特許第6335458号(P6335458)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6335458損傷したエポキシを静電チャックから除去する方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6335458
(24)【登録日】2018年5月11日
(45)【発行日】2018年5月30日
(54)【発明の名称】損傷したエポキシを静電チャックから除去する方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/683 20060101AFI20180521BHJP
   H02N 13/00 20060101ALI20180521BHJP
【FI】
   H01L21/68 R
   H02N13/00 D
【請求項の数】19
【外国語出願】
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2013-195671(P2013-195671)
(22)【出願日】2013年9月20日
(65)【公開番号】特開2014-68011(P2014-68011A)
(43)【公開日】2014年4月17日
【審査請求日】2016年9月2日
(31)【優先権主張番号】13/624,822
(32)【優先日】2012年9月21日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】592010081
【氏名又は名称】ラム リサーチ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】特許業務法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ホン・シー
(72)【発明者】
【氏名】トゥオチャン・ホワーン
(72)【発明者】
【氏名】ヤン・ファン
(72)【発明者】
【氏名】クリフ・ラクロア
(72)【発明者】
【氏名】ニール・ニュートン
(72)【発明者】
【氏名】リッシュ・チャトレ
【審査官】 山口 祐一郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−129142(JP,A)
【文献】 特開2002−026362(JP,A)
【文献】 特開平03−203233(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/67−21/683
H02K 24/00−27/30
31/00−31/04
35/00−35/06
39/00
47/00−47/30
53/00
99/00
H02N 1/00−1/12
3/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
静電チャックからエポキシバンドを除去する方法であって、
修理用固定具に前記静電チャックを固定する工程と、
前記エポキシバンドに熱源を当てて、前記静電チャックに前記エポキシバンドを固定する複数の接着部を破壊する工程と、
前記エポキシバンドにツール挿入用の穴を形成する工程と、
前記穴にツールの先端を挿入し、前記ツールを用いて前記静電チャックから前記エポキシバンドを引き出す工程と、
を備える、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、
前記エポキシバンドに前記熱源を当てて、前記静電チャックに前記エポキシバンドを固定する前記複数の接着部を破壊する工程は、
前記エポキシバンドの外面の幅を決定する工程と、
前記エポキシバンドの前記幅より狭い幅を有する加熱先端ツールを選択する工程と、
前記選択された加熱先端ツールを動作温度まで加熱する工程と、
前記エポキシバンドの前記外面に前記加熱先端ツールを当てて、前記エポキシバンドを加熱し、前記静電チャックに前記エポキシバンドを固定する複数の接着部を破壊する工程と、
を含む、方法。
【請求項3】
請求項2に記載の方法であって、
前記エポキシバンドに前記穴を形成する工程は、前記エポキシバンドに前記加熱先端ツールを押し込んで、前記エポキシバンドに前記穴を形成する工程を含む、方法。
【請求項4】
請求項2に記載の方法であって、
前記エポキシバンドの前記外面に前記加熱先端ツールを当てる工程は、約90℃ないし110℃の間の温度を有する加熱された空気を供給する工程を含む、方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法であって、
前記エポキシバンドに前記熱源を当てて、前記静電チャックに前記エポキシバンドを固定する前記複数の接着部を破壊する工程は、冷却剤を前記エポキシバンドに供給する工程を含む、方法。
【請求項6】
請求項5に記載の方法であって、
冷却剤を前記エポキシバンドに供給する工程は、冷却剤供給源に接続された冷却剤ノズルを前記エポキシバンドの外面に向ける工程を含む、方法。
【請求項7】
請求項5に記載の方法であって、
冷却剤を前記エポキシバンドに供給する工程は、前記静電チャックの温度よりも約40℃ないし約100℃低い温度まで前記エポキシバンドを冷却する工程を含む、方法。
【請求項8】
請求項5に記載の方法であって、
前記エポキシバンドに前記穴を形成する工程および前記静電チャックから前記エポキシバンドを引き出す工程は、約50psiないし約80psiの圧力で前記エポキシバンドに前記冷却剤を供給する工程を含む、方法。
【請求項9】
請求項1に記載の方法であって、
前記修理用固定具は、
前記静電チャックの外周よりも大きい内径を有する周辺フレームと、
前記周辺フレームの前記内径から前記静電チャックの前記外周付近まで伸びる複数の延長部と、
それぞれ前記延長部の内の対応する1つを通して前記静電チャックの前記外周まで伸びる複数の対応する留め具と、
を備える、方法。
【請求項10】
請求項1に記載の方法であって、
前記静電チャックから前記エポキシバンドを引き出す工程は、前記エポキシバンドをピックツールで引き出す工程を含む、方法。
【請求項11】
請求項10に記載の方法であって、
前記ピックツールは、前記静電チャックの上部層およびベースの表面よりも柔らかい材料から形成される、方法。
【請求項12】
静電チャックからエポキシバンドを除去するためのシステムであって、
修理用固定具であって、
前記静電チャックの外周よりも大きい内径を有する周辺フレームと、
前記周辺フレームの前記内径から前記静電チャックの前記外周付近まで伸びる複数の延長部と、
それぞれ前記延長部の内の対応する1つを通して前記静電チャックの前記外周まで伸びて、前記修理用固定具に前記静電チャックを固定する複数の対応する留め具と、を含む、修理用固定具と、
熱源と、
を備える、システム。
【請求項13】
請求項12に記載のシステムであって、さらに、
前記静電チャックの上部層およびベースの表面よりも柔らかい材料から形成されたピックツールを備える、システム。
【請求項14】
請求項12に記載のシステムであって、
前記熱源は、加熱先端ツールを含む、システム。
【請求項15】
請求項14に記載のシステムであって、
前記加熱先端ツールは、前記静電チャック上のエポキシバンドの外面の幅よりも狭い幅を有する先端を含む、システム。
【請求項16】
請求項12に記載のシステムであって、
前記熱源は、冷却剤供給源に接続されて前記静電チャック上のエポキシバンドの外面に向けられた冷却剤ノズルを含む、システム。
【請求項17】
請求項12に記載のシステムであって、
前記修理用固定具は、作業面から離れるように前記修理用固定具を支持するための複数の脚部を含む、システム
【請求項18】
静電チャックからエポキシバンドを除去する方法であって、
修理用固定具に前記静電チャックを固定する工程と、
前記エポキシバンドの露出している外面に予め加熱された加熱先端ツールを当てて、前記エポキシバンドを加熱し、前記静電チャックに前記エポキシバンドを固定する複数の接着部を破壊する工程と、
前記エポキシバンドに冷却剤ノズルが向けられる穴を形成する工程と、
冷却剤供給源に接続された前記冷却剤ノズルを前記エポキシバンドの前記穴に向ける工程と、
約50psiから約80psiの間の圧力で前記冷却剤供給源から冷却剤を前記エポキシバンドの前記穴に供給する工程と、
前記圧力に加圧された前記冷却剤の流れによって前記静電チャックから前記エポキシバンドを吹き飛ばす工程と、
を備える、方法。
【請求項19】
請求項18に記載の方法であって、
前記冷却剤を前記エポキシバンドの前記穴に供給する工程は、前記静電チャックの温度よりも約40℃ないし約100℃低い温度まで前記エポキシバンドを冷却する、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、半導体処理チャンバに関し、特に、半導体処理チャンバの静電チャックを修復するためのシステム、方法、および、装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体処理チャンバは、通例、ワークピース(例えば、半導体ウエハ)が処理(例えば、エッチング、洗浄、撮像、蒸着処理など)される時に、静電チャックを用いてワークピースを固定する。
【0003】
残念ながら、ワークピースの様々な処理により、望ましくない堆積物(例えば、エッチング残留ポリマ、粒子など)が静電チャックに形成および付着することもある。また、望ましくない堆積物は、剥離などによって静電チャックから移動して、処理のために静電チャックに固定されている現在または次のワークピースを汚染しうる。
【0004】
ワークピースの汚染を防ぐために、静電チャックは、定期的に処理チャンバから取り外され、新しい静電チャックと交換される。静電チャックは、半導体処理チャンバにおいて複雑かつ高価な構成要素である。静電チャックの交換は、半導体処理チャンバの運用コストを増大させる。
【0005】
上記に鑑みて、修復された静電チャックを再利用できるように、効果的な静電チャック修復のシステム、方法、および、装置が求められている。
【発明の概要】
【0006】
概して、本発明は、静電チャック修復システム、方法、および、装置を提供することによって、これらの要求を満たす。本発明は、処理、装置、システム、コンピュータ読み取り可能な媒体、または、デバイスなど、種々の形態で実施できることを理解されたい。以下では、本発明の実施形態をいくつか説明する。
【0007】
一実施形態によると、静電チャックからエポキシバンドを除去する方法が提供されており、その方法は、修理用固定具に静電チャックを固定する工程と、エポキシバンドに熱源を当てて、静電チャックにエポキシバンドを固定する接着部を破壊する工程と、エポキシバンドに穴を形成する工程と、静電チャックからエポキシバンドを引き出す工程と、を備える。
【0008】
エポキシバンドに熱源を当てて、静電チャックにエポキシバンドを固定する接着部を破壊する工程は、エポキシバンドの外面の幅を決定する工程と、エポキシバンドの幅より狭い幅を有する加熱先端ツールを選択する工程と、選択された加熱先端ツールを動作温度まで加熱する工程と、エポキシバンドの外面に加熱先端ツールを当てて、エポキシバンドを加熱し、静電チャックにエポキシバンドを固定する複数の接着部を破壊する工程と、を含んでよい。
【0009】
エポキシバンドに穴を形成する工程は、エポキシバンドに加熱先端ツールを押し込んで、エポキシバンドに穴を形成する工程を含んでよい。エポキシバンドの外面に加熱先端ツールを当てる工程は、約90℃から110℃の間の温度を有する加熱された空気を供給する工程を含んでよい。
【0010】
エポキシバンドに熱源を当てて、静電チャックにエポキシバンドを固定する接着部を破壊する工程は、冷却剤をエポキシバンドに供給する工程を含んでよい。冷却剤をエポキシバンドに供給する工程は、冷却剤供給源に接続された冷却剤ノズルをエポキシバンドの外面に向ける工程を含んでよい。冷却剤をエポキシバンドに供給する工程は、静電チャックの温度よりも約40℃ないし約100℃低い温度までエポキシバンドを冷却する工程を含んでよい。エポキシバンドに穴を形成する工程および静電チャックからエポキシバンドを引き出す工程は、約50psiないし約80psiの圧力でエポキシバンドに冷却剤を供給する工程を含んでよい。
【0011】
修理用固定具は、静電チャックの外周よりも大きい内径を有する周辺フレームと、周辺フレームの内径から静電チャックの外周付近まで伸びる複数の延長部と、延長部の内の対応する1つを通して静電チャックの外周まで伸びる複数の対応する留め具と、を備えてよい。
【0012】
静電チャックからエポキシバンドを引き出す工程は、エポキシバンドをピックツールで引き出す工程を含んでよい。ピックツールは、静電チャックの上部層およびベースの表面よりも柔らかい材料から形成されうる。
【0013】
別の実施形態では、静電チャックからエポキシバンドを除去するためのシステムが提供されている。システムは、修理用固定具と、熱源とを備える。修理用固定具は、静電チャックの外周よりも大きい内径を有する周辺フレームと、周辺フレームの内径から静電チャックの外周付近まで伸びる複数の延長部と、延長部の内の対応する1つを通して静電チャックの外周まで伸びて、修理用固定具に静電チャックを固定する対応する1組の留め具と、を備えてよい。
【0014】
システムは、さらに、静電チャックの上部層およびベースの表面よりも柔らかい材料から形成されたピックツールを備えてよい。熱源は、加熱先端ツールを含みうる。加熱先端ツールは、静電チャック上のエポキシバンドの外面の幅よりも狭い幅の先端を有する。
【0015】
熱源は、冷却剤供給源に接続されて静電チャック上のエポキシバンドの外面に向けられた冷却剤ノズルを含んでもよい。修理用固定具は、作業面から離して修理用固定具を支持するための複数の脚部を備えてよい。
【0016】
さらに別の実施形態では、静電チャックからエポキシバンドを除去する方法が提供されている。その方法は、修理用固定具に静電チャックを固定する工程と、エポキシバンドの外面に予め加熱された加熱先端ツールを当てて、エポキシバンドを加熱し、静電チャックにエポキシバンドを固定する複数の接着部を破壊する工程と、を備える。エポキシバンドに穴が形成される。冷却剤供給源に接続された冷却剤ノズルが、エポキシバンドの穴に向けられる。冷却剤が、約50psiから約80psiの間の圧力でエポキシバンドの穴に供給され、加圧された冷却剤の流れによって静電チャックからエポキシバンドを吹き飛ばす。
【0017】
本発明のその他の態様および利点については、本発明の原理を例示した添付図面を参照しつつ行う以下の詳細な説明から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
添付の図面を参照して行う以下の詳細な説明から、本発明を容易に理解することができる。
【0019】
図1】本発明の実施形態に従って、プラズマ処理チャンバを示す簡略図。
【0020】
図2A】本発明の実施形態に従って、静電チャックを示す簡略図。
【0021】
図2B】本発明の実施形態に従って、静電チャックを示す上面図。
【0022】
図2C】本発明の実施形態に従って、静電チャックを示す下面図。
【0023】
図2D】本発明の実施形態に従って、静電チャックの側部を示す詳細図。
【0024】
図2E】本発明の実施形態に従って、静電チャックの2E−2Eにおける断面を示す詳細な側断面図。
【0025】
図3A】本発明の実施形態に従って、修理用固定具に取り付けられた静電チャックを示す簡略図。
図3B】本発明の実施形態に従って、修理用固定具に取り付けられた静電チャックを示す簡略図。
【0026】
図4A】本発明の実施形態に従って、加熱された先端ツールでエポキシバンドを除去する方法を示す簡略図。
図4B】本発明の実施形態に従って、加熱された先端ツールでエポキシバンドを除去する方法を示す簡略図。
図4C】本発明の実施形態に従って、加熱された先端ツールでエポキシバンドを除去する方法を示す簡略図。
図4D】本発明の実施形態に従って、加熱された先端ツールでエポキシバンドを除去する方法を示す簡略図。
【0027】
図5】本発明の実施形態に従って、加熱先端ツールでエポキシバンドを除去する際に実行される方法動作を示すフローチャート。
【0028】
図6A】本発明の実施形態に従って、冷却剤ノズルを用いてエポキシバンドを除去する方法を示す簡略図。
図6B】本発明の実施形態に従って、冷却剤ノズルを用いてエポキシバンドを除去する方法を示す簡略図。
図6C】本発明の実施形態に従って、冷却剤ノズルを用いてエポキシバンドを除去する方法を示す簡略図。
【0029】
図7】本発明の実施形態に従って、冷却剤ノズルを用いてエポキシバンドを除去する際に実行される方法動作を示すフローチャート。
【0030】
図8A】本発明の実施形態に従って、新たなエポキシバンドを取り付けた静電チャックの2E−2Eにおける断面を示す詳細な側断面図。
【0031】
図8B】本発明の実施形態に従って、新たなエポキシバンドの代わりにOリングを取り付けた静電チャックの2E−2Eにおける断面を示す詳細な側断面図。
【発明を実施するための形態】
【0032】
ここで、静電チャック修復システム、方法、および、装置について、いくつかの代表的な実施形態を説明する。当業者にとって明らかなように、本発明は、本明細書に記載する具体的な詳細事項の一部または全てがなくとも実施可能である。
【0033】
静電チャックは、静電チャックに固定されたワークピースに対して実行される様々な処理によって汚染されうる。結果として、静電チャックは、定期的に洗浄および修復されなければならない。
【0034】
図1は、本発明の実施形態に従って、プラズマ処理チャンバ100を示す簡略図である。プラズマ処理チャンバ100は、上部電極アセンブリ102と、静電チャック140と、静電チャック140に固定されたワークピース130と、を備える。また、プラズマ処理チャンバ100は、処理ガスをプラズマ処理チャンバに送るための1または複数の処理ガス源112に接続されている。
【0035】
上部バイアス電圧源114が、上部電極アセンブリ102に接続されている。下部バイアス電圧源116が、静電チャック140に接続されている。コントローラ110が、プラズマ処理チャンバ100、1または複数の処理ガス源112、上部バイアス電圧源114、および、下部バイアス電圧源116に接続されている。コントローラ110は、様々なプラズマ処理および非プラズマ処理がプラズマ処理チャンバ内で実行される際にプラズマ処理チャンバ100を作動させるためのロジック、オペレーティングシステム、オペレーションソフトウェア、および、レシピを備える。
【0036】
図2Aは、本発明の実施形態に従って、静電チャック140を示す簡略図である。図2Bは、本発明の実施形態に従って、静電チャックを示す上面図である。図2Cは、本発明の実施形態に従って、静電チャックを示す下面図である。静電チャック140は、処理チャンバ100内で実行される処理の熱的および化学的ストレスに耐えることができるセラミック材料で製造された上部層210を備える。
【0037】
上部エッジリング122A(図1に図示)が、上部層210の周囲に隣接している。下部エッジリング122Bが、上部エッジリング122Aを支持しており、ベース220の外周220Aに隣接している(図2Aに図示)。
【0038】
上部層210の上面202は、ワークピース130の背面に冷却ガス流を送るための1または複数セットのクーラント穴202A、202Bを備える。ワークピース130の背面は、静電チャック140と接触するワークピースの面であり、プラズマ150に暴露される表面130Aの反対側の面である。1または複数セットのクーラント穴202A、202Bは、同心円状のリングとして図示されているが、上面202の中央付近から上面202の外周へと外向きに放射状に配分される限りは、1または複数セットのクーラント穴は、3以上のリング、他の構成、および、様々な密度で配置されてもよいことを理解されたい。
【0039】
上部層210は、電極222A、222B、224A、224B、および、リフトピン穴203A〜Cを備える。リフトピン(図示せず)は、リフトピン穴203A〜C内で上下方向(上面202と実質的に垂直な方向)に移動可能である。リフトピンは、ワークピース130を上面から持ち上げるために上面202の上方に伸びることができる。また、リフトピンは、上面202へワークピース130を下げるために上面210内に後退されうる。リフトピン穴203A〜Cは、図示および説明をしやすくするために、上部層210の直径に対して過度に大きく図示されていることに注意されたい。
【0040】
上部層210は、接着層236によってベース220に結合されている。ベース220は、通例、アルミニウムまたはステンレス鋼などの金属材料で形成される。エポキシバンド230が、上部層210およびベース220の間の接着層236の外縁をシールしている。接着層236は、上部層210をベース220に熱的に結合させており、また、セラミック上部層および金属ベースの任意の異なる熱膨張率および熱収縮率を許容する。
【0041】
図2Dは、本発明の実施形態に従って、静電チャック140の側部270を示す詳細図である。図2Eは、本発明の実施形態に従って、静電チャック140の2E−2Eにおける断面を示す詳細な側断面図である。
【0042】
図2Eに示すように、ベースは、約10.0mmから約40.0mmの間の高さD1を有する。上部層210は、約3.0mmから約20.0mmの間の高さD2を有する。接着層236およびエポキシバンド230は、約1.0mmから約10.0mmの間の厚さD3を有する。
【0043】
エポキシバンド230の外縁230Aおよび上部層210の外縁210Aは、実質的に整列されている。ベース220の外周220Aは、上部層210の外縁210Aから外側に、約5.0mmから約25.0mmの寸法D4だけ広がっており、ベース220の段部212を形成している。エポキシバンド230は、上部層210の下で、上部層の外縁210Aから約1.0mmないし約10.0mmの間の寸法D5だけ広がっている。
【0044】
上部エッジリング122Aおよび下部エッジリング122Bは、図2Eでは点線で示されている。上部エッジリング122Aは、上部層210の外縁210Aに向かって段部212と重なっている。上部エッジリング122Aの上面122Cは、ワークピース130の上面130Aと実質的に同一平面上にあってよい。あるいは、上部エッジリング122Aの上面122Cは、静電チャック140の上面202と実質的に同一平面上にあってよい(図示せず)。
【0045】
約0.5mmから約2.0mmの間の幅D6を有するギャップ124が、上部層210の外縁210Aから上部エッジリング122Aを隔てている。ギャップ124は、上部エッジリング122Aおよび上部層210の異なる熱膨張および熱収縮を許容する。
【0046】
エポキシバンド230は、接着層236に対して第1の接着部234を形成する。エポキシバンド230は、さらに、上部層210の下面210Bに対して第2の接着部211を形成する。エポキシバンド230は、さらに、ベース220の上面220Bに対して第3の接着部213を形成する。エポキシバンド230は、接着部211、213、234によって処理チャンバから接着層236を効果的にシールおよび保護する。
【0047】
ギャップ124は、プラズマエッチングおよび洗浄の副生成物の一部がエポキシバンド230の外縁230Aに到達することを許容する。プラズマエッチングおよび洗浄の副生成物は、エポキシバンド230を損傷しうる。損傷は、エポキシバンド230の外縁230A上にポリマ(例えば、エッチングおよび洗浄の副生成物)が堆積することを含みうる。損傷は、エポキシバンド230における材料の劣化も含みうる。いずれにしても、エポキシバンド230に対する損傷は、エポキシバンド230の外縁230Aから分離して、ギャップ124を通して上部層210の上面202に移動し、静電チャック140に固定された現在のワークピース130および/または次のワークピースを汚染しうる粒子を生成する場合がある。
【0048】
エポキシバンド230を定期的に除去して交換することが、静電チャック140の汚染源としてのエポキシバンドを実質的に取り除くための1つのアプローチである。エポキシバンド230は、新しいエポキシバンド230’またはプラスチックバンド830(例えば、パーフルオロエラストマ材料など適切な材料のエラストマOリング)と交換されうる。
【0049】
図3Aおよび図3Bは、本発明の実施形態に従って、修理用固定具300に取り付けられた静電チャック140を示す簡略図である。修理用固定具300は、修理のために静電チャック140を固定して取り扱えるようにする。修理用固定具300は、プラスチック、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、ナイロン、鋼鉄、アルミニウム、または、その他の金属、もしくは、セラミック材料、もしくは、任意の他の適切な材料、ならびに、それらの組み合わせなど、任意の適切な材料から形成されうる。
【0050】
修理用固定具300は、静電チャック140のベース220の直径D8よりも大きい内径D7を有する周辺フレーム302を備える。修理用固定具300は、さらに、周辺フレーム302からベース220の外周220A付近まで伸びる延長部304を備える。修理用固定具300は、図によると略円形の外周を有するが、修理用固定具の外周は任意の適切な形状であってよいことを理解されたい。楕円形、長方形、および、その他の所望の形状など、他の形状の静電チャックを、本明細書に記載したように、同様に取り扱い修復できる。それに応じた形状(例えば、楕円形、長方形、および、その他の所望の形状)の修理用固定具も利用できる。修理用固定具300は、例えば、作業台、関節アーム、回転テーブル、または、静電チャック140の修理に役立ちうるその他の適切なツールおよび治具など、1または複数のさらなるアセンブリに結合されてもよい。
【0051】
ベース220は、延長部304に対応する複数のねじ穴232を備える。4つの延長部304および4つの対応する穴232が図示されているが、修理用固定具300は、3以上の延長部304を備えることができ、ベース220は、対応する数のねじ穴232を備えることができることを理解されたい。対応する数のボルト232Aまたはその他のタイプの適切な留め具の各々が、延長部304を通して伸び、対応するねじ穴232に螺入されて、修理のために静電チャック140を固定する。また、穴232または穴232に切られたねじ山の使用の有無にかかわらず、延長部304にねじを切って、ボルト232Aを延長部304のねじ山に係合させ、静電チャックのベース220の外周にクランプ動作を提供できることを理解されたい。
【0052】
修理用固定具300は、さらに、3以上の上側脚部334Aおよび3以上の下側脚部334Bを備える。上側脚部334Aおよび下側脚部334Bは、修理中に作業面340から離して静電チャック140を支持する。
【0053】
エポキシバンド230は、多くの方法およびツール(例えば、研削、溶媒など)によって、静電チャック140から除去することができるが、多くの方法が様々な理由から十分に効果的ではない。十分に効果的ではないいくつかの代表的な理由としては、遅すぎること、労力および/または時間が過度にかかること、廃棄流(例えば、使用済み溶媒)が過度に生成されること、静電チャック140を損傷するリスクが過度に高いこと、および、コストが挙げられる。エポキシバンド230を除去するための2つの方法またはそれらの組み合わせについて説明する。
【0054】
エポキシバンド230を静電チャックの他の部分と異なる温度に加熱または冷却するなど、熱的効果を用いて、エポキシバンドの除去を容易にする。エポキシバンド230は、しっかりとした接着部211、213、および、234を形成する強力な接着剤である。したがって、エポキシバンド230を接着層236の外周から物理的にはがすことは難しい。上部層210は非常に高価で比較的壊れやすいセラミック材料であり、1つの小さな欠けがあるだけでも上部層210全体が駄目になりうることを思い出すことが重要である。ベース220の上面220Bは、注意深く取り扱わなければ、損傷(例えば、穴があく、傷がつくなど)しうることに留意することも重要である。したがって、除去ツールは、除去処理中のさらなる損傷を避けるために、上部層210およびベース220の上面220Bと物理的に接触しないことが好ましい。
【0055】
図4A図4Dは、本発明の実施形態に従って、加熱された先端ツール402でエポキシバンド230を除去する方法を示す簡略したダイアグラム400,430,440,450である。加熱先端ツール402は、エポキシバンド230の厚さD3よりも小さい幅D9を有する。例えば、加熱先端ツール402は、エポキシバンド230の厚さD3よりも約1.0mm小さい幅D9を有する。加熱先端ツール402の幅D9は、加熱先端ツール402が、上部層210の下面202Bともベース220の上面220Bとも接触することなしにエポキシバンド230の外縁230Aに熱を印加できるように、エポキシバンド230の厚さD3よりも小さい。加熱先端ツール402は、約115℃ないし約200℃の間の温度までエポキシバンド230の外縁230Aを加熱できる。加熱先端ツール402は、適切なサイズおよび形状の加熱される先端を備えたはんだごて型のツールであってよい。加熱先端ツール402は、約155℃以上に加熱される。
【0056】
図5は、本発明の実施形態に従って、加熱先端ツール402でエポキシバンド230を除去する際に実行される方法動作500を示すフローチャートである。本明細書に示した動作は、例示を目的としたものであり、いくつかの動作はサブ動作を有してもよく、他の例において、本明細書で述べた特定の動作が図の動作に含まれなくてもよいことを理解されたい。このことを念頭に置いて、方法および動作500について以下で説明する。
【0057】
動作502において、静電チャック140が、処理チャンバ100から取り外される。次いで、静電チャック140は、動作504において、静電チャックの上部層210および残り部分の任意の損傷を検査される。
【0058】
動作506において、静電チャック140は、修理用固定具300に固定される。エポキシバンド230の外縁230Aは、動作508において、エポキシバンド上のエッチングまたは洗浄による任意の副生成物堆積の有無を検査される。エポキシバンド230上のエッチングまたは洗浄副生成物の小さい堆積物は、動作510において、クリーンルームに適したワイプ材およびイソプロピルアルコール(IPA)を用いて外縁230Aを注意深く拭き取ることにより除去されうる。
【0059】
動作512において、寸法D3が、静電チャック140上で測定される。測定された寸法D3よりも約1.0mm小さい幅を有する加熱先端ツール402が、動作514で選択される。
【0060】
動作520において、加熱先端ツール402は、約155℃以上の動作温度まで加熱される。動作522において、加熱先端ツール402は、エポキシバンド230の外縁230Aに当てられる。加熱先端ツール402は、加熱先端ツール402の近傍のエポキシバンド230を十分に加熱および軟化させるために、約10秒間から約60秒間以上、外縁230Aに当てられる。加熱先端ツール402は、エポキシバンド230を約115℃ないし約200℃の温度まで加熱する。上部層210およびベース220の上面220Bへの接触および損傷を避けるために、加熱先端ツール402のセンターライン402Aとベース220の上面220Bとの間で最小角度αが維持される。角度αは、例示の目的で誇張して図示されている。角度αは、加熱先端ツール402の中央線とベース220の段部212とがほぼ平行になるように、通例、非常にゼロに近い角度である。角度αが過剰であると、上部層210またはベース220への損傷につながりうる。
【0061】
動作524において、さらなる物理的押圧が、加熱先端ツール402によって外縁230Aに印加される。さらなる物理的押圧は、図4Bに示すように、加熱先端ツール402をエポキシバンド230へ押し込み、エポキシバンド内に対応する穴を生成する。エポキシバンド230の加熱により、接着部211、213、および、234がはがれ、動作526において、エポキシバンドは、図4Cに示すように、上部層210およびベース220の上面220Bの間のスペースから出始める。加熱先端ツール402は、接着層236を損傷しうるので、エポキシバンド230を完全に貫通して接着部234を通り抜けないことが好ましい。また、適切なヒートガンを用いて、エポキシバンド230を約90℃ないし約110℃以上まで加熱し、接着部211、213、および、234を弱めてはがし、エポキシバンドの除去を支援することも可能である。
【0062】
動作530において、図4Dに示すように、特別に設計されたピックツール420を用いて、加熱先端ツール402によって形成された穴から開始してエポキシバンド230を注意深く抜き取ることができる。ピックツール420は、任意の適切な材料から形成されてよく、セラミック上部層またはベースの表面を意図せずに損傷または傷つけないように、セラミック上部層210およびベース220の表面よりも柔らかい材料であることが好ましい。ピックツール420とベース220の上面220Aとの間で鋭角αを維持することにより、上部層210およびベース220の上面220Aへの接触とその結果起き得る損傷を避ける。動作532において、静電チャック140は、ピックが静電チャックの全周にわたってエポキシバンド230を引き出すことができるように回転される。
【0063】
動作540において、エポキシバンド230は、静電チャック140から完全に除去される。動作542〜544において、IPAおよび脱イオン(DI)水を用いて上部層210およびベース220の間のギャップを洗浄し、洗浄は、動作546においてすべての残留エポキシが除去されたと判定されるまで反復される。動作548において、静電チャック140のさらなる洗浄が、必要に応じて実行されてもよく、そして、方法動作は終了しうる。
【0064】
エポキシバンド230に冷却剤を供給することにより、接着部211、213、および、234を弱くすることができるため、静電チャックからエポキシバンドを除去できるようになる。冷却剤を用いてエポキシバンド230を除去する方法は、寸法D3が約3.0mm未満である静電チャックの修復に特に有効である。D3が約3.0mm未満である場合、セラミック上部層210もベース220の表面220Bも損傷することなしに加熱先端ツール402をエポキシバンド230に挿入することは難しい。図6A図6Cは、本発明の実施形態に従って、冷却剤ノズル602を用いてエポキシバンド230を除去する方法を示す簡略図600である。図7は、本発明の実施形態に従って、冷却剤ノズル602を用いてエポキシバンド230を除去する際に実行される方法動作700を示すフローチャートである。本明細書に示した動作は、例示を目的としたものであり、いくつかの動作はサブ動作を有してもよく、他の例において、本明細書で述べた特定の動作が図の動作に含まれなくてもよいことを理解されたい。このことを念頭に置いて、方法および動作700について以下で説明する。
【0065】
動作702において、静電チャック140が、処理チャンバ100から取り外される。次いで、静電チャック140は、動作704において、静電チャックの上部層210および残り部分の任意の損傷を検査される。
【0066】
動作706において、静電チャック140は、修理用固定具300に固定される。エポキシバンド230の外縁230Aは、動作708において、エポキシバンド上のエッチングまたは洗浄による任意の副生成物堆積の有無を検査される。エポキシバンド230上のエッチングまたは洗浄副生成物の小さい堆積物は、動作710において、クリーンルームに適したワイプ材およびイソプロピルアルコール(IPA)を用いて外縁230Aを注意深く拭き取ることにより除去されうる。
【0067】
動作712において、冷却剤ノズル602が、エポキシバンドの外縁230Aに向けられる。冷却剤ノズル602は、冷却剤供給部610に接続されている。冷却剤604は、静電チャック140の温度よりも約40℃ないし約100℃低い温度を有する。冷却剤の例には二酸化炭素(CO2)が含まれる。CO2は、約50psiないし約80psiの間の圧力でノズル602から放出される時、約−40℃から−80℃の温度を有する。CO2は冷却剤の一例であり、静電チャック140の温度よりも約40℃ないし約100℃低い温度にエポキシバンド230を冷却できるその他の冷却剤を用いてもよいことを理解されたい。適切な冷却剤は、液体、気体、または、固体であってよい。例えば、ドライアイス(固体のCO2)を用いて、接着部を破壊するのに十分にエポキシバンド230を冷却することができる。
【0068】
動作714において、冷却剤604は、エポキシバンド230を急速に冷却することで、エポキシバンドが硬くなり、容易に破砕または破壊されるようにする。冷却されたエポキシバンド230は、動作716において、図6Bに示すように収縮し、接着部211、213、234から離れるなどして接着部を引きはがす。
【0069】
動作720において、収縮したエポキシバンド230は、冷却剤の圧力および冷却効果の下で破砕する。ピックツール420は、エポキシバンド230を破砕する助けとして用いることもできる。動作722において、破砕されたエポキシバンド230は、上部層210とベース220との間のギャップから吹き飛ばされる。動作724において、静電チャック140は、冷却剤が静電チャックの全周にわたってエポキシバンド230を吹き飛ばすことができるように回転される。
【0070】
動作730において、エポキシバンド230は、静電チャック140から完全に除去される。動作732〜734において、IPAおよびDI水を用いて上部層210およびベース220の間のギャップを洗浄し、洗浄は、動作736においてすべての残留エポキシが完全に除去されたと判定されるまで反復される。動作738において、静電チャック140のさらなる洗浄が、必要に応じて実行されてもよく、そして、方法動作は終了しうる。
【0071】
図4A図5で説明したようにエポキシバンド230を加熱する方法、および、図6A図7で説明したようにエポキシバンドを冷却する方法は、別個に用いることも併用することもできることを理解されたい。例えば、接着部211、213、および、234に対する熱の影響を増大させるために、エポキシバンド230を加熱した後に、冷却剤によって冷却してもよい。
【0072】
上述した2つの方法は、静電チャック140を損傷するリスクを下げつつエポキシバンド230を容易に除去する。また、上述した2つの方法は、反応性の高い化学溶媒を用いることなしに、エポキシバンド230を容易に除去する。また、上述した2つの方法は、エポキシバンド230を経済的、効率的に除去して、修復の次の工程に向けて静電チャック140を準備する。
【0073】
図8Aは、本発明の実施形態に従って、新たなエポキシバンドを取り付けた静電チャック140の2E−2Eにおける断面を示す詳細な側断面図800である。エポキシバンド230が完全に除去され、すべてのエポキシバンド残留物が除去された後、図8Aに示すように、静電チャックが修復されて、新たなエポキシバンド230’が取り付けられうる。
【0074】
図8Bは、本発明の実施形態に従って、新たなエポキシバンド203’の代わりにOリング830を取り付けた静電チャック140の2E−2Eにおける断面を示す詳細な側断面図820である。エポキシバンド230が完全に除去され、すべてのエポキシバンド残留物が除去された後、図8Bに示すように、静電チャックが修復されて、Oリング830が取り付けられうる。
【0075】
上述の実施形態を念頭に置いて、本発明は、コンピュータシステムに格納されたデータを含め、コンピュータによって実行される様々な動作を用いてよいことを理解されたい。これらの動作は、物理量の物理操作を必要とするものである。通常、必ずしも当てはまるわけではないが、これらの物理量は、格納、転送、合成、比較、および、その他の操作を施すことが可能な電気または磁気の信号の形態を取る。さらに、実行される操作は、生成、特定、決定、または、比較などの用語で呼ばれることが多い。
【0076】
理解を深めるために、上述の発明について、ある程度詳しく説明したが、添付の特許請求の範囲内で、ある程度の変更や変形を行ってもよいことは明らかである。したがって、本実施形態は、例示的なものであって、限定的なものではないとみなされ、本発明は、本明細書に示した詳細に限定されず、添付の特許請求の範囲および等価物の範囲内で変形されてよい。例えば以下の適用例としても実施可能である。
[適用例1]静電チャックからエポキシバンドを除去する方法であって、
修理用固定具に前記静電チャックを固定する工程と、
前記エポキシバンドに熱源を当てて、前記静電チャックに前記エポキシバンドを固定する複数の接着部を破壊する工程と、
前記エポキシバンドに穴を形成する工程と、
前記静電チャックから前記エポキシバンドを引き出す工程と、
を備える、方法。
[適用例2]適用例1に記載の方法であって、
前記エポキシバンドに前記熱源を当てて、前記静電チャックに前記エポキシバンドを固定する前記複数の接着部を破壊する工程は、
前記エポキシバンドの外面の幅を決定する工程と、
前記エポキシバンドの前記幅より狭い幅を有する加熱先端ツールを選択する工程と、
前記選択された加熱先端ツールを動作温度まで加熱する工程と、
前記エポキシバンドの前記外面に前記加熱先端ツールを当てて、前記エポキシバンドを加熱し、前記静電チャックに前記エポキシバンドを固定する複数の接着部を破壊する工程と、
を含む、方法。
[適用例3]適用例2に記載の方法であって、
前記エポキシバンドに前記穴を形成する工程は、前記エポキシバンドに前記加熱先端ツールを押し込んで、前記エポキシバンドに前記穴を形成する工程を含む、方法。
[適用例4]適用例2に記載の方法であって、
前記エポキシバンドの前記外面に前記加熱先端ツールを当てる工程は、約90℃ないし110℃の間の温度を有する加熱された空気を供給する工程を含む、方法。
[適用例5]適用例1に記載の方法であって、
前記エポキシバンドに前記熱源を当てて、前記静電チャックに前記エポキシバンドを固定する前記複数の接着部を破壊する工程は、冷却剤を前記エポキシバンドに供給する工程を含む、方法。
[適用例6]適用例5に記載の方法であって、
冷却剤を前記エポキシバンドに供給する工程は、冷却剤供給源に接続された冷却剤ノズルを前記エポキシバンドの外面に向ける工程を含む、方法。
[適用例7]適用例5に記載の方法であって、
冷却剤を前記エポキシバンドに供給する工程は、前記静電チャックの温度よりも約40℃ないし約100℃低い温度まで前記エポキシバンドを冷却する工程を含む、方法。
[適用例8]適用例5に記載の方法であって、
前記エポキシバンドに前記穴を形成する工程および前記静電チャックから前記エポキシバンドを引き出す工程は、約50psiないし約80psiの圧力で前記エポキシバンドに前記冷却剤を供給する工程を含む、方法。
[適用例9]適用例1に記載の方法であって、
前記修理用固定具は、
前記静電チャックの外周よりも大きい内径を有する周辺フレームと、
前記周辺フレームの前記内径から前記静電チャックの前記外周付近まで伸びる複数の延長部と、
それぞれ前記延長部の内の対応する1つを通して前記静電チャックの前記外周まで伸びる複数の対応する留め具と、
を備える、方法。
[適用例10]適用例1に記載の方法であって、
前記静電チャックから前記エポキシバンドを引き出す工程は、前記エポキシバンドをピックツールで引き出す工程を含む、方法。
[適用例11]適用例10に記載の方法であって、
前記ピックツールは、前記静電チャックの上部層およびベースの表面よりも柔らかい材料から形成される、方法。
[適用例12]静電チャックからエポキシバンドを除去するためのシステムであって、
修理用固定具であって、
前記静電チャックの外周よりも大きい内径を有する周辺フレームと、
前記周辺フレームの前記内径から前記静電チャックの前記外周付近まで伸びる複数の延長部と、
それぞれ前記延長部の内の対応する1つを通して前記静電チャックの前記外周まで伸びて、前記修理用固定具に前記静電チャックを固定する複数の対応する留め具と、を含む、修理用固定具と、
熱源と、
を備える、システム。
[適用例13]適用例12に記載のシステムであって、さらに、
前記静電チャックの上部層およびベースの表面よりも柔らかい材料から形成されたピックツールを備える、システム。
[適用例14]適用例12に記載のシステムであって、
前記熱源は、加熱先端ツールを含む、システム。
[適用例15]適用例14に記載のシステムであって、
前記加熱先端ツールは、前記静電チャック上のエポキシバンドの外面の幅よりも狭い幅を有する先端を含む、システム。
[適用例16]適用例12に記載のシステムであって、
前記熱源は、冷却剤供給源に接続されて前記静電チャック上のエポキシバンドの外面に向けられた冷却剤ノズルを含む、システム。
[適用例17]適用例12に記載のシステムであって、
前記修理用固定具は、作業面から離れるように前記修理用固定具を支持するための複数の脚部を含む、方法。
[適用例18]静電チャックからエポキシバンドを除去する方法であって、
修理用固定具に前記静電チャックを固定する工程と、
前記エポキシバンドの前記外面に予め加熱された加熱先端ツールを当てて、前記エポキシバンドを加熱し、前記静電チャックに前記エポキシバンドを固定する複数の接着部を破壊する工程と、
前記エポキシバンドに穴を形成する工程と、
冷却剤供給源に接続された冷却剤ノズルを前記エポキシバンドの前記穴に向ける工程と、
約50psiから約80psiの間の圧力で前記冷却剤を前記エポキシバンドの前記穴に供給する工程と、
前記加圧された冷却剤の流れによって前記静電チャックから前記エポキシバンドを吹き飛ばす工程と、
を備える、方法。
[適用例19]適用例18に記載の方法であって、
前記冷却剤を前記エポキシバンドの前記穴に供給する工程は、前記静電チャックの温度よりも約40℃ないし約100℃低い温度まで前記エポキシバンドを冷却する、方法。
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図4D
図5
図6A
図6B
図6C
図7
図8A
図8B