【実施例】
【0015】
技術実施形態の最初の概要が以下に提供され、且つ、次に、特定の技術実施形態が、後で更に詳しく説明される。この最初の要約は、技術をより早く理解する上で読者を手助けすることを意図しているが、技術の主要な特徴又は必須の特徴を識別することを意図したものではない。また、この最初の要約は、請求される主題の範囲を限定することを意図したものでもない。
【0016】
メディア表現記述(MPD)ファイルにおけるメディア・コンテンツ・セグメントの表現内で、同様な品質のメディア・コンテンツ・セグメントをグループ化するための技術が説明される。例えば、MPDファイルは、第1表現(例えば、比較的高いビットレートでの表現)で、第1セットのメディア・コンテンツ・ファイルを記述することが可能である。加えて、MPDファイルは、第2表現(例えば、比較的低いビットレートでの表現)で、第2セットのメディア・コンテンツ・ファイルを記述することが可能である。表現は、定義された品質レベル及び/又は定義されたビットレートで、一組のメディア・コンテンツ・ファイルを指すことが可能である。品質測定規準は、同じ表現内での複数のメディア・コンテンツ・セグメント(例えば、比較的低いビットレートを有するメディア・コンテンツ・セグメント)の各々に対して、決定することが可能である。選択された閾値未満の品質測定規準を有するメディア・コンテンツ・セグメントは、識別することが可能である。例えば、同表現の10個のメディア・コンテンツ・セグメントのグループの中で、メディア・コンテンツ・セグメントの1つは、(1つのメディア・コンテンツ・セグメントに対する品質測定規準が選択された閾値よりも低いことによって証明されるような)比較的低い品質のものであってもよい。同表現の、選択された閾値未満である品質測定規準を有するメディア・コンテンツ・セグメントは、他のメディア・コンテンツ・セグメントで置き換えることが可能である。例えば、選択された平均よりも低い品質を有するメディア・コンテンツ・セグメントは、異なる表現に由来する、対応するメディア・コンテンツ・セグメントで置き換えることが可能である。異なる表現は、比較的高いビットレートで、一組のメディア・コンテンツ・ファイルを含むことが可能である。対応するメディア・コンテンツ・セグメントは、置き換えられるメディア・コンテンツ・セグメントと比較して、実質的に同一のメディア時間範囲に由来することが可能である。その結果、表現に対するメディア・コンテンツ・セグメントは、全て、比較的同様の品質レベルを有することが可能である(ビットレートは、メディア・コンテンツ・セグメント間でわずかに変動し得るが)。変更されたMPDは、比較的同様の品質レベルを有するメディア・コンテンツ・セグメントを含むように生成することが可能である。変更されたMPDは、クライアントへ伝達することが可能であり、ここで、変更されたMPDは、クライアントにおいて、メディア・コンテンツ・セグメントの実質的に一定品質の再生を提供することが可能である。
【0017】
代替的な構成において、同表現の、選択された閾値未満である品質測定規準を有するメディア・コンテンツ・セグメントは、再符号化することが可能である。メディア・コンテンツ・セグメントを再符号化することによって、品質レベルを改善するが可能であり、その結果、再符号化されたメディア・コンテンツ・セグメントに対する品質測定規準は、選択された閾値より高くあり得る。変更されたMPDは、再符号化されたメディア・コンテンツ・セグメントを含むように生成することが可能である。その結果、同表現のメディア・コンテンツ・セグメント(例えば、再符号化されたメディア・コンテンツ・セグメント及び再符号化されなかったメディア・コンテンツ・セグメントの両方)は、比較的同様の品質レベルを有することが可能である。
【0018】
ハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP)適応型ストリーミング(HAS)は、インターネットビデオのマルチメディア配信の形態として使用することが可能である。HTTPをベースとした配信は、伝送制御プロトコル(TCP)/インターネットプロトコル(IP)を含む、HTTP及びHTTPの根底にあるプロトコルの両方を広く採用することによる、信頼性及び配置の単純性を提供することが可能である。HTTPをベースとした配信は、ネットワークアドレス変換(NAT)及びファイヤウォールトラバーサル問題を避けることによって、容易でしかも努力を要しないストリーミングサービスを可能とし得る。HTTPをベースとした配信又はストリーミングはまた、専門化されたストリーミングサーバの代わりに、標準的なHTTPサーバ及びキャッシュを使用するための能力を提供することが可能である。HTTPをベースとした配信は、サーバ側での最小の状態情報又は削減された状態情報のために、スケーラビリティを提供することが可能である。
【0019】
インターネット・マルチメディア・コンテンツを配信するためにHASを使用する場合、携帯デバイス上で動作するビデオクライアントは、レート適応における主な役割を実施するように構成することが可能であるが、これは、マルチメディアサーバのような指定されたリソースからデータを引き出すための、HTTP−GETコマンド又は部分的なGETコマンドを使用して、ビデオサーバから適切なビデオ表現レベルを、選択すると共に要求することによって可能となる。オーディオ又はビデオのようなストリーミング・マルチメディア・コンテンツを再生し始める前に、ビデオクライアントは、最初にバッファをあるレベルまで強化する。この段階は、スタートアップ段階と呼ばれる。この後で、クライアントは、バッファに入れられたマルチメディアコンテンツの再生を始める。クライアントデバイスでのマルチメディア再生の品質及び分解能は、利用可能なリンク帯域幅に依存する。ビデオクライアントは、通常、HTTPレベルのビデオストリーミング処理能力のようなより高いレイヤの処理能力見積りだけに基づいて、又は伝送制御プロトコル(TCP)処理能力に基づいて、利用可能なリンク帯域幅を見積もる。
【0020】
ネットワーク条件における変動(即ち、ネットワーク変動性)がマルチメディアコンテンツに関連付けられる通信データレートを減少させる場合、高移動性環境におけるマルチメディアストリーミングは、困難なものであり得る。過剰負荷にあるネットワークが通信データレートを減少させる場合、エンドユーザ体感品質(QoE)も同様に減少し得る。例えば、携帯デバイスで受信されたマルチメディアコンテンツは、より低い分解能又は品質のものであり得る。且つ/又は、マルチメディアコンテンツは、過剰負荷にあるネットワーク上で提供される場合、周期的に壊れる、又は休止することがあり得る。
【0021】
限られたリソースの携帯ネットワークにおいて、進歩的なダウンロードをベースとしたストリーミング技術を使用することは、非効率的な帯域幅の利用及び不十分なエンドユーザ体感品質のために、望ましくないことがあり得る。以下で更に詳細に議論されるように、ハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP)による動的適応型ストリーミング(DASH)のような、HTTPをベースとしたストリーミングサービスは、進歩的なダウンロードをベースとしたストリーミングの弱点に対処するために、使用することが可能である。
【0022】
ユーザ機器(UE)のようなクライアントへストリームされるマルチメディアコンテンツは、複数のマルチメディア・コンテンツ・セグメントを含むことが可能である。マルチメディア・コンテンツ・セグメントの各々は、マルチメディアコンテンツの異なる品質レベルを表す、異なる符号化バージョンを含むことが可能である。異なる符号化バージョンは、クライアントが、変化するネットワーク条件にシームレスに適合するのを許可することが可能である。例えば、ネットワーク条件が良好である場合(即ち、ネットワーク条件が、所定の閾値よりも高い)、クライアントは、より高いビデオ品質となるマルチメディア・コンテンツ・セグメントを要求することが可能である。ネットワーク条件が十分でない場合(即ち、ネットワーク条件が、所定の閾値より低い場合)、クライアントは、より低いビデオ品質となるマルチメディア・コンテンツ・セグメントを要求することが可能である。その結果、ネットワーク条件が不十分であり、且つ適応型メディアストリームが中断されている見込みが減少し得る場合、クライアントは、依然として、(より低い品質のものではあるが)マルチメディア・コンテンツ・セグメントを受信できるかもしれない。
【0023】
DASHにおいて、クライアントは、最も高いビットレートを有するマルチメディア・コンテンツ・セグメントが、メディア再生において再バッファリング事象を引き起こすことなく、メディア再生に間に合って、クライアントでダウンロードされ得るよう、そのマルチメディア・コンテンツ・セグメントを選択することが可能である。換言すれば、高すぎて、クライアントにおいてメディア再生を再開する前にクライアント上でメディアコンテンツの一部分をキャッシュする又は予めロードするために、適応型メディアストリームが周期的に中断されるマルチメディア・コンテンツ・セグメントをクライアントは選択しないかもしれない。一実施例において、不利なネットワーク条件は、メディア・コンテンツ・ストリームの品質を低下させ得る。不利なネットワーク条件は、有効範囲ゼロ、突然の帯域幅変化、パケット損失、実質的な遅延変動などを含み得る。利用可能な処理能力に基づいて、利用可能な処理能力を計算すると共に、適切なストリーミング・ビット・レートを決定する場合、適応型ストリーミング技術は、現在のネットワーク条件を考慮するかもしれないが、突然のネットワーク変動及び/又は不利なネットワーク条件の間、クライアントでの円滑なメディア再生は保証されないかもしれない。
【0024】
それ故に、クライアントでの適応型メディアストリームに対して望ましい体感品質を維持するためには、クライアントの予定のルート、及び予定のルートに沿った現在のネットワーク条件を、クライアントにおいてマルチメディア・コンテンツ・セグメントを戦略的にキャッシュするために使用することが可能であり、それによって、クライアントでのより円滑なメディア再生、及び体感品質の向上という結果がもたらされる。クライアントは、予定のルート(即ち、クライアントが進もうとしている地理的なルート)を選択することが可能である。予定のルート上を移動している間、クライアントは、メディアコンテンツ(例えば、映画)をストリーミングすることが可能である。一実施例において、クライアントは、移動している乗物内に、又は乗物のコンピューティングデバイス内に位置する携帯デバイスを含むことが可能である。クライアントは、チャンネル情報データベース(CID)から、予定のルートに対する現在のネットワーク条件を受信することが可能である。現在のネットワーク条件は、所定の閾値未満である、対応するネットワーク条件を有する予定のルート(例えば、トンネル、橋、遠隔エリア)に沿う特定の場所を含むことが可能である。クライアントは、メディア・コンテンツ・サーバから、メディアコンテンツの付加的なメディア・コンテンツ・セグメントを(例えば、映画の付加的なセグメント)要求し、且つ、その後、付加的なメディア・コンテンツ・セグメントをキャッシュに格納することが可能である。クライアントが、所定の閾値未満であるネットワーク条件を有する予定のルートに沿う場所に達する場合、クライアントは、キャッシュに格納されているメディアコンテンツを再生することが可能である。その結果、クライアントでは、連続的なメディア再生が実質的に提供され得るが、このことは、予定のルートに沿う現在のネットワーク条件が、所定の閾値未満に低下した場合の時間の間でさえも当てはまる。ワイヤレスマルチメディア規格
【0025】
これまでに数多くのマルチメディア規格が存在するが、それらは、マルチメディアが、携帯コンピューティングデバイスへ、携帯コンピューティングデバイスから、又は携帯コンピューティングデバイス間で伝達されるのを可能とするために開発されてきた。例えば、ストリーミングビデオでは、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)が技術仕様書(TS)26.234(例えば、リリース11.0.0)を開発したが、この技術仕様書は、パケット交換ストリーミングサービス(PSS)を説明し、このサービスは、オンデマンドコンテンツ又はライブコンテンツのユニキャストストリーミングのための実時間ストリーミングプロトコル(RTSP)に基づくものである。加えて、進歩的なダウンロード及び、ハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP)による動的適応型ストリーミング(DASH)を含むHTTPをベースとしたストリーミングサービスは、3GPP−TS26.247(例えば、リリース11.0.0)において説明されている。3GPPをベースとしたマルチメディア放送及びマルチキャストサービス(MBMS)仕様書TS26.346(例えば、リリース11.0.0)は、マルチキャスト/放送コンテンツ配布のための、ストリーミング技術及びダウンロード技術を規定している。そのため、ユーザ機器(UE)のような、DASH/PSS/MBMSをベースとした携帯コンピューティングデバイスは、UEデバイスにおいて、ストリームされたビデオを復号すると共に表現する。3GPP−TS26.244(例えば、リリース11.0.0)における3GPファイルフォーマットに対するサポートは、ファイルダウンロード及び、HTTPをベースとしたストリーミング用途のケースをサポートするべく、これらの仕様書の全てにおいて要求されている。
【0026】
テレビ会議のような対話型ビデオ通信のための規格の一例は、3GPP−TS26.114(例えば、11.0.0)において提供される。その規格は、IMS上でのマルチメディア電話技術サービス(MTSI)を説明するが、このサービスは、インターネットプロトコル(IP)マルチメディアサブシステム(IMS)をベースとしたネットワーク上での、進歩したマルチメディア対話型サービス及びコンテンツの配信を可能にする。IMSは、3GPP−TS26.140(例えば、リリース11.0.0)において規格化されている。MTSIをベースとした送信器UE端末は、ビデオを取り込むと共に録画し、且つ、その後、3GPPネットワーク上で、ビデオをMTSIをベースとした受信器UE端末へ送信する。受信器UE端末は、その後、ビデオを復号すると共に表現する。3GPP−TS26.140はまた、マルチメディア共有サービス(MMS)を用いたビデオ共有を可能とするが、このサービスの中で、3GPファイルフォーマットに対するサポートが提供される。
【0027】
上で説明された規格は、ワイヤレスマルチメディア規格の例として提供され、このワイヤレスマルチメディア規格は、マルチメディアデバイスへ、マルチメディアデバイスから、及び/又はマルチメディアデバイス間で、マルチメディアファイルを伝達するために使用することが可能である。これらの例は、限定的であることを意図するものではない。付加的な規格は、ストリーミングビデオ、対話型ビデオ、又はビデオ共有を提供するために使用することが可能である。ストリーミングメディア規格
【0028】
HTTPストリーミングのより詳細な説明、及び特に、DASH規格は、本発明の実施形態と関連付けて、本明細書で提供される。詳細な説明は、限定的であることを意図するものではない。続く節で更に説明されるであろうが、本発明の実施形態は、携帯デバイスへ、携帯デバイスから、及び/又は携帯デバイス間でマルチメディアを効率的に伝達するために使用することが可能であり、これは、携帯デバイス、又は携帯デバイスと通信状態にあるサーバが、望ましいエネルギー特性を有するマルチメディアを、選択する且つ/又は伝達することを可能とすることによる。マルチメディアは、規格化された通信方式、又は規格化されていない通信方式を使用して伝達することが可能である。
【0029】
ハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP)ストリーミングは、インターネットビデオのマルチメディア配信の形態として、使用することが可能である。HTTPストリーミングでは、マルチメディアファイルは、1つ以上のセグメントに分割し、且つHTTPプロトコルを使用して、クライアントに配信することが可能である。HTTPをベースとした配信は、伝送制御プロトコル(TCP)/インターネットプロトコル(IP)を含む、HTTP及びHTTPの根底にあるプロトコルの両方を広く採用することによる、信頼性及び配置の単純性を提供することが可能である。HTTPをベースとした配信は、ネットワークアドレス変換(NAT)及びファイヤウォールトラバーサル問題を避けることによって、簡単化されたストリーミングサービスを可能にすることが可能である。HTTPをベースとした配信又はストリーミングはまた、専門化されたストリーミングサーバの代わりに、標準的なHTTPサーバ及びキャッシュを使用するための能力を提供することが可能である。HTTPをベースとした配信は、サーバ側での最小の状態情報又は削減された状態情報のために、スケーラビリティを提供することが可能である。HTTPストリーミング技術の例として、Microsoft IIS Smooth Streeming、Apple HTTP Live Streaming、及びAdobe HTTP Dynamic Streamingを含むことが可能である。
【0030】
DASHは、規格化されたHTTPストリーミングプロトコルである。
図1に示されるように、DASHは、メディア表現記述(MPD)メタデータファイル102のための異なるフォーマットを規定することが可能であるが、ここでメタデータファイル102は、構造に関する情報、及びセグメントフォーマットと同様、サーバに格納されたメディアコンテンツ表現の異なるバージョンに関する情報を提供する。MPDメタデータファイルは、メディアプレーヤのための初期化及びメディアセグメントに関する情報を含むが(例えば、メディアプレーヤは、コンテナフォーマットを決定するための初期化セグメント、及びメディアタイミング情報を見ることが可能である)、これは、他の表現との交換表現及び同期表現のために、メディア表現タイムラインの中にセグメントを対応付けすることを保証するためである。DASH技術はまた、Moving Picture Expert Group(MPEG)、Open IPTV Forum(OIPF)、Hybrid Broadcast Broadband TV(HbbTV)のような、他の団体によって規格化されてきた。
【0031】
DASHクライアントは、一連のHTTP要求−応答処理を通してセグメントをダウンロードすることにより、マルチメディアコンテンツを受信することが可能である。DASHは、携帯デバイスの変化に対して利用可能であるバンド幅として、メディアコンテンツの異なるビットレート表現の間で、動的に切り替えるための能力を提供することが可能である。従って、ネットワーク条件及びワイヤレスリンク条件、ディスプレイ解像度、使用される中央処理ユニット(CPU)のタイプ、利用可能なメモリリソースなどのような、ユーザ嗜好及びデバイス能力を変化させることに対して、DASHは素早い適応を可能にする。DASHの動的適応によって、より短いスタートアップ遅延、及び他のストリーミングプロトコルよりも少ない再バッファリング事象を有する、より良いユーザ体感品質(QoE)を提供することが可能である。
【0032】
DASHでは、メディア表現記述(MPD)メタデータ102は、
図2に示されるように、ウェブ/メディアサーバ212に格納されたメディアコンテンツ表現の、構造及び異なるバージョンに関する情報を提供することが可能である。
図1に示された実施例では、MPDメタデータは、この例では60秒のような、所定の長さを有する期間に一時的に分割される。各期間は、複数の適応セット104を含むことが可能である。各適応セットは、多くの符号化された代替案を有する1つ以上の構成要素についての情報を提供することが可能である。例えば、この実施例における適応セット0は、異なるビットレート、モノラルサラウンドサウンド、ステレオサラウンドサウンドなどのような、様々に異なって符号化されたオーディオ代替案を含んでもよいであろう。期間IDにわたるマルチメディア表現に対して異なる品質のオーディオを提供することに加えて、適応セットはまた、異なる言語におけるオーディオを含むことが可能である。適応セットで提供された異なる代替案は、表現106と呼ばれる。
【0033】
図1では、適応セット1は、5メガビット/秒(Mbps)、2Mbps、500キロビット/秒(kbps)のような異なるビットレートで、又はトリックモードでビデオを提供するものとして示されている。トリックモードは、シーク、早送り、巻き戻し、又はマルチメディア・ストリーミング・ファイルの中の場所における他の変化に対して、使用することが可能である。加えて、ビデオはまた、二次元(2D)ビデオ、三次元(3D)ビデオのような異なるフォーマットにおいて利用可能であり得る。各表現106は、セグメント情報108を含むことが可能である。セグメント情報は、初期化情報110及び実際のメディア・セグメント・データ112を含むことが可能である。この例では、MPEG4(MP4)ファイルが、サーバから携帯デバイスへストリームされる。MP4がこの例で使用される間、以前に議論したように、様々な種類のコーデックを使用することが可能である。
【0034】
適応セットの中のマルチメディアは、より小さなセグメントに更に分割することが可能である。
図1の例では、適応セット1の60秒ビデオセグメントは、各々が15秒の4つのサブセグメント112に更に分割される。これらの例は、限定的であることを意図するものではない。適応セット及び、各メディアセグメント又はサブセグメントの実際の長さは、メディアの型、システム要求、潜在的干渉の型などに依存する。実際のメディアセグメント又はサブセグメントは、1秒から数分の長さ以下の長さを有することが可能である。
【0035】
図2に示されるように、MPDメタデータ情報は、携帯デバイスのようなクライアント220へ伝達することが可能である。携帯デバイスは、ストリーミングメディアを受信すると共に表示するように構成された、ワイヤレスデバイスであり得る。一実施形態において、携帯デバイスは、この機能の一部分だけを実施することが可能であり、ここでこの機能とは、ストリーミングメディアを受信し、その後、それを表現するために、別のデバイス又は表示デバイスへ伝達することのようなものである。携帯デバイスは、クライアント220を動かすように構成することが可能である。クライアントは、HTTP−GETメッセージ240又は一連の部分的GETメッセージを使用して、セグメントを要求することが可能である。クライアントは、ストリーミングセッションを制御することが可能であるが、ここでストリーミングセッションとは、オンタイムの要求及び、一連のセグメントの円滑な再生終了を管理すること、又は、ワイヤレスリンク、デバイス状態、若しくはユーザ嗜好の変化に反応するために、ビットレート又は他の属性を潜在的に調節すること、のようなものである。
【0036】
図2は、DASHをベースとしたストリーミングの枠組を示す。ウェブ/メディアサーバ212の中のメディア符号器214は、オーディオ/ビデオ入力210からの入力メディアを符号化して、格納又はストリーミングのためのフォーマットとすることが可能である。メディア分割器216は、入力メディアを一連のセグメント232に分割するために使用することが可能であり、ここで一連のセグメント232は、ウェブサーバ218に提供することが可能である。クライアント220は、ウェブサーバ(例えば、HTTPサーバ)へ送信されたHTTP−GETメッセージ234を使用して、セグメントの中の新しいデータを要求することが可能である。
【0037】
例えば、クライアント220のウェブブラウザ222は、HTTP−GETメッセージ240を使用して、マルチメディアコンテンツを要求することが可能である。ウェブサーバ218は、クライアントに、マルチメディアコンテンツのためのMPD242を提供することが可能である。MPDは、関連するメタデータ情報252に示されるような、各セグメントのインデックス、及びセグメントの対応する場所を伝えるために、使用することが可能である。ウェブブラウザは、236で示されるように、MPD242に従って、サーバからセグメントごとにメディアを引き抜くことが可能である。例えば、ウェブブラウザは、HTTP GET URL(frag 1 req)244を使用して、第1セグメントを要求することが可能である。ユニフォーム・リソース・ロケータ(URL)又はユニバーサル・リソース・ロケータは、クライアントがどのセグメントを要求するべきかを、ウェブサーバに告げるために使用することが可能である(254)。ウェブサーバは、第1フラグメント(即ち、セグメント1(246))を提供することが可能である。続くセグメントに対しては、ウェブブラウザは、HTTP GET URL(frag i req)248を使用して、セグメントiを要求するが、ここでiは、セグメントの整数のインデックスである。その結果、ウェブサーバは、セグメントiを提供することが可能である(250)。セグメントは、メディア復号器/メディアプレーヤ224を介して、クライアントに提示することが可能である。
【0038】
図3は、マルチメディアコンテンツを提供するHTTPサーバ310と、UE336のような携帯デバイス上で動作する3GPPクライアント338との間の、マルチメディアコンテンツ312の流れを示す。[0]HTTPサーバは、ワイヤレス・ワイドエリアネットワーク(WWAN)のコアネットワーク324と通信状態にある、パブリックネットワーク又はプライベートネットワーク322(又はインターネット)とインターフェースでつながることが可能である。一実施形態において、WWANは、3GPP−LTEをベースとしたネットワーク、又はIEEE802.16をベースとしたネットワーク(即ち、802.16−2009)であり得る。コアネットワークは、無線アクセスネットワーク(RAN)332を介して、進化型パケットシステム(EPS)のようなワイヤレスネットワーク330にアクセスすることが可能である。RAN332は、マルチメディアコンテンツを、ノード(例えば、進化型ノードB(eNB)334)を介して、UE336上で動作するクライアントに提供することが可能である。
【0039】
HTTPサーバ310は、チャンネル情報データベース350と結合させることが可能である。チャンネル情報データベース350は、複数の地理的場所に対する、現在のネットワーク条件を含むことが可能である。複数の地理的場所は、特別な道路、通り、近隣、地理的領域、橋、トンネルなどを含むことが可能である。現在のネットワーク条件は、複数の地理的場所に対する、現在のネットワーク条件の実時間監視に基づくものであり得る。それ故に、チャンネル情報データベース350は、現在のネットワーク条件における変動によって、動的に更新することが可能である。代わりに、現在のネットワーク状態は、複数の地理的場所に対する履歴的ネットワーク条件情報に基づいて、推測することが可能である。更に別の実施例では、現在のネットワーク条件は、クラウドをソースとしたネットワーク条件情報を使用して、決定することが可能である。
【0040】
DASHでは、メディアコンテンツは、(例えば、品質レベルに対応する)異なる表現で格納することが可能である。各表現は、メディア・コンテンツ・セグメントのリストを含むことが可能であり、このリストは、クライアント(例えば、携帯デバイス)によって要求することが可能である。異なる表現に関する情報、及び各表現に対するメディア・コンテンツ・セグメントのリストは、MPDの中に集め、且つクライアントによってダウンロードすることが可能であり、且つ、MPDに基づいて、クライアントは、異なるメディア・コンテンツ・セグメントを、サーバから要求することが可能である。
【0041】
一実施例において、符号化プロセスによって導入される品質変動を扱うために、様々な後処理動作を、DASHフォーマットされたコンテンツ及び関連するMPDファイル(即ち、マニフェストファイル)に対して実施することが可能である。ビデオコンテンツ特性は、コンテンツの性質に基づいて、しばしば変化するが、これは、符号器が、必ずしも首尾一貫した品質を生成できない、また同時に、ある指定されたビットレートを有するビットストリームを生成できない1つの理由である。例えば、スポーツのビデオクリップにおけるような、比較的大きな動きの量を有する敏速に変わるシーンは、首尾一貫した品質で符号化することは困難な場合があり、それ故に、符号化されたデータの品質は、著しく変動し得る。別の例として、シーン間の移り変わりを、あるレベルの品質変動を導入することなく、符号化するのは困難であり得る。他方で、ゆっくりと変化するシーンの符号化は、少ない品質変動で符号化することが可能であるが、その理由は、これらのシーンを表現するのに、比較的少ない数のビットが使用されるからである。
【0042】
多くの商用の符号器(又はビデオコーデック)は、可変品質レベルで、符号化されたメディア・コンテンツ・セグメントを生成する。ビデオコードは、デジタルビデオの圧縮又は展開を可能にするデバイス又はソフトウェアである。ビデオコーデックの幾つかの例として、H.265若しくはMotion Picture Expert Group(MPEG)−H High Efficiency Video Coding(HEVC)、又は、H.264若しくはMPEG−4 Advanced Video Coding(AVC)、又は、H.263/MPEG−4 Part.2が含まれる。
【0043】
図4は、ハイパーテキスト転送プロトコルによる代表的な動的適応型ストリーミング(DASH)メディア表現記述(MPD)ファイル生成プロセスの図である。幾つかの実施例において、DASH−MPDファイル生成プロセスは、コンテンツ配信ネットワーク(CDN)又はオペレータネットワークの中のサーバ(例えば、エッジサーバ)で行うことが可能である。入力ビデオは、サーバで受信することが可能である。入力ビデオは、スポーツ試合又はニュース放送のような、メディアコンテンツを含むことが可能である。サーバで受信されたメディアコンテンツは、単一のファイル(例えば、2時間ニュースイベントのファイル)を含むことが可能である。加えて、入力ビデオは、元々の、圧縮されていないビデオ信号であり得る。ブロック402では、ビデオ/オーディオ符号化プロセスを、メディアコンテンツ上で実施することが可能である。ビデオ符号化(又はビデオトランスコーディング)プロセスは、メディアコンテンツを、ウェブプレーヤ及び携帯デバイスと互換性のあるデジタルフォーマットに編成することが可能である。換言すれば、メディアコンテンツは、自身を様々なデバイス上で視聴可能なフォーマットに変換するための、ビデオ符号化プロセスを経ることが可能である。ビデオコーデックの例として、H.265、H.264、Windows(登録商標) Media Video(WMV)などが含まれ得る。オーディオコーデックの例として、MPEG−1又はMPEG−2 Audio Layer III(MP3)、及びWindows(登録商標) Media Audio(WMA)が含まれ得る。ブロック404では、オーディオコンテンツとビデオコンテンツを互いに交互配置するための、ビデオ多重化プロセスを実施することが可能である。
【0044】
ブロック406では、(交互配置されたビデオ及びオーディオを有する)メディアコンテンツは、分割プロセスを経ることが可能である。換言すれば、メディアコンテンツは、複数のメディア・コンテンツ・セグメントに分割することが可能である。例えば、各メディア・コンテンツ・セグメントは、0.5秒の長さ、1秒の長さ、2秒の長さなどのものであり得る。ステップ408では、メディア・コンテンツ・セグメントを記述するDASH−MPDを生成することが可能である。DASH−MPDファイル生成プロセスは、コンテンツプロバイダによって指定される各ビットレートに対して、繰り返すことが可能である。従って、MPDは、ある与えられたビットレートに対して、それぞれ、幾つかの表現を含むことが可能である。適応型メディア・コンテンツ・ストリーミングを提供するために、ビットレートは、1つの表現から別の表現で、異なることが有り得る(例えば、500、1000、1500キロビット/秒)。DASH−MPDは、クライアントへ伝達することが可能であり、且つクライアントは、クライアントにおいて再生することを目的として、サーバからあるメディア・コンテンツ・セグメントを要求するために、DASH−MPDを使用することが可能である。
【0045】
図5は、メディア・コンテンツ・セグメントの表現内での、メディア・コンテンツ・セグメントの中の代表的な品質変動を示すものである。
図5に示すように、典型的な表現に対する品質レベルは、一般に一定のままであるが、しかし表現の中では、高い方の品質と低い方の品質の両方で異常を含むことがある。(
図4で説明されたような)符号化プロセス、多重化プロセス、及び分割プロセスから生じるメディア・コンテンツ・セグメントは、品質レベルで変動し得るが(例えば、あるメディア・コンテンツ・セグメントは、他のメディア・コンテンツ・セグメントと比較して、より高いレベル又はより低いレベルを持ち得る)、これは、可変ビットレート符号化の性質、符号化されているメディアコンテンツの性質、及びビデオ符号化プロセスによって使用される異なった符号化技術の性質によるためである。換言すれば、圧縮されていないビデオ信号を符号化するプロセスは、品質変動という結果をもたらし得る。
【0046】
一実施例において、ビデオコンテンツの中で速く動くシーン、及びビデオコンテンツの中で遅く動くシーンは、同じ符号化技術を使用して、符号化することが可能である。しかしながら、速く動くシーンに対して使用される比較的大きな数のビット、及び遅く動くシーンに対して使用される比較的小さな数のビットのために、速く動くシーンは、遅く動くシーンよりも低い品質のものとなり得るが、このことは、両方のシーンが、同じ表現にある場合でさえも当てはまる。クライアントが異なるビットレートでサポートされる場合、1つのメディア・コンテンツ・セグメントから別のメディア・コンテンツ・セグメントでの品質変動を、クライアントは気づくことが可能である。換言すれば、クライアントのユーザは、異なるシーン間又は異なるフレーム間で、品質レベルにおける変動に気づくことが可能であり、これによって、潜在的には不十分なユーザ体感という結果がもたらされる。
【0047】
図6は、MPD後処理技術を含む、ハイパーテキスト転送プロトコルによる代表的な動的適応型ストリーミング(DASH)メディア表現記述(MPD)ファイル生成プロセスの図である。幾つかの実施例において、MPD後処理技術を有するDASH−MPDファイル生成プロセスは、コンテンツ配信ネットワーク(CDN)又はオペレータネットワークの中のサーバ(例えば、エッジサーバ)で生じることが可能である。入力ビデオは、サーバで受信することが可能である。入力ビデオは、スポーツ試合又はニュース放送のような、メディアコンテンツを含むことが可能である。ブロック602では、ビデオ/オーディオ符号化プロセスは、メディアコンテンツに対して実行することが可能である。ブロック604では、ビデオ多重化プロセスは、オーディオコンテンツとビデオコンテンツを互いに交互配置するように実施することが可能である。ブロック606では、ビデオコンテンツ及びオーディオコンテンツ(又はメディア・コンテンツ・ストリーム)は、分割プロセスを経ることが可能である。換言すれば、メディア・コンテンツ・ストリームは、複数のメディア・コンテンツ・セグメントに分割することが可能である。ステップ608では、メディア・コンテンツ・セグメントを記述するDASH−MPDを生成することが可能である。ステップ610では、MPD後処理技術は、DASH−MPDに対して実行することが可能である。表現内で同様な品質のメディア・コンテンツ・セグメントは、一緒にグループ化し、且つ変更されたMPD620を形成するために使用することが可能である。一実施例において、MPD後処理技術は、ビデオコーデックにおいてではなく、DASH符号器において、実施することが可能である。
【0048】
各表現の各メディア・コンテンツ・セグメントに対する品質測定規準は、例えば品質測定ツール614を使用して、比較することが可能である。品質測定規準は、メディア・コンテンツ・セグメントの品質レベルを判断するために使用される、客観的基準又は主観的基準であり得る。一般に、メディアコンテンツ品質(又はビデオ品質)は、元々のビデオコンテンツと、それがビデオ伝送システム又はビデオ処理システム(例えば、ビデオ符号器)を通過した後のビデオコンテンツとの間で、認められるビデオ劣化の公式又は非公式の尺度のことを指す。換言すれば、品質測定規準は、元々のビデオ信号(これは、一般に高品質であると考えられるが、その理由は、元々のビデオ信号は圧縮されていないためである)と、符号化された(又は、別な方法では、変換された)ビデオ信号との間の差異を測定することが可能である。デジタルビデオ処理システム(例えば、ビデオコーデック)の品質を評価するための1つの技術は、元々の信号とビデオ処理システムを通過した信号との間で、信号対雑音比(SNR)及びピーク信号対雑音比(PNSR)を計算することである。PSNRは、一般に使用される客観的なビデオ品質測定規準である。他の品質測定規準として、ビデオ品質の知覚評価(PEVQ)、構造的類似性(SSIM)、及びチェナコウスキー(Czenakowski)距離(CZD)を含むことが可能である。品質測定規準は、メディア・コンテンツ・セグメントの各々に割り当てることが可能である。又は、代わりに、各メディアセグメントは、メディア・コンテンツ・サブセグメントに分割され、且つメディア・コンテンツ・サブセグメントの各々には、品質測定規準を割り当てることが可能である。
【0049】
各メディア・コンテンツ・セグメントに対する品質測定規準は、その同じ表現にある他のメディア・コンテンツ・セグメントと比較することが可能である。もしその表現にあるメディア・コンテンツ・セグメントが、同じ表現にある他のメディア・コンテンツ・セグメントと実質的に同様な品質のものである場合、その時は、メディア・コンテンツ・セグメントは影響を受けない。メディア・コンテンツ・セグメントの各々に対する品質測定規準が、選択された品質閾値612を超える場合、メディア・コンテンツ・セグメントは影響を受けないことが可能である。幾つかの実施例において、選択された品質閾値612は、サーバ又はユーザ機器(UE)によって決定することが可能である。
【0050】
もしその表現のメディア・コンテンツ・セグメントが、選択された品質閾値612未満である場合、これらのメディア・コンテンツ・セグメントは、その表現の中で置き換えることが可能である。例えば、これらのメディア・コンテンツ・セグメントは、MPDファイル内に記述される、異なる表現に由来した、対応するメディア・コンテンツ・セグメントで置き換えることが可能である。幾つかの実施例において、異なる表現は、比較的高いビットレートで、又は比較的低いビットレートで、一組のメディア・コンテンツ・ファイルを含むことが可能である。対応するメディア・コンテンツ・セグメントに対する品質測定規準は、選択された品質閾値612よりも大きいことが可能である。対応するメディア・コンテンツ・セグメントは、異なる表現の実質的に同一のメディア時間範囲に由来することが可能である。その結果、その表現に対するメディア・コンテンツ・セグメントは、実質的に同様な品質のものであり得る。変更されたMPD620は、各々が比較的同様の品質レベルを有するメディア・コンテンツ・セグメントを含むように生成することが可能である。変更されたMPD620は、クライアントへ伝達することが可能であるが、ここで、変更されたMPDは、クライアントにおいて、メディア・コンテンツ・セグメントの実質的に一定品質の再生を提供することが可能である。クライアントには、品質において最小の時間的変動を有するメディアコンテンツの表現を提供することが可能である。従って、クライアントは、与えられた表現にアクセスし、且つ再生の間、首尾一貫した品質、及び品質変動量の低減を体感することが可能である。
【0051】
非限定的な実施例として、2秒のメディア・コンテンツ・セグメントは、2:11:22(即ち、2時間、11分、及び22秒)から2:11:24までのビデオ時間符号に対応する。2秒のメディア・コンテンツ・セグメントは、4.5メガビット/秒(Mbps)のビデオストリームに含めてもよい。2秒のメディア・コンテンツ・セグメントに対する品質測定規準は、品質閾値612未満として決定してもよい。より高い表現に由来する、対応するメディア・コンテンツ・セグメント(例えば、5.3Mbpsのビデオストリームにおいて、2:11:22から2:11:24までのビデオ時間符号を有する2秒のメディア・コンテンツ・セグメント)は、低減された品質を有する2秒のメディア・コンテンツ・セグメントを置き換えることが可能である。それ故に、(たとえ異なるビットレートでも)同様な品質のメディア・コンテンツ・セグメントは、その表現の中で一緒にグループ化することが可能である。全て実質的に同じ品質レベルを有する表現の中で、一組のメディアコンテンツを達成するために、メディア・コンテンツ・セグメントを混合し、且つ調和させることが可能である。
【0052】
一実施例において、一緒にグループ化されたメディア・コンテンツ・セグメントは、同様な品質レベルだが、異なるビットレートを有することが可能である。例えば、比較的高いビットレートのメディア・コンテンツ・セグメントは、比較的低いビットレートのメディア・コンテンツ・セグメントと混合することが可能である(品質レベルが実質的に同様である場合でさえも)。メディア・コンテンツ・セグメントに対してビットレートが少ない変動を有する場合、クライアントは、より効率的に動作することが可能である。従って、最小のビットレート変動量は、クライアントにとって望ましいものであり得る。他方で、品質レベルが変動するセグメントは、クライアントのユーザに対しては、望ましくないというものであり得る。それ故に、安定なビットレートを達成することと、安定なビデオ品質を達成することとの間で、トレードオフ又は妥協がなされ得る。
【0053】
代替的な構成において、同表現の、選択された品質閾値612未満である品質測定規準を有するメディア・コンテンツ・セグメントは、再符号化することが可能である。例えば、メディア・コンテンツ・セグメントは、異なる符号器構成を使用して、再符号化することが可能である。メディア・コンテンツ・セグメントは、ビデオコーデック(例えば、H.264)又はオーディオコーデック(例えば、MP3)を使用して、再符号化することが可能である。メディア・コンテンツ・セグメントを再符号化することによって、品質レベルを改善することが可能であり、その結果、再符号化されたメディア・コンテンツ・セグメントに対する品質測定規準は、品質閾値612より高くあり得る。換言すれば、メディア・コンテンツ・セグメントを再符号化することが可能であり、且つ再符号化されたメディア・コンテンツ・セグメントに対する品質測定規準を決定することが可能である。もし品質測定規準が、今は品質閾値612より高い場合、再符号化されたメディア・コンテンツ・セグメントは、MPDの中に含めることが可能である。その結果、同表現のメディア・コンテンツ・セグメント(即ち、再符号化されたメディア・コンテンツ・セグメント、及び再符号化されなかったメディア・コンテンツ・セグメントの両方)は、比較的同様の品質レベルを有することが可能である。
【0054】
一実施例において、変更されたMPD612は、特別なデバイスの型(又は目標デバイス)に対して生成することが可能であるが、その理由は、品質閾値612は、ユーザが使用しているデバイスの型に依存し得るからである。例えば、高分解能な12インチのディスプレイスクリーンは、6インチのディスプレイスクリーンと比較して、より大きな数の画素を有することが可能であり、且つ、それ故に、6インチのディスプレイスクリーン上で許容できる品質のビデオは、12インチのディスプレイスクリーンに対して許容できないことがあり得る。それ故に、既知の能力(例えば、スクリーンサイズ、スクリーン解像度)を有する与えられた目標デバイスについては、MPD後処理を、その特定の目標デバイスに対して実施することが可能である。メディアコンテンツは、各デバイスの型に対して、DASHレベルで再符号化することが可能である。テレビジョンのためのメディアコンテンツは、スマートフォン又はタブレットコンピュータに対するメディアコンテンツとは異なるやり方で、再符号化することが可能である。一実施例において、報奨付き申し込みプランに加入しているクライアントは、その特別なクライアントに対して符号化されるメディアコンテンツにアクセスできる場合がある。
【0055】
別の実施例において、メディアコンテンツの新しい表現を作り出すために、MP後処理を使用することが可能であるが、これは、現存する表現の組み合わせではあるが、特別なクライアントに対してより適切である、新しいビットレートを有する表現の組み合わせを使用することによって可能となる。例えば、500kbps表現に対するメディア・コンテンツ・セグメント、及び1000kbps表現に対するメディア・コンテンツ・セグメント(即ち、同じメディアコンテンツのもの)は、750kbps表現のメディアコンテンツを作り出すために組み合わせることが可能であるが、その際、メディアコンテンツをトランスコードする必要はない。
【0056】
別の実施例は、
図7のフローチャートで示されるように、ハイパーテキスト転送プロトコルによる動的適応型ストリーミング(DASH)をサポートするよう動作可能なネットワークデバイスの回路の機能性700を提供する。機能性は方法として履行してもよいし、又は機能性はマシン上での命令として実行してもよく、ここで命令は、少なくとも1つのコンピュータ可読媒体上に、又は少なくとも1つの非一時的なマシン可読記憶媒体上に含まれる。回路は、ブロック710におけるように、メディア表現記述(MPD)ファイル内に記述される定義された表現の複数のメディア・コンテンツ・セグメントを識別するように構成することが可能である。回路は、ブロック720におけるように、MPDファイル内に記述される定義された表現の複数のメディア・コンテンツ・セグメントの各々に対して、品質測定規準を決定するように構成することが可能である。回路は、ブロック730におけるように、定義された表現の、決定された品質測定規準が選択された閾値未満であるメディア・コンテンツ・セグメントを識別するように構成することが可能である。加えて、ブロック740におけるように、変更されたMPDファイルを形成するために、回路は、識別されたメディア・コンテンツ・セグメントを、MPDファイル内に記述される異なる表現に由来する、対応するメディア・コンテンツ・セグメントで置き換えるように構成することが可能であり、ここで、定義された表現のメディア・コンテンツ・セグメントの実質的に一定品質の再生を提供するために、対応するメディア・コンテンツ・セグメントに対する品質測定規準は、選択された閾値よりも大きい。
【0057】
一実施例において、回路は、変更されたMPDファイルを、DASHをサポートするクライアントデバイスへ伝達するように更に構成することが可能である。別の実施例において、回路は、特別なデバイスの型に対して、変更されたMPDを生成するように更に構成することが可能である。更に別の実施例において、ネットワークデバイスは、コンテンツ配信ネットワーク(CDN)又はオペレータネットワークに位置する。
【0058】
一態様において、回路は、ビットレートパラメータ又は品質パラメータの少なくとも1つを使用して、メディア・コンテンツ・セグメントに対する品質測定規準を識別するように更に構成することが可能である。別の態様において、対応するメディア・コンテンツ・セグメントは、定義された表現のメディア・コンテンツ・セグメントと比較して、異なる表現の実質的に同一のメディア時間範囲に由来するものである。更に別の態様において、回路は、定義された表現の、決定された品質測定規準が選択された閾値未満であるメディア・コンテンツ・セグメントを再符号化するように更に構成することが可能であり、その結果、再符号化されたメディア・コンテンツ・セグメントに対して決定された品質測定規準は、選択された閾値より高い。
【0059】
別の実施例は、
図8のフローチャートで示されるように、ハイパーテキスト転送プロトコルによる動的適応型ストリーミング(DASH)をサポートするための方法800を提供する。本方法は、マシン上での命令として実行してもよく、ここで命令は、少なくとも1つのコンピュータ可読媒体上に、又は少なくとも1つの非一時的なマシン可読記憶媒体上に含まれる。本方法は、ブロック810におけるように、メディア表現記述(MPD)ファイル内に記述される定義された表現の複数のメディア・コンテンツ・セグメントの各々に対して、ネットワークデバイスにおいて、品質測定規準を決定する動作を含むことが可能である。本方法は、ブロック820におけるように、定義された表現の、決定された品質測定規準が選択された閾値未満であるメディア・コンテンツ・セグメントを識別する動作を含むことが可能である。ブロック830におけるように、変更されたMPDファイルを形成するために、本方法は、識別されたメディア・コンテンツ・セグメントを、MPDファイル内に記述される異なる表現に由来する、対応するメディア・コンテンツ・セグメントで置き換える動作を含むことが可能であり、ここで、定義された表現のメディア・コンテンツ・セグメントの実質的に一定品質の再生を提供するために、対応するメディア・コンテンツ・セグメントに対する品質測定規準は、選択された閾値よりも大きい。
【0060】
一実施例において、本方法は、変更されたMPDファイルを、ネットワークデバイスから、DASHをサポートするクライアントへ伝達する動作を含むことが可能である。別の実施形態において、本方法は、ネットワークデバイスにおいて、品質測定規準に対して選択された閾値を、ユーザ機器(UE)から受信する動作を含むことが可能である。更に別の実施例において、本方法は、特別なデバイスの型に対して、変更されたMPDを生成する動作を含むことが可能である。
【0061】
一構成において、ネットワークデバイスは、コンテンツ配信ネットワーク(CDN)又はオペレータネットワークに位置する。別の構成において、本方法は、ビットレートパラメータ又は品質パラメータの少なくとも1つを使用して、メディア・コンテンツ・セグメントに対する品質測定規準を識別するステップを更に備える。更に別の構成において、対応するメディア・コンテンツ・セグメントは、定義された表現のメディア・コンテンツ・セグメントと比較して、異なる表現の実質的に同一のメディア時間範囲に由来するものである。加えて、本方法は、定義された表現の、決定された品質測定規準が選択された閾値未満であるメディア・コンテンツ・セグメントを再符号化する動作を含むことが可能であり、その結果、再符号化されたメディア・コンテンツ・セグメントに対して決定された品質測定規準は、選択された閾値より高い。
【0062】
別の実施例は、
図9のフローチャートで示されるように、ハイパーテキスト転送プロトコルによる動的適応型ストリーミング(DASH)をサポートするよう動作可能なネットワークデバイスの回路の機能性900を提供する。機能性は方法として履行してもよく、又は機能性はマシン上での命令として実行してもよく、ここで命令は、少なくとも1つのコンピュータ可読媒体上に、又は少なくとも1つの非一時的なマシン可読記憶媒体上に含まれる。ブロック910におけるように、回路は、メディア表現記述(MPD)ファイル内に記述される定義された表現の複数のメディア・コンテンツ・セグメントを識別するように構成することが可能である。ブロック920におけるように、回路は、MPDファイル内に記述される定義された表現の複数のメディア・コンテンツ・セグメントの各々に対して、品質測定規準を決定するように構成することが可能である。ブロック930におけるように、回路は、定義された表現の、決定された品質測定規準が選択された閾値未満であるメディア・コンテンツ・セグメントを識別するように構成することが可能である。ブロック940におけるように、回路は、定義された表現の、決定された品質測定規準が選択された閾値未満であるメディア・コンテンツ・セグメントを再符号化するように更に構成することが可能であり、その結果、再符号化されたメディア・コンテンツ・セグメントに対して決定された品質測定規準は、選択された閾値より高い。加えて、ブロック950におけるように、定義された表現のメディア・コンテンツ・セグメントの実質的に一定品質の再生を提供するために、回路は、再符号化されたメディア・コンテンツ・セグメントを含めるべく、変更されたMPDを生成するように更に構成することが可能である。
【0063】
一実施例において、回路は、変更されたMPDファイルを、DASHをサポートするクライアントデバイスへ伝達するように更に構成することが可能である。別の実施例において、回路は、特別なデバイスの型のために、変更されたMPDを生成するように更に構成することが可能である。更に別の実施例において、ネットワークデバイスは、コンテンツ配信ネットワーク(CDN)又はオペレータネットワークに位置する。
【0064】
一態様において、回路は、ビットレートパラメータ又は品質パラメータの少なくとも1つを使用して、メディア・コンテンツ・セグメントに対する品質測定規準を識別するように更に構成することが可能である。別の態様において、変更されたMPDファイルを形成するために、回路は、識別されたメディア・コンテンツ・セグメントを、MPDファイル内に記述される異なる表現に由来する、対応するメディア・コンテンツ・セグメントで置き換えるように更に構成することが可能であり、ここで対応するメディア・コンテンツ・セグメントに対する品質測定規準は、選択された閾値よりも大きい。更に別の態様において、対応するメディア・コンテンツ・セグメントは、定義された表現のメディア・コンテンツ・セグメントと比較して、異なる表現の実質的に同一のメディア時間範囲に由来するものである。
【0065】
図10は、ユーザ機器(UE)、移動基地(MS)、携帯ワイヤレスデバイス、携帯通信デバイス、タブレット、ハンドセット、又は他の型のワイヤレスデバイスのような、ワイヤレスデバイスの図解例を提供する。ワイヤレスデバイスは、ノード又は伝送基地と通信するように構成された1つ以上のアンテナを含むことが可能であり、ここでノード又は伝送基地は、基地局(BS)、進化型ノードB(eNB)、ベースバンドユニット(BBU)、遠隔無線ヘッド(RRH),遠隔無線機器(RRE)、リレー基地(RS)、無線機器(RE)、遠隔無線ユニット(RRU)、中央処理モジュール(CPM)、又は他の型の無線ワイドエリアネットワーク(WWAN)アクセスポイントのようなものである。ワイヤレスデバイスは、3GPP−LTE、WiMAX、高速パケットアクセス(HSPA)、ブルートゥース(登録商標)、及びWiFiを含む、少なくとも1つのワイヤレス通信規格を使用して、通信するように構成することが可能である。ワイヤレスデバイスは、各ワイヤレス通信規格に対する別々のアンテナを使用して、又は複数のワイヤレス通信規格に対する共有のアンテナを使用して、通信することが可能である。ワイヤレスデバイスは、ワイヤレス・ローカルエリアネットワーク(WLAN)、ワイヤレス・パーソナルエリアネットワーク(WPAN)、及び/又はWWANにおいて通信することが可能である。
【0066】
図10はまた、マイクロフォン及び1つ以上のスピーカの図解を提供するが、これらは、ワイヤレスデバイスからのオーディオ入力及びオーディオ出力に対して使用することが可能である。ディスプレイスクリーンは、液晶ディスプレイ(LCD)スクリーン、又は有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイのような、他の型のディスプレイスクリーンであってもよい。ディスプレイスクリーンは、タッチスクリーンとして構成することが可能である。タッチスクリーンは、容量性の、抵抗性の、又は別の型のタッチスクリーン技術を使用してもよい。アプリケーションプロセッサ及びグラフィックプロセッサは、処理能力及び表示能力を提供するために、内部メモリと結合させることが可能である。不揮発性メモリポートもまた、データ入力/データ出力の選択肢をユーザに提供するために使用することが可能である。不揮発性メモリポートはまた、ワイヤレスデバイスのメモリ能力を拡大するために使用してもよい。キーボードは、付加的なユーザ入力を提供するために、ワイヤレスデバイスに統合するか、又はワイヤレスデバイスにワイヤレスで結合してもよい。仮想キーボードもまた、タッチスクリーンを使用して提供してもよい。
【0067】
様々な技術、又はそれらのある態様若しくはある部分は、有形の媒体において具現化されたプログラムコード(即ち、命令)の形態を取ってもよく、ここで有形の媒体とは、フロッピー(登録商標)ディスク、コンパクトディスク読み出し専用メモリ(CD−ROM)、ハードドライブ、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体、又は他の任意のマシン可読記憶媒体のようなものであり、ここでプログラムコードがコンピュータのようなマシンにロードされ、且つこのマシンによって実行される場合、マシンは様々な技術を実践するための装置となる。回路は、ハードウェア、ファームウェア、プログラムコード、コンピュータ命令、及び/又はソフトウェアを含むことが可能である。非一時的なコンピュータ可読記憶媒体は、信号を含まないコンピュータ可読記憶媒体であり得る。プログラム可能なコンピュータ上のプログラムコード実行の場合には、コンピューティングデバイスは、プロセッサ、プロセッサによって可読な記憶媒体(揮発性メモリ及び不揮発性メモリ、並びに/又は記憶素子を含む)、少なくとも1つの入力デバイス、及び少なくとも1つの出力デバイスを含んでもよい。揮発性メモリ及び不揮発性メモリ、並びに/又は記憶素子は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、消去可能でプログラム可能な読み出し専用メモリ(EPROM)、フラッシュドライブ、光ドライブ、磁気ハードドライブ、ソリッドステートドライブ、又は電子データを格納するための他の媒体であってもよい。ノード及びワイヤレスデバイスはまた、トランシーバモジュール(即ち、トランシーバ)、計数器モジュール(即ち、計数器)、処理モジュール(即ち、プロセッサ)、及び/又はクロックモジュール(即ち、クロック)又は時計モジュール(即ち、時計)を含んでもよい。本明細書で説明される様々な技術を履行する、又は利用するかもしれない、1つ以上のプログラムは、アプリケーション・プログラミング・インターフェース(API)、再利用可能な制御部などを使用してもよい。そのようなプログラムは、コンピュータシステムと通信するための、高水準手順のプログラミング言語、又はオブジェクト指向のプログラミング言語において履行してもよい。しかしながら、プログラム(複数可)は、必要ならば、アセンブリ又はマシン言語において履行してもよい。いずれの場合も、言語は、コンパイル言語又はインタプリタ言語であってもよく、且つハードウェア履行と結合してもよい。
【0068】
理解されるべきことであるが、この明細書で説明される機能的ユニットの多くは、モジュールと呼ばれてきたが、これは、それらの履行独立性を特に強調するためである。例えば、モジュールは、ハードウェア回路として履行してもよく、ここでハードウェア回路は、特注の超大規模集積(VLSI)回路又はゲートアレイ、ロジックチップのような既製の半導体、トランジスタ、又は他のディスクリート構成要素を備える。モジュールはまた、フィールド・プログラマブル・ゲートアレイ、プログラマブル・アレイ・ロジック、プログラマブル・ロジック・デバイスなどのような、プログラマブル・ハードウェア・デバイスにおいて履行してもよい。
【0069】
モジュールはまた、様々な型のプロセッサによって実行するための、ソフトウェアにおいて履行してもよい。実行可能なコードの識別されたモジュールは、例えば、1つ以上の物理的又は論理的なブロックのコンピュータ命令を備え、これらは、例えば、オブジェクト、手続き、又は機能として組織化してもよい。にもかかわらず、識別されたモジュールの実行可能なものは、物理的に一緒に位置する必要はなく、しかし異なる場所に格納された異種の命令を備えてもよく、これらの命令は、論理的に一緒に結合される場合、モジュールを備え、且つモジュールに対して決められた目的を達成する。
【0070】
実際に、実行可能なコードのモジュールは、単一の命令又は多くの命令であってもよく、且つ幾つかの異なるコードセグメントにわたって、異なるプログラムの間に、及び幾つかのメモリデバイスにまたがって、分布することさえあってもよい。同様に、動作的データは、モジュール内で識別すると共にモジュール内のそこに例示してもよく、且つ任意の適切な形で具現化し、且つ任意の適切な型のデータ構造の中で組織化してもよい。動作的データは単一データセットとして収集してもよく、又は異なる記憶デバイスにわたることを含めて、異なる場所にわたって分散させてもよく、且つ少なくとも部分的には、システム上又はネットワーク上の電子信号としてのみ存在してもよい。モジュールは、望ましい機能を実施できるエージェントを含めて、受動的又は能動的であってもよい。
【0071】
この明細書を通して「実施例」又は「代表的な」についての言及は、次のことを意味する。即ち、実施例に関連して説明される特別な特徴、構造、又は特性は、本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれる、ということである。従って、この明細書を通して様々な箇所で、「実施例において」という句、又は「代表的な」という単語が現れるが、これは、必ずしも同じ実施形態を全て指すということではない。
【0072】
本明細書で使用されるように、複数の項目、構造的要素、組成的要素、及び/又は材料は、便宜上、共通のリストで提示してもよい。しかしながら、これらのリストは、あたかもリストの各要素が、個々には別々の要素、しかも一意的な要素として識別されると解釈されるべきである。従って、そのようなリストの個々の要素は、反対の指示無しに、共通グループの中でのそれらの提示に基づくだけで、同じリストの他の任意の要素の事実上の等価物として解釈されるべきではない。加えて、本発明の様々な実施形態及び実施例は、これらの様々な構成要素に対する代替物と共に、ここに参照してもよい。理解されることであるが、そのような実施形態、実施例、及び代替例は、お互いの事実上の等価例と解釈されるべきではなく、本発明の別々の表現、しかも自律した表現と考えられるべきである。
【0073】
更に、説明された特徴、構造、又は特性は、1つ以上の実施形態において、任意の適切なやり方で組み合わせてもよい。以下の説明では、本発明の実施形態を完全に理解するために、配置、距離、ネットワーク例などの実施例のような、数多くの特定の詳細が提供されている。[0]しかしながら、関連技術における当業者は、1つ以上の特定の詳細がなくても、又は他の方法、構成要素、配置などを用いることで、本発明が実施され得ることを認識するであろう。他の事例において、良く知られた構造、材料、又は動作は、図示されない又は詳細に説明されないが、これは、本発明の不明瞭な側面を避けるためである。
【0074】
前述の実施例は、1つ以上の特別な応用において本発明の原理を例示している一方で、創意ある才能を行使することなく、また本発明の原理及び概念から外れることなく、形態、用途、及び履行の詳細において数多くの変更例が創作され得ることは、当業者にとって明らかであろう。よって、本発明は、以下に明記される請求項による内容以外には、制限されないことを意図している。