液体入口から液体出口に運んでもよい。別の実施形態では、吸収剤は、1つ以上の染料を含んでもよい。さらなる実施形態では、液体302中に存在する染料は、選択された波長域(例えば、UV光又はVUV光)を吸収するように構成される。プラズマセル300に用いられる特定の染料は、プラズマセル300に要求される特定の放射吸収特性に基づいて選択されてもよいことが本明細書で認識される。
【0048】
別の実施形態では、吸収剤は、1つ以上のナノ結晶材料(例えば、二酸化チタン)を含んでもよい。さらなる実施形態では、液体302中に存在するナノ結晶材料は、選択された波長域(例えば、UV光又はVUV光)を吸収するように構成される。プラズマセル300に用いられる特定のナノ結晶材料は、プラズマセル300に要求される特定の放射吸収特性に基づいて選択されてもよいことが本明細書で認識される。本明細書で既に述べたように、ナノ結晶は、ナノ結晶のサイズを変えることによって調整可能な吸収バンドを有し、且つ非常に頑健な吸収特性を有する。これに関して、プラズマセル300に用いられるナノ結晶の特定のタイプ及びサイズは、プラズマセル300に要求される特定の放射吸収特性に基づいて選択されてもよい。
【0049】
さらなる態様では、液体302によって運ばれる材料(例えば、染料、ナノ結晶材料など)は、プラズマセル300の必要性に基づいて変更されてもよいことが認識される。例えば、第1の時間期間にわたって、液体302は液体302中に溶解又は懸濁した第1の材料を運んでもよく、一方、第2の時間期間にわたって、液体302は液体302中に溶解又は懸濁した第2の材料を運んでもよい。
【0050】
別の実施形態では、プラズマセル300の液体302は、当該技術分野では公知のあらゆる液体を含んでもよい。例えば、液体302は、水、メタノール、エタノールなどを含んでもよいがこれらに限定されない。水の光吸収特徴は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、W.H.Parkinson及びK.Yoshino、Chemical Physics、294(2003)、pp.31〜35で、W.H.Parkinson他によって詳細に論じられている。水は、190nmを下回るVUV波長に関する強い吸収断面積を呈することが本明細書で注目される。関心ある選択されたバンドを「遮断」するのに必要な吸収特徴を有する任意の液体が本発明での実装に適する可能性があることが本明細書で認識される。
【0051】
図4は、プラズマバルブ102内に配置される内側プラズマセル406及び内側セル406の外面とプラズマバルブ102のバルブ壁の内面によって形成される気体フィルタキャビティ402を備えたプラズマバルブ102を有するプラズマセル400を示す。図1に関して既に本明細書で説明した、充填するガスの種類、ガラスバルブの材料、及びレーザポンピング源は、他に記載のない限り本開示のプラズマセル400にまで及ぶように解釈されるべきであることが本明細書で注目される。
【0052】
プラズマバルブ102及び内側プラズマセル406は、内側プラズマセル406の体積404内のプラズマ106を維持するように構成されたポンプレーザから生じる光を実質的に通すことが本明細書で認識される。さらなる態様では、プラズマバルブ102及び内側プラズマセル406は、プラズマ106による発光の収集可能なスペクトル領域の少なくとも一部114を実質的に通す。さらなる態様では、気体フィルタキャビティは、気体フィルタ材料402を収容するように構成される。さらなる実施形態では、気体フィルタ材料402は、プラズマ106による発光の選択されたスペクトル領域の一部110を吸収するように構成される。気体フィルタ材料402は、選択されたバンドの光(例えば、UV又はVUV光)を吸収するのに適した当該技術分野では公知の任意のガスを含んでもよいことが本明細書で注目される。
【0053】
図5は、本明細書で前述した種々の特徴のうちの2つ以上の組み合わせを実装するプラズマセル500を示す。図1に関して既に本明細書で説明した、充填するガスの種類、ガラスバルブの材料、及びレーザポンピング源は、他に記載のない限り本開示のプラズマセル500にまで及ぶように解釈されるべきであることが本明細書で注目される。これに関して、プラズマセル500は、以下の特徴、すなわち、フィルタ層104、フィルタ組立体202、液体フィルタ302、及び気体フィルタ402のうちの2つ以上を実装してもよい。前述の種々の特徴のそれぞれは、プラズマ106によって放出される放射の異なるスペクトル領域をフィルタで除去するのに用いられてもよいことが本明細書で認識される。前述の種々の特徴は異なる作動体制(例えば、温度、圧力など)で作動するように構成されてもよいことが本明細書でさらに認識される。
【0054】
本明細書で説明される本発明の主題の特定の態様が示され説明されているが、本明細書の教示に基づいて、本明細書で説明される主題及びそのより広い態様から逸脱することなく変化及び修正が加えられてもよく、したがって、付属の請求項は、本明細書で説明される主題の真の精神及び範囲内にあるものとしてすべてのこうした変化及び修正をそれらの範囲内に包含するものであることが当業者には明らかであろう。
図1
図2
図3
図4
図5