特許第6336608号(P6336608)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6336608フォトレジスト用ストリッパー廃液の再生方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6336608
(24)【登録日】2018年5月11日
(45)【発行日】2018年6月6日
(54)【発明の名称】フォトレジスト用ストリッパー廃液の再生方法
(51)【国際特許分類】
   G03F 7/42 20060101AFI20180528BHJP
【FI】
   G03F7/42
【請求項の数】11
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2016-550833(P2016-550833)
(86)(22)【出願日】2015年7月10日
(65)【公表番号】特表2017-523442(P2017-523442A)
(43)【公表日】2017年8月17日
(86)【国際出願番号】KR2015007199
(87)【国際公開番号】WO2016027986
(87)【国際公開日】20160225
【審査請求日】2017年1月25日
(31)【優先権主張番号】10-2014-0108635
(32)【優先日】2014年8月20日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2015-0097659
(32)【優先日】2015年7月9日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】500239823
【氏名又は名称】エルジー・ケム・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100122161
【弁理士】
【氏名又は名称】渡部 崇
(72)【発明者】
【氏名】テ・ムン・パク
(72)【発明者】
【氏名】デ・チュル・ジュン
(72)【発明者】
【氏名】ドン・フン・イ
(72)【発明者】
【氏名】ウー・ラム・イ
(72)【発明者】
【氏名】ヒョン・ジュン・イ
(72)【発明者】
【氏名】ジュ・ヨン・キム
【審査官】 倉持 俊輔
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−114519(JP,A)
【文献】 特開2000−305285(JP,A)
【文献】 特開2012−242697(JP,A)
【文献】 特開2005−288329(JP,A)
【文献】 特開2005−043874(JP,A)
【文献】 特表2010−501124(JP,A)
【文献】 特表2009−538456(JP,A)
【文献】 米国特許第00614027(US,A)
【文献】 韓国公開特許第10−2007−0019884(KR,A)
【文献】 韓国特許第2010−0306649(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03F 7/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1種以上のアミン化合物40重量%〜75重量%、アルキレングリコールまたはアルキレングリコールモノアルキルエーテル20重量%〜55重量%、並びにベンズイミダゾール系化合物、トリアゾール系化合物、及びテトラゾール系化合物から選択される腐食防止剤及びシリコン系非イオン性界面活性剤からなる添加剤1重量%〜10重量%を含む再生溶液;N−メチルピロリドン(NMP)、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(DMI)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルアセトアミド(DMAc)、ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチルホルムアミド(NMF)、N,N’−ジエチルカルボキサミド(DCA)、及びジメチルプロピオンアミド(DMP)から選択される非プロトン性有機溶媒と、ビス(2−ヒドロキシエチル)エーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノプロピルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノプロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテルまたはこれらの2種以上の混合物から選択されるプロトン性有機溶媒とを含み、非プロトン性有機溶媒:プロトン性有機溶媒の重量比が0.5:1〜2:1であるフォトレジスト用ストリッパー廃液の精製液;及びN−メチルピロリドン(NMP)、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(DMI)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルアセトアミド(DMAc)、ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチルホルムアミド(NMF)、N,N’−ジエチルカルボキサミド(DCA)、及びジメチルプロピオンアミド(DMP)から選択される非プロトン性有機溶媒と、ビス(2−ヒドロキシエチル)エーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノプロピルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノプロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテルまたはこれらの2種以上の混合物から選択されるプロトン性有機溶媒からなる群より選択された一つ以上を接触させる段階を含む、フォトレジスト用ストリッパー廃液の再生方法であって、
フォトレジスト用ストリッパー廃液の再生方法で得られた再生ストリッパー組成物は、アルキレングリコールまたはアルキレングリコールモノアルキルエーテルを39重量%〜42重量%、N−メチルピロリドン(NMP)、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(DMI)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルアセトアミド(DMAc)、ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチルホルムアミド(NMF)、N,N’−ジエチルカルボアミド(DCA)、ジメチルプロピオンアミド(DMP)から選択される非プロトン性有機溶媒を54重量%〜56重量%を含む、フォトレジスト用ストリッパー廃液の再生方法
【請求項2】
前記1種以上のアミン化合物40重量%〜75重量%、アルキレングリコールまたはアルキレングリコールモノアルキルエーテル20重量%〜55重量%および添加剤1重量%〜10重量%を含む再生溶液をフォトレジスト用ストリッパー廃液の精製液と接触させる段階で、
前記フォトレジスト用ストリッパー廃液の精製液および再生溶液の重量比が5:1〜20:1である、請求項1に記載のフォトレジスト用ストリッパー廃液の再生方法
【請求項3】
前記フォトレジスト用ストリッパー廃液の精製液60重量%〜95重量%と、
前記再生溶液1重量%〜10重量%と、
前記非プロトン性有機溶媒およびプロトン性有機溶媒からなる群より選択された1種以上の化合物1重量%〜30重量%と、
を接触させる、請求項に記載のフォトレジスト用ストリッパー廃液の再生方法
【請求項4】
前記フォトレジスト用ストリッパー廃液の精製液は、さらにアミン化合物を0.1重量%〜10重量%含む、請求項に記載のフォトレジスト用ストリッパー廃液の再生方法
【請求項5】
前記腐食防止剤およびシリコン系非イオン性界面活性剤の重量比が5:1〜15:1である、請求項に記載のフォトレジスト用ストリッパー廃液の再生方法
【請求項6】
前記トリアゾール系化合物は、下記の化学式1または2の化合物を含む、請求項に記載のフォトレジスト用ストリッパー廃液の再生方法
【化1】
(前記式中、R9は、水素または炭素数1〜4のアルキル基であり、
R10およびR11は、互いに同一または異なり、炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基であり、
aは、1〜4の整数である。)
【化2】
(前記式中、R12は、水素または炭素数1〜4のアルキル基であり、
bは、1〜4の整数である。)
【請求項7】
前記シリコン系非イオン性界面活性剤は、ポリシロキサン系重合体を含む、請求項に記載のフォトレジスト用ストリッパー廃液の再生方法
【請求項8】
前記ポリシロキサン系重合体は、ポリエーテル変性アクリル官能性ポリジメチルシロキサン、ポリエーテル変性シロキサン、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、ポリエチルアルキルシロキサンポリエーテル変性ヒドロキシ官能性ポリジメチルシロキサン、ポリエーテル変性ジメチルポリシロキサンおよび変性アクリル官能性ポリジメチルシロキサンからなる群より選択された1種以上を含む、請求項に記載のフォトレジスト用ストリッパー廃液の再生方法
【請求項9】
前記1種以上のアミン化合物40重量%〜75重量%、アルキレングリコールまたはアルキレングリコールモノアルキルエーテル20重量%〜55重量%および添加剤1重量%〜10重量%を含む再生溶液をフォトレジスト用ストリッパー廃液の精製液と接触させる段階以前に、
フォトレジスト用ストリッパー廃液を精製する段階をさらに含む、請求項1に記載のフォトレジスト用ストリッパー廃液の再生方法
【請求項10】
前記フォトレジスト用ストリッパー廃液を精製する段階は、
蒸留塔全体を100℃〜200℃の温度および60torr〜140torrの圧力に維持させ、前記フォトレジスト用ストリッパー廃液を蒸留させる段階を含む、請求項に記載のフォトレジスト用ストリッパー廃液の再生方法
【請求項11】
蒸留塔全体を100℃〜200℃の温度および60torr〜140torrの圧力に維持させ、前記フォトレジスト用ストリッパー廃液を蒸留させる前記段階以降に、
前記蒸留塔の下部を100℃〜200℃の温度および70torr〜130torrの圧力に、前記蒸留塔の上部を50℃〜110℃の温度および10torr〜50torrの圧力に維持させて蒸留させる段階と、
前記蒸留塔の下部を100℃〜200℃の温度および70torr〜130torrの圧力に、前記蒸留塔の上部を120℃〜180℃の温度および70torr〜130torrの圧力に維持させて蒸留させる段階と、をさらに含む、請求項10に記載のフォトレジスト用ストリッパー廃液の再生方法
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フォトレジスト用ストリッパー廃液の再生方法に関する。より詳しくは、原材料に対する分析時間および添加剤の希釈時間を減らして生産速度を向上させながら費用を節減することができ、原材料および添加剤を定量投入して再生処理前のフォトレジスト用ストリッパーと再生されたフォトレジスト用ストリッパーとの間の含有量誤差を減らすことができるフォトレジスト用ストリッパー廃液の再生方法に関する。
【0002】
本出願は、2014年8月20日付韓国特許出願第10−2014−0108635号および2015年7月9日付韓国特許出願第10−2015−0097659号に基づいた優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示されたすべての内容は、本明細書の一部として含まれる。
【背景技術】
【0003】
液晶表示素子の微細回路工程または半導体直接回路製造工程は、基板上にアルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金、モリブデン、モリブデン合金などの導電性金属膜、またはシリコン酸化膜、シリコン窒化膜、フォークアクリル絶縁膜などの絶縁膜のような各種下部膜を形成し、このような下部膜上にフォトレジストを均一に塗布し、選択的に露光、現像処理してフォトレジストパターンを形成した後、これをマスクとして下部膜をパターニングする様々な工程を含む。このようなパターニング工程後、下部膜上に残留するフォトレジストを除去する工程を経るようになるが、このために使用されるのがフォトレジスト除去用ストリッパー組成物である。
【0004】
一方、半導体ウエハーや液晶表示装置ガラス基板などの電子部品製造工程中に発生されるストリッパー廃液は、ストリッパー溶剤以外にフォトレジスト樹脂と共に水分および重金属などの不純物が含まれている。これらのストリッパー廃液は、大部分工程燃料で焼却または低い水準の再利用にとどまっており、2次汚染源の提供および非効率的エネルギーの消耗を通じた環境汚染およびIT産業の企業競争力の弱化を招いている。
【0005】
また、IT技術の急速な発達によりストリッパー廃液の排出量が最も多いLCD生産の場合、商用化された40〜47インチLCDパネルだけでなく、82インチサイズの製品までも製造可能な7世代生産ラインが稼動されており、すでに8〜9世代生産ライン開発計画が樹立されるなど、LCD基板のサイズが速い速度で大きくなり、基板の種類も多様化され、これによるストリッパー溶剤の物量も比例して大幅増加している。
【0006】
このような現実を考慮してみる時、ストリッパー廃液の単なる再生水準を越えて高純度再生ストリッパー溶剤を安価に生産できるストリッパー廃液に対する再利用技術がより切実に要求される状況である。
【0007】
これによって、ストリッパー廃液を精製してそれぞれの原材料を回収した後、それぞれの原材料を分析し、溶媒に希釈させた添加剤を追加してストリッパーを再生する技術が提案された。しかし、それぞれの原材料を回収して材料を分析し、添加剤を溶媒に希釈するには多くの時間と費用が消耗して、工程の効率性が減少し、添加剤を溶媒に希釈して添加する過程で誤差が大きく発生して定量の添加剤投入が難しいという限界があった。
【0008】
そこで、材料分析および溶媒希釈に消耗する時間を減らし、定量の添加剤を投入できる新たなストリッパーの再生工程の開発が要求されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、原材料に対する分析時間および添加剤の希釈時間を減らして生産速度を向上させながら費用を節減することができるだけでなく、原材料および添加剤を定量投入して再生処理前のフォトレジスト用ストリッパー新品と同等な品質の再生品を製造することができるフォトレジスト用ストリッパー廃液の再生方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本明細書では、1種以上のアミン化合物40重量%〜75重量%、アルキレングリコール化合物20重量%〜55重量%および添加剤1重量%〜10重量%を含む再生溶液をフォトレジスト用ストリッパー廃液の精製液と接触させる段階を含む、フォトレジスト用ストリッパー廃液の再生方法が提供される。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、原材料に対する分析時間および添加剤の希釈時間を減らして生産速度を向上させながら費用を節減することができるだけでなく、原材料および添加剤を定量投入して再生処理前のフォトレジスト用ストリッパー新品と同等な品質の再生品を製造することができるフォトレジスト用ストリッパー廃液の再生方法が提供され得る。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、発明の具体的な実施形態に係るフォトレジスト用ストリッパー廃液の再生方法についてより詳細に説明する。
【0013】
発明の一実施形態によれば、1種以上のアミン化合物40重量%〜75重量%、アルキレングリコール化合物20重量%〜55重量%および添加剤1重量%〜10重量%を含む再生溶液をフォトレジスト用ストリッパー廃液の精製液と接触させる段階を含む、フォトレジスト用ストリッパー廃液の再生方法が提供され得る。
【0014】
本発明者らは、前述したフォトレジスト用ストリッパー廃液の再生方法を利用すれば、フォトレジスト用ストリッパーを製造するのに必要な材料を一定の含有量で含んでいる再生溶液を使用することによって、原材料に対する分析時間および添加剤の希釈時間を減らして生産速度を向上させながら費用を節減することができるだけでなく、原材料および添加剤を定量投入して再生処理前のフォトレジスト用ストリッパー新品と同等な品質の再生ストリッパー製品を製造することができるという点を実験を通じて確認して発明を完成した。
【0015】
具体的に、前記フォトレジスト用ストリッパー廃液の再生方法は、1種以上のアミン化合物40重量%〜75重量%、アルキレングリコール化合物20重量%〜55重量%および添加剤1重量%〜10重量%を含む再生溶液をフォトレジスト用ストリッパー廃液の精製液と接触させる段階を含むことができる。前記再生溶液は、前記フォトレジスト用ストリッパー廃液の精製液に含まれていない添加剤などが分析およびフィルタリングが完了した状態でアルキレングリコール化合物溶媒に希釈されているため、分析時間およびフィルタリング時間を短縮させることができ、これによる費用を節減することができる。また、少量投入される添加剤の量を正確に投入できるようになり、再生処理前のフォトレジスト用ストリッパー新品と同等な品質の再生品を製造することができる。
【0016】
前記再生溶液は、1種以上のアミン化合物を含むことができる。前記アミン化合物は、剥離力を示す成分として、フォトレジストを溶かしてこれを除去する役割を果たすことができる。
【0017】
前記アミン化合物の例が大きく限定されるのではないが、例えば、(2−アミノエトキシ)−1−エタノール[(2−aminoethoxy)−1−ethanol;AEE]、アミノエチルエタノールアミン(aminoethyl ethanol amine;AEEA)、モノメタノールアミン、モノエタノールアミン、N−メチルエチルアミン(N−methylethylamine;N−MEA)、1−アミノイソプロパノール(1−aminoisopropanol;AIP)、メチルジメチルアミン(methyl dimethylamine;MDEA)、ジエチレントリアミン(Diethylene triamine;DETA)、2−メチルアミノエタノール(2−Methylaminoethanol;MMEA)、3−アミノプロパノール(3−Aminopropanol;AP)、ジエタノールアミン(Diethanolamine;DEA)、ジエチルアミノエタノール(Diethylaminoethanol;DEEA)、トリエタノールアミン(Triethanolamine;TEA)およびトリエチレンテトラアミン(Triethylene tetraamine;TETA)などの鎖状アミン化合物またはイミダゾリル−4−エタノール(Imidazolyl−4−ethanol;IME)、アミノエチルピペラジン(Amino ethyl piperazine;AEP)およびヒドロキシエチルピペラジン(hydroxyl ethylpiperazine;HEP)などの環状アミン化合物などを使用することができる。
【0018】
前記再生溶液は、前記1種以上のアミン化合物を40重量%〜75重量%含むことができる。前記1種以上のアミン化合物が全体再生溶液に対して40重量%未満であれば、最終的に再生されたフォトレジスト用ストリッパーに前記アミン化合物の含有量が減少することによって、前記再生されたフォトレジスト用ストリッパーの剥離力が減少するおそれがある。また、前記アミン化合物が全体再生溶液に対して75重量%超過であれば、最終的に再生されたフォトレジスト用ストリッパーに前記アミン化合物の含有量が過度に増加することによって、下部膜、例えば、銅含有下部膜の腐食が生じるおそれがあり、これを抑制するために多量の腐食防止剤を使用する必要が生じ得る。この場合、多量の腐食防止剤により下部膜表面に相当量の腐食防止剤が吸着および残留して銅含有下部膜などの電気的特性が低下するおそれがある。
【0019】
前記再生溶液に含まれているアルキレングリコール化合物は、当該分野によく知られた物質を使用することができ、特にその種類は制限されない。例えば、前記アルキレングリコール化合物は、ビス(2−ヒドロキシエチル)エーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノプロピルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノプロピルエーテルまたはトリプロピレングリコールモノブチルエーテルなどを使用することができ、これらの中で選択された2種以上を使用することもできる。そして、一実施形態のストリッパー組成物の優れたぬれ性およびこれによる向上した剥離力と、リンス力などを考慮して、前記アルキレングリコールまたはアルキレングリコールモノアルキルエーテルとしては、ビス(2−ヒドロキシエチル)エーテル(HEE)またはジエチレングリコールモノブチルエーテル(BDG)などを適切に使用することができる。
【0020】
前記アルキレングリコール化合物は、全体再生溶液に対して20重量%〜55重量%の含有量範囲に示すことによって、最終的に再生されたフォトレジスト用ストリッパーの剥離力が確保され、前記剥離力およびリンス力が経時的に長期間維持され得る。
【0021】
また、前記再生溶液は、添加剤をさらに含むことができる。前述のように、前記再生溶液は、微量の添加剤が分析およびフィルタリングが完了した状態でアルキレングリコール化合物溶媒に希釈されているため、分析時間およびフィルタリング時間を短縮させることができ、これによる費用を節減することができる。また、少量投入される添加剤の量を正確に投入できるようになり、再生処理前のフォトレジスト用ストリッパー新品と同等な品質の再生品を製造することができる。
【0022】
また、前記添加剤は、再生溶液に対して1重量%〜10重量%、または2重量%〜9重量%、または4重量%〜8重量%で含まれ得る。
【0023】
前記添加剤は、腐食防止剤またはシリコン系非イオン性界面活性剤を含むことができる。前記腐食防止剤およびシリコン系非イオン性界面活性剤の重量比は、5:1〜15:1、または7:1〜12:1、または8:1〜10:1、または8.5:1〜9.5:1であってもよい。
【0024】
前記腐食防止剤としては、ベンズイミダゾール系化合物、トリアゾール系化合物、テトラゾール系化合物などを使用することができる。
【0025】
前記ベンズイミダゾール系化合物の例が大きく限定されるのではないが、例えば、ベンズイミダゾール、2−ヒドロキシベンズイミダゾール、2−メチルベンズイミダゾール、2−(ヒドロキシメチル)ベンズイミダゾール、2−メルカプトベンズイミダゾールなどを使用することができ、前記テトラゾール系化合物の例としては、5−アミノテトラゾールまたはその水和物などが挙げられる。
【0026】
また、前記トリアゾール系化合物は、下記の化学式1または2の化合物を含むことができる:
【化1】
前記式中、R9は、水素または炭素数1〜4のアルキル基であり、
R10およびR11は、互いに同一または異なり、炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基であり、
aは、1〜4の整数であり、
【化2】
前記式中、R12は、水素または炭素数1〜4のアルキル基であり、
bは、1〜4の整数である。
【0027】
より具体的に、前記化学式1で、R9は、メチル基であり、R10およびR11は、それぞれヒドロキシエチルであり、aは、1である化合物、または前記化学式2で、R12は、メチル基であり、bは、1である化合物などを使用することができる。
【0028】
前記腐食防止剤を使用して、金属含有下部膜の腐食を効果的に抑制しながらも、ストリッパー組成物の剥離力などを優秀に維持することができる。
【0029】
また、前記腐食防止剤は、再生溶液に対して1重量%〜10重量%、または2重量%〜9重量%、または4重量%〜8重量%で含まれ得る。前記腐食防止剤の含有量が再生溶液に対して1重量%未満であれば、最終的に再生されたフォトレジスト用ストリッパーに前記腐食防止剤の含有量が減少することによって、下部膜上の腐食を効果的に抑制しにくいおそれがある。また、前記腐食防止剤の含有量が再生溶液に対して10重量%超過であれば、最終的に再生されたフォトレジスト用ストリッパーに前記腐食防止剤の含有量が過度に増加することによって、下部膜上に相当量の腐食防止剤が吸着および残留して銅含有下部膜などの電気的特性を低下させるおそれがある。
【0030】
一方、前記シリコン系非イオン性界面活性剤は、ポリシロキサン系重合体を含むことができる。より具体的に前記ポリシロキサン系重合体の例としては、ポリエーテル変性アクリル官能性ポリジメチルシロキサン、ポリエーテル変性シロキサン、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、ポリエチルアルキルシロキサン、アルアルキル変性ポリメチルアルキルシロキサン、ポリエーテル変性ヒドロキシ官能性ポリジメチルシロキサン、ポリエーテル変性ジメチルポリシロキサン、変性アクリル官能性ポリジメチルシロキサンまたはこれらの2種以上の混合物などが挙げられる。
【0031】
前記シリコン系非イオン性界面活性剤は、再生溶液に対して0.1重量%〜0.9重量%、または0.2重量%〜0.8重量%、または0.3重量%〜0.7重量%の含有量で含まれ得る。前記シリコン系非イオン性界面活性剤の含有量が再生溶液に対して0.1重量%未満である場合、最終的に再生されたフォトレジスト用ストリッパーに前記シリコン系非イオン性界面活性剤の含有量が減少することによって、前記再生ストリッパーの剥離力およびリンス力向上の効果を十分に達成することができないおそれがある。また、前記シリコン系非イオン性界面活性剤の含有量が再生溶液に対して0.9重量%超過である場合、最終的に再生されたフォトレジスト用ストリッパーに前記シリコン系非イオン性界面活性剤の含有量が過度に増加することによって、前記再生ストリッパーの剥離工程の進行時、高圧でバブルが発生して下部膜に染みが発生したり、装備センサーが誤作動を起こすおそれがある。
【0032】
一方、前記1種以上のアミン化合物40重量%〜75重量%、アルキレングリコール化合物20重量%〜55重量%および添加剤1重量%〜10重量%を含む再生溶液をフォトレジスト用ストリッパー廃液の精製液と接触させる段階で、前記フォトレジスト用ストリッパー廃液の精製液および再生溶液の重量比が5:1〜20:1、または7:1〜15:1、または8:1〜12:1であってもよい。前記フォトレジスト用ストリッパー廃液の精製液および再生溶液の重量比を前記のような範囲で調節することによって、最終的に生成される再生ストリッパーの成分比が再生前の原製品とほとんど同等な水準で確保され得る。前記フォトレジスト用ストリッパー廃液の精製液および再生溶液の重量比が5:1未満であれば、前記フォトレジスト用ストリッパー廃液の精製液の比率が小さくなることによって、前記再生溶液には含まれておらず、前記フォトレジスト用ストリッパー廃液の精製液にだけ含まれているN−メチルホルムアミドの含有量が過度に小さくなるおそれがある。また、前記フォトレジスト用ストリッパー廃液の精製液および再生溶液の重量比が20:1超過であれば、前記再生溶液の比率が小さくなることによって、前記フォトレジスト用ストリッパー廃液の精製液には含まれておらず、前記再生溶液にだけ含まれているその他添加剤の含有量が過度に小さくなるおそれがある。
【0033】
前記1種以上のアミン化合物40重量%〜75重量%、アルキレングリコール化合物20重量%〜55重量%および添加剤1重量%〜10重量%を含む再生溶液をフォトレジスト用ストリッパー廃液の精製液と接触させる段階は、前記フォトレジスト用ストリッパー廃液の精製液および再生溶液と共に、非プロトン性有機溶媒およびプロトン性有機溶媒からなる群より選択された一つ以上を接触させる段階をさらに含むことができる。
【0034】
具体的に、前記フォトレジスト用ストリッパー廃液の精製液60重量%〜95重量%と、前記再生溶液1重量%〜10重量%と、前記非プロトン性有機溶媒およびプロトン性有機溶媒からなる群より選択された1種以上の化合物1重量%〜30重量%と、を接触させることができる。
【0035】
前記非プロトン性極性溶媒は、前記アミン化合物を良好に溶解させることができると共に、再生ストリッパーが除去されるフォトレジストパターンが残留する下部膜上に適切に入り込むようにして、優れた剥離力およびリンス力などを確保することができる。
【0036】
前記非プロトン性有機溶媒の例が大きく限定されるのではないが、例えば、N−メチルピロリドン(NMP)、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(DMI)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルアセトアミド(DMAc)、ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチルホルムアミド(NMF)、N,N’−ジエチルカルボキサミド(DCA)、ジメチルプロピオンアミド(DMP)などを使用することができる。
【0037】
前記プロトン性極性溶媒は、再生ストリッパーが下部膜上によりよく入り込まれるようにして優れた剥離力を補助することができ、銅含有膜など下部膜上の染みを効果的に除去してリンス力を向上させることができる。
【0038】
前記プロトン性極性溶媒は、アルキレングリコールまたはアルキレングリコールモノアルキルエーテルを含むことができる。より具体的に前記アルキレングリコールまたはアルキレングリコールモノアルキルエーテルは、ビス(2−ヒドロキシエチル)エーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノプロピルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノプロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテルまたはこれらの2種以上の混合物を含むことができる。
【0039】
前記フォトレジスト用ストリッパー廃液の精製液は、非プロトン性有機溶媒およびプロトン性有機溶媒を0.6:1〜1.8:1、または0.7:1〜1.7:1、または0.8:1〜1.65:1の重量比で含むことができる。前記フォトレジスト用ストリッパー廃液の精製液に含まれている非プロトン性有機溶媒およびプロトン性有機溶媒は、前記フォトレジスト用ストリッパー廃液の精製液および再生溶液と共に、非プロトン性有機溶媒およびプロトン性有機溶媒からなる群より選択された一つ以上を接触させる段階で前述した内容を含む。
【0040】
前記フォトレジスト用ストリッパー廃液の精製液は、アミン化合物を0.1重量%〜10重量%さらに含むことができる。前記フォトレジスト用ストリッパー廃液の精製液は、前述のように、非プロトン性有機溶媒およびプロトン性有機溶媒を含み、前記非プロトン性有機溶媒はアミンと経時分解反応を起こすことができるが、少量のアミンが精製液に含まれてもよい。
【0041】
前記1種以上のアミン化合物40重量%〜75重量%、アルキレングリコール化合物20重量%〜55重量%および添加剤1重量%〜10重量%を含む再生溶液をフォトレジスト用ストリッパー廃液の精製液と接触させる段階以前に、フォトレジスト用ストリッパー廃液を精製する段階をさらに含むことができる。前記フォトレジスト用ストリッパー廃液を精製する段階を通じて、フォトレジストストリッパー新液を半導体、ディスプレイ装置、LEDまたは太陽電池の製造工程で使用後に収集されたフォトレジストストリッパー廃液から固形分、不純物および水分を効果的且つ経済的に除去して、高純度のストリッパーを回収することができる。
【0042】
具体的に、前記フォトレジスト用ストリッパー廃液を精製する段階は、蒸留塔全体を100℃〜200℃の温度および60torr〜140torrの圧力に維持させ、前記フォトレジスト用ストリッパー廃液を蒸留させる段階を含むことができる。前記フォトレジスト用ストリッパー廃液を精製する段階は、蒸留塔全体を100℃〜200℃の温度および60torr〜140torrの圧力に維持させ、前記フォトレジスト用ストリッパー廃液を蒸留させる段階を通じて、前記フォトレジスト用ストリッパー廃液から固形分が除去され、同時に沸点が235℃以上であるフォトレジストが共に除去され得る。前記フォトレジスト用ストリッパー廃液を精製する段階では、前述のように、沸点の差により精製液を回収するために蒸留槽などを使用することができる。前記蒸留槽の具体的な例が大きく限定されるのではないが、例えば、一般的な単蒸留、充電式あるいは多段式蒸留塔を使用することができる。前記蒸留塔は、混ざっている液体混合物を沸点差により分離する方法である分別蒸留の原理を利用して作った実験装置を意味する。
【0043】
前記蒸留塔の温度が100℃未満であれば、前記フォトレジスト用ストリッパー廃液を完全に蒸留することができないため、有効な成分が固形分およびフォトレジストと共に除去されて廃液の回収率が低くなる問題がある。また、前記蒸留塔の温度が200℃を超えれば、廃液内有効な成分の熱的分解および変性が起こるおそれがあり、フォトレジストおよび固形分の一部成分が除去されず、以降の精製工程で問題を起こす可能性がある。また、圧力条件が60torr未満であれば、費用の問題で商業用工程で使用することが難しいおそれがあり、140torrを超えれば、温度を十分に高めてもストリッパー廃液を完全に蒸留できないため、有効な成分が固形分およびフォトレジストと共に除去されて廃液の回収率が低くなるおそれがある。
【0044】
前記蒸留塔全体を100℃〜200℃の温度および60torr〜140torrの圧力に維持させ、前記フォトレジスト用ストリッパー廃液を蒸留させる段階以降に、前記蒸留塔の下部を100℃〜200℃の温度および70torr〜130torrの圧力に、前記蒸留塔の上部を50℃〜110℃の温度および10torr〜50torrの圧力に維持させて蒸留させる段階と、前記蒸留塔の下部を100℃〜200℃の温度および70torr〜130torrの圧力に、前記蒸留塔の上部を120℃〜180℃の温度および70torr〜130torrの圧力に維持させて蒸留させる段階と、をさらに含むことができる。
【0045】
具体的に、前記蒸留塔の下部を100℃〜200℃の温度および70torr〜130torrの圧力に、前記蒸留塔の上部を50℃〜110℃の温度および10torr〜50torrの圧力に維持させて蒸留させる段階を通じて、前記固形分が除去されたストリッパー廃液から低沸点混合物を除去することができる。前記低沸点混合物は、フォトレジストストリッパー廃液に含まれるストリッパー溶剤より低い沸点を有する不純物を意味する。前記蒸留塔の下部は具体的に、地面を基準に前記蒸留塔で地面と最も近い最下層地点を意味し、高温を維持することができるため、高温で気化する液体を得ることができる。反面、前記蒸留塔の上部は具体的に、地面を基準に前記蒸留塔で地面から最も遠い最上層地点を意味し、相対的に前記蒸留塔の下部に比べて低温を維持することができるため、低温で気化する液体を得ることができる。
【0046】
また、前記蒸留塔の下部を100℃〜200℃の温度および70torr〜130torrの圧力に、前記蒸留塔の上部を120℃〜180℃の温度および70torr〜130torrの圧力に維持させて蒸留させる段階を通じて、前記低沸点混合物が除去されたストリッパー廃液から高沸点混合物を除去することができる。前記高沸点混合物は、フォトレジストストリッパー廃液に含まれるストリッパー溶剤より高い沸点を有する不純物を意味する。
【0047】
一方、前記蒸留塔全体を100℃〜200℃の温度および60torr〜140torrの圧力に維持させ、前記フォトレジスト用ストリッパー廃液を蒸留させる段階以降に、前記蒸留塔の下部を100℃〜200℃の温度および70torr〜130torrの圧力に、前記蒸留塔の上部を120℃〜180℃の温度および70torr〜130torrの圧力に維持させて蒸留させる段階と、前記蒸留塔の下部を100℃〜200℃の温度および70torr〜130torrの圧力に、前記蒸留塔の上部を50℃〜110℃の温度および10torr〜50torrの圧力に維持させて蒸留させる段階と、をさらに含むことができる。
【0048】
前記蒸留塔の下部を100℃〜200℃の温度および70torr〜130torrの圧力に、前記蒸留塔の上部を120℃〜180℃の温度および70torr〜130torrの圧力に維持させて蒸留させる段階を通じて、前記固形分が除去されたストリッパー廃液から高沸点混合物を除去することができる。
【0049】
また、前記蒸留塔の下部を100℃〜200℃の温度および70torr〜130torrの圧力に、前記蒸留塔の上部を50℃〜110℃の温度および10torr〜50torrの圧力に維持させて蒸留させる段階を通じて、前記高沸点混合物が除去されたストリッパー廃液から低沸点混合物を除去することができる。
【実施例】
【0050】
本発明を下記の実施例でより詳細に説明する。ただし、下記の実施例は、本発明を例示するものに過ぎず、本発明の内容が下記の実施例により限定されるのではない。
【0051】
<製造例1〜20:ストリッパー精製液の製造>
下記表1の組成を有するストリッパー新液を電子部品の製造工程に利用して発生するストリッパー廃液から多段式蒸留塔を利用して、150℃の温度および100torrの圧力下で固形分を除去した。以降、前記多段式蒸留塔下部を150℃の温度および100torrの圧力、前記多段式蒸留塔上部を100℃の温度および30torrの圧力に維持して低沸点混合物を除去した。そして、前記多段式蒸留塔下部を150℃の温度および100torrの圧力、前記多段式蒸留塔上部を130℃の温度および100torrの圧力に維持して高沸点混合物を除去して、下記表2の組成を有するストリッパー精製液を回収した。
【0052】
【表1】
【0053】
【表2】
【0054】
<製造例21:再生溶液の製造>
下記表3の組成を有するように再生溶液を製造した。
【0055】
【表3】
【0056】
<実施例1〜20:再生ストリッパーの製造>
前記製造例1〜20で得られたストリッパー精製液に前記製造例21で得られた再生溶液、そしてN−メチルホルムアミドおよびジエチレングリコールモノブチルエーテルを下記表4の重量比率に攪拌機に入れ、常温で45分間攪拌して下記表5の組成を有する再生ストリッパーを得た。
【0057】
【表4】
【0058】
【表5】
【0059】
前記表5に示されているように、実施例1〜20の再生ストリッパーは、イミダゾリル−4−エタノール3.0重量%;(2−アミノエトキシ)−1−エタノール1.0重量%;N−メチルホルムアミド54重量%〜56重量%;ジエチレングリコールモノブチルエーテル39重量%〜42重量%;[(メチル−1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)メチル]イミノ]ビスエタノール0.3重量%;ベンズイミダゾール0.15重量%;ポリエーテル変性シロキサン0.05重量%を均一な水準に含んでいる。
【0060】
また、前記表1に示された再生処理前のフォトレジストストリッパー新液は、イミダゾリル−4−エタノール3.0重量%;(2−アミノエトキシ)−1−エタノール1.0重量%;N−メチルホルムアミド54.5重量%;ジエチレングリコールモノブチルエーテル41重量%;[(メチル−1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)メチル]イミノ]ビスエタノール0.3重量%;ベンズイミダゾール0.15重量%;ポリエーテル変性シロキサン0.05重量%を含んでいることを考慮する時、実施例1〜20の再生ストリッパーに含まれている成分の中でイミダゾリル−4−エタノール、(2−アミノエトキシ)−1−エタノール、[(メチル−1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)メチル]イミノ]ビスエタノール、ベンズイミダゾール、ポリエーテル変性シロキサンの場合、前記再生処理前のフォトレジストストリッパー新液と誤差なしに同一な含有量を示すことを確認することができる。
【0061】
また、実施例1〜20の再生ストリッパーに含まれている成分の中でN−メチルホルムアミドとジエチレングリコールモノブチルエーテルの場合にも、N−メチルホルムアミド54重量%〜56重量%;ジエチレングリコールモノブチルエーテル39重量%〜42重量%を含み、前記表1に示されたフォトレジストストリッパー新液に含まれているN−メチルホルムアミド54.5重量%、ジエチレングリコールモノブチルエーテル41重量%と同等な水準の含有量を示した。
【0062】
このように、実施例1〜20の再生ストリッパーは、再生工程を繰り返しても、原材料および添加剤を一定量投入することができるため、品質を均一に維持することができ、再生されたフォトレジスト用ストリッパーであるにもかかわらず、再生処理前のフォトレジスト用ストリッパー新液と同等水準の品質を実現することができた。特に、少量で投入される添加剤([(メチル−1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)メチル]イミノ]ビスエタノール0.3重量%;ベンズイミダゾール0.15重量%;ポリエーテル変性シロキサン0.05重量%)の場合には、再生処理前のフォトレジストストリッパー新液と誤差なしに同一な含有量を含むことができる程度に精密な水準の再生が可能であることを確認できる。