【文献】
P. K. Vitthaladevuni, et al.,Exact BER computation for cross QAM constellations,IEEE Transactions on Wireless Communications,IEEE,2005年11月,Vol. 4/No. 6,P.3039-3050
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記1対の仮想第3空間で互いに隣接するシンボルに割り当てられるビット列が前記1対の第3空間で互いに隣接するシンボルに割り当てられるように、前記1対の仮想第3空間に含まれるシンボルに割り当てられるビット列が前記1対の第3空間に含まれるシンボルに割り当てられることを特徴とする請求項1に記載の送信装置。
前記1対の仮想第3空間で互いに隣接するシンボルに割り当てられるビット列が前記1対の第3空間で互いに隣接するシンボルに割り当てられるように、前記1対の仮想第3空間に含まれるシンボルに割り当てられるビット列が前記1対の第3空間に含まれるシンボルに割り当てられることを特徴とする請求項4に記載の受信装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、次世代地上放送方式では、奇数ビットを表すシンボルをIQ平面にマッピングするケースについて検討されている。
【0007】
しかしながら、QAMのキャリア変調方式において、奇数ビットを表すシンボルをIQ平面にマッピングする場合には、互いに隣接するシンボルにマッピングされるビット列の違いが1ビットである配列方法を採用することができない。また、このようなケースにおいては、I軸方向に沿って並べられるシンボルの数及びQ軸方向に沿って並べられるシンボルの数を同じにすることができないため、正方形の空間においてシンボルを均等に整列することができない。
【0008】
そこで、本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、QAMのキャリア変調方式において、奇数ビットを表すシンボルをIQ平面にマッピングする場合であっても、受信特性を改善することを可能とする送信装置、受信装置、チップ及びデジタル放送システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1の特徴は、入力ビット列に対して所定符号化率で誤り訂正符号化処理を適用する誤り訂正符号化部と、IQ平面において定義される理想的なシンボル座標を用いて、前記誤り訂正符号化処理が適用されたビット列に含まれる奇数ビットを表すシンボルをQAMで前記IQ平面にマッピングするマッピング部とを備える送信装置であって、前記理想的なシンボル座標は、前記IQ平面においてI軸方向及びQ軸方向の双方で均等に配置されており、前記IQ平面において前記理想的なシンボル座標が占める空間は、前記IQ平面の原点を中心として有しており、正方形の空間によって構成される第1空間と、前記I軸方向又は前記Q軸方向のいずれか一方である第1軸方向において前記第1空間に隣接しており、長方形の空間によって構成される1対の第2空間と、前記I軸方向又は前記Q軸方向のいずれか他方である第2軸方向において前記第1空間に隣接しており、長方形の空間によって構成される1対の第3空間とによって構成されており、前記第1空間で互いに隣接するシンボルにマッピングされるビット列の違いは、1ビットであり、前記1対の第2空間で互いに隣接するシンボルにマッピングされるビット列の違いは、1ビットであり、前記1対の第3空間で互いに隣接するシンボルにマッピングされるビット列の違いは、1ビットであり、前記第1空間と前記第2空間との境界を挟んで前記第1軸方向において隣接するシンボルにマッピングされるビット列の違いは、1ビットであり、前記第1空間と前記第3空間との境界を挟んで前記第2軸方向において隣接するシンボルにマッピングされるビット列の違いは、2ビットであることを要旨とする。
【0010】
第2の特徴は、IQ平面において定義される理想的なシンボル座標を用いて、前記IQ平面にマッピングされたシンボルをQAMで奇数ビットにデマッピングするデマッピング部を備える受信装置であって、前記理想的なシンボル座標は、前記IQ平面においてI軸方向及びQ軸方向の双方で均等に配置されており、前記IQ平面において前記理想的なシンボル座標が占める空間は、前記IQ平面の原点を中心として有しており、正方形の空間によって構成される第1空間と、前記I軸方向又は前記Q軸方向のいずれか一方である第1軸方向において前記第1空間に隣接しており、長方形の空間によって構成される1対の第2空間と、前記I軸方向又は前記Q軸方向のいずれか他方である第2軸方向において前記第1空間に隣接しており、長方形の空間によって構成される1対の第3空間とによって構成されており、前記第1空間で互いに隣接するシンボルにマッピングされるビット列の違いは、1ビットであり、前記1対の第2空間で互いに隣接するシンボルにマッピングされるビット列の違いは、1ビットであり、前記1対の第3空間で互いに隣接するシンボルにマッピングされるビット列の違いは、1ビットであり、前記第1空間と前記第2空間との境界を挟んで前記第1軸方向において隣接するシンボルにマッピングされるビット列の違いは、1ビットであり、前記第1空間と前記第3空間との境界を挟んで前記第2軸方向において隣接するシンボルにマッピングされるビット列の違いは、2ビットであることを要旨とする。
【0011】
第3の特徴は、受信装置に搭載されるチップであって、IQ平面において定義される理想的なシンボル座標を用いて、前記IQ平面にマッピングされたシンボルをQAMで奇数ビットにデマッピングするデマッピング部を備え、前記理想的なシンボル座標は、前記IQ平面においてI軸方向及びQ軸方向の双方で均等に配置されており、前記IQ平面において前記理想的なシンボル座標が占める空間は、前記IQ平面の原点を中心として有しており、正方形の空間によって構成される第1空間と、前記I軸方向又は前記Q軸方向のいずれか一方である第1軸方向において前記第1空間に隣接しており、長方形の空間によって構成される1対の第2空間と、前記I軸方向又は前記Q軸方向のいずれか他方である第2軸方向において前記第1空間に隣接しており、長方形の空間によって構成される1対の第3空間とによって構成されており、前記第1空間で互いに隣接するシンボルにマッピングされるビット列の違いは、1ビットであり、前記1対の第2空間で互いに隣接するシンボルにマッピングされるビット列の違いは、1ビットであり、前記1対の第3空間で互いに隣接するシンボルにマッピングされるビット列の違いは、1ビットであり、前記第1空間と前記第2空間との境界を挟んで前記第1軸方向において隣接するシンボルにマッピングされるビット列の違いは、1ビットであり、前記第1空間と前記第3空間との境界を挟んで前記第2軸方向において隣接するシンボルにマッピングされるビット列の違いは、2ビットであることを要旨とする。
【0012】
第4の特徴は、送信装置及び受信装置を備えるデジタル放送システムであって、前記送信装置は、入力ビット列に対して所定符号化率で誤り訂正符号化処理を適用する誤り訂正符号化部と、IQ平面において定義される理想的なシンボル座標を用いて、前記誤り訂正符号化処理が適用されたビット列に含まれる奇数ビットを表すシンボルをQAMで前記IQ平面にマッピングするマッピング部とを備え、前記受信装置は、前記理想的なシンボル座標を用いて、前記IQ平面にマッピングされたシンボルをQAMで奇数ビットにデマッピングするデマッピング部を備え、前記理想的なシンボル座標は、前記IQ平面においてI軸方向及びQ軸方向の双方で均等に配置されており、前記IQ平面において前記理想的なシンボル座標が占める空間は、前記IQ平面の原点を中心として有しており、正方形の空間によって構成される第1空間と、前記I軸方向又は前記Q軸方向のいずれか一方である第1軸方向において前記第1空間に隣接しており、長方形の空間によって構成される1対の第2空間と、前記I軸方向又は前記Q軸方向のいずれか他方である第2軸方向において前記第1空間に隣接しており、長方形の空間によって構成される1対の第3空間とによって構成されており、前記第1空間で互いに隣接するシンボルにマッピングされるビット列の違いは、1ビットであり、前記1対の第2空間で互いに隣接するシンボルにマッピングされるビット列の違いは、1ビットであり、前記1対の第3空間で互いに隣接するシンボルにマッピングされるビット列の違いは、1ビットであり、前記第1空間と前記第2空間との境界を挟んで前記第1軸方向において隣接するシンボルにマッピングされるビット列の違いは、1ビットであり、前記第1空間と前記第3空間との境界を挟んで前記第2軸方向において隣接するシンボルにマッピングされるビット列の違いは、2ビットであることを要旨とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、QAMのキャリア変調方式において、奇数ビットを表すシンボルをIQ平面にマッピングする場合であっても、受信特性を改善することを可能とする送信装置、受信装置、チップ及びデジタル放送システムを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の図面の記載において、同一または類似の部分には、同一または類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることに留意すべきである。
【0016】
したがって、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
【0017】
[実施形態の概要]
第1に、実施形態に係る送信装置は、入力ビット列に対して所定符号化率で誤り訂正符号化処理を適用する誤り訂正符号化部と、IQ平面において定義される理想的なシンボル座標を用いて、前記誤り訂正符号化処理が適用されたビット列に含まれる奇数ビットを表すシンボルをQAMで前記IQ平面にマッピングするマッピング部とを備える。
【0018】
第2に、実施形態に係る受信装置は、IQ平面において定義される理想的なシンボル座標を用いて、前記IQ平面にマッピングされたシンボルをQAMで奇数ビットにデマッピングするデマッピング部を備える。
【0019】
実施形態では、前記理想的なシンボル座標は、前記IQ平面においてI軸方向及びQ軸方向の双方で均等に配置されている。前記IQ平面において前記理想的なシンボル座標が占める空間は、前記IQ平面の原点を中心として有しており、正方形の空間によって構成される第1空間と、前記I軸方向又は前記Q軸方向のいずれか一方である第1軸方向において前記第1空間に隣接しており、長方形の空間によって構成される1対の第2空間と、前記I軸方向又は前記Q軸方向のいずれか他方である第2軸方向において前記第1空間に隣接しており、長方形の空間によって構成される1対の第3空間とによって構成されている。前記第1空間で互いに隣接するシンボルにマッピングされるビット列の違いは、1ビットであり、前記1対の第2空間で互いに隣接するシンボルにマッピングされるビット列の違いは、1ビットであり、前記1対の第3空間で互いに隣接するシンボルにマッピングされるビット列の違いは、1ビットである。前記第1空間と前記第2空間との境界を挟んで前記第1軸方向において隣接するシンボルにマッピングされるビット列の違いは、1ビットであり、前記第1空間と前記第3空間との境界を挟んで前記第2軸方向において隣接するシンボルにマッピングされるビット列の違いは、2ビットである。
【0020】
実施形態では、IQ平面において理想的なシンボル座標が占める空間は、第1空間、第2空間及び第3空間によって構成される。言い換えると、IQ平面において理想的なシンボル座標が占める空間は、十字形状を有しており、I軸方向で最大の振幅を有するシンボル及びQ軸方向で最大の振幅を有するシンボルが同一の振幅を有する略円形状を有する。これによって、受信特性の改善を見込むことができる。
【0021】
また、実施形態では、第1空間と第3空間との境界を挟んで第2軸方向において隣接するシンボルを除いて、互いに隣接するシンボルにマッピングされるビット列の違いが1ビットであり、第1空間と第3空間との境界を挟んで第2軸方向において隣接するシンボルにマッピングされるビット列の違いが2ビットである。受信装置でシンボルの位置を隣接シンボルに誤って推定した場合であっても、最大で2ビットの誤りによってビット列の誤り訂正を行うことができ、受信特性の改善を見込むことができる。
【0022】
このように、QAMのキャリア変調方式において、奇数ビットを表すシンボルをIQ平面にマッピングする場合であっても、受信特性を改善することができる。
【0023】
[第1実施形態]
(デジタル放送システム)
以下において、第1実施形態に係るデジタル放送システムについて説明する。
図1は、第1実施形態に係る送信装置10を示すブロック図であり、
図2は、第1実施形態に係る受信装置20を示すブロック図である。デジタル放送システムは、送信装置10及び受信装置20を備える。
【0024】
実施形態において、デジタル放送システムは、次世代地上放送方式に対応するデジタル放送システムである。例えば、デジタル放送システムでは、MIMO(Multiple Input Multiple Output)技術、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)技術が適用される。デジタル放送システムでは、送信装置10から受信装置20に対して、複数の階層に属する階層化データ(例えば、1セグメント、13セグメント)が送信される。
【0025】
図1に示すように、送信装置10は、インターフェース部11と、誤り訂正符号化部12と、インターリーブ部13と、マッピング部14と、直交変調部15とを備える。送信装置10は、例えば、放送局等に設けられる。
【0026】
インターフェース部11は、映像・音声などの入力データを受け付ける。入力データは、所定フォーマットを有するTS(Transport Stream)などである。
【0027】
誤り訂正符号化部12は、入力データを構成する入力ビット列に対して所定符号化率で誤り訂正符号化処理を適用する。具体的には、誤り訂正符号化部12は、所定ビット数のデータに誤り訂正符号を付与して、所定長の誤り訂正ブロックを生成する。複数の誤り訂正ブロックによってデータフレームが構成される。
【0028】
インターリーブ部13は、データフレームを構成するビット列の並び換え処理(インターリーブ処理)を行う。インターリーブ処理は、時間軸及び周波数軸上などにおいて所定法則に従ってビット列を並べ替える処理である。
【0029】
マッピング部14は、IQ平面において定義される理想的なシンボル座標を用いて、インターリーブ処理が施されたビット列(すなわち、誤り訂正符号化処理が適用されたビット列)をIQ平面にマッピングする処理(キャリア変調処理)を行う。第1実施形態では、マッピング部14は、奇数ビットを表すシンボルをQAMでマッピング処理を行う。マッピング部14が用いる理想的なシンボル座標の詳細については後述する(例えば、
図3を参照)。
【0030】
直交変調部15は、マッピング部14から出力されるシンボルに基づいて、キャリア変調を行う。OFDM伝送を行う伝送システムの場合、直交変調部15は、所定数のサブキャリア(周波数軸)及び所定数のシンボル数(時間軸)によって定義されるOFDMフレーム(伝送フレーム)を生成する。直交変調部15は、OFDMフレームを構成する各シンボルの直交変調を行って無線信号Txを生成する。直交変調部15は、1つのアンテナ又は複数のアンテナを用いて、無線信号Txを受信装置20に送信する。
【0031】
ここで、OFDMフレーム(伝送フレーム)は、TMCC(Transmission and Multiplexing Configuration Control)信号、AC(Auxiliary Channel)信号等の制御信号を含む。例えば、TMCC信号は、複数の階層のそれぞれの伝送パラメータ(変調方式、セグメント数、符号化率等)を示す信号、OFDMフレーム(伝送フレーム)の同期をとるための同期信号を含む。
【0032】
図2に示すように、受信装置20は、直交復調部21と、デマッピング部22と、デインターリーブ部23と、誤り訂正部24と、インターフェース部25とを備える。受信装置20は、例えば、家庭内に固定的に設置される受像器、ユーザが持ち運び可能な移動端末に設けられる。
【0033】
直交復調部21は、1つのアンテナ又は複数のアンテナを用いて、無線信号Rxを受信する。直交復調部21は、無線信号Rxの直交復調を行って、受信シンボルを取得する。OFDM伝送を行う伝送システムの場合、直交復調部21は、所定数のサブキャリア(周波数軸)及び所定数のシンボル数(時間軸)によって定義されるOFDMフレーム(伝送フレーム)を取得する。OFDMフレーム(伝送フレーム)の同期は、上述したTMCC信号によって行われる。
【0034】
デマッピング部22は、IQ平面において定義される理想的なシンボル座標を用いて、IQ平面にマッピングされたシンボルをビット列に対応する尤度比にデマッピング、あるいは尤度算出処理を行う。第1実施形態では、デマッピング部22は、奇数ビットを表すシンボルをQAMでデマッピング処理を行う。なお、デマッピング部22が用いる理想的なシンボル座標の詳細については後述する(例えば、
図3を参照)。
【0035】
デインターリーブ部23は、デマッピング部22から出力されるビット列に対応する尤度比などの並び換え処理(デインターリーブ処理)を行う。デインターリーブ処理は、時間軸及び周波数軸上などにおいて所定法則に従ってビット列を並べ替える処理である。
【0036】
誤り訂正部24は、デインターリーブ部23から出力されるビット列に対応する尤度比などから誤り訂正ブロックを抽出する。誤り訂正部24は、誤り訂正ブロックの誤り訂正を行う。
【0037】
インターフェース部25は、誤り訂正部24によって誤り訂正が施されたビット列に基づいて、映像・音声などの出力データを出力する。出力データは、所定フォーマットを有するTS(Transport Stream)などである。
【0038】
(理想的なシンボル座標)
以下において、第1実施形態に係る理想的なシンボル座標について説明する。
図3〜
図5は、第1実施形態に係る理想的なシンボル座標を説明するための図である。
【0039】
図3に示すように、IQ平面において理想的なシンボル座標が占める空間は、第1空間、1対の第2空間及び1対の第3空間によって構成される。第1空間は、IQ平面の原点を中心として有しており、正方形の空間によって構成される。1対の第2空間は、I軸方向又はQ軸方向のいずれか一方である第1軸方向(ここでは、I軸方向)において第1空間に隣接しており、長方形の空間によって構成される。1対の第3空間は、I軸方向又はQ軸方向のいずれか他方(ここでは、Q軸方向)である第2軸方向において第1空間に隣接しており、長方形の空間によって構成される。
【0040】
ここで、理想的なシンボル座標は、IQ平面においてI軸方向及びQ軸方向の双方で均等に配置されている。なお、「均等」とは、互いに隣接するシンボルの距離が等しいことを意味する。また、第1空間で互いに隣接するシンボルにマッピングされるビット列の違いは、1ビットであり、1対の第2空間で互いに隣接するシンボルにマッピングされるビット列の違いは、1ビットであり、1対の第3空間で互いに隣接するシンボルにマッピングされるビット列の違いは、1ビットである。第1空間と第2空間との境界を挟んで第1軸方向において隣接するシンボルにマッピングされるビット列の違いは、1ビットである。一方で、第1空間と第3空間との境界を挟んで第2軸方向において隣接するシンボルにマッピングされるビット列の違いは、2ビットである。
【0041】
図3に示すように、第1実施形態において、各象限において、Q軸方向の第2領域のサイズ(X
Q)は、Q軸方向の第1領域のサイズ(X
Q)と同じである。各象限において、I軸方向の第2領域のサイズ(Y
I)は、I軸方向の第1領域のサイズ(X
I)の1/2である。各象限において、I軸方向の第3領域のサイズ(X
I)は、I軸方向の第1領域のサイズ(X
I)と同じである。各象限において、Q軸方向の第3領域のサイズ(Y
Q)は、I軸方向の第1領域のサイズ(X
Q)の1/2である。
【0042】
さらに詳細には、
図4に示すように、第1段階として、第1空間、第2空間、及び、第1軸方向において第1空間及び第2空間に隣接する1対の仮想第3空間によって構成される仮想座標空間において、仮想座標空間に含まれるシンボルにビット列がグレー符号によってマッピングされる。グレー符号を利用する場合には、I軸方向及びQ軸方向の双方において、互いに隣接するシンボルに割り当てられるビット列の違いは1ビットであることに留意すべきである。また、仮想第3空間は、第2空間と同じサイズの長方形の空間である。言い換えると、ビット列#1−4は、ビット列#1−1と隣接していないが、グレー符号の特性から両者の違いは1ビットである。
【0043】
第2段階として、1対の仮想第3空間に含まれるシンボルに割り当てられるビット列が1対の第3空間に含まれるシンボルに割り当てられる。ここで、仮想第3空間に含まれるシンボルに割り当てられるビット列を第3空間に含まれるシンボルに割り当てる処理は、各象限ごとに行われることに留意すべきである。
【0044】
具体的には、
図5に示すように、1対の仮想第3空間で互いに隣接するシンボルに割り当てられるビット列が1対の第3空間で互いに隣接するシンボルに割り当てられるように、1対の仮想第3空間に含まれるシンボルに割り当てられるビット列が1対の第3空間に含まれるシンボルに割り当てられる。なお、
図5では、512QAMに係る第1象限のみが例示されていることに留意すべきである。
【0045】
ここで、I軸方向及びQ軸方向における第3空間のサイズがI軸方向及びQ軸方向における仮想第3空空間のサイズと異なる。例えば、第1実施形態において、仮想第3空間は、第2空間と同じサイズの長方形の空間であるため、I軸方向における仮想第3空間のサイズ(Y
I)は、I軸方向における第3空間のサイズ(X
I)の1/2であり、Q軸方向における仮想第3空間のサイズ(X
Q)は、Q軸方向における第3空間のサイズ(Y
Q)の2倍である。従って、仮想第3空間においてQ軸方向に沿った1列のシンボルに割り当てられたビット列は、
図5に示すように、第3空間においてQ軸方向に沿った2列のシンボルに割り当てられる。
【0046】
このように、I軸方向及びQ軸方向における第3空間のサイズがI軸方向及びQ軸方向における仮想第3空間のサイズと異なる場合には、全てのシンボルについて、仮想第3空間で互いに隣接するシンボルに割り当てられるビット列を第3空間で互いに隣接するシンボルに割り当てられるという条件を満たすことはできない。従って、上述した条件が最大限に満たされるように、仮想第3空間に含まれるシンボルに割り当てられるビット列が第3空間に含まれるシンボルに割り当てられればよい。これによって、第3空間で互いに隣接するシンボルにマッピングされるビット列の違いが1ビットであるという条件を容易に満たすことが可能である。
【0047】
例えば、
図5に示すように、仮想第3空間において最も左側に位置するQ軸方向に沿ったシンボル列に割り当てられたビット列(ビット列#1−1〜#1−8)は、第3空間において、I軸方向の中心を挟むQ軸方向に沿った2列のシンボルに割り当てられる。ここで、仮想第3空間においてQ軸方向に沿った1列のシンボル列に割り当てられたビット列(ビット列#1−1〜#1−8)は、仮想第3空間においてIQ平面の原点から近い順に抽出されて、第3空間においてQ軸方向に沿った2列のシンボルに対して、IQ平面の原点から離れた方から順に蛇行するように割り当てられる。続いて、仮想第3空間において2番目に左側に位置するQ軸方向に沿ったシンボル列に割り当てられたビット列(ビット列#2−1〜#2−8)は、第3空間においてビット列(ビット列#1−1〜#1−8)が割り当てられたシンボル列を挟むQ軸方向に沿った2列のシンボルに割り当てられる。ここで、仮想第3空間においてQ軸方向に沿った1列のシンボル列に割り当てられたビット列(ビット列#2−1〜#2−8)は、仮想第3空間においてIQ平面の原点から近い順に抽出されて、第3空間においてQ軸方向に沿った2列のシンボルに対して、IQ平面の原点から離れた方から順に蛇行するように割り当てられる。仮想第3空間において3番目以降に左側に位置するQ軸方向に沿ったシンボル列に割り当てられたビット列についても、同様の手順で第3空間においてQ軸方向に沿った2列のシンボルに割り当てられる。
【0048】
なお、仮想第3空間において、ビット列#1−4は、ビット列#1−1と隣接していないが、グレー符号の特性から両者の違いは1ビットである。同様に、ビット列#1−6は、ビット列#1−3と隣接していないが、グレー符号の特性から両者の違いは1ビットである。さらには、第3空間において第1空間に隣接するシンボルに割り当てられたビット列(ビット列#1−7、#1−8、#2−7、#2−8など)は、グレー符号の特性から、第1空間と第3空間との境界を挟んで隣接する第1空間のシンボルに割り当てられたビット列と2ビットの違いを有する。
【0049】
(理想的なシンボル座標の一例)
128QAMの理想的なシンボル座標の一例は、
図6に示す通りである。512QAMの理想的なシンボル座標の一例は、
図7に示す通りである。2048QAMの理想的なシンボル座標の一例は、
図8に示す通りである。なお、
図7及び
図8では、第1象限のみが例示されていることに留意すべきである。
【0050】
図6〜
図8に示すように、128QAM、512QAM及び2048QAMのいずれにおいても、仮想第3空間に含まれるシンボルにグレー符号によって割り当てられたビット列が第3空間に含まれるシンボルに割り当てられる。
図5を用いて説明したように、仮想第3空間で互いに隣接するシンボルに割り当てられるビット列が第3空間で互いに隣接するシンボルに割り当てられるという条件が最大限に満たされるように、仮想第3空間に含まれるシンボルに割り当てられたビット列が第3空間に含まれるシンボルに割り当てられる。
【0051】
(作用及び効果)
第1実施形態では、IQ平面において理想的なシンボル座標が占める空間は、第1空間、第2空間及び第3空間によって構成される。言い換えると、IQ平面において理想的なシンボル座標が占める空間は、十字形状を有しており、I軸方向で最大の振幅を有するシンボル及びQ軸方向で最大の振幅を有するシンボルが同一の振幅を有する略円形状を有する。これによって、受信特性の改善を見込むことができる。
【0052】
また、第1実施形態では、第1空間と第3空間との境界を挟んで第2軸方向において隣接するシンボルを除いて、互いに隣接するシンボルにマッピングされるビット列の違いが1ビットであり、第1空間と第3空間との境界を挟んで第2軸方向において隣接するシンボルにマッピングされるビット列の違いが2ビットである。受信装置20でシンボルの位置を隣接シンボルに誤って推定した場合であっても、最大で2ビットの誤りによってビット列の誤り訂正を行うことができ、受信特性の改善を見込むことができる。
【0053】
このように、QAMのキャリア変調方式において、奇数ビットを表すシンボルをIQ平面にマッピングする場合であっても、受信特性を改善することができる。
【0054】
実施形態では、各象限において、Q軸方向の第2領域のサイズ(X
Q)は、Q軸方向の第1領域のサイズ(X
Q)と同じであり、I軸方向の第2領域のサイズ(Y
I)は、I軸方向の第1領域のサイズ(X
I)の1/2である。各象限において、I軸方向の第3領域のサイズ(X
I)は、I軸方向の第1領域のサイズ(X
I)と同じであり、Q軸方向の第3領域のサイズ(Y
Q)は、I軸方向の第1領域のサイズ(X
Q)の1/2である。これによって、IQ平面において理想的なシンボル座標が占める空間が適切な十字形状となることに留意すべきである。
【0055】
[その他の実施形態]
本発明は上述した実施形態によって説明したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、この発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0056】
実施形態では特に明示していないが、上述した実施形態は、MIMO(Multiple Input Multiple Output)技術が用いられるシステムだけではなくて、MISO(Multiple Input Single Output)技術又はSISO(Single Input Single Output)技術が用いられるシステムに適用されてもよい。
【0057】
実施形態では、第3領域がQ軸方向において第1領域に隣接するケースについて例示した。すなわち、第1方向がI軸方向であり、第2方向がQ軸方向であるケースについて例示した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではない。詳細には、第3領域は、I軸方向において第1領域に隣接していていもよい。すなわち、第1方向がQ軸方向であり、第2方向がI軸方向であってもよい。このようなケースでは、実施形態において、I軸をQ軸と読み替え、Q軸をI軸と読み替えればよい。
【0058】
実施形態では特に触れていないが、送信装置10及び受信装置20が行う各処理をコンピュータに実行させるプログラムが提供されてもよい。また、プログラムは、コンピュータ読取り可能媒体に記録されていてもよい。コンピュータ読取り可能媒体を用いれば、コンピュータにプログラムをインストールすることが可能である。ここで、プログラムが記録されたコンピュータ読取り可能媒体は、非一過性の記録媒体であってもよい。非一過性の記録媒体は、特に限定されるものではないが、例えば、CD−ROMやDVD−ROM等の記録媒体であってもよい。
【0059】
或いは、送信装置10及び受信装置20が行う各処理を実行するためのプログラムを記憶するメモリ及びメモリに記憶されたプログラムを実行するプロセッサによって構成されるチップが提供されてもよい。