特許第6335433号(P6335433)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6335433
(24)【登録日】2018年5月11日
(45)【発行日】2018年5月30日
(54)【発明の名称】ICP発光分光分析装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/73 20060101AFI20180521BHJP
【FI】
   G01N21/73
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-69440(P2013-69440)
(22)【出願日】2013年3月28日
(65)【公開番号】特開2014-190958(P2014-190958A)
(43)【公開日】2014年10月6日
【審査請求日】2015年11月11日
【審判番号】不服2017-1649(P2017-1649/J1)
【審判請求日】2017年2月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】503460323
【氏名又は名称】株式会社日立ハイテクサイエンス
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】特許業務法人栄光特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松澤 修
(72)【発明者】
【氏名】赤松 憲一
(72)【発明者】
【氏名】一宮 豊
【合議体】
【審判長】 伊藤 昌哉
【審判官】 松岡 智也
【審判官】 信田 昌男
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭59−94042(JP,A)
【文献】 実開昭63−141912(JP,U)
【文献】 特開平11−95066(JP,A)
【文献】 特開平6−123825(JP,A)
【文献】 特開2006−153763(JP,A)
【文献】 厚生労働省告示平成23年第65号,日本,2011年 3月24日,PP.1976−1980
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N21/00,21/01,21/17-21/74
G01J3/00
G02B6/24,6/42,6/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
分析対象の元素を誘導結合プラズマにより原子化またはイオン化し、原子発光線を得る誘導結合プラズマ装置と、
前記原子発光線を取り入れた後、分光して検出する分光器と、
前記誘導結合プラズマ装置と前記分光器とを接続する光ファイバーと、を備えるICP発光分光分析装置であって、
前記光ファイバーの端面に隣接して、前記光ファイバーから原子発光線を前記分光器に向けて出射する光出射穴が設けられ、
前記光出射穴と前記光ファイバーの端面の距離が、前記分光器内に設けられた凹面鏡に照射される原子発光線の照射領域が、前記凹面鏡の反射有効口径より大きくなるような距離の範囲である、ICP発光分光分析装置。
【請求項2】
請求項1に記載のICP発光分光分析装置であって、
前記光出射穴が、原子発光線の出射した時点での拡がり径より大きい径となるよう、原子発光線の出射側へ拡がる拡がり形状を呈する、ICP発光分光分析装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載のICP発光分光分析装置であって、
前記光出射穴と前記光ファイバーの端面の距離がゼロである、ICP発光分光分析装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、溶液試料に含まれる元素(例えば微量不純物元素)の分析を行うICP(高周波誘導結合プラズマ)発光分光分析装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ICP発光分光分析での溶液試料は、誘導結合プラズマ(ICP)で原子化あるいはイオン化され、その際、発光する原子発光線(スペクトル線)を分光分析して微量不純物の定量分析・定性分析を行うことが知られている。原子発光線はレンズやミラー等で集光した後、入射スリットを介して分光器内に入射する。誘導結合プラズマと分光器の間に遮蔽物があると複数のミラーを使用することになり、高価で複雑の構成配置となる。そこで、光ファイバーを利用して原子発光線を分光器に導くことが知られている(特許文献1及び特許文献2)。
【0003】
図8(a)に示される特許文献1は、ICP発光分光分析に利用されるローランド円からなる分光器Rに関する。プラズマ光源Lからの光は、複数の光ファイバーF1、F2、F3によって集光素子f1、f2、f3に導かれ、光入口スリットS1、S2、S3上に集光され、分光器R内の凹面回折格子Gにより、一つの光出口スリットSoに導かれる。光出口スリットSoを一つにして分光器Rを小型に作ることが可能であることが開示されている。
【0004】
図8(b)に示される特許文献2は、発光分光分析装置の分析光を分光器101内に導く光ファイバー102に関する。光ファイバー102の一端は、プラズマトーチからなる発光部103からの光を受光するために発光部103と対応した位置に配置され、集光レンズ104の焦点位置にある。光ファイバー102の他端は分光器101の内部にスリット状に配置され、スリット105と対応している。発光部103の光をその中心軸に沿った方向に集光し、光ファイバー102でその光をスリット状に絞って分光器101内部に入射させ、試料の発光を多く含む中心軸部分の発光を有効に利用し、高感度の分光分析を可能とさせたことが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開昭63−47622号公報
【特許文献2】特開平10−142156号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1及び特許文献2には、誘導結合プラズマから分光器へ原子発光線を導くために光ファイバーとスリットを利用することは開示されている。しかしながら、実際の製品化においては、分光器との具体的接続や、スリットと凹面鏡との光学的関係を考慮する必要があるが、特許文献1〜2には、具体的に示されていない。
【0007】
本発明は、上記事由に鑑みてなされたものであり、その目的は、光ファイバーを利用して原子発光線を分光器内に導き光学特性の優れたICP発光分光分析装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のICP発光分光分析装置は、分析対象の元素を誘導結合プラズマにより原子化またはイオン化し、原子発光線を得る誘導結合プラズマ装置と、前記原子発光線を取り入れた後、分光して検出する分光器と、前記誘導結合プラズマ装置と前記分光器とを接続する光ファイバーと、を備えるICP発光分光分析装置であって、前記光ファイバーから原子発光線を前記分光器に向けて出射する光出射穴を前記光ファイバーの端面に隣接して設けている。
【0009】
前記ICP発光分光分析装置であって、前記光ファイバーの端部において露出し、前記端面を含む光透過部を覆うキャップと、前記キャップを覆うとともに、前記分光器に取り付けられる取り付け部材と、をさらに備え、前記露出した光透過部に隣接するように、前記光出射穴が前記キャップに設けられることが好ましい。
【0010】
前記ICP発光分光分析装置であって、前記光ファイバーの端部において露出し、前記端面を含む光透過部を覆うとともに、前記分光器に取り付けられる取り付け部材をさらに備え、前記露出した光透過部に隣接するように、前記光出射穴が前記取り付け部材に設けられることが好ましい。
【0011】
前記ICP発光分光分析装置であって、前記光出射穴が拡がり形状を呈することが好ましい。
【0012】
前記ICP発光分光分析装置であって、前記光出射穴と前記光ファイバーの端面の距離がゼロであることが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、光ファイバーを使用することにより、分光器と誘導結合プラズマとの配置の自由度が拡大する。また光出射穴と端面とを隣接することにより、凹面鏡の反射有効口径に十分な光量の原子発光線の照射領域が確保され、安定した分析感度が得られる。更に、取り付け部材を備えることにより、光ファイバーの光透過部の中心軸と光出射穴の中心軸との合わせが容易となり、細かい調整を不要とする光学的に安定した位置決めが可能となる。そして、凹面鏡に当たる照射領域の変位を少なくすることが可能となり、高感度で光学特性の優れたICP発光分光分析装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明に係るICP発光分光分析装置の一例を示す概念図。
図2】本発明に係る取り付け部材の前提となる取り付け部材の一例の断面図。
図3】端面と光出射穴及び凹面鏡との関係を示す模式図、(a)端面と光出射穴との距離関係、(b)光ファイバーの中心軸と光出射穴の中心軸とのずれ関係。
図4】取り付け部材の第1の実施形態の一例、(a)分解図、(b)組み付け断面図。
図5】取り付け部材の第2の実施形態の一例で組み付け断面図。
図6】取り付け部材の第3の実施形態の一例で組み付け断面図。
図7】本発明に係る端面と光出射穴及び凹面鏡との関係を示す模式図、(a)端面と光出射穴との距離関係、(b)光ファイバーの中心軸と光出射穴の中心軸とのずれ関係。
図8】従来技術を示す概念図、(a)特許文献1、(b)特許文献2。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係るICP発光分光分析装置の好適な実施形態を、図1図7に基づいて詳述する。
【0016】
図1は、本発明に係るICP発光分光分析装置の一例を示す概念図である。
【0017】
ICP発光分光分析装置1は、誘導結合プラズマ装置10と、光ファイバー20と、分光器30と、取り付け部材40と、光出射穴41と、から概略構成されている。誘導結合プラズマ装置10は、スプレーチャンバ11と、ネブライザ12と、プラズマトーチ13と、高周波コイル14と、ガス制御部15と、高周波電源16とから概略構成されている。光ファイバー20は、後述する誘導結合プラズマ18と分光器30との間に配置され、分光器30とは取り付け部材40により連結される。分光器30は、入射窓31と、凹面鏡32と、回折格子33と、検出器34と、を備えている。
【0018】
ガス制御部15でコントロールされたアルゴンガスがプラズマトーチ13に導かれる。そして、高周波コイル14に高周波電源16から高周波電流を流すことにより、アルゴンガスはプラズマトーチ13の上方で誘導結合プラズマ18(以下、プラズマと述べる)を生成する。一方、ネブライザ12内に供給されたキャリアガス(アルゴンガス)は、スプレーチャンバ11内にネブライザ12の先端から噴出され、キャリアガスの負圧吸引によって試料容器17の溶液試料17aが吸い上げられ、ネブライザ12の先端から試料が噴射される。噴射された溶液試料17aは、スプレーチャンバ11内で粒子の均一化と気流の安定化が図られ、ガス制御部15でコントロールされプラズマトーチ13に導かれる。そして、プラズマ18中で溶液試料17aの試料分子(又は原子)が加熱・励起されて発光する。
【0019】
溶液試料17aの分析対象となる元素をプラズマ18により原子化またはイオン化することで得られた原子発光線は、光ファイバー20を介して光出射穴41を通過して入射窓31から分光器30内に入射する。原子発光線は、分光器30内の凹面鏡32や回折格子33により分光され、出口穴35を通過して検出器34で検出される。分光器30で分光され検出された原子発光線は、コンピュータ50等でデータ処理して解析され、原子発光線(スペクトル線)の波長から溶液試料17aに含まれる元素(例えば微量不純物元素)の定性分析と原子発光線(スペクトル線)の強度から元素の定量分析が行われる。
【0020】
図2は、本発明に係る取り付け部材の前提となる取り付け部材の一例の断面図である。
【0021】
取り付け部材40は、光ファイバー20を分光器30の入射窓31及び入射窓31の近傍に配置される光出射穴41に対して光学的に適切な位置に取り付けるための略円筒形状の例えば金属成形品である。取り付け部材40には、コアとクラッドからなる光透過部21と樹脂等の被覆部22とを備える光ファイバー20を挿入させる挿入部40aが設けられている。平板42が光ファイバー20の端面23の略中心軸に対応して取り付け部材40の前方に係合固定される係合部43内に配置され、光出射穴41が平板42の略中央に設けられている。また、取り付け部材40には、光ファイバー20を取り付け部材40に固定する光ファイバーコネクタ48が係合固定される。係合部43は、光出射穴41を備える平板42と共に分光器30の入射窓31に一体的に固定される。ただし、係合部43は、取り付け部材40に係合固定されていなくても良く、分光器30の入射窓31側に固定されていてもよい。また、係合部43は、分光器30に直接固定・取り付け可能な構造にしてもよく、入射窓31を必ずしも設ける必要はない。
【0022】
取り付け部材40を備えることにより、光ファイバー20の光透過部21の中心軸と光出射穴41の中心軸との合わせが容易となり、細かい調整を不要とする光学的に安定した位置決めが可能となる。また、取り扱いも容易で熟練者による調整が不要となり、部品交換もし易くなる。
【0023】
ところで、上述の光出射穴41と光ファイバー20の端面23との距離Dが離れていたり、光ファイバー20の中心軸と光出射穴41の中心軸とのずれLが離れていたりすると、凹面鏡32に当たる原子発光線の有効利用率が低下する可能性がある。図3を用いて詳述する。図3は、端面23と光出射穴41及び凹面鏡32との関係を示す模式図である。
【0024】
図3(a)は、端面23と光出射穴41との距離Dとの関係を示している。光ファイバー20の端面23から出射した原子発光線は、光出射穴41で集光され、凹面鏡32に一定の照射領域25(図中斜線で示す円領域)で照射する。しかしながら、距離Dが大きいと照射領域25は、凹面鏡32の反射有効口径32aより小さくなる。尚、符号32bは、凹面鏡32の枠である。一方、図3(b)に示すように、光ファイバー20の中心軸と光出射穴41の中心軸とのずれLが大きいと、照射領域25が凹面鏡32の反射有効口径32aから外れてしまうこともある。
【0025】
図3で述べた問題を生じさせないため、更に改良された取り付け部材の第1の実施形態〜第3の実施形態に関して、詳述する。
【0026】
図4は、取り付け部材40の第1の実施形態の一例で、(a)は分解図、(b)は組み付け断面図である。第1の実施形態と同様の構成は名称及び符号を一致させ、説明を省略する。
【0027】
本実施形態においては、光出射穴41を備えるキャップ45が設けられている。取り付け部材40には、キャップ45および光ファイバー20が挿入される開口部40bと、開口部40bに挿入された光ファイバー20を支持する支持部40dと、入射窓31に取り付け部材40を固定する装着部40cと、光ファイバー20から出射された光が通過する光通路47とが設けられている。また、キャップ45には、外方に向かって拡がる形状を呈する光出射穴41と、光ファイバー20の光透過部21が挿入される嵌合部45aとが設けられている。光ファイバー20の光透過部21はその端部に於いて露出されており、キャップ45の嵌合部45aに露出した光透過部21と端面23が覆われる。ロック部44は光ファイバー20を取り付け部材40に固定する円筒状の部材であり、図示せぬネジ等を用いて、ロック部44と、取り付け部材40と、光ファイバー20とが固定される。
【0028】
光ファイバー20の露出した光透過部21にキャップ45を被せ、キャップ45を取り付け部材40の開口部40bに挿入させ、ロック部44を取り付け部材40に固定することにより、光ファイバー20の端面23と光出射穴41とが隣接して配置できる(図4(b)参照)。光出射穴41をキャップ45に設け、キャップ45と開口部40bとで露出した光透過部21を支持するため、光透過部21の軸ぶれが解消されると共に端面23と光出射穴41とが隣接配置が可能となり、光学的に損失の少ない取り付けが可能となる。
【0029】
図5は、取り付け部材40の第2の実施形態の一例で組み付け断面図である。第1の実施形態と同様の構成は名称及び符号を一致させ、説明を省略する。
【0030】
取り付け部材40には、外方に向かって拡がる形状を呈する光出射穴41と光ファイバー20を挿入支持する支持部40dとが設けられている。光ファイバー20の先端部を支持部40dに挿入させ、ロック部44で光ファイバー20を取り付け部材40に固定することにより、光透過部21の端面23を光出射穴41に隣接配置させることができる。取り付け部材40に直接光出射穴41を設けることにより、位置決めの安定が図られ、光学的に損失の少ない取り付けが可能となる。
【0031】
図6は、取り付け部材40の第3の実施形態の一例で組み付け断面図である。第1及び第2の実施形態と同様の構成は名称及び符号を一致させ、説明を省略する。
【0032】
光出射穴41は薄板46の略中央に設けられている。薄板46は、支持部40dの底部に配置される。光ファイバー20の先端部を支持部40dに挿入させ、ロック部44で光ファイバー20を取り付け部材40に固定することにより、光透過部21の端面23を光出射穴41に隣接配置させることができる。薄板46と光ファイバー20とを支持部40d内に挿入するだけで、光透過部21の中心軸と光出射穴41の中心軸とを一致させることができ、端面23と光出射穴41とが隣接配置が容易となる。
【0033】
本実施形態においては、第1の実施形態と異なり、光出射穴41は外側へ広がる形状を呈しておらず、光通路47も外側へ広がる形状を呈していない。しかしながら、光通路47の最外部(図6における左端)の径Kが、光が出射した時点での拡がり径より大きいことが必要となる。
【0034】
第2及び第3の実施形態の光ファイバー20の端部に於いて、光透過部21は露出していても露出していなくても良い。露出には、ホットストリッパ等が利用できる。また、一般的に光ファイバーは三層構造(一次被覆層、緩衝層、二次被覆層)の保護層で被覆されているものが多く、二次被覆層あるいは緩衝層までを除去した形態で使用してもよい。少なくとも、一以上の保護層を除去した場合は、露出部を覆う保持部材(キャップ45に類似した形状)を設けていても良い。
【0035】
図7は、端面と光出射穴及び凹面鏡との関係を示す模式図である。
【0036】
図7(a)は、端面23と光出射穴41との距離Dとの関係を示している。光ファイバー20の端面23から出射した原子発光線は、光出射穴41で集光され、凹面鏡32に一定の照射領域25で照射する。距離Dが小さく端面23と光出射穴41とが隣接して配置されていると、照射領域25は、凹面鏡32の反射有効口径32a(図中破線円参照)より大きくなり、分析するための満足できる光量が分光器30内で得られる。また、図7(b)に示すように、光ファイバー20の中心軸と光出射穴41の中心軸とのずれLが生じても、照射領域25が凹面鏡32の反射有効口径32aから外れてしまうこともない。
【0037】
即ち、取り付け部材40を用いることにより、光透過部21の中心軸と光出射穴41の中心軸とを一致させることが容易となり、また端面23と光出射穴41とを隣接させることが組み付け上で可能となり、分光器30内の凹面鏡32の反射有効口径32a以上の原子発光線の照射領域25が確保され、分析に必要な光量が十分得られ、安定した分析感度ある優れたICP発光分光分析装置が提供できる。
【0038】
上述の隣接とは、光透過部21の端面23と光出射穴41とが当接(距離がゼロ)した状態を含み、凹面鏡32に照射される原子発光線の照射領域25が、凹面鏡32の反射有効口径32a以上に確保できる距離Dの範囲である。
【0039】
尚、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数値、形態、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明に係るICP発光分光分析装置は、例えば、光ファイバーを利用して分光器に原子発光線を入射させる際に光出射穴を利用して凹面鏡に入射光を効率よく照射させる用途に適用可能である。
【符号の説明】
【0041】
1:ICP発光分光分析装置
10:誘導結合プラズマ装置
18:誘導結合プラズマ(プラズマ)
20:光ファイバー
21:光透過部
23:端面
30:分光器
31:入射窓
32:凹面鏡
33:回折格子
34:検出器
40:取り付け部材
41:光出射穴
45:キャップ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8