特許第6337066号(P6337066)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6337066
(24)【登録日】2018年5月11日
(45)【発行日】2018年6月6日
(54)【発明の名称】位置依存的無線スピーカ構成の技術
(51)【国際特許分類】
   H04R 3/12 20060101AFI20180528BHJP
   G06F 9/44 20180101ALI20180528BHJP
   H04S 7/00 20060101ALI20180528BHJP
   H04M 1/00 20060101ALI20180528BHJP
【FI】
   H04R3/12 Z
   G06F9/06 610A
   H04S7/00 320
   H04M1/00 U
【請求項の数】21
【外国語出願】
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2016-222304(P2016-222304)
(22)【出願日】2016年11月15日
(65)【公開番号】特開2017-123644(P2017-123644A)
(43)【公開日】2017年7月13日
【審査請求日】2016年12月20日
(31)【優先権主張番号】14/998,306
(32)【優先日】2015年12月26日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591003943
【氏名又は名称】インテル・コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ベーラマニ、カルティック
(72)【発明者】
【氏名】ラジャマニ、クリッシュナン
(72)【発明者】
【氏名】カムバハタラ、スリカンス
【審査官】 下林 義明
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−159312(JP,A)
【文献】 特開2010−200280(JP,A)
【文献】 特開2011−161028(JP,A)
【文献】 特開2013−153482(JP,A)
【文献】 特開2015−122612(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04R 3/00 − 3/14
G06F 9/06
G06F 9/44
H04M 1/00
H04S 1/00 − 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
位置依存的無線スピーカ構成のためのモバイルコンピューティングデバイスであって、
(i)前記モバイルコンピューティングデバイスに無線で結合された複数のスピーカの各々の位置を決定し、(ii)前記複数のスピーカの各々の決定された前記位置に基づいて、前記複数のスピーカの各々に位置インジケータを割り当て、前記位置インジケータは、前記複数のスピーカのうち複数の他のスピーカに対する、前記複数のスピーカの各々の位置を識別する、スピーカ位置決定モジュールと、
割り当て済みの前記位置インジケータに基づいて前記複数のスピーカの各々についてオーディオストリームを生成するオーディオストリーム生成モジュールと、
生成された前記オーディオストリームの各々を前記複数のスピーカのうち対応する1つに送信する、オーディオストリーム送信モジュールと
を備えるモバイルコンピューティングデバイス。
【請求項2】
前記複数のスピーカの各々の前記位置を決定する段階が、前記モバイルコンピューティングデバイスの前記位置に対する前記複数のスピーカの各々の前記位置を決定する段階を含む、請求項1に記載のモバイルコンピューティングデバイス。
【請求項3】
前記スピーカの各々の前記位置を決定する段階は、前記複数の他のスピーカの各々の前記位置に対する、前記複数のスピーカの各々の前記位置を決定する段階を含む、請求項1または2に記載のモバイルコンピューティングデバイス。
【請求項4】
前記複数のスピーカの各々の前記位置を決定する段階は、前記複数のスピーカの各々と前記モバイルコンピューティングデバイスとの間の距離を決定する段階を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載のモバイルコンピューティングデバイス。
【請求項5】
前記オーディオストリーム送信モジュールはさらに、前記複数のスピーカの各々と前記モバイルコンピューティングデバイスとの間の決定された前記距離に基づいて、生成された1または複数の前記オーディオストリームの遅延を決定し、
生成された複数の前記オーディオストリームの各々を、前記対応する複数のスピーカへ送信する段階は、決定された前記遅延に基づいて、生成された1または複数の前記オーディオストリームを送信する段階を含む、請求項4に記載のモバイルコンピューティングデバイス。
【請求項6】
前記スピーカ位置決定モジュールはさらに、(i)前記複数のスピーカの更新された場所を決定し、(ii)前記更新された場所の決定に基づいて、前記複数のスピーカの各々について、一時的位置インジケータを判定し、(iii)前記一時的位置インジケータの各々を、対応する割り当て済みの複数の前記位置インジケータと比較して、構成変更が検出されたかどうか判定し、(iv)構成変更が検出されたという決定に応じて、検出された前記構成変更を引き起こしたと決定された1または複数のスピーカの割り当て済みの複数の前記位置インジケータを更新する、請求項1から5のいずれか一項に記載のモバイルコンピューティングデバイス。
【請求項7】
前記モバイルコンピューティングデバイスを検出された前記複数のスピーカの各々に接続するスピーカ接続管理モジュールをさらに有する、請求項1から6のいずれか一項に記載のモバイルコンピューティングデバイス。
【請求項8】
前記スピーカ接続管理モジュールはさらに、前記モバイルコンピューティングデバイスと、接続された前記複数のスピーカの各々とをペアリングするためのペアリング動作を実行する、請求項7に記載のモバイルコンピューティングデバイス。
【請求項9】
前記スピーカ接続管理モジュールがさらに、(i)ペアリング動作中に機能交換を実行し、(ii)前記機能交換に基づいて、1または複数のオーディオ対応機能を決定する、請求項8に記載のモバイルコンピューティングデバイス。
【請求項10】
位置依存的無線スピーカ構成のための方法であって、
モバイルコンピューティングデバイスが、前記モバイルコンピューティングデバイスに無線で結合した複数のスピーカの各々の位置を決定する段階と、
前記モバイルコンピューティングデバイスが、前記複数のスピーカの各々の決定された前記位置に基づいて、位置インジケータを前記複数のスピーカの各々に割り当てる段階であって、前記位置インジケータは、前記複数のスピーカのうち複数の他のスピーカに対する前記複数のスピーカの各々の前記位置を識別する、段階と、
前記モバイルコンピューティングデバイスが、割り当て済みの前記位置インジケータに基づいて、前記複数のスピーカの各々について、オーディオストリームを生成する段階と、
前記モバイルコンピューティングデバイスが、生成された複数の前記オーディオストリームの各々を前記複数のスピーカのうち対応する1つに送信する段階と
を含む方法。
【請求項11】
前記複数のスピーカの各々の前記位置を決定する段階が、前記モバイルコンピューティングデバイスの前記位置に対する、前記複数のスピーカの各々の前記位置を決定する段階を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記複数のスピーカの各々の前記位置を決定する段階が、前記複数の他のスピーカの各々の前記位置に対する前記複数のスピーカの各々の前記位置を決定する段階を含む、請求項10または11に記載の方法。
【請求項13】
前記複数のスピーカの各々の位置を決定する段階が、前記複数のスピーカの各々と前記モバイルコンピューティングデバイスとの間の距離を決定する段階を含む、請求項10から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記モバイルコンピューティングデバイスが、前記複数のスピーカの各々と、前記モバイルコンピューティングデバイスとの間の決定された前記距離に基づいて、生成された1または複数の前記オーディオストリームの遅延を決定する段階であって、生成された複数の前記オーディオストリームの各々を対応する前記複数のスピーカへ送信する段階が、決定された前記遅延に基づいて、生成された1または複数の前記オーディオストリームを送信する、段階をさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記モバイルコンピューティングデバイスが、前記複数のスピーカの更新された場所を決定する段階と、
前記モバイルコンピューティングデバイスが、前記更新された場所の決定に基づいて、前記複数のスピーカの各々について、一時的位置インジケータを決定する段階と、
前記モバイルコンピューティングデバイスが、複数の前記一時的位置インジケータの各々を、対応する割り当て済みの複数の前記位置インジケータと比較することで、構成変更が検出されたかどうか決定する段階と、
前記モバイルコンピューティングデバイスが、前記構成変更が検出されたという決定に応じて、検出された前記構成変更を引き起こしたと決定された1または複数のスピーカの割り当て済みの複数の前記位置インジケータを更新する段階と
をさらに備える、請求項10から14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記モバイルコンピューティングデバイスが、前記モバイルコンピューティングデバイスを検出された前記複数のスピーカの各々と接続する段階をさらに含む、請求項10から15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記モバイルコンピューティングデバイスが、前記モバイルコンピューティングデバイスを、接続された前記複数のスピーカの各々とペアリングするためのペアリング動作を実行する段階をさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記モバイルコンピューティングデバイスが、前記ペアリング動作の間に機能交換を実行する段階と、前記モバイルコンピューティングデバイスが、機能交換に基づいて、1または複数のオーディオ対応機能を決定する段階とをさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
プロセッサと、
前記プロセッサによって実行された場合に、前記モバイルコンピューティングデバイスに、請求項10から18のいずれかの方法を実行させる複数の命令を格納するメモリと
を有する、モバイルコンピューティングデバイス。
【請求項20】
コンピュータに請求項10から18のいずれか一項に記載の方法を実行させるプログラム。
【請求項21】
請求項20に記載のプログラムを格納するコンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
従来のサラウンドサウンドスピーカシステムは、様々な有線および/または無線構成で接続され得る2またはより多くのスピーカをサポートするオーディオ/ビデオレシーバ(AVR)を含む。AVRは通常、複数のオーディオチャネルのためのデータを含む送信デバイス(例えば、スマートフォン、ラップトップなど)から単一のオーディオストリームを受信する。AVRはオーディオストリームを受信すると、各チャネルのデータを復号し、受信スピーカによる出力のために適切なスピーカへデータをルーティングする。しかしながら、コンピューティング技術の発展により、スピーカ自体の中に組み込むことができる、より小型で、より安価で、より強力なコンポーネントが登場した。また、スピーカと無線で結合した送信デバイスから単一チャネルオーディオストリームを直接受け取ることができる、よりインテリジェントな独立したスピーカが開発された。
【図面の簡単な説明】
【0002】
本明細書で説明された複数の概念は、例として示されるものであり、添付の複数の図において限定として示されるものではない。図示を簡潔および明瞭にするため、図面に示される要素は、必ずしも縮尺通りに描かれていない。適切と思われる個所では、対応するまたは類似した要素を示すべく、参照符号が図面間で繰り返されている。
図1】複数のスピーカと無線で結合するモバイルコンピューティングデバイスを含む位置依存的無線スピーカ構成のシステムの少なくとも1つの実施形態の簡略ブロック図である。
図2】複数のスピーカと無線で結合するモバイルコンピューティングデバイスを含む位置依存的無線スピーカ構成のシステムの少なくとも1つの代替実施形態の簡略ブロック図である。
図3図1および2のシステムのモバイルコンピューティングデバイスの少なくとも1つの実施形態の簡略ブロック図である。
図4図1−3のモバイルコンピューティングデバイス環境の少なくとも1つの実施形態の簡略ブロック図である。
図5図1−3のモバイルコンピューティングデバイスによって実行され得る、1または複数のスピーカと接続するための少なくとも1つの実施形態の簡略フロー図である。
図6】は、図1−3の無線コンピューティングデバイスによって実行され得る、複数のオーディオストリームチャネルの出力を容易にする少なくとも1つの実施形態の簡略フロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0003】
本開示の複数の概念は、様々な複数の変更および複数の代替形式に容易に想到するが、それらの具体的な複数の実施形態は、例として複数の図面において示されており、本明細書で詳細に説明される。しかしながら、開示される特定の形態に本開示の概念を限定する意図はなく、それどころか、当該意図は、本開示および添付の特許請求の範囲に一貫するすべての変更、均等物および代替を網羅するものであると理解されるべきである。
【0004】
本明細書において「一実施形態」、「実施形態」、「例示的な実施形態」などについて言及するとき、そのことは、説明されている実施形態が特定の機能、構造、または特性を含み得ることを示しているが、あらゆる実施形態がその特定の機能、構造、または特性を含んでもよいが、必ずしも含まなくてもよい。さらに、そのような複数の用語は、必ずしも同じ実施形態を意味するものではない。さらに、特定の機能、構造、または特性が実施形態に関連して記載される場合、明記されているか否かに関わらず、複数の他の実施形態に関連するそのような機能、構造、または特性に影響を与えることは、当業者の知識の範囲内であるものと思われる。さらに、「A、B、およびCのうち少なくとも1つ」という形態のリストに含まれる複数のアイテムは、(A)、(B)、(C)、(AおよびB)、(AおよびC)、(BおよびC)、または(A,B,およびC)を意味し得ることが理解されるべきである。同様に、「A、BまたはCのうち少なくとも1つ」という形態のリストに含まれる複数のアイテムは、(A)、(B)、(C)、(AおよびB)、(AおよびC)、(BおよびC)、または、(A、BおよびC)を意味し得る。
【0005】
開示された複数の実施形態は、場合によっては、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、またはそれらの任意の組み合わせにおいて、実装されてもよい。開示されている複数の実施形態は、1または複数のプロセッサにより読み取られ実行され得る、1または複数の一時的または非一時的機械可読(例えば、コンピュータ可読)記憶媒体上により伝達される、またはそれらに格納された複数の命令としても実装され得る。機械可読記憶媒体は、機械(例えば、揮発性もしくは非揮発性メモリ、メディアディスクまたは他のメディアデバイス)により読み取り可能な形式で、情報を格納または送信するための任意の記憶デバイス、メカニズムまたは他の物理構造として具現化され得る。
【0006】
複数の図面において、いくつかの構造または方法に関する特徴が、特定の配置および/または順序付けで示され得る。しかしながら、そのような特定の配置および/または順序が必要とされなくてよいことが理解されるべきである。むしろ、いくつかの実施形態において、そのような特徴は、例示的な複数の図面に示されているものとは異なる方法および/または順序で配置され得る。さらに、特定の図面に構造的または方法的な特徴が含まれているからとって、すべての実施形態においてそのような特徴が必要とされることを示唆するわけではなく、いくつかの実施形態においては、それは含まれなくてもよく、または他の複数の特徴と組み合わせられてもよい。
【0007】
図1に関して、例示的な実施形態において、位置依存的無線スピーカ構成のシステム100は、無線通信チャネル116を介して複数のスピーカ104に無線で結合されたモバイルコンピューティングデバイス102を含む。使用中、モバイルコンピューティングデバイス102は、(例えば、入射角検出器を使用して)モバイルコンピューティングデバイス102および複数の他のスピーカ104に対するスピーカ104の各々の位置を検出する。モバイルコンピューティングデバイス102は、スピーカ104の各々の位置を決定すると、位置インジケータ(すなわち位置指定)を各スピーカに割り当てる。これは、モバイルコンピューティングデバイス102が単一マルチチャネルオーディオストリームの各オーディオストリームチャネルを分割し、スピーカ104の各々に適切にルーティングするのに使用される。
【0008】
従って、各スピーカが、通常は製造者によって規定される(すなわち、指定位置に基づいてオーディオチャネルを受信するべく、一方のスピーカは左スピーカとして指定され、別のスピーカは右スピーカとして指定される等)指定位置に配置され、オーディオ/ビデオレシーバ(AVR)を介して接続される必要がある、現在のサラウンドサウンドスピーカ技術と異なり、本開示の複数のスピーカ104は、意図される構成の中の任意の位置へ配置され得る。なぜなら、スピーカ104の各々の位置は、スピーカ104の対応する1つに送信される各指定オーディオチャネルの送信前に、モバイルコンピューティングデバイス102によって無線で検出されるからである。
【0009】
モバイルコンピューティングデバイス102は、本明細書で説明される複数の機能を実行可能な任意の種類のコンピューティングデバイスとして具現化され得て、例えば、モバイルアーキテクチャおよびポータビリティをサポートするモバイルハードウェア(例えば、プロセッサ、メモリ、ストレージ、無線通信回路など)、および、ソフトウェア(例えばオペレーティングシステム)を含むポータブルコンピューティングデバイス(例えば、スマートフォン、タブレット、ラップトップ、ノートブック、ウェアラブルなど)などが挙げられるが、これらに限定されない。図3で示されているように、例示的なモバイルコンピューティングデバイス102は、プロセッサ302、入出力(I/O)サブシステム304、メモリ306、データ記憶デバイス308、通信回路310、および、1または複数の周辺機器312を含む。当然、他の実施形態において、モバイルコンピューティングデバイス102は、コンピューティングデバイスで一般に見られるような、他または追加のコンポーネントを含み得る。さらに、いくつかの実施形態において、例示的なコンポーネントの1または複数は、モバイルコンピューティングデバイス102から省略され得る。さらに、いくつかの実施形態において、1または複数の例示的なコンポーネントは、別のコンポーネントに組み込まれてよく、あるいは、別のコンポーネントの一部を形成してよい。いくつかの実施形態において、例えば、メモリ306またはそれらの一部分は、プロセッサ302に組み込まれ得る。
【0010】
プロセッサ302は、本明細書で説明される機能を実行することが可能な任意の種類のプロセッサとして具現化され得る。例えば、プロセッサ302は、(複数の)シングルまたはマルチコアプロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ、マイクロコントローラまたは他のプロセッサもしくは処理/制御回路として具現化され得る。
【0011】
メモリ306は、本明細書で説明される機能を実行することが可能な任意の種類の揮発性もしくは非揮発性メモリまたはデータストレージとして具現化され得る。動作の中で、メモリ306は、モバイルコンピューティングデバイス102の動作中に使用される、オペレーティングシステム、アプリケーション、プログラム、ライブラリ、ドライバなど、様々なデータおよびソフトウェアを格納し得る。メモリ306は、プロセッサ302、メモリ306、およびモバイルコンピューティングデバイス102の他のコンポーネントとの入出力動作を容易にするべく回路および/または複数のコンポーネントとして具現化され得るI/Oサブシステム304を介してプロセッサ302と通信可能に結合する。例えば、I/Oサブシステム304は、メモリコントローラハブ、入出力制御ハブ、ファームウェアデバイス、通信リンク(すなわち、ポイントツーポイントリンク、バスリンク、ワイヤ、ケーブル、ライトガイド、プリント回路基板トレースなど)および/または入出力動作を容易にする他のコンポーネントおよびサブシステムとして具現化され得る、そうでなければ含む。いくつかの実施形態において、I/Oサブシステム304は、システムオンチップ(SoC)の一部分を形成し、プロセッサ302、メモリ306、および/または、モバイルコンピューティングデバイス102の他のコンポーネントとともに単一の集積回路チップ上に組み込まれ得る。
【0012】
データ記憶デバイス308は、データの短期または長期の格納のために構成された、例えば、メモリデバイスおよび回路、メモリカード、ハードディスクドライブ、ソリッドステートドライブ、または他のデータ記憶デバイスなど、任意の種類のデバイス、または複数のデバイスとして具現化され得る。データ記憶デバイス308および/またはメモリ306(例えばコンピュータ可読記憶媒体)は、モバイルコンピューティングデバイス102のプロセッサ(例えばプロセッサ302)が実行可能な、オペレーティングシステム、アプリケーション、プログラム、ライブラリ、ドライバ、命令などを含む様々な種類のデータを格納し得ることが理解されるべきである。
【0013】
通信回路310は任意の通信回路、デバイス、またはそれらの組み合わせとして具現化され得て、無線通信チャネルを介するモバイルコンピューティングデバイス102とスピーカ104との間の通信を有効にすることが可能である。例えば、通信回路310は、ネットワーク関連の動作を実行できるネットワークインターフェースコントローラ(NIC)および/または他のデバイスを含み得るが、記載の明瞭化のために図示されない。通信回路310は、任意の1または複数の無線通信技術および関連するプロトコル(例えば、Ethernet(登録商標)、Wi−Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、Bluetooth(登録商標) Low Energy (BLE)、ニアフィールド通信(NFC)、Worldwide Interoperability for Microwave Access (WiMAX)、Digital Living Network Alliance (DLNA(登録商標))など)を使用してそのような通信に影響を与えるように構成され得る。通信回路310は付加的に、例えば、ネットワークを経由するなどして、他のコンピューティングデバイスとの通信に影響を与えるべく、任意の1または複数の有線および/または無線通信技術および関連するプロトコルを使用するように構成され得る。
【0014】
周辺機器312は、任意の数の入出力デバイス、インターフェースデバイス、および/または他の周辺機器を含み得る。例えば、いくつかの実施形態において、複数の周辺機器312は、ディスプレイ、タッチスクリーン、グラフィック回路、キーボード、マウス、マイク、スピーカ、および/もしくは、他の入出力デバイス、インターフェースデバイス、ならびに/または、周辺機器を含み得る。複数の周辺機器312に含まれる複数の特定のデバイスは、例えば、モバイルコンピューティングデバイス102の種類および/または用途によって異なり得る。周辺機器312は、付加的または代替的に、例えば、外部周辺機器をモバイルコンピューティングデバイス102へ接続するべく、USBポートなどの1または複数のポートを含み得る。
【0015】
再び図1に関して、例示的なスピーカ104は、第1スピーカ(すなわちスピーカ(1)106)、第2スピーカ(すなわちスピーカ(2)108)、第3スピーカ(すなわちスピーカ(3)110)、第4スピーカ(すなわちスピーカ(4)112)、第5スピーカ(すなわちスピーカ(5)114)を含み、各々は、テレビなどのディスプレイデバイス118に対して、システム100のスピーカ構成内で(例えばスピーカ104のユーザによって)配置される。スピーカ104の各々は、電気音声信号(すなわちオーディオストリーム)を対応するサウンドに変換する(すなわち音波を介して聴覚フィードバックを提供する)ように構成された任意の種類のハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、またはそれらの組み合わせとして具現化され得る。例えば、いくつかの実施形態において、スピーカ104の各々は、ラウドスピーカ(すなわち電気音響変換器)として具現化され得る。このように、スピーカ104の各々は、図3の例示的なモバイルコンピューティングデバイス102と同様のコンポーネントを含み得る。従って、図3の例示的なモバイルコンピューティングデバイス102に関する上述の対応するコンポーネントの説明は、スピーカ104の対応するコンポーネントに等しく適用されるという理解から、本明細書において、同様のコンポーネントのさらなる説明は繰り返されない。
【0016】
スピーカ104とモバイルコンピューティングデバイス102との間の無線通信チャネル116の各々は、Ethernet(登録商標)、Wi−Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、Bluetooth(登録商標) Low Energy (BLE)、ニアフィールド通信(NFC)などを含む、1または複数の無線通信技術および関連するプロトコルを使用して確立され得る、任意の種類の無線相互接続として具現化され得る。従って、無線通信チャネル116は、後述するように、モバイルコンピューティングデバイス102およびスピーカ104によって、それらの間でデータを送信するのに使用可能である。
【0017】
図4に関して、例示的な実施形態において、モバイルコンピューティングデバイス102は、動作中に環境400を確立する。例示的な環境400は、無線通信管理モジュール410、スピーカ接続管理モジュール420、スピーカ位置決定モジュール430、オーディオストリーム生成モジュール440、オーディオストリーム送信モジュール450を含む。環境400の様々なモジュールは、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、またはそれらの組み合わせとして具現化され得る。このように、いくつかの実施形態において、環境400の1または複数のモジュールは、回路または複数の電気デバイスの組み合わせとして具現化され得る(例えば、無線通信管理回路410、スピーカ接続管理回路420、スピーカ位置決定回路430、オーディオストリーム生成回路440、オーディオストリーム送信回路450など)。
【0018】
そのような実施形態において、1または複数の無線通信管理回路410、スピーカ接続管理回路420、スピーカ位置決定回路430、オーディオストリーム生成回路440、オーディオストリーム送信回路450は、1または複数のプロセッサ302、I/Oサブシステム304、および/または、モバイルコンピューティングデバイス102の他のコンポーネントの一部分を形成し得ることが理解されるべきである。付加的に、いくつかの実施形態において、1または複数の例示的モジュールは、別のモジュールの一部を形成し得て、および/または、1または複数の例示的モジュールは、互いに独立し得る。さらに、いくつかの実施形態において、環境400の1または複数のモジュールは、プロセッサ302またはモバイルコンピューティングデバイス102の他のコンポーネントによって確立および維持され得る仮想ハードウェアコンポーネントまたはエミュレートアーキテクチャとして具現化され得る。
【0019】
例示的な環境400において、モバイルコンピューティングデバイス102はさらに、スピーカ接続データ402、スピーカ位置データ404、オーディオストリームデータ406を含み、それらの各々は、モバイルコンピューティングデバイス102のメモリ306および/またはデータ記憶デバイス308に格納され得る。さらに、スピーカ接続データ402、スピーカ位置データ404、および/またはオーディオストリームデータ406の各々は、モバイルコンピューティングデバイス102の様々なモジュールおよび/またはサブモジュールによってアクセスされ得る。モバイルコンピューティングデバイス102は、コンピューティングデバイスで一般に見られる、付加的および/または代替例なコンポーネント、サブコンポーネント、モジュール、サブモジュール、および/またはデバイスを含み得るが、記載の明瞭化のため、図4では図示されていないことが理解されるべきである。上記のようなハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、仮想ハードウェア、エミュレートアーキテクチャ、および/または、それらの組み合わせとして具現化され得る、無線通信管理モジュール410は、モバイルコンピューティングデバイス102との間でのインバウンドおよびアウトバウンドの無線ネットワーク通信(例えば、ネットワークトラフィック、ネットワークパケット、ネットワークフローなど)を容易にするように構成される。そのようにすべく、無線通信管理モジュール410は、複数の他のコンピューティングデバイス(例えば、スピーカ104)からネットワークパケットを受信および処理するように構成される。付加的に、無線通信管理モジュール410は、複数のネットワークパケットを準備して別のコンピューティングデバイス(例えば、スピーカ104)へ送信するように構成される。そのようにすべく、無線通信管理モジュール410は、通信可能に結合された複数のコンピューティングデバイスの各々との複数の通信チャネルを確立する(例えばネットワーク層(すなわちIP層)で確立し得る)ように構成される。従って、いくつかの実施形態において、無線通信管理モジュール410の機能の少なくとも一部分は、モバイルコンピューティングデバイス102の通信回路310によって、または、より具体的には通信回路310のネットワークインターフェースコントローラ(NIC)(図示せず)によって、実行され得る。
【0020】
上記のようなハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、仮想ハードウェア、エミュレートアーキテクチャ、および/または、それらの組み合わせとして具現化され得るスピーカ接続管理モジュール420は、モバイルコンピューティングデバイス102と複数のスピーカ104との間の複数の接続(すなわち無線通信チャネル116)を管理するように構成される。従って、スピーカ接続管理モジュール420は、モバイルコンピューティングデバイス102と無線通信できる近距離にある複数のスピーカ104を検出し、検出された複数のスピーカ104に接続するように構成される。無線通信できる近距離は、複数のモバイルコンピューティングデバイス102および複数のスピーカ104において、どの無線通信技術が利用でき、アクティブであるかに基づいて予測されることが理解されるべきである。検出された複数のスピーカ104に接続するべく、スピーカ接続管理モジュール420は、接続情報を複数のスピーカと交換するように構成される。このような接続情報は、モバイルコンピューティングデバイス102とスピーカ104との間の無線通信チャネル116を確立するのに使用可能な任意のデータを含み得る。例えば、接続情報は、モバイルコンピューティングデバイス102のインターネットプロトコル(IP)アドレス、スピーカ104のIPアドレス、ネットワークポート番号、アクセス用認証情報、セッションキーなどを含み得る。このような接続情報は、スピーカ接続データ402に格納され得て、今後の接続試行で接続データが検索および利用され得る。
【0021】
いくつかの実施形態において、接続前に、スピーカ104はモバイルコンピューティングデバイス102とペアリングされる必要があり得る。従って、例示的なスピーカ接続管理モジュール420は、ペアリング動作を実行するように構成されたスピーカペアリング実行モジュール422を含む。いくつかの実施形態において、例えばWi−Fi(登録商標)セットアップ(例えば、接続データの手動入力、Wi−Fi Protected Setup(WPS)など)またはBluetooth(登録商標)ペアリング(例えばボンディング)中に交換され得るペアリング情報は、ペアリング動作中に収集され得る。このようなペアリング情報は、スピーカ接続データ402内に格納され得る。ペアリング処理中、スピーカペアリング実行モジュール422はさらに、サポートされているオーディオコーデックなど、複数の接続スピーカ104のオーディオ再生機能を収集するべく、機能交換を実行するように構成され得る。例えば、スピーカペアリング実行モジュール422は、スピーカ104のオーディオ再生機能を要求する要求メッセージをスピーカ104へ送信し、スピーカ104のオーディオ再生機能を含む、スピーカ104からの返答メッセージを受信するように構成され得る。
【0022】
上記のようなハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、仮想ハードウェア、エミュレートアーキテクチャ、および/または、それらの組み合わせとして具現化され得る、スピーカ位置決定モジュール430は、スピーカ104の各々の位置を決定し、位置インジケータをスピーカ104の各々へ割り当てるように構成される。そのようにすべく、例示的なスピーカ位置決定モジュール430は、位置インジケータ決定モジュール432、および、スピーカ距離決定モジュール434を含む。スピーカ位置決定モジュール430の位置インジケータ決定モジュール432およびスピーカ距離決定モジュール434の各々は、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、仮想ハードウェア、エミュレートアーキテクチャ、および/または、それらの組み合わせとして別々に具現化され得ることが理解されるべきである。例えば、位置インジケータ決定モジュール432は、ハードウェアコンポーネントとして具現化され得て、スピーカ距離決定モジュール434は、仮想ハードウェアコンポーネントとして、または、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、仮想ハードウェア、エミュレートアーキテクチャ、および/または、それらの組み合わせの何らかの他の組み合わせとして具現化される。
【0023】
位置インジケータ決定モジュール432は、モバイルコンピューティングデバイス102および複数の他のスピーカ104に対するスピーカ104の各々の位置を決定するように構成される。そのようにすべく、位置インジケータ決定モジュール432は、入射角検出技術、Wi−Fi(登録商標)、超音波など何らかの既知の技術を使用するように構成され得る。例えば、ドルビーサラウンド5.1のサラウンドサウンド対応構成において、スピーカ104の各々は通常、記載の明瞭化のため図示されないディスプレイデバイス118および視聴位置(例えば、カウチ、椅子など)に対する、左スピーカ、中央スピーカ、右スピーカ、左サラウンドスピーカ、右サラウンドスピーカを含む5つのスピーカ位置の1つに配置され得る(すなわち、スピーカ104の各々は、5つの位置インジケータの1つを割り当てられ得る)。従って、そのような実施形態において(例えば、図1の例示的なシステム100のスピーカ構成を参照)、位置インジケータ決定モジュール432は、左スピーカとしてスピーカ(1)106を、中央スピーカとしてスピーカ(2)108を、右スピーカとしてスピーカ(3)110を指定し、左サラウンドスピーカとしてスピーカ(4)112を、右サラウンドスピーカとしてスピーカ(5)114を指定し得る。ドルビーサラウンド5.1実施形態は付加的に、サブウーファー(これも記載の明瞭化のため図示せず)を含み得ることが理解されるべきである。
【0024】
スピーカ距離決定モジュール434は、モバイルコンピューティングデバイス102と、スピーカ104の各々との間の距離、および、複数のスピーカ104の1つと複数の他のスピーカ104との間の距離を決定するように構成される。このような距離情報は、複数の位置インジケータを決定するべく、位置インジケータ決定モジュール432によって使用可能であり得ることが理解されるべきである。いくつかの実施形態において、位置インジケータ、距離情報、および、他の何らかの位置識別情報がスピーカ位置データ内に格納され得る。
【0025】
いくつかの実施形態において、ユーザは、モバイルコンピューティングデバイス102を介して、ユーザが位置インジケータを修正することを可能にするインターフェースを提供され得ることが理解されるべきである。そのようにすべく、モバイルコンピューティングデバイス102は、複数の接続スピーカ104の各々を列挙し、複数の接続スピーカの各々の1または複数の識別子を列挙し、および/または、現在のスピーカ構成のテストを可能にする(すなわち、テストオーディオストリームを発する)ように構成され得て、それによって、ユーザが位置インジケータを適切な複数のスピーカ104とマッチさせることを支援する。そのような実施形態において、スピーカ位置決定モジュール430は付加的に、インターフェースを介して受信された変更に基づいて、対応する複数のスピーカ104に割り当てられた複数の位置インジケータを更新するように構成され得る。
【0026】
上記のような、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、仮想ハードウェア、エミュレートアーキテクチャ、および/または、それらの組み合わせとして具現化され得るオーディオストリーム生成モジュール440は、複数のスピーカ104の構成に対応する各オーディオチャネルごとにオーディオストリームを生成するように構成される。そのようにすべく、オーディオストリーム生成モジュール440は、複数のスピーカ104の数、および、例えば位置インジケータ決定モジュール432によって割り当てられ得る、複数のスピーカ104の各々が割り当てられた位置インジケータに基づいて、単一サラウンドオーディオストリームを生成し、単一サラウンドオーディオストリームを多くの異なるオーディオストリームチャネルに分割するように構成される。いくつかの実施形態において、各オーディオストリームに関連するデータは、オーディオストリームデータ406内に格納され得る。オーディオストリーム送信モジュール450は、例えばオーディオストリーム生成モジュール440によって生成され得る複数のオーディオストリームチャネルの各々を対応する複数のスピーカ104に送信するように構成される。そのようにすべく、オーディオストリーム送信モジュール450は、スピーカ104の各々に割り当てられた位置インジケータに基づいて、複数のスピーカ104のうち対応する1つに複数のオーディオストリームチャネルの各々を送信するように構成される。
【0027】
図5に関して、モバイルコンピューティングデバイス102は使用中に、1または複数のスピーカ(例えばスピーカ104)と接続するための方法500を実行し得る。方法500は、ブロック502の中で開始し、その中で、モバイルコンピューティングデバイス102は、モバイルコンピューティングデバイス102に現在接続されていないスピーカが検出された(すなわち、モバイルコンピューティングデバイス102によって検出される無線通信できる近距離にある)かどうか決定する。
【0028】
検出された場合、方法500はブロック504へ進み、この中で、モバイルコンピューティングデバイス102は、検出されたスピーカがモバイルコンピューティングデバイス102とペアリングしているかどうか決定する。ペアリングしている場合、方法500は後述のブロック510へ分岐し、あるいは、ペアリングしていない場合、方法500はブロック506へ進み、その中で、モバイルコンピューティングデバイス102は検出されたスピーカとペアリングする。いくつかの実施形態において、ブロック508の中で、モバイルコンピューティングデバイス102は、ブロック506で実行されたペアリング動作中に検出されたスピーカとの機能交換を実行する。上述のように、サポートされているオーディオコーデックなどのオーディオ再生機能は、機能交換中に収集され得る。ブロック510において、モバイルコンピューティングデバイス102は、ペアリングされたスピーカに接続するかどうか決定する。接続しない場合、方法500はブロック502に戻り、モバイルコンピューティングデバイス102に現在接続されていないスピーカが検出されたかどうか決定する。あるいは、ペアリングされたスピーカに接続することをモバイルコンピューティングデバイス102が決定した場合、方法500はブロック512へ進み、この中で、モバイルコンピューティングデバイス102はペアリングされたスピーカと接続する。
【0029】
ブロック514において、モバイルコンピューティングデバイス102は、スピーカの位置を決定する。そのようにすべく、モバイルコンピューティングデバイス102はブロック516において、モバイルコンピューティングデバイス102に対するスピーカの位置を決定し、例えば、1または複数の入射角度検出技術を使用して決定し得る。付加的に、ブロック518において、モバイルコンピューティングデバイス102は、モバイルコンピューティングデバイス102に現在接続されている他のスピーカに対する位置を決定する。ブロック520において、モバイルコンピューティングデバイス102はさらに、スピーカとモバイルコンピューティングデバイス102との間の距離を決定する。
【0030】
ブロック522において、モバイルコンピューティングデバイス102は、位置インジケータをスピーカに割り当てる。ブロック524において、モバイルコンピューティングデバイス102は、ブロック514で決定されたスピーカの位置に基づいて、位置インジケータを割り当てる。いくつかの実施形態において、モバイルコンピューティングデバイス102は、ブロック526で(複数の)他の接続スピーカの(複数の)位置インジケータを更新する。言い換えると、いくつかの実施形態において、スピーカに割り当てられた位置インジケータは、別のスピーカに過去に割り当てられた位置インジケータと置き換わり得る。
【0031】
図6に関して、モバイルコンピューティングデバイス102は使用中、対応する複数の接続スピーカ(例えば、図1のスピーカ104)に対する複数のオーディオストリームチャネルの出力を容易にするべく、方法600を実行し得る。従って、上述の図5の方法500のように、スピーカ104の各々は、モバイルコンピューティングデバイス102に現在接続されていることが理解されるべきである。方法600はブロック602の中で開始し、この中で、モバイルコンピューティングデバイス102は、現在接続されている複数のスピーカに対して音声を出力するかどうか決定する。出力する場合、方法600はブロック604へ進み、この中で、モバイルコンピューティングデバイス102は、複数の接続スピーカ104の各々の現位置を決定する。上述のように、複数の現位置は、モバイルコンピューティングデバイス102に対する複数のスピーカ104各々の位置、複数の他のスピーカ104に対する複数のスピーカ104各々の位置、および、複数のスピーカ104の各々とモバイルコンピューティングデバイス102との間の複数の距離のうち1つまたは複数を含み得る。
【0032】
ブロック608において、モバイルコンピューティングデバイス102は、構成変更が検出されたかどうか決定する。そのようにすべく、モバイルコンピューティングデバイス102は、ブロック606内でスピーカ104の各々について決定された一時的位置インジケータを、例えば複数のスピーカ104の接続中に、および/または、検出された構成変更に続いて割り当てられ得る、割り当て済み位置インジケータと比較するように構成され得る。構成変更がブロック608で検出された場合、方法600はブロック610へ分岐し、この中で、モバイルコンピューティングデバイス102は、方法600が後述のブロック612へ進む前に必要に応じて複数のスピーカ104の1または複数の位置インジケータの再割り当てを行う。言い換えると、この構成におけるスピーカ104の位置インジケータのすべてが影響を受け得るわけではない。
【0033】
例えば、上述のように、図1の例示的なシステム100のスピーカ構成において、モバイルコンピューティングデバイス102は、左スピーカとしてスピーカ(1)106を、中央スピーカとしてスピーカ(2)108を、右スピーカとしてスピーカ(3)110を指定し、左サラウンドスピーカとしてスピーカ(4)112を、右サラウンドスピーカとしてスピーカ(5)114を指定し得る。しかしながら、図2の例示的なシステム200のスピーカ構成で示されているように、スピーカ(1)106およびスピーカ(3)110の位置は、図1の例示的なシステム100のスピーカ構成と比較して、反転している。位置が固定されている従来のサラウンドサウンドスピーカと異なり、モバイルコンピューティングデバイス102は、位置変更を検出し、複数の位置インジケータを適切に更新するように構成される。
【0034】
その結果、モバイルコンピューティングデバイス102は、左スピーカとしてスピーカ(3)110を、中央スピーカとしてスピーカ(2)108を、右スピーカとしてスピーカ(1)106を指定し、左サラウンドスピーカとしてスピーカ(4)112を、右サラウンドスピーカとしてスピーカ(5)114を指定し得る。言い換えると、モバイルコンピューティングデバイス102は、自動的に(すなわち、手動のユーザのインタラクションなしで)構成変更を検出し、複数の位置インジケータを動的に調節し、複数の適切なオーディオチャネルが複数の適切なスピーカ104に割り当てられる(すなわち、更新された構成に基づいて、期待される音声が適切なスピーカ104によって受信および出力される)ように構成される。
【0035】
再び図6に関して、構成変更がブロック608で検出されなかった場合、方法600はブロック612へ進み、この中で、モバイルコンピューティングデバイス102は、各接続スピーカごとにオーディオストリームを生成する。そのようにすべく、ブロック614において、モバイルコンピューティングデバイス102は、単一サラウンドオーディオストリームを生成し、割り当て済み位置インジケータに基づいて、単一サラウンドオーディオストリームを異なるオーディオストリームチャネルに分割する。ブロック616において、モバイルコンピューティングデバイス102は、複数のオーディオストリームの各々を各スピーカ104へ送信する。言い換えると、複数のスピーカ104の各々は、それらの割り当て済み位置インジケータに対応する異なるオーディオストリームチャネルを割り当てられ、各オーディオストリームチャネルはそれから、複数のスピーカ104の各々に割り当てられた複数の位置インジケータに基づいて、複数のスピーカ104のうち対応する1つにルーティングされる。
【0036】
付加的に、いくつかの実施形態において、モバイルコンピューティングデバイス102はブロック618で、モバイルコンピューティングデバイス102に対する各接続スピーカの距離に基づいて、生成された複数のオーディオストリームの各々を送信する。言い換えると、モバイルコンピューティングデバイス102は、モバイルコンピューティングデバイス102に対する1または複数のスピーカ104の位置と複数の他のスピーカ104の位置との間の距離に基づいて、遅延を計算し、計算された遅延に基づいて、生成された複数のオーディオストリームを送信するように構成され得る。したがって、リスナー(すなわち、モバイルコンピューティングデバイス102)が複数のスピーカ104のうちの1つまたは複数に、他の複数の他のスピーカ104より近い場合でも、複数のスピーカ104の各々からの再生は、(例えば、モバイルコンピューティングデバイス102に近い、または、モバイルコンピューティングデバイス102を装着、携帯、あるいは保持している)リスナーの耳へ同期して届くことができる。
【0037】
ブロック620において、モバイルコンピューティングデバイス102は、モバイルコンピューティングデバイス102から複数のスピーカ104へ追加の音声が出力されるかどうか決定する。出力されると決定した場合、方法600は再度ブロック604へ戻り、複数の接続スピーカ104の各々の現位置を決定する(すなわち、構成変更が発生したかどうか検出する)。あるいは出力さらないと決定した場合、方法600はブロック602へ戻り、別のオーディオストリームがスピーカ104へ出力されるかどうか決定する。
【0038】
方法500および600の少なくとも一部分は、コンピュータ可読媒体に格納された、プロセッサ302、通信回路310、および/または、モバイルコンピューティングデバイス102の他のコンポーネントによって実行され得てモバイルコンピューティングデバイス102に方法500および600を実行させる様々な命令として具現化され得ることが理解されるべきである。コンピュータ可読媒体は、モバイルコンピューティングデバイス102によって読み取り可能な、限定されないが、メモリ306、データ記憶デバイス308、通信回路310のNIC(図示せず)のローカルメモリ、モバイルコンピューティングデバイス102の他のメモリまたはデータ記憶デバイス、モバイルコンピューティングデバイス102の周辺機器によって読み取り可能なポータブルメディア、および/または、他の媒体など、任意の種類の媒体として具現化され得る。
[例]
【0039】
本明細書で開示されている技術の例示的な例が以下に提供される。複数の技術の実施形態は、後述の例のうち、任意の1または複数および任意の組み合わせを含んでよい。
【0040】
例1は、位置依存的無線スピーカ構成のための複数のモバイルコンピューティングデバイスを含み、当該モバイルコンピューティングデバイスは、(i)当該モバイルコンピューティングデバイスに無線で結合する複数のスピーカの各々の位置を決定し、(ii)複数のスピーカの各々の決定された位置に基づいて、複数のスピーカの各々に、位置インジケータであって、複数のスピーカのうち他のスピーカに対する、複数のスピーカの各々の位置を識別する位置インジケータを割り当てるためのスピーカ位置決定モジュールと、割り当て済み位置インジケータに基づいて複数のスピーカの各々のためのオーディオストリームを生成するオーディオストリーム生成モジュールと、生成されたオーディオストリームの各々を、複数のスピーカのうちの対応する1つに送信するためのオーディオストリーム送信モジュールとを備える。
【0041】
例2は、例1の主題を含み、スピーカの各々の位置を決定する段階は、モバイルコンピューティングデバイスの位置に対するスピーカの各々の位置を決定する段階を含む。
【0042】
例3は、例1および2のいずれかの主題を含み、スピーカの各々の位置を決定する段階は、他のスピーカの各々の位置に対するスピーカの各々の位置を決定する段階を含む。
【0043】
例4は、例1−3のいずれかの主題を含みスピーカの各々の位置を決定する段階は、スピーカの各々とモバイルコンピューティングデバイスとの間の距離を決定する段階を含む。
【0044】
例5は、例1−4のいずれかの主題を含み、オーディオストリーム送信モジュールはさらに、スピーカの各々とモバイルコンピューティングデバイスとの間の決定された距離に基づいて、生成された1または複数のオーディオストリームの遅延を決定するように構成され、生成されたオーディオストリームの各々を対応する複数のスピーカへ送信する段階は、決定された遅延に基づいて生成された1または複数のオーディオストリームを送信する段階を含む。
【0045】
例6は、例1−5のいずれかの主題を含み、スピーカ位置決定モジュールはさらに、(i)複数のスピーカの更新された場所を決定し、(ii)更新された場所の決定に基づいて、スピーカの各々について一時的位置インジケータを決定し、(iii)一時的位置インジケータの各々を対応する割り当て済みの複数の位置インジケータと比較して構成変更が検出されたかどうか決定し、(iv)構成変更が検出されたことの決定に応じて、検出された構成変更を引き起こしたと決定された1または複数のスピーカの割り当て済みの複数の位置インジケータを更新する。
【0046】
例7は、例1−6のいずれかの主題を含み、さらに、モバイルコンピューティングデバイスを検出された複数のスピーカの各々に接続するためのスピーカ接続管理モジュールを含む。
【0047】
例8は、例1−7のいずれかの主題を含み、スピーカ接続管理モジュールはさらに、モバイルコンピューティングデバイスを複数の接続スピーカの各々とペアリングさせるためのペアリング動作を実行する。
【0048】
例9は、例1−8のいずれかの主題を含み、スピーカ接続管理モジュールはさらに、(i)ペアリング動作の間に機能交換を実行し、(ii)機能交換に基づいて1または複数のオーディオ対応機能を決定する。
【0049】
例10は、例1−9のいずれかの主題を含み、スピーカ位置決定モジュールはさらに、(i)インターフェースをユーザへ提供して、どの位置インジケータがスピーカの各々へ割り当てられているか指示し、(ii)対応する1または複数のスピーカに割り当てられた1または複数の位置インジケータを変更するようにユーザに促し、(iii)ユーザが1または複数の位置インジケータを変更したという決定に応じて、複数の更新済み位置インジケータを、対応する1または複数のスピーカの各々へ割り当てる。
【0050】
例11は、位置依存的無線スピーカ構成のための方法を含み、この方法は、モバイルコンピューティングデバイスに無線で結合された複数のスピーカの各々の位置をモバイルコンピューティングデバイスが決定する段階と、スピーカの各々の決定された位置に基づいてモバイルコンピューティングデバイスが位置インジケータをスピーカの各々に割り当てる段階であって、位置インジケータは、複数のスピーカのうちの他のスピーカに対する、スピーカの各々の位置を識別する段階と、割り当て済み位置インジケータに基づいて、スピーカの各々について、モバイルコンピューティングデバイスがオーディオストリームを生成する段階と、モバイルコンピューティングデバイスが、生成されたオーディオストリームの各々を複数のスピーカのうち対応する1つに送信する段階とを含む。
【0051】
例12は、例11の主題を含み、スピーカの各々の位置を決定する段階は、モバイルコンピューティングデバイスの位置に対するスピーカの各々の位置を決定する段階を含む。
【0052】
例13は、例11および12のいずれかの主題を含み、スピーカの各々の位置を決定する段階は、他のスピーカの各々の位置に対する、スピーカの各々の位置を決定する段階を含む。
【0053】
例14は、例11−13のいずれかの主題を含み、スピーカの各々の位置を決定する段階は、スピーカの各々とモバイルコンピューティングデバイスとの間の距離を決定する段階を含む。
【0054】
例15は、例11−14のいずれかの主題を含み、さらに、モバイルコンピューティングデバイスが、スピーカの各々とモバイルコンピューティングデバイスとの間の決定された距離に基づいて、生成された1または複数のオーディオストリームの遅延を決定し、生成されたオーディオストリームの各々を対応する複数のスピーカへ送信する段階が、決定された遅延に基づいて、生成された1または複数のオーディオストリームを送信する段階を含む。
【0055】
例16は、例11−15のいずれかの主題を含み、さらに、モバイルコンピューティングデバイスが、複数のスピーカの更新された場所を決定する段階と、モバイルコンピューティングデバイスが、更新された場所の決定に基づいて、スピーカの各々について一時的位置インジケータを決定する段階と、モバイルコンピューティングデバイスが、一時的位置インジケータの各々を、複数の対応する割り当て済み位置インジケータと比較することで、構成変更が検出されたかどうか決定する段階と、構成変更が検出されたという決定に応じて、モバイルコンピューティングデバイスが、検出された構成変更を引き起こしたと決定された1または複数のスピーカの複数の割り当て済み位置インジケータを更新する段階をさらに含む。
【0056】
例17は、例11−16のいずれかの主題を含み、さらに、モバイルコンピューティングデバイスが、検出された複数のスピーカの各々にモバイルコンピューティングデバイスを接続する段階を含む。
【0057】
例18は、例11−17のいずれかの主題を含み、さらに、モバイルコンピューティングデバイスが、モバイルコンピューティングデバイスと複数の接続スピーカの各々とをペアリングするためのペアリング動作を実行する段階を含む。
【0058】
例19は、例11−18のいずれかの主題を含み、さらに、モバイルコンピューティングデバイスが、ペアリング動作の間に機能交換を実行する段階と、モバイルコンピューティングデバイスが、機能交換に基づいて、1または複数のオーディオ対応機能を決定する段階を含む。
【0059】
例20は、例11−19のいずれかの主題を含み、さらに、モバイルコンピューティングデバイスがインターフェースをユーザに提供し、どの位置インジケータがスピーカの各々に割り当てられているか指示する段階と、モバイルコンピューティングデバイスがユーザに対し、対応する1または複数のスピーカに割り当てられた1または複数の位置インジケータを変更するように促す段階と、ユーザが1または複数の位置インジケータを変更したという決定に応じて、モバイルコンピューティングデバイスが更新済み位置インジケータを対応する1または複数のスピーカの各々に割り当てる段階とを含む。
【0060】
例21は、プロセッサおよびメモリを含むモバイルコンピューティングデバイスを有し、当該メモリは、プロセッサによって実行された場合に例11−20のいずれかの方法をモバイルコンピューティングデバイスに実行させる複数の命令をその内部に格納している。
【0061】
例22は、複数の命令をその内部に格納する1または複数の機械可読記憶媒体を有する。それらの命令が実行されると、モバイルコンピューティングデバイスは、例11−20のいずれかの方法を実行する。
【0062】
例23は、位置依存的無線スピーカ構成のためのモバイルコンピューティングデバイスを含み、当該モバイルコンピューティングデバイスは、モバイルコンピューティングデバイスと無線で結合した複数のスピーカの各々の位置を決定するための手段と、スピーカの各々の決定された位置に基づいて、位置インジケータをスピーカの各々に割り当てる手段であって、位置インジケータは、複数のスピーカのうちの複数の他のスピーカに対する、スピーカの各々の位置を識別する手段と、割り当て済み位置インジケータに基づいて、スピーカの各々について、オーディオストリームを生成する手段と、生成されたオーディオストリームの各々を複数のスピーカのうち対応する1つに送信するための手段とを含む。
【0063】
例24は、例23の主題を含み、スピーカの各々の位置を決定する手段は、モバイルコンピューティングデバイスの位置に対するスピーカの各々の位置を決定する手段を含む。
【0064】
例25は、例23および24のいずれかの主題を含み、スピーカの各々の位置を決定する手段は、他のスピーカの各々の位置に対するスピーカの各々の位置を決定する手段を含む。
【0065】
例26は、例23−25のいずれかの主題を含み、スピーカの各々の位置を決定する手段は、スピーカの各々とモバイルコンピューティングデバイスとの間の距離を決定する手段を含む。
【0066】
例27は、例23−26のいずれかの主題を含み、さらに、スピーカの各々とモバイルコンピューティングデバイスとの間の決定された距離に基づいて、生成された1または複数のオーディオストリームの遅延を決定する手段を含み、生成されたオーディオストリームの各々を対応する複数のスピーカに送信する手段は、決定された遅延に基づいて、生成された1または複数のオーディオストリームを送信する手段を含む。
【0067】
例28は、例23−27のいずれかの主題を含み、さらに、スピーカの更新された場所を決定するための手段と、更新された場所の決定に基づいてスピーカ各々について一時的位置インジケータを決定する手段と、一時的位置インジケータの各々を、複数の対応する割り当て済み位置インジケータと比較し、構成変更が検出されたかどうか決定する手段と、構成変更が検出されたという決定に応じて、検出された構成変更を引き起こしたと決定された1または複数のスピーカの複数の割り当て済み位置インジケータを更新する手段とを含む。
【0068】
例29は、例23−28のいずれかの主題を含み、さらに、モバイルコンピューティングデバイスを検出された複数のスピーカの各々に接続する手段を含む。
【0069】
例30は、例23−29のいずれかの主題を含み、さらに、モバイルコンピューティングデバイスと、複数の接続スピーカの各々とをペアリングするためのペアリング動作を実行する手段を含む。
【0070】
例31は、例23−30のいずれかの主題を含み、さらに、ペアリング動作中に機能交換を実行する手段と、機能交換に基づいて1または複数のオーディオ対応機能を決定する手段とを含む。
【0071】
例32は、例23−31のいずれかの主題を含み、さらに、インターフェースをユーザに提供し、どの位置インジケータがスピーカの各々に割り当てられているか指示する手段と、ユーザに対し、対応する1または複数のスピーカに割り当てられた1または複数の位置インジケータを変更するように促す手段と、ユーザが1または複数の位置インジケータを変更したという決定に応じて、更新済み位置インジケータを、対応する1または複数のスピーカの各々に割り当てる手段とを含む。
図1
図2
図3
図4
図5
図6