【文献】
J. Mat. Chem.,2012年,Vol.22,p.10537-10541
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記Yは、置換もしくは非置換のピリジニル基、置換もしくは非置換のピリミジニル基、置換もしくは非置換のトリアジニル基、置換もしくは非置換のフェニル基、置換もしくは非置換のビフェニル基、置換もしくは非置換のナフチル基、置換もしくは非置換のトリフェニル基、置換もしくは非置換のジベンゾフラニル基、置換もしくは非置換のジベンゾチオフェニル基、置換もしくは非置換のフルオレニル基、置換もしくは非置換のベンゾピリジニル基、置換もしくは非置換のベンゾイミダゾリル基または置換もしくは非置換のベンゾフラニル基である、請求項1に記載の有機化合物。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態を詳細に説明する。ただし、これは例示として提示されるものに過ぎず、本発明は、これによって制限されず、特許請求の範囲の範疇のみによって定義される。
【0019】
本明細書で「置換」とは、別途の定義がない限り、置換基または化合物のうちの少なくとも一つの水素が重水素、ハロゲン基、ヒドロキシ基、アミノ基、置換もしくは非置換のC1〜C30アミン基、ニトロ基、置換もしくは非置換のC1〜C40シリル基、C1〜C30アルキル基、C1〜C10アルキルシリル基、C3〜C30シクロアルキル基、C3〜C30ヘテロシクロアルキル基、C6〜C30アリール基、C6〜C30ヘテロアリール基、C1〜C20アルコキシ基、フルオロ基、トリフルオロメチル基などのC1〜C10トリフルオロアルキル基またはシアノ基で置換されたことを意味する。
【0020】
また、前記置換されたハロゲン基、ヒドロキシ基、アミノ基、置換もしくは非置換のC1〜C20アミン基、ニトロ基、置換もしくは非置換のC3〜C40シリル基、C1〜C30アルキル基、C1〜C10アルキルシリル基、C3〜C30シクロアルキル基、C3〜C30ヘテロシクロアルキル基、C6〜C30アリール基、C6〜C30ヘテロアリール基、C1〜C20アルコキシ基、フルオロ基、トリフルオロメチル基などのC1〜C10トリフルオロアルキル基またはシアノ基のうち、隣接した二つの置換基が融合して環を形成することもできる。例えば、前記置換されたC6〜C30アリール基は、隣接したさらに他の置換されたC6〜C30アリール基と融合して置換もしくは非置換のフルオレン環を形成することができる。
【0021】
本明細書で「ヘテロ」とは、別途の定義がない限り、一つの作用基内にN、O、S、PおよびSiからなる群より選択されるヘテロ原子を1〜3個含有し、残りは炭素であるものを意味する。
【0022】
本明細書で「アルキル(alkyl)基」とは、別途の定義がない限り、脂肪族炭化水素基を意味する。アルキル基は、いかなる二重結合や三重結合を含んでいない「飽和アルキル(saturated alkyl)基」であってもよい。
【0023】
前記アルキル基は、C1〜C30のアルキル基であってもよい。より具体的にアルキル基は、C1〜C20アルキル基またはC1〜C10アルキル基であってもよい。例えば、C1〜C4アルキル基は、アルキル鎖に1〜4個の炭素原子が含まれるものを意味し、メチル、エチル、プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、イソ−ブチル、sec−ブチルおよびt−ブチルからなる群より選択されるものを示す。
【0024】
前記アルキル基は、具体的な例を挙げると、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などを意味する。
【0025】
本明細書で「アリール(aryl)基」とは、環状の置換基のすべての元素がp−オービタルを有しており、これらのp−オービタルが共役(conjugation)を形成している置換基を意味し、モノサイクリックまたは融合環ポリサイクリック(つまり、炭素原子の隣接した対を共有する環)作用基を含む。
【0026】
本明細書で「ヘテロアリール(heteroaryl)基」とは、アリール基内にN、O、S、PおよびSiからなる群より選択されるヘテロ原子を1〜3個含有し、残りは炭素であるものを意味する。前記ヘテロアリール基が融合環である場合、それぞれの環ごとに前記ヘテロ原子を1〜3個含むことができる。
【0027】
より具体的に、置換もしくは非置換のC6〜C30アリール基および/または置換もしくは非置換のC2〜C30ヘテロアリール基は、置換もしくは非置換のフェニル基、置換もしくは非置換のナフチル基、置換もしくは非置換のアントラセニル基、置換もしくは非置換のフェナントリル基、置換もしくは非置換のナフタセニル基、置換もしくは非置換のピレニル基、置換もしくは非置換のビフェニル基、置換もしくは非置換のp−ターフェニル基、置換もしくは非置換のm−ターフェニル基、置換もしくは非置換のクリセニル基、置換もしくは非置換のトリフェニレニル基、置換もしくは非置換のペリレニル基、置換もしくは非置換のインデニル基、置換もしくは非置換のフラニル基、置換もしくは非置換のチオフェニル基、置換もしくは非置換のピロリル基、置換もしくは非置換のピラゾリル基、置換もしくは非置換のイミダゾリル基、置換もしくは非置換のトリアゾリル基、置換もしくは非置換のオキサゾリル基、置換もしくは非置換のチアゾリル基、置換もしくは非置換のオキサジアゾリル基、置換もしくは非置換のチアジアゾリル基、置換もしくは非置換のピリジル基、置換もしくは非置換のピリミジニル基、置換もしくは非置換のピラジニル基、置換もしくは非置換のトリアジニル基、置換もしくは非置換のベンゾフラニル基、置換もしくは非置換のベンゾチオフェニル基、置換もしくは非置換のベンズイミダゾリル基、置換もしくは非置換のインドリル基、置換もしくは非置換のキノリニル基、置換もしくは非置換のイソキノリニル基、置換もしくは非置換のキナゾリニル基、置換もしくは非置換のキノキサリニル基、置換もしくは非置換のナフチリジニル基、置換もしくは非置換のベンズオキサジニル基、置換もしくは非置換のベンズチアジニル基、置換もしくは非置換のアクリジニル基、置換もしくは非置換のフェナジニル基、置換もしくは非置換のフェノチアジニル基、置換もしくは非置換のフェノキサジニル基、置換もしくは非置換のフルオレニル基、置換もしくは非置換のジベンゾフラニル基、置換もしくは非置換のジベンゾチオフェニル基、置換もしくは非置換のカルバゾリル基またはこれらの組み合わせであってもよいが、これに制限されない。
【0028】
本明細書で、正孔特性とは、電場(electric field)を加えた時、電子を供与して正孔を形成することができる特性をいい、HOMO準位に応じて伝導特性を有して陽極で形成された正孔の発光層への注入、発光層で形成された正孔の陽極への移動および発光層での移動を容易にする特性を意味する。
【0029】
また電子特性とは、電場を加えた時、電子を受けることができる特性をいい、LUMO準位に応じて伝導特性を有して陰極で形成された電子の発光層への注入、発光層で形成された電子の陰極への移動および発光層での移動を容易にする特性を意味する。
【0030】
以下、一実施形態に係る有機化合物を説明する。
【0031】
一実施形態に係る有機化合物は、下記の化学式1で表される。
【0033】
前記化学式1中、
Xは、O、S、Se、SO、SO
2、POまたはCOであり、
Yは、置換もしくは非置換のC6〜C30アリール基、置換もしくは非置換のC3〜C30ヘテロアリール基、置換もしくは非置換のアミン基、置換もしくは非置換のC6〜C30アリールアミン基、置換もしくは非置換のC6〜C30ヘテロアリールアミン基またはこれらの組み合わせであり、
Lは、単一結合、置換もしくは非置換のC1〜C30アルキレン基、置換もしくは非置換のC3〜C30シクロアルキレン基、置換もしくは非置換のC3〜C30ヘテロシクロアルキレン基、置換もしくは非置換のC6〜C30アリーレン基、置換もしくは非置換のC3〜C30ヘテロアリーレン基、置換もしくは非置換のC6〜C30アリーレンアミン基、置換もしくは非置換のC6〜C30ヘテロアリーレンアミン基、置換もしくは非置換のC1〜C30アルコキシレン基、置換もしくは非置換のC1〜C30アリールオキシレン基、置換もしくは非置換のC2〜C30アルケニレン基、置換もしくは非置換のC2〜C30アルキニレン基またはこれらの組み合わせであり、
R
aおよびR
bは、それぞれ独立して、水素、重水素、置換もしくは非置換のC1〜C20アルキル基、置換もしくは非置換のC6〜C30アリール基、置換もしくは非置換のC2〜C30ヘテロアリール基またはこれらの組み合わせであり、
R
1〜R
6は、それぞれ独立して、水素、重水素、置換もしくは非置換のC1〜C30アルキル基、置換もしくは非置換のC3〜C30シクロアルキル基、置換もしくは非置換のC3〜C30ヘテロシクロアルキル基、置換もしくは非置換のC6〜C30アリール基、置換もしくは非置換のC3〜C30ヘテロアリール基、置換もしくは非置換のアミン基、置換もしくは非置換のC6〜C30アリールアミン基、置換もしくは非置換のC6〜C30ヘテロアリールアミン基、置換もしくは非置換のC1〜C30アルコキシ基、置換もしくは非置換のC2〜C30アルコキシカルボニル基、置換もしくは非置換のC2〜C30アルコキシカルボニルアミノ基、置換もしくは非置換のC7〜C30アリールオキシカルボニルアミノ基、置換もしくは非置換のC1〜C30スルファモイルアミノ基、置換もしくは非置換のC2〜C30アルケニル基、置換もしくは非置換のC2〜C30アルキニル基、置換もしくは非置換のシリル基、置換もしくは非置換のシリルオキシ基、置換もしくは非置換のC1〜C30アシル基、置換もしくは非置換のC1〜C20アシルオキシ基、置換もしくは非置換のC1〜C20アシルアミノ基、置換もしくは非置換のC1〜C30スルホニル基、置換もしくは非置換のC1〜C30アルキルチオール基、置換もしくは非置換のC1〜C30ヘテロシクロチオール基、置換もしくは非置換のC6〜C30アリールチオール基、置換もしくは非置換のC1〜C30ヘテロアリールチオール基、置換もしくは非置換のC1〜C30ウレイド基、ハロゲン基、ハロゲン含有基、シアノ基、ヒドロキシル基、アミノ基、ニトロ基、カルボキシル基、フェロセニル基またはこれらの組み合わせである。
【0034】
前記化学式1中、Yは、正孔特性または電子特性を有する作用基であり、例えば、下記グループ1に羅列された置換もしくは非置換の作用基から選択された一つであってもよい。
【0036】
前記グループ1中、
Wは、N、O、S、SO、SO
2、CR
c、CR
dR
e、SiR
fまたはSiR
gR
hであり、
Zは、N、CまたはCR
iであり、
ここでR
c〜R
iは、それぞれ独立して、水素、重水素、置換もしくは非置換のC1〜C30アルキル基、置換もしくは非置換のC3〜C30シクロアルキル基、置換もしくは非置換のC3〜C30ヘテロシクロアルキル基、置換もしくは非置換のC6〜C30アリール基、置換もしくは非置換のC3〜C30ヘテロアリール基、置換もしくは非置換のアミン基、置換もしくは非置換のC6〜C30アリールアミン基、置換もしくは非置換のC6〜C30ヘテロアリールアミン基、置換もしくは非置換のC1〜C30アルコキシ基、置換もしくは非置換のC2〜C30アルコキシカルボニル基、置換もしくは非置換のC2〜C30アルコキシカルボニルアミノ基、置換もしくは非置換のC7〜C30アリールオキシカルボニルアミノ基、置換もしくは非置換のC1〜C30スルファモイルアミノ基、置換もしくは非置換のC2〜C30アルケニル基、置換もしくは非置換のC2〜C30アルキニル基、置換もしくは非置換のシリル基、置換もしくは非置換のシリルオキシ基、置換もしくは非置換のC1〜C30アシル基、置換もしくは非置換のC1〜C20アシルオキシ基、置換もしくは非置換のC1〜C20アシルアミノ基、置換もしくは非置換のC1〜C30スルホニル基、置換もしくは非置換のC1〜C30アルキルチオール基、置換もしくは非置換のC1〜C30ヘテロシクロチオール基、置換もしくは非置換のC6〜C30アリールチオール基、置換もしくは非置換のC1〜C30ヘテロアリールチオール基、置換もしくは非置換のC1〜C30ウレイド基、ハロゲン基、ハロゲン含有基、シアノ基、ヒドロキシル基、アミノ基、ニトロ基、カルボキシル基、フェロセニル基またはこれらの組み合わせであり、
*は、連結地点であり、前記作用基を構成する元素のいずれか一つに位置することができる。
【0037】
前記Yは、例えば、置換もしくは非置換の単一環のアリール基またはヘテロアリール基であってもよく、例えば、下記の化学式A1〜A8のうちのいずれか一つで表される。
【0039】
前記化学式A1〜A8中、
R
100〜R
104は、それぞれ独立して、水素、重水素、置換もしくは非置換のC1〜C30アルキル基、置換もしくは非置換のC6〜C30アリール基、置換もしくは非置換のC2〜C30ヘテロアリール基またはこれらの組み合わせであり、*は、連結地点である。
【0040】
前記Yは、例えば、置換もしくは非置換の二重環のアリール基および/またはヘテロアリール基であってもよく、例えば、化学式A9〜A22のうちのいずれか一つで表される。
【0042】
前記化学式A9〜A22中、
R
104〜R
108は、それぞれ独立して、水素、重水素、置換もしくは非置換のC1〜C30アルキル基、置換もしくは非置換のC6〜C30アリール基、置換もしくは非置換のC2〜C30ヘテロアリール基またはこれらの組み合わせであり、*は、連結地点である。
【0043】
前記Yは、例えば、置換もしくは非置換の三重環のアリール基および/またはヘテロアリール基であってもよく、下記の化学式A23〜化学式A32のうちのいずれか一つで表される。
【0045】
前記化学式A23〜化学式A32中、
R
104〜R
113は、それぞれ独立して、水素、重水素、置換もしくは非置換のC1〜C30アルキル基、置換もしくは非置換のC6〜C30アリール基、置換もしくは非置換のC2〜C30ヘテロアリール基またはこれらの組み合わせであり、*は、連結地点である。
【0046】
前記Yは、例えば、置換もしくは非置換の四重環のアリール基および/またはヘテロアリール基であってもよく、下記の化学式A33〜化学式A35のうちのいずれか一つで表される。
【0048】
前記化学式A33〜化学式A35中、
R
104〜R
117は、それぞれ独立して、水素、重水素、置換もしくは非置換のC1〜C30アルキル基、置換もしくは非置換のC6〜C30アリール基、置換もしくは非置換のC2〜C30ヘテロアリール基またはこれらの組み合わせであり、*は、連結地点である。
【0049】
前記Yは、例えば、置換もしくは非置換の融合環のアリール基および/またはヘテロアリール基であってもよく、下記の化学式A36〜化学式A41のうちのいずれか一つで表される。
【0051】
前記化学式A36〜化学式A41中、
W1は、N、CR
cまたはSiR
fであり、
W2は、O、S、SO、SO
2、CR
dR
eまたはSiR
gR
hであり、
Arは、置換もしくは非置換のC6〜C30アリーレン基、置換もしくは非置換のC3〜C30ヘテロアリーレン基、置換もしくは非置換のC6〜C30アリーレンアミン基、置換もしくは非置換のC6〜C30ヘテロアリーレンアミン基、置換もしくは非置換のC1〜C30アリールオキシレン基またはこれらの組み合わせであり、
R
114〜R
120は、それぞれ独立して、水素、重水素、置換もしくは非置換のC1〜C30アルキル基、置換もしくは非置換のC6〜C30アリール基、置換もしくは非置換のC2〜C30ヘテロアリール基またはこれらの組み合わせであり、
*は、連結地点である。
【0052】
前記Yは、例えば、置換もしくは非置換の融合環のアリール基および/またはヘテロアリール基であってもよく、下記の化学式A42〜化学式A50のうちのいずれか一つで表される。
【0054】
前記化学式A42〜化学式A50中、
R
122〜R
131は、それぞれ独立して、水素、重水素、置換もしくは非置換のC1〜C30アルキル基、置換もしくは非置換のC6〜C30アリール基、置換もしくは非置換のC2〜C30ヘテロアリール基またはこれらの組み合わせであり、*は、連結地点である。
【0055】
一例として、前記化学式1中、前記Yは、置換もしくは非置換のピリジニル基、置換もしくは非置換のピリミジニル基、置換もしくは非置換のトリアジニル基、置換もしくは非置換のフェニル基、置換もしくは非置換のビフェニル基、置換もしくは非置換のナフチル基、置換もしくは非置換のトリフェニル基、置換もしくは非置換のジベンゾフラニル基、置換もしくは非置換のジベンゾチオフェニル基、置換もしくは非置換のフルオレニル基、置換もしくは非置換のベンゾピリジニル基、置換もしくは非置換のベンゾイミダゾリル基または置換もしくは非置換のベンゾフラニル基である有機化合物であってもよい。また、前記化学式1中、Lは、単一結合であるか、置換もしくは非置換のフェニル基、または置換もしくは非置換のビフェニル基であってもよい。
【0056】
一例として、前記化学式1中、R
aおよびR
bは、独立して、メチル基であるか、または置換もしくは非置換のフェニル基であってもよい。
【0057】
一例として、前記化学式1中、R
3およびR
4は、独立して、水素であるか、または置換もしくは非置換のフェニル基であってもよい。
【0058】
前記化学式1で表される有機化合物は、融合環と前記Yで表される正孔特性または電子特性を有する作用基が直接または連結基(L)を介して結合された構造の有機化合物である。
【0059】
前記化学式1で表される有機化合物は、前記Yで表される正孔特性または電子特性を有する作用基が融合環の特定位置に結合することによって、前記有機化合物内の電荷の流れを適切に制御することができる。これによって、前記有機化合物が適用された有機光電子素子の駆動電圧を低下し、発光効率および寿命特性を改善することができる。
【0060】
また、前記のように有機化合物内の電荷の流れを適切に制御することによって、有機化合物内共鳴(resonance)を減らすことができ、これによって三重項エネルギー(Triplet energy、T1)を高めることができる。したがって、前記有機化合物が適用された有機光電子素子の効率を改善することができる。また、前記三重項エネルギー(T1)は、例えば、燐光ホストとして使用するに適切な範囲を有することができ、例えば、約3.1〜2.5eVであってもよい。
【0061】
前記Yで表される正孔特性または電子特性を有する作用基は、融合環に直接連結されることもでき、この時の連結基(L)は単一結合であってもよい。
【0062】
前記Yで表される正孔特性または電子特性を有する作用基は、連結基(L)を介して結合されてもよい。前記連結基(L)は、例えば、置換もしくは非置換のC6〜C30アリーレン基、置換もしくは非置換のC3〜C30ヘテロアリーレン基またはこれらの組み合わせであってもよく、例えば、前記アリーレン基および/またはヘテロアリーレン基を中心にねじれ(kink)構造を有することができる。
【0063】
前記ねじれ構造は、アリーレン基および/またはヘテロアリーレン基の二つの連結部分が直線構造をなしていない構造をいう。例えば、フェニレンの場合、連結部分が直線構造をなしていないオルトフェニレン(o−phenylene)とメタフェニレン(m−phenylene)が前記ねじれ構造を有し、連結部分が直線構造をなすパラフェニレン(p−phenylene)は前記ねじれ構造を有さない。
【0064】
このように連結基(L)がねじれ構造を有することによって前記有機化合物内の電荷の流れを適切に制御するにはより効果的になり得る。
【0065】
前記連結基(L)は、例えば、下記グループ2に羅列された置換もしくは非置換の連結基(L)から選択されてもよい。
【0067】
前記R
11〜R
38は、それぞれ独立して、水素、重水素、置換もしくは非置換のC1〜C10アルキル基、置換もしくは非置換のC3〜C30シクロアルキル基、置換もしくは非置換のC3〜C30ヘテロシクロアルキル基、置換もしくは非置換のC6〜C30アリール基、置換もしくは非置換のC2〜C30ヘテロアリール基、置換もしくは非置換のアミン基、置換もしくは非置換のC6〜C30アリールアミン基、置換もしくは非置換のC6〜C30ヘテロアリールアミン基、置換もしくは非置換のC1〜C30アルコキシ基、ハロゲン基、ハロゲン含有基、シアノ基、ヒドロキシル基、アミノ基、ニトロ基、カルボキシル基、フェロセニル基またはこれらの組み合わせであり、
*は、連結地点である。
【0068】
前記有機化合物は、例えば、約400〜800の分子量を有することができる。前記範囲の分子量を有することによって、比較的低い温度で蒸着が可能になって工程温度を低めることができ、これによって、加工性を改善することができる。
【0069】
前記化学式1で表される有機化合物は、多様な作用基および/または置換基を有することによって、所望の特性を有するように設計され得る。例えば、前記化学式1のYが正孔特性を有する作用基である場合、前記有機化合物は正孔特性が強い化合物として設計され、例えば前記化学式1のYが電子特性を有する作用基である場合、前記有機化合物は、電子特性を有する部分と正孔特性を有する部分を共に含むことによって両側性特性を共に有する化合物として設計され得る。
【0070】
前記有機化合物は、例えば、下記グループ3に羅列された化合物であってもよいが、これに限定されない。
【0076】
以下、上述した有機化合物を適用した有機光電子素子について説明する。
【0077】
前記有機光電子素子は、電気エネルギーと光エネルギーを相互変換することができる素子であれば特に限定されず、例えば、有機光電素子、有機発光素子、有機太陽電池および有機感光体ドラムなどが挙げられる。
【0078】
ここでは、有機光電子素子の一例である有機発光素子を図面を参照して説明する。
【0079】
図1および
図2は、本発明の一実施形態に係る有機発光素子を示す断面図である。
【0080】
図1を参照すると、本発明の一実施形態に係る有機発光素子 100は、互いに向き合う陽極120と陰極110、そして陽極120と陰極110との間に位置する有機層105を含む。
【0081】
陽極120は、例えば、正孔注入が円滑に行われるように仕事関数が高い導電体で作られ、例えば、金属、金属酸化物および/または導電性高分子で作られ得る。陽極120は、例えば、ニッケル、白金、バナジウム、クロム、銅、亜鉛、金のような金属またはこれらの合金が挙げられ、亜鉛酸化物、インジウム酸化物、インジウム錫酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)のような金属酸化物が挙げられ、ZnOとAlまたはSnO
2とSbのような金属と酸化物の組み合わせが挙げられ、ポリ(3−メチルチオフェン)、ポリ(3,4−(エチレン−1,2−ジオキシ)チオフェン)(polyehtylenedioxythiophene:PEDOT)、ポリピロールおよびポリアニリンのような導電性高分子などが挙げられるが、これに限定されない。
【0082】
陰極110は、例えば、電子注入が円滑に行われるように仕事関数が低い導電体で作られ、例えば、金属、金属酸化物および/または導電性高分子で作られ得る。陰極110は、例えば、マグネシウム、カルシウム、ナトリウム、カリウム、チタン、インジウム、イットリウム、リチウム、ガドリニウム、アルミニウム、銀、錫、鉛、セシウム、バリウムなどのような金属またはこれらの合金が挙げられ、LiF/Al、LiO
2/Al、LiF/Ca、LiF/AlおよびBaF
2/Caのような多層構造物質が挙げられるが、これに限定されない。
【0083】
有機層105は、前述した有機化合物を含む発光層130を含む。
【0084】
発光層130は、例えば、前述した有機化合物を単独で含むこともでき、前述した有機化合物のうちの少なくとも二種類を混合して含むこともでき、前述した有機化合物と他の化合物を混合して含むこともできる。前述した有機化合物と他の化合物を混合して含む場合、例えば、ホスト(host)とドーパント(dopant)の形態で含まれ、前述した有機化合物は、例えば、ホストとして含まれてもよい。前記ホストは、例えば、燐光ホストまたは蛍光ホストであり、例えば、燐光ホストであってもよい。
【0085】
前述した有機化合物がホストとして含まれる場合、ドーパントは、無機、有機、有無機化合物であってもよく、公知のドーパントの中で選択されてもよい。
【0086】
図2を参照すると、有機発光素子200は、発光層130以外に正孔補助層140をさらに含む。正孔補助層140は、陽極120と発光層130との間の正孔注入および/または正孔移動性をより高め、電子を遮断することができる。正孔補助層140は、例えば、正孔輸送層、正孔注入層および/または電子遮断層であり、少なくとも1層を含むことができる。前述した有機化合物は、発光層130および/または正孔補助層140に含まれ得る。また、
図1または
図2で有機層105は、示されていないが、電子注入層、電子輸送層、電子補助輸送層、正孔輸送層、正孔補助輸送層、正孔注入層およびこれらの組み合わせの層をさらに含むことができ、これらのそれぞれに本発明の有機化合物が含まれ得る。
【0087】
有機発光素子100、200は、基板上に陽極または陰極を形成した後、真空蒸着法(evaporation)、スパッタリング(sputtering)、プラズマメッキおよびイオンメッキのような乾式成膜法、またはスピンコーティング(spin coating)、浸漬法(dipping)、流動コーティング法(flow coating)のような湿式成膜法などで有機層を形成した後、その上に陰極または陽極を形成して製造することができる。
【0088】
上述した有機発光素子は、有機発光表示装置に適用され得る。
【0089】
[実施例]
以下、本発明の具体的な実施例を提示する。ただし、下記に記載された実施例は、本発明を具体的に例示または説明するためのものに過ぎず、これによって本発明が制限されてはならない。
【0094】
窒素環境でメチル−2−ブロモ−4−クロロベンゾエート(methyl−2−bromo−4−chlorobenzoate)50g(200mmol)をテトラヒドロフラン(tetrahydrofuran、THF)0.5Lに溶かした後、ここにジベンゾフラン−4−イルボロン酸(dibenzofuran−4−ylboronic acid)46.7g(220mmol)とテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(tetrakis(triphenylphosphine)palladium)4.63g(4.01mmol)を入れて攪拌した。水に飽和された炭酸カリウム(potassuim carbonate)59.0g(401mmol)を入れて80℃で21時間加熱して還流させた。反応完了後、反応液に水を入れてジクロロメタン(dichloromethane、DCM)で抽出した後、無水MgSO4で水分を除去した後、フィルターし減圧濃縮した。
【0095】
このようにして得られた残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(flash column chromatography)で分離精製して中間体I−1を47.7g(71%)得た。
【0096】
HRMS (70 eV, EI+): m/z calcd for C20H13ClO3: 336.0553, found: 336.
Elemental Analysis: C, 71%; H, 4%
〔合成例2〕:中間体I−2の製造
【0098】
窒素環境で中間体I−1 47.7g(142mmol)をテトラヒドロフラン(THF)0.5Lに溶かした後、0℃に減温した。ここにジエチルエーテル(diethyl ether)に溶けているメチルマグネシウムブロミド(methylmagnesium bromide)3.0M(0.12L、354mmol)を1時間にわたって徐々に滴加した。以降、常温で19時間攪拌した。反応完了後、水0.12Lに溶かしたアンモニウムクロリド(ammonium chloride)22.7g(425mmol)を添加して反応液を中和させた。そして、ジクロロメタン(dichloromethane、DCM)で抽出した後、無水MgSO4で水分を除去した後、フィルターし減圧濃縮した。中間体I−2を49.4g(104%)得た。
【0099】
HRMS (70 eV, EI+): m/z calcd for C21H17ClO2: 336.0917, found: 336.
Elemental Analysis: C,75%; H,5%
〔合成例3〕:中間体I−3の製造
【0101】
窒素環境で中間体I−2 49.4g(147mmol)をジクロロメタン(dichloromethane、DCM)0.25Lに溶かした後、0℃に減温した。ここにジエチルエテラート(diethyl etherate)に溶けているボロントリフルオライド(boron trifluoride)22.9g(161mmol)を1時間にわたって徐々に滴加した。以降、常温で6時間攪拌した。反応完了後、水0.14Lに溶かした重炭酸ナトリウム(sodium bicarbonate)13.6g(161mmol)を添加して反応液を中和させた。そしてジクロロメタン(DCM)で抽出した後、無水MgSO4で水分を除去した後、このようにして得られた残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィーで分離精製して中間体I−3を34g(73%)得た。
【0102】
HRMS (70 eV, EI+): m/z calcd for C21H15ClO: 318.0811, found: 318.
Elemental Analysis: C, 79%; H, 5%
〔合成例4〕:中間体I−4の合成
【0104】
窒素環境で中間体1−3 100g(314mmol)をジメチルホルムアミド(DMF)1.0Lに溶かした後、ここにビス(ピナコラト)ジボロン(bis(pinacolato)diboron)95.6g(376mmol)と(1,1'−ビス(ジフェニルホスフィン)フェロセン)ジクロロパラジウム(II)((1,1'−bis(diphenylphosphine)ferrocene)dichloropalladium(II))2.56g(3.14mmol)、そして酢酸カリウム(potassium acetate)77.0g(784mmol)を入れて150℃で65時間加熱して還流させた。反応完了後、反応液に水を入れて混合物をフィルターした後、真空オーブンで乾燥した。このようにして得られた残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィーで分離精製して中間体I−4を81.4g(63%)得た。
【0105】
HRMS (70 eV, EI+): m/z calcd for C27H27BO3: 410.2053, found: 410.
Elemental Analysis: C, 79%; H, 7%
〔合成例5〕:中間体I−5の製造
【0107】
窒素環境でメチル−2−ブロモ−4−クロロベンゾエート(methyl−2−bromo−4−chlorobenzoate)50g(200mmol)をテトラヒドロフラン(THF)0.5Lに溶かした後、ここにジベンゾフラン−4−イルボロン酸(dibenzofuran−4−ylboronic acid)50.2g(220mmol)とテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(tetrakis(triphenylphosphine)palladium)4.63g(4.01mmol)を入れて攪拌した。水に飽和された炭酸カリウム59.0g(401mmol)を入れて80℃で18時間加熱して還流させた。反応完了後、反応液に水を入れてジクロロメタン(DCM)で抽出した後、無水MgSO4で水分を除去した後、フィルターし減圧濃縮した。このようにして得られた残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィーで分離精製して中間体I−5を56.5g(80%)得た。
【0108】
HRMS (70 eV, EI+): m/z calcd for C20H13ClO2S: 352.0325, found: 352.
Elemental Analysis: C, 68%; H, 4%
〔合成例6〕:中間体I−6の製造
【0110】
窒素環境で中間体I−5 50g(142mmol)をテトラヒドロフラン(THF)0.5Lに溶かした後、0℃に減温した。ここにジエチルエーテルに溶けているメチルマグネシウムブロミド3.0M(0.12L、354mmol)を1時間にわたって徐々に滴加した。以降、常温で19時間攪拌した。反応完了後、水0.12Lに溶かしたアンモニウムクロリド22.7g(425mmol)を添加して反応液を中和させた。そしてジクロロメタン(DCM)で抽出した後、無水MgSO4で水分を除去した後、フィルターし減圧濃縮した。中間体I−6を49.1g(98%)得た。
【0111】
HRMS (70 eV, EI+): m/z calcd for C21H17ClOS: 352.0689, found: 352.
Elemental Analysis: C, 71%; H, 5%
〔合成例7〕:中間体I−7の製造
【0113】
窒素環境で中間体I−6 40g(113mmol)をジクロロメタン(DCM)0.6Lに溶かした後、0℃に減温した。ここにジエチルエテラートに溶けているボロントリフルオライド24.1g(170mmol)を1時間にわたって徐々に滴加した。以降、常温で5時間攪拌した。反応完了後、水0.14Lに溶かした重炭酸ナトリウム14.3g(170mmol)を添加して反応液を中和させた。そしてジクロロメタン(DCM)で抽出した後、無水MgSO4で水分を除去した後、このようにして得られた残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィーで分離精製して中間体I−7を29.9g(79%)得た。
【0114】
HRMS (70 eV, EI+): m/z calcd for C21H15ClS: 334.0583, found: 334.
Elemental Analysis: C, 75%; H, 5%
〔合成例8〕:中間体I−8の合成
【0116】
窒素環境で中間体1−7 100g(299mmol)をジメチルホルムアミド(DMF)1.0Lに溶かした後、ここにビス(ピナコラト)ジボロン(bis(pinacolato)diboron)91.0g(358mmol)と(1,1'−ビス(ジフェニルホスフィン)フェロセン)ジクロロパラジウム(II)((1,1'−bis(diphenylphosphine)ferrocene)dichloropalladium(II))2.44g(2.99mmol)、そして酢酸カリウム73.4g(748mmol)を入れて150℃で32時間加熱して還流させた。反応完了後、反応液に水を入れて混合物をフィルターした後、真空オーブンで乾燥した。このようにして得られた残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィーで分離精製して中間体I−8を89.2g(70%)得た。
【0117】
HRMS (70 eV, EI+): m/z calcd for C27H27BO2S: 426.1825, found: 426.
Elemental Analysis: C, 76%; H, 6%
〔合成例9〕:中間体I−9の製造
【0119】
窒素環境で中間体I−1 50g(148mmol)をテトラヒドロフラン(THF)0.5Lに溶かした後、0℃に減温した。ここにジエチルエーテルに溶けているフェニルマグネシウムブロミド3.0M(0.12L、370mmol)を1時間にわたって徐々に滴加した。以降、常温で30時間攪拌した。反応完了後、水0.12Lに溶かしたアンモニウムクロリド(ammonium chloride)23.7g(444mmol)を添加して反応液を中和させた。そしてジクロロメタン(DCM)で抽出した後、無水MgSO4で水分を除去した後、フィルターし減圧濃縮した。中間体I−9を68.2g(100%)得た。
【0120】
HRMS (70 eV, EI+): m/z calcd for C31H21ClO2: 460.1230, found: 460.
Elemental Analysis: C, 81%; H, 5%
〔合成例10〕:中間体I−10の製造
【0122】
窒素環境で中間体I−9 68.2g(148mmol)をジクロロメタン(DCM)0.34Lに溶かした後、0℃に減温した。ここにジエチルエテラートに溶けているボロントリフルオライド23.1g(163mmol)を1時間にわたって徐々に滴加した。以降、常温で6時間攪拌した。反応完了後、水0.14Lに溶かした重炭酸ナトリウム(sodium bicarbonate)13.7g(163mmol)を添加して反応液を中和させた。そしてジクロロメタン(DCM)で抽出した後、無水MgSO4で水分を除去した後、このようにして得られた残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィーで分離精製して中間体I−10を60.3g(92%)得た。
【0123】
HRMS (70 eV, EI+): m/z calcd for C31H19ClO: 442.1124, found: 442.
Elemental Analysis: C, 84%; H, 4%
〔合成例11〕:中間体I−11の合成
【0125】
窒素環境で中間体1−10 60g(112mmol)をジメチルホルムアミド(DMF)0.5Lに溶かした後、ここにビス(ピナコラト)ジボロン34.2g(135mmol)と(1,1'−ビス(ジフェニルホスフィン)フェロセン)ジクロロパラジウム(II)0.91g(1.12mmol)、そして酢酸カリウム27.5g(280mmol)を入れて150℃で70時間加熱して還流させた。反応完了後、反応液に水を入れて混合物をフィルターした後、真空オーブンで乾燥した。このようにして得られた残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィーで分離精製して中間体I−11を41.3g(69%)得た。
【0126】
HRMS (70 eV, EI+): m/z calcd for C37H31BO3: 534.2366, found: 534.
Elemental Analysis: C, 83%; H, 6%
〔合成例12〕:中間体I−12の合成
【0128】
窒素環境で中間体I−4 50g(122mmol)をテトラヒドロフラン(THF)0.45Lに溶かした後、ここに1−ブロモ−3−ヨードベンゼン(1−bromo−3−iodobenzene)41.4g(146mmol)とテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム1.41g(1.22mmol)を入れて攪拌した。水に飽和された炭酸カリウム42.2g(305mmol)を入れて80℃で15時間加熱して還流させた。反応完了後、反応液に水を入れてジクロロメタン(DCM)で抽出した後、無水MgSO4で水分を除去した後、フィルターし減圧濃縮した。このようにして得られた残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィーで分離精製して中間体I−12を42.9g(80%)得た。
【0129】
HRMS (70 eV, EI+): m/z calcd for C27H19BrO: 438.0619, found: 438.
Elemental Analysis: C, 74%; H, 4%
〔合成例13〕:中間体I−13の合成
【0131】
窒素環境で中間体1−12 40g(91.0mmol)をジメチルホルムアミド(DMF)0.3Lに溶かした後、ここにビス(ピナコラト)ジボロン27.7g(109mmol)と(1,1'−ビス(ジフェニルホスフィン)フェロセン)ジクロロパラジウム(II)0.74g(0.91mmol)、そして酢酸カリウム22.3g(228mmol)を入れて150℃で20時間加熱して還流させた。反応完了後、反応液に水を入れて混合物をフィルターした後、真空オーブンで乾燥した。このようにして得られた残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィーで分離精製して中間体I−13を33.2g(75%)得た。
【0132】
HRMS (70 eV, EI+): m/z calcd for C33H31BO3: 486.2366, found: 486.
Elemental Analysis: C, 81%; H, 6%
〔合成例14〕:中間体I−14の合成
【0134】
窒素環境で中間体I−4(50g、122mmol)をテトラヒドロフラン(THF)0.45Lに溶かした後、ここに1−ブロモ−2−ヨードベンゼン(1−bromo−2−iodobenzene)41.4g(146mmol)とテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム1.41g(1.22mmol)を入れて攪拌した。水に飽和された炭酸カリウム42.2g(305mmol)を入れて80℃で30時間加熱して還流させた。反応完了後、反応液に水を入れてジクロロメタン(DCM)で抽出した後、無水MgSO4で水分を除去した後、フィルターし減圧濃縮した。このようにして得られた残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィーで分離精製して中間体I−14を38.1g(71%)得た。
【0135】
HRMS (70 eV, EI+): m/z calcd for C27H19BrO: 438.0619, found: 438.
Elemental Analysis: C, 74%; H, 4%
〔合成例15〕:中間体I−15の合成
【0137】
窒素環境で中間体1−14 30g(68.3mmol)をジメチルホルムアミド(DMF)0.3Lに溶かした後、ここにビス(ピナコラト)ジボロン20.8g(81.9mmol)と(1,1'−ビス(ジフェニルホスフィン)フェロセン)ジクロロパラジウム(II)0.56g(0.68mmol)、そして酢酸カリウム16.8g(228mmol)を入れて150℃で36時間加熱して還流させた。反応完了後、反応液に水を入れて混合物をフィルターした後、真空オーブンで乾燥した。このようにして得られた残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィーで分離精製して中間体I−15を14.9g(45%)得た。
【0138】
HRMS (70 eV, EI+): m/z calcd for C33H31BO3: 486.2366, found: 486.
Elemental Analysis: C, 81%; H, 6%
〔合成例16〕:中間体I−16の合成
【0140】
窒素環境で中間体I−15 10g(20.6mmol)をテトラヒドロフラン(THF)0.1Lに溶かした後、ここに1−ブロモ−2−ヨードベンゼン6.98g(24.7mmol)とテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム0.24g(0.21mmol)を入れて攪拌した。水に飽和された炭酸カリウム7.12g(51.5mmol)を入れて80℃で33時間加熱して還流させた。反応完了後、反応液に水を入れてジクロロメタン(DCM)で抽出した後、無水MgSO4で水分を除去した後、フィルターし減圧濃縮した。このようにして得られた残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィーで分離精製して中間体I−16を7.96g(75%)得た。
【0141】
HRMS (70 eV, EI+): m/z calcd for C33H23BrO: 514.0932, found: 514.
Elemental Analysis: C, 77%; H, 5%
〔合成例17〕:中間体I−17の合成
【0143】
窒素環境で中間体1−16 7g(13.6mmol)をジメチルホルムアミド(DMF)0.06Lに溶かした後、ここにビス(ピナコラト)ジボロン4.14g(16.3mmol)と(1,1'−ビス(ジフェニルホスフィン)フェロセン)ジクロロパラジウム(II)0.11g(0.14mmol)、そして酢酸カリウム3.34g(34.0mmol)を入れて150℃で42時間加熱して還流させた。反応完了後、反応液に水を入れて混合物をフィルターした後、真空オーブンで乾燥した。このようにして得られた残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィーで分離精製して中間体I−17を3.83g(50%)得た。
【0144】
HRMS (70 eV, EI+): m/z calcd for C39H35BO3: 562.2679, found: 562.
Elemental Analysis: C, 83%; H, 6%
〔合成例18〕:中間体I−18の合成
【0146】
窒素環境で中間体I−4 50g(122mmol)をテトラヒドロフラン(THF)0.46Lに溶かした後、ここに1−ブロモ−4−ヨードベンゼン41.4g(146mmol)とテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム1.41g(1.22mmol)を入れて攪拌した。水に飽和された炭酸カリウム42.2g(305mmol)を入れて80℃で8時間加熱して還流させた。反応完了後、反応液に水を入れてジクロロメタン(DCM)で抽出した後、無水MgSO4で水分を除去した後、フィルターし減圧濃縮した。このようにして得られた残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィーで分離精製して中間体I−18を48.2g(90%)得た。
【0147】
HRMS (70 eV, EI+): m/z calcd for C27H19BrO: 438.0619, found: 438.
Elemental Analysis: C, 74%; H, 4%
〔合成例19〕:中間体I−19の合成
【0149】
窒素環境で中間体1−18 40g(91.0mmol)をジメチルホルムアミド(DMF)0.35Lに溶かした後、ここにビス(ピナコラト)ジボロン27.7g(109mmol)と(1,1'−ビス(ジフェニルホスフィン)フェロセン)ジクロロパラジウム(II)0.74g(0.91mmol)、そして酢酸カリウム22.3g(228mmol)を入れて150℃で9時間加熱して還流させた。反応完了後、反応液に水を入れて混合物をフィルターした後、真空オーブンで乾燥した。このようにして得られた残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィーで分離精製して中間体I−19を42.1g(95%)得た。
【0150】
HRMS (70 eV, EI+): m/z calcd for C33H31BO3: 486.2366, found: 486.
Elemental Analysis: C, 81%; H, 6%
〔実施例1〕:化合物1の合成
【0152】
窒素環境で中間体1−4 20g(48.7mmol)をテトラヒドロフラン(THF)0.17Lに溶かした後、ここに4−クロロ−2,6−ジフェニルピリジン(4−chloro−2,6−diphenylpyridine)13.0g(48.7mmol)とテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム1.69g(1.46mmol)を入れて攪拌した。水に飽和された炭酸カリウム16.8g(122mmol)を入れて80℃で8時間加熱して還流させた。反応完了後、反応液に水を入れてジクロロメタン(DCM)で抽出した後、無水MgSO4で水分を除去した後、フィルターし減圧濃縮した。このようにして得られた残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィーで分離精製して化合物1を21.3g(85%)得た。
【0153】
HRMS (70 eV, EI+): m/z calcd for C38H27NO: 513.2093, found: 459.
Elemental Analysis: C, 89%; H, 5%
〔実施例2〕:化合物2の合成
【0155】
窒素環境で中間体1−4 20g(48.7mmol)をテトラヒドロフラン(THF)0.17Lに溶かした後、ここに2−クロロ−4,6−ジフェニルピリミジン(2−chloro−4,6−diphenylpyrimidine)13.0g(48.7mmol)とテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム1.69g(1.46mmol)を入れて攪拌した。水に飽和された炭酸カリウム16.8g(122mmol)を入れて80℃で6時間加熱して還流させた。反応完了後、反応液に水を入れてジクロロメタン(DCM)で抽出した後、無水MgSO4で水分を除去した後、フィルターし減圧濃縮した。このようにして得られた残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィーで分離精製して化合物2を22.8g(91%)得た。
【0156】
HRMS (70 eV, EI+): m/z calcd for C37H26N2O: 514.2045, found: 514.
Elemental Analysis: C, 86%; H, 5%
〔実施例3〕:化合物3の合成
【0158】
窒素環境で中間体1−4 20g(48.7mmol)をテトラヒドロフラン(THF)0.17Lに溶かした後、ここに2−クロロ−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン(2−chloro−4,6−diphenyl−1,3,5−triazine)13.0g(48.7mmol)とテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム1.69g(1.46mmol)を入れて攪拌した。水に飽和された炭酸カリウム16.8g(122mmol)を入れて80℃で7時間加熱して還流させた。反応完了後、反応液に水を入れてジクロロメタン(DCM)で抽出した後、無水MgSO4で水分を除去した後、フィルターし減圧濃縮した。このようにして得られた残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィーで分離精製して化合物3を21.8g(87%)得た。
【0159】
HRMS (70 eV, EI+): m/z calcd for C36H25N3O: 515.1998, found: 515.
Elemental Analysis: C, 84%; H, 5%
〔実施例4〕:化合物4の合成
【0161】
窒素環境で中間体1−8 20g(46.9mmol)をテトラヒドロフラン(THF)0.16Lに溶かした後、ここに4−クロロ−2,6−ジフェニルピリジン(4−chloro−2,6−diphenylpyridine)12.5g(46.9mmol)とテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム1.63g(1.41mmol)を入れて攪拌した。水に飽和された炭酸カリウム16.2g(117mmol)を入れて80℃で6時間加熱して還流させた。反応完了後、反応液に水を入れてジクロロメタン(DCM)で抽出した後、無水MgSO4で水分を除去した後、フィルターし減圧濃縮した。このようにして得られた残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィーで分離精製して化合物4を22.1g(89%)得た。
【0162】
HRMS (70 eV, EI+): m/z calcd for C38H27NS: 529.1864, found: 529.
Elemental Analysis: C, 86%; H, 5%
〔実施例5〕:化合物5の合成
【0164】
窒素環境で中間体1−8 20g(46.9mmol)をテトラヒドロフラン(THF)0.16Lに溶かした後、ここに2−クロロ−4,6−ジフェニルピリミジン(2−chloro−4,6−diphenylpyrimidine)12.5g(46.9mmol)とテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム1.63g(1.41mmol)を入れて攪拌した。水に飽和された炭酸カリウム16.2g(117mmol)を入れて80℃で6時間加熱して還流させた。反応完了後、反応液に水を入れてジクロロメタン(DCM)で抽出した後、無水MgSO4で水分を除去した後、フィルターし減圧濃縮した。このようにして得られた残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィーで分離精製して化合物5を23.6g(95%)得た。
【0165】
HRMS (70 eV, EI+): m/z calcd for C37H26N2S: 530.1817, found: 530.
Elemental Analysis: C, 84%; H, 5%
〔実施例6〕:化合物6の合成
【0167】
窒素環境で中間体1−8 20g(46.9mmol)をテトラヒドロフラン(THF)0.16Lに溶かした後、ここに2−クロロ−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン(2−chloro−4,6−diphenyl−1,3,5−triazine)12.6g(48.7mmol)とテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム1.63g(1.41mmol)を入れて攪拌した。水に飽和された炭酸カリウム16.2g(117mmol)を入れて80℃で6時間加熱して還流させた。反応完了後、反応液に水を入れてジクロロメタン(DCM)で抽出した後、無水MgSO4で水分を除去した後、フィルターし減圧濃縮した。このようにして得られた残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィーで分離精製して化合物6を21.2g(85%)得た。
【0168】
HRMS (70 eV, EI+): m/z calcd for C36H25N3S: 531.1769, found: 531.
Elemental Analysis: C, 81%; H, 5%
〔実施例7〕:化合物9の合成
【0170】
窒素環境で中間体1−11 20g(37.4mmol)をテトラヒドロフラン(THF)0.15Lに溶かした後、ここに2−クロロ−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン(2−chloro−4,6−diphenyl−1,3,5−triazine)10.0g(37.4mmol)とテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム1.30g(1.12mmol)を入れて攪拌した。水に飽和された炭酸カリウム12.9g(93.5mmol)を入れて80℃で11時間加熱して還流させた。反応完了後、反応液に水を入れてジクロロメタン(DCM)で抽出した後、無水MgSO4で水分を除去した後、フィルターし減圧濃縮した。このようにして得られた残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィーで分離精製して化合物9を19.4g(81%)得た。
【0171】
HRMS (70 eV, EI+): m/z calcd for C46H29N3O: 639.2311, found: 639.
Elemental Analysis: C, 86%; H, 5%
〔実施例8〕:化合物27の合成
【0173】
窒素環境で中間体1−13 20g(41.1mmol)をテトラヒドロフラン(THF)0.16Lに溶かした後、ここに2−クロロ−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン(2−chloro−4,6−diphenyl−1,3,5−triazine)11.0g(41.1mmol)とテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム1.42g(1.46mmol)を入れて攪拌した。水に飽和された炭酸カリウム14.2g(103mmol)を入れて80℃で8時間加熱して還流させた。反応完了後、反応液に水を入れてジクロロメタン(DCM)で抽出した後、無水MgSO4で水分を除去した後、フィルターし減圧濃縮した。このようにして得られた残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィーで分離精製して化合物27を20.2g(83%)得た。
【0174】
HRMS (70 eV, EI+): m/z calcd for C42H29N3O: 591.2311, found: 591.
Elemental Analysis: C, 85%; H, 5%
〔実施例9〕:化合物33の合成
【0176】
窒素環境で中間体1−15 20g(41.1mmol)をテトラヒドロフラン(THF)0.16Lに溶かした後、ここに2−クロロ−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン(2−chloro−4,6−diphenyl−1,3,5−triazine)11.0g(41.1mmol)とテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム1.42g(1.46mmol)を入れて攪拌した。水に飽和された炭酸カリウム14.2g(103mmol)を入れて80℃で8時間加熱して還流させた。反応完了後、反応液に水を入れてジクロロメタン(DCM)で抽出した後、無水MgSO4で水分を除去した後、フィルターし減圧濃縮した。このようにして得られた残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィーで分離精製して化合物33を16.3g(67%)得た。
【0177】
HRMS (70 eV, EI+): m/z calcd for C42H29N3O: 591.2311, found: 591.
Elemental Analysis: C, 85%; H, 5%
〔実施例10〕:化合物45の合成
【0179】
窒素環境で中間体1−17 3g(4.49mmol)をテトラヒドロフラン(THF)0.16Lに溶かした後、ここに2−クロロ−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン(2−chloro−4,6−diphenyl−1,3,5−triazine)1.20g(4.49mmol)とテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム0.16g(0.13mmol)を入れて攪拌した。水に飽和された炭酸カリウム1.55g(11.2mmol)を入れて80℃で15時間加熱して還流させた。反応完了後、反応液に水を入れてジクロロメタン(DCM)で抽出した後、無水MgSO4で水分を除去した後、フィルターし減圧濃縮した。このようにして得られた残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィーで分離精製して化合物45を1.83g(61%)得た。
【0180】
HRMS (70 eV, EI+): m/z calcd for C48H33N3O: 667.2624, found: 667.
Elemental Analysis: C, 86%; H, 5%
〔実施例11〕:化合物60の合成
【0182】
窒素環境で中間体1−19 20g(41.1mmol)をテトラヒドロフラン(THF)0.16Lに溶かした後、ここに2−クロロ−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン(2−chloro−4,6−diphenyl−1,3,5−triazine)11.0g(41.1mmol)とテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム1.42g(1.46mmol)を入れて攪拌した。水に飽和された炭酸カリウム14.2g(103mmol)を入れて80℃で8時間加熱して還流させた。反応完了後、反応液に水を入れてジクロロメタン(DCM)で抽出した後、無水MgSO4で水分を除去した後、フィルターし減圧濃縮した。このようにして得られた残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィーで分離精製して化合物60を23.1g(95%)得た。
【0183】
HRMS (70 eV, EI+): m/z calcd for C42H29N3O: 591.2311, found: 591.
Elemental Analysis: C, 85%; H, 5%
有機発光素子の製造
〔実施例12〕
実施例1で得られた化合物1をホストとして用い、Ir(PPy)3をドーパントとして用いて有機発光素子を製作した。
【0184】
陽極としてはITOを1000Åの厚さに用い、陰極としてはアルミニウム(Al)を1000Åの厚さに用いた。具体的に、有機発光素子の製造方法を説明すると、陽極は15Ω/cm2の面抵抗値を有するITOガラス基板を50mm×50mm×0.7mmの大きさで切断してアセトンとイソプロピルアルコールと純水の中で各15分間の超音波洗浄を行った後、30分間のUVオゾン洗浄を行って用いた。前記基板上部に真空度650×10
−7Pa、蒸着速度0.1〜0.3nm/sの条件でN4,N4'−di(naphthalen−1−yl)−N4,N4'−diphenylbiphenyl−4,4'−diamine(NPB)(80nm)を蒸着して800Åの正孔輸送層を形成した。次に、同一の真空蒸着条件で実施例1で得られた化合物1を用いて膜厚300Åの発光層を形成し、この時、燐光ドーパントであるIr(PPy)3を同時に蒸着した。この時、燐光ドーパントの蒸着速度を調節して、発光層の全体量を100重量%にした時、燐光ドーパントの配合量が7重量%になるように蒸着した。前記発光層上部に同一の真空蒸着条件を用いてBis(2−methyl−8−quinolinolate)−4−(phenylphenolato)aluminium(BAlq)を蒸着して膜厚50Åの正孔阻止層を形成した。次に、同一の真空蒸着条件でAlq3を蒸着して、膜厚200Åの電子輸送層を形成した。前記電子輸送層上部に陰極としてLiFとAlを順次に蒸着して有機光電素子を製作した。前記有機光電素子の構造は、ITO/NPB(80nm)/EML(化合物1(93重量%)+Ir(PPy)3(7重量%)、30nm)/Balq(5nm)/Alq3(20nm)/LiF(1nm)/Al(100nm)の構造で製作した。
【0185】
〔実施例13〕
前記実施例12で、実施例1の化合物1の代わりに実施例2の化合物2を用いた点を除いては、同様な方法で有機発光素子を製造した。
【0186】
〔実施例14〕
前記実施例12で、実施例1の化合物1の代わりに実施例3の化合物3を用いた点を除いては、同様な方法で有機発光素子を製造した。
【0187】
〔実施例15〕
前記実施例12で、実施例1の化合物1の代わりに実施例4の化合物4を用いた点を除いては、同様な方法で有機発光素子を製造した。
【0188】
〔実施例16〕
前記実施例12で、実施例1の化合物1の代わりに実施例5の化合物5を用いた点を除いては、同様な方法で有機発光素子を製造した。
【0189】
〔実施例17〕
前記実施例12で、実施例1の化合物1の代わりに実施例6の化合物6を用いた点を除いては、同様な方法で有機発光素子を製造した。
【0190】
〔実施例18〕
前記実施例12で、実施例1の化合物1の代わりに実施例7の化合物9を用いた点を除いては、同様な方法で有機発光素子を製造した。
【0191】
〔実施例19〕
前記実施例12で、実施例1の化合物1の代わりに実施例8の化合物27を用いた点を除いては、同様な方法で有機発光素子を製造した。
【0192】
〔実施例20〕
前記実施例12で、実施例1の化合物1の代わりに実施例9の化合物33を用いた点を除いては、同様な方法で有機発光素子を製造した。
【0193】
〔実施例21〕
前記実施例12で、実施例1の化合物1の代わりに実施例10の化合物45を用いた点を除いては、同様な方法で有機発光素子を製造した。
【0194】
〔実施例22〕
前記実施例12で、実施例1の化合物1の代わりに実施例11の化合物60を用いた点を除いては、同様な方法で有機発光素子を製造した。
【0195】
〔比較例1〕
前記実施例12で、実施例1の化合物1の代わりにCBPを用いた点を除いては、同様な方法で有機発光素子を製造した。前記CBPの構造は下記に記載されている。
【0196】
〔比較例2〕
前記実施例12で、実施例1の化合物1の代わりにHOST1を用いた点を除いては、同様な方法で有機発光素子を製造した。前記HOST1の構造は下記に記載されている。
【0197】
〔比較例3〕
前記実施例12で、実施例1の化合物1の代わりにHOST2を用いた点を除いては、同様な方法で有機発光素子を製造した。前記HOST2の構造は下記に記載されている。
【0198】
前記有機発光素子の製作に使用されたNPB、BAlq、CBP、Ir(PPy)3、HOST1およびHOST2の構造は下記のとおりである。
【0200】
評価
実施例12〜22と比較例1〜3で製造されたそれぞれの有機発光素子に対して電圧に応じた電流密度の変化、輝度の変化および発光効率を測定した。
【0201】
具体的な測定方法は次のとおりであり、その結果は下記表1に示した。
【0202】
(1)電圧変化に応じた電流密度の変化測定
製造された有機発光素子に対して、電圧を0Vから10Vまで上昇させながら電流−電圧計(Keithley 2400)を用いて単位素子に流れる電流値を測定し、測定された電流値を面積で割って結果を得た。
【0203】
(2)電圧変化に応じた輝度の変化測定
製造された有機発光素子に対して、電圧を0Vから10Vまで上昇させながら輝度計(Minolta Cs−1000A)を用いてその時の輝度を測定して結果を得た。
【0204】
(3)発光効率の測定
前記(1)および(2)で測定された輝度と電流密度および電圧を用いて同一の電流密度(10mA/cm2)の電流効率(cd/A)を計算した。
【0205】
(4)寿命の測定
輝度(cd/m2)を5000cd/m2に維持し、電流効率(cd/A)減少時間を測定して結果を得た。
【0207】
前記表1の結果によると、実施例12〜22による有機発光素子は、比較例1〜比較例3による有機発光素子と比較して発光効率および駆動電圧は低下されずに寿命特性は顕著に改善されたことが分かる。
【0208】
本発明は、前記実施例に限定されず、互いに異なる多様な形態に製造されてもよく、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者は、本発明の技術的な思想や必須の特徴を変更せずに他の具体的な形態に実施可能であることを理解できるはずである。したがって、上述した実施例はすべての面で例示的なものであり、限定的ではないものと理解しなければならない。