特許第6334893号(P6334893)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6334893
(24)【登録日】2018年5月11日
(45)【発行日】2018年5月30日
(54)【発明の名称】二次電池
(51)【国際特許分類】
   H01M 2/34 20060101AFI20180521BHJP
   H01M 2/26 20060101ALI20180521BHJP
   H01M 2/04 20060101ALI20180521BHJP
   H01M 10/0585 20100101ALI20180521BHJP
   H01M 10/04 20060101ALI20180521BHJP
【FI】
   H01M2/34 A
   H01M2/34 B
   H01M2/26 A
   H01M2/04 A
   H01M10/0585
   H01M10/04 Z
【請求項の数】19
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2013-226158(P2013-226158)
(22)【出願日】2013年10月31日
(65)【公開番号】特開2014-165171(P2014-165171A)
(43)【公開日】2014年9月8日
【審査請求日】2016年10月21日
(31)【優先権主張番号】61/770,168
(32)【優先日】2013年2月27日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】13/923,355
(32)【優先日】2013年6月20日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590002817
【氏名又は名称】三星エスディアイ株式会社
【氏名又は名称原語表記】SAMSUNG SDI Co., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110000981
【氏名又は名称】アイ・ピー・ディー国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】金 悳中
【審査官】 守安 太郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−159328(JP,A)
【文献】 特開2012−028089(JP,A)
【文献】 特開2012−028315(JP,A)
【文献】 特開2013−134994(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 2/26
H01M 2/34
H01M 10/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1電極アセンブリおよび第2電極アセンブリを含む複数の電極アセンブリと、
前記複数の電極アセンブリを収容するケースと、
前記第1電極アセンブリと前記ケースとの間に位置する第1導電板と、
前記第1導電板と電気的に接続される第1接触部材と、
前記第1接触部材と、前記第2電極アセンブリの正極又は負極とを電気的に接続する集電部材と、を含むことを特徴とする二次電池。
【請求項2】
前記第2電極アセンブリは、前記第1電極アセンブリより前記第1導電板からより遠くに位置するように構成されたことを特徴とする請求項1に記載の二次電池。
【請求項3】
前記第1導電板は、前記第1電極アセンブリに電気的に連結されていないことを特徴とする請求項1または2に記載の二次電池。
【請求項4】
前記二次電池は、前記第2電極アセンブリと前記ケースとの間に位置する第2導電板と、
前記第2導電板を前記第1電極アセンブリに電気的に連結する第2接触部材とをさらに含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の二次電池。
【請求項5】
前記第1電極アセンブリは、前記第2電極アセンブリより前記第2導電板からより遠くに位置するように構成されたことを特徴とする請求項4に記載の二次電池。
【請求項6】
前記第2導電板は、前記第2電極アセンブリに電気的に連結されていないことを特徴とする請求項4または5に記載の二次電池。
【請求項7】
前記二次電池は、前記ケースの開口を覆うキャッププレートをさらに含み、
前記第2接触部材は、前記キャッププレート近傍で前記第2導電板に電気的に連結されたことを特徴とする請求項4〜6のいずれか一項に記載の二次電池。
【請求項8】
前記集電部材は、前記第2電極アセンブリの負極に接続されており、
前記負極は、前記第1接触部材を前記集電部材に電気的に連結するように構成されたことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の二次電池。
【請求項9】
前記二次電池は、前記第1接触部材、前記正極又は負極および集電部材を貫通する固定部材をさらに含むことを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の二次電池。
【請求項10】
前記固定部材は、リベットを含むことを特徴とする請求項に記載の二次電池。
【請求項11】
前記第1接触部材と前記集電部材とは、互いに溶接されることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の二次電池。
【請求項12】
前記第1導電板と前記第1接触部材は、それぞれ金属を含むことを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の二次電池。
【請求項13】
前記二次電池は、前記第1導電板と前記第1電極アセンブリとの間に位置する絶縁フィルムをさらに含むことを特徴とする請求項1〜12のいずれか一項に記載の二次電池。
【請求項14】
前記絶縁フィルムは、ポリマー物質を含むことを特徴とする請求項13に記載の二次電池。
【請求項15】
前記第1導電板と前記第1接触部材とは、一体的に形成されたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の二次電池。
【請求項16】
前記二次電池は、前記ケースの開口に結合されるキャッププレートをさらに含み、
前記第1接触部材は、前記キャッププレートから離れた位置で前記第1導電板に締結されることを特徴とする請求項15に記載の二次電池。
【請求項17】
前記二次電池は、前記第1接触部材の一部分に締結される絶縁フィルムをさらに含むことを特徴とする請求項1〜16のいずれか一項に記載の二次電池。
【請求項18】
前記複数の電極アセンブリは、前記第2電極アセンブリに隣接し、前記第1導電板と電気的に連結された第3電極アセンブリをさらに含むことを特徴とする請求項1〜17のいずれか一項に記載の二次電池。
【請求項19】
前記複数の電極アセンブリは、少なくとも第3電極アセンブリおよび第4電極アセンブリをさらに含み、
前記第3電極アセンブリは、前記第2電極アセンブリと第4電極アセンブリとの間に位置し、
前記第3電極アセンブリは、前記第1導電板に電気的に連結され、前記第4電極アセンブリは、前記第2導電板に電気的に連結されることを特徴とする請求項4〜7のいずれか一項に記載の二次電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二次電池に関する。
【背景技術】
【0002】
二次電池(rechargeable battery)は、充電が不可能な一次電池とは異なり、充電および放電可能な電池である。低容量の二次電池は、携帯電話やノートパソコンおよびビデオカメラのように携帯が可能な小型電子機器に用いられ、大容量電池は、ハイブリッド自動車などのモータ駆動用電源または大容量電力貯蔵装置として用いられている。
【0003】
最近、高エネルギー密度の非水電解液を用いた高出力二次電池が開発されており、この高出力二次電池は、大電力を必要とする機器、例えば、電気自動車などのモータの駆動に使用可能に複数の二次電池を直列に連結して大容量の電池モジュールとして構成される。このような二次電池は、円筒型や角型などとなり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
二次電池の外部から釘やキリなどの導電性異物が内部に進入した場合、二次電池の内部で短絡が発生することがある。このように短絡が発生すると、二次電池内部の温度が急激に上昇する危険性がある。
【0005】
そこで、本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであって、本発明の目的は、安全性が向上した二次電池を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、第1電極アセンブリおよび第2電極アセンブリを含む複数の電極アセンブリと、前記複数の電極アセンブリを収容するケースと、前記第1電極アセンブリと前記ケースとの間に位置する第1導電板と、前記第1導電板と電気的に接続される第1接触部材と、前記第1接触部材と、前記第2電極アセンブリの正極又は負極とを電気的に接続する集電部材と、を含むことを特徴とする二次電池が提供される。
【0007】
前記第2電極アセンブリは、前記第1電極アセンブリより前記第1導電板からより遠くに位置するように構成されてもよい。
【0008】
前記第1導電板は、前記第1電極アセンブリに電気的に連結されていなくてもよい。
【0009】
前記二次電池は、前記第2電極アセンブリと前記ケースとの間に位置する第2導電板と、前記第2導電板を前記第1電極アセンブリに電気的に連結する第2接触部材とをさらに含んでもよい。
【0010】
前記第1電極アセンブリは、前記第2電極アセンブリより前記第2導電板からより遠くに位置するように構成されてもよい。
【0011】
前記第2導電板は、前記第2電極アセンブリに電気的に連結されていなくてもよい。
【0012】
前記二次電池は、前記ケースの開口を覆うキャッププレートをさらに含み、前記第2接触部材は、前記キャッププレート近傍で前記第2導電板に電気的に連結されてもよい。
【0014】
前記集電部材は、前記第2電極アセンブリの負極に接続されており、前記負極は、前記第1接触部材を前記集電部材に電気的に連結するように構成されてもよい。
【0015】
前記二次電池は、前記第1接触部材、負極および集電部材を貫通する固定部材をさらに含んでもよい。
【0016】
前記固定部材は、リベットを含んでもよい。
【0018】
前記第1接触部材と前記集電部材とは、互いに溶接されてもよい。
【0019】
前記第1導電板と前記第1接触部材は、それぞれ金属を含んでもよい。
【0020】
前記二次電池は、前記第1導電板と前記第1電極アセンブリとの間に位置する絶縁フィルムをさらに含んでもよい。
【0021】
前記絶縁フィルムは、ポリマー物質を含んでもよい。
【0022】
前記第1導電板と前記第1接触部材とは、一体的に形成されてもよい。
【0023】
前記二次電池は、前記ケースの開口に結合されるキャッププレートをさらに含み、前記第1接触部材は、前記キャッププレートから離れた位置で前記第1導電板に締結されてもよい。
【0024】
前記二次電池は、前記第1接触部材の一部分に締結される絶縁フィルムをさらに含んでもよい。
【0025】
前記複数の電極アセンブリは、前記第2電極アセンブリに隣接し、前記第1導電板と電気的に連結された第3電極アセンブリをさらに含んでもよい。
【0026】
前記複数の電極アセンブリは、少なくとも第3電極アセンブリおよび第4電極アセンブリをさらに含み、前記第3電極アセンブリは、前記第2電極アセンブリと第4電極アセンブリとの間に位置し、前記第3電極アセンブリは、前記第1導電板に電気的に連結され、前記第4電極アセンブリは、前記第2導電板に電気的に連結されてもよい。
【発明の効果】
【0027】
以上説明したように本発明によれば、外部から導体異物が侵入した時、内部短絡による発火および爆発を防止して、二次電池の安全性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明の第1の実施形態にかかる二次電池を示した斜視図である。
図2図1におけるII−II線断面図である。
図3】本発明の第1の実施形態にかかる電極アセンブリと導電板および集電部材を示した部分斜視図である。
図4】本発明の第1の実施形態にかかる第1導電板と第2導電板を示した斜視図である。
図5】本発明の第1の実施形態にかかる二次電池に異物が侵入した状態を示した構成図である。
図6】本発明の第2の実施形態にかかる電極アセンブリと導電板および集電部材を示した部分斜視図である。
図7】本発明の図6におけるVII−VII線断面図である。
図8】本発明の第3の実施形態にかかる電極アセンブリと導電板および集電部材を示した部分斜視図である。
図9】本発明の第3の実施形態にかかる第1導電板と第2導電板を示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、添付した図面を参考にして、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように本発明の実施形態を詳細に説明する。しかし、本発明は、種々の異なる形態で実現可能であり、以下に説明する実施形態に限定されない。そして、本明細書および図面において、同一の符号は同一の構成要素を表す。
【0030】
<1.第1の実施形態>
図1は、本発明の第1の実施形態にかかる二次電池を示した斜視図であり、図2は、図1におけるII−II線断面図である。
【0031】
図1および図2を参照して説明すれば、第1の実施形態にかかる二次電池101は、正極11と負極12との間にセパレータ13を介在して巻き取られた複数の電極アセンブリ10と、電極アセンブリ10が内蔵されるケース34と、ケース34の開口に結合されたキャップアセンブリ20とを含む。
【0032】
以下では、第1の実施形態にかかる二次電池101が、角型のリチウムイオン二次電池である例について説明する。ただし、本発明はこれに限定されず、本発明は、リチウムポリマー電池または円筒型電池など、多様な形態の電池に適用可能である。
【0033】
正極11は、アルミニウムなどからなる薄板の金属箔で形成された集電体に活物質が塗布された領域の正極コーティング部、および活物質がコーティングされていない領域の正極無地部11aを含む。負極12は、銅などからなる薄板の金属箔で形成された集電体に活物質が塗布された領域の負極コーティング部、および活物質がコーティングされていない領域の負極無地部12aを含む。
【0034】
図1および図2に示した例では、正極11がケース34に連結された第2電極となり、負極12は、導電板41、42に連結された第1電極となる。ただし、本発明はこれに限定されず、正極11が第1電極となり、負極12が第2電極となってもよい。また、第1の実施形態では、2つの電極アセンブリ10がケース34内に設けられたものとして例示しているが、本発明はこれに限定されず、ケース内には3つ以上の複数の電極アセンブリが設けられてもよい。導電板41、42は、外部からの導電性異物進入の場合に、安全部材の機能を果たすことができる。
【0035】
正極無地部11aは、正極11の長手方向に沿って正極11の一方側端に形成され、負極無地部12aは、負極12の長手方向に沿って負極12の他方側端に形成される。そして、正極11および負極12は、絶縁体のセパレータ13を間に介在した後巻き取られる。
【0036】
ただし、本発明はこれに限定されず、電極アセンブリ10は、複数のシート(sheet)からなる正極および負極がセパレータを挟んで交互に積層された構造からなってもよい。
【0037】
ケース34は、略直方体からなり、一面には開放された開口が形成される。ケース34と電極アセンブリ10との間には、絶縁のための絶縁封止17が設けられる。絶縁封止17は、フィルム形態からなり、上部が開放されている。
【0038】
キャップアセンブリ20は、ケース34の開口を覆うキャッププレート30と、キャッププレート30の外側に突出し、正極11と電気的に連結された正極端子21と、キャッププレートの外側に突出し、負極12と電気的に連結された負極端子22と、設定された内部圧力によって破断可能に切欠39aが形成されたベント部材39とを含む。
【0039】
キャッププレート30は、薄い板からなり、一側に電解液の注入のための電解液注入口27が形成され、電解液注入口27には密封栓38が設けられる。
【0040】
キャッププレート30と端子21、22との間には下部ガスケット28が設けられ、キャッププレート30と端子21、22との間を密封する。なお、本明細書では、端子21は、正極端子21を称し、端子22は、負極端子22を称する場合もある。
【0041】
下部ガスケット28は、端子ホールに嵌合されて設けられ、キャッププレート30の下面に密着配置される。端子21、22は、円柱形状からなるが、端子21、22には、端子21、22を上部で支持するナット29が設けられ、端子21、22の外周にはナット29が締結可能にねじ山が形成される。
【0042】
正極端子21には連結板35が挿入設置され、連結板35は、ナット29とキャッププレート30との間に設けられる。連結板35は、キャッププレート30と正極端子21とを電気的に連結する役割を果たす。これによって、キャッププレート30とケース34は、正極11と電気的に連結される。
【0043】
負極端子22には上部ガスケット25が挿入設置され、上部ガスケット25は、下部ガスケット28上に配置され、キャッププレート30の上面と接触する。上部ガスケット25は、負極端子22とキャッププレート30とを絶縁する役割を果たす。上部ガスケット25上には、ナット29と上部ガスケット25との間で締結力を緩衝するワッシャ24が設けられる。端子21、22の下部には、キャッププレート30と端子21、22とを絶縁する下部絶縁部材26が設けられる。
【0044】
正極端子21には、正極11と電気的に連結された集電部材51が溶接で付着し、正極端子21および集電部材51は、下部絶縁部材26の下面に形成された溝に嵌合される。集電部材51は、下部に突出した複数のタブ51aを備え、複数のタブ51aは、それぞれの正極無地部11aに溶接で付着する。
【0045】
負極端子22には、負極12と電気的に連結された集電部材52が溶接で付着し、負極端子22および集電部材52は、下部絶縁部材26の下面に形成された溝に嵌合される。集電部材52は、下部に突出した複数のタブを備え、複数のタブは、それぞれの負極無地部12aに溶接で付着する。
【0046】
電極アセンブリ10の外側面には、負極12に電気的に連結された導電板が設けられる。
【0047】
図3は、本発明の第1の実施形態にかかる電極アセンブリと導電板および集電部材を示した部分斜視図であり、図4は、第1導電板と第2導電板を示した斜視図である。
【0048】
図3および図4を参照して説明すれば、導電板は、積層配列された電極アセンブリ10の一方外側に配置された第1導電板41と、電極アセンブリ10の他方外側に配置された第2導電板42とを含む。
【0049】
また、電極アセンブリ10は、ケース34の一方前面と平らな面が隣接して対向するように配置された第1電極アセンブリ10aと、ケース34の他方前面と平らな面が隣接して対向するように配置された第2電極アセンブリ10bとを含む。第1導電板41は、ケース34の一方前面と第1電極アセンブリ10aとの間に配置され、第2導電板42は、ケース34の他方前面と第2電極アセンブリ10bとの間に配置される。
【0050】
負極12に連結された集電部材52は、端子に連結された上板52cと、上板52cから下に向かって曲がっている連結板52dと、連結板52dから延びて負極無地部12aに並ぶように曲がっている複数のタブとを含む。第1の実施形態にかかる集電部材52は、2つの電極アセンブリ10にそれぞれ連結可能に2つのタブを有する。タブは、第1電極アセンブリ10aに付着する第1タブ52aと、第2電極アセンブリ10bに付着する第2タブ52bとを含む。
【0051】
第1導電板41は、第1電極アセンブリ10aの外面に当接するように設けられる。第1導電板41は、第1電極アセンブリ10aで外側に向かう平らな面に付着した側板411と、側板411に連結形成され、第2タブ52bに固定される接触部材とを含む。ここで、平らな面とは、電極アセンブリ10の外周面のうち、上端および下端の屈曲した部分を除いた平らな面を意味する。
【0052】
側板411と接触部材は、銅、ステンレススチールなどの導電性を有する金属板からなる。側板411において、第1電極アセンブリ10aと接触する面には絶縁フィルム43が付着する。絶縁フィルム43は、ポリマー材質からなり、側板411と第1電極アセンブリ10aとが直接接触するのを防止する。
【0053】
また、接触部材は、負極無地部12aに固定される接続部415と、側板411から延びて傾斜して屈曲した傾斜部412と、傾斜部412から屈曲して第1電極アセンブリ10aの側端に向かって連結された延長部413と、延長部413から屈曲して接続部415に向かって連結された支持部414とを含む。
【0054】
ここで、接続部415は、傾斜部412と延長部413、および支持部414を介して側板に連結される。第1の実施形態にかかる側板411と接触部材とは一体に形成され、接触部材は側板411の一方側端の下部に連結されている。
【0055】
傾斜部412は、負極無地部12aを支持して、外部の衝撃や振動で揺れるのを遮断する役割を果たし、支持部414は、延長部413と接続部415とを連結可能に第1電極アセンブリ10aの側端から第2電極アセンブリ10bの側端まで連結されて形成される。傾斜部412と延長部413および支持部414には、第1電極アセンブリ10aおよび第1タブ52aとの絶縁のための絶縁フィルム45が設けられる。ただし、接続部415には絶縁フィルム45が設けられていない。
【0056】
接続部415は、第2タブ52bに溶接されて、第2電極アセンブリ10bの負極無地部12aに電気的に連結される。第1の実施形態では、接続部415が第2タブ52bに溶接されたものとして例示しているが、本発明はこれに限定されず、接続部415は、第2電極アセンブリ10bの負極無地部12aに直接付着してもよい。
【0057】
そのために、第1導電板41は、第1電極アセンブリ10aと密着設置されるが、第2電極アセンブリ10bと電気的に連結される。
【0058】
第2導電板42は、第2電極アセンブリ10bの外面に当接するように設けられる。第2導電板42は、第2電極アセンブリ10bで外側に向かう平らな面に付着した側板421と、側板421に連結形成され、第1電極アセンブリ10aの負極無地部12aと電気的に連結される接触部材とを含む。
【0059】
側板421と接触部材は、銅、ステンレススチールなどの導電性を有する金属板からなる。側板421において、第2電極アセンブリ10bと接触する面には絶縁フィルム44が付着する。絶縁フィルム44は、ポリマー材質からなり、側板421と第2電極アセンブリ10bとが直接接触するのを防止する。
【0060】
接触部材は、負極無地部12aに固定される接続部425と、側板421から延びて傾斜して屈曲した傾斜部422と、傾斜部422から屈曲して第2電極アセンブリ10bの側端に向かって連結された延長部423と、延長部423から屈曲して接続部425に向かって連結された支持部424とを含む。
【0061】
ここで、接続部425は、傾斜部422、延長部423、および支持部424を介して側板に連結される。第1の実施形態にかかる側板421と接触部材とは一体的に形成され、接触部材は側板421の一方側端の上部に連結されている。
【0062】
傾斜部422は、負極無地部12aを支持して、外部の衝撃や振動で揺れるのを遮断する役割を果たし、支持部424は、延長部423と接続部425とを連結可能に第2電極アセンブリ10bの側端から第1電極アセンブリ10aの側端まで連結されて形成される。傾斜部422と延長部423および支持部424には、第2電極アセンブリ10bおよび第2タブ52bとの絶縁のための絶縁フィルム46が設けられる。ただし、接続部425には絶縁フィルム46が設けられていない。
【0063】
接続部425は、第1タブ52aに溶接されて、第1電極アセンブリ10aの負極無地部12aに電気的に連結される。そのために、第2導電板42は、第2電極アセンブリ10bと密着設置されるが、第1電極アセンブリ10aと電気的に連結される。
【0064】
図5は、本発明の第1の実施形態にかかる二次電池に異物が侵入した状態を示した構成図である。
【0065】
図5に示されているように、外部から釘(nail)などの導電性異物49が第2電極アセンブリ10bの設けられた部分にケース34を貫通して侵入する場合、一次的にケース34と第2導電板42とが短絡し、そのために、第1電極アセンブリ10aの負極12とケース34とが通電して第1電極アセンブリ10aが先に放電される。また、導電性異物49が侵入することによって、第2電極アセンブリ10bの内部と短絡を誘発して、第2電極アセンブリ10bが放電される。導電性異物がさらに侵入して第1電極アセンブリ10aに達すると、第1電極アセンブリ10aの内部と短絡を誘発して、第1電極アセンブリ10aの内部に残留していた電流が放電される。
【0066】
このように、第1の実施形態によれば、導電性異物49が侵入する部分の反対側に位置する電極アセンブリを先に放電させることができる。
【0067】
ケース34内に複数の電極アセンブリ10が設けられた場合、導電性異物49が貫通する部分の反対側に位置する電極アセンブリで発火する確率が高い。これは、導電性異物49が内側に進入することによって、導電性異物49を通して流れる電流の量が次第に増加するからである。また、導電性異物49と負極活物質とが接触する時、これらの間の抵抗が大きく、多くの熱が発生するからである。
【0068】
一方、導電板が隣接する電極アセンブリの負極と電気的に連結された場合には、導電性異物が侵入する部分に位置する電極アセンブリでは迅速に放電を誘導することができるが、侵入する部分から遠い方に位置する電極アセンブリには依然として電流が放電されないため、発火の危険性を低減させることができない。
【0069】
しかし、第1の実施形態によれば、上記のように、むしろ導電性異物が侵入する部分から遠い方に位置する電極アセンブリからの放電が先に行われるため、十分な安全性を確保することができる。
【0070】
<2.第2の実施形態>
図6は、本発明の第2の実施形態にかかる電極アセンブリと導電板および集電部材を示した部分斜視図であり、図7は、本発明の図6におけるVII−VII線断面図である。
【0071】
図6および図7を参照して説明すれば、第2の実施形態にかかる二次電池は、導電板と負極無地部112aとの結合構造を除いては、第1の実施形態にかかる二次電池と同一の構造からなるので、同一の構造に関する重複説明は省略する。
【0072】
第2の実施形態にかかる二次電池は、2つの電極アセンブリ110を含み、各電極アセンブリ110の正極無地部には集電部材が結合設置され、負極無地部112aにも集電部材62が結合設置される。正極無地部に設けられた集電部材と、負極無地部112aに設けられた集電部材とは、同一の構造からなる。
【0073】
集電部材62は、負極端子に連結された上板62cと、上板62cから下に向かって曲がっている連結板62dと、連結板62dから負極無地部112aに並ぶように曲がっている複数のタブとを含む。集電部材62は、2つの電極アセンブリ110に連結可能に2つのタブを有する。タブは、第1電極アセンブリ110aに付着する第1タブ62aと、第2電極アセンブリ110bに付着する第2タブ62bとを含む。ここで、第1タブ62aと第2タブ62bは、負極無地部112aの間で互いに向き合うように配置される。
【0074】
第1導電板41は、第1電極アセンブリ110aの外面に当接するように設けられる。第1導電板41は、第1電極アセンブリ110aで外側に向かう平らな面に付着した側板411と、側板411に連結形成され、第2電極アセンブリ110bの負極無地部112aに連結される接触部材とを含む。
【0075】
また、接触部材は、負極無地部112aに固定される接続部415と、側板411から傾斜して屈曲した傾斜部412と、傾斜部412から屈曲して第1電極アセンブリ110aの側端に向かって連結された延長部413と、延長部413から屈曲して接続部415に向かって連結された支持部414とを含む。ここで、接続部415は、傾斜部412と延長部413、および支持部414を介して側板411に連結される。
【0076】
接続部415は、第2電極アセンブリ110bの負極無地部112aに固定され、接続部415と第2タブ62bとの間に負極無地部112aが位置する。接続部415は、負極無地部112aと接続部415とを貫通する固定部材47によって負極無地部112aに固定される。第2の実施形態にかかる固定部材47は、リベットからなり、リベットは、接続部415、負極無地部112a、および第2タブ62bを貫通して接続部415、負極無地部112a、および第2タブ62bを一体に固定する。
【0077】
第2の実施形態のように、固定部材47が接続部415、負極無地部112a、および第2タブ62bを貫通して一体に固定すると、外部の振動や衝撃によって接触が不良になるのを防止することができる。
【0078】
第2導電板42は、第2電極アセンブリ110bの外面に当接するように設けられる。第2導電板42は、第2電極アセンブリ110bで外側に向かう平らな面に付着した側板421と、側板421に連結形成され、第1電極アセンブリ110aの負極無地部112aに連結される接触部材とを含む。
【0079】
また、接触部材は、負極無地部112aに固定される接続部425と、側板421から傾斜して屈曲した傾斜部422と、傾斜部422から屈曲して第2電極アセンブリ110bの側端に向かって連結された延長部423と、延長部423から屈曲して接続部425に向かって連結された支持部424とを含む。ここで、接続部425は、傾斜部422と延長部423、および支持部424を介して側板421に連結される。
【0080】
接続部425は、第1電極アセンブリ110aの負極無地部112aに固定され、接続部425と第1タブ62aとの間に負極無地部112aが位置する。接続部425は、負極無地部112aと接続部415とを貫通する固定部材47によって負極無地部112aに固定される。第2の実施形態にかかる固定部材47は、リベットからなり、リベットは、接続部425、負極無地部112a、および第1タブ62aを貫通して接続部425、負極無地部112a、および第1タブ62aを一体に固定する。
【0081】
<3.第3の実施形態>
図8は、本発明の第3の実施形態にかかる電極アセンブリと導電板および集電部材を示した部分斜視図であり、図9は、本発明の第3の実施形態にかかる第1導電板と第2導電板を示した斜視図である。
【0082】
図8および図9を参照して説明すれば、第3の実施形態にかかる二次電池は、電極アセンブリの個数と導電板、および集電部材の構造を除いては、第1の実施形態にかかる二次電池と同一の構造からなるので、同一の構造に関する重複説明は省略する。
【0083】
第3の実施形態にかかる二次電池は、4つの電極アセンブリ210を含み、4つの電極アセンブリ210は並んで積層配列される。第1電極アセンブリ210aは、電極アセンブリ210のうちの一方側端に配置され、第2電極アセンブリ210bは、電極アセンブリ210のうちの他方側端に配置される。第3電極アセンブリ210cは、第1電極アセンブリ210aと第2電極アセンブリ210bとの間で第1電極アセンブリ210aに隣接して配置され、第4電極アセンブリ210dは、第2電極アセンブリ210bと第3電極アセンブリ210cとの間に配置される。そのために、第1電極アセンブリ210a、第3電極アセンブリ210c、第4電極アセンブリ210d、および第2電極アセンブリ210bが順次に配置される。
【0084】
各電極アセンブリ210の正極無地部には集電部材が結合設置され、負極無地部212aにも集電部材72が結合設置される。正極無地部に設けられた集電部材と、負極無地部212aに設けられた集電部材72とは、同一の構造からなる。
【0085】
集電部材72は、負極端子に連結された上板72eと、上板72eから下に向かって曲がっている連結板72fと、連結板72fから負極無地部212aに並ぶように曲がっている複数のタブとを含む。集電部材72は、4つの電極アセンブリ210に連結可能に4つのタブを有する。タブは、第1電極アセンブリ210aに付着する第1タブ72aと、第2電極アセンブリ210bに付着する第2タブ72bと、第3電極アセンブリ210cに付着する第3タブ72cと、第4電極アセンブリ210dに付着する第4タブ72dとを含む。タブは、各電極アセンブリの負極無地部212aと平行に配置された状態で負極無地部212aに溶接で接合される。
【0086】
第1電極アセンブリ210aの外側には第1導電板81が設けられ、第1導電板81は、第1電極アセンブリ210aで外側に向かう平らな面に付着した側板811と、側板811に連結形成され、第2電極アセンブリ210bおよび第4電極アセンブリ210dの負極無地部212aに付着する接触部材812、813とを含む。ここで、側板811には絶縁フィルムが設けられている。
【0087】
第1導電板81は、2つの接触部材812、813を有し、いずれか1つの接触部材812は、第2電極アセンブリ210bの負極無地部212aに接合され、他の1つの接触部材813は、第4電極アセンブリ210dの負極無地部212aに接合される。そのために、第1導電板81は、反対側に配置された第2電極アセンブリ210bおよび第4電極アセンブリ210dに電気的に連結される。
【0088】
一方、第2電極アセンブリ210bの外側には第2導電板82が設けられ、第2導電板82は、第2電極アセンブリ210bで外側に向かう平らな面に付着した側板821と、側板821に連結形成され、第1電極アセンブリ210aおよび第3電極アセンブリ210cの負極無地部212aに付着する接触部材822、823とを含む。ここで、側板821には絶縁フィルムが設けられている。
【0089】
第2導電板82は、2つの接触部材822、823を有し、いずれか1つの接触部材822は、第1電極アセンブリ210aの負極無地部212aに接合され、他の1つの接触部材823は、第3電極アセンブリ210cの負極無地部212aに接合される。そのために、第2導電板82は、反対側に配置された第1電極アセンブリ210aおよび第3電極アセンブリ210cと電気的に連結される。
【0090】
上記のように、第3の実施形態によれば、1つの導電板に2つの電極アセンブリが電気的に連結されるため、導電性異物が侵入して導電板と当接した時、2つの電極アセンブリから電流を放電することができる。また、導電性異物が侵入する部分の反対側に位置する電極アセンブリから電流を放電するため、安全性を向上させることができる。
【0091】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0092】
101:二次電池
10、110、210:電極アセンブリ
10a、110a、210a:第1電極アセンブリ
10b、110b、210b:第2電極アセンブリ
11:正極
12:負極
20:キャップアセンブリ
21:正極端子
210c:第3電極アセンブリ
210d:第4電極アセンブリ
22:負極端子
30:キャッププレート
34:ケース
35:連結板
38:密封栓
39:ベント部材
41、81:第1導電板
42、82:第2導電板
411、421:側板
412、422:傾斜部
413、423:延長部
414、424:支持部
415、425:接続部
43、44、45、46:絶縁フィルム
47:固定部材
49:導電性異物
51、52、62、72:集電部材
811、821:側板
812、813、822、823:接触部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9