【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成23年度、国立研究開発法人情報通信研究機構「高度通信・放送研究開発委託研究/革新的光ファイバ技術の研究開発 課題イ 光ファイバ接続技術」、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【文献】
西本笙子,外5名,溶融延伸型マルチコアファイバカプラを用いた5モード合分波器の設計,電子情報通信学会技術研究報告,2016年 2月11日,第115巻,第452号,pp. 95-100
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
非特許文献1に記載のモード合分波器ではモードコンバータを必要とする。また、特許文献1に記載のモード合分波器では、モード合分波が行われる場所ではモード合分波が起きるようにそれぞれの導波路が近接され、それ以外の場所では、モード合分波が起きないようにそれぞれの導波路が離れている。従って、非特許文献1に記載のモード合分波器はモードコンバータを配置する場所が必要となり、特許文献1に記載のモード合分波器はモード合分波が行われない場所におけるそれぞれの導波路を離す場所が必要となる。
【0008】
そこで、本発明は小型化が可能なモード合分波器をマルチコアファイバを用いて実現しようとすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
かかる課題を解決するため本発明のマルチコアファイバは、LP
01モード、LP
11モード、及びLP
21モードの光を伝搬する第1コアと、LP
01モードの光を伝搬する第2コアと、を備え、前記第1コアのLP
21モードの光の伝搬定数と前記第2コアのLP
01モードの光の伝搬定数とが一致する異モード相互作用区間と、前記第1コアの各LPモードの光の伝搬定数と前記第2コアの各LPモードの光の伝搬定数とが不一致とされる異モード非相互作用区間と、が設けられ、前記第1コアは、内側コアと、前記内側コアを隙間なく囲むと共に前記内側コアより屈折率が高い外側コアと、を有することを特徴とするものである。
【0010】
コアの屈折率が径方向において概ね一定である所謂ステップインデックス型ファイバやコアの屈折率が外周から中心に向かって徐々に高くなるグレーデッドインデックス型ファイバでは、LP
21モードの光の実効屈折率とLP
02モードの光の実効屈折率との差が小さいため、LP
21モード及びLP
02モードのうちどちらか一方のモードの光のみをカットオフすることは難しい。一方、上記マルチコアファイバの第1コアは、内側コアと内側コアより屈折率が高い外側コアとを有する所謂リングインデックス型のコアである。第1コアがこのようなリングインデックス型であることによって、第1コアでは、LP
21モードの光の実効屈折率とLP
02モードの光の実効屈折率との差を大きくすることができる。従って、内側コアの屈折率と外側コアの屈折率とが適切に設計されることによって、第1コアは、LP
21モードの光を伝搬させると共にLP
02モードの光の伝搬を抑制することができる。上記マルチコアファイバから伝送用ファイバにLP
01モード、LP
11モード、及びLP
21モードの光を伝送する場合、第1コアにおいてLP
02モードの光の励振が抑制されることによって、LP
02モードの光に結合することによる光の損失を小さくすることができる。
【0011】
また、このマルチコアファイバの異モード相互作用区間では、第2コアのLP
01モードの光の伝搬定数が、第1コアのLP
21モードの光の伝搬定数と一致している。従って、異モード相互作用区間において、第2コアのLP
01モードの光を第1コアのLP
21モードの光としてモード合波させたり、第1コアのLP
21モードの光を第2コアのLP
01モードの光としてモード分波させたりすることができる。
【0012】
さらに、このマルチコアファイバの異モード非相互作用区間では、第2コアの各LPモードの光の伝搬定数と第1コアの各LPモードの光の伝搬定数とが不一致とされる。このため異モード非相互作用区間では、特許文献2のように第1コアと第2コアとを離すことをせずとも、モード合分波が起きることを抑制することができる。
【0013】
従って、このマルチコアファイバによれば、小型化が可能なモード合分波器を実現することができるのである。
【0014】
また、上記マルチコアファイバは、前記第2コアを2つ備え、前記第1コアの中心から延びる第1線分と重なる位置に一方の前記第2コアが配置されると共に、前記第1コアの中心において前記第1線分と135度で交わる第2線分と重なる位置に他方の前記第2コアが配置されることが好ましい。
【0015】
LP
21モードの光は、節を4つ持ち、最も強度が強い箇所が互いに45度+90度×n(nは0から3の整数)回転させた関係にある異なる2つのモード(LP
21a及びLP
21b)の光から構成される。2つの第2コアが第1コアを中心として互いに45度+90度×n回転させた関係になるように配置されることによって、異モード相互作用区間において、第1コアのLP
21aモードの光が一方の第2コアのLP
01モードの光としてモード分波すると共に第1コアのLP
21bモードの光が他方の第2コアのLP
01モードの光としてモード分波することができる。また、異モード相互作用区間において、一方の第2コアのLP
01モードの光を第1コアのLP
21aモードの光としてモード合波させると共に他方の第2コアのLP
01モードの光を第1コアのLP
21bモードの光としてモード合波させることができる。このとき、2つの第2コアが第1コアを中心として互いに45度回転させた位置に配置される場合に比べて、2つの第2コアが第1コアを中心として互いに135度回転させた位置に配置される方が、2つの第2コアの間隔を広くすることができるので、一方の第2コアを伝搬する光と他方の第2コアを伝搬する光との間でのクロストークが抑制されやすくなる。従って、第1コアの中心から延びる第1線分と重なる位置に一方の第2コアが配置されると共に、第1コアの中心において第1線分と135度で交わる第2線分と重なる位置に他方の第2コアが配置されることによって、一方の第2コアを伝搬する光と他方の第2コアを伝搬する光との間でのクロストークが抑制されやすくなる。
【0016】
また、上記マルチコアファイバは、LP
01モードの光を伝搬する第3コアを更に備え、前記異モード相互作用区間において、前記第1コアのLP
11モードの光の伝搬定数と前記第3コアのLP
01モードの光の伝搬定数とが一致し、前記異モード非相互作用区間において、前記第1コアの各LPモードの光の伝搬定数と前記第3コアの各LPモードの光の伝搬定数とが不一致とされることが好ましい。
【0017】
上記第3コアが備えられることによって、異モード相互作用区間において、第3コアのLP
01モードの光を第1コアのLP
11モードの光としてモード合波させたり、第1コアのLP
11モードの光を第3コアのLP
01モードの光としてモード分波させたりすることができる。よって、LP
01モードの光、LP
11モードの光、及びLP
21モードの光に情報を重畳させることができるので、より多くの情報量を有する光通信を行うことができる。
【0018】
また、上記マルチコアファイバは、前記第3コアを2つ備え、前記第1コアの中心から延びる第3線分と重なる位置に一方の前記第3コアが配置されると共に、前記第1コアの中心において前記第3線分と90度で交わる第4線分と重なる位置に他方の前記第3コアが配置されることが好ましい。
【0019】
LP
11モードの光は、最も強度が強い箇所が互いに90度回転させた関係にある異なる2つのモード(LP
11a及びLP
11b)の光から構成される。2つの第3コアが第1コアを中心として互いに90度回転させた関係になるように配置されることによって、異モード相互作用区間において、第1コアのLP
11aモードの光を一方の第3コアのLP
01モードの光としてモード分波させると共に第1コアのLP
11bモードの光を他方の第3コアのLP
01モードの光としてモード分波させることができる。また、異モード相互作用区間において、一方の第3コアのLP
01モードの光を第1コアのLP
11aモードの光としてモード合波させると共に他方の第3コアのLP
01モードの光を第1コアのLP
11bモードの光としてモード合波させることができる。よって、LP
11aモードの光及びLP
11bモードの光にも情報を重畳させることができるので、より多くの情報量を有する光通信を行うことができる。
【0020】
また、前記第2コア及び前記第3コアがそれぞれ2つ備えられる場合、前記第1コアの中心から延びる第1線分と重なる位置に一方の前記第2コアが配置されると共に、前記第1コアの中心において前記第1線分と135度で交わる第2線分と重なる位置に他方の前記第2コアが配置され、前記第1コアの中心から延びる第3線分と重なる位置に一方の前記第3コアが配置されると共に、前記第1コアの中心において前記第3線分と90度で交わる第4線分と重なる位置に他方の前記第3コアが配置され、前記第1線分と前記第3線分が第1コアの中心において67.5度で交わり、前記第2線分と前記第4線分が第1コアの中心において67.5度で交わることが好ましい。
【0021】
2つの第2コア及び2つの第3コアが上記のように配置されることによって、2つの第2コア及び2つの第3コアが互いに離れて配置されることになるので、各コアを伝搬する光同士のクロストークが抑制されやすくなる。
【0022】
また、上記マルチコアファイバがLP
01モードの光を伝搬する第3コアを更に備える場合、前記第1コアが前記第2コアと前記第3コアとの間に配置されるように、前記第1コア、前記第2コア、及び前記第3コアは一つの直線に重なる位置に配置されることが好ましい。
【0023】
LP
11aモードの光及びLP
11bモードの光のどちらか一方とLP
21aモードの光及びLP
21bモードの光のどちらか一方とを用いる場合は、上記のように第2コア及び第3コアは1つずつで良い。そして、第1コア、第2コア及び第3コアが直線上に配置されることによって、互いのコア間距離が大きくなり、クロストークが抑制されやすくなる。
【0024】
また、前記第1コアは、クラッドの中心に位置することとしても良い。
【0025】
また、前記異モード相互作用区間は、前記異モード非相互作用区間の一部が延伸されることで形成されることが好ましい。
【0026】
このように異モード相互作用区間を形成することで、異モード相互作用区間におけるマルチコアファイバの断面の構造と異モード非相互作用区間におけるマルチコアファイバの断面の構造とが、互いに相似の関係となる。このため異モード相互作用区間の光の伝搬定数と異モード非相互作用区間の光の伝搬定数との相関性を計算し易い。また、異モード相互作用区間が延伸により形成されるため、融着接続機等のエネルギーの小さな加熱器を用いて容易にマルチコアファイバを延伸して異モード相互作用区間を形成することができる。
【0027】
また、使用波長帯域におけるそれぞれのコアを伝搬する光のLPモードの数は、前記異モード相互作用区間と前記異モード非相互作用区間とで変化しないことが好ましい。
【0028】
それぞれの区間で伝搬定数が変化しないことにより、不要なLPモードの光が励振されることを考慮せずに済み、効率よく光をハンドリングすることができる。
【発明の効果】
【0029】
以上のように本発明によれば、小型化が可能なモード合分波器をマルチコアファイバを用いて実現することができる。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明に係るマルチコアファイバの好適な実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、理解の容易のため、それぞれの図に記載のスケールと、以下の説明に記載のスケールとが異なる場合がある。
【0032】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態におけるマルチコアファイバを示す図である。
図1に示すように、本実施形態のマルチコアファイバ1は、1つの第1コア11と、2つの第2コア12と、第1コア11の外周面及び第2コア12の外周面を隙間なく包囲するクラッド20とを備える。2つの第2コア12は、配置以外は互いに同様の構成である。
【0033】
また、マルチコアファイバ1は、長手方向に沿って大径部31とテーパ部32と小径部33とが形成されている。テーパ部32及び小径部33は、大径部31の一部が加熱されて延伸されることで形成される。このような加熱による延伸は、酸水素バーナによる加熱で行われても良いが、放電による加熱で十分に行うことができる。例えば、アーク放電を用いる光ファイバの融着機が実用されているが、このアーク放電を延伸用の熱源として利用しても良い。密閉された空間でのアーク放電による加熱でファイバを延伸させることによって、ファイバの溶け方を一定とすることが容易になる。また、ファイバを延伸する際に融着機のモータと画像解析とが組み合わせられた延伸加工機能が用いられることによって、マルチコアファイバ1を精度良く延伸加工することが容易になる。
【0034】
図2は、マルチコアファイバ1の大径部31及び小径部33のそれぞれにおける長手方向に垂直な断面の様子を示す図である。具体的に
図2(A)は大径部31及び小径部33の断面における構造の様子を示し、
図2(B)は大径部31及び小径部33の断面における屈折率分布の様子を示す。
【0035】
図2(A)に示すように、第1コア11は、内側コア11aと内側コア11aの外周面を隙間なく囲う外側コア11bとを有している。また、第1コア11は、クラッド20の中心に位置しており、2つの第2コア12は、第1コア11の中心から延びる第1線分L1と重なる位置に一方の第2コア12が配置されると共に、第1コア11の中心において第1線分L1と135度で交わる第2線分L2と重なる位置に他方の第2コア12が配置される。また、上記のように小径部33は大径部31が延伸されることで形成されるため、クラッド20の外径と第1コア11の直径及び第2コア12の直径との比は、マルチコアファイバ1の何処であっても変わらない。このため、小径部33における第1コア11の直径は大径部31における第1コア11の直径よりも小さく、小径部33における第2コア12の直径は大径部31における第2コア12の直径よりも小さい。
【0036】
図2(B)において、実線はマルチコアファイバ1の屈折率分布を示す。
図2(B)に示すように、外側コア11bの屈折率は内側コア11aの屈折率及びクラッド20の屈折率よりも高い。また、内側コア11aの屈折率はクラッド20の屈折率よりも低い。そして、第2コア12の屈折率はクラッド20の屈折率よりも高い。これらの屈折率は、マルチコアファイバ1の長手方向に沿って一定である。
【0037】
また、
図2(B)において、破線は第1コア11及び第2コア12を伝搬する各LPモードの光の実効屈折率n
effを示す。第1コア11は、LP
01モード、LP
11モード、及びLP
21モードの光を伝搬し、これらのモードより高次モードの光の伝搬が抑制されるフューモードコアとされる。また、第2コア12は、LP
01モードの光を伝搬し、LP
11モードの光の伝搬が抑制されるシングルモードコアとされる。
【0038】
大径部31では、第1コア11の各LPモードの光の伝搬定数と第2コア12のLP
01モードの光の伝搬定数とが不一致とされる。伝搬定数は実効屈折率n
effと対応している。従って、本実施形態では、大径部31の第1コア11のLP
01モードの光の実効屈折率n
eff01、LP
11モードの光の実効屈折率n
eff11、及びLP
21モードの光の実効屈折率n
eff21と第2コア12のLP
01モードの光の実効屈折率n
eff01とは不一致とされる。このため、大径部31では、第1コア11を伝搬する各LPモードの光と第2コアを伝搬するLP
01モードの光とのクロストークが抑制されている。従って、大径部31では、異モードの合分波が起きることが抑制され、大径部31は異モード非相互作用区間とされる。
【0039】
一方、小径部33では上記のようにそれぞれのコアの直径が大径部31でのそれぞれのコアの直径と異なるので、小径部33での実効屈折率n
effは大径部31での実効屈折率n
effと異なる。そして、小径部33では、第1コア11のLP
21モードの光の実効屈折率n
eff21と第2コア12のLP
01モードの光の実効屈折率n
eff01とが一致する。つまり、第1コア11のLP
21モードの光の伝搬定数と第2コア12のLP
01モードの光の伝搬定数とが一致する。このため、小径部33では、第1コア11を伝搬するLP
21モードの光と第2コアを伝搬するLP
01モードの光とがクロストークする。従って、小径部33では、第1コア11を伝搬するLP
21モードの光と第2コアを伝搬するLP
01モードの光とのモード合分波が起きる。このため、小径部33は、異モード相互作用区間とされる。
【0040】
また、使用波長帯域におけるそれぞれのコアを伝搬する光のLPモードの数は、大径部31と小径部33とで変化しても良いが、変化しない方が好ましい。従って、本実施形態では、大径部31及び小径部33のそれぞれにおいて、第1コア11は、LP
01モード、LP
11モード、及びLP
21モードの光が伝搬すると共にこれらのモードより高次モードの光の伝搬が抑制され、第2コア12は、LP
01モードの光が伝搬しLP
11モードの光の伝搬が抑制されることが好ましい。
【0041】
本実施形態のマルチコアファイバ1では、第1コア11及び第2コア12のそれぞれにLP
01モードの光を入射すると、小径部33において、第2コア12のLP
01モードの光が第1コア11にLP
21モードの光として合波する。或いは、第1コア11にLP
01モード、LP
11モード、及びLP
21モードから成る光を入射し第2コア12に光を入射しない場合、小径部33において、第1コア11のLP
21モードの光が第2コア12にLP
01モードの光として分波する。こうしてモード合分波が達成される。
【0042】
ここで、第1コア11を伝搬するLP
21モードの光と2つの第2コア12を伝搬するLP
01モードの光との合分波についてより詳細に説明する。
【0043】
LP
21モードの光は、当該光が伝搬するコアの中心を通り径方向に伸びる互いに垂直な2つの直線で区切られる4つの領域において、互いに隣り合う領域での電場の分布は、正負が逆の状態となり、それぞれの領域で同じエネルギーの分布となる。従って、LP
21モードの光は伝搬するコアの中心を基準に90度回転させると回転前と同じエネルギー分布となるが、それ以外の角度で回転させると回転前と異なるエネルギー分布となる。そしてLP
21モードの光は、互いに45度や135度といった具合に45度+90n度(nは0以上の整数)回転させた関係にある2つのLP
21モードの光を合波しても、やはりLP
21モードと呼ばれる。
【0044】
そこで、例えば、互いに45度+90n度(nは0以上の整数)回転させた関係にある2つのLP
21モードの光の一方をLP
21aモードの光とし他方をLP
21bモードの光として、第1コア11を伝搬するLP
21モードの光が、LP
21aモードの光とLP
21bモードの光との足し合わせとする。そして、第1コア11を伝搬するLP
21モードの光が、第2コア12を伝搬するLP
01モードの光にモード分波する場合を想定する。この場合、LP
21aモードの光が一方の第2コア12を伝搬するLP
01モードの光に重畳し、LP
21bモードの光が他方の第2コア12を伝搬するLP
01モードの光に分波する傾向がある。また、2つの第2コア12を伝搬するそれぞれのLP
01モードの光を第1コア11のLP
21モードの光にモード合波する場合を想定する。この場合、一方の第2コア12を伝搬する光は、第1コア11を伝搬するLP
21aモードの光及びLP
21bモードの光の一方に合波し、他方の第2コア12を伝搬する光は、第1コア11を伝搬するLP
21aモードの光及びLP
21bモードの光の他方に合波する傾向がある。
【0045】
従って、本実施形態のマルチコアファイバ1によれば、第1コア11を伝搬するLP
01モードの光、LP
21aモードの光及びLP
21bモードの光に情報を重畳させることができるので、より多くの情報量を有する光通信を行うことができる。
【0046】
なお、本実施形態のマルチコアファイバ1では、第1コア11の中心において互いに135度で交わる線分上に第2コア12が配置される。2つの第2コア12が第1コア11を中心として互いに45度回転させた位置に配置される場合に比べて、2つの第2コア12が第1コア11を中心として互いに135度回転させた位置に配置される方が、2つの第2コア12の間隔を広くすることができるので、一方の第2コア12を伝搬する光と他方の第2コア12を伝搬する光との間でのクロストークが抑制されやすくなる。
【0047】
上記のように小径部33においてモード合分波が達成される。しかし、大径部31では、第1コア11の各LPモードの光の伝搬定数と第2コア12のLP
01モードの光の伝搬定数とが不一致とされるので、第1コア11と第2コア12とを離す構造とせずとも、このような合分波が生じることが抑制される。従って、本実施形態のマルチコアファイバ1によれば、小型化が可能なモード合分波器を実現することができる。
【0048】
また、以下に説明するように、第1コア11は、LP
21モードの光を伝搬させると共にLP
02モードの光の伝搬を抑制することができる。コアの屈折率が径方向に概ね一定である所謂ステップインデックス型ファイバやコアの屈折率が中心に向かって徐々に高くなるグレーデッドインデックス型ファイバでは、LP
21モードの光の実効屈折率とLP
02モードの光の実効屈折率との差が小さいため、LP
21モード及びLP
02モードのうちどちらか一方のモードの光のみをカットオフすることは難しい。一方、マルチコアファイバ1の第1コア11は、内側コア11aと内側コア11aより屈折率が高い外側コア11bとを有する所謂リングインデックス型のコアである。第1コア11がこのようなリングインデックス型であることによって、第1コア11では、LP
21モードの光の実効屈折率とLP
02モードの光の実効屈折率との差を大きくすることができる。従って、内側コア11aの屈折率と外側コア11bの屈折率とが適切に設計されることによって、第1コア11は、LP
21モードの光を伝搬させると共にLP
02モードの光の伝搬を抑制することができる。マルチコアファイバ1から伝送用ファイバにLP
01モード、LP
11モード、及びLP
21モードのみの光を伝送する場合、第1コアにおいてLP
02モードの光の励振が抑制されることによって、LP
02モードの光に結合することによる光の損失を小さくすることができる。
【0049】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。なお、第1実施形態と同一又は同等の構成要素については、同一の参照符号を付して特に説明する場合を除き重複する説明は省略する。
【0050】
図3は、本実施形態におけるマルチコアファイバの大径部及び小径部における長手方向に垂直な断面の様子を示す図である。具体的に
図3(A)は大径部31及び小径部33の断面における構造の様子を示し、
図3(B)は大径部31及び小径部33の断面における屈折率分布の様子を示す。
【0051】
本実施形態のマルチコアファイバ2は、2つの第3コア13を更に備える点において第1実施形態のマルチコアファイバ1と異なる。2つの第3コア13は、配置以外は互いに同様の構成である。2つの第3コア13は、第1コア11の中心から延びる第3線分L3と重なる位置に一方の第3コア13が配置されると共に、第1コア11の中心において第3線分L3と90度で交わる第4線分L4と重なる位置に他方の第3コア13が配置される。
【0052】
第3コア13は、LP
01モードの光を伝搬する。本実施形態では、小径部33において、第2コア12のLP
01モードの光の伝搬定数が第1コア11のLP
21モードの光の伝搬定数と一致し、第3コア13のLP
01モードの光の伝搬定数が第1コア11のLP
11モードの光の伝搬定数と一致する。つまり、小径部33において、第2コア12のLP
01モードの光の実効屈折率n
eff01が第1コア11のLP
21モードの光の実効屈折率n
eff21と一致し、第3コア13のLP
01モードの光の実効屈折率n
eff01が、第1コア11のLP
11モードの光の実効屈折率n
eff11と一致する。また、大径部31では、第1コア11の各LPモードの光の伝搬定数と第2コア12及び第3コア13の各LPモードの光伝搬定数とが不一致とされる。
【0053】
従って、第1コア11、第2コア12及び第3コア13のそれぞれにLP
01モードの光を入射すると、小径部33において、第2コア12のLP
01モードの光が第1コア11にLP
21モードの光として合波し、第3コア13のLP
01モードの光が第1コア11にLP
11モードの光として合波する。また、第1コア11にLP
01モード、LP
11モード、及びLP
21モードの光を入射し第2コア12及び第3コア13に光を入射しない場合、小径部33において、第1コア11のLP
21の光が第2コア12にそれぞれLP
01モードの光として分波し、第1コア11のLP
11モードの光が第3コア13にLP
01モードの光として分波する。また、大径部31では、第1コア11の各LPモードの光の伝搬定数と第2コア12及び第3コア13の各LPモードの光の伝搬定数とが一致しないので、第1コア11と第2コア12及び第3コア13との間でモード合分波が生じることが抑制される。
【0054】
ここで、第1コア11を伝搬するLP
11モードの光と第3コア13を伝搬するLP
01モードの光との合分波についてより詳細に説明する。
【0055】
LP
11モードの光は、当該光が伝搬するコアの中心を通り径方向に伸びる直線を基準として、一方側に正の電場が分布し他方側に負の電場が分布し、一方側と他方側とで同じエネルギーの分布となる。従って、LP
11モードの光は伝搬するコアの中心を基準に180度回転させると回転前と同じエネルギー分布となるが、それ以外の角度で回転させると回転前と異なるエネルギー分布となる。そしてLP
01モードの光は、互いに90度回転させた関係にある2つのLP
11モードの光を合波しても、やはりLP
11モードの光と呼ばれる。
【0056】
そこで、互いに90度回転させた関係にある2つのLP
11モードの光の一方をLP
11aモードの光とし他方をLP
11bモードの光として、第1コア11を伝搬するLP
11モードの光が、LP
11aモードの光とLP
11bモードの光との足し合わせとする。そして、第1コア11を伝搬するLP
11モードの光が、第3コア13を伝搬するLP
01モードの光にモード分波する場合を想定する。この場合、LP
11aモードの光が一方の第3コア13を伝搬するLP
01モードの光に分波し、LP
11bモードの光が他方の第3コア13を伝搬するLP
01モードの光に分波する傾向がある。また、2つの第3コア13を伝搬するそれぞれのLP
01モードの光を第1コア11のLP
11モードの光にモード合波する場合を想定する。この場合、一方の第3コア13を伝搬する光は、第1コア11を伝搬するLP
11aモードの光及びLP
11bモードの光の一方に合波し、他方の第3コア13を伝搬する光は、第1コア11を伝搬するLP
11aモードの光及びLP
11bモードの光の他方に合波する傾向がある。
【0057】
従って、本実施形態のマルチコアファイバ2によれば、LP
01モードの光、LP
11aモードの光、LP
11bモードの光、LP
21aモードの光及びLP
21bモードの光に情報を重畳させることができるので、より多くの情報量を有する光通信を行うことができる。
【0058】
また、本実施形態のマルチコアファイバ2では、第1線分L1と第3線分L3とが第1コア11の中心において67.5度で交わり、第2線分L2と第4線分L4とが第1コア11の中心において67.5度で交わる。2つの第2コア12及び2つの第3コア13がこのような各線分上に配置されることによって、2つの第2コア12及び2つの第3コア13が互いに離れて配置されることになるので、各コアを伝搬する光同士のクロストークが抑制されやすくなる。
【0059】
なお、本実施形態においてもそれぞれのコアを伝搬する光のLPモードの数は、大径部31と小径部33とで変化しないことが好ましい。
【0060】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について説明する。なお、第1実施形態及び第2実施形態と同一又は同等の構成要素については、同一の参照符号を付して特に説明する場合を除き重複する説明は省略する。
【0061】
図4は、本実施形態におけるマルチコアファイバの大径部及び小径部における長手方向に垂直な断面の様子を示す図である。具体的に
図4(A)は大径部31及び小径部33の断面における構造の様子を示し、
図4(B)は大径部31及び小径部33の断面における屈折率分布の様子を示す。
【0062】
本実施形態のマルチコアファイバ3は、第1コア11の中心を基準として一方側に1つの第2コア12を備え、その反対側に1つの第3コア13を備える。第1コア11は第2コア12と第3コアとの間に配置され、第1コア11、第2コア12及び第3コア13は一つの直線に重なるように配置される。本実施形態の第2コア12及び第3コア13は、配置される数と位置が異なる点を除き第2実施形態と同様の構成とされる。従って、小径部33において、第2コア12のLP
01モードの光の伝搬定数が第1コア11のLP
21モードの光の伝搬定数と一致し、第3コア13のLP
01モードの光の伝搬定数が第1コア11のLP
11モードの光の伝搬定数と一致する。つまり、小径部33において、第2コア12のLP
01モードの光の実効屈折率n
eff01が第1コア11のLP
21モードの光の実効屈折率n
eff21と一致し、第3コア13のLP
01モードの光の実効屈折率n
eff01が第1コア11のLP
11モードの光の実効屈折率n
eff11と一致する。また、大径部31では、第1コア11の各LPモードの光の伝搬定数と第2コア12及び第3コア13の各LPモードの光の伝搬定数とが一致しない構成とされる。
【0063】
このような構成のマルチコアファイバ3において、第1コア11、第2コア12及び第3コア13のそれぞれにLP
01モードの光を入射すると、小径部33において、第2コア12のLP
01モードの光が第1コア11にLP
21モードの光として合波すると共に第3コア13のLP
01モードの光が第1コア11にLP
11モードの光として合波する。また、第1コア11にLP
01モード、LP
11モード及びLP
21モードから成る光を入射し、第2コア12及び第3コア13に光を入射しない場合、小径部33において、第1コア11のLP
21モードの光が第2コア12にLP
01モードの光として分波すると共に第1コア11のLP
11モードの光が第3コア13にLP
01モードの光として分波する。また、大径部31では、第1コア11の各LPモードの光の伝搬定数と第2コア12及び第3コア13の各LPモードの光の伝搬定数とが一致しないので、第1コア11と第2コア12及び第3コア13との間でモード合分波が生じることが抑制される。
【0064】
LP
11aモードの光及びLP
11bモードの光のどちらか一方とLP
21aモードの光及びLP
21bモードの光のどちらか一方とを用いる場合は、本実施形態のように第2コア12及び第3コア13は1つずつで良い。そして、本実施形態のように第1コア11、第2コア12及び第3コア13が直線上に配置されることによって、互いのコア間距離が大きくなり、クロストークが抑制されやすくなる。本実施形態の場合、LP
01モードの光とLP
11モードの光との間、LP
11モードの光とLP
21モードの光との間、及び、LP
01モードの光とLP
21モードの光との間のモード間クロストークはそれぞれ小さいため、LP
01モード、LP
11モード及びLP
21モードの光のみが伝搬する伝送用ファイバを用いた伝送路の受信端でもモード結合補償がなくてもよくなり、簡易なシステムでも多モード通信を実現することができる。
【0065】
なお、本実施形態においてもそれぞれのコアを伝搬する光のLPモードの数は、大径部31と小径部33とで変化しないことが好ましい。
【0066】
以上、本発明について、上記実施形態を例に説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0067】
第1から第3実施形態では、第2コア12及び第3コア13がLP
01モードのみを伝搬する形態を例示して説明したが、第2コア12及び第3コア13はそれぞれLP
11モードの光も伝搬してもよい。
【0068】
また、第1及び第2実施形態では、第2コア12が2つ備えられる形態を例示して説明したが、第2コア12は一つであってもよい。また、第2実施形態では、第3コア13が2つ備えられる形態を例示して説明したが、第3コア13は一つであってもよい。
【0069】
また、第1実施形態では、線分L1と線分L2との成す角が135度である形態を例示して説明したが、当該角は45度+90n度(nは0以上の整数)であればよい。
【0070】
また、第2実施形態では、線分L1と線分L3とが成す角及び線分L2と線分L4とが成す角が共に67.5度である形態を例示して説明したが、これらの角度は限定されない。
【0071】
また、上記例において、第1コア11はクラッド20の中心に位置するものとしたが、第1コア11はクラッド20の中心に位置しなくても良い。
【実施例1】
【0072】
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
【0073】
<実施例1>
本実施例では、第3実施形態のマルチコアファイバ3に相当するマルチコアファイバの設計を検討した。
【0074】
(第1コアの設計)
第1コア11は、LP
01モード、LP
11モード、及びLP
21モードの光を伝搬し、これらのモードより高次モードの光の伝搬を抑制する。第1コア11がこのように設計される条件について以下のように検討した。
【0075】
図5から
図8は、縦軸が外側コア11bのクラッド20に対する比屈折率差Δ
+、横軸が第1コアの半径r
1であり、波長を1550nmとしたときに第1コア11に各モードの光が伝搬する条件を示している。
図5は、内側コア11aの直径dと外側コア11bの外径(第1コア11の直径)2r
1との比d/2r
1=0.33の場合、
図6はd/2r
1=0.34の場合、
図7はd/2r
1=0.35の場合、
図8はd/2r
1=0.36の場合である。
【0076】
図5から
図8において、各モードに対応した曲線よりも比屈折率差Δ
+又は半径r
1が小さい場合は当該モードの光が伝搬されることを意味し、当該曲線より比屈折率差Δ
+又は半径r
1が大きい場合は当該モードの光の伝搬が抑制されることを意味する。なお、LP
21モードの光が伝搬する条件では、LP
01モード及びLP
11モードの光も伝搬する。すなわち、LP
21モードの曲線とLP
02モード又はLP
41モードの曲線との間の領域では、LP
01モード、LP
11モード、及びLP
21モードの光が伝搬し、これらのモードより高次モードの光の伝搬が抑制される。
【0077】
コア内モード間クロストークを抑制する観点からは、内側コア11aと外側コア11bとの比屈折率差が大きいことが好ましい。ただし、プリフォームの作製し易さの観点から、内側コア11aのクラッド20に対する比屈折率差Δ
−を−0.7%、外側コア11bのクラッド20に対する比屈折率差Δ
+を0.9%とした。
【0078】
第1コア11がLP
01モード、LP
11モード、及びLP
21モードの光を伝搬し、これらのモードより高次モードの光の伝搬を抑制するように構成するためには、大径部31においてLP
02モード及びLP
41モードの光がカットオフされ、小径部33においてLP
21モードの光が伝搬されるように構成される必要がある。すなわち、大径部31での第1コアの半径r
1はLP
02モード及びLP
41モードの曲線より小さく、小径部33での第1コアの半径r
1はLP
21モードの曲線より大きい必要がある。そして、できる限り延伸比を大きくする観点からは、大径部31での第1コアの半径r
1と小径部33での第1コアの半径r
1との差を大きくする必要がある。よって、LP
21モードの曲線とLP
02モード及びLP
41モードの曲線との間隔が広いことが好ましい。なお、延伸比とは、小径部33と大径部31との相似比であり、小径部33でのマルチコアファイバの直径を1とする場合における大径部31でのマルチコアファイバの直径と同じ値である。
図5から
図8を比較すると、比屈折率差Δ
+が0.9%である場合、LP
21モードの曲線とLP
02モード及びLP
41モードの曲線との間隔が最も広いのは
図8に示すd/2r
1=0.36の場合であることがわかる。そして、d/2r
1=0.36の場合、大径部31での第1コアの半径r
1を7.91μmとすれば良いことがわかった。また、このとき、延伸比は1.45程度にすることができる。
【0079】
(第3コアの設計)
第1コア11と第3コア13とのコア間距離Λ
3が小さいほど、小径部33においてモード合分波が生じやすくなる。しかし、第1コア11と第3コア13とのコア間距離Λ
3が小さいほど、大径部31におけるクロストークが大きくなる傾向になる。これらの観点から、本実施例では、第1コア11と第3コア13とのコア間距離Λ
3を20μmとした。
【0080】
図9から
図11は、第3コア13のクラッド20に対する比屈折率差が0.8%で一定であると仮定し、第3コア13の半径r
3を変えてLP
11モードの選択比[dB]を計算した結果である。ここでいうモード選択比とは、第3コア13に入射したLP
01モードの光のパワーに対する第1コア11から出射するLP
11モードの光のパワーの割合を意味する。
図9は、第3コア13の半径r
3が4.39μmであるときの選択比の状態を示す図であり、
図10は、第3コア13の半径r
3が4.40μmであるときの選択比の状態を示す図であり、
図11は、第3コア13の半径r
3が4.41μmであるときの選択比の状態を示す図である。なお、
図9から
図11において、縦軸はテーパ部32の長さ、横軸は小径部33の長さである。
【0081】
上記選択比を評価することで、第1コアと第3コアとの間でどの程度のモード合分波が生じているかが分かる。選択比は高い方が良い。
図9から
図11から、第3コア13の半径r
3が4.39μm〜4.40μmであり、テーパ部32の長さが2〜4mmであり、小径部33の長さが6mmであることが好ましいことがわかる。
【0082】
(第2コアの設計)
図12から
図14は、第2コア12のクラッド20に対する比屈折率差は0.4%で一定であると仮定し、第1コア11と第2コア12とのコア間距離Λ
2を23.5μmとし、第2コア12の半径r
2を変えてLP
21モードの選択比[dB]を計算した結果である。この場合の選択比とは、第2コア12に入射したLP
01モードの光のパワーに対する第1コア11から出射するLP
21モードの光のパワーの割合を意味する。
図12は、第2コア12の半径r
2が4.51μmであるときの選択比の状態を示す図であり、
図13は、第2コア12の半径r
2が4.52μmであるときの選択比の状態を示す図であり、
図14は、第2コア12の半径r
2が4.53μmであるときの選択比の状態を示す図である。なお、
図12から
図14において、縦軸はテーパ部32の長さ、横軸は小径部33の長さである。
【0083】
上記選択比を評価することで、第1コアと第2コアとの間でどの程度のモード合分波が生じているかが分かる。選択比は高い方が良い。なお、上記のように第3コア13の適切な設計では、テーパ部32の長さが2〜4mmであり、小径部33の長さが6mmである。従って、テーパ部32の長さが2〜4mmであり、小径部33の長さが6mmであることを前提とすると、
図12から
図14から、第2コア12の半径r
2は4.52μm〜4.53μmであることが好ましいことがわかる。
【0084】
次に、
図15及び
図16は、第2コア12の半径r
2を4.52μmとし、第1コア11と第2コア12とのコア間距離Λ
2を変化させたときのLP
21モードの選択比[dB]を計算した結果である。
図15は第1コア11と第2コア12とのコア間距離Λ
2を22.5μmとした場合であり、
図16は第1コア11と第2コア12とのコア間距離Λ
2を23.0μmとした場合である。第1コア11と第2コア12とのコア間距離が23.5μmの場合である
図13と比較して、
図16に示すように第1コア11と第2コア12とのコア間距離Λ
2は23.0μmとする方が選択比が高くなることがわかる。
【0085】
これまでの検討結果から得られる最適パラメータを下記表1及び表2に示す。
【0086】
【表1】
【表2】
【0087】
<実施例2>
上記実施例1の結果を踏まえて、第1実施形態のマルチコアファイバ1に相当するマルチコアファイバ作製し、作製されたマルチコアファイバ1によりモード合分波を行えるかを確認した。
【0088】
大径部31におけるマルチコアファイバ1の直径は123.8μm、第1コア11と第2コア12とのコア間距離Λ
2は23.2μmであった。そして、延伸比が1.45、テーパ部32の長さが3mm、小径部33の長さが6mmとなるように延伸し、マルチコアファイバ1を作製した。なお、第1コア11及び第2コア12の屈折率及び大径部31における半径は表1に示した通りである。
【0089】
作製したマルチコアファイバ1の第2コア12に波長1550nmのLP
01モードの光を入射すると、第1コア11からLP
21モードの光が出力されることを確認できた。
【0090】
次に、結合効率の測定を行った。測定系の概略図を
図17及び
図18に示し、測定結果を
図19に示す。なお、
図17及び
図18において破線はコアの位置を示しており、マルチコアファイバ1の第2コア12については一方の第2コア12のみ示している。
【0091】
まず、
図17に示すように、シングルコアファイバを介して、波長可変光源から出射される光を延伸前のマルチコアファイバ1の第2コア12の一端から入射させ、第2コア12の他端から出射される光のパワーをパワーメータによって測定した。このパワーをP
0とする。そして、
図18に示すように、シングルコアファイバを介して、波長可変光源から出射される光を延伸後のマルチコアファイバ1の第2コア12の一端から入射させ、第1コア11の他端から出射される光のパワーをリングインデックスコア型のフューモードファイバを介して測定した。このパワーをP
1とする。
図19の縦軸(結合効率)はP
0に対するP
1の割合であり、横軸は波長可変光源から出射される光の波長である。また、
図19において、0,45,90,135,180は、それぞれ波長可変光源とシングルコアファイバとの間に設置した偏波コントローラの1/2波長板の角度を示している。
【0092】
図19からわかるように、Cバンド全域でおよそ80%以上の結合効率が得られ、第2コア12に入射されたLP
01モードの光が第1コア11にLP
21モードの光として合波されることが確認された。また、結合効率の偏波角度依存性が小さいこともわかった。