特許第6336997号(P6336997)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6336997オフセットした同心の溝のパターンを有する研磨パッドおよびそれを用いて基材を研磨するための方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6336997
(24)【登録日】2018年5月11日
(45)【発行日】2018年6月6日
(54)【発明の名称】オフセットした同心の溝のパターンを有する研磨パッドおよびそれを用いて基材を研磨するための方法
(51)【国際特許分類】
   B24B 37/26 20120101AFI20180528BHJP
   B24B 37/24 20120101ALI20180528BHJP
   H01L 21/304 20060101ALI20180528BHJP
【FI】
   B24B37/26
   B24B37/24 C
   H01L21/304 622F
【請求項の数】19
【全頁数】36
(21)【出願番号】特願2015-541855(P2015-541855)
(86)(22)【出願日】2013年11月5日
(65)【公表番号】特表2015-533668(P2015-533668A)
(43)【公表日】2015年11月26日
(86)【国際出願番号】US2013068523
(87)【国際公開番号】WO2014074521
(87)【国際公開日】20140515
【審査請求日】2016年11月7日
(31)【優先権主張番号】61/723,226
(32)【優先日】2012年11月6日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500397411
【氏名又は名称】キャボット マイクロエレクトロニクス コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100077517
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 敬
(74)【代理人】
【識別番号】100087413
【弁理士】
【氏名又は名称】古賀 哲次
(74)【代理人】
【識別番号】100102990
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 良博
(74)【代理人】
【識別番号】100128495
【弁理士】
【氏名又は名称】出野 知
(74)【代理人】
【識別番号】100147212
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 直樹
(72)【発明者】
【氏名】チン−ミーン ツァイ
(72)【発明者】
【氏名】シー−ウエイ チュヨン
(72)【発明者】
【氏名】クン−シュウ ヤーン
(72)【発明者】
【氏名】ジア−チュヨン スー
(72)【発明者】
【氏名】シュヨン−ホワン リウ
(72)【発明者】
【氏名】フオン−チー スー
(72)【発明者】
【氏名】クレイグ コクジョン
【審査官】 須中 栄治
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−227915(JP,A)
【文献】 韓国公開特許第10−2001−0002471(KR,A)
【文献】 特開2007−007771(JP,A)
【文献】 米国特許第06736709(US,B1)
【文献】 米国特許第07377840(US,B2)
【文献】 米国特許第07252582(US,B2)
【文献】 米国特許第07234224(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B24B37/20−37/26
H01L21/304
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転軸と、研磨表面と、該研磨表面中に設定された複数の溝とを含む研磨パッドであって、該複数の溝が、
少なくとも(a)同心度の第1中心を有する第1の複数の同心の溝と、(b)同心度の第2中心を有する第2の複数の同心の溝とからなり、
該研磨パッドが、仮想のy軸に沿って位置する第1の鏡面、または仮想のx軸に沿って位置する第2の鏡面のどちらかを有し、
(1)該同心度の第1中心が、該同心度の第2中心と一致しておらず、
(2)該研磨パッドの該回転軸が、該同心度の第1中心と該同心度の第2中心との少なくとも1つと一致しておらず、
(3)該複数の溝が連続のらせん溝からならず
(4)該複数の溝がモザイクの溝パターンを含まない、そして、
該研磨パッドが、中央チャネルをさらに含む、研磨パッド。
【請求項2】
該複数の溝が該研磨表面の平面において無限に延長されている場合、該第1の複数の同心の溝が該研磨表面に垂直な対称軸回りで180°回転を介して該第2の複数の同心の溝と対称である、請求項1に記載の研磨パッド。
【請求項3】
該複数の溝が該研磨表面の平面において無限に延長されている場合、該第1の複数の同心の溝が、(a)該研磨表面に垂直であり、かつ(b)該同心度の第1中心または該同心度の第2中心のいずれかと交わらない第1の鏡面を介して、該第2の複数の同心の溝と対称である、請求項1に記載の研磨パッド。
【請求項4】
該複数の溝が該研磨表面の平面において無限に延長されている場合、該第1の複数の同心の溝が、(a)該研磨表面に垂直であり、かつ(b)該同心度の第1中心と該同心度の第2中心との両方と交わる第2の鏡面を介して、該第2の複数の同心の溝と対称である、請求項1に記載の研磨パッド。
【請求項5】
該複数の溝中の溝の少なくとも一部分が、実質的に円、実質的に半円、実質的に放物状、実質的に楕円、およびそれらの組み合わせからなる群から選択された形を有する弧である、請求項1に記載の研磨パッド。
【請求項6】
該形が、実質的に円または実質的に半円であり、そして該第1の複数の同心の溝中のそれぞれの各溝が該同心度の第1中心に対して実質的に一定の半径を有し、そして該第2の複数の同心の溝中においてそれぞれの各溝が該同心度の第2中心に対して実質的に一定の半径を有する、請求項5に記載の研磨パッド。
【請求項7】
(a)該第1の複数の同心の溝が、該第2の複数の同心の溝と交わらず、そして(b)該研磨パッドが、該第1の複数の同心の溝を含む第1の領域および該第2の複数の同心の溝を含む第2の領域を有し、該第1の領域が該第2の領域に隣接している、請求項1に記載の研磨パッド。
【請求項8】
以下の条件:
(a)該第1の領域の少なくとも一部分が該第2の領域の少なくとも一部分と界面において接していること、
(b)該第1の領域が、該第2の領域と界面において接していること、
(c)該第1の領域が、第3の領域によって該第2の領域からすべて分離されていること、および
(d)該第1の領域が、中央チャネルによって該第2の領域からすべて分離されていること、
の1つまたは2つ以上が満たされている、請求項7に記載の研磨パッド。
【請求項9】
以下の条件:
(a)該第1の複数の同心の溝中の溝の少なくとも1つが、該界面において、該第2の複数の同心の溝中の溝の少なくとも1つと、位置合わせされていること、
(b)該第1の複数の同心の溝中の溝が、該界面において該第2の複数の同心の溝中の溝と、位置合わせされていること、
(c)該第1の複数の同心の溝中の溝のいずれも、該界面において該第2の複数の同心の溝中の溝と位置合わせされていないこと、
(d)該同心度の第1中心が該第1の領域中に位置し、そして該同心度の第2中心が該第2の領域中に位置すること、
(e)該同心度の第1中心が、該第2の領域の中に位置し、そして該同心度の第2中心が、該第1の領域の中に位置すること、
(f)該同心度の第1中心および第2の中心の両方が、該第1の領域中に位置すること、
(g)該同心度の第1中心が該界面に位置し、そして該同心度の第2中心が該第1の領域または第2の領域のいずれかに位置すること、
(h)同心度の該第1中心および第2の中心の両方が、該界面に位置すること、
の1つまたは2つ以上が満たされている、請求項8に記載の研磨パッド。
【請求項10】
(i)x軸およびy軸が、対称軸において直角で交差し、(ii)該同心度の第1中心が、座標(x<0、y≧0)に位置し、そして(iii)該同心度の第1中心が界面にまたは該第1の領域中に位置するように、仮想のx軸および仮想のy軸が、該研磨表面の平面において該研磨表面に重ね合わせられている場合、以下の条件:
(a)該第1の複数の同心の溝が、+y方向に該同心度の第1中心から出てくること、
(b)該第2の複数の同心の溝が、−y方向に該同心度の第2中心から出てくること、および
(c)該複数の溝が該研磨表面の平面において無限に延長されている場合、該第1の複数の同心の溝が、該研磨表面に垂直な鏡面を介して、該第2の複数の同心の溝と対称でないこと、
が満たされている、請求項7に記載の研磨パッド。
【請求項11】
該研磨パッドが熱可塑性ポリウレタンを含む、請求項1に記載の研磨パッド。
【請求項12】
以下の条件:
(a)該第1の複数の同心の溝または第2の複数の同心の溝中の少なくとも1つの溝が、それぞれ該同心度の第1中心または該同心度の第2中心を中心として閉じた弧を完成すること、または、
(b)該第1の複数の同心の溝または該第2の複数の同心の溝の中の溝のいずれもが、それぞれ該同心度の第1中心または該同心度の第2中心を中心として閉じた弧を完成しないこと、
の1つが満たされる、請求項1に記載の研磨パッド。
【請求項13】
該中央チャネルが丸い端を有する、請求項に記載の研磨パッド。
【請求項14】
(i)該研磨パッドが厚さTを有し、(ii)該第1の複数の同心の溝中のそれぞれの溝が、第1の深さ、第1の幅を有し、そして第1のピッチによって隣接した溝から分離されており、そして(iii)該第2の複数の同心の溝中のそれぞれの溝が、第2の深さ、第2の幅を有し、そして第2のピッチによって隣接した溝と分離されており、そして、
以下の条件:
(a)該研磨パッドの該厚さTの一部として測定された該第1の深さおよび該第2の深さが、独立して0.01T〜0.99Tであり、そして同じであるかまたは異なることができ、そして該第1の深さ、該第2の深さ、または両者、いずれかが、該第1の複数の同心の溝、該第2の複数の同心の溝、または両者の中で一定であるかまたは変化すること、
(b)該第1の幅および該第2の幅が、独立して0.005cm〜0.5cmであり、そして同じであるかまたは異なることができ、そして該第1の幅、該第2の幅、または両者、いずれかが、該第1の複数の同心の溝、該第2の複数の同心の溝、または両者の中で一定であるかまたは変化すること、および、
(c)該第1のピッチおよび該第2のピッチが、独立して0.005cm〜1cmであり、そして同じであるかまたは異なることができ、そして該第1のピッチ、該第2のピッチ、または両者、いずれかが、該第1の複数の同心の溝、該第2の複数の同心の溝、または両者の中で一定であるかまたは変化すること、
の1つまたは2つ以上が満たされる、請求項1に記載の研磨パッド。
【請求項15】
該同心度の第1中心、該同心度の第2中心、または両方の周囲のエリアの少なくとも一部が、なんらかの溝を含まず、該エリアは、該第1のピッチまたは該第2のピッチの少なくとも1つより大きい半径を有する、請求項14に記載の研磨パッド。
【請求項16】
基材を化学的機械的に研磨する方法であって、
(a)基材と、化学的機械的研磨組成物および請求項1に記載の該研磨パッドとを接触させることと、
(b)該基材と該研磨パッドとの間に該化学的機械的研磨組成物を有する該基材に対して該研磨パッドを動かすことと、
(c)該基材を磨くために該基材の少なくとも一部分を摩耗させることと、
を含む、方法。
【請求項17】
該複数の溝を含まない点を除き同一の研磨パッドと比較して、該基材の除去速度がより高い、請求項16に記載の方法
【請求項18】
該基材がタングステンである、請求項17に記載の方法
【請求項19】
該研磨パッドが、熱可塑性ポリウレタンを含む、請求項16に記載の方法
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
化学的機械的研磨(「CMP」)法は、マイクロエレクトロニクス機器の製造において、半導体ウェハー、フィールドエミッションディスプレイ、および多くの他のマイクロエレクトロニクス基材上に平面を形成するのに使用される。例えば、半導体機器の製造は、通常種々の処理層の形成、これらの層の一部の選択的な除去またはパターニング、および半導体ウェハーの形成のための半導体基材の表面上へのさらなる追加の処理層の堆積を含む。処理層は、一例として、絶縁層、ゲート酸化物層、導電性層、金属またはガラスの層、およびその同類のものを含むことができる。ウェハー製造工程のあるステップにおいて、処理層の最上部の表面は、望ましくは平面、すなわち、次の層の堆積のために平面である。CMPは、導電材料または絶縁材料等の堆積される材料が研磨される処理層を平坦化するのに使用され、次のステップのためにウェハーを平坦化するために研磨される。
【背景技術】
【0002】
典型的なCMP工程において、ウェハーは、CMPツール中のキャリアー中で逆さまに取り付けられる。力がキャリアーおよびウェハーを、研磨パッドに向けて下向きに押す。キャリアーおよびウェハーは、典型的にはCMPツールの研磨テーブル上で回転する研磨パッドの上で回転させられる。研磨組成物(研磨スラリーとも呼ばれる)は、通常研磨プロセスの間に、回転するウェハーと回転する研磨パッドとの間に導入される。研磨組成物は、典型的には最上部のウェハー層の一部と相互作用するか、または最上部のウェハー層の一部を溶解する1種または2種以上の薬品およびその層の一部を物理的に除去する1種または2種以上の研削剤材料を含む。ウェハーおよび研磨パッドは、同じ方向に、反対の方向に、回転できるか、またはウェハーまたは研磨パッドの1つが回転させられ、その間ウェハーまたは研磨パッドのもう一方が静止する。キャリアーはまた、研磨テーブル上の研磨パッドを横切って往復できる。回転スキームは、行われる特定の研磨プロセスにより選択される。
【0003】
研磨パッドは、典型的には、剛体、マイクロ多孔質材料でできており、そして研磨パッドは、典型的には研磨プロセスの間にいくつかの有用な機能、例えば、研磨スラリーの輸送、研磨される基材にわたる掛けられた圧力の分配、および基材から研削される材料の除去を果たす。研磨パッドの物理的および機械的特性、例えば、研磨パッドの材料、研磨パッドの表面トポグラフィー(例えば、打ち抜き穴、孔、織地、溝、くぼみ等のマイクロ構造およびマクロ構造)、およびその同類のものと、研磨スラリーの組成物の特性(例えば、反応性、摩耗性等)との組み合わせは、研磨速度および研磨された基材の品質(例えば、平面度、および欠陥の数およびタイプ)を含むCMP工程の種々の面に影響する場合がある。研磨速度が所有費の考察のために重要であるように、研磨速度は、特に、CMP工程のスループットに直接関係する。
【0004】
研磨速度を増加させることによってスループットを増加させる技術的な試みは、典型的には、例えば、異なる材料を使用した、研磨パッド材料の物理的特性および機械的特性または研磨パッド表面のマイクロ構造の調節を含み、そしてパッド調節工程は、多くの場合、研磨された基材の表面上での増加した欠陥および/または研磨パッドの低下した寿命等の種々の望ましくないトレードオフを生じる。研磨パッド表面上で溝パターン等のマクロ構造を用いることは、いくつかの例(例えば、Osterheldらの米国特許第6、520、847号明細書を参照のこと)における研磨パッドの寿命等の、研磨プロセスのいくつかの特徴を改善するいくらか成功を収めたが、依然、高いレベルの平面性および少ない欠陥を有する研磨基材を達成しながら充分にスループットを増加させるための基材の研磨速度等の研磨プロセスの他の特性は、通常、従来の溝パターンによって充分に改善されなかった。さらに、多くの従来の溝パターンは、充分な量の時間の間、研磨パッド上に研磨スラリーを保持するのに充分でなく、それによって研磨プロセスにおいて使用されるより大量の研磨スラリーを必要とし、これは望ましくないことに全体的な製造コストに追加される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、充分な量の時間の間研磨スラリーを保持し、そしてまた商業的に実行可能な研磨速度を達成し、同時に高い平面性かつ少ない欠陥等の好都合な表面特性を有する研磨基材を生成する、改善された研磨パッドへの技術的ニーズがある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、回転軸と、研磨表面と、該研磨表面中に設定された複数の溝と、を含むか、これらから本質的になるか、またはこれらからなる研磨パッドであって、該複数の溝が、少なくとも(a)同心度の第1中心を有する第1の複数の同心の溝と、(b)同心度の第2中心を有する第2の複数の同心の溝とからなり、そして(1)該同心度の第1中心が、同心度の第2中心と一致しておらず、(2)該研磨パッドの該回転軸が、該同心度の第1中心と該同心度の第2中心との少なくとも1つと一致しておらず、(3)該複数の溝が連続のらせん溝からならず、そして(4)該研磨表面がモザイクの溝パターンを含まない、研磨パッドを提供する。
【0007】
本発明はまた、基材を化学的機械的に研磨する方法であって、(a)基材と、化学的機械的研磨組成物と、請求項1の該研磨パッドとを接触させることと、(b)該基材と該研磨パッドとの間に該化学的機械的研磨組成物を有する該基材に対して該研磨パッドを動かすことと、(c)該基材を磨くために該基材の少なくとも一部分を摩耗させることと、を含むか、これらから本質的になるか、またはこれらからなり、この研磨パッドが、回転軸と、研磨表面と、該研磨表面中に設定された複数の溝とを含むか、これらから本質的になるか、またはこれらからなり、該複数の溝が、少なくとも(a)同心度の第1中心を有する第1の複数の同心の溝と、(b)同心度の第2中心を有する第2の複数の同心の溝とからなり、そして(1)該同心度の第1中心が、同心度の第2中心と一致しておらず、(2)該研磨パッドの該回転軸が、該同心度の第1中心と該同心度の第2中心との少なくとも1つと一致しておらず、(3)該複数の溝が連続のらせん溝からならず、そして(4)該研磨表面がモザイクの溝パターンを含まない、方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本発明の態様による研磨パッドを具体的に示す。図1は、研磨表面に垂直な視点からの研磨パッドの研磨表面の図である。図1の研磨パッドは、図2の研磨パッドの鏡像である。図1は、参照を容易にするために、仮想x軸および仮想y軸を含む。
【0009】
図2図2は、本発明の態様による研磨パッドを具体的に示す。図2は、研磨表面に垂直な視点からの研磨パッドの研磨表面の図である。図2の研磨パッドは、図1の研磨パッドの鏡像である。図2は、参照を容易にするために、仮想x軸および仮想y軸を含む。
【0010】
図3図3は、本発明の態様による研磨パッドを具体的に示す。図3は、研磨表面に垂直な視点からの研磨パッドの研磨表面の図である。図3は、参照を容易にするために、仮想x軸および仮想y軸を含む。
【0011】
図4図4は、本発明の態様による研磨パッドを具体的に示す。図4は、研磨表面に垂直な視点からの研磨パッドの研磨表面の図である。図4は、参照を容易にするために、仮想x軸および仮想y軸を含む。
【0012】
図5図5は、本発明による研磨パッドの断面図である。
【0013】
図6図6は、溝の終端のプロファイル図であり、溝の終端において研磨表面と溝の底とを接続する壁の間に形成される角度を記載する。
【0014】
図7図7は、2つの異なるスラリーの流量における、研磨パッドの回転軸を中心とする従来の同心の溝を含む対照の研磨パッドと、図1〜4に記載した溝のパターンを有する4つの本発明の研磨パッドとの除去速度を比較する棒グラフである。
【0015】
図8図8は、パッドが中央チャネルを含む本発明の態様による研磨パッドを具体的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明は、図1〜8を説明することにより具体的に説明されるが、もちろん、このような具体的な説明は、いかなる様式においても本発明の範囲を限定しない。図1〜6および8について記載された研磨パッドの特徴は、本発明の研磨パッドにおいて一般的であり、したがって記載された特徴は、本発明の研磨パッドとなるいかなる好適な様式において組み合わせられることができる。この点で、図1〜6および8は、本発明の研磨パッドの溝のパターンのタイプを具体的に説明し、本発明の溝のパターンを理解することを促進するが、しかし、図1〜6および8中に表された寸法および比は、本発明の研磨パッドの代表的な実際の寸法および比とは限らない。
【0017】
本発明は、回転軸と、研磨表面と、該研磨表面中に設定された複数の溝と、を含むか、これらから本質的になるか、またはこれらからなる研磨パッドであって、該複数の溝が、少なくとも(a)同心度の第1中心を有する第1の複数の同心の溝と、(b)同心度の第2中心を有する第2の複数の同心の溝とからなり、そして(1)該同心度の第1中心が、同心度の第2中心と一致しておらず、(2)該研磨パッドの該回転軸が、該同心度の第1中心と該同心度の第2中心との少なくとも1つと一致しておらず、(3)該複数の溝が連続のらせん溝からならず、そして(4)該研磨表面がモザイクの溝パターンを含まない、研磨パッドを提供する。
【0018】
複数の溝は、任意の好適な数の複数の同心の溝を含むか、これらから本質的になるか、またはこれからなることができる。この点で、本発明の研磨パッドの特徴は、典型的には2つの複数の同心の溝(すなわち、第1の複数の同心の溝および第2の複数の同心の溝)を有する研磨パッドに関して本明細書中に記載されているが、本発明の研磨パッドは、2つの複数の同心の溝に限られない。例えば、複数の溝は、少なくとも2つの複数の同心の溝、例えば、少なくとも3つの、少なくとも4つの、少なくとも5つの、少なくとも6つの、少なくとも7つの、少なくとも8つの、少なくとも9つ、または少なくとも10の複数の同心の溝を含むことができる。各複数の同心の溝は、同心度の中心を中心として同心であって、複数の同心の溝の数は、複数の同心度の中心の数と同じである。例えば、研磨パッドが少なくとも4つの複数の同心の溝を含む場合、研磨パッドは同心度の少なくとも4つの中心をまた含む。
【0019】
同心度の中心は、相互から任意の適当な距離で分離されていることができる。研磨パッドが2超の同心度の中心を含む場合、本明細書中で記載される距離とは、隣接した同心度の中心間の距離および/または隣接していない同心度の中心間の距離をいうことができ、そしてこの距離は同じであるか、または異なることができる。例えば、同心度の中心は、0.1cm以上、例えば、0.2cm以上、0.3cm以上、0.4cm以上、0.5cm以上、0.6cm以上、0.7cm以上、0.8cm以上、0.9cm以上、1cm以上、1.2cm以上、1.4cm以上、1.6cm以上、1.8cm以上、2cm以上、2.2cm以上、2.4cm以上、2.6cm以上、2.8cm以上、3cm以上、3.2cm以上、3.4cm以上、3.6cm以上、3.8cm以上、4cm以上、4.2cm以上、4.4cm以上、4.6cm以上、4.8cm以上、5cm以上、5.2cm以上、5.4cm以上、5.6cm以上、5.8cm以上、6cm以上、6.2cm以上、6.4cm以上、6.6cm以上、6.8cm以上、7cm以上、7.2cm以上、7.4cm以上、7.6cm以上、7.8cm以上、8cm以上、8.2cm以上、8.4cm以上、8.6cm以上、8.8cm以上、9cm以上、9.2cm以上、9.4cm以上、9.6cm以上、9.8cm以上、10cm以上、10.2cm以上、10.4cm以上、10.6cm以上、10.8cm以上、11cm以上、11.2cm以上、11.4cm以上、11.6cm以上、11.8cm以上、12cm以上、12.2cm以上、12.4cm以上、12.6cm以上、12.8cm以上、13cm以上、13.2cm以上、13.4cm以上、13.6cm以上、13.8cm以上、14cm以上、14.2cm以上、14.4cm以上、14.6cm以上、14.8cm以上、15cm以上、15.5cm以上、16cm以上、16.5cm以上、17cm以上、17.5cm以上、18cm以上、18.5cm以上、19cm以上、19.5cm以上、20cm以上、22cm以上、24cm以上、26cm以上、28cm以上、30cm以上、32cm以上、34cm以上、36cm以上、38cm以上、40cm以上、42cm以上、44cm以上、46cm以上、または48cm以上の距離によって分離されていることができる。代わりにまたはさらに、同心度の中心は、50cm以下、例えば、48cm以下、46cm以下、44cm以下、42cm以下、40cm以下、38cm以下、36cm以下、34cm以下、32cm以下、30cm以下、28cm以下、26cm以下、24cm以下、22cm以下、20cm以下、19.5cm以下、19cm以下、18.5cm以下、18cm以下、17.5cm以下、17cm以下、16.5cm以下、16cm以下、15.5cm以下、15cm以下、14.8cm以下、14.6cm以下、14.4cm以下、14.2cm以下、14cm以下、13.8cm以下、13.6cm以下、13.4cm以下、13.2cm以下、13cm以下、12.8cm以下、12.6cm以下、12.4cm以下、12.2cm以下、12cm以下、11.8cm以下、11.6cm以下、11.4cm以下、11.2cm以下、11cm以下、10.8cm以下、10.6cm以下、10.4cm以下、10.2cm以下、10cm以下、9.8cm以下、9.6cm以下、9.4cm以下、9.2cm以下、9cm以下、8.8cm以下、8.6cm以下、8.4cm以下、8.2cm以下、8cm以下、7.8cm以下、7.6cm以下、7.4cm以下、7.2cm以下、7cm以下、6.8cm以下、6.6cm以下、6.4cm以下、6.2cm以下、6cm以下、5.8cm以下、5.6cm以下、5.4cm以下、5.2cm以下、5cm以下、4.8cm以下、4.6cm以下、4.4cm以下、4.2cm以下、4cm以下、3.8cm以下、3.6cm以下、3.4cm以下、3.2cm以下、3cm以下、2.8cm以下、2.6cm以下、2.4cm以下、2.2cm以下、2cm以下、1.8cm以下、1.6cm以下、1.4cm以下、1.2cm以下、1cm以下、0.9cm以下、0.8cm以下、0.7cm以下、0.6cm以下、0.5cm以下、0.4cm以下、0.3cm以下、または0.2cm以下の距離によって分離されていることができる。したがって、同心度の中心間の距離は、上記の終点の任意の2つを両端とする範囲内であることができる。例えば、この距離は、2.6cm〜12.8cm、20cm〜40cm、または9.8cm〜10.2cmであることができる。好ましい態様では、同心度の中心間の距離(例えば、同心度の第1中心と同心度の第2中心)との間の距離は、10cm(例えば、9.8cm〜10.2cm)である。
【0020】
本発明の研磨パッドは、典型的には、回転軸、幾何学的中心、対称軸、同心度の第1中心、および同心度の第2中心を含む。回転軸、幾何学的中心、対称軸、および同心度の第1中心または同心度の第2中心の1つは、任意の望ましい組み合わせで相互に一致するか、または一致しないことができる。例えば、回転軸および幾何学的中心は、相互に一致することができ、一方対称軸は、回転軸または幾何学的中心のいずれかと一致しない。さらに、回転軸、幾何学的中心、および対称軸は、任意の望ましい組み合わせで、同心度の第1中心または同心度の第2中心の1つと、一致するか、または一致しないことができる。好ましくは、回転軸、幾何学的中心、および対称軸は、相互に一致し、そして好ましくは回転軸、幾何学的中心、および対称軸は、同心度の第1中心または同心度の第2中心のいずれかと一致しない。
【0021】
図1を参照すると、研磨パッドは、研磨表面100、研磨表面100中に設定された複数の溝104および105、回転軸101、幾何学的中心102、および対称軸103を含む。回転軸101、幾何学的中心102、および対称軸103は、図1中で相互にすべて一致している。複数の溝は、同心度の第1中心106を有する第1の複数の同心の溝104、および同心度の第2中心107を有する第2の複数の同心の溝105からなる。簡潔にいうと、図1中の溝の一部分のみが第1のおよび第2の複数の同心の溝のそれぞれの中で符号を付されているが、留意すべきは同心度の第1中心106を中心として同心であるすべての溝が第1の複数の同心の溝104の一部であり、そして同心度の第2中心107を中心として同心であるすべての溝が第2の複数の同心の溝105の一部である。同心度の第1中心106は、同心度の第2中心107と一致しておらず、回転軸101は、同心度の第1中心106または同心度の第2中心107のいずれとも一致しておらず、複数の溝は、連続のらせん溝からならず、そして複数の溝は、モザイクの溝パターンを含まない。
【0022】
図2の研磨パッドは、図1の研磨パッドの鏡像である。図2を参照すると、この研磨パッドは、研磨表面200、研磨表面200の中に設定された複数の溝204および205、回転軸201、幾何学的中心202、および対称軸203を含む。回転軸201、幾何学的中心202、および対称軸203は、図2中で相互にすべて一致している。複数の溝は、同心度の第1中心206を有する第1の複数の同心の溝204、および同心度の第2中心207を有する第2の複数の同心の溝205からなる。簡潔にいうと、図2中の溝の一部分のみが、第1のおよび第2の複数の同心の溝のそれぞれの中で符号を付されているが、留意すべきは、同心度の第1中心206を中心として同心であるすべての溝は、第1の複数の同心の溝204の一部であり、そして同心度の第2中心207を中心として同心であるすべての溝は、第2の複数の同心の溝205の一部である。同心度の第1中心206は、同心度の第2中心207と一致しておらず、回転軸201は、同心度の第1中心206または同心度の第2中心207のいずれかと一致しておらず、複数の溝は、連続のらせん溝からならず、そして複数の溝は、モザイクの溝パターンを含まない。
【0023】
図3を参照すると、研磨パッドは、研磨表面300、研磨表面300の中に設定された複数の溝304および305、回転軸301、幾何学的中心302、および対称軸303を含む。回転軸301、幾何学的中心302、および対称軸303は図3の中で相互にすべて一致している。複数の溝は、同心度の第1中心306を有する第1の複数の同心の溝304および同心度の第2中心307を有する第2の複数の同心の溝305からなる。簡潔にいうと、図3中の溝の一部のみが、第1のおよび第2の複数の同心の溝のそれぞれの中で符号を付されていが、留意すべきは、同心度の第1中心306を中心として同心であるすべての溝は、第1の複数の同心の溝304の一部であり、そして同心度の第2中心307を中心として同心であるすべての溝は、第2の複数の同心の溝305の一部である。同心度の第1中心306は、同心度の第2中心307と一致しておらず、回転軸301は、同心度の第1中心306または同心度の第2中心307のいずれかと一致しておらず、複数の溝は、連続のらせん溝からならず、そして複数の溝は、モザイクの溝パターンを含まない。
【0024】
図4を参照すると、研磨パッドは、研磨表面400、研磨表面400の中に設定された複数の溝404および405、回転軸401、幾何学的中心402、および対称軸403を含む。回転軸401、幾何学的中心402、および対称軸403は図4の中で相互にすべて一致している。複数の溝は、同心度の第1中心406を有する第1の複数の同心の溝404、および同心度の第2中心407を有する第2の複数の同心の溝405からなる。簡潔にいうと、図4中の溝の一部のみが、第1のおよび第2の複数の同心の溝のそれぞれの中で符号を付されているが、留意すべきは同心度の第1中心406を中心として同心であるすべての溝は、第1の複数の同心の溝404の一部であり、そして同心度の第2中心407を中心として同心であるすべての溝は、第2の複数の同心の溝405の一部である。同心度の第1中心406は、同心度の第2中心407と一致しておらず、回転軸401は、同心度の第1中心406または同心度の第2中心407のいずれかと一致しておらず、複数の溝は、連続のらせん溝からならず、そして複数の溝は、モザイクの溝パターンを含まない。
【0025】
本発明の研磨パッドは、任意の好適な形を有することができる。例えば、研磨パッドは、実質的に、円(すなわち、円形)、楕円、正方形、長方形、菱形、三角形、連続ベルト、多角形(例えば、5角形、6角形、7角形、8角形、9角形、10角形等)、およびその同類のものの形であることができる。本明細書中で使用される場合、研磨パッドの形の上では、用語「実質的に」は、形全体が所与の形に似ていると当業者によって考えられるであろうように、形が対象の形の技術上の定義から重要でない様式で変化できることを意味する。例えば、実質的に円形を有する研磨パッドの脈絡において、(研磨パッドの幾何学的中心からパッドの外側の端で測定された)研磨パッドの半径は、全研磨パッドの周りですべて一定でない状況にも関わらず研磨パッドが円形を有することができると当業者が依然考えるであろうような、重要でない様式(例えば、より小さい変動)で、全研磨パッドの周りで変化できる。好ましい態様では、研磨パッドは、実質的に円形であり、すなわち、研磨パッドは、実質的に円形を有する。
【0026】
研磨パッドが実質的に円形または実質的に楕円形である場合、研磨パッドは任意の好適な半径Rを有することができる。研磨パッドが楕円形を有する場合、下記に示す半径は楕円形の長軸および/または短軸ということができる。例えば、研磨パッドは、8cm以上、例えば、9cm以上、10cm以上、12cm以上、14cm以上、16cm以上、18cm以上、20cm以上、22cm以上、24cm以上、26cm以上、28cm以上、30cm以上、32cm以上、34cm以上、36cm以上、38cm以上、40cm以上、42cm以上、44cm以上、46cm以上、48cm以上、または50cm以上である半径Rを有することができる。代わりに、またはさらに、研磨パッドは、52cm以下、例えば、50cm以下、48cm以下、46cm以下、44cm以下、42cm以下、40cm以下、38cm以下、36cm以下、34cm以下、32cm以下、30cm以下、28cm以下、26cm以下、24cm以下、22cm以下、20cm以下、18cm以下、16cm以下、14cm以下、12cm以下、10cm以下、または9cm以下の半径Rを有することができる。したがって、研磨パッドの半径Rは、上記の終点の任意の2つを両端とする範囲内にあることができる。例えば、半径Rは、10cm〜52cm、20cm〜26cm、または18cm〜24cmの範囲内であることができる。好ましい態様では、研磨パッドの半径Rは、24cm〜26cmである。
【0027】
同心度の中心は、任意の好適な距離で研磨パッドの回転軸からオフセットしていることができる。オフセットした距離は、研磨パッドの半径Rの一部として表されることができ、正規化された偏心距離(「NOC」距離)(すなわち回転軸から同心度の中心への測定された距離÷研磨パッドの半径R)として時々当該技術分野で知られている。本発明のこの特徴は、同心度の第1中心および同心度の第2中心に関して記載されているが、これらのために記載される距離は、本発明の研磨パッド、すなわち、同心度の、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9、および/または第10の中心と関連することができる同心度の任意の他の中心に同様に適用できる。この同心度の第1中心は、0R〜2Rの研磨パッドの半径Rの一部として測定される第1の距離で研磨パッドの回転軸からオフセットしており、そして同心度の第2中心は、0R〜2Rの半径Rの一部として測定される第2の距離で研磨パッドの回転軸からオフセットしており、そして第1の距離および第2の距離は同じであるか、または異なることができる(ただし、第1の距離または第2の距離の1つのが0Rである場合、第1の距離または第2の距離のもう一方は0Rでない)。第1の距離および/または第2の距離は、0R以上、例えば、0.001R以上、0.005R以上、0.01R以上、0.015R以上、0.02R以上、0.025R以上、0.03R以上、0.035R以上、0.04R以上、0.045R以上、0.05R以上、0.055R以上、0.06R以上、0.065R以上、0.07R以上、0.075R以上、0.08R以上、0.085R以上、0.09R以上、0.095R以上、0.1R以上、0.15R以上、0.2R以上、0.25R以上、0.3R以上、0.35R以上、0.4R以上、0.45R以上、0.5R以上、0.55R以上、0.6R以上、0.65R以上、0.7R以上、0.75R以上、0.8R以上、0.85R以上、0.9R以上、0.95R以上、1R以上、1.05R以上、1.1R以上、1.15R以上、1.2R以上、1.25R以上、1.3R以上、1.35R以上、1.4R以上、1.45R以上、1.5R以上、1.55R以上、1.6R以上、1.65R以上、1.7R以上、1.75R以上、1.8R以上、1.85R以上、1.9R以上、または1.95R以上である。代わりに、またはさらに、第1の距離および/または第2の距離は、2R以下、例えば、1.95R以下、1.9R以下、1.85R以下、1.8R以下、1.75R以下、1.7R以下、1.65R以下、1.6R以下、1.55R以下、1.5R以下、1.45R以下、1.4R以下、1.35R以下、1.3R以下、1.25R以下、1.2R以下、1.15R以下、1.1R以下、1.05R以下、1R以下、0.95R以下、0.9R以下、0.85R以下、0.8R以下、0.75R以下、0.7R以下、0.65R以下、0.6R以下、0.55R以下、0.5R以下、0.45R以下、0.4R以下、0.35R以下、0.3R以下、0.25R以下、0.2R以下、0.15R以下、0.1R以下、0.095R以下、0.09R以下、0.085R以下、0.08R以下、0.075R以下、0.07R以下、0.065R以下、0.06R以下、0.055R以下、0.05R以下、0.045R以下、0.04R以下、0.035R以下、0.03R以下、0.025R以下、0.02R以下、0.015R以下、0.01R以下、または0.005以下である。したがって、第1の距離および/または第2の距離は、上記の終点の任意の2つを両端とする範囲内であることができる。例えば、第1の距離および/または第2の距離は、0.01R〜0.8R、0.5R〜1R、または0.25R〜0.55Rであることができる。好ましい態様では、第1の距離および第2の距離は、0.15R〜0.25Rである。
【0028】
同心度の中心は、研磨パッドの領域内に位置することができ、そして/または同心度の中心は、研磨パッドの領域を超えて位置することができる。研磨パッドの半径Rに対して、同心度の中心は、≦1Rおよび/または≧1Rであることができる。少なくとも2つの同心度の中心を有する本発明の研磨パッドの脈絡では、研磨パッドは、以下の条件:(a)第1の距離および第2の距離≦1Rであること、(b)第1の距離および第2の距離≧1Rであること、または(c)第1の距離≦1Rかつ第2の距離≧1Rであること、の1つによって特徴付けられることができる。もちろん、研磨パッドが2超の同心度の中心を含む場合、追加の同心度の中心は、研磨パッドの領域内および/または研磨パッドの領域外に、任意の望ましい組み合わせで、位置することができる。
【0029】
図1を参照すると、研磨パッドは、実質的に円形を有し、そして同心度の第1中心106および同心度の第2中心107は、第1の距離および第2の距離≦1Rであるように、研磨パッドの回転軸101からオフセットしている。
【0030】
図2を参照すると、研磨パッドは、実質的に円形を有し、そして同心度の第1中心206および同心度の第2中心207は、第1の距離および第2の距離≦1Rであるように、研磨パッドの回転軸201からオフセットしている。
【0031】
図3を参照すると、研磨パッドは、実質的に円形を有し、そして同心度の第1中心306および同心度の第2中心307は、第1の距離および第2の距離≦1Rであるように、研磨パッドの回転軸301からオフセットしている。
【0032】
図4を参照すると、研磨パッドは、実質的に円形を有し、そして同心度の第1中心406および同心度の第2中心407は、第1の距離および第2の距離≦1Rであるように、研磨パッドの回転軸401からオフセットしている。
【0033】
本発明のいくつかの態様において、複数の溝が研磨表面の平面内で無限に延長されている場合、それぞれの複数の同心の溝は、研磨表面に垂直な対称軸についての回転によって他の複数の同心の溝に対し対称である。例えば、同心度の中心の数がXである場合、それぞれの複数の同心の溝は、研磨表面に垂直な対称軸について360°/Xの様式で他の複数の同心の溝に対し対称であることができる。研磨パッドが第1の複数の同心の溝および第2の複数の同心の溝を有する2つの同心度の中心を有する状況では、複数の溝が研磨表面の平面内で無限に延長されている場合、第1の複数の同心の溝は、研磨表面に垂直な対称軸について180°回転(すなわち、360°/2)の様式で第2の複数の同心の溝と対称である。
【0034】
図1を参照すると、複数の溝104および105が研磨表面100の平面中で無限に延長されている場合、第1の複数の同心の溝104は、研磨表面100に垂直である対称軸103について180°の様式で、第2の複数の同心の溝105と対称である。
【0035】
図2を参照すると、複数の溝204および205が研磨表面200の平面中で無限に延長されている場合、第1の複数の同心の溝204は、研磨表面200に垂直である対称軸203について180°の様式で、第2の複数の同心の溝205と対称である。
【0036】
図3を参照すると、複数の溝304および305が研磨表面300の平面中で無限に延長されている場合、第1の複数の同心の溝304は、研磨表面300に垂直である対称軸303について180°の様式で、第2の複数の同心の溝305と対称である。
【0037】
図4を参照すると、複数の溝404および405が研磨表面300の平面中で無限に延長されている場合、第1の複数の同心の溝404は、研磨表面400に垂直である対称軸403について180°の様式で、第2の複数の同心の溝405と対称である。
【0038】
本発明のいくつかの態様において、複数の溝が研磨表面の平面内で無限に延長されている場合、第1の複数の同心の溝は、(a)研磨表面に垂直であり、そして(b)同心度の第1中心または同心度の第2中心と交わらない第1の鏡面によって、第2の複数の同心の溝と対称である。
【0039】
図3を参照すると、複数の溝304および305が、研磨表面300の平面内で無限に延長されている場合、第1の複数の同心の溝304は、(a)研磨表面300に垂直であり、そして(b)同心度の第1中心306または同心度の第2中心307と交わらない第1の鏡面によって、第2の複数の同心の溝305と対称である。図3において、第1の鏡面は、仮想のy軸に沿って位置する。
【0040】
図4を参照すると、複数の溝404および405が、研磨表面400の平面内で無限に延長されている場合、第1の複数の同心の溝404は、(a)研磨表面400に垂直であり、そして(b)同心度の第1中心406または同心度の第2中心407と交わらない第1の鏡面によって、第2の複数の同心の溝405と対称である。図4において、第1の鏡面は、仮想のy軸に沿って位置する。
【0041】
本発明のいくつかの態様において、複数の溝が研磨表面の平面内で無限に延長されている場合、第1の複数の同心の溝は、(a)研磨表面に垂直であり、そして(b)同心度の第1中心および同心度の第2中心の両方と交わる第2の鏡面によって、第2の複数の同心の溝と対称である。
【0042】
図3を参照すると、複数の溝304および305が研磨表面300の平面内で無限に延長されている場合、第1の複数の同心の溝304は、(a)研磨表面300に垂直であり、そして(b)同心度の第1中心306および同心度の第2中心307の両方と交わる第2の鏡面によって、第2の複数の同心の溝305と対称である。図3において、第2の鏡面は、仮想のx軸に沿って位置する。
【0043】
図4を参照すると、複数の溝404および405が研磨表面400の平面内で無限に延長されている場合、第1の複数の同心の溝404は、(a)研磨表面400に垂直であり、そして(b)同心度の第1中心406および同心度の第2中心407の両方と交わる第2の鏡面によって、第2の複数の同心の溝405と対称である。図4において、第2の鏡面は、仮想のx軸に沿って位置する。
【0044】
本発明のいくつかの態様において、複数の溝が研磨表面の平面内で無限に延長されている場合、第1の複数の同心の溝は、研磨表面に垂直である鏡面によって、第2の複数の同心の溝と対称でない。
【0045】
図1を参照すると、複数の溝104および105が研磨表面100の平面内で無限に延長されている場合、第1の複数の同心の溝104は、研磨表面100に垂直である鏡面によって、第2の複数の同心の溝105と対称でない。
【0046】
図2を参照すると、複数の溝204および205が研磨表面200の平面内で無限に延長されている場合、第1の複数の同心の溝204は、研磨表面200に垂直である鏡面によって、第2の複数の同心の溝205と対称でない。
【0047】
本発明のいくつかの態様において、複数の溝中の溝の少なくとも一部は、実質的に円、実質的に半円、実質的に放物状、実質的に楕円、およびそれらの組み合わせからなる群から選択された形を有する弧である。本発明の好ましい態様において、形は、実質的に円または実質的に半円であり、第1の複数の同心の溝中のそれぞれの溝は、同心度の第1中心に対して実質的に一定の半径を有し、そして第2の複数の同心の溝中のそれぞれの溝は、同心度の第2中心に対して、実質的に一定の半径を有する。好ましくは、複数の溝中のすべての溝は、本明細書中に記載された形を有する。
【0048】
溝の形に関して用語「実質的に」は、本明細書中において規定されるように、記載された形が記載された形の厳格な教科書の定義を技術的に満たさない場合がある状況にもかかわらず、溝が記載された形に似ていると当業者が認識するであろう形を有することを意味する。例えば、所与の弧の溝が同心度の中心に対して一定の半径を有さない状況において、半径が、全体的な形が円または半円形に似ていると当業者が考えるであろうように重要でない位でのみ変化する実質的に一定の半径を有し、そうした弧は、本明細書中で使用される場合、「実質的に円」または「実質的に半円」の定義を満たすであろう。用語「円」および「半円」は、交互に本明細書中で使用されて、所与の同心度の中心に対して実質的に一定の半径を有する弧の溝を記載する。用語「実質的に一定の半径」は、本明細書中で使用される場合、弧の溝の全体の形が円または半円形に似ていると当業者が考えるであろうように重要でない位でのみこの溝が変化する半径を意味する。
【0049】
複数の溝は、任意の好適な断面形状を有することができる。溝の断面形状は、本明細書中で使用される場合、溝の壁と溝の底との組み合わせによって形成される形である。例えば、溝の断面形状は、U字形、V字形、正方形(すなわち、溝の壁および溝の底が90°の角度をなす)、およびその同類のものであることができる。図5を参照すると、溝はU字形である断面形状を有する。
【0050】
複数の溝の1つ以上の溝が(すなわち、研磨パッドの領域内であってかつ研磨パッドの端でない)研磨表面上で終了している終端を有する場合、溝の終端は、典型的には研磨表面の平面に対して任意の好適な角度をなす壁によって研磨表面に接続されている。図6を参照すると、研磨パッドは、研磨表面600、第1の複数の同心の溝601、第2の複数の同心の溝602、および研磨表面上で終了する少なくとも1つの溝の終端603を含む。研磨表面600と溝の終端で接続する壁604は、研磨表面600に対して角度θをなし、角度θは、任意の好適な角度であることができる。例えば、角度θは、10°以上、例えば、20°以上、30°以上、40°以上、50°以上、60°以上、70°以上、80°以上、または90°であることができる。代わりに、またはさらに、角度θは、90°以下、例えば、80°以下、70°以下、60°以下、50°以下、40°以下、30°以下、または20°以下であることができる。したがって、角度θは、上記の終点の任意の2つを両端とする範囲内であることができる。例えば、角度θは、20°〜80°、10°〜40°、または70°〜90°であることができる。好ましくは、角度θは90°(例えば、90°以上)である。
【0051】
いくつかの態様において、以下の条件:(a)複数の同心の溝(例えば、第1の複数の同心の溝または第2の複数の同心の溝)中の少なくとも1つの溝が、それぞれの同心度の中心(例えば、同心度の第1中心または同心度の第2中心、それぞれ)を中心として閉じた弧を完成すること、または(b)複数の同心の溝(例えば、第1の複数の同心の溝または第2の複数の同心の溝)中のどの溝も、それぞれの同心度の中心(例えば、同心度の第1中心または同心度の第2中心、それぞれ)を中心として閉じた弧を完成しないこと、の1つが満たされる。
【0052】
図1を参照すると、複数の溝104および105中の溝の少なくとも一部分は、実質的に円または実質的に半円である形を有する弧であり、第1の複数の同心の溝104中のそれぞれの各溝は、同心度の第1中心106に対して実質的に一定の半径を有し、および第2の複数の同心の溝105中のそれぞれの各溝は、同心度の第2中心107に対して実質的に一定の半径を有する。図1において、第1の複数の同心の溝104または第2の複数の同心の溝105中の溝のいずれも、それぞれ、同心度の第1中心106または同心度の第2中心107を中心として閉じた弧を完成しない。
【0053】
図2を参照すると、複数の溝204および205中の溝の少なくとも一部分は、実質的に円または実質的に半円である形を有する弧であり、そして第1の複数の同心の溝204中のそれぞれの各溝は、同心度の第1中心206に関して実質的に一定の半径を有し、そして第2の複数の同心の溝205中のそれぞれの各溝は、同心度の第2中心207に関して実質的に一定の半径を有する。図2において、第1の複数の同心の溝204または第2の複数の同心の溝205のいずれも、それぞれ、同心度の第1中心206または同心度の第2中心207を中心として閉じた弧を完成しない。
【0054】
図3を参照すると、複数の溝304および305中の溝の少なくとも一部分は、実質的に円または実質的に半円である形を有する弧であり、そして第1の複数の同心の溝304中のそれぞれの各溝は、同心度の第1中心306に関して実質的に一定の半径を有し、そして第2の複数の同心の溝305中のそれぞれの各溝は、同心度の第2中心307に関して実質的に一定の半径を有する。図3において、第1の複数の同心の溝304中の少なくとも1つの溝は、同心度の第1中心306を中心として閉じた弧を完成し、そして第2の複数の同心の溝305中の少なくとも1つの溝は、同心度の第2中心307を中心として閉じた弧を完成する。
【0055】
図4を参照すると、複数の溝404および405中の溝の少なくとも一部分は、実質的に円または実質的に半円である形を有する弧であり、そして第1の複数の同心の溝404中のそれぞれの各溝は、同心度の第1中心406に関して実質的に一定の半径を有し、そして第2の複数の同心の溝405中のそれぞれの各溝は、同心度の第2中心407に関して実質的に一定の半径を有する。図4において、第1の複数の同心の溝404または第2の複数の同心の溝405のいずれも、それぞれ、同心度の第1中心206または同心度の第2中心407を中心として閉じた弧を完成しない。
【0056】
本発明の研磨パッドは、研磨表面と研磨パッドの底表面との間の距離によって規定される任意の好適な厚さTを有することができる(図5を参照のこと)。例えば、厚さTは、500μm以上、例えば、600μm以上、700μm以上、800μm以上、900μm以上、1000μm以上、1100μm以上、1200μm以上、1300μm以上、1400μm以上、1500μm以上、1600μm以上、1700μm以上、1800μm以上、1900μm以上、2000μm以上、2100μm以上、2200μm以上、2300μm以上、または2400μm以上であることができる。代わりに、またはさらに、厚さTは、2500μm以下、例えば、2400μm以下、2300μm以下、2200μm以下、2100μm以下、2000μm以下、1900μm以下、1800μm以下、1700μm以下、1600μm以下、1500μm以下、1400μm以下、1300μm以下、1200μm以下、1100μm以下、1000μm以下、900μm以下、800μm以下、700μm以下、または600μm以下であることができる。したがって、研磨パッドの厚さTは、上記の終点の任意の2つを両端とする範囲内であることができる。例えば、厚さTは、500μm〜1200μm、800μm〜2000μm、または600μm〜900μmであることができる。
【0057】
複数の溝中の各溝は、任意の好適な深さD、任意の好適な幅Wを有することができ、そして任意の好適なピッチPによって隣接した溝と分離されていることができる。複数の溝中のそれぞれの溝の深さ、幅、およびピッチは、一定であることができるか、または変化できる。深さ、幅、および/またはピッチが変化する場合、この変化は、同じ溝の中でおよび/または他の溝に対してシステマチックまたはランダムであることができる。図5を参照すると、これは、研磨表面500、溝501、研磨パッドの厚さT、溝幅W、溝の深さD、および溝のピッチPを記載する。
【0058】
例えば、研磨パッドが、少なくとも第1の複数の同心の溝および第2の複数の同心の溝を有する状況では、研磨パッドは、以下の:(i)研磨パッドが、厚さTを有すること、(ii)第1の複数の同心の溝中のそれぞれの溝が、第1の深さ、第1の幅を有し、そして第1のピッチで隣接した溝から分離されていること、および(iii)第2の複数の同心の溝中のそれぞれの溝が、第2の深さ、第2の幅を有し、そして第2のピッチで隣接した溝から分離されていること、特徴付けられていることができ、そして以下の条件:(a)研磨パッドの厚さTの一部として測定された第1の深さおよび第2の深さが、独立して、0.01T〜0.99Tであり、かつ同じであるか、または異なることができ、そして第1の深さ、第2の深さ、またはこれらの両方、いずれかが、第1の複数の同心の溝、第2の複数の同心の溝、または両方の中で一定であるかまたは変化できること、(b)第1の幅および第2の幅が、独立して、0.005cm〜0.5cmであり、そして同じであるか、または異なることができ、そして第1の幅、第2の幅、または両方、いずれかが、第1の複数の同心の溝、第2の複数の同心の溝、または両方の中で一定であるかまたは変化できること、および(c)第1のピッチおよび第2のピッチが、独立して、0.005cm〜1cmであり、そして同じであるか、または異なることができ、そして第1のピッチ、第2のピッチ、または両方、いずれかが、第1の複数の同心の溝、第2の複数の同心の溝、または両方において一定であるかまたは変化することができること、の1つまたは2つ以上が満たされる。研磨パッドの厚さT、および溝の深さ、幅、およびピッチは、研磨パッドが2つの複数の溝(すなわち、第1の複数の同心の溝および第2の複数の同心の溝)を有する状況と関連して本明細書中に記載されているが、この記載は、研磨パッドが、例えば、3の、4の、5の、6の、7の、8の、9の、または10の複数の溝を有することができる状況に等しく適用される。例えば、研磨パッドは、第3の複数の同心の溝を有することができ、ここで第3の複数の同心の溝中のそれぞれの溝は、第3の深さ、第3の幅を有し、そして第3のピッチ等により隣接した溝から分離されている。
【0059】
複数の溝中の各溝は、独立して、研磨パッドの厚さTの一部として測定された任意の好適な深さを有することができる。例えば、それぞれの溝の深さは、独立して、0.01T以上、例えば、0.05T以上、0.1T以上、0.15T以上、0.2T以上、0.25T以上、0.3T以上、0.35T以上、0.4T以上、0.45T以上、0.5T以上、0.55T以上、0.6T以上、0.65T以上、0.7T以上、0.75T以上、0.8T以上、0.85T以上、0.9T以上、0.95T以上、または0.99T以上であることができる。代わりに、またはさらに、それぞれの溝の深さは、独立して、0.99T以下、例えば、0.95T以下、0.9T以下、0.85T以下、0.8T以下、0.75T以下、0.7T以下、0.65T以下、0.6T以下、0.55T以下、0.5T以下、0.45T以下、0.4T以下、0.35T以下、0.3T以下、0.25T以下、0.2T以下、0.15T以下、0.1T以下、0.05T以下、または0.01T以下であることができる。したがって、それぞれの溝の深さは、独立して、先の終点の任意の2つを両端とする範囲内であることができる。例えば、深さは、0.2T〜0.8T、0.75T〜0.85T、または0.4T〜0.55Tであることができる。
【0060】
複数の溝中の各溝は、独立して、研磨表面から溝の底までの測定された距離として表された任意の好適な深さを有することができる。例えば、それぞれの溝の深さは、独立して、10μm以上、例えば、50μm以上、100μm以上、150μm以上、200μm以上、250μm以上、300μm以上、350μm以上、400μm以上、450μm以上、500μm以上、550μm以上、600μm以上、650μm以上、700μm以上、750μm以上、800μm以上、850μm以上、900μm以上、950μm以上、1000μm以上、1050μm以上、1100μm以上、1150μm以上、1200μm以上、1250μm以上、1300μm以上、1350μm以上、1400μm以上、1450μm以上、1500μm以上、1550μm以上、1600μm以上、1650μm以上、1700μm以上、1750μm以上、1800μm以上、1850μm以上、1900μm以上、1950μm以上、2000μm以上、2100μm以上、2200μm以上、2300μm以上、2400μm以上、2500μm以上、2600μm以上、2700μm以上、2800μm以上、2900μm以上、3000μm以上、3100μm以上、3200μm以上、3300μm以上、3400μm以上、3500μm以上、3600μm以上、3700μm以上、3800μm以上、3900μm以上、4000μm以上、4100μm以上、4200μm以上、4300μm以上、4400μm以上、4500μm以上、4600μm以上、4700μm以上、4800μm以上、4900μm以上、または5000μm以上であることができる。代わりに、またはさらに、それぞれの溝の深さは、独立して、5000μm以下、例えば、4900μm以下、4800μm以下、4700μm以下、4600μm以下、4500μm以下、4400μm以下、4300μm以下、4200μm以下、4100μm以下、4000μm以下、3900μm以下、3800μm以下、3700μm以下、3600μm以下、3500μm以下、3400μm以下、3300μm以下、3200μm以下、3100μm以下、3000μm以下、2900μm以下、2800μm以下、2700μm以下、2600μm以下、2500μm以下、2400μm以下、2300μm以下、2200μm以下、2100μm以下、2000μm以下、1950μm以下、1900μm以下、1850μm以下、1800μm以下、1750μm以下、1700μm以下、1650μm以下、1600μm以下、1550μm以下、1500μm以下、1450μm以下、1400μm以下、1350μm以下、1300μm以下、1250μm以下、1200μm以下、1150μm以下、1100μm以下、1050μm以下、1000μm以下、950μm以下、900μm以下、850μm以下、800μm以下、750μm以下、700μm以下、650μm以下、600μm以下、550μm以下、500μm以下、450μm以下、400μm以下、350μm以下、300μm以下、250μm以下、200μm以下、150μm以下、100μm以下、20μm以下、または10μm以下であることができる。したがって、それぞれの溝の深さは、独立して、先の終点の任意の2つを両端とする範囲内であることができる。例えば、深さは、200μm〜800μm、2500μm〜4800μm、または1050μm〜1250μmであることができる。好ましくは、それぞれの溝の深さは、独立して、750μm〜800μmである。
【0061】
複数の溝中の各溝は、独立して、任意の好適な幅を有することができる。例えば、それぞれの溝の幅は、独立して、10μm以上、例えば、50μm以上、100μm以上、150μm以上、200μm以上、250μm以上、300μm以上、350μm以上、400μm以上、450μm以上、500μm以上、550μm以上、600μm以上、650μm以上、700μm以上、750μm以上、800μm以上、850μm以上、900μm以上、950μm以上、1000μm以上、1050μm以上、1100μm以上、1150μm以上、1200μm以上、1250μm以上、1300μm以上、1350μm以上、1400μm以上、1450μm以上、1500μm以上、1550μm以上、1600μm以上、1650μm以上、1700μm以上、1750μm以上、1800μm以上、1850μm以上、1900μm以上、1950μm以上、2000μm以上、2100μm以上、2200μm以上、2300μm以上、2400μm以上、2500μm以上、2600μm以上、2700μm以上、2800μm以上、2900μm以上、3000μm以上、3100μm以上、3200μm以上、3300μm以上、3400μm以上、3500μm以上、3600μm以上、3700μm以上、3800μm以上、3900μm以上、4000μm以上、4100μm以上、4200μm以上、4300μm以上、4400μm以上、4500μm以上、4600μm以上、4700μm以上、4800μm以上、4900μm以上、または5000μm以上であることができる。代わりに、またはさらに、それぞれの溝の幅は、独立して、5000μm以下、例えば、4900μm以下、4800μm以下、4700μm以下、4600μm以下、4500μm以下、4400μm以下、4300μm以下、4200μm以下、4100μm以下、4000μm以下、3900μm以下、3800μm以下、3700μm以下、3600μm以下、3500μm以下、3400μm以下、3300μm以下、3200μm以下、3100μm以下、3000μm以下、2900μm以下、2800μm以下、2700μm以下、2600μm以下、2500μm以下、2400μm以下、2300μm以下、2200μm以下、2100μm以下、2000μm以下、1950μm以下、1900μm以下、1850μm以下、1800μm以下、1750μm以下、1700μm以下、1650μm以下、1600μm以下、1550μm以下、1500μm以下、1450μm以下、1400μm以下、1350μm以下、1300μm以下、1250μm以下、1200μm以下、1150μm以下、1100μm以下、1050μm以下、1000μm以下、950μm以下、900μm以下、850μm以下、800μm以下、750μm以下、700μm以下、650μm以下、600μm以下、550μm以下、500μm以下、450μm以下、400μm以下、350μm以下、300μm以下、250μm以下、200μm以下、150μm以下、100μm以下、20μm以下、または10μm以下であることができる。したがって、それぞれの溝の幅は、独立して、先の終点の任意の2つを両端とする範囲内であることができる。例えば、幅は、200μm〜800μm、1700μm〜4800μm、または650μm〜850μmであることができる。好ましくは、それぞれの溝の幅は、独立して、500μm〜550μmである。
【0062】
複数の溝中の各溝は、任意の好適なピッチで隣接した溝から分離されていることができる。典型的には、2つの隣接した溝間のピッチは、隣接した溝の1つまたは両方の幅より大きい。ピッチは、一定であることができ、または研磨パッドにわたって変化できる。本明細書中に記載されたピッチの値は、2つまたは3つ以上のピッチの値を有する本発明の研磨パッドを記載するように任意の好適な様式で組み合わせられることができる。例えば、ピッチは、10μm以上、例えば、50μm以上、100μm以上、150μm以上、200μm以上、250μm以上、300μm以上、350μm以上、400μm以上、450μm以上、500μm以上、550μm以上、600μm以上、650μm以上、700μm以上、750μm以上、800μm以上、850μm以上、900μm以上、950μm以上、1000μm以上、1050μm以上、1100μm以上、1150μm以上、1200μm以上、1250μm以上、1300μm以上、1350μm以上、1400μm以上、1450μm以上、1500μm以上、1550μm以上、1600μm以上、1650μm以上、1700μm以上、1750μm以上、1800μm以上、1850μm以上、1900μm以上、1950μm以上、2000μm以上、2100μm以上、2200μm以上、2300μm以上、2400μm以上、2500μm以上、2600μm以上、2700μm以上、2800μm以上、2900μm以上、3000μm以上、3100μm以上、3200μm以上、3300μm以上、3400μm以上、3500μm以上、3600μm以上、3700μm以上、3800μm以上、3900μm以上、4000μm以上、4100μm以上、4200μm以上、4300μm以上、4400μm以上、4500μm以上、4600μm以上、4700μm以上、4800μm以上、4900μm以上、5000μm以上、5500μm以上、6000μm以上、6500μm以上、7000μm以上、7500μm以上、8000μm以上、8500μm以上、9000μm以上、9500μm以上、または10000μm以上であることができる。代わりに、またはさらに、ピッチは、10000μm以下、9500μm以下、9000μm以下、8500μm以下、8000μm以下、7500μm以下、7000μm以下、6500μm以下、6000μm以下、5500μm以下、5000μm以下、4900μm以下、4800μm以下、4700μm以下、4600μm以下、4500μm以下、4400μm以下、4300μm以下、4200μm以下、4100μm以下、4000μm以下、3900μm以下、3800μm以下、3700μm以下、3600μm以下、3500μm以下、3400μm以下、3300μm以下、3200μm以下、3100μm以下、3000μm以下、2900μm以下、2800μm以下、2700μm以下、2600μm以下、2500μm以下、2400μm以下、2300μm以下、2200μm以下、2100μm以下、2000μm以下、1950μm以下、1900μm以下、1850μm以下、1800μm以下、1750μm以下、1700μm以下、1650μm以下、1600μm以下、1550μm以下、1500μm以下、1450μm以下、1400μm以下、1350μm以下、1300μm以下、1250μm以下、1200μm以下、1150μm以下、1100μm以下、1050μm以下、1000μm以下、950μm以下、900μm以下、850μm以下、800μm以下、750μm以下、700μm以下、650μm以下、600μm以下、550μm以下、500μm以下、450μm以下、400μm以下、350μm以下、300μm以下、250μm以下、200μm以下、150μm以下、100μm以下、20μm以下、または10μm以下であることができる。したがって、隣接した溝間のピッチは、上記の終点の任意の2つを両端とする範囲内であることができる。例えば、ピッチは、800μm〜1200μm、600μm〜1100μm、または2500μm〜6000μmであることができる。好ましくは、隣接した溝間のピッチは、2000μm〜2100μmである。
【0063】
本発明のいくつかの態様において、1つまたは2つ以上の同心度の中心の周囲のエリア(area)の少なくとも一部分は、なんらかの溝を含まず、そしてこのエリアは、典型的にはこのエリアのすぐ周囲の溝のピッチより大きい半径を有する。少なくとも2つの同心度の中心(すなわち、同心度の第1中心および同心度の第2中心)を有する研磨パッドの脈絡では、同心度の第1中心、同心度の第2中心、または両方の周囲のエリアの少なくとも一部分は、なんらかの溝を含まず、このエリアは、第1のピッチ(すなわち、第1の複数の同心の溝のピッチ)または第2のピッチ(すなわち、第2の複数の同心の溝のピッチ)の少なくとも1つより大きい半径を有する。他の態様において、本発明の研磨パッドは、同心度のなんらかの中心の周囲に、エリアが溝を含まずかつエリアの周囲の溝のピッチより大きい半径を有すると規定されるエリアを含まない。
【0064】
同心度の中心の周囲のエリアに関する図1〜4の下記の記載は、この特徴をより理解することを目的として具体的に説明するためだけである。しかし、図1〜4のこれらの記載は、したがって、図1〜4中に表された寸法および比が本発明の研磨パッドの代表的な寸法および比を表すことを意味すると理解すべきではない。
【0065】
図1を参照すると、同心度の第1中心106および同心度の第2中心107の周囲のエリアの少なくとも一部は、なんらかの溝を含まず、そしてこれらのエリアは、第1の複数の同心の溝104のピッチ(すなわち、第1のピッチ)および第2の複数の同心の溝105のピッチ(すなわち、第2のピッチ)より大きい半径を有する。
【0066】
図2を参照すると、同心度の第1中心206および同心度の第2中心207の周囲のエリアの少なくとも一部分は、なんらかの溝を含まず、そしてこれらのエリアは、第1の複数の同心の溝204のピッチ(すなわち、第1のピッチ)および第2の複数の同心の溝205のピッチ(すなわち、第2のピッチ)より大きい半径を有する。
【0067】
図3を参照すると、同心度の第1中心306および同心度の第2中心307の周囲のエリアの少なくとも一部分は、なんらかの溝を含まず、そしてこれらのエリアは、第1の複数の同心の溝304のピッチ(すなわち、第1のピッチ)および第2の複数の同心の溝305のピッチ(すなわち、第2のピッチ)より大きい半径を有する。
【0068】
図4の研磨パッドは、任意の同心度の中心の周囲の溝を含まずかつエリアの周囲の溝のピッチより大きい半径を有するとして規定されるエリアを含まない。
【0069】
本発明のいくつかの態様において、複数の溝中の溝の少なくとも一部分は、複数の溝中の任意の他の溝と交わらない(すなわち、交差しない)。好ましい態様では、複数の溝中の溝はいずれも、複数の溝中の任意の他の溝と交わらない(すなわち、交差しない)。
【0070】
本発明の研磨パッドの研磨表面は、仮想的に異なる領域に分割されることができ、ここでそれぞれの領域は同心度の中心を中心として同心の複数の溝を含む。各領域は、典型的には、同心度の中心を中心とした同心の複数の溝からなり、そしてこの領域は典型的には同心度の中心を中心とした同心でない任意の他の溝を含まない。この領域は、典型的には任意の他の溝と交差する任意の溝を含まない。各領域は、典型的には溝を含むが、それぞれの領域は、領域中の溝が同心である同心度の中心である必要はないが、これを含むことができる。この点で、この領域は、溝および溝が同心である同心度の中心を含むことができ、またはこの領域は、溝が同心である同心度の中心を含まないことができる。後者の場合、同心度の中心は、突合した領域との間の界面において、または研磨パッドの領域の外側において、隣接した領域中に位置できる。
【0071】
本発明の研磨パッドが少なくとも2つの同心度の中心(および関連した同心の溝)を有する脈絡の中で、以下の条件:(a)第1の複数の同心の溝が、第2の複数の同心の溝と交わらないこと、および(b)研磨パッドが、第1の複数の同心の溝を含む第1の領域および第2の複数の同心の溝を含む第2の領域を有し、第1の領域が第2の領域に隣接していること、の1つまたは2つ以上が典型的には満たされる。もちろん、本発明の研磨パッドは、2超の領域、例えば、3の、4の、5の、6の、7の、8の、9の、または10の領域を含むことができる。さらに、以下の条件:(a)同心度の第1中心が、第1の領域の中に位置し、そして同心度の第2中心が、第2の領域の中に位置すること、(b)同心度の第1中心が、第2の領域の中に位置し、そして同心度の第2中心が、第1の領域の中に位置すること、(c)同心度の第1中心および同心度の第2中心の両方が、第1の領域の中に位置すること、(d)同心度の第1中心が界面に位置し、そして同心度の第2中心が、第1のまたは第2の領域のいずれかに位置すること、および(e)同心度の第1中心および同心度の第2中心の両方が、界面に位置すること、の1つまたは2つ以上が典型的には満たされる。
【0072】
本発明の研磨パッドにおいて、この領域は、任意の好適な様式で並べられることができる。例えば、領域は相互に隣接していることができ、または領域は、研磨パッドの研磨表面上で相互から分離されていることができる。さらに、領域の少なくとも一部分は、界面において相互に突合していることができ、領域は、全部が界面において相互に突合していることができ、または領域は、界面において相互に突合していることができないが、領域は、1つまたは2つ以上の他の領域によって相互から分離されていることができる。他の領域の1つまたは2つ以上は、研磨表面上に存在する領域の全数によって、第3の、第4の、第5の、第6の、第7の、第8の、第9の、または第10の領域によって終了していることができる。他の領域の1つまたは2つ以上は、溝を含むことができ、または他の領域の1つまたは2つ以上は、溝を有さないことができる(すなわち、1つまたは他の領域は溝を含まないことができる)。他の領域の1つまたは2つ以上が溝を含む場合、他の領域の1つまたは2つ以上は、1つの溝または複数の溝を含むことができるか、または他の領域の1つまたは2つ以上は、単一の溝からなることができる。他の領域の1つまたは2つ以上が単一の溝からなる条件下では、単一の溝は、典型的には研磨パッド上の領域を分離するように働き、そして領域中に含まれる複数の溝は、典型的には単一の溝の中に通じている(すなわち、単一の溝の中流れ込んでいる)。単一の溝の中に通じている(すなわち、単一の溝の中流れ込む)ことのできる1つの領域中の複数の溝は、下記でさらに詳細に説明するように、単一の溝の反対側から単一の溝と突合する別の領域中の複数の溝と任意の好適な配列を有することができる。この単一の溝は研磨パッドの1つの端から研磨パッドの反対の端まで広がることができ、そしてこの単一の溝は、下記で規定されるように、連続または不連続であることができる。この単一の溝は、任意の好適な幅および任意の好適な深さを有することができる。単一の溝の幅および深さは、複数の溝中のそれぞれの溝の幅および深さと同じであるかまたは異なることができる。本明細書中に記載された複数の溝中のそれぞれの溝のための幅および深さの値は、単一の溝に等しく適用できる。具体的な説明の目的のために、突合する領域の間の界面として本明細書中の他の場所で規定される、図1〜4中の特徴110、210、310、および410は、それぞれ、代わりに、単一の溝を表すと規定でき、隣接した領域中の複数の溝は、この単一の溝の中に通じている(すなわち、単一の溝の中に流れ込んでいる)。この態様の記載の目的のために、研磨パッドの図1〜4中の特徴110、210、310、および410が単一の溝を表すと規定され、そしてこの単一の溝が、研磨パッドの1つの端から研磨パッドの反対の端まで広がり、そして単一の溝と分離されたこの領域からの複数の溝の少なくともいくつかが、単一の溝の中に流れ込む(すなわち、単一の溝と流体連通している)場合、この単一の溝を、中央チャネルという。中央チャネルを有する研磨パッドの例を、図8中に具体的に説明する。
【0073】
中央チャネルは、任意の好適な深さを有することができる。好ましくは、中央チャネルの深さは、複数の溝の深さより大きい。深さは、研磨表面からチャネルの底までの測定された距離によって表される。例えば、チャネルの深さは、20μm以上、例えば、50μm以上、100μm以上、150μm以上、200μm以上、250μm以上、300μm以上、350μm以上、400μm以上、450μm以上、500μm以上、550μm以上、600μm以上、650μm以上、700μm以上、750μm以上、800μm以上、850μm以上、900μm以上、950μm以上、1000μm以上、1050μm以上、1100μm以上、1150μm以上、1200μm以上、1250μm以上、1300μm以上、1350μm以上、1400μm以上、1450μm以上、1500μm以上、1550μm以上、1600μm以上、1650μm以上、1700μm以上、1750μm以上、1800μm以上、1850μm以上、1900μm以上、1950μm以上、2000μm以上、2100μm以上、2200μm以上、2300μm以上、2400μm以上、2500μm以上、2600μm以上、2700μm以上、2800μm以上、2900μm以上、3000μm以上、3100μm以上、3200μm以上、3300μm以上、3400μm以上、3500μm以上、3600μm以上、3700μm以上、3800μm以上、3900μm以上、4000μm以上、4100μm以上、4200μm以上、4300μm以上、4400μm以上、4500μm以上、4600μm以上、4700μm以上、4800μm以上、4900μm以上、または5000μm以上であることができる。代わりに、またはさらに、中央チャネルの深さは、5000μm以下、例えば、4900μm以下、4800μm以下、4700μm以下、4600μm以下、4500μm以下、4400μm以下、4300μm以下、4200μm以下、4100μm以下、4000μm以下、3900μm以下、3800μm以下、3700μm以下、3600μm以下、3500μm以下、3400μm以下、3300μm以下、3200μm以下、3100μm以下、3000μm以下、2900μm以下、2800μm以下、2700μm以下、2600μm以下、2500μm以下、2400μm以下、2300μm以下、2200μm以下、2100μm以下、2000μm以下、1950μm以下、1900μm以下、1850μm以下、1800μm以下、1750μm以下、1700μm以下、1650μm以下、1600μm以下、1550μm以下、1500μm以下、1450μm以下、1400μm以下、1350μm以下、1300μm以下、1250μm以下、1200μm以下、1150μm以下、1100μm以下、1050μm以下、1000μm以下、950μm以下、900μm以下、850μm以下、800μm以下、750μm以下、700μm以下、650μm以下、600μm以下、550μm以下、500μm以下、450μm以下、400μm以下、350μm以下、300μm以下、250μm以下、200μm以下、150μm以下、100μmであることができる。したがって、中央チャネルの深さは、上記の終点の任意の2つを両端とする範囲内であることができる。例えば、この深さは、20μm〜800μm、2500μm〜4800μm、または1050μm〜1250μmであることができる。好ましくは、中央チャネルの深さは、中央チャネルと突合しかつ中央チャネルに流れ込むかまたは中央チャネルと流体連通している複数の同心の溝の深さより大きい。
【0074】
中央チャネルは、任意の好適な幅を有することができる。例えば、中央チャネルの幅は、10μm以上、例えば、50μm以上、100μm以上、150μm以上、200μm以上、250μm以上、300μm以上、350μm以上、400μm以上、450μm以上、500μm以上、550μm以上、600μm以上、650μm以上、700μm以上、750μm以上、800μm以上、850μm以上、900μm以上、950μm以上、1000μm以上、1050μm以上、1100μm以上、1150μm以上、1200μm以上、1250μm以上、1300μm以上、1350μm以上、1400μm以上、1450μm以上、1500μm以上、1550μm以上、1600μm以上、1650μm以上、1700μm以上、1750μm以上、1800μm以上、1850μm以上、1900μm以上、1950μm以上、2000μm以上、2100μm以上、2200μm以上、2300μm以上、2400μm以上、2500μm以上、2600μm以上、2700μm以上、2800μm以上、2900μm以上、3000μm以上、3100μm以上、3200μm以上、3300μm以上、3400μm以上、3500μm以上、3600μm以上、3700μm以上、3800μm以上、3900μm以上、4000μm以上、4100μm以上、4200μm以上、4300μm以上、4400μm以上、4500μm以上、4600μm以上、4700μm以上、4800μm以上、4900μm以上、または5000μm以上であることができる。代わりに、またはさらに、中央チャネルの幅は、5000μm以下、例えば、4900μm以下、4800μm以下、4700μm以下、4600μm以下、4500μm以下、4400μm以下、4300μm以下、4200μm以下、4100μm以下、4000μm以下、3900μm以下、3800μm以下、3700μm以下、3600μm以下、3500μm以下、3400μm以下、3300μm以下、3200μm以下、3100μm以下、3000μm以下、2900μm以下、2800μm以下、2700μm以下、2600μm以下、2500μm以下、2400μm以下、2300μm以下、2200μm以下、2100μm以下、2000μm以下、1950μm以下、1900μm以下、1850μm以下、1800μm以下、1750μm以下、1700μm以下、1650μm以下、1600μm以下、1550μm以下、1500μm以下、1450μm以下、1400μm以下、1350μm以下、1300μm以下、1250μm以下、1200μm以下、1150μm以下、1100μm以下、1050μm以下、1000μm以下、950μm以下、900μm以下、850μm以下、800μm以下、750μm以下、700μm以下、650μm以下、600μm以下、550μm以下、500μm以下、450μm以下、400μm以下、350μm以下、300μm以下、250μm以下、200μm以下、150μm以下、100μm以下、20μm以下、または10μm以下であることができる。したがって、中央チャネルの幅は、上記の終点の任意の2つを両端とする範囲内であることができる。例えば、幅は、200μm〜800μm、1700μm〜4800μm、または650μm〜850μmであることができる。
【0075】
中央チャネルは、丸い端の形状を有することができる。丸い端は、任意の好適な寸法であることができる。例えば、丸い端は、丸い端の深さが中央チャネルの深さのある半分より大きいことによって規定されることができる。丸い端の深さは、研磨パッドの表面から始まり中央チャネル全体が丸い形状から直線の形状へ遷移する点への深さを意味するものと理解される。丸い端は、代わりにチャネル幅がチャネルの底における幅に対して増加し始める流路壁に沿った点として記載されることができる。言い換えれば、丸い端のないチャネルは、チャネルの側壁に沿ってこのチャネルの側壁から研磨表面における終部まで、チャネルの底からチャネルの頂上まで、測定された均一の幅を有することができるであろう。丸い端を有する中央チャネルは、チャネルの底において測定されたチャネル幅(Wb)および研磨表面によって規定されたチャネルの頂上において測定されたチャネル幅(Wt)を有することができ、Wb<Wtであろう。例えば、丸い端を有するチャネルは、チャネルの底における80milに等しいチャネル幅、チャネル深さの底と頂上との間の半分を表す点における80milのチャネル幅、およびチャネルの頂上における100milのチャネル幅を有することができる。
【0076】
第1の領域中の第1の複数の同心の溝および第2の領域中の第2の複数の同心の溝を有する少なくとも2つの同心度の中心を有する本発明の研磨パッドの脈絡において、そうした研磨パッドは、典型的には、以下の条件:(a)第1の領域の少なくとも一部が、第2の領域の少なくとも一部と界面において突合すること、(b)第1の領域全部が、第2の領域と、界面において突合すること、(c)第1の領域が、第3の領域によって第2の領域からすべて分離されていること、および(d)第1の領域の少なくとも一部および第2の領域の少なくとも一部が、共通の中央チャネルと突合すること、の1つまたは2つ以上によって特徴付けられることができる。好ましい態様では、第1の領域はすべて、第2の領域と界面において突合し、そして第1の領域と第2の領域との間に位置する介在領域がない。
【0077】
本発明の研磨パッドは、(a)領域間の界面において突合する、および/または(b)介在領域にわたって、溝の任意の好適な配置を有することができる。例えば、(a)1つの領域が、界面において隣接した領域とすべて突合するかまたは部分的に突合する場合、または(b)1つの領域が介在領域によって隣接した領域から分離されている場合、1つの領域からの溝の少なくとも一部は、(a)界面においておよび/または(b)介在領域にわたって、隣接した領域の溝の少なくとも一部分と位置合わせされており、および/または重複していることができ、1つの領域からの溝は、(a)界面においておよび/または(b)介在領域にわたって、隣接した領域からの溝すべてと位置合わせされており、および/または重複していることができ、または1つの領域からの溝は1つも、(a)界面においておよび/または(b)介在領域にわたって、隣接した領域からの溝と位置合わせされておらず、および/または重複していないことができる。上記で規定したように、「位置合わせした」は、1つの領域からの溝の中心が、隣接した領域からの溝の中心と一致している(すなわち、位置合わせされている)ことを意味する。上記で規定したように、「重複する」とは、1つの領域からの溝の中心が、隣接した領域からの溝の中心と位置合わせされていないが;しかし、1つの領域からの溝の開口が、隣接した領域からの溝の開口とが重なることを意味する。1つの領域からの溝の少なくとも一部分が、別の領域からの溝と、位置合わせされているか、重複している場合、溝の10%以上、例えば、20%以上、30%以上、40%以上、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、90%以上、または100%は、位置合わせされ、そして/または重複しており、(a)界面におけるおよび/または(b)介在領域にわたり、溝の全数に対して配列され、そして/または重複した溝の数の比として測定される。
【0078】
研磨パッドが、少なくとも2つの突合する領域、すなわち、2つの領域の少なくとも一部が、界面において突合する第1の複数の同心の溝を含む第1の領域および第2の複数の同心の溝を含む第2の領域を有する場合、典型的には、以下の条件:(a)第1の複数の同心の溝中の溝の少なくとも1つが第2の複数の同心の溝中の溝の少なくとも1つと界面において、位置合わせされていること、(b)第1の複数の同心の溝中の溝が、第2の複数の同心の溝中の溝と界面において位置合わせされていること、および(c)第1の複数の同心の溝中の溝は、いずれも第2の複数の同心の溝中の溝と、界面において位置合わせされていないこと、の1つまたは2つ以上が満たされる。
【0079】
複数の溝中の各溝は、連続または不連続であることができる。本明細書中で使用される場合、「連続の」溝は、その領域(例えば、第1の領域または第2の領域)中の溝の全長に沿って≦0μmである深さを有する溝である。言い換えれば、連続の溝は、その領域中でその全長に沿って正の深さを有する。本明細書中で使用される場合、「不連続の」溝は、溝の深さが、その領域(例えば、第1のまたは第2の領域)中で0である、その長さに沿った少なくとも一部分を有する溝である。言い換えれば、不連続の溝は、その領域中でその長さに沿ったいくつかの点において、研磨表面と同一平面になる一部を有して、溝をその点において溝と考えることができない。研磨パッドの隣接した領域または端と合う点は、「連続」または「不連続」としての溝の分類の目的のためには、「不連続」と考えられない。言い換えれば、もし溝がそうでなければ、本明細書中で使用される「連続」の定義を満たすが、その領域の端または研磨パッドの端における溝の終端において終わり、そうした溝は、連続の溝と考えられるであろう。本発明の研磨パッド中の溝は、連続、不連続、またはそれらの組み合わせであることができる。いくつかの態様において、すべての溝は、連続であることができ、またはすべての溝は、不連続であることができる。他の態様において、溝の少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、または100%は、連続(または不連続)であることができ、研磨パッド中の溝の全数に対する連続(または不連続)である研磨パッド中の溝の全数の比として測定される。この点で、溝の数は以下のように合計される:実質的に異なる半径を有する領域中の溝の数を合計し、そして次に研磨パッド中のそれぞれの領域から溝の数を合計しそれによって溝のすべての全数を得る。連続または不連続の溝は、そこで計算されることができる。
【0080】
図1を参照すると、第1の複数の同心の溝104は、第2の複数の同心の溝105と交わらず、そして研磨パッドは、第1の複数の同心の溝104を含む第1の領域108および第2の複数の同心の溝105を含む第2の領域109を有し、第1の領域108は、第2の領域109に隣接している。第1の領域108は、第2の領域109と界面110において突合している。第1の複数の同心の溝104中の溝のいずれもが、第2の複数の同心の溝105中の溝と界面110において、位置合わせされていない。同心度の第1中心106および同心度の第2中心107の両方は、突合する領域108と109との間の界面110に位置する。図1中のすべての溝は連続である。
【0081】
図2を参照すると、第1の複数の同心の溝204は、第2の複数の同心の溝205と交わらず、そして研磨パッドは、第1の複数の同心の溝204を含む第1の領域208および第2の複数の同心の溝205を含む第2の領域209を有し、第1の領域208は、第2の領域209と隣接している。第1の領域208は、第2の領域209と、界面210において突合している。第1の複数の同心の溝204中の溝のいずれもが、第2の複数の同心の溝205中の溝と、界面210において、位置合わせされていない。同心度の第1中心206と同心度の第2中心207との両方は、突合する領域208と209との間の界面210に位置する。図2中のすべての溝は連続である。
【0082】
図3を参照すると、第1の複数の同心の溝304は、第2の複数の同心の溝305と交わらず、そして研磨パッドは、第1の複数の同心の溝304を含む第1の領域308、および第2の複数の同心の溝305を含む第2の領域309を有し、第1の領域308は、第2の領域309と隣接している。第1の領域308は、第2の領域309と、界面310において突合している。第1の複数の同心の溝304中の溝は、第2の複数の同心の溝305中の溝と界面310において、位置合わせされている。同心度の第1中心306は、第1の領域308の中に位置し、そして同心度の第2中心307は、第2の領域309の中に位置する。図3中のすべての溝は、連続である。
【0083】
図4を参照すると、第1の複数の同心の溝404は、第2の複数の同心の溝405と交わらず、そして研磨パッドは、第1の複数の同心の溝404を含む第1の領域408および第2の複数の同心の溝405を含む第2の領域409を有し、第1の領域408は、第2の領域409と隣接している。第1の領域408は、第2の領域409と界面410において突合している。第1の複数の同心の溝404中の溝は、第2の複数の同心の溝405中の溝と界面410において、位置合わせされている。同心度の第1中心406は、第2の領域409の中に位置し、そして同心度の第2中心407は、第1の領域408の中に位置する。図4中のすべての溝は、連続である。
【0084】
複数の溝中の各溝は、任意の好適な部分的な(proportional)弧の長さを有することができる。溝がその同心度の中心を中心として閉じた弧を完成する場合、溝の部分的な弧の長さは、溝の全弧長に対する溝の実際の弧の長さの比として本明細書中において規定される。実際の弧の長さは、溝の1つの終端から溝の他の終端への長さを含み、(溝がたまたま不連続の溝である場合)存在できる任意の不連続を含む。全弧長は(溝がたまたま不連続の溝である場合)存在できる任意の不連続をまた含む。実際の弧の長さおよび全弧長は、実質的に一定の半径(例えば円溝)を有するそれぞれの溝のために最も容易に計算できるが;しかし、実質的に一定の半径(例えば、楕円形の溝)を有さない溝の実際の長さおよび全弧長は、当業者が認識するであろうように、また容易に計算できる。同心度の中心を中心として閉じた弧を完成する溝は、100%の部分的な弧の長さを有する。部分的な弧の長さは、10%以上、例えば、15%以上、20%以上、25%以上、30%以上、35%以上、40%以上、45%以上、50%以上、55%以上、60%以上、65%以上、70%以上、75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、または95%以上であることができる。代わりに、またはさらに、部分的な弧の長さは、95%以下、例えば、90%以下、85%以下、80%以下、75%以下、70%以下、65%以下、60%以下、55%以下、50%以下、45%以下、40%以下、35%以下、30%以下、25%以下、20%以下、または15%以下であることができる。したがって、溝の部分的な弧の長さは、上記の終点の任意の2つを両端とする範囲内であることができる。例えば、部分的な弧の長さは、25%〜85%、35%〜50%、または30%〜95%であることができる。好ましくは、部分的な弧の長さは、30%以上である。
【0085】
典型的には、複数の溝中の溝の大部分は、上記で規定したような、部分的な弧の長さを有する。例えば、複数の溝中の溝の50%以上、例えば、55%以上、60%以上、65%以上、70%以上、75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、または100%は、上記で規定したような、部分的な弧の長さを有する。部分的な弧の長さを有する溝の数は、領域中における実質的に異なる半径を有する溝の数を合計し、そして次に研磨パッド中のそれぞれの領域の溝の数を合計し、それによって溝全体の全数を得ることによって計算される。次に、部分的な弧の長さを有する溝の比は、上記で規定したように計算されることができる。好ましくは、複数の溝中の溝の80%以上は、30%以上の部分的な弧の長さを有する。
【0086】
複数の溝中の各溝は、任意の好適な中心角を有することができる。溝の中心角は、(研磨パッドの溝または端を含む領域の端において終了する)溝の2つの終端と、同心度の中心(これを中心として溝が同心であり、同心度の中心が角度の中心である)と、の間で形成される角度と本明細書中において規定される。中心角は、問題の溝と面する同心度の中心の側部に対して測定される(例えば、この概念を理解するために、下記の図3の記載を参照のこと)。同心度の中心を中心として閉じた弧を完成する溝は、360°の中心角を有する。例えば、中心角は、10°以上、例えば、20°以上、30°以上、40°以上、50°以上、60°以上、70°以上、80°以上、90°以上、100°以上、110°以上、120°以上、130°以上、140°以上、150°以上、160°以上、170°以上、180°以上、190°以上、200°以上、210°以上、220°以上、230°以上、240°以上、250°以上、260°以上、270°以上、280°以上、290°以上、300°以上、310°以上、320°以上、330°以上、340°以上、350°以上、または360°である。代わりに、またはさらに、中心角は、360°以下、例えば、350°以下、340°以下、330°以下、320°以下、310°以下、300°以下、290°以下、280°以下、270°以下、260°以下、250°以下、240°以下、230°以下、220°以下、210°以下、200°以下、190°以下、180°以下、170°以下、160°以下、150°以下、140°以下、130°以下、120°以下、110°以下、100°以下、90°以下、80°以下、70°以下、60°以下、50°以下、40°以下、30°以下、または20°以下である。したがって、中心角は、上記の終点の任意の2つを両端とする範囲内であることができる。例えば、中心角は、90°〜300°、70°〜180°、または170°〜210°であることができる。好ましい態様では、中心角は、170°〜190°(例えば、180°)である。
【0087】
典型的には、複数の溝中の溝の大部分は、上記で規定したように中心角を有する。例えば、複数の溝中の溝の50%以上、例えば、55%以上、60%以上、65%以上、70%以上、75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、または100%は、上記で規定したように中心角を有する。上記で規定したように中心角を有する溝の数は、領域中の実質的に異なる半径を有する溝の数を合計し、そして次に研磨パッド中のそれぞれの領域の溝の数を合計し、それによって溝のすべての全数を得ることによって計算される。中心角を有する溝の比率は、次に上記で規定したように計算できる。好ましくは、複数の溝中の溝の80%以上は、180°以上の中心角を有する。
【0088】
部分的な弧の長さおよび中心角に関する図1〜4の下記の記載は、部分的な弧の長さおよび中心角の特徴をより理解するために、具体的に説明する目的のみである。しかし、図1〜4のこれらの記載は、このように図1〜4中で表された寸法および比が本発明の研磨パッドの寸法および比の代表的なものであることを意味すると理解すべきでない。
【0089】
図1を参照すると、同心度の第1中心106を中心として同心でありかつ同心度の第1中心106に最も近い第1の複数の同心の溝104中の第1の溝は、(もし溝が同心度の中心を中心として閉じた弧を完成する場合、実際の弧の長さを全弧長で割った)50%の部分的な弧の長さを有する。この第1の溝はまた、180°の中心角を有する。同心度の第1中心106に最も近い第1の複数の同心の溝104中の次の10の溝はまた、50%の部分的な弧の長さおよび180°の中心角を有する。第2の複数の同心の溝105中の溝は同様に特徴付けることができる。これに関して、図1の研磨パッド中の複数の溝中の溝の大部分(例えば、50%以上)は、50%の部分的な弧の長さおよび180°の中心角を有する。
【0090】
図2を参照すると、同心度の第1中心206を中心として同心でありかつ同心度の第1中心206に最も近い第1の複数の同心の溝204中の第1の溝は、50%の部分的な弧の長さを有する。この第1の溝はまた、180°の中心角を有する。同心度の第1中心206に最も近い第1の複数の同心の溝204中の次の10の溝はまた、50%の部分的な弧の長さおよび180°の中心角を有する。第2の複数の同心の溝205中の溝は同様に特徴付けることができる。これに関して、図2の研磨パッド中の複数の溝中の溝の大部分(例えば、50%以上)は、50%の部分的な弧の長さおよび180°の中心角を有する。
【0091】
図3を参照すると、同心度の第1中心306を中心として同心でありかつ同心度の第1中心306に最も近い第1の複数の同心の溝304中の第1の溝は、100%の部分的な弧の長さおよび360°の中心角を有する。同心度の第1中心306に最も近い第1の複数の同心の溝304中の次の10の溝はまた、75%以上の部分的な弧の長さおよび300°以上の中心角を有する。第2の複数の同心の溝305中の溝は同様に特徴付けることができる。これに関して、図3の研磨パッド中の複数の溝中の溝の大部分(例えば、50%以上)は、75%以上の部分的な弧の長さおよび300°以上の中心角を有する。
【0092】
図4を参照すると、第1の複数の同心の溝404および第2の複数の同心の溝405中の溝の大部分(例えば、50%以上)は、30%以上の部分的な弧の長さおよび100°以上の中心角を有する。
【0093】
同心度の中心は、研磨パッドの任意の好適なエリア中に位置することができる。同心度の中心の場所を可視化する1つの有用な方法は、研磨表面に重ね合わせられた仮想のx軸および仮想のy軸に対して場所を記載することであり、仮想のx軸および仮想のy軸は、研磨パッドの対称軸において、直角で交差する。もちろん、仮想のx軸および仮想のy軸は、任意の好適な様式で研磨表面上に重ね合わせられることができ、そして任意の好適な点において研磨表面上で交差することができ、同心度の中心の場所等の研磨パッドの特徴の場所を理解することを促進する。例えば、仮想のx軸および仮想のy軸は、回転軸、幾何学的中心、または研磨表面上に任意の点において交差できる。さらに、仮想のx軸および仮想のy軸は、研磨パッド上に場所において交差でき、この場所は、研磨パッドの回転軸から測定して研磨パッドの半径Rの比として規定される。これに関して、仮想のx軸および仮想のy軸の交差の場所は、0.05R、0.1R、0.15R、0.2R、0.25R、0.3R、0.35R、0.4R、0.45R、0.5R、0.55R、0.6R、0.65R、0.7R、0.75R、0.8R、0.85R、0.9R、0.95R、または1Rであることができる。研磨パッドの特徴の場所は、仮想のx軸および仮想のy軸を参照する以下:x=0、x≧0、x≦0、y=0、y≧0、およびy≦0のxおよびy座標の任意の好適な組み合わせを含むことができる。2つの突合する領域の間の界面は、2つの領域が相互に突合する結果としてのみ形成されるので、界面は、上記で規定したように、両方の突合する領域の一部と理解できる。この点で、2つの領域がy=0において突合する場合、1つの領域は、y≧0に位置し、かつ他の領域は、y≦0に位置する。しかし、同心度の中心等の研磨パッドの具体的特徴が記載される場合、所与の領域または界面中にある特徴の場所間の区別をして、場所を明確にしようとする試みが本明細書中でなされる。仮想のx軸および仮想のy軸に関する同心度の中心の場所は、2つの同心度の中心(例えば、同心度の第1中心および同心度の第2中心)を有する研磨パッドに関して本明細書中に記載されたが、この記載は、研磨表面上に存在できる任意の数の同心度の中心に等しく適用可能である。
【0094】
本発明のいくつかの態様において、仮想のx軸および仮想のy軸が研磨表面の平面中の研磨表面上に重ね合わせられ、x軸およびy軸が対称軸において直角で交差している場合、以下の条件:(a)同心度の第1中心が、座標(x>0、y≧0)に位置すること、(b)第1の領域が、y≧0に位置すること、および(c)第2の領域が、y≦0に位置すること、が典型的には満たされる。
【0095】
本発明の他の態様において、仮想のx軸および仮想のy軸が、研磨表面の平面中の研磨表面上に重ね合わされ、x軸およびy軸が、対称軸において直角で交差する場合、以下の条件:(a)同心度の第1中心が、座標(x<0、y≧0)に位置すること、(b)第1の領域が、y≧0に位置すること、および(c)第2の領域が、y≦0に位置すること、が典型的には満たされる。
【0096】
本発明のいくつかの態様において、仮想のx軸および仮想のy軸が、研磨表面の平面中の研磨表面上に重ね合わされ、(i)x軸およびy軸が、対称軸において直角で交差し、(ii)同心度の第1中心が、座標(x>0、y≧0)に位置し、そして(iii)同心度の第1中心が、界面または第1の領域中に位置する場合、以下の条件:(a)第1の複数の同心の溝が、+y方向に同心度の第1中心から出ること、(b)第2の複数の同心の溝が、−y方向に同心度の第2中心から出ること、および(c)複数の溝が研磨表面の平面内で無限に延長されている場合、第1の複数の同心の溝は、研磨表面に垂直の鏡面によって第2の複数の同心の溝と対称でないこと、が満たされる。
【0097】
本発明の他の態様において、仮想のx軸および仮想のy軸が、研磨表面の平面中の研磨表面上に重ね合わされて(i)x軸およびy軸が、対称軸において直角で交差し、(ii)同心度の第1中心が、座標(x<0、y≧0)に位置し、そして(iii)同心度の第1中心が、界面または第1の領域中に位置する場合、以下の条件:(a)第1の複数の同心の溝が、+y方向に同心度の第1中心から出ること、(b)第2の複数の同心の溝が、−y方向に同心度の第2中心から出ること、および(c)複数の溝が研磨表面の平面内で無限に延長されている場合、第1の複数の同心の溝は、研磨表面に垂直の鏡面によって第2の複数の同心の溝と対称でないこと、が典型的には満たされる。
【0098】
溝が出る方向は、問題となっているすべての溝(例えば、所与の両域中のすべての溝)を組み合わせた長さを合計し、そして所与の方向に出る組み合わせられた長さの比を決定することによって決定される。溝に沿った所与の点における溝が出る方向は、溝に沿った所与の点における接線に垂直な直線の方向によって決定される。もし問題となっている溝の大部分(例えば、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、または100%)が所与の方向に出ている場合、問題となっている溝は、所与の方向に出ているといわれる。溝が同心度の中心を中心として弧を完成している場合、溝は、任意の具体的方向に出ていると考えられず(すなわち、方向が相殺される)、したがってこのタイプ溝は、所与の組の溝が出る方向を決定する上でカウントされない。単純のために、溝は、(a)+y方向もしくは−y方向、または(b)+x方向もしくは−x方向のいずれかに出るとして典型的には記載されるが、典型的には確かに(a)+y方向または−y方向に出る溝がまた、(b)+x方向および/または−x方向に出ることができる。この点で、本発明の研磨パッドの溝は、本発明の研磨パッドを記載するために、任意の好適な組み合わせで、記述子+y、−y、+x、および/または−xを組み合わせた方向に出ることができるとして記載されることができる。
【0099】
図1を参照すると、仮想のx軸および仮想のy軸が、研磨表面100の平面中の研磨表面100上に重ね合わせられてx軸およびy軸が、対称軸103において直角で交差する場合、以下の条件:(a)同心度の第1中心106が、界面110において座標(x>0、y=0)に位置すること、(b)同心度の第2中心107が、界面110において座標(x<0、y=0)に位置すること、(c)第1の領域108が、y≧0に位置すること、(d)第2の領域109が、y≦0に位置すること、(e)第1の複数の同心の溝104が、同心度の第1中心106から+y方向に出ること、(f)第2の複数の同心の溝105が、同心度の第1中心107から−y方向に出ること、および(g)複数の溝が研磨表面100の平面内で無限に延長されている場合、第1の複数の同心の溝104が、研磨表面100に垂直の鏡面によって第2の複数の同心の溝105と対称でないこと、が満たされる。
【0100】
図2を参照すると、仮想のx軸および仮想のy軸が、研磨表面200の平面中の研磨表面200上に重ね合わせられてx軸およびy軸が、対称軸203において直角で交差する場合、以下の条件:(a)同心度の第1中心206が、界面210において座標(x<0、y=0)に位置すること、(b)同心度の第2中心207が、界面210において座標(x>0、y=0)に位置すること、(c)第1の領域208が、y≧0に位置すること、(d)第2の領域209が、y≦0に位置すること、(e)第1の複数の同心の溝204が、同心度の第1中心206から+y方向に出ること、(f)第2の複数の同心の溝205が、同心度の第1中心207から−y方向に出ること、および(g)複数の溝が研磨表面200の平面内で無限に延長されている場合、第1の複数の同心の溝204が、研磨表面200に垂直の鏡面によって第2の複数の同心の溝205と対称でないこと、が満たされる。
【0101】
図3を参照すると、仮想のx軸および仮想のy軸が、研磨表面300の平面中の研磨表面300上に重ね合わせられてx軸およびy軸が、対称軸303において直角で交差する場合、以下の条件:(a)同心度の第1中心306が、座標(x>0、y=0)に位置すること、(b)同心度の第2中心307が、座標(x<0、y=0)に位置すること、(c)第1の領域308が、x≧0に位置すること、(d)第2の領域309が、x≦0位置すること、(e)第1の複数の同心の溝304が、同心度の第1中心306から+y方向に出ること、および(f)第2の複数の同心の溝305が、同心度の第2中心307から−y方向に出ること、が満たされる。
【0102】
図4を参照すると、仮想のx軸および仮想のy軸が、研磨表面400の平面中の研磨表面400上に重ね合わせられてx軸およびy軸が、対称軸403において直角で交差する場合、以下の条件:(a)同心度の第1中心406が、座標(x<0、y=0)に位置すること、(b)同心度の第2中心407が、座標(x>0、y=0)に位置すること、(c)第1の領域408が、x≧0に位置すること、(d)第2の領域409が、x≦0位置すること、(e)第1の複数の同心の溝404が、同心度の第1中心406から+y方向に出ること、および(f)第2の複数の同心の溝405が、同心度の第2中心407から−y方向に出ること、が満たされる。
【0103】
複数の溝は、連続のらせん溝を含まず、これから本質的にならず、またはこれからならない。本発明によって包含されないタイプの連続のらせん溝のパターンは、Deopuraらの米国特許第7、377、840号明細書(参照により本明細書中にそのすべてを取り込む)に記載されている。
【0104】
研磨表面は、モザイクの溝パターンを含まず、これから本質的にならず、またはこれからならない。本発明によって包含されないタイプのモザイクのらせん溝のパターンは、Rentelnの米国特許7、252、582号明細書(参照により本明細書中にそのすべてを取り込む)に記載されている。
【0105】
本発明の研磨パッドは、任意の好適な材料を含み、これから本質的になり、またはこれからなることができる。材料は、任意の好適なポリマーおよび/またはポリマー樹脂であることができる。例えば、研磨パッドは、エラストマー、ポリウレタン、ポリオレフィン、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、ナイロン、エラストマーのゴム、スチレン性ポリマー、多環芳香族、フルオロポリマー、ポリイミド、架橋したポリウレタン、架橋したポリオレフィン、ポリエーテル、ポリエステル、ポリアクリレート、エラストマーのポリエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレンテトラフタレート、ポリアラミド、ポリアリレン、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、これらのコポリマーおよびブロックコポリマー、およびこれらの混合物およびブレンドを含むことができる。ポリマーおよび/またはポリマー樹脂は、熱硬化性または熱可塑性ポリマーおよび/またはポリマー樹脂であることができる。熱可塑性ポリウレタン等の熱可塑性ポリマーを含む研磨パッドは、通常、熱硬化性ポリマーを含む研磨パッドを用いて研磨された基材より少ない欠陥を有する研磨された基材となる。しかし、熱可塑性ポリマーからなる研磨パッドは、通常、熱硬化性ポリマーからなる同等な研磨パッドより低い研磨速度を示し、より低い研磨速度は、研磨プロセスと関連する時間およびコストに逆に影響する場合がある。好ましくは、材料は、熱可塑性ポリウレタン(例えば、Cabot Microelectronics Corporationから入手可能であるEPIC D100(商標))を含む。好適な研磨パッド材料、および研磨パッド材料の好適な特性は、Prasadの米国特許第6、896、593号明細書(参照により本明細書中にそのすべてを取り込む)に記載されている。
【0106】
本発明の研磨パッドは、当該技術分野で知られている任意の好適な方法によって生産されることができる。例えば、研磨パッドは、フィルムまたはシート押し出し、射出成形、ブロー成形、熱成形、圧縮成形、共押し出し成形、反応射出成形、プロファイル押し出し成形、回転成形、ガス射出成形、フィルムインサート成形、フォーミング、キャスティング、圧縮、またはそれらいずれかの組み合わせによって生成されることができる。研磨パッドが、例えば、熱可塑性材料(例えば、熱可塑性ポリウレタン)でできている場合、熱可塑性材料は、流動し、そして例えば、キャスティングまたは押し出しによって所望の形に形成される温度に加熱されることができる。
【0107】
複数の溝は、当該技術分野で知られている任意の好適な様式で本発明の研磨パッド中で形成されることができる。例えば、複数の溝は、成形、機械切断、レーザー切断、およびそれらの組み合わせによって形成されることができる。溝は、研磨パッドの製造として同時に成形されることができ、または研磨パッドは、最初に加工され、そして次に(a)研磨表面を形成するように、研磨パッドの表面上に成形された溝のパターンを作るか、または(b)任意の好適な手段によって別個の層中に形成された溝のパターンを作り、次に別個の層が任意の好適な手段によって研磨パッドの表面に貼り付けられて研磨表面を形成するかのいずれかであることができる。溝が機械切断またはレーザー切断によって形成される場合、研磨パッドは、典型的には最初に形成され、そして次に切削工具またはレーザーツールが、それぞれ、研磨パッドの研磨表面中に所望の形の溝を製造する。好適な溝の技術は、例えば、Nauglerらの米国特許第7、234、224号明細書(参照により本明細書中にそのすべてを取り込む)に記載されている。
【0108】
本発明の研磨パッドは、in situ終点検出(EPD)システムによって研磨の進行を監視するために、光が透過する光伝送領域を含むことができ、例えば、所望の度合いの平坦化が達成された時を決定できる。光伝送領域は、典型的には光に透明性を有する開口または窓の形態であり、光がEPDシステムによって検出される光伝送領域を通して通過することを可能にする。本発明の研磨パッドと使用できる好適な光伝送領域は、Benvegnuらの米国特許第7、614、933号明細書(参照により本明細書中にそのすべてを取り込む)に記載されている。複数の溝は、製造方法および研磨パッドおよび/または光伝送領域の所望の特性によって、光伝送領域の表面上に提供されることができるか、またはできない。
【0109】
本発明の研磨パッドは、当該技術分野で知られている任意の好適な溝のパターンと組み合わせた本明細書中に記載された複数の溝を含むことができる。例えば、本発明の溝のパターンは、1つまたは複数のx軸の溝、1つまたは複数のy軸の溝、回転軸を中心として同心の溝、研磨パッドの回転軸においてまたは近くで交差し、そして(ピザ状の溝パターンを形成するように)研磨パッドの端において出る溝、およびそれらの組み合わせを用いて組み合わせられることができる。
【0110】
本発明はまた、基材を化学的機械的に研磨する方法を提供し、この方法本明細書中に記載された本発明の研磨パッドと化学的機械的研磨組成物とを接触させることと、(b)それらの間の化学的機械的研磨組成物を有する基材に対して研磨パッドを動かすことと、および(c)基材を磨くために基材の少なくとも一部分を摩耗させることと、を含むか、これらから本質的になるか、またはこれらからなる。
【0111】
本発明の研磨パッドを用いた場合、本明細書中に記載された複数の溝を含まないことを除いて同一の研磨パッドを用いた場合と比較して、基材の除去速度(すなわち、研磨速度)はより高い。いくつかの状況では、本発明の研磨パッドを用いた除去速度は、(研磨パッドが研磨パッドの回転軸と一致する対称軸を中心として同心の複数の溝を含む)同心の溝のパターンを有する研磨パッド、または溝のパターンを少しも有さない研磨パッドと比較される。典型的には、比較研磨パッドの材料は、本発明の研磨パッドを構成する材料と同じである。より高い除去速度は、本発明の研磨パッドを用いた場合の除去速度を、本明細書中に記載されたような複数の溝を含まないことを除き同一の研磨パッドを用いた場合除去速度によって割ることによって計算される相対的除去速度として表すことができる。例えば、本発明の研磨パッドを用いた場合、相対的な除去速度は、1.02以上、例えば、1.04以上、1.06以上、1.08以上、1.1以上、1.12以上、1.14以上、1.16以上、1.18以上、1.2以上、1.22以上、1.24以上、1.26以上、1.28以上、1.3以上、1.32以上、1.34以上、1.36以上、1.38以上、1.4以上、1.42以上、1.44以上、1.46以上、1.48以上、1.5以上、1.55以上、1.6以上、1.65以上、1.7以上、1.75以上、1.8以上、1.85以上、1.9以上、1.95以上、2以上、2.2以上、2.4以上、2.6以上、2.8以上、3以上、3.5以上、4以上、4.5以上、または5以上である。代わりに、またはさらに、相対的な除去速度は、5以下、例えば、4.5以下、4以下、3.5以下、3以下、2.8以下、2.6以下、2.4以下、2.2以下、2以下、1.95以下、1.9以下、1.85以下、1.8以下、1.75以下、1.7以下、1.65以下、1.6以下、1.55以下、1.5以下、1.48以下、1.46以下、1.44以下、1.42以下、1.4以下、1.38以下、1.36以下、1.34以下、1.32以下、1.3以下、1.28以下、1.26以下、1.24以下、1.22以下、1.2以下、1.18以下、1.16以下、1.14以下、1.12以下、1.1以下、1.08以下、1.06以下、1.04以下、または1.02以下である。したがって、相対的な除去速度は、上記の終点の任意の2つを両端とする範囲内であることができる。例えば、相対的な除去速度は、1.06〜1.3、1.75〜2、または3〜5であることができる。
【0112】
任意の好適な流量のスラリーを、この方法において用いることができる。より低いスラリー流量は、典型的にはより低い研磨速度となるであろうし、そしてより高いスラリー流量は、典型的にはより高い研磨速度となるであろう。例えば、流量は、50mL/分以上、例えば、60mL/分以上、70mL/分以上、80mL/分以上、90mL/分以上、100mL/分以上、110mL/分以上、120mL/分以上、130mL/分以上、140mL/分以上、または150mL/分以上であることができる。代わりに、またはさらに、スラリー流量は、160mL/分以下、例えば、150mL/分以下、140mL/分以下、130mL/分以下、120mL/分以下、110mL/分以下、100mL/分以下、90mL/分以下、80mL/分以下、70mL/分以下、または60mL/分以下であることができる。したがって、スラリー流量は、上記の終点の任意の2つを両端とする範囲内であることができる。例えば、スラリー流量は、60mL/分〜140mL/分、50mL/分〜120mL/分、または100mL/分〜110mL/分であることができる。好ましくは、スラリー流量は、90mL/分〜120mL/分である。研磨プロセスにおいて本発明の研磨パッドを用いた場合、研磨速度は最小限に影響されるか、または、流量が25%減少した場合(例えば、本明細書中の例を参照のこと)また増加したことが驚いたことに見出された。なんらかの理論に拘束されることを望まないが、本発明の研磨パッドは、通常溝の研磨パッドよりより長い時間の間研磨スラリーを保持することができ、それによって類似の研磨速度を得るために、本発明の研磨パッドのためにより低いスラリーの流れ要求を生じると考えられる。
【0113】
任意の好適な基材または基材材料をこの方法において用いることができる。例えば、基材は、記憶貯蔵機器、半導体基材、およびガラス基材を含む。この方法に用いるのに好適な基材は、メモリーディスク、剛体ディスク(rigid disk)、磁気ヘッド、MEMS機器、半導体ウェハー、フィールドエミッションディスプレイ、および他のマイクロエレクトロニクス基材、特に絶縁層(例えば、二酸化ケイ素、窒化ケイ素、または低誘電体材料)および/または金属含有層(例えば、銅、タンタル、タングステン、アルミニウム、ニッケル、チタン、白金、ルテニウム、ロジウム、イリジウムまたは他の貴金属)を含む基材を含む。好ましくは基材は、タングステンを含む。
【0114】
この方法は、任意の好適な研磨組成物を利用することができる。研磨組成物は、典型的には、水性キャリアー、pH調整剤、および任意選択的に研削剤を含む。研磨される加工対象物のタイプによって研磨組成物は、任意選択的に、さらに、酸化剤、有機または無機酸、錯化剤、pHバッファー、界面活性剤、腐食防止剤、泡消し剤、およびその同類のものを含むことができる。基材がタングステンからなる場合、好ましい研磨組成物は、研削剤としてのコロイド的に安定なフュームドシリカ、酸化剤としての過酸化水素、および水(例えば、Cabot Microelectronics Corporationから入手可能であるスラリーSEMI−SPERSE W2000(商標))を含む。
【0115】
本発明の研磨パッドは、この方法の中において任意の好適な方向に回転させられることができる。例えば、研磨表面に垂直な方向から研磨パッドの研磨表面を見た場合、研磨パッドは、時計回り方向または反時計回り方向に回転させられることができる。本発明の研磨パッドにおいて、複数の溝が研磨表面の平面内で無限に延長されており、および複数の溝が、研磨表面に垂直な鏡面によって対称である場合、研磨パッドは、典型的には時計回り方向または反時計回り方向のいずれかに回転でき、そして類似のまたは同じ研磨結果が、典型的には達成されるであろう(例えば、類似のまたは同じ研磨速度、スラリー分布、くず除去等)。言い換えれば、研磨パッドが研磨表面に垂直なそうした鏡面を含む場合、研磨パッドは、典型的には、研磨結果になんらかの大幅な影響を有することなく、任意の方向に回転させられることができる。しかし、研磨パッドが研磨表面に垂直なそうした鏡面を含まない場合、回転方向は、典型的には研磨結果に影響を有する。
【0116】
この点で、以下の基準に適合する研磨パッドは、典型的には、研磨表面に垂直な方向から研磨表面を見た場合に時計回り方向の方法において回転させられるであろう:本発明の研磨パッドにおいて、仮想のx軸および仮想のy軸が、研磨表面の平面中の研磨表面上に重ね合わされて、x軸およびy軸が、対称軸において直角で交差する場合、以下の条件:(a)同心度の第1中心が、座標(x>0、y≧0)に位置すること、(b)第1の領域が、y≧0に位置すること、および(c)第2の領域が、y≦0に位置すること、が満たされる。いくつかの態様において、しかし、反時計回り方向に研磨パッドを回転させることは好ましいことができる。
【0117】
さらに、以下の基準に適合する研磨パッドは、典型的には、研磨表面に垂直な方向から研磨表面を見た場合に時計回り方向の方法において回転させられるであろう:本発明の研磨パッドにおいて、仮想のx軸および仮想のy軸が、研磨表面の平面中の研磨表面上に重ね合わされて、(i)x軸およびy軸が、対称軸において直角で交差し、(ii)同心度の第1中心が座標(x>0、y≧0)、に位置し、および(iii)同心度の第1中心が、界面または第1の領域中に位置する場合、以下の条件:(a)第1の複数の同心の溝が、+y方向に同心度の第1中心から出ること、(b)第2の複数の同心の溝が、−y方向に同心度の第2中心から出ること、および(c)複数の溝が研磨表面の平面内で無限に延長されている場合、第1の複数の同心の溝は、研磨表面に垂直の鏡面によって第2の複数の同心の溝と対称でないこと、が満たされる。いくつかの態様において、しかし、反時計回り方向に研磨パッドを回転させることは好ましいことができる。
【0118】
代わりに、以下の基準に適合する研磨パッドは、典型的には、研磨表面に垂直な方向から研磨表面を見た場合に反時計回り方向の方法において回転させられるであろう:本発明の研磨パッドにおいて、仮想のx軸および仮想のy軸が、研磨表面の平面中の研磨表面上に重ね合わされて、x軸およびy軸が、対称軸において直角で交差する場合、以下の条件:(a)同心度の第1中心が、座標(x<0、y≧0)に位置すること、(b)第1の領域が、y≧0に位置すること、および(c)第2の領域が、y≦0に位置すること、が満たされる。いくつかの態様において、しかし、時計回り方向に研磨パッドを回転させることは好ましいことができる。
【0119】
さらに、以下の基準に適合する研磨パッドは典型的には、研磨表面に垂直な方向から研磨表面を見た場合に反時計回り方向の方法において回転させられるであろう:本発明の研磨パッドにおいて、仮想のx軸および仮想のy軸が、研磨表面の平面中の研磨表面上に重ね合わされて(i)x軸およびy軸が、対称軸において直角で交差し、(ii)同心度の第1中心が、座標(x<0、y≧0)に位置し、および(iii)同心度の第1中心が、界面または第1の領域中に位置する場合、以下の条件:(a)第1の複数の同心の溝が、+y方向に同心度の第1中心から出ること、(b)第2の複数の同心の溝が、−y方向に同心度の第2中心から出ること、および(c)複数の溝が研磨表面の平面内で無限に延長されている場合、第1の複数の同心の溝は、研磨表面に垂直の鏡面によって第2の複数の同心の溝と対称でないこと、が満たされる。いくつかの態様において、しかし、時計回り方向に研磨パッドを回転させることは好ましいことができる。
【0120】
図1中に記載された研磨パッドは、典型的には、研磨表面に垂直な方向から研磨表面を見た場合に、時計回り方向に回転させられるであろう。図2中に記載された研磨は、典型的には、研磨表面に垂直な方向から研磨表面を見た場合に、反時計回り方向に回転させられるであろう。図3および4中に記載された研磨パッドは、典型的には、時計回り方向または反時計回り方向のいずれかに回転させられることができる。
【0121】
本明細書中に記載された特徴を有する研磨パッドは、研磨プロセスにおいて用いられた場合に、従来の溝のパターンを含む研磨パッドを用いた場合に得られる効果と比較して、種々の好都合効果を有する。従来の溝のパターンは、例えば、同心の溝(研磨パッドの回転軸と一致する対称軸を中心として同心である溝)、XY溝(1つのx軸溝および複数のY軸溝からなる溝)、および同心の+XY(「同心の」溝と同じ研磨パッド上に重ね合わせられた「XY」溝とからなる溝)を含む。研磨プロセスにおいて本発明の研磨パッドを用いることと関連する好都合な効果は、増加した研磨速度、より長いスラリー保持時間、研磨パッドへの改善されたスラリー分布、および研磨の間に検索されたくず材料を除去ずる改善された能力を含む。本明細書中に記載された本発明の研磨パッドを使用して生成される研磨された基材は、優れた平面度および少ない欠陥を有し、本発明の研磨パッドを種々の用途のための研磨された基材を生成するように設計されたCMP工程における使用に好適にする。
【0122】
以下の例は、さらに本発明を具体的に示すが、もちろん、その範囲はいかなる様式においても限定されると理解すべきでない。
【実施例】
【0123】
この例は、研磨プロセスにおいて本発明の研磨パッドを使用した場合に、研磨プロセスにおいて従来の研磨パッドと比較して、得られた改善された研磨速度を示す。この例はまた、本発明の研磨パッドを使用した場合に、スラリー流量が減少した際に、研磨速度が驚いたことにほぼ同じであるか増加することをまた示す。さらに、この例は、研磨プロセスにおいてある本発明の研磨パッドを使用する場合、回転方向が研磨速度への効果を有することを示す。
【0124】
この例において、化学的機械的研磨をApplied Materialsから入手可能である200mmのMirra研摩工具を使用し、以下の工程条件を使用して行った:29kPaの膜(membrane)の圧力、45kPaの内側管(inner tube)の圧力、52kPaの保持リング(retaining ring)の圧力、113回転/分(回転/分)のプラテン速度、111回転/分のヘッド速度、および60秒の研磨時間。化学的機械的研磨スラリーは、研削剤としてのコロイド的に安定なフュームドシリカ、酸化剤としての過酸化水素、および水(例えば、Cabot Microelectronics Corporationから入手可能であるスラリーSEMI−SPERSE W2000(商標))を含んでいた。基材は、タングステンのブランケット層からなる。研磨パッドは、研磨表面に垂直な方向から研磨パッドの研磨表面を見た場合に、研磨プロセスにおいて時計回り方向に回転させられた。
【0125】
すべての研磨パッドは、熱可塑性ポリウレタン(例えば、Cabot Microelectronics Corporationから入手可能であるEPIC D100(商標))からなり、そしてすべての研磨パッドは、複数の溝を含んでいた。複数の溝中の各溝は、760μm(すなわち、30mils)の深さ、500μm(すなわち、20mils)の幅を有し、そしてそれぞれの溝は、2030μm(すなわち、80mils)のピッチによって隣接した溝から分離されていた。溝のパターンは、従来の機械切断技術によって研磨パッド中に形成された。この例における研磨パッドは、研磨表面上の溝の配置(すなわち、溝のパターン)に関してのみ異なっていた。対照の研磨パッドは、対照の研磨パッドの回転軸を中心として同心である複数の溝を含んでいた。本発明の研磨パッド1〜4は、それぞれ、図1〜4に記載した溝のパターンを含んでいた。図1〜4は、本発明の溝のパターンを理解することを促進するように、この例における本発明の研磨パッドの溝のパターンのタイプを具体的に説明する目的のみであるが;しかし、図1〜4中で表された寸法および比は、必ずしも本発明の研磨パッド実際の寸法および比の代表的なものでない。
【0126】
対照の研磨パッドおよび発明の研磨パッド1〜4は、120mL/分のスラリー流量および90mL/分のスラリー流量を使用した研磨プロセス中において用いられた。対照の研磨パッドを使用してそれぞれのスラリー流量において研磨プロセスを8回行い、そしてそれぞれのスラリー流量での8つの研磨結果を平均した。それぞれのスラリー流量においてそれぞれの本発明の研磨パッド1〜4で3回研磨プロセスを行い、そしてそれぞれのスラリー流量での本発明の研磨パッド1〜4のそれぞれの3つの研磨結果を平均した。絶対および相対的除去速度を表1中に報告し、そしてまた図7中に図式で記載した。
【表1】
【0127】
表1および図7中の具体的に説明したように、本発明の研磨パッド1〜4が研磨プロセスにおいて用いられた場合、対照の研磨パッドがプロセス中において用いられた場合の除去速度と比較して、除去速度はより高かった。さらに、対照の研磨パッドが用いられた場合、スラリー流量120mL/分〜90mL/分から低下した場合に、除去速度は予想通りに低下した。対照的に、本発明の研磨パッド1〜4用いられた場合、120mL/分〜90mL/分からのスラリー流量の低下では、除去速度(本発明の研磨パッド2および4を参照のこと)への影響はほとんどないか、または除去速度は驚くほど増加した(本発明の研磨パッド1および3を参照のこと)、これは、対照の研磨パッドより1〜4倍長い時間本発明の研磨パッドの研磨表面にスラリーが保持されることを示す。さらに、本発明の研磨パッド1を使用した場合の除去速度は、その鏡像(すなわち、本発明の研磨パッド2)が用いられた場合より著しくより高く、研磨パッドが研磨表面に垂直な鏡面を有さない状況において、研磨パッドの回転方向は、除去速度に大きな影響を有することができることを示す。
【0128】
これらの結果は、従来の溝のパターンを含む研磨パッドと比較して、本発明の研磨パッドが、とりわけ、(a)より高い除去を示し、(b)とりわけ、より長いスラリー保持時間の結果として、より少ないスラリーを必要とし、そして(c)研磨パッドが研磨パッドの研磨表面に垂直な鏡面を含まない状況下において、界面方向によって、異なる除去速度を示すことができることを確認する。
【0129】
本明細書中において引用された、出願公開、特許出願、および特許公報を含むすべての参照文献を、参照により取り込まれるそれぞれの参照文献が個々にかつ具体的に示されており、かつそれらのすべてが本明細書中に記載されているのと同じ程度で、参照により本明細書中に取り込む。
【0130】
本発明を記載する脈絡において(特に以下の請求項の脈絡において)、用語「1つ(a)」および「1つ(an)」および「該、前記」および「少なくとも1つの」および類似の参照の使用は、本明細書中において特に断らないか、または内容と明らかに矛盾しなければ、単数および複数の両方を網羅すると理解される。用語「少なくとも1つの」に続く1つまたは2つ以上の項目(例えば、「AおよびBの少なくとも1つ」)の列挙の使用は、本明細書中において特に断らないか、または内容と明らかに矛盾しなければ、列挙された項目(AまたはB)から選択された1つの項目、または列挙された項目(AおよびB)の2つまたは3つ以上の任意の組み合わせを意味すると理解される。用語「含む(comprising)」「有する(having)」「含む(including)」および「含む(containing)」は、そうでないと記載しなければ、オープンエンドの用語であると理解される(すなわち、「含むが限定されない」ことを意味する)。本明細書中において価値のある範囲の再引用は、本明細書中において特に断らなければ範囲内にあるそれぞれの別個の値を個々に参照する簡単な方法として機能することを目的とするだけであり、そしてそれぞれの別個の値は、本明細書中に個々が記載されているかのように本明細書中に取り込まれる。本明細書中に記載されたすべての方法は、本明細書中において特に断わらないか、またさもなければ、内容と明らかに矛盾しなければ任意の好適な順序で行うことができる。補明細書中に提供された任意のおよびすべての例、または例示的な用語(例えば、「等」)の使用は、本発明をより具体的に説明することのみを意図し、そして、そうでないと記載しないかぎり、請求項に記載の本発明の範囲を限定することをもたらさない。明細書のどの語句も本発明の実行に必須として請求項に記載されていない任意の要素を示すと理解すべきでない。
【0131】
本発明を行うために本発明者らに知られたベストモードを含む本発明の好ましい態様は、本明細書中に記載されている。これらの好ましい態様の変形は、先の記載を読むことによって当業者に明らかになることができる。本発明者らは、そうした変形を用いることを適当であると予期し、そして本発明者らは、本発明が具体的に本明細書中に記載されたのと異なって行われることを意図する。したがって、本発明は、適用可能な法律により認められる請求項に記載の主題のすべての改変および均等を含む。さらに、それらのすべての可能な変形における上記の要素の任意の組み合わせは、本明細書中において特に断らないか、またはさもなければ、内容と明らかに矛盾しなければ、本発明によって包含される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8