【文献】
道家守(外3名),コネクティッドスタジオの試作 多人数仮想参加型番組制作・視聴システム,画像ラボ,日本,日本工業出版株式会社,2013年 3月10日,第24巻, 第3号,p.25-32
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ユーザ端末から入力されるユーザ情報に基づいて、前記画面生成手段における前記コンテンツ制作画面に表示する改変可能情報を管理するデータ管理手段を有することを特徴とする請求項1乃至4のうち何れか1項に記載のコンテンツ制作装置。
【発明を実施するための形態】
【0013】
<本発明について>
本発明は、例えば番組を視聴したユーザ(視聴者)が、コンテンツを制作する際に、容易で効果的な映像コンテンツ制作の環境を提供するものである。また、本発明は、例えばユーザが1から自分で映像コンテンツを制作する必要がなく、既存の映像コンテンツの素材や演出内容の一部を容易に改変(編集)して、新たなコンテンツを制作することを可能にする。
【0014】
例えば、本発明の一態様では、ある既存のコンテンツを改変して派生コンテンツを制作した場合、どの既存コンテンツを元に派生創作したのかを知る手段として、各コンテンツを生成時の情報(コンテンツ生成情報(例えば、スクリプト等))に継承情報を付加する。
【0015】
また、本発明の一態様では、継承情報を元に世代コンテンツのコンテンツ生成情報を解析し、同じ構成情報を用いている箇所をリストアップし、新たなコンテンツ生成時に、同じ構成情報の箇所を改変(編集)する操作を行うと、全部又は一部の世代コンテンツを参照データとしてユーザに提示する。更に、本発明の一態様では、世代コンテンツのデータと、改変対象となっている箇所を置換する機能を有してもよい。
【0016】
以下に、上述したような特徴を有する本発明におけるコンテンツ制作装置及びコンテンツ制作プログラムを好適に実施した形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、本実施形態では、ユーザが視聴する映像コンテンツの一例として番組を用いることとし、また番組の制作や提示、視聴等に用いられるスクリプトの一例としてTVML(TV program Making Language)を用いることとするが、本発明においてはこれに限定されず、他の映像コンテンツやスクリプトを用いてもよい。
【0017】
TVMLでは、例えば番組台本や番組制作エンジン、素材データ等に基づいて番組が生成される。また、番組制作エンジンとは、例えば番組に登場する仮想キャラクタ(以下、「CGキャラクタ」という)等の仮想物体(オブジェクト)や、番組における1つの動作の単位で「タイトル表示」、「ズームイン」、「CGキャラクタの動作」等のイベントが予め定義されたものである。本実施形態では、番組制作エンジンを用いることで、例えば番組の内容を表す番組台本に記述されたテキストデータ等を入力すると、それを元に番組の自動生成に必要なTVMLスクリプトを出力することができる。そして、TVMLスクリプトに記述された演出内容等に基づき、画像や映像、音声、音楽、テキストデータ等の素材データを用いて、番組を生成することができる。
【0018】
<コンテンツ制作システムの概略構成例>
図1は、本実施形態におけるコンテンツ制作システムの概略構成の一例を示す図である。
図1に示すコンテンツ制作システム10は、コンテンツ制作装置11と、1又は複数のユーザ端末12−1〜12−n(以下、簡略的に「ユーザ端末12」という場合もある)とを有する。コンテンツ制作装置11とユーザ端末12とは、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等に代表される通信ネットワーク(有線でも無線でも可)13を用いてデータの送受信が可能な状態で接続されている。
【0019】
コンテンツ制作装置11は、ユーザ端末12に提供する番組の制作や蓄積、配信等を行う。また、コンテンツ制作装置11は、コンテンツ制作システム10を利用するユーザを管理したり、ユーザが登録するコンテンツ(世代コンテンツ)素材データ(コンテンツに利用される画像や映像、音声、テキストデータ等)を管理する。
【0020】
また、コンテンツ制作装置11は、例えばコンテンツを構成する編集データや、編集データから具体的な動作を規定する定義データを管理したり、上述した編集データや定義データからコンテンツを生成するTVMLスクリプトを生成する。
【0021】
また、コンテンツ制作装置11は、TVMLスクリプトに基づいて映像コンテンツを生成したり、生成した映像コンテンツの動画ファイルを配信する。配信形式は、例えばダウンロード形式でもよく、ストリーミング形式でもよく、これらに限定されるものではない。
【0022】
また、コンテンツ制作装置11は、コンテンツ生成時に規定するコンテンツ生成情報(例えば、スクリプト等)にコンテンツの世代(先祖)を管理する継承情報を付加する。これにより、新たなコンテンツが生成(派生創作)された場合、どの既存コンテンツをベースとしたかを、一番初めの先祖コンテンツまで世代毎に辿ることができる。
【0023】
更に、コンテンツ制作装置11は、各コンテンツ生成情報に含まれる継承情報を用いて1又は複数世代前のコンテンツを抽出し、各世代コンテンツの内容を提示して、ユーザ等に選択させる。また、コンテンツ制作装置11は、継承情報を元に世代コンテンツのコンテンツ生成情報を解析し、同じ構成情報を用いている箇所をリストアップし、新たなコンテンツ生成時に、同じ構成情報の箇所を編集、改変する操作を行うことで、全部又は一部の世代コンテンツを参照データとしてユーザに提示することができる。これにより、その編集、改変候補として改変箇所をユーザが新たに創作するだけでなく、世代コンテンツを利用することが可能となる。これにより、制作の難易度を更に引き下げることができる。
【0024】
また、コンテンツ制作装置11は、ユーザにコンテンツ制作に必要な情報を入力させるWebブラウザ上のUI(User Interface)画面等を生成することができる。コンテンツ制作装置11は、例えば汎用のPC(Personal Computer)やサーバ等であるがこれに限定されるものではない。
【0025】
ユーザ端末12は、コンテンツ制作装置11から提供される番組(映像コンテンツ)や番組を改変する際に必要な情報を取得する。なお、ユーザ端末12は、Webブラウザ上のGUIとして、ユーザが所定の指示等を入力する入力手段や番組等を表示する表示手段等を有しており、コンテンツ制作装置11にアクセスしてWebブラウザ上でコンテンツ制作に必要な各種データを参照したり、改変(変更)したりすることができる。
【0026】
また、ユーザ端末12は、既存のコンテンツを利用して新たなコンテンツを生成する場合に、その利用する既存のコンテンツに対する各世代コンテンツを利用して自分好みの改変等を行うことができる。
【0027】
なお、本実施形態におけるユーザ端末12としては、例えば汎用のPC等であるが、これに限定されるものではなく、例えば通信ネットワーク13等を介して所定の外部装置(例えば、コンテンツ制作装置11)やサイト等に接続可能な携帯電話、ノート型PC、PDA(Personal Digital Assistant)、スマートフォン、タブレット端末、ゲーム機器の各種通信端末等であってもよい。
【0028】
なお、
図1に示すコンテンツ制作システム10におけるユーザ端末12やコンテンツ制作装置11の数等については、これに限定されるものではない。例えば、本実施形態におけるコンテンツ制作システム10は、1又は複数の番組単位に複数のコンテンツ制作装置11が設けられていてもよく、その場合には各ユーザ端末12−1〜12−nが視聴したい番組を管理するコンテンツ制作装置11を選択し、通信ネットワーク13を介して選択したコンテンツ制作装置11に接続を行い、視聴のため又はコンテンツ制作のためのデータの送受信等を行ってもよい。
【0029】
また、上述したコンテンツ制作システム10において、コンテンツ制作装置11は、例えば1以上のコンピュータ(情報処理装置)により構成されるクラウドコンピューティングにより実現されていてもよい。
【0030】
<コンテンツ制作装置11の機能構成例>
次に、上述したコンテンツ制作システム10におけるコンテンツ制作装置11の機能構成例について具体的に説明する。
図2は、本実施形態におけるコンテンツ制作装置の機能構成の一例を示す図である。
図2に示すコンテンツ制作装置11は、入力手段21と、出力手段22と、記憶手段23と、ユーザ管理手段24と、データ管理手段25と、コンテンツ生成手段26と、世代コンテンツ抽出手段27と、画面生成手段28と、配信手段29と、再生手段30と、送受信手段31と、制御手段32とを有する。
【0031】
入力手段21は、コンテンツ制作装置11の管理者やユーザ端末12等から入力されるユーザ管理指示、データ管理指示、コンテンツ生成指示、世代コンテンツ抽出指示、画面生成指示、配信指示、再生指示、送受信指示等の本実施形態におけるコンテンツ制作等における各入力を受け付ける。なお、入力手段21は、例えばキーボードやマウス等であるが、これに限定されるものではなく、マイク等の音声入力デバイスでもよく、タッチパネル等でもよい。
【0032】
出力手段22は、入力手段21により入力された指示内容や、各指示内容に基づいて実行された処理結果等の内容を表示したり、音声出力等を行う。なお、出力手段22は、ディスプレイ等の画面表示デバイスでもよく、またスピーカ等の音声出力デバイス等でもよい。
【0033】
記憶手段23は、本実施形態において必要となる各種情報を記憶する。例えば、記憶手段23は、コンテンツ制作装置11にアクセス可能なユーザを管理するための情報や、コンテンツを制作したり改変したりするためのデータを管理するための情報、各種ツール、ソフトウェア等を記憶する。
【0034】
また、記憶手段23は、例えば番組を制作するために必要な台本データ、生成された台本データに記述されている演出を行い、番組を生成するために必要なキャラクタ(オブジェクト)、スタジオセット、音声、動作、画像、映像、テキストデータ等の各種データを有する複数の素材データ、番組の演出内容や番組を構成する上で必要な番組制作エンジン、コンテンツ生成スクリプト(例えば、TVMLスクリプト)、コンテンツ等を記憶する。
【0035】
また、記憶手段23は、例えば本実施形態における各世代コンテンツやコンテンツに対応するコンテンツ生成情報等を記憶する。また、記憶手段23は、例えばコンテンツを構成する編集データや、編集データ等から具体的な動作を規定する定義データ、編集データからWebページに変換するための変換テーブル、ユーザ毎に改変できる部分を設定した改変可能情報等を記憶する。
【0036】
記憶手段23は、送受信手段31を介してユーザ端末12や他の外部装置等から受信した制御データや台本データ、素材データ、番組制作エンジン、スクリプト、ユーザ端末12の接続情報や視聴状況等の各種データを記憶することができる。なお、記憶手段23に記憶される内容は、これに限定されるものではない。
【0037】
記憶手段23は、上述した各種データを通信ネットワーク13等に接続された外部装置等から取得することもできる。記憶手段23は、例えばハードディスクやメモリ等である。
【0038】
ユーザ管理手段24は、ユーザ端末12から通信ネットワーク13を介してコンテンツ制作装置11にアクセスする(ログイン入力する)ユーザを管理する。例えば、ユーザ管理手段24は、ユーザ認証等を行い、認証許可が得られたユーザに対して本実施形態におけるコンテンツ制作を管理する。ユーザ管理手段24は、認証されたユーザ毎に、提供する情報や操作内容(例えば、改変可能情報)等の制限を設定することができる。
【0039】
データ管理手段25は、例えばユーザがユーザ端末12から入力したテキスト(例えば、文字データ、指示データ、改変データ等)や、コンテンツ制作装置11に登録する素材データ等を受け付け、ユーザを識別するためのユーザIDに関連付けて管理する。
【0040】
また、データ管理手段25は、本実施形態において改変される既存のコンテンツや改変途中のコンテンツ、改変されたコンテンツ等に用いられる各種データ(例えば、編集データ、定義データ、改変可能情報、コンテンツ生成情報等)、ユーザ端末12からのコンテンツ改変要求や世代コンテンツ提示要求等の各種要求情報を管理してもよい。
【0041】
また、データ管理手段25は、例えばユーザ端末12からのコンテンツ改変要求(制作要求)に対して、改変対象のコンテンツに対応する編集データ等を記憶手段23から取得して画面生成手段28に出力し、対応するコンテンツ制作画面を画面生成手段28に生成させてもよい。
【0042】
また、データ管理手段25は、コンテンツに対応する編集データに対して、ユーザ毎に使用できる世代コンテンツや使用する各コンテンツで改変できる部分又は改変できない部分(隠蔽部分)を設定し、設定された改変可能情報を記憶手段23に記憶させて管理してもよい。
【0043】
コンテンツ生成手段26は、記憶手段23等に記憶された編集データ及び定義データ等を用いてコンテンツを生成するためのスクリプト(例えば、TVMLスクリプト)を生成する。なお、編集データは、ユーザに改変される前の編集データでもよく、改変された後の編集データでもよい。また、コンテンツ生成手段26は、生成されたTVMLスクリプトからコンテンツを生成することもできる。
【0044】
また、コンテンツ生成手段26は、そのコンテンツが生成された場合に、そのコンテンツの生成情報に継承情報を付加し、情報を更新する。継承情報は、例えばそのコンテンツを生成する際に、その元となった1又は複数のコンテンツの情報等を付加することができる。
【0045】
世代コンテンツ抽出手段27は、ある既存のコンテンツを選択した場合に、例えばそのコンテンツ生成情報に含まれる継承情報に基づいて、対応する過去(1又は複数世代前)のコンテンツ(世代コンテンツ)を抽出する。例えば、世代コンテンツ抽出手段27は、選択された利用中の既存コンテンツに対して、予め設定された世代数分(例えば、3世代分)のコンテンツを抽出してもよく、起源となる先祖の世代までのコンテンツ(全世代)を抽出してもよい。
【0046】
また、世代コンテンツ抽出手段27は、例えば世代コンテンツの生成時の情報から、構成情報に対応して予め設定されたタグ情報を検索し、検索されたタグ情報の要素が制作中のコンテンツの構成情報の要素と同一である場合に、世代コンテンツで設定されている内容を抽出してもよい。
【0047】
画面生成手段28は、コンテンツを制作するための情報をユーザ端末12の画面上に提示するためのコンテンツ制作情報提示手段としての機能を有する。例えば、画面生成手段28は、番組等のコンテンツを選択して視聴したり、既存のコンテンツに対応する編集データ等を取得して、その既存コンテンツに対する編集データを改変するための画面を生成する。
【0048】
例えば、画面生成手段28は、ユーザ端末12からのコンテンツ改変要求を受け付けると、コンテンツを改変するための情報を入力させるWebブラウザ上の画面等を生成する。なお、画面生成手段28は、例えばユーザ端末12に配信中(ユーザが視聴中)のコンテンツ、又は、直前に配信したコンテンツを改変させるための画面を生成してもよい。
【0049】
また、画面生成手段28は、予めユーザに改変させることができる既存のコンテンツを設定し、その設定されたコンテンツ一覧画面を生成したり、ユーザが過去に視聴したコンテンツの視聴履歴からコンテンツ一覧画面を生成して、ユーザ端末12に表示させ、その一覧の中からユーザの指示等により選択されたコンテンツに対して、そのコンテンツを改変させるための画面を生成してもよい。また、画面生成手段28は、既存のコンテンツに対応する編集データや、編集データに対応する定義データを表示する画面を生成してもよい。
【0050】
更に、画面生成手段28は、ユーザ等により世代コンテンツを提示する旨の要求を受けた場合に、世代コンテンツ抽出手段27により抽出された、現在利用している既存のコンテンツに対する世代コンテンツに関する内容を提示する画面を生成する。画面生成手段28は、世代コンテンツから抽出された内容に対して、世代順に並び替え、重複削除、及び集計等のうち少なくとも1つを実行し、実行された結果をリスト等で表示することができる。
【0051】
なお、画面生成手段28が生成する画面の種類や内容については、これに限定されるものではなく、例えばWebブラウザ以外の専用GUIを生成してもよい。画面生成手段28により生成された各種画面は、出力手段22により表示することもでき、配信手段29によりユーザ端末12に配信することもできる。
【0052】
配信手段29は、例えば配信要求等があったユーザ端末12に対して、コンテンツ生成手段26が生成した映像コンテンツ等をユーザ端末12に配信する。この場合、配信手段29は、映像コンテンツをユーザ端末12にダウンロードさせたり、ストリーミング等により配信することができる。
【0053】
また、配信手段29は、画面生成手段28により生成された画面をユーザ端末12で閲覧できるようにする。例えば、配信手段29は、ユーザ等がユーザ端末12からWebブラウザ等を用いてコンテンツ制作(改変)用の画面を閲覧できるように、インターネット等の通信ネットワーク13上に公開する。なお、公開される画面に表示される内容は、ユーザ端末12毎に変えてもよく、複数のユーザ端末12で共通の画面にしてもよい。
【0054】
再生手段30は、コンテンツ生成手段26により生成された映像コンテンツ等を再生する。例えば、再生手段30は、ユーザ端末12からの映像コンテンツの視聴要求に対して、映像コンテンツを閲覧できるようにすることができる。また、再生手段30は、コンテンツ制作装置11を使用する管理者に対して、映像コンテンツを再生し、出力手段22により出力して視聴させることもできる。
【0055】
送受信手段31は、通信ネットワーク13を介してユーザ端末12や他の外部装置等とデータの送受信を行うための通信手段である。送受信手段31は、ユーザ端末12からコンテンツに対する配信要求や視聴要求、コンテンツ改変要求等の各種情報を受信する。また、送受信手段31は、映像コンテンツやコンテンツ制作用の画面インターフェース等をユーザ端末12に送信する。
【0056】
制御手段32は、コンテンツ制作装置11における各機能構成全体の制御を行う。例えば、制御手段32は、入力手段21により入力されたユーザ等からの入力情報に基づいて、ユーザ(視聴者等)を管理したり、コンテンツの制作、改変に関する各種データを管理したり、コンテンツやコンテンツ制作画面を生成して配信する等の制御を行う。なお、制御手段32における制御は、これに限定されるものではなく、例えばコンテンツ制作装置11の起動や停止、本実施形態におけるコンテンツ制作処理の終了の判断等の制御、エラー発生時の制御等を行うこともできる。
【0057】
<コンテンツ制作装置11の処理(コンテンツ制作処理)の一例>
次に、本実施形態におけるコンテンツ制作装置11の処理の一例について、フローチャートを用いて説明する。
図3は、コンテンツ制作装置の処理の一例を示すフローチャートである。
【0058】
図3の例において、コンテンツ制作装置11のユーザ管理手段24は、ユーザ端末12からのアクセス(ログイン)に対するユーザ認証を行う(S01)。S01の処理では、ユーザ端末12から入力されるユーザ情報(ユーザIDやパスワード等)と、予め記憶手段23に設定されたユーザ情報とを照合し、入力されたユーザ情報が記憶手段23に記憶されているユーザ情報に含まれる場合に、認証を許可する。なお、以下の処理では、認証が許可された場合のコンテンツ制作処理について説明するが、認証が不許可だった場合は、その旨の通知をアクセスしてきたユーザ端末12に対して行い、再度認証させるか、処理を終了する。また、本実施形態では、ユーザ認証を行わなくてもよい。その場合には、アクセスしてきた全てのユーザ端末12が後述する処理を実行できる。
【0059】
次に、コンテンツ制作装置11のコンテンツ生成手段26は、ユーザ端末12から視聴したいコンテンツの指定や設定があった場合や、コンテンツ制作側で視聴させたいコンテンツがある場合等に、そのコンテンツを生成する(S02)。次に、コンテンツ制作装置11の配信手段29は、そのコンテンツをS01の処理により認証したユーザ端末12のユーザに配信する(S03)。
【0060】
ここで、コンテンツ制作装置11のコンテンツ生成手段26は、コンテンツを配信したユーザ端末12からコンテンツ改変要求(制作要求)があったか否かを判断する(S04)。S04の処理において、コンテンツ改変要求があった場合(S04において、YES)、コンテンツ制作装置11の画面生成手段28は、S03の処理で配信したコンテンツ、又は、予め設定したコンテンツ改変可能なコンテンツ一覧やユーザの視聴履歴から得られるコンテンツ一覧等からユーザ等により選択されたコンテンツに対応する編集データ等を用いてコンテンツ制作画面を生成する(S05)。
【0061】
次に、コンテンツ制作装置11の配信手段29は、S05の処理で生成されたコンテンツ制作画面を認証されたユーザ端末12に表示させる(S06)。ユーザは、コンテンツ制作画面を参照しながら、既存のコンテンツを改変する(S07)。なお、S07の処理では、ユーザは、新規のコンテンツを生成してもよい。
【0062】
ここで、コンテンツ制作装置11のコンテンツ生成手段26は、例えばコンテンツの生成中に、世代コンテンツ提示要求があったか否かを判断する(S08)。世代コンテンツ提示要求があった場合(S08において、YES)、世代コンテンツ抽出手段27は、利用中の既存コンテンツに対応する世代コンテンツを抽出する(S09)。なお、S09の処理において、世代コンテンツ抽出手段27は、例えばユーザ毎に予め設定された世代数分(例えば、3世代分等)のコンテンツを抽出するが、これに限定されるものではなく、起源となる先祖の世代までのコンテンツ(全世代)を抽出してもよい。
【0063】
次に、画面生成手段28は、抽出された世代コンテンツから得られた情報を提示する(S10)。なお、S10の処理において、画面生成手段28は、例えば同じ構成情報を用いている箇所をリストアップした情報を提示することができる。これにより、関連のある幅広い情報が過去の世代コンテンツから統計的に提示されるため、ユーザは所望する情報を選択して容易に改変することができる。
【0064】
上述したS08の処理において世代コンテンツ提示要求がない場合(S08において、NO)、又は、S10の処理後、コンテンツ制作装置11のコンテンツ生成手段26は、ユーザ端末12からコンテンツ制作画面を用いた既存コンテンツに対する改変があったか否かを判断し(S11)、改変があった場合(S11において、YES)、改変された内容に基づいて新たなコンテンツ(派生コンテンツ)を生成する(S12)。
【0065】
次に、コンテンツ制作装置11の配信手段29は、S12の処理により得られたコンテンツをユーザ端末12に配信する(S13)。次に、コンテンツ制作装置11は、S13の処理により配信したコンテンツの内容を視聴したユーザのユーザ端末12から、内容OKの指示があったか否かを判断し(S14)、内容がOKでない(例えば、再設定指示である)場合(S14において、NO)、S06に戻る。また、内容がOKの指示があった場合(S14において、YES)、データ管理手段25は、改変データ等を記憶手段23に記憶する(S15)。
【0066】
なお、S15の処理では、改変データの他にも最終的に制作されたコンテンツ等を記憶手段23に記憶することで、改変されたコンテンツを迅速に視聴することができる。また、S15の処理により、例えば改変途中のデータを記憶手段23に記憶することで、次回ログインしたときに改変途中の内容を記憶手段23から読み出して、迅速に続きの改変作業をユーザに行わせることができる。
【0067】
また、S15の処理では、コンテンツ生成手段26は、利用したコンテンツを親コンテンツとし、そのコンテンツに関する情報(識別情報)を継承情報として、改変により新たに生成されたコンテンツに対応するコンテンツ生成情報に付加した改変データを記憶する。
【0068】
次に、コンテンツ制作装置11は、S11の処理において、改変がなかった場合(S11において、NO)、又は、S15の処理後、ユーザ端末12から他のコンテンツを制作(改変)する旨の要求があったか否かを判断し(S16)、他のコンテンツ制作要求があった場合(S16において、YES)、S05の処理に戻る。また、コンテンツ制作装置11は、S16の処理において、他のコンテンツ制作要求がない場合(S16において、NO)、処理を終了する。また、上述したS04の処理において、コンテンツ改変要求がなかった場合(S04において、NO)、処理を終了する。
【0069】
<コンテンツ制作システム10の具体例>
次に、本実施形態におけるコンテンツ制作システム10の具体例について説明する。
図4は、コンテンツ制作システムの具体例を示す図である。なお、
図4の例では、ユーザ端末12及びコンテンツ制作装置11の一部の構成が示されている。
【0070】
本実施形態におけるコンテンツ制作システム10において、ユーザ40は、ユーザ端末12の入力手段41から、コンテンツ制作システム10が事前に各ユーザに割り当てられたユーザ識別情報(ユーザID)によりコンテンツ制作システム10にログインすると、コンテンツ制作装置11のユーザ管理手段24は、ユーザ認証を行う。
【0071】
ユーザ40は、映像コンテンツ制作時に、例えばメタデータとして番組内容や出演者等の検索タグが付けられている既存の映像コンテンツを、キーワード検索等で検索して視聴することができる。なお、視聴する既存の映像コンテンツは、ユーザ40自身が検索しなくても、コンテンツ制作装置11側が適当なものを提示してもよい。
【0072】
例えば、ユーザ40に選択された映像コンテンツは、コンテンツ制作装置11の配信手段29から映像ストリーム(ダウンロードでもよい)等によりユーザ端末12に配信され、ユーザ端末12の表示手段42により再生された視聴用映像43が画面に表示される。これにより、ユーザ40は、コンテンツを視聴することができる。
【0073】
ここで、例えばユーザ40が視聴したコンテンツ又は予め設定された1又は複数のコンテンツの中から、気に入った(改変したい)コンテンツが要求されると、データ管理手段25は、そのコンテンツ改変要求に対応するコンテンツの編集データを記憶手段23等から取得し、画面生成手段28へ出力する。
【0074】
画面生成手段28は、コンテンツに対応する編集データから、ユーザ40がコンテンツを改変する際に利用する画面(例えば、Webページ)として、例えばHTML(Hyper Text Markup Language)データを有するコンテンツ制作画面(UI画面)44を生成し、生成したコンテンツ制作画面44をユーザ端末12の表示手段42から表示させる。なお、コンテンツ制作画面44は、例えばWebブラウザ等により表示される画面であるが、これに限定されるものではない。
【0075】
これにより、ユーザ40は、このUI画面(コンテンツ制作画面44)を利用して、入力手段41からコンテンツの改変入力を行うことができる。例えば、ユーザ40が、自分や他人が予め用意した使用可能な素材データ等を用いてコンテンツを改変すると、この改変内容(例えば、テキストデータや素材データ等)がコンテンツ制作装置11に送信される。
【0076】
コンテンツ制作装置11のコンテンツ生成手段26は、改変された情報や素材、元のコンテンツに使用された番組制作エンジン等を使って、新たなコンテンツ(改変されたコンテンツ)を生成するためのTVMLスクリプトを生成する。
【0077】
また、コンテンツ生成手段26は、生成したTVMLスクリプトから、例えば映像ストリーム等を有するコンテンツ(例えば、番組)等を生成する。映像コンテンツとして生成されたものは、配信手段29からユーザ端末12に配信することで、ユーザ40は、自分が生成したコンテンツを視聴することができる。
【0078】
また、データ管理手段25が、ユーザ端末12からコンテンツ制作時に利用中のコンテンツに対する世代コンテンツの提示要求を取得すると、世代コンテンツ抽出手段27は、コンテンツ生成情報に含まれる上述した継承情報に基づいて、親子関係や孫関係にある各世代コンテンツのデータを抽出する。画面生成手段28は、世代コンテンツ抽出手段27で抽出されたデータに基づいた提示画面を生成し、生成した提示画面をユーザ端末12のコンテンツ制作画面44に表示する。
【0079】
本実施形態では、ユーザが自分や他人が過去に使用した素材や台本等を使い、コンテンツを改変することができ、改変した情報や素材等を用いてコンテンツ制作装置11側で新たな映像コンテンツを生成することができる。改変された映像コンテンツは、映像ストリームとして配信手段29からユーザ端末12に配信され、表示手段42から視聴用映像43として表示される。
【0080】
<各種データ例>
次に、本実施形態における各種データ例について図を用いて説明する。
図5は、本実施形態におけるデータ例を示す図である。
図5(A)、(B)におけるデータ例は、コンテンツの元となるTVMLスクリプトを生成するための台本データであり、編集データ(デザインデータ)でもある。なお、
図5(A)、(B)のデータ例では、説明の便宜上、左側に行番号を付与している。
【0081】
本実施形態では、コンテンツを制作するための情報(コンテンツ生成情報)は、編集データ及び定義データの2種類のデータから構成される。編集データは、実際のコンテンツを制作するためのコンテンツ毎の情報を定義データの項目毎、コンテンツ進行の時系列に従って記載される。
【0082】
例えば、
図5(A)、(B)に示す編集データ内には、<data_id>タグ((03)行目)と、<parent_id>タグ((04)行目)が含まれている。<data_id>タグの要素は、システム上で生成する映像コンテンツ毎に自動で振られるユニークな数値(コンテンツ識別情報)である。また、<parent_id>タグの要素は、コンテンツ制作時に改変の元となった既存コンテンツ(親世代のコンテンツ)の<data_id>タグの要素(コンテンツ識別情報)である。この<parent_id>タグが、上述した継承情報に相当する。
【0083】
なお、本実施形態において、元コンテンツからではなく、全く新規にコンテンツを作成した場合、例えば<parent_id>タグの要素は「none」としてもよく、<parent_id>タグ自体がなくてもよい。
【0084】
図5(A)の例では、コンテンツID(data_id)は300、世代コンテンツID(parent_id)は240を示している。また、
図5(B)の例では、コンテンツIDは240、世代コンテンツIDは125を示している。
【0085】
つまり、
図5(B)のコンテンツ生成情報は、
図5(A)に示すコンテンツの親コンテンツ(1世代)であり、
図5(A)と
図5(B)のそれぞれのコンテンツ生成情報は親子関係にあることが分かる。なお、<data_id>タグ及び<parent_id>タグの位置は、
図5(A)、(B)の例に限定されるものではない。
【0086】
<世代コンテンツの利用例>
図6は、世代コンテンツの利用例を示す図である。
図6の例では、制作中のコンテンツが、ある既存のコンテンツ(親コンテンツ)を利用している場合を示している。このような場合に、ユーザ端末12から世代コンテンツ提示要求を受け付けると、世代コンテンツ抽出手段27は、その親のコンテンツの情報(例えば、コンテンツ生成情報)から継承情報(世代コンテンツID(parent_id)タグ)を抽出する。また、世代コンテンツ抽出手段27は、その継承情報を用いてコンテンツ識別情報(data_id)が同じIDを持つ1世代前のコンテンツ(親コンテンツ)を抽出する。
【0087】
また、世代コンテンツ抽出手段27は、抽出した1世代前のコンテンツの継承情報を抽出して、更に前のコンテンツを抽出する。このようにして、例えば
図6に示すように各世代前のコンテンツをたどり、全ての世代(先祖)コンテンツをユーザ端末12にリストアップすることができる。
【0088】
なお、
図6に示すような世代コンテンツの抽出は、例えばコンテンツ制作時に、ユーザが元コンテンツを決めたタイミングで全ての世代コンテンツをリストアップしてもよいが、これに限定されるものではなく、例えばユーザが画面上に表示される世代コンテンツ提示要求ボタン等を押下する等の所定の動作があったのを契機として上述した抽出を行ってもよい。
【0089】
また、本実施形態では、世代コンテンツのコンテンツ生成情報を解析し、現在編集(改変)している箇所と同じ構成情報を用いている箇所をリストアップするのが好ましい。
【0090】
<世代コンテンツの提示例>
次に、本実施形態において世代コンテンツ抽出手段27により抽出された世代コンテンツの提示処理について、フローチャートを用いて具体的に説明する。
図7は、世代コンテンツの提示処理の一例を示すフローチャートである。
図7の例において、世代コンテンツ抽出手段27は、抽出した世代コンテンツのコンテンツ生成情報(編集データ、デザインデータ)を読み込み(S21)、読み込んだコンテンツ生成情報内を、例えば演出内容(例えば、スーパー表示や、CGキャラクタのセリフや動作、映像や音声出力)毎に区切られたノードタグ(<node>タグ)単位で読み込む(S22)。S22の処理では、例えば、
図5(A)に示す(06)〜(08)行目、(11)〜(17)行目、(18)〜(25)行目、(26)〜(33)行目等で区切られた単位で読み込むが、これに限定されるものではない。
【0091】
次に、世代コンテンツ抽出手段27は、読み込んだ<node>タグ内を解析し、例えば読み込んだ世代コンテンツの<node>タグ内の構成情報(例えば、<type>タグ要素)が、現在制作中のコンテンツの構成情報(<type>タグ要素)と一致するか否かを判断する(S23)。<type>タグ要素が一致する場合(S23において、YES)、世代コンテンツ抽出手段27は、<node>タグ内の構成情報(例えば、<sub_type>タグ要素)が、現在制作中のコンテンツの構成情報(<sub_type>タグ要素)と一致するか否かを判断する(S24)。
【0092】
<sub_type>タグ要素が一致する場合(S24において、YES)、世代コンテンツ抽出手段27は、<type>タグ要素も<sub_type>タグ要素も一致するため、同じ構成情報を用いている箇所と判断して、世代コンテンツとして提示する内容をリストに追加する(S25)。なお、上述の例では、<type>タグ要素及び<sub_type>タグ要素を用いて構成情報が一致しているか否かを判断したが、これに限定されるものではなく、少なくとも1つのタグ要素を用いればよい。また、リストに追加される情報としては、例えば世代コンテンツIDや<type>タグ要素、<sub_type>タグ要素、及び同一<node>タグ内の他のタグ要素等のうち、少なくとも1つであるが、これに限定されるものではない。
【0093】
次に、世代コンテンツ抽出手段27は、コンテンツ生成情報の最後の<node>タグまで読み込んだか否かを判断し(S26)、読み込んでいない場合(S26において、NO)、S22の処理に戻り、次の<node>タグを読み込んで後続の処理を行う。
【0094】
なお、世代コンテンツ抽出手段27は、上述したS23の処理において、<type>タグ要素が一致しない場合(S23において、NO)、又は、上述したS24の処理において、<sub_type>タグ要素が一致しない場合(S24において、NO)、S22の処理に戻り、次の<node>タグを読み込んで後続の処理を行う。なお、S23及びS24の処理では、<type>タグや<sub_type>タグ自体が存在しない場合にもS22の処理に戻り、次の<node>タグを読み込んで後続の処理を行う。
【0095】
次に、世代コンテンツ抽出手段27は、いま解析しているコンテンツ生成情報に親コンテンツがあるか否かを判断する(S27)。S27の処理において、世代コンテンツ抽出手段27は、上述したコンテンツ生成情報に含まれる継承情報を参照し、世代コンテンツID(世代コンテンツ識別情報)があるか否かにより親コンテンツを特定する。なお、S27の処理では、予め最大世代数が設定されている場合には、その世代数に応じた世代の親コンテンツがあるかを判断してもよい。
【0096】
親コンテンツがある場合(S27において、YES)、世代コンテンツ抽出手段27は、S21の処理に戻り、その世代(次の親)のコンテンツ生成情報を読み込み、後続の処理を行う。また、親コンテンツがない場合(S27において、NO)、それまでの世代コンテンツの内容をユーザ端末12に提示する(S28)。S28の処理では、画面生成手段28は、ユーザ端末12に世代コンテンツから取得した情報を提示するための画面を生成し、生成した画面が配信手段29によりユーザ端末12に配信されることで、世代コンテンツの情報を提示することができる。
【0097】
また、S28の処理では、それまでに取得した各世代のコンテンツ情報を集計し、その集計結果に基づいて提示される内容の並べ替えやフィルタ処理を行うような統計処理を行ってもよい、また、S28の処理では、どの世代から取得した内容であるかを提示してもよい。
【0098】
上述したように、本実施形態では、継承情報を用いて編集データ(デザインデータ)内を参照し、取得した世代コンテンツに対して、例えば同じ構成情報(例えば、<type>タグ、<sub_type>タグ等)を用いている箇所をリストアップすることで、ユーザは過去のコンテンツで利用された内容を容易に取得し、利用することができる。
【0099】
また、本実施形態では、提示された世代コンテンツの内容から1又は複数を選択すると、選択した内容と、改変対象となっている箇所の内容とを置換することができる。これにより、コンテンツ制作時のユーザの負担を軽減し、ユーザに容易にコンテンツを制作させることができる。
【0100】
<各種画面例>
次に、本実施形態における各種画面例について、図を用いて説明する。
図8は、コンテンツ制作画面の一例を示す図である。
図8(A)は、上述したコンテンツ制作画面44の初期画面50の一例を示し、
図8(B)は、その詳細設定画面60の一例を示し、
図8(C)は、生成されたコンテンツの再生画面70(上述した視聴用映像43)の一例を示している。
【0101】
図8(A)に示すように、初期画面50には、改変要求時に得られた既存コンテンツ(親コンテンツ)に対する各種の設定内容が表示されている。
図8(A)の例では、初期画面50内に、一例として番組(コンテンツ)のシーンを設定するシーン設定領域51、番組に登場するCGキャラクタ(出演者等)を設定するキャラクタ設定領域52、キャラクタ毎のセリフ(しゃべり)設定領域53、キャラクタ毎の表情設定領域54等が設けられているが、設定内容や画面レイアウト等については、これに限定されるものではない。初期画面50は、例えばHTMLフォーマットによりWebページ(Webブラウザ)等でユーザ端末12に提示されるが、これに限定されるものではない。
【0102】
例えば、ユーザが番組の制作(改変)時にキャラクタAのセリフ設定領域53−1を選択すると、
図8(B)に示すような詳細設定画面60が表示される。詳細設定画面60には、一例として、しゃべり方を設定する領域61と、しゃべる内容を設定する領域62とを有する。しゃべり方を設定する領域61では、予め設定されたしゃべり方(例えば、「普通にしゃべる」、「焦り気味にしゃべる」、「ゆっくりしゃべる」等)から選択することができる。また、しゃべる内容を設定する領域62には、ユーザが決めたセリフを入力することができる。なお、最初に表示される詳細設定画面60には、現時点で設定されている内容が表示される。なお、
図8(B)に示す画面に対応する内容は、上述した
図5(A)の(26)〜(33)行目の内容に対応している。
【0103】
上述したように、各種設定を行った後、コンテンツが生成されて
図8(C)の再生画面70に示すように、対応する番組(コンテンツ)を視聴用映像43として表示することができる。なお、
図8(A)〜(C)に示す各種画面は、画面生成手段28により生成され、ユーザ端末12で表示される。
【0104】
ここで、上述した
図8(B)の例に示す詳細設定画面60には、過去ボタン63が設けられている。なお、ボタンの種類や位置、名称等については、
図8(B)の例に限定されるものではない。ユーザは、過去ボタン63を選択することで、上述したように現在改変(編集)中のコンテンツに対応する世代コンテンツを抽出して、画面に表示することができる。
【0105】
<詳細設定画面60の具体例>
次に、上述した詳細設定画面の具体例について、図を用いて説明する。
図9は、詳細設定画面の具体例を示す図である。また、
図10は、
図9の詳細設定画面の表示内容に対応する編集データ(デザインデータ)例と定義データ例とを示す図である。
【0106】
図9(A)は、内容がセリフ等のテキスト情報の場合の世代コンテンツ内容の提示及び置換の一例を示し、
図9(B)は、内容が音声ファイルや動画ファイル等の素材(コンテンツ)情報の場合の世代コンテンツ内容の提示及び置換の一例を示している。また、
図10(A)、(B)は、それぞれ
図9(A)、
図9(B)に対応する編集データ81−1、81−2と、各編集データに対応する定義データ82−1、82−2とを示している。
【0107】
例えば、ユーザが、
図8(B)に示す詳細設定画面60の過去ボタン63を選択すると、その世代(先祖)コンテンツを抽出し、更に抽出された世代コンテンツから構成情報(例えば、<type>タグ、<sub_type>タグ等)が一致した箇所を、
図9(A)に示すように改変候補としてリスト64−1に表示する。
【0108】
図9(A)の詳細設定画面60−1の例では、1つの世代コンテンツ内に<type>タグと<sub_type>タグが一致した箇所が複数ある場合に、これらを全て表示することができる。また、本実施形態では、ユーザ毎に設定された改変可能情報に基づいて、改変可能な情報のみをリスト64−1に表示する。
【0109】
図9(A)の例では、「キャラAのしゃべり」で「普通にしゃべる」と設定された世代コンテンツのセリフが世代コンテンツID(id)と共にリスト64−1に表示されている。
【0110】
ユーザは、リスト64−1に表示された世代コンテンツの内容(改変候補)を参照し、少なくとも1つを選択することで、元コンテンツの該当箇所を選択した内容に即座に置換することができる。なお、本実施形態では、世代コンテンツの内容以外に、ユーザが自ら入力して設定してもよい。
【0111】
図9(B)の詳細設定画面60−2の例では、改変箇所が音声再生の場合を示しているが、この場合も
図9(A)と同様に世代コンテンツ内の構成情報(例えば、<type>タグ、<sub_type>タグ等)が一致した箇所をリスト64−2のように表示する。
【0112】
図9(B)の例では、「サウンド再生」で「視程するサウンドファイルを普通に再生」と設定された世代コンテンツの音声ファイルが世代コンテンツID(id)と共にリスト64−2に表示されている。
【0113】
また、本実施形態において、改変候補が音声素材等の場合には、例えば
図9(B)に示すようにユーザが提示された改変候補毎に試聴できるように表示してもよい。このような表示は、画面生成手段28により生成される。ユーザは、音声素材を視聴し、使用したい音声があれば、そのファイル名や素材名等を選択することで、即座に置換することができる。
【0114】
なお、本実施形態では、音声だけでなく、動画や静止画の場合も同様に、各改変候補が視聴可能となるように表示することができる。これにより、ユーザは、音声や映像、画像等を実際に確認することができるため、自分の好みのコンテンツに容易に改変することができる。
【0115】
また、改変された内容は、
図10(A)、(B)に示すように、編集データ81−1、81−2に反映され、更に定義データ82−1、82−2の変数(例えば、{$serif}、{$sound_file}等)に、編集データ81−1、81−2の値が代入されて、TVMLスクリプトを生成し、生成されたスクリプトを用いて改変(派生)したコンテンツを生成することができる。なお、改変等により新しいコンテンツを生成した場合、そのコンテンツ生成情報に、利用した元のコンテンツの識別情報を継承情報として付加する。
【0116】
<リスト内容の具体例>
次に、上述したリスト内容の具体例について、図を用いて説明する。
図11は、リスト内容の具体例を示す図である。本実施形態における詳細設定画面60−1において、例えば、
図11(A)に示す例では、各世代コンテンツをリストアップした場合に、世代コンテンツIDではなく、何世代前の情報であるかをリスト64−1aを表示した例を示している。これにより、どの世代から抽出された内容であるかをユーザが容易に把握することができ、最近の流行や内容の変遷(移り変わり)等を容易に把握することができる。
【0117】
また、
図11(B)に示す詳細設定画面60−1の例では、キャラAのしゃべり方が「焦り気味にしゃべる」である世代コンテンツをID順(降順、世代の新しいもの順)にソート(並べ替え)して、リスト64−1bを表示した例を示している。
図11(B)に示すように、リスト64−1bの表示内容を並べ替えることで、世代コンテンツとの関連性(例えば、近い世代か否か等)を容易に把握することができる。
【0118】
また、
図11(C)に示す詳細設定画面60−1の例では、世代コンテンツをリストアップした場合に、重複している内容をフィルタリング(重複削除)した例を示している。
図11(C)に示すリスト64−1cでは、例えばid:125とid:80の内容(例えば、「どういうこと?」)が重複していたため、例えば世代が新しいid(125)のみを表示している。このように、重複削除すると共に、最新の情報を表示することで、流行(トレンド)等に応じたコンテンツ内容をユーザに見易く提示することができる。
【0119】
また、
図11(D)に示す詳細設定画面60−1の例では、世代コンテンツを抽出した場合に統計処理により同一内容の集計(カウント)を行い、その集計数の多いものから順に表示している。
図11(D)の例では、リスト64−1dに「どういうこと?」が2回あったため、カウントが2で冒頭に表示されている。このように、統計的な処理を行ってリスト表示することで、統計的な傾向等をユーザに見易く提示することができる。
【0120】
なお、
図11の例は、テキスト情報に関する例を示したが、これに限定されるものではなく、例えば上述した
図9(B)に示すような音声素材(音声コンテンツ)や、映像素材(映像コンテンツ)であっても同様に世代表示や統計表示等を行うことができる。
【0121】
なお、
図9や
図11に示すような世代コンテンツ内容の表示形式は、コンテンツ制作装置11の管理者やユーザ端末12のユーザが設定することで変更等を可能にしてもよく、予め設定された固定の表示形式にしてもよい。また、世代コンテンツ内容の表示形式は、上述したようなリスト形式に限定されるものではなく、例えばハイパーリンク形式等により選択可能な表示形式でもよく、また世代毎に色やマーク、模様、書体等を変えて表示してもよい。
【0122】
<実行プログラム(コンテンツ制作プログラム)>
ここで、上述したコンテンツ制作装置11は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)等の揮発性の記憶媒体、ROM(Read Only Memory)等の不揮発性の記憶媒体、マウスやキーボード、ポインティングデバイス等の入力装置、画像やデータを表示する表示部、並びに外部と通信するためのインターフェースを備えたコンピュータによって構成することができる。
【0123】
したがって、コンテンツ制作装置11が有する各機能は、これらの機能を記述したプログラムをCPUに実行させることによりそれぞれ実現可能となる。また、このプログラムは、磁気ディスク(フロッピィーディスク、ハードディスク等)、光ディスク(CD−ROM、DVD等)、半導体メモリ等の記録媒体に格納して頒布することもできる。
【0124】
つまり、本実施形態では、上述した各構成における処理をコンピュータ(ハードウェア)に実行させるための実行プログラム(コンテンツ制作プログラム)を生成し、例えば汎用のPCやサーバ等にそのプログラムをインストールすることにより、上述したハードウェアと、プログラム等からなるソフトウェアとを協働させて上述したコンテンツ制作処理を実現することができる。
【0125】
上述したように、本実施形態によれば、コンテンツ制作時のユーザの負担を軽減し、ユーザに容易にコンテンツを制作させることができる。例えば、本実施形態によれば、ユーザが1つのコンテンツではなく、その世代コンテンツの同一箇所の内容を取得することで、改変箇所に過去適していた内容に容易に利用することができる。これにより、映像コンテンツ制作時のユーザの負担を減らすことができる。また、過去の内容の中には、自分で選択しないような内容が含まれている可能性があるため、ユーザにとって意外性のあるコンテンツ制作が可能となる。本実施形態によれば、非常に簡単に映像コンテンツ制作が可能なため、映像コンテンツ制作に大きなモチベーションを持っていないライトユーザでも、「試しに作ってみる」等、手軽に映像コンテンツ制作に触れることができる。
【0126】
以上、各実施例について詳述したが、特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲内において、上記変形例以外にも種々の変形及び変更が可能である。また、上述した各実施例等は、その構成要素の一部又は全部を組み合わせることも可能である。